JP4959294B2 - 鋳鋼片の表層処理装置及び鋳鋼片の表層処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば鋼の連続鋳造鋳片や、圧延途中の鋼片などの鋳鋼片の表層を、プラズマによって処理する表層処理装置および表層処理方法に関する。
例えば連続鋳造後の鋳片や圧延途中の鋼片の表層を改質等する処理には、プラズマ加熱装置が用いられている(特許文献1参照)。
プラズマ加熱装置は、例えば搬送鋳片に対向するように配置されたトーチを陰極とし、鋳片を陽極とする直流プラズマトーチを備え、そのプラズマトーチから鋳片の表層にプラズマアークを当てて、そのプラズマアークの熱によって鋳片の表層を加熱して溶融して、鋳片の表層を改質処理している。
また、プラズマ加熱装置では、交流磁場の電磁力を用いてプラズマアークを鋳片の幅方向に揺動させ、鋳片の幅方向の全体を加熱している(特許文献2参照)。
特開2004−195512号公報 特開昭54−142154号公報
ところで、鋳片の処理速度を向上するために、鋳片の搬送速度を上げることが考えられている。鋳片を適正に表層処理するには、鋳片の搬送速度を上げた場合であっても、鋳片の単位面積あたりに以前と同量の熱を供給する必要がある。このため、上述の従来技術の下では、鋳片の搬送速度を上げた場合、プラズマトーチの出力を上げることが必要になる。
しかしながら、プラズマトーチの出力を上げると、プラズマトーチが噴出されるプラズマガスの流速が増大し、プラズマガスが鋳片表面に衝突する圧力も増大する。そのプラズマガスの衝突圧力は、プラズマトーチの出力の2乗に比例するため、例えばプラズマトーチの出力を2倍にすると、プラズマガスの衝突圧力は4倍になる。このようにプラズマトーチの出力を上げると、プラズマガスの鋳片への衝突圧力が飛躍的に大きくなる。
プラズマガスの流速や衝突圧力が大きくなると、例えば鋳片表層で溶けた金属がプラズマガスにより押しのけられ、その溶融金属の流動が大きく乱される。この結果、処理後の鋳片の表層に例えば上下幅が0.5mm以上の大きな凹凸が残る。このように鋳片の表層に0.5mm以上の大きな凹凸が残ると、次工程の例えば圧延処理時に鋼片の表面に長い疵が生じる恐れがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、鋳片や鋼片などの鋳鋼片の表層処理後の表面粗さを悪化させずに、表層処理時の鋳鋼片の処理速度を向上させることを目的としている。
上記目的を達成するための本発明は、所定の方向に搬送される鋳鋼片とプラズマトーチとの間にプラズマアークを発生させて鋳鋼片の表層を処理する装置であって、鋳鋼片の搬送経路上の前段に配置され、鋳鋼片の幅方向に沿って少なくとも1列に並べられた複数の予熱用プラズマトーチと、鋳鋼片の搬送経路上の後段に配置され、鋳鋼片の幅方向に沿って1列に並べられた複数の溶融用プラズマトーチと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、鋳鋼片の搬送経路上の前段の予熱用プラズマトーチにより鋳鋼片の表層を予熱し、その後、後段の溶融用プラズマトーチにより鋳鋼片の表層を溶融できるので、鋳鋼片の搬送速度を上げた場合に各段のプラズマトーチの出力を上げなくても、鋳鋼片にトータルで十分な量の熱を供給することができる。このように、鋳鋼片の搬送速度を上げてもプラズマトーチの出力を低く抑えることができるので、例えば鋳鋼片の表層の溶融金属の流動がプラズマガスの圧力で乱されて処理後の鋳鋼片の表層に大きな凹凸が残ることを防止できる。したがって、鋳鋼片の表層処理後の表面粗さを悪化させずに、鋳鋼片の処理速度を向上できる。また、予熱用プラズマトーチにより溶融前の鋳鋼片にプラズマガスが噴出されるので、溶融前に鋳鋼片の表層の酸化物などの不純物を除去することができる。このため、鋳鋼片の表面の不純物が溶融時に鋳鋼片内に巻き込まれることがなく、処理後の鋳鋼片の品質を向上できる。
