JP3683440B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
従来のパチンコ遊技機には、遊戯中に「大当たり」と称される所定の特別遊技状態を生じさせる機種がある。このような機種においては、前記特別遊技状態中には、遊技盤の遊技領域面に設けられた大入賞口装置の大入賞口が連続的に開いて多数の入賞が可能になり、その間の入賞により大量の賞品球を払い出すようになっている。
【0004】
前記特別遊技状態を生じさせる機種では、前記大入賞口装置は、大入賞口と該大入賞口内に設けられた特定領域入賞口と、該特定領域入賞口への入賞を検出する特定領域入賞球検出スイッチと、前記大入賞口に入賞した全ての入賞球数(前記特定領域入賞口に入賞したものを含む。)を検出計数する大入賞口入賞球数カウントスイッチとを有し、前記特定領域入賞球検出スイッチの入賞球検出により特別遊技状態(大入賞口の開放)の継続権利が成立し、かつ前記大入賞口入賞球数カウントスイッチの検出結果に基づいて前記大入賞口への入賞球数を所定数以下(一般的には各ラウンドにつき10個以下)に制限するように制御されることが多い。このように大入賞口への入賞球数を制限することによって、特別遊技状態時に遊技者が得る利益は、適正な範囲に制限される。
【0005】
さらに、上記のように大入賞口装置に特定領域入賞球検出スイッチおよび大入賞口入賞球数カウントスイッチを有する機種においては、前記特定領域入賞球検出スイッチや大入賞口入賞球数カウントスイッチの配線の切断あるいは短絡による不正行為等に起因して該各スイッチの動作異常が生じた場合に、その異常を遊技機前面に設けられたランプ表示器を点灯させる等して報知するようにすることがある。
【0006】
しかしながら、前記従来の特定領域入賞球検出スイッチや大入賞口入賞球数カウントスイッチの動作異常を報知するようにされた機種では、遊技領域面に遊技球が全く発射されていない場合にも、前記異常報知がなされるため、その異常への対応(不正行為の有無の判断等)が煩雑となり、実状にそぐわないといった問題があった。したがって、この種のパチンコ遊技機を扱うパチンコ業界では、遊技領域面に遊技球が全く発射されていない場合には前記異常報知が行われないパチンコ遊技機が強く要望されている。
【0007】
なお、従来では、前記遊技領域面に発射された発射球数の検出は、特許第2640112号の如く、遊技者の発射操作に応じて遊技球を発射する発射装置付近に配設されたフォトセンサーや近接スイッチ等によりなされるのが一般的である。
【0008】
しかし、上述のように発射装置付近にフォトセンサーや近接スイッチ等を設けて発射球数の検出を行う場合では、遊技球が遊技領域面にきちんと発射されずに発射装置の発射位置に逆戻りした場合にも発射球として検出され、しかも逆戻りした遊技球が再発射されたときには再び発射球として二重に検出されてしまうおそれがあるので、発射球数の検出の精度が高いとは言い難かった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、前記の点に鑑みなされたもので、特定領域入賞球検出スイッチまたは大入賞口入賞球数カウントスイッチの動作異常が生じた場合に異常報知がなされ、かつその異常報知は遊技領域面に遊技球が全く発射されていない場合には行われず、しかも、発射球数の検出精度が高いパチンコ遊技機を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明は、遊技者の発射操作に応じて遊技球を遊技盤の遊技領域面に向けて発射する発射装置と、発射球を遊技領域面に誘導するために遊技盤面に立設された外側誘導レールと内側誘導レール間で構成される発射球誘導路と、大入賞口と、該大入賞口内に設けられた特定領域入賞口と、遊技球の前記特定領域入賞口への入賞を検出する特定領域入賞球検出スイッチと、前記大入賞口に入賞した全ての入賞球数を検出計数する大入賞口入賞球数カウントスイッチとを有する大入賞口装置と、前記発射球誘導路の出口付近に配設された複数の発射球通過検出器からなり、上流側発射球通過検出器の検知動作後、下流側発射球通過検出器の検知動作があった場合には発射球数を1加算し、下流側発射球通過検出器の検知動作後、上流側発射球通過検出器の検知動作があった場合には発射球数を1減算することによって、遊技盤の遊技領域面上に発射された遊技球の正味発射球数を検出計数する発射球数検出装置とを備えるパチンコ遊技機であって、前記特定領域入賞球検出スイッチまたは大入賞口入賞球数カウントスイッチの動作異常が検出されたときに異常報知されるように