JP3685044B2 - 画像記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機能付きファクシミリ装置に代表される画像記録装置に関し、より詳しくは両面記録する場合に新紙が無いときの動作に特徴を有する画像記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機能付きファクシミリ装置において、受信画データを新紙(表側及び裏側がいずれも未記録の記録紙)の両面に記録する、いわゆる両面記録が提案されている。このような両面記録が可能な複写機能付きファクシミリ装置によれば、片面の2頁分の受信画データを新紙の両面に記録することや両面の受信画データを新紙の両面に記録することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、両面記録が可能な複写機能付きファクシミリ装置において、受信画データを両面記録している場合に新紙が無くなったときには、その両面記録を中断する。そして、新紙が補充された場合には、両面記録を再開する。このため、就業時間(例えば、午前9時〜午後5時)内に新紙が無くなった場合には、直ちに新紙が補充されるため、両面記録を素早く再開することができる。
【0004】
しかしながら、就業時間以外において受信画データの両面記録中に新紙が無くなった場合には、直ちに新紙が補充されないこともある。このような場合には、新紙が無くなってから新紙が補充されるまでの間において、受信画データを記録することができない。このため、即時性が要求される受信画データを直ちに得られないこともある。このような状態が続くと、受信画データを記憶する画像メモリのメモリオーバーが発生してメモリ受信できなくなる。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、その目的は、利便性に優れた画像記録装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、記録紙の両面に記録する両面記録が指定された画データ及び記録紙の片面に記録する片面記録が指定された画データを記録可能な画像記録装置において、画データを記録紙に記録する記録手段と、前記両面記録が指定された画データを記録する場合に該画データを両面記録するための記録紙が無いときには、該画データを片面記録に変更して他の記録紙に記録手段で記録させる制御手段とを備えた。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の画像記録装置において、前記両面記録が可能な記録紙が無い場合に、両面記録を中断するか、或いは他の記録紙に記録するかを設定する設定手段を備え、制御手段は、設定手段の設定に基づいて、記録手段を制御する。
【0008】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の画像記録装置において、制御手段は、設定手段の設定に基づいて、前記両面記録が指定された画データの記録を中断する場合、前記片面記録が指定された画データの記録を先行させて記録手段で記録させる。
【0009】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の画像記録装置において、両面記録を中断した旨を報知する表示手段又は記録手段を備え、制御手段は、片面記録が指定された画データを記録手段で記録する場合には、両面記録の中断後に、両面記録を中断した旨を表示手段又は記録手段に報知させる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る画像記録装置を複写機能付きファクシミリ装置に具体化した一実施形態について図面を用いて説明する。
【0011】
図1に示すように、複写機能付きファクシミリ装置1は、MPU10、ROM20、RAM30、読取部40、記録部50、操作部60、表示部70、画像メモリ80、コーデック90、モデム100、及びNCU110から構成されるとともに、各部10〜110がバス120を介してそれぞれ接続されている。
【0012】
MPU10は、複写機能付きファクシミリ装置1を構成する各部を制御する。ROM20は、複写機能付きファクシミリ装置1を制御するためのプログラムを記憶する。RAM30は、複写機能付きファクシミリ装置1に関する各種情報を記憶する。具体的には、RAM30は、図2に示すように、受信画データのジョブを管理するジョブ管理テーブルJTを記憶している。ジョブ管理テーブルJTは、「ジョブ番号」及び「区分」の各項目から構成されている。ここで、「ジョブ番号」とは、受信した順にジョブを管理するための管理番号を示す。一方、「区分」とは、「ジョブ番号」に対応するジョブの受信画データが片面の受信画データであるか、或いは両面の受信画データであるかの区分を示す。
