JP3686656B2 - バタフライ弁、バタフライ弁用シートリング及びシートリングの製造方法 - Google Patents

バタフライ弁、バタフライ弁用シートリング及びシートリングの製造方法 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
この発明はバタフライ弁に関するものであり、とくにバタフライ弁に用いられるシートリングと、そのシートリングの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バタフライ弁は、弁本体に設けた円管状の流体通路内に円板状の弁体を回動可能に付設して、弁体の回動により流体通路内を流れる流体を調節するのに使用される。従って、バタフライ弁は、円管状の流体通路を持った剛性材料製の弁本体と、弁本体の流体通路内に弁軸により回動可能に付設された剛性材料製の円板状の弁体とを主な構成材料とするが、そのほかに弁体が流体通路を全閉するためにシートリングが必要とされる。
【0003】
シートリングは、弁本体の流体通路の内面に固定される環状体であって、弁本体と弁体との間に介在し、全閉時に弁体の外周に密接して流体の流れを全面的に停止する役目を果たすものである。シートリングは弁体外周に密接して流体の流れを確実に止めることが必要とされるので、弾性材料、例えば柔軟なゴムなどで作られる。
【0004】
ところが、シートリングを弾性材料だけで作ると、柔軟に過ぎて使用中に忌わしい変形を起こす。例えば、バタフライ弁に高圧の流体を流すと、柔軟なシートリングは流体の流れに煽られて弁本体から剥がれ、甚だしい場合には引きちぎられるに至る。そこで、シートリングは、その内部に硬質材料製のコアを入れ、コアを弾性材料製の被覆層で覆って一体とし、表面は柔軟であって全体としての剛性を高め、弁本体から剥がれないようにすることが試みられた。その試みは、例えば日本特許第2972566号及び日本特許第3188680号公報に記載されている。
【0005】
上記の日本特許第2972566号公報は、コア入りのシートリングを用いたバタフライ弁の例として、図1に示したような弁の断面図を示している。図1では、弁本体1と弁体2との間にシートリング3が介在している。そのシートリング3は、硬質材料製のコア31と、これを覆う弾性材料製の被覆層32とで作られて、一体とされたものである。なお、4は弁軸である。
【0006】
図1で用いられているシートリング3は、これを斜視図で示すと、図2に示したような構造のものである。図2のシートリングは、硬質材料製の環状コア31と、コアを被覆する弾性材料製の被覆層32とが一体となって構成された環状体である。コア31は環状体の幅方向の中央部に位置しており、その両側面と内周面とを被覆層32で覆われていて、外周面だけを被覆層32から露出させている。シートリング3は外周面を弁本体の流体通路に当接して弁本体1内に付設される。なお、シートリング3は、幅方向の中央に直径方向に貫通する孔33を備えているが、孔33は弁軸を挿通させるためのものである。
【0007】
図2に示したシートリング3は、図1に示したように、弁本体1内に挿入されて、ウエハ形のバタフライ弁を構成する。ウエハ形のバタフライ弁は、使用時には配管に固定されたフランジの間に挟まれて、フランジ同士の締め付けによって管に接続される。このとき、接続が簡単にできて、しかも流体漏れを生じないようにするために、シートリング3の両側面3aは、弾性材料で構成されていて、弁本体1の側面1aよりも長さXだけ突出するものとされている。
【0008】
また、接続時に弾性材料に充分な圧縮しろを与え、弁とフランジとの間に大きな隙間が残らないようにするために、コア31の両側面31aは、弁本体の側面1aよりも僅かな長さYだけ内側へ引っ込められている。
【0009】
また、シートリング3は、図2に示したように、コア31の外周面に軸方向に垂直で周囲方向に延びる段差311を備えている。段差311は、図1に示したように弁本体1の流体通路の壁面に設けられた段差11と係合して、コア31が弁本体内で移動しないようにしている。これによって、シートリング3は弁本体1内で矢印P方向に移動するのを防がれている。
【0010】
図1及び図2に示されたシートリング3は、その外周面の外径が矢印P方向に漸減するものとされている。これはシートリング3を弁本体1内へ挿入して設置するための便宜に由来するものである。そのために、シートリング3は弁本体1内で矢印P方向と反対方向の力が加えられると、容易に移動して弁本体1から脱出することとなる。
【0011】
このため、図1に示した形式のバタフライ弁は、弁の一側だけにフランジを当接して片側配管を行うことが必要な場合には、シートリングの外径漸減方向を確かめた上で配管をする必要があって、配管が煩瑣となる。また、このバタフライ弁に両側からフランジを当接して両側配管を行う場合にも、シートリングの段差と弁本体の段差とが係合したあとはシートリングを片締めすることとなり、片締めするとシートリングが弁本体内で片寄りすることとなる。
【0012】
