JP3686880B2 - ボールミル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールを粉砕媒体として用いるボールミルに関し、特に、シリンドリカルボールミルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリンドリカルボールミルは、軸線回りに回転される水平な円筒状を呈し、供給口を設けた端壁により一端が、又、排出口を設けた端壁により他端が閉鎖されたドラムと、ドラムの排出口に設けられたボール排出防止用のグレートとを備えており、ボールを収容して回転するドラム内に被粉砕物を供給口から供給することにより、被粉砕物が、ドラムの回転に伴って持ち上げられて落下するボールの衝撃力によって粉砕され、排出口側へ移動して排出口に至り、グレートの目開きより小粒径の粉砕物(製品)のみがグレートを通過してドラム外に排出される一方、グレートの目開きより直径の大きなボールは排出されないものである。
他方、ドラム外に排出された粉砕物は、必要に応じてドラムの他端に連設された排出トロンメルによって所望の粒度に篩い分けられるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のボールミルは、所望の製品粒度よりはるかに大きな直径のボールを用いて被粉砕物を粉砕する場合にのみ適用できるが、所望の製品粒度とボールの直径が似通った大きさとなる被粉砕物を粉砕する場合には適用することができない不具合がある。
すなわち、被粉砕物が、ボールの直径と似通った粒度で、製品として採集すべき硬質鉱物(例えば、ダイヤモンド鉱石)とそれに付着した不要な軟質鉱物(例えば、軟石や土丹等)とからなり、硬質鉱物を粉砕せずに軟質鉱物のみを粉砕分離する場合、例えば、粒径20mm程度の硬質鉱石を含む被粉砕物を直径30mm程度のボールを用いて粉砕する場合には、製品となる硬質鉱物がボール間の空隙を通過することができず、ドラム内が硬質鉱物で一杯になり詰まってしまうからである。
【0004】
そこで、本発明は、ボールの機外への排出を抑制し、かつ、ボールと似通った大きさの粉砕物(製品)を機外へスムーズに排出し得るボールミルを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明のボールミルは、軸線回りに回転される水平な円筒状を呈し、供給口を設けた端壁により一端が、又、排出口を設けた端壁により他端が閉鎖されたドラムと、ドラムの排出口と連通させてその他端に連設され、先端に向って縮径するテーパ状の排出トロンメルと、この排出トロンメルの外周を同心状に囲むようにして基端部を介して連設され、先端に向って前記基端部よりも大径となるように拡径するテーパ状の筒部を有する製品集合排出筒と、を備え、前記製品集合排出筒は、前記筒部の先端部に、前記粉砕物を排出する複数の製品排出口を設けた構成とした。
【0006】
前記排出トロンメルのテーパは、2〜45°であることが好ましい。
【0007】
【作用】
本発明のボールミルにおいては、被粉砕物の粉砕に従って被粉砕物と一緒に排出口を経て排出トロンメル内へ移動してきたボールは、排出トロンメルの傾斜によってドラム内へ返送される。
【0008】
排出トロンメルのテーパが、2°未満であると、ボールの返送効果を生じない。一方、45°を超えると、被粉砕物の排出トロンメル内への移動が困難となる。
排出トロンメルのテーパは、5〜15°がより好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1、図2、図3及び図4はそれぞれ本発明に係るボールミルの実施の形態の一例を示す縦断面図、図1におけるII−II線矢視図、図1における III−III 線矢視断面図及び図1におけるIV−IV線矢視断面図である。
【0010】
図中1は水平な円筒状を呈するドラムで、このドラム1は、円筒形のドラム本体1aの一端(図1においては右端)が供給口2を中心部に設けた端壁1bにより閉鎖され、又、他端が比較的大きな排出口3を設けた円輪板状の端壁1cにより閉鎖されてなり、ドラム本体1aの内周には、その摩耗を防止し、かつ、ドラム1の回転に伴って粉砕媒体としてのボール及び被粉砕物(共に図示せず)を持ち上げるライナ4(図3参照)が装着されている。
ドラム1の両端部の外周には、輪金(タイヤ)5がそれぞれ外周から適宜に離隔して同心状に取り付けられ、又、ドラム1の一端の外周には、リング状の従動ギヤ6が同心状に取り付けられている。
【0011】
そして、ドラム1は、その両輪金5と対応させてドラム1の長手方向及びそれと直交する方向へ離隔してベース7上に配設した4つの支持ローラ8によりそれぞれの輪金5を介して支持され、軸線回りに回転自在に設けられていると共に、両輪金5をそれらの最下部において両側から挟持するようにベース7上に配設した4つの挟持ローラ9により長手方向への移動を阻止されており、又、図示しない回転駆動装置と連動連結してベース7に搭載した駆動ギヤ11を従動ギヤ6と噛合することにより回転駆動可能に設けられている。