【0013】
図1に示すように、読取部40は、原稿上の画像データを読み取って、白黒2値のイメージデータを出力する。記録部50は、電子写真方式のプリンタよりなり、受信画データや、コピー動作において読取部40にて読み取られた原稿の画データを、記録紙上に記録する。また、記録部50は、両面記録を中断した旨を示す「中断メッセージ」を記録紙上に記録する。さらに、記録部50は、新紙を収容する第1記録紙カセット51及び裏紙(表側が既に記録済みの記録紙)を収容する第2記録紙カセット52を備えている。そして、第1及び第2記録紙カセット51,52には、それぞれ記録紙の有無を検出するための第1及び第2記録紙有無センサ51a,52aが配設されている。尚、本実施形態では、第1及び第2記録紙カセット51,52には、同一サイズの記録紙、例えばA4サイズの記録紙が収容されている。
【0014】
操作部60は、FAX/コピーキー61、短縮キー62、ワンタッチキー63、テンキー(*,#キーを含む)64、スタートキー65及び設定キー66等の各種操作キーを備えている。FAX/コピーキー61は、FAXモード又はコピーモードに設定するためのものである。短縮キー62は、短縮番号の登録又は短縮番号から発信するためのものである。ワンタッチキー63は、予め登録したFAX番号をワンタッチで指定するためのものである。テンキー64は、電話番号等を入力するためのものである。スタートキー65は、原稿の読み取り動作を開始させるためのものである。設定キー66は、新紙が無い場合に、新紙が補充されるまで両面記録を中断するか、或いは裏紙に片面記録するかを設定するためのものである。LCD等よりなる表示部70は、複写機能付きファクシミリ装置1の動作状態等の各種情報の表示を行う。
【0015】
画像メモリ80は、受信画データや読取部40で読み取られた画データを一時的に記憶する。コーデック90は、読取部40にて読み取られた画データを送信のためにMH,MR,MMR方式等により符号化(エンコード)する。また、コーデック90は、受信画データを復号(デコード)する。
【0016】
モデム100は、ITU−T勧告T.30に従ったファクシミリ伝送制御手順に基づいて、V.17,V.27ter,V.29等に従った送受信データの変調及び復調を行う。NCU110は、電話回線Lとの接続を制御するとともに、相手先の電話番号(FAX番号を含む)に対応したダイヤル信号の送出及び着信を検出するための機能を備えている。
【0017】
次に、図2に示すジョブ管理テーブルJTをRAM30に記憶するときの動作について説明する。
片面記録及び両面記録が可能である旨を示すDIS信号を送信側に送出した後、送信側から片面の画データを送信する旨を示すDCS信号を受信した場合は、MPU10は、そのDCS信号に基づいて、送信されてくる画データが片面の画データであると判断する。そして、ジョブ管理テーブルJTの「区分」の項目に「片面」を書き込むとともに、その「片面」に対応する「ジョブ番号」の項目に「0001」を書き込む。
【0018】
一方、送信側から両面の画データを送信する旨を示すDCS信号を受信した場合は、MPU10は、そのDCS信号に基づいて、送信されてくる画データが両面の画データであると判断する。そして、ジョブ管理テーブルJTの「区分」の項目に「両面」を書き込むとともに、その「両面」に対応する「ジョブ番号」の項目に「0002」を書き込む。
【0019】
次に、複写機能付きファクシミリ装置1において、記録部50で受信画データを記録紙上に記録するときの動作について、図3〜図5に示すフローチャートを用いて説明する。なお、この動作は、ROM20に記憶されたプログラムに基づき、MPU10の制御により実行される。
【0020】
さて、図3に示すステップS1〜ステップS4では、記録を中断した片面の受信画データのジョブ、記録を中断した両面の受信画データのジョブ、記録前の両面の受信画データのジョブ及び記録前の片面の受信画データのジョブの有無を判断する。具体的には、ステップS1で、記録を中断した片面の受信画データのジョブがある場合にRAM30にセットする「片面の受信画データのジョブの未完了フラグ」に基づいて、記録を中断した片面の受信画データのジョブの有無を判断する。しかし、1回目の制御サイクルのステップS1では、「片面の受信画データのジョブの未完了フラグ」をRAM30にセットしていないため、ステップS2に移行する。
【0021】
