JP3684870B2 - インクジェット記録ヘッドおよびそれを備えたインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびそれを備えたインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、被印字面にインクドロップなどの液滴を吐出して印字を行うインクジェット記録ヘッド、およびそれを備えたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被印字面に液滴、特にインクドロップを吐出して印字を行うインクジェット記録方式の代表的なものとして、ノズルを用いる方式があり、そのノズルを用いる記録方式には、従来、オンデマンド型と連続流型とがある。オンデマンド型は、記録情報に対応してノズルから間欠的にインクを吐出させて印字を行う方式で、代表的なものとして、圧電素子方式とサーマル方式とがある。圧電素子方式は、インク室に付設した圧電素子にパルス電圧を印加して圧電素子を変形させることにより、インク室内のインク液圧を変化させ、ノズルからインクドロップを吐出させて、記録紙上にドットを記録するものである。サーマル方式は、インク室内に設けた加熱素子によりインクを加熱し、これにより発生したバブルによりノズルからインクドロップを吐出させて、記録紙上にドットを記録するものである。一方、連続流型は、インクに圧力を加えてノズルから連続的にインクを吐出させると同時に、ピエゾ振動子などにより振動を加えて突出インク柱を液滴化し、さらに液滴に対して選択的に帯電、偏向を行うことによって、記録を行うものである。
【0003】
これらのインクジェット記録装置においては、非動作時のインクの乾燥、増粘に起因するノズルの目詰まりを防止することが大きな課題である。この課題を解決するために種々のインク材料が開発されているが、インク溶媒の蒸発を低減することは依然として困難である。市販のインクジェット記録装置では、非印字時、長期休止時には、樹脂製のキャッピング手段などにより、ノズルと外気とを遮蔽してインクの乾燥を遅延させようとしている。しかし、このキャッピング手段によってノズル内の気密状態をより効果的に高めるためには、複雑な手順と装置が必要となる。また、キャッピング手段では、ノズル内部を空気から完全に遮蔽することができず、保存中に、ノズル内部のインクの乾燥、増粘が徐々に進行し、ノズルの目詰まりが発生してしまうことがある。このように、実際には、市販されているインクジェット記録装置では、長期休止によるノズルの目詰まりを回復するために、様々なメンテナンス動作が必要となっている。
【0004】
長期休止後の目詰まりに起因する問題を回避する手段としては、特開昭49−115548号公報や、特開昭52−104130号公報、および特開昭63−242644号公報等に提案されている手段がある。しかし、特開昭49−115548号公報の提案では、インク吐出時にシール液体を開くための開閉器が必要であり、また前記開閉器を取り付けるためのスペースが必要となり、装置が複雑になりコストがかかるという問題がある。特開昭63−242644号公報の提案では、シール液体保持のために磁力による保持器が必要なので、同様にスペースやコストの点で問題がある。また、特開昭52−104130号公報の提案では、これらの開閉器や保持器は必要ないが、複数のインク吐出口が高密度化、小型化のために近接に配置されている場合、インク吐出の際にシール液体が流動を起こし、その流動は最近接のインク吐出口前面のシール液体にも及ぶため、最近接のインク吐出口からのインク吐出が安定せず、印字画像品質が低下するという根本的な問題を有していることが判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
シール液体による密封方式を採用している従来のインクジェット記録ヘッドの構成を図2に示す。(a)はインクが吐出していない状態を、(b)はインクが吐出した状態を各々模式的に示したものである。(b)に示すように、インク吐出時にシール液体は流動し変形するが、吐出の影響を受けるのは、インクが吐出した吐出口をシールしているシール液体のみならず、そのインク吐出口の最近接に位置するインク吐出口をシールしているシール液体にまで及ぶことが、観察の結果判明した。印字を行った結果を解析すると、互いに最近接に位置するインク吐出口からインクを同時に吐出させる場合は、最近接のインク吐出口からインクを吐出させない場合に比べて、インク滴の記録紙への着弾位置ずれが大きくなったり、インク滴の径のばらつきが大きくなったりする、いわゆるクロストークの問題があることが判明した。最近接のインク吐出口から、同時にインク吐出を行わないように制御して、印字画像の品質低下の問題点を回避することもできるが、このような方法をとると、印字速度を著しく低下させなければならない。このように、従来のシール液体による密封方式の記録ヘッドは、印字品質の向上と印字速度の高速化を同時に達成するのは困難であるという課題を有する。
