JP4070261B2 - 電子レンジ包材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品を電子レンジで加熱する時に該食品を包装することにより、発生するドリップや結露等で該食品がベタつくのを防止する食品加熱調理用包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、家庭における電子レンジの普及率は大きく、食品の調理、再加熱等を電子レンジで行うことが一般的になっている。電子レンジの加熱機構は、マイクロ波で食品内部の水分を振動させ、その際に発生する摩擦熱により加熱する内部加熱方式である。
内部加熱の特徴は、加熱時間が短い、栄養素の損失が少ない、消費電力が少ない等の長所がある。しかしながら、水分蒸発量が大きい、ドリップ発生量が多い等の欠点を持ち合わせて、これらによりせっかくの食品の味が低減されている。
【0003】
また、単身所帯の増加や偏食化傾向の増加といった社会的な変化にともない、調理済み食品の利用機会が増加している。
すなわち、加熱済み調理冷凍食品の出荷比率の増加や惣菜類の売上比率の増加等が認められている。このような調理済み食品を短時間で手軽に再加熱するためには、電子レンジが有効であるが、上記内部加熱の欠点により加熱した食品の食味に関しては、通常の外部加熱による方法と比べて嗜好性に劣っているのが現状である。
【0004】
一般に、食品を電子レンジで加熱する場合には、揚げ物や焼き物のように外側の水分が少ない物は、そのまま加熱して水分を蒸発させ、その他の物は、ラップで覆って加熱するのが適当であると言われている。
しかし、食品によって加熱方法が異なるのは面倒である上、そのまま加熱すると電子レンジ内部に汚れや臭気が付着するため、ラップで覆って加熱するのが一般的である。
【0005】
ポリ塩化ビニリデンやポリエチレンに代表されるラップは透湿性がないため、食品から発生した水蒸気がラップ表面で結露し、食品に移行してベタついた食感となりやすい。さらに、自由水量の多い肉類や魚類は加熱により筋繊維の収縮が発生し、ドリップが発生しやすいが、ラップは吸収性を有していないため、ドリップが吸収されず、食品下部に溜まって食感を低下させる。
【0006】
上記欠点を解決するため、ラップ使用時に食品の下側にクッキングペーパーのような吸収性のシートを敷いたり、ラップの代わりに通気性、防水性を有するシートで覆ったり(特開平3ー200575号公報)することが行われている。
前者は、吸水性シートがドリップを吸収するため、このドリップが食品下部に溜まるという問題は改善されるが、ドリップを吸収したシートが食品と直接接触するため、食品下部のベタつきに関しては完全に解決するまでに至っていない。
一方、後者は通気性シートで食品を覆っているので、食品から発生した水蒸気は外部へ放出されるため、結露は改善されるが、蒸し物のように比較的高水分な食物は、乾燥や硬化が発生し好ましくない。また、本方法では、ドリップの発生による食品下部のベタつきは解決されない。
【0007】
さらに、近年、電子レンジ加熱用の包装材としていくつか提案されている。通気度が10cc/cm2 /sec以上で耐水度が5cm以上の、疎水性繊維シートと吸水性繊維シートの積層体の吸水繊維側に不通気性シートを張り合わせたシートが知られている(実開平3ー108671号公報号)。
このものは、食品から発生した水蒸気は疎水性繊維シート及び吸収性繊維シートを通過し、不通気性シートに当たって結露し、その水分を吸水性繊維シートが吸収するため、結露による食品のベタつきは、かなり改善される。しかし、ドリップ等の水分は疎水性繊維シートを通過できず、食品下部にたまるためドリップによるベタつきは解決されていない。
【0008】
また、内層に水分を通過させる疎水性繊維シート、中層に水分を吸収する吸収性繊維シート、外層に不透水性の合成樹脂製フィルムを張り合わせたシートも提案されている(特開平7ー132974号公報)。
