JP3688135B2 - 金属棒材の熱処理方法及び装置 - Google Patents

金属棒材の熱処理方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細長い金属棒材を熱処理する方法及び装置に関し、特に、予め適宜長さに切断された金属棒材を、その軸線方向の一部領域を誘導加熱可能な誘導子に対して軸線方向に相対的に移動させることで、前記金属棒材を全長に亘って誘導加熱し、熱処理する方法及びそれに用いる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドリルのビットや精密機械用のシャフトには、優れた耐摩耗性を付与するために焼入れなどの熱処理が施されているが、その熱処理を効率良く実施するために、最終製品に加工する前の素材である細長い小径円柱状の金属棒材の段階で熱処理することが多い。熱処理に供される金属棒材(以下ワークという)のサイズには、外径がmmオーダー、長さがmオーダーと言ったきわめて細長いものがあり、このようなワークは加熱による軟化と相まって座屈、曲がり等の不都合な変形が極めて生じやすい。従来は上記熱処理がバッチ式で行われ、上記変形を避けるために能率の低い作業を余儀なくされてコスト高となっていた。
【0003】
そこで本出願人は、上記状況を改善すべく検討の結果、複数基のピンチスキューローラセットによってワークを回転させながら軸線方向に連続的に走行させ、ピンチスキューローラセットの間に配置した誘導子で走行中のワークを所定の熱処理温度に加熱し、下流に配置した冷却装置で冷却することで、ワークを全長に亘って連続的に熱処理する装置を開発し、特許出願した(特開平9−71819号公報参照)。この装置の開発により、きわめてたわみ易い細長いワークの熱処理が走行方式で行えるようになり、歩留りを含めた生産性が大幅に向上した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この装置にも、更に改良すべき点のあることが判明した。すなわち、図8に示すように、ワーク1を誘導加熱するための誘導子2としては通常コイル状のものが1個若しくは複数個使用され、その長さL(複数個使用した場合は合計長さ)は、通過するワーク1を熱処理のために必要な所定温度に昇温させ且つその温度に一定時間保持することができる長さに設定されているが、この誘導子2をワークの端部が通過する際に端部がオーバーヒートされて、熱処理品質が端部で変化するという問題があった。
【0005】
ワーク端部に生じるオーバーヒートの原因は次のように考えられる。一般に、ワークを、それを包囲するコイル状の誘導子で誘導加熱する際、ワーク内に生じる誘導電流は表面が最も高く、中心に向かうにつれて指数関数的に減少する。例えば、図9(a)に示すように、ワーク1を誘導加熱する場合において、ワーク1の中心Oを通る直線A−Aを想定し、その直線上における誘導電流の大きさを表示すると、ワーク1の片側では曲線11Aのように、反対側では曲線11Bのように、表面から中心に向かって指数関数的に減少し、且つその極性は反対となっている。そして、電流浸透深さδ、即ちワーク内における誘導電流の値が表面の1/εに減少する深さδは、ワークの固有抵抗値ρ、透磁率μ、周波数f等の関数であり、中実の円柱材に対しては数1に示す(1)式で表される。
【0006】
【数1】
Figure 0003688135
【0007】
この電流浸透深さδが大きくなると、図9(b)に曲線12A、12Bで示すように、ワーク表面の誘導電流が減少し、ワーク中心部分での誘導電流が大きくなり、しかも中心部では極性が逆の誘導電流が流れるため、相互に干渉してロスを生じてしまう。このようなロスを生じ始める電流浸透深さδに対応する周波数を許容最低周波数(以下fMIN で表す)という。図9に示すような中実の円柱材に対しては、最低許容周波数fMIN は次の(2)式で表される。
MIN =77.5ρ/μa2 ・・・(2)
【0008】
ワークの誘導加熱に使用される周波数は、通常、許容最低周波数fMIN の3〜5倍程度に設定されており、誘導電流間の干渉によるロスを避けている。
【0009】
そして、ワーク1の加熱温度を一定に保つための制御方式としては、鋼材等のワークは温度が上昇すると固有抵抗値が増大するという特性をもっているので、この特性を考慮して高周波電源装置3の誘導子2への出力電圧を一定に制御する制御方式(以下自動電圧調整方式という)が採用されている。誘導子2によるワーク1の加熱熱量Wは、誘導子への印加電圧Vと負荷インピーダンスZの関数であり、通常、次の(3)式で表される。ただし、kは定数。