【0006】
本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであって、インク吐出口の目詰まりを防止すると共に、高速印字の際にも、高い吐出安定性を維持し、高画質な印字画像を記録し得るインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。また、インク吐出口の目詰まりに伴うメンテナンスの頻度を低減して、あるいはメンテナンスを要さずに長期使用可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録ヘッドは、前記課題を解決するため、複数のインク吐出口と、前記インク吐出口をシールするシール液体と、画像信号に応じて前記複数のインク吐出口からインクを吐出するインク吐出手段と、前記複数のインク吐出口のうち相互に最近接に位置するインク吐出口をシールしているシール液体が、互いに分離するように前記シール液体を隔絶するシール液体隔絶手段とを有する構成とした。
【0008】
本発明のインクジェット記録ヘッドは、シール液体隔絶手段を有するので、インク吐出口からのインク吐出によりシール液体が流動しても、最近接に位置するインク吐出口をシールしているシール液体がその流動の影響を受けず、最近接に位置するインク吐出口からのインク吐出を同時に行うことができる。その結果、高速印字を行っても、クロストークの影響なく、インクの吐出安定性は高く維持される。
【0009】
シール液体隔絶手段の態様としては、シール液体に対するぬれ性の差を利用した態様や、インク吐出口が設けられた面上に形成された凸部または凹部を利用する態様や、同面上に形成された段差、即ち、同面に対して下方または上方に位置する面を利用する態様がある。
【0010】
また、本発明は、前記インクジェット記録ヘッドを備えているインクジェット記録装置である。本発明のインクジェット記録装置は、シール液体を備えているので、インク吐出口の目詰まりに伴うメンテナンス回数を低減しても、あるいはメンテナンスを行わなくても、長期的に使用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のインクジェット記録ヘッド(以下、単に「ヘッド」という場合がある。)13の基本的な構成例を図1の(a)〜(c)に示す。図1(a)はインク吐出面の正面図であり、(b)、(c)は(a)中の、A−A’で切断した断面図である。(b)はインクが吐出していない状態を、(c)はインクが吐出している状態を各々模式的に示している。
インクジェット記録ヘッド本体13 には、複数のインク吐出口2がインク吐出面1に設けられている。インク吐出口2はインク流路3を介してヘッド本体13の下部に設けられているインク室14に通じている。インク室14およびインク流路3には、例えば毛管力や圧力差によって生じる作用により、インク供給手段(不図示)からインクが供給され、インクで充填されている。
【0012】
インク吐出口2は、インク吐出状態にない場合(図1の(b))は、シール液体4によりシールされているので、インク吐出口2に露出しているインクは空気と接触していない。インク流路3の側面部に設けられているインク吐出手段15は、画像信号に応じて、インク流路3に充填されているインクに圧力等を加えインク吐出口2からインク滴7を吐出させる(図1の(c))。この際、シール液体4のインク吐出口2へのシールは解かれ、シール液体は流動する。シール液体4aは、インク吐出口2aとインク吐出口2bとの間に設けられているシール液体隔絶手段5により、最近接に位置するインク吐出口2をシールするシール液体4bからは隔絶されていて、シール液体4aの流動はシール液体4bに影響を与えないようになっている。
【0013】
図1(a)のインク吐出口の数および配置は、単なる例示であって、特にこれに限定されるものではない。また、インク吐出口の直径も、一般的には、5μm〜100μmの範囲であるが、特にこれに限定されるものではない。インク吐出口間の間隔が短くなる程、ヘッドを小型化ができるので好ましい。インク吐出口は、最近接に位置するインク吐出口との間隔が10μm〜500μmの範囲となるように配置されるのが好ましい。
尚、図1(b)および(c)には、説明の便宜上、インク吐出口2が上部に配置された図を示しているが、インク吐出方向、即ち、記録ヘッド13の配置方向は所望により適宜選択することができ、一般的にはインク滴は重力方向(下方)に向けて吐出される。
【0014】
