JP3656174B2 - 消泡剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、消泡剤に関する。さらに詳しくは、本発明により安定化された消泡剤は、紙パルプ工業、食品工業、石油工業、繊維工業、建材用ボード製造、塗料工業、化学工業、廃棄物処理等の工程及び排水処理工程で利用できる消泡剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水中油型エマルション系消泡剤は、紙のサイズ度に悪影響をもたらすことが少ない等、ポリエーテル系消泡剤に比較して様々な優れた性質を持っているので紙パルプ工業、食品工業、石油工業、繊維工業、塗料工業、化学工業、廃棄物処理等発泡をともなう工業に広く使用されている。
各種工業において発泡の原因となる物質を含む系に対し温度、PH、設備等の物理的或いは化学的要因が加わり発泡を誘発し、製品品質の低下、生産効率の低下、原料のロスといった事態を招くことが度々ある。そこでこれらの問題解決のため必要に応じて消泡剤の添加がなされている。
【0003】
水中油型エマルション系消泡剤として高級アルコールと脂肪酸エステルをエマルション化させたもの(特開昭60−156516号、特公昭49−38923号、特公昭50−1475号各公報)、高級アルコールと動植物油をエマルション化させたもの(特開平3−151006号公報)、また高級アルコールと2〜3価アルコールとの炭素数12〜22の脂肪酸エステルとパラフィン油をエマルション化させたもの(特開昭48−62683号)等が知られている。
【0004】
また、水中油型エマルション系消泡剤が、長期の貯蔵後もなおポンプで扱うことができるように製品の経日粘度上昇を防止する目的で、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド又はメタクリルアミドの水溶性高分子の単独重合物又は共重合物を0.05〜0.5重量%含有することを特徴とする消泡剤が、特開昭60−156516号公報に、また、融点46〜56℃の動植物油脂の硬化油の使用により、製造時の粘度上昇を抑制できることが、特開平3−151006号公報)に、記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
水中油型エマルション系消泡剤が、長期の貯蔵後も分離及び経日粘度上昇を起こさないように安定化することである。製品の経日粘度上昇を防止する目的で、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド又はメタクリルアミドの水溶性高分子の単独重合物又は共重合物を(0.05〜0.5重量%)使用した場合、経日により分離が生じて上層に固形分が濃縮していくために、長期保存した場合には粘度上昇を起こして取り扱い難くなる欠点があった。また、融点46〜56℃の動植物油脂の硬化油の使用の場合、製造時は低粘度であるが、長期保存した場合には粘度上昇が大きく、製品が固化する欠点があった。
このように従来のエマルション系消泡剤は、製品の経日粘度上昇を防止する目的でのみ行われているために、分離に対する防止が検討されておらず、このために、長期保存後も、製造時と同じ状態を保つように安定化することができないという欠点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、分離及び経日粘度上昇の防止を同時に満足できる消泡剤を提供することを目的とするものである。
すなわち、本発明は、エマルションの油相が、(a)炭素数12〜30のアルコール及び/又は(b)1〜6価の炭素数1〜30のアルコールと炭素数12〜30のカルボン酸との脂肪酸エステルを5〜60重量%含有し、かつ、分子量1万以上の天然又は半合成水溶性高分子(A)と分子量10万以上のポリエチレンオキサイド(B)とからなる重量比(B/A)0.1〜5.0の配合物を0.01〜1.0重量%含有することを特徴とする平均粒径が0.5〜15μmの水中油型エマルション消泡剤組成物である。
【0007】
分子量1万以上の天然又は半合成水溶性高分子(A)としては、セルロース(分子量:1万〜10万)、プルラン(〜20万)、アルギン酸ナトリウム(以降アルギン酸Naと略記する。)(〜10万)、アラビアガム(10万〜100万)、グアーガム(20万〜30万)、グルコマンナン(20万〜30万)、キサンタンガム(100万以上)、トラガントガム(〜80万)、ローカストビーンガム(〜30万)、アガロース(10〜20万)、グリコーゲン(30万〜400万)、メチルセルロース(以降MCと略記する。)、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(以降CMCと略記する。)、ヒドロキシエチルセルロース(以降HECと略記する。)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース等が使用できる。なお、これらの水溶性高分子は、単独使用或いは2種以上の併用使用ができる。分子量が1万未満のマンナン(分子量:2千〜1万未満)、シクロデキストリン(約千)では、製造した製品が分離を起こし製品安定性が得られない。(なお、分子量については、書籍:現代の食品化学、p.23〜28、三共出版、より引用した。)
