JP3690440B2 - 建築物の制振構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物に設置されて、その振動応答を減少させるための建築物の制振構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地震時または強風時等において、建築物の振動応答を減少させるための建築物の制振構造としては、近年、種々のものが実現している。その代表的な例としては、架構に対してダンパーを設置し、架構の振動エネルギーを吸収させるものが挙げられる。
【0003】
これらのダンパーとしては、摩擦ダンパー、履歴ダンパー、オイルダンパーなど種々のものが提案されているが、特に、エネルギー減衰性能に優れ、また大地震から中小地震および風振動にまで幅広く対処できるダンパーとして、粘性体や粘弾性体を用いたダンパーが知られている。
【0004】
粘性体や粘弾性体を用いたダンパーは、架構の振動エネルギーを、粘性体の抵抗力や粘弾性体の変形により、主に熱エネルギーに変換するものであり、その一例としては、互いに相対変位可能な二部材間に粘性体もしくは粘弾性体を介装して、減衰力を発揮させるようにしたものが挙げられる。特に、粘性体もしくは粘弾性体のせん断抵抗力を、架構の振動エネルギーの減衰に効率よく利用できるように、上述の相対変位可能な二部材を平面状に形成し、これらの間に粘性体もしくは粘弾性体を配置させた積層構造を採用したものが多く見られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような積層構造が採用されたダンパーのエネルギー吸収能力は、使用部材の面積によって決定されることとなるが、エネルギー吸収性能向上のため、使用部材の面積を大きくしたものは、設置スペースや施工納まり等に制約が生じる。例えば、このようなダンパーを建築物の内部において設置する場合には、架構に対して制振壁として鉛直方向に延在するように設置することが考えられるが、この場合には、建築物の内部空間が分断されたり、柱と梁によって囲まれた開口部が閉塞されたりすることによって、採光や内部空間の使い勝手を阻害してしまうという問題点が生じる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み行われたもので、優れた振動エネルギー吸収機能を発揮することが可能であり、なおかつ、建築物内部においても内部空間を分断したり、開口部を大きく閉塞することのない建築物の制振構造を提供することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、請求項1記載の建築物の制振構造は、
建築物の架構内の左右の柱と上下の梁で囲まれた開口部に、構造材が設置されてなり、
該構造材は、その一端が該架構の一部に固定されるとともに、他端がダンパー部を介して該架構の他の部分に取り付けられ、
該ダンパー部は、前記柱または梁側に固定され、水平に配置された板状の第一のダンパー構成材と、前記構造材側に固定され、水平に配置された板状の第二のダンパー構成材と、前記第一、第二のダンパー構成材間に配置される第三のダンパー構成材とからなる積層構造を備えて構成され
前記第一のダンパー構成材は、前記柱または梁にそのフランジの上面が固定されたT型鋼のウェブから、該ウェブと直交するとともに、該フランジと平行な状態で延出する第一の板状部材からなり、
前記第二のダンパー構成材は、前記構造材側に固定された鋼板の一方の面から、該鋼板と直交状態に延出する第二の板状部材からなり、
該第一および第二の板状部材は、互いに対向するように配置され、これらの間に、第三のダンパー構成材が充填されることにより、前記積層構造が形成されることを特徴とする。
【0008】
この建築物の制振構造は、上記のような構成とされているため、積層構造を構成する各部材の面積を大きくしても、建築物の内部空間が分断されたり、柱と梁によって囲まれた開口部が閉塞されることがない。
また、この建築物の制振構造においては、上記のような構成とされるため、各部材の面積を広くとることによって高性能の振動減衰機能が期待できる。
【0009】
請求項2記載の建築物の制振構造は、請求項1記載の建築物の制振構造であって、前記第三のダンパー構成材は、粘性体からなる材料から構成されていることを特徴とする。
