JP3684456B2 - 直動機構を持つ処理容器を備えた処理装置 - Google Patents

直動機構を持つ処理容器を備えた処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理容器内において処理対象物を保持する保持手段を移動させる直動機構を持つ処理容器を備えた処理装置に関する。この種の処理装置は、特に、レーザアニーリング装置のように、処理容器内の真空あるいは不活性ガスの雰囲気中でガラス等の処理対象物に対してレーザ光による処理を行う装置に適している。
【0002】
【従来の技術】
この種の処理装置の一例として、レーザアニーリング装置について説明する。レーザアニーリング装置によりレーザアニールをおこなう際には、処理対象物を保持台で保持して真空容器内に配置し、石英窓を通して処理対象物表面にレーザ光を照射する。真空容器内で保持台を移動させることにより、処理対象物表面の広い領域に順次レーザ光を照射することができる。
【0003】
保持台には、真空容器の外部まで導出された駆動軸が取り付けられており、真空容器内に配置されたリニアガイド機構により移動可能にされている。駆動軸を軸方向に往復駆動することにより、保持台を移動させることができる。なお、真空容器の外側の駆動軸と真空容器の壁との間には、気密機構としてベローズが取り付けられ、気密性が保たれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これまでの装置では、真空容器内にリニアガイド機構の摺動部が配置されるため、摩擦により摺動部から微小なごみが発生し、真空容器内を汚染する。
【0005】
そこで、本発明の課題は、処理容器内における微小なごみの発生を抑制できる処理容器を備えた処理装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、気密状態にされるべき処理容器と、前記処理容器内に配置され、両端が処理容器の両側の壁を貫通して外部まで導出された駆動用支軸と、前記駆動用支軸が前記処理容器の両側の壁を貫通するそれぞれの箇所において、前記駆動用支軸がその軸方向に移動可能なように、かつ前記処理容器内の気密性が保たれるように、前記処理容器内と外部とを隔離するベローズ機構と、前記駆動用支軸の一方の端部に取り付けられ、該駆動用支軸が前記処理容器に対して軸方向に移動可能なように駆動用支軸を支持するリニアガイド機構と、前記駆動用支軸の他方の端部に取り付けられ、前記駆動用支軸を前記処理容器に対して軸方向に移動させる駆動機構と、前記処理容器内において、前記駆動用支軸に取り付けられ、処理対象物を保持する保持手段とを備え、前記処理容器の両側の前記ベローズ機構内の空間を、前記処理容器の両側の壁に近い位置に設けた連通管により連通可能にしたことを特徴とする処理容器を備えた処理装置が提供される。
【0007】
前記駆動用支軸は2本設け、前記連通管も2本設けることが好ましい。
【0008】
また、前記保持手段は、処理対象物を加熱するための加熱手段を有していても良い。
【0009】
【作用】
駆動機構を駆動することにより、駆動用支軸をその軸方向に移動させることができ、駆動用支軸に固定された保持手段も移動する。処理容器内に摺動部が無いため、摺動部が原因となる処理容器内の汚染を防止することができる。加えて、処理容器の両側にあるベローズ機構相互を連通管で接続したことにより、ベローズ機構の縮小時に、ベローズ機構内の微小なごみが処理容器の壁と駆動軸との間の隙間を通して処理容器内に侵入することを防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1、図2を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本発明による処理容器の概略平断面図を示し、図2は、図1の一点鎖線A−Aによる断面図を示す。なお、図1は、図2の一点鎖線B−Bによる断面に相当する。
【0011】
内部を真空排気可能な処理容器1内に、駆動用支軸2A及び2Bが互いに平行に配置されている。駆動用支軸2A及び2Bの各々の両端は、処理容器1の側壁を貫通して外部まで導出されている。駆動用支軸2A及び2Bの一方の端部は、結合部材3により相互に結合されている。結合部材3は、リニアガイド機構4により駆動用支軸2A及び2Bの軸方向に移動可能に支持されている。
