JP2006100706A - 電子線露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 露光室へのロード直後の時点で既に露光マスク及び試料が高い精度で温調された状態とすることを可能にし、もってスループットを向上することが可能な電子線露光装置を提供する。
【解決手段】 電子線露光装置1を、露光マスク12に照射されこれを通過した電子ビームで、露光パターンを試料11の表面に露光する露光室2と、大気状態にある露光装置外部200から真空状態である露光室2へと試料11や露光マスク12を搬入するための搬送経路(3、4、5)とを備え、さらに、試料11や露光マスク12を搬送経路(3、4、5)の全経路に亘って連続的に温調するための温調手段90を備える。
【選択図】 図5

Description

本発明は、電子線源から発生せしめた電子ビームを露光マスクに照射して、通過した電子ビームで試料表面に露光パターンを転写する電子線露光装置に関し、特に、このような露光マスク及び試料の温調機構を備えた電子線露光装置に関する。
半導体集積回路の集積度は微細加工技術により規定されており、微細加工技術には一層の高性能が要求されている。特に、露光技術においては、ステッパなどに用いられるフォトリソグラフィの技術的な限界が予想されており、一層の微細化を難しくしている。この限界を打ち破る技術として電子線露光技術が注目されている。
電子線露光は、一般にスループットが低いという問題があった。下記特許文献1は、露光パターンと同一の開口パターンを有するステンシルマスクに、感光剤(レジスト)を塗布した試料(ウエハ)を近接して配置し、大きなサイズの電子ビームでマスクを走査することにより短時間で露光を終了する近接露光方式の電子線露光技術を開示している。本発明は、電子線露光装置で使用される露光マスクであれば、露光方式には限定されないが、ここでは近接露光方式の電子線露光技術を例として以下説明を行なう。
図1は、下記特許文献1に開示された近接露光方式の電子線露光装置の基本構成を示す図である。図1に示すように、電子線露光装置1内には、電子ビーム115を発生する電子ビーム源114と、整形アパーチャ116と、電子ビーム115を平行ビームにする照射レンズ118とで構成される電子銃ユニット112、対となる主偏向器122,124を含み、電子ビームを光軸に平行走査する走査手段121、露光するパターンに対応する開口を有するマスク12、及び表面にレジスト層101が形成された試料(半導体ウエハなど)11が設けられている。
露光マスク12は、厚い外縁部分内の中央に開口パターンの形成された薄い膜を有しており、試料11は表面がマスクに近接するように配置される。この状態で、マスクに垂直に電子ビームを照射すると、マスク12の開口を通過した電子ビームが試料11の表面のレジスト層101に照射される。走査手段121により電子ビーム115を偏向して(図のA,B,Cは3箇所に偏向されたビームを示す。)、マスク12上の薄い膜の全面を走査すると、マスク12のすべての開口パターンが露光されることになる。
なお、走査手段には、電子ビームをわずかに傾斜させるための副偏向器151,152が設けられており、マスク12と試料11の位置合わせと、マスクの歪みと試料の歪みによる露光位置のずれを補正するのに使用される。
上記のような電子線露光装置では、露光工程が真空中で行なわれ、試料11及び露光マスク12は内部が高い真空度に維持された真空露光室内に配置されるため、試料11及び露光マスク12の搬入出の度に真空を解除していてはスループットの低下を招く。したがって、露光室内への試料11及び露光マスク12の搬入出は、図2に示す搬入出機構を使用している。
図2は、試料11及び露光マスク12の搬送機構を含む電子線露光装置の全体構成図である。
図2において、参照番号2は露光工程が行なわれる真空露光室を示し、図1に示したような電子ビーム光学系が設けられている。露光室2には、ゲートバルブ55を介してトランスファチャンバ5が接続され、このトランスファチャンバ5と露光室2とは真空状態で、試料11及びマスク12の搬入出を行なう。また、トランスファチャンバ5には、大気状態で試料11が搬入され、真空状態で試料11をトランスファチャンバ5内に搬出するロードロック室51が設けられている。ロードロック室51は、ゲートバルブ54を介して大気状態にあるEFEM3(Equipment Front End Module)に接続され、一方でロードロック室51からトランスファチャンバ5内に至る経路にはゲートバルブ56が設けられる。
