JP2004041300A - 使い捨て温熱具 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟な繊維触感を持ちながら、熱損失の少ない、伝熱効率に優れたより経済的な使い捨て温熱具を提供する。
【解決手段】(1) 疎水性合成繊維からなる不織布に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした通気性を有する包材と、該包材に収容された空気の存在下で発熱する発熱組成物とを備えた使い捨て温熱具において、前記不織布の20℃、湿度65%雰囲気下における定常伝熱効率が65%以上である使い捨て温熱具。(2) 前記疎水性合成繊維が連続フィラメントである使い捨て温熱具。(3) 前記疎水性合成繊維の繊度が2.8dtex以下である使い捨て温熱具。(4) 前記疎水性合成繊維の断面扁平度が1.3以上である使い捨て温熱具。(5) 前記疎水性合成繊維がメルトブロー法により得られた極細繊維を含む使い捨て温熱具。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は使い捨て温熱具に関し、さらに詳しくは柔軟でかつ伝熱効率に優れた使い捨て温熱具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
使い捨て温熱具は、不織布や紙にポリエチレン等の熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした包材に、例えば、鉄粉、無機塩、活性炭、水などを含む空気中で発熱する発熱組成物を収容して得られ、使い捨てカイロや温湿布剤、お灸用具などに数時間から1日程度加熱する加熱具として種々の用途に用いられている。
前記熱可塑性樹脂フィルムには、有孔または微孔のフィルムが用いられるが、無孔フィルムを不織布にラミネートした後に孔あけ加工をして通気性を持たせてもよい。前記不織布は、フィルムの硬さを和らげ、フィルム特有の貼りついた触感やゴワゴワする肌触り等を防ぎ、布的な柔軟な触感を持たせ、さらに包材の強度を増大させる役割を有する。
【0003】
しかし、不織布として破袋等の点から強度の大きいものを用いると、柔軟で心地よい繊維触感のある温熱具は得られるが、不織布の目付けが高くなり、不織布内の空気量が多くなるため、発熱体で発熱した熱の人体への伝熱効率が低下し、熱損失が大きくなるという欠点があった。このため、従来の使い捨て温熱具では、発熱体の維持温度を高めに設計する必要があり、経済的でないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記従来技術の問題を解決し、柔軟な繊維触感を持ちながら、熱損失の少ない、伝熱効率に優れたより経済的な使い捨て温熱具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、不織布の伝熱効率は包材中の空気量だけでなく、素材や不織布構造に影響されるという見地に基づき、所定値以上の伝熱効率を有する不織布を用いることにより、従来の使い捨て温熱具では達成できなかった熱損失の問題を解決し、本発明に到達したものである。
上記課題を達成するために本願で特許請求される発明は以下の通りである
(1)疎水性合成繊維からなる不織布に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした通気性を有する包材と、該包材に収容された空気の存在下で発熱する発熱組成物とを備えた使い捨て温熱具において、前記不織布の20℃、湿度65%雰囲気下における定常伝熱効率は65%以上であることを特徴とする使い捨て温熱具。(2)前記疎水性合成繊維が連続フィラメントであることを特徴とする(1)記載の使い捨て温熱具。
(3)前記疎水性合成繊維の繊度が2.8dtex以下であることを特徴とする(1)または(2)記載の使い捨て温熱具。
(4)前記疎水性合成繊維の断面扁平度が1.3以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の使い捨て温熱具。
(5)前記疎水性合成繊維がメルトブロー法により得られた極細繊維を含むことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の使い捨て温熱具。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の使い捨て温熱具には疎水性合成繊維からなる不織布が用いられる。