また、ステップS2では、記録を中断した両面の受信画データのジョブがある場合にRAM30にセットする「両面の受信画データのジョブの未完了フラグ」に基づいて、記録を中断した両面の受信画データのジョブの有無を判断する。しかし、1回目の制御サイクルのステップS2では、「両面の受信画データのジョブの未完了フラグ」をRAM30にセットしていないため、ステップS3に移行する。
【0022】
さらに、ステップS3で、記録前の両面の受信画データのジョブがない場合、つまり両面の画データを受信していない場合は、ステップS4に移行する。
そして、ステップS4において記録前の片面の受信画データのジョブがある場合、つまり片面の画データを受信した場合は、その受信画データの区分「片面」及びジョブ番号「0001」を図2に示すジョブ管理テーブルJTに書き込んで、ステップS5に移行する。
【0023】
ステップS5では、第1及び第2記録紙有無センサ51a,52aからの検出信号に基づいて、第1及び第2記録紙カセット51,52内の記録紙の有無を判断する。第1及び第2記録紙カセット51,52のいずれかに記録紙がある場合は、ステップS6で、ジョブ管理テーブルJTに基づいて、最も古い片面の受信画データのジョブ、つまり1回目の制御サイクルでは、前記ステップS4において受信した片面の画データのジョブを選択する。
【0024】
ステップS7では、前記ステップS6において選択した片面の受信画データを記録部50で記録紙に片面記録する。
ステップS8では、前記ステップS6において選択した片面の受信画データの片面記録が終了したか否かを判断する。前記ステップS6において選択した片面の受信画データの片面記録が終了した場合は、ステップS11に移行する。一方、前記ステップS6において選択した片面の受信画データの片面記録が終了していない場合は、ステップS9で、第1及び第2記録紙有無センサ51a,52aからの検出信号に基づいて、第1及び第2記録紙カセット51,52内の記録紙の有無を判断する。そして、第1及び第2記録紙カセット51,52のいずれかに記録紙がある場合は、ステップS7で、前記ステップS6において選択した片面の受信画データを記録部50で記録紙に片面記録する。即ち、前記ステップS6において選択した片面の受信画データの片面記録が終了するまで、ステップS7〜ステップS9の処理を繰り返す。
【0025】
前記ステップS9において第1及び第2記録紙有無センサ51a,52aからの検出信号に基づいて、第1及び第2記録紙カセット51,52のいずれにも記録紙が無いと判断した場合は、ステップS10で、「片面の受信画データのジョブの未完了フラグ」をRAM30にセットする。この「片面の受信画データのジョブの未完了フラグ」とは、片面の受信画データの記録を中断した場合にRAM30にセットするフラグである。つまり、前記ステップS6において選択した片面の受信画データの記録が終了する前に記録紙が無くなった場合は、記録紙が補充されたときに片面の受信画データの記録を再開するために「片面の受信画データのジョブの未完了フラグ」をRAM30にセットしているのである。
【0026】
従って、前記ステップS10において「片面の受信画データのジョブの未完了フラグ」をRAM30にセットした場合は、2回目の制御サイクルのステップS1で、「片面の受信画データのジョブの未完了フラグ」に基づいて、記録を中断した片面の受信画データのジョブがあると判断して、ステップS5に移行する。そして、記録紙が補充された場合は、ステップS6で、ジョブ管理テーブルJTに基づいて、最も古い片面の受信画データのジョブ、つまり前記ステップS10において「片面の受信画データのジョブの未完了フラグ」をRAM30にセットした片面の受信画データのジョブを選択し、その選択した片面の受信画データのジョブに対してステップS7〜ステップS9の処理を繰り返す。やがて、前記ステップS6において選択した片面の受信画データの片面記録が終了した場合は(ステップS8の判断で「YES」)、ステップS11で、「片面の受信画データのジョブの未完了フラグ」をRAM30からクリアする。尚、片面の受信画データの記録の終了後は、画像メモリ80から受信画データを消去するとともに、ジョブ管理テーブルJTからジョブに関するデータ(ジョブ番号「0001」及び「片面」)を消去する。
【0027】
このようにしてジョブ番号「0001」の画データの片面記録が終了した後に、ステップS3において記録前の両面の受信画データのジョブがある場合、つまり両面の画データを受信した場合は、その受信画データの区分「両面」及びジョブ番号「0002」を図2に示すジョブ管理テーブルJTに書き込んで、図4に示すステップS21に移行する。
【0028】