弁本体内でシートリングが片寄ると、バタフライ弁は支障を起こす。すなわち、図1においてシートリング3が片寄ると、シートリング3と弁軸4との間の気密が破れて、弁軸4の周りから流体漏れを起こすこととなり、また弁体2を回動させるためのトルクが増大して弁の開閉に支障を来たす。従って、前記特許第2972566号公報の提案するバタフライ弁は、これらの点を改善することが必要である。
【0013】
また前記特許第3188680号公報も、バタフライ弁におけるシートリングの改良を提案している。しかし、その改良は、主として弾性材料からなる被覆層の側面と内周面との形状に関することである。この公報は、コア入りのシートリングを記載してはいるが、そのコアは弾性材料の中に完全に埋め込まれている。従って、このシートリングは弾性材料が弁本体の流体通路壁面へ当接することとなるので、弁本体内で移動し易い。しかも、その当接面はシートリングの幅方向に凹凸のないものとされているので一層移動し易い。従って、この公報は、シートリングが弁本体内で移動することによって生じるバタフライ弁の支障を改善するものでない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上述のように従来のバタフライ弁ではコア入りシートリングが弁本体内で移動するために、バタフライ弁が流体漏れを起こしたり、トルクが増大して使用に支障を生じることとなるので、弁本体内でシートリングが移動しないようにしたバタフライ弁を提供しようとするものである。
【0015】
【課題解決のための手段】
この発明者は、前述の特許第2972566号公報記載の発明が、シートリングにおいてコアの外周面を弾性材料から露出させ、露出したコアの外周面に段差を設けて、この段差を弁本体がわに付設した段差に係止させ、これによってシートリングの移動を防いでいることは、シートリングの移動を防ぐ手段として確かに有効なものであることに着目した。
【0016】
また、上記の特許発明は、シートリングの外周面の外径を一方向に漸減するものとしたために、シートリングが弁本体内で反対方向へ容易に移動するという不都合を生じることとなっている。この発明者は、シートリングを弁本体に固定する手段を新たに付設することによって、上述の不都合が容易に解消できることを見出した。
【0017】
ここで云う新たな固定手段とは、上記特許発明に従いコアの外周面に既に設けた段差とは別に、新たに反対方向に向くもう一つの段差を設け、もう一つの段差に押さえ板を当接して、押さえ板を弁本体に固定するという手段である。詳しく云えば、コアの露出した外周面に周囲方向に延びる隆起部を設けるとともに、隆起部の両側にそれぞれ第1段部と第2段部とを設け、この2つの段部の面を互いに反対方向にそれぞれ外方へ向かわせ、第1段部は上記特許発明と同じく弁本体に設けた段差と係合させることとし、第2段部には押さえ板を当接して押さえ板を弁本体に固定することとする。この発明者は、このようにして、シートリングの二つの段部を弁本体内で係止するのが有効であることを見出した。
【0018】
このとき、シートリングは弁本体の流体通路内に容易に付設できるものでなければならばい。このために隆起部の外周面は、その直径が周囲方向に等しいものにするとともに、幅方向すなわち一側から他側へ向かっても等しいものとするか、又は一方的にテーパーの付されたものとする。
【0019】
また、シートリングは弁本体に付設したとき、その外周面が弁本体の流体通路の壁面に少なくとも一部で密接しなければならない。このためにシートリングの外周に隆起部とその両側に段部を設けたことに対応して、弁本体の流体通路には、シートリングの一側から第1段部を経て隆起部に至るまでの外周面に密接する壁面を設ける。そして、弁本体のその余の流体通路、すなわち、シートリングの第2段部から始まり他側に至るシートリングの外周面と向き合う流体通路の壁面を切欠してシートリングの隆起部が自在に通過できる開口とする。その切欠部すなわち開口は周囲方向に延びるものとする。
【0020】
この発明では、上述の切欠部内に押さえ板を挿入する。押さえ板は切欠部とシートリングの上記第2段部とに跨り、弁本体がわに固定されて上記第2段部に当接され、これによってシートリングが開口から脱出する方向へ移動することを防いでいる。
【0021】
こうして、この発明は、円管状の流体通路を持った剛性材料製の弁本体と、弁本体の流体通路内に弁軸により回動可能に付設された剛性材料製の円板状の弁体と、弁本体の流体通路内に固定されて、弁体の回動時に弁体外周に密接することができる弾性材料製の環状のシートリングとからなるバタフライ弁において、上記シートリングにはその幅方向の中央に環状の硬質材料製のコアを付設してコアの外周面を弾性材料から露出させ、露出したコアの外周面上に周囲方向に延びる隆起部を形成するとともに、隆起部の両側にそれぞれ外方へ向かう第1段部と第2段部を形成し、隆起部の外径を周囲方向で等しくするとともに、幅方向でも等しくするか又は幅方向にテーパーを付しておき、他方、弁本体の流体通路にはシートリングの一側から第1段部を経て隆起部に至るまでの外周面に密接する壁面を設けるとともに、その余の流体通路、すなわちシートリングの第2段部から他側に至るシートリングの外周面と向き合う流体通路の壁面を切欠して周囲方向に延びる切欠部を設け、切欠部内に剛性材料製の押さえ板を挿入し、押さえ板を弁本体側に固定するとともにシートリングの上記第2段部に当接したことを特徴とするバタフライ弁を提供するものである。