本発明に使用可能なインク吐出手段には、従来技術によるインクジェット記録ヘッドで用いられているインク吐出手段、例えばサーマルインクジェット方式、圧電素子方式等のインク吐出手段を広く利用することができる。サーマルインクジェット方式では、インク吐出手段として加熱機能を有するものを使用し、画像信号に応じてインク室あるいはインク室に通じるインク流路内のインクを加熱し、インク内に含まれる揮発成分を瞬時に蒸発させて気泡を発生させ、その体積変化に伴う圧力でインクを吐出する。圧電素子方式では、インク吐出手段として圧電素子を備えているものを使用し、インク室を構成する壁面あるいはインク室に通じるインク流路の壁面に圧電素子の変形を伝搬可能な部材を用い、この圧電素子に画像信号に応じて電界を印加して生じる圧電素子の歪みによってインク流路の壁面部材等を変形させ、その結果生じる圧力波によりインクに圧力を作用させて吐出する。
尚、図1(b)および(c)中、インク吐出手段15は、インク流路3の側面部に配置されているが、これに限定されず、例えば、インク流路3内(壁面の一部等)やインク室14内(底面の一部等)に配置されていてもよい。
【0015】
本発明において使用可能なシール液体は、インク吐出口をシールし、インク吐出口に露出しているインクを空気から遮蔽する機能を有する。このような機能を維持するシール液体は、少なくともインクに不溶な成分を含み、インクと相溶せず、かつ、インクとは自発的に乳化しないものである。シール液体とインクが、非相溶性であるためには、具体的には、シール液体のインクに対する溶解度が、常温(25℃)で0.1重量%以下であるのが好ましい。さらに、シール液体が常温で不揮発性であると、ヘッドの休止中に蒸発せず、シール液体による吐出口のシール状態に変化が生じないので好ましい。尚、常温で不揮発性とは、具体的には蒸気圧が25℃で0.1mmHg以下であることをいう。
【0016】
本発明に好適に利用できるシール液体の動粘度は、1〜100mm2 /sの範囲であり、吐出のための抵抗を小さくするために50mm2 /s以下であることが望ましい。また、本発明において好適に利用できるシール液体の表面張力は15〜70mN/mの範囲であり、インク吐出口に露出しているインクの表面にぬれ進むためには、50mN/m以下であることが望ましく、さらに、使用するインクの表面張力より小さいことが望ましい。元々これらの性質に適した液体を使用することもできるし、複数の材料を混合して粘度や表面張力を好ましい範囲に調整して使用してもよい。
【0017】
例えば、水性のインクを用いる場合のシール液体としては、常温で液体の有機溶媒やオイル類を用いることができる。例えば、オクタン、ノナン、テトラデカン、ドデカンなどの炭化水素、オレイン酸、リノール酸などの高級脂肪酸、n−デカノール、ジメチルブタノールなどの非水溶性のアルコール類、フタル酸ジブチル、マレイン酸ジブチルなどの可塑剤を用いることができる。あるいは植物油、鉱物油、シリコーンオイル、フッ素オイルなどを用いることもできる。これらは、単独で用いても、あるいは混合して用いてもよい。
【0018】
本発明のインクジェット記録ヘッドでは、シール液体を、図1(a)に示すように配置し、インク吐出口2に露出しているインクが外部の空気に接触しないようにする。その結果、インク中の水分等が蒸発することがなく、インク吐出口の目詰まり等のトラブルが発生しない。シール液体は、印字開始前に予めスポイトや管からの注液や、刷毛、布、ブレードによる塗布などの方法によりインク吐出面に供給することができる。また、インク吐出面の近傍に管や多孔質部材を配置し、毛管力、表面張力、または圧力差等によって、シール液体をインク吐出面に継続的に供給する機構を備えていてもよい。これらの方法によりインク吐出面に供給されたシール液体は、インク吐出面上にシール液体の膜を形成する。シール液体は、インク吐出口に露出しているインクに接触するが、インクと相溶せず、インクの上をぬれ広がり、インク表面にもシール液体の膜が形成される。インク吐出面上のシール液体の膜厚は、インクの表面張力や粘度、吐出手段、ノズル径、目詰まり防止のための保存期間などによって適宜選択できるが、目詰まりに対するシール性能と吐出抵抗を考え合わせると、1μm以上、100μm以下であることが好ましい。シール液体の膜厚は、例えば、シール液体の供給量や、記録ヘッド周縁部等をシール液体の保持量を規制する形状にすることによって調整することができる。
【0019】
シール液体隔絶手段は、最近接に位置するインク吐出口をシールしているシール液体が、相互に影響を及ぼし合って流動するのを妨げるエネルギー障壁を形成するものであるのが好ましい。このシール液体隔絶手段を設けることによって、最近接に位置するインク吐出口からインクが吐出しても、インク滴の着弾ずれやインク滴の径のばらつき等の、いわゆるクロストークの問題は起こらなくなる。具体的には、シール液体隔絶手段は、シール液体がその場を動かないように保持するものであったり、シール液体が流動する領域を一部の領域に限定する壁等であり、例えば、インク吐出面上のシール液体に対するぬれ性の違いや、インク吐出面の形状等を利用して前記機能を達成するものである。
