JP3801927B2 - 通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ファクシミリ装置やデジタル複合機等の通信装置に関し、特に、用紙の両面に画像を形成することのできる画像形成手段を備えた通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ファクシミリ装置等の通信装置として、従来から、受信した画情報に基づいて用紙の両面に画像を形成(印刷)することのできるファクシミリ装置が知られている。このようなファクシミリ装置によれば、受信した2頁分の画像を1枚の用紙の表裏に印刷することができるので、用紙を節約することができる。
ここで、ファクシミリ装置を用いて文書を送信する場合、本文の前に表書(ヘッダ)を付けることがよく行われるが、この場合のヘッダは1枚であることが多い。
【0003】
しかし、このように1枚のヘッダの付いた文書を両面モードで印刷を行うファクシミリ装置で受信した場合、保存を要しない場合の多いヘッダが1枚目の用紙の表に印刷され、その裏には保存を要する場合の多い本文の1頁目が印刷されてしまう。従って、必要性の薄い頁と重要な頁が1枚の用紙の表裏に印刷されてしまい、文書の管理上不便であった。特に、本文のみを両面印刷の状態で使用したい場合には、受信した文書を適切な順番で複写する等の必要があり、操作が煩雑で用紙も無駄になっていた。
【0004】
このような問題を解決した装置として、例えば特開平11−136458号公報に開示されているファクシミリ装置や特開2000−92301号公報に開示されているファクシミリ装置が知られている。
これらの装置によれば、画情報中に各頁の表裏を示す情報を付加することにより、両面の送信原稿が送信されてきた場合でも、受信側で送信原稿と同じページ構成の受信原稿を出力することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのファクシミリ装置において、受信側の装置は、画情報中に付加された情報を参照して各頁の表裏を認識する。従って、送信側の装置にこのような情報を付加する機能がなければ、適切に表裏を判定して受信画像を出力することができないという問題があった。特に、送信側の装置に両面読取機能がない場合には、そもそも受信する原稿に表裏が存在しないため、受信した画像の表裏の配置を定める基準がなく、必要性の薄い頁と重要な頁が1枚の用紙の表裏に印刷されてしまうという問題を解決することはできなかった。
この発明は、このような問題を解決し、ファクシミリ装置等の通信装置において、送信側の装置の機能に依存することなく、受信原稿中の必要部分と不要部分とを分離して両面画像形成できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明の通信装置は、外部装置と通信回線を介して情報の授受を行う通信手段と、その通信手段によって受信した画情報に基づいて用紙に画像を形成する画像形成手段とを有する通信装置において、上記用紙の両面に画像を形成させる旨の設定がされている場合に上記画像形成手段に、上記通信手段によって受信した一連の画情報の1頁目を用紙の片面のみに画像を形成する片面モードで、2頁目以降を用紙の両面に画像を形成する両面モードで画像形成させる手段と、上記通信手段によって受信した画情報を記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶した画情報から任意の頁の画情報を選択してその画情報に基づいて画像形成手段に画像形成させる手段とを設けたものである。
【0007】
このような通信装置において、上記一連の画情報の画像形成終了後に任意の頁を選択して上記記憶手段に記憶した画情報に基づいてその選択した頁以降の頁を上記両面モードで画像形成手段に画像形成させる手段を設けるとよい。
【0008】
この発明の通信装置はまた、外部装置と通信回線を介して情報の授受を行う通信手段と、その通信手段によって受信した画情報に基づいて用紙に画像を形成する画像形成手段とを有する通信装置において、上記通信手段によって受信した画情報を記憶する記憶手段と、上記用紙の両面に画像を形成させる旨の設定がされている場合に上記画像形成手段に、上記通信手段によって受信した一連の画情報の初めの2頁のみを用紙の両面に画像を形成する両面モードで画像形成させる手段と、その初めの2頁の画像形成後に、所定の動作パターンから選択した動作パターンに従って上記一連の画情報に基づいて上記画像形成手段に上記片面モードあるいは上記両面モードで画像形成させる手段とを設けたものである。
【0009】
このような通信装置において、上記所定の動作パターンが、少なくとも(イ)次の2頁を画像形成する、(ロ)次の頁から全頁を上記両面モードで画像形成する、(ハ)1頁前から全頁を上記両面モードで画像形成する、(ニ)2頁前を用紙の片面に画像を形成する片面モードで画像形成してその次の頁から全頁を上記両面モードで画像形成する、の各動作パターンを含むようにするとよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
〔第1の実施形態:図1乃至図5〕
まず、この発明の通信装置の第1の実施形態であるファクシミリ装置について説明する。
図1はそのファクシミリ装置における画情報の受信及び受信画像の出力の処理を示すフローチャート、図2はそのファクシミリ装置の概略構成を示すブロック図、図3はそのファクシミリ装置が直接受信モードで画情報の受信を行った場合のデータの流れを示す図、図4は同じくメモリ受信モードで画情報の受信を行った場合のデータの流れを示す図、図5はそのファクシミリ装置の画像形成部の概略構成を示す図である。
【0011】
このファクシミリ装置においては、図2に示すように、システム制御部11,システムメモリ12,画像読取部13,画像形成部14,ROM15,書込可能不揮発メモリ16,網制御部(NCU)17,G3FAXモデム18,画像メモリ(SAF)19,符号化復号化部20,操作表示部21がシステムバス22によって接続されている。
