JP3692322B2 - 折帖搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、折帖を搬送する折帖搬送装置に関し、特に、折機のチョッパ折部への搬送や羽根車への搬送に用いて好適の折帖搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図23は一般的な輪転機に設けられる従来の折機の概略構成を示す図である。印刷ユニット部において印刷を終えたウェブ57は、横幅方向中央において裁断或いは2つ折された状態で折機に搬入される。そして、ニッピングローラ58,59に狭持されながら折部、すなわち咥え胴55と折胴66の中間へ送り込まれ、所定位置にて幅方向に切断されるとともに中央で横折されて折帖1となる。折帖1は、咥え胴55の爪装置にて把持されて一対の上側,下側搬送ベルト2,3の間に受け渡される。
【0003】
上側,下側搬送ベルト2,3は折帖1を挟持して排紙装置54へ搬送する搬送手段であり、それぞれ複数のガイドローラ45によって案内されている。上側,下側搬送ベルト2,3による折帖1の排紙装置54への搬送途中には、チョッパ折部7が設けられている。チョッパ折部7は折帖1の加工形態に合わせて作動を選択できるようになっており、チョッパ折部7を作動させない場合には、折帖1は上側,下側搬送ベルト2,3によって排紙装置54の羽根車40に投入される。
【0004】
排紙装置54は、上記羽根車40と排紙コンベヤ53とを備えている。羽根車40は、複数枚のブレード(羽根)40aにて構成され、幅方向に複数列配置されている。羽根車40で受け取られた折帖1は所定のピッチで排紙コンベヤ53上に移載され、屋根瓦状に積み重ねられて外部へ搬出される。羽根車40の回転速度は咥え胴55から上側,下側搬送ベルト2,3への折帖1の投入速度に対応しており、羽根車40の速度と排紙コンベヤ53の走行速度比によって排紙コンベヤ53上に整列される折帖1の積重ピッチが決定される。
【0005】
一方、チョッパ折部7を作動させる場合には次のような動作となる。ここで、図24,図25は折機のチョッパ折部の一般的な構成を示す模式図である。図25に示すように、上側搬送ベルト2は幅方向に複数に分割して形成されており、図示しないが下側搬送ベルト3も上側搬送ベルト2に対応して幅方向に複数に分割して形成されている。上側搬送ベルト2,下側搬送ベルト3は折帖1の搬送ラインの上下を等速で走行しており、折帖1はこれら上側,下側搬送ベルト2,3間に挟持されながらチョッパ折部7へ搬送されるようになっている。
【0006】
チョッパ折部7には、ストッパ4とブレード5とが上側搬送ベルト2の上方にそれぞれ配設されている。ストッパ4は、チョッパ折部7における折帖1の下流側端の位置を規制するものであり、折帖1の搬送方向に対して直角に向けられて配設されている。ストッパ4は、上側搬送ベルト2,2間及び下側搬送ベルト3,3間の各隙間に対応して設けられた複数の係止部4aを備えており、これら各係止部4aが上側搬送ベルト2,2間及び下側搬送ベルト3,3間の各隙間に挿入され、上側,下側搬送ベルト2,3により狭持されて搬送されてくる折帖1の前端と当接することによって、折帖1が位置決めされるようになっている。一方、ブレード5は、ストッパ4の上流側において折帖1の搬送方向に平行に向けて折帖1の搬送ラインの略中央に配設されている。そして、上側搬送ベルト2の上方から上側搬送ベルト2,2間及び下側搬送ベルト3,3間の隙間へ振り下ろされるようになっている。ブレード5は図示しないアームの先端に取り付けられており、このアームが回動することによって折帖1へ向けて揺動するようになっている。
【0007】
このような構成により、折部から搬出された折帖1は、上側,下側搬送ベルト2,3により上下を挟まれながらチョッパ折部7へ搬送される。そして、折帖1が所定位置に達した時点でストッパ4が作動し、各係止部4aを上側搬送ベルト2,2間及び下側搬送ベルト3,3間の各隙間に挿入する。上側,下側搬送ベルト2,3により搬送されてきた折帖1は、ストッパ4の係止部4aに当接して停止するが、この折帖1がストッパ4に当接する直前のタイミングで図示しないアームが作動し、ストッパ4により位置決めされた折帖1へ向けてブレード5が振り下ろされる。
【0008】
上記のブレード5の振り下ろしによって、折帖1は下側搬送ベルト2の下に配設されたテーブル6の隙間に押し込まれながら2つに折り畳まれる。ところが、このブレード5による折り畳み時に上側,下側搬送ベルト2,3による折帖1の搬送力が保持されている場合には、折帖1はその前端をストッパ4に押し付けられながらテーブル6に押し込まれることになるため、ストッパ4との当接部において紙破れや傷が発生して折精度が低下する可能性がある。
【0009】
このような不具合に対し、例えば、特許2786617号公報に開示された従来の折帖搬送装置では、図26(a)に示すように上側搬送ベルト2が巻回されるガイドプーリ30をアクチュエータ(シリンダ)31によって昇降可能に構成したり、或いは、図27(a)に示すようにガイドプーリ30に偏心軸32を備えたりすることによって、折帖1がストッパ4へ当接する直前のタイミングでガイドプーリ30を上昇させるようにしている。
【0010】
このようにガイドプーリ30が上昇することによって上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト3との間に隙間が形成されるので、上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト3との間の折帖1の挟持力が解除されることになり、折帖1の搬送力は折帖1がストッパ4へ当接する前後において低下する。したがって、特許2786617号公報に開示された従来の折帖搬送装置によれば、ブレード5により折帖1に折曲げ力を作用させた場合でも、折帖1の前端がストッパ4に押し付けられながらテーブル6に押し込まれるようなことはない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術のように、上側搬送ベルト2を案内するガイドプーリ30を上昇させて上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト3との間に隙間を形成することは、折帖1の搬送力を低下させてストッパ4との当接部における折帖1の紙破れや傷の発生等の不具合を防止する上で有効である。
【0012】
しかしながら、上記のようにガイドプーリ30をアクチュエータ31や偏心軸32を用いて昇降させる場合には、次のような課題がある。
まず、図26(a)に示すようにアクチュエータ31を用いてガイドプーリ30を昇降させる場合には、ガイドプーリ30を昇降させるタイミングを折帖1の搬送に対して合わせる必要がある。しかしながら、アクチュエータ31は電気的制御によって作動するため、図26(b)のタイムチャート中に破線で示すように、動作開始時に必要とされる動作(図中に実線で示す)に対して電気的制御に伴う若干の制御遅れが生じてしまう。また、アクチュエータ31にはガイドプーリ30の重さに応じた大きな慣性負荷が加わるため、この慣性負荷による動作遅れも生じてしまう。このようにガイドプーリ30の昇降動作に遅れが生じると、折帖1の搬送力を低下させるタイミングがずれてしまい、チョッパ折時に折帖1の紙破れや傷の発生等の不具合が発生してしまう可能性がある。
【0013】
また、上述のようにアクチュエータ31にはガイドプーリ30の重さに応じた慣性負荷が加わるため、高速で昇降させる場合には多大なパワーを要し、装置構成が大掛かりなものになってしまう。また、慣性の大きいガイドプーリ30を高速で昇降させる場合にはガイドプーリ30に振動が発生する虞があり、このガイドプーリ30の振動は折帖1の搬送状態に悪影響を及ぼしてしまう。つまり、アクチュエータ31を用いる場合には高速化には限度があり、生産性を大きく上げることは難しい。
【0014】
さらに、油圧シリンダ等のアクチュエータ31は基本的にはオン−オフ制御であるため、ガイドプーリ30を特定の中間位置で保持することはできない。アクチュエータ31の目的をチョッパ折時に折帖1の搬送力を低下させることに限定するならば、ガイドプーリ30を中間位置で保持することの必要性は低いが、仮に折帖1の搬送力を細かく制御する要求が生じた場合には、ガイドプーリ30を特定の中間位置で保持する必要が生じることになる。この場合、アクチュエータ31を多段に連結すれば特定の中間位置を実現することも可能ではあるが、装置が大掛かりになるため現実的ではなく、アクチュエータ31の慣性負荷もさらに大きくなってしまう。
【0015】
一方、図27(a)に示すように偏心軸32を用いてガイドプーリ30を昇降させる場合には、図27(b)のタイムチャート中に破線で示すように、ガイドプーリ30は一定位置に静止することなく偏心軸32を中心に絶えず正弦波を描いて昇降することになる。このため、ガイドプーリ30に案内される上側搬送ベルト2もガイドプーリ30にとともに絶えず昇降することになり、下限位置や上限位置に上側搬送ベルト2を保持することができない。このため、搬送中に上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト3との間の折帖1の挟持力が変動し、折帖1の搬送不良を招く虞がある。
【0016】
また、偏心軸32を用いる場合、ガイドプーリ30の一回転によって上側搬送ベルト2が一往復することになるので、上側搬送ベルト2の昇降動作をチョッパ折動作に連動させるためには、ガイドプーリ30の径は折帖1の搬送ピッチによって自ずと決まってしまう。ガイドプーリ30は偏心軸32によって偏心しているため高速回転すると振動が発生する可能性あるが、上述のようにガイドプーリ30の径は折帖1の搬送ピッチにより決まるために大径化によって回転速度を抑えることもできない。つまり、偏心軸32を用いる場合には高速化にも限度があり、生産性を大きく上げることは難しい。
【0017】
以上はチョッパ折部7を作動させる場合における従来の折帖搬送装置の課題であるが、従来の折帖搬送装置には、チョッパ折部7を作動させない場合にも次のような課題があった。すなわち、従来の折帖搬送装置では、折部から搬出された折帖1を上側,下側搬送ベルト2,3により搬送して羽根車40に投入するが、上側,下側搬送ベルト2,3は共に一定速度で回転しているために、搬送速度を上げるとその分、羽根車40への投入速度も高くなってしまう。
羽根車40への投入速度が高い場合には、投入した折帖1が羽根車40のブレード間の底部に激突して折帖1に傷や変形が生じたり、破損したりする等の不具合が発生し、折帖1の製品品質を低下させてしまう。また、羽根車40上での折帖1の支持姿勢が不安定になるため、羽根車40から排紙コンベヤ53に受け渡された折帖1の整列状態に乱れが生じてしまう。折帖1の時間あたり生産枚数を増やすためには、上側,下側搬送ベルト2,3による折帖1の搬送速度を上げる必要があるが、上記のような不具合のために高速運転はできず、生産性を大きく上げることは困難であった。
【0018】
なお、羽根車40への折帖1の投入速度を下げる方法として、上側,下側搬送ベルト2,3の下流に低速の搬送ベルトを配置し、上側,下側搬送ベルト2,3から低速搬送ベルトを介して羽根車40に折帖1を投入する方法が考えられる。しかしながら、この場合は、上側,下側搬送ベルト2,3から低速搬送ベルトへ折帖1を受け渡す際に折帖1の搬送姿勢が乱れてしまい、折帖1が羽根車40へ乱れた姿勢のまま投入されてしまうため、折帖1の破損や排紙コンベヤ53上での整列状態の乱れ等の不具合はなお生じてしまう。
【0019】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、折帖を挟持する挟持力を的確に制御できるようにした折帖搬送装置、加えて、挟持力を的確に制御することにより搬送姿勢を乱すことなく折帖の搬送速度を調整できるようにした折帖搬送装置を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、折機のチョッパ折部に折帖を搬送する際の折帖の確実な搬送を可能にするとともに、チョッパ折部においてストッパにより位置決めしながらブレードにより折り込む時の折帖の破損を防止できるようにした折帖搬送装置を提供することを第2の目的とする。
【0020】
また、本発明は、折部から羽根車までの折帖の搬送速度を低下させることなく、低速度で且つ安定した姿勢で折帖を羽根車に投入できるようにした折帖搬送装置を提供することを第3の目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の第1の目的を達成するために、本発明の折帖搬送装置(第1の折帖搬送装置)は、折帖を挟持して搬送する一対の搬送ベルトと、上記一対の搬送ベルトの何れか一方を案内する一又は複数のカムローラとを備え、カムローラに回転中心から表面までの距離の異なる複数の表面部を備えたことを特徴としている。
【0022】
