JP2571872B2 - 構造物用制震鉛ダンパ− - Google Patents

構造物用制震鉛ダンパ−

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JP2571872B2
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直樹 田中
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Kajima Corp
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は絶縁された構造部材間等の相対移動時に変形
する鉛の履歴エネルギーを利用した構造物用制震鉛ダン
パーに関するものである。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
鉛は単体でも履歴吸収エネルギーに富むため、免震装
置や制震装置に付属するダンパーとしての利用可能性が
考えられるが、柔らかいために単独では均一な変形生じ
にくい、すなわちエネルギー吸収能力が低く、特に曲げ
が加わると性能が半減する、という性質があるため、能
力の発生上は周囲からはらみが拘束され、体積変化を伴
わないせん断変形場で使用されることが必要である。
鉛の特性を生かした使用方法として、鋼板とゴムから
なる積層ゴムの中心に鉛棒を配して鉛棒を周囲から拘束
し、作動時には積層ゴムと同一形式のせん断変形を強制
的に生じさせる免震装置がある。
この免震装置では鉛棒を積層ゴムの中心に置く結果、
鉛棒は理想的に拘束されていると言えるが、全体的には
拘束のための部材の占める割合が高く、積層ゴムは抵抗
力を発揮し、鉛とともに外力を分担しながら変形する構
造であるため、ダンパーとしての設計時には両者を複合
した特性として評価する必要がある等の煩雑さがある。
本発明は鉛を構造物用制震ダンパーとして使用する場
合の、その特性の把握の難しさに着目してなされたもの
で、純粋に鉛単独の特性を評価し得る構造の制震ダンパ
ーを新たに提案しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の構造物用制震鉛ダンパーは、互いに距離を隔
てた構造部材間、または構造部材と非構造部材間に設置
され、両者間の相対移動時にせん断変形してエネルギー
を吸収するための構造物用制震ダンパーであって、一方
向にせん断変形する6面体の鉛ブロックと、この鉛ブロ
ックを周囲から拘束する剛な拘束板および端板とからな
り、拘束板は対象となる外力の作用方向(制震機能を働
かせようとする方向)について鉛ブロックの前後面およ
び上面または下面に配置され、相隣る拘束板どうしはそ
の外力の作用方向と直交する方向の軸を有するヒンジで
連結されており、鉛ブロックの両側面を前記拘束板の変
位を拘束しない端板で塞いでなるものである。
〔実施例〕
以下、本発明を一実施例を示す図面に基づいて説明す
る。
本発明の鉛ダンパーDは、第1図、第2図に示すよう
に、6面体の鉛ブロック1とその回りを取り囲む拘束板
2および端板4とから構成され、鉛ブロック1が一方向
にせん断変形することによって周囲から拘束された状態
における鉛ブロック1の持つ履歴エネルギーにより構造
物の振動エネルギーを吸収するものである。
拘束板2は、第2図−Iに示すように、外力の作用方
向について鉛ブロック1の前後面および上面に配置され
ている(本実施例において鉛ブロック1の下面は構造部
材に直接、接している)。換言すれば、実施例に示すよ
うに外力を水平力として受ける場合、拘束板2は外力の
作用方向を含む鉛直面に直交する面をなして配置され
る。
また、相隣る拘束板2どうしは、外力の作用方向と直
交する方向の軸回りに回転自在にヒンジ3で連結され
る。
これにより、各拘束板2は鉛ブロック1の変形に自由
に追従しながら、鉛のはらみ出しを拘束する。
鉛ブロック1の両側面、すなわちヒンジ3の軸方向両
端の端面は、鉛ブロック1の平常時およびせん断変形時
の立面積より大きい面積を持つ端板4で塞がれる。
この端板4と拘束板2により、鉛ブロック1は3軸方
向に拘束を受けた状態となり、外力によってはらみ出し
