JP4603453B2 - 加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は,金属板を加熱する加熱装置に関する。
例えば連続鋳造後の鋳片や圧延途中の鋼片の表層を改質する処理には,プラズマ加熱装置が用いられている(例えば,特許文献1参照。)。
プラズマ加熱装置は,例えば搬送される鋳片に対向配置されたプラズマトーチを備え,そのプラズマトーチと鋳片との間にプラズマアークを形成し,そのプラズマアークの熱より鋳片を加熱できる。
比較的幅の広い鋳片を加熱する場合,鋳片の幅方向全体にプラズマアークを当てて,鋳片を加熱する必要がある。このため,例えばプラズマトーチを鋳片の幅方向にスキャンさせて鋳片の幅方向の全体を加熱したり,電磁力を用いてプラズマアークを幅方向に揺動させて鋳片を加熱すること(例えば特許文献2参照。)が提案されている。この電磁力を用いてプラズマアークを揺動させる方法は,プラズマトーチをスキャンさせる方法に比べて,機械的な部品点数を少なくできる点で優れている。
特開2004−195512号公報 特開昭54−142154号公報
しかしながら,プラズマアークを揺動させる場合には,その揺動幅が通常10cm程度と狭いので,幅広の鋳片の加熱を想定する場合には,図6に示すように鋳片Hの幅方向Aに沿って複数のプラズマトーチ100を設置する必要がある。しかし,単に複数のプラズマトーチ100を並設した場合,複数本のプラズマアークPの電流Iにより形成される磁場の相互作用によって,各プラズマアークPに中央方向の電磁力Fが作用する。このため,鋳片H上においてプラズマアークPが中央側に偏ってしまう。こうなると,鋳片の両端部の加熱が十分に行われず,鋳片が幅方向に不均一に加熱されて,例えば鋳片の表層改質処理に斑が生じ,最終加工品の品質が低下する。
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,鋳片や鋼片などの金属板を幅方向に均一に加熱することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は,金属板を加熱する加熱装置であって,金属板の表面上において金属板の幅方向に沿って並列に配置され,金属板との間にプラズマアークを形成する複数のプラズマトーチと,前記複数のプラズマトーチの並列方向の両側に配置され,前記プラズマトーチによるプラズマアークと同じ方向に電流を流す導線と,前記導線に流れる電流値を調整可能な電源と,を有することを特徴とする。
本発明によれば,複数のプラズマトーチの両側の導線に電流を流すことよって磁場を形成し,その磁場によってプラズマアークの電流による磁場を打ち消して,プラズマアークに作用する電磁力を除去することができる。これにより,プラズマアークが金属板の中央側に偏ることがなく,金属板を幅方向に均一に加熱することができる。ところで,幅の異なる金属板を処理する場合には,その幅に合わせて,外側にあるプラズマトーチによるプラズマアークの数を増やしたり,或いはプラズマトーチの稼動を停止させ,プラズマアークの本数を変える必要がある。かかる場合においても,電源により導線の電流値を調整して,導線の電流による磁場を調整することにより,各プラズマアークにおける磁場を打ち消すことができる。このため,金属板の幅が変動した場合であっても,プラズマアークの偏りを防止し,金属板を均一に加熱することができる。なお,前記導線の電源には,前記プラズマトーチと別の電源が用いられてもよい。
前記導線は,前記プラズマトーチの並列方向に移動自在であってもよい。かかる場合,例えば金属板の幅が変動した場合に,導線と金属板との距離を調整して,プラズマアークにおける磁場を打ち消すことができる。
前記導線は,前記複数のプラズマトーチの並列方向の両側にそれぞれ二本ずつ配置され,その各側の二本の導線は,金属板の長手方向の平面から見て前記並列されたプラズマトーチを通る直線を挟んで当該直線と等距離の位置にそれぞれ配置され,なおかつ前記各導線は,前記プラズマトーチ側に移動した際に前記プラズマトーチと接触しない位置に配置されていてもよい。
前記加熱装置は,プラズマアークを生じさせるプラズマトーチの数と,前記導線の移動先の位置と,前記導線の電流値を,金属板の幅に応じて制御する制御部を備えていてもよい。
前記複数のプラズマトーチの両側の導線は,それぞれ別個の電源に接続されていてもよい。