【0008】
ポリエチレンオキサイド(B)の分子量は、10万以上好ましくは、50万〜800万、さらに好ましくは100万〜700万である。10万未満の場合は、製造した製品が分離を起こし良好な製品安定性が得られない。800万を越える場合は、製造した製品の経日粘度上昇が大きくなり好ましくない。
【0009】
分子量10万以上のポリエチレンオキサイド(B)/天然又は半合成水溶性高分子(A)の重量比は、0.1〜5.0、好ましくは0.1〜3.0、さらに好ましくは0.5〜3.0である。5.0を越える場合には、製品が分離しやすくなり好ましくない。また、分子量10万以上のポリエチレンオキサイド(B)/天然又は半合成水溶性高分子(A)の配合物の添加量は、製品中に0.01〜1.0重量%、好ましくは0.05〜1.0重量%、さらに好ましくは0.1〜0.8重量%である。0.01重量%未満の場合には、製造した製品粘度は低いが、経日粘度上昇を起こし好ましくない。また、1.0重量%を越える場合には、製造した製品粘度が高いために取り扱い難く好ましくない。また、天然又は半合成水溶性高分子(A)を単独使用した場合は、分離が起こらないので、上層に固形分が濃縮せず、経日粘度上昇が著しく遅延できる。分子量10万以上のポリエチレンオキサイド(B)と分子量1万以上の天然又は半合成水溶性高分子(A)を併用使用した場合は、分離と経日粘度上昇がほとんどなく安定である。
【0010】
本発明の消泡剤組成物の平均粒径は、0.5〜15μm、好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは1.0〜8.0μmである。15μmを越える場合にはエマルションの消泡性能が劣り好ましくない。また、0.5μm未満の場合には製造直後の粘度が高くなり取り扱い難く好ましくない。
【0011】
エマルションの油相の成分(a)としては、特に12〜30個の炭素原子を有する天然アルコール又は/及び合成アルコールの1種又は2種以上が使用できる。
天然アルコールとしては、飽和アルコール例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコサノール、ドコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、ミリシルアルコール及び不飽和アルコール例えばオレイルアルコールが挙げられる。合成アルコールとしては、チーグラー法で合成された直鎖で非分岐状の飽和アルコール、オキソ法で合成された直鎖第1級アルコール或いは分岐第1級アルコール又はこれらの炭素数の異なるアルコール混合物やパラフインを空気酸化してつくられる直鎖第2級アルコール等が挙げられる。
【0012】
エマルションの油相の成分(b)としては、1〜6価の炭素数1〜30のアルコールと炭素数12〜30のカルボン酸との脂肪酸エステルが用いられる。これらエステルに用いる脂肪酸は、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキン酸及びベヘニン酸であり、好ましくはパルミチン酸、オレイン酸又はステアリン酸である。前記カルボン酸をエステル化するため、1価の炭素数1〜30のアルコール例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール及び上記のアルコール(a)、並びに2価アルコール例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、トリメチレングリコール、カテコール、レゾルシン及びハイドロキノン、或いは3価アルコール例えばグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ブタントリオール及びペンタントリオール、4価アルコール例えばペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビタン及びマンニタン、5価アルコール例えばアラビット及び6価アルコール例えばテトラグリセリン、ソルビット及びマンニットが挙げられる。多価アルコールは完全に又は部分的にエステル化されたものが使用できる。
【0013】
エマルションの油相は、成分(a)又は(b)の化合物或いは両成分の混合物を含有する。成分(a)及び(b)は、消泡剤製造のために任意の比率で使用できるが、実際上は例えば、(a)を30〜95重量%と(b)を70〜5重量%含有する(a)及び(b)の混合物が好ましい。
【0014】
エマルションの固形分は、5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは15〜45重量%である。5重量%未満の場合には、有効成分が少なく消泡剤の使用量が多く必要になり作業効率が低下し好ましくない。60重量%を越える場合には製造時の粘度が高く取り扱い難く好ましくない。
【0015】
