JP3684573B2 - 光電センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、しきい値を、周期的に取得される一連の受光量列の移動平均相当値の相対値として設定することにより、外部環境条件の変動やセンサ内部における温度変化等の影響による受光量の変動にも柔軟に対応して、正確な検出動作を可能とした光電センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光電センサにあっては、所定周期或いは任意のタイミングでサンプリングされる受光量を、予め設定された受光量しきい値と適宜に比較することにより、所定領域内における物体存在有無の判定を行っている。
【0003】
受光量しきい値は、例えば、物体存在状態において取得される受光量(物体存在有り状態への変化を主たる検出対象とする場合の動作レベル)と、物体未存在状態において取得される受光量(同様の場合の背景レベル)とを予め求めておき、それら2つの受光量の相関を考慮して、ユーザ等により、検出誤動作の起こりにくい適切な値(例えば両受光量の中間値等)に設定される。判定方法としては、受光量が複数回連続して受光量しきい値を超えたか否かで判定を行うものや、受光量に所定の演算を施した上で受光量しきい値との比較を行い、その結果で判定を行うもの等様々である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、光電センサにあっては、周囲温度の変化やノイズ発生状況の悪化等の外部環境条件の変動や、センサ内部における温度変化等の影響により、内部増幅率にばらつきが生じ、物体存在有無とは無関係に、そのときどきの状況で受光量が変動しがちである。そのため、ユーザは、受光量のそのような変動を許容した検出が可能となるように、既知の背景レベルから十分な差が隔てられた値に受光量しきい値を設定することを余儀なくされている。このことは、センサの検出分解能の高精度化を妨げる一因ともなっている。
【0005】
図19は、従来光電センサにおける受光量の変動としきい値との関係の一例を示すグラフである。同図に示される曲線は、外部環境等の影響を受けているときの受光量(主として背景レベル)の変動を示している。この例は、所定領域内を通過するワークの存在有無検出を行った場合を示すものであり、ワークが所定領域内の通過を開始したときには(物体存在状態)、それにより受光量が瞬時減少している。尚、このような場合、本来であれば、ワークが所定領域内を通過しきったときには、通過直前の背景レベルと同一となる筈である。
【0006】
同図において、しきい値(1)は、既知の背景レベルと既知の動作レベルとに基づき算出(両レベルの中間値)されたものである。このしきい値(1)を設定した場合には、外部環境等の影響を受けて受光量の変動が起こっているときには、予定された事象変化(この例では、物体存在有無の反転)が生じていないにも拘わらず、背景レベルがしきい値(1)を下回り、それによる誤検出(誤動作)が起こる。そこで、このような受光量の変動を考慮して、既知の背景レベルに対して十分低いしきい値(2)を設定した場合には、今度は、正常な受光量の変化(同図における急激な減少)にも反応しないと言った不具合が生じる。
【0007】
このような不具合は、例えば、ガラス等の半透明物体の存在有無を検出するような場合において特に顕著となる。すなわち、背景レベルと動作レベルとの差が微少である場合には、それに応じて背景レベルとしきい値との差を微少な値に保たねばならない。しかしながら、一方では、温度変化等による受光量変動を予め考慮して、上述したように背景レベルとしきい値との差を十分に確保しなければならず、結局は、上記誤動作の発生を免れないといった問題があった。
【0008】
尚、このような内部温度変化等の影響による信号レベルの変動は、光電センサのみならず、超音波センサ、近接センサ、圧力センサ、温度センサ、煙感知器(ガスセンサ)、pHセンサ等々、事象の発生と相関のある特徴量に基づき事象の発生有無を検出する種々のセンサにも共通にみられる問題である。
【0009】
本発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、外部環境条件の変動やセンサ内部における温度変化等の影響による受光量の変動に柔軟に対応して、正確な検出動作を可能とした光電センサを提供することにある。
【0010】
この発明の他の目的とするところは、背景レベルと動作レベルとの差が微少である場合にも、正確な検出を可能とした光電センサを提供することにある。
【0011】
この発明の更に他の目的とするところは、外部環境条件の変動やセンサ内部における温度変化等の影響による受光量の変動に柔軟に対応して正確な検出動作が可能であり、かつ当該センサにおける各種設定値を、検出対象物体の搬送速度に応じて自動設定するようにしたセンサシステムを提供することにある。
【0012】
この発明の更に他の目的及び効果は、明細書中の以下の記載から当業者であれば容易に理解されるであろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するための本発明の第1実施形態は、周期的に取得される一連の受光量列の移動平均相当値を生成する演算手段と、移動平均相当値に対して加算すべきオフセット量を設定するためのオフセット量設定手段と、受光量現在値を、移動平均相当値にオフセット量を加算して得られる受光量しきい値と比較して弁別2値化する第1の弁別手段と、第1の弁別手段による弁別結果の同値連続個数を連続個数判定用しきい値と比較して弁別2値化する第2の弁別手段とを有する光電センサとされる。
【0014】
ここで、『移動平均相当値』とあるが、‘相当値’で示されるように、当該移動平均相当値は必ずしも平均値そのものでなくともよく、移動平均値の近似値(移動平均値相当)を広く含むものである。
【0015】
また、『加算』とあるが、「〜すべき」とあるように、当該記載はオフセット量の算出乃至生成態様をこれのみに限定するものではない。本発明の第1実施形態は、主として、しきい値を、移動平均相当値にオフセット量を加算したものとすることで、結果的に、内部温度変化等の影響による受光量変動に追従するようにしてしきい値を適宜設定可能としたものであるが、例えば、オフセット量を移動平均値から‘減算’する、といった程度のしきい値算出態様の変更は、当業者であれば容易に想到されるであろう。
【0016】
尚、例えば、透過型、反射型といった検出態様の変更や、センサの使用状況により想定される事象変化(物体存在有無)に基づく受光量の変化の方向が反転するような場合が想定される。そのような場合には、予め、加算すべきオフセット量を、プラス又はマイナスの双方の値に設定可能としておけば、それぞれの状況に臨機応変に対応してしきい値の設定が可能となる。
【0017】
『第1の弁別手段による弁別結果の同値連続個数を連続個数判定用しきい値と比較して弁別2値化する』とあるが、これは、例えば、第1弁別手段による2値化出力“1”又は“0”が規定回数(連続個数判定用しきい値)連続したとき、それに対応して2値化出力“1”又は“0”を生成するような場合が挙げられる。
【0018】
本発明の第1実施形態によれば、しきい値を、内部温度変化等による受光量変動に追従するようにして適宜に設定することができるから、外部環境の変化やセンサ内部の温度変化等により、受光量に変動が生じても、安定した検出を行うことができる。
【0019】
また、これにより、受光量変動を予め考慮して、背景レベルとしきい値との差を必要以上に大きく設ける必要がなくなり、検出分解能の高精度化を図ることが可能となる。
【0020】
第1実施形態においては、しきい値は、移動平均相当値にオフセット量を加算することにより算出されるものとしたが、本発明の第2実施形態では、当該しきい値は、移動平均相当値にオフセット係数を乗算することで、移動平均相当値との比率が一定となるように設定される。
【0021】
すなわち、本発明の第2実施形態は、周期的に取得される一連の受光量列の移動平均相当値を生成する演算手段と、移動平均相当値に対して乗算すべきオフセット係数を設定するためのオフセット係数設定手段と、受光量現在値を、移動平均相当値にオフセット係数を乗算して得られる受光量しきい値と比較して弁別2値化する第1の弁別手段と、第1の弁別手段による弁別結果の同値連続個数を連続個数判定用しきい値と比較して弁別2値化する第2の弁別手段とを有する光電センサとされる。
【0022】
ここで、『乗算』とあるが、これについても、「〜すべき」とあるように、その算出態様を限定するための記載ではない。本発明の第2実施形態は、主として、しきい値を、移動平均相当値にオフセット係数を乗算したものとすることにより、結果的に、内部温度変化等の影響による受光量変動に追従するようにしきい値を適宜設定可能としたものであるが、例えば、移動平均値にオフセット係数を‘除算’する、といった程度のしきい値算出態様の変更は、当業者であれば容易に想到されるであろう。
【0023】
第2実施形態においても、例えば、透過型、反射型といった検出態様の変更や、センサの使用状況により、想定される事象変化に基づく受光量の変化の方向が反転するような場合が想定される。そのような場合には、予め、乗算すべきオフセット係数を、物体存在有無の反転に基づく受光量の変化の方向別に設定可能としておけば(具体的一例としては、例えば、‘0.8’と‘1.25’等(移動平均相当値の上下それぞれの値にしきい値を設定可能な組合せ))、それぞれの状況に合わせたしきい値を設定できる。
【0024】
本発明の第1、第2実施形態において、好ましくは、移動平均相当値を生成するための演算に使用される受光量列の取得周期を設定するための取得周期設定手段が更に設けられる。
【0025】
また、好ましい他の一例では、移動平均相当値を生成するための演算に使用される受光量列の受光量個数を設定するための受光量個数設定手段が設けられる。
【0026】
また、好ましい他の一例では、第2の弁別手段に使用される連続個数判定用しきい値を設定するための手段が設けられる。
【0027】
このような態様によれば、センサの使用状況に応じて、各値(取得周期、受光量個数、連続個数判定用しきい値)を好ましい任意の値に設定することができる。一例としては、例えば、取得周期が早くなるように設定することにより、センサの応答速度を上げることができる。また、受光量個数が多くなるように設定することにより、ノイズ等の影響を極力抑えたより正確な移動平均相当値を得るようにすることができる。また、連続個数判定用しきい値を多く設定することで、ノイズに基づく誤検出を排除し、検出精度をより一層高めることができる。