本発明に用いられる疎水性合成繊維としては、ポロプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系繊維などが挙げられ、これらは必要とされる疎水性、強度および可撓性等に応じて単独でまたは組み合わせて用いられる。また必要に応じてこれらの複合繊維、さらにはセルロース系繊維、その他特殊機能を有する繊維を本発明の目的を害さない範囲で混合して用いてもよい。例えば、柔軟性および素材の熱伝導性の点からはポリアミド系繊維の使用が好ましく、寸法安定性、剛性、耐熱性などの点からはポリエステル系繊維の使用が好ましく、疎水性および柔軟性の点からはポリオレフィン系繊維の使用が好ましい。
【0007】
不織布としては、上記疎水性合成繊維を用いたものであれば特に限定はなく、抄紙法、カード機などにより得られる短繊維不織布、メルトブロー法やスパンボンド法により得られる長繊維不織布等のいずれの不織布を用いてもよい。短繊維不織布を用いた場合でも布的な感触を付与することができるが、強度の点からは長繊維不織布が好ましい。特にスパンボンド法による長繊維不織布は、繊維長が長いために実用上の強度が得られ、かつ湿式法または乾式法による場合と異なり、油剤処理等を行うことなく繊維がそのままシート化され、繊維特有の触感がより活かされるために好ましい。
【0008】
スパンボンド法による長繊維不織布は、例えば、溶融紡糸された連続フィラメントをウェブとし、これを接合することにより製造される。ウェブは、接着剤、低融点繊維や複合繊維による接合、溶融バインダーでの接合、フラットカレンダーでの接合、または繊維の触感を残すことができるニードルパンチや水流交絡法で接合することができるが、繊維の触感や強力維持の点からは部分熱圧着により接合するのが好ましく、その部分熱圧着面積率は強度保持の点から5〜35%が好ましい。部分熱圧着は、超音波法、または加熱エンボスロール間にウェブを通して行うことができ、これにより、不織布の表面に、ピンポイント状、矩形状等の浮沈模様が散点させることができる。不織布の目付は、使用目的に応じて適宜選定されるが、実用強度、触感の点からは25〜70g/m2 が好ましい。また不織布を構成する繊維の繊度は、強度、柔軟性等の点から、0.01〜5.5dtexが好ましく、2.8dtex以下がより好ましく、特に好ましくは2dtex以下である。
【0009】
また上記連続フィラメントのウェブに、例えば、カード法、メルトブロー法、フラッシュスパン法などにより得られる他のウェブを積層し、接合してもよい。この場合には、これらのウェブの緻密さやカバー性を付与することができる。例えば、強度に優れたスパンボンド法によるウェブと、緻密でカバー性を有するメルトブロー法による極細繊維からなるウェブとの積層により、柔軟性や熱伝熱性を向上させることができる。
【0010】
本発明において、不織布の20℃、湿度65%雰囲気下における定常伝熱効率は65%以上、好ましくは70%以上であることが必要である。ここで、不織布の定常伝熱効率とは、20℃、湿度65%の環境下で、40℃の熱板に不織布を重ね、該不織布の表面の温度を40℃に維持するために必要な熱量Q1 と、不織布を重ねない場合の熱板の表面の温度を40℃に維持するために必要な熱量Q2 を測定し、式(Q1 /Q2 )×100で算出した値をいう。この測定では、不織布を通して熱量が伝達されるときの熱伝導度として、熱板が一定温度(40℃)を維持するために供給される熱量を用い、その熱量を測定して不織布構造体の熱伝導度とした。従って、この値は、空気層を含んだ不織布構造体全体の熱伝導性を意味する。
上記定常伝熱効率が65%未満では、熱損失が大きくなり、経済的な温熱具を得ることができない。従来の使い捨てカイロの包材用不織布の定常時伝熱効率は60%程度で熱損失が約40%もあり、経済的な温熱具とはいえない。
【0011】
本発明に用いられる定常伝熱効率65%以上である不織布は、例えば、同目付の場合に不織布の厚みを薄く、かつ少なくとも表面層の繊維同士の接触面積を大きくすることにより得ることができる。そのためには不織布を構成する繊維を細くし、かつ扁平糸を用いて繊維の充填度を高くし、さらに熱伝導度の大きな疎水性合成繊維を用いることが有効である。
