JP3689587B2 - プリント配線基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICあるいはLSI等のチップ接続用として使用される多層パッケージ基板等のプリント配線基板に関し、特にオーガニックパッケージ基板など、コア材上に一層又は多層に配線パターン層を絶縁樹脂ビルドアップ層を介して形成し、さらにその表面を樹脂ソルダーレジスト層で覆った構造を有するプリント配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のようなプリント配線基板においては、その樹脂ソルダーレジスト層上に、検査装置への基板の位置決めや、チップ接続時の基板へのチップ位置合わせ等を行うためのアライメントマークをはじめとする各種金属目印層が、Auメッキ層等により形成されている。例えば、基板の自動位置決め処理においては、基板表面の撮影を行い、その画像解析により金属目印層の領域を特定することが通常行われている。ここで、上記金属目印層は、樹脂ソルダーレジスト層に覆われずに表面に露出して形成される。具体的には、樹脂ソルダーレジスト層表面上に、その一部を覆う形で金属目印層を形成したり、あるいは基板最表面側の配線パターン層と同一の層またはそれよりも下層(内層)位置に金属目印層を、その表面が露出する形で樹脂ソルダーレジスト層中に埋設形成されている。
【0003】
ところで、従来よりプリント配線基板の樹脂ソルダーレジスト層の材質としては、比較的透明度が高く、かつ無色あるいは無色に近い樹脂が使用されており、その下側に埋設されている配線パターンの少なくとも最上層に位置するものは、ソルダーレジスト層を介して透視可能になっている(すなわち、透けて見える)のが通常である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のプリント配線基板には、次のような問題がある。すなわち、金属目印層が、例えば金メッキ層等の光沢度の大きい外観を呈する場合、樹脂ソルダーレジスト層による背景領域の色調が明るいと、撮影画像上にて金属目印層の識別が困難となり、位置決めや位置合わせ処理時に金属目印層を検出できなかったり、誤検出してしまうことがある。また、金属目印層の背景部分に、下側の配線パターンが比較的暗い色調で透けて見えている場合は、配線パターンのエッジを金属目印層のエッジと誤認してしまう不具合をとりわけ生じやすくなる。特に、配線パターン領域の周囲の領域(配線背景領域)の色調が明るすぎると、配線パターン領域とのコントラストが大きくなって、それら両領域の境界を金属目印層領域のエッジ線と誤認しやすくなる。
【0005】
本発明の課題は、基板表面の撮影画像上にて金属目印層の識別が容易であり、基板の位置決めや位置合わせ処理時に、金属目印層の検出失敗や誤検出等のトラブルを生じにくい構造を有するプリント配線基板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記の課題を解決するために、本発明に係るプリント配線基板は、
コア材の片面又は両面に、一層又は絶縁樹脂ビルドアップ層を介して複数層に形成された配線パターン層と、
配線パターンのうち、基板最表層側に位置する配線パターン層を覆って形成された樹脂ソルダーレジスト層と、
樹脂ソルダーレジスト層上に形成されるか、又は表面が露出する形態で樹脂ソルダーレジスト層中に埋設形成される金属目印層とを備え、
樹脂ソルダーレジスト層の形成された基板面を見たときに、金属目印層の背景領域には、該背景領域中に透視形態で表れている配線パターン領域と、背景領域中の配線パターン領域を除いた残余の部分である配線背景領域とが存在し、背景領域において、配線背景領域の色調及び/又は明度が配線パターン領域の色調及び/又は明度に近づくように、樹脂ソルダーレジスト層に着色が施されていることを特徴とする。
【0007】
上記のプリント配線基板の構成では、配線パターン領域の色調及び/又は明度に対し、その配線パターン領域を除いた残余の部分である配線背景領域の色調及び/又は明度がこれに近づくように、樹脂ソルダーレジスト層に着色を施している。その結果、配線パターン領域と配線背景領域とのコントラストが小さくなって、それら両領域の境界を金属目印層領域のエッジ線と誤認する不具合が生じにくくなり、ひいては金属目印層領域の検出を精度よく行うことができるようになる。
【0008】