システム制御部11は、CPUを備え、この装置を統括制御する制御部であり、ROM15に格納された各種制御プログラムを実行して各部の動作やファクシミリ電送による通信動作の制御を行う。システムメモリ12は、DRAMによって構成され、システム制御部11のワークメモリとして使用したり、必要なデータ等を記憶したりする記憶手段である。
【0012】
画像読取部13は、スキャナによって構成され、送信すべき画像の画像データを読み取るための読取手段である。
画像形成部14は、受信した画情報に基づいて用紙に画像を形成する画像形成手段である。この画像形成部14は、プロッタその他の画像形成手段によって構成することができるが、このファクシミリ装置においては図5に示すように電子写真方式の画像形成手段を用い、用紙を搬送路上で反転させることによりその両面に画像形成可能な両面画像形成手段を採用している。なお、この画像形成部14は、各種レポートや設定内容等も用紙に画像形成して出力することができる。ROM15は各種制御プログラムやテーブル等を格納する不揮発性記憶手段であるが、これを書き換え可能な記憶手段で構成すれば、技術の進歩に応じたプログラムのバージョンアップが容易になる。
【0013】
書込可能不揮発メモリ16は、SRAMによって構成され、システム制御上必要なパラメータやユーザの操作による設定や登録データ等を記憶する記憶手段である。
網制御部17は、公衆電話回線に接続して通信を行うためのユニットであり、自動発信機能を有する。G3FAXモデム18は、グループ3ファクシミリのモデム機能を実現するユニットであり、網制御部17を介して公衆回線に接続され、通信回線として公衆回線を介して他のファクシミリ装置等の外部装置とデータの授受を行う。これらの網制御部17とG3FAXモデム18とが通信手段を構成する。
【0014】
画像メモリ19は、画像読取部13で読み取った画像の画像データやG3FAXモデム18によって受信した画情報を記憶するユニットである。この画像メモリ19は、RAMによって構成するが、ハードディスク装置等の大容量の書き換え可能な不揮発性記憶手段を併用するようにしてもよい。
符号化復号化部20は、送信すべき画情報を符号化して圧縮データを生成したり、符号化された圧縮データからなる受信した画情報を復号化(伸長)して符号化前の状態の生データを生成したりするユニットである。
操作表示部21は、装置の各種設定状態を表示したり、ユーザが各種操作や設定を行ったり情報を入力したりするためのユニットであり、タッチパネルを積層した液晶ディスプレイと各種キー等によって構成することができる。
【0015】
このようなファクシミリ装置において、画情報の受信と並行して画像の形成を行う直接受信モードが設定されている場合には、画情報は図3に示す経路で受け渡され、以下の動作が行われる。
まず、用紙の片面のみに画像を形成する片面モードの場合について説明する。
装置の動作中、システム制御部11がROM15からプログラムを読み出し、システムメモリ12及び書込可能不揮発メモリ16を使用して全体的な制御動作を行っている。
【0016】
ここで網制御部17が着呼を検出すると、発信元の装置と回線を閉結して呼をつなぐ。そして、発信元の装置とプロトコルの交換を行い、画情報を受信する。この段階での画情報は、符号化された圧縮データである。
この画情報は、G3FAXモデム18に転送され、デジタル信号に変換されてECM(エラー・コレクション・モード)バッファ23に転送される。このECMバッファ23は、エラー・コレクション・モード機能と呼ばれる、送信に失敗した部分を再送信して正確な画像を送る機能を実現するための受信側のバッファである。
【0017】
ECMバッファ23に転送されたデータは、画像メモリ19に蓄積される一方、符号化復号化部20に入力され、復号化されて生データとなり、システムメモリ12中のページメモリ(PM)24に展開される。そして、その画情報中の画像データが1頁分ページメモリ24に蓄積されると、画像形成部14に入力される。
画像形成部14は、その画像データに従って1頁毎に用紙の片面に画像を形成する。画像メモリ19に画情報を蓄積するのは、文書の受信中に画像形成部14の動作不良等により画像を出力できなくなった場合でも画情報を保持できるようにするためである。
【0018】
用紙の両面に画像を形成する両面モードの場合も、やはり符号化復号化部20で復号化された生データは一旦ページメモリ24に展開される。そして、網制御部17は1頁分の画情報の受信が終了した時点で送信元の装置に対して受信確認信号MCFを送信するが、この時点では画像形成部14での画像形成は行わない。
その後、2頁目の画情報を受信して同様にページメモリ24に展開し、受信終了時に送信元の装置に対して受信確認信号MCFを送信する。そして、2頁分の画情報がページメモリ24に蓄積されたら、これを画像形成部14に転送し、この画情報に基づいて用紙の表裏に順次1頁目と2頁目の画像を形成する。
【0019】
以下同様に、2頁分の画情報をページメモリ24に展開する毎に画像形成を行う。最後の頁のみ、1頁分の画情報を受信して文書が終了した場合には、その画情報に基づいて用紙の片面に画像形成を行う。
なお、ここでいう1頁目等とは、両面モードで画像形成を行う頁のうちの1頁目等のことであり、文書中での頁番号と一致するとは限らない。
【0020】
次に、画情報を一旦全て受信してから画像の形成を行うメモリ受信モードが設定されている場合の動作について説明する。この場合には、画情報は図4に示す経路で受け渡される。
まず片面モードの場合について説明すると、NCU17によって受信された画情報の圧縮データがG3FAXモデム18及びECMバッファ23を経由して画像メモリ19に蓄積される点は直接受信モードの場合と同様である。しかし、図4(a)に示すように、この時点では符号化復号化部20での復号化及びページメモリ24への展開は行わない。
