JP3690116B2 - 車両用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用シートに係り、特にシートクッションとシートバックの連結部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用シートはシートクッションとシートバックを備え、両者の間に連結部が設けられている。この連結部は、シートクッションに備えられたヒンジブラケットとシートバックに備えられたヒンジブラケットとを、取付ボルトを介して回動可能に連結するよう構成される。
【0003】
ところで近年、車両用シートとして図3に示すものがよく用いられている。即ち、シートバック32が図3中破線で示す前倒位置と、一点鎖線で示す後倒位置との両方に傾倒可能とされたシートである。この場合、理想的には、シートバック32前倒時は、シートバック32とシートクッション31が平行に重なるのがよく、また、シートバック32後倒時、シートバック32の前面32aとシートクッション31の上面31aが略同一面上にあり、しかもシートバック32とシートクッション31との隙間Gがなるべく小さいのが好ましい。これらの要求を充たすためには、シートクッション31とシートバック32の回動部(ヒンジ点)は、図3中34で示すように、シートクッション上面31aより上方に突出していることが望ましい。
【0004】
しかし、ヒンジブラケットや取付ボルトは金属製である。従って、これがクッションパッド上方に突出して露出していると見栄えが良くなく、また触れたときの感触が悪い。そこで従来は、これらの金属部品に対して樹脂キャップを装着することで対処していた。しかし樹脂キャップを付けると、それだけ部品点数が増してしまうことに加え、樹脂キャップを成形するために用いる金型の製作に多大な費用がかかってしまう。その対策として、例えば実公平3−34120号公報には、バックフレーム側のヒンジブラケット側部に突出した取付ボルトの頭部をバックフレーム被覆用の表装材で覆い、これによりボルト頭部用の樹脂キャップを省略する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、バックフレーム側のヒンジブラケットは表装材で覆われているが、クッションフレーム側のヒンジブラケットは部分的に露出している。このため、金属製ヒンジブラケットの露出部分に体が触れると不快感を生ずるという問題がある。また、金属部品が部分的に露出しているのでシート全体として見栄えが良くなく、外観性に劣るという問題もある。
【0006】
従って本発明の目的は、触感性が良好で外観性の優れた車両用シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、シートのクッションフレームと、前記クッションフレーム上に載置されるクッションパッドと、前記クッションフレームに固定されて前記クッションパッド上面よりも上方に突出しシートバック連結用の穴を有する支持金具と、前記支持金具を覆うように袋状に形成されて前記支持金具の穴に対応する開口を有するシート表皮と、前記支持金具の穴及び前記シート表皮の開口を通して前記シートバックを前記支持金具に回動可能に連結する部材とを備えた車両用シートにより、達成される。
【0008】
ここでシート表皮は、通常、支持金具をクッションパッドと一体的に覆うように構成されるが、両者を切り離して別々に覆うようにしてもよい。その場合両者は同一のシート表皮であることが好ましい。また、支持金具部分を覆うシート表皮は袋状に形成するとよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例を示す図で、(a)は車両用シートの全体図、(b)は要部拡大図である。本実施例はリクライニングシートを例にとって説明するが、本発明はこれに限られるものではない。同図(a)のように、シートクッション1とシートバック2が、リクライニング操作部3と回動部4を介して連結されている。本実施例に用いるシートは、図3中破線で示すように、少なくともシートバック2とシートクッション1が平行に重なるように構成される。回動部4付近を拡大すると、同図(b)に示すようになる。本実施例では、クッションパッドのシート表皮6aと同様のシート表皮6bを用いて、クッションフレームに固定された支持金具であるヒンジブラケット5を覆うように構成する。これによりヒンジブラケット5は外部に露出しない。シート表皮6bは、ヒンジブラケット5を覆い易いように袋状に形成される。シート表皮6aと6bは、通常、同一のシート表皮を使うのが一体感があって好ましいが、別の効果を狙う場合は色や模様あるいは材質の異なるシート表皮を使うこともできる。また両者は、一体的に製作してもよいし、切り離して別々に製作してもよい。
【0010】
クッションフレーム側のヒンジブラケット5は、後述する連結部材によって、バックフレーム側のヒンジブラケット7と回動可能に連結される。ヒンジブラケット7には樹脂カバー8が装着される。樹脂カバー8には、後述するボルト10の頭部に対応する部分に穴が設けられている。
【0011】
このように、袋状に形成されたシート表皮6bがヒンジブラケット5を覆うので、金属製のヒンジブラケット5は露出せず、外からは見えない。従って、例えばヒンジブラケット5のエッジ部に手が触れるようなことはない。触れるのはシート表皮のため触感性は良好である。またヒンジブラケット5がシート表皮6bに隠れるので見栄えが良く、外観性の優れたものとなる。さらにシート表皮6bが袋状に形成されているので、ヒンジブラケット5がシートクッション1の上方に大きく突き出た構造のシートにも、容易に対応可能である。
