JP3687028B2 - 電磁誘導加熱装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のインバータ回路をそれぞれ交互に駆動させ、複数の調理鍋を加熱することのできる電磁誘導加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は、例えば特開昭62−232887号公報、特開昭63−45789号公報、特開平8−78148号公報から想定される従来の電磁誘導加熱装置の回路図である。図10において、1は商用交流電源、2は商用交流電源1の交流電圧を全波整流する整流回路、3は整流回路2より得られた全波整流の直流電圧を平滑する平滑コンデンサ、4はスイッチング素子4aとスイッチング素子4bとから成るAアーム、5はスイッチング素子5aとスイッチング素子5bとから成るBアームであって、Aアーム4およびBアーム5で平滑コンデンサ3からの直流電圧を高周波の交流電圧に変換する一方のフルブリッジ式インバータ回路が構成される。6はスイッチング素子6aとスイッチング素子6bとから成るCアーム、7はスイッチング素子7aとスイッチング素子7bとから成るDアームあって、Cアーム6およびDアーム7で平滑コンデンサ3からの直流電圧を高周波の交流電圧に変換する他方のフルブリッジ式インバータ回路が構成される。
【0003】
8はAアーム4に接続する第1の加熱コイル、9は第1の加熱コイル8とBアーム5との間に接続する第1の共振コンデンサ、10はCアーム6に接続する第2の加熱コイル、11は第2の加熱コイル10とDアーム7との間に接続する第2の共振コンデンサ、12はAアーム4およびBアーム5に駆動信号を送り出すドライブA回路、13はCアーム6およびDアーム7に駆動信号を送り出すドライブB回路、14はドライブA回路12およびドライブB回路13の動作を制御する制御回路である。50は第1の加熱コイル8と第1の共振コンデンサ9との間に介在する第1の加熱コイル用電流検出器、51は第2の加熱コイル10と第2の共振コンデンサ11との間に介在する第2の加熱コイル用電流検出器、52は第1の加熱コイル用電流検出器50の出力を計測する第1の出力計測回路、53は第2の加熱コイル用電流検出器51の出力を計測する第2の出力計測回路である。
【0004】
次に、電磁誘導加熱装置の動作について説明する。商用交流電源1からの交流電圧は、整流回路2から平滑コンデンサ3を介して直流電圧に変換される。そして、この直流電圧はAアーム4とBアーム5とで構成する一方のフルブリッジ式インバータ回路の駆動によって矩形波状の高周波電圧に変換され、この高周波電圧が第1の加熱コイル8および第1の共振コンデンサ9に印加される。同時に、第1の加熱コイル8と第1の共振コンデンサ9とで形成する共振回路により、正弦波状の高周波電流が第1の加熱コイル8に大きく流れる。これによって、第1の加熱コイル8と磁気結合した一方の被加熱負荷(調理鍋、図示せず)に誘導渦電流が流れ、この誘導渦電流によって発生する渦電流損P(w)で被加熱負荷が加熱される。
【0005】
このとき、第1の加熱コイル8に流れる高周波電流を第1の加熱コイル用電流検出器50で検出し、この検出量を第1の出力計測回路52により計測する。そして、第1の出力計測回路52は検出量の大きさに基づいて、第1の加熱コイル8と磁気結合する一方の被加熱負荷の適正あるいは不適性の判断を同時に行う。これは、例えば鉄鍋(被加熱負荷)用の電磁誘導加熱装置にアルミ鍋を用いた場合、インバータ回路に過電流が流れて各スイッチング素子が破壊するのを未然に防ぐためである。
【0006】
また、Cアーム6とDアーム7とで構成する他方のフルブリッジ式インバータ回路の駆動により、第2の加熱コイル10および第2の共振コンデンサ11に高周波電圧が印加される。そして、前述と同様の動作現象により第2の加熱コイル10と磁気結合する他方の被加熱負荷が加熱される。このとき、第2の出力計測回路53は検出量の大きさに基づいて、前述と同様に第2の加熱コイル10と磁気結合する他方の被加熱負荷の適正あるいは不適正の判断を同時に行う。
【0007】
また、一方のフルブリッジ式インバータ回路と他方のフルブリッジ式インバータ回路とを並行に駆動させ、第1の加熱コイル8および第2の加熱コイル10へ同時に高周波電流を流して双方の被加熱負荷を加熱する場合、それぞれのフルブリッジ式インバータ回路の動作周波数の相違により干渉音を発生する。この干渉音は、人間に対して非常に違和感を生じさせることになる。こうした干渉音の問題点を解決する目的で、双方のフルブリッジ式インバータ回路を時分割で交互に駆動させる制御手段が予め設けられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電磁誘導加熱装置は、前述のように複数の加熱コイルの各々に高周波電力を供給するインバータ回路を独立に備え、このインバータ回路を時分割で交互に駆動させている。しかし、フルブリッジ式インバータ回路が2セットの場合にはスイッチング素子が8個、この回路が3セットの場合にはスイッチング素子が12個必要であり、複数個の加熱コイルを備えたものにあっては全体にコストが高くなるという問題点があった。
【0009】
また、各加熱コイル毎に電流検出器を独立に必要とするため、インバータ回路が2セットの場合には電流検出器が2個、この回路が3セットの場合には3個必要であり、この点からも部品コストが高くなるという問題点があった。
【0010】
さらに、各加熱コイル毎に共振コンデンサを独立に備えているために、同様の問題点があった。