W=kV2 /Z・・・・(3)
【0010】
前記したように鋼材等のワークは温度が上昇すると、固有抵抗値ρが増大する特性を有しており、このため、ワークの加熱温度が低い時は固有抵抗値ρが小さく、負荷インピーダンスZが小さいが、ワークの加熱温度が高くなると、固有抵抗値ρが大きく、負荷インピーダンスZが大きくなる。従って、誘導子2への印加電圧Vを一定に制御する自動電圧調整方式を採用すると、上記(3)式から、温度が低いと加熱熱量Wが大きいが、温度が上昇すると加熱熱量Wが低下し、ワークの加熱温度は自動的に所定温度に収斂し、一定温度に保持することができ、ワークの温度を直接測定してフィードバック制御を行うことなく、安定してワークを一定温度に加熱し、保持できる。
【0011】
ところが、図8(b)に示すように、ワーク(先行のワークと後続のワークを区別するため1A、1Bで示す)を続けて熱処理する場合において、ワーク1A、1Bの端部が誘導子2内を通過する際、その誘導子2内にはワーク1A、1Bの端部とその間の空間5が存在することとなり、誘導子2から見た加熱対象の負荷インピーダンスZE は、ワークのみが通過している時の負荷インピーダンスZに比べて小さくなる。このため、自動電圧調整方式では、誘導子2の高周波電流量が増大し、ワーク1A、1Bに生じる誘導電流が増加して加熱熱量が増大する。しかも、ワーク端部が誘導子2内を通過する際には、空間5内を通るべき磁束がワーク端部内に集中してしまい、この点からもワーク端部の誘導電流量が増大し、オーバーヒートを生じていた。また、ワークを次々と供給する際にワーク端部間の空間5の長さdを一定になるように考慮しなかったところ、この長さdが、ワーク端部が通過する際の負荷インピーダンスZE 及び磁束のワーク端部への集中に影響しており、これによってもワーク端部の加熱温度が変動していた。
【0012】
更に、ワークの熱処理速度(ワークの走行速度)を高めようとすると、誘導子2の長さLを長くし、投入熱量を大きくする必要があるが、その際にはワーク端部のオーバーヒートが一層拡大される。特に、熱処理すべきワークとして、高速度鋼などの特殊鋼を用いる場合には、加熱温度が、例えば1200°Cと高く且つ許容温度範囲が、±10°C程度ときわめて厳しいため、ワーク端部のオーバーヒートが重大な問題となってきた。
【0013】
本発明は上記した問題点を解決せんとするもので、細長いワークを誘導子に対して相対的に且つ軸線方向に移動させて誘導加熱する熱処理方法において、ワーク端部のオーバーヒートを防止し、ワーク全長を均一な温度に昇温させて均一に熱処理することを可能とする熱処理方法を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、複数のワークを次々と誘導子を通して誘導加熱する熱処理装置において、誘導子を通過する際の先行ワークと後続ワークの間隔を一定に保って走行させることができ、これによりワーク端部の温度をワーク間でも均一化することを可能とする熱処理装置を提供することも目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、図1(a)に示すように、細長いワーク1を、その軸線方向の一部領域を誘導加熱可能な誘導子2に対して軸線方向に相対的に移動させることで、ワーク1を全長に亘って誘導加熱し、熱処理する方法において、前記誘導子2に高周波電流を供給する高周波電源装置7の出力周波数を、前記ワーク1の熱処理温度における最低許容周波数よりも低い値とし、且つ前記高周波電源装置7の出力制御方式を出力電流が一定に保持される自動電流調整方式としたことを特徴とする。
【0016】
誘導子2に対して一定電流を供給すると、その誘導子2で囲まれた空間内には通常一定強さの磁界が生じ、その中のワーク1に対して誘導電流を生じさせる。この時、図9(a)、(b)に示したように、電流浸透深さδが異なると、誘導電流量そのものが異なるばかりでなく、発熱に有効に利用される電流量も異なることとなり、ワークの吸収熱量が異なる。今、電流浸透深さδがワークに吸収される電力に与える影響を見るために、ワークに一定強さの磁界を加えて誘導加熱した際の(従って、誘導子2に一定電流を流して誘導加熱した際の)ワーク単位体積当たりの有効吸収電力Qと無効吸収電力Pを計算すると、図2に示すグラフが得られる。なお、このグラフにおいて、横軸には、γa=√2×(a/δ)を取っている。電流浸透深さδはワークの固有抵抗値ρ及び周波数fの関数であるので、図2のグラフの横軸に取っているγaは、固有抵抗値ρ及び周波数fのいずれを変化させても変化し、従って、図2のグラフは、固有抵抗値ρを一定とし、周波数fを変化させた場合、及び、周波数fを一定とし、固有抵抗値ρを変化させた場合のいずれにも成り立ち、いずれの場合についての説明にも用いることができる。前記した許容最低周波数fMIN は、有効吸収電力Qが最大となる点(γa= X0 ≒2.5)に対応するものである。本発明では許容最低周波数より低い周波数を用いることを特徴とするものであり、γaが2.5以下の適当な範囲を使用することとなる。以下、本発明方法によりワーク1の端部を含めた全長を良好に温度管理できる点を説明する。