ステップS21では、ジョブ管理テーブルJTに基づいて、最も古い両面の受信画データのジョブ、つまり図3に示すステップS3において受信した両面の画データのジョブを選択する。
【0029】
図4に示すステップS22では、第1記録紙有無センサ51aからの検出信号に基づいて、第1記録紙カセット51内の新紙の有無を判断する。新紙がある場合は、ステップS23に移行する。一方、新紙が無い場合は、ステップS25に移行する。
【0030】
ステップS23では、前記ステップS21において選択した両面の受信画データを記録部50で新紙に両面記録する。
ステップS24では、前記ステップS21において選択した両面の受信画データの両面記録が終了したか否かを判断する。前記ステップS21において選択した両面の受信画データの両面記録が終了した場合は、ステップS30に移行する。一方、前記ステップS21において選択した両面の受信画データの両面記録が終了していない場合は、ステップS22で、第1記録紙有無センサ51aからの検出信号に基づいて、第1記録紙カセット51内の新紙の有無を判断する。そして、新紙がある場合は、ステップS23で、前記ステップS21において選択した両面の受信画データを記録部50で新紙に両面記録する。即ち、前記ステップS21において選択した両面の受信画データの両面記録が終了するまで、ステップS22〜ステップS24の処理を繰り返す。
【0031】
前記ステップS22において第1記録紙有無センサ51aからの検出信号に基づいて、第1記録紙カセット51内に新紙が無いと判断した場合は、ステップS25で、設定キー66の設定に基づいて、新紙が無い場合に、両面の受信画データを裏紙に片面記録する設定であるか否かを判断する。設定キー66の設定に基づいて、両面の受信画データを片面記録する設定である場合は、ステップS26に移行する。一方、設定キー66の設定に基づいて、新紙が補充されるまで受信画データの両面記録を中断する設定である場合は、図5に示すステップS41に移行する。
【0032】
図4に示すステップS26では、第2記録紙有無センサ52aからの検出信号に基づいて、第2記録紙カセット52内の裏紙の有無を判断する。裏紙がある場合は、ステップS27に移行する。一方、裏紙が無い場合は、ステップS29に移行する。
【0033】
ステップS27では、前記ステップS21において選択した両面の受信画データを記録部50で裏紙に片面記録する。つまり、前記ステップS22において新紙が無い場合であって、前記ステップS25において片面記録する設定であるときには、両面の受信画データを新紙の代替として裏紙に片面記録しているのである。
【0034】
ステップS28では、前記ステップS21において選択した両面の受信画データの片面記録が終了したか否かを判断する。前記ステップS21において選択した両面の受信画データの片面記録が終了した場合は、ステップS30に移行する。一方、前記ステップS21において選択した両面の受信画データの片面記録が終了していない場合は、ステップS26で、第2記録紙有無センサ52aからの検出信号に基づいて、第2記録紙カセット52内の裏紙の有無を判断する。そして、裏紙がある場合は、ステップS27で、前記ステップS21において選択した両面の受信画データを記録部50で裏紙に片面記録する。即ち、前記ステップS21において選択した両面の受信画データの片面記録が終了するまで、ステップS26〜ステップS28の処理を繰り返す。
【0035】
前記ステップS26において第2記録紙有無センサ52aからの検出信号に基づいて、第2記録紙カセット52内に裏紙が無いと判断した場合は、ステップS29で、「両面の受信画データのジョブの未完了フラグ」をRAM30にセットする。この「両面の受信画データのジョブの未完了フラグ」とは、両面の受信画データの記録を中断した場合にRAM30にセットするフラグである。つまり、前記ステップS21において選択した両面の受信画データの記録が終了する前に記録紙が無くなった場合は、記録紙が補充されたときに両面の受信画データの記録を再開するために「両面の受信画データのジョブの未完了フラグ」をRAM30にセットしているのである。
【0036】