【0021】
このメモリ受信モードの場合には、全頁の画情報の受信の終了後、図4(b)に示すように画像メモリ19に蓄積された圧縮状態の画情報を読み出して符号化復号化部20に転送し、復号化して生データに変換する。そして、ページメモリ24に展開し、1ページ分の画像データが蓄積されると画像形成部14にその画像データを転送する。そして、画像形成部14はその画像データに従って用紙の片面に画像を形成する。
両面モードの場合も、画像メモリから読み出された画情報は、符号化復号化部20での復号化後、ページメモリ24に展開される。そして、2頁分の画像データが蓄積されると、直接受信モードの場合と同様に画像形成部14によって用紙の両面にその2頁分の画像を形成する。以下、2頁ずつ画像形成を行い、最後の頁のみ、1頁分の画情報しか残っていなければ用紙の片面に画像形成を行う点も、直接受信モードの場合と同様である。
【0022】
次に、このファクシミリ装置における画像形成部14の構成について説明する。
この画像形成部14は、上述したとおり電子写真方式の画像形成手段であり、その概略構成は図5に示すとおりであり、感光体ドラム31,転写ローラ32,定着ローラ33,分岐センサ34,排紙ローラ35,排紙センサ36,搬送ローラ37,レジストセンサ38,レジストローラ39,搬送ベルト40を備えている。この画像形成部14において、給紙された用紙は搬送ベルト40に沿って矢視方向に搬送される。
【0023】
画像形成部14が画像形成動作を開始すると、用紙が図示しない給紙部から給紙され、レジストセンサ38が用紙を検知するとレジストローラ39の手前で一旦停止される。一方、感光体ドラム31上には、図示しない帯電部材によって帯電され、形成すべき画像の画像データに従って駆動される図示しないレーザ書込ユニットによって走査されることにより静電潜像が形成される。そして、この静電潜像は、図示しない現像ユニットでトナー等の現像剤によって顕像化される。
停止されていた用紙は、レジストローラ39によって感光体ドラム31上に形成された顕像とタイミングを合わせて給紙され、転写ローラ32によって用紙上の片面(第1面)に顕像が転写される。
【0024】
この顕像は定着ローラ33によって加熱、加圧されることによって用紙上に定着される。その後、用紙は分岐爪とフィラーによって構成される分岐センサ34によって排紙ローラ35に導かれる。片面モードの場合には、このまま排紙ローラ35によって用紙が排紙されて1枚分の画像形成が終了する。
両面モードの場合には、排紙ローラによって用紙が排紙部側に搬送されたことが排紙センサ36によって検知されると、排紙ローラの回転方向が反転され、用紙は分岐センサ34に向けて搬送される。また、分岐センサ34は、フィラーによって用紙の通過を検知するとその位置を変え、戻ってきた用紙を搬送ローラ37のある反転搬送路へ導く。
【0025】
反転搬送路を通って搬送された用紙は、レジストローラ39の位置で再び停止され、第1面の場合と同様に感光体ドラム31上に形成された顕像とタイミングを合わせて給紙される。今度は用紙の向きが反転され、第2面が感光体ドラム31側を向いているので、第2面に顕像が転写される。
そして、第1面の場合と同様に顕像を定着され、排紙ローラ35へ導かれ、今度は排紙ローラ35によって排紙される。
このような画像形成部14によって、モードに応じて用紙の片面又は両面に、画像データに応じた画像を形成することができる。
【0026】
次に、このファクシミリ装置が用紙の両面に画像を形成させる旨の設定がされている状態で文書を受信した場合の動作について説明する。なお、「用紙の両面に画像を形成させる旨の設定」がなされている場合でも常に用紙の両面に画像を形成させるわけではないことは以降の説明から明らかであり、この点がこの発明の特徴であることを強調しておく。また、以下に説明する動作は直接受信モードの場合の動作である。
このファクシミリ装置は、用紙の両面に画像を形成させる旨の設定がされている状態で外部装置からの画情報の送信を受けると、図1のフローチャートに示す処理を開始する。この処理は、システム制御部11が各部の動作を制御することによって行う。
なお、以下の説明において「画像形成」を「印刷」ともいうが、これは「画像形成」を「印刷」に限定するものではない。
【0027】
まず、ステップS1で1頁目の画情報の受信が終了するまで待機する。そして、終了したらステップS2に進んで受信した1頁目の画情報に基づいて画像形成部14が片面モードで印刷を行う。すなわち、符号化復号化部20によって受信した画情報を復号化し、画像データをページメモリ24に展開して画像形成部14に転送し、画像形成部14がその画像データに従って画像形成を行う。
そして、ステップS3に進んで次の頁があるかどうか、すなわち一連の画情報として次の頁を受信しているかどうか判断し、受信していればステップS4に進んで次の頁の画情報の受信終了まで待機する。
【0028】
そして、ステップS5に進んで再び次の頁があるかどうか判断し、あればステップS6に進んで再び次の頁の画情報の受信終了まで待機する。
その後、ステップS7に進んでステップS4及びステップS6で受信した2頁分の画情報に基づいて画像形成部14が両面モードで印刷を行う。すなわち、受信した一連の画情報の2頁目と3頁目を用紙の表裏にそれぞれ印刷する。
そして、ステップS8に進んでその2頁分の画情報を画像メモリ19から削除し、ステップS3に戻って処理を繰り返す。
【0029】
ステップS3とステップS5で次の頁があると判断する限りは、処理を繰り返して受信する画情報によって両面モードで印刷を行い続けることになる。
ステップS3で次の頁がない場合には、そのまま終了する。ステップS5で次の頁がない場合には、最後にステップS4で受信した1頁分の画情報に基づいて画像形成部14が用紙の片面に印刷を行い、ステップS10でその1頁分の画情報を画像メモリ19から削除して終了する。