【0022】
また、この発明は、上述のバタフライ弁に用いられるシートリングを提供するものである。そのシートリングは、硬質材料製の環状コアと、コアを被覆する弾性材料製の被覆層とが一体となった環状体であって、環状体はその幅方向の中央に直径方向に貫通する弁軸挿通孔を備え、コアは環状体の幅方向の中央に位置し、外周面を被覆層から露出させて弁本体の流体通路内壁への当接面を形成しているバタフライ弁用シートリングにおいて、コアの露出した外周面に周囲方向に延びる隆起部を設け、隆起部の外径を周囲方向に等しくするとともに、幅方向にも等しくするか又は幅方向にテーパーの付されたものとし、隆起部の両側にそれぞれ外方へ向かう第1段部と第2段部を設け、第1段部をバタフライ弁本体の流体通路の壁面に設けた段差への当接面とし、第2段部を弁本体に固定する押さえ板への当接面とすることを特徴とするものである。
【0023】
この発明のシートリングが弁本体に付設されるときは、弁本体の切欠部がわからシートリングを挿入し、その後に切欠部内に押さえ板を挿入し固定する。押さえ板が弁本体に固定された状態では、押さえ板が弁本体の側面から突出していてはならない。そのために、切欠部の弁軸に垂直な方向の深さは押さえ板の厚みに等しくするか又はそれよりも大きくする。こうして、切欠部内に押さえ板を落とし込んで、押さえ板を弁本体に固定する。このとき、押さえ板は、切欠部を余すところなく充填するとともに、第2段部の全面に当接することが好ましい。また、弁本体内に固定された状態では、シートリングにおける弾性材料製の被覆層が弁本体の側面より突出していることが必要であり、シートリングの幅と押さえ板の厚みとを調節することにより、この必要を容易に達成することができる。
【0024】
押さえ板を弁本体に固定するにはボルトを用いるのが好ましい。ボルトはその頭が押さえ板から突出しないようにしなければならない。従って、押さえ板にはボルトの頭が陷入するだけの窪みを設けておく必要がある。ボルトとしては、頭に六角の穴が設けられているものを用い、穴内にドライバーを挿入して締め付けることが好ましい。
【0025】
また、シートリングが弁本体内に固定された状態では、シートリングに設けられた弁軸挿通孔が弁本体に設けられた弁軸挿通孔と重なり合う位置に来て、挿通孔同士が連通していなければならない。このためには、シートリングにおける弁軸挿通孔の中心から第1段部までの距離を、弁本体における弁軸挿通孔の中心から流体通路の段差までの距離に等しくしておく。
【0026】
シートリングのコアを構成する材料としては、金属や硬質合成樹脂を用いることができる。金属としては鉄、鋼、不銹鋼、アルミ合金、銅合金を用いることができる。硬質合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、及びエポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。また、弾性材料としては天然ゴム、合成ゴム等を用いることができる。
【0027】
押さえ板は、弁本体及び弁体を構成している剛性材料と同じ剛性材料を用いることが好ましいが、そのほかの硬質材料を用いることもできる。例えば前述のコアを構成する材料を用いることができる。
【0028】
ところで、図2に示したようなシートリングを製造するには、コアを成形型内に予め設置しておいて、コアの周りに溶融した弾性材料を圧入して成形するのが一般的である。すなわち、成形型としては、図3に示すように下型Aと上型Cとのほかに円環状の一体物からなる外型Bを用い、初め外型B内にコア31を設置しておき、次いで、外型Bを下型Aと上型Cとで挟み、こうして形成されたキャビティD内に溶融した弾性材料を圧入することによって、加硫成形される。その後、成形型を冷却し、弾性材料が固化した後に、上型Cを取り除き、外型Bからシートリングを取り出すことによってシートリングが製造される。
【0029】
ところが、この発明に係るシートリングは、コアが外周面に隆起部を持っているので、図3に示すような円環状の一体物からなる簡単な外型Bを用いて、シートリングを成形することができない。それは、コアに設けた隆起部がアンダーカットとなるために、コアを外型に挿入することも外型から取り出すこともできないからである。そこで、このような場合には、外型Bを2つ割りにすることが行われた。従来は外型Bを2つ割りにするのに、環状の外型を直径方向に分割して2個の半円環状部に分け、これを組み合わせて外型とすることが行われた。
【0030】
ところが、外型Bを直径方向に分割すると、外型Bの製作に手間がかかり、型の製作費が高価になるだけでなく、分割したものを正確に真円状に組み立てるのに手間がかかるという問題が起こる。そこで、この発明に係るシートリングを製造するにはさらに工夫を加える必要が生じた。
【0031】