これにより、カムローラが上記一対の搬送ベルトの一つを案内する場合、搬送ベルト(以下、案内側搬送ベルトという)と係合している表面部の回転中心から表面までの距離によって、案内側搬送ベルトと折帖の搬送ラインを挟んだ相手側の搬送ベルト(以下、相手側搬送ベルトという)との距離が調整されることになる。つまり、カムローラと案内側搬送ベルトとの係合関係によって上記一対の搬送ベルトが折帖を挟持する挟持力が制御されることになる。
【0023】
例えば、カムローラが上記一対の搬送ベルトの外側に配設されて上記一対の搬送ベルトの一つを案内する場合、回転中心から表面までの距離が比較的長い表面部が係合しているときには、案内側搬送ベルトが相手側搬送ベルト側へ押し付けられ、折帖は上記一対の搬送ベルト間に比較的強い挟持力で挟持されることになる。一方、回転中心から表面までの距離が比較的短い表面部が係合しているときには、案内側搬送ベルトは相手側搬送ベルトから離隔させられ、折帖は上記一対の搬送ベルト間に比較的弱い挟持力で挟持される(或いは、挟持力を解放される)ことになる。
【0024】
また、カムローラが上記一対の搬送ベルトの内側に配設されて上記一対の搬送ベルトの一つを案内する場合、回転中心から表面までの距離が比較的長い表面部が係合しているときには、案内側搬送ベルトは相手側搬送ベルトから離隔させられ、折帖は上記一対の搬送ベルト間に比較的弱い挟持力で挟持される(或いは、挟持力を解放される)ことになる。一方、回転中心から表面までの距離が比較的短い表面部が案内側搬送ベルトに係合しているときには、案内側搬送ベルトが相手側搬送ベルト側へ引き寄せられ、折帖は上記一対の搬送ベルト間に比較的強い挟持力で挟持されることになる。
本発明の折帖搬送装置(第1の折帖搬送装置)は、さらに、上記折帖の位置に対応したタイミングで上記一方の搬送ベルトを他方の搬送ベルトに押し付けて上記一対の搬送ベルトを介して上記折帖を挟持するように該複数の表面部の位相を設定されている。したがって、折帖を適切に搬送することが可能になる。
【0025】
好ましくは、上記の折帖搬送装置において、上記複数の表面部のうち少なくとも一つの表面部は回転中心から表面までの距離を一定に形成する。これにより、回転中心から表面までの距離が一定の表面部が案内側搬送ベルトに係合しているときには、折帖を上記一対の搬送ベルト間で一定の挟持力で挟持することが可能になる。なお、ここでいう回転中心から表面までの距離が一定とは、完全に一定距離であることが要求されるものではなく、折帖を上記一対の搬送ベルト間で挟持する挟持力の変動が折帖の搬送状態に影響を与えない範囲内の略一定の距離であればよい。
【0026】
また、上記の折帖搬送装置において、上記複数の表面部のうち少なくとも一つの表面部は表面形状を波状に形成するのも好ましい。これにより、この表面形状を波状に形成された表面部が案内側搬送ベルトに係合しているときには、上記一対の搬送ベルト間で折帖を挟持する挟持力を振動させたり、案内側搬送ベルトを相手側搬送ベルトに対して繰り返し着脱させたりすることが可能になる。なお、このように回転中心から表面までの距離が一定でない表面部については、「回転中心から表面までの距離が異なる」とは、回転中心から表面までの平均距離が異なっていることを意味する。
【0027】
より好ましくは、上記の折帖搬送装置において、上記複数の表面部の隣接する表面部間のうち少なくとも一つの表面部間は滑らかに接続する。なお、「表面部間を滑らかに接続する」とは、案内側搬送ベルトとの関係においては、一の表面部から隣接する表面部へ案内側搬送ベルトとの係合が切り替わるときに、案内側搬送ベルトが相手側搬送ベルトに対して滑らかに移動(昇降)するように接続されていることを意味している。これにより、高速時でも折帖の搬送状態に乱れを生じさせることなく挟持力を制御することが可能になる。
【0028】
さらに、上記の折帖搬送装置は、以上述べたように挟持力を的確に制御することができることから、以下の要素をさらに付加することによって、搬送姿勢を乱すことなく折帖の搬送速度を調整することが可能になる。すなわち、上記の構成に加えて、さらに、折帖の搬送ラインを挟む一対の速度調整ベルトを上記一対の搬送ベルトの下流側に上記一対の搬送ベルトと一部重複して配置するとともに、上記一対の速度調整ベルトの何れか一方を一又は複数のカムローラによって案内する。そして、この速度調整ベルトを案内するカムローラは、上記の搬送ベルトを案内するカムローラと同様に回転中心から表面までの距離の異なる複数の表面部を備えるとともに、搬送ベルトを案内するカムローラとは位相を異ならせる。これにより、搬送ベルトと速度調整ベルトとは異なる位相で挟持力が変化するようになる。したがって、例えば、搬送ベルトの挟持力が弱くなり速度調整ベルトの挟持力が強くなるタイミングで搬送ベルトから速度調整ベルトに折帖を受け渡すことによって、搬送ベルトと速度調整ベルトとの間に速度差がある場合にも搬送姿勢を乱すことなく滑らかに受け渡すことができる。
【0029】
また、上記の第2の目的を達成するために、本発明の折帖搬送装置(第2の折帖搬送装置)は、ストッパにより所定位置に位置決めされた折帖を昇降自在なブレードによって折帖の搬送方向に沿ってチョッパ折りするチョッパ折部を有する折機に備えられ、チョッパ折部へ折帖を搬送する折帖搬送装置において、以下の構成を備えたことを特徴としている。
【0030】
即ち、本発明の折帖搬送装置(第2の折帖搬送装置)は、複数に分かれた第1搬送ベルト及び第2搬送ベルトによって折帖を挟持して搬送するとともに、折帖の搬送ラインに対し第1搬送ベルトの外側にカムローラを配設して、カムローラによって第1搬送ベルトを案内している。カムローラには、回転中心から表面までの距離を一定に形成された一又は複数の第1表面部と、回転中心から表面までの距離を第1表面部よりも短く且つ一定に形成された一又は複数の第2表面部とを備え、さらに、第1表面部が第1搬送ベルトに係合しているときには第1搬送ベルトを第2搬送ベルト側へ押し付けて第1搬送ベルトと第2搬送ベルトとにより折帖を挟持させ、第2表面部が第1搬送ベルトに係合しているときには第1搬送ベルトを第2搬送ベルトから離隔させるように第1搬送ベルトに対するカムローラの配設位置を設定するとともに、折帖がブレードによりチョッパ折りされている間、第2表面部が第1搬送ベルトに係合するようにカムローラの位相を設定している。
【0031】
これにより、第1表面部が第1搬送ベルトに係合しているときには、第1搬送ベルトは第2搬送ベルト側へ一定の押し付け圧で押し付けられるようになり、折帖の確実な搬送が実現される。一方、第2表面部が第1搬送ベルトに係合しているときには、第1搬送ベルトが第2搬送ベルトから離隔することにより折帖に作用する搬送力が低下し、折帖がストッパに当接した時のストッパとの摩擦抵抗が低減されて折帖の破損が防止される。
【0032】
また、上記の第2の目的を達成するために、本発明の折帖搬送装置(第3の折帖搬送装置)は、上記した第2の折帖搬送装置と同様、ストッパにより所定位置に位置決めされた折帖を昇降自在なブレードによって折帖の搬送方向に沿ってチョッパ折りするチョッパ折部を有する折機に備えられ、チョッパ折部へ折帖を搬送する折帖搬送装置において、以下の構成を備えたことを特徴としている。
【0033】
即ち、本発明の折帖搬送装置(第3の折帖搬送装置)は、複数に分かれた第1搬送ベルト及び第2搬送ベルトによって折帖を挟持して搬送するとともに、折帖の搬送ラインに対し第1搬送ベルトの内側にカムローラを配設して、カムローラによって第1搬送ベルトを案内している。カムローラには、回転中心から表面までの距離を一定に形成された一又は複数の第1表面部と、回転中心から表面までの距離を第1表面部よりも短く且つ一定に形成された一又は複数の第2表面部とを備え、さらに、第2表面部が第1搬送ベルトに係合しているときには第1搬送ベルトを第2搬送ベルト側へ引き寄せて第1搬送ベルトと第2搬送ベルトとにより折帖を挟持させ、第1表面部が第1搬送ベルトに係合しているときには第1搬送ベルトを第2搬送ベルトから離隔させるように第1搬送ベルトに対するカムローラの配設位置を設定するとともに、折帖がブレードによりチョッパ折りされている間、第1表面部が第1搬送ベルトに係合するようにカムローラの位相を設定している。
【0034】
これにより、第2表面部が第1搬送ベルトに係合しているときには、第1搬送ベルトは第2搬送ベルト側へ引き寄せられ一定の押し付け圧で第2搬送ベルト側に押し付けられるようになり、折帖の確実な搬送が実現される。一方、第1表面部が第1搬送ベルトに係合しているときには、第1搬送ベルトが第2搬送ベルトから離隔することにより折帖に作用する搬送力が低下し、折帖がストッパに当接した時のストッパとの摩擦抵抗が低減されて折帖の破損が防止される。
【0035】
好ましくは、上記した第2,第3の折帖搬送装置にかかるカムローラにおいて、第1表面部から第2表面部へ(或いは第2表面部から第1表面部へ)案内側搬送ベルトとの係合が切り替わるときに、案内側搬送ベルトが相手側搬送ベルトに対して滑らかに移動(昇降)するように、第1表面部と第2表面部とを滑らかに接続する接続表面部を形成する。これにより、高速時でも折帖の搬送状態に乱れを生じさせることなく挟持力を制御することが可能になる。
【0036】
より好ましくは、上記した第2,第3の折帖搬送装置にかかるカムローラにおいて、接続表面部に回転中心から表面までの距離が一定の一又は複数の中間表面部を形成する。特に、中間表面部を複数形成する場合には、各中間表面部の回転中心から表面までの距離は、第1表面部に近い中間表面部から第2表面部に近い中間表面部にかけて段階的に短くなるように設定する。このように第1表面部と第2表面部との間に中間表面部が形成されることによって、中間表面部が案内側搬送ベルトに係合したときには第1表面部による挟持力と第2表面部による挟持力の中間の挟持力で折帖を挟持することができるので、特に高速時における挟持力の微妙な調整が可能になる。
【0037】
第1表面部及び第2表面部をカムローラの外周部に複数形成する場合は、第1表面部と第2表面部とを交互に形成し、隣接する第1表面部と第2表面部とを1組としてこれをカムローラの外周部に複数組形成するのが好ましい。これにより、カムローラが一回転する間に、第1表面部,第2表面部の形成箇所数に応じた複数の折帖が搬送されることになる。
【0038】
この場合、好ましくは、一の第1表面部から隣接する第2表面部を挟んだ次の第1表面部までの周長が折帖の搬送ピッチに等しく設定されるとともに、折帖の搬送位相に対してカムローラの位相が調整可能に構成されるようにする。これによりカムローラを第1搬送ベルトと同速度で回転させることができ、カムローラと第1搬送ベルトとの間で生じる摩擦を低減することが可能になるとともに、位相のずれによるチョッパ折精度の低下を防止することも可能になる。
【0039】
また、好ましくは、折帖の搬送ラインに対するカムローラの配設位置(カムローラが第1搬送ベルトを第2搬送ベルト側へ押し付ける、或いは引き寄せる方向における配設位置)を調整する位置調整手段を備えるようにする。これによりカムローラと第1搬送ベルトとの係合状態を調整することができ、カムローラが経年変化等により磨耗した場合でも、第1表面部が第1搬送ベルトに係合しているときに第1搬送ベルトを第2搬送ベルト側へ押し付けたときの(或いは引き寄せたとき)の力を常に一定にすることが可能になる。
【0040】
また、カムローラの回転速度を折機の機械速度とは独立して調整する回転速度調整手段を備え、回転速度調整手段によってカムローラの回転速度を調整することによって折帖の搬送位相に対するカムローラの位相が調整されるのも好ましい。これによりカムローラの位相を任意に調整することができ、カムローラが経年変化等により磨耗した場合でも、常に折帖がストッパへ当接する前後において第2表面部を第1搬送ベルトに係合させることが可能になる。
【0041】
さらに、カムローラが上記複数に分かれた第1搬送ベルトのそれぞれに対応する複数の筒形表面要素を備え、各筒形表面要素間の位相差をそれぞれ独立して調整できるように構成されているのも好ましく、さらに、各筒形表面要素の軸方向位置をそれぞれ独立して調整できるように構成されるのもより好ましい。これにより折帖に作用する搬送力(折帖を狭持する狭持力)を上記搬送ラインの幅方向について調整することが可能になる。
【0042】
また、上記搬送ラインに対して接離自在なローラをカムローラよりも第1搬送ベルトの走行方向の下流側に備えて、ローラを上記搬送ラインへ接近させたとき、ローラが第1搬送ベルトに係合して第1搬送ベルトを第2搬送ベルト側へ押し付けるように構成されるのも好ましい。これによりローラを上記搬送ラインへ接近させたときには、カムローラの位相に関係無く第1搬送ベルトを第2搬送ベルト側へ押し付ける(或いは引き寄せる)ことができるので、チョッパ折部でチョッパ折りを施さずに折帖をそのまま下流へ搬送するような場合でも常に十分な搬送力を確保でき、折帖の確実な搬送が実現することが可能になる。
【0043】
より好ましくは、カムローラの位相に連動して第1搬送ベルトの張力を一定に調整する張力調整手段を備えるようにする。これによりカムローラの位相によりカムローラと第一のベルトとの係合状態が変わった場合でも、第1搬送ベルトの張力を常に一定にすることができ、張力の変動に伴なう折帖の搬送状態の変動や第1搬送ベルトの疲労を防止することが可能になる。
