JP3690773B2 - 水中油型エマルション消泡剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、消泡剤に関する。さらに詳しくは、紙パルプ工業、食品工業、繊維工業、建材用ボード製造、塗料工業、化学工業などの加工工程及び排水処理工程で有用な消泡剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水中油型エマルション消泡剤として高級アルコールと脂肪酸エステルをエマルション化させたもの(特公平6ー104165号、特開平4ー349904号、特公昭49−38923号、特公昭50−1475号)、高級アルコールと動植物油をエマルション化させたもの(特開平3−151006号公報)、また高級アルコールと2〜3価アルコールとの炭素数12〜22の脂肪酸エステルとパラフィン油をエマルション化させたもの(特開昭48−62683号)等が知られている。
【0003】
上記組成物を製造する際に乳化剤としてポリオキシエチレン(エチレンオキサイド25モル付加物)イソオクチルフェニル硫酸ナトリウム、HLBが13〜17のポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルを用いることが開示されている(特公平6ー104165号、特公平8ー24806)。しかしながら、これらの乳化剤を用いた上記の水中油型エマルション消泡剤は貯蔵中に激しく増粘してクリーム状に固化、分離するため、取扱い性が極めて悪くなる欠点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
消泡剤を使用するにあたり長期貯蔵しても増粘せず貯蔵容器から速やかに取り出しうる、分離することなく常に同一濃度で取り出せるなど消泡剤には安定した取扱い性が要求される。しかしながら従来の乳化剤を用いる方法では上記のような取扱い性を満足することができなかった。本発明は、製品分離及び貯蔵中の増粘防止を同時に満足できる水中油型エマルション消泡剤を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、特定の疎水性化合物に対して特定の化合物からなる乳化剤を用いることにより優れた安定性を有する水中油型エマルションを見出し本発明に至った。すなわち、本発明は一般式(1)および/または一般式(2)で示される化合物(A)、または(A)とノニオン性界面活性剤(B)とからなる乳化剤の存在下、炭素数12〜30のアルコール(C)、炭素数1〜30の1〜6価のアルコールと炭素数12〜30のカルボン酸との脂肪酸エステル(D)、並びに沸点が200℃以上の炭化水素(E)からなる 疎水性化合物 を水中に乳化してなることを特徴とする水中油型エマルション消泡剤組成物である。
【化3】
{式中、R1は炭素数が8〜26の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルキルフェニル基であり、R2は水素原子またはSO3・Mであり、R3は水素原子またはSO3・Mであり(ただし、R2とR3がともにSO3・Mであることはない)、Mは水素原子、ナトリウム、カリウムまたは4級アンモニウムであり、Jは1〜30の整数であり、Lは0〜6の整数である。}
【化4】
{式中、R4は炭素数が8〜26の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルキルフェニル基であり、R5は水素原子または(CH2)nCOO・Mであり、R6は水素原子または(CH2)nCOO・Mであり(ただし、R5とR6がともに(CH2)nCOO・Mであることはない)、Mは水素原子、ナトリウム、カリウムまたは4級アンモニウムであり、mは1〜30の整数であり、nは0〜6の整数である。}
【0006】
【発明の実施の形態】
R1の炭素数は8〜26の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルキルフェニル基であり、好ましくは炭素数10〜22の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルキルフェニル基、さらに好ましくは炭素数12〜20の分岐鎖のアルキル基またはアルキルフェニル基である。
【0007】
Jは1〜30の整数であり、好ましくは3〜25の整数、さらに好ましくは5〜20の整数である。Jが1未満の場合は貯蔵中に水中油型エマルション消泡剤組成物が増粘し好ましくない。また30を越える場合は消泡力が低下し好ましくない。
【0008】
Lは0〜6の整数であり、好ましくは0〜4の整数、さらに好ましくは0〜2の整数である。
【0009】
一般式(1)で示される化合物としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・コハク酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・コハク酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・コハク酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・コハク酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・グルタル酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・グルタル酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・グルタル酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・グルタル酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・グルタル酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・グルタル酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・グルタル酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・グルタル酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・グルタル酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・アジピン酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・アジピン酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