【0017】
今、図2のグラフにおいて、γaを2.5以下の適当な値X1 とした時にワーク1を熱処理のための所定温度に昇温、保持しうる有効吸収電力Q1 を付与しうるように誘導子2の電流及び周波数を定めているものとする。本発明では、誘導子2を流れる電流が一定であるので磁界の強さが一定となっている。また、ワーク1は通常、一定速度で誘導子2を通過するので、ワーク1の中間部分が誘導子2を通過している際には原則としてワークの加熱熱量が一定となっており、ワークは一定温度に加熱昇温され、且つ一定時間その温度に保持されることとなる。ところが、何らかの原因で加熱温度が変動することがある。しかしながら、ワーク温度が所定温度よりも高くなると、温度上昇に伴って固有抵抗値ρが大きくなるので、電流浸透深さδが大きくなり、γaは小さい値X2 となる。このため、有効吸収電力がQ2 に低下し、ワーク温度が低下する。一方、ワーク温度が所定温度よりも低い場合には、固有抵抗値ρが小さくなるので、電流浸透深さδが小さくなり、γaは大きい値X3 となる。このため、有効吸収電力がQ3 に増大し、ワーク温度が上昇する。このようにして何らかの外乱によってワーク温度が変化しても、ワーク温度は自動的に所定温度に戻り、その温度に保持され、均一な熱処理が行われる。
【0018】
次に、図1(b)に示すように、ワーク1A、1Bの端部が通過する際には、誘導子2から見た負荷インピーダンスが小さくなる。しかしながら、誘導子2への出力電流が一定に保たれるため、負荷インピーダンスに関係なく、磁界の強さは一定に保たれており、従来のように磁界の強さが大きくなってワーク端部をオーバーヒートさせるという現象は生じにくくなる。また、ワーク端部間の空間5が通過する際には、空間5を通過すべき磁束がワーク端部を通るため、ワーク端部の磁界の強さが大きくなり、ワーク端部の誘導電流が増加する傾向があるが、この場合にも、ワーク端部の温度が高くなると、電流浸透深さδが大きくなって有効吸収熱量Qが低下し、これにより自動的に温度が下がり、オーバーヒートが防止される。かくして、従来生じていたワーク端部のオーバーヒートを防止でき、ワークを全長に渡って良好に熱処理することができる。
【0019】
なお、ワーク端部を通過する磁束の強さは、先行のワーク1Aの後端と後続のワーク1Bの先端との間隔dの大きさによって変化するので、この間隔dが変動すると、ワーク端部の誘導電流が変動し、加熱温度が不安定となる。そこで、ワーク端部が誘導子2内を通過中、この間隔dを常に一定に保ち、且つ、複数のワークを次々と誘導子2に通して加熱する際の各ワーク端面間の距離dも一定とすると、ワーク端部の加熱を安定化させることができ、好ましい。
【0020】
次に、本発明装置は、複数基のローラセットによって、小径のワークをその軸線を所定の走行軸線上に保持し、誘導子を配置した加熱領域を通って走行させる構成の熱処理装置において、上記した本発明の熱処理方法を実施しうるよう、前記誘導子の高周波電源装置を、誘導子に供給する出力周波数が、前記金属棒材の熱処理温度における最低許容周波数よりも低い値であり、且つ出力制御方式が、出力電流が一定に保持される自動電流調整方式である構成とする。更に本発明装置は、熱処理すべき後続の金属棒材を、前記ローラセットで搬送中のワークの後方から、前記ローラセットに供給する金属棒材供給装置を設け、且つその金属棒材供給装置を、後続の金属棒材を、前記ローラセットが搬送している先行の金属棒材と同一軸線上で且つ先行の金属棒材よりも高速で搬送し、後続の金属棒材の先端が、先行の金属棒材の後端に対して所定の間隔となる位置に達した時点で、先行の金属棒材と同一速度に減速し、その速度で前記ローラセットに供給する構成としたことを特徴とする。