【0011】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、複数の加熱コイルに高周波電流をそれぞれ交互に流すような複数のインバータ回路を具備する電磁誘導加熱装置において、アーム(少なくとも2個のスイッチング素子の集合体)、加熱コイル用電流検出器、共振コンデンサを複数のインバータ回路で共有させたりして回路全体のコストの低減化を図る電磁誘導加熱誘導を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる電磁誘導加熱装置は、少なくとも2個のスイッチング素子から構成されたアームを三つ以上有し、二つのアームで構成されるフルブリッジ式インバータについて、各々のインバータの少なくとも一つのアームが、別のインバータのアームと共有して構成されている複数のフルブリッジ式インバータ回路と、フルブリッジ式インバータ回路を一単位としてその回路毎に接続された加熱コイルおよび共振コンデンサと、アーム毎に設けられ、各アームのスイッチング素子の駆動制御を行う複数のドライブ回路と、フルブリッジ式インバータ回路を構成するアームに対応した2つのドライブ回路を組とし、ドライブ回路を組毎に時分割で駆動制御する制御回路と、各加熱コイルに流れる電流を検出する、各フルブリッジ式インバータ回路で共有の加熱コイル用電流検出器とを具備したものである。
【0013】
また、加熱コイルは内側と外側にそれぞれ位置して巻回された複数の加熱コイルから形成したものである。
【0014】
この発明に係わる電磁誘導加熱装置は、少なくとも2個のスイッチング素子から構成されたアームを三つ以上有し、二つのアームで構成されるフルブリッジ式インバータについて、各々のインバータの少なくとも一つのアームが、別のインバータのアームと共有して構成されている複数のフルブリッジ式インバータ回路と、各フルブリッジ式インバータ回路を一単位としてその回路毎に接続された加熱コイルと、各フルブリッジ式インバータ回路で共有する共振コンデンサと、フルブリッジ式インバータ回路を構成するアームに対応した2つのドライブ回路を組とし、ドライブ回路を組毎に時分割で駆動制御する制御回路とを具備したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明による電磁誘導加熱装置の実施の形態、即ちひとつのアームを共有して2個の加熱コイルを動作させる方法を説明する回路図であり、図2はインバータ回路を構成する各アームの動作のタイミングチャート図を示す。
【0016】
図1において、従来例と同一の符号は同一または相当部分を示す。15は第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子15bとから成る第1のアーム、16は第3のスイッチング素子16aと第4のスイッチング素子16bとから成る第2のアーム、17は第5のスイッチング素子17aと第6のスイッチング素子17bとから成る第3のアームである。第1のアーム15および第2のアーム16より平滑コンデンサ3からの直流電圧を高周波電圧へ変換する一方のフルブリッジ式インバータ回路が構成される。また、第2のアーム16および第3のアーム17より他方のフルブリッジ式インバータ回路が構成される。
【0017】
18は第1のアーム15を構成するスイッチング素子15aおよびスイッチング素子15bに駆動信号を送り出す第1のドライブ回路、19は第2のアーム16を構成するスイッチング素子16aおよびスイッチング素子16bに駆動信号を送り出す第2のドライブ回路、20は第3のアーム17を構成する第5のスイッチング素子17aおよび第6のスイッチング素子17bに駆動信号を送り出す第3のドライブ回路である。
【0018】
次に、実施の形態1における電磁誘導加熱装置の動作を、図1と図2とを併用して説明する。図1において、片方のみの加熱コイル即ち第2の加熱コイル10のみ動作させる場合について説明する。制御回路14は、第2のドライブ回路19と第3のドライブ回路20とにそれぞれ逆位相となる制御信号を送り出し、第2のアーム16と第3のアーム17とで構成する一方のフルブリッジ式インバータ回路を駆動させる。このとき、制御回路14は第1のアーム15を駆動させる第1のドライブ回路9aの動作を停止させる。
【0019】
ここで、第1のアーム15、第2のアーム16、第3のアーム17を構成する各スイッチング素子(スイッチング素子15a〜スイッチング素子17b)のオン/オフ動作のタイミングチャート図を、図2(a)に示す。図2(a)において、第1のアーム15を構成するスイッチング素子15aおよびスイッチング素子15bはオフ動作を維持する。そして、第2のアーム16の一構成部品であるスイッチング素子16aと第3のアーム17の一構成部品であるスイッチング素子17bとは、それぞれ同期し合ってオン/オフ動作を繰り返す。このとき、第2のアーム16の他構成部品であるスイッチング素子16bと第3のアーム17の他構成部品であるスイッチング素子17aとはそれぞれ同期し合って、かつスイッチング素子16aおよびスイッチング素子16bの動作波形に対して逆位相となるようにオン/オフ動作を繰り返す。
【0020】
こうしたスイッチング素子16a、スイッチング素子16b、スイッチング素子17a、スイッチング素子17bの一連のオン/オフ動作により、第2の加熱コイル10および第2のコンデンサ11に高周波電圧が印加される。これによって、第2の加熱コイル10に高周波電流が流れ、第2の加熱コイル10と磁気結合した被加熱負荷(調理鍋、図示せず)に誘導渦電流が流れる。そして、この誘導渦電流の渦電流損P(w)によって従来例と同様に被加熱負荷が加熱される。