・アジピン酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・アジピン酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・アジピン酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・アジピン酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・アジピン酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・アジピン酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・アジピン酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ピメリン酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ピメリン酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ピメリン酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・ピメリン酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・ピメリン酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・ピメリン酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・ピメリン酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・ピメリン酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・ピメリン酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・スベリン酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・スベリン酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・スベリン酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・スベリン酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・スベリン酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・スベリン酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・スベリン酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・スベリン酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・スベリン酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・アゼライン酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・アゼライン酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・アゼライン酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・アゼライン酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・アゼライン酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・アゼライン酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・アゼライン酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・アゼライン酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・アゼライン酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・セパシン酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・セパシン酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・セパシン酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・セパシン酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・セパシン酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・セパシン酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・セパシン酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・セパシン酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・セパシン酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・スルホコハク酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・スルホコハク酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・スルホコハク酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・スルホコハク酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・スルホコハク酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・スルホコハク酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・スルホコハク酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・スルホコハク酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・スルホコハク酸半エステルアンモニウム塩などが使用できる。
【0010】
R4の炭素数は8〜26の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルキルフェニル基であり、好ましくは炭素数10〜22の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルキルフェニル基、さらに好ましくは炭素数12〜20の分岐鎖のアルキル基またはアルキルフェニル基である。
【0011】
mは1〜30の整数であり、好ましくは3〜25の整数、さらに好ましくは5〜20の整数である。mが1未満の場合は貯蔵中に水中油型エマルション消泡剤組成物が増粘し好ましくない。また30を越える場合は消泡力が低下し好ましくない。
【0012】
nは0〜6の整数であり、好ましくは0〜4の整数、さらに好ましくは0〜2の整数である。
【0013】
一般式(2)で示される化合物としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・マレイン酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・マレイン酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・マレイン酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・マレイン酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・マレイン酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・マレイン酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・マレイン酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・マレイン酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・フマル酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・フマル酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・フマル酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・フマル酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・フマル酸半エステルカリウム塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル・フマル酸半エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・フマル酸半エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル・フマル酸半エステルカリウム塩などが使用できる。
【0014】
R7の炭素数は8〜26の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルキルフェニル基であり、好ましくは炭素数10〜22の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルキルフェニル基、さらに好ましくは炭素数12〜20の分岐鎖のアルキル基またはアルキルフェニル基である。
【0015】
pは9〜60の整数であり、好ましくは15〜50の整数、さらに好ましくは20〜40の整数である。pが9未満の場合は貯蔵中に水中油型エマルション消泡剤組成物が増粘し好ましくない。また60を越える場合は消泡力が低下し好ましくない。
【0016】
ノニオン性界面活性剤(B)としては、例えばポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセカンダリーアルキル(アルキル基の炭素数は12〜18)エーテルなどが使用できる。
【0017】
一般式(1)で示される化合物(A)とノニオン性界面活性剤(B)の重量比(B/A)は0〜15.0であり、好ましくは0.5〜13、さらに好ましくは1〜10である。
【0018】
一般式(1)で示される化合物(A)とノニオン性界面活性剤(B)の合計重量は、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)の合計重量に対して、0.5〜20重量%であり、好ましくは0.8〜15重量%、さらに好ましくは1.0〜10重量%である。0.5重量%未満では適切な粒子径のエマルションが得られにくく消泡剤として好ましくない。また、20重量%を越えると得られるエマルション組成物が発泡しやすくなるとともに貯蔵時に増粘しやすくなる。
【0019】
アルコール(C)としては特に12〜30個の炭素原子を有する天然アルコールおよび/または合成アルコールの1種又は2種以上が使用できる。
天然アルコールとしては、飽和アルコール例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコサノール、ドコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、ミリシルアルコールなど、および不飽和アルコール例えばオレイルアルコールが挙げられる。合成アルコールとしては、チーグラー法で合成された直鎖で非分岐状の飽和アルコール、オキソ法で合成された直鎖第1級アルコールあるいは分岐第1級アルコールまたはこれらの炭素数の異なるアルコール混合物やパラフインを空気酸化してつくられる直鎖第2級アルコールなどが挙げられる。
【0020】
脂肪酸エステル(D)としては、炭素数1〜30の1〜6価アルコールと炭素数12〜30のカルボン酸との脂肪酸エステルが用いられる。これらエステルに用いる脂肪酸は、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキン酸及びベヘニン酸などであり、好ましくはパルミチン酸、オレイン酸又はステアリン酸である。前記カルボン酸をエステル化するための炭素数1〜30の1価のアルコールとしては例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノールなど、および上記のアルコール(C)、および2価アルコールとしては例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、トリメチレングリコール、カテコール、レゾルシン、ハイドロキノンなど、および3価アルコールとしては例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ブタントリオール、ペンタントリオールなど、および4価アルコールとしては例えばペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビタン、マンニタンなど、および5価アルコールとしては例えばアラビットなど、および6価アルコールとしては例えばテトラグリセリン、ソルビット、マンニットなどが挙げられる。多価アルコールとしては例えば、ポリグリセリンなどの完全にまたは部分的にエステル化されたものが使用できる。