エマルションの油相は、なお追加して水に不溶な他の群の化合物を含有してよく、それを以下成分(c)と呼ぶ。成分(c)としては、消泡剤エマルションの油相の構成に50重量%まで関与できる。成分(c)の化合物としては、一般に消泡効果の認められる化合物、例えば炭化水素、脂肪酸、シリコーン、シリコーンコンパウンド、疎水性シリカ、脂肪酸アミド、金属石鹸、ポリエーテル化合物、油脂類が使用できる。この化合物は、成分(a)及び(b)からの混合物に、あるいは(a)又は(b)の化合物群のいずれかに添加することができる。また、防腐剤、防かび剤、殺菌剤、防錆剤や皮張り防止剤が使用できる。さらにエマルションの油相には、チーグラー法又はオキソ法による前記アルコールの製造に際して得られる蒸留残査を用いることができる。また、チーグラー法又はオキソ法による高級アルコールの前記製法において製造されるオキシアルキル化された蒸留残査も適する。このオキシアルキル化された蒸留残査は、前記蒸留残査をエチレンオキシドとプロピレンオキシドと、あるいはエチレンオキシド又は/及びプロピレンオキシドの混合物と反応させることにより得られる。蒸留残査中のアルコールのOH基1個当たり、1〜10個のエチレンオキシド基又は/及びプロピレンオキシドを付加することが好ましい。
【0016】
水中油型エマルションを製造するには、6以上のHLB価を有する界面活性物質が用いられる。界面活性物質としては非イオン性、アニオン性又はカチオン性の化合物を使用できるが、好ましくは非イオン性又はアニオン性のもの、或いはアニオン性と非イオン性の界面活性剤の混合物が用いられる。非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレートなどが挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェート塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルサルフェート塩、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテルサルフェート塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのマレイン酸半エステル塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルのマレイン酸半エステル塩などが挙げられる。カチオン性界面活性剤としてはラウリルポリオキシエチレンアミンなどが挙げられる。
【0017】
水中油型エマルション100重量部は、普通は乳化剤の1種又は数種を0.1〜5重量%有する。エマルションの油相は、エマルションの構成に5〜60重量%まで関与し、そして0.5〜15μmの平均粒径を有する。この種のエマルションは既知である。このエマルションは、普通に市販の乳化分散器を用いて、水95〜40重量部中に油相5〜60重量部を乳化することにより製造される。
【0018】
本発明の消泡剤組成物の製造方法としては、▲1▼アルコール(a)とエステル(b)等とを撹拌混合した後、乳化剤と水を添加して撹拌混合してエマルション化する方法、▲2▼乳化剤と水を撹拌混合し、この中にアルコール(a)とエステル(b)等を加えて撹拌混合してエマルション化する方法、▲3▼上記の▲1▼又は▲2▼の方法で作成したエマルションの高濃度品を形成させ、次いで、希釈用の0〜40℃の水を加える方法、▲4▼上記の▲1▼又は▲2▼の方法で作成したエマルションの高濃度品を、乳化分散機を通してから、希釈用の0〜40℃の水の中に添加する方法▲5▼全ての構成成分を一度に撹拌混合してエマルション化する方法等が挙げられ、いずれの方法でも良い。
【0019】
使用する分子量1万以上の天然又は半合成水溶性高分子及び/又は分子量10万以上のポリエチレンオキサイドの添加は、上記の希釈用の水に溶解して使用しても良いし、上記の高濃度エマルションを作成する際の水相に添加しても良いし、水中エマルションを作成後に撹拌下でままこを生じないように注意しつつ、添加し溶解させても良い。
【0020】
撹拌混合する温度は、使用するアルコール(a)とエステル(b)等の成分の融点以上の温度であれば、室温でも高温例えば40〜200℃でも良いが、通常45〜95℃が望ましい。また、撹拌混合時間は配合物を均一に混合できれば良く特に制限されないが、通常10分〜10時間である。
【0021】
撹拌混合設備としては、通常、プロペラ型撹拌機、ディゾルバー、ホモミキサー、ボールミル、サンドミル、超音波分散機、ニーダー、ラインミキサー等が使用でき、これらの2種以上の設備を組み合わせて使用することができる。
【0022】
乳化分散機としては、通常、プロペラ型攪拌機、ピストン型高圧乳化機、ホモミキサー、超音波式乳化分散機、加圧ノズル式乳化機、高速回転高せん断型攪拌分散機や、コロイドミルやガラスビーズやスチールボールなど種々の媒体を使用して粉砕分散させるメディア型分散機、例えばサンドグラインダー、アジテーターミル、ボールミル、アトライターなどが使用できる。
【0023】
分子量10万以上のポリエチレンオキサイド(B)と分子量1万以上の天然又は半合成水溶性高分子(A)の併用使用又は単独使用は、好ましくはエマルションの製造中に行われる。しかし、既に製造されたエマルションに、添加することによって、エマルションを安定化することもできる。
【0024】