従って、前記ステップS29において「両面の受信画データのジョブの未完了フラグ」をRAM30にセットした場合は、2回目の制御サイクルの図3に示すステップS2で、「両面の受信画データのジョブの未完了フラグ」に基づいて、記録を中断した両面の受信画データのジョブがあると判断して、図4に示すステップS21に移行する。そして、ステップS21では、ジョブ管理テーブルJTに基づいて、最も古い両面の受信画データのジョブ、つまり前記ステップS29において「両面の受信画データのジョブの未完了フラグ」をRAM30にセットした両面の受信画データのジョブを選択し、その選択した両面の受信画データのジョブに対してステップS22〜ステップS28の処理を繰り返す。やがて、前記ステップS21において選択した両面の受信画データの記録が終了した場合は(ステップS24又はステップS28の判断で「YES」)、ステップS30で、「両面の受信画データのジョブの未完了フラグ」をRAM30からクリアする。尚、両面の受信画データの記録の終了後は、画像メモリ80から受信画データを消去するとともに、ジョブ管理テーブルJTからジョブに関するデータ(ジョブ番号「0002」及び「両面」)を消去する。
【0037】
前記ステップS25において設定キー66の設定に基づいて、新紙が補充されるまで両面記録を中断する設定である場合は(ステップS25の判断で「NO」)、図5に示すステップS41で、「両面の受信画データのジョブの未完了フラグ」をRAM30にセットする。つまり、図4に示すステップS21において選択した両面の受信画データの両面記録中に新紙が無くなって両面記録を中断する場合は、先に片面の受信画データの片面記録を行わせる。そこで、新紙が補充されたときに両面記録を再開するために「両面の受信画データのジョブの未完了フラグ」をRAM30にセットしているのである。
【0038】
図5に示すステップS42では、図2に示すジョブ管理テーブルJTにおいてジョブ番号「0002」の画データの両面記録を中断したことに伴い、片面の受信画データのジョブの有無を判断する。片面の受信画データのジョブがある場合、つまり片面の画データを受信した場合は、その受信画データの区分「片面」及びジョブ番号「0003」を図2に示すジョブ管理テーブルJTに書き込んで、ステップS43に移行する。一方、片面の受信画データのジョブが無い場合は、この処理を終了する。
【0039】
ステップS43では、「中断メッセージの記録フラグ」をRAM30にセットしたか否かを判断する。ここで、両面記録の中断に伴って、先に片面の受信画データの片面記録を行い、さらに新紙が補充されて両面記録を再開した場合には、中断前の両面記録済みの記録紙と再開後の両面記録済みの記録紙との間に、片面記録済みの記録紙が混在する。そこで、両面記録の中断後であって、片面記録の開始前に、両面記録を中断した旨を示す「中断メッセージ」を記録部50で記録紙に記録する。そして、この「中断メッセージ」を記録した場合は、「中断メッセージの記録フラグ」をRAM30にセットする。従って、1回目の制御サイクルのステップS43では、「中断メッセージ」を記録していないため、換言すれば、「中断メッセージの記録フラグ」をRAM30にセットしていないため、ステップS44に移行する。
【0040】
ステップS44では、「中断メッセージ」を記録部50で記録紙に記録する。具体的には、「中断メッセージ」として、例えば「新紙が無くなったため、両面記録を中断しました。受信原稿の5枚目(10頁目)までは記録済みです。残りの受信原稿は3枚(6頁)です。新紙を補充して下さい。」を記録部50で記録紙に記録する。
【0041】
ステップS45では、前記ステップS44において「中断メッセージ」を記録したため、「中断メッセージの記録フラグ」をRAM30にセットして、図3に示すステップS5に移行する。そして、ステップS7では、図2に示すジョブ管理テーブルJTにおいてジョブ番号「0002」の画データの両面記録を中断したことに伴い、ジョブ番号「0003」の画データの片面記録を実行する。
【0042】
このようにしてジョブ番号「0002」の画データの両面記録を中断したことに伴い、先にジョブ番号「0003」の画データの片面記録を行った場合は、2回目の制御サイクルの図3に示すステップS2で、「両面の受信画データのジョブの未完了フラグ」に基づいて、記録を中断した両面の受信画データのジョブがあると判断して、図4に示すステップS21に移行する。
【0043】
ステップS21では、ジョブ管理テーブルJTに基づいて、最も古い両面の受信画データのジョブ、つまり図5に示すステップS41において「両面の受信画データのジョブの未完了フラグ」をRAM30にセットした両面の受信画データのジョブを選択する。そして、新紙が補充された場合は、図4に示すステップS22〜ステップS24の処理を繰り返す。やがて、図5に示すステップS41において「両面の受信画データのジョブの未完了フラグ」をRAM30にセットした両面の受信画データの両面記録が終了した場合は(図4に示すステップS24の判断で「YES」)、ステップS30で、「両面の受信画データのジョブの未完了フラグ」をRAM30からクリアする。そして、ステップS31では、図5に示すステップS45においてRAM30にセットした「中断メッセージの記録フラグ」をRAM30からクリアする。尚、両面の受信画データの記録の終了後は、画像メモリ80から受信画データを消去するとともに、ジョブ管理テーブルJTからジョブに関するデータ(ジョブ番号「0002」及び「両面」)を消去する。