【0021】
沸点が200℃以上の炭化水素(E)としては、例えば、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、パラフィンオイルなどであり、好ましくは白油(Weissoel)とも呼ばれる市販の常用のパラフィン混合物である。
【0022】
エマルションの油相は疎水性化合物(C)、(D)、(E)からなる群から選ばれる疎水性化合物の1種以上を含有する。これらの疎水性化合物は水中油型エマルション消泡剤組成物の製造のために任意の比率で使用できるが、実際上は例えば、アルコール(C)を30〜75重量%と脂肪酸エステル(D)を5〜70重量%と沸点が200℃以上の炭化水素(E)を0.5〜20重量%を含有する混合物が好ましい。
【0023】
(C)、(D)、(E)の合計重量%は水中油型エマルション消泡剤全量に対して5〜60重量%であり、好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは15〜45重量%である。5重量%未満の場合には有効成分が少なく消泡剤の使用量が多く必要になり作業効率が低下し好ましくない。60重量%を越える場合には製造時に製品粘度が上昇し取り扱い難くなり好ましくない。
【0024】
水中油型エマルション消泡剤組成物の貯蔵時の製品分離および増粘を防止するために水溶性高分子を用いてもよい。水溶性高分子としては、セルロース、プルラン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、グアーガム、グルコマンナン、キサンタンガム、ウェランガム、ラムザンガム、トラガントガム、ローカストビーンガム、アガロース、グリコーゲン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリルアミドおよびアクリル酸の共重合物、アクリルアミドおよびメタクリル酸の共重合物、メタクリルアミドおよびアクリルアミドの共重合物、メタクリルアミドおよびメタクリル酸の共重合物などが使用できる。なお、これらの水溶性高分子は単独使用あるいは2種以上の併用で使用することができる。
【0025】
水中油型エマルション消泡剤組成物に含まれる水溶性高分子の1%水溶液粘度は200〜5000mPa・sであり、好ましくは400〜4000mPa・s、さらに好ましくは700〜3000 mPa・sである。200 mPa・s未満の場合は貯蔵中に製品分離を起こし安定なエマルションは得られない。また、水溶性高分子の水溶液粘度が、5000mPa・s以上の場合は製造した製品粘度が高いため取扱い難くなり好ましくない。
【0026】
本発明の水中油型エマルション消泡剤組成物の平均粒子径は0.5〜15μmであり、好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは1.0〜8.0μmである。15μmを越える場合にはエマルションの消泡性能が劣り好ましくない。また、0.5μm未満の場合には製造直後の粘度が高くなり取り扱い難くなり好ましくない。
【0027】
水中油型エマルション消泡剤組成物の油相はなお追加して水に不溶な他の群の化合物を含有してよく、それを以下成分(F)と呼ぶ。成分(F)はエマルションの油相の構成に50重量%まで関与できる。成分(F)としては、一般に消泡効果の認められる化合物、例えば炭化水素、脂肪酸、シリコーン、シリコーンコンパウンド、疎水性シリカ、脂肪酸アミド、金属石鹸、ポリエーテル化合物、油脂類などが使用することができる。成分(F)はアルコール(C)、脂肪酸エステル(D)、沸点が200℃以上の炭化水素(E)から成る混合物に、あるいは(C)または(D)または(E)のいずれかに添加することができる。また、防腐剤、防かび剤、殺菌剤、防錆剤や皮張り防止剤が使用できる。さらにエマルションの油相には、チーグラー法又はオキソ法による前記アルコールの製造に際して得られる蒸留残査を用いることができる。また、チーグラー法またはオキソ法による高級アルコールの前記製法において製造されるオキシアルキル化された蒸留残査も適する。このオキシアルキル化された蒸留残査は、前記蒸留残査をエチレンオキシドとプロピレンオキシドと、あるいはエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの混合物と反応させることにより得られる。蒸留残査中のアルコールのOH基1個当たり、1〜10個のエチレンオキシド基および/またはプロピレンオキシドを付加することが好ましい。
【0028】
本発明の水中油型エマルション消泡剤組成物の製造方法としては、(ア)アルコール(C)と脂肪酸エステル(D)と沸点が200℃以上の炭化水素(E)などを撹拌混合した後、乳化剤と水を添加して撹拌混合してエマルション化する方法、(イ)乳化剤と水を撹拌混合し、この中にアルコール(C)と脂肪酸エステル(D)と沸点が200℃以上の炭化水素(E)などを加えて撹拌混合してエマルション化する方法、(ウ)上記の(ア)又は(イ)の方法で作成したエマルションの高濃度品を形成させ、次いで、希釈用の0〜30℃の水を加える方法、(エ)上記の(ア)又は(イ)の方法で作成したエマルションの高濃度品を、乳化分散機を通してから、希釈用の0〜30℃の水の中に添加する方法、(オ)全ての構成成分を一度に撹拌混合してエマルション化する方法などが挙げられ、いずれの方法でも良い。
【0029】
使用する水溶性高分子は、上記の希釈用の水に溶解して使用しても良いし、上記の高濃度エマルションを作成する際の水相に添加しても良いし、水中エマルションを作成後に撹拌下でままこを生じないように注意しつつ、添加し溶解させても良い。
【0030】
撹拌混合する温度は使用するアルコール(C)と脂肪酸エステル(D)、沸点が200℃以上の炭化水素(E)などの混合物の融点以上の温度であれば良いが通常45〜95℃が望ましい。また、撹拌混合時間は配合物を均一に混合できれば良く特に制限されないが通常10分〜10時間である。
【0031】