なお、処理の終了時には回線の切断を行うものとする。
【0030】
このような処理により、用紙の両面に画像を形成させる旨の設定がされている場合に、受信した一連の画情報の1頁目を用紙の片面のみに画像を形成する片面モードで、2頁目以降を用紙の両面に画像を形成する両面モードで画像形成することができる。ここで、最後に半端な頁が生じた場合にその頁を用紙の片面に画像形成することも、前述のように両面モードの動作に含まれる。
【0031】
ところで、ファクシミリで送信される文書には表書(ヘッダ)が1枚付けられていることが多いが、このヘッダは保存不要でその後の本文のみの保存が必要である場合が多い。
ここで、このファクシミリ装置を用いれば、1頁目のみは片面モードで印刷を行うので、受信した画像を用紙の両面に形成する場合でも、必要性の薄いこの1枚のヘッダと重要な本文とを別々の用紙に分離して印刷することができる。装置の側でこの処理を自動的に行うので簡単な操作でこのような印刷を行うことができる。また、上記の動作を行うためには受信する画情報に特別なデータが付加されている必要はないので、送信側の装置によらず行うことができるため、広範な受信文書に対応することができる。
なお、ここでは直接受信モードの場合の動作について説明したが、メモリ受信の場合にも、全ページの受信が終了してから図1のフローチャートに示す処理を開始することにより、同様な動作を行うことができる。この場合、ステップS1,S4,S6の判断は常にNOとなるので、受信を待つことはない。
【0032】
また、画情報の受信中に画像メモリ24が容量オーバーを起こした場合には次のような動作を行うようにするとよい。
まず、直接受信の場合には両面に印刷すべき2頁分まで画情報を蓄積した状態で容量オーバーが起こった場合には、そのままその2頁を印刷し、終了後に送信元に対して受信確認信号MCFを送信してそこまでの頁を正常に受信したことを通知する。両面に印刷すべき2頁のうち1頁分のみ画情報を蓄積した状態で容量オーバーが起こった場合には、そのままでは印刷を行えず受信確認信号MCFの送信ができないので、片面モードに切り替えて蓄積した頁を印刷する。
【0033】
メモリ受信の場合には、容量オーバーが起こった時点で一旦回線を切断し、その前に正常に受信できた頁までを(第1頁を除いて)両面モードで印刷する。続きが再送されてきた場合には、続きの頁を受信して終了後に両面モードで印刷する。この場合に、続き分の1頁目を片面モードで印刷することはない。
このようにすれば、容量オーバーが起こった場合でもこの発明の効果を最大限に維持することができる。
【0034】
〔第2の実施形態:図6乃至図11〕
次に、この発明の第2の実施形態のファクシミリ装置について説明する。
図6はそのファクシミリ装置における画情報の受信及び受信画像の出力の処理を示すフローチャート、図7は図6の続きの処理を示すフローチャート、図8はそのファクシミリ装置の動作時の操作表示部における表示例を示す図、図9乃至図11はその別の例を示す図である。
【0035】
このファクシミリ装置は、用紙の両面に画像を形成させる旨の設定がされている状態で外部装置からの画情報の送信を受けた場合に図1のフローチャートに示した処理に代えて図6および図7のフローチャートに示した処理を行う点が第1の実施形態のファクシミリ装置と異なるのみであり、基本的な構成等は第1の実施形態のファクシミリ装置と同様であるので、相違点以外の説明は省略するか簡単にする。
このファクシミリ装置は、用紙の両面に画像を形成させる旨の設定がされている状態で外部装置からの画情報の送信を受けると、図6のフローチャートに示す処理を開始する。この処理は、システム制御部11が各部の動作を制御することによって行う。また、以下に説明する動作は直接受信モードの場合の動作である。
【0036】
この図6のフローチャートに示す処理は、図1のフローチャートに示す処理とほぼ同様であり、図1のフローチャートの場合のステップS8及びステップS10での画像メモリ19からの画情報の消去を行わない点が異なるのみである。従って、共通部分についての説明は省略するが、全頁分の印刷を終了してステップS9から図7のステップS11に進む時点では、受信して印刷した全頁分の画情報が画像メモリ19に蓄積されていることになる。
この時点では、第1の実施形態の場合と同様に、受信した画情報の1頁目が片面モードで、2頁目以降が両面モードで印刷出力されている。このとき、ヘッダが偶数ページ、例えば2頁であった場合には、2枚目の用紙には、表側に2頁目のヘッダ、裏側に3頁目の本文が印刷されてしまい、ヘッダと本文が1枚の用紙に混在してしまうことになる。この点に対応する処理が図7のステップS11以降の処理である。
【0037】
図7のステップS11では、画像メモリ19に蓄積した画情報を印刷する印刷待機モードに移行してユーザからの指示を待つ。
この印刷待機モードでは、ユーザは、
(1)印刷しないで画情報のファイルを消去する。
(2)他の操作を行うために印刷待機モードを抜けて送信待機モードに移行する。
(3)選択した1頁のみを片面モードで印刷する。
(4)選択した頁以降を両面モードで印刷する。
のいずれかの動作を選択することができる。
【0038】
ユーザは、ヘッダが奇数頁であって既にヘッダと本文とが分離されている場合や、ヘッダが偶数頁の場合でも特に印刷のやり直しが必要ない場合には(1)を選択すればよい。印刷のやり直しを行う前に文書の送信等の他の処理を行いたい場合には(2)を選択すればよい。
また、ヘッダが偶数頁、例えば2頁である場合に、(3)を選択して3頁目を片面印刷し、既に印刷された4頁目以下の用紙と組み合わせることにより、本文のみを分離してほとんどの頁が両面印刷された状態で得ることができる。あるいは、(4)を選択して3頁目以降を両面印刷することにより、多くの頁を再印刷することになるが、本文のみを分離して両面印刷された見やすく保存しやすい状態で得ることができる。