前記予熱用プラズマトーチまたは溶融用プラズマトーチの少なくともいずれかのプラズマガスには、非酸化性ガスが用いられていてもよい。なお、この非酸化性ガスには、初めから非酸化性を有するもののみならず、プラズマ発生時に非酸化性になるものも含まれる。
前記プラズマガスには、還元性ガスが含有されていてもよい。なお、この還元性ガスには、水素ガスのような還元ガスのみならず、プラズマ発生時に水素などに分解(または酸化)して、還元ガスとしての機能を果たすもの、例えば炭化水素なども含まれる。また、前記還元性ガスは、水素ガスであってもよい。
前記予熱用プラズマトーチと前記溶融用プラズマトーチは、鋳鋼片の搬送方向から見て互いに重ならないように配置されていてもよい。
前記鋳鋼片の幅方向に並べられた予熱用プラズマトーチは、鋳鋼片の搬送経路上の前後方向に複数列に配置され、前記複数列の予熱用プラズマトーチのうちの少なくとも前後に隣り合う列の予熱用プラズマトーチ同士は、鋳鋼片の搬送方向から見て互いに重ならないように配置されていてもよい。
別の観点による本発明は、所定の方向に搬送される鋳鋼片とプラズマトーチとの間にプラズマアークを発生させて鋳鋼片の表層を処理する方法であって、鋳鋼片の搬送経路上の前段にある予熱用プラズマトーチにより鋳鋼片の表層を予熱する工程と、その後、鋳鋼片の搬送経路上の後段にある溶融用プラズマトーチにより前記鋳鋼片の表層を溶融する工程と、を有することを特徴とする。
前記予熱用プラズマトーチまたは溶融用プラズマトーチの少なくともいずれかのプラズマガスには、非酸化性ガスが用いられていてもよい。
前記プラズマガスには、還元性ガスが含有されていてもよい。また、前記還元性ガスは、水素ガスであってもよい。
本発明によれば、鋳鋼片の表層処理の質を下げずに鋳鋼片の処理速度を上げて、金属材の生産効率を向上できる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる表層処理装置1を鋳片Hの幅方向の側面からみた模式図であり、図2は、表層処理装置1を平面からみた模式図である。図3、4は、表層処理装置1を鋳片Hの搬送方向の正面からみた模式図である。
表層処理装置1は、例えば連続鋳造により得られた鋳片Hを水平方向にコロ搬送する搬送経路上に設けられている。表層処理装置1は、例えば図1及び図2に示すように搬送経路L上の鋳片Hの搬送方向Bに沿って予熱用プラズマトーチ群Cを前段に、溶融用プラズマトーチ群Dを後段に備えている。
予熱用プラズマトーチ群Cは、図2及び図3に示すように複数、例えば5本の予熱用プラズマトーチ10から構成されている。なお、この予熱用プラズマトーチ10の数は任意に選択できる。これらの予熱用プラズマトーチ10は、搬送される鋳片Hの上方において、鋳片Hの幅方向Aに沿って例えば1列に等間隔に配置されている。
各予熱用プラズマトーチ10は、例えば図3に示す直流電源11に接続されており、直流電源11から各予熱用プラズマトーチ10に高電圧を印加することにより、各予熱用プラズマトーチ10と鋳片Hの表面との間にプラズマアークP1を形成できる。本実施の形態では、予熱用プラズマトーチ10から噴出されるプラズマガスとして例えば非酸化性ガスであるアルゴンガスが用いられる。