【0020】
例えば、図1において、シール液体隔絶手段5の表面は、シール液体に対するぬれ性が、インク吐出面1と比較して相対的に低くなっている。その結果、シール液体4aは、シール液体隔絶手段5によってはじかれる。従って、インク吐出時に生じるシール液体4aの流動による広がりは、シール液体隔絶手段5により制止させられ、シール液体4aは、最近接に位置するインク吐出口をシールしているシール液体4bと接触せず、シール液体4bに影響を与えない。
【0021】
このように表面が、インク吐出面よりも低いシール液体に対するぬれ性を有するシール液体隔絶手段を設けるためには、例えば、インク吐出面の所望の位置に、シール液体に対しぬれ性の低い性質の材料(以下、「撥シール液体材料」という。また、シール液体に対してぬれ性の低い性質を「撥シール液体性」という。)を塗布したり、被覆したりすればよい。このように処理することにより、インク吐出面には、シール液体に対するぬれ性に高低差を持ったパターンが形成される。
【0022】
撥シール液体性として要求される性質は、使用するシール液体や、インク吐出口が設けられているインク吐出面の材質によって異なるが、少なくとも、撥シール液体性の領域(シール液体隔絶手段の表面)におけるシール液体の接触角は、インク吐出口の周囲におけるシール液体の接触角よりも大きいことが必要である。好ましくは10°以上、より好ましくは20°以上大きい接触角となるような撥シール液体性をシール液体隔絶手段の表面に持たせるのが好ましい。また、シール液体に対するぬれ性が相対的に高い領域におけるシール液体の接触角が、0°以上90°以下であるのが好ましい。接触角が前記範囲であると、ぬれによってシール液体を保持する力が高まり、外力等が作用しても、この領域からシール液体がずれるのを効果的に防止し、シール液体隔絶効果を維持できるのでより好ましい。
【0023】
撥シール液体性の材料としてはフッ素樹脂系の材料が知られており、以下に挙げるものを適宜選択することができる。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、具体的には「ポリフロンTFE 」(ダイキン工業社製)や「Teflon TFE」(Du Pont 社製)等;テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA) 、具体的には「ネオフロンPFA 」(ダイキン工業社製)や「Teflon PFA」(Du Pont 社製)等;テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP) 、具体的には「ネオフロンFEP 」(ダイキン工業社製)や「Teflon FEP」(Du Pont 社製)等;、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE) 、具体的には「ネオフロンEPA 」(ダイキン工業社製)や「テフロンEPE 」(三井デュポンフロロケミカル社製)等;テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、具体的には「アフロンCOP 」(旭硝子社製)や「Tefzel」(Du Pont 社製)等;ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE) 、具体的には「ネオフロンCTFE」(ダイキン工業社製)や「Kel-F 」(3M社製)等;クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE )、具体的には「Halar 」(Ausimont N.V. 製)等;ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、具体的には「KFポリマー」(呉羽化学工業社製)等;ポリビニルフルオライド(PVF) 、具体的には「Tedlar」(Du Pont 社製)等が使用可能である。また、主鎖に環状構造を有するパーフルオロフッ素樹脂、具体的には「サイトップ」(旭硝子社製)や「Teflon AF 」(Du Pont 社製)等も使用可能である。さらには、フッ素原子を含有する樹脂であればよく、例えば、フッ素化エポキシ樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、フッ素化ポリアミド樹脂、フッ素化アクリル樹脂、フッ素化ポリウレタン樹脂、フッ素化シロキサン樹脂およびそれらの変性樹脂を用いてもよい。
【0024】
これら撥シール液体材料を、例えば、スピンコートやディップコート、ポッティング、スプレーなどの一般的な塗布方法によってインク吐出面に塗布し、その後、熱硬化させることにより、撥シール液体性の領域を形成することができる。また、フッ素原子を含有する樹脂を主成分とした感光性樹脂材料を塗布し、フォトリソグラフィーの手法を用いて、撥シール液体性の領域を形成してもよい。さらに、スクリーン印刷の手法などを用いて、撥シール液体性の領域を形成してもよい。