この構成によれば、ローラセットで搬送中のワークの後ろに適当な間隔をあけて後続のワークを供給すると、金属棒材供給装置がその後続のワークを先行するワークに向かって走行させ、所定間隔に追い付いた時点で後続のワークの速度を先行のワークの速度に合わせてローラセットに供給でき、その後は後続のワークもローラセットで供給されるため、先行のワークと後続のワークとが所定の間隔を保った状態で、誘導子を配置した加熱領域を通過することとなり、常にワーク端部の均一な加熱が行われる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の熱処理方法は、図1、図2で説明したように、細長いワーク1を、その軸線方向の一部領域を誘導加熱可能な誘導子2に対して軸線方向に相対的に移動させることで、ワーク1を全長に亘って誘導加熱し、熱処理する方法において、前記誘導子2に高周波電流を供給する高周波電源装置7の出力周波数を、ワークの熱処理温度における最低許容周波数よりも低い値とし、且つ前記高周波電源装置7の出力制御方式を出力電流が一定に保持される自動電流調整方式としたことを特徴とする。
【0022】
本発明で熱処理の対象とするワーク2は、通常は中実円柱状の棒材であるが、これに限らず、図2のグラフに示すように、電流浸透深さδを大きくした時(γaを小さくした時)に有効吸収電力Qが小さくなるような特性領域を備えた棒材であれば任意である。例えば、断面が矩形状、多角形状等の中実の棒材でもよいし、肉厚の厚い中空の棒材(管)でもよい。ワークのサイズ(外径等)も特に制限されるものではないが、誘導電流相互の干渉を生じやすい小径のもの(例えば、20mm以下)に本発明を適用することが好ましい。
【0023】
ワーク2を誘導加熱するための誘導子2は、通常、図示したようなソレノイドコイル状のものを用いるが、円筒状或いはリング状のものを1個或いは複数個用いてもよい。ソレノイドコイル状の誘導子2を用いる場合においても、単一の誘導子2でワークを常温から熱処理に必要な温度(例えば、高速度鋼に対して約1200°C)に昇温させ、且つ適当な時間その温度に保持する構成としてもよいし、複数の誘導子を用いてワークの昇温及び温度保持を行う構成としてもよい。本発明は誘導子2への通電制御方式に特徴を有するが、その制御対象とする誘導子2は、複数の誘導子を用いた場合に全部の誘導子としても良いし、ワークを所定の熱処理温度に保持するための誘導子2のみとしてもよい。
【0024】
誘導子2によってワーク1を誘導加熱する際、そのワーク1を中心軸線を中心として回転させることが好ましい。このように回転させながら誘導加熱すると、周方向の温度分布を均一化することができる利点が得られる。
【0025】
本発明では前記したように誘導子2に供給する電流の周波数をワークの熱処理温度における最低許容周波数fMIN よりも低い値とするものである。具体的には、例えば中実円柱状のワーク2の最低許容周波数fMIN は上記した(2)式で求めることができるので、これを参考にして設定すればよい。また、図2に示すグラフを計算で求め、それを参照して周波数を設定してもよい。図2を参照して設定する場合には、γa値を、有効吸収電力Qが最大となる点(γa=X0 ≒2.5)よりも少し低い値に設定し、そのγa値に対応する周波数を求めればよい。なお、最低許容周波数fMIN 或いは、γa値に対応する周波数は、ワークの固有抵抗値ρの関数となっており、且つその固有抵抗値ρは温度の関数である。従って、最低許容周波数fMIN 或いはγa値に対応する周波数を求めるに当たっては、ワークの所望の熱処理温度に対する固有抵抗値ρを用いる。
【0026】
誘導子2に加える電流の周波数は、上記したように最低許容周波数fMIN 以下とするものであるが、これを小さくすると(図2のγa値を小さくすると)、図2から分かるように、無効吸収電力Pが大きくなり、エネルギーロスが大きくなる。従って、周波数をあまり小さくすることは好ましくない。従って、γa値としては、1.5〜2.5程度に設定することが好ましく、更には2.0〜2.4に設定することが一層好ましく、誘導子への電流の周波数はこれらのγa値に対応する周波数とすればよい。
【0027】
本発明では高周波電源装置7の出力周波数をワークの熱処理温度における最低許容周波数fMIN 以下とし、且つ誘導子への出力電流を常に一定に保つ構成としたことにより、ワーク温度が所定の熱処理温度よりも高くなった時には、ワークの固有抵抗値ρの変化によって自動的に有効吸収電力が低下して温度が低下し、逆にワーク温度が所定の熱処理温度よりも低くなった時には、ワークの固有抵抗値ρの変化によって自動的に有効吸収電力が増加して温度が上昇する。かくして、オーバーヒートを生じやすいワーク端部に対しても、オーバーヒートを抑制した均一な加熱が可能となり、温度制御の困難な高速熱処理に対応可能となる。
【0028】