不織布を構成する繊維の断面形状は、扁平率が1.3以上、好ましくは2以上であることが好ましく、または断面形状の周囲の一部に直線部を有する三角断面等の形状であることが好ましい。ここで扁平率とは、繊維断面の短軸長aと長軸長bを測定し、長軸長bを短軸長aで除した値をいう。
【0012】
このような扁平断面糸を用いてウェブを形成させると、その断面の長辺が不織布平面方向に配列しやすくなり、不織布の厚みを薄くすることができる。このため、不織布は平面方向に曲げ易く、柔軟になるとともに、繊維の充填率が高くなり、熱伝導性が向上し、繊維触感を保持しつつ、人体と接触する繊維面積を大きくすることができ、心地よい伝熱媒体とすることができる。
上記扁平断面形状の繊維は、例えば、扁平断面の紡糸ノズルから溶融樹脂を押し出して製造することができるが、丸断面繊維を製造した後、これを潰して扁平状の繊維としてもよい。この場合の丸断面繊維の潰しは、繊維状で行っても、不織布とした後に行ってもよい。丸断面繊維の潰しは、金属ロールと金属ロール、金属ロールとペーパーロール、金属ロールと樹脂ロールなどを組み合わせたカレンダーロール等を用いることができる。不織布とした後にカレンダー処理を行う場合には少なくとも不織布表面を構成する繊維の扁平度が1.3以上であれば、扁平糸を用いた場合と同様な効果が得られる。
【0013】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂フィルムとしては、LDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)またはメタロセン系触媒PE等の各種ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系、EVAおよびエチレン、プロピレン、ブテン等の各種共重合ポリプロピレン等のポリオレフィン共重合系、ポリアミド系、ポリエステル系などのフィルムが用いられ、透湿性を有した微多孔フィルムであってもよい。柔軟性、シール性、価格の点から、ポリエチレンまたはその共重合系オレフィンフィルムが好ましい。また、繊維層との相性、また包材周辺のシール性の点から2〜3層のフィルムを組み合わせたものでもよい。
【0014】
本発明に用いられる包材は、上記不織布と熱可塑性樹脂フィルムを、ヒートシール、熱接合またはホットメルト接着剤などを用いてラミネートすることにより得られ、ラミネートは全面接合であっても、部分接合としてもよいが、柔軟性を得る点からは部分接合が好ましい。包材の通気性は、ラミネート後の孔あけ加工により、またはあらかじめ有孔または微孔のフィルムを用いることにより付与され、この通気孔より発熱時に必要な空気が供給され、その孔面積により空気の供給量がコントロールされる。この通気性を有する包材は使い捨て温熱具の少なくとも一面に用いられていればよく、他の面には通気性のない包材を用いることができる。
【0015】
本発明の使い捨て温熱具は、上記通気性を有する包材の該フィルム面を内側にして発熱する発熱組成物を収容し、その周辺部をシールすることにより得られる。発熱組成物としては、従来公知の鉄粉、無機塩、活性炭、水などの組成物が用いられる。発熱組成物を包材に収容した後は、粉モレ防止のために包材の周辺部をシールすることが必要である。このシールは熱シールやホットメルト剤などの接着剤等によるシールで行うことができる。
本発明の使い捨て温熱具は、一定条件下での定常伝熱効率が65%以上である不織布を用いているため、伝熱効率が良好で熱損失が少なく、経済性に優れ、また不織布を構成する繊維として扁平糸を用いることにより、肌触りや柔軟性に優れると共に、表面の滑らかさによってフィルムとのラミネート強度が向上し、さらにはその表面平滑性により使い捨て温熱具表面に名称や模様等を印刷する場合の印刷性が改善される。
【0016】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
なお、例中の測定および評価は下記の方法で行った。
1)不織布の目付:10cm角試料の重量を測定して目付(g/m2 )に換算した。
2)不織布の強力および5%伸長時応力:JIS L−1906に準じて測定した。