【0044】
張力調整手段としては、第1搬送ベルトと係合する張力調整用カムローラとして構成されるのが特に好ましく、この場合、張力調整用カムローラは、カムローラと同一周長で且つカムローラのカムプロフィールが反転した形状のカムプロフィールを有し、カムローラと同期して回転するように構成されるのが好ましい。これにより、カムローラで生じる第1搬送ベルトの弛みを第2カムローラで吸収して第1搬送ベルトの張力を常に一定にすることが可能になる。また、張力調整用カムローラは一定回転するだけであるので、アクチュエータを用いて第1搬送ベルトを昇降させて張力を調整する場合のように慣性負荷が生じることはなく、慣性負荷による応答遅れによって折帖の搬送ピッチがずれる等の不具合が生じることはない。
【0045】
また、上記の第3の目的を達成するために、本発明の折帖搬送装置(第4の折帖搬送装置)は、折帖を外部へ搬出する排紙コンベヤと折帖を排紙コンベヤに受け渡す羽根車とを備えた折機に備えられ、羽根車へ折帖を搬送する折帖搬送装置において、以下の構成を備えたことを特徴としている。
即ち、本発明の折帖搬送装置(第4の折帖搬送装置)は、第1搬送ベルト及び第2搬送ベルトによって折帖を挟持して搬送するとともに、第1搬送ベルト及び第2搬送ベルトによる羽根車への折帖の投入部において折帖の搬送ラインを挟んで第1搬送ベルト及び第2搬送ベルトと平行に第1速度調整ベルト及び第2速度調整ベルトを設け、このうち第1搬送ベルトは第1カムローラにより、第1速度調整ベルトは第2カムローラによってそれぞれ案内している。第1カムローラ及び第2カムローラには、それぞれ、回転中心から表面までの距離を一定に形成された一又は複数の第1表面部と、回転中心から表面までの距離を第1表面部よりも短く且つ一定に形成された一又は複数の第2表面部とを備え、第1カムローラの第1表面部と第2表面部の何れか一方が第1搬送ベルトに係合しているときに第1搬送ベルトと第2搬送ベルトとにより折帖が挟持されるように第1カムローラの第1搬送ベルトに対する配設位置を設定するとともに、第2カムローラの第1表面部と第2表面部の何れか一方が第1速度調整ベルトに係合しているときに第1速度調整ベルトと第2速度調整ベルトとにより折帖が挟持されるように第2カムローラの第1速度調整ベルトに対する配設位置を設定している。そして、羽根車への折帖の投入タイミングにあわせて第1搬送ベルトと第2搬送ベルトから第1速度調整ベルトと第2速度調整ベルトに折帖の搬送手段が切り替わるように第1カムローラ及び第2カムローラの位相を設定している。
【0046】
これにより、羽根車への折帖の投入は第1速度調整ベルトと第2速度調整ベルトとにより行われるようになるので、第1速度調整ベルト及び第2速度調整ベルトの走行速度を適宜の速度に設定することで、第1搬送ベルト及び第2搬送ベルトの走行速度に関係なく折帖を安定した姿勢で羽根車へ投入することができ、羽根車に投入されたときの折帖の破損や羽根車から排紙コンベヤに折帖を受け渡したときの整列状態の乱れが防止される。
【0047】
好ましくは、第1速度調整ベルト及び第2速度調整ベルトの第1搬送ベルト及び第2搬送ベルトに対する相対速度を可変制御する速度制御手段を備える。これにより、羽根車への折帖の投入姿勢を容易に調整できるようになる。この場合、具体的には、第1速度調整ベルトや第2速度調整ベルトを駆動するモータを第1搬送ベルトや第2搬送ベルトを駆動するモータとは別に設け、前者のモータの回転速度を後者のモータとは独立に可変制御することが考えられる。或いは、第1搬送ベルトや第2搬送ベルトを駆動するモータから変速機を介して第1速度調整ベルトや第2速度調整ベルトに駆動力を伝達するように構成し、変速機の変速率を可変制御するようにしてもよい。
【0048】
第1速度調整ベルト及び第2速度調整ベルトの走行速度は、好ましくは、第1搬送ベルト及び第2搬送ベルトの走行速度よりも遅く設定する。これにより、第1搬送ベルトと第2搬送ベルトによる折帖の搬送タクトを短縮して生産効率を上げながら、第1速度調整ベルトと第2速度調整ベルトとによる羽根車への折帖の投入速度を遅くして投入姿勢を安定させることが可能になる。
【0049】
より好ましくは、第1カムローラと第2カムローラの少なくとも一方を第1搬送ベルト或いは第1速度調整ベルトの走行方向に沿って相対的位相を異ならせて複数設ける。これにより、折帖の搬送手段を第1搬送ベルトと第2搬送ベルトから第1速度調整ベルトと第2速度調整ベルトへより滑らかに切り替えることができ、折帖をより安定した姿勢で羽根車へ投入することが可能になる。
【0050】
また、第1搬送ベルト及び第2搬送ベルトをそれぞれ幅方向に複数に分割形成するとともに、第1速度調整ベルト及び第2速度調整ベルトもそれぞれ幅方向に複数に分割形成し、これら分割された第1搬送ベルトと第2搬送ベルトとの組と第1速度調整ベルトと第2速度調整ベルトとの組とを幅方向に交互に配置するようにしてもよい。これにより、折帖の搬送手段を第1搬送ベルトと第2搬送ベルトから第1速度調整ベルトと第2速度調整ベルトへ切り替える際に折帖に加わる力の変化を幅方向に均等にすることでき、切り替え時の折帖の姿勢の乱れを抑制することができる。
【0051】
この場合、第1カムローラと第2カムローラの少なくとも一方において、上記複数に分かれた第1搬送ベルト或いは第1速度調整ベルトのそれぞれに対応する複数の筒形表面要素をカムローラに備え、各筒形表面要素間の位相差をそれぞれ独立して調整できるように構成するのも好ましく、さらに、各筒形表面要素の軸方向位置をそれぞれ独立して調整できるように構成されるのもより好ましい。これにより折帖に作用する搬送力を上記搬送ラインの幅方向について調整することが可能になる。
【0052】
また、第1カムローラと第2カムローラの少なくとも一方において、隣接する第1表面部と第2表面部との間に、第1表面部と第2表面部とを滑らかに接続する接続表面部を形成する。これにより、第1表面部から第2表面部へ(或いは第2表面部から第1表面部へ)案内側ベルト(第1搬送ベルト,第1速度調整ベルト)との係合が切り替わるときに、案内側ベルトが相手側ベルト(第2搬送ベルト,第2速度調整ベルト)に対して滑らかに移動するようになり、高速時でも折帖の搬送状態に乱れを生じさせることなく挟持力を制御することが可能になる。
【0053】
この場合、より好ましくは、接続表面部に回転中心から表面までの距離が一定の一又は複数の中間表面部を形成する。特に、中間表面部を複数形成する場合には、各中間表面部の回転中心から表面までの距離は、第1表面部に近い中間表面部から第2表面部に近い中間表面部にかけて段階的に短くなるように設定する。これにより、中間表面部が案内側搬送ベルトに係合したときには第1表面部による挟持力と第2表面部による挟持力の中間の挟持力で折帖を挟持することができるので、特に高速時における挟持力の微妙な調整が可能になる。
【0054】
また、第1カムローラと第2カムローラの少なくとも一方において第1表面部及び第2表面部をカムローラの外周部に複数形成する場合は、第1表面部と第2表面部とを交互に形成し、一の第1表面部から隣接する第2表面部を挟んだ次の第1表面部までの周長を第1搬送ベルトと第2搬送ベルトによる折帖の搬送ピッチに等しく設定するとともに、折帖の搬送位相に対してカムローラの位相を調整可能に構成する。
【0055】
また、好ましくは、第1カムローラと第2カムローラの少なくとも一方において、折帖の搬送ラインに対するカムローラの配設位置を調整する位置調整手段を備えるようにする。これによりカムローラと案内側ベルトとの係合状態を調整することができ、カムローラが経年変化等により磨耗した場合でも、第1表面部が案内側ベルトに係合しているときに案内側ベルトを相手側ベルト側へ押し付けたときの(或いは引き寄せたとき)の力を常に一定にすることが可能になる。
【0056】
また、第1カムローラと第2カムローラの少なくとも一方において、カムローラの回転速度を折機の機械速度とは独立して調整する回転速度調整手段を備え、回転速度調整手段によってカムローラの回転速度を調整することによって折帖の搬送位相に対するカムローラの位相が調整されるのも好ましい。これによりカムローラの位相を任意に調整することができ、カムローラが経年変化等により磨耗した場合でも、常に折帖がストッパへ当接する前後において第2表面部を案内側ベルトに係合させることが可能になる。
【0057】
さらに、第1カムローラと第2カムローラの少なくとも一方において、カムローラの位相に連動して案内側ベルトの張力を一定に調整する張力調整手段を備えるのも好ましい。これによりカムローラの位相によりカムローラと案内側ベルトとの係合状態が変わった場合でも、案内側ベルトの張力を常に一定にすることができ、張力の変動に伴う折帖の搬送状態の変動や案内側ベルトの疲労を防止することが可能になる。張力調整手段としては、カムローラと同一周長で且つカムローラのカムプロフィールが反転した形状のカムプロフィールを有し、カムローラと同期して回転する張力調整用カムローラとして構成されるのが特に好ましい。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図4は本発明の第1実施形態としての折機の折帖搬送装置を示すものである。詳しくは、図1は折機のチョッパ折部を含めた本実施形態の折帖搬送装置の全体構成を示す概略図、図2は本実施形態の折帖搬送装置にかかるカムローラの構成を示す概略図、図3,図4はそれぞれ本実施形態の折帖搬送装置の動作説明図である。なお、図1〜図4において、前述した従来の折機と同一の部位に付いては同一の符号を付して示している。
【0059】
図1に示すように、本実施形態の折帖搬送装置は、一対の上側搬送ベルト2及び下側搬送ベルト3を備えている。上側搬送ベルト2及び下側搬送ベルト3はともに幅方向に複数に分かれて形成された無端ベルトである。上側搬送ベルト2はガイドローラ10,13及び駆動ローラ12に巻回され、下側搬送ベルト3はガイドローラ13及び駆動ローラ12に巻回されている。そして、これら上側,下側搬送ベルト2,3はそれぞれ駆動ローラ12によって回転駆動されガイドローラ10,13により案内されながら同期して回転するようになっている。折帖1は、これら上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト3との間に挟持されながら、テーブル6の上面(搬送ライン)に沿ってチョッパ折部7へ搬送されるようになっている。
【0060】
チョッパ折部7には、ストッパ4とブレード5とが上側搬送ベルト2の上方にそれぞれ配設されている。これらストッパ4及びブレード5は従来の折機と同構成であるので詳細な説明は省略するが、チョッパ折部7へ搬送されてきた折帖1は、その先端部がストッパ4に当接することにより位置決めされ、ブレード5が上方からテーブル6の隙間(図示略)に向けて振り下ろされることによって2つに折り畳まれ、折り畳まれた折帖1はテーブル6の隙間から排出されるようになっている。
【0061】
本実施形態の折帖搬送装置では、上側搬送ベルト2を案内するガイドローラ10,13のうちで、ブレード5よりも折帖1の搬送ラインの下流側であって、ブレード5に最も近接したガイドローラをカムローラとして構成している。図1に示す場合では、ストッパ4の下流側に配設されて上側搬送ベルト2をループの内側(折帖1の搬送ラインから見たときは外側)から案内するガイドローラ10がブレード5に最も近接しており、このガイドローラ10がカムローラとして構成されている。したがって、本実施形態では、上側搬送ベルト2が本発明にかかる第1搬送ベルトに相当し、下側搬送ベルト3が本発明にかかる第2搬送ベルトに相当している。
【0062】
カムローラ10は、図2(a)に示すように、回転中心Cから表面までを一定距離R1に形成された第1表面部10aと、回転中心Cから表面までの距離を第1表面部10aよりも短い一定距離R2に形成された第2表面部10bと、第1表面部10aと第2表面部10bとを滑らかに接続するように形成された接続表面部10cとを有している。図2(b)はカムローラ10のカムプロフィールを示すものであるが、図2(b)に示すように、接続表面部10cにおける回転中心Cから表面までの距離rは、第1表面部10aとの境界部における距離R1から次第に連続的に小さくなっていき、最小距離である第2表面部10aとの境界部における距離R2に達するようになっている。そして、最小距離R2から再び次第に連続的に大きくなっていき、最大距離である第1表面部10aとの境界部における距離R1に戻るようになっている。
【0063】
カムローラ10の全周長は、上側,下側搬送ベルト2,3による折帖1の搬送ピッチに等しく設定されている。また、一方の接続表面部10cから第2表面部10bを経由して他方の接続表面部10cまでの周長は、少なくとも折帖1がストッパ4に当接する直前の所定タイミングから折帖1がブレード5により2つに折り畳まれながらテーブル6の隙間に押し込まれるまでの時間と折帖1の搬送速度とで決まる長さよりも大きく設定されている。また、図2(c)に示すように、カムローラ10は軸方向に一定の断面形状で形成されており、各上側搬送ベルト2に対して同一の位相をもって係合している。