次に、本発明装置の実施の形態を説明する。図3は本発明の実施の形態による熱処理装置を示す概略平面図、図4、図5はその熱処理装置を異なる作動状態で示す概略平面図である。図3〜図5において、1Aは先行のワーク、1Bは後続のワーク、1Cは待機中のワーク、2はワーク1Aを誘導加熱するコイル状の誘導子、7は誘導子2に高周波電流を供給する高周波電源装置、21は、ワーク1Aを所定の走行軸線C−C上に保持して軸線方向に走行させる複数基のローラセットである。複数基のローラセット21は、各ローラセット間のワーク1Aに問題となるようなたわみを生じさせることがないような間隔で配置されており、その間のワークの遊走区間に誘導子2が配置されている。誘導子2は、その中を通過するワーク1Aの軸線方向の一部領域を熱処理に必要な所定温度に加熱し且つ適当な時間に亘ってその温度に保持可能な長さに設計されるが、1個の誘導子2では、このような長さを確保できない場合には、複数個の誘導子2をワーク1Aの走行軸線に沿って配置してもよい。高周波電源装置7はその出力周波数をワークの熱処理温度における最低許容周波数fMIN 以下としており且つ誘導子への出力電流を常に一定に保つ自動電流調整方式のものである。なお、図示は省略しているが、ワーク1Aの走行方向の下流に、ワークの熱処理に必要な速度でワークを冷却する冷却装置が設けられている。
【0029】
ローラセット21は、ワーク1Aを走行軸線C−C上に保持して軸線方向に走行させることのできるものであれば、その構成は任意であるが、この実施の形態では、ワーク1Aの回転させながら走行させることの可能なピンチスキューローラセットが用いられている。このピンチスキューローラセット21は、図6、図7に示すように、基台22と、この基台22上に、ワーク1Aの走行軸線C−Cをはさんで交互に且つその走行軸線C−Cに対して微小な角度α1 (2〜4°程度)傾斜して配置された複数の受けスキューローラ23と、ワーク1Aを受けスキューローラ23に押しつけるように且つ受けスキューローラ23とは反対方向に微小な角度α2 (2〜4°程度)傾斜して設けられた1個の押えスキューローラ24と、受けスキューローラ23と押えスキューローラ24の一方若しくは双方を回転駆動する駆動手段(図示せず)を備えており、受けスキューローラ23と押えスキューローラ24の一方若しくは双方を一定速度で回転させることでワーク1Aを回転させながら軸線方向に一定速度で走行させることができる。なお、ピンチスキューローラセット21に用いる受けスキューローラ23は、少なくとも走行軸線C−Cをはさんで1個ずつあればよいが、図示したように走行軸線C−Cの両側にそれぞれ複数個設けておくと、受けスキューローラ23によるワーク1Aの支持点が多くなってワーク1Aを直線状に支持する効果が増し、ワーク1Aにたわみを生じさせることなく安定して支持できる利点が得られるので、好ましい。
【0030】
図3〜図5において、30は、熱処理すべき新たなワーク1Bをローラセット21に送り込む金属棒材供給装置である。この金属棒材供給装置30は、熱処理すべき後続の金属棒材1Bを走行軸線C−C上で軸線方向に移動可能に保持するローラ32等の保持手段と、そのワーク1Bの後端を押して走行させるプッシャ34と、プッシャ34を走行させるねじ軸37、モータ38等のプッシャ駆動装置36と、ローラセット21によって搬送されているワーク1Aの後端を検出する第一センサ40と、その第一センサ40よりもワーク1Aの走行方向に関して後ろ側に所定間隔をあけて配置され、ワーク1Bの先端を検出する第二センサ42と、第一センサ40及び第二センサ42からの信号に基づいてプッシャ34の走行速度を制御するようプッシャ駆動装置36を制御する制御装置(図示せず)と、走行軸線C−Cの横に複数の待機中のワーク1Cを走行軸線C−Cに平行に保管する金属棒材保管装置44と、その金属棒材保管装置44に保管されている一つのワーク1Cを走行軸線C−Cの上に供給するフィーダ(図示せず)等を備えている。
【0031】
ここで、プッシャ駆動装置36を制御する制御装置は、ローラセット21で搬送されている先行のワーク1Aの後端が第一センサ40を通過した時刻とプッシャ34で押されている後続のワーク1Bの先端が第二センサ42を通過した時刻とから、後続のワーク1Bの先端が、端部に配置されているローラセット21に到達する前に(厳密には、押えスキューローラ24に到達する前に)、先行のワーク1Aの後端に対して所定の間隔dとなる位置に追いつくことを可能とするワークの走行速度を求めて直ちにプッシャ34の速度をその走行速度とし、その後、後続のワーク1Bの先端が先行のワーク1Aの後端に対して所定の間隔dとなる位置に追いついたタイミングでプッシャ34の速度をローラセット21による先行のワーク1Aの走行速度に等しくさせるようプッシャ駆動装置36を制御する構成である。具体的な制御内容(速度設定)については後述する。