【0028】
ここでより好ましくは、受光量列の取得周期、受光量列の受光量個数、および連続個数判定用しきい値の設定は、予め用意された複数種類の設定パターンの中から希望する設定パターンの符号を指定することにより一括設定されるようにする。
【0029】
このような態様によれば、それら3種の設定値を一括して設定できるから、それらを個々に設定するといったユーザの手間暇も解消される。また、予め、それら3種の設定値の好ましい組合せパターンを用意しておけば、操作に不慣れなユーザでも、簡易にかつ良好な設定を行うことが可能となる。
【0030】
第1、第2実施形態において、好ましくは、外部機器を介して生成される搬送装置の搬送速度信号を入力する手段が更に設けられ、取得周期、受光量個数、又は、連続個数判定用しきい値は、該搬送速度信号に基づき自動設定されるようにされる。
【0031】
ここで、『外部機器』としては、例えば、パルスエンコーダ等が上げられる。また、『搬送装置』としては、ベルトコンベア等が挙げられる。
【0032】
このような態様によれば、搬送装置により搬送される検出対象物体の存在有無を検出するような場合には、取得周期、受光量個数、又は、連続個数判定用しきい値を、検出対象物体の搬送速度に応じて、適切な値に自動調整することが可能となる。また、それら設定に係る手間暇も解消される。尚、如何なる搬送速度に対して如何なる設定値の調整を行うかは、検出状況に応じて予め定めておけばよい。
【0033】
次に、第1、第2実施形態においては、‘教示’を介して、「オフセット量」又は「オフセット係数」を自動設定することにより、それらの設定に係るユーザ等の手間暇を解消することができる。
【0034】
すなわち、第1実施形態においては、教示操作を介して物体存在有無のそれぞれの状態における受光量を記憶する手段が更に設けられ、オフセット量設定手段は、記憶された受光量に基づき、オフセット量を自動設定するようにする。
【0035】
また、第2実施形態においては、教示操作を介して物体存在有無のそれぞれの状態における受光量を記憶する手段が更に設けられ、オフセット係数設定手段は、記憶された受光量に基づき、オフセット係数を自動設定するようにする。
【0036】
尚、ここで、『教示』とあるが、当該教示は、例えば、ユーザのテンキー操作や、PLC等からのデータ受信を介して、それぞれの状態に対応する既知の受光量を数値データとして直接入力することにより行うこともできるし、或いは、その都度、センサに受光量を実測させるようにしてもよい。
【0037】
ここで、より好ましくは、第1、第2実施形態において、‘教示’に際するセンサへの操作は、例えばPLC等の外部装置から到来する教示信号に基づき自動で行われる。具体的には、例えば、そのときどきの投受光処理を経て取得される受光量を、外部装置からの教示信号に基づき、物体存在有無の何れかの状態における受光量として特定し、それにより得られた2つの受光量からしきい値を自動算出する態様のものが挙げられる。
【0038】
次に、本発明の第1、第2実施形態において、好ましくは、受光量現在値と受光量しきい値との比較結果に基づき、その受光量現在値を、演算手段における移動平均相当値生成のための新たな受光量列の1つとして採用するか否かを弁別する手段が更に設けられる。
【0039】
このような態様によれば、例えば、単発的に受光量しきい値を越えるような受光量が取得された場合には、それをノイズと見なし、当該受光量については移動平均相当値生成に採用しないようにすることで、ノイズによる受光量しきい値の変動を抑制することができる。また、例えば、受光量現在値が、事象変化に基づく変化の方向へ受光量しきい値を越えたときには、当該受光量を、物体存在有無の反転に基づく受光量変化と見なして直ちに移動平均相当値の算出に反映させないようにすることで、当該反転最中の受光量しきい値を固定したものとすることも可能となり、より正確な検出動作が保証される。
【0040】
ここで、より好ましくは、新たな移動平均相当値生成に採用される受光量現在値のうち、そのときの移動平均相当値近傍の所定範囲外の値を有する受光量現在値については、該移動平均相当値近傍の規定値に置換されるようにする。
【0041】
このような態様によれば、例えば、検出対象物体の表面状態等に基づく受光量の多少の変動分に対しては、そのときの移動平均相当値近傍の所定範囲外の値で特定される受光量に置換することで、そのような受光量の変動に基づく移動平均相当値の変動を抑制することができる。
【0042】
次に、本発明の第3、第4実施形態は、上述の第1、第2実施形態を適用したセンサシステムとして実現される。
【0043】
本発明の第3実施形態は、搬送装置と、該搬送装置の搬送速度に対応した速度パルスを生成する速度パルス生成装置と、光電センサとを備え、該搬送装置により順次搬送されてくる検出対象物体が所定領域内に存在するか否かを検出するセンサシステムであって、光電センサは、周期的に取得される一連の受光量列の移動平均相当値を生成する演算手段と、移動平均相当値に対して加算すべきオフセット量を設定するためのオフセット量設定手段と、受光量現在値を、移動平均相当値にオフセット量を加算して得られる受光量しきい値と比較して弁別2値化する第1の弁別手段と、第1の弁別手段による弁別結果の同値連続個数を連続個数判定用しきい値と比較して弁別2値化する第2の弁別手段と、速度パルス生成装置を介して適宜に取得される速度パルスに基づき、移動平均相当値を生成するための演算に使用される受光量列の取得周期を自動設定する手段と、を有することを特徴とする。
【0044】
ここで、『搬送装置』としては、例えば、ベルトコンベア等が挙げられる。また、『パルス生成装置』としては、例えば、ロータリーエンコーダが挙げられる。本発明の第3実施形態によれば、検出対象物体の搬送速度に応じて、センサ応答速度や検出精度等を考慮した取得周期を適宜に設定することができる。
【0045】
尚、ここでは、『速度パルス生成装置を介して適宜に取得される速度パルスに基づき、移動平均相当値を生成するための演算に使用される受光量列の取得周期を自動設定する手段』を設け、搬送速度に応じて取得周期を自動設定するようにしたが、これとは別に、例えば、『速度パルス生成装置を介して適宜に取得される速度パルスに基づき、移動平均相当値を生成するための演算に使用される受光量列の受光量個数を自動設定するための受光量個数設定手段』を設け、搬送速度に応じて受光量個数を自動設定するようにしてもよい。同様に、『速度パルス生成装置を介して適宜に取得される速度パルスに基づき、第2の弁別手段に使用される連続個数判定用しきい値を自動設定するための手段』を設け、搬送速度に応じて連続個数を自動設定するようにすることもできる。
【0046】
また、本発明の第4実施形態は、搬送装置と、該搬送装置の搬送速度に対応した速度パルスを生成する速度パルス生成装置と、光電センサとを備え、該搬送装置により順次搬送されてくる検出対象物体が所定領域内に存在するか否かを検出するセンサシステムであって、光電センサは、周期的に取得される一連の受光量列の移動平均相当値を生成する演算手段と、移動平均相当値に対して乗算すべきオフセット係数を設定するためのオフセット係数設定手段と、受光量現在値を、移動平均相当値にオフセット係数を乗算して得られる受光量しきい値と比較して弁別2値化する第1の弁別手段と、第1の弁別手段による弁別結果の同値連続個数を連続個数判定用しきい値と比較して弁別2値化する第2の弁別手段と、速度パルス生成装置を介して適宜に取得される速度パルスに基づき、移動平均相当値を生成するための演算に使用される受光量列の取得周期を自動設定するための手段と、を有することを特徴とする。
【0047】
尚、ここでは、『速度パルス生成装置を介して適宜に取得される速度パルスに基づき、移動平均相当値を生成するための演算に使用される受光量列の取得周期を自動設定する手段』を設け、搬送速度に応じて取得周期を自動設定するようにしたが、これとは別に、第4実施形態においても、例えば、『速度パルス生成装置を介して適宜に取得される速度パルスに基づき、移動平均相当値を生成するための演算に使用される受光量列の受光量個数を自動設定するための受光量個数設定手段』を設け、搬送速度に応じて受光量個数を自動設定するようにしてもよい。同様に、『速度パルス生成装置を介して適宜に取得される速度パルスに基づき、第2の弁別手段に使用される連続個数判定用しきい値を自動設定するための手段』を設け、搬送速度に応じて連続個数を自動設定するようにすることもできる。
【0048】
第3、第4実施形態によれば、外部環境条件の変動やセンサ内部における温度変化等の影響による受光量の変動に柔軟に対応して、正確な検出動作が可能であり、かつ、取得周期、受光量個数、又は、連続個数判定用しきい値を、検出対象物体の搬送速度に応じて自動調整可能なセンサシステムが提供される。尚、如何なる搬送速度に対して如何なる設定値の調整を行うかは、検出状況に応じて予め定めておけばよい。
【0049】
尚、第1〜第4実施形態は、何れも光電センサを使用したものであるが、これらの検出原理は、この他種々のセンサにも適用することができる。
【0050】
本発明の第5実施形態は、周期的に取得される一連の特徴量列の移動平均相当値を生成する演算手段と、移動平均相当値に対して加算すべきオフセット量を設定するためのオフセット量設定手段と、特徴量現在値を、移動平均相当値にオフセット量を加算して得られる特徴量しきい値と比較して弁別2値化する第1の弁別手段と、第1の弁別手段による弁別結果の同値連続個数を連続個数判定用しきい値と比較して弁別2値化する第2の弁別手段とを有するセンサとされる。
【0051】
『センサ』とあるが、具体的には、光電センサの他、音量、磁気抵抗、圧力等に基づく特徴量を利用して所定範囲内における検出対象物体の存在を検出する超音波センサ、近接センサ、圧力センサや、熱量に基づく特徴量を利用して例えば室内温度上昇等を検出する温度センサ、ガス吸着効果や化学反応等に基づく特徴量を利用して例えば火災発生等を検出する煙感知器(ガスセンサ)、電位差に基づく特徴量を利用して例えば水質汚染発生等を検出するpHセンサ等々、種々のものが挙げられる。
【0052】
また、本発明の第6実施形態は、周期的に取得される一連の特徴量列の移動平均相当値を生成する演算手段と、移動平均相当値に対して乗算すべきオフセット係数を設定するためのオフセット係数設定手段と、特徴量現在値を、移動平均相当値にオフセット係数を乗算して得られる特徴量しきい値と比較して弁別2値化する第1の弁別手段と、第1の弁別手段による弁別結果の同値連続個数を連続個数判定用しきい値と比較して弁別2値化する第2の弁別手段とを有するセンサとされる。