撹拌混合設備としては通常、プロペラ型撹拌機、ディゾルバー、ホモミキサー、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、ニーダー、ラインミキサーなどが使用でき、これらの2種以上の設備を組み合わせて使用することができる。
【0032】
乳化分散機としては通常、プロペラ型攪拌機、ピストン型高圧乳化機、ホモミキサー、超音波式乳化分散機、加圧ノズル式乳化機、高速回転高せん断型攪拌分散機、コロイドミル、ガラスビーズ、スチールボールなど種々の媒体を使用して粉砕分散させるメディア型分散機、例えばサンドグラインダー、アジテーターミル、ボールミル、アトライターなどが使用できる。
【0033】
本発明の水中油型エマルション消泡剤組成物の使用方法としては、連続添加、断続添加または泡測定器と消泡剤添加装置とを連動させた方法のいずれでもよく、1カ所添加または多点添加のいずれでもよい。また、添加に際しては適当な溶剤または水などで希釈してもよく他の消泡剤と併用することもできる。
【0034】
水性系の消泡のためには、前記の安定化された水中油型エマルション消泡剤組成物を消泡されるべき水性系に対し、通常0.1〜50,000ppmの範囲にて添加を行い、好ましくは1〜5,000ppmの範囲にて添加を行う。
【0035】
本発明により安定化された水中油型エマルション消泡剤は、例えば、紙パルプ工業、食品工業、繊維工業、建材用ボード製造、塗料工業、化学工業などの加工工程及び排水処理工程などに対して幅広く使用される。
特に、抄紙工程や活性汚泥などの排水処理工程における発泡抑制剤として好適に用いられる。
【0036】
【実施例】
次に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。製品安定性(製造直後の粘度および6ヶ月後の製品分離と粘度)および消泡性等の試験結果は表1、表2に記載した。なお、実施例、試験方法等中における部は重量部を意味する。
【0037】
水中に乳化された油相粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分析計[日機装(株)製のマイクロトラック粒度分析計]により測定した。
【0038】
粘度はB型粘度計を用いて測定し、25℃にて、60rpmで1分間回転後の目盛を判読することにより測定した。
【0039】
実施例1
固形分が30重量%の水中油型エマルションを製造した。油相は次の成分から成る。
炭素数16〜18の脂肪酸のグリセリントリエステル ------9重量部
炭素数16〜26のアルコール混合物 ------15.6重量部
白油 ------3.0重量部
キサンタンガム ------0.4重量部
ポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニル
エーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩 ------2重量部
【0040】
容器に水70重量部および上記化合物(合計30重量部)を仕込み、撹拌下で昇温し75℃で5時間撹拌して均一化した後、乳化分散機としてプロペラ型撹拌機を使用することにより、7μmの平均粒子径を有する水中油型エマルションを製造した。これは製造直後に300mPa・sの粘度であった。
エマルションの安定性を試験するため、試料を内径50mmの225ccガラス瓶に80mmの高さまで入れ密閉し、25℃で6ヶ月静置し、分離を測定した。次に、粘度を測定し、この粘度と製造直後の粘度とから増粘率(%)を算出した。その結果、分離は25℃の条件で0.1%であり、粘度は25℃の条件で330mPa・sであり、増粘率は10%であった。下記の比較例1に比べて良好な安定性が得られた。また、消泡性試験を行い性能が良好であることを確認した。なお、キサンタンガムの1%水溶液粘度は1200mPa・sであった。
【0041】
実施例2
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(20モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0042】
実施例3
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(5モル付加物)ベヘニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0043】
実施例4
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(20モル付加物)ベヘニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0044】
実施例5
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(5モル付加物)イソステアリルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0045】
実施例6
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(5モル付加物)アルキル(R1は炭素数12〜14の分岐鎖)エーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0046】
実施例7
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルアンモニウム塩を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0047】
実施例8
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルカリウム塩を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0048】
実施例9
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・マレイン酸半エステルナトリウム塩を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0049】
実施例10
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・フマル酸半エステルナトリウム塩を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0050】
実施例11
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・アゼライン酸半エステルナトリウム塩を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0051】
実施例12