【0032】
次に、上記構成の装置による動作を説明する。なお、説明の便宜上、第一センサ40及び第二センサ42の位置をそれぞれS1 、S2 とし、後続のワーク1Bの先端が先行のワーク1Aの後端に対して所定の間隔dに追いつく位置をD、この時の先行のワーク1Aの後端の位置をEとする。なお、位置Dはローラセット21の押えスキューローラ24に接触しない位置で且つ押えスキューローラ24に近接した位置を適当に選定すればよいが、この例では、ワーク1Aの後端が押えスキューローラ24の中心に達した時点でワーク1Bが位置Dに達するものとしており、従って位置Eは押えスキューローラ24の中心位置である。また、各位置S1 、S2 、Dの間隔を図示したように、L1 、L2 、L3 とする。ローラセット21によるワーク1Aの搬送速度をV0 とする。
【0033】
図3において、複数のローラセット21がワーク1Aを回転させながら一定速度V0 で走行させており、そのワーク1Aが誘導子2内を通過する間に熱処理温度に加熱され、下流の冷却装置(図示せず)で冷却され、所定の熱処理が連続的に施される。このワーク1Aの後端が位置S2 の第二センサ42を通過すると、第二センサ42が検出信号を出力し、金属棒材保管装置44のフィーダ(図示せず)を作動させて、金属棒材保管装置44上の一つのワーク1Cを走行軸線C−Cの上に供給する。この時、プッシャ34はワークの供給に干渉しない後端位置に退避している。
【0034】
次に、先行のワーク1Aの後端が位置S1 を通過すると、第一センサ40がそれを検出し、制御装置はその検出信号に基づいてカウントを開始すると共に、プッシャ駆動装置36の作動を開始させ、走行軸線C−Cの上に供給されていたワーク1Bをプッシャ34で押して前進させる。この時のプッシャ34の走行速度V1 は先行のワーク1Aの走行速度V0 よりも大きく設定している。次に、図4に示すように、後続のワーク1Bの先端が位置S2 の第二センサ42に到達すると、第二センサ42がそれを検出し、制御装置は先にカウントを開始してからの時間t1 を計測し、その時間t1 を基にして、ワーク1Bの先端が位置Dに到達した時に先行のワーク1Aの後端との間隔が所定の間隔dとなるような速度V2 を計算する。この計算は次のようにして行うことができる。
【0035】
図4に示す状態から、後続のワーク1Bの先端が位置Dに到達するまでの時間をt2 とすると、
2 ・t2 =L3 −d ・・・(4)
また、同じ時刻に先行のワーク1Aの後端が位置Eに到達するから、
0 ・t2 =L2 −V0 ・t1 ・・・(5)
上記の二つの式より、
2 =(L3 −d)・V0 /(L2 −V0 ・t1 ) ・・・(6)
2 =(L2 −V0 ・t1 )/V0 ・・・(7)
となる。
【0036】
制御装置は、後続のワーク1Bの先端が位置S2 に到達した時に(6)式により、速度V2 を計算して求めると同時に、プッシャ34をその速度V2 に変更し、後続のワーク1Bを速度V2 で走行させる。これにより、後続のワーク1Bは先行のワーク1Aに追いついてゆく。更に、制御装置は第二センサ42による後続のワーク1Bの先端検出信号から再度カウントを開始し、(7)式によって求めた時間t2 をカウントしてゆく。そして、時間t2 をカウントアウトした時には、図5に示すように、先行のワーク1Aの後端と後続のワーク1Bの先端の間隔が所定の間隔dとなるタイミングであるので、プッシャ34の速度を先行のワーク1Aの走行速度V0 に一致させる。これにより、後続のワーク1Bは先行のワーク1Aと同一速度で且つ端部間距離を所定の距離dに保った状態でローラセット21に送り込まれる。そして、後続のワーク1Bもローラセット21で搬送される状態となると、制御装置はプッシャ34を元の待機位置(図3に示す位置)に戻し、次の動作に備える。
【0037】
以上のようにして、後続のワーク1Bが先行のワーク1Aに対して、一定の間隔dを保って供給され、ワーク1A、1Bは一定の間隔dを保った状態で一定速度V0 で誘導子2を通過し、加熱される。ここで、前記したように、高周波電源装置7の出力周波数を最低許容周波数fMIN 以下とし、且つ誘導子2への出力電流を常に一定に保つ構成としているので、誘導子2による誘導加熱中において、ワーク温度が所定温度よりも高くなった時には、ワークの固有抵抗値ρの変化によって自動的に有効吸収電力が低下して温度が低下し、逆にワーク温度が所定温度よりも低くなった時には、ワークの固有抵抗値ρの変化によって自動的に有効吸収電力が増加して温度が上昇し、ワーク温度を所望の熱処理温度に保持できる。また、ワークの端部が通過する際にも同様の作用によりオーバーヒートが抑制され、更に端部間距離が常に一定値dに保持されているので、温度変動も抑制され、ワーク全長を均一に熱処理できる。かくして、図示した実施の形態による熱処理装置では、金属棒材保管装置44に保管しているワーク1Cを次々と、走行軸線C−C上に供給し、各ワーク間の距離を所定の間隔dに保って誘導子2に通し、均一な熱処理を連続的に実施することができる。