【0053】
第5実施形態において、好ましくは、オフセット量設定手段は、加算すべきオフセット量を、プラス又はマイナスの双方の値に設定可能とされる。
【0054】
また、第6実施形態において、好ましくは、オフセット係数設定手段は、乗算すべきオフセット係数を、事象発生有無の反転に基づく特徴量の変化の方向別に設定可能とされる。
【0055】
第5、第6実施形態において、好ましくは、移動平均相当値を生成するための演算に使用される特徴量列の取得周期を設定するための取得周期設定手段が設けられる。
【0056】
また、第5、第6実施形態において、好ましい他の一例では、移動平均相当値を生成するための演算に使用される特徴量列の特徴量個数を設定するための特徴量個数設定手段を更に設けられる。
【0057】
また、第5、第6実施形態において、好ましい他の一例では、第2の弁別手段に使用される連続個数判定用しきい値を設定するための手段が更に設けられる。
【0058】
ここでより好ましくは、特徴量列の取得周期、特徴量列の特徴量個数、および連続個数判定用しきい値の設定は、予め用意された複数種類の設定パターンの中から希望する設定パターンの符号を指定することにより一括設定されるようにする。
【0059】
または、第5、第6実施形態においては、外部機器を介して生成される搬送装置の搬送速度信号を入力する手段を設け、取得周期、特徴量個数、又は、連続個数判定用しきい値は、該搬送速度信号に基づき自動設定されるようにしてもよい。
【0060】
第5、第6実施形態においても、‘教示’を介して、「オフセット量」又は「オフセット係数」を自動設定することにより、それらの設定に係るユーザ等の手間暇を解消することができる。
【0061】
すなわち、第5実施形態においては、教示操作を介して物体存在有無のそれぞれの状態における特徴量を記憶する手段を設け、オフセット量設定手段は、記憶された特徴量に基づき、オフセット量を自動設定するようにする。
【0062】
また、第6実施形態においては、教示操作を介して物体存在有無のそれぞれの状態における特徴量を記憶する手段を設け、オフセット係数設定手段は、記憶された特徴量に基づき、オフセット係数を自動設定するようにする。
【0063】
また、第5、第6実施形態の何れにおいても、教示操作を、例えばPLC等の外部装置から到来する教示信号に基づき自動で行うようにすることもできる。
【0064】
また、第5、第6実施形態において、好ましくは、特徴量現在値と特徴量しきい値との比較結果に基づき、その特徴量現在値を、演算手段における移動平均相当値生成のための新たな特徴量列の1つとして採用するか否かを弁別する手段が設けられる。
【0065】
ここで、より好ましくは、新たな移動平均相当値生成に採用される特徴量現在値のうち、そのときの移動平均相当値近傍の所定範囲外の値を有する特徴量現在値については、該移動平均相当値近傍の規定値に置換されるようにする。
【0066】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明センサの好適な一実施形態を添付図面に従って詳細に説明する。
【0067】
本実施形態による光電センサの回路構成の概略が図1のブロック図により示されている。
【0068】
同図に示されるように、この光電センサ1は、物体検出領域(所定領域)へと向けて赤外線投光を行うための投光部11と、物体検出領域を経て到来する投光部11からの赤外線投光を受け取るための受光部12と、光電センサ1への各種情報入力のための入力部13と、検出結果に基づく出力を外部機器へ出力するための出力部14と、表示部15と、メモリ部16と、それらを統括制御するCPU17とを有している。
【0069】
投光部11は、投光素子としてのLED111と、CPU17から出力されるタイミング制御信号に同期してLED111の駆動パルスを生成するLED駆動部112とを有してなる。
【0070】
受光部12は、受光素子としてのPD(フォトダイオード)121と、CPUからのタイミング制御信号に同期して、PD121から得られる受光量を増幅してCPU17に出力するアンプ部122とを有してなる。
【0071】
入力部13は、検出に係る各種設定のためのスライドスイッチ(図示は省略する)や操作ボタン等で構成される操作入力部131と、後述する教示タイミング信号をPLC等の外部装置から取り込むための教示タイミング信号入力部132と、後述するベルトコンベアの搬送速度に対応して生成される速度信号を取り込むための速度パルス入力部133とを有してなる。
【0072】
出力部14は、物体存在有無検出の検出結果に基づく2値化信号を例えばPLC等の外部装置に出力するために使用される。
【0073】
表示部15は、7セグメント表示器を含んで構成され、該7セグメント表示器には、ON/OFF状態や受光量等の物体存在有無検出に係る各種数値等が表示される。
【0074】
メモリ部16は、フラッシュメモリを主体として構成され、この例では、オフセット量としての基礎偏差(DIF)、サンプリング周期((取得周期)SMP)、連続個数判定用しきい値としての判定回数(P_CNT)、受光量個数としての受光量取得回数(Ave_CNT)等の各種設定値が適宜記録される。
【0075】
CPU17は、マイクロプロセッサを主体として構成され、上述の11〜16の各構成要素を統括制御するとともに、物体存在有無検出に係る各種の演算を実行し、検出処理を行うものである(図3乃至図6等参照)。
【0076】
本実施形態の光電センサは、以上のような回路構成とされ、この例では、ベルトコンベア上を搬送される検出対象物体が所定領域の通過を開始したとき、又は、通過が完了した(通り過ぎた)ときに、ON・OFF検出出力を生成するべく使用されている。尚、このような使用態様は、あくまでも、一実施例を示すものに過ぎず、本発明の使用態様をこれに限定するものではない。
【0077】
本実施形態による物体存在有無の検出原理を図2のグラフを参照しつつ説明する。尚、この例では、受光量取得回数(Ave_CNT)並びに判定回数(P_CNT)は、共に‘4’に設定されているものとする。
【0078】
同図に示されるグラフは、縦軸を受光量、横軸を時間とした描かれたものであり、白丸または黒丸は、何れも、受光部12を介してCPU17に所定タイミングで順次入力される受光信号に基づく受光量を示している。この例では、白丸で示される受光量は、検出に際して採用されない非サンプリング値であり、検出に際して採用される実際のサンプリング値は、黒丸で示される受光量のみとされている(以下、「サンプリング受光量」は、この黒丸で示される実際のサンプリング受光量のことを指すものとする)。尚、同図では、白丸と黒丸とが交互に描かれているが、本実施の形態では、この黒丸の出現頻度(サンプリング周期SMP)を、適宜に設定乃至変更可能とされている。これについては、後に詳細に説明するが、ちなみに同図で示されるのは、サンプリング周期SMP=“2”(「受光量の取得数2回毎に1つを実際のサンプリング値として採用」の意)に設定した場合の受光量の変化を示す曲線である。この例では、物体未存在状態から存在状態へと変化したとき、受光量曲線が急激に立ち下がり、その直後、物体存在状態から未存在状態へと変化したとき立ち上がりを見せている。
【0079】
同図右上の枠内に示されるように、本実施の形態においては、検出に際して、▲1▼〜▲5▼に示す5つの値が使用される。
【0080】
同図において、太線で示される『受光量平均値(▲2▼)』は、直前までの規定数(受光量取得回数Ave_CNT)の既得サンプリング受光量の平均値(X又はY/Ave_CNT)(移動平均値に相当)として算出され、通常時には、受光量現在値(最新のサンプリング受光量)が取得される毎に更新される。尚、当該受光量取得回数Ave_CNTは、適宜に設定乃至変更可能とされている。これについては後述する。
【0081】
同図枠内において、下向きの矢印で示される『基礎偏差DIF(▲5▼)』は、受光量平均値(▲2▼)に対して一定方向(主たる事象の変化に基づく受光量の変化方向、すなわち、この例では主として物体未存在状態から存在有り状態への変化に基づく受光量の変化の方向)に一定差を維持したしきい値を設定するために予め算出される規定値(オフセット量)である。基礎偏差DIFは、具体的には、所定領域内における物体の存在有無のそれぞれにおける受光量の教示を通じて、当該2つの受光量の差の中間値として自動設定される。これについては後述する(図14参照)。
【0082】
同図において、受光量平均値(▲2▼)の下方の太線で示される『しきい値(▲4▼)』は、受光量平均値(▲2▼)に基礎偏差DIF(▲5▼)を加算することにより、受光量サンプリング周期SMPとほぼ同周期で繰り返し算出される。すなわち、しきい値(▲4▼)は、受光量平均値の変化に追従して変化することとなる。尚、基礎偏差(▲5▼)は、主たる事象の変化に基づく受光量の変化方向、すなわち、この例では、所定領域内における物体の未存在状態から存在状態へと移行するときの受光量の変化方向(この例では減少)を示す‘負’の値として設定されている。尚、この例において、基礎偏差DIF(▲5▼)を‘正’の値として設定する場合には、しきい値は、受光量平均値(▲2▼)に当該DIFを減算することにより算出されるようにすればよいことは言うまでもない。
【0083】
同図において、受光量平均値(▲2▼)を挟んだ上下に位置する2本の破線(▲1▼、▲3▼)は、それぞれ、置換上限値(▲1▼)、置換下限値(▲3▼)を示している。当該置換上下値(▲1▼,▲3▼)は、上限値(▲1▼)と下限値(▲3▼)との差が基礎偏差(▲5▼)の絶対値の半分以下となるように、かつ、各上下限値と受光量平均値(▲2▼)との差の絶対値が等しくなるように、受光量平均値(▲2▼)を挟むようにして設けられている。
【0084】
同図において、大文字“E”の符号で示されるしきい値は、受光量a,b,c,d(この例では、Ave_CNTで規定される直前の受光量“4”回分)の平均値に基礎偏差(▲5▼)を加算することにより算出されるしきい値Eを示しており、このしきい値“E”は、当該しきい値“E”が算出された後に取得される最新の受光量現在値e(受光量a〜dに次いでサンプリングされる受光量)の比較判定に使用されている。尚、このとき、受光量eは、置換上限値(▲1▼)を上回っており、このような場合、この受光量eの値は、置換上限値(▲1▼)(同図中★印で示される)と同値に置換される。尚、同図には直接示されていないが、受光量現在値が、しきい値よりも大きくかつ置換下限値(▲3▼)よりも小さい値のときには、当該現在値は、置換下限値(▲3▼)と同値に置換される。また、受光量現在値が、置換上限値(▲1▼)と置換下限値(▲2▼)の間にあるときは、その受光量現在値は置換されることなく、そのまま、次回の受光量のしきい値の算出に採用される。