EFEM3は、露光工程前にレジスト層101を成す感応性材料を試料へ塗布し、露光後に試料を現像するコータ/デベロッパ200に接続されて、コータ/デベロッパ200と露光装置1との間で試料11の搬送を行なう。
試料11が大気状態から真空露光室2に搬入される工程を、以下概略的に説明する。
コータ/デベロッパ装置によってレジスト層101が塗布された試料11は、大気状態のままロボットアーム等の搬送手段31によってEFEM3内に受け取られる。その後、ロードロック室51とトランスファチャンバ5内部との間のゲートバルブ56を閉じた状態で、EFEM3とロードロック室51との間のゲートバルブ54が開放され、試料11が大気状態のままロードロック室51に搬入される。
試料11をロードロック室51に搬入した後、ゲートバルブ54を閉じてロードロック室51内を真空引きする。その後ゲートバルブ56を開き、真空状態において、ロボットアーム等の搬送手段53によりロードロック室51からトランスファチャンバ内へ試料11を搬入する。そしてゲートバルブ56を閉じた後ゲートバルブ55を開き試料11を真空露光室2内へ搬入し、試料ステージ21上に載置する。
また、電子線露光装置1には、使用する露光マスク12を予めセットしておくマスクストッカ4を備える。マスクストッカ4は、複数の露光マスク12を載置しておくためのラック40を備えている。ラック40に載置される露光マスク12は、大気中のパーティクルから露光マスク12を保護するために、本発明の出願人により下記特許文献2に開示された露光マスク収容器に収容されている。この露光マスク収容器を図3に示す。
露光マスク収容器60は、上蓋62と、上蓋62との間に内部空間66を形成するように上蓋と結合される下蓋61と、上蓋62と下蓋61により形成される内部空間66を密閉するシール部材であるOリング65と、露光マスク12を上下から3点支持するために上蓋62及び下蓋61に設けられた、それぞれの支持部材63、64とを有している。内部空間66が真空状態であれば、上蓋62と下蓋61とは大気圧を受けて結合され、離れることはない。
再び図2に戻ると、マスクストッカ4内において、露光マスク12は露光マスク収容器60に収容されたまま、大気状態でトレイ41のような搬送機構によって、トランスファチャンバ5に設けられた露光マスク入出力機構52に搬送される。露光マスク入出力機構52の構造もまた、本発明の出願人による特許文献2に開示されており、その動作を図4を参照して説明する。
図4の(A)に示すように、露光マスク入出力機構は、露光マスク収容器60が載置される筐体71と、露光マスク収容器60を筐体71に載置することにより密閉される接続空間72とを有する。接続空間72内には、露光マスク収容器60の載置面に位置する下蓋支持支持台73と、下蓋支持台73を支持して上下方向に移動する第1支柱76と、が設けられている。
さらに、接続空間72と、トランスファチャンバにつながる筐体71内の真空チャンバ5とを遮断する遮断板78が設けられている。筐体71の露光マスク収容器60との接触部分にはOリング82が設けられており、接続空間72は、露光マスク収容器60を載置することにより、外部及び真空チャンバ5から遮断される。遮断板78は、上下移動可能な第2支柱81に支持されており、下方に移動することにより接続空間72と真空チャンバ5がつながった状態になる。遮断板78には、第1支柱76のガイド77が設けられており、第2支柱81には第1支柱76の駆動機構が設けられており、第1支柱76に支持された下蓋支持台73は、遮断板78に対して上下移動可能である。
接続空間72は、気体経路74を介してバルブ75につながっており、バルブ75はさらに図示していない真空源(真空装置)及び窒素ガス源(N2パージ源)に接続されており、内部を真空状態、大気圧状態及びそれ以外の気圧状態にし、その気圧状態を維持することが可能である。
次に図4(A)〜(D)を参照して、露光マスク12の真空チャンバとの入出力動作を説明する。図4(A)に示すように、遮断板78により接続空間72と真空チャンバ5が遮断された状態にし、下蓋支持台73を露光マスク収容器60の載置面に位置させる。バルブ75は閉じた状態にする。この状態で内部空間が真空状態に保持され、露光マスク12を保持した露光マスク収容器60を筐体71と下蓋支持台73上に載置する。この状態が図4(B)である。