【0044】
以上、詳述したように本実施形態によれば、次のような作用、効果を得ることができる。
(1)両面記録する場合に新紙が無く、さらに設定キー66の設定に基づいて、裏紙に片面記録するときには、記録部50で両面の受信画データを新紙の代替として裏紙に片面記録している(図4に示すステップS27)。その結果、新紙が無くなってから新紙が補充されるまでの間において、両面の受信画データの記録が中断されることはない。そのため、即時性が要求される両面の受信画データを直ちに得ることができる。しかも、両面の受信画データの記録の終了後は、画像メモリ80から受信画データが消去されるため、画像メモリ80のメモリオーバーが発生することもない。従って、利便性に優れた複写機能付きファクシミリ装置1を提供することができる。
【0045】
(2)加えて、新紙が無い場合に、新紙が補充されるまで両面記録を中断するか、或いは裏紙に片面記録するかが設定キー66で設定されると、その設定に基づいて、両面記録を中断或いは片面記録を実行している(図4に示すステップS25)。このため、新紙が無い場合の動作を操作者のニーズに応じて任意に設定することができる。従って、操作者のニーズに応じた複写機能付きファクシミリ装置1を提供することができる。
【0046】
(3)さらに、設定キー66の設定に基づいて、新紙が補充されるまで両面記録を中断する場合であって、他に片面の受信画データがあるときには、その片面の受信画データを先に片面記録している(図5に示すステップS42〜ステップS45及び図3に示すステップS5〜ステップS11)。つまり、新紙が無くなってから新紙が補充されるまでの間の時間を活用して、片面の受信画データを記録している。従って、記録部50を有効に活用することができる。しかも、片面の受信画データの記録後は、その受信画データが画像メモリ80から消去されるため、画像メモリ80を有効に活用することもできる。
【0047】
(4)また、先に片面記録する場合には、両面記録の中断後であって、片面記録の開始前に、両面記録を中断した旨を示す「中断メッセージ」を記録部50で記録紙に記録している(図5に示すステップS44)。そのため、中断前の両面記録済みの記録紙と片面記録済みの記録紙との間に排出した、「中断メッセージ」が記録済みの記録紙によって、両面記録の中断を認識させることができる。
【0048】
なお、前記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・「新紙」には、通常の白紙の他、色紙や厚紙を、「他の記録紙」には、「新紙」と同一サイズの裏紙の他、「新紙」と異なるサイズの新紙及び「新紙」と異なるサイズの裏紙を含ませてもよい。具体的には、図1に破線で示すように、第3記録紙カセット53及び第3記録紙有無センサ53aを記録部50に配設し、第1記録紙カセット51に「A4サイズ」の新紙を、第2記録紙カセット52に「A4サイズ」の裏紙を、第3記録紙カセット53に「B4サイズ」の新紙を、それぞれ収容する。そして、両面の受信画データが「A4」の場合であって、両面記録する場合に「A4サイズ」の新紙が無いときには、「A4サイズ」の裏紙又は「B4サイズ」の新紙に記録する構成でもよい。
【0049】
・加えて、両面の受信画データが「A4」の場合であって、両面記録する場合に「A4サイズ」の新紙が無く、「A4サイズ」の裏紙も無い場合は、「A4」の受信画データを拡大して、「B4サイズ」の新紙に記録する構成でもよい。或いは、第3記録紙カセット53に「B5サイズ」の新紙を収容し、両面の受信画データが「A4」の場合であって、両面記録する場合に「A4サイズ」の新紙が無く、「A4サイズ」の裏紙も無い場合は、「A4」の受信画データを縮小して、「B5サイズ」の新紙に記録する構成でもよい。
【0050】
・さらに、第1〜第3記録紙カセット51〜53にいずれも「A4サイズ」の新紙を収容した構成でもよい。そして、両面記録する場合に第1記録紙カセット51内に「A4サイズ」の新紙が無いときには、第2記録紙カセット52内の「A4サイズ」の新紙又は第3記録紙カセット53内の「A4サイズ」の新紙に記録する。つまり、記録紙カセットが異なっていれば、「他の記録紙」に「新紙」と全く同一の記録紙を適用することもできる。
【0051】