【0085】
このように、置換上下値(▲1▼、▲3▼)を設けたのは、物体存在の有無変化と直接関係しないノイズ受光量等による移動平均値(▲2▼)の算出への影響を抑制するためである。例えば、大きなノイズ受光量をそのレベルのままで取得した場合には、移動平均値がそれにより大きく変動してしまい、その直後、ノイズが無い通常の受光量に戻っただけで、当該受光量がしきい値を越えてしまう、といった場合が想定される。本実施の形態によれば、仮にそのようなノイズが連続的に発生した場合にあっても、移動平均値は上限値(▲1▼)と下限値(▲3▼)との間に規制されるから、ノイズによる誤作動が未然に防止される。
【0086】
尚、後述するように、上限値(▲1▼)又は下限値(▲3▼)は、それぞれ、移動平均値(▲2▼)に、‘WL(=DIF/2−1))’を加算または減算して得られるものとされている。このような態様としたのは、例えば、ノイズが連続取得されることにより、移動平均値が‘X+WL’となった直後、ノイズに基づく受光特徴量‘X−WL’が得られても、その差({X+WL}−{X−WL}=2WL)がオフセット量DIFの絶対値を越えないようにするためである。すなわち、“WL<DIF/2”とするため、この例では“DIF/2−1”と規定しているが、DIF/2から差し引く数値は、正の値であればよく、ここに示される“1”に限定されない。
【0087】
一方、同図において、大文字“H”の符号で示されるしきい値は、受光量d,e,f,gの平均値に基礎偏差(▲5▼)を加算して算出されたしきい値“H”を示しており、このしきい値“H”は、受光量hの判定に採用されている。ここで、この例では、受光量hはしきい値を下回って(そのときの事象の変化に基づく受光量の主たる変化の方向に越えて)いる。このような場合には、この受光量hは、次のしきい値算出には直ちには採用されず、一時保存され、後の平均値算出に採用される。すなわち、次に取得される受光量iの比較判定基準となるしきい値は、新たに更新されたしきい値ではなく、その直前で使用された同様のしきい値“H”となる。
【0088】
この例では、受光量iは、同様にしきい値“H”を越えており、次いで取得される受光量jについても同様にしきい値“H”が採用される。また、受光量jも同様にしきい値“H”を越えており、更に続いて取得される受光量kについても、同様にしきい値“H”が採用される。更に、受光量kも同様にしきい値“H”を越えている。尚、このときの受光量i,j,kは、受光量hと同様に一時保存されている。
【0089】
尚、受光量i〜kのうち、いずれか1つでも、しきい値“H”を越えなかったときには、その時点の受光量と、それ以前の受光量e(上限値▲1▼)、f、gとの4つの受光量で、受光量平均値が算出され、しきい値は更新される。この場合、それまで一時保存された受光量は削除される。
【0090】
この例では、4つの受光量h〜kが判定回数P_CNT(この例では“4”回に設定されている。このP_CNTについても、適宜に設定乃至変更可能とされている。これについても後述する)連続してしきい値を超えたため、この時点において、図1のブロック図に示される出力部14から、物体存在有無が反転した旨、すなわち、この例における具体的事象として、ベルトコンベア上の物体が所定領域内の通過を開始した旨を示すON信号(例えば、2値化信号“1”)が出力される。
【0091】
その後は、物体存在有り状態から無し状態に変化する旨(事象)を検出することとなるため、判定基準となる受光量の変化の方向(しきい値をまたぐ方向)は逆転される。このとき、この例では、一時保存された受光量h〜kの平均値が算出され、これに基礎偏差(▲5▼)を加算することにより、新たなしきい値Lが設けられる。
【0092】
尚、この例では、受光量取得回数(Ave_CNT)並びに判定回数(P_CNT)が、共に‘4’に設定されているため、ON信号が出力された直前の4回分の受光信号の平均値が算出されているが、受光量取得回数(Ave_CNT)と判定回数(P_CNT)とが異なる場合には、それに応じた処理がなされる。具体的には、例えば、Ave_CNT=2、P_CNT=4(Ave_CNT<P_CNT)のときには、このときの新たな平均値は、直前の受光量j,kに基づき算出されるようにする。また、Ave_CNT=8、P_CNT=4(Ave_CNT>P_CNT)のときには、一時的に、受光量h〜kの平均値を、8回分の平均値として使用するようにする。この他にも、種々の処理が想定されるが、これについては、上記記載を参照することにより当業者であれば容易に実施できるであろうから、ここでの詳細説明は省略する。
【0093】
次いで、ON信号出力後は、事象変化に基づく受光量の変化の方向は逆転するものの、検出原理はその後もほぼ同様である。具体的に説明すると、この例では、その直後取得される受光量lは、新たに算出されたしきい値Lを上回っている(そのときの事象の変化に基づく受光量の主たる変化の方向に越えている)。したがって、この受光量lは、次のしきい値算出には直ちには採用されず、一時保存され、後の平均値算出に使用される。すなわち、次に取得される受光量mの比較判定基準となるしきい値は、新たに更新されるしきい値ではなく、その直前で使用された同様のしきい値“L”となる。
【0094】
この例では、同様にして、受光量lを含む4回分の受光量(l〜o)は、全てしきい値Lを越えており、受光量oがしきい値Lを越えたと判定された時点において、図1のブロック図に示される出力部14から、物体存在有無が反転した旨、すなわち、この例における具体的事象として、ベルトコンベア上の物体が所定領域内を通過し、物体未存在状態となった旨を示すOFF信号(例えば、2値化信号“0”)が出力される。
【0095】
その後は、再び、物体未存在状態から存在状態に変化する旨(事象)を検出することとなるため、判定基準となる受光量の変化の方向(しきい値をまたぐ方向)が逆転される。
【0096】
尚、同図、大文字“P”の符号で示されるしきい値は、同様にして一時保存された受光量l,m,n、oの平均値に基礎偏差(▲5▼)を加算して算出されたしきい値“P”を示している。
【0097】
次に、上述の原理に基づく検出を行うためのCPU17の動作内容を図3〜図6のフローチャートに基づき説明する。
【0098】
図3は、CPU17の検出処理に係る初期動作を示すフローチャートである。CPU17においては、まず、図1に示されるメモリ部14から、予め設定(記録)された先の4つの設定値、基礎偏差(DIF)、サンプリング周期(SMP)、判定回数(P_CNT)、受光量取得回数(Ave_CNT)が呼び出される(ステップ301)。
【0099】
続くステップ302においては、図1に示す出力部14からの出力がOFFとされ、受光量取得回数カウンタAve、サンプリング周期カウンタS、判定回数カウンタPのそれぞれに“0”がセットされ、出力状態フラグ(ON/OFFフラグ)が出力OFFを示す“0”に(出力ONを示すフラグは“1”とされる)セットされ、OFF状態時受光量総加算値XOFF並びにON状態時受光量総加算値XONが“0”にそれぞれ設定される。
【0100】
次いで、ステップ303〜306で示される受光量平均値算出処理が行われる。すなわち、検出処理の開始時においては、しきい値が設定されていないため、これを自動設定するためには所定数(Ave_CNT)の受光量取得が必要となる。
【0101】
受光量平均値算出処理においては、まず、図2中、黒丸で示した受光量1つ分(以下、Vaiとする)をサンプリングするために、実際にはサンプリングされない白丸をも含めた受光量入力のための投受光処理が行われる。すなわち、サンプリング周期カウンタSが予め設定されたサンプリング周期SMPとなるまで(ステップ304YES)、繰り返し投受光処理(投光部11から投光を行うとともに、受光部11を介して受光量をCPU17に入力する)が行われる(ステップ304NO,ステップ303NO)。尚、このことからも分かるように、本実施形態の光電センサにおいては、投光周期は、サンプリング周期SMPの設定に拘わらず、常時一定(無論、これを適宜変更するようにすることも可能である)とされている。
【0102】
ステップ303、ステップ304の処理は、ステップ306においてAve=Ave_CNTとなるまで(設定された受光量取得回数Ave_CNT回分の受光量がサンプリングされるまで)繰り返し行われる(ステップ305、ステップ306NO)。
【0103】
尚、ステップ305に示されるように、本実施例では、Ave_CNTで示される回数分の受光量は、OFF状態時受光量総加算値XOFF(以下、単に加算値XOFFと言う)として累積加算される(XOFF=XOFF+Vai)に止まり、実際にはそれらの平均値は算出されない。しかしながら、後述するしきい値との比較態様(図5,図6参照)からも明確であるように、このような態様が、「平均値を算出する」といった概念に基づくものであることは、当業者であれば容易に理解されるはずである。
【0104】
加算値XOFFの算出が終了すると(ステップ306YES)、受光量取得回数カウンタAveは再度“0”にセットされ、処理は一旦終了する。
【0105】
図3に示される初期動作が終了すると、次いで、図4のフローチャートに示される現在値としての受光量のサンプリング処理が行われる。尚、先に説明しておくが、以下の図4乃至図6のフローチャートでは、理解を容易とするため、図2との同一性を図り、判定回数(P_CNT)=受光量取得回数(Ave_CNT)として説明する。それら各値が異なる場合には、それぞれに対応した一部別態様の処理が必要となるが、これについては、段落[0092]、図3並びに以下の説明を参照することにより当業者であれば容易に想到されるであろうから、ここでの具体的図示乃至説明は省略する。
【0106】
同フローチャートに示されるように、この処理においても、先に図3で示した処理と同様にして、サンプリング周期SMP並びにサンプリング周期カウンタSに基づき、1つの受光量Vaiが取得される(ステップ401、ステップ402)。受光量Vai取得後は、サンプリング周期カウンタSに再度“0”がセットされる(ステップ403)。