【0038】
【実施例】
図3〜図5に示す熱処理装置を用いて表1に示す外径のワーク(材質;高速度鋼)を加工速度20mm/s、加熱温度1200°Cで熱処理した。この時、使用した誘導子2は長さ5+20cmのものを2段に分けて配置し、且つ並列関係で共通の高周波電源装置7に接続した。また、先行のワーク1Aと後続のワーク1Bの端部間の間隔dは、5mmとした。高周波電源装置7の出力条件及び加熱結果を表1、表2に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0003688135
【0040】
【表2】
Figure 0003688135
【0041】
表1、表2から明らかなように、使用周波数を最低許容周波数fMIN よりも低く設定した場合(実施例1、2、3)では、使用電力は増すものの、端部を含めてワーク全体の温度は適正であり、良好な熱処理が可能であった。一方、使用周波数を最低許容周波数fMIN よりも高く設定した場合(比較例1、2、3)では、端部温度が高くなっており、オーバーヒートが生じていた。これは、ワーク端部が誘導子2内を通過する際に磁束集中により温度が高くなるが、その際、使用周波数が最低許容周波数fMIN よりも高く設定した場合には、温度上昇によって固有抵抗値ρが大きくなって図2のグラフにおけるγaが小さくなると、有効吸収熱量Qが増大し、ますます温度が上昇したためであると考えられる。
【0042】
なお、図3〜図5の実施の形態では、高周波電源装置7が出力周波数を最低許容周波数fMIN 以下とし且つ誘導子2への出力電流を常に一定に保つ自動電流調整方式のものとしたが、本発明装置は必ずしもこの構成に限らず、ワーク端部の加熱に或る程度の温度上昇が許容される場合などには高周波電源装置7の制御方式は他の方式としてもよい。その場合においても、ワークを常に一定間隔で次々と供給できるので、ワーク端部の加熱をワーク間で均一とできる利点が得られる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、本発明の熱処理方法は、誘導子によってワークを誘導加熱するに際し、誘導子に加熱電力を供給する高周波電源装置の出力周波数を、ワークの熱処理温度における最低許容周波数よりも低い値とし、且つ前記高周波電源装置の出力制御方式を出力電流が一定に保持される自動電流調整方式としたことにより、ワークの温度が所定の熱処理温度よりも高くなった時にはワークの固有抵抗値ρの変化によって自動的に有効吸収電力が低下して温度が低下し、逆にワーク温度が所定の熱処理温度よりも低くなった時には、ワークの固有抵抗値ρの変化によって自動的に有効吸収電力が増加して温度が上昇し、ワーク温度を所定の熱処理温度に保持でき、ワークの端部が通過する際にも同様な作用によってワーク温度を所定の熱処理温度に保持でき、ワーク全長に亘って均一温度に加熱して均一な熱処理を行うことができるという効果を有している。
【0044】
また、本発明装置は、上記した本発明の熱処理方法を実施してワークの均一な熱処理を行うことができ、更に、熱処理すべき新たな金属棒材を、ローラセットで搬送中のワークの後方から、そのローラセットに供給する金属棒材供給装置を設け、且つその金属棒材供給装置を、後続の金属棒材を、前記ローラセットが搬送している先行の金属棒材と同一軸線上で且つ先行の金属棒材よりも高速で搬送し、後続の金属棒材の先端が、先行の金属棒材の後端に対して所定の間隔となる位置に達した時点で、先行の金属棒材と同一速度に減速し、その速度で前記ローラセットに供給する構成としたことにより、ワークを次々と一定間隔でローラセットに送り込むことができ、ワークを均一に且つ生産性よく熱処理することができるという効果も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を説明するもので、(a)は誘導子内をワークの中央部分が通過する状態を示す概略断面図、(b)は誘導子内をワークの端部が通過する状態を示す概略断面図
【図2】ワークを誘導子で加熱する際の有効吸収電力Qと無効吸収電力Pの特性を示すグラフ
【図3】本発明装置の実施の形態による熱処理装置の概略平面図