【0064】
カムローラ10の上側搬送ベルト2に対する配設位置は、次のように設定されている。すなわち、第1表面部10aが上側搬送ベルト2に係合しているときには、上側搬送ベルト2が下側搬送ベルト3側へ押し付けられ上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト3とにより折帖1が挟持され、第2表面部10bが上側搬送ベルト2に係合しているときには、上側搬送ベルト2が下側搬送ベルト3から離隔して上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト3との間に隙間が形成されるような位置に設定されている。また、カムローラ10の回転軸11には図示しない折機の駆動源(本体駆動源)から動力が伝達されるようになっており、カムローラ10は機械速度と連動して上側搬送ベルト2の走行速度に同期した周速度で回転するようになっている。そして、カムローラ10の位相(折帖1の搬送位置に対する位相)は、折帖1がストッパ4に当接する直前の所定タイミングにおいて、第1表面部10aから接続表面部10cを経由して第2表面部10bへ上側搬送ベルト2との係合面が切り替わるような設定となっている。
【0065】
次に、上記のように構成された本実施形態の折帖搬送装置の動作について、図3,図4を参照しながら説明する。まず、図3(a)に示すように折帖1がチョッパ折部7へ搬送されてきた時点では、カムローラ10はその第1表面部10aが上側搬送ベルト2に係合している。第1表面部10aが上側搬送ベルト2に係合することにより上側搬送ベルト2は下側搬送ベルト3側へ押し付けられている。この第1表面部10aと上側搬送ベルト2との係合は、図3(b)に示すように折帖1がストッパ4へ当接する直前まで維持される。この間、折帖1は上側,下側搬送ベルト2,3間に狭持されながら搬送されるが、第1表面部10aは回転中心Cから表面までを一定距離R1に形成されているので、第1表面部10aが係合している間、上側搬送ベルト2を下側搬送ベルト3側へ押し付ける押し付け力は一定に維持され、折帖1は上側,下側搬送ベルト2,3によって一定の力で狭持されながら搬送されることになる。
【0066】
そして、折帖1がストッパ4へ当接する直前の所定タイミングでカムローラ10の上側搬送ベルト2に対する係合面が第1表面部10aから接続表面部10cへ切り替わる。接続表面部10cの回転中心Cから表面までの距離rは、第1表面部10aとの境界部における距離R1から次第に小さくなっていくので、図4(a)に示すように上側搬送ベルト2は次第に上方に移動していき、上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト3との間に隙間が形成されていく。このとき、第2表面部10bと第1表面部10aを滑らかに接続するように接続表面部10cが形成されていることから、上側搬送ベルト2は下側搬送ベルト3に対して滑らかに移動(上昇)する。したがって、高速運転時でも係合面の切り替わりによって折帖1の搬送状態が乱れることはない。
【0067】
そして、カムローラ10の上側搬送ベルト2に対する係合面はやがて接続表面部10cから第2表面部10bへ切り替わり、上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト3との隙間は最大になる。これにより、上側,下側搬送ベルト2,3間での挟持により折帖1に作用する搬送力は無くなり、折帖1に作用する搬送力は下側搬送ベルト3との摩擦抵抗のみとなる。この下側搬送ベルト3との摩擦抵抗は、折帖1をストッパ4に押し当てて位置決めするための必要最小限の搬送力である。
【0068】
このように下側搬送ベルト3との摩擦抵抗によりストッパ4に押し当てられた状態で、図4(b)に示すように折帖1は上方から振り下ろされるブレード5によって2つに折り畳まれながらテーブル6の隙間に押し込まれて行く。この間、上側搬送ベルト2には第2表面部10bが係合しており、上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト3との隙間は一定に保持されるので、折帖1には上側,下側搬送ベルト2,3間での挟持に伴う搬送力は作用しない。
【0069】
そして、折帖1がテーブル6の隙間に押し込まれた後に、再び第2表面部10bから接続表面部10cを経由して第1表面部10aに上側搬送ベルト2との係合面が切り替わる。これにより、図3(a)に示すように上側搬送ベルト2は下側搬送ベルト3側に再び押し付けられるようになり、新しい折帖1が上側,下側搬送ベルト2,3により狭持されながらチョッパ折部7へ搬送されてくる。
【0070】
このように、本実施形態の折帖搬送装置によれば、折帖1がストッパ4に当接するまでの間は、折帖1は上側,下側搬送ベルト2,3により一定の力(押し付け圧)で狭持されながら搬送されるので、搬送力の変動に伴う搬送不良等の不具合が生じることはなく、折帖1を確実に搬送することができる。また、折帖1がブレード5によりチョッパ折りされている間は、上側搬送ベルト2が下側搬送ベルト3から離隔されることにより折帖1には強い搬送力が作用しないので、折帖1の前端がストッパ4に強く押し付けられながらテーブル6に押し込まれることはなく、折帖1の破損を防止することができる。したがって、本実施形態の折帖搬送装置によれば、折精度の大幅な向上により製品の品質を高めることができるとともに、搬送不良や紙詰まり等に伴う停止時間を低減することができ、折機の生産性を大きく向上させることができるという効果が得られる。
【0071】
また、本実施形態の折帖搬送装置によれば、アクチュエータを用いる場合のように電気的制御により上側搬送ベルト2を昇降させるものではないので、電気的制御に伴う制御遅れは発生しない。さらに、上側搬送ベルト2の昇降時に作用する慣性は、上側搬送ベルト2の慣性のみであるため、慣性負荷による動作遅れも限りなく小さくすることができる。すなわち、本実施形態の折帖搬送装置は高速運転に適しており、高速化による生産性の向上も図ることができる。
【0072】
次に、本発明の第2実施形態としての折機の折帖搬送装置について図5,図6を用いて説明する。本実施形態の折帖搬送装置は第1実施形態と比較してカムローラの配置に相違があり、他の構成は共通している。したがって、ここでは第1実施形態との相違点であるカムローラの配置に着目して説明し、第1実施形態と共通する部分については説明を省略する。なお、図5,図6は本実施形態の折帖搬送装置にかかるカムローラの配置とその動作を示す概略図であり、第1実施形態にかかる図3,図4に対応する図である。
【0073】
図5,図6に示すように、本実施形態の折帖搬送装置では、第1実施形態が上側搬送ベルト2を案内するガイドローラのうちの一つをカムローラとして構成していたのに対し、下側搬送ベルト3を案内するガイドローラのうちの一つをカムローラ10として構成したことを特徴としている。具体的には、下側搬送ベルト3を案内するガイドローラのうちで、ブレード5よりも折帖1の搬送ラインの下流側であって、ブレード5に最も近接したガイドローラをカムローラ10として構成している。ここでは、カムローラ10は、上側,下側搬送ベルト2,3間に配設され、下側搬送ベルト3をループの外側(折帖1の搬送ラインから見たときは内側)から案内している。本実施形態では、下側搬送ベルト3が本発明にかかる第1搬送ベルトに相当し、上側搬送ベルト2が本発明にかかる第2搬送ベルトに相当している。
【0074】
カムローラ10の構成は、第1実施形態と同様であり〔図2参照〕、回転中心Cから表面までを一定距離R1に形成された第1表面部10aと、回転中心Cから表面までの距離を第1表面部10aよりも短い一定距離R2に形成された第2表面部10bと、第1表面部10aと第2表面部10bとを滑らかに接続するように形成された接続表面部10cとを有している。また、カムローラ10の全周長は、第1実施形態と同様に折帖1の搬送ピッチに等しく設定されている。ただし、第1実施形態とは異なり、ここでは、一方の接続表面部10cから第1表面部10aを経由して他方の接続表面部10cまでの周長が、少なくとも折帖1がストッパ4に当接する直前の所定タイミングから折帖1がブレード5により2つに折り畳まれながらテーブル6の隙間に押し込まれるまでの時間と折帖1の搬送速度とで決まる長さよりも大きく設定されている。
【0075】
本実施形態では、カムローラ10の下側搬送ベルト3に対する配設位置は、次のように設定されている。すなわち、第1表面部10aが下側搬送ベルト3に係合しているときには、カムローラ10によって下方に押されることにより下側搬送ベルト3が上側搬送ベルト2から離隔して上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト3との間に隙間が形成され、第2表面部10bが下側搬送ベルト3に係合しているときには、下側搬送ベルト3がそれ自体の反発力によって上側搬送ベルト2側へ引き寄せられて上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト3とにより折帖1が挟持されるような位置に設定されている。また、カムローラ10の位相は、折帖1がストッパ4に当接する直前の所定タイミングにおいて、第2表面部10bから接続表面部10cを経由して第1表面部10aへ下側搬送ベルト3との係合面が切り替わるような設定となっている。また、本実施形態でも、カムローラ10は機械速度と連動して下側搬送ベルト3の走行速度に同期した周速度で回転するようになっている。
【0076】
次に、本実施形態の折帖搬送装置の動作について、図5,図6を参照しながら説明する。まず、図5(a)に示すように折帖1がチョッパ折部7へ搬送されてきた時点では、カムローラ10はその第2表面部10bが下側搬送ベルト3に係合している。第2表面部10bが下側搬送ベルト3に係合することにより下側搬送ベルト3は上側搬送ベルト3側へ引き寄せられている。この第2表面部10bと下側搬送ベルト3との係合は、図5(b)に示すように折帖1がストッパ4へ当接する直前まで維持される。この間、折帖1は上側,下側搬送ベルト2,3間に狭持されながら搬送されるが、第2表面部10bは回転中心Cから表面までを一定距離R2に形成されているので、下側搬送ベルト3と上側搬送ベルト2との間の密着度は一定となり、折帖1は上側,下側搬送ベルト2,3によって一定の力で狭持されながら搬送されることになる。
【0077】
そして、折帖1がストッパ4へ当接する直前の所定タイミングでカムローラ10の下側搬送ベルト3に対する係合面が第2表面部10bから接続表面部10cへ切り替わる。接続表面部10cの回転中心Cから表面までの距離rは、第2表面部10bとの境界部における距離R2から次第に大きくなっていくので、図6(a)に示すように上側搬送ベルト2は次第に下方に押されていき、上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト3との間に隙間が形成されていく。そして、カムローラ10の下側搬送ベルト3に対する係合面はやがて接続表面部10cから第1表面部10aへ切り替わり、上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト3との隙間は最大になる。これにより、折帖1に作用する搬送力は下側搬送ベルト3との摩擦抵抗のみとなる。
【0078】
下側搬送ベルト3との摩擦抵抗によりストッパ4に押し当てられた状態で、図6(b)に示すように折帖1は上方から振り下ろされるブレード5によって2つに折り畳まれながらテーブル6の隙間に押し込まれて行く。この間、上側搬送ベルト2には第1表面部10aが係合し、上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト3との隙間は一定に保持されるので、折帖1には上側,下側搬送ベルト2,3間での挟持に伴う搬送力は作用しない。
【0079】
そして、折帖1がテーブル6の隙間に押し込まれた後に、再び第1表面部10aから接続表面部10cを経由して第2表面部10bに下側搬送ベルト3との係合面が切り替わる。これにより、図5(a)に示すように下側搬送ベルト2は上側搬送ベルト2側に再び引き寄せられるようになり、新しい折帖1が上側,下側搬送ベルト2,3により狭持されながらチョッパ折部7へ搬送されてくる。
【0080】
このように、本実施形態の折帖搬送装置によれば、第1実施形態と同様に、折帖1がストッパ4に当接するまでの間は、上側,下側搬送ベルト2,3により一定の力で狭持することによって折帖1を確実に搬送することができ、折帖1がブレード5によりチョッパ折りされている間は、下側搬送ベルト3を上側搬送ベルト2から離隔して折帖1に作用する搬送力を解除するので、チョッパ折時の折帖1の破損を防止することができる。したがって、本実施形態の折帖搬送装置によっても、折精度の大幅な向上による製品の品質の向上と、搬送不良等に伴う停止時間の低減による折機の生産性の向上という効果が得られる。また、本実施形態の折帖搬送装置も、下側搬送ベルト3の昇降にカムローラ10を用いるため高速運転に適しており、高速化による生産性の向上も図ることができる。