予熱用プラズマトーチ群Cの搬送方向Bの両側には、環状の誘導コイル12がそれぞれ設けられている。誘導コイル12は、コイルの軸方向が搬送方向Bに向くように、予熱用プラズマトーチ群Cと平行に配置されている。誘導コイル12には、交流電源13が接続されている。交流電源13により誘導コイル12に交流電流を流すことによって、各予熱用プラズマトーチ10のプラズマアークP1に周期的にローレンツ力を作用させて、各プラズマアークP1を鋳片Hの幅方向Aに揺動させることができる。図2に示すように隣り合う予熱用プラズマトーチ10のプラズマアークP1の揺動範囲R1(図2に示す点線領域)は、互いに重なっており、鋳片Hの幅方向Aの全体に隙間なくプラズマアークP1を放射できる。
予熱用プラズマトーチ群Cの後段に配置された溶融用プラズマトーチ群Dは、例えば図2及び図4に示すように複数、例えば6本の溶融用プラズマトーチ20から構成されている。なお、この溶融用プラズマトーチ20の数は任意に選択できる。これらの溶融用プラズマトーチ20は、搬送される鋳片Hの上方において、鋳片Hの幅方向Aに沿って1列に配置されている。
各溶融用プラズマトーチ20は、図2に示すように鋳片Hの搬送方向Bから見て前段の各予熱用プラズマトーチ10と重ならないように配置されている。例えば溶融用プラズマトーチ20は、予熱用プラズマトーチ10と鋳片Hの搬送方向Bに互い違いの位置に設置されている。
各溶融用プラズマトーチ20は、図4に示すように直流電源21に接続されており、直流電源21から各溶融用プラズマトーチ20に電圧を印加することにより、各溶融用プラズマトーチ20と鋳片Hの表面との間にプラズマアークP2を形成できる。本実施の形態では、溶融用プラズマトーチ20から噴出されるプラズマガスとして例えばアルゴンガスが用いられる。
溶融用プラズマトーチ群Dの搬送方向Bの前後には、ループ状の誘導コイル22がそれぞれ設けられている。誘導コイル22は、コイルの軸方向が搬送方向Bに向くように、溶融用プラズマトーチ群Dと平行に配置されている。誘導コイル22には、交流電源23が接続されている。交流電源23により誘導コイル22に交流電流を流すことによって、各溶融用プラズマトーチ20のプラズマアークP2に周期的にローレンツ力を作用させて、各プラズマアークP2を鋳片Hの幅方向Aに揺動させることができる。図2に示すように隣り合う溶融用プラズマトーチ20のプラズマアークP2の揺動範囲R2(図2に示す点線領域)は、互いに重なっており、鋳片Hの幅方向Aの全体に隙間なくプラズマアークP2を放射できる。
次に、以上のように構成された表層処理装置1で行われる鋳片Hの表層処理プロセスについて説明する。
先ず、連続鋳造されて得られた鋳片Hが、搬送経路L上を搬送され、表層処理装置1に送られる。表層処理装置1に送られた鋳片Hは、先ず図5に示すように予熱用プラズマトーチ群Cの下方を通過し、各予熱用プラズマトーチ10から放射されたプラズマアークP1により鋳片Hの表層が例えば鋳片Hの溶融温度未満の所定温度に予熱される。このとき、各予熱用プラズマトーチ10の各プラズマアークP1は、誘導コイル12の作用により鋳片Hの幅方向Aに揺動され、鋳片Hの表層の幅方向Aの全体が所定温度に予熱される。またこのとき、プラズマアークP1として予熱用プラズマトーチ10から噴出されたプラズマガスが鋳片Hの表層に衝突して、鋳片Hの表面の酸化物などの不純物が除去される。
続いて、鋳片Hは、図6に示すように溶融用プラズマトーチ群Dの下方を通過し、各溶融用プラズマトーチ20から放射されたプラズマアークP2により鋳片Hの表層が例えば鋳片Hの溶融温度以上の所定温度に加熱される。これにより、鋳片Hの表層が所定の深さまで溶融され改質される。このとき、各溶融用プラズマトーチ20の各プラズマアークP2は、誘導コイル22の作用により鋳片Hの幅方向Aに揺動され、鋳片Hの表層の幅方向Aの全体が加熱され溶融される。