【0021】
次に、第1の加熱コイル8および第2の加熱コイル10の双方を動作させる場合について説明する。制御回路14は、所定期間Aだけ第1のドライブ回路18と第2のドライブ回路19とにそれぞれ逆位相となる制御信号を送り出し、第1のアーム15と第2のアーム16とで構成する一方のフルブリッジ式インバータ回路を駆動させる。このとき、制御回路14は第3のドライブ回路20の動作を停止状態とする。そして、所定期間Aを経過した直後に、制御回路14は第1のドライブ回路18および第2のドライブ回路19の動作を停止させ、一方のフルブリッジ式インバータ回路の駆動を停止する。
【0022】
この後に、制御回路14は時間差をもって所定期間Bだけ第2のドライブ回路19と第3のドライブ回路20とにそれぞれ逆位相となる制御信号を送り出し、第2のアーム16と第3のアーム17とで構成する他方のフルブリッジ式インバータ回路を駆動させる。このとき、制御回路14は第1のドライブ回路18の動作を停止状態とする。ここで、第2のアーム16は一方のフルブリッジ式インバータ回路と他方のフルブリッジ式インバータ回路とに跨って共有されている。そして、所定期間Bを経過した直後に制御回路14は第2のドライブ回路19および第3のドライブ回路20の動作を停止させ、他方のフルブリッジ式インバータ回路の駆動を停止する。
こうした一方のフルブリッジ式インバータ回路と他方のフルブリッジ式インバータ回路との駆動を時分割で交互に行う。
【0023】
ここで、第1のアーム15、第2のアーム16、第3のアーム17を構成する各スイッチング素子(スイッチング素子15a〜スイッチング素子17b)のオン/オフ動作のタイミングチャート図を、図2(b)に示す。図2(b)において、一方のフルブリッジ式インバータ回路が駆動する期間Aでは、第3のアーム17を構成するスイッチング素子17aおよびスイッチング素子17bは、それぞれオフ動作を維持する。そして、第1のアーム15の一構成部品であるスイッチング素子15bと第2のアーム16の一構部品であるスイッチング素子16aとは、それぞれ同期し合ってオン/オフ動作を繰り返す。このとき、第1のアーム15の他構成部品であるスイッチング素子15aと第2のアーム16の他構成部品であるスイッチング素子16bとはそれぞれ同期し合って、かつスイッチング素子15bおよびスイッチング素子16aの動作波形に対して逆位相となるようにオン/オフ動作を繰り返す。
【0024】
こうした、スイッチング素子15a、スイッチング素子15b、スイッチング素子16a、スイッチング素子16bの一連のオン/オフ動作により、第1の加熱コイル8および第1のコンデンサ9に高周波電圧が印加される。これによって、第1の加熱コイル8には高周波電流が流れ、第1の加熱コイル8と磁気結合した一方の被加熱負荷に誘導渦電流が流れる。そして、前述と同様の動作現象によって一方の被加熱負荷が加熱される。
【0025】
また、図2(b)において他方のフルブリッジ式インバータ回路が駆動する期間Bでは、第1のアーム15を構成するスイッチング素子15aおよびスイッチング素子15bはそれぞれオフ動作を維持する。そして、第2のアーム16の一構成部品であるスイッチング素子16aと第3のアーム17の一構成部品であるスイッチング素子17bとは、それぞれ同期し合ってオン/オフ動作を繰り返す。このとき、第2のアーム16の他構成部品であるスイッチング素子16bと第3のアーム17の他構成部品であるスイッチング素子17aとはそれぞれ同期し合って、かつスイッチング素子16aおよびスイッチング素子17bの動作波形に対して逆位相となるようにオン/オフ動作を繰り返す。
【0026】
こうしたスイッチング素子16a、スイッチング素子16b、スイッチング素子17a、スイッチング素子17bの一連のオン/オフ動作により、第2の加熱コイル10および第2のコンデンサ11に高周波電圧が印加される。これによって、第2の加熱コイル10には高周波電流が流れ、第2の加熱コイル10と磁気結合した他方の被加熱負荷に誘導渦電流が流れる。そして、前述と同様の動作現象によって他方の被加熱負荷が加熱される。なお、前述の期間Aと期間Bとの時間比は、第1の加熱コイル8と第2の加熱コイル10との熱容量(W)の割合に応じて適宜決定する。
【0027】
また、図3はこの発明の電磁誘導加熱装置に用いる渦巻き状の加熱コイルの一例を示す平面図である。図3において渦巻き状の内側の加熱コイル(図3中のA)と渦巻き状の外側の加熱コイル(図3中のB)とは、それぞれ前述の第1の加熱コイル8あるいは第2の加熱コイル10に相当する。そして、底面積の小さい被加熱負荷を加熱する場合は内側の加熱コイルのみを動作させ、底面積の大きい被加熱負荷を加熱する場合は内側の加熱コイルおよび外側の加熱コイルを時分割で交互に動作を実行させる。
また、他の例として第1の加熱コイル8と第2の加熱コイル10とをそれぞれ分離させて、それぞれで被加熱負荷を加熱することも可能である。これらのことは、後述する実施の形態2〜6についても同様である。
【0028】
以上のように、2個の加熱コイルに高周波電流を時分割で交互に流すような特徴をもつ複数のフルブリッジ式インバータ回路を有する電磁誘導加熱装置において、このインバータ回路を構成するアームを共有させるようにしたので、例えば従来例の場合はスイッチング素子が8個必要であるのに対して、本発明の場合はスイッチング素子が6個で回路構成を実現できる。したがって、複数個の加熱コイルを備えたものにあっては全体にコスト低減化が図れる電磁誘導加熱装置を得ることができる。
【0029】
実施の形態2.
