JP3300731B2 - 搬送シートの整列装置 - Google Patents

搬送シートの整列装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシート積上げ層におい
て、シートをカットオフ出口コンベアよりシングリング
コンベア上に移送し、屋根瓦状に積重させる搬送シート
整列装置の整列安定化手段に関するものである。また本
発明は紙、プラスチック、薄物板金等板状体一般のシン
グリング装置にも適用が可能である。
【0002】
【従来の技術】図4は従来型シート整列装置の構造説明
図、図5は一般的なシート積上げ装置概略構成図、図6
は従来方式における問題点説明図である。され一般的な
シート積上げ装置は、図5に示す如く構成されたもの
で、前工程で連続して製造される段ボールウエブは進行
方向に沿っていくつかにスリッティングされた後、更に
カットオフ25で幅方向所定長さ毎に切断されて段ボー
ルシート24となり、カットオフ出口コンベア1を経て
シングリングコンベア2上に移送される。シングリング
コンベア2は、同カットオフ出口コンベア1よりも遅い
速度(機械速度の約25%位の走行速度)で運転されて
おり、搬送された段ボールシート24は、シングリング
コンベア2上でシングリング(屋根瓦状に積重)された
後、搬送コンベア26,27を経て一枚毎スタッカ部2
8へ投入され、フロントストッパに当接して落下し、順
次昇降テーブル29上に積重される。同昇降テーブル2
9は、段ボールシート24の投入に対応して順次下降す
るように制御されており、所定枚数の積重が完了すると
シート束は次工程に移送される。続いて昇降テーブル2
9が初期状態(上昇位置)に再設定され次ロットのシー
ト積重が再開される。
【0003】ところで製造過程においては、貼合不良、
反り、紙継ぎ不良、耳ずれ、よごれ、疵入り等様々な不
良シートが発生する場合があり、またオーダーチェンジ
等に伴って異なった形状のシートが搬送されることもあ
る。これら異質のシートがコルゲートマシンの最終工程
であるスタッカ部28へ混入して積重されると製凾工程
における印刷、或いはシートを箱に加工する作業に支障
を来すことになり、これら不良シート、仕様の異なるシ
ートについては搬送途中において仕分け(分離)する必
要があり、このような仕分け作業はシングリングコンベ
ア2と第1搬送コンベア26との中間に設けたシート仕
分け装置30によって行われる。以上説明した如く段ボ
ールシート積上げ装置に要求される機能としては、不良
シート、仕様の異なるシートを確実に仕分けし、目的と
する良品シートのみを安定して積重させることにある。
【0004】仕分け装置30、スタッカ装置28を正常
に作動させるためには、図6(A)に示す如くシートの
シングリング状態或いは搬送状態が整列された状態で行
われることが最も大切な要素となる。ところが、公知従
来型のシート整列安定化装置は、図4に示す如くシング
リングコンベア2のシート導入口上側に設けた弾性体
(バネ板、板状ブラシ)31をシート整列安定化手段と
したもので、左右一対のシリンダ32a,32bを介し
て横架した軸33を回動させ、スティ34を介して同軸
33へ固着した弾性体31先端の反力によって段ボール
シート24の走行状態を規制するようになっている。弾
性体31の押圧力はシリンダ32a,32bの圧力を調
整することによってある程度任意に変更設定することが
できる。しかし図6(B),(C)に示す如く設備した
弾性体(一般的には金属、樹脂にて形成したバネ板や板
状ブラシが使われている)31には押圧力調整機能があ
るもののシート幅方向の横すべりに対す規制力がなく、
この時強力に押圧するとシートの圧潰等を生じオーダー
チェンジに伴うシートの質量、機械速度の大幅な変動に
対して制動力が大きくできず、カットオフ出口コンベア
1からシングリングコンベア2へ投入されて来るシート
に対して停止位置(図中Sb)及び一点鎖線シート
(b)に示す斜行状態を修正することは困難であった。
このように従来装置では、種々多様なシートに対して破
損させず、かつ整列した状態で安定的に積重させる対策
は不完全で、前記基本要素としてのシングリング状態を
保証するものとして必ずしも確実なものとは言えなかっ
た。このような不確実な搬送状態は下流工程におけるト
ラブルの要因となり、トラブル解決のための人手を要す
ると共に、生産性を著しく低下させることになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術の項にお
いて説明した如く、これ迄の段ボールシート積上げ装置
ではスタッカ部へシートを移送する途上において、同シ
ートをカットオフ出口コンベアからシングリングコンベ
アへ引き渡す場合、シートを所定落差を持って投入され
るためにシートの幅、長さ、フルートの種類等に関連す
るシート質量の変動と機械速度(シートの走行速度)の
変動に起因し、投入されたシートの重なり状態(停止位
置)にバラツキを生ずるばかりでなく、図6(B),
(C)のシート(b)に示す如く幅方向へずれて斜めに
