JP3693887B2 - 高密配線プリント基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板に関するもので、特にボックス型コネクタを基板上に実装した高密配線プリント基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属ケースに収容されたボックス型コネクタをプリント基板上に実装する場合、一般的には、金属ケースと配線パターンとの接触によるショートをさけるため、配線ビアを介して配線パターンを基板内層に落とし、ボックス型コネクタの信号ピンと接続する手法が採用されている。
図3および図4は上記従来技術による、ボックス型コネクタを実装したプリント基板の一例を示す平面図および断面図である。尚、図4に示す構成要素のうち、図3と同一の構成要素を示すものには、同一の符号を付して説明を省略若しくは簡単に説明する。
図3および図4において、前記プリント基板は、配線領域として基板表面層107、基板第2層113、基板第3層114および基板裏面層を有する基板108と、該基板108上に実装された、金属ケース109および信号ピン112、116を含む4本の信号ピンを有するボックス型コネクタ101と、該基板108上に実装された部品111、116を有する構成である。前記部品111は前記信号ピン112と基板第2層113においてビア117経由の配線パターン110によって接続され、前記部品115は前記信号ピン116と基板第3層114においてビア119経由の配線パターン118によって接続された状態である。
【0003】
上記の従来技術では、配線エリア104に実装された前記部品111と、配線エリア105内の前記信号ピン112を接続する配線パターンを形成する場合、前記ボックス型コネクタの金属ケース109があるために、配線パターン110は前記金属ケース109との接触を避けるため、ビア117を介して基板第2層113にて信号ピン112に接続している。
また、前記部品115と前記信号ピン116との接続においては、前記基板第2層113は前記配線パターン110が使用しているため、前記部品115と前記信号ピン116を結ぶ配線パターン118は基板第3層114を使用して形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記プリント基板のように配線パターンと金属ケースの接触を避けて、基板内層からの配線パターン引き出しを行う手法では、配線パターンを表面層に形成できないという問題がある。
さらに、配線パターンを基板内層に落とすためのビアとボックス型コネクタの金属ケースの間に一定距離を確保する必要があり、結果としてボックス型コネクタの基板専有面積が大きくなり、基板サイズが小型化されている現在の高密配線設計では実用的ではないという問題がある。
【0005】
上記課題を解決する方法として、工場におけるボックス型コネクタ実装時に、基板とボックス型コネクタの金属ケースの接触部分にシールを貼り、前記基板と前記金属ケースを絶縁する手法が知られている。この手法によれば、基板表面層における配線パターンが可能になり、高密配線化が実現できる。しかしながら、ボックス型コネクタ実装時に人手によってシールを貼る点において新たに作業が追加されてしまうため、工数が増える事による工場でのコストアップが避けられないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ボックス型コネクタを実装したプリント基板にあって、該プリント基板の基板表面層において配線パターンを形成する事による高密配線化を低コストで実現する事ができる高密配線プリント基板を提供する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するために、本発明では以下のような構成を採用した。
金属ケースに収容された信号ピンを有するコネクタを実装した高密配線プリント基板であって、前記プリント基板は前記金属ケースを実装している基板表面層と基板内層とからなり、前記基板表面層と前記金属ケースとの接触部において前記基板表面層上に絶縁部を設け、前記基板表面層上の部品と前記金属ケースに収容された前記信号ピンとを接続する配線パターンが、前記基板表面層及び前記基板内層に形成されていることを特徴とする高密配線プリント基板。
【0008】
金属ケースに収容された信号ピンを有するコネクタを実装した高密配線プリント基板において、前記プリント基板は、前記金属ケースを実装している基板表面層と、少なくとも2層以上の基板内層とからなり、前記基板表面層と前記金属ケースとの接触部において前記基板表面層上に絶縁部を設け、前記基板表面層上の少なくとも2以上の部品と前記コネクタの前記信号ピンとを接続する配線パターンが前記基板表面層及び前記基板内層に形成されていることを特徴とする高密配線プリント基板。