本発明によれば,金属板を幅方向に均一に加熱できるので,その金属板から高品質の製品を製造することができる。
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は,本実施の形態にかかる加熱装置1の構成の概略を示す模式図である。
例えば加熱装置1は,水平方向に搬送される鋳片Hの搬送ライン上に設けられている。加熱装置1は,例えば搬送される鋳片Hの上方に配置された複数のプラズマトーチ10と,そのプラズマトーチ10の並列方向A(搬送方向Bに直交する鋳片Hの幅方向)の両側に配置された導線としての金属棒11,12と,金属棒11,12に給電する直流電源13,14と,誘導コイル15を備えている。
複数のプラズマトーチ10は,例えば鋳片Hの幅方向Aに沿って直線状に等間隔に並列に配置されている。各プラズマトーチ10と鋳片Hとの間には,図示しない電源によって高電圧が印加され,各プラズマトーチ10毎にプラズマアークPを形成できる。各プラズマアークPには,鋳片H側からプラズマトーチ10側に同じ電流Iが流れる。
金属棒11,12は,鋳片Hの幅方向Aの両側であって一直線上のプラズマトーチ10を挟むように配置されている。金属棒11,12は,例えば銅製の円筒管により形成され,プラズマアークPと同方向の垂直方向(鋳片Hの表面の法線方向)に向けて立設されている。金属棒11,12は,プラズマトーチ10と鋳片Hとの間に形成されるプラズマアークPと同程度の高さに配置され,なおかつプラズマアークPよりも長く形成されている。
金属棒11,12は,例えばシリンダなどの水平移動機構20に取り付けられており,並列方向Aに沿って移動できる。金属棒11,12は,それぞれ鋳片Hの幅方向Aの端部に対して進退できる。
例えば一方側の金属棒11は,図2に示すように二本の金属棒11a,11bから構成されている。金属棒11a,11bは,平面から見てプラズマトーチ10の配列された直線Lに対して線対称の位置にそれぞれ配置されている。また,金属棒11a,11bは,鋳片H側に移動した際にプラズマトーチ10に接触しないように直線Lから所定距離離されて配置されている。
他方側の金属棒12も,金属棒11と同様に二本の金属棒12a,12bから構成されている。各金属棒12a,12bは,プラズマトーチ10の列の直線Lに対し線対称の位置で,なおかつ鋳片H側に移動した際にプラズマトーチ10に接触しない位置に配置されている。
金属棒11,12は,例えばそれぞれ別の直流電源13,14に接続されている。この直流電源13,14により,各金属棒11,12にプラズマアークPと同じ方向の電流Iを所望の電流値で流すことができる。各金属棒11,12を流れる電流Iにより鋳片H上の領域に磁場を形成し,その磁場によって,各プラズマアークPの電流Iの相互作用で形成される磁場を打ち消すことができる。この磁場が打ち消されることにより,各プラズマアークPには,互いに引き寄せ合う電磁力が作用しない。
例えば直流電源13,14や水平移動機構20は,制御部30によって制御されている。制御部30には,例えば汎用コンピュータが用いられる。この制御部30には,例えば鋳片Hの幅に応じて,稼働するプラズマトーチ10(プラズマアークを形成するプラズマトーチの数)を選択し,さらにそのプラズマトーチ10が使用された際に各プラズマアークPにおける磁場が打ち消されるように金属棒11,12の移動先の位置と電流値を選択し設定するプログラムが設けられている。これにより,加熱される鋳片Hの幅が入力されると,制御部30により,稼働するプラズマトーチ10が選択され,磁場を打ち消すための適正な金属棒11,12の移動先の位置と電流値が算出される。その後制御部30により,直流電源13,14と水平移動機構20の動作が制御されて,金属棒11,12の並列方向Aの位置と電流値が調整される。
金属棒11,12の内部には,例えば図3に示すように冷媒となる水が流れる冷媒流路40が形成されている。これにより,金属棒11,12の発熱による温度上昇を抑えることができる。
誘導コイル15は,図1に示すようにコイルの軸方向が鋳片Hの搬送方向Bに向けられた状態で,図2に示すようにプラズマトーチ10の列の搬送方向Bの両側に平行に配置されている。この誘導コイル15に交流電流を流すことによって,各プラズマアークPに周期的にローレンツ力を作用させて,各プラズマアークPを並列方向Aに往復移動させることができる。