走行する等シングリングコンベア上における積重状態が
ずれて不安定となる傾向が残り、同シートの乱れは次工
程における作業、例えば不良シートの仕分け、オーダー
チェンジに伴う異形シートの仕分けに支障をきたす他、
スタッカ部における積重等々でのトラブル要因となって
いた。このため、どうしてもオペレータによる修正作業
の省力化ができず、生産性の低下をきたすばかりでなく
機械の完全自動化を疎外する大きな要因となっていた。
本発明はこれら従来の課題を解決するために提案された
もので、シングリングコンベア上に積重させるシートの
搬送及び走行状態の整列を確実に行わせることにより、
次工程における余分な作業を除去して生産性の大幅な向
上を図ることのできる搬送シートの整列装置を提供す
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、シー
ト積重装置の前工程カットオフにて所定長さに切断され
た段ボールシートをカットオフ出口コンベアからシング
リングコンベア上へ移送する際の搬送シートの整列装置
において、カットオフ出口コンベアとシングリングコン
ベアの中間のシートパスラインの下方に位置し、シート
進行方向へ回転する弾性体ロールと同シートパスライン
の上方に位置し、同弾性体ロールに並設したシャフトを
中心として所定のタイミングでシート進行方向へ回転
(公転)し、かつシート進行方向に対して逆方向へ自転
する押圧ロールとを具備させ、同押圧ロールと前記弾性
体ロールの挟持回転差によって走行するシートの走行状
態(速度及び方向)を制御するように構成してなるもの
で、これを課題解決のための手段とするものである。
【0007】
【作用】前記構造によってカットオフ出口コンベア1を
介して移送されてくる段ボールシート24に対しシング
リングコンベアの直前工程において弾性体ロール3と押
圧ロール4との挟持制動により、段ボールシート24の
走行速度を減速することができ、かつ所定のタイミング
でもってシート24をシングリングコンベア上へ引き渡
すことができる。同機能によりシングリングコンベア上
へシングリング(屋根瓦状に積重)するシートの前後位
置を一定に修正することができるようになった。加え
て、前記弾性体ロール3は段ボールシート24の幅方向
において同シートと接触して横すべりを規制できるため
に投入された後の散乱等斜行状態をも改善することがで
きる。以上の機能により次工程オーダーチェンジに伴う
新旧シートの仕分け、良、不良シートの仕分け及びスタ
ッカにおけるシートの積重が確実に行えるようになっ
た。
【0008】
【実施例】図1乃至図3はカットオフ出口コンベア1と
シングリングコンベアの中間に設備した本発明に係る搬
送シート整列装置の説明図で、図1は全体概略構成図、
図2及び図3は要部の詳細図である。本発明の搬送シー
ト整列安定化装置は、図1に示す如くカットオフ出口コ
ンベア1とシングリングコンベア2の中間において設備
されるもので、シートパスラインの下方に設けた弾性体
ロール3と同シートパスラインの上方に設けた押圧ロー
ル4によって構成されている。前記弾性体ロール3は、
図3に一例を示す如く外周輪5、内輪6及び両輪5,6
を接続する複数本のアーム7部を共にウレタンゴムによ
って一体的に形成したもので、シャフト8に対し軸方向
へ複数個嵌装し、キー19を介して固定してある。同シ
ャフト8の両側端は軸受ユニット10を介してフレーム
1,11b(図示省略)へ軸支させている。図中12は
シャフト8に固着したプーリで、図示省略のモータに固
着したプーリとベルトで連結することによってシャフト
8を任意の速度で回転させることができるようになって
いる。一方前記押圧ロール4の両軸端部はブラケット1
3a,13bへベアリング14a,14bを介して取付
けたシャフト15に固着しているアーム16a,16b
端へ軸支されている。ところで図2で示すように、押圧
ロール4の片側軸端には歯車17が取付けられており、
同歯車17はアーム16aの一部に固定したピン18へ
軸着した中間歯車19を介してシャフト15へ嵌装し、
かつ前記ブラケット13aへ固定した歯車20と互いに
噛合させてある(この歯車20はシャフト15と同心円
に調整されたものである)。前記シャフト15の片側軸
端はカップリング21を介してモータ22に連結されて
いる。ブラケット13a,13b及びモータ22は装置
のフレーム11a,11b間に掛け渡されたビーム23
に固定されたもので、フレーム11a,11bに対しビ
ーム23を昇降(上下動)させることによってシャフト
15,8の軸間距離を変更でき、弾性体ロール3と押圧
ロール4間の間隙を任意に調整することができるように
なっている。
【0009】前記構造のもと、次の作用について説明す
る。弾性体ロール3の周速度はモータによってカットオ
フ出口コンベア1を介して搬送されるシート24の速度
に対し、通常やや遅い速度に設定される。一方押圧ロー
ル4は、モータ22の駆動によってカップリング21、
シャフト15,アーム16a,16bを介し、図1A−
A矢視図及びB−B矢視図に示す如くシート進行方向へ