【0025】
ぬれによるシール液体の保持力を高めるために、インク吐出口の周囲に用いる、シール液体に対するぬれ性の高い材料としては、例えば、Al、Cu、Fe等の各種金属、各種金属の化合物、SiO2 、シリカ、マシナブルセラミックス等の無機化合物、およびポリイミド、ポリアミド等の各種樹脂プレート等が好ましい。さらに、これらの材質表面をプラズマエッチングやブラスト処理等の物理的な表面処理や、アルカリ、酸を用いた化学的表面処理等によって粗面化することによりぬれ性を高めるとより好ましい。
【0026】
シール液体隔絶手段の他の態様を図3の(a)〜(d)に示す。図3の(a)〜(d)は、それぞれ図1(a)の上面図に示したB−B’およびC−C’での断面図である。
図3(a)は、インク吐出面1のインク吐出口2の周囲101のみをシール液体に対してぬれ性が高い性質(以下、「親シール液体性」という。)を有するように処理したものである。この場合、インク吐出面の未処理領域がシール液体隔絶手段となる。シール液体隔絶手段の表面は処理領域よりもシール液体に対するぬれ性が相対的に低くなり、結果として撥シール液体性を有する。親シール液体性として必要な性質は使用するシール液体の性質によって異なるが、少なくとも、親シール液体性の領域におけるシール液体の接触角は、未処理領域(シール液体隔絶手段の表面)におけるシール液体の接触角よりも小さいことが必要である。好ましくは10°以上、より好ましくは20°以上小さい接触角となるような親シール液体性をインク吐出口の周囲に持たせるのが好ましい。
【0027】
インク吐出面を部分的に、親シール液体性化させる方法としては、各種シール液体にぬれやすい材料をインク吐出面に接着させる方法や、蒸着させる方法(親シール液体材料が各種金属の場合)等が用いられる。また、化学的処理や物理的処理による表面改質処理を行ってもよい。具体的には、インク吐出口の周囲の表面をプラズマエッチングやブラスト処理により物理的に粗面化したり、アルカリや酸洗浄処理により化学的に粗面化する等の方法が挙げられる。また、インク吐出口の周囲に、シール液体と親和性を有する官能基を持つ物質を結合する方法や、界面活性剤を吸着させる方法等も利用出来る。
【0028】
また、インク吐出面の材料として撥シール液体材料を用い、少なくとも最近接に位置するインク吐出口との間には撥シール液体材料を残し、残りの領域は前記処理を施し、親シール液体性とすることによって、シール液体保持領域を形成してもよい。この際に用いられる撥シール液体材料は、前記と同様である。親シール液体性の領域は、前述と同様な方法で形成できるが、撥シール液体性を有するインク吐出面は、表面エネルギーが低く、接着性が低い場合があるので、化学的処理や物理的処理による表面改質処理により形成するのが好ましい。具体的には、前記と同様に、インク吐出口の周囲の表面をプラズマエッチングやブラスト処理により物理的に粗面化したり、アルカリや酸洗浄処理により化学的に粗面化する等の方法が挙げられる。また、インク吐出口の周囲にシール液体と親和性を有する官能基を持つ物質を結合する方法や、界面活性剤を吸着させる方法等も利用出来る。
【0029】
図3(b)(c)は、シール液体隔絶手段が、インク吐出面上に設けられた形状を利用して、シール液体を隔絶する態様を示している。インク吐出面1上には、凸部103が設けられていて、シール液体4が、最近接に位置するインク吐出口の方へ流動するのを妨げている。一方、図3(c)は、インク吐出面1上のインク吐出口2の周囲のみに凹部104を加工して形成したものであり、(b)と同様に、シール液体4が最近接に位置するインク吐出口の方に流動するのを妨げている。前記凸部および凹部は、少なくとも、最近接に位置するインク吐出口をシールしている液体を隔てるようにインク吐出口の周囲に配置されていればよい。尚、凸部の高さ、および凹部の深さは、シール液体の液膜の厚さに応じて適宜決定すればよい。また、図3(b)および(c)の凸部および凹部の壁面を、シール液体に対するぬれ性の高い材料を用いて形成してもよく、その場合は、図3(b’)、(b’’)および(c’)に示すような状態で、シール液体は保持される。
【0030】
図3(d)は、シール液体隔絶手段がインク吐出面上に設けられた台座部である態様を示す。シール液体は、その表面張力によりインク吐出面上に設けられている台座部105上に保持される。台座部105はシール液体を保持しやすいようにその端部が角を持っているのが好ましい。その角度は、90°以下の鋭角でるのがより好ましい。台座部の高さは、シール液体の液膜の厚さに応じて適宜決定すればよい。図3(e)は、シール液体隔絶手段が、インク吐出面上に設けられた溝106である態様を示す。このように、インク吐出面上に設けられた溝によっても、シール液体を隔絶することができる。