このものについては、合成樹脂製フィルムは樹脂を押出ラミネートという方法で、吸収性繊維シートをラミネートしているので、フィルムの厚みが薄いとピンホールができるし、又、厚いと通気性がないので、通気コントロールが不充分となり、良好な製品ができずらかった。
該積層シートを袋状に形成し、食品を包み込んで電子レンジにより所定時間加熱して取り出すと、袋が熱く火傷する恐れがある。
さらには、食品を包み込んで、電子レンジにより所定時間加熱すると積層シートに通気性がないので、袋の中の空気が熱膨張して膨らんで袋の口が開きドリップ等の水分が電子レンジの中に飛散する欠点がある。
【0009】
また、他には吸水性のある紙と通気性のある合成繊維不織布が、全面に透孔のある熱可塑性合成樹脂フィルムで貼合わせたシートも提案されている(特開平8ー119344号公報)。
このものについては、食品から発生した水蒸気が通気性のある合成繊維不織布を通過して紙に吸収されるためベタつきが解消されない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の欠点を改良し、電子レンジで食品を調理、再加熱する際に発生する水分蒸発による食品の乾燥や硬化、水蒸気の結露やドリップによる食品のベタつき等を防止して、種々の食品を美味しく加熱することができる包装体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題について種々検討した結果、電子レンジ用の食品包材として、下記1)〜3)又は1)〜4)に示す層構成であって且つ有刺プレスロールと冷却ロールを用い、有刺度が0.25〜8本/1cm 2 、有刺深さが1〜10mm、直径が0.1〜3mmの条件で穿孔された特定範囲の通気度を有する積層シートを採用することにより、加熱時に発生するドリップや結露等で該食品がベタつくのを防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
1)食品と接する第1層が水分を通過させる疎水性繊維シート
2) 第2層は水を吸収し、保持する吸水性シート
3) 第3層は有孔な熱可塑性合成樹脂フィルム
4) 最外層は紙
【0012】
すなわち、 本発明は:
(1) 少なくとも下記1)〜3)に示す3層からなる積層シートであって、該積層シートが有刺プレスロールと冷却ロールを用い、有刺度が0.25〜8本/1cm 2 、有刺深さが1〜10mm、直径が0.1〜3mmの条件で穿孔され、下記3)に示す該熱可塑性合成樹脂フィルムに通気孔を貫通させ、積層シートとしての通気度が4000秒/100cc以上、10000秒/100cc以下であることを特徴とする電子レンジ用の食品包材を提供する。また、
(2) 少なくとも下記1)〜4)に示す4層からなる積層シートであって、該積層シートが有刺プレスロールと冷却ロールを用い、有刺度が0.25〜8本/1cm 2 、有刺深さが1〜10mm、直径が0.1〜3mmの条件で穿孔され、下記3)に示す該熱可塑性合成樹脂フィルムに通気孔を貫通させ、積層シートとしての通気度が4000秒/100cc以上、10000秒/100cc以下であることを特徴とする電子レンジ用の食品包材を提供する。
1)食品と接する第1層が水分を通過させる疎水性繊維シート
2) 第2層は水を吸収し、保持する吸水性シート
3) 第3層は有孔な熱可塑性合成樹脂フィルム
4) 最外層は紙
【0013】
以下、本発明を図面に基ずいて詳細に説明する。
図1は本発明の包装体を構成する積層シート1を示す。
この積層シート1は、第1層が食品と接する内層に水分を通過させる疎水性繊維シート2、第2層が水分を吸収して保持する吸収性シート3、第3層が有孔な熱可塑性合成樹脂フィルム4、最外層が紙5を積層してなる4層からなる積層シートであり、及び/又は、
最外層がそのまま第3層の有孔な熱可塑性合成樹脂フィルム4を積層してなる3層からなる積層シートである。
【0014】
それらの層構成分について詳細に説明する。