を生ずることなくせん断変形することになる。
端板4と拘束板2にはせん断変形時に鉛ブロック1に
局部的な変形を生じさせない鋼板等、剛な板が使用され
る。
第3図に外力による本鉛ダンパーDの変形の性状を示
すが、拘束板2はヒンジにより互いにピン接合されてい
るため、IIに示すように外力に抵抗することなく、鉛ブ
ロック1の変形に従って変形し、外力は鉛ブロック1の
みによって負担される。
この変形のメカニズムを、鉛ブロック1の目地から漏
れ出しを発生させることなく、円滑に実現させるために
は、拘束板2間や、これらと端板4との間で気密性を確
保すると同時に、ヒンジ3の摩擦力を低減するための、
例えばOリングやボールベアリングをヒンジ3内に介在
させる潤滑油を注入する、またはヒンジ3自身に耐磨耗
処理を施す、あるいは拘束板2や端板4自身を平滑に仕
上げ、潤滑材を併用する等の処理を施すことが望まし
い。
さらに、拘束板2または端板4に透明な耐熱アクリル
板等を使用すれば、メンテナンスが容易になり、また鋼
板を使用した場合にもタッピング等の要領で鉛ブロック
1の充填状況の把握は可能であり、漏れ等の異常が確認
されたときには不足分を駄目孔等から溶融鉛を充填すれ
ば足りる。
第4図は本鉛ダンパーDを、一設置例として上下方向
に距離を隔てた構造部材S1,S2間、または構造部材S1
非構造部材S2間に設置し、水平力に対して抵抗させる配
置状態を示したものである。
鉛ダンパーDは、図示するように構造部材S1等に取付
部材5を介してボルト6や溶接等により接合される。
第5図は、端板4の外側にバットレス7を設け、その
面外方向の補強を施した場合の実施例を示したものであ
る。
以上は、鉛ダンパーDを水平一方向に機能させる場合
の使用例であるが、第6図に示すように2個、互いにヒ
ンジ3どうしの軸の向きを直交させ、取付部材5により
高さ方向に接続し、それぞれを独立に作動させることに
よって1箇所で水平二方向、すなわち任意の水平方向の
外力に対して効かせることができる。
〔発明の効果〕
本発明の構造物用制震鉛ダンパーは、6面体の鉛ブロ
ックの周囲を拘束板と端板で拘束し、拘束板間のヒンジ
により拘束板が外力に抵抗することなく6面体形状を維
持しつつ変形する鉛ブロックの変形に追従する構造であ
るため、ダンパーとしての抵抗力は鉛の抵抗力のみであ
り、鉛本来のせん断変形による履歴吸収エネルギーを最
大限に利用しながら、その特性を正確に評価することが
できる。
また、6面体の鉛ブロックと拘束板、端板といった剛
な板と拘束板間を連結するヒンジのみの簡単な構造であ
り、設計、製作も容易である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示した斜視図、第2図−I
はその縦断面図、II,IIIはIのそれぞれ側面図,平面
図、第3図−I,IIは本発明の変形前と変形後の様子を示
した概要図、第4図−Iは構造部材等への設置例を示し
た立面図、IIはその断面図、第5図は他の実施例を示し
た斜視図、第6図は鉛ダンパーを2個組み合わせた使用
例を示した立面図である。 D……鉛ダンパー、1……鉛ブロック、2……拘束板、
3……ヒンジ、4……端板、5……取付部材、6……ボ
ルト、7……バットレス

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに距離を隔てた構造部材間、または構
    造部材と非構造部材間に設置され、両者間の相対移動時
    にせん断変形してエネルギーを吸収するための構造物用
    制震ダンパーであって、一方向にせん断変形する6面体
    の鉛ブロックと、この鉛ブロックを周囲から拘束する剛
    な拘束板および端板とからなり、前記拘束板は対象とな
    る外力の作用方向について前記鉛ブロックの前後面およ
    び上面または下面に配置され、相隣る拘束板どうしは前
    記外力の作用方向と直交する方向の軸を有するヒンジで
    連結されており、前記鉛ブロックの両側面を前記拘束板
    の変位を拘束しない端板で塞いでなることを特徴とする
    構造物用制震鉛ダンパー。
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