【0039】
この選択は、図8乃至図11に例示するような、操作表示部21の表示パネルに表示されるメッセージに従って行うことができる。
ここで、この操作と画面表示について説明する。
図8はファイルの消去を行う場合の操作と画面表示の例を示した図である。図8に示す表示画面101は印刷待機モードの初期画面であるが、ここで1を選択すると、ファイル消去モードの表示画面102に移行する。そして、ここで例えばファイルを検索して削除する1を選択すると、表示画面103に移行し、画像メモリ19に蓄積された画情報のファイルが表示される。ここでは、対象のファイルが1つしかない場合の例を示している。
表示画面103の状態で「選択」を選択すると、表示画面104に移行して消去確認を行い、ここで「確認」を選択すると、画像メモリ19に蓄積されたファイル番号2001のファイルの消去が指示されたことになる。
【0040】
次の図9は、送信待機モードへの移行を行う場合の操作と画面表示の例を示した図である。初期画面として表示画面101と同じ表示画面111が表示され、ここで2を選択すると、送信待機モードへの移行が指示されたことになる。そして、後述する処理によって送信待機モードへ移行し、送信待機モードの表示画面112が表示される。
【0041】
図10は、選択した1頁の片面印刷を行う場合の例を示した図である。初期画面として表示画面101と同じ表示画面121が表示され、ここで「次ページ」を選択すると表示画面122に移行し、ここで3を選択すると片面印刷モードの表示画面123に移行する。そして、ここで例えばファイル番号を指定して印刷する2を選択すると、ファイル番号指定画面124に移行する。
ここでファイル番号(ここでは1234)を指定して「OK」を選択すると、印刷ページ指定画面125に移行する。そして、ここで印刷ページを指定してスタートキーを押下すると、画像メモリ19に蓄積されたファイル番号1234のファイルの指定ページの片面印刷が指示されたことになる。
【0042】
図11は、選択した頁以降の両面印刷を行う場合の例を示した図である。表示画面131,132については図10の表示画面121,122と同様である。表示画面132で4を選択すると、両面印刷モードの表示画面133に移行する。そして、ここで例えば受信時刻によって印刷するファイルを指定する場合には、「次ページ」を選択して表示画面134に移行し、3を選択して表示画面135に移行する。
ここで受信時刻(ここでは12:34)を指定して「OK」を選択すると、印刷ページ指定画面136に移行する。そして、ここで印刷ページを指定してスタートキーを押下すると、画像メモリ19に蓄積された受信時刻12時34分のファイルの指定ページ以降の両面印刷が指示されたことになる。
なお、ファイルを選択する際の識別子としては、以上に示したファイル番号,受信時刻の他に、例えば1頁目の画像を用いることができる。
【0043】
図7の説明に戻る。ステップS11で何らかの指示を受けると、ステップS12に進む。
ステップS12では、指示が送信待機モードへの移行であったか否か判断し、そうでなければステップS13へ進む。ステップS13では、指示が指定頁の片面印刷であったかどうか判断し、指定頁の片面印刷であれば、ステップS14に進んで画像形成部14が画像メモリ19に蓄積されている指定されたファイルの指定された頁の画情報に基づいて片面モードで印刷を行う。
そして、そのファイルについての再印刷は完了したものとしてステップS17に進んでそのファイルの画情報を画像メモリ19から消去する。
その後、ステップS21に進んで印刷待機文書があるか否か、すなわち画像メモリ19に蓄積されている画情報のファイルがあるか否か判断し、なければ終了する。あればステップS11に戻って処理を繰り返す。
【0044】
ステップS13で指定頁の片面印刷でなければ、ステップS15に進んで指示が指定頁以降の両面印刷であったかどうか判断する。指定頁以降の両面印刷であれば、ステップS16に進んで画像形成部14が画像メモリ19に蓄積されている指定されたファイルの指定された頁以降の画情報に基づいて両面モードで印刷を行う。その後、ステップS17に進んで上記と同様に処理を続ける。
ステップS15で指定頁以降の両面印刷でなければ、指示はファイルの消去であると判断し、ステップS17に進んで指定されたファイルを消去して上記と同様に処理を続ける。
【0045】
ステップS12で送信待機モードへ移行であった場合には、ステップS18に進んで送信待機モードへ移行する。そして、ステップS19に進んで送信待機モードでの処理を行う。この処理としては、原稿のセットとスタートキーの押下に従って原稿の画情報の送信を行う等が考えられるが、従来の装置と共通であるので説明を省略する。
送信待機モードでの処理が終了すると、ステップS20に進み、所定時間待機しているかどうか判断し、していなければステップS19に戻って処理を繰り返す。待機していれば、ステップS21に進んで印刷待機文書があるか否か、すなわち画像メモリ19に蓄積されている画情報のファイルがあるか否か判断し、なければ終了する。あればステップS11に戻って処理を繰り返す。
なお、終了後はユーザの指示に従って送信待機モードも含めた通常動作を行うが、これについては従来と同様であるのでその説明を省略する。
【0046】
以上の処理により、第1の実施形態のファクシミリ装置の効果に加え、ヘッダが偶数頁であった場合にも、容易な操作によって必要性の薄いヘッダと重要な本文とを別々の用紙に印刷することができる。
なお、ここでは選択した1頁の片面印刷と選択した頁以降の両面印刷が選択可能である例について説明したが、これらの少なくとも一方が選択可能であればこの発明の効果を発揮することができる。
【0047】