(i) 食品包材用複合材の層構成:
本発明の食品包材用複合材は、加熱時に発生するドリップや結露等で該食品がベタつくのを有効に防止できるためには、上記1)〜3)又は1)〜4)の層構成でなければならない。
仮に第1〜3層のいずれかが及び/又は最外層が入れ替わると、食品から発生したドリップ等が食品と袋との間に溜まってしまい、食品の味を低下させるために所期の目的が達成できない。
【0015】
(ii) 疎水性繊維シート:
上記第1層の水分通過性の疎水性繊維シート2は、食品から発生した水蒸気やドリップ等を吸収せずに通過させると共に、これらの水蒸気やドリップを吸収した吸収性シート3(第2層)と食品との直接接触を防止するものある。
該疎水性繊維シート2は、その機能上から、水蒸気やドリップの通過性に勝れた素材であることが好ましく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等からなる合成繊維の不織布、又はこれらの複合品(鞘芯型繊維や複数糸の複合品等)からなる合成繊維の不織布であてっもよい。
また、この疎水性繊維からなる不織布の目付は、5g/m2 以上、30g/m2 以下が好ましい。
【0016】
目付が5g/m2 未満であると、厚みが薄くなり、吸収性シート3が直接食品に接触し易くなり、吸収性シート3を構成する吸収性繊維が吸収した水分のもどりによって食品の下部がベタつくので好ましくない。また、低目付の不織布は、製造が困難なので好ましくない。
一方、目付が30g/m2 を越えると、厚みが厚くなり食品から発生した水蒸気や水が通過し難くなり、結露して直接食品に接触してベタつくので好ましくない。
従って、該疎水性繊維シート2の厚みは、一般に40μm以上、500μm以下、好ましくは60μm以上、350μm以下が望ましい。
【0017】
本発明で疎水性繊維シート2として使用する不織布の製造方法は、特に規定はないが、例えば熱処理タイプやスパンボンドタイプ等の樹脂を使用しない熱接着タイプの製造方法が好ましい。
また、糸くずなどが食品に移行することを考慮すれば、長繊維タイプのスパンボンド不織布がより好ましい態様である。
【0018】
(iii) 吸収性繊維シート:
第2層を構成する吸収性繊維シート3の素材は、吸水性を有するものであれば、天然繊維、合成繊維を問わないが、好ましくはパルプ繊維からなるものが良く、目付は10g/m2 以上、更に好ましくは15g/m2 以上がよい。
その目付の上限は水分を吸収できれば特に制限されないが、一般に、製造のし易さやコストの観点から50g/m2 程度あれば十分である。
または、その吸収性繊維シート3の組織は、不織布、紙、パルプ、織編物等を挙げることができるが、不織布の使用が望ましい。
【0019】
該吸収性繊維シート3の目付が10g/m2 未満であると、食品から発生した水蒸気の吸収量が少なく余分の水蒸気が結露して食品下部にたまりベタつくので好ましくない。
その吸収性繊維シート3の厚みは一般に10μm以上、100μm以下、好ましくは20μm以上、60μm以下が望ましい。
【0020】
(iv) 有孔な熱可塑性合成樹脂フィルム:
第3層を構成する有孔な熱可塑性合成樹脂フィルム4の素材は、水分吸収性が少ない、疎水性素材であれば特に限定しない。
これらの素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等が使用される。
また、熱可塑性合成樹脂フィルムの厚みは5μm以上、30μm以下、好ましくは8μm以上、20μm以下が望ましい。
即ち、該フィルムの厚みが5μm未満では、フィルム強度が低く好ましくないし、フィルムの厚みが薄すぎてピンホール等が発生しやすかったり、使用時に破れ穴が空いたりする。
【0021】
一方、熱可塑性合成樹脂フィルムの厚みが30μmを越えると、穿孔がむずかしく、コスト高にもなるので好ましくない。
合成樹脂フィルムの有孔度は、使用する有刺プレスロールの有刺度によって調整できるが、その機能を発揮するには、1cm2 当たり0.25〜8本で深さ1mm〜10mm程度あれば十分である。