特に、金属目印層が、AuあるいはAu合金からなるAu系金属層(例えばAuメッキ層)のように強い金属光沢を呈するものであり、下側の配線パターンが比較的暗い色調で表れている場合、樹脂ソルダーレジスト層には、上記の配線背景領域の明度が小さくなるように着色を施すことで、配線パターン領域とその周囲の領域(配線背景領域)とのコントラストが縮小される一方、配線背景領域と金属目印層との間のコントラストは高められ、金属目印層領域の検出をさらに精度よく行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例たるプリント配線基板1の一例を示しており、図2はその断面構造を示している。プリント配線基板1は、例えば約25mm角、板厚約1mmであり、以下のような構造をなす。すなわち、耐熱性樹脂板(例えばビスマレイミド−トリアジン樹脂板)や、繊維強化樹脂板(例えばガラス繊維強化エポキシ樹脂)等で構成された板状のコア材2の両表面に、所定のパターンにコア配線パターン層3,13がそれぞれ形成される。これらコア配線パターン層3,13はコア材2の表面の大部分を被覆するように形成され、電源層又は接地層として用いられるものである。他方、コア材2には、ドリル等により穿設されたスルーホール12が形成され、その内壁面にはコア配線パターン層3,13を互いに導通させるスルーホール導体30が形成されている。また、スルーホール12は、エポキシ樹脂等の樹脂製穴埋め材31により充填されている。
【0010】
また、コア配線パターン層3,13の上層には、感光性エポキシ樹脂等の樹脂により第一ビルドアップ層4,14がそれぞれ形成されている。さらに、その表面にはそれぞれ第一配線パターン層5,15がCuメッキにより形成されている。なお、コア配線パターン層3,13と第一配線パターン層5,15とは、それぞれビア導体32,33により層間接続がなされている。同様に、第一配線パターン層5,15の上層には、感光性エポキシ樹脂等の樹脂により第二樹脂ビルドアップ層6,16がそれぞれ形成されている。さらに、その表面にはそれぞれ第二配線パターン層7,17がCuメッキにより形成されている。これら第一配線パターン層5,15と第二配線パターン層7,17とも、それぞれビア導体34,35により層間接続がなされている。なお、コア配線パターン3,13、第一配線パターン層5,15及び第二配線パターン層7,17の各表面は、上層の樹脂層との密着強度を上げるために表面粗化処理(例えば化学的な処理に基づくもの)が施されている。
【0011】
次に、第二樹脂ビルドアップ層6上には、金属目印層9が形成されている。金属目印層9は、例えば最表面部が金メッキ層(例えば厚さ0.04μm)として形成され、例えば、図1に示すように、チップ実装時の基板へのチップ位置合わせ用に使用されるアライメントマーク9aや、基板位置決め用に使用されるフィディシャルマーク9b等を含むものである。これらはいずれも表面が平滑で、比較的強い金属光沢外観を示すものとなっている。さらに、第二樹脂ビルドアップ層6上には、第二配線パターン層7と導通する下地導電性パッド10が多数設けられている。これら下地導電性パッド10は、無電解Ni−PメッキおよびAuメッキにより基板のほぼ中央部分に正方形状に配列し、各々その上に形成された半田バンプ11とともにチップ搭載部40を形成している。
【0012】
他方、第二配線パターン層7が形成されている側、及び第二配線パターン層17が形成されている側には、それら配線パターン層7,17を覆う樹脂ソルダーレジスト層8,18がそれぞれ形成されている。なお、配線パターン層7側においては、金属目印層9は樹脂ソルダーレジスト層8中に埋設され、かつ表面が露出している。このような構造は、例えば金属目印層を一旦全て覆う形で樹脂ソルダーレジスト層を形成し、その後、その樹脂ソルダーレジスト層の、金属目印層に対する被覆部分を除去すれば得ることができる。
【0013】
ここで、絶縁樹脂ビルドアップ層4,6は、層の主体となる樹脂材料が、例えば感光性エポキシ樹脂(例えば紫外線(UV)硬化性エポキシ樹脂)等の絶縁性プラスチック材料で構成される。また、樹脂ソルダーレジスト層8は、層の主体となる樹脂材料が、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等の絶縁性プラスチック材料で構成される。この場合、紫外線硬化性兼加熱硬化性樹脂を使用すれば、同時に多数のビアホールを形成できることから生産性向上を図る上で望ましく、具体例としては、エポキシアクリレート樹脂、エポキシ樹脂の部分アクリル化樹脂、エポキシアクリレート樹脂への酸無水物付加物、無水マレイン酸共重合体等のアクリル系ポリマーとオリゴマーとの組み合わせ等を例示することができる。
【0014】