この状態で接続空間72の内部を真空状態にする。これにより、露光マスク収容器60は大気圧により筐体71に結合された状態になる。露光マスク収容器60の内部空間と接続空間72は共に真空状態であり、圧力がかからないので、下蓋61は上蓋62から離れることが可能である。図4(C)のように、下蓋支持台73を降下させると、下蓋61が露光マスク12を支持したまま降下する。さらに、図4(D)のように遮断板78を降下させると、接続空間72と真空チャンバ5がつながった状態になり、露光マスク12は真空チャンバ5内に取り込まれる。遮断板78は更に降下して、マスク搬送機構による露光マスク取り出しが可能となる適切な位置に位置決めされる。
使用の終了した露光マスク12を露光マスク収容器60に戻すときには、逆の動作を行なう。マスク搬送機構が、露光マスクを下蓋61の保持部材64上に載せる。次に、遮断板78を上昇して接続空間72と真空チャンバ5を遮断状態にし、さらに下蓋支持台73を上昇させて、下蓋61を上蓋62に接触させ、露光マスクを保持部材63と64で固定する。そして、接続空間72内に1気圧の窒素ガスを徐々に導入すると、露光マスク収容器60の内部空間は真空状態で、接続空間72内は1気圧であるので、下蓋61は上蓋62に接合されて離れなくなる。この状態では、露光マスク収容器60は筐体71から取り出せる。
このようにして、トランスファチャンバ5内の真空を保ったまま、露光マスク12がトランスファチャンバ5に搬入されると、上述した試料11の搬入と同様に、ゲートバルブ55を開き、ロボットアーム等の搬送手段53により露光マスク12を露光室2内へ搬入し、マスクステージ(図示せず)上に載置する。
なお、下記特許文献3には同様の試料搬送機構が開示されており、ここではロードロック室に試料を搬入した後の真空引きに伴って、断熱膨張により試料温度が低下することを見込んで、予め恒温槽で設定温度より高く試料を加熱しておく搬送機構が開示されている。
特許第2951947号公報 特開2004−39986号公報 特開平10−284373号公報
試料11及び露光マスク12は、熱伸縮によるサイズ変動を抑制し、転写倍率を一定に(例えば上記の近接露光式電子線露光装置では等倍に)保つために、試料11及びマスク12を常に所定の設定温度に維持する必要がある。
しかしながら、従来の電子線露光装置では搬送経路における試料11及びマスク12の温度管理を実施しておらず。このため、露光室にロードされた直後は所定の設定温度と実際の試料等の温度との差が大きく、温度の安定までの待ち時間がスループットを悪化させることがあった。
また、従来の電子線露光装置において露光室内のみに置いてチラー機構(温調媒体循環機構)を用いて試料11及びマスク12の温調制御を行なっていたが、真空状態にある露光室で試料11及びマスク12を全面にわたって一定温度にすることは、非常に困難であった。
さらに、特許文献3に示すように、予め試料11をロード時の設定温度より高く試料を加熱しておき、ロードロック室内の真空引きに伴う温度低下を利用して試料を設定温度に近づける手法では、試料温度の高精度な制御が非常に複雑かつ困難であった。
上記問題点を鑑みて、本発明は、露光室へのロード直後の時点で既に露光マスク及び試料が高い精度で温調された状態とすることを可能にし、もってスループットを向上することが可能な電子線露光装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る電子線露光装置では、大気状態にある装置外部から、真空状態である露光室へと、試料又はマスクを搬入するための搬送経路の、全経路に亘って連続的に温調する。
すなわち、本発明に係る電子線露光装置は、露光パターンに応じたマスクパターンを有する露光マスクに電子ビームを照射して、露光マスクを通過した電子ビームで、露光パターンを試料の表面に露光する露光室と、大気状態にある露光装置外部から真空状態である露光室へと試料や露光マスクを搬入するための搬送経路と、を備え、さらに、上記の試料や露光マスクを前記搬送経路の全経路に亘って連続的に温調するための温調手段を備える。
搬送経路は、大気状態で試料やマスクを搬送する大気搬送室と、真空状態で試料等を搬送する真空搬送室とを有し、温調手段は、大気搬送室内においては気体温度を調整する空調手段を有することとし、真空搬送室においてはその壁面の温度を調整することとしてよい。
これに加えて又はこれに代えて、温調手段は、真空搬送室に設けられる温調プレートを有し、搬送される試料やマスクを近接させることにより温調プレートの輻射熱で試料やマスクを加熱することとしてよい。