【0022】
(v) 本発明の積層材の通気度:
1) 積層材の作用:
本発明では、電子レンジで食品を加熱調理する際に、食品から出てくる水蒸気(水)のコントロールが最重要課題であり、通気性をコントロールすることが、ドリップ等をなくし食品への過剰な水の濡れ戻りを防ぎ、結果的においしい食品として仕上げる事ができる鍵である。
即ち、通気がありすぎると、食品自身が持つ水分を過剰に逃がしてしまい、せっかくの食品のうまさを保つ水分が逃げ、乾燥状態になりおいしくなくなる。また同じく通気がありすぎる場合は、発生する水蒸気による食品の蒸らし効果がなくなり、ふっくらとした仕上がりにならなくなってしまう。
一方、通気がなさすぎると、発生した水蒸気が内部で結露し水の状態になり食品表面につき、べたべたした感触になる。また、密閉した状態では包んだ状態が破れ、せっかくの効果をなくすばかりかレンジ内を著しく汚染することとなる。
【0023】
2) 通気度:
これらの意味で本発明の電子レンジ用食品包材の3層又は4層からなる積層シート1の通気度は、10000秒/100cc以下、4000秒/100cc以上である。
即ち、上記で示したように、通気度が10000秒/100ccを越えると、食品内部の水分を過剰に逃してしまう等の理由で好ましくない。
一方、通気度が4000秒/100cc未満でば、食品表面が過剰な水分を持ちやすくなるために好ましくない。
【0024】
3) 穿孔方法:
本発明で通気性をコントロールする方法は次の方法で行うことができる。
即ち、シートの積層及び穿孔方法としては、例えば、図2に示す方法で行う。
図2を説明すると、30は押出ラミネートを行う押出機のTダイであり、その下方に金属製の有刺プレスロール35とゴム製の冷却ロール34が配設されている。
有刺プレスロール35は、通気孔を穿説可能な多数の突起(例えば、直径0.1〜3mm、長さ1〜10mm程度)をロール表面に備えており、相対する冷却ロール34はHs 90〜95(JIS−A)の硬度を有し、両ロール34、35間の加圧力により、通気孔の穿孔深さが調整可能に構成されている。
【0025】
本発明において、必要な場合は、冷却ロール34の上方左より紙5を供給する紙供給ロール36及びガイドロール33が設置され、紙等はこのロールにより供給する。
一方、有刺プレスロール35の上流側には、予め疎水性繊維シートと吸水性繊維シートをヒートシールした複合シート6の吸水性繊維シート面が有孔の熱可塑性樹脂フィルム4に接するように供給ロール37を設置する。
【0026】
有刺プレスロール35と冷却ロール34との間で、Tダイ30より押出された熱可塑性樹脂フィルム4を圧着結合すると同時に、押出された熱可塑性樹脂フィルム4を貫通し、多数の通気孔を形成する。
冷却され有刺プレスロール35を離れた4層構造の有孔ラミネート積層材(内装)1は、ガイドロール33にガイドされて、図示していないが巻取りロールに巻取られる。
【0027】
4) 積層方法:
本発明で、食品に接する疎水性繊維シート2と水を吸収・保持する吸水性シート3の積層方法は、積層シート1の通気性をコントロールできるものであるならば、また疎水性シートが食品に取られない程度に適度に接着されていれば接着方法は特に問わない。
例えば、上記の有孔を発生させるラミネート方法をとっても良いし、疎水性繊維シート2を構成する合成繊維を2成分の不織布を使用したり、吸水性シートを構成する素材中にポリエチレン等の熱可塑性成分を混入したりして、熱によるラミネートを行う方法でも良い。また、ホットメルト樹脂等による部分接着等でも良い。
【0028】
5) 最外層について:
本発明で、1つの方法はこれまで記載した有孔な熱可塑性樹脂フィルム層が最外層である3層以上からなる電子レンジ包材であったが、更に好ましくは有孔な熱可塑性樹脂フィルム層の外側に最外層として、紙5を有する4層以上からなる電子レンジ包材である。