図4は、この発明による電磁誘導加熱装置の他の実施の形態、即ちアームを共有して3個の加熱コイルを動作させる方法を説明する回路図であり、図5はインバータ回路を構成する各アームの動作のタイミングチャート図を示す。図4において、従来例または実施の形態1と同一の符号は同一または相当部分を示す。21は第7のスイッチング素子21aと第8のスイッチング素子21bとから成る第4のアーム、22は第9のスイッチング素子22aと第10のスイッチング素子22bとから成る第5のアーム、23は第11のスイッチング素子23aと第12のスイッチング素子23bとから成る第6のアーム、24は第13のスイッチング素子24aと第14のスイッチング素子24bとから成る第7のアームである。
【0030】
そして、第4のアーム21および第5のアーム22により平滑コンデンサ3からの直流電圧を高周波電圧へ変換する第1のフルブリッジ式インバータ回路が構成される。また、第5のアーム22および第6のアーム23により第2のフルブリッジ式インバータ回路が構成される。さらに、第6のアーム23および第7のアーム24により第3のフルブリッジ式インバータ回路が構成される。25は第6のアーム23に接続する第3の加熱コイル、26は第3の加熱コイル25と第7のアーム24との間に介在する第3のコンデンサである。
【0031】
27は第4のアーム21を構成するスイッチング素子21aおよびスイッチング素子21bに駆動信号を送り出す第4のドライブ回路、28は第5のアーム22を構成するスイッチング素子22aおよびスイッチング素子22bに駆動信号を送り出す第5ドライブ回路、29は第6のアーム23を構成するスイッチング素子23aおよびスイッチング素子23bに駆動信号を送り出す第6のドライブ回路、30は第7のアーム24を構成するスイッチング素子24aおよびスイッチング素子24bに駆動信号を送り出す第6のドライブ回路である。
【0032】
また、実施の形態2における電磁誘導加熱装置の動作を、図4と図5とを併用して説明する。図4において、3個の加熱コイルの中で1個のみを動作させる方法は実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
そして、第1の加熱コイル8、第2の加熱コイル10、第3の加熱コイル25の全てを動作させる場合について説明する。制御回路14は、所定期間Aだけ第4のドライブ回路27と第5のドライブ回路28とにそれぞれ逆位相となる制御信号を送り出し、第4のアーム21と第5のアーム22とで構成する第1のフルブリッジ式インバータ回路を駆動させる。このとき、制御回路14は第6のドライブ回路29および第7のドライブ回路30の動作を停止させる。そして、所定期間Aを経過した直後に、制御回路14は第4のドライブ回路27および第5のドライブ回路28の動作を停止させ、第1のフルブリッジ式インバータ回路の駆動を停止する。
【0033】
この後に、制御回路14は時間差をもって所定期間Bだけ第5のドライブ回路28と第6のドライブ回路29とにそれぞれ逆位相となる制御信号を送り出し、第5のアーム22と第6のアーム23とで構成する第2のフルブリッジ式インバータ回路を駆動させる。このとき、制御回路14は第4のドライブ回路27および第7のドライブ回路30の動作を停止させる。そして、所定期間Bを経過した直後に、制御回路14は第5のドライブ回路28および第6のドライブ回路29の動作を停止させ、第2のフルブリッジ式インバータ回路の駆動を停止する。
【0034】
さらに、この後に制御回路14は時間差をもって所定期間Cだけ第6ドライブ回路29と第7のドライブ回路30とにそれぞれ逆位相となる制御信号を送り出し、第6のアーム23と第7のアーム24とで構成する第3のフルブリッジ式インバータ回路を駆動させる。このとき、制御回路14は第4のドライブ回路27および第5のドライブ回路28の動作を停止させる。ここで、第5のアーム22は第1のフルブリッジ式インバータ回路と第2のフルブリッジ式インバータ回路とに跨って共用され、第6のアーム23は第2のフルブリッジ式インバータ回路と第3のフルブリッジ式インバータ回路とに跨って共用されている。そして、所定期間Cを経過した直後に、制御回路14は第6のドライブ回路29および第7のドライブ回路30の動作を停止させ、第3のフルブリッジ式インバータ回路の駆動を停止する。こうした第1のフルブリッジ式インバータ回路、第2のフルブリッジ式インバータ回路、第3のインバータ回路の駆動を時分割で交互に繰り返し行う。
【0035】
ここで、第4のアーム21、第5のアーム22、第6のアーム23、第7のアーム24を構成する各スイッチング素子(スイッチング素子21a〜スイッチング素子24b)のオン/オフ動作を、図5に示すタイミングチャート図に基づいて説明する。図5において、第1のフルブリッジ式インバータ回路が駆動する期間Aでは、第6のアーム23を構成するスイッチング素子23aおよびスイッチング素子23b、さらに第7のアーム24を構成するスイッチング素子24aおよびスイッチング素子24bは、それぞれオフ動作を維持する。そして、第4のアーム21の一構成部品であるスイッチング素子21aと第5のアーム22の一構成部品であるスイッチング素子22bとは、それぞれ同期し合ってオン/オフ動作を繰り返す。このとき、第4のアーム21の他構成部品であるスイッチング素子21bと第5のアーム22の他構成部品であるスイッチング素子22aとはそれぞれ同期し合って、かつスイッチング素子21aおよびスイッチング素子22bの動作波形に対して逆位相となるようにオン/オフ動作を繰り返す。
【0036】
こうしたスイッチング素子21a、スイッチング素子21b、スイッチング素子22a、スイッチング素子22bの一連のオン/オフ動作により、第1の加熱コイル8および第1のコンデンサ9に高周波電圧が印加される。これによって、第1の加熱コイル8には高周波電流が流れ、第1の加熱コイル8と磁気結合した第1の被加熱負荷(図示せず)に誘導渦電流が流れる。そして、前述と同様の動作現象によって第1の被加熱負荷が加熱される。
