JP3684652B2 - 通気性複合シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通気性の微細孔を持った通気性複合シートに関し、脱酸素剤や乾燥剤などの粉粒体、又は、特にカイロ用の発熱性の粉粒体を包装するために使用する通気性複合シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、カイロ(懐炉)用の粉粒体は、空気中の酸素と水分を介して化学反応により発熱するものであり、鉄粉と、該鉄粉を発錆させる塩類と、空気中の酸素を吸着させる活性炭と、水を含有した保水剤などにより構成されている。
【0003】
また、上記粉粒体の包装シート材料には、通気性の微細孔を持った複合シートが使用され、この複合シートは、図3(a)に示すように、通気性の不織布シート層1と、通気性の無いポリエチレンフィルムなどの合成樹脂フィルム層2とを積層ラミネートした複合シートである。
【0004】
このような通気性の無い複合シートに対して通気性を付与するためには、例えば、複合シートをスリット機又は巻き返し機などを用いて長尺状に巻き出しながら、図3(b)に示すように、前記ポリエチレンフィルム層2に対して、通常の針3の先端を突き差して、図3(c)に示すように微細な通気孔2aを孔開けして、適正な通気性を持たせることにより製造加工されている。
【0005】
上記複合シートに対して孔開け加工を施す場合は、通常の針を複数本配列した針ロールを用いてポリエチレンフィルムに孔開けを行う方法が一般的であるが、孔開けされた微細な通気孔2aにポリエチレンフィルムの柔軟な材質による戻りが生じて、孔開け加工後にロール状に巻き取る際の巻き取り張力や、その後の保管状態によっては、図3(d)に示すように、一旦開口していた通気孔2aが閉塞して適正値に設定されているはずの複合シートの通気性を損なう場合がある。
【0006】
また、上記戻り現象を防ぐために、孔開け加工時に針ロールに対して熱を付与して、加熱した針によってポリエチレンフィルムを溶融により開口して、孔開けを行う方法があるが、孔開け加工時の複合シートの送行スピードなど加工ラインスピードによる開口径の変動が大きいため、加工ラインスピードの適正な制御が難しく、安定した適正な孔開け状態(開口径)及び適正な通気性を得ることが難しいなどの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、通気性のある不織布と微細な通気孔を施した合成樹脂フィルムとの積層ラミネートによる通気性複合シートにおいて、その合成樹脂フィルムに溶融による開口をせずに施した微細な通気孔が、経時的に開口状態から閉塞状態に戻り現象を生じないようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、不織布層と微細な通気孔を孔設した合成樹脂フィルム層とにより構成された通気性複合シートにおいて、前記通気孔が、不織布層と合成樹脂フィルム層とを積層した複合シートの前記不織布層側から合成樹脂フィルム層に対して多数の針孔を孔設することにより形成され、該通気孔の開口状態が、該合成樹脂フィルム層に対する加熱操作と加熱操作直後の冷却操作とにより固定化されていることを特徴とする通気性複合シートである。
【0009】
また本発明は、上記発明の通気性複合シートにおいて、前記加熱操作が、温度60〜100℃若しくは80〜90℃、時間3〜15秒若しくは5〜10秒、前記冷却操作が、温度5〜20℃若しくは10〜15℃である通気性複合シートである。
【0010】
また本発明は、上記発明の通気性複合シートにおいて、前記不織布層が、ナイロンなどの合成繊維不織布である通気性複合シートである。
【0011】
また本発明は、上記発明の通気性複合シートにおいて、前記合成樹脂フィルム層が、ポリエチレン樹脂フィルムである通気性複合シートである。
【0012】
また本発明は、上記発明の通気性複合シートにおいて、前記合成樹脂フィルム層が、ポリエチレン樹脂フィルムとエチレン−酢酸ビニル共重合体をブレンドしたポリエチレン樹脂との二層構成である通気性複合シートである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の通気性複合シートを、図1に示す実施の形態に従って以下に詳細に説明する。
【0014】
図1に示すように、本発明の通気性複合シートは、通気性のある不織布による不織布層1と、その片面に、合成樹脂を押し出しコーティングした(あるいは合成樹脂フィルムを貼り合わせた)合成樹脂フィルムに、微細な通気孔2aを孔設した合成樹脂フィルム層2とにより構成される。
【0015】
不織布層1は、合成繊維による不織布(若しくは天然繊維による不織布)であり、例えばナイロン系の不織布である。
【0016】
合成樹脂フィルム層2は、熱可塑性の各種樹脂が使用され、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンとエチレン−酢酸ビニル共重合体とのブレンド樹脂、その他に、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂が使用される。