回転(公転)すると共に、ブラケト13aに固定した歯
車20の周囲を旋回し、中間歯車19を介して同図矢印
の如く回転(自転)する。つまり押圧ロール4は搬送さ
れて来る段ボールシート24の進行方向へ回転移動する
と共に、同シート24との接触時自転によってシート2
4の進行方向と逆向きに制動力を作用させることにな
る。例示した押圧ロール4はカットオフ出口コンベア1
から送り出されるシート24に対し所定のタイミングで
係合すべく間欠運動する。シート24に対する初期接触
位置、接触時間等についてはモータ22の制御によって
任意に可変設定することができる。本発明は以上のよう
に、カットオフ出口コンベア1からのシート24走行速
度を制御し、適宜の速度に調整した後、シングリングコ
ンベア2上へ引き渡すことができるため、シングリング
状態をより確実にすることができる。また本発明に採用
した弾性体ロール3は同構造及び配置により係合したシ
ート24に対し進行方向(ロール回転方向)への移動は
許容するものの、部分的にシートの進行方向と逆方向に
移動しようとする横すべりに対してはこれを妨げるの
で、ロール軸方向(シート幅方向)への移動に対して有
効に横すべりを規制できるためシート24が幅方向にず
れたり、或いは斜めにずれた状態で積重されるといった
不具合もなくなる。本発明のこのような機能によりシン
グリングコンベア2上流端側から投入されたシート後端
迄の距離Sを一定にすることができるため、オーダーチ
ェンジ、不良シートに対し仕分け装置における仕分け精
度の向上、及びシート積重部での積重状態が安定化する
ようになった。なお、本発明は前記実施例にのみ限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内に
おいて種々変更を加え得るものである。
【0010】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く本発明によれ
ば、シングリングコンベア上に積重させるシートの搬送
及び走行状態の整列を確実に行わせて良好に整列したシ
ングリング状態を設定できることにより、次工程におけ
る不慮シートやオーダーチェンジに伴う異質シートの仕
分け作業及びスタッカ部における投入積重の状態をより
安定的に行わせる事ができるようになった。これによっ
て従来後工程において行われていた諸作業、例えば前記
仕分けミスに伴って混入した異質(仕様の異なる)シー
トの除去及び各種不良シートの除去作業が不要になっ
た。従って前記作業に就くオペレータを無くすことが可
能となり、シート積重において完全自動化が図れると共
に、同機能により生産性の大幅な向上が実現できること
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る搬送シート整列装置の1実施例の
全体概略構成説明図である。
【図2】押圧ロール部の詳細説明図である。
【図3】弾性体ロール部の詳細説明図である。
【図4】シングリングコンベアのシート投入部に設備し
た従来型シート整列装置の構造説明図である。
【図5】一般的なシート積上げ装置の作用説明図であ
る。
【図6】従来型シート搬送部における問題点説明図で、
シートがカットオフ出口コンベアからシングリングコン
ベア上に移送された状態の図である。
【符号の説明】
1 カットオフ出口コンベア 2 シングリングコンベア 3 弾性体ロール 4 押圧ロール 5 外周輪 6 内輪 7 アーム 8 シャフト 9 キー 10 軸受ユニット 11 フレーム 12 プーリ 13 ブラケット 14 ベアリング 15 シャフト 16 アーム 17 歯車 18 ピン 19 中間歯車 20 歯車 21 カップリング 22 モータ 23 ビーム 24 シート(段ボールシート)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 29/68 B31B 1/02 301 B65H 5/24 B65H 29/20 B65H 29/66

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート積重装置の前工程カットオフにて
    所定長さに切断された段ボールシートをカットオフ出口
    コンベアからシングリングコンベア上へ移送する際の搬
    送シートの整列装置において、カットオフ出口コンベア
    とシングリングコンベアの中間のシートパスラインの下
    方に位置し、シート進行方向へ回転する弾性体ロールと
    同シートパスラインの上方に位置し、同弾性体ロールに
    並設したシャフトを中心として所定のタイミングでシー
    ト進行方向へ回転(公転)し、かつシート進行方向に対
    して逆方向へ自転する押圧ロールとを具備させ、同押圧
    ロールと前記弾性体ロールの挟持回転差によって走行す
    るシートの走行状態(速度及び方向)を制御するように
    構成したことを特徴とする搬送シートの整列装置。
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