【0012】
図2は、図1(b)のA−A’断面を示す図である。図のように、クッションフレーム13にはクッションパッド14が載置され、クッションパッド14はシート表皮6aで覆われている。また、取付用の穴を有するヒンジブラケット5がクッションフレーム13に溶接等により固定されている。ヒンジブラケット5の穴にはナット9が挿入される。ナット9は、大きい外径の頭部9aと、中くらいの外径の上腹部9bと、小さい外径の下腹部9cとからなっており、上腹部9bがヒンジブラケット5の穴に位置するように、溶接等でヒンジブラケット5に固定される。
【0013】
袋状に形成されたシート表皮6bは、ヒンジブラケット5の穴に対応する部分に開口を有する。この開口はシート表皮6bに開けた穴でもよいし、切り込みでもよい。シート表皮6bは、ナット上腹部9bにその開口を挿入し、ナット頭部9aを含むヒンジブラケット5をその袋状部で覆うように配置される。このようにシート表皮6bの開口がナット9に通されているので、シート表皮6bがヒンジブラケット5から外れることはない。
【0014】
一方、取付用の穴を有するヒンジブラケット7は、図示しないバックフレームに溶接等により固定されている。ヒンジブラケット7の穴にもナット9が挿入される。ヒンジブラケット7は、ナット下腹部9cにその穴が位置するように配置される。ボルト10は、ヒンジブラケット7の穴及びワッシャー11を介して、ナット9にねじ込まれる。これによりヒンジブラケット7は、ナット下腹部9cにおいて回動可能に保持される。ヒンジブラケット7には、保護用の樹脂カバー8が装着される。
【0015】
このように本発明は、シート表皮でクッションフレーム側のヒンジブラケットとなる支持金具を覆うように構成したので、部品点数を増やすことなく、シート端部の感触を良くし、かつ外観性を向上することができる。また、金属部の露出がないので、全体的にソフト感を持たせることができる。さらに、クッションパッド用のシート表皮と同じシート表皮で支持金具を覆うことにより、両者の色合せが不要となり作業性が向上するとともに、支持金具突出部の存在を意識させることなくシート全体に一体感を出すことができるという効果がある。
また、本発明をシートバック側のヒンジブラケットに用いても、同様の効果を得ることができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、触感性が良好で外観性の優れた車両用シートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図で、(a)は車両用シートの全体図、(b)は要部拡大図である。
【図2】図1(b)のA−A’断面を示す図である。
【図3】シートバックの傾倒する様子をあらわす側面図である。
【符号の説明】
5 クッションフレーム側のヒンジブラケット
6a、6b シート表皮
7 バックフレーム側のヒンジブラケット
8 樹脂カバー
9 ナット
10 ボルト
11 ワッシャー
13 クッションフレーム
14 クッションパッド
Claims (2)
- シートのクッションフレームと、前記クッションフレーム上に載置されるクッションパッドと、前記クッションフレームに固定されて前記クッションパッド上面よりも上方に突出しシートバック連結用の穴を有する支持金具と、前記支持金具を覆うように袋状に形成されて前記支持金具の穴に対応する開口を有するシート表皮と、前記支持金具の穴及び前記シート表皮の開口を通して前記シートバックを前記支持金具に回動可能に連結する部材とを備えたことを特徴とする車両用シート。
- 前記シート表皮は、前記クッションパッドを覆うシート表皮と同一のシート表皮であることを特徴とする請求項1記載の車両用シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15697998A JP3690116B2 (ja) | 1998-06-05 | 1998-06-05 | 車両用シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15697998A JP3690116B2 (ja) | 1998-06-05 | 1998-06-05 | 車両用シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11346858A JPH11346858A (ja) | 1999-12-21 |
JP3690116B2 true JP3690116B2 (ja) | 2005-08-31 |
Family
ID=15639522
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15697998A Expired - Lifetime JP3690116B2 (ja) | 1998-06-05 | 1998-06-05 | 車両用シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3690116B2 (ja) |
-
1998
- 1998-06-05 JP JP15697998A patent/JP3690116B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11346858A (ja) | 1999-12-21 |
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