【0017】
また、合成樹脂フィルム層2は、上記のような各種樹脂のうちのいずれかの樹脂による単層でもよいし、複層でもよい。
【0018】
上記合成樹脂フィルム層2には、図1に示すように、微細な通気孔2a(通常の針の先端により孔設される程度の大きさの通気孔)が多数に孔設されている。
【0019】
この通気孔2aの孔設加工は、図2(a)に示すように、不織布層2と合成樹脂フィルム層2とを積層した複合シートを、図2(b)に示すように、不織布層2側から合成樹脂フィルム層2に対して針3を差し込み、微細な通気孔2aを孔設する。
【0020】
本発明の通気性複合シート全体は、加熱操作と冷却操作とにより処理加工されていて、図1に示すように、該通気孔2aの開口状態は、閉塞されずに開口した状態で固定化処理されている。
【0021】
上記加熱・冷却操作については、合成樹脂フィルム層2に微細な通気孔2aが孔設された通気性複合シート全体を、図2(c)に示すように、その通気孔2aを孔設加工(図2(b)参照)した直後において、加熱温度60〜100℃、若しくは80〜90℃程度の加熱処理熱Hにて、加熱時間3〜15秒、若しくは5〜10秒程度で加熱処理し、その後に直ちに、冷却温度5〜20℃、若しくは10〜15℃程度の冷却処理熱Cにて、冷却処理することにより行われる。
【0022】
【実施例】
以下に本発明の通気性複合シートの製造における実施例を説明する。
【0023】
<実施例1>
ナイロン系合成繊維による通気性のある不織布(45g/m2 )に、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂10〜12重量%をブレンドしたポリエチレン樹脂による合成樹脂フィルムを厚さ25μmにて熱溶融押出方式にてラミネートして、不織布層と合成樹脂フィルム層との積層による通気性の無い状態の複合シートを作成した。
【0024】
次に、上記通気性の無い状態の複合シートに対して、不織布層側から、ロール状の回転体の周面に規則的等間隔に多数の針(1本の針先端部の孔設に有効な有効径;尖った針先端から徐々に太径となる針において、その針先端から1.5mmの部位の針径が320μm、5.0mm以上の部位の針径が445μm程度)を配列した針ロールを用いて、合成樹脂フィルム層に微細な通気孔を孔設しながら、直ちに、該複合シートを加熱オーブンに導入して、前記合成樹脂フィルム層を、該層側に熱風を当てて、加熱温度70〜80℃で5〜10秒間加熱し、その後、直ちに、クーリングロール(ロール表面温度;8〜10℃)に導入して、前記合成樹脂フィルム層を15〜20℃まで冷却して、通気孔の径が300μm程度(又は必要に応じて、針の差し込み深さに対応した径(例えば300μm以下若しくはそれ以上)の通気孔を備えた本発明の通気性複合シートを作成した。
【0025】
<実施例2>
上記実施例1において、通気孔を孔設した複合シートを、加熱オーブンによる熱風に換えて、加熱ロールに導入して、前記合成樹脂フィルム層を、該層側にて該加熱ロール周面をホールドしながら、加熱温度70〜80℃で5〜10秒間加熱した以外は、上記実施例1と同様にして、本発明の通気性複合シートを作成した。
【0026】
<実施例3>
上記実施例1において、合成樹脂フィルム層に針ロールを用いて通気孔を孔設する際に、針ロールを、該合成樹脂フィルム層が溶融開口しない程度の温度(該合成樹脂フィルムのガラス転移点以下の温度)、例えば100℃以下、60℃〜90℃程度に予備加熱した以外は、上記実施例1又は実施例2と同様にして、本発明の通気性複合シートを作成した。
【0027】
<実施例4>
前記合成樹脂フィルムとして、ポリエチレン樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂10〜12重量%をブレンドしたポリエチレン樹脂との二層による合成樹脂フィルムを熱溶融押し出し方式にてラミネートした以外は、上記実施例1乃至実施例3と同様にして、本発明の通気性複合シートを作成した。
【0028】
<実施例5>
前記合成樹脂フィルムとして、ポリエチレン樹脂による合成樹脂フィルムを熱溶融押し出し方式にてラミネートした以外は、上記実施例1乃至実施例3と同様にして、本発明の通気性複合シートを作成した。
【0029】
<比較例1>
ナイロン系合成繊維による通気性のある不織布(45g/m2 )に、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂10〜12重量%をブレンドしたポリエチレン樹脂を厚さ25μmにて熱溶融押出方式にてラミネートして、不織布層と合成樹脂フィルム層との積層による通気性の無い状態の複合シートを作成した。
【0030】
次に、上記通気性の無い状態の複合シートに対して、不織布層側から、ロール状の回転体の周面に規則的等間隔に多数の針を配列した針ロールを用いて、合成樹脂フィルム層に微細な通気孔を孔設して、通気性複合シートを作成した。