また露光マスクが、大気状態の外部においてマスク収容器に収容された状態にあるときは、搬送経路は、マスク収容器から、真空状態で露光マスクを搬送するマスク真空搬送室へと取り出すマスク収容器開閉機構を有することとしてよく、このとき上記の大気搬送室内では、マスク収容器に収容されたまま露光マスクが搬送されることとしてよい。
さらにまた、電子線露光装置は、露光室及び真空搬送室を覆う筐体と、筐体内の気体温度を調整する空調手段と、を含むこととしてよく、上記温調手段は、さらに露光室の壁面温度を調整することとしてよい。
本発明によって、装置外部から露光室へと至る搬送経路の全経路に亘って、試料及び露光マスクが連続的に温調されるので、露光室へロードされた直後の時点で既に試料及び露光マスクを温調された状態にすることが可能となるため、露光室内での温度安定時間を極めて短くすることが可能となり、露光装置のスループットを向上する。
特に、試料は露光マスクに比べて交換の頻度が高く、ロード直後の温調時間が露光装置のスループットに影響することが問題となるが、本発明によれば、すでにロードされた前の試料を露光している際に、上述のトランスファチャンバのような試料真空搬送室に次の試料を待機させ、この待機中に次の試料を試料真空搬送室内で温調することが可能となるため、スループットに影響を与えることが防止される。
また本発明によって、搬送経路の全経路に亘って連続的に温調していくので、装置外部から露光室へと至るまでに搬送経路の各箇所における温調精度を順に高めていくことが可能となる。これによってロード時点における温調精度を容易に向上することが可能となる。
また本発明では、真空状態で試料等を搬送する真空搬送室で温調を行なうとともに、大気状態で試料やマスクを搬送する大気搬送室においても温調を行なう。したがって、真空状態にある露光室や真空搬送室にロードされる前に、露光室等における設定温度と同一温度に予め温調しておき、露光室等においてマスク12及び試料11を全面にわたって一定温度に温調することを容易にすることが可能となる。
以下、添付する図面を参照して本発明の実施例を説明する。図5は、本発明の実施例に係る電子線露光装置の全体構成図である。以下の説明では近接露光式の電子線露光装置を例として説明するが、本発明はこれに限定されず、露光マスクを使用する電子線露光装置に広く適用可能である。
また、電子線露光装置の基本構成は、図1〜図4に示した構成及び上記の文献1に開示された構成に類似した構成を有している。よって、これらの図と同一の機能部分に同一の参照番号を付して表し説明を省略する。
電子線露光装置1は、大気状態にあるEFEM3のコータ/デベロッパ面から真空状態である露光室2へと至る試料用搬送経路の全経路に亘って試料11を連続的に温調し、大気状態にあるマスクストッカ4から真空状態である露光室へと至るマスク用搬送経路の全経路に亘って露光マスク12を連続的に温調する温調部90を備えている。
温調部90は、前記各搬送経路のうち大気状態で試料11を搬送するEFEM3、及び大気状態でマスク12を搬送するマスクストッカ4内及び後述のエンクロージャ6の気体温度を調整する空調部91と、前記各搬送経路のうち真空状態で試料11及びマスク12を搬送するトランスファチャンバ5の壁面、並びに露光室2(メインチャンバ)の壁面及び内部の温度を調節するためのチラー(温調媒体循環機構)部92とを備えて構成される。
さらに電子線露光装置1は、露光室2及びトランスファチャンバ5の周囲の大気温度を、試料11及びマスク12の設定温度付近に保ち、これにより露光室2及びトランスファチャンバ5の壁面温度を調整するチラー部92による温度調整を容易にするために、露光室2及びトランスファチャンバ5をその内部に包含してこれらを覆うためのエンクロージャ6を備える。そして温調部90の空調部91は、エンクロージャ6内の気体温度を調整する。
空調部91は、搬送経路内の各区画であるEFEM3、マスクストッカ4と、エンクロージャ6にそれぞれ対応する複数の系統の空調機で構成されている。これら各区画に対応する各系統の空調機は、各区画に設置された温度センサ(図示せず)が検出した気体温度に基づき各区画に供給するべき空気の温度を調整して、気体流通路93、94及び99を介してEFEM3、マスクストッカ4及びエンクロージャ6のそれぞれに供給する。