【0009】
あるいは、前記高密配線プリント基板において、前記ボックス型コネクタへ接続する配線パターンを前記絶縁部の下を通過させて形成したことを特徴とする高密配線プリント基板。
【0010】
あるいは、前記高密配線プリント基板において、前記ボックス型コネクタへ接続する配線パターンを前記プリント基板の基板表面層に形成した事を特徴とする高密配線プリント基板。
【0011】
あるいは、前記高密配線プリント基板において前記ボックス型コネクタへ接続する配線パターンを前記基板表面層および基板内層に形成した事を特徴とする高密配線プリント基板。
【0012】
あるいは、前記高密配線プリント基板において、前記ボックス型コネクタの信号ピンへの配線パターンを、基板表面層において前記ボックス型コネクタの2つ以上の側面から行う事を特徴とする高密配線プリント基板。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して詳細に説明し、本発明の効果を明確にする。ただし、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0014】
本発明の一実施形態としての高密配線プリント基板を図1および図2に示す。
尚、図2に示される構成要素のうち図1と同一の構成要素を示すものには同一の符号を付して説明を省略、若しくは簡単に説明する。
図1は本発明に係る高密配線プリント基板の平面図を示しており、基板8上に、絶縁(印刷)部3、部品11、15、20、21が実装された構成である。部品11は配線パターン10と、部品15はビア17を介して配線パターン18と、部品21は配線パターン23と、それぞれ接続されている。尚、符号2はボックス型コネクタの金属ケースとプリント基板が接触する部分を示す。
【0015】
図2に、図1に示す前記高密配線プリント基板にボックス型コネクタを実装した状態の部分断面図を示す。
基板8上に、金属ケース9と該金属ケース9に収容された信号ピン12、16を含む4本の信号ピンを有するボックス型コネクタ1が実装されており、前記信号ピン12には、部品11が配線パターン10を介して基板表面層7において接続され、信号ピン16には部品15がビア17経由の配線パターン18を介して基板第2層13において接続されている。
前記絶縁部3により基板表層の配線パターン10は、金属ケース9と絶縁されるため、部品11のある配線エリア4からピン12がある配線エリア5への基板表面層7におけるパターン形成を実現している。
【0016】
以下に、本発明の利点を図2、図4を参照して、従来技術と比較しながら詳細に説明する。
図2に示す接触点6の構成においては、金属ケース9から順番に絶縁部3、配線パターン、基板8の接触関係であり、絶縁部3が金属ケース9と配線パターン10との間にある事により、金属ケース9と配線パターン10の接触を防ぐ役目を果たしている。
一方、図4に示す従来技術の接触点106の構成においては、金属ケース109が直接基板108と接触する構造となっているため、表面層107において配線パターンを形成しようとすると金属ケース109と配線パターン110が接触する事となりショートしてしまうことになる。このため金属ケース109を避け、基板第2層113、第3層114を利用してボックス型コネクタ101への配線パターンを形成している。
【0017】
このように、本発明に係るプリント基板においては、絶縁部3を設けた事により金属ケース9と配線パターン10とのショートを防止すると共に、基板表面層7においての部品11とピン12を接続する配線パターンの形成が実現するため、配線パターンの高密化が実現できる。
【0018】
上記では、基板表面層7での配線が実現できる事について説明したが、さらに、基板第2層13、第3層14でもパターン形成を実現できる事を図2、図3を用いて従来技術と比較しながら以下に詳細に説明する。
図2に示す前記高密配線プリント基板においては、絶縁部3によって部品11から信号ピン12への基板表面層7に形成した配線パターン10を保護している。そのため、部品15から信号ピン16への配線パターン18はビア17を介して基板第2層13で接続している。
【0019】
比較して、図3に示す従来技術のプリント基板においては、基板第2層113はすでに配線パターン110が形成されているため、配線パターン118は基板第2層113を使用できない。そのため部品115と信号ピン116とを接続する配線パターン118は、ビア119を介して第3層114に配線したのち、第3層114を利用して形成されている。
【0020】
以上より、本発明によれば、部品15から信号ピン16への配線が基板第2層までを利用して実現できるため、従来技術と比較して部品への接続に使用する基板層が少なくなる。