3)不織布の定常伝熱効率:20℃、湿度65%の環境下で、恒温水槽から水循環され20℃で維持されるように設定された熱板(5cm角)上に、同寸法の試料片を置き、さらにその上に5cm角で40℃の熱板(6g/cm2 )を重ね、試料を通して伝わる熱量を熱板の温度を維持する熱量として測定し、試料の熱伝導度とした。試料を置かない場合の維持熱量14.06W/25cm2 ・20℃に対する割合を定常伝熱効率(%)とした。また、40℃の熱板上に置いた試料の反熱板面の試料表面温度も熱伝導性の目安とした。
4)不織布繊維の扁平度:繊維断面の短軸長aと長軸長bを測定し、長軸長bを短軸長aで除した値を扁平度とした。なお、丸断面繊維を潰したものは一定の扁平度とはならないが、不織布の表面にある変形繊維を扁平糸としてその断面の扁平度を測定した。
【0017】
実施例1
ナイロン6(相対粘度(ギ酸)2.7)を原料とし、丸断面の紡糸ノズルから溶融押出した長繊維を紡口の近傍にて側方から冷却しながら、エアーサッカー型牽引装置で引き取った。牽引引取装置を出た糸条は、帯電装置を通過させて開繊させた後、移動する金網コンベアー上にウェブとして捕集した。このウェブを加熱したエンボスロール間に通し、部分熱圧着して一辺0.5mm変形四辺形の織目柄(圧着面積率14.5%)の散点模様を有する不織布を得た。得られた不織布の構成繊維の繊度は2.0dtex、目付は35g/m2 であった。この不織布を表面温度150℃の平滑金属ロールとペーパーロールを組み合わせたカレンダー装置に通し、表面の繊維層を潰し加工した。不織布表面の繊維は、扁平度1.6に相当する変形した繊維であった。この不織布は、扁平断面糸を用いた不織布と同じように薄くなり、伝熱効率に優れたものであった。得られた不織布の特性を表1に示す。
またこの不織布を40℃の熱板上に置いた時の反熱板面の試料の表面温度を調べてみると、市販カイロに使用されている不織布(比較例1)では、温度差は約2℃差であるのに対し、実施例1で得た不織布では温度差は約0.3℃低くなるだけであり、従来のものに比べて優れた熱伝導性を有し、熱損失が極めて少ない不織布であった。
【0018】
得られた不織布のエンボス表面に50μのポリエチレン(LLDPE)フィルムをラミネートした後、公知の方法で針ロールで窄孔(約6%)し、カイロ用包材とした。この不織布を上被層とし、下被層は無孔の同ラミネート品を用い、フィルム面を内側に、発熱組成物を充填し、周囲をヒートシールした使い捨てカイロを得た。得られた使い捨てカイロは不織布が外側であり、滑らかな触感、柔軟性を持ち、熱伝導性が良く、熱損失の少ない、肌触り良い使い捨てのカイロであった。
【0019】
実施例2
実施例1において、ナイロン6の替わりに扁平断面のポリエチレンテレフタレート繊維(2.0dtex、繊維断面の短軸長a:25μ、長軸長b:7.8μ、扁平度:3.2)を用い、不織布のカレンダー装置による繊維潰し加工を行わなかった以外は実施例1と同様の方法で部分熱圧着スパンボンド(熱圧着面積率14.5%織目柄、目付45g/m2 )を得た。得られた不織布の性能を表1に示す。
この不織布を40℃の熱板上に置いた時の反熱板面の試料の表面温度は、市販カイロに使用されている不織布(比較例2)が約2℃差であるのに対し、約0.7℃低くなるだけであり、熱損失の少ない不織布であった。また、ポリエチレンフィルムをラミネートする前に、不織布の反ラミネート面にイラスト模様を印刷して実施例1と同様にして使い捨てカイロを製作した。得られた使い捨てカイロは比較例2の丸断面繊維を用いた従来のカイロに比べ、イラスト模様が鮮明であった。
【0020】
実施例3
実施例2において、通常の丸断面ナイロン6繊維を用いた以外は実施例2と同様の方法で繊度0.9dtex、織目柄の部分熱圧着面積率14.5%、目付40g/m2 の不織布を得た。得られた不織布の性能を表1に示す。
この不織布を用いて実施例2と同様にして不織布表面に印刷を施した後、厚さ40μの透湿性を有する微孔ポリエチレンフィルムを積層し、使い捨てカイロを製作した。得られた使い捨てカイロはイラスト模様の鮮明な熱伝導率に優れたカイロであった。
【0021】
実施例4