【0081】
なお、上記した第1実施形態,第2実施形態において、第1実施形態では上側搬送ベルト2のループの内側(折帖1の搬送ラインから見たときは外側)にカムローラ10を接触させているが、上側搬送ベルト2のループの外側(折帖1の搬送ラインから見たときは内側)にカムローラ10を接触させてもよい。また、第2実施形態では下側搬送ベルト3のループの外側(折帖1の搬送ラインから見たときは内側)にカムローラ10を接触させているが、下側搬送ベルト3のループの内側(折帖1の搬送ラインから見たときは外側)にカムローラ10を接触させてもよい。
【0082】
次に、本発明の第3実施形態としての折機の折帖搬送装置について図7を用いて説明する。本実施形態の折帖搬送装置は第1,第2実施形態と比較してカムローラの構成に相違があり、他の構成は共通している。したがって、ここでは相違点であるカムローラの構成に着目して説明し、共通する部分については説明を省略する。なお、図7は本実施形態の折帖搬送装置にかかるカムローラの構成を示す概略図であり、第1実施形態にかかる図2(c)に対応する図である。
【0083】
図7に示すように、本実施形態の折帖搬送装置にかかるカムローラ15は、幅方向に複数に分かれている上側搬送ベルト2のそれぞれに対応するように複数の回転体(筒表面要素)16に分かれて形成されている。各回転体16は、前述した第1実施形態にかかるカムローラ(図2参照)と同形状(同周長,同カムプロフィール)であり、回転中心から表面まで一定距離の第1表面部、回転中心から表面までの距離が第1表面部よりも短く且つ一定の第2表面部、及び第1表面部と第2表面部とを滑らかに接続する接続表面部とを有している。また、これら回転体16は共通する回転軸14を備えており、図示しない折機の駆動源(本体駆動源)からの動力の伝達によって、上側搬送ベルト2の走行速度に同期した周速度で一体となって回転するようになっている。なお、これら回転体16の折帖の搬送位置に対する位相も第1実施形態にかかるカムローラと同様の位相に設定されている。また、各回転体16はそれぞれ独立して回転軸14の軸方向に移動可能であり(図7中矢印A参照)、且つそれぞれ独立して回転軸14の周方向に回転可能に構成されている(図7中矢印B参照)。ただし、各回転体16と回転軸14との間には相対移動を規制する機構(例えば、ストッパ等)が設けられており、この規制機構を解除しなければ回転体16は回転軸14に対して自由に相対移動できないようになっている。
【0084】
以上のような構成により、本実施形態の折帖搬送装置によれば、回転体16を回転軸14に対して周方向に回転させることにより、各回転体16,16間に位相差を持たせることができ、上側搬送ベルト2との係合面が第1表面部から第2表面部へ切り替わるタイミングを回転体16毎に細かく調整することができる。また、回転体16を回転軸14の軸方向に移動させるこができるので、各回転体16の上側搬送ベルト2との係合状態も細かく調整することができる。
【0085】
したがって、本実施形態の折帖搬送装置によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることは勿論のこと、さらに、回転体16の第1表面部から第2表面部への切替タイミングや回転体16と上側搬送ベルト2との係合状態の細かな調整により、より確実に折帖1を搬送できるとともに折帖1の破損もより確実に防止できるという効果が得られる。なお、ここでは、本実施形態を第1実施形態の変形例として説明したが、本実施形態にかかるカムローラ15を第2実施形態に適用することも勿論可能である。この場合には、第2実施形態と同様の効果に加えて、上述の本実施形態特有の効果も得ることができる。
【0086】
次に、本発明の第4実施形態としての折機の折帖搬送装置について図8を用いて説明する。本実施形態の折帖搬送装置は、第1〜第3実施形態とはカムローラの駆動機構に相違がある。したがって、ここでは相違点であるカムローラの駆動機構に着目して説明し、共通する部分については説明を省略する。なお、図8は本実施形態の折帖搬送装置にかかるカムローラの駆動機構の構成を示す概略図であるが、ここでは第3実施形態にかかるカムローラ15に本発明にかかる駆動機構を備えた場合の構成を示している。
【0087】
図8に示すように、本実施形態の折帖搬送装置は、カムローラ15の駆動源として折機の駆動源とは別の専用モータ18を備えている。この専用モータ18からの動力が回転軸14に伝達されることにより、カムローラ15(各回転体16)は折機の機械速度とは連動せずに独立して回転駆動されるようになっている。専用モータ18はインバータ等の回転速度調整手段を有しており、任意の速度でカムローラ15を回転駆動できる。
【0088】
以上のような構成により、本実施形態の折帖搬送装置によれば、カムローラ15が摩耗して径が小さくなったような場合や、カムローラ15を大きさの異なるものに交換した場合でも、カムローラ15の回転速度を調整することによって、折帖1がブレード5によりチョッパ折りされている間は第2表面部が上側搬送ベルト2に係合するようにカムローラ15の位相を調整することができる。したがって、カムローラ15の経年変化等にかかわらず上述した第3実施形態で得られる効果を略永続的に得ることができる。
【0089】
なお、このようにカムローラ15を機械速度とは別個に回転させる場合の駆動源としては、上述のような専用モータ18に限定されず、折機の駆動源を用いることも可能である。この場合、図9に示すようにカムローラ15の回転軸14と折機の駆動源19との間にハーモニックドライブ17等の変速機構(回転速度調整手段)を介装する。これにより、折機の駆動源19を用いた場合でも機械速度とは独立してカムローラ15の回転速度を調整することができる。
【0090】
次に、本発明の第5実施形態としての折機の折帖搬送装置について図10を用いて説明する。上述の第1実施形態では、チョッパ折部7に搬送された折帖1をブレード5によりテーブル6の隙間に押し込みながら折り畳む場合の動作について説明したが、折機では、チョッパ折部7で折帖1を折り畳まずに、そのまま搬送ラインに沿ってさらに下流まで搬送する場合もある。このような場合でも、カムローラ10は上側搬送ベルト2との係合面を第1表面部10aと第2表面部10bとの間で周期的に切り替えながら回転するため、折帖1がストッパ4の前後を走行するときには、第2表面部10bが上側搬送ベルト2に係合することにより、上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト3とが離隔して折帖1に作用する搬送力が低下してしまうことになる。
【0091】
そこで、本実施形態の折帖搬送装置は、このように折帖1の搬送経路を切り替えた場合でも折帖1に作用する搬送力を十分に確保できるように構成されたことを特徴としている。具体的には、経路切替時に作動して折帖1の搬送力を確保する経路切替ローラを備えたことを特徴としている。なお、図10は折機のチョッパ折部を含めた本実施形態の折帖搬送装置の全体構成を示す概略図であるが、ここでは第1実施形態の折帖搬送装置に本発明にかかる経路切替ローラを備えた場合の構成を示している。したがって、ここでは第1実施形態との相違点である経路切替ローラに着目して説明し、共通する部分については説明を省略する。
【0092】
図10に示すように、本実施形態の折帖搬送装置は、上側搬送ベルト2のループ内側でカムローラ10の下流側に、経路切替ローラ(強制押付手段)20を備えている。経路切替ローラ20は図示しない移動装置により回転自在に支持されており、図10中に二点鎖線で示す待機位置と実線で示す作動位置との間を移動するようになっている。待機位置は折帖1の搬送ラインから離れた位置であり、この位置では経路切替ローラ20が上側搬送ベルト2と常に非係合状態となるように設定されている。一方、作動位置は、折帖1の搬送ラインに接近した位置であり、経路切替ローラ20と上側搬送ベルト2とが常に係合状態となるように設定されている。特に、作動位置は、経路切替ローラ20の周面の下端部がカムローラ10の周面(第1表面部10a)の下端部よりも折帖1の搬送ラインに近づくような位置に設定されている。
【0093】
以上のような構成により、経路切替ローラ20が待機位置にあるときには、上側搬送ベルト2は第1実施形態と同様にカムローラ10の回転に応じて昇降し、折帖1に作用する搬送力もそれに応じて変化する。一方、経路切替ローラ20が作動位置にあるときには、経路切替ローラ20の周面の下端部がカムローラ10の周面の下端部よりも折帖1の搬送ラインに近づくので、上側搬送ベルト2はカムローラ10から離れて経路切替ローラ20にガイドされながら走行するようになる。これにより、上側搬送ベルト2はカムローラ10の回転にかかわらず常に一定の押し付け力で下側搬送ベルト3側に押し付けられるようになる。
【0094】
したがって、本実施形態の折帖搬送装置によれば、チョッパ折部7で折り畳まずにテーブル6の上面に沿って折帖1を搬送するときには、経路切替ローラ20を作動位置に位置させることで、カムローラ10の位相にかかわらず上側,下側搬送ベルト2,3間で折帖1を一定の力で挟持することができ、これにより十分な搬送力を確保して折帖1の確実な搬送を実現することができる。また、チョッパ折部7で折帖1を折り畳むときには、経路切替ローラ20を待機位置に位置させることで上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0095】
本実施形態では、第1実施形態の折帖搬送装置に経路切替ローラ20を適用した場合について説明したが、本実施形態の特徴部分である経路切替ローラ20は、第3,第4実施形態の特徴部分と矛盾するものではないので、第3,第4実施形態の構成に経路切替ローラを適用することも可能である。この場合は、上記の効果に加えて第3,第4実施形態で得られる効果も同様に得ることができる。また、第2実施形態のように下側搬送ベルト3のループ外側にカムローラ10を接触させて下側搬送ベルト3を昇降させる場合には、経路切替ローラ20を下側搬送ベルト3のループ内側でカムローラ10の上流側に配設することによって、カムローラ10の位相にかかわらず下側搬送ベルト3を上側搬送ベルト2側へ強制的に押し付けることが可能になる。
【0096】
また、本実施形態では強制押付手段としてローラ(経路切替ローラ)を備えたが、カムローラにより昇降される搬送ベルトを相手側の搬送ベルトに強制的に押し付けることができるものであれば、強制押付手段はローラには限定されない。例えば、摩擦抵抗の少ないシューを備え、このシューによって搬送ベルトを相手側の搬送ベルトに強制的に押し付けるようにしてもよい。
【0097】
次に、本発明の第6実施形態としての折帖搬送装置について図11を用いて説明する。本実施形態の折帖搬送装置は、カムローラにより昇降される搬送ベルトの張力を常に一定に調整する手段を備えたことを特徴としている。ここで、図11は折機のチョッパ折部を含めた本実施形態の折帖搬送装置の全体構成を示す概略図であるが、ここでは第1実施形態の折帖搬送装置に本発明にかかる張力調整手段を備えた場合の構成を示している。したがって、ここでは第1実施形態との相違点である張力調整手段に着目して説明し、共通する部分については説明を省略する。
【0098】
図11に示すように、本実施形態の折帖搬送装置は、カムローラ10の下流側に張力調整用カムローラ21を備え、カムローラ10から張力調整用カムローラ21へ上側搬送ベルト2をS字状に巻回している。張力調整用カムローラ21は、カムローラ10と同一周長で且つカムローラ10のカムプロフィールが反転した形状のカムプロフィールを有していることを特徴としている。即ち、張力調整用カムローラ21は、大径の第1表面部21aと小径の第2表面部21bと第1表面部21aと第2表面部21bとを滑らかに接続する接続表面部21cとを有している。そして、第1表面部21aがカムローラ10の第2表面部10bに対応し、第2表面部21bがカムローラ10の第1表面部10aに対応し、接続表面部21cはカムローラ10の接続表面部10cに対応している。
【0099】
張力調整用カムローラ21を回転駆動する駆動系はカムローラ10の駆動系と共用されており、張力調整用カムローラ21はカムローラ10と同期して回転するようになっている。また、張力調整用カムローラ21の上側搬送ベルト2に対する位相はカムローラ10の上側搬送ベルト2に対する位相とは逆に設定されており、カムローラ10の上側搬送ベルト2との係合面が第1表面部10aから接続表面部10cを経由して第2表面部10bに切り替わると、張力調整用カムローラ21は第2表面部21bから接続表面部21cを経由して第1表面部21aに切り替わるようになっている。
【0100】