この発明は、上記の問題を解決するために、従来の外型を直径方向に分割しないで、代わりに周囲方向に分割することとした。すなわち、従来の外型を隆起部の一方の段部に密接する環状の第1型と、その余の部分、例えば隆起部の他方の段部と外周面とに跨って密接する第2型とに分割することによって、上記の問題を解決した。
【0032】
従って、この発明は、また上述のシートリングの製造方法を提供するものである。その製造方法は、硬質材料製の環状コアの周りに弾性材料製の被覆層を設けて一体としたバタフライ弁用のシートリングを作るに際し、コアとして外周面の幅方向の中央に周囲方向に延びる隆起部を設け、隆起部の外径を周囲方向に等しくするとともに、幅方向にも等しくするか又は幅方向にテーパーを付して、隆起部の両側にそれぞれ第1段部と第2段部とを形成した形状のものを用い、上記2つの段部のうちの1つの段部に密接する環状の第1型と、他の段部に密接するとともにコアのその余の外周面に密接する環状の第2型とを用意し、まず第2型内にコアを挿入し、次いで第1型と第2型とを組み合わせてコアの隆起部を第1型と第2型とで挟んでコアを固定し、この両側にコアの一側面に向かうキャビティを形成する下型と、コアの他の側面からコアの内周面までにわたるキャビティを形成する上型とを密接させて成形型を構成し、キャビティ内に溶融した弾性材料を圧入してコアと一体化するとともに、加硫してシートリングとすることを特徴とするものである。
【0033】
【発明実施の態様】
この発明をその実施の一例について図面に基づき説明すると、次のとおりである。図4は、この発明に係るシートリングの一部切欠斜視図である。図5は、この発明に係るシートリングを付設したバタフライ弁の一部切欠斜視図である。図6は、この発明に係るシートリングの内周面の一部切欠展開図である。図7は、この発明に係るバタフライ弁の弁軸付近の断面拡大図である。図8は、この発明に係るバタフライ弁の弁軸直交位置における一部切欠拡大断面図である。図9は、この発明に係るシートリングの製造に際し用いられる成形型の模型的な断面図である。図10は、この発明に係るシートリングを製造するのに用いられる成形型の弁軸貫通方向の断面図である。図11と図12とは、何れもこの発明に係るシートリングを成形する際に用いられる他の成形型の弁軸直交位置での断面図である。
【0034】
図4において、この発明に係るシートリング5は、硬質材料製の環状コア51と、弾性材料製の被覆層52とが一体とされた環状体である。コア51は環状体の幅方向の中央に位置し、外周面を被覆層52から露出させて弁本体の流体通路内壁への当接面を形成している。また、コア51の露出した外周面には第1段部511が形成されている。第1段部511は、のちに述べるように弁本体に設けられた段差に係合してシートリング5を弁本体内で固定するためのものである。これらの点では、シートリング5は図2に示した従来のシートリング3と同じである。
【0035】
図4に示したシートリング5が従来のシートリング3と異なるのは、コア51の幅方向の中央に隆起部54が設けられて、隆起部54の一側に前述の第1段部511が設けられるほかに、隆起部54の他側に第2段部512が設けられている点である。第2段部512は第1段部511と反対の方向に向き、それぞれ外方へ向いている。第2段部512と第1段部511とは弁軸挿通孔の中心を通る平面に対して左右対称の形状とすることが好ましい。
【0036】
隆起部54は、その外径をシートリング5の周囲方向では等しくするとともに、幅方向でも等しくするか、又は幅方向にテーパーの付されたものとする。こうしてシートリング5は、弁本体の流体通路内への挿入を容易にされ、また挿入した状態で隆起部の外周面が流体通路の壁面に密接することが容易となる。
【0037】
シートリング5は、図5に示すようにして弁本体1内に固定される。シートリング5は弁本体1内に挿入されると、第1段部511が弁本体1に設けられた段差11に係止される。第2段部512は初めは弁本体1内に係止されないが、のちに述べるように挿入後に押さえ板6が当接され、弁本体1に固定されることによって、弁本体1内に係止される。
【0038】
弁本体は、シートリング5の付設を容易にするために、流体通路の壁面が以下に述べるような形状とされる。すなわち、図5に示すように弁本体1の流体通路の壁面は、シートリング5の一側5aから第1段部511を経て隆起部54に至るまでの領域Sでは、シートリング5の外周面に密接する形状とされ、シートリング5の第2段部512から始まるその余の領域Tでは、切欠部12が設けられて大きな開口が形成され、シートリング5の外周面から大きく離れている。切欠部12は、周囲方向に延びて断面が同じ形状と大きさの円環の形状を呈している。
【0039】
従って、弁本体1の流体通路内にシートリング5を挿入すると、図5に示したように、領域Sではシートリングの外周面が流体通路の壁面に密接し、第1段部511が段差11に当接してシートリング5はそれ以上矢印P方向には移動できない状態となる。ところが、領域Tでは、シートリング5の外周面は流体通路の壁面から離れ、その間に切欠部12が存在している。切欠部12に面するところでは、シートリング5は第2段部512から始まり他側に至るまでの外周面が切欠による開口内に露出している。