本発明の消泡剤エマルションは、直接にその製造法によって50〜1000mPa・sの範囲の粘度を有し、6ヶ月貯蔵後の粘度は1500mPa・s以下であり、クリーム状に固まってポンプ輸送ができない等の取り扱いが困難な事態にはならない。粘度が1500mPa・sを越えると取り扱い難くなる。また、分離が10%以上になると経日粘度上昇して取り扱い難くなるが、本発明の消泡剤エマルションは、6ヶ月後も製品分離はなく、消泡剤エマルションの濃縮傾向が見られず、経日変化による粘度上昇は著しく遅延される。なお、消泡性能は安定化後も保有される。
【0025】
本発明の消泡剤組成物の使用方法としては、連続添加、断続添加または泡測定器と消泡剤添加装置とを連動させた方法のいずれでもよく、1カ所添加または多点添加のいずれでもよい。また、添加に際しては、適当な溶剤または水などで希釈してもよく、他の消泡剤と併用することもできる。
【0026】
水性系の消泡のためには、前記の安定化された水中油型エマルションを、消泡されるべき水性系に対し、通常、0.1〜50,000ppm、好ましくは1〜5,000ppmの範囲にて添加する。
【0027】
本発明により安定化された消泡剤は、例えば、製紙、工業排水、し尿処理、パルプ蒸解、建材用ボード製造に際して発泡場所に添加して使用される。また、酸性〜アルカリ性の発泡系に対して幅広く使用される。
【0028】
【実施例】
次に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
【0029】
下記の実施例に記載の部は重量に関する。水中に乳化された油相粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分析計[日機装(株)製のマイクロトラック粒度分析計]により測定した。
【0030】
実施例1
固形分が30%の水中油型エマルションを製造した。油相は次の成分から成る。炭素数16〜18の脂肪酸のグリセリントリエステル ------14部
炭素数16〜18のアルコールの脂肪アルコール混合物 ------13.5部
オクチルフェノール1モルへのエチレンオキシド
20モルの付加生成物 ------ 2部
分子量700万のポリエチレンオキサイド(B)/
アルギン酸Na(A)の重量比(B/A)が5.0の配合物---- 0.5部
【0031】
容器に水70部及び上記化合物(合計30部)を仕込み、撹拌下で昇温し75℃で5時間撹拌して均一化した後、乳化分散機としてプロペラ型撹拌機を使用することにより、7μmの平均粒径を有する水中油型エマルションAを製造した。これは製造直後に550mPa・sの粘度であった。エマルションの安定性を試験するため、試料を内径50mmの225ccガラス瓶に80mmの高さまで入れ密閉し、25℃で1ヶ月静置し、分離を測定した。次に、粘度を測定し、この粘度と製造直後の粘度とから経日粘度上昇(%)を算出した。その結果、分離は4%であり、粘度は810mPa・sであり、経日粘度上昇は47%であった。下記の比較例1に比べて良好な安定性が得られた。また、消泡性試験を行い、性能が良好であることを確認した。なお、粘度は、B型粘度計を使用し、25℃にて、60rpmで1分間回転後の目盛を判読することにより測定した。
【0032】
実施例2
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、分子量700万のポリエチレンオキサイド/グアーガムの重量比が1.0の配合物を0.3部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションBを製造した。
【0033】
実施例3
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、分子量700万のポリエチレンオキサイド/キサンタンガムの重量比が1.0の配合物を0.2部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションCを製造した。
【0034】
実施例4
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、分子量700万のポリエチレンオキサイド/MCの重量比が1.0の配合物を0.2部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションDを製造した。
【0035】
実施例5
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、分子量700万のポリエチレンオキサイド/HECの重量比が1.0の配合物を0.2部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションEを製造した。
【0036】
実施例6
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、分子量350万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの重量比が0.5の配合物を0.6部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションFを製造した。
【0037】
実施例7