また、請求項3記載の建築物の制振構造は、請求項1記載の建築物の制振構造であって、前記第三のダンパー構成材は、粘弾性体からなる材料から構成されていることを特徴とする。
【0010】
これらの建築物の制振構造においては、第三のダンパー構成材として、上記のようなものが使用されるため、大地震から中小地震または風振動に至るまで、広い範囲の振幅において振動エネルギーの減衰作用が期待できる。
【0013】
請求項記載の建築物の制振構造は、請求項1ないしのいずれかに記載された建築物の制振構造であって、前記構造材がブレースであることを特徴とする。
【0014】
この建築物の制振構造は、上記のような構成とされるため、十分な開口をとることができる。また、架構の振動エネルギーも効率よく吸収することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を、図面に基づいて説明する。
図2は、本発明の実施の形態を示す図であり、符号1は建築物の制振構造を表す。建築物の制振構造1は、架構2を構成する柱3および梁4によって囲まれた開口部5に対して設置されたものであり、架構2に対して一端が固定されたブレースである構造材6と、梁4に固定されるとともに、その下端が構造材6の一端側に接合されたダンパー部7とから構成されている。また、構造材6は、架構2に接合された下側部材6aと、ダンパー部7側に接合された上側部材6bと、下側部材6aと上側部材6bとの間に配置された中央部材6cとが接合されることによって形成されている。
【0016】
図3は、図2におけるA−A断面を示した図である。図中に示すように、ダンパー部7は、梁4の下面に対して固定された第一の鋼板組立体8と、第一の鋼板組立体8の側部および下部に配置された第二の鋼板組立体9と、第二の鋼板組立体9の下部に配置され、図2に示した構造材6に接合される第三の鋼板組立体10とを備えて構成される。
【0017】
図4は、図2におけるB−B断面を示した図である。図中に示すように、第二の鋼板組立体9の妻側の部分には、鉄骨と鋼板からなる一対の妻側部材11が接合され、第二の鋼板組立体の外枠部9aおよび妻側部材11によって第一の鋼板組立体8を囲む枠鉄骨12が形成されている。
【0018】
図1は、図3に示したダンパー部7の断面形状を拡大して示した図である。このように、第一の鋼板組立体8は、梁4に対してそのフランジ14aが固定されたT型鋼14と、T型鋼14のウェブ14bに対して固定され、ウェブ14bと直交するとともにフランジ14aと平行な状態でウェブ14bから側方へ延出する板状の第一のダンパー構成材15、15、…からなっている。
【0019】
一方、第二の鋼板組立体9は、第三の鋼板組立体10側に固定される鋼板16と、鋼板16の外面16aに固定され、鋼板16を補強する外枠部9aと、鋼板16の外面16aとは反対側の内面16bに対して固定され、鋼板16から側方へ延出する板状の第二のダンパー構成材17、17、…からなっている。また、第二のダンパー構成材17、17、…のうち、最も下部に位置する底板17aは、鋼板16の双方と接合されている。
【0020】
第一のダンパー構成材15、15、…および第二のダンパー構成材17、17、…は、ともに水平に配置され、これらの間には、ゴムアスファルトからなる第三のダンパー構成材18が充填されて、これらによって積層構造19が形成されている。なお、積層構造19の中央位置Vcは、図2に示した構造材6の成方向の中心線6dが交差する位置Lと一致する構成とされている。
【0021】
また、図1に示すように、鋼板16の内面16b側に固定された第三の鋼板組立体10は、H型鋼20と、H型鋼20のウェブ20aの両側方に、ウェブ20aおよびフランジ20bに対して直交するように取り付けれたリブプレート21とを備えて構成されている。リブプレート21は、H型鋼20の延在方向に複数間隔を置いて配置され、これらリブプレート21間には断面T字型の型鋼22が配置されている。図中に示すように、型鋼22は、そのウェブ22aが、H型鋼20のウェブ20aと直交状態となるように配置され、またフランジ22bが、鋼板16に対して高力ボルト23によって固定された構成とされる。高力ボルト23に対しては、鋼板16の外面16b側からのみナット24が取り付けられており、このことによって高力ボルト23の取り付け操作は、外面16a側のみから行うことが可能とされている。