以上のような構成により、カムローラ10が第1表面部10aから第2表面部10bに切り替わることによって上側搬送ベルト2に生じる弛みは、張力調整用カムローラ21が第2表面部21bから第1表面部21aに切り替わることによって生じる引っ張りによって吸収される。また、カムローラ10が第2表面部10bから第1表面部10aに切り替わることによって上側搬送ベルト2に生じる引っ張りは、張力調整用カムローラ21が第1表面部21aから第2表面部21bに切り替わることによって生じる弛みによって吸収される。
【0101】
したがって、本実施形態の折帖搬送装置によれば、上側搬送ベルト2の張力を常に一定値に維持することができるので、上述した第1実施形態の折帖搬送装置で得られる効果に加え、上側搬送ベルト2の張力の変動に伴なう破損や折帖1に作用する搬送力の変動を防止できるという新たな効果も得ることができる。特に、張力調整用カムローラ21はカムローラ10と同様に回転運動のみ行うので、高速で運動した場合でも慣性負荷が小さく、上側搬送ベルト2が高速で走行する場合でも十分に追従することができるという効果もある。
【0102】
なお、張力調整用カムローラ21の配設位置は、図11に示す位置に限定されるものではなく、上側搬送ベルト2の昇降に影響しない範囲内で任意の位置に配設することができる。ただし、図11に示すようにカムローラ10に近接して配設することで、上側搬送ベルト2の張力が変動する領域を最小限にすることができるという利点がある。
【0103】
また、このように上側搬送ベルト2の張力を調整する手段としては、上述のようなカムローラ21を用いたものに限定されない。例えば、上側搬送ベルト2の張力を検出する検出器と上側搬送ベルト2に張力を付与するアクチュエータとを備えて、検出した張力に基づきアクチュエータをフィードバック制御することによって上側搬送ベルト2の張力を調整するようにしてもよい。また、本実施形態では、第1実施形態の折帖搬送装置に本発明にかかる張力調整手段を適用した場合について説明したが、第2〜第5実施形態の折帖搬送装置にも適用できることは言うまでもない。この場合は、上記の効果に加えて第2〜第5実施形態で得られる効果も同様に得ることができる。
【0104】
以上、本発明の折機の折帖搬送装置について6つの実施形態を説明したが、本発明の実施形態はこれらに限定されるものではない。例えば、カムローラ10,15の形状(カムプロフィール)は図2(a),(b)に示したものに限定されるものではなく、少なくとも回転中心から表面までの距離を一定に形成された第1表面部と、回転中心から表面までの距離を第1表面部よりも短く且つ一定に形成された第2表面部とを有していればよい。そして、好ましくは第1表面部と第2表面部とを滑らかに接続する接続表面部を第1表面部と第2表面部との間に形成すればよい。
【0105】
また、上述の第1〜第6実施形態では、カムローラ10,15の全周長を上側,下側搬送ベルト2,3による折帖1の搬送ピッチに等しく設定しているが、このような設定に限定されるものではない。例えば、カムローラ10,15の全周長が折帖1の搬送ピッチよりも短い場合は、上側,下側搬送ベルト2,3の走行速度よりもカムローラ10,15の回転速度(周速度)を遅く設定することで、また、カムローラ10,15の全周長が折帖1の搬送ピッチよりも長い場合は、上側,下側搬送ベルト2,3の走行速度よりもカムローラ10,15の回転速度を速く設定することで、第1表面部と第2表面部との切り替わりのタイミングを適正化することができる。ただし、この場合にはカムローラ10,15と上側搬送ベルト2との間で速度差に伴い摩擦が生じるため、カムローラ10,15の摩耗を抑制する上ではカムローラ10,15の全周長は折帖1の搬送ピッチに等しく設定するのが好ましい。
【0106】
また、カムローラの外周部における第1表面部及び第2表面部の形成箇所は、上述の第1〜第6実施形態で示したようにそれぞれ1箇所ずつに限定されるものではない。隣接する第1表面部と第2表面部とを1組(1周期)として、例えば、図12(a)に示すカムローラ25のように2組(2周期)形成したり、図12(b)に示すカムローラ26のように3組(3周期)形成したりする等、カムローラの外周部に複数組(複数周期)形成してもよい。この場合、カムローラ25,26が一回転する間に、第1表面部25a,26a,第2表面部25b,26bの形成箇所数に応じた複数枚〔図12(a)に示す場合では2枚、図12(b)に示す場合では3枚〕の折帖1が搬送されることになる。
【0107】
また、上述の第1〜第6実施形態において、カムローラ10,15の上下方向配設位置(搬送ラインからの距離)を調整可能に構成することも好ましい。経年変化等によりカムローラ10,15が摩耗すると、それに伴い上側,下側搬送ベルト2,3間の押し付け力も変化するが、このようにカムローラ10,15の上下方向配設位置を摩耗状態に応じて調整可能に構成することで、常に一定の押し付け圧を維持することが可能になる。
【0108】
また、第1〜第6実施形態の折帖搬送装置では、ストッパ4の下流側にカムローラ10,15を配設しているが、ストッパ4の上流側にカムローラ10,15を配設することも可能である。例えば、上側搬送ベルト2或いは下側搬送ベルト3のループ内側(折帖1の搬送ラインから見ると外側)からカムローラ10を接触させる構成の場合には、図13に示すようにブレード5とストッパ4との間にカムローラ10を配設するのもよい。このような配置でも、カムローラ10の上側搬送ベルト2との係合面が第1表面部10aと第2表面部10bとの間で切り替わることにより、上側搬送ベルト2を下側搬送ベルト3に対して適宜接離させて折帖1の確実な搬送を可能にするとともにストッパ4により位置決めしながらブレード5により折り込む時の折帖1の破損を防止することができる。さらに、図示は省略するが、ブレード5の上流側にカムローラ10,15を配設することも勿論可能である。この配置であれば上側搬送ベルト2或いは下側搬送ベルト3のループ外側(折帖1の搬送ラインから見ると内側)からカムローラ10を接触させる構成にも適用でき、また、このような配置によっても上述した効果を得ることができる。
【0109】
また、本発明の折帖搬送装置は、上述のようにカムローラを用いて案内側搬送ベルトの相手側搬送ベルトに対する位置を制御するので、カムローラのカムプロフィールの設定によって、案内側搬送ベルトの相手側搬送ベルトに対する位置を任意に変化させることができるとともに、且つ任意の位置に保持することもできる。つまり、本発明の折帖搬送装置によれば、カムローラのカムプロフィールの設定によって挟持力変化パターンを容易に制御することができる。したがって、上述の各実施形態のように第1表面部と第2表面部とにより2段階に挟持力を制御するのみならず、第1表面部と第2表面部との間に回転中心からの距離が第1表面部と第2表面部との中間にある中間表面部を形成することによって、より細かく挟持力を制御することが可能になる。
【0110】
例えば、図14に示すカムローラ27のように第1表面部27aと第2表面部27bとの間に回転中心Cからの距離が第1表面部27aと第2表面部27bとの中間にあり且つ一定の中間表面部27dを形成した場合には、挟持力を3段階に制御することができる。この場合、第1表面部27aと中間表面部27dとの間、及び第2表面部27bと中間表面部27dとの間には、第1表面部27a或いは第2表面部27bと中間表面部27dとを滑らかに接続する接続表面部27cを形成するのが好ましい。これにより第1表面部27aから中間表面部27dへ、中間表面部27dから第2表面部27bへ図示しない搬送ベルトとの係合面が切り替わるときに搬送ベルトを円滑に昇降させることが可能になる。また、接続表面部27cの傾斜の設定によって、搬送ベルトの昇降速度を制御することもできる。
【0111】
図14では中間表面部を1段形成した構成について示しているが、さらに複数段の中間表面部を形成してもよい。その場合、各中間表面部の回転中心から表面までの距離は、第1表面部に近い中間表面部から第2表面部に近い中間表面部にかけて段階的に短くなるように設定するのが好ましい。このように第1表面部と第2表面部との間に複数段の中間表面部が形成されることによって、特に高速時における挟持力の微妙な制御が可能になる。
【0112】
また、本発明の折帖搬送装置においては、カムローラの各表面部は回転中心から表面までの距離が異なっていればよく、必ずしも回転中心から表面までの径を一定に形成する必要はない。例えば、表面形状が波状の表面部を備えてもよい。このように表面形状を波状に形成することで搬送ベルト間で折帖を挟持する挟持力を振動させることが可能になり、例えば案内側搬送ベルトを相手側搬送ベルトに対して繰り返し着脱させることによって折帖の搬送力を低減させることも可能になる。この場合、表面部の回転中心から表面までの距離とは表面部全体の平均距離のことを意味する。
【0113】
さらに、本発明の折帖搬送装置においては、一対の搬送ベルトに対して配設するカムローラは1つに限定されず、複数のカムローラを組み合わせて配設することも可能である。例えば、図15(a)に示すように上側搬送ベルト2,下側搬送ベルト3のそれぞれに対してカムローラ30,31を配設することも可能であるし、図15(b)に示すように一方の搬送ベルト(ここでは上側搬送ベルト2)に対して複数のカムローラ32,33を配設することも可能である。さらに、上側搬送ベルト2,下側搬送ベルト3の双方に対してそれぞれ複数のカムローラを配設することも可能である。また、図15(a),図15(b)では、搬送ベルト2,3のループ内側(折帖1の搬送ラインから見て外側)にカムローラ30,31,32,33を接触させているが、ループ外側(折帖1の搬送ラインから見て内側)に接触させることも勿論可能であり、さらに接触させる側を適宜組み合わせることもできる。このように複数のカムローラ30,31,32,33を適宜組み合わせて配設することで、より細かく且つ的確に折帖1を挟持する挟持力を制御することが可能になる。
【0114】
また、上記のように複数のカムローラ30,31,32,33を組み合わせて配設する場合、各カムローラ30,31,32,33の形状(大きさやカムプロフィール等)は同一でもよいが、それぞれ任意の形状に設定することも勿論可能である。各カムローラ30,31,32,33の形状を適宜設定することによって、さらに細かく且つ的確に折帖1を挟持する挟持力を制御することが可能になる。
【0115】
さらに、本発明の折帖搬送装置の用途は、上述した各実施形態のように折機のチョッパ折部における不具合の防止に限定されるものではない。つまり、本発明の折帖搬送装置によれば、カムローラとカムローラにより案内される搬送ベルトとの係合関係によって、搬送ベルトが折帖を挟持する挟持力を適宜制御することができるので、折帖の搬送時に搬送ベルトによる挟持力の的確な制御が要求されるような用途一般に本発明の折帖搬送装置を適用することができる。
【0116】
例えば、高速側搬送ベルトから低速側搬送ベルトへ折帖を受け渡す構造がある場合、この折帖の受渡部に本発明の折帖搬送装置を適用した場合には、折帖を受け渡す際に適宜挟持力を弱めて、折帖の受け渡しを円滑にすることが可能になる。したがって、羽根車への折帖の投入部に低速側搬送ベルトを配置し、高速側搬送ベルトから低速側搬送ベルトを介して羽根車へ折帖を投入する構造とするとともに、この折帖の受渡部に本発明を適用すれば、折部から羽根車までの折帖の搬送速度を低下させることなく、低速度で且つ安定した姿勢で折帖を羽根車に投入できるようになると考えられる。以下、折帖を羽根車に搬送する折帖搬送装置に本発明を適用した場合の実施形態(第7実施形態)について具体的に説明する。
【0117】
図16〜図18は本発明の第7実施形態としての折帖搬送装置の構造説明図であって、図16は側面図、図17は図16におけるE−E矢視平面図、図18は図17のF−F矢視拡大側面図である。図中、従来の折帖搬送装置における羽根車への投入部と共通する部品や部位、或いは、前記実施形態と共通する部品や部位については同一の符号を付してある。
【0118】
本実施形態の折帖搬送装置は、図16,図17に示すように、搬送ベルト2,3の下流端、すなわち羽根車40への折帖投入部に、折帖1の搬送ラインを挟んで一対の速度調整ベルト41,42を備えている。速度調整ベルト41,42は、搬送ベルト2,3と同様に幅方向に複数に分かれて形成された無端ベルトであり、折帖1の搬送ライン上において折帖1の搬送方向に搬送ベルト2,3と一部重複するように、装置横幅方向(つまり後述するカムローラの軸方向)に搬送ベルト2,3と交互に配設されている。
【0119】
折帖1の搬送ラインに対し上側に位置する上側搬送ベルト2は、その内側を2組のカムローラ(第1カムローラ)43,44や複数組のガイドローラ45によって案内されている。また、折帖1の搬送ラインに対し下側に位置する下側搬送ベルト3は、複数組のガイドローラ45によって案内されている。一方、折帖1の搬送ラインに対し上側に配設された上側速度調整ベルト41は、2組のカムローラ(第2カムローラ)46,47や複数組のガイドローラ45,48,50によって案内されている。ガイドローラ45,48,50のうち一つは駆動ローラ48であり、この駆動ローラ48には折機の駆動に対して独立的に駆動させることのできる単独モータ49が連結されている。この単独モータ49の回転速度を図示しない制御装置(制御手段)によって制御することで上側速度調整ベルト41の走行速度を任意に変更することができる。また、他の一つは張力調整ローラ50であり、図示しない移動装置により図中矢印方向に位置を調整できるようになっている。折帖1の搬送ラインに対し下側に位置する下側速度調整ベルト42は、複数組のガイドローラ45によって案内されている。下側速度調整ベルト42には、図示しない駆動伝達手段を介して上記速度調整ベルト41から駆動力が入力されるか、若しくは、上側速度調整ベルト41と同様に個別の単独モータが連結される。