【0040】
そこで切欠部12内に押さえ板6を挿入する。押さえ板6は、剛性材料で作られた環状体である。図5に示した押さえ板6は切欠部12内に丁度嵌入する大きさと形状を持っている。従って、押さえ板6を切欠部12内に嵌入させると、押さえ板6は第2段部512に当接する。その状態で押さえ板6を弁本体1にボルト9で固定すると、シートリング5は押さえ板6によって係止されて、矢印Pと逆方向へ移動できない状態となる。
【0041】
このとき、押さえ板6の側面6aは、弁本体1の側面1aと面一か又は側面1aより引っ込んでいなければならない。また、ボルト9の頭は、押さえ板6の側面6aと面一か又は側面6aより引っ込んでいなければならない。このとき、押さえ板6は一般に幅の狭いものであるから、ボルトとしては頭の頂面に回転用の六角穴が設けられているものを用いることが好ましい。
【0042】
図4及び図5では、シートリング5の内面を簡単にするために平滑なものとしたが、実際にはその内周面には滑かな凹凸が形成されている。それに伴なってシートリング5の被覆層52は場所によって厚みを変えることになる。シートリング5の内周面の凹凸は、これをシートリング5を展開したときの状態によって示すと、図6に示したようになる。
【0043】
図6において、53は弁軸挿通孔であり、55は弁軸直交位置である。56は環形突出部であって、弁軸挿通孔53の周りに内側へ突出して環状の肉厚部を形成し、その突出した先端は平坦な面になっている。57は山形突出部であって、環状突出部56の間に延びており、弁軸直交位置55で最も幅が広く、環状突出部56へ近づくに従って次第に幅が狭くなっている。云いかえると、山形突出部57は弁軸直交位置で最も裾野が大きく、環状突出部56へ近づくに従って裾野が次第に狭くなっている。
【0044】
上述のようにシートリング5の内周面には凹凸が形成された結果、被覆層52は場所によってその形と肉厚とを変えることとなる。図7は、シートリング5を備えたバタフライ弁の弁軸挿通孔における断面を示しており、図8は同じバタフライ弁の弁軸直交位置における断面の一部を示している。
【0045】
図6において、58はシートリング5の内周面上の外周側面59に接する部分に形成された傾斜面である。傾斜面58は、図7及び図8に示すように外周側面とのなす角度αが弁軸直交位置55で最大であり、環状突出部56へ近づくに従って次第に小さくなっている。また、傾斜面58の幅も、弁軸直交位置55で最大であり、環状突出部56へ近づくに従って次第に小さくなっている。
【0046】
図7及び図8に示すように、押さえ板6はボルト9によって弁本体1に固定されている。これによりシートリング5は第1段部511を弁本体の段差に当接して係止され、第2段部512を弁本体に固定された押さえ板6によって係止されて、弁本体1内に付設されている。図7に示したように、シートリング5は弁軸4の周りに環状突出部56が形成されているので、被覆層52は環状突出部56のところで大きな肉厚Uを持っている。肉厚Uは、シートリング5の側面5aのところでの被覆層52の肉厚Vよりも大きくされる。
【0047】
シートリング5は、弁軸直交位置では山形突出部57の幅を最も大きくしているために、図8に示すように、山形突出部57が裾野の広いなだらかな山となって現われ、その両側に幅の広い傾斜面58が存在する。図8では、弁体2の外周が山形突出部57に当接して弁が全閉され、弁体2の外周が山形突出部57から離れて弁が開くこととなる。
【0048】
新しい弁が初めて使用される時には、弁体2は図8の実線で示す位置において弁を全閉にすることができるが、弁が使用されるにつれて、弁体2の全閉位置が次第に山形突出部57の頂点に近づく。そして、最後には弁体2が図8の点線の位置2’に来て、ようやく弁は全閉となる。シートリング5が左右対称の形状にされていると、全閉位置が頂点に達する前に、シートリングの左右を入れ替えて、シートリングの使用できる期間を延長させることができる。
【0049】
シートリング5は、山形突出部57及び傾斜面58がその幅を徐々に変化させている結果、弁体2の回動に伴ない弁体2の外周がシートリング5の周囲方向にほぼ同時に接触することとなる。従来の弁では、弁体を僅かに開くだけのときは、弁軸直交位置においてのみ流体が流れることとなり、従って被覆層52はこの位置で最も大きく磨耗された。ところが、この発明では、山形突出部57がこの位置で広い幅となだらかな傾斜を持つようにされているので、弁軸直交位置における局部的磨耗は極力少なくなる。
【0050】
この発明に係るバタフライ弁は、上述のようにコアが持つ隆起部の両側にそれぞれ第1段部511と第2段部512とが形成されているシートリング5を用いているので、図7及び図8に示したように、第1段部511を弁本体1内に設けられた段差に当接し、第2段部512を押さえ板6に当接し、押さえ板6を弁本体の切欠部12内に固定することによって、容易にシートリング5を弁本体1内で移動させない状態で付設することができる。