【0022】
図5は、第一のダンパー構成材15、および第二のダンパー構成材17のうち底板17a以外のものの先端部を示した図である。このように第一のダンパー構成材15および第二のダンパー構成材17の先端部には、ピン27が接合されている。ピン27は、第一、第二のダンパー構成材15、17間に適切な間隔が保持されるように機能する。
【0023】
以上が本実施の形態の主要な構成であるが、次に、建築物の制振構造1の施工方法を図6ないし図11を参照して説明する。まず、図6に示すように第一の鋼板組立体8を製作するとともに、図7に示すように第二の鋼板組立体9のうち、平側の部分を構成する一対の平側部材9bを形成する。平側部材9bは、外枠部9a、鋼板16、および第二のダンパー構成材17から構成されるが、図1において示した第三のダンパー構成材17のうち底板17aは、この時点においてはまだ、鋼板16に対して接合されていない。
【0024】
次に、図8に示すように第一の鋼板組立体8の両側方に平側部材9bを配置するとともに、平側部材9b間に図中に示すように底板17aを配置する。ついで、図9に示すように平側部材9bの両端に対して妻側部材11を接合する。この後、底板17aの全周を、平側部材9bおよび妻側部材11に対して溶接する。
【0025】
このようにして、第一の鋼板組立体8および第二の鋼板組立体9を形成したら、
次に、図10に示すように、第一のダンパー構成材15、15、…、および第二のダンパー構成材17、17、…間に、加熱して溶解させたゴムアスファルトを流し込み、その後、これらを冷却することによって、第三のダンパー構成材18を充填する。このとき、図中に示すように、ゴムアスファルトが固化するまで、その流出を防止するための流出防止シート28を配置しておく。
【0026】
上記のようにして、第一、第二の鋼板組立体8、9および第三のダンパー構成材18を一体化した後、これらの下側に、図11(a)、(b)に示すように、第三の鋼板組立体10を接合する。このとき、第三の鋼板組立体10の下側には、構造材6の上側部材6bを溶接しておく。
【0027】
最後に、図10のように形成されたダンパー部7、および構造材6の上側部材6bを、架構2内に設置する。この際の手順としては、まず、図12に示すように、開口部5内に、構造材6の下側部材6aおよび中央部材6cを設置しておき、次に、図11に示したダンパー部7および上側部材6bを一体的に形成したものを開口部5内に吊り込み、ダンパー部7を梁4に、上側部材6bを中央部材6cに、それぞれ接合することによって、図2に示したような建築物の制振構造1が実現される。
【0028】
上述の建築物の制振構造1においては、地震等によって架構2に水平方向に力が作用し、層間変位が生じた際に、第一のダンパー構成材15と第二のダンパー構成材17とが水平方向に相対変位し、その結果、これらの間に介装された第三のダンパー構成材18が、せん断変形することによって、架構2の振動エネルギーを吸収する。このとき、図2に示した構造材6の中心線6d同士の交差する位置Lは、積層構造19の中央位置Vcと一致しているため、架構2が振動した際に積層構造19が回転変形する可能性が減少し、これによって、第三のダンパー構成材18が良好に架構2の振動エネルギーを吸収することが可能となる。さらに、このとき、構造材6に対してせん断力のみが伝達し、発生するモーメントが吸収されるように、枠鉄骨12が機能する。この場合の枠鉄骨12の曲げモーメント図を示した図が、図13である。図中には、枠鉄骨12の変位方向を矢印によって示す。矢印方向に変位が生じた際には、発生するモーメントは、枠鉄骨12によって図13に示すように処理され、構造材6に対しては、せん断力のみが伝達することとなる。
【0029】
本実施の形態の建築物の制振構造1は、上記のように機能するために、優れた制振効果を発揮することが可能となる。特に、積層構造19の積層方向が水平とされているために、積層構造19を構成する各部材の面積を大きくして、制振機能を高めるようにしても、開口部5が閉塞されない。したがって、建築物の制振構造1によれば、優れた制振機能が実現されると同時に、建築物の内部空間が分断されるようなことがなく、採光等の内部環境にも配慮することができる。
【0030】