本発明の一実施例たる上記のプリント配線基板1は、例えば下記に示す公知のサブトラクティブ法により製造することができる。まず、板状の耐熱性樹脂板(例えばビスマレイミド−トリアジン樹脂板)または、繊維強化樹脂板(例えばガラス繊維強化エポキシ樹脂)の両表面にCu箔を張り付けたコア材2を用意する。次に、Cu箔およびコア材を貫通するスルーホール12をドリル等で穴開けし、Cu箔の表面およびスルーホール12の内壁面に無電解Cuメッキおよび電解Cuメッキをし、Cuメッキ層を形成する。そして、スルーホール12をエポキシ樹脂等の樹脂製穴埋め材により充填し、コア材2表面に所定のパターンのエッチングレジストを形成する。さらに、上記エッチングレジストから露出したCuメッキ層の不要部分をエッチングにより除去し、コア配線パターン層3およびスルーホール導体30を形成する。なお、コア配線パターン層3は電源層または接地層として機能するものである。
【0015】
上記のようにして得られたコア材2の両面に感光性エポキシ樹脂をフィルム化したものを貼り付けて、第一樹脂絶縁ビルドアップ層4,14を形成する。そして、露光・現像工程により、ビア導体32,33が形成される位置にビアホール36,37を形成する。次に、第一ビルドアップ層4,14上及びビアホール36,37の内壁面に無電解Cuメッキ層を形成する。そして、この無電解Cuメッキ層のうち所望の部分のみを露出させるメッキレジストを形成し、メッキレジストより露出した無電解メッキ層上に電解メッキを施す。その後、メッキレジストを剥離し、さらに不要な無電解メッキ層をエッチングにより除去することにより、第一配線パターン層5,15およびビア導体32,33を形成する。同様にして、順次第二樹脂絶縁ビルドアップ層6,16、第二配線パターン層7,17及び、ビア導体34,35を形成する。
【0016】
また、金属目印層9は、配線パターン層7と同時にCuメッキにより形成した後、その表面にニッケルメッキ及び金メッキ(例えば厚さ0.04μm)をこの順序で施して形成する。上記金属目印層9と第二配線パターン層7、及び第二配線パターン層17上にそれぞれ、着色済みの感光性エポキシ樹脂をフィルム化したものを貼り付け、樹脂ソルダーレジスト層8,18を形成する。そして、金属目印層9は、ソルダーレジスト層8により覆い、露光現像工程により露出するように形成される。なお、裏面側において、樹脂ソルダーレジスト層17から露出した第二配線パターン層17は、マザーボード等の他のプリント配線板と接続するための外部接続端子(ランド)として用いられる。
【0017】
上記のプリント配線基板1は、樹脂ソルダーレジスト層8の形成された基板面(図1)を見たときの、金属目印層9(9a,9b)の背景領域において、図4に示すように、該背景領域中に透視形態で表れている配線パターン領域27の色調及び/又は明度に対し、その配線パターン領域27を除いた残余の部分である配線背景領域28の色調及び/又は明度がこれに近づくように、樹脂ソルダーレジスト層8(図2)に着色が施されている。
【0018】
樹脂ソルダーレジスト層8の着色は、図3(a)に示すように、樹脂材料8a中に染料や顔料等の着色剤8bを配合することによりなされる。例えば、樹脂材料8aが無色である場合には、着色剤8bの配合により当該着色剤8bと同じ色相を有するものとなるように着色がなされる。また、図3(b)に示すように、樹脂材料8a自体が固有の色調を呈するものである場合には、着色剤8bの色相と樹脂材料固有色の色相とが混合された色相を呈するものとなる。この場合、その色相は着色剤8bの樹脂材料に対する配合比率に応じて異なるものとなる。他方、いずれの場合も、着色の彩度(いわば、色の濃さ)と明度(色の明るさ)とは、着色剤の配合量に応じて定まることとなる。
【0019】
具体的には、図2において、樹脂ソルダーレジスト層8の形成された基板面に、照明強度がほぼ3100ルクスとなるように白色光を照射して、その基板面からの反射光輝度分布を測定したときに、図4において、金属目印層領域29からの平均的な反射光輝度IAと、配線パターン領域27からの平均的な反射光輝度IBと、配線背景領域28からの平均的な反射光輝度ICとの間に、
IA>IB、
IA>IC、
0.8<IB/IC<1.2、
の関係が成り立つように、樹脂ソルダーレジスト層8(図2)に着色が施されていることが望ましい。
【0020】
IA≦IBあるいはIA≦ICとなる状況は、金属目印層9の表面が何らかの原因により粗化あるいは汚染されて、光沢を失ったときに発生することが考えられる。このような状態になると、画像による金属目印層検出の際に支障を来たすことがあるので、IA>IBあるいはIA>ICとすることが望ましいのである。他方、IB/ICが上記の範囲(0.8<IB/IC<1.2)を外れた場合、配線パターン領域27と配線背景領域28との間にコントラストが付き過ぎて、両者の境界が金属目印層9のエッジと誤認される恐れが生ずる。
【0021】