【0012】
ドラム1の他端の端壁1cの外側には、粉砕物(製品)をボールと篩い分けて排出すると共に、ボールの排出を抑制するため、先端(図1においては左端)に向って縮径するテーパ状(例えば、テーパ角度7°)の排出トロンメル12が、排出口3と連通させて基端部を介して連設されており、この排出トロンメル12の篩目の開きは、ボールの直径より小さく、かつ、供給される被粉砕物の粒度より大きく設けられている。
又、ドラム1の他端の端壁1cの外側には、排出トロンメル12から篩い落とされた製品を受け取り、一箇所に集めて排出するため、先端(図1において左端)に向って拡径するテーパ状の筒部13a及び排出トロンメル12の先端の外周を囲むようにして筒部13aの先端に設けた円輪板状の端壁13bからなる製品集合排出筒13が、排出トロンメル12の外周を同心状に囲むようにして基端部を介して連設されており、この製品集合排出筒13の筒部13aの先端部には、製品を排出する複数の製品排出口14が設けられている。
一方、排出トロンメル12の先端には、排出トロンメル12のテーパによって戻しきれなかったボールの回収を主として図ると共に、万一、排出トロンメル12が目詰まり等を起こした場合の点検保守等を行うためのオーバーフロー排出筒15が連設されている。
【0013】
図1において16は製品集合排出筒13の製品排出口14から排出される製品を排出する製品排出シュート、17はオーバーフロー排出筒15から排出されるボールを排出するボール排出シュートであり、又、図2において18は従動ギヤ6や駆動ギヤ11を覆うカバーである。
【0014】
上記構成のボールミルにおいて、粉砕物(製品)の粒度とボールの直径が比較的近い状態で粉砕を実施するには、ドラム1内に所要量のボールを収容した後、回転駆動装置を作動してドラム1を図示矢印方向へ回転すると共に、供給口2から被粉砕物を供給すると、被粉砕物は、ドラム1の回転に伴って持ち上げられて落下するボールの衝撃力によって粉砕されつつボールと一緒に排出口3側へ移動して排出トロンメル12に至り、製品が篩い落とされ、製品集合排出筒13及び製品排出シュート16を経て機外へ排出されるものであり、又、ボールは、排出トロンメル12内へ移動してくると、排出トロンメル12の傾斜によってドラム1内へ返送される。
したがって、ボールが、排出トロンメル12の先端のオーバーフロー排出筒15から機外へ排出するのを防止される。
【0015】
なお、上述した実施の形態においては、排出トロンメル12のテーパを7°とする装合について説明したが、これに限定されるものではなく、ボールと被粉砕物との比重により、2〜45°の範囲で任意の角度が選択されるが、5〜15°がより好ましい。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のボールミルによれば、被粉砕物の粉砕に伴って被粉砕物と一緒に排出口を経て排出トロンメルの先端部へ移動してきたボールが、排出トロンメルの傾斜によってドラム内へ返送されるので、ボールの機外への排出を抑制することができ、かつ、ボールと似通った大きさの粉砕物(製品)を機外へスムーズに排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るボールミルの実施の形態の一例を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II線矢視図である。
【図3】図1における III−III 線矢視断面図である。
【図4】図1におけるIV−IV線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 ドラム
1a ドラム本体
1b 端壁
1c 端壁
2 供給口
3 排出口
12 排出トロンメル
Claims (2)
- 軸線回りに回転される水平な円筒状を呈し、供給口を設けた端壁により一端が、又、排出口を設けた端壁により他端が閉鎖されたドラムと、ドラムの排出口と連通させてその他端に連設され、先端に向って縮径するテーパ状の排出トロンメルと、この排出トロンメルの外周を同心状に囲むようにして基端部を介して連設され、先端に向って前記基端部よりも大径となるように拡径するテーパ状の筒部を有する製品集合排出筒と、を備え、前記製品集合排出筒は、前記筒部の先端部に、前記粉砕物を排出する複数の製品排出口を設けたことを特徴とするボールミル。
- 前記排出トロンメルのテーパが、2〜45°であることを特徴とする請求項1記載のボールミル。
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