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・スルホコハク酸半エステルナトリウム塩を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0052】
実施例13
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(10モル付加物)アルキル(R1は炭素数12〜14の分岐鎖)エーテル・スルホコハク酸半エステルナトリウム塩を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0053】
実施例14
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(10モル付加物)ノニルフェニルエーテル・スルホコハク酸半エステルナトリウム塩を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0054】
実施例15
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(10モル付加物)イソステアリルエーテル・スルホコハク酸半エステルナトリウム塩を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0055】
実施例16
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩/ポリオキシエチレン(60モル付加物)ノニルフェニルエーテルの重量比が1.0の配合物を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0056】
実施例17
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩/ポリオキシエチレン(40モル付加物)アルキル(R7は炭素数12〜14の分岐鎖)エーテルの重量比が10の配合物を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0057】
実施例18
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩/ポリオキシエチレン(45モル付加物)ベヘニルエーテルの重量比が10の配合物を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0058】
実施例19
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩2重量部使用の代わりに、1重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0059】
実施例20
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩2重量部使用の代わりに、6重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0060】
実施例21
実施例1に記載の炭素数16〜26のアルコール混合物の15.6重量部使用の代わりに、オキソ法で合成された炭素数16〜24のアルコールの混合物15.6重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0061】
実施例22
実施例1に記載のキサンタンガムの代わりに、ウェランガムを0.3重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0062】
実施例23
実施例1に記載のキサンタンガムの代わりに、分子量100万のポリエチレンオキサイド/キサンタンガムの重量比が1.0の配合物を0.4重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。
【0063】
実施例24
実施例1に記載のプロペラ型撹拌機の代わりに、ピストン型高圧乳化機を使用し、水中油型エマルションを製造した。
【0064】
実施例25
実施例1に記載のプロペラ型撹拌機の代わりに、ホモミキサーを使用し、水中油型エマルションを製造した。
【0065】
実施例26
実施例1に記載のプロペラ型撹拌機の代わりに、高速回転高せん断型撹拌分散機を使用し、水中油型エマルションを製造した。
【0066】
実施例27
固形分が30重量%の水中油型エマルションを製造した。油相は次の成分から成る。
炭素数16〜18の脂肪酸のグリセリントリエステル ------9重量部
炭素数16〜26のアルコール混合物 ------15.8重量部
白油 ------3.0重量部
ウェランガム ------0.2重量部
ポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニル
エーテル・スルホコハク酸半エステルナトリウム塩 ------2重量部
【0067】
容器に上記化合物(合計30重量部)および水40重量部を仕込み、撹拌下で昇温し75℃で5時間撹拌して均一化した後、乳化分散機としてプロペラ型撹拌機を使用することにより高濃度品を形成させ、次いで、希釈用の5℃の水30重量部中に除々に加えて(希釈の間冷却により系の温度を20℃以下に保持した)、5μmの平均粒子径を有する水中油型エマルションを製造した。
【0068】
実施例28
実施例27に記載のプロペラ型撹拌機の代わりに、高速回転高せん断型撹拌分散機を使用し、水中油型エマルションを製造した。
【0069】
実施例1〜28で製造した水中油型エマルション(表1)の製品安定性(製造直後の粘度および6ヶ月後の分離と粘度)および消泡性能を測定した。その結果を表2に示す。実施例1と同様に実施例2〜28で作成したエマルションは比較例1〜7で作成したエマルションに比べて良好な安定性が得られた。
【0070】
比較例1
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(35モル付加物)ノニルフェニルエーテルを2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。これは製造直後に400mPa・sの粘度であった。エマルションの安定性を試験するため、試料を内径50mmの225ccガラス瓶に80mmの高さまで入れ密閉し25℃で6ヶ月静置し分離を測定した。次に粘度を測定しこの粘度と製造直後の粘度とから増粘率(%)を算出した。その結果分離は5%であり、粘度は6000mPa・sであり、増粘率は1400%であった。実施例1に比べて分離が20倍であり、増粘率が140倍ときわめて大であった。
【0071】
比較例2