・図3に示すステップS7の片面記録には、片面の受信画データを裏紙に記録することの他、片面の受信画データを新紙に記録することを含ませてもよい。また、片面記録には、両面の受信画データの片面1頁分を裏紙又は新紙に記録することを含ませてもよい。さらに、片面記録には、片面の受信画データを「Nin1処理」で合成コピーして裏紙又は新紙にまとめて記録することを含ませてもよい。また、片面記録には、両面の受信画データを「Nin1処理」で合成コピーして裏紙又は新紙にまとめて記録することを含ませてもよい。
【0052】
・図4に示すステップS23の両面記録には、両面の受信画データを新紙の両面に記録することの他、片面の受信画データの2頁分を新紙の両面に記録することを含ませてもよい。また、両面記録には、片面の受信画データ又は両面の受信画データを「Nin1処理」で合成コピーして新紙の両面に記録することを含ませてもよい。
【0053】
・図5に示すステップS44において、両面記録を中断した旨を示す「中断メッセージ」を表示部70に表示する構成としてもよい。
・加えて、「中断メッセージ」を表示部70に表示する構成において、その「中断メッセージ」を表示部70に表示した状態で所定キー(例えば、クリアキー)が押下されると、「中断メッセージ」を記録紙に記録しないように構成してもよい。つまり、「中断メッセージ」が記録されないように無効化してもよい。このように構成すれば、「中断メッセージ」の表示に気付いた場合には、「中断メッセージ」を記録しなくても、操作者は、その「中断メッセージ」の表示に基づいて、両面記録の中断を認識することができる。従って、「中断メッセージ」の記録のために記録紙が無駄に消費されることを防止することができる。
【0054】
・さらに、両面記録の中断後であって、片面記録の開始前に、「中断メッセージ」を記録しないで新紙又は裏紙を排出する構成としてもよい。このように構成すれば、中断前の両面記録済みの記録紙と片面記録済みの記録紙との間に排出した新紙又は裏紙によって、両面記録の中断を認識させることができる。しかも、その排出された新紙又は裏紙を操作者が第1又は第2記録紙カセット51,52に戻せば、記録紙が無駄に消費されることを防止することができる。
【0055】
・加えて、両面記録の中断後であって、片面記録の開始前に、「中断メッセージ」を記録しないで新紙又は裏紙を排出する構成とした場合には、新紙又は裏紙のサイズを、両面記録した記録紙及び片面記録する記録紙のサイズとは異なるものとする構成が好ましい。また、それらの記録紙のサイズよりも大きなサイズとする構成が特に好ましい。具体的には、第1記録紙カセット51に「A4サイズ」の新紙を、第2記録紙カセット52に「A4サイズ」の裏紙を、図1に破線で示す第3記録紙カセット53に「B4サイズ」の新紙を、それぞれ収容する。そして、両面の受信画データが「A4」の場合において、「A4サイズ」の新紙への両面記録の中断後であって、「A4サイズ」の裏紙への片面記録の開始前に、「中断メッセージ」を記録しないで「B4サイズ」の新紙を排出する。このように構成すれば、「A4サイズ」とは異なる「B4サイズ」の記録紙を排出することによって、両面記録の中断を容易に認識させることができる。また、「A4サイズ」よりも大きな「B4サイズ」の記録紙を排出することによって、中断前の両面記録済みの記録紙と片面記録済みの記録紙との境界を容易に認識させることができる。
【0056】
・前記実施形態では、図4に示すステップS22において新紙が無い場合であって、ステップS25において片面記録する設定であるときには、両面の受信画データを新紙の代替として裏紙に片面記録している。この片面記録において、受信画データに加えて、受信画データの表裏を示す旨のメッセージ、例えば「この頁は両面原稿の表面です。」又は「この頁は両面原稿の裏面です。」をも記録する構成としてもよい。このように構成すれば、裏紙2枚を新紙1枚に両面コピーして両面の受信画データを再現する場合には、前記メッセージに基づいて、容易に両面の受信画データを再現することができる。
【0057】
・加えて、図4に示すステップS22において新紙が無い場合であって、ステップS25において片面記録する設定であるときには、両面の受信画データを新紙の代替として裏紙に片面記録するとともに、その片面記録が終了した後も画像メモリ80から両面の受信画データを消去しない構成としてもよい。即ち、新紙が補充された場合は、片面記録した両面の受信画データを新紙に両面記録させる構成としてもよい。このように構成すれば、両面の受信画データを新紙の代替として裏紙に片面記録することにより、即時性が要求される両面の受信画データを素早く記録することができる。また、新紙が補充された場合には、両面の受信画データが新紙に両面記録されるため、裏紙2枚を新紙1枚に両面コピーして両面の受信画データを再現する手間を省略することができる。しかも、画像メモリ80から読み出した受信画データが記録紙に記録されるため、画質が劣化することはない。