また、このファクシミリ装置においては、画像メモリ19に印刷待機文書をいつまでも蓄積したままにしておくと、画像メモリ19の容量を大量に使用することになる。そこで、一定時間内に何らかの操作が行われない場合にファイルを消去したり、メモリ残量が一定量あるいは一定比率以下になった場合に古いファイルから順に消去したりするようにするとよい。一定時間を基準に用いる場合には、装置に備えている画像メモリ19の容量によってその時間を変更するようにするとよい。
【0048】
この実施形態の処理は、画像メモリ19に受信文書の画情報を全て記憶できる程度の容量がなければ正常に行うことができないので、一定以上のメモリ容量が確保されている場合にのみ図6及び図7のフローチャートの処理を行うようにするとよい。この判断は、例えばファクシミリ装置にオプションとして一定の容量のメモリが装着されているか否かによって行うことができる。
なお、ここでは直接受信モードの場合の動作について説明したが、メモリ受信の場合にも同様な動作を行うことができることは、第1の実施形態の場合と同様である。
【0049】
また、画情報の受信中に画像メモリ19が容量オーバーを起こした場合には次のような動作を行うようにするとよい。
すなわち、直接受信の場合には第1の実施形態の場合と同様に蓄積した頁までの印刷を行うと共に、その文書について既に記憶している画情報のファイルを消去し、印刷待機モードへの移行は行わない。
メモリ受信の場合には、容量オーバーが起こった時点で一旦回線を切断し、その前に正常に受信できた頁までを(第1頁を除いて)両面モードで印刷してから印刷待機モードへ移行する。この状態で続きが再送されてきた場合には、画像メモリ19に正常に記憶できる保証がないので、直接受信の片面モードに切り換えて印刷を行う。
このようにすれば、容量オーバーが起こった場合でもこの発明の効果を最大限に維持することができる。
【0050】
〔第3の実施形態:図12乃至図17〕
次に、この発明の第3の実施形態のファクシミリ装置について説明する。
図12はそのファクシミリ装置における画情報の受信及び受信画像の出力の処理を示すフローチャート、図13は図12の続きの処理を示すフローチャート、図14はそのファクシミリ装置の動作時の操作表示部における表示例を示す図、図15乃至図17はその別の例を示す図である。
【0051】
このファクシミリ装置は、用紙の両面に画像を形成させる旨の設定がされている状態で外部装置からの画情報の送信を受けた場合に図1のフローチャートに示した処理に代えて図12および図13のフローチャートに示した処理を行う点が第1の実施形態のファクシミリ装置と異なるのみであり、基本的な構成等は第1の実施形態のファクシミリ装置と同様であるので、相違点以外の説明は省略するか簡単にする。
このファクシミリ装置は、用紙の両面に画像を形成させる旨の設定がされている状態で外部装置からの画情報の送信を受けると、図12のフローチャートに示す処理を開始する。この処理は、システム制御部11が各部の動作を制御することによって行う。また、以下に説明する動作は直接受信モードの場合の動作である。
【0052】
まず、ステップS31で1頁目の画情報の受信が終了するまで待機する。そして、ステップS32で次の頁があるかどうか、すなわち一連の画情報として次の頁を受信しているかどうか判断し、受信していなければ、ステップS37に進んで受信した1頁目の画情報に基づいて画像形成部14が片面モードで印刷を行う。そして、この場合には受信した画情報は1頁分のみであって、他の印刷方法は考えられないため、ステップS38に進んでその画情報を画像メモリ19から消去して終了する。
【0053】
ステップS32で受信していれば、ステップS33に進んで2頁目の画情報の受信終了まで待機する。そして、ステップS34に進んで受信した2頁の画情報に基づいて画像形成部14が両面モードで印刷を行う。
そして、ステップS35に進んで次の頁があるかどうか判断し、あれば、ステップS36に進んで以降の全頁の画情報をメモリ受信して画像メモリ19に蓄積し、図13のステップS39に進む。ステップS35でなければ、そのまま図13のステップS39に進む。
なお、ステップS31乃至ステップS36では画情報の消去は行わないので、ステップS39に進んだ段階では受信した文書の全頁分の画情報が画像メモリ19に蓄積されていることになる。
このステップS39では、画像メモリ19に蓄積した画情報を印刷する印刷待機モードに移行してユーザからの指示を待つ。
【0054】
ここで、ステップS39に進んだ段階では、ファクシミリ装置の排紙部には、受信した文書の初めの2頁のみが1枚の用紙の両面に印刷された状態で排紙されている。ユーザは、この用紙を見てヘッダは1頁であるか、2頁であるか、それより多いかを判断することができるので、ファクシミリ装置に適切に指示を与えて残りの文書を好ましい印刷形式で出力させることができる。
印刷待機モードでは、ユーザは、動作パターンとして、
(1)次の2頁を印刷する。
(2)次の頁から全頁を両面モードで印刷する。
(3)1頁前から全頁を両面モードで印刷する。
(4)2頁前を片面モードで印刷してその次の頁から全頁を両面モードで印刷する。
(5)他の操作を行うために印刷待機モードを抜けて送信待機モードに移行する。
のいずれかの動作パターンを選択することができる。
ここで、「次の」頁とは、その時点までに印刷を行った最後の頁の次の頁、1頁前、2頁前とは、この「次の頁」の1頁前、2頁前を指すものとする。
【0055】
ユーザは、初めの2頁だけではどこまでがヘッダか判断できない場合には、(1)を選択して次の2頁を出力させるとよい。また、ヘッダが2頁(偶数頁)であることがわかった場合には、(2)を選択することにより、本文のみを両面印刷された状態で得ることができる。
ヘッダが1頁(奇数頁)であることがわかった場合には、(3)を選択することにより、本文のみを両面印刷された状態で得ることができる。ただし、この場合にはヘッダの最終頁の裏面には本文の1頁目が印刷されていることになるので、ヘッダについても単独で両面印刷された状態で欲しい場合には、(4)を選択すればよい。(5)については、第2の実施形態の場合の(2)と同様である。