なお,本実施の形態においては,例えば金属棒11,12,直流電源13,14,水平移動機構20及び制御部30によってプラズマアークの制御装置が構成されている。
次に,加熱装置1の作用について説明する。本実施の形態では,加熱装置1を用いて,鋳片Hに添加元素(例えば炭素)を添加して鋳片Hを表層改質する場合を例に挙げて説明する。
先ず加熱処理される鋳片Hの幅に応じて,稼動するプラズマトーチ10が選択され,金属棒11,12の並列方向Aの移動先の位置及び電流値が設定される。このとき,鋳片Hの幅の全体にプラズマアークPを当てるための必要最低限の数のプラズマトーチ10が選択される。また,金属棒11,12の移動先の位置と電流値は,プラズマアークPの電流Iの相互作用で形成される磁場を,金属棒11,12の電流Iによって形成される磁場によって打ち消すように設定される。金属棒11,12の位置は,水平移動機構20により調整され,金属棒11,12の電流値は,直流電源13,14によって調整される。
金属棒11,12の移動先の位置や電流値の設定が終了すると,例えば連続鋳造された鋳片Hが搬送ライン上を搬送される。鋳片Hは,先ず例えば加熱装置1のプラズマトーチ10の上流側において誘導加熱によって溶融温度以上に予熱され,その溶融部分に炭素(グラファイト)が供給されて溶着される。その後,鋳片Hは,加熱装置1のプラズマトーチ10により加熱される。このとき,図1に示すようにプラズマトーチ10と鋳片Hの表面との間にプラズマアークPが形成される。各プラズマアークPは,誘導コイル15の作用により幅方向Aに揺動される。このプラズマアークPにより鋳片Hの幅方向Aの全体が加熱され,鋳片Hの表層が所定の深さまで改質される。
次に,図4及び図5に示すように幅が狭い鋳片Hの表層を改質する場合には,使用する必要がない両側のプラズマトーチ10が停止され,金属棒11,12が,鋳片Hの端部側に移動され,最も外側のプラズマトーチ10に近づけられる。このときも金属棒11,12の移動先の位置と電流値は,各プラズマアークPの電流Iの相互作用により形成される磁場を,金属棒11,12の電流Iにより形成される磁場によって打ち消すように設定される。
一方,幅が広い鋳片Hが処理される場合には,停止していた外側のプラズマトーチ10が稼動し,金属棒11,12が鋳片Hの外方側に移動され,金属棒11,12の移動先の位置と電流値が,プラズマアークPにおける磁場が打ち消されるように設定される。
以上の実施の形態によれば,鋳片Hの幅方向Aに並列されたプラズマトーチ10の外側に,金属棒11,12が設けられているので,プラズマアークPの電流Iの相互作用により形成されている磁場を,金属棒11,12の電流Iにより形成される磁場によって打ち消すことができる。これにより,並列されたプラズマアークPが電磁力により鋳片Hの中央側に偏ることがなくなり,鋳片Hを幅方向に均一に加熱することができる。したがって,鋳片Hの表層を均一に改質することができる。
また,金属棒11,12に,独自の電流値を設定可能な直流電源13,14を接続し,金属棒11,12を幅方向Aに移動自在にしたので,例えば加熱される鋳片Hの幅が変わり,使用されるプラズマトーチ10の数が変更される場合においても,金属棒11,12の電流Iによって形成される磁場を調整し,プラズマアークP間で作用する電磁力をなくして,プラズマアークPの偏りを防止することができる。仮に,金属棒11,12の電源として,プラズマトーチ10の電源を用いた場合には,プラズマトーチ10の電圧は一定であるため,金属棒11,12に流れる電流値を自由に設定できない。このため,金属棒11,12の位置を動かすと,プラズマアークPにおける磁場の打ち消し状態が維持できない。本実施の形態では,金属棒11,12にプラズマトーチ10と別の直流電流13,14を接続しているので,金属棒11,12の位置を動かしても,電流値を調整することにより,プラズマアークPにおける磁場の打ち消し状態を維持することができる。したがって,鋳片Hの幅の変動にも柔軟に対応できる。
金属棒11,12は,それぞれ二本の金属棒から構成され,その各二本の金属棒を,平面から見て複数のプラズマトーチ10の列を通る直線Lに等距離の位置で,なおかつ直線Lから離れた位置に配置したので,金属棒11,12を移動させた際に金属棒11,12がプラズマトーチ10と接触することを防止できる。