【0031】
<比較例2>
上記比較例1において、合成樹脂フィルム層に針ロールを用いて通気孔を孔設する際に、該針ロールを、該合成樹脂フィルム層が溶融する程度の温度(該合成樹脂フィルム層の溶融温度)、例えば150℃以上に加熱して行った以外は、上記比較例1と同様にして、通気性複合シートを作成した。
【0032】
<比較結果>
上記実施例1又は実施例2においては、通気性複合シートの通気孔は、予め設定した値の通気孔及び通気性が得られ、孔設直後の通気性と、その後4週間後の通気性とを比較したところ、上記比較例1と比較して通気性の低下方向への変動幅は少なく、目立った通気孔の戻り現象(閉塞現象)は知見されなかった。
【0033】
また、上記実施例3により作成した通気性複合シートの通気孔は、上記実施例1又は実施例2よりも比較的大きい径の通気孔が得られるものの、孔設直後の通気性と、その後4週間後の通気性とを比較したところ、上記実施例1、実施例2と同様に、上記比較例1と比較して通気性の低下方向への変動幅は少なく、目立った通気孔の戻り現象(閉塞現象)は知見されず、良好な通気性複合シートが得られた。
【0034】
また、上記実施例1乃至実施例3は、上記比較例2と比較して、針ロールによる通気孔の孔設加工における複合シートの走行速度(ライン速度)の制御が比較的容易であり、ばらつきの少ない安定した通気孔をもった通気性複合シートを得ることができた。
【0035】
下記表1は、孔設時での通気孔の通気性(透気度;単位;秒/300cm3 )を10.3秒/300cm3 に設定して孔設した上記実施例1による本発明の通気性複合シートにおいて、通気孔を孔設した後の各種加熱温度及び各種加熱時間における加熱直後と4週間後の通気性(透気度)の変動(経時変化)を測定した結果を示すものである。
【0036】
【表1】
また、下記表2は、上記実施例1による本発明の通気性複合シートと比較例1による従来の通気性複合シートの通気性(透気度)の変動(経時変化)を測定した結果を示すものである。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】
本発明の通気性複合シートは、不織布層と通気孔を孔設した合成樹脂フィルム層との積層ラミネートによる通気性複合シートに対して、加熱し、そして冷却することにより、孔設されている通気孔の開口状態を固定化でき、合成樹脂フィルムの柔軟な材質による通気孔における開口状態から閉塞(閉口)状態への戻り現象を抑制若しくは回避でき、孔開け加工によって一旦開口したはずの通気孔が閉塞する戻り現象がなくなり、通気性複合シートに対して、従来よりも経時変化の少ない安定且つ適正な通気性を付与することができる効果があり、カイロなどの発熱性の粉粒体をはじめとして、脱酸素剤や乾燥剤などの粉粒体の包装用シートとして、また、その他にも精度のある通気性を必要とするような各種物品の包装用シート材料として利用展開が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通気性複合シートの側断面図である。
【図2】本発明の通気性複合シートの孔設工程、加熱工程、冷却工程の各製造工程を説明する側断面図である。
【図3】従来の通気性複合シートの製造工程を説明する側断面図である。
【符号の説明】
1…不織布 2…合成樹脂フィルム 2a…通気孔 3…孔設用針
C…冷却用熱 H…加熱用熱
Claims (5)
- 不織布層と微細な通気孔を孔設した合成樹脂フィルム層とにより構成された通気性複合シートにおいて、前記通気孔が、不織布層と合成樹脂フィルム層とを積層した複合シートの前記不織布層側から合成樹脂フィルム層に対して多数の針孔を孔設することにより形成され、該通気孔の開口状態が、該合成樹脂フィルム層に対する加熱操作と加熱操作直後の冷却操作とにより固定化されていることを特徴とする通気性複合シート。
- 前記加熱操作が、温度60〜100℃若しくは80〜90℃、時間3〜15秒若しくは5〜10秒、前記冷却操作が、温度5〜20℃若しくは10〜15℃である請求項1記載の通気性複合シート。
- 前記不織布層が、ナイロンなどの合成繊維不織布である請求項1又は請求項2記載の通気性複合シート。
- 前記合成樹脂フィルム層が、ポリエチレン樹脂フィルムである請求項1乃至請求項3記載の通気性複合シート。
- 前記合成樹脂フィルム層が、ポリエチレン樹脂フィルムとエチレン−酢酸ビニル共重合体をブレンドしたポリエチレン樹脂との二層構成である請求項1乃至請求項3記載の通気性複合シート。
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| JPH09239885A JPH09239885A (ja) | 1997-09-16 |
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1996
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