ここで、樹脂ソルダーレジスト層8を介して透視される(すなわち、透けて見える)配線パターンは、例えば図2において、最も上層に位置する第二配線パターン層7のものであり、図4に示すように、表面粗化処理が施されている関係上、配線パターン領域27は比較的暗い色調で表れ、周囲の配線背景領域28はそれよりも明るく表れる(すなわち、IB<IC)。この場合、樹脂ソルダーレジスト層8には、配線背景領域28の部分の明度が小さくなるように着色を施して、基板最表層側に位置する配線パターンに対応する配線パターン領域27と配線背景領域28との間のコントラストを小さくするようにする。結果として、配線背景領域28と金属目印層領域29との間のコントラストは大きくなる。
【0022】
このことは、図4下側の模式的なグラフに示すように、基板面撮影画像における反射光輝度分布において、配線パターン領域27と配線背景領域28との間の平均的な輝度レベルの差I2が小さくなり、配線背景領域28と金属目印層領域29との間の平均的な輝度レベルの差I1が大きくなることを意味する。その結果、例えば乱反射や色むら等による局所的な輝度変動が生じても、金属目印層領域29のエッジ確定に使用する輝度閾値レベルSHLが、配線パターン領域27と配線背景領域28との中間の輝度レベルに入りにくくなり、ひいては金属目印層領域29のエッジ誤検出が生じにくくなる。具体的には、配線パターン領域27と配線背景領域28との間の平均的な輝度レベルIC,IBは、(IC−IB)/IC<0.2を満たしているのがよい。また、樹脂ソルダーレジスト層8は、IA>3ICの関係が成り立つものとなるように、着色されていることがさらに望ましい。IA>3ICとすることにより、金属目印層領域29と配線背景領域28とのコントラストが一層明快となり、金属目印層領域29のより正確な検出が可能となる。
【0023】
これに対して、従来のプリント配線基板100では(比較例)、固有色が明るい色調の樹脂材料を使用し、樹脂ソルダーレジスト層は本件発明の条件のように着色がされていないため、配線背景領域128が明るく表れ過ぎてしまう(図5参照)。すると、配線背景領域128と金属目印層領域129との間のコントラストが小さくなり、配線パターン領域127と配線背景領域128との間のコントラストは大きくなる。従って、上記の輝度閾値レベルSHLは、配線背景領域128と金属目印層領域129との間の比較的狭い輝度レベル区間I1に入る必要が生じ、乱反射や色むら等による局所的な輝度変動を生じたときに誤検出を生じやすくなる。
【0024】
配線背景領域28の色調は、JISZ8721に規定された方法により測定・表示したときに、その明度Vが6以下となるように着色しておくことが望ましい。明度Vが6を超えると、金属目印層領域29との間のコントラストが小さくなり、ひいては金属目印層領域29のエッジ検出が困難になる場合がある。
【0025】
【実験例】
以下、本発明の効果を確認するために以下の実験を行った。
まず、図1及び図2に示すプリント配線基板として、第一配線パターン層5及び第二配線パターン層7を、幅約35μm、厚さ約16μmの無電解+電解Cuメッキ層として、また第一絶縁樹脂ビルドアップ層4及び第二絶縁樹脂ビルドアップ層6を、それぞれ厚さ30μmの無着色の層間絶縁エポキシ樹脂層として形成した。さらに、樹脂ソルダーレジスト層8は、紫外線硬化型エポキシ樹脂であるプロビコート5000(商品名:日本ペイント(株))を樹脂材料として用い、これにフタロシアニン系染料により着色したもの(実施例:JISZ8721による測定結果によれば、明度Vは5である)、及び無着色のもの(比較例:JISZ8721による測定結果によれば、配線背景領域において明度Vは8である)を用いて、それぞれ厚さ20μmに形成した。
【0026】
上記のプリント配線基板をワークとして、樹脂ソルダーレジスト層8が上側となるように定板上に配置し、図6に示すようにリング照明で照らしながら、接写リングを介してレンズを取り付けたCCDカメラにより撮影した。CCDカメラからの画像信号出力は、コンピュータにて構成された画像処理装置により取り込み、各ピクセルの輝度分布を求めた。なお、使用した機器及び条件は以下の通りである:
画像処理装置:HITACHI IP−200
カメラ:HITACHI KP−140
レンズ:COSMICAR (焦点距離:50mm、絞り:8、フォーカス:無限遠)
接写リング:高さ10mm
照明:HAYASHI(径75mm)
光源:HAYASHI LA−100SAE
ワーク表面での照明強度:3100LUX
ワークディスタンス:310mm
照明高さ:140mm。
【0027】