実施例3において、ナイロン6の替わりにポリプロピレンを用いた以外は同様の方法でポリプロピレン繊維のウェブ(JIS−K7210の表1の条件で測定したMFRが40である樹脂を原料とし、繊維2.0dtex、目付10g/m2 )を形成した。得られたポリプロピレン繊維ウェブの2層間に、メルトブロー法によるポリプロピレン繊維ウェブ(JIS−K7210の表1の条件で測定したMFRが700である樹脂を原料とし、繊度0.05dtex、目付5g/m2 )を配置し、さらに部分熱圧着して積層スパンボンド(熱圧着面積率14.5%織目柄、目付25g/m2 )を得た。得られた不織布の性能を表1に示す。この不織布を用いて実施例3と同様の方法で表面に印刷を施した後、使い捨てカイロを製作した。得られたカイロは表面が滑らかで、柔軟であり、さらに表面の模様が鮮明で伝熱効率に優れたものであった。
【0022】
実施例5
実施例4において、ナイロン6繊維ウェブ(相対粘度(ギ酸)2.7の樹脂を原料、繊度2.0dtex、目付15g/m2 )の2層間に、メルトブロー法によるポリプロピレン繊維ウェブ(相対粘度2.3の樹脂を原料、繊度0.05dtex、目付5g/m2 )を配置し、部分熱圧着率6.5%のピンボイント柄の熱圧着とした以外は実施例4と同様にして積層スパンボンド(目付35g/m2 )を得た。得られた不織布の性能を表1に示す。
この不織布に実施例4と同様にして表面に印刷を施し、使い捨てカイロを製作した。得られた使い捨てカイロは、表面が滑らかで、一段とイラスト模様が鮮明であり、伝熱効率に優れたものであった。
【0023】
実施例6
実施例1において、メルトブロー法によるポリプロピレン繊維ウェブ(JIS−K7210の表1の条件で測定したMFR=700の樹脂を原料、繊度0.05dtex、丸断面形状、目付50g/m2 )を用い、このウェブをフラットカレンダーに通した以外は実施例1と同様の方法で不織布を作製し、使い捨てカイロを得た。得られた不織布の性能を表1に示す。
得られた不織布は紙的な感触を有し、表面は細かな繊維層で緻密なカバー性に優れた不織布であり、熱伝熱性に優れたものであった。この不織布を用いた使い捨てカイロは、強度面から動きの少ない固定使用される靴下敷き用やお灸用等に適するものであった。
【0024】
比較例1〜2
比較例として、市販の使い捨てカイロに使用されているナイロン6繊維(繊度2.0dtex)、ポリエチレンテレフタレート繊維(繊度2.0dtex)の各ウェブを織目柄に圧着面積率22%で熱圧着して不織布を製作し、使い捨てカイロを作製した。これらの不織布の性能を表1に示す。
得られた使い捨てカイロは熱伝熱効率が60.5%(比較例1)および63.7(比較例2)であり、熱損失の大きいカイロであった。
【0025】
【表1】
Figure 2004041300
【0026】
【発明の効果】
本発明の使い捨て温熱具は、一定条件下での定常伝熱効率が65%以上である不織布を用いているため、伝熱効率が良好で熱損失が少なく、経済性に優れ、また不織布を構成する繊維として扁平糸を用いることにより、肌触りや柔軟性に優れると共に、表面平滑性によりフィルムとのラミネート強度が向上し、また使い捨て温熱具表面に名称や模様等を印刷する場合の印刷性が改善される。

Claims (5)

  1. 疎水性合成繊維からなる不織布に熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした通気性を有する包材と、該包材に収容された空気の存在下で発熱する発熱組成物とを備えた使い捨て温熱具において、前記不織布の20℃、湿度65%雰囲気下における定常伝熱効率が65%以上であることを特徴とする使い捨て温熱具。
  2. 前記疎水性合成繊維が連続フィラメントであることを特徴とする請求項1記載の使い捨て温熱具。
  3. 前記疎水性合成繊維の繊度が2.8dtex以下であることを特徴とする請求項1または2記載の使い捨て温熱具。
  4. 前記疎水性合成繊維の断面扁平度が1.3以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の使い捨て温熱具。
  5. 前記疎水性合成繊維がメルトブロー法により得られた極細繊維を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の使い捨て温熱具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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