【0051】
この発明に係るシートリングは、図9に模型的に示したような構造の成形型を用いることによって容易に製造することができる。図9においてAは下型、Fは第1型、Eは第2型、Cは上型である。成形型はこれらの型の組み合わせによって構成される。このうち、下型Aと上型Cとは、図3に示した下型Aと上型Cと同じである。図9に示した成形型が図3に示した成形型と異なるのは、図3に示した外型Bが、図9では第2型Eと第1型Fとの組み合わせによって構成されている点である。
【0052】
この発明においては、図9に示したように、環状コア51が外周面上に幅方向の中央部に周囲方向に延びる隆起部54を備え、隆起部54の両側にそれぞれ第1段部511と第2段部512とを備え、隆起部の外径を周囲方向に等しくするとともに、幅方向にも等しくするか又は幅方向にテーパーを付したものであるところ、第2型Eは、コア51の隆起部の外周面と第1段部511とに密接する壁面を持っており、他方、第1型Fは第2段部512だけに密接する壁面を持って、第2型Eの内側で第2型Eに着脱自在にされているので、第1型Fは中型を構成し、第2型Eは外型を構成することとなる。シートリングを成形する場合には、まず第2型E内にコア51を挿入し、次いで第1型Fを挿入することにより、コア51を第1段部511と第2段部512とを第1型Fと第2型Eとで挟んで固定することができる。こうしてコア51を中に含んだ第1型Fと第2型Eとを、図9に示したように、下型Aと上型Cとで挟み、コア51の周りにキャビティDを形成する。キャビティD内に溶融した弾性材料を圧入して、シートリングを加硫成形する。
【0053】
シートリングは直径方向に貫通する弁棒挿通孔を備えていなければならないから、実際には、図10に示したような成形型が用いられる。図10では弁棒挿通孔を作るために、コア51とともにスピンドル7が用いられている。スピンドル7は第2型Eを貫通し、その先端は上型Cの突出部へ進入してねじ止め71されている。そのほか、コア51のスピンドル7に接する部分にはO−リングを収容するための窪み513が形成されている。O−リングはシートリングと弁棒との間の気密を保持するためのものである。
【0054】
図10では、上型Cに弾性材料を溶融し圧入するための装置Gが付設されている。装置Gでは、加熱室8内で弾性材料が溶融されており、溶融された弾性材料は加圧されて上型Cを経て注入口81からキャビティD内へ圧入される。このとき、キャビティD内に溜まっていた空気は脱気口82から排出されて弾性材料はキャビティ内に充填される。脱気口82は、空気は通すが溶融樹脂は通さないような小さな隙間とされる。
【0055】
こうして弾性材料がキャビティD内に充填されたのち、所定時間加硫に適した温度に保持されることによって、シートリングは加硫され成形される。その後成形型を冷却し、弾性材料が一応その形状を保持する状態となった後、圧入装置Gとスピンドル7とを取り除き、次いで上型Cを取り除き、次いで第1型Fを取り外し、その後に成形されたシートリングを第2型Eから取り出す。こうしてシートリングを製造することができる。
【0056】
なお、図10に示した成形型により、図6〜図8に示すような、内周面に山形突出部を備えたシートリングを成形しようとすると、山形突出部がアンダーカットになるため、成形したシートリングから上型Cを取り除くことが困難であることが懸念されるが、実際には上型Cの取り除きは容易である。なぜならば、アンダーカットは弾性体で構成されており、しかも山形突出部は突出高が僅かだからであり、さらに成形したシートリングはまだ高温にあって多少柔軟性を保持している間に上型Cから外されるからである。
【0057】
図9では、コア51の第1段部512だけに密接する第1型Fを内側に配置し、コア51の第2段部511と隆起部54の外周面とに密接する第2型Eを外側に配置したが、この発明に係るシートリング製造用の金型はこれに限らない。例えば、図11に示すように、コア51の第1段部511だけに密接する第1型Jを外側に配置し、第2段部512と隆起部54の外周面とに密接する第2型Hを内側に配置して、シートリング製造用の金型とすることもできる。
【0058】
図11に示す金型を用いてシートリングを成形するには、まず第2型H内にコア51を付設し、次いでコア51を付設した第2型Hを第1型J内に付設し、その後下型Aと上型Cとを付設して成形することが望ましい。
【0059】
そのほか、この発明に係るシートリングを製造するには、図12に示したような構造の金型を用いることができる。図12は、コアの第1段部511と隆起部の外周面の環状下半部とに密接する第1型Kと、コアの第2段部512と隆起部の外周面の環状上半部とに密接する第2型Lとを用い、第1型Kと第2型Lとを対称形にしたものである。第1型Kは下型Aと一体にし、第2型Lを上型Cと一体にすることもできる。
【0060】
【発明の効果】
