JP2004298835A - ボールミル - Google Patents

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Tsukasa Katayama
司 片山
Takeshi Takemoto
剛 武本
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Abstract

【課題】ボールの出口側への集積又はボールの機外への排出を抑制又は阻止し、かつ、ボールと似通った大きさの粉砕物(製品)を機外へスムーズに排出し得るボールミルの提供。
【解決手段】軸線回りに回転される水平な円筒状を呈し、供給口2を設けた端壁1bにより一端が、又、排出口3を設けた端壁1cにより他端が閉鎖されたドラム1と、ドラムの排出口と連通させてその他端に連設された筒状の篩分け手段12と、篩分け手段の内周に設けられ、その基端から先端へ向うボールの移動のみを抑制又は阻止するボール移動抑制・阻止手段13とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールを粉砕媒体として用いるボールミルに関し、特に、シリンドリカルボールミルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリンドリカルボールミルは、軸線回りに回転される水平な円筒状を呈し、供給口を設けた端壁により一端が、又、排出口を設けた端壁により他端が閉鎖されたドラムと、ドラムの排出口に設けられたボール排出防止用グレートとを備えており、ボールを収容して回転するドラム内に被粉砕物を供給口から供給することにより、被粉砕物が、ドラムの回転に伴って持ち上げられて落下するボールの衝撃力によって粉砕され、排出口側へ移動して排出口に至り、グレートの目開きより小粒径の粉砕物(製品)のみがグレートを通過してドラム外に排出される一方、グレートの目開きより直径の大きなボールは排出されないものである。他方、ドラム外に排出された粉砕物は、必要に応じてドラムの他端に連設された排出トロンメルによって所望の粒度に篩い分けられるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のボールミルは、所望の製品粒度よりはるかに大きな直径のボールを用いて被粉砕物を粉砕する場合にのみ適用できるが、所望の製品粒度とボールの直径が似通った大きさとなる被粉砕物を粉砕する場合には適用することができない不具合がある。
すなわち、被粉砕物が、ボールの直径と似通った粒度で、製品として採集すべき硬質鉱物(例えば、ダイヤモンド鉱石)とそれに付着した不要な軟質鉱物(例えば、軟石や土丹等)とからなり、硬質鉱物を粉砕せずに軟質鉱物のみを粉砕分離する場合、例えば、粒径20mm程度の硬質鉱石を含む被粉砕物を直径30mm程度のボールを用いて粉砕する場合には、製品となる硬質鉱物がボール間の空隙を通過することができず、ドラム内が硬質鉱物で一杯になり詰まってしまうからである。
【0004】
そこで、本発明は、ボールの出口側への集積又はボールの機外への排出を抑制又は阻止し、かつ、ボールと似通った大きさの粉砕物(製品)を機外へスムーズに排出し得るボールミルを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明のボールミルは、軸線回りに回転される水平な円筒状を呈し、供給口を設けた端壁により一端が、又、排出口を設けた端壁により他端が閉鎖されたドラムと、ドラムの排出口と連通させてその他端に連設された筒状の篩分け手段と、篩分け手段の内周に設けられ、その基端から先端へ向うボールの移動のみを抑制又は阻止するボール移動抑制・阻止手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
前記ボール移動抑制・阻止手段は、篩分け手段の内周に連続又は断続する螺旋状に突設され、基部を内周から離隔させた帯板又は基部を内周に当接させた帯板状のパンチングメタルであることが好ましい。