【0037】
また、図5において第2のフルブリッジ式インバータ回路が駆動する期間Bでは、第4のアーム21を構成するスイッチング素子21aおよびスイッチング素子21b、さらに第7のアーム24を構成するスイッチング素子24aおよびスイッチング素子24bは、それぞれオフ動作を維持する。そして、第5のアーム22の一構成部品であるスイッチング素子22bと第6のアーム23の一構成部品であるスイッチング素子23aは、それぞれ同期してオン/オフ動作を繰り返す。このとき、第5のアーム22の他構成部品であるスイッチング素子22aと第6のアーム23の他構成部品であるスイッチング素子23bとはそれぞれ同期し合って、かつスイッチング素子22bおよびスイッチング素子23aの動作波形に対して逆位相となるようにオン/オフ動作を繰り返す。
【0038】
こうしたスイッチング素子22a、スイッチング素子22b、スイッチング素子23a、スイッチング素子23bの一連のオン/オフ動作により、第2の加熱コイル10および第2のコンデンサ11に高周波電圧が印加される。これによって、第2の加熱コイル10と磁気結合した第2の被加熱負荷(図示せず)に誘導渦電流が流れ、この被加熱負荷が加熱される。
【0039】
また、図5において第3のフルブリッジ式インバータ回路が駆動する期間Cでは、第4のアーム21を構成するスイッチング素子21aおよびスイッチング素子21b、さらに第5のアーム22を構成するスイッチング素子22aおよびスイッチング素子22bは、それぞれオフ動作を維持する。そして、第6のアーム23の一構成部品であるスイッチング素子23bと第7のアーム24の一構成部品であるスイッチング素子24aは、それぞれ同期してオン/オフ動作を繰り返す。このとき、第6のアーム23の他構成部品であるスイッチング素子23aと第7のアーム24の他構成部品であるスイッチング素子24bとはそれぞれ同期し合って、かつスイッチング素子23bおよびスイッチング素子24aの動作波形に対して逆位相となるようにオン/オフ動作を繰り返す。
【0040】
こうしたスイッチング素子23a、スイッチング素子23b、スイッチング素子24a、スイッチング素子24bの一連のオン/オフ動作により、第3の加熱コイル25および第3のコンデンサ26に高周波電圧が印加される。これによって、第3の加熱コイル25と磁気結合した第3の被加熱負荷(図示せず)に誘導渦電流が流れ、この被加熱負荷が加熱される。なお、前述の駆動期間A,B,Cの時間比は、第1の加熱コイル8、第2の加熱コイル10、第3の加熱コイル25のそれぞれの熱容量(W)の割合に応じて適宜決定する。なお、前述の加熱コイルはそれぞれ独立に構成する他に、渦巻き状の加熱コイルであって内側から外側にわたって複数の加熱コイルにより構成されるようにしても良い。これについては、後述する実施の形態3〜6についても同様である。
【0041】
以上のように、3個の加熱コイルに高周波電流を時分割で交互に流すような特徴をもつ複数のフルブリッジ式インバータ回路を有する電磁誘導加熱装置において、このインバータ回路を構成するアームを共有させるようにしたので、例えば従来例の場合はスイッチング素子が12個必要であるのに対し、本発明の場合はスイッチング素子が8個のみで回路構成を実現できる。したがって、複数個の加熱コイルを備えたものにあっては全体にコスト低減化が図れる電磁誘導加熱装置を得ることができる。
【0042】
実施の形態3.
図6は、アームを共有して3個の加熱コイルを動作させる手段をもつ電磁誘導加熱装置のさらに他の実施の形態を説明する回路図である。図6において、実施の形態1または実施の形態2と同一の符号は同一または相当部分を示す。次に、実施の形態3における電磁誘導加熱装置の動作について説明する。図6において、3個の加熱コイルの中で1個のみを動作させる方法は実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0043】
また、第1の加熱コイル8、第2の加熱コイル10、第3の熱コイル25を、それぞれ動作させる場合について説明する。第4のアーム21と第5のアーム22とで構成する第1のフルブリッジ式インバータ回路を所定時間aだけ駆動して第1の加熱コイル8を動作させる。この後に、時間差をもって第5のアーム22と第6のアーム23とで構成する第2のフルブリッジ式インバータ回路を所定時間bだけ駆動して、第2の加熱コイル10を動作させる方法は実施の形態2と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0044】
また、第3の加熱コイル25を動作させる方法について説明する。制御回路14は、所定期間Cだけ第5のドライブ回路28と第7のドライブ回路30とにそれぞれ逆位相となる制御信号を送り出し、第5のアーム22と第7のアーム24とで構成する第3のフルブリッジ式インバータ回路を駆動させる。このとき、制御回路14は第4のドライブ回路27および第6のドライブ回路29の動作を停止させる。そして、所定期間Cを経過した直後に、制御回路14は第5のドライブ回路28および第7のドライブ回路30の動作を停止させ、第3のフルブリッジ式インバータ回路の駆動を停止する。
【0045】
ここで、第5のアーム22は第1のフルブリッジ式インバータ回路、第2のフルブリッジ式インバータ回路、第3のフルブリッジ式インバータ回路とに跨って共用されている。こうした第1のフルブリッジ式インバータ回路、第2のフルブリッジ式インバータ回路、第3のインバータ回路の駆動を時分割で交互に行うことにより、第1の加熱コイル8、第2の加熱コイル10、第3の加熱コイル25がそれぞれ動作を実行する。これにより、各加熱コイルと磁気結合する各被加熱負荷を加熱することができる。
【0046】
以上のように、フルブリッジ式インバータ回路を構成するアームを共有させるようにしたので、複数個の加熱コイルを備えたものにあっては全体にコスト低減化が図れる電磁誘導加熱装置を得ることができる。
【0047】
実施の形態4.