【0107】
次いで、ON/OFF状態フラグが“0”か“1”かに基づき、それぞれの状態毎の処理(ステップ404YESのときステップ405(ON状態時処理)、ステップ404NOのときステップ406(OFF状態時処理))が行われる。尚、同フローチャート中、“←▲1▼”で示されるように、ON状態時処理、或いは、OFF状態時処理終了後は、再び、同フローチャートに示される処理が行われることとなる。
【0108】
OFF状態時処理の詳細が図5のフローチャートにより示されている。OFF状態時処理が開始されると、先ず、設定された基礎偏差DIFが、正の値であるか負の値であるかが判別される(ステップ501)。すなわち、ここでは、主たる事象の変化に基づく受光量の変化方向が特定される。上記した例は、主たる事象変化を、物体存在有り状態から物体存在無し状態への変化としたが、本実施形態における光電センサは、この他にも、種々の事象に対応して使用可能としたものであり、そのために、このような基礎偏差DIFの極性毎の処理が設けられている。
【0109】
ステップ501において、「DIF>0」であるときには(ステップ501NO)、先のステップ401でサンプリングされた受光量の現在値Vaiと、その直前で取得された規定回数Ave_CNT(この例では、Ave_CNT=P_CNTであるため、以下P_CNTとして説明する)の受光量の平均値との大小比較(Vai×P_CNT≦XOFF+DIF×P_CNT)が行われる(ステップ502)。ここで、現在値Vaiが、平均値を越えるときには(ステップ502NO)、該現在値Vaiを使用して新たな平均値を算出する(XOFFの更新:ステップ503)。尚、このとき、現在値Vaiが以下の(A)又は(B)の条件を満たすときには、その値がそれぞれ(a)又は(b)に適宜置換される(XOFFの更新:図2参照)。
【0110】
(A)Vai<(XOFF/P_CNT)−WL
のとき、
(a)Vai=(XOFF/P_CNT)−WL(‘下限値’への置換)
尚、ここで“WL”は、
WL=1/2×|DIF|−1、で規定される(以下同様)。
また、
(B)Vai>(XOFF/P_CNT)+WL
のとき、
(b)Vai=(XOFF/P_CNT)+WL
【0111】
そして、判定回数カウンタPに“0”をセットし、総加算値XONに“0”を設定し(ステップ503)、再度、図4に示される受光量現在値のサンプリング処理へと移行する。
【0112】
ステップ502において、現在値Vaiが、平均値以下であるときには(ステップ502YES)、続くステップ504において、判定回数カウンタPが“1”インクリメントされ(P=P+1)、加算値XOFFが保持され(XOFF:保持)、加算値XONに当該現在値Vaiが加算(XON=XON+Vai)される。
【0113】
ここで、判定回数カウンタPが判定回数P_CNT(P=P_CNT)でないときには(ステップ505NO)、それら値が保持されたまま、再度、図4に示される受光量現在値のサンプリング処理へと移行する。
【0114】
一方、ステップ505において、判定回数カウンタPが判定回数P_CNT(P=P_CNT)であるときには、図1に示す出力部14からON信号(例えば、2値化信号“1”)が出力される(ステップ506)。次いで、出力状態フラグ(ON/OFFフラグ)に“1”がセットされ、加算値XOFFが“0”に設定され(XOFF=0)、判定回数カウンタPに“0”がセットされて(ステップ507)、再度、図4に示される受光量現在値のサンプリング処理へと移行する。すなわち、この例では、先にも説明したように、判定回数P_CNTで規定される回数、連続して受光量がしきい値を超えたときのみ、出力が反転されるようになっている。すなわち、比較判定処理において、ローパスフィルタ機能が付与されている。
【0115】
一方、ステップ501において、「DIF>0」であるときには(ステップ501YES)、先のステップ401でサンプリングされた受光量現在値Vaiと、その直前で取得された規定回数(Ave_CNT(ここではP_CNT))の受光量の平均値との大小比較(Vai×P_CNT≧XOFF+DIF×P_CNT)が行われる(ステップ508)。ここで、現在値Vaiが、平均値未満であるときには(ステップ508NO) 、該現在値Vaiを使用して新たな平均値を算出する(XOFFの更新:ステップ509)。尚、このとき、現在値Vaiが以下の(A)又は(B)の条件を満たすときには、その値がそれぞれ(a)又は(b)に適宜置換される(XOFFの更新:図2参照)。
【0116】
(A)Vai<(XOFF/P_CNT)−WL
のとき、
(a)Vai=(XOFF/P_CNT)−WL
また、
(B)Vai>(XOFF/P_CNT)+WL
のとき、
(b)Vai=(XOFF/P_CNT)+WL
【0117】
そして、判定回数カウンタPに“0”をセットし、換算値XONに“0”を設定し(ステップ509)、再度、図4に示される受光量現在値のサンプリング処理へと移行する。
【0118】
ステップ508において、現在値Vaiが、平均値以上であるときには、先に示したステップ504〜ステップ507と同様の処理が行われる。
【0119】
図4のステップ405で示されるON状態時処理の詳細が図6のフローチャートにより示されている。ON状態時処理が開始されると、先ず、設定された基礎偏差DIFが、正の値であるか負の値であるかが判別される(ステップ601)。
【0120】
ここで、「DIF>0」であるときには(ステップ601YES)、先のステップ401でサンプリングされた受光量の現在値Vaiと、その直前で取得された規定回数(Ave_CNT(ここではP_CNT))の受光量の平均値との大小比較(Vai×P_CNT<XOFF+DIF×P_CNT)が行われる(ステップ602)。ここで、現在値Vaiが、平均値未満であるときには(ステップ602NO)、該現在値Vaiを使用して新たな平均値を算出する(XONの更新:ステップ603)。尚、このとき、現在値Vaiが以下の(A)又は(B)の条件を満たすときには、その値がそれぞれ(a)又は(b)に適宜置換される(XONの更新:図2参照)。
【0121】
(A)Vai<(XON/P_CNT)−WL
のとき、
(a)Vai=(XON/P_CNT)−WL
また、
(B)Vai>(XON/P_CNT)+WL
のとき、
(b)Vai=(XON/P_CNT)+WL
【0122】
そして、判定回数カウンタPに“0”をセットし、総加算値XOFFに“0”を設定し(ステップ603)、再度、図4に示される受光量現在値のサンプリング処理へと移行する。
【0123】
ステップ602において、現在値Vaiが、平均値未満であるときには(ステップ602YES)、続くステップ604において、判定回数カウンタPが“1”インクリメントされ(P=P+1)、総加算値XONが保持され(XON:保持)、総加算値XOFFに当該現在値Vaiが加算(XOFF=XOFF+Vai)される。
【0124】
ここで、判定回数カウンタPが判定回数P_CNT(P=P_CNT)でないときには(ステップ605NO)、それら値が保持されたまま、再度、図4に示される受光量現在値のサンプリング処理へと移行する。
【0125】
一方、ステップ605において、判定回数カウンタPが判定回数P_CNT(P=P_CNT)であるときには、図1に示す出力部14からOFF信号(例えば、2値化信号“0”)が出力される(ステップ606)。次いで、出力状態フラグ(ON/OFFフラグ)に“0”がセットされ、総加算値XONが“0”に設定され(XON=0)、判定回数カウンタPに“0”がセットされて(ステップ607)、再度、図4に示される受光量現在値のサンプリング処理へと移行する。
【0126】
一方、ステップ601において、「DIF<0」であるときには(ステップ601NO)、先のステップ401でサンプリングされた受光量の現在値Vaiと、その直前で取得された規定回数(Ave_CNT(ここではP_CNT))の受光量の平均値との大小比較(Vai×P_CNT>XON+DIF×P_CNT)が行われる(ステップ608)。ここで、現在値Vaiが、平均値以下であるときには(ステップ608NO)、該現在値Vaiを使用して新たな平均値を算出する(XONの更新:ステップ609)。尚、このとき、現在値Vaiが以下の(A)又は(B)の条件を満たすときには、その値がそれぞれ(a)又は(b)に適宜置換される(XONの更新:図2参照)。
【0127】
(A)Vai<(XON/P_CNT)−WL
のとき、
(a)Vai=(XON/P_CNT)−WL
また、
(B)Vai>(XON/P_CNT)+WL
のとき、
(b)Vai=(XON/P_CNT)+WL
【0128】
そして、判定回数カウンタPに“0”をセットし、総加算値XOFFに“0”を設定し(ステップ609)、再度、図4に示される受光量現在値のサンプリング処理へと移行する。
【0129】
尚、ステップ608において、現在値Vaiが、平均値を越えるときには(ステップ608YES)、先に示したステップ604〜ステップ607と同様の処理が行われる。
【0130】
図7は、上述した検出原理に基づく本実施形態によるしきい値設定の一実施態様を示すグラフである。尚、同図に示されるグラフは、縦軸を受光量、横軸を時間として描かれており、同図破線で示される2つの小さな窪みを有するのは、しきい値の変動を示す曲線であり、同図2つの大きな窪み部分を有するのが受光量の変動を示す曲線である。
【0131】
本実施形態は、上述したように、しきい値を、その直前にサンプルされた規定回数(Ave_CNT)分の受光量平均値の相対値として繰り返し設定すると言うものであるから、図7に示されるように、しきい値は受光量(主として背景成分)の変動に追従して設定されることとなる。ここで、相対基準は、複数回分の受光量平均値であるから、絶対量の大きい単発ノイズ等が発生してもそれによるしきい値の変動への影響が緩和され、かつ、事象変化に伴う受光量の急激な変化に対しては、ヒステリックに反応することなく、常時適度な変動をもって受光量の背景成分にしきい値を追従させることができる。
【0132】
尚、上述した実施の形態では、複数回分の受光量平均値に一定値の基礎偏差DIFを加算するものとして説明した。すなわち、図7に示されるDIF(a)と、DIF(b)とは同じ値となる。これとは別に、同図「Yb/Ya=k」に示されるように、しきい値(Yb)を、受光量平均値(Ya)にオフセット係数kを乗算して得られる相対値として設定するようにすることもできる。
【0133】