このように、空調部91を各区画ごとに系統別に構成することにより、供給される空気の温度設定や予圧の設定を、各区画毎にきめ細かに設定することが可能となり、各区画内を搬送される試料11及びマスク12を高い精度で設定温度に維持することが可能となる。すなわち、基本的には、各区画へ供給される空気の温度は、搬送経路内の各区画においてここを搬送される試料11及びマスク12が同一の設定温度となるように調整することが必要であるが、各区画に設置された温度センサ(図示せず)の取り付け位置の相違により、センサの検出温度と試料11及びマスク12の実際の温度との間の温度差に、若干のズレが生じる。そこで、空調部91を各区画ごとに系統別に構成することにより、各系統ごとに供給される空気の温度設定を変更することを可能とする。
空調部91を各区画ごとに系統別に構成することにより、各区画に応じて気体流通路にエアフィルタ(図示せず)を個別に設置することが可能となる。例えば、コータ/デベロッパ200に接続されるEFEM3においては、試料11に塗布されたレジスト層101が空気中に含まれる化学物質により変質されることを防ぐために、温調空気を供給する気体流通路93のみに化学物質を除去するエアフィルタを設置することが可能となる。
このように、試料11及びマスク12を収容するマスク収容器60が大気状態で搬送されるEFEM3及びマスクストッカ4では、その周囲の空気温度が試料11及びマスク12の設定温度となるように空調することにより、試料11及びマスク12の温調が行なわれる。なお、エンクロージャ6内の空調については後述する。
チラー部92は、水などの温調媒体を、トランスファチャンバ5の壁面に沿わせて配設された温調媒体循環経路96を通過させて、トランスファチャンバ5の壁面の温度を調整する。またチラー部92は、同様に温調媒体を露光室2の壁面に沿わせて配設された温調媒体循環経路95を通過させて露光室2の壁面の温度を調整する。このようにトランスファチャンバ5の壁面及び露光室2の壁面を温調することにより、真空状態であるこれらチャンバ内においても、試料11及びマスク12の温調を行なうことが可能である。
また露光室2内部の主要箇所21、22に、それぞれ温調媒体循環経路97、98を通過させてこれら主要箇所の温度を調整することとしてよい。ここに露光室2内部の主要箇所として、例えば試料11やマスク12に直接接触するそれぞれ試料用チャック又はマスク用チャック21に温調媒体循環経路97を設けることが好適であり、また、顕微鏡光源などの発熱体22に温調媒体循環経路98を設けることが好適である。試料11やマスク12に直接接触する部位21を温調することにより、真空状態下でも試料11やマスク12の温調が容易となり、また発熱体22を温調することによりこれら発熱体による試料11やマスク12の不要な温度変化を防ぐことができるからである。
チラー部92もまた、温調媒体循環経路95〜98のそれぞれに対応する複数の系統のチラー装置で構成されている。これら各循環経路に対応する各系統のチラー装置は、各循環経路が温調しようとする部位に設置された温度センサ(図示せず)が検出した各部位の温度に基づき各循環経路に供給するべき温調媒体の温度、流量及び圧力を調整して、各温調媒体循環経路95〜98に供給する。
このように、チラー部92を各温調部位ごとに系統別に構成することにより、供給される温調媒体の温度、流量及び圧力の設定を、各部位毎にきめ細かに設定することが可能となり、トランスファチャンバ5及び露光室2内にある試料11及びマスク12を高い精度で設定温度に維持することが可能となる。すなわち、基本的には、各循環経路へ供給される温調媒体の温度は、トランスファチャンバ5及び露光室2内の各位置において搬送される試料11及びマスク12が同一の設定温度となるように調整することが必要であるが、温度センサ(図示せず)の取り付け位置や、各温調部位の発熱量の相違のために、各循環経路に供給する温調媒体の温度を若干変更する必要がある。そこで、チラー部92を各循環経路ごとに系統別に構成することにより、各系統ごとに供給される温調媒体の温度設定を変更することを可能とする。
さらに、トランスファチャンバ5及び露光室2の壁面をチラーによって温調することに加えて、これらを囲うクロージャ6内部を空調することにより、トランスファチャンバ5及び露光室2の外部の温度変化をクロージャ6内部の空調によって大部分平定して、チラー部92を小型かつ安価に構成することが可能となる。
一方で、クロージャ6内部の空調に加えて、トランスファチャンバ5及び露光室2の壁面をチラーによって温調することにより、試料11及びマスク12をより高精度に温調するとともに、トランスファチャンバ5及び露光室2の周囲に偏在する各機器から生じる熱の影響を防止することが可能となり、トランスファチャンバ5及び露光室2内の試料11及びマスク12の温調精度向上に資する。