図7は、この発明による電磁誘導加熱装置のさらに他の実施の形態、即ちアームおよび共振コンデンサを共有すると共に、加熱コイル用電流検出器および出力計測回路を共有して2個の加熱コイルを動作させる方法を説明する回路図である。図7において、従来例あるいは実施の形態1と同一の符号は同一または相当部分を示す。
【0048】
また、第1の加熱コイル8および第2の加熱コイル10の双方を動作させる場合について説明する。制御回路14は、所定期間Aだけ第1のドライブ回路18と第3のドライブ回路20とにそれぞれ逆位相となる制御信号を送り出し、第1のアーム15と第3のアーム17とで構成する一方のフルブリッジ式インバータ回路を駆動させる。このとき、制御回路14は第2のドライブ回路19の動作を停止状態とする。これにより、第1の加熱コイル8および第1の共振コンデンサ9に高周波電圧が印加する。そして、第1の加熱コイル8に流れる高周波電流を第1の加熱コイル用電流検出器50で検出し、この検出量を第1の出力計測回路51により計測する。次に、第1の出力計測回路52は第1の加熱コイル8と磁気結合する一方の被加熱負荷の適正/不適正の判断を行う。
【0049】
次に、所定期間Aを経過した直後に、制御回路14は第1のドライブ回路18および第3のドライブ回路20の動作を停止させ、一方のフルブリッジ式インバータ回路の駆動を停止する。この後に、制御回路14は時間差をもって所定時間bだけ第2のドライブ回路19と第3のドライブ回路20とにそれぞれ逆位相となる制御信号を送り出し、第2のアーム16と第3のアーム17とで構成する他方のフルブリッジ式インバータ回路を駆動させる。このとき、制御回路14は第1のドライブ回路18の動作を停止状態とする。これにより、第2の加熱コイル10および第1の共振コンデンサ9に高周波電圧が印加する。次に、第2の加熱コイル10に流れる高周波電流を第1の加熱コイル用電流検出器50で検出し、この検出量を第1の出力計測回路52により計測する。そして、第1の出力計測回路52は第2の加熱コイル8と磁気結合する他方の被加熱負荷の適正/不適正の判断を行う。ここで、第3のアーム17、第1の共振コンデンサ9、第1の加熱コイル用電流検出器50、第1の出力計測回路52は一方のフルブリッジ式インバー回路と他方のフルブリッジ式インバータ回路とに跨って共有されている。
【0050】
次に、所定期間Bを経過した直後に、制御回路14は第2のドライブ回路19および第3のドライブ回路20の動作を停止させ、他方のフルブリッジ式インバータ回路の駆動を停止する。こうした一方のフルブリッジ式インバータ回路と他方のフルブリッジ式インバータ回路との駆動を時分割で交互に行う。
【0051】
以上のように、2個の加熱コイルに高周波電流を時分割で交互に流すような特徴をもつ複数のフルブリッジ式インバータ回路を有する電磁加熱装置において、アームの一部、共振コンデンサ、加熱コイル用電流検出器、出力計測回路を共有させるようにしたので、複数個の加熱コイルを備えたものにあっては全体にコスト低減化が図れる電磁誘導加熱装置を得ることができる。
【0052】
実施の形態5.
図8は、アームを共有させず共振コンデンサ、加熱コイル用電流検出器および出力計測回路を共有して2個の加熱コイルを動作させる方法を説明する回路図である。図8において、従来例あるいは実施の形態1〜4と同一の符号は同一または相当部分を示す。31は第15のスイッチング素子31aと第16のスイッチング素子31bとから成る第8のアーム、32は第17のスイッチング素子32aと第18のスイッチング素子32bとから成る第9のアームである。第8のアーム31により平滑コンデンサ3からの直流電圧を高周波電圧へ変換する一方のハーフブリッジ式インバータ回路が構成される。また、第9のアーム32により前述の直流電圧を高周波電圧へ変換する他方のハーフブリッジ式インバータ回路が構成される。33は第8のアーム31を構成するスイッチング素子31aおよびスイッチング素子31bに駆動信号を送り出す第8のドライブ回路、34は第9のアーム32を構成するスイッチング素子32aおよびスイッチング素子32bに駆動信号を送り出す第9のドライブ回路である。
【0053】
また、実施の形態5における電磁誘導加熱装置の動作について説明する。図8において、第1の加熱コイル8のみ動作させる場合について説明する。制御回路14は、第8のドライブ回路33に制御信号を送り出し、これにより第8のアームを構成するスイッチング素子31aとスイッチング素子31bとは交互にON/OFF動作を繰り返す。スイッチング素子31aがON状態の場合には(スイッチング素子31bはOFF状態)、平滑コンデンサ3からの直流電圧がスイッチング素子31aを通じて第1の加熱コイル8および第1のコンデンサ9に印加する。
【0054】
そして、スイッチング素子31bがON状態の場合には(スイッチング素子31aはOFF状態)、第1のコンデンサ9に充電された電荷がスイッチング素子31bを通じて第1の加熱コイル8に放電する。こうした、電荷の充/放電の繰り返し動作により、第1の加熱コイル8側には高周波電流が流れる。これにより、前述と同様の動作現象によって第1の加熱コイル8と磁気結合した一方の被加熱負荷が加熱される。同時に、第1の加熱コイル用電流検出器50は前述の高周波電流を検出し、この検出量を第1の出力計測回路52により計測する。そして、第1の出力計測回路52は一方の被加熱負荷の適正/不適正の判断を行う。
【0055】
また、第1の加熱コイル8および第2の加熱コイル10の双方を動作させる場合について説明する。制御回路14は、所定期間Aだけ第8のドライブ回路33に制御信号を送り出して、第8のアーム31で構成する一方のハーフブリッジ式インバータ回路を駆動させる。このとき、制御回路14は第9のドライブ回路34の動作を停止させる。そして、所定期間Aを経過した直後に、制御回路14は第8のドライブ回路33の動作を停止させ、一方のハーフブリッジ式インバータ回路の駆動を停止する。ここで、スイッチング素子31aおよびスイッチング素子31bの動作方法は前述と同様である。
【0056】
この後に、制御回路14は時間差をもって所定期間Bだけ第9のドライブ回路34に制御信号を送り出して、第9のアーム32で構成する他方のハーフブリッジ式インバータ回路を駆動させる。このとき、制御回路14は第8のドライブ回路33の動作を停止状態とする。そして、所定期間Bを経過した直後に、制御回路14は第9のドライブ回路34の動作を停止させ、他方のハーフブリッジ式インバータ回路の駆動を停止する。ここで、第1の共振コンデンサ9、第1の加熱コイル用電流検出器50、第1の出力計測回路52は一方のハーフブリッジ式インバータ回路が駆動する際には第1の加熱コイル8と関与し合い、かつ他方のハーフブリッジ式インバータ回路が駆動する際には第2の加熱コイル10と関与し合う。なお、スイッチング素子32aおよびスイッチング素子32bの動作方法は、第8のアーム31を構成するスイッチング素子31aとスイッチング素子31bとのON/OFF繰り返し動作と同一であるため、ここでは説明を省略する。
【0057】
こうした一方のハーフブリッジ式インバータ回路と他方のハーフブリッジ式インバータ回路との駆動を時分割で交互に行うことにより、第1の加熱コイル8および第2の加熱コイル10には高周波電流が流れる。これにより、前述と同様の動作現象によって双方の加熱コイルと磁気結合する双方の被加熱負荷が加熱される。同時に、第1の加熱コイル用電流検出器50は第1の加熱コイル8あるいは第2の加熱コイル10に流れる高周波電流を検出し、この検出量に基づいて第1の出力計測回路52で被加熱負荷の適正/不適正の判断を行う。
【0058】
以上のように、双方のハーフブリッジ式インバータ回路を駆動する際に共振コンデンサ、加熱コイル用電流検出器、出力計測回路を双方の回路に跨って共有させるようにしたので、複数個の加熱コイルを備えたものにあっては全体に回路のコスト低減化が図れる電磁誘導加熱装置を得ることができる。
【0059】
実施の形態6.