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりにポリオキシエチレン(25モル付加物)イソオクチルフェニル硫酸ナトリウムを2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。これは製造直後に300mPa・sの粘度であった。エマルションの安定性を試験した結果分離は15%であり、粘度は3200mPa・sであり、増粘率は966%であった。実施例1に比べて分離が30倍であり、増粘率が97倍ときわめて大であった。
【0072】
比較例3
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。これは製造直後に350mPa・sの粘度であった。エマルションの安定性を試験した結果分離は10%であり、粘度は4500mPa・sであり、増粘率は1186%であった。実施例1に比べて分離が20倍であり、増粘率が119倍ときわめて大であった。
【0073】
比較例4
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(40モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。これは製造直後に400mPa・sの粘度であった。エマルションの安定性を試験した結果分離は10%であり、粘度は3800mPa・sであり、増粘率は850%であった。実施例1に比べて分離が20倍であり、増粘率が85倍ときわめて大であった。
【0074】
比較例5
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりに、ポリオキシエチレン(5モル付加物)ヘキシルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩を2重量部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。これは製造直後に430mPa・sの粘度であった。エマルションの安定性を試験した結果分離は10%であり、粘度は6200mPa・sであり、増粘率は1340%であった。実施例1に比べて分離が20倍であり、増粘率が134倍ときわめて大であった。
【0075】
比較例6
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩の代わりにポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩/ポリオキシエチレン(40モル付加物)アルキル(R7は炭素数12〜14の分岐鎖)エーテルの重量比が20の配合物を2重量部使用し実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。これは製造直後に450mPa・sの粘度であった。エマルションの安定性を試験した結果分離は10%であり、粘度は3500mPa・sであり、増粘率は678%であった。実施例1に比べて分離が20倍であり、増粘率が68倍ときわめて大であった。
【0076】
比較例7
実施例1に記載のポリオキシエチレン(5モル付加物)オクチルフェニルエーテル・コハク酸半エステルナトリウム塩を2重量部使用する代わりに10重量部使用し実施例1と同じ方法で水中油型エマルションを製造した。これは製造直後に480mPa・sの粘度であった。エマルションの安定性を試験した結果分離は10%であり、粘度は6600mPa・sであり、増粘率は1275%であった。実施例1に比べて分離が20倍であり、増粘率が128倍ときわめて大であった。
【0077】
比較例1〜7で製造した水中油型エマルション(表1)の製品安定性(製造直後の粘度および6ヶ月後の分離と粘度)および消泡性能を測定した。その結果を表2に示す。
【0078】
分離試験方法
製造した水中油型エマルション消泡剤組成物を内径50mmの225ccガラス瓶に80mmの高さまで入れ密閉し、25℃で6ヶ月静置し、下層に生じた水層の高さW(mm)を測定し、次式を用いて分離(%)を算出した。
【0079】
分離(%)=(W/80)×100
【0080】
粘度測定方法
製造した水中油型エマルション消泡剤組成物を内径50mmの225ccガラス瓶に80mmの高さまで入れ、製造直後の粘度を測定した後、密閉し25℃で6ヶ月静置し粘度を測定した。次式を用いて増粘率(%)を算出した。
【0081】
増粘率(%)=
[(6ヶ月後の粘度−製造直後の粘度)/(製造直後の粘度)×100
【0082】
消泡性能試験方法
ガラス製発泡管に発泡性試験水を500ml入れ、所定の温度に保持し、循環ポンプを用いて発泡管の底部から試験水を流量2000ml/分で抜きながら、発泡管上部より試験水面へ落下させることにより、試験水を発泡させる。試験液の循環により泡高さが100mmに達したとき所定量の消泡剤(実施例1〜27で製造したエマルション)を添加し、最も泡面が低下した時間とその最低泡高さを記録して、さらに5分間後の泡高さを記録した。比較例1で製造した消泡剤と比べて、同等以上の消泡性能を示すものを良好と判定した。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【発明の効果】
本発明の水中油型エマルション消泡剤組成物は貯蔵時の分離および増粘を抑え保存安定性が大幅に改良されたために消泡剤の使用保管および運搬などに伴う制限が著しく軽減できるというメリットがあり実用上非常に有用である。
Claims (4)
- 一般式(1)および/または一般式(2)で示される化合物(A)、または(A)とノニオン性界面活性剤(B)とからなる乳化剤の存在下、炭素数12〜30のアルコール(C)、炭素数1〜30の1〜6価のアルコールと炭素数12〜30のカルボン酸との脂肪酸エステル(D)、並びに沸点が200℃以上の炭化水素(E)からなる 疎水性化合物 を水中に乳化してなることを特徴とする水中油型エマルション消泡剤組成物。
- 化合物(A)とノニオン性界面活性剤(B)の重量比(B/A)が0〜15である請求項1記載の水中油型エマルション消泡剤組成物。
- ノニオン性界面活性剤(B)が一般式(3)で示される請求項1または2記載の水中油型エマルション消泡剤組成物。
R7-O(C2H4O)p−H ------------(3)
(式中、R7は炭素数が8〜26の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルキルフェニル基であり、pは9〜60の整数である) - 化合物(A)とノニオン性界面活性剤(B)の合計重量が、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)の合計重量に対して、0.5〜20重量%である請求項1〜3いずれか記載の水中油型エマルション消泡剤組成物。
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