上述の説明のように、大気状態にある露光装置装置1の外部から真空状態である露光室へ2と至る搬送経路の全経路に亘って(すなわち試料11の搬送に関してはEFEM3〜トランスファチャンバ5〜露光室2の全経路に亘って、また露光マスク12の搬送に関してはマスクストッカ4〜トランスファチャンバ5〜露光室2の全経路に亘って)、連続して試料11及びマスク12の温調を行なうことにより、露光室2へ搬送されるまでの間に温調精度を徐々に向上させ、露光工程を行なう時点ではすでに必要な温調精度で温調された状態とすることが可能となる。
すなわち本発明の露光装置によれば、例えば、露光装置装置1の外部のクリーンルームに試料11がある間に所望の設定温度±2°Cに温調されていたとすれば、EFEM3内において設定温度±0.5°Cに温調精度を上げ、トランスファチャンバ5において設定温度±0.5°Cのまま精度を保ち、露光室2内では設定温度±0.05°Cに温調することが可能となる。
また同様に、外部のクリーンルームに露光マスク12がある間に設定温度±2°Cに温調されていたとすれば、マスクストッカ4内において設定温度±0.5°Cに温調精度を上げ、トランスファチャンバ5において設定温度±0.5°Cのまま精度を保ち、露光室2内では設定温度±0.05°Cに温調することが可能となる。
さらに実際には、試料11及び露光マスク12の温調の目標となる設定温度を、これらEFEM3、マスクストッカ4、トランスファチャンバ5及び露光室2のそれぞれにおいて変えて設定してもよい。
上述の説明のように、本発明の実施例に係る露光装置1は、試料11が露光室2へ搬送されるまでの間に温調精度を徐々に向上させ、露光を行なう時点ではすでに温調された状態となっているため、試料11の温調時間が露光装置のスループットに影響を及ぼすことを防止する。
特に、本発明の実施例に係る露光装置1は、ロードロック室51内での真空引きによって試料11の温度が低下しても、試料11がトランスファチャンバ5内の真空搬送ロボットハンド53上で待機する間にトランスファチャンバ5の壁面からの輻射熱により温調が行なわれるため、露光装置のスループットへの影響を防ぐ。
しかしながら、露光装置1のスループットがさらに高速になりトランスファチャンバ5における待機時間が短縮された場合には、以下に説明する温調プレートをトランスファチャンバ5内に設けて、試料11の温調を高速に行なうこととしてよい。
図6は、図5に示す電子線露光装置のトランスファチャンバに上記温調プレートを付加した場合における、トランスファチャンバ5付近の部分構成図である。
温調プレート100は、その輻射熱で試料11を加熱することが可能な温調手段であり、トランスファチャンバ5の真空搬送ロボットハンド53による試料11の搬送経路に近接して設けられる。温調プレート100自体は、温調部90のチラー部92により温度調整されるチラー機構によって温度調整されることが可能であるが、これに限定されることなく、例えば温調部90により制御される電力印加によって発熱する発熱手段などの、真空状態下で利用可能な温度調整手段のいずれによっても温度調整されることが可能である。
そして、温調部90は、真空搬送ロボットハンド53によって試料11を搬送する際に、温調プレート100に接触しないぎりぎりの距離まで試料11を接近させることにより高速に試料11を温調することを可能とする。
なお、この温調プレート100は、試料11の温調のみに限らず、同様の方法により露光マスク12を温調するために使用することも可能である。
なお、図5に示されるEFEM3は本発明の請求項に係る試料大気搬送室をなし、マスクストッカ4は本発明の請求項に係るマスク大気搬送室をなし、トランスファチャンバ5は本発明の請求項に係る試料真空搬送室及びマスク真空搬送室をなし、これらを併せて、本発明の請求項に係る搬送経路をなす。
また、図4(A)〜(D)に示される露光マスク入出力機構は、本発明の請求項に係るマスク収容器開閉機構をなす。
さらに、同様に図5に示されるエンクロージャ6は、本発明の請求項に係る、露光室と試料真空搬送室又はマスク搬送室とを覆う筐体をなす。
本発明は、半導体ウエハ、半導体メモリ用フォトマスクまどの製造工程に使用される電子線露光装置に利用可能である。