また、建築物の制振構造1においては、第三のダンパー構成材18が粘弾性体であるゴムアスファルトから構成されているために、高度な減衰性能を有する制振構造が実現されることとなる。
【0031】
さらに、第三のダンパー構成材18は、板状に形成され、互いに対向するように配置された第一、第二のダンパー構成材15、17の間に介装された積層構造とされているため、積層構造を構成する各部材の面積を広くとることによって、より高性能の振動減衰作用が期待できることとなる。また、この積層構造を何層にもわたって積層させて形成すれば、さらなる振動減衰作用の高性能化を実現することが可能とされる。
【0032】
そして、本実施の形態においては、構造材6がブレースとされるために、開口部5に十分な開口をとることができ、したがって、従来の制振構造のように、内部空間の居住性を阻害することがない。また、構造材6がブレースとされるために、架構2に水平力が作用した際に、その振動エネルギーが効率よくダンパー部7に伝達することとなり、高性能の振動エネルギー吸収能力を発揮することが可能とされる。
【0033】
以上において、本発明の一実施の形態を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものでなく、材料や形態等の変更を施すようにしてもよい。
例えば、第三のダンパー構成材18の材質としては、ゴムアスファルト以外にも、高減衰ゴムやアクリル系材料などによって形成された粘弾性体を用いるようにしてもよい。また、第三のダンパー構成材18の材質として、粘性体を用いるようにしてもよく、この場合には、ブテン系材料やシリコンオイルなどが好適に用いられる。
【0034】
また、本発明の建築物の制振構造は、必ずしも図2に示すような形状とする必要はなく、例えば、図14に示すように、構造材6をV型ブレースとし、開口部5を形成する下側の梁4にダンパー部7を設けるようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る建築物の制振構造においては、建築物の架構内の左右の柱と上下の梁で囲まれた開口部に設置された構造材の一端が、ダンパー部を介して架構の他の部分に取り付けられる。また、ダンパー部は、柱または梁側に固定され、水平に配置された板状の第一のダンパー構成材と、構造材側に固定され、水平に配置された板状の第二のダンパー構成材と、前記第一、第二のダンパー構成材間に配置される第三のダンパー構成材とからなる積層構造を備えて構成される。このような構成とされることから、この建築物の制振構造においては、積層構造を構成する各部材の面積を大きくしても、開口部が閉塞されることがなく、したがって、優れた制振機能が実現されるとともに、建築物の内部空間が分断されるようなことがなく、採光等の内部環境にも配慮することができる。
また、請求項1記載の建築物の制振構造においては、第一のダンパー構成材は、柱または梁にそのフランジの上面が固定されたT型鋼のウェブから、ウェブと直交するとともに、フランジと平行な状態で延出する第一の板状部材からなり、第二のダンパー構成材は、前記構造材側に固定された鋼板の一方の面から、該鋼板と直交状態に延出する第二の板状部材からなり、これら第一および第二の板状部材は、互いに対向するように配置され、これらの間に、第三のダンパー構成材が充填されている。したがって、積層構造を構成する各部材の面積を広くとれば、高性能の振動減衰作用が期待できることとなり、また、この積層構造を何層にもわたって積層させて形成すれば、さらなる振動減衰作用の高性能化を実現することが可能とされる。
【0036】
請求項2に係る建築物の制振構造は、第三のダンパー構成材が、粘性体からなる材料から構成され、また、請求項3に係る建築物の制振構造は、前記第三のダンパー構成材は、粘弾性体からなる材料から構成される。
これらの建築物の制振構造においては、第三のダンパー構成材として、上記のようなものが使用されるため、優れた振動減衰機能が実現できるだけでなく、大地震から中小地震または風振動に至るまで、広い範囲の振幅において振動エネルギーの減衰作用が期待できる。
【0038】