これにより、例えば図2に示す部品20へのパターンの配線領域として基板第3層14が使用でき、さらなる配線の高密化が可能である。
【0021】
上記において、基板表面層7での配線、基板第2層13、基板第3層14での高密配線を説明したが、図1に示すように絶縁部3を金属ケース9と基板8の接触部2の外形面M1、M2、M3、M4の全てを包含するように印刷した場合において、前記配線パターン10と同様に、部品21から信号ピン22に接続される配線パターン23も前記接触部の外形面M1を通過して基板表面層7での配線が可能となる。この場合においても基板内層面は全て利用可能であるので、さらなる配線の高密化が可能となる。
勿論、金属ケース9と基板8の接触部2の外形面全てを通じて基板表面層7で配線パターンを形成し、かつ基板内層面も利用して配線パターンを形成するという格別な高密配線も可能である。
【0022】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明のプリント基板は、ボックス型コネクタと基板との接触部に絶縁部を設ける事により、前記絶縁部が基板表面層と前記ボックス型コネクタの金属ケースと接触を防止できるため、基板表面層における配線パターンを実現することができる。
さらに、本発明のプリント基板は、前記表面層に加え基板内層も配線パターンに利用することにより、従来より多くの層における配線パターン形成を可能にし、配線パターンの高密化を実現する事ができる。
特に、本発明のプリント基板は、基板表面層において、ボックス型コネクタの複数の側面からのパターン形成を利用し、基板表面層における配線パターンの高密化を可能にし、さらなる配線パターンの高密化を実現する事ができる。
【0023】
また、本発明のプリント基板は、基板上に絶縁部を設けたため、プリント基板製造時に同時に絶縁部の形成が可能であることから、工場における工数増加、コスト増加を伴うことなくプリント基板の高密配線を実現した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明に係る高密配線プリント基板の平面図である。
【図2】 図2は本発明に係る高密配線プリント基板の部分断面図である。
【図3】 図3は従来の技術を用いたプリント基板の一例を示す平面図である。
【図4】 図4は従来の技術を用いたプリント基板の一例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1…ボックス型コネクタ
2…基板と金属ケースとの接触エリア
3…絶縁部
4、5…配線エリア
6…基板と金属ケースの接触点
7…基板表面層
8…プリント基板
9…金属ケース
10、18、23…配線パターン
11、15、20…部品
12、16、22…信号ピン
13…基板第2層
14…基板第3層
Claims (6)
- 金属ケースに収容された信号ピンを有するコネクタを実装した高密配線プリント基板であって、
前記プリント基板は前記金属ケースを実装している基板表面層と基板内層とからなり、
前記基板表面層と前記金属ケースとの接触部において前記基板表面層上に絶縁部を設け、前記基板表面層上の部品と前記金属ケースに収容された前記信号ピンとを接続する配線パターンが、前記基板表面層及び前記基板内層に形成されていることを特徴とする高密配線プリント基板。 - 金属ケースに収容された信号ピンを有するコネクタを実装した高密配線プリント基板において、
前記プリント基板は、前記金属ケースを実装している基板表面層と、少なくとも2層以上の基板内層とからなり、
前記基板表面層と前記金属ケースとの接触部において前記基板表面層上に絶縁部を設け、前記基板表面層上の少なくとも2以上の部品と前記コネクタの前記信号ピンとを接続する配線パターンが前記基板表面層及び前記基板内層に形成されていることを特徴とする高密配線プリント基板。 - 前記コネクタへ接続する配線パターンを前記絶縁部の下を通過させて形成したことを特徴とする請求項1または2記載の高密配線プリント基板。
- 前記コネクタへ接続する配線パターンを、前記絶縁部の下を通過させて前記プリント基板の基板表面層において形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の高密配線プリント基板。
- 前記コネクタへ接続する配線パターンを前記基板表面層および基板内層に形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高密配線プリント基板。
- 前記コネクタへ接続する2本以上の配線パターンを、いずれも前記基板表面層に形成したことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の高密配線プリント基板。
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