構成されるとともに、前記発射球数検出装置が正味発射球数を検出計数していない場合には前記異常報知が行われないようにされたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1において、発射球数検出装置の複数の発射球通過検出器が、発射球誘導路の出口付近における両誘導レールの少なくとも一方の外側に配設され、当該発射球通過検出器が位置する誘導レールの部分には該検出器による発射球通過の検出を可能とする検出用開口部が形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2において、発射球通過検出器が誘導レールと一体に設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1において、発射球数検出装置の複数の発射球通過検出器が、発射球誘導路の出口付近の遊技盤裏側に誘導路に沿って並設され、当該発射球通過検出器が位置する遊技盤の部分には該検出器による発射球通過の検出を可能とする検出用開口部が形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1ないし4の何れかにおいて、大入賞口装置が、遊技領域面に対して略垂直方向に回動して大入賞口を開閉する大入賞口用開閉扉と、特定領域入賞口を開閉する特定領域入賞口用開閉扉とを有し、かつ前記特定領域入賞口用開閉扉の内側に特定領域入賞球検出スイッチが設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1ないし5の何れかにおいて、特定領域入賞球検出スイッチまたは大入賞口入賞球数カウントスイッチの動作異常を検出するスイッチ異常検出制御手段が、遊技機の各種の処理を実行する一連のメイン制御プログラムのルーチン内に組み込まれた断線短絡異常タイマー更新処理手段よりなることを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1ないし6の何れかにおいて、特定領域入賞球検出スイッチまたは大入賞口入賞球数カウントスイッチの動作異常の報知が、遊技盤上に設けられた画像表示部の表示により行われることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に基づき本発明の好適な実施形態を説明する。図1は本発明の一実施例に係るパチンコ遊技機全体の正面図、図2は同パチンコ遊技機の遊技盤の正面図、図3は同遊技盤の裏面図、図4は同遊技盤上の大入賞口装置を部分的に示す斜視図、図5は同遊技盤上の発射誘導路付近を示す拡大正面図、図6はその概略斜視図、図7は正味発射球数の演算を簡略に示すフローチャート、図8は他の実施例における遊技盤の発射誘導路付近を示す拡大正面図、図9はその概略斜視図である。
【0018】
図1ないし図4に示すパチンコ遊技機1は、枠体2の内側に遊技盤3が着脱交換可能に収容されており、その遊技盤3に遊技球の外側誘導レール4及び内側誘導レール5が略円形に立設され、遊技盤面3aの前記外側誘導レール4によって囲まれた遊技領域面6の中心線上にその上部から下部に向かって順に画像表示装置9、普通電動役物である第1種始動口11、特別電動役物である大入賞口装置15、アウト口(排出口とも称される。)17が配設され、また上方両側にはランプ風車18a,18b、その下方に普通図柄変動開始用左ゲート19と普通図柄変動開始用右ゲート21、その下方に風車22a,22b、その下方に左袖入賞口23と右袖入賞口25、さらには前記大入賞口装置15の両側に左落とし入賞口27と右落とし入賞口29が設けられている。前記種々の入賞口に遊技球が入賞すると所定数の遊技球が賞品球(賞球)として払い出される。また、後に詳述する特定の条件で所定の特別遊技状態、この例では大当たりになると、大入賞口装置15の大入賞口16が開放され遊技球が該大入賞口16に入賞し易い状態となる。
【0019】
前記枠体2の前面側には、ガラス枠31,払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿32,該上側球受け皿32を取り付けるための取付板33,前記上側球受け皿32の飽和時に遊技球を受けるための下側球受け皿34,遊技状態を報知するランプ表示器35,36,遊技者の発射操作に応じて遊技球を遊技盤3の遊技領域面6に向けて発射する発射装置91,音声や効果音を発して遊技状態を遊技者に報知するスピーカー37,不正行為等の防止のために枠体2を着脱不可能若しくは開閉不可能にするための鍵38等がそれぞれ組み付けられている。