図9は、アームを共有させず共振コンデンサ、加熱コイル用電流検出器および出力計測回路を共有して3個の加熱コイルを動作させる方法を説明する回路図である。図9において、従来例あるいは実施の形態1〜5と同一の符号は同一または相当部分を示す。35は第19のスイッチング素子35aと第20のスイッチング素子35bとから成る第10のアームであって、この第10のアーム35より平滑コンデンサ3からの直流電圧を高周波電圧へ変換する第3のハーフブリッジ式インバータ回路が構成される。36は第10のアーム35を構成するスイッチング素子35aおよびスイッチング素子35bに駆動信号を送り出す第10のドライブ回路である。
【0060】
また、実施の形態6における電磁誘導加熱装置の動作について説明する。図9において、第1の加熱コイル8のみ又は第1の加熱コイル8および第2の加熱コイル10の双方を動作させる場合については、実施の形態5と同様であるのでここでは説明を省略する。
【0061】
また、第1の加熱コイル8、第2の加熱コイル10、第3の加熱コイル25の全てを動作させる場合について説明する。制御回路14は、所定期間Aだけ第8のドライブ回路33に制御信号を送り出して、第8のアーム31で構成する第1のハーフブリッジ式インバータ回路を駆動させる。このとき、制御回路14は第9のドライブ回路34および第10のドライブ回路36の動作を停止させる。そして、所定期間Aを経過した直後に、制御回路14は第8のドライブ回路33の動作を停止させ、第1のハーフブリッジ式インバータ回路の駆動を停止する。
この後に、制御回路14は時間差をもって所定期間Bだけ第9のドライブ回路34に制御信号を送り出して、第9のアーム32で構成する第2のハーフブリッジ式インバータ回路を駆動させる。このとき、制御回路14は第8のドライブ回路33および第10のドライブ回路36の動作を停止状態とする。そして、所定期間Bを経過した直後に、制御回路14は第9のドライブ回路34の動作を停止させ、第2のハーフブリッジ式インバータ回路の駆動を停止する。
【0062】
さらに、この後に制御回路14は時間差をもって所定期間Cだけ第10のドライブ回路36に制御信号を送り出して、第10のアーム35で構成する第3のハーフブリッジ式インバータ回路を駆動させる。このとき、制御回路14は第8のドライブ回路33および第9のドライブ回路34の動作を停止状態とする。そして、所定期間Cを経過した直後に、制御回路14は第10のドライブ回路36の動作を停止させ、第3のハーフブリッジ式インバータ回路の駆動を停止する。なお、第10のアーム35を構成するスイッチング素子35aおよびスイッチング素子35bの動作方法は、第8のアーム31、第9のアーム32を構成する各スイッチング素子のON/OFFの繰り返し動作と同一である。
ここで、第1の共振コンデンサ9、第1の加熱コイル用電流検出器50、第1の出力計測回路52は第1のハーフブリッジ式インバータ回路が駆動する際には第1の加熱コイル8と関与し合い、かつ第2のハーフブリッジ式インバータ回路が駆動する際には第2の加熱コイル10と関与し合う。さらに、これらは第3のハーフブリッジ式インバータ回路が駆動する際には第3の加熱コイル25と関与し合う。
【0063】
こうした第1のハーフブリッジ式インバータ回路〜第3のハーフブリッジ式インバータ回路の駆動を時分割で交互に行うことにより、第1の加熱コイル8〜第3の加熱コイル25には高周波電流が流れる。これにより、前述と同様の動作現象によって各加熱コイルと磁気結合する各被加熱負荷が加熱される。同時に、第1の加熱コイル用電流検出器50は第1の加熱コイル8、第2の加熱コイル10、第3の加熱コイル25に流れる高周波電流を検出し、この検出量に基づいて第1の出力計測回路52で被加熱負荷の適正/不適正の判断を行う。
【0064】
以上のように、各ハーフブリッジ式インバータ回路を駆動する際に共振コンデンサ、加熱コイル用電流検出器、出力計測回路を各回路に跨って共用化させるようにしたので、複数個の加熱コイルを備えたものにあっては全体に回路のコスト低減化が図れる電磁誘導加熱装置を得ることができる。
【0065】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0066】
この発明に係わる電磁誘導加熱装置は、少なくとも2個のスイッチング素子から構成された複数のアームを設け、アームが二つ組み合わされて形成される複数のフルブリッジ式インバータ回路を設け、フルブリッジ式インバータ回路を一単位としてその回路毎に接続された加熱コイルおよび共振コンデンサを設け、各アーム毎に設けられたスイッチング素子の駆動制御を行うドライブ回路を設け、このドライブ回路を二つ一組で駆動制御する制御回路を具備したので、例えばフルブリッジ式インバータ回路が2セットの場合に、従来例はスイッチング素子が8個必要であるのに対し、本発明はスイッチング素子が6個のみで回路構成を実現できる。また、前述のインバータ回路が3セットの場合に、従来例はスイッチング素子が12個必要であるのに対し、本発明はスイッチング素子が8個のみで回路構成を実現できる。したがって、複数個の加熱コイルを備えたものにあっては全体に回路のコスト低減化を図ることができる電磁誘導加熱装置が得られる。