【0012】
駆動用支軸2A及び2Bの他方の端部は、結合部材5により相互に結合されている。結合部材5は、リニアモータ6により駆動用支軸2A及び2Bの軸方向に駆動される。リニアモータ6を駆動することにより、駆動用支軸2A及び2Bを、その軸方向に並進移動させることができる。
【0013】
駆動用支軸2A及び2Bの処理容器1の両外側に導出された部分には、真空べローズ7が被せられている。真空ベローズ7の一端は処理容器1の側壁に取り付けられたフランジ8に接続され、他端は結合部材3または5に取り付けられている。真空べローズ7により、処理容器1の気密性が保たれる。処理容器1の両側のフランジ8には、穴8−1が設けられ、この穴8−1に連通管9を接続することにより、処理容器1の両側の真空べローズ7内の空間が連通管9により相互に連通可能にされている。
【0014】
処理容器1内には保持台10が配置されている。保持台10は、駆動用支軸2A及び2Bに固定されている。保持台10の上面に複数本のピン12が突出しており、アニール処理されるガラス等の基板13がピン12の上に載置される。保持台10の内部にはヒータ11が埋め込まれており、保持台10を加熱することができる。保持台10からの熱輻射等により基板13が加熱される。処理容器1の上面には石英窓14が設けられており、石英窓14を通して処理容器1内にレーザ光が導入される。
【0015】
リニアモータ6を駆動して駆動用支軸2A及び2Bをその軸方向に移動させることにより、処理容器1内で保持台10上の基板13を並進移動させることができる。
【0016】
図3は、図1、図2に示す処理容器を備えたレーザアニーリング装置全体の概略平面図を示す。レーザアニール装置は、処理容器1、搬送チャンバ52、搬入チャンバ53、搬出チャンバ54、ホモジナイザ42、CCDカメラ58、及びビデオモニタ59を含んで構成される。処理容器1には、図1と同様に、真空べローズ7、結合部材3、5、リニアガイド機構4及びリニアモータ6が設けられている。
【0017】
処理容器1と搬送チャンバ52がゲートバルブ55を介して結合され、搬送チャンバ52と搬入チャンバ53、及び搬送チャンバ52と搬出チャンバ54が、それぞれゲートバルブ56及び57を介して結合されている。処理容器1、搬入チャンバ53及び搬出チャンバ54には、それぞれ真空ポンプ61、62及び63が取り付けられ、各チャンバの内部を真空排気することができる。
【0018】
搬送チャンバ52内には、搬送用ロボット64が収容されている。搬送用ロボット64は、処理容器1、搬入チャンバ53及び搬出チャンバ54の相互間で処理基板を移送する。
【0019】
処理容器1の上面に、レーザ光透過用の石英窓14が設けられている。パルス発振したエキシマレーザ装置41から出力されたレーザビームがアッテネータ46を通ってホモジナイザ42に入力する。ホモジナイザ42は、レーザビームの断面形状を細長い形状にする。ホモジナイザ42を通過したレーザビームは、レーザ光の断面形状に対応した細長い石英窓14を透過して処理容器1内の基板を照射する。基板の表面がホモジナイズ面に一致するように、ホモジナイザ42と基板との相対位置が調節されている。
【0020】
基板は、図1で説明した直動機構により石英窓14の長軸方向に直交する向きに移動する。1ショット分の照射領域の一部が前回のショットにおける照射領域の一部と重なるような速さで基板を移動することにより、基板表面の広い領域を照射することができる。基板表面はCCDカメラ58により撮影され、処理中の基板表面をビデオモニタ59で観察することができる。
【0021】
エキシマレーザ装置41、ホモジナイザ42、搬送用ロボット64、ゲートバルプ55〜57、及びリニアモータ6の動作は、制御装置65によって制御される。
【0022】
図1に戻って、基板13の移動方向に対して直交する方向に長い断面形状を有するレーザ光を照射しながら、基板13を移動させることにより、基板13の表面の広い領域をアニールすることができる。基板13を加熱しておくことにより、レーザアニールの効果を安定させることができる。
【0023】
本形態による直動機構では、処理容器1内に摺動部が無い。このため、摺動部における摩擦が原因となる微小なごみによる処理容器1内の汚染を防止することができる。また、保持台10が加熱されて熱歪が生じたとしても、リニアガイド4及びリニアモータ6は熱歪の影響を受けない。このため、保持台10を加熱した状態でも安定して並進移動させることができる。