【0120】
各カムローラ43,44,46,47は、左右のフレーム53,53に掛け渡された回転軸51,52に固設されている。これら回転軸51,52は、折帖1の搬送ラインの上側において搬送ベルト2及び速度調整ベルト41のループ内に搬送ラインに沿って配置されている。このうちカムローラ43,46は共通する軸51上に、カムローラ44,47は共通する軸52上にそれぞれ所定の位相差を持って固設されている。ここでは、カムローラ43,46間の位相差もカムローラ44,47間の位相差も180度に設定されている。なお、軸51,52間の位相差、すなわちカムローラ43,44間及びカムローラ46,47間の位相差は、0度に設定されている。
【0121】
各カムローラ43,44,46,47の形状には、第1実施形態のカムローラと同様の形状が採用されている。例えば軸52上のカムローラ44,47の形状は図18に詳細に示されているが、これらカムローラ44,47は回転中心から表面までを一定距離に形成された第1表面部44a,47aと、回転中心から表面までの距離を第1表面部44a,47aよりも短い一定距離に形成された第2表面部44b,47bと、第1表面部44a,47aと第2表面部44b,47bとを滑らかに接続するように形成された接続表面部44c,47cとを有している。軸51上のカムローラ43,46も上記カムローラ44,47と同様の形状に形成されている(図19,図20参照)。
【0122】
軸51,52の設置位置は、相手側搬送ベルト3或いは相手側速度調整ベルト42のガイドローラ45に対して上下流何れかの側に外れた位置に設定されている。これは、ともに剛体であるカムローラ43,44,46,47とガイドローラ45とによって折帖1を狭持しない様にするためである。可撓性の有るベルトとガイドローラ上ベルト又はカムローラ上ベルトとの間で折帖1を狭持することで、線接触或いは点接触による傷や幅方向の狭持力のバラツキによる折帖1の移送姿勢の乱れ等を回避することができるからである。
【0123】
次に、上記のように構成された本実施形態の折帖搬送装置の動作について説明する。折帖1は折部から搬送コンベヤ2,3に受け渡されて排紙装置まで搬送され、羽根車40のブレード40a,40a間に投入される。羽根車40に投入された折帖1は、羽根車40の回転により所定のピッチで排紙コンベヤ53上へ屋根瓦状に積み重ねられて外部へ送り出される。以下、同挙動が順次繰り返されることになるが、折部から搬送コンベヤ2,3への折帖1の投入ピッチは、各カムローラ43,44,46,47が1回転する毎に折帖1が1部搬送されるように設定されている。なお、搬送ベルト2,3の走行速度V1は折機の速度に対応して制御されている。
【0124】
ここで、図19,図20は本実施形態の折帖搬送装置の作動状態説明図であり、図19(a),図19(b),図20(a),図20(b)の順に作動状態を示している。各図中、カムローラ46,47及び上下の速度調整ベルト41,42は一点鎖線で示している。また、図21はカムローラ1回転(1サイクル)中のベルト搬送力の変動を示す図であり、図22はカムローラ1回転(1サイクル)中の折帖搬送速度の変化を示す図である。
【0125】
折帖1は、先ず図19(a)に示すように搬送ベルト2,3間に狭持された状態で羽根車40への投入部近傍まで搬送される。この間は、カムローラ43,44の第1表面部43a,44aが上側搬送ベルト2を下側搬送ベルト3側に押し下げて押圧力を付加しているので、折帖1は搬送ベルト2,3間に確実に狭持されながら搬送される。一方、上側速度調整ベルト41を案内するカムローラ46,47は、同タイミングではそれぞれ第2表面部46b,47bが上側速度調整ベルト41に係合している。このため、上側速度調整ベルト41を下側速度調整ベルト42側に押し下げる押圧力は作用せず、速度調整ベルト41,42間には狭持力は発生していない。ただし、折帖1は重力によって下側速度調整ベルト42に接触しているので、搬送ベルト2,3と下側速度調整ベルト42との速度差による摩擦抵抗力が折帖1に作用することになる。このときの折帖1に作用する搬送力F、及び折帖1の搬送速度Vは、それぞれ図21,図22の回転角度θ1における値となる。
【0126】
次に、図19(b)に示すように、カムローラ43,44の回転によって上側搬送ベルト2との係合部が第1表面部43a,44aら接続表面部43c,44cに至ると、上側搬送ベルト2の押し下げ量が徐々に小さくなり、下側搬送ベルト3との隙間が拡大する。このため、上下の搬送ベルト2,3による折帖1の狭持力は減少する。一方、カムローラ46,47の上側速度調整ベルト41との係合部は、第2表面部46b,47bから接続表面部46c,47cへ移行し、順次上側速度調整ベルト41を押し下げていく。これにより、上側速度調整ベルト41と下側速度調整ベルト42の隙間が縮小し、上下の速度調整ベルト41,42による折帖1の狭持力が増大する。このときの折帖1に作用する搬送力F、及び折帖1の搬送速度Vは、それぞれ図21,図22の回転角度θ2における値となる。
【0127】
さらにカムローラ43,44,46,47が回転すると、図20(a)に示すように、カムローラ43の上側搬送ベルト2との係合部が接続表面部43cから第2表面部43bに至るとともに、カムローラ44と上側搬送ベルト2とは非接触状態になる。これにより、カムローラ43,44による上側搬送ベルト2の押し下げが解除されて、上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト3の隙間が更に拡大し、搬送ベルト2,3による搬送力は下側搬送ベルト3上に乗る折帖1の接触抵抗力のみとなる。一方、カムローラ46,47の上側速度調整ベルト41との係合部は、接続表面部46c,47cから第1表面部46a,47aへ移行し、上側速度調整ベルト41を下側速度調整用ベルト42に押し付ける。したがって、カムローラ46,47が所定角度回転するまでの間は、上側速度調整ベルト41から下側速度調整用ベルト42に押圧力が連続的に付加され、折帖1は速度調整用ベルト41,42によって狭持されて速度調整用ベルト41,42の走行速度V2で搬送される。速度調整用ベルト41,42の走行速度V2は、モータ49の回転速度の制御によって搬送ベルト2,3の走行速度V1よりも低速(例えばV1の略85%程度)に設定されている。このときの折帖1に作用する搬送力F、及び折帖1の搬送速度Vは、それぞれ図21,図22の回転角度θ3における値となる。
【0128】
そして、さらにカムローラ43,44,46,47が回転すると、図20(b)に示すように、折帖1は速度調整用ベルト41,42により挟持されながら速度調整用ベルト41,42の下流端から放出され、羽根車に投入される。このときの折帖1に作用する搬送力F、及び折帖1の搬送速度Vは、それぞれ図21,図22の回転角度θ4における値となる。折帖1の投入後は、カムローラ43の上側搬送ベルト2との係合部が第2表面部43bから接続表面部43cに移行していくと共にカムローラ44も再び上側搬送ベルト2と接触しはじめる。これにより、上側搬送ベルト2の押し下げ量が増加し、上側搬送ベルト2と下側搬送ベルト3との隙間が減少し始める。つまり、搬送ベルト2,3による折帖1の狭持力が次第に増加する。同時に、カムローラ46,47の上側速度調整ベルト41との係合部が第1表面部46a,47aから接続表面部46c,47cに移行することにより、上側速度調整ベルト41と下側速度調整ベルト42の隙間が拡大し、速度調整ベルト41,42による折帖1の狭持力は減少する。そして、カムローラ43,44,46,47がさらに回転することにより図19(a)に示す初期状態に復帰し、次の折帖1が搬送ベルト2,3によって投入部に搬送されてくる。
【0129】
このように、本実施形態の折帖搬送装置によれば、カムローラ43,44,46,47によって挟持力を調整しながら高速の搬送ベルト2,3から低速の速度調整ベルト41,42に折帖1を受け渡すので、搬送姿勢を乱すことなく安定した姿勢に拘束しながら折帖1を減速することができる。したがって、搬送ベルト2,3の走行速度にかかわらず折帖1を低速度で羽根車40に投入することができ、投入時の折帖1の傷や折れ変形、或いは破損等の発生を抑制して製品品質を向上させることができる。また、低速で投入することにより羽根車40上に移載した折帖1の姿勢も安定するので、下流の排紙コンベヤ53に受け渡した場合の折帖1の積層(整列)形態も安定する。この結果、本実施形態の折帖搬送装置によれば、搬送ベルト2,3の走行速度を上げて高速運転を行うことが可能となり、生産性を大幅に向上させることができる。
【0130】
なお、上記実施形態では、搬送ラインに沿って並んだカムローラ43,44とカムローラ46,47との位相差をゼロに設定しているが、それぞれ位相差を持たせることも可能である。また、カムローラ43とカムローラ44との位相差やカムローラ46とカムローラ47との位相差も180度に限定されない。折帖1の減速時における搬送力の変化の影響を最小限にして、安定した姿勢で羽根車へ投入できるような位相をそれぞれ適宜選択すればよい。また、実施形態のようにカムローラを搬送ラインに沿って2列に配置するのではなく、いずれか片方の1列としてもよい。
【0131】
さらに、上記実施形態ではカムローラの形状として第1実施形態と同様の形状を選択したが、他の形状、例えば図12,図14に示すような形状を選択することも勿論可能である。また、他の第1〜第6実施形態の特徴的な構造や機構を上記第7実施形態に組み合わせることも勿論可能である。
【0132】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の折帖搬送装置(第1の折帖搬送装置)によれば、回転中心から表面までの距離が異なる複数の表面部を備えたカムローラによって折帖を挟持して搬送する一対の搬送ベルトを案内することにより、カムローラとカムローラにより案内される搬送ベルトとの係合関係によって搬送ベルトが折帖を挟持する挟持力を制御することができるので、カムローラの形状を適宜設定することによって上記挟持力を的確に制御することが可能になるという効果がある。さらに、上記折帖の位置に対応したタイミングで上記一方の搬送ベルトを他方の搬送ベルトに押し付けて上記一対の搬送ベルトを介して上記折帖を挟持するように該複数の表面部の位相を設定されている。したがって、折帖を適切に搬送することが可能になる。
【0133】
また、本発明の折帖搬送装置(第2,第3の折帖搬送装置)によれば、折帖がストッパへ当接する直前の所定タイミングまでの間は、折帖は第1,第2搬送ベルト間に狭持されながら搬送されるが、このとき第1,第2搬送ベルト間で作用する押し付け力は一定であるので、この間、折帖に作用する搬送力が変動することはない。また、折帖がブレードによりチョッパ折りされている間は、第1搬送ベルトと第2搬送ベルトとが離隔されることにより折帖には強い搬送力が作用しないので、折帖の前端がストッパに強く押し付けられながらチョッパ折りされることはない。
【0134】
したがって、搬送力の変動に伴う搬送不良等の不具合が生じることはなく、折帖を確実に搬送することができるとともに、チョッパ折り時の折帖の破損も防止することができ、折精度の大幅な向上により製品の品質を高めることができるとともに、搬送不良や紙詰まり等に伴う停止時間を低減して折機の生産性を大きく向上させることができるという効果が得られる。
【0135】
また、本発明の折帖搬送装置(第4の折帖搬送装置)によれば、羽根車への折帖の投入は第1速度調整ベルトと第2速度調整ベルトとにより行われるようになるので、第1速度調整ベルト及び第2速度調整ベルトの走行速度を適宜の速度に設定することで、第1搬送ベルト及び第2搬送ベルトの走行速度に関係なく折帖を安定した姿勢で羽根車へ投入することができ、羽根車に投入されたときの折帖の破損や羽根車から排紙コンベヤに折帖を受け渡したときの整列状態の乱れを防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての折帖搬送装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかるカムローラの構成を示す概略図であり、(a)は側面図、(b)はカムプロフィールを示す図、(c)は上方からみた図である。
【図3】本発明の第1実施形態としての折帖搬送装置の動作を示す図であり、(a),(b)の順に動作を示している。
【図4】本発明の第1実施形態としての折帖搬送装置の動作を示す図であり、(a),(b)の順に動作を示している。