以上の実施の形態によれば、鋳片Hの搬送経路L上の前段に予熱用プラズマトーチ群Cを配置し、その後段に溶融用プラズマトーチ群Dを配置したので、鋳片Hの搬送速度を上げた場合でも、各プラズマトーチ10、20の出力を上げることなく、鋳片Hの単位面積当たりに十分な量の熱を供給することができる。このように、鋳片Hの搬送速度を上げても、プラズマトーチ10、20の出力を低く抑えることができるので、例えば鋳片Hの表層の溶融金属の流動がプラズマガスにより乱されることがなく、処理後の鋳片Hの表層に大きな凹凸が残ることを防止できる。すなわち、従来技術のようにプラズマトーチが一段の場合、例えば鋳片Hの搬送速度を2倍にしようとすると、単位時間あたりの投入熱量を2倍にする必要があるため、プラズマトーチのガス流速度を2倍にする必要がある。処理後の鋳片Hの表層にできる凹凸は、プラズマトーチのガス流速度の2乗に比例することが知見されているので、ガス流速度が2倍になると、鋳片Hの表層の凹凸は、2の4倍になって著しく悪化する。この点、本発明では、鋳片Hの搬送速度を2倍にしても、2倍の投入熱量を予熱用プラズマトーチ10と溶融用プラズマトーチ20で分担して、各段のプラズマトーチのガス流速度を上げる必要がない。この結果、鋳片Hの表層処理後の表面粗さを悪化させずに、鋳片Hの処理速度を上げることができる。
また、前段の予熱用プラズマトーチ10により鋳片Hの表面にプラズマガスが噴出されるので、溶融前に鋳片Hの表面の酸化物などの不純物を吹き飛ばして除去することができる。このため、鋳片Hの表面の不純物が溶融時に鋳片H内に巻き込まれることがなく、処理後の鋳片Hの品質を向上できる。
以上の実施の形態では、予熱用プラズマトーチ10のプラズマガスとして非酸化性ガスであるアルゴンガスが用いられたので、溶融前に鋳片Hの表層が酸化されて鋳片Hが劣化することがない。なお、非酸化性ガスとして、アルゴンガスに代えてヘリウムガスや水素ガスなどを用いてもよい。
予熱用プラズマトーチ10と溶融用プラズマトーチ20を、鋳片Hの搬送方向Bから見て重ならないように配置したので、鋳片Hに供給されるトータルの熱量が鋳片Hの幅方向で均一化され、鋳片Hの幅方向に斑のない表層処理を行うことができる。
以上の実施の形態において、予熱用プラズマトーチ10のプラズマガスに水素ガス、メタンガスまたはプロパンガスなどの還元性ガスを含有させてもよい。こうすることにより、処理前の鋳片Hの表面に付着している酸化物、例えばFeOが積極的に還元され除去されるので、さらに質の高い表層処理を行うことができる。なお、溶融用プラズマトーチ20のプラズマガスに上記還元性ガスを含有させてもよいし、予熱用プラズマトーチ10と溶融用プラズマトーチ20の両方のプラズマガスに還元性ガスを含有させてもよい。
以上の実施の形態では、予熱用プラズマトーチ群Cが1列であったが、鋳片Hの搬送方向Bの前後方向に複数列に配置されてもよく、この場合少なくとも前後に隣り合う列の予熱用プラズマトーチ10同士が鋳片Hの搬送方向Bから見て互いに重ならないように配置されてもよい。