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、分子量350万のポリエチレンオキサイド/グアーガムの重量比が1.0の配合物を0.3部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションGを製造した。
【0038】
実施例8
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、分子量350万のポリエチレンオキサイド/キサンタンガムの重量比が2.0の配合物を0.3部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションHを製造した。
【0039】
実施例9
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、分子量350万のポリエチレンオキサイド/CMCの重量比が2.0の配合物を0.3部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションIを製造した。
【0040】
実施例10
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、分子量350万のポリエチレンオキサイド/HECの重量比が2.0の配合物を0.3部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションJを製造した。
【0041】
実施例11
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、分子量100万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの重量比が1.0の配合物を0.5部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションKを製造した。
【0042】
実施例12
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、分子量100万のポリエチレンオキサイド/グアーガムの重量比が1.0の配合物を0.3部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションLを製造した。
【0043】
実施例13
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、分子量100万のポリエチレンオキサイド/キサンタンガムの重量比が1.0の配合物を0.3部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションMを製造した。
【0044】
実施例14
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、分子量10万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの重量比が0.2の配合物を1.0部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションNを製造した。
【0045】
実施例15
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、分子量10万のポリエチレンオキサイド/グアーガムの重量比が0.7の配合物を0.5部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションOを製造した。
【0046】
実施例16
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、分子量10万のポリエチレンオキサイド/キサンタンガムの重量比が0.2の配合物を0.3部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションPを製造した。
【0047】
実施例17
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、グアーガムを0.2部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションQを製造した。
【0048】
実施例18
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、キサンタンガムを0.2部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションRを製造した。
【0049】
実施例19
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、HECを0.7部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションSを製造した。
【0050】
実施例20
実施例3で乳化分散機としてピストン型高圧乳化機を使用し、水中油型エマルションTを製造した。
【0051】
実施例21
実施例3で乳化分散機としてホモミキサーを使用し、水中油型エマルションUを製造した。
【0052】
実施例22