【0056】
この選択は、図14乃至図17に例示するような、操作表示部21の表示パネルに表示されるメッセージに従って行うことができる。
ここで、この操作と画面表示について説明する。
図14は次の2頁の印刷を行う場合の操作と画面表示の例を示した図である。図14に示す表示画面141はこのファクシミリ装置における印刷待機モードの初期画面であるが、ここで1を選択すると、2頁印刷モードの表示画面142に移行する。そして、ここで例えばファイルを検索して印刷する1を選択すると、表示画面143に移行し、画像メモリ19に蓄積された画情報のファイルが表示される。ここでは、対象のファイルが1つしかない場合の例を示している。
表示画面143の状態で「選択」を選択すると、表示画面144に移行して印刷確認を行い、ここでスタートキーを押下すると、画像メモリ19に蓄積されたファイル番号2001のファイルの次の2頁の印刷が指示されたことになる。
【0057】
次の図15は、次の頁からの両面印刷行う場合の操作と画面表示の例を示した図である。初期画面として表示画面141と同じ表示画面151が表示され、ここで2を選択すると、次頁からの両面印刷モードの表示画面152に移行する。そして、図14の場合あるいは第2の実施形態で図8乃至図11を用いて説明した場合と同様に印刷するファイルを選択すると、表示画面154に移行して印刷確認を行い、ここでスタートキーを押下すると、画像メモリ19に蓄積されたファイル番号2001のファイルの次の頁からの両面印刷が指示されたことになる。
【0058】
図16は、1頁前からの両面印刷を行う場合の例を示した図、図17は2頁前を片面印刷してその次の頁から両面印刷する場合の例を示した図である。これらの場合も、上述した場合と同様にユーザが印刷モードとファイルを選択してスタートキーを押下すると、選択した印刷モードでの選択したファイルの印刷が指示されたことになる。
送信待機モードへの移行の場合については図示していないが、同様にユーザが移行を選択すると、その指示がなされたことになる。
【0059】
図13の説明に戻る。ステップS39で何らかの指示を受けると、ステップS40に進む。
ステップS40では、指示が送信待機モードへの移行であったか否か判断し、そうでなければステップS41へ進む。ステップS41では、指示が次の2頁の印刷であったかどうか判断し、次の2頁の印刷であれば、ステップS42に進んで画像形成部14が画像メモリ19に蓄積されている指定されたファイルの次の2頁の画情報に基づいて両面モードで印刷を行う。そして、ステップS43に進んで再度ユーザからの指示を待ち、指示があるとステップS40に戻って処理を繰り返す。
【0060】
ステップS41で次の2頁の印刷でなければ、その他の(2)〜(4)の印刷の指示があったことになるので、ステップS44に進んで画像形成部14が画像メモリ19に蓄積されている指定されたファイルの画情報に基づいて指示された印刷を行う。そして、これらの印刷を行った場合には対象の受信文書(ファイル)の全ての頁が印刷されることになるため、その文書についての処理は終了したものとして、ステップS45に進んでその文書の画情報を画像メモリ19から消去する。
その後、ステップS49に進んで印刷待機文書があるか否か、すなわち画像メモリ19に蓄積されている画情報のファイルがあるか否か判断し、なければ終了する。あればステップS39に戻って処理を繰り返す。
終了後に通常動作を行うことは、第2の実施形態の場合と同様である。
【0061】
ステップS40で送信待機モードへの移行が指示されていた場合には、ステップS46乃至ステップS49の処理を行うが、これらの処理は第2の実施形態で図7を用いて説明したステップS18乃至ステップS21の処理と同様であるので、説明を省略する。
以上の処理により、このファクシミリ装置においては、受信した画像を用紙の両面に形成する場合でも、必要性の薄いヘッダと重要な本文とを別々の用紙に印刷することができる。簡単な操作でこのような印刷を行うことができること及び、広範な受信文書に対応することができることは、第1の実施形態の場合と同様である。
【0062】
さらに、受信した一連の画情報の初めの2頁のみを両面モードで印刷させ、その初めの2頁の印刷後に、所定の動作パターンから選択した動作パターンに従って一連の画情報を印刷させるようにしたことにより、ヘッダの頁数に関わらず本文との分離が可能であり、その際に印刷条件設定のために無駄になる用紙は最大で1枚であるので、両面印刷による省資源化の効用を有効に発揮させることができる。
ここで、このファクシミリ装置においても、第2の実施形態の場合と同様に、一定時間内に何らかの操作が行われない場合にファイルを消去したり、メモリ残量が一定以下になった場合に古いファイルから順に消去したりするようにするとよい。
【0063】
さらに、ここでは全頁の印刷終了後に画情報を消去する例について説明したが、ユーザの指示を待って消去を行うようにしてもよい。また、印刷待機モードで選択可能な動作について、(4)2頁前を片面モードで印刷してその次の頁から全頁を両面モードで印刷する、に代えて、(4′)2頁前を片面モードで印刷する、としてもよい。この場合には、この印刷の実行後画情報を削除せずに再度指示を待ち、(2)次の頁から全頁を両面モードで印刷する、の動作を行うことにより、(4)の場合と同一の出力結果を得ることができる。
また、1頁前、2頁前等の頁設定に代えて、頁番号を直接指定して印刷を行うことができるようにしてもよい。
【0064】
この実施形態の処理も、画像メモリ19に受信文書の画情報を全て記憶できる程度の容量がなければ正常に行うことができないので、第2の実施形態の場合と同様に、一定以上のメモリ容量が確保されている場合にのみ図12及び図13のフローチャートの処理を行うようにするとよい。
なお、ここでは直接受信モードの場合の動作について説明したが、メモリ受信の場合にも、同様な動作を行うことができることは第1の実施形態の場合と同様である。