次に、上記図2に示される受光量変化の一例では、事象の変化に合わせて受光量が急峻に立ち下がり、またその直後に急峻に立ち上がっている。光電センサにあっては、事象変化に伴う受光量の変化特性は、言うまでもなく、そのときどきの検出態様(主として検出対象物体の搬送速度、センサ特性等々)により様々なものが想定される。図2で示される一例では、SMP=2,Ave_CNT=4,P_CNT=4としたが、これら設定値の組合せは、そのような事象変化に伴う受光量の変化特性を予め想定して、適切に設けられるべきである。どのような変化特性が予想される場合にどのような設定を行うのがより好適であるかは、大凡当業者等の判断に委ねられため、これについては特に例示はしないが、以下に、上述した4つの設定値(基礎偏差DIF、受光量取得回数Ave_CNT、判定回数P_CNT、サンプリング周期SMP)の本実施形態における設定態様について、光電センサへの入力操作手順とともに順に説明する。
【0134】
図8は、本実施形態の光電センサが有する各動作モード毎の処理内容を概略的に示したものである。
【0135】
同図に示されるように、本実施形態においては、光電センサは、「RUNモード」、「TEACHモード」、「ADJUSTモード」、「SETモード」の4種の動作モードを有している。これらのモードは、この例では、図1中の操作入力部131に含まれるスライドスイッチ(外観図示省略)を介してユーザにより適宜に切り替えられる。尚、「TEACHモード」に示される“PLC教示”の実行の際には、PLCから到来する信号に基づき光電センサ内部で自動的に当該PLC教示モードに切り替えられるものとする。
【0136】
「RUNモード」とは、事象発生を検出するための通常動作モードであり、図3〜図6のフローチャートで示した検出動作は、当該RUNモードのとき行われるものである。
【0137】
「TEACHモード」は、先に示した基礎偏差DIFの自動算出(設定)を行うために、ユーザが物体存在有無のそれぞれの状態における受光量の教示を行うためのモードである。尚、このTEACHモードには、PLCを使用した教示の際にも使用される。
【0138】
「ADJUSTモード」は、設定済みの基礎偏差DIFを、ユーザ操作に基づき更に修正(調整)乃至変更等するためのモードである。
【0139】
「SETモード」は、受光量取得回数Ave_CNT、判定回数P_CNT、サンプリング周期SMPの設定をユーザ操作を介して行うためのモードである。また、後述する設定番号の指定を介して、これら設定値を一括して設定する場合にも、このモードが使用される。
【0140】
TEACHモードにおける受光量教示(ユーザ教示)のための光電センサの操作手順が図12に示されている。同図において、符号“10”で示されるのは、光電センサ1のセンサ本体部10であり、このセンサ本体部10の上面には、7セグメント表示器15と、上下スイッチ131a,131bとが設けられている。
【0141】
ユーザ教示の際には、先ず、検出対象物体を光電センサ検出対象領域内に設置した状態での受光量が教示される。図9(a)、図10(a)は、このときの光電センサ1(投受光部)と検出対象物体(20)との実際の設置態様を示したものである。図9(a)は、光電センサ1を透過型として適用する場合の設置態様を、図10中(a)は、光電センサ1を反射型として適用する場合の設置態様をそれぞれ示している。尚、検出対象物体20は、この例では、ベルトコンベアにより順次搬送されてくるものである。
【0142】
図9(a)又は図10(a)に示される状態において、ユーザは先ず、図12に示される上下スイッチ131a,bのいずれかを押下する。これにより、投受光部11,12を介して赤外線の投受光が行われ、このときの受光量が一点目の受光量Vai1として図1に示されるメモリ16に一時保存される。尚、図12に示されるこのときのVai(2000)は、図10(a)の状態(反射型)における受光量を示している。
【0143】
次いで、検出対象物体20が光電センサ検出対象領域内に存在しない状態における受光量(背景受光量)が教示される。図9(b)、図10(b)は、ベルトコンベア上の所定領域内から物体20を取り除いた状態を示したものである。尚、図9(b)は、光電センサ1を透過型として適用する場合の設置態様を、図10中(b)は、光電センサ1を反射型として適用する場合の設置態様をそれぞれ示している。
【0144】
図9(b)又は図10(b)に示される状態において、ユーザは、図12に示される上下スイッチ131を再押下する。これにより、投受光部11,12を介して赤外線の投受光が行われ、このときの受光量が二点目の受光量Vai2としてメモリ16に一時保存される。図12に示されるこのときのVai(1000)は、図10(b)の状態(反射型)における受光量を示している。尚、二点目の受光量が取得されると、CPU17は、メモリ16に保存されたそれら2つの受光量に基づき、基礎偏差DIFを自動算出し、設定値としてメモリ16に保存する。
【0145】
図11は、2つの受光量Vai1、Vai2と、これに基づき算出される基礎偏差DIFとの関係を示すグラフである。尚、同図に示されるグラフは、縦軸を受光量、横軸を時間として描かれている。同図に示されるように、この例では、基礎偏差DIFは、メモリ16に記録された2つの受光量の差の中間値として算出される。( DIF=(Vai2−Vai1)÷2)
具体的には、この例では、図12に示されるように、DIF=−500が算出されている。
【0146】
次に、本実施の形態においては、「TEACHモード」を使用して、図示しない外部装置(PLC)による自動教示をも可能としている。図13には、PLCを使用して教示を行った場合における表示部15の表示態様の変化の様子が示されている。
【0147】
同図“100”の符号で示されるケーブル(図1中、教示タイミング信号入力部132が使用される)を介して、PLCから教示タイミング信号(第1)が入力されると、光電センサ1は、それに同期して投受光処理を行い、そのときサンプリングされる受光量をVai1として保存する。同図(a)はこの直後の様子を示したものであり、表示部15には、受光量Vai1を示す“2000”が表示されている。
【0148】
次いで、再度教示タイミング信号(第2)が入力されると、光電センサ1は、該タイミング信号に同期して投受光処理を行い、そのときサンプリングされる受光量を受光量Vai2として保存する。同図(b)はこの直後の様子を示したものであり、表示器15には、受光量Vai2を示す“1000”が表示されている。
【0149】
これら2つの受光量が教示されると、次いで、同様の算出式(DIF=(Vai1−Vai2)÷2)により、基礎偏差DIFが算出される。この例では、同図(c)に示されるように、表示部15には、算出結果を表す“−500”が表示されている。
【0150】
図14は、PLC教示に係るCPU17の動作内容の詳細を示すフローチャートである。
【0151】
光電センサ1においては、ケーブル100を介してPLCからの教示開始信号が入力されると、先ず、先に説明した「TEACHモード」への自動切り替えを行い(ステップ1401)、一旦待機状態となる(ステップ1403NO,ステップ1402)。
【0152】
次いで、ケーブル100を介して、PLC側から第1の教示タイミング信号が入力されると(ステップ1403YES)、光電センサ1は、それに同期して投受光処理を行い、そのときのサンプリング受光量をVai1として取得(メモリ部16に一時保存)する(ステップ1404)。次いで、再び待機状態となる(ステップ1406NO,ステップ1405)。この状態において、PLC側から第2の教示タイミング信号が入力されると(ステップ1406YES)、光電センサ1は、これに同期して投受光処理を行い、そのときのサンプリング受光量をVai2として取得(メモリ部16に一時保存)する(ステップ1407)。そして、メモリ16からそれら受光量を呼び出し、先に説明した算出式(DIF=(Vai1−Vai2)÷2)に基づき、基礎偏差DIFを算出し、設定値としてメモリ16に保存して(ステップ1407)、処理は終了する。
【0153】
このように、本実施形態によれば、外部装置による偏差基準DIFの自動算出を可能としているため、偏差基準DIFの設定変更が容易に行える。
【0154】
教示を介して設定された偏差基準DIFは、図8に示される「ADJUSTモード」を使用して、ユーザの所望する値に適宜に修正乃至変更することができる。図15は、「ADJUSTモード」による偏差基準DIFの修正乃至変更のための光電センサの操作手順を示す図である。同図に示されるように、偏差基準DIFの修正乃至変更は、上下スイッチ131a,bを押下することにより行われる。この例では、スイッチ131aを一回押下するごとに、偏差基準DIFが+1ずつインクリメントされる。また、スイッチ131aを所定時間以上押下を続けると、連続して偏差基準DIFのインクリメントが行われる。また、スイッチ131bを一回押下する毎に、偏差基準DIFが1ずつディクリメントされ、スイッチ131bを所定時間以上押下し続けると1ずつ連続してディクリメントされる。
【0155】
図16は、「SETモード」における各種設定値の設定操作態様を示す図である。図8に示される「セットモード」が選択(スライドスイッチ切り替え)されると、この例では、光電センサ1は設定番号選択待機状態(▲1▼)となる。設定番号選択待機状態においては、表示部15には、そのとき設定されている設定番号が表示される(同図においては、初期番号“1”が表示されている)。このとき表示される設定番号は、図17に示される設定番号表の番号(1〜10…)に対応しており、ここで番号を指定すると、その番号に対応する設定番号で特定される各規定値(Ave_CNT,P_CNT,SMP(図17参照))に纏めて設定・変更されることとなる。尚、ここでの設定番号の指定は、上下スイッチ131a,bを使用して表示部15に表示される番号を適宜にインクリメント或いはディクリメントして行われる。
【0156】
「セットモード」においては、各規定値(Ave_CNT,P_CNT,SMP)を個別に設定乃至変更することが可能とされている。例えば、設定番号選択待機状態(▲1▼)において、上スイッチ131aを2秒連続押下すると、次いで、受光量取得回数Ave_CNTの設定待機状態(▲2▼)となり、更に上スイッチ131aを2秒連続押下すると、次いで連続判定回数P_CNTの設定待機状態(▲3▼)となり、更に上スイッチ131aを2秒連続押下すると、次いでサンプリング周期,SMPの設定待機状態(▲4▼)となる。これらの切り替えは、下スイッチ132bを使用して逆順序で行うこともできる。