さらに,上記実施の形態では,金属棒11,12に異なる直流電源が取り付けられているので,各金属棒11,12に流れる電流Iを個別に調整することができる。こうすることにより,例えば金属棒11,12や鋳片Hの状態などによって複数のプラズマアークPが左右対称でない場合に,各金属棒11,12の電流IからプラズマアークPにかかる磁場を微調整して,プラズマアークP全体における磁場の打ち消し状態を維持することができる。また,例えば加熱される前の鋳片Hに元々温度斑があるような場合には,敢えて両側の金属棒11,12の電流値を変えてプラズマアークPの磁場の打ち消し状態を崩すこともできる。こうすることにより,プラズマアークPに電磁力が作用し,プラズマアークPの位置が調整されるので,例えば鋳片Hの温度の低い部分により多い熱を供給することができる。これにより,鋳片Hを幅方向Aに均一な温度に昇温することができ,鋳片Hの幅方向Aの全体で均一な処理を施すことができる。
以上の実施の形態では,鋳片Hの幅方向Aの両側の各金属棒11,12には,別個の直流電源13,14が接続されていたが,同じ電源に接続されていてもよい。かかる場合も,金属棒11,12の電流Iによる磁場により,プラズマアークPにおける磁場を打ち消して,プラズマアークPの偏りを防止できる。したがって,鋳片Hを幅方向Aに均一に加熱することができる。また,金属棒11,12に流れる電流値が同じであっても,各金属棒11,12の幅方向Aの位置を変えることによって,プラズマアークPにおける磁場を制御して,各プラズマアークPの位置を積極的に調整することもできる。
以上の実施の形態では,金属棒11,12が移動可能であったが,固定されていてもよい。つまり各金属棒11,12の電流値だけを調整できるようにしてもよい。この場合も,鋳片Hの幅が変動した際に,金属棒11,12の電流値を調整して,金属棒11,12の電流Iの磁場によりプラズマアークPにおける磁場を打ち消すことができる。それ故,プラズマアークPの偏りを防止し,鋳片Hを均一に加熱することができる。なお,金属棒11,12が固定されている例において,金属棒11,12は,プラズマトーチ10の列の直線L上に配置されていてもよい。
以上の実施の形態では,金属棒11(12)の二本の金属棒11a,11b(12a,12b)は,同じ電流値で鋳片Hの端部に対して同じ距離に調整されていたが,それぞれ別の電流値と距離に設定してもよい。こうすることにより,プラズマアークPの形成領域の磁場をさらに厳密に制御して,プラズマアークPの位置を厳格に調整できる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において,各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。例えば,以上の実施の形態は,鋳片Hが水平方向に搬送される例であったが,本発明は,鋳片Hが鉛直方向に搬送され,その鋳片Hに対して水平方向からプラズマアークPを形成する場合にも適用できる。また,以上の実施の形態では,鋳片Hの片側を加熱していたが,鋳片Hの両面にプラズマトーチ10と金属棒11,12を設けて,鋳片Hの両面を加熱してもよい。
また,上記実施の形態では,鋳片Hを誘導加熱した後に,加熱装置1によりプラズマ加熱して,鋳片Hを表層改質処理していたが,加熱装置1自体が,鋳片Hを予備加熱する予熱部を有し,その予熱部には,鋳片Hを誘導加熱するための電磁誘導コイルと,その誘導加熱時に炭素などの添加物を供給するノズルなどの添加物供給部が備えられていてもよい。この場合,加熱装置1は,表面改質処理装置としての機能を有する。
上記実施の形態では,鋳片Hを誘導加熱し添加物を溶着し,その後プラズマ加熱して表層改質処理していたが,本発明は,他の方法の表層改質処理にも適用できる。例えば,誘導加熱などによる予熱を行わずに,加熱装置1において鋳片Hを加熱し,鋳片Hに炭素などの添加物を供給して,表層改質処理を行うようにしてもよい。この場合,加熱装置1は,添加物を供給する添加物供給部を備えていてもよい。また,本発明は,鋳片Hに炭素以外の添加元素やその合金を添加して行われる表層改質処理にも適用できる。さらに,本発明は,表層改質処理以外の加熱に適用してもよい。以上の実施の形態は,鋳片Hを加熱するものであったが,加熱の対象は,鋳片Hに限られず,他の金属板であってもよい。