近接露光方式の電子線露光装置の基本構成図である。 試料等の搬送機構を含む電子線露光装置の全体構成図である。 露光マスク収容器の構成を示す図である。 露光マスク入出力機構の動作を示す図である。 本発明の実施例に係る試料等の搬送機構を含む電子線露光装置の全体構成図である。 温調プレートを付加した、本発明の実施例に係る電子線露光装置の部分構成図である。
符号の説明
1 電子線露光装置
2 露光室
3 EFEM
4 マスクストッカ
5 トランスファチャンバ
6 エンクロージャ
11 試料
12 露光マスク
51 ロードロック室
52 露光マスク入出力機構
54、55、56 ゲートバルブ
93、94、99 気体流通路
95、96、97、98 温調媒体循環経路
200 コータ/デベロッパ

Claims (12)

  1. 露光パターンに応じたマスクパターンを有する露光マスクに電子ビームを照射して、該露光マスクを通過した電子ビームで、前記露光パターンを試料の表面に露光する露光室と、
    大気状態にある装置外部から、真空状態である前記露光室へと、前記試料を搬入するための搬送経路と、
    を備える電子線露光装置において、
    さらに、前記試料を、前記搬送経路の全経路に亘って連続的に温調するための温調手段を備える電子線露光装置。
  2. 前記搬送経路は、大気状態で前記試料を搬送する試料大気搬送室を有し、
    前記温調手段は、前記試料大気搬送室内の気体温度を調整する空調手段を有する、
    請求項1に記載の電子線露光装置。
  3. 前記搬送経路は、真空状態で前記試料を搬送する試料真空搬送室を有し、
    前記温調手段は、前記試料真空搬送室の壁面の温度を調整する、
    請求項1に記載の電子線露光装置。
  4. 前記搬送経路は、真空状態で前記試料を搬送する試料真空搬送室を有し、
    前記温調手段は、前記試料真空搬送室に設けられる温調プレートを有し、搬送される前記試料を近接させることにより前記温調プレートの輻射熱で前記試料を加熱する、
    請求項1に記載の電子線露光装置。
  5. さらに、前記露光室及び前記試料真空搬送室を覆う筐体と、
    該筐体内の気体温度を調整する空調手段と、
    を備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子線露光装置。
  6. 露光パターンに応じたマスクパターンを有する露光マスクに電子ビームを照射して、該露光マスクを通過した電子ビームで、前記露光パターンを試料の表面に露光する露光室と、
    大気状態にある装置外部から、真空状態である前記露光室へと、前記露光マスクを搬入するための搬送経路と、
    を備える電子線露光装置において、
    さらに、前記露光マスクを、前記搬送経路の全経路に亘って連続的に温調するための温調手段を備える電子線露光装置。
  7. 前記搬送経路は、大気状態の外部においてマスク収容器に収容されている前記露光マスクを、該マスク収容器から、真空状態で前記露光マスクを搬送するマスク真空搬送室へと取り出すマスク収容器開閉機構を有する、請求項6に記載の電子線露光装置。
  8. 前記搬送経路は、大気状態で前記マスク収容器に収容されたまま前記露光マスクを搬送するマスク大気搬送室を有し、
    前記温調手段は、前記マスク大気搬送室内の気体温度を調整する空調手段を有する、
    請求項7に記載の電子線露光装置。
  9. 前記搬送経路は、前記マスク収容器から取り出された前記露光マスクを真空状態で搬送するマスク真空搬送室を有し、
    前記温調手段は、前記マスク真空搬送室の壁面の温度を調整する、
    請求項7に記載の電子線露光装置。
  10. 前記搬送経路は、前記マスク収容器から取り出された前記露光マスクを真空状態で搬送するマスク真空搬送室を有し、
    前記温調手段は、前記マスク真空搬送室に温調プレートを有し、搬送される前記露光マスクを近接させることにより前記温調プレートの輻射熱で前記マスクを加熱する、
    請求項7に記載の電子線露光装置。
  11. さらに、前記露光室及び前記試料真空搬送室を覆う筐体と、
    該筐体内の気体温度を調整する空調手段と、
    を含む請求項7〜10のいずれか一項に記載の電子線露光装置。
  12. 前記温調手段は、さらに前記露光室の壁面温度を調整する請求項1〜11のいずれか一項に記載の電子線露光装置。
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Cited By (5)

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