次に所要の各部についてさらに詳述する。
【0020】
前記画像表示装置9は、その上部の普通図柄表示装置41と中央の特別図柄表示装置43とよりなり、数字,アルファベット,記号あるいは絵等の図柄を変動表示及び停止表示可能となっている。普通図柄表示装置41は7セグメントデジタルからなる普通図柄表示部45を有する。また、普通図柄表示部45の両側には普通図柄変動開始回数記憶表示LED47が設けられ、前記左ゲート19及び右ゲート21を遊技球が通過することによって発生する図柄変動開始の数を、現在変動中のものを除いて所定回数(例えば4回)記憶して表示するようになっている。なお、前記左右ゲート19,21を遊技球が通過した際には所定数の遊技球が賞品球として払い出されるようにしてもよい。
【0021】
前記特別図柄表示装置43は、窓枠部49内にドットマトリックス表示器からなる画像表示部50が設けられている。この画像表示部50の表示画面は、その画面領域の下半分に横方向に並ぶ3つの表示領域に分割されて、左表示部50a、中表示部50b、右表示部50cとなっており、該表示部50a〜50cにそれぞれ図柄が個別的に変動表示、停止表示可能とされている。また、画像表示部50の画面領域の上半分は、特別遊技状態時等に各種のキャラクター図柄などが表示される上表示部50dとなっている。さらに、前記窓枠部49の上側には特別図柄変動開始回数記憶LED51が設けられている。
【0022】
前記第1種始動口11は画像表示装置9の真下に設けられ、二つの可動片11a,11aが背面の第1種始動口用ソレノイド53によって通常状態である略垂直の狭小開放状態と略V字形の拡開開放状態間を変化可能に制御されている。この第1種始動口11の拡開開放は、前記普通図柄表示部45の図柄が変動停止して特定の図柄が表示された時に行われる。
【0023】
また、前記第1種始動口11に入賞した入賞球を検出する特別図柄変動開始スイッチ55が第1種始動口入賞球用通路に設けられており、該入賞球の検出によって前記特別図柄表示装置43の画像表示部50の図柄変動を開始するようになっている。その際、図柄変動中に第1種始動口11に入賞した遊技球の個数、すなわち特別図柄の変動を開始する回数については、所定回数(この例では4回)を、前記特別図柄変動開始回数用記憶LED51に表示し、記憶数の減少によってLED51の表示個数を減らすようになっている。
【0024】
前記普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21は画像表示装置9の左右に設けられ、該ゲート19,21のゲート用通路には、それぞれ普通図柄変動開始スイッチ56,57が設けられ、該普通図柄変動開始スイッチ56,57で前記ゲート19,21を通過する遊技球を検出することによって前記普通図柄表示装置41の図柄変動を開始させるようになっている。なお、この左右ゲート19,21を通過した遊技球は、前記特別図柄表示装置43の窓枠部49の内部を通過し、該窓枠部49下側中央に設けられた誘導部49aを介して再び遊技領域面6上に押出される。前記誘導部49aは、誘導部駆動用モータ49bにより上下動を繰り返すようにされ、該誘導部49aが窓枠部49より低い位置にある間、遊技球は窓枠部49上に滞留し、誘導部49aの上昇に伴って、遊技球は遊技領域面6上に押し出されて再度下方へ落下するようになっている。
【0025】
前記大入賞口装置15は第1種始動口11の下方に設けられ、大入賞口16と、遊技領域面6に対して略垂直方向に回動して前記大入賞口16を開閉する大入賞口用開閉扉58と、該大入賞口用開閉扉58を可動する大入賞口開放用ソレノイド59を備えている。また、前記大入賞口16は、通常は図4の(A)のように大入賞口用開閉扉58が閉じた状態とされ、該大入賞口16内の特定領域入賞口60と、該特定領域入賞口60を所定条件時に開閉する特定領域入賞口用開閉扉61と、該特定領域入賞口用開閉扉61を可動する(図示の例ではスライド移動する)特定領域開放用ソレノイド62を有する。さらに、前記特定領域入賞口用開閉扉61の内側には、特定領域入賞口60への遊技球の入賞球を検出する特定領域入賞球検出スイッチ63が設けられ、該入賞球の検出により大入賞口16を再度開放する継続権利が成立するようにされている。また、前記大入賞口16に接続された大入賞口入賞球用通路には、大入賞口装置15内に入った全ての入賞球、すなわち大入賞口16および特定領域入賞口60に入賞した入賞球数を検出計数する大入賞口入賞球数カウントスイッチ64が設けられている。
【0026】