前記ボール移動抑制・阻止手段は、篩分け手段の内周に連続又は断続するリング状に複数突設され、外周縁を内周から離隔させた円輪板又は外周縁を内周に当接させた円輪板状のパンチングメタルであってもよい。
又、前記ボール移動抑制・阻止手段は、篩分け手段の内周にその回転方向と傾斜させて断続するリング状に複数条突設され、基部を内周から離隔させ又は内周に当接させた扇面形板又は扇面形板状のパンチングメタルであってもよい。
【0007】
【作用】
本発明のボールミルにおいては、被粉砕物の粉砕に従って被粉砕物と一緒に排出口経て篩分け手段内へ移動してきたボールは、ボール移動抑制・阻止手段によってその移動を抑制又は阻止される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1、図2、図3及び図4はそれぞれ本発明に係るボールミルの第1の実施の形態を示す縦断面図、図1におけるII−II線矢視図、図1における III−III 線矢視断面図及び図1におけるIV−IV線矢視断面図である。
【0009】
図中1は水平な円筒状を呈するドラムで、このドラム1は、円筒形のドラム本体1aの一端(図1においては右端)が供給口2を中心部に設けた端壁1bにより閉鎖され、又、他端が比較的大きな排出口3を設けた円輪板状の端壁1cにより閉鎖されてなり、ドラム本体1aの内周には、その摩耗を防止し、かつ、ドラム1の回転に伴って粉砕媒体としてのボール及び被粉砕物(共に図示せず)を持ち上げるライナ4(図3参照)が装着されている。
ドラム1の両端部の外周には、輪金(タイヤ)5がそれぞれ外周から適宜に離隔して同心状に取り付けられ、又、ドラム1の一端の外周には、リング状の従動ギヤ6が同心状に取り付けられている。
【0010】
そして、ドラム1は、その両輪金5と対応させてドラム1の長手方向及びそれと直交する方向へ離隔してベース7上に配設した4つの支持ローラ8によりそれぞれの輪金5を介して支持され、軸線回りに回転自在に設けられていると共に、両輪金5をそれらの最下部において両側から挟持するようにベース7上に配設した4つの挟持ローラ9により長手方向への移動を阻止されており、又、図示しない回転駆動装置と連動連結してベース7に搭載した駆動ギヤ11を従動ギヤ6と噛合することにより回転駆動可能に設けられている。
【0011】
ドラム1の他端の端壁1cの外側には、粉砕物(製品)をボールと篩い分けて排出すると共に、ボールの排出を抑制するため、先端(図1においては左端)に向って縮径するテーパ状(例えば、テーパ角度7°)の排出トロンメル12が、排出口3と連通させて基端部を介して連設されおり、この排出トロンメル12の篩目の開きは、ボールの直径より小さく、かつ、供給される被粉砕物の粒度より大きく設けられている。
排出トロンメル12の内周には、その基端(図1において右端)から先端へ向うボールの移動のみを抑制又は阻止するボール移動抑制・阻止手段13が設けられており、このボール移動抑制・阻止手段13は、排出トロンメル12の内周に連続する螺旋状に突設され、基部を内周から複数の支柱13aを介して適宜に離隔させた帯板13bからなる。
なお、ボール移動抑制・阻止手段13は、連続する螺旋状に限らず、断続する螺旋状であってもよい。
又、ボール移動抑制・阻止手段13は、基部を排出トロンメル12の内周から離隔させた帯板13bに限らず、排出トロンメル12の内周に連続又は断続する螺旋状に突設され、基部を内周に当接させた帯板状のパンチングメタルからなるものであってもよい。
更に、排出トロンメル12の内周と帯板13bとの間隙及びパンチングメタルの目開きは、所望の製品粒度よりは大きく、かつ、ボールサイズよりは小さく調整されることが望ましい。
【0012】
又、ドラム1の他端の端壁1cの外側には、排出トロンメル12から篩い落とされた製品を受け取り、一箇所に集めて排出するため、先端(図1においては左端)に向って拡径するテーパ状の筒部14a及び排出トロンメル12の先端の外周を囲むように筒部14aの先端に設けた円輪板状の端壁14bからなる製品集合排出筒14が、排出トロンメル12の外周を同心状に囲むようにして基端部を介して連設されており、この製品集合排出筒14の筒部14aの先端部には、製品を排出する複数の製品排出口15が設けられている。