【0157】
そして、各規定値の設定・変更態様の一具体例として、同図右側の点線枠内には、サンプリング周期SMP設定のための操作態様が示されている。サンプリング周期SMPの設定待機状態(▲4▼)においては、表示部15には、そのとき設定されているサンプリング周期SMPの値(この例では“(S)2”)が表示されている)。この状態において、上下スイッチ131a,bを押下することにより、サンプリング周期SMPの値は、インクリメントまたはディクリメントされる(▲5▼〜▲6▼)。
【0158】
先に説明したように、本実施の形態における上述の3種の設定値(SMP,Ave_CNT,P_CNT)は、そのときどきの検出態様(この例では、主として検出対象物体の搬送速度)に基づき想定される受光量の変化特性を考慮して、適切な値の組合せとされるのが望ましい。そこで、本発明の第2実施形態においては、図17に示される設定番号の指定が検出対象物体20の搬送装置(この例では、ベルトコンベア)の搬送速度に基づき自動的に行われるようシステムが構成されている。具体的には、本発明の第2実施形態は、光電センサ1と、ベルトコンベアと、ベルトコンベアのモータ回転軸取り付けられる図示しないロータリーエンコーダと、を有し、このロータリーエンコーダで生成される速度パルスは、電気コードを介して光電センサ1の速度パルス入力部133に入力される。
【0159】
図18は、第2実施形態おける設定番号自動選択に係る光電センサのCPU17の動作内容を示すフローチャートである。
【0160】
この例では、光電センサ1にはロータリーエンコーダからの速度パルスが所定周期毎に一定時間サンプリングされ、そのときのパルス発生周期が算出される(ステップ1801)。次いで、算出されたパルス発生周期に基づき、何れの設定番号を選択するかが決定される(ステップ1802〜ステップ1803)。
【0161】
具体的には、パルス発生周期で特定されるベルトコンベアの搬送速度に対して、好適と思われる設定番号表の設定番号を予め特定しておき、それぞれの設定番号と、それに対応する搬送速度との対応が示された対応テーブルを別途設けておく。ステップ1802においては、この対応テーブルに基づき、ステップ1801で算出されたパルス発生周期に対応する設定番号が選別(弁別)され(ステップ1802)、弁別された設定番号に対応する設定値に各値(Ave_CNT,P_CNT,SMP)が設定される。(ステップ1803,“1”〜“n”のいずれか)。
【0162】
尚、本実施形態における設定番号毎の各設定値の組合せを以下に列挙する。
設定番号 1:Ave_CNT= 2,P_CNT= 2,SMP= 1
設定番号 2:Ave_CNT= 4,P_CNT= 2,SMP= 1
設定番号 3:Ave_CNT= 8,P_CNT= 2,SMP= 1
設定番号 4:Ave_CNT= 8,P_CNT= 4,SMP= 1
設定番号 5:Ave_CNT= 8,P_CNT= 8,SMP= 1
設定番号 6:Ave_CNT= 8,P_CNT=16,SMP= 1
設定番号 7:Ave_CNT=16,P_CNT=16,SMP= 2
設定番号 8:Ave_CNT=16,P_CNT=16,SMP= 4
設定番号 9:Ave_CNT=16,P_CNT=16,SMP= 8
設定番号10:Ave_CNT=16,P_CNT=16,SMP=16
【0163】
このように、第2実施形態によれば、外部環境条件の変動やセンサ内部における温度変化等の影響による受光量の変動に柔軟に対応して、正確な検出動作が可能であり、かつ、取得周期、受光量個数、又は、連続個数判定用しきい値を、検出対象物体の搬送速度に応じて一括設定可能なセンサシステムが提供される。尚、この例では、搬送速度に応じて、各規定値を設定番号毎の組み合わせに基づき一括して自動設定したが、無論、各規定値は、該搬送速度に応じて別個に自動設定することも可能である。これは、例えば、パルス発生周期で特定されるベルトコンベアの搬送速度に対して、好適な各規定値(Ave_CNT,P_CNT,SMP)毎の値を予め特定しておき、その対応テーブルを予め別途設けておくことで実現することができる。
【0164】
尚、上述の第1,第2実施形態では、センサとして光電センサを適用したが、本発明は、光電センサに限らず、超音波センサ、近接センサ、圧力センサ、温度センサ、煙感知器(ガスセンサ)、pHセンサ等々、種々のセンサに適用することができる。
【0165】
以上の説明で明らかなように、本実施の形態によれば、しきい値を、内部温度変化等による背景レベルの変動に追従するようにして適宜に設定することができるから、外部環境の変化やセンサ内部の温度変化等により、受光量に変動が生じても、安定した検出を行うことができる。
【0166】
また、これにより、背景レベルの変動を予め考慮して、背景レベルとしきい値との差を必要以上に大きく設ける必要がなくなり、検出分解能の高精度化を図ることが可能となる。
【0167】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、外部環境の変化や光電センサ内部の温度変化等により、背景受光量に変動が生じても、しきい値が該背景受光量の変動に適宜に追従されるから、該変動に左右されることなく安定した検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の回路構成の概略を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による物体存在有無検出に係る検出原理を示すグラフである。
【図3】検出処理に係るCPUの初期動作を示すフローチャートである。
【図4】受光量のサンプリング処理に係るCPUの動作内容を示すフローチャートである。
【図5】OFF状態時処理の詳細を示すフローチャートである。
【図6】ON状態時処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態によるしきい値の設定態様を示すグラフである。
【図8】本実施形態の光電センサにおける各動作モードの処理内容を概略的に示す図である。
【図9】光電センサを透過型として適用する場合の受光量教示に係る検出対象物体と光電センサとの位置関係を示す図である。
【図10】光電センサを反射型として適用する場合の受光量教示に係る検出対象物体と光電センサとの位置関係を示す図である。
【図11】2つの受光量Vai1、Vai2と基礎偏差(DIF)との関係を示すグラフである。
【図12】受光量教示(ユーザ教示)のための光電センサ操作手順を示す図である。
【図13】PLCを使用して教示を行う場合における表示部15の表示態様の変化の様子を示す図である。
【図14】受光量教示(PLC教示)に係るCPUの動作内容の詳細を示すフローチャートである。
【図15】基礎偏差(DIF)の修正乃至変更のための光電センサの操作内容を示す図である。
【図16】SETモード利用時における各種設定値の設定操作態様を示す図である。
【図17】設定番号表における各設定番号毎の設定値の組み合わせパターンを示す図である。
【図18】ベルトコンベアの搬送速度に応じた設定値一括自動設定のためのCPUの動作内容をフローチャートである。
【図19】従来光電センサにおける受光量変動としきい値との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 光電センサ
10 センサ本体部
11 投光部
12 受光部
13 入力部
14 出力部
15 表示部
16 メモリ部
17 CPU
20 検出対象物体
100 電気コード
111 LED
112 LED駆動部
121 PD
122 アンプ部
131 操作入力部
132 タイミング信号入力部
133 速度パルス入力部

Claims (25)

  1. 周期的に取得される一連の受光量列の移動平均相当値を生成する演算手段と、
    移動平均相当値に対して加算すべきオフセット量を設定するためのオフセット量設定手段と、
    受光量現在値を、移動平均相当値にオフセット量を加算して得られる受光量しきい値と比較して弁別2値化する第1の弁別手段と、を有し、
    前記オフセット量設定手段は、加算すべきオフセット量を、プラス又はマイナスの双方の値に設定可能とされている、光電センサ。
  2. 周期的に取得される一連の受光量列の移動平均相当値を生成する演算手段と、
    移動平均相当値に対して乗算すべきオフセット係数を設定するためのオフセット係数設定手段と、
    受光量現在値を、移動平均相当値にオフセット係数を乗算して得られる受光量しきい値と比較して弁別2値化する第1の弁別手段と、を有し、
    前記オフセット係数設定手段は、乗算すべきオフセット係数を、物体存在有無の反転に基づく受光量の変化の方向別に設定可能とされている、光電センサ。
  3. 第1の弁別手段による弁別結果の同値連続個数を連続個数判定用しきい値と比較して弁別2値化する第2の弁別手段をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光電センサ。
  4. 移動平均相当値を生成するための演算に使用される受光量列の取得周期を設定するための取得周期設定手段と、外部機器を介して生成される搬送装置の搬送速度信号を入力する手段、を更に有し、
    取得周期、受光量個数、又は、連続個数判定用しきい値は、該搬送速度信号に基づき自動設定される請求項1または2に記載の光電センサ。
  5. 移動平均相当値を生成するための演算に使用される受光量列の受光量個数を設定するための受光量個数設定手段と、外部機器を介して生成される搬送装置の搬送速度信号を入力する手段、を更に有し、
    取得周期、受光量個数、又は、連続個数判定用しきい値は、該搬送速度信号に基づき自動設定されるを更に有する、請求項1または2に記載の光電センサ。
  6. 第1の弁別手段による弁別結果の同値連続個数を連続個数判定用しきい値と比較して弁別2値化する第2の弁別手段と、第2の弁別手段に使用される連続個数判定用しきい値を設定するための手段と、外部機器を介して生成される搬送装置の搬送速度信号を入力する手段を更に有し、
    取得周期、受光量個数、又は、連続個数判定用しきい値は、該搬送速度信号に基づき自動設定される、請求項1または2に記載の光電センサ。
  7. 教示操作を介して物体存在有無のそれぞれの状態における受光量を記憶する手段を更に有し、オフセット量設定手段は、記憶された受光量に基づき、オフセット量を自動設定する、請求項1に記載のセンサ。