この発明方法によればシートリングを成形するのに、型として直径方向に分割したものを用いないで、円周方向に分割した第1型と第2型とを用いるから、成形型を安価に製作することができ、また真円状に容易に組み合わせることができるから、成形操作が容易となり、従って環状のシートリングを安価に、容易に正確に製造することができる。また、コアとして環状体の外周面上に幅方向の中央に周囲方向に延びる隆起部を設け、隆起部の両側に互いに反対方向に向く段部を設けたから、段部を第1型と第2型とで挟むことにより、コアは成形型内で全周を挟まれた状態となっており、従って溶融された弾性材料をコアの周りに圧入しても、コアは微動だにせず、コアが所定の厚みに所望通りに弾性材料によって被覆されたシートリングを容易に製造することができる。
【0061】
こうして製造されたシートリングは、コアがシートリングの幅方向の中央に位置して外周面を被覆層から露出させており、しかもコアは露出した外周面上に周囲方向に延びる隆起部を備えており、隆起部はその外径を周囲方向に等しくするとともに、幅方向にも等しくするか又は幅方向にテーパーの付されたものとしているので、シートリングはこれを弁本体の流体通路内に容易に挿入することができる。また、弁本体がわには、流体通路にシートリングの一側から第1段部を経て隆起部に至るまでの外周面に密接する壁面を設けたので、流体通路の壁面には段差が形成されており、従ってこの段差にシートリングの1つの段部、例えば第1段部を当接させて、シートリングを弁本体内に密接して所定の位置に容易に付設することができる。
【0062】
他方、弁本体の流体通路のその余の壁面、すなわちシートリングの他の段部、具体的には第2段部から他側に至るシートリングの外周面と向き合う流体通路の壁面には周囲方向に延びる切欠部を設けたので、流体通路内へシートリングを挿入することが容易であり、また切欠部内へ押さえ板を挿入し、押さえ板をシートリングの第2段部に当接して押さえ板を弁本体に固定することにより、シートリングを弁本体内の所定位置に確実に容易に組み込むことができる。
【0063】
こうして得られたこの発明に係るバタフライ弁は、片側又は両側にフランジを当接してフランジ間を緊締しても、シートリングの第1段部と第2段部とがそれぞれ弁本体に付設された段差と押さえ板とに当接しているから、シートリングは弁本体内で移動せず、従って弁軸挿通孔からの流体漏れや弁軸の片寄りによるトルクの増大のような支障を生じない。その上に、この発明で用いられているシートリングは、外周面の中央にコアを備えているから、弾性材料から成る被覆層が内周面に凹凸を備えて場所により肉厚を変えても、形状が安定しており、従ってバタフライ弁は永く使用することができる。
【0064】
さらに、シートリングの内周面に周囲方向に延びる山形突出部を設け、山形突出部の幅を弁軸直交位置で最大とし、弁軸挿通孔へ近づくに従って次第に小さくしたので、弁の閉塞時に弁体外周を全体にわたってシートリングの内周面に同時に密接させることができ、従って、弁の全閉を確実にすることができる。また、シートリングの内周面に傾斜面を設け、傾斜面が外周側面となす角度α及び傾斜面の幅を弁軸直交位置で最大とし、弁軸挿通孔へ近づくに従って次第に小さくしたので、これが前述の山形突出部と協同して弁軸直交位置での局部的な磨耗を少なくするという効果をもたらすこととなる。またシートリングを左右対称形とすることにより、長期間弁を使用したあとで、シートリングを左右入れ替え使用して、弁の使用可能な期間を延長することができる。この発明は、このような利点をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のシートリングを付設したバタフライ弁の縦断面図である。
【図2】図1に用いられているシートリングの一部切欠斜視図である。
【図3】図2に示されたシートリングの成形型の断面図である。
【図4】この発明に係るシートリングの一部切欠斜視図である。
【図5】この発明に係るシートリングの弁本体への付設状態を示したバタフライ弁の一部切欠斜視図である。
【図6】この発明に係るシートリングの内周面の一部切欠展開図である。
【図7】この発明に係るシートリングを付設したバタフライ弁の弁軸付近の拡大断面図である。
【図8】この発明に係るシートリングを付設したバタフライ弁の弁軸直交位置での一部切欠拡大断面図である。
【図9】この発明に係るシートリングを成形する際に用いられる成形型の模型的な縦断面図である。
【図10】この発明に係るシートリングを成形する際に実際に用いられる成形型の縦断面図である。
【図11】この発明に係るシートリングを成形する際に用いられる他の成形型の弁軸直交位置での模型的な断面図である。
【図12】この発明に係るシートリングを成形する際に用いられるさらに別の成形型の弁軸直交位置での模型的な断面図である。
【符号の説明】
1 弁本体
2 弁体
3 従来のシートリング
4 弁軸
5 この発明のシートリング
6 押さえ板
7 スピンドル
8 加熱室
9 ボルト
11 弁本体に設けられた段差
12 切欠部
31 従来のコア
32、52 弾性材料製の被覆層
33、53 弁軸挿通孔
51 この発明で用いられるコア
54 隆起部
55 弁軸直交位置
56 環形突出部
57 山形突出部
58 傾斜面
59 外周側面
71 ねじ止め
81 注入口