【図4】図3に示す装置を異なる作動状態で示す概略平面図
【図5】図3に示す装置を更に異なる作動状態で示す概略平面図
【図6】図3に示す装置に用いているローラセットの概略平面図
【図7】図6に示すローラセットの概略斜視図
【図8】(a)は誘導子内をワークの中央部分が通過する状態を示す概略断面図、(b)は誘導子内をワークの端部が通過する状態を示す概略断面図
【図9】(a)、(b)はそれぞれ、ワーク内の誘導電流の分布を示すグラフ
【符号の説明】
1、1A、1B、1C ワーク
2 誘導子
3、7 高周波電源装置
5 空間
21 ローラセット
30 金属棒材供給装置
34 プッシャ
36 プッシャ駆動装置
40 第一センサ
42 第二センサ
44 金属棒材保管装置

Claims (5)

  1. 電流浸透深さを大きくした時に有効吸収電力が小さくなるような特性領域を備えた金属棒材を、その軸線方向の一部領域を誘導加熱可能な誘導子に対して軸線方向に相対的に移動させることで、前記金属棒材を全長に亘って誘導加熱し、熱処理する方法において、前記誘導子に高周波電流を供給する高周波電源装置の出力周波数を、前記金属棒材の熱処理温度における最低許容周波数よりも低い値とし、且つ前記高周波電源装置の出力制御方式を、出力電流が一定に保持される自動電流調整方式としたことを特徴とする金属棒材の熱処理方法。
  2. 前記誘導子を先行して通過中の前記金属棒材の後ろに同一軸線上に位置するように後続の金属棒材を配し、先行の金属棒材と後続の金属棒材との端面間の距離を一定に保持した状態で連続的に前記誘導子を通過させることを特徴とする請求項1に記載の金属棒材の熱処理方法。
  3. 電流浸透深さを大きくした時に有効吸収電力が小さくなるような特性領域を備えた、熱処理すべき金属棒材を所定の走行軸線上に保持して軸線方向に走行させる複数基のローラセットと、該ローラセットの間の遊走区間に配置され、前記金属棒材の軸線方向の一部領域を誘導加熱する誘導子と、該誘導子に高周波電流を供給する高周波電源装置と、熱処理すべき後続の金属棒材を前記ローラセットに送り込む金属棒材供給装置を備え、該金属棒材供給装置が、後続の金属棒材を、前記ローラセットが搬送している金属棒材の後ろから同一軸線上で且つ先行の金属棒材よりも高速で搬送し、後続の金属棒材の先端が先行の金属棒材の後端に対して所定の間隔となる位置に達した時点で、先行の金属棒材と同一速度に減速し、その速度で前記ローラセットに供給する構成であり、前記高周波電源装置が、誘導子に供給する出力周波数を、前記金属棒材の熱処理温度における最低許容周波数よりも低い値とし、且つ出力制御方式を、出力電流が一定に保持される自動電流調整方式としていることを特徴とする金属棒材の熱処理装置。
  4. 前記金属棒材供給装置が、熱処理すべき後続の金属棒材を前記走行軸線上で軸線方向に移動可能に保持する保持手段と、その金属棒材の後端を押して走行させるプッシャと、該プッシャを走行させるプッシャ駆動装置と、前記ローラセットによって搬送されている金属棒材の端部を検出する第一センサと、該第一センサよりも金属棒材の走行方向に関して後ろ側に所定間隔を開けて配置され、金属棒材の端部を検出する第二センサと、前記第一センサ及び第二センサからの信号に基づいて前記プッシャの走行速度を制御するよう前記プッシャ駆動装置を制御する制御装置とを備え、該制御装置が、先行の金属棒材の後端が第一センサを通過した時刻と後続の金属棒材の先端が第二センサを通過した時刻とから、後続の金属棒材の先端が、前記ローラセットに到達する前に、先行の金属棒材の後端に対して所定の間隔となる位置に追いつくことを可能とする金属棒材の走行速度を求めて直ちに前記プッシャの速度をその走行速度とし、その後、前記後続の金属棒材の先端が先行の金属棒材の後端に対して所定の間隔となる位置に追いついたタイミングで前記プッシャの速度を前記ローラセットによる先行の金属棒材の走行速度に等しくさせるよう前記プッシャ駆動装置を制御する構成であることを特徴とする請求項3記載の金属棒材の熱処理装置。
  5. 前記金属棒材供給装置が更に、熱処理すべき待機中の複数の金属棒材を、前記ローラセットによる金属棒材の走行軸線に平行に保管する金属棒材保管装置と、該金属棒材保管装置に保管されている一つの金属棒材を前記走行軸線上に供給するフィーダを備え、該フィーダは、前記第二センサが前記先行の金属棒材の後端を検出した信号に基づいて作動し、待機中の金属棒材の一つを後続材として前記走行軸線上に供給する構成である、請求項4記載の金属棒材の熱処理装置。
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