一方、排出トロンメル12の先端には、排出トロンメル12のテーパによって戻しきれなかったボール、あるいはボール移動抑制・阻止手段13によって移動を抑制又は阻止しきれなかったボールの回収を主として図ると共に、万一、排出トロンメル12が目詰り等を起こした場合の点検保守等を行うためのオーバーフロー排出筒16が連設されている。
【0013】
図1において17は製品集合排出筒13の製品排出口14から排出される製品を排出する製品排出シュート、18はオーバーフロー排出筒15から排出されるボールを排出するボール排出シュートであり、又、図2において19は従動ギヤ6や駆動ギヤ11を覆うカバーである。
【0014】
上記構成のボールミルにおいて、粉砕物(製品)の粒度とボールの直径が比較的近い状態で粉砕を実施するには、ドラム1内に所要量のボールを収容した後、回転駆動装置を作動してドラム1を図示矢印A方向へ回転すると共に、供給口2から被粉砕物を供給すると、被粉砕物は、ドラム1の回転に伴って持ち上げられて落下するボールの衝撃力によって粉砕されつつボールと一緒に排出口3側へ移動して排出トロンメル12に至り、製品が篩い落とされ、製品集合排出筒13及び製品排出シュート17を経て機外へ排出される。
一方、ボールは、排出トロンメル12内へ移動してくると、排出トロンメル12の傾斜によってその先端側への移動を抑制されると共に、ボール移動抑制・阻止手段13の帯板13bに案内されて排出トロンメル12の基端側へ戻されつつドラム1内へ返送されるものである。
したがって、ボールが、排出トロンメル12の先端のオーバーフロー排出筒16から機外へ排出するのを抑制又は阻止される。
【0015】
図5は本発明に係るボールミルの第2の実施の形態を示す縦断面図である。 このボールミルは、前述した第1の実施の形態のものが、排出トロンメル12の基端から先端へ向うボールの移動のみを抑制又は阻止するため、排出トロンメル12の内周に連続又は断続する螺旋状に突設され、基部を複数の支柱13aを介して内周から離隔させた帯板13b又は基部を内周に当接させた帯板状のパンチングメタルからなるボール移動抑制・阻止手段13を設けたのに対し、排出トロンメル12の基端から先端へ向うボールの移動のみを抑制又は阻止するため、排出トロンメル12の内周に連続するリング状に複数突設され、外周縁を複数の支柱20aを介して内周から離隔させた円輪板20bからなるボール移動抑制・阻止手段20を設けたものである。
なお、ボール移動抑制・阻止手段20は、連続するリング状に限らず、断続するリング状であってもよい。
又、ボール移動抑制・阻止手段20は、外周縁を排出トロンメル12の内周から離隔させた円輪板20bに限らず、図示はしないが、排出トロンメル12の内周に連続又は断続するリング状に複数突設され、外周縁を内周に当接させた円輪板状のパンチングメタルからなるものであってもよい。
他の構成及び作用効果は、前述した第1の実施の形態のものとほぼ同様であるので、同一の構成部材等には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0016】
図6、図7はそれぞれ本発明に係るボールミルの第3の実施の形態を示す要部の展開図、図6における VII−VII 線矢視拡大断面図である。
このボールミルは、排出トロンメル12の基端から先端に向うボールの移動のみを抑制又は阻止するため、前述した第1の実施の形態のものが、排出トロンメル12の内周に連続又は断続する螺旋状に突設され、基部を複数の支柱13aを介して内周から離隔させた帯板13b又は基部を内周に当接させた帯板状のパンチングメタルからなるボール移動抑制・阻止手段13を設け、又、第2の実施の形態のものが、排出トロンメル12の内周に連続又は断続するリング状に複数突設され、外周縁を支柱20aを介して内周から離隔させた円輪板20b又は外周縁を内周に当接させた円輪板状のパンチングメタルからなるボール移動抑制・阻止手段20を設けたのに対し、排出トロンメル12の内周にその回転方向(径方向;図6において矢印Aで示す方向)と適宜に傾斜(例えば、2〜88°)させて断続するリング状に複数条突設され、基部を複数の支柱21aを介して内周から離隔させた扇面形板21bからなるボール移動抑制・阻止手段21を設けたものである。