尚、図3(a)〜(e)の態様を組み合わせて、シール液体隔絶手段を構成してもよい。
【0031】
インク吐出面上の凸部、凹部、および台座等の形状は、インク吐出面を加工することによって形成することができる。インク吐出面は、加工可能な材料であれば特に材質は問わないが、加工しやすい材料としては、Al、Cu、Fe等の各種金属、各種金属の化合物、SiO2 、シリカ、マシナブルセラミックス等の無機化合物、およびポリイミド、ポリアミド等の各種樹脂プレート等が好ましい。凸部、凹部等の加工は各種エッチングや、レーザー加工および機械的加工等により形成することができる。加工条件は、インク吐出面の材質および加工精度、加工コスト等を鑑みて最適な組み合わせを選択すればよい。
【0032】
シール液体隔絶手段の設置パターンは、図1および図3の態様に限定されず、単にシール液体が各インク吐出口の上部に円形配置されるようなパターンだけでなく、さまざまなパターン配置とすることができる。図4(a)および(b)に、シール液体隔絶手段の他の配置パターンをシール液体の配置パターンとともに示す。例えば、(a)のように、シール液体配置パターンが矩形状のパターンとなるように、シール液体隔絶手段を配置してもよい。また、(b)に示すようにクロストークが問題にならない場合は、シール液体隔絶手段によって隔絶された領域に複数のインク吐出口が含まれていてもよい。このようにシール液体でシールされている領域が広くなるようにシール液体隔絶手段を配置すると、特に、撥シール液体性を有するインク吐出面に親シール液体性の領域のパターンを配置する場合は、強度が増し耐久性が向上するので好ましい。
尚、図4はノズル吐出面の上面図であり、単にシール液体隔絶手段の配置パターンの例を、シール液体の配置パターンとともに示したに過ぎない。従って、シール液体隔絶手段は、前記したように、その表面が撥シール液体性材料により構成されていても、凹部や台座部であってもよい。また、シール液体隔絶手段の配置が図4(a)や(b)に示す配置パターンとなるように、最近接に位置するインク吐出口の間に凸部を形成してもよい。使用するシール液体や製法、コストを鑑みて、もっとも適する態様を選択すればよい。
【0033】
本発明のインクジェット記録ヘッドは、インクジェット記録装置内の所定の位置に配置され、画像信号入力手段により画像信号を入力されることにより、搬送手段によって搬送されてくる画像記録媒体に、インク滴を飛翔させ、所望の画像を形成し得る。
尚、シール液体は、予めインクジェット記録ヘッドに配置されていても、使用時にインクジェット記録ヘッドに適宜供給してもよい。
【0034】
本発明のインクジェット記録装置は、本発明のインクジェット記録ヘッドと、画像記録媒体を搬送する搬送手段と、前記インクジェット記録ヘッドに画像信号を入力する画像信号入力手段とを備えるインクジェット記録装置である。本発明のインクジェット記録装置は、本発明に係わるインクジェット記録ヘッドを組み込んだことにより、印字時の最近接吐出口からのインク吐出に伴うシール液体の流動に起因するクロストークを無くすことができるので、高速印字を安定して行うことができる。また、シール液体により、インク吐出口での目詰まりが起こらなくなるので、従来必須であったバキューム等のメンテナンス工程を軽減あるいは省略することができるため、▲1▼記録装置の小型化や省電力化ができ、▲2▼始動時のメンテナンス待ち時間をなくすことができ、さらに、▲3▼メンテナンス動作に伴う騒音を低減することができる。さらに、バキュームなどのメンテナンスで無駄に消費される廃インクを少なくすることができるため、▲4▼ランニングコストが低減できる、▲5▼廃インク吸収手段を小さくでき装置の小型化ができる、▲6▼インクタンクを小型化でき、キャリッジの往復速度を向上させ、騒音の低減などができる、▲7▼環境に対する負荷が小さいという効果も有する。
【0035】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
実施例1
インクジェット記録ヘッド(サーマルインクジェット記録方式)のインク吐出面(ポリイミドフィルム製、下記シール液体の接触角は0°)に、撥シール液体材料として、旭硝子(株)製「サイトップCTL-107M」(下記シール液体の接触角は32°)をディップコートし、乾燥後、各々のインク吐出口中心から半径50μmまでのコートを、エキシマレーザー照射により排除した。インク吐出面上のインク吐出口は、直径30μmであり、最近接のインク吐出口との中心間距離は127μmであった。インク吐出面の斜視図を図5に示す。
【0036】
次に、シール液体をインク吐出面に液膜の厚さが20μmとなるように、ポリイミドフィルムが露出している面に塗布した。シール液体としては複数種類のシリコーンオイルを混合して調製した液体(動粘度30mm2 /s、表面張力20.8mN/m、比重1.0)を用いた。このシール液体の25℃の蒸気圧は0.1mmHg以下であり、用いたインクに対しての相溶性もなかった。