【0058】
・さらに、図4に示すステップS22において新紙が無い場合であって、ステップS25において片面記録する設定であるときには、片面記録した両面の受信画データを画像メモリ80から消去するか否かを設定キー66で設定できる構成としてもよい。
【0059】
・前記実施形態では、図4に示すステップS29において「両面の受信画データのジョブの未完了フラグ」をRAM30にセットした場合であって、新紙及び裏紙が補充されたときには、新紙への両面記録を再開する構成としたが(ステップS23)、裏紙への片面記録を再開する構成としてもよい。
【0060】
・受信画データを記録紙に記録するときに限らず、両面原稿を読取部40で読み取った画データを記録紙に両面記録するときにも適用してもよい。このように構成すれば、画像記録装置をコピー機にも具体化することができる。或いは、画像記録装置を外部装置(例えばスキャナやパソコン)とLAN接続されたプリンタにも具体化することができる。
【0061】
さらに、上記実施形態より把握される技術的思想について、以下にそれらの効果と共に記載する。
〔1〕画データを記憶する記憶手段を備え、制御手段は、両面記録する場合に新紙が無く、さらに設定手段の設定に基づいて、他の記録紙に記録するときには、その記録が終了した後であっても記憶手段から画データを消去しない画像記録装置。このように構成すれば、記憶手段から読み出した画データが記録紙に記録されるため、画質が劣化することはない。
【0062】
〔2〕両面記録を中断した旨の中断メッセージを表示する表示手段と、記録手段による中断メッセージの記録を無効化する無効化手段とを備え、制御手段は、両面記録を中断した旨の中断メッセージを表示手段に表示した状態で無効化手段が操作された場合には、記録手段に中断メッセージを記録させない通信端末装置。このように構成すれば、中断メッセージの記録のために記録紙が無駄に消費されることを防止することができる。
【0063】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明によれば、利便性に優れた画像記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複写機能付きファクシミリ装置の構成を示すブロック図。
【図2】ジョブ管理テーブルを示す説明図。
【図3】受信画データを記録するときの動作を示すフローチャート。
【図4】受信画データを記録するときの動作を示すフローチャート。
【図5】受信画データを記録するときの動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…画像記録装置としての複写機能付きファクシミリ装置、10…制御手段を構成するMPU、20…制御手段を構成するROM、30…制御手段を構成するRAM、50…記録手段としての記録部、60…無効化手段としての操作部、66…設定手段としての設定キー、70…表示手段としての表示部、80…記憶手段としての画像メモリ。
Claims (4)
- 記録紙の両面に記録する両面記録が指定された画データ及び記録紙の片面に記録する片面記録が指定された画データを記録可能な画像記録装置において、画データを記録紙に記録する記録手段と、前記両面記録が指定された画データを記録する場合に該画データを両面記録するための記録紙が無いときには、該画データを片面記録に変更して他の記録紙に記録手段で記録させる制御手段とを備えた画像記録装置。
- 請求項1に記載の画像記録装置において、前記両面記録が可能な記録紙が無い場合に、両面記録を中断するか、或いは他の記録紙に記録するかを設定する設定手段を備え、制御手段は、設定手段の設定に基づいて、記録手段を制御する画像記録装置。
- 請求項2に記載の画像記録装置において、制御手段は、設定手段の設定に基づいて、前記両面記録が指定された画データの記録を中断する場合、前記片面記録が指定された画データの記録を先行させて記録手段で記録させる画像記録装置。
- 請求項3に記載の画像記録装置において、両面記録を中断した旨を報知する表示手段又は記録手段を備え、制御手段は、片面記録が指定された画データを記録手段で記録する場合には、両面記録の中断後に、両面記録を中断した旨を表示手段又は記録手段に報知させる画像記録装置。
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