上記大入賞口装置15の作動について説明する。前記のように第1種始動口11に遊技球が入賞し、特別図柄変動開始スイッチ55によって入賞球が検出されると、前記特別図柄表示装置43の左表示部50a、中表示部50b、右表示部50cで図柄の変動を開始する。そして、所定時間変動後、例えば、左表示部50a、中表示部50b、右表示部50cの順で図柄が変動停止して、停止図柄が確定表示される。そのときの停止表示図柄の態様が、あらかじめ決められた特定の大当たり組合せ、例えば、同一図柄の組合せからなる通称ゾロ目になると、大当たりになる。大当たりになると、図4の(B)図のように、前記大入賞口用開閉扉58が開いて遊技領域面6上を落下してくる遊技球を受け止め、大入賞口16及び特定領域入賞口60へ入賞可能にする。前記大入賞口用開閉扉58は、大入賞口入賞球数カウントスイッチ64で検出された大入賞口入賞球数が所定個数、例えば9個となった時点、あるいは所定時間経過後閉じるようにし大入賞口16への入賞球数を制限するようにされている。また、前記特定領域入賞口60への入賞球を特定領域入賞球検出スイッチ63が検出するごとに前記大入賞口用開閉扉58の開閉を再度繰り返す大当たり継続権利が発生し、所定ラウンド(回数)、例えば最大16ラウンド、前記大入賞口用開閉扉58の開閉を繰り返すようになっている。なお、この実施例のパチンコ遊技機1では、前記各ラウンドにおいて特定領域入賞口60へ遊技球が所定数入賞すると、図4の(C)図の如く、前記特定領域入賞口用開閉扉61により特定領域入賞口60が閉じられるようになっている。これによって、各ラウンドにおける特定領域入賞口60への遊技球の入賞球の数を予め定めた数(一般的に1個とすることが多い。)に確実に制御できる。
【0027】
また、図示の例では、前記遊技盤3の背面側において、前記右袖入賞口25に接続された右袖入賞口入賞球用通路には近接スイッチ等からなる右袖入賞口用入賞球検出スイッチ81が設けられている。さらに、全ての入賞口に入賞した遊技球をまとめて機外へ排出する集合入賞球排出機構部82が設けられている。この集合入賞球排出機構部82は、前記各入賞球用通路からの入賞球を集合させる集合路83と、該集合路83により集められた入賞球を一個ずつ排出する入賞球排出ソレノイド84と、該ソレノイド84により排出された入賞球を計数する合計入賞球数検出スイッチ(この例では近接スイッチよりなる。)85とを備える。なお、この実施例では、特定の入賞口、例えば大入賞口16や右袖入賞口25については、他の入賞口とは払い出される賞品球数を異ならせているため、前記のように、合計入賞球数検出スイッチ85の他に、前記特定の入賞口に入賞球検出スイッチ64,81等を設けて入賞球数を検出し、賞品球数を正確に計算できるようにしている。
【0028】
また、前記合計入賞球数検出スイッチ85には図示しない賞品球払出機構部が接続され、該賞品球払出機構部によって、合計入賞球数検出スイッチ85,特別図柄変動開始スイッチ55,右袖入賞口用入賞球検出スイッチ81,特定領域入賞球検出スイッチ63,大入賞口入賞球数カウントスイッチ64等により検出された各検出結果に基づいて、所定数の賞品球が払い出されるようになっている。さらに、前記合計入賞球数検出スイッチ85には、後述の主制御基板の入賞球数演算カウンタが接続され、該カウンタにより全入賞球数(各入賞口に入賞した合計数)の累積計算が行われるようになっている。なお、全入賞球数を得る手段としては、これに限らず、例えば各入賞口に一つずつに全て検出スイッチを設け、その各検出器を入賞球数演算カウンタに接続して全入賞球数を累積計算するようにしてもよい。
【0029】
さらに、前記遊技領域面6最下部に設けられたアウト口17に接続されたアウト球用通路には、アウト口17に回収されたアウト球を検出するアウト球検出スイッチ(この例ではフォトセンサーよりなる。)86が設けられている。なお、前記アウト球検出スイッチ86には、後述する主制御基板のアウト球数演算カウンタが接続され、該カウンタによりアウト球数の累積計算が行われるようになっている。
【0030】
前記発射装置91は、操作ハンドル92と、該ハンドル92の操作により駆動する発射モータ(図示せず)と、該発射モータの駆動により間欠的に揺動して遊技球を弾発発射する打球杆(図示せず)とを有している。前記発射装置91により発射された発射球は、前記遊技盤面3aに立設された外側誘導レール4と内側誘導レール5間で構成される発射球誘導路95を介して遊技領域面6上に誘導されるようになっている。該発射球誘導路95により遊技領域面6上に誘導された遊技球は、転動しつつ下方へ落下し、前記各装置及び各入賞口に入賞するか、あるいは何処にも入賞しなければ前記アウト口17から遊技盤3の裏側へ排出されるように構成される。