このインクジェット記録ヘッドを、インクジェット記録装置に搭載し画像を記録した。使用したインクは、水60重量%、ジエチレングリコール38重量%、および染料2重量%からなり粘度(粘性係数)2.0mPa・s、表面張力40mN/m、比重1.06であり、このインクを使用する場合、記録ヘッドの最高駆動周波数は10kHz(周期は100μs)であった。
【0037】
評価
この記録ヘッドの吐出性能を観察するために、ストロボおよび高解像のカラーCCDを用いて、シール液体のインク吐出による流動を観察した。結果、インク吐出口からのインクの吐出によるシール液体の流動は、最近接に位置するインク吐出口をシールしているシール液体に影響を及ぼしていないことが確認できた。また、最近接に位置するインク吐出口から同時にインクを吐出させて印字を行ったが、得られた画像には、インク滴の着弾ずれや、ドット径のバラツキによる画像劣化は目視観察では観測されなかった。
さらに、このインクジェット記録ヘッドをキャッピングせずに、気温25℃、相対湿度30%RHの環境に10日間放置しておいた後、メンテナンスを行わずに上記の記録動作を行った。全てのインク吐出口に目詰まりが発生しておらず、印字された画像のドットの乱れもなく鮮明な画像が記録された。
【0038】
比較例1
実施例1で用いたインクジェット記録ヘッドに代えて、インク吐出面に撥シール液体性の領域を形成しなかった以外は、実施例1と同様のサーマルインクジェット方式のインクジェット記録ヘッドを用い、実施例1と同様の評価を行った。観察結果から、各々のインク吐出口をシールしているシール液体は、インク吐出時に流動を開始し、その流動は最近接のインク吐出口をシールしているシール液体にまで及んでいるのが確認された。
次にこの記録ヘッドを用いて印字テストを行ったところ、印字された画像の所々にドット抜けやドットずれによる白スジが目立った。これら画像欠陥が目立つ部分は、解析の結果、最近接同士のインク吐出口から、ほぼ同時に吐出したインクによるドットであることが分かった。
【0039】
実施例2
インクジェット記録ヘッド(サーマルインクジェット記録方式)のインク吐出面のインク吐出口の中心から半径50μmまでの部分を、エッチングにより他の部分より10μm下がった凹部とした(図6)。その他、インク吐出口の直径、配置については実施例1のインクジェット記録ヘッドと同様であった。
次に、実施例1で用いたシール液体を、エッチング処理した面に液膜の厚さが15μmとなるように塗布した。
【0040】
このインクジェット記録ヘッドを用い、実施例1と同様のインクを用いて、実施例1と同様に評価したところ、インク吐出口からのインクの吐出によるシール液体の流動は、最近接に位置するインク吐出口をシールしているシール液体に影響を及ぼしていないことが確認できた。
また、最近接に位置するインク吐出口から同時にインクを吐出させて印字を行ったが、得られた画像には、インク滴の着弾ずれや、ドット径のバラツキによる画質劣化は目視観察では観測されなかった。
さらに、このインクジェット記録ヘッドをキャッピングせずに、気温25℃、相対湿度30%RHの環境に10日間放置しておいた後、メンテナンスを行わずに上記の記録動作を行った。全てのインク吐出口に目詰まりが発生しておらず、印字された画像のドットの乱れもなく鮮明な画像が記録された。
【0041】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、高速印字時に問題となる、シールを解く際に発生する最近接ノズルへのシール液体の流動による印字吐出への影響を、シール液体隔絶手段によりなくすことが可能となる。従って、本発明のシール液体隔絶手段により吐出されたインクによる印字画像も、着弾位置ずれや、ドット径のばらつきが起きにくいので、いわゆるクロストークによる画質劣化のない鮮明な印字画像を高速に出力することが可能となる。印字終了後は、インク吐出口を覆うシール液体により、インクの乾燥を持続的に防止する効果を有する。即ち、外力や開閉器等の付加装置を用いずに、目詰まりの防止とインク吐出性能を両立させ、インクジェット記録装置の長期休止による諸問題の発生しないインクジェット記録ヘッド、およびそれを備えたインクジェット記録装置を提供することが可能になる