【0067】
また、加熱コイルに流れる電流を検出する加熱コイル用電流検出器を設け、加熱コイル用電流検出器を各フルブリッジ式インバータ回路で共有させるようにしたので、前述の部品はインバータ回路のセット数に制約されず1個のみで対処できる。これにより、電流検出器のコスト低減化を図ることができる電磁誘導加熱装置が得られる。
【0068】
また、共振コンデンサを各フルブリッジ式インバータ回路で共有させるようにしたので、前述の部品はインバータ回路のセット数に制約されず1個のみで対処できる。これにより、共振コンデンサのコスト低減化を図ることができる電磁誘導加熱装置が得られる。
【0069】
また、加熱コイルは内側と外側にそれぞれ位置して巻回された複数の加熱コイルから形成するようにしたので、被加熱負荷である調理鍋の大きさあるいは形状に応じて適宜加熱領域を調整することができる。これにより、適切な調理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による電磁誘導加熱装置の実施の形態1を示す回路図である。
【図2】 実施の形態1における、インバータ回路を構成する各スイッチング素子のON/OFF動作を示すタイミングチャート図である。
【図3】 この発明の電磁誘導加熱装置に適用する加熱コイルの平面図である。
【図4】 実施の形態2の電磁誘導加熱装置を示す回路図である。
【図5】 実施の形態2における、インバータ回路を構成する各スイッチング素子のON/OFF動作を示すタイミングチャート図である。
【図6】 実施の形態3の電磁誘導加熱装置を示す回路図である。
【図7】 実施の形態4の電磁誘導加熱装置を示す回路図である。
【図8】 実施の形態5の電磁誘導加熱装置を示す回路図である。
【図9】 実施の形態6の電磁誘導加熱装置を示す回路図である。
【図10】 従来の電磁誘導加熱装置を示す回路図である。
【符号の説明】
1 商用交流電源、2 整流回路、3 平滑コンデンサ、4 Aアーム、5 Bアーム、6 Cアーム、7 Dアーム、8 第1の加熱コイル、9 第1の共振コンデンサ、10 第2の加熱コイル、11 第2の共振コンデンサ、12 ドライブA回路、13 ドライブB回路、14 制御回路、15 第1のアーム、16 第2のアーム、17 第3のアーム、18 第1のドライブ回路、19第2のドライブ回路、20 第3のドライブ回路、21 第4のアーム、22第5のアーム、23 第6のアーム、24 第7のアーム、25 第3の加熱コイル、26 第3の共振コンデンサ、27 第4のドライブ回路、28 第5のドライブ回路、29 第6のドライブ回路、30 第7のドライブ回路、31第8のアーム、32 第9のアーム、33 第8のドライブ回路、34 第9のドライブ回路、35 第10のアーム、36 第10のドライブ回路、50 第1の加熱コイル用電流検出器、51 第2の加熱コイル用電流検出器、52 第1の出力計測回路、53 第2の出力計測回路。

Claims (3)

  1. 少なくとも2個のスイッチング素子から構成されたアームを三つ以上有し、二つの前記アームで構成されるフルブリッジ式インバータについて、各々の前記インバータの少なくとも一つの前記アームが、別の前記インバータの前記アームと共有して構成されている複数のフルブリッジ式インバータ回路と、
    フルブリッジ式インバータ回路を一単位としてその回路毎に接続された加熱コイルおよび共振コンデンサと、
    前記アーム毎に設けられ、各前記アームの前記スイッチング素子の駆動制御を行う複数のドライブ回路と、
    前記フルブリッジ式インバータ回路を構成する前記アームに対応した2つの前記ドライブ回路を組とし、前記ドライブ回路を組毎に時分割で駆動制御する制御回路と
    各前記加熱コイルに流れる電流を検出する、前記各フルブリッジ式インバータ回路で共有の加熱コイル用電流検出器とを具備したことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
  2. 前記加熱コイルは、内側と外側にそれぞれ位置して巻回された複数の加熱コイルから形成したことを特徴とする請求項1記載の電磁誘導加熱装置。
  3. 少なくとも2個のスイッチング素子から構成されたアームを三つ以上有し、二つの前記アームで構成されるフルブリッジ式インバータについて、各々の前記インバータの少なくとも一つの前記アームが、別の前記インバータの前記アームと共有して構成されている複数のフルブリッジ式インバータ回路と、
    各前記フルブリッジ式インバータ回路で共有する共振コンデンサと、
    前記フルブリッジ式インバータ回路を構成する前記アームに対応した2つの前記ドライブ回路を組とし、前記ドライブ回路を組毎に時分割で駆動制御する制御回路と
    を具備したことを特徴とする電磁誘導加熱装置。
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