連続鋳造の終了した,表面平均温度800℃の鋳片を切断し,その後誘導加熱により鋳片を1100℃に加熱し,その後プラズマ加熱を連続して行って,鋳片の表層を上述の図1又は図4に示す装置を用いて改質処理した。サンプルには,幅1200mm,厚さ250mm,長さ10mの0.2質量%C鋼の鋳片と,幅800mm,厚さ250mm,長さ10mの0.2質量%C鋼の鋳片を用いて,鋳片の表層の5mmを改質処理した。加熱装置1のプラズマトーチ10の間隔は,100mmとし,幅広の前者の鋳片に対しては12本のプラズマトーチ10を使用した。幅狭の後者の鋳片に対しては,8本のプラズマトーチ10を使用した。また,各プラズマトーチ10のプラズマ電流は,それぞれ300Aに設定した。
先ず,金属棒11,12を,前者の幅1200mmの鋳片の端部から外側に300mm離した位置に固定し,金属棒11,12に流れる電流値も固定した。このときの電流値は,例えば2本合わせて合計3600Aに設定した。この場合,前者の鋳片に対しては,幅方向に溶融深さが5mm±0.5mmの範囲の十分均一な溶融状態が得られた。一方,後者の鋳片に対しては,金属棒を設置しなかったため,プラズマアークPが引き合う動きが見られ,幅方向の溶融深さが3〜7mm(平均5mm)の間で変動して不均一となり,さらに鋳片の端部の20mmの部分が未溶融の状態になった。なお,溶融深さのばらつきは,エッチングにより断面組織を測定した。
次に,鋳片の幅に応じて,金属棒11,12を移動させ,電流値も変えた。この場合,後者の幅800mmの鋳片を処理する場合に,金属棒11,12を鋳片の端部から外側に230mm離した位置に移動させ,金属棒11,12には,2本合わせて合計2400Aになる電流を流した。なお,前者の鋳片を処理する場合には,上述の条件と同様に,鋳片の端部から300mm離した位置に金属棒11,12を移動させ,その金属棒11,12には,2本合わせて合計3600Aになる電流を流した。この結果,前者の鋳片と後者の鋳片の両方について,幅方向の溶融深さが5mm±0.5mmの範囲で均一な溶融状態が得られた。
本発明は,金属板を幅方向に均一に加熱する際に有用である。
加熱装置の構成の概略を示す模式図である。 平面から見た加熱装置の模式図である。 金属棒の断面を示す斜視図である。 幅狭の鋳片を加熱する場合の加熱装置の状態を示す説明図である。 図4の加熱装置を平面から見た模式図である。 単にプラズマトーチを並列させた場合のプラズマアークの状態を示す説明図である。
符号の説明
1 加熱装置
10 プラズマトーチ
11,12 金属棒(導線)
13,14 直流電源
H 鋳片
P プラズマアーク
A 幅方向,並列方向

Claims (6)

  1. 金属板を加熱する加熱装置であって,
    金属板の表面上において金属板の幅方向に沿って並列に配置され,金属板との間にプラズマアークを形成する複数のプラズマトーチと,
    前記複数のプラズマトーチの並列方向の両側に配置され,前記プラズマトーチによるプラズマアークと同じ方向に電流を流す導線と,
    前記導線に流れる電流値を調整可能な電源と,を有することを特徴とする,加熱装置。
  2. 前記導線の電源には,前記プラズマトーチと別の電源が用いられていることを特徴とする,請求項1に記載の加熱装置。
  3. 前記導線は,前記プラズマトーチの並列方向に移動自在であることを特徴とする,請求項1又は2に記載の加熱装置。
  4. 前記導線は,前記複数のプラズマトーチの並列方向の両側にそれぞれ二本ずつ配置され,
    その各側の二本の導線は,金属板の長手方向の平面から見て前記並列されたプラズマトーチを通る直線を挟んで当該直線と等距離の位置にそれぞれ配置され,なおかつ前記各導線は,前記プラズマトーチ側に移動した際に前記プラズマトーチと接触しない位置に配置されていることを特徴とする,請求項3に記載の加熱装置。
  5. プラズマアークを生じさせるプラズマトーチの数と,前記導線の移動先の位置と,前記導線の電流値を,金属板の幅に応じて制御する制御部を備えたことを特徴とする,請求項3又は4に記載の加熱装置。
  6. 前記複数のプラズマトーチの両側の導線は,それぞれ別個の電源に接続されていることを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の加熱装置。
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