【0065】
また、画情報の受信中に画像メモリ19が容量オーバーを起こした場合には次のような動作を行うようにするとよい。
メモリ受信の場合には、容量オーバーが起こった時点で一旦回線を切断し、初めの2頁を両面モードで印刷して印刷待機モードへ移行する。この状態で続きが再送されてきた場合には、画像メモリ19に正常に記憶できる保証がないので、直接受信の片面モードに切り換えて印刷を行う。
直接受信の場合も、3頁目以降はメモリ受信に切り替わってしまうので上記の場合と同様である。2頁目までに容量オーバーが起こった場合には、片面モードに切り換えて印刷を行う。
このようにすれば、容量オーバーが起こった場合でもこの発明の効果を最大限に維持することができる。
なお、ここではこの発明をファクシミリ装置に適用した例について説明したが、画像形成手段を有する他の通信装置にも適用可能であることは言うまでもない。
【0066】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明の通信装置によれば、受信した画像を用紙の両面に形成する場合でも、必要性の薄い部分と重要な部分とを分離して別々の用紙に印刷することができる。そして、簡単な操作でこのような印刷を行うことができ、また、上記の動作を行うためには受信する画情報に特別なデータが付加されている必要はないので、送信側の装置によらず行うことができるため、広範な受信文書に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態のファクシミリ装置における画情報の受信及び受信画像の出力の処理を示すフローチャートである。
【図2】そのファクシミリ装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】そのファクシミリ装置が直接受信モードで画情報の受信を行った場合のデータの流れを示す図である。
【図4】同じくメモリ受信モードで画情報の受信を行った場合のデータの流れを示す図である。
【図5】そのファクシミリ装置の画像形成部の概略構成を示す図である。
【図6】この発明の第2の実施形態のファクシミリ装置における画情報の受信及び受信画像の出力の処理を示すフローチャートである。
【図7】図6の続きの処理を示すフローチャートである。
【図8】そのファクシミリ装置の動作時の操作表示部における表示例を示す図である。
【図9】その別の例を示す図である。
【図10】そのさらに別の例を示す図である。
【図11】そのさらに別の例を示す図である。
【図12】この発明の第3の実施形態のファクシミリ装置における画情報の受信及び受信画像の出力の処理を示すフローチャートである。
【図13】図12の続きの処理を示すフローチャートである。
【図14】そのファクシミリ装置の動作時の操作表示部における表示例を示す図である。
【図15】その別の例を示す図である。
【図16】そのさらに別の例を示す図である。
【図17】そのさらに別の例を示す図である。
【符号の説明】
11:システム制御部 12:システムメモリ
13:画像読取部 14:画像形成部
15:ROM 16:書込可能不揮発メモリ
17:網制御部 18:G3FAXモデム
19:画像メモリ 20:符号化復号化部
21:操作表示部 22:システムバス
23:ECMバッファ 24:ページメモリ
31:感光体ドラム 32:転写ローラ
33:定着ローラ 34:分岐センサ
35:排紙ローラ 36:排紙センサ
37:搬送ローラ 38:レジストセンサ
39:レジストローラ 40:搬送ベルト
Claims (4)
- 外部装置と通信回線を介して情報の授受を行う通信手段と、該通信手段によって受信した画情報に基づいて用紙に画像を形成する画像形成手段とを有する通信装置であって、
前記用紙の両面に画像を形成させる旨の設定がされている場合に前記画像形成手段に、前記通信手段によって受信した一連の画情報の1頁目を用紙の片面のみに画像を形成する片面モードで、2頁目以降を用紙の両面に画像を形成する両面モードで画像形成させる手段と、
前記通信手段によって受信した画情報を記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶した画情報から任意の頁の画情報を選択してその画情報に基づいて画像形成手段に画像形成させる手段とを設けたことを特徴とする通信装置。 - 請求項1記載の通信装置であって、
前記一連の画情報の画像形成終了後に任意の頁を選択して前記記憶手段に記憶した画情報に基づいてその選択した頁以降の頁を前記両面モードで画像形成手段に画像形成させる手段とを有することを特徴とする通信装置。 - 外部装置と通信回線を介して情報の授受を行う通信手段と、該通信手段によって受信した画情報に基づいて用紙に画像を形成する画像形成手段とを有する通信装置であって、
前記通信手段によって受信した画情報を記憶する記憶手段と、
前記用紙の両面に画像を形成させる旨の設定がされている場合に前記画像形成手段に、前記通信手段によって受信した一連の画情報の初めの2頁のみを用紙の両面に画像を形成する両面モードで画像形成させる手段と、
該初めの2頁の画像形成後に、所定の動作パターンから選択した動作パターンに従って前記一連の画情報に基づいて前記画像形成手段に前記片面モードあるいは前記両面モードで画像形成させる手段とを設けたことを特徴とする通信装置。 - 請求項3記載の通信装置であって、
前記所定の動作パターンは、少なくとも
(イ)次の2頁を画像形成する
(ロ)次の頁から全頁を前記両面モードで画像形成する
(ハ)1頁前から全頁を前記両面モードで画像形成する
(ニ)2頁前を用紙の片面に画像を形成する片面モードで画像形成してその次の頁から全頁を前記両面モードで画像形成する
の各動作パターンを含むことを特徴とする通信装置。
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