この最外層となる紙層は、有孔な熱可塑性樹脂フィルム層の孔からでた水蒸気や水分を外部に漏らさない適度なとラップ層の働きを担う。また、最外層が熱可塑性樹脂層であった場合、電子レンジによる加熱で袋が熱く火傷する恐れがあるが、最外層が紙であった場合、これを防ぐ役割を担う。
【0029】
本発明で最外層を構成する紙5は、パルプ繊維であれば問わない。
紙の目付は10g/m2 以上が好ましい。
目付が、10g/m2 未満であると、厚みが薄いので、熱が伝わりやすく袋状に形成し、食品を包み込んで電子レンジにより、所定時間加熱して取り出すと、袋が熱く火傷する恐れがある。
紙の厚さは、一般に0.01mm〜0.2mmが望ましい。
【0030】
6) 積層材の使用形態:
本発明で得られた少なくとも3層もしくは4層以上の電子レンジ包材用のシートは、シート状態そのままで食品を包んでも、またこれらのシートを袋状にした後に食品を包んでも良く、最終的な使用形態は使用者が使用状況や目的によって採取形態を選択できる。
この意味で、袋状にしたものの密閉性を上げるためにファスナー等を具備した形態もより好ましい態様である。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を制限しない。
▲1▼ 試験法:
試験法は、下記に示す構成を持つ本発明と比較例とを用意し、それぞれの内部に色々な食品を入れて電子レンジにより所定時間加熱したものを、各食品をそれぞれ最も適した外部加熱法によって加熱したブランク▲1▼、及びそれぞれ同じ食品をポリ塩化ビニリデン製のラップに包んで電子レンジにより加熱したブランク▲2▼とについて、それぞれ加熱後の食品の水分、硬さ、食感について比較することにより行った。
なお、蒸物に関しては本発明と比較例とにおいて、袋状をなす包装体の内層シートに水10ccを含浸させて加熱した。
【0032】
▲2▼ 食感の評価:
上記各食品の食感の評価は、ブランク▲1▼を5点、ブランク▲2▼を1点として5段階の点数をつける方法により行った。
また、加熱後、袋の口が閉じているものを良、開いているものを不良とした。
▲3▼ 通気度測定:
通気度測定はJIS−L1906通気性、ガーレ形法で行った。
その実験結果を表1に示す。
【0033】
(実施例1)
スパンボンド法によって得られたポリプロピレンの不織布からなる目付15g/m2 の疎水性繊維シートに、吸収性シートとしてパルプ紙目付20g/m2 をヒートエンボスし、吸水繊維シート面と最外層の純白紙目付30g/m2 の一面とを対面させると共に、両者の間にTダイより熱可塑性合成樹脂ポリエチレンフィルム10μmを押出した直後有刺プレスロール(直径0.08mm、長さ7mmの刺を1cm2 当たり4本)で穿孔し、加圧して4層に積層し、この積層シートを袋状にした。
この積層シートの通気度は、7000秒/100ccであった。
得られた包材によって、食品加熱テストを実施し、その結果を表1にまとめた。
【0034】
(実施例2)
スパンボンド法によって得られたポリプロピレンの不織布からなる目付15g/m2 の疎水性繊維シートに、吸収性シートとしてパルプ紙目付20g/m2 をヒートエンボスし、吸水性シート面側にTダイより熱可塑性合成樹脂ポリエチレンフィルム13μmを押出した直後有刺プレスロール(直径0.08mm、長さ7mmの刺を1cm2 当たり4本)で穿孔し、加圧して4層に積層し、この積層シートを袋状にした。
この積層シートの通気度は、8000秒/100ccであった。得られた包材によって、食品加熱テストを実施し、その結果を表1にまとめた。
【0035】
(実施例3)
スパンボンド法によって得られた2成分不織布(芯がポリプロピレンで鞘がポリエチレン製。割合は5/5)からなる目付15g/m2 の疎水性繊維シートに、吸収性繊維シートとしてパルプ紙目付30g/m2 をヒートエンボスし、吸水繊維シート面と最外層の純白紙目付30g/m2 の一面とを対面させると共に、両者の間にTダイより熱可塑性合成樹脂ポリエチレンフィルム7μmを押出した直後有刺プレスロール(直径0.08mm、長さ7mmの刺を1cm2 当たり4本)で穿孔し、加圧して4層に積層し、この積層シートを袋状にした。