【図5】本発明の第2実施形態としての折帖搬送装置の要部構成と動作とを示す図であり、(a),(b)の順に動作を示している。
【図6】本発明の第2実施形態としての折帖搬送装置の要部構成と動作とを示す図であり、(a),(b)の順に動作を示している。
【図7】本発明の第3実施形態にかかるカムローラの構成を示す概略図である。
【図8】本発明の第4実施形態にかかるカムローラの駆動機構の構成を示す概略図である。
【図9】本発明の第4実施形態にかかるカムローラ駆動機構の構成の変形例を示す概略図である。
【図10】本発明の第5実施形態としての折帖搬送装置の全体構成を示す概略図である。
【図11】本発明の第6実施形態としての折帖搬送装置の全体構成を示す概略図である。
【図12】本発明にかかるカムローラの構成の変形例を示す概略図であり、(a)は周面に第1表面部と第2表面部とを2組形成したカムローラの構成を示す図、(b)は周面に第1表面部と第2表面部とを3組形成したカムローラの構成を示す図である。
【図13】本発明にかかるカムローラの配置位置の変形例を示す概略図である。
【図14】本発明にかかるカムローラの構成の変形例を示す概略図である。
【図15】本発明にかかるカムローラの配置位置の変形例を示す概略図であり、(a)は上側,下側搬送ベルトのそれぞれに対してカムローラを配設した場合の構成を示す図、(b)は一方の側搬送ベルトに対して複数のカムローラを配設した場合の構成を示す図である。
【図16】本発明の第7実施形態としての折帖搬送装置の要部構成を示す側面図である。
【図17】図16におけるE−E矢視平面図である。
【図18】図17のF−F矢視拡大側面図である。
【図19】本発明の第7実施形態としての折帖搬送装置の動作を示す図であり、(a),(b)の順に動作を示している。
【図20】本発明の第7実施形態としての折帖搬送装置の動作を示す図であり、(a),(b)の順に動作を示している。
【図21】カムローラ1回転(1サイクル)中のベルト搬送力の変動を示す図である。
【図22】カムローラ1回転(1サイクル)中の折帖搬送速度の変化を示す図である。
【図23】一般的な輪転機に設けられる従来の折機の構成を示す概略図である。
【図24】従来の折機のチョッパ折部の構成を示す概略図である。
【図25】図24のZ方向矢視図である。
【図26】従来の折帖搬送装置における搬送ベルトの昇降機構(アクチュエータ式)を示す図であり、(a)はその概略構成図、(b)は(a)に示す機構を用いた場合の搬送ベルトの昇降特性を示す図である。
【図27】従来の折帖搬送装置における搬送ベルトの昇降機構(偏心軸式)を示す図であり、(a)はその概略構成図、(b)は(a)に示す機構を用いた場合の搬送ベルトの昇降特性を示す図である。
【符号の説明】
1 折帖
2 上側搬送ベルト
3 下側搬送ベルト
4 ストッパ
5 ブレード
6 テーブル
7 チョッパ折部
10,15,25,26,27,30,31,32,33,43,44,46,47 カムローラ
10a,25a,26a,27a 第1表面部
10b,25b,26b,27b 第2表面部
10c,27c 接続表面部
27d 中間表面部
11,14,51,52 回転軸
12,48 駆動ローラ
13,45 ガイドローラ
16 回転体
17 ハーモニックドライブ
18,49 専用モータ
19 折機駆動源
20 経路切替ローラ
21 張力調整用カムローラ
21a,43a,44a,46a,47a 第1表面部
21b,43b,44b,46b,47b 第2表面部
21c,43c,44c,46c,47c 接続表面部
40 羽根車
40a ブレード
41 上側速度調整用ベルト
42 下側速度調整用ベルト
50 張力調整ローラ
53 排紙コンベヤ

Claims (20)

  1. 折帖を挟持して搬送する一対の搬送ベルトと、
    上記一対の搬送ベルトの何れか一方を案内する一又は複数のカムローラとを備え、
    該カムローラは、回転中心から表面までの距離の異なる複数の表面部を備えるとともに、上記折帖の位置に対応したタイミングで上記一方の搬送ベルトを他方の搬送ベルトに押し付けて上記一対の搬送ベルトを介して上記折帖を挟持するように該複数の表面部の位相を設定されている
    ことを特徴とする、折帖搬送装置。
  2. 上記複数の表面部のうち少なくとも一つの表面部は該回転中心から表面までの距離を一定に形成されている
    ことを特徴とする、請求項1記載の折帖搬送装置。
  3. 上記複数の表面部のうち少なくとも一つの表面部は表面形状を波状に形成されている
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の折帖搬送装置。
  4. 上記複数の表面部の隣接する表面部間のうち少なくとも一つの表面部間は滑らかに接続されている
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の折帖搬送装置。
  5. 該折帖の搬送ラインを挟み上記一対の搬送ベルトの下流側で上記一対の搬送ベルトと一部重複して配置された一対の速度調整ベルトと、
    上記一対の速度調整ベルトの何れか一方を案内する一又は複数のカムローラとを備え、
    上記速度調整ベルトを案内するカムローラは、回転中心から表面までの距離の異なる複数の表面部を備えるとともに、上記搬送ベルトを案内するカムローラとは位相が異ならされている
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の折帖搬送装置。
  6. ストッパにより所定位置に位置決めされた折帖を昇降自在なブレードによって該折帖の搬送方向に沿ってチョッパ折りするチョッパ折部を有する折機に備えられ、該チョッパ折部へ該折帖を搬送する折帖搬送装置において、
    該折帖を挟持して搬送する複数に分かれた第1搬送ベルト及び第2搬送ベルトと、
    該折帖の搬送ラインに対し該第1搬送ベルトの外側に配設されて該第1搬送ベルトを案内するカムローラとを備え、
    該カムローラは、回転中心から表面までの距離を一定に形成された一又は複数の第1表面部と、該回転中心から表面までの距離を該第1表面部よりも短く且つ一定に形成された一又は複数の第2表面部とを備え、該第1表面部が該第1搬送ベルトに係合しているときには該第1搬送ベルトを該第2搬送ベルト側へ押し付けて該第1搬送ベルトと該第2搬送ベルトとにより該折帖を挟持させ、該第2表面部が該第1搬送ベルトに係合しているときには該第1搬送ベルトを該第2搬送ベルトから離隔させるように該第1搬送ベルトに対する配設位置が設定されるとともに、該折帖が該ブレードによりチョッパ折りされている間、該第2表面部が該第1搬送ベルトに係合するように位相が設定されている
    ことを特徴とする、折帖搬送装置。
  7. ストッパにより所定位置に位置決めされた折帖を昇降自在なブレードによって該折帖の搬送方向に沿ってチョッパ折りするチョッパ折部を有する折機に備えられ、該チョッパ折部へ該折帖を搬送する折帖搬送装置において、
    該折帖を挟持して搬送する複数に分かれた第1搬送ベルト及び第2搬送ベルトと、
    該折帖の搬送ラインに対し該第1搬送ベルトの内側に配設されて該第1搬送ベルトを案内するカムローラとを備え、
    該カムローラは、回転中心から表面までの距離を一定に形成された一又は複数の第1表面部と、該回転中心から表面までの距離を該第1表面部よりも短く且つ一定に形成された一又は複数の第2表面部とを備え、該第2表面部が該第1搬送ベルトに係合しているときには該第1搬送ベルトを該第2搬送ベルト側へ引き寄せて該第1搬送ベルトと該第2搬送ベルトとにより該折帖を挟持させ、該第1表面部が該第1搬送ベルトに係合しているときには該第1搬送ベルトを該第2搬送ベルトから離隔させるように該第1搬送ベルトに対する配設位置が設定されるとともに、該折帖が該ブレードによりチョッパ折りされている間、該第1表面部が該第1搬送ベルトに係合するように位相が設定されている
    ことを特徴とする、折帖搬送装置。
  8. 隣接する該第1表面部と該第2表面部との間に、該第1表面部と該第2表面部とを滑らかに接続する接続表面部が形成されている
    ことを特徴とする、請求項6又は7記載の折帖搬送装置。
  9. 該接続表面部に、該回転中心から表面までの距離が一定の一又は複数の中間表面部が形成されている
    ことを特徴とする、請求項8記載の折帖搬送装置。
  10. 該第1表面部と該第2表面部とが交互に形成され、一の該第1表面部から隣接する該第2表面部を挟んだ次の該第1表面部までの周長が該折帖の搬送ピッチに等しく設定されるとともに、該折帖の搬送位相に対して該カムローラの位相が調整可能に構成されている
    ことを特徴とする、請求項6〜9の何れか1項に記載の折帖搬送装置。
  11. 該カムローラの上記搬送ラインに対する配設位置を調整する位置調整手段を備えた
    ことを特徴とする、請求項6〜10の何れか1項に記載の折帖搬送装置。
  12. 該カムローラの回転速度を該折機の機械速度とは独立して調整する回転速度調整手段を備え、
    該回転速度調整手段によって該カムローラの回転速度を調整することにより、該折帖の搬送位相に対する該カムローラの位相が調整される
    ことを特徴とする、請求項6〜11の何れか1項に記載の折帖搬送装置。
  13. 該カムローラは上記複数に分かれた第1搬送ベルトのそれぞれに対応する複数の筒形表面要素を備え、各筒形表面要素間の位相差をそれぞれ独立して調整できるように構成されている
    ことを特徴とする、請求項6〜12の何れか1項に記載の折帖搬送装置。
  14. 該カムローラは上記複数に分かれた第1搬送ベルトのそれぞれに対応する複数の筒形表面要素を備え、各筒形表面要素の軸方向位置をそれぞれ独立して調整できるように構成されている
    ことを特徴とする、請求項6〜13の何れか1項に記載の折帖搬送装置。
  15. 該カムローラの位相にかかわらず該第1搬送ベルトを該第2搬送ベルト側へ強制的に押し付ける強制押付手段を備えた
    ことを特徴とする、請求項6〜14の何れか1項に記載の折帖搬送装置。
  16. 該第1搬送ベルトと係合して該第1搬送ベルトの張力を一定に調整する張力調整用カムローラを備え、該張力調整用カムローラは、該カムローラと同一周長で且つ該カムローラのカムプロフィールが反転した形状のカムプロフィールを有し、該カムローラと同期して回転するように構成されている
    ことを特徴とする、請求6〜15の何れか1項に記載の折帖搬送装置。
  17. 折帖を外部へ搬出する排紙コンベヤと該折帖を該排紙コンベヤに受け渡す羽根車とを備えた折機に備えられ、該羽根車へ該折帖を搬送する折帖搬送装置において、
    該折帖を挟持して搬送する第1搬送ベルト及び第2搬送ベルトと、
    該第1搬送ベルト及び該第2搬送ベルトによる該羽根車への該折帖の投入部において該折帖の搬送ラインを挟んで該第1搬送ベルト及び該第2搬送ベルトと平行に設けられた第1速度調整ベルト及び第2速度調整ベルトと、
    該第1搬送ベルトを案内する第1カムローラと、
    該第1速度調整ベルトを案内する第2カムローラとを備え、
    該第1カムローラ及び該第2カムローラは、それぞれ、回転中心から表面までの距離を一定に形成された一又は複数の第1表面部と、該回転中心から表面までの距離を該第1表面部よりも短く且つ一定に形成された一又は複数の第2表面部とを有し、該第1カムローラの該第1表面部と該第2表面部の何れか一方が第1搬送ベルトに係合しているときに該第1搬送ベルトと該第2搬送ベルトとにより該折帖が挟持されるように該第1カムローラの該第1搬送ベルトに対する配設位置が設定されるとともに、該第2カムローラの該第1表面部と該第2表面部の何れか一方が第1速度調整ベルトに係合しているときに該第1速度調整ベルトと該第2速度調整ベルトとにより該折帖が挟持されるように該第2カムローラの該第1速度調整ベルトに対する配設位置が設定され、該羽根車への該折帖の投入タイミングにあわせて該第1搬送ベルトと該第2搬送ベルトから該第1速度調整ベルトと該第2速度調整ベルトに該折帖の搬送手段が切り替わるように該第1カムローラ及び第2カムローラの位相が設定されている
    ことを特徴とする、折帖搬送装置。
  18. 該第1速度調整ベルト及び該第2速度調整ベルトの該第1搬送ベルト及び該第2搬送ベルトに対する相対速度を可変制御する速度制御手段を備えた
    ことを特徴とする、請求項17記載の折帖搬送装置。
  19. 該第1速度調整ベルト及び該第2速度調整ベルトの走行速度が該第1搬送ベルト及び該第2搬送ベルトの走行速度よりも遅く設定されている
    ことを特徴とする、請求項17又は18記載の折帖搬送装置。
  20. 該第1カムローラと該第2カムローラの少なくとも一方が該第1搬送ベルト或いは該第1速度調整ベルトの走行方向に沿って相対的位相を異ならせて複数設けられている
    ことを特徴とする、請求項17〜19の何れか1項に記載の折帖搬送装置。
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