82 脱気口
311 段差
511、512 段部
513 窪み
1a、3a、5a、6a、31a 側面
A 下型
B 外型
C 上型
D キャビティ
E、H、L 第2型
F、J、K 第1型
G 圧入装置
α 外周側面59と傾斜面58とのなす角度

Claims (10)

  1. 円管状の流体通路を持った剛性材料製の弁本体と、弁本体の流体通路内に弁軸により回動可能に付設された剛性材料製の円板状の弁体と、弁本体の流体通路内に固定されて弁体の回動時に弁体外周に密接することができる弾性材料製の環状のシートリングとからなるバタフライ弁において、上記シートリングにはその幅方向の中央に環状の硬質材料製のコアを付設してコアの外周面を弾性材料から露出させ、露出したコアの外周面上に周囲方向に延びる隆起部を形成するとともに隆起部の両側にそれぞれ外方へ向かう第1段部と第2段部とを形成し、隆起部の外径を周囲方向に等しくするとともに幅方向にも等しくするか又は幅方向にテーパーを付しておき、他方、弁本体の流体通路にはシートリングの一側から第1段部を経て隆起部に至るまでの外周面に密接する壁面を設けるとともに、その余の流体通路、すなわち、シートリングの第2段部から他側に至るシートリングの外周面と向き合う流体通路の壁面を切欠して周囲方向に延びる切欠部を設け、切欠部内に剛性材料製の押さえ板を挿入し、押さえ板を弁本体側に固定するとともにシートリングの上記第2段部に当接したことを特徴とする、バタフライ弁。
  2. シートリングの内周面上に弁軸挿通孔の間に延びる山形突出部を設け、山形突出部の幅を弁軸直交位置で最大とし、弁軸挿通孔へ近づくに従って次第に小さくしたことを特徴とする、請求項1に記載のバタフライ弁。
  3. シートリングの内周面上の外周側面に接する部分に傾斜面を設け、傾斜面が外周側面となす角度及び傾斜面の幅を弁軸直交位置において最大とし、弁軸挿通孔に近づくに従って次第に小さくしたことを特徴とする、請求項1又は2に記載のバタフライ弁。
  4. シートリングの形状を弁軸挿通孔の中心を通る平面に対して左右対称とし、バタフライ弁の使用中に内周面とくに山形突出部が磨耗したとき、シートリングの左右を入れ替えて使用可能としたことを特徴とする、請求項1−3の何れか1つの項に記載のバタフライ弁。
  5. 硬質材料製の環状コアと、コアを被覆する弾性材料製の被覆層とが一体となった環状体であって、環状体はその幅方向の中央に直径方向に貫通する弁軸挿通孔を備え、コアは環状体の幅方向の中央に位置し、外周面を被覆層から露出させて弁本体の流体通路内壁への当接面を形成しているバタフライ弁用シートリングにおいて、コアの露出した外周面に周囲方向に延びる隆起部を設け、隆起部の外径を周囲方向に等しくするとともに、幅方向にも等しくするか又は幅方向にテーパーの付されたものとし、隆起部の両側にそれぞれ外方へ向かう第1段部と第2段部を設け、第1段部をバタフライ弁本体の流体通路の壁面に設けた段差への当接面とし、第2段部を弁本体に固定する押さえ板への当接面とすることを特徴とする、バタフライ弁用シートリング。
  6. シートリングの内周面上に弁軸挿通孔間に延びる山形突出部を設け、山形突出部の幅を弁軸直交位置で最大とし、弁軸挿通孔へ近づくに従って次第に小さくしたことを特徴とする、請求項5に記載のバタフライ弁用シートリング。
  7. シートリングの内周面上の外周側面に接する部分に傾斜面を設け、傾斜面が外周側面となす角度及び傾斜面の幅を弁軸直交位置において最大とし、弁軸挿通孔に近づくに従って次第に小さくしたことを特徴とする、請求項5又は6に記載のバタフライ弁用シートリング。
  8. 硬質材料製の環状コアの周りに弾性材料製の被覆層を設けて一体としたバタフライ弁用シートリングを作るに際し、コアとして外周面の幅方向の中央に周囲方向に延びる隆起部を設け、隆起部の外径を周囲方向に等しくするとともに、幅方向にも等しくするか又は幅方向にテーパーを付して、隆起部の両側にそれぞれ第1段部と第2段部とを形成した形状のものを用い、上記2つの段部のうちの1つの段部に密接する環状の第1型と、他の段部に密接するとともにコアのその余の外周面に密接する環状の第2型とを用意し、まず第2型内にコアを挿入し、次いで第1型と第2型とを組み合わせてコアの隆起部を第1型と第2型とで挟んでコアを固定し、この両側にコアの一側面に向かうキャビティを形成する下型と、コアの他の側面からコアの内周面までにわたるキャビティを形成する上型とを密接させて成形型を構成し、キャビティ内に溶融した弾性材料を圧入してコアと一体化するとともに加硫して、シートリングとすることを特徴とする、バタフライ弁用シートリングの製造方法。
  9. 第1型が第2型の内側に位置して第1型が内型を構成し、第2型が外型を構成している成形型を用いることを特徴とする、請求項8に記載のシートリングの製造方法。
  10. 第1型が第2型の外側に位置して第1型が外型を構成し、第2型が内型を構成している成形型を用いることを特徴とする、請求項8に記載のシートリングの製造方法。
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