この積層シートの通気度は、4000秒/100ccであった。得られた包材によって、食品加熱テストを実施し、その結果を表1にまとめた。
【0036】
(比較例1)
熱接着した合成繊維製の不織布からなる目付15g/m2 の疎水性繊維シートに、吸収性繊維シートとしてパルプ紙目付20g/m2 をヒートエンボスし、熱可塑性合成樹脂フィルムとしてポリエチレン10μmをラミネートしてなる積層シートを使用し、この積層シートを袋状にした。
この積層シートの通気度は、80000秒/100ccであった。得られた包材によって、食品加熱テストを実施し、その結果を表1にまとめた。
【0037】
(比較例2)
熱接着合成繊維製の不織布からなる目付20g/m2 の疎水性繊維シートに、吸収性繊維シートとしてパルプ紙目付20g/m2 を熱可塑性合成樹脂フィルムとして有孔なポリエチレン10μmで張り合わせた。この積層シートを袋状にした。
この積層シートの通気度は、80秒/100ccであった。得られた包材によって、食品加熱テストを実施し、その結果を表1にまとめた。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】
本発明の通気性を制御した電子レンジ用の食品包材によれば、食品から発生する水蒸気を制御し、ドリップをも吸収することができるため、水分蒸発による食品の乾燥や硬化、水蒸気の結露やドリップによるベタつき等を確実に防止し、種々の食品を美味しく加熱することができる。
また、積層した袋に通気性があるので食品を再加熱しても、袋の中の空気が熱膨張してふくらんでも袋の口が開かないのでドリップ等の水分が電子レンジの中に飛散することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子レンジ用積層シートの層構成を示す模式図である。
【図2】本発明の電子レンジ用積層シートを製造する装置の概略を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 レンジシート用積層シート
2 水分通過性疎水性繊維シート
3 吸水性繊維シート
4 有孔な熱可塑性合成樹脂フィルム
5 紙
6 疎水性繊維シートと吸水性シートとの積層シート
30 押出ラミネートを行うTダイ
33 ガイドロール
34 冷却ロール
35 有刺プレスロール
36 供給ロール
37 供給ロール
Claims (2)
- 少なくとも下記1)〜3)に示す3層からなる積層シートであって、該積層シートが有刺プレスロールと冷却ロールを用い、有刺度が0.25〜8本/1cm 2 、有刺深さが1〜10mm、直径が0.1〜3mmの条件で穿孔され、下記3)に示す該熱可塑性合成樹脂フィルムに通気孔を貫通させ、積層シートとしての通気度が4000秒/100cc以上、10000秒/100cc以下であることを特徴とする電子レンジ用の食品包材。
1)食品と接する第1層が水分を通過させる疎水性繊維シート
2)第2層は水を吸収し、保持する吸水性シート
3)最外層は有孔な熱可塑性合成樹脂フィルム - 少なくとも下記1)〜4)に示す4層からなる積層シートであって、該積層シートが有刺プレスロールと冷却ロールを用い、有刺度が0.25〜8本/1cm 2 、有刺深さが1〜10mm、直径が0.1〜3mmの条件で穿孔され、下記3)に示す該熱可塑性合成樹脂フィルムに通気孔を貫通させ、積層シートとしての通気度が4000秒/100cc以上、10000秒/100cc以下であることを特徴とする電子レンジ用の食品包材。
1)食品と接する第1層が水分を通過させる疎水性繊維シート
2)第2層は水を吸収し、保持する吸水性シート
3)第3層は有孔な熱可塑性合成樹脂フィルム
4)最外層は紙
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