例えば図7に示すように鋳片Hの搬送方向Bに3列の予熱用プラズマトーチ群C1〜C3が配置される。例えば最前段の予熱用プラズマトーチ群C1と最後段の予熱用プラズマトーチ群C3には、例えば5本の予熱用プラズマトーチ10が用いられ、その間の予熱用プラズマトーチ群C2には、例えば溶融用プラズマトーチ群Dと同じ6本の予熱用プラズマトーチ10が用いられ、前後に隣り合う列の予熱用プラズマトーチ10同士が例えば互い違いの位置に設置される。各予熱用プラズマトーチ群C1〜C3の両側には、上記実施の形態と同様にそれぞれ誘導コイル12が設けられる。表層処理の際には、鋳片Hが予熱用プラズマトーチ群C1〜C3の予熱用プラズマトーチ10により予熱され、溶融用プラズマトーチ群Dの溶融用プラズマトーチ20により溶融される。
かかる例によれば、表層処理装置1を通過する鋳片Hへのトータルの熱の供給量を増やすことができるので、鋳片Hをさらに高速搬送することができる。また、鋳片Hへの熱の供給量が幅方向に偏らないので、鋳片Hの表層処理を幅方向に均一に行うことができる。なお、予熱用プラズマトーチ10の列の数は、3列に限られず任意に選択できる。また、前後に隣り合う列の予熱用プラズマトーチ10だけでなく、総ての列の予熱用プラズマトーチ10同士が鋳片Hの搬送方向Bから見て重ならないように配置されてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。例えば、以上の実施の形態は、鋳片Hが水平方向に搬送される例であったが、本発明は、鋳片Hが鉛直方向に搬送され、その鋳片Hに対して水平方向からプラズマアークを形成する場合にも適用できる。また、以上の実施の形態では、鋳片Hの片側を加熱していたが、鋳片Hの両面に予熱用プラズマトーチ10と溶融用プラズマトーチ20を設けて、鋳片Hの両面を表層処理してもよい。また、上記実施の形態では、鋳片Hの表層を溶融改質処理していたが、本発明は、溶融時に鋳片Hの表層に添加物を付加して表層改質処理する場合にも適用できる。さらに、以上の実施の形態は、鋳片Hを表層処理するものであったが、本発明は、鋼片などの他の鋳鋼片を表層処理する場合にも適用できる。
連続鋳造を完了した後切断された厚さ250mm、幅1200mm、長さ10mの0.2質量%C鋼の鋳片の表層を、5mmの深さを目標に溶融処理した。一つは例えば溶融用プラズマトーチ群のみの1段で溶融処理を行い、一つは本発明のように予熱用プラズマトーチ群と溶融用プラズマトーチ群の2段で溶融処理を行った。各段のプラズマトーチの数は12本とし、トーチ間隔を100mmとした。
先ず、鋳片の搬送速度を5mm/sとした場合、プラズマトーチ群が1段と2段の両方の場合の溶融処理において、プラズマトーチの出力が30kWで目標の溶融深さ(5mm)を得ることができ、処理後の鋳片の表層の凹凸幅Eが0.5mm以下になって、表面状態に問題はなかった。なお、ここで言う凹凸幅Eとは、図8に示すように鋳片Hの溶融処理層Fの表面の凹凸の上下幅をいう。また、鋳片の表層の凹凸幅Eの測定は、レーザ変位計(キーエンス(株)製)を鋳片の表層に沿ってスキャンさせることによって行った。
次に、鋳片の搬送速度を10mm/sに上げた場合、プラズマトーチ群が1段の場合の溶融処理では、プラズマトーチの出力が60kWで目標の溶融深さ(5mm)を得ることができたが、このとき処理後の鋳片の表層の凹凸幅Eが1mm以上になった。一方、プラズマトーチ群が2段の場合の溶融処理では、各段のプラズマトーチの出力が30kWで目標の溶融深さ(5mm)を得ることができ、さらに処理後の鋳片の表層の凹凸幅Eが1段の場合の1/4未満の0.25mm未満となった。このように、鋳片の搬送速度を2倍の10mm/sに上げた場合、1段のプラズマトーチ群では表面状態が悪化し、2段のプラズマトーチ群では表面状態に問題はなかった。
本発明は、鋳鋼片の表層処理において、処理後の鋳鋼片の表面粗さが悪化しないように、鋳鋼片の処理速度を上げる際に有用である。