また、上記インクジェット記録ヘッドを組み込んだ本発明のインクジェット記録装置は、従来必須であったバキューム等のメンテナンス工程を軽減あるいは省略することができるため、▲1▼記録装置の小型化や省電力化ができ、▲2▼始動時のメンテナンス待ち時間をなくすことができ、さらに、▲3▼メンテナンス動作に伴う騒音を低減することができる。さらに、バキュームなどのメンテナンスで無駄に消費される廃インクを少なくすることができるため、▲4▼ランニングコストが低減できる、▲5▼廃インク吸収手段を小さくでき装置の小型化ができる、▲6▼インクタンクを小型化でき、キャリッジの往復速度を向上させ、騒音の低減などができる、▲7▼環境に対する負荷が小さいという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェット記録ヘッドの基本的な構成例を示す図で、(a)インク吐出口方向から見た正面図、(b)インクが吐出していない状態、および(c)インクが吐出した状態の側面図である。
【図2】 従来のシール液体密封方式のインクジェット記録ヘッドの(a)インクが吐出していない状態の、および(b)インクが吐出した状態の側面図である。
【図3】 本発明のインクジェット記録ヘッドのインク吐出口部分を拡大した側面図である。
【図4】 本発明のインクジェット記録ヘッドのインク吐出方向から見た正面図の例である。
【図5】 実施例1のインクジェット記録ヘッドのインク吐出面の斜視図である。
【図6】 実施例2のインクジェット記録ヘッドのインク吐出面の斜視図である。
【符号の説明】
1 インク吐出面 2 インク吐出口
3 インク流路 4 シール液体
5 シール液体隔絶手段 6 インク
7 インク滴 13 インクジェット記録ヘッド
14 インク室 15 インク吐出手段
101 親シール液体性部分 103 凸部
104 凹部 105 台座部
106 溝

Claims (7)

  1. 複数のインク吐出口と、前記複数のインク吐出口をシールするシール液体と、画像信号に応じて前記インク吐出口からインクを吐出するインク吐出手段と、前記複数のインク吐出口のうち相互に最近接に位置するインク吐出口をシールしているシール液体が、互いに分離するように前記シール液体を隔絶するシール液体隔絶手段とを有し、
    前記シール液体隔絶手段が、シール液体に対するぬれ性の差により構成されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 複数のインク吐出口と、前記複数のインク吐出口をシールするシール液体と、画像信号に応じて前記インク吐出口からインクを吐出するインク吐出手段と、前記複数のインク吐出口のうち相互に最近接に位置するインク吐出口をシールしているシール液体が、互いに分離するように前記シール液体を隔絶するシール液体隔絶手段とを有し、
    前記シール液体隔絶手段が、前記複数のインク吐出口と相互に最近接に位置しているインク吐出口との間に設けられている凸部および/または凹部により構成されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  3. 複数のインク吐出口と、前記複数のインク吐出口をシールするシール液体と、画像信号に応じて前記インク吐出口からインクを吐出するインク吐出手段と、前記複数のインク吐出口のうち相互に最近接に位置するインク吐出口をシールしているシール液体が、互いに分離するように前記シール液体を隔絶するシール液体隔絶手段とを有し、
    前記シール液体隔絶手段が、少なくとも、前記複数のインク吐出口と最近接に位置しているインク吐出口との間に位置し、かつ、前記複数のインク吐出口が設けられている面に対して下方または上方に位置する面より構成されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記インク吐出口のうち相互に最近接に位置するインク吐出口間に、前記シール液体に対するぬれ性が相互に異なる領域を形成し、インク吐出口から離れた領域のぬれ性が、インク吐出口の周囲のぬれ性よりも相対的に低くなるように、シール液体に対するぬれ性の差を形成することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 前記インク吐出口の周囲が、シール液体となす接触角が0°以上90°以下のぬれ性を有することを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 前記インク吐出手段により、前記インク吐出口のシールが解かれることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 画像記録媒体を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される前記画像記録媒体に対しインクを吐出して画像を記録するインクジェット記録ヘッドと、前記インクジェット記録ヘッドに画像信号を入力する画像信号入力手段とを備えているインクジェット記録装置において、前記インクジェット記録ヘッドが請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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