  8. 教示操作を介して物体存在有無のそれぞれの状態における受光量を記憶する手段を更に有し、オフセット係数設定手段は、記憶された受光量に基づき、オフセット係数を自動設定する、請求項に記載のセンサ。
  9. 受光量現在値と受光量しきい値との比較結果に基づき、その受光量現在値を、演算手段における移動平均相当値生成のための新たな受光量列の1つとして採用するか否かを弁別する手段を更に有する、請求項1乃至の何れかに記載の光電センサ。
  10. 新たな移動平均相当値生成に採用される受光量現在値のうち、そのときの移動平均相当値近傍の所定範囲外の値を有する受光量現在値については、該移動平均相当値近傍の規定値に置換される、請求項に記載の光電センサ。
  11. 搬送装置と、該搬送装置の搬送速度に対応した速度パルスを生成する速度パルス生成装置と、光電センサとを備え、該搬送装置により順次搬送されてくる検出対象物体が所定領域内に存在するか否かを検出するセンサシステムであって、
    光電センサは、
    周期的に取得される一連の受光量列の移動平均相当値を生成する演算手段と、
    移動平均相当値に対して加算すべきオフセット量を設定するためのオフセット量設定手段と、
    受光量現在値を、移動平均相当値にオフセット量を加算して得られる受光量しきい値と比較して弁別2値化する第1の弁別手段と、
    速度パルス生成装置を介して適宜に取得される速度パルスに基づき、移動平均相当値を生成するための演算に使用される受光量列の取得周期を自動設定する手段と、を有し、
    オフセット量設定手段は、加算すべきオフセット量を、プラス又はマイナスの双方の値に設定可能とされている、
    ことを特徴とするセンサシステム。
  12. 搬送装置と、該搬送装置の搬送速度に対応した速度パルスを生成する速度パルス生成装置と、光電センサとを備え、該搬送装置により順次搬送されてくる検出対象物体が所定領域内に存在するか否かを検出するセンサシステムであって、
    光電センサは、
    周期的に取得される一連の受光量列の移動平均相当値を生成する演算手段と、
    移動平均相当値に対して乗算すべきオフセット係数を設定するためのオフセット係数設定手段と、
    受光量現在値を、移動平均相当値にオフセット係数を乗算して得られる受光量しきい値と比較して弁別2値化する第1の弁別手段と、
    速度パルス生成装置を介して適宜に取得される速度パルスに基づき、移動平均相当値を生成するための演算に使用される受光量列の取得周期を自動設定するための手段と、を有し、
    オフセット係数設定手段は、乗算すべきオフセット係数を、物体存在有無の反転に基づく受光量の変化の方向別に設定可能とされている、
    ことを特徴とするセンサシステム。
  13. 搬送装置と、該搬送装置の搬送速度に対応した速度パルスを生成する速度パルス生成装置と、光電センサとを備え、該搬送装置により順次搬送されてくる検出対象物体が所定領域内に存在するか否かを検出するセンサシステムであって、
    光電センサは、
    周期的に取得される一連の受光量列の移動平均相当値を生成する演算手段と、
    移動平均相当値に対して加算すべきオフセット量を設定するためのオフセット量設定手段と、
    受光量現在値を、移動平均相当値にオフセット量を加算して得られる受光量しきい値と比較して弁別2値化する第1の弁別手段と、
    速度パルス生成装置を介して適宜に取得される速度パルスに基づき、移動平均相当値を生成するための演算に使用される受光量列の受光量個数を自動設定するための受光量個数設定手段と、を有し、
    オフセット量設定手段は、加算すべきオフセット量を、プラス又はマイナスの双方の値に設定可能とされている、
    ことを特徴とするセンサシステム。
  14. 搬送装置と、該搬送装置の搬送速度に対応した速度パルスを生成する速度パルス生成装置と、光電センサとを備え、該搬送装置により順次搬送されてくる検出対象物体が所定領域内に存在するか否かを検出するセンサシステムであって、
    光電センサは、
    周期的に取得される一連の受光量列の移動平均相当値を生成する演算手段と、
    移動平均相当値に対して乗算すべきオフセット係数を設定するためのオフセット係数設定手段と、
    受光量現在値を、移動平均相当値にオフセット係数を乗算して得られる受光量しきい値と比較して弁別2値化する第1の弁別手段と、
    速度パルス生成装置を介して適宜に取得される速度パルスに基づき、移動平均相当値を生成するための演算に使用される受光量列の受光量個数を自動設定するための受光量個数設定手段と、を有し、
    オフセット係数設定手段は、乗算すべきオフセット係数を、物体存在有無の反転に基づく受光量の変化の方向別に設定可能とされている、
    ことを特徴とするセンサシステム。
  15. 搬送装置と、該搬送装置の搬送速度に対応した速度パルスを生成する速度パルス生成装置と、光電センサとを備え、該搬送装置により順次搬送されてくる検出対象物体が所定領域内に存在するか否かを検出するセンサシステムであって、
    光電センサは、
    周期的に取得される一連の受光量列の移動平均相当値を生成する演算手段と、
    移動平均相当値に対して加算すべきオフセット量を設定するためのオフセット量設定手段と、
    受光量現在値を、移動平均相当値にオフセット量を加算して得られる受光量しきい値と比較して弁別2値化する第1の弁別手段と、
    第1の弁別手段による弁別結果の同値連続個数を連続個数判定用しきい値と比較して弁別2値化する第2の弁別手段と、
    速度パルス生成装置を介して適宜に取得される速度パルスに基づき、第2の弁別手段に使用される連続個数判定用しきい値を自動設定するための手段と、を有し、
    オフセット量設定手段は、加算すべきオフセット量を、プラス又はマイナスの双方の値に設定可能とされている、
    ことを特徴とするセンサシステム。
  16. 搬送装置と、該搬送装置の搬送速度に対応した速度パルスを生成する速度パルス生成装置と、光電センサとを備え、該搬送装置により順次搬送されてくる検出対象物体が所定領域内に存在するか否かを検出するセンサシステムであって、
    光電センサは、
    周期的に取得される一連の受光量列の移動平均相当値を生成する演算手段と、
    移動平均相当値に対して乗算すべきオフセット係数を設定するためのオフセット係数設定手段と、
    受光量現在値を、移動平均相当値にオフセット係数を乗算して得られる受光量しきい値と比較して弁別2値化する第1の弁別手段と、
    第1の弁別手段による弁別結果の同値連続個数を連続個数判定用しきい値と比較して弁別2値化する第2の弁別手段と、
    速度パルス生成装置を介して適宜に取得される速度パルスに基づき、第2の弁別手段に使用される連続個数判定用しきい値を自動設定するための手段と、を有し、
    オフセット係数設定手段は、乗算すべきオフセット係数を、物体存在有無の反転に基づく受光量の変化の方向別に設定可能とされている、
    ことを特徴とするセンサシステム。
  17. 周期的に取得される一連の特徴量列の移動平均相当値を生成する演算手段と、
    移動平均相当値に対して加算すべきオフセット量を設定するためのオフセット量設定手段と、
    特徴量現在値を、移動平均相当値にオフセット量を加算して得られる特徴量しきい値と比較して弁別2値化する第1の弁別手段と、を有し、
    前記オフセット量設定手段は、加算すべきオフセット量を、プラス又はマイナスの双方の値に設定可能とされている、センサ。
  18. 周期的に取得される一連の特徴量列の移動平均相当値を生成する演算手段と、
    移動平均相当値に対して乗算すべきオフセット係数を設定するためのオフセット係数設 定手段と、
    特徴量現在値を、移動平均相当値にオフセット係数を乗算して得られる特徴量しきい値と比較して弁別2値化する第1の弁別手段と、を有し、
    前記オフセット係数設定手段は、乗算すべきオフセット係数を、事象発生有無の反転に基づく特徴量の変化の方向別に設定可能とされている、センサ。
  19. 移動平均相当値を生成するための演算に使用される特徴量列の取得周期を設定するための取得周期設定手段と、
    外部機器を介して生成される搬送装置の搬送速度信号を入力する手段と、を有し、
    取得周期、特徴量個数、又は、連続個数判定用しきい値は、該搬送速度信号に基づき自動設定される請求項17または18に記載のセンサ。
  20. 移動平均相当値を生成するための演算に使用される特徴量列の特徴量個数を設定するための特徴量個数設定手段と、
    外部機器を介して生成される搬送装置の搬送速度信号を入力する手段と、を有し、
    取得周期、特徴量個数、又は、連続個数判定用しきい値は、該搬送速度信号に基づき自動設定される請求項17または18に記載のセンサ。
  21. 第1の弁別手段による弁別結果の同値連続個数を連続個数判定用しきい値と比較して弁別2値化する第2の弁別手段と、
    第2の弁別手段に使用される連続個数判定用しきい値を設定するための手段と、
    外部機器を介して生成される搬送装置の搬送速度信号を入力する手段と、を有し、
    取得周期、特徴量個数、又は、連続個数判定用しきい値は、該搬送速度信号に基づき自動設定される請求項17または18に記載のセンサ。
  22. 教示操作を介して事象発生有無のそれぞれの状態における特徴量を記憶する手段を更に有し、オフセット量設定手段は、記憶された特徴量に基づき、オフセット量を自動設定する、請求項17に記載のセンサ。
  23. 教示操作を介して事象発生有無のそれぞれの状態における特徴量を記憶する手段を更に有し、オフセット係数設定手段は、記憶された特徴量に基づき、オフセット係数を自動設定する、請求項18に記載のセンサ。
  24. 特徴量現在値と特徴量しきい値との比較結果に基づき、その特徴量現在値を、演算手段における移動平均相当値生成のための新たな特徴量列の1つとして採用するか否かを弁別する手段を更に有する、請求項17乃至23の何れかに記載のセンサ。
  25. 新たな移動平均相当値生成に採用される特徴量現在値のうち、そのときの移動平均相当値近傍の所定範囲外の値を有する特徴量現在値については、該移動平均相当値近傍の規定値に置換される、請求項24に記載のセンサ。
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