図4あるいは図5に示すように、図1のアライメントマーク9aの位置における金属目印層領域29の位置(IA)と、その近傍に表れている配線背景領域28(IC)及び配線パターン領域27(IB)の各位置に、2×2=4ピクセルのマトリックス状の検出領域を定め、その4つのピクセルの輝度の平均値として、各領域の輝度レベルを測定した。なお、輝度値は、画像処理装置にて256階調グレースケール表示したときの相対値のみを表しており、絶対値を表すものではない。また、金属目印層領域29の輝度IAは、高輝度のためスケールアウトしている。以上の結果を表1に示す。また、実際に得られた金属目印層領域29の周辺の画像を図7に示す((a)が実施例、(b)が比較例)。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例の基板ではIBとICとの差が小さく、図7(a)に示すように、配線背景領域28と配線パターン領域27とのコントラストも低く抑さえられている。また、着色により配線背景領域28が暗くなっているので、金属目印層領域29との境界が非常に明確に識別される。これに対し、比較例の基板ではIBとICとの差が大きく、図7(b)に示すように、配線背景領域128と配線パターン領域127とのコントラストが強められ、両者の境界がくっきり表れている。他方、配線背景領域128が明るい色を呈しているため、金属目印層領域129との境界は非常に識別しにくくなっていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリント配線基板の一実施例を示す平面図。
【図2】その断面構造を模式的に示す図。
【図3】同じく、その断面要部の構造を模式的に示す図。
【図4】本発明のプリント配線基板の基板面を照明下で観察したときの、各領域の表れ方、及びその輝度分布を模式的に説明する図。
【図5】比較例のプリント配線基板の基板面を照明下で観察したときの、各領域の表れ方、及びその輝度分布を模式的に説明する図。
【図6】実験例で使用した測定系の構成を表す模式図。
【図7】その実験にて使用した実施例及び比較例の各基板の、金属目印層領域周辺の輝度分布画像出力。
【符号の説明】
1 プリント配線基板
2 コア材
3,13 コア配線パターン
4,14 第一絶縁樹脂ビルドアップ層
5,15 第一配線パターン層
6,16 第二絶縁樹脂ビルドアップ層
7,17 第二配線パターン層
8,18 樹脂ソルダーレジスト層
8a 樹脂材料
8b 着色剤
9 目印金属層
10 下地導電パッド
11 半田バンプ
27,127 配線パターン領域
28,128 配線背景領域
29,129 金属目印層領域
Claims (5)
- コア材の片面又は両面に、一層又は絶縁樹脂ビルドアップ層を介して複数層に形成された配線パターン層と、
前記配線パターンのうち、基板最表層側に位置する配線パターン層を覆って形成された樹脂ソルダーレジスト層と、
前記樹脂ソルダーレジスト層上に形成されるか、又は表面が露出する形態で前記樹脂ソルダーレジスト層中に埋設形成される金属目印層とを備え、
前記樹脂ソルダーレジスト層の形成された基板面を見たときに、前記金属目印層の背景領域には、該背景領域中に透視形態で表れている配線パターン領域と、前記背景領域中の前記配線パターン領域を除いた残余の部分である配線背景領域とが存在し、前記背景領域において、前記配線背景領域の色調及び/又は明度が前記配線パターン領域の色調及び/又は明度に近づくように、前記樹脂ソルダーレジスト層に着色が施されていることを特徴とするプリント配線基板。 - 前記樹脂ソルダーレジスト層には、前記背景領域において、前記配線背景領域の部分の明度が小さくなるように着色が施されている請求項1記載のプリント配線基板。
- 前記樹脂ソルダーレジスト層の形成された基板面に、照明強度がほぼ3100ルクスとなるように白色光を照射して、その基板面からの反射光輝度分布を測定したときに、金属目印層領域からの平均的な反射光輝度IAと、前記配線パターン領域からの平均的な反射光輝度IBと、前記配線背景領域からの平均的な反射光輝度ICとの間に、
IA>IB、
IA>IC、
0.8<IB/IC<1.2、
の関係が成り立つように、前記樹脂ソルダーレジスト層に着色が施されている請求項1又は2に記載のプリント配線基板。 - 前記樹脂ソルダーレジスト層は、前記IA、前記IB及び前記ICの間に、
IA>3IC、
IB<IC、
(IC−IB)/IC<0.2
の関係が成り立つものとなるように、着色が施されている請求項3記載のプリント配線基板。 - 前記樹脂ソルダーレジスト層は、前記配線背景領域の色調をJISZ8721に規定された方法により測定・表示したときに、その明度Vが6以下となるように着色されている請求項1ないし4のいずれかに記載のプリント配線基板。
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