実施例3で乳化分散機として高速回転高せん断型撹拌分散機を使用し、水中油型エマルションVを製造した。
【0053】
実施例1〜22で製造した水中油型エマルションA〜V(表1)の製品安定性(製造直後の粘度及び1ヶ月後の分離と粘度)及び消泡性能を測定した。その結果を表2に示す。実施例1と同様に実施例2〜22で作成したエマルションB〜Vは、比較例1〜3で作成したエマルションX〜Zに比べて良好な安定性が得られた。
【0054】
比較例1
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、アクリルアミド70%及びアクリル酸30%からの共重合物(分子量500万)を0.3部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションXを製造した。エマルションの安定性を試験した結果、分離は20%であり、粘度は2000mPa・sであり、経日粘度上昇は369%であった。実施例1に比べて分離が5倍、経日粘度上昇が8倍ときわめて大であった。
【0055】
比較例2
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、分子量1万のポリエチレンオキサイド/HECの重量比が2.0の配合物を0.7部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションYを製造した。エマルションの安定性を試験した結果、分離は15%であり、粘度は880mPa・sであり、経日粘度上昇は80%であった。分子量1万のポリエチレンオキサイドを用いた場合は、製品分離が大であった。
【0056】
比較例3
実施例1に記載の分子量700万のポリエチレンオキサイド/アルギン酸Naの代わりに、分子量900万のポリエチレンオキサイド/セルロースの重量比が1.0の配合物を0.1部使用し、実施例1と同じ方法で水中油型エマルションZを製造した。エマルションの安定性を試験した結果、分離は4%であったが、経日粘度上昇は125%であった。分子量900万のポリエチレンオキサイドを用いた場合は、経日粘度上昇が大であった。
【0057】
比較例1〜3で製造した水中油型エマルションX〜Z(表1)の製品安定性(製造直後の粘度及び1ヶ月後の分離と粘度)及び消泡性能を測定した。その結果を表2に示す。
【0058】
分離試験方法
製造したエマルションを内径50mmの225ccガラス瓶に80mmの高さまで入れ密閉し、25℃で1ヶ月静置し、下層に生じた水層の高さW(mm)を測定し、式(1)を用いて分離(%)を算出した。
【0059】
分離(%)=(W/80)×100 −−−−−−−−−−−−−式(1)
【0060】
経日粘度上昇試験方法
製造したエマルションを内径50mmの225ccガラス瓶に80mmの高さまで入れ、製造直後の粘度を測定した後、密閉し25℃で1ヶ月静置し粘度を測定した。式(2)を用いて経日粘度上昇(%)を算出した。
【0061】
Figure 0003656174
【0062】
消泡性能試験方法
ガラス製発泡管に発泡性試験水を500ml入れ、所定の温度に保持し、循環ポンプを用いて発泡管の底部から試験水を流量2000ml/分で抜きながら、発泡管上部より試験水面へ落下させることにより、試験水を発泡させる。試験液の循環により泡高さが100mmに達したとき所定量の消泡剤(実施例1〜22で製造したエマルションA〜V)を添加し、最も泡面が低下した時間とその最低泡高さを記録して、さらに5分間後の泡高さを記録した。比較例1で製造した消泡剤(エマルションX)と比べて、同等以上の消泡性能を示すものを良好と判定した。
【0063】
【表1】
Figure 0003656174
【0064】
【表2】
Figure 0003656174
【0065】
【発明の効果】
本発明の消泡剤組成物は、分離及び経日粘度上昇を押さえ、保存安定性が大幅に改良されたために、消泡剤の使用、保管および運搬などに伴う制限が著しく軽減できるというメリットがあり、実用上非常に有用である。

Claims (2)

  1. エマルションの油相が、(a)炭素数12〜30のアルコール及び/又は(b)1〜6価の炭素数1〜30のアルコールと炭素数12〜30のカルボン酸との脂肪酸エステルを5〜60重量%含有し、かつ、分子量1万以上の天然又は半合成水溶性高分子(A)と分子量10万以上のポリエチレンオキサイド(B)とからなる重量比(B/A)0.1〜5.0の配合物を0.01〜1.0重量%含有することを特徴とする平均粒径が0.5〜15μmの水中油型エマルション消泡剤組成物。
  2. 分子量1万以上の天然又は半合成水溶性高分子(A)が、セルロース、プルラン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム、グアーガム、グルコマンナン、キサンタンガム、トラガントガム、ローカストビーンガム、アガロース、グリコーゲン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース及び酢酸フタル酸セルロースからなる群より選ばれる少なくとも一種以上の高分子である請求項1記載の消泡剤組成物。
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