本実施の形態にかかる表層処理装置を鋳片の幅方向の側面からみた模式図である。 表層処理装置を平面からみた模式図である。 表層処理装置の予熱用プラズマトーチ群を鋳片の搬送方向の正面からみた模式図である。 表層処理装置の溶融用プラズマトーチ群を鋳片の搬送方向の正面からみた模式図である。 予熱用プラズマトーチ群により鋳片の表層を予熱している状態を示す説明図である。 溶融用プラズマトーチ群により鋳片の表層を溶融している状態を示す説明図である。 予熱用プラズマトーチ群を複数列設けた場合の表層処理装置を平面からみた模式図である。 鋳片の表面にできる凹凸幅を説明するための鋳片の断面図である。
符号の説明
1 表層処理装置
10 予熱用プラズマトーチ
20 溶融用プラズマトーチ
A 鋳片の幅方向
B 鋳片の搬送方向
C 予熱用プラズマトーチ群
D 溶融用プラズマトーチ群
H 鋳片
P1、P2 プラズマアーク

Claims (10)

  1. 所定の方向に搬送される鋳鋼片とプラズマトーチとの間にプラズマアークを発生させて鋳鋼片の表層を処理する装置であって、
    鋳鋼片の搬送経路上の前段に配置され、鋳鋼片の幅方向に沿って少なくとも1列に並べられた複数の予熱用プラズマトーチと、
    鋳鋼片の搬送経路上の後段に配置され、鋳鋼片の幅方向に沿って1列に並べられた複数の溶融用プラズマトーチと、を有することを特徴とする、鋳鋼片の表層処理装置。
  2. 前記予熱用プラズマトーチまたは溶融用プラズマトーチの少なくともいずれかのプラズマガスには、非酸化性ガスが用いられることを特徴とする、請求項1に記載の鋳鋼片の表層処理装置。
  3. 前記プラズマガスには、還元性ガスが含有されていることを特徴とする、請求項2に記載の鋳鋼片の表層処理装置。
  4. 前記還元性ガスは、水素ガスであることを特徴とする、請求項3に記載の鋳鋼片の表層処理装置。
  5. 前記予熱用プラズマトーチと前記溶融用プラズマトーチは、鋳鋼片の搬送方向から見て互いに重ならないように配置されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の鋳鋼片の表層処理装置。
  6. 前記鋳鋼片の幅方向に並べられた予熱用プラズマトーチは、鋳鋼片の搬送経路上の前後方向に複数列に配置され、
    前記複数列の予熱用プラズマトーチのうちの少なくとも前後に隣り合う列の予熱用プラズマトーチ同士は、鋳鋼片の搬送方向から見て互いに重ならないように配置されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の鋳鋼片の表層処理装置。
  7. 所定の方向に搬送される鋳鋼片とプラズマトーチとの間にプラズマアークを発生させて鋳鋼片の表層を処理する方法であって、
    鋳鋼片の搬送経路上の前段にある予熱用プラズマトーチにより鋳鋼片の表層を予熱する工程と、
    その後、鋳鋼片の搬送経路上の後段にある溶融用プラズマトーチにより前記鋳鋼片の表層を溶融する工程と、を有することを特徴とする、鋳鋼片の表層処理方法。
  8. 前記予熱用プラズマトーチまたは溶融用プラズマトーチの少なくともいずれかのプラズマガスには、非酸化性ガスが用いられることを特徴とする、請求項7に記載の鋳鋼片の表層処理方法。
  9. 前記プラズマガスには、還元性ガスが含有されていることを特徴とする、請求項8に記載の鋳鋼片の表層処理方法。
  10. 前記還元性ガスは、水素ガスであることを特徴とする、請求項9に記載の鋳鋼片の表層処理方法。
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