請求項記載の建築物の制振構造によれば、構造材がブレースから構成されることから、開口部に十分な開口をとることができ、したがって、従来の制振構造のように、内部空間の居住性を阻害することがない。また、架構に水平力が作用した際に、その振動エネルギーが効率よくダンパー部に伝達することとなり、高性能の振動エネルギー吸収能力を発揮することが可能とされる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を模式的に示す、建築物の制振構造の拡大断面図である。
【図2】 本発明の建築物の制振構造の外観側面図である。
【図3】 図2に示した建築物の制振構造のA−A矢視断面図である。
【図4】 図2に示した建築物の制振構造のB−B矢視断面図である。
【図5】 図2に示した建築物の制振構造における第一、第二のダンパー構成材の端部を拡大して示した断面図である。
【図6】 本発明の建築物の制振構造の施工手順を示すための第一の鋼板組立体の斜視図である。
【図7】 本発明の建築物の制振構造の施工手順を示すための第二の鋼板組立体の一部の斜視図である。
【図8】 本発明の建築物の制振構造の施工手順を示すための図であって、図6に示した第一の鋼板組立体と図7に示した第二の鋼板組立体の一部とを組み合わせた際の状態を示す側面図である。
【図9】 本発明の建築物の制振構造の施工手順を示すための図であって、第一の鋼板組立体と第二の鋼板組立体とを組み合わせた際の状態を示す斜視図である。
【図10】 本発明の建築物の制振構造の施工手順を示すための図であって、第一の鋼板組立体と第二の鋼板組立体とを組み合わせ、さらにこれらの間に第三のダンパー構成材を充填した際の状況を示す側面図である。
【図11】 本発明の建築物の制振構造の施工手順を示すための図であって、(a)は、第一の鋼板組立体、第二の鋼板組立体、および第三の鋼板組立体を組み合わせた際の状態を示す断面図であり、(b)は、同側面図である。
【図12】 本発明の建築物の制振構造の施工手順を示すための図であって、図10に示した第一の鋼板組立体、第二の鋼板組立体、および第三の鋼板組立体を組み合わせたものを設置する前の開口部の状態を示す側面図である。
【図13】 本発明の建築物の制振構造の作用を示すための図であって、枠鉄骨に変位が生じた際の曲げモーメント図である。
【図14】 本発明の他の実施の形態を示す、建築物の制振構造の外観側面図である。
【符号の説明】
1 建築物の制振構造
2 架構
3 柱
4 梁
5 開口部
6 構造材
7 ダンパー部
14 T型鋼
14a フランジ
14b ウェブ
15 第一のダンパー構成材
16 鋼板
17 第二のダンパー構成材
18 第三のダンパー構成材
19 積層構造

Claims (4)

  1. 建築物の架構内の左右の柱と上下の梁で囲まれた開口部に、構造材が設置されてなり、
    該構造材は、その一端が該架構の一部に固定されるとともに、他端がダンパー部を介して該架構の他の部分に取り付けられ、
    該ダンパー部は、前記柱または梁側に固定され、水平に配置された板状の第一のダンパー構成材と、前記構造材側に固定され、水平に配置された板状の第二のダンパー構成材と、前記第一、第二のダンパー構成材間に配置される第三のダンパー構成材とからなる積層構造を備えて構成され
    前記第一のダンパー構成材は、前記柱または梁にそのフランジの上面が固定されたT型鋼のウェブから、該ウェブと直交するとともに、該フランジと平行な状態で延出する第一の板状部材からなり、
    前記第二のダンパー構成材は、前記構造材側に固定された鋼板の一方の面から、該鋼板と直交状態に延出する第二の板状部材からなり、
    該第一および第二の板状部材は、互いに対向するように配置され、これらの間に、第三のダンパー構成材が充填されることにより、前記積層構造が形成されることを特徴とする建築物の制振構造。
  2. 請求項1記載の建築物の制振構造であって、前記第三のダンパー構成材は、粘性体からなる材料から構成されていることを特徴とする建築物の制振構造。
  3. 請求項1記載の建築物の制振構造であって、前記第三のダンパー構成材は、粘弾性体からなる材料から構成されていることを特徴とする建築物の制振構造。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載された建築物の制振構造であって、前記構造材がブレースであることを特徴とする建築物の制振構造。
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