なお、ボール移動抑制・阻止手段21は、基部を排出トロンメルの内周から離隔させた扇面形板21bに限らず、図示はしないが、排出トロンメル12の内周にその回転方向と適宜に傾斜させて断続するリング状に複数条突設され、基部を内周に当接させた扇面形板状のパンチングメタルからなるものであってもよい。
又、ボール移動抑制・阻止手段21の配置は、図示したものに限らず、自由に配置(例えば、千鳥状)してよい。
他の構成及び作用効果は、前述した第1、第2の実施の形態のものとほぼ同様であるので、同一の構成部材等には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0017】
なお、上述した各実施の形態においては、製品とボールとを篩い分ける篩分け手段として排出トロンメル12を用いる場合について説明したが、篩分け手段は、これに限定されるものではなく、複数のグレードバーを筒状に配設したものであってもよい。
又、篩分け手段は、先端に向って縮径するテーパ状とする場合に限らず、直円筒状又は先端に向って拡径するテーパ状としてもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のボールミルによれば、被粉砕物の粉砕に伴って被粉砕物と一緒に排出口を経て篩分け手段内へ移動してきたボールが、ボール移動抑制・阻止手段によってその移動を抑制又は阻止されるので、ボールの出口側への集積又はボールの機外への排出を抑制又は阻止することができ、かつ、ボールと似通った大きさの粉砕物(製品)を機外へスムーズに排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るボールミルの第1の実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II線矢視図である。
【図3】図1における III−III 線矢視断面図である。
【図4】図1におけるIV−IV線矢視断面図である。
【図5】本発明に係るボールミルの第2の実施の形態を示す縦断面図である。
【図6】本発明に係るボールミルの第3の実施の形態を示す要部の展開図である。
【図7】図6における VII− VII線矢視拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ドラム
1a ドラム本体
1b 端壁
1c 端壁
2 供給口
3 排出口
12 排出トロンメル(篩分け手段)
13 ボール移動抑制・阻止手段
13a 支柱
13b 帯体
20 ボール移動抑制・阻止手段
20a 支柱
20b 円輪板
21 ボール移動抑制・阻止手段
21a 支柱
21b 扇面形板

Claims (4)

  1. 軸線回りに回転される水平な円筒状を呈し、供給口を設けた端壁により一端が、又、排出口を設けた端壁により他端が閉鎖されたドラムと、ドラムの排出口と連通させてその他端に連設された筒状の篩分け手段と、篩分け手段の内周に設けられ、その基端から先端へ向うボールの移動のみを抑制又は阻止するボール移動抑制・阻止手段とを備えることを特徴とするボールミル。
  2. 前記ボール移動抑制・阻止手段が、篩分け手段の内周に連続又は断続する螺旋状に突設され、基部を内周から離隔させた帯板又は基部を内周に当接させた帯板状のパンチングメタルであることを特徴とする請求項1記載のボールミル。
  3. 前記ボール移動抑制・阻止手段が、篩分け手段の内周に連続又は断続するリング状に複数突設され、外周縁を内周から離隔させた円輪板又は外周縁を内周に当接させた円輪板状のパンチングメタルであることを特徴とする請求項1記載のボールミル。
  4. 前記ボール移動抑制・阻止手段が、篩分け手段の内周にその回転方向と傾斜させて断続するリング状に複数条突設され、基部を内周から離隔させ又は内周に当接させた扇面形板又は扇面形板状のパンチングメタルであることを特徴とする請求項1記載のボールミル。
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