【0024】
また、駆動用支軸2A、2Bを、その両端で支持しているため、片持ち状態の場合に比べて、基板13をより安定して保持することができ、基板13の位置決め精度を向上させることが可能になる。また、長ストロークを容易に実現することができる。
【0025】
更に、真空ベローズ7の縮小時には、真空ベローズ7内に滞留する微小なごみが、処理容器1の側壁の穴と駆動用支軸2A、2Bとの間の隙間を通して処理容器1内に侵入する可能性がある。しかし、本形態では、処理容器1の側壁の穴に近い位置にフランジ8を設け、両側の対応し合うフランジ8相互を連通管9で接続していることにより、真空ベローズ7内に滞留する微小なごみは連通管9の方に流入する。このことにより、真空ベローズ7内に滞留する微小なごみが処理容器1内に侵入することを防止できる。このような防止効果を向上させるためには、処理容器1の側壁の穴と駆動用支軸2A、2Bとの間の隙間はできるだけ小さいことが望ましい。また、図3では連通管8は図示を省略しているが、連通管8は石英窓14を通したレーザ光の照射を妨げないようにする必要があり、連通管8は石英窓14にかからないように設けられる。
【0026】
なお、上記の形態では、駆動源としてリニアモータを使用したが、その他の直動駆動源を用いてもよい。例えば、回転モータとボールねじの組み合わせを用いてもよい。レーザアニーリング装置を例にとって説明したが、本発明の処理容器はその他の処理装置に適用することも可能である。例えば、特殊な薬品を使用する場合のように、外界と遮断する必要のある環境下において直動機構が必要な場合にも有効である。
【0027】
以上、好ましい実施の形態に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、処理容器内に摺動部分が無く、処理容器外から処理容器内への微小なごみの侵入を防ぐことができるため、処理容器内の汚染を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態による処理容器の概略平断面図である。
【図2】図1の線A−Aによる断面図である。
【図3】図1に示す処理容器を用いたレーザアニーリング装置の概略平面図である。
【符号の説明】
1 処理容器
2A、2B 駆動用支軸
3、5 結合部材
4 リニアガイド機構
6 リニアモータ
7 真空ベローズ
8 フランジ
9 連通管
10 保持台
11 ヒータ
12 ピン
13 基板
14 石英窓
41 エキシマレーザ装置
42 ホモジナイザ
46 アッテネータ
52 搬送チャンバ
53、54 搬出入チャンバ
55〜57 ゲートバルブ
58 CCDカメラ
59 ビデオモニタ
61、62、63 真空ポンプ

Claims (3)

  1. 気密状態にされるべき処理容器と、
    前記処理容器内に配置され、両端が処理容器の両側の壁を貫通して外部まで導出された駆動用支軸と、
    前記駆動用支軸が前記処理容器の両側の壁を貫通するそれぞれの箇所において、前記駆動用支軸がその軸方向に移動可能なように、かつ前記処理容器内の気密性が保たれるように、前記処理容器内と外部とを隔離するベローズ機構と、
    前記駆動用支軸の一方の端部に取り付けられ、該駆動用支軸が前記処理容器に対して軸方向に移動可能なように駆動用支軸を支持するリニアガイド機構と、
    前記駆動用支軸の他方の端部に取り付けられ、前記駆動用支軸を前記処理容器に対して軸方向に移動させる駆動機構と、
    前記処理容器内において、前記駆動用支軸に取り付けられ、処理対象物を保持する保持手段とを備え、
    前記処理容器の両側の前記ベローズ機構内の空間を、前記処理容器の両側の壁に近い位置に設けた連通管により連通可能にしたことを特徴とする処理容器を備えた処理装置。
  2. 前記駆動用支軸は2本設けられ、前記連通管も2本設けられることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
  3. 前記保持手段が、処理対象物を加熱するための加熱手段を有する請求項1あるいは2に記載の処理装置。
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