【0031】
図示の例では、前記発射球誘導路95の出口95aには、球戻り防止装置96が設けられている。この球戻り防止装置96は、一旦遊技領域面6上に出された遊技球が発射球誘導路95内に再び戻る(逆流する)のを防ぐためのものである。該装置96は、一方向に湾曲して発射球誘導路95の出口95aを開閉可能とする所定弾性力を有する板バネ97を備えている。
【0032】
そして、このパチンコ遊技機1においては、前記発射球誘導路95の出口95a付近に、発射球数検出装置100が配設されている。この発射球数検出装置100は、前記発射装置91により遊技領域面6上に有効に発射された発射球の数を検出するためのものである。
【0033】
この実施例における発射球数検出装置100は、請求項2の発明として規定し、かつ図5及び図6に示したように、前記発射球誘導路95の出口95a付近における両誘導レール4,5の外側にフォトセンサーからなる発射球通過検出器101,105が二つ配設されたもので構成されている。一方の発射球通過検出器101は他方の発射球通過検出器105よりも遊技球の発射側に近い上流に位置し、他方の発射球通過検出器105は出口95aに近い下流に位置する。前記フォトセンサーは、発光素子Dと受光素子Rを互いに対向するように配設され、発光素子Dと受光素子Rの間を発射球が通過するときに受光素子Rの受光が遮断され、それによって発射球の通過が検出されるものである。また、前記発射球通過検出器101,105が位置する両誘導レール4,5の部分には、該検出器101,105による発射球通過の検出を可能とする検出用開口部o1,o2及びo3,o4が形成されている。なお、上記のように発射球数検出装置100の発射球通過検出器101,105を発射球誘導路95の出口95a付近に設けるのは、従来の発射装置付近に発射球通過検出器を設ける場合のように、遊技領域面6上にきちんと発射されずに発射球誘導路95の途中で発射装置91側へ戻る遊技球までも検出するという不具合を極力避けるとともに、遊技領域面6上の遊技球が当該発射球通過検出器101,105に引っ掛かって停止するのを避けるためである。
【0034】
前記二つの発射球通過検出器101,105には、後述する主制御基板の発射球数演算カウンタが接続され、該カウンタにより発射球数の累積計算が以下のように行われる。図7に示すように、まず、上流側発射球通過検出器101の検知動作後に下流側発射球通過検出器105の検知動作があったか否か判定される(S1)。そして、その検知動作があった場合には、通常発射方向X(図4参照)へ発射球が移動して発射球誘導路95の出口95aから遊技領域面6上に放出されたものとして、発射球数演算カウンタの数値、つまり発射球数を1加算する(S2)。これに対して、下流側発射球通過検出器105の検知動作後、上流側発射球通過検出器101の検知動作があったと判定されたときには(S3)、前記通常発射方向Xとは逆方向Y(図5参照)へ発射球が発射球誘導路95の出口95aを通過したものとして、発射球数演算カウンタの数値、つまり発射球数を1減算する(S4)。これによって、正確に遊技領域面6上に発射された、遊技球の正味発射球数(有効発射球数)が累積計算される(S5)。
【0035】
また、上記のように発射球通過検出器101,105を両誘導レール4,5の外側に設け、両誘導レール4,5の検出用開口部o1,o2及びo3,o4を介して発射球の通過を検出するようにすれば、両誘導レール4,5を特別に加工しなくても、単に両誘導レールに前記開口部o1,o2及びo3,o4を形成するだけで、至って簡単に前記発射球通過検出器101,105を遊技盤3に組み付けることができる。さらに、前記両誘導レール4,5を合成樹脂成形品とし、請求項3の発明として規定したように、前記発射球通過検出器101,105を両誘導レール4,5と一体に設けるようにすれば、よりいっそうパチンコ遊技機の組み付け作業を簡単にすることができる。この一体化は、発射球通過検出器101,105のケースを前記誘導レール4,5と一体に合成樹脂で構成し、その発射球通過検出器101,105のケース内に検出器本体を内装したもの、あるいは発射球通過検出器101,105を前記誘導レール4,5の成形型に配置して誘導レール4,5を合成樹脂で発射球通過検出器101,105と一体に形成したもの等が挙げられる。
【0036】
なお、この実施例においては、発射球通過検出器101,105としてフォトセンサーを採用しているが、これに限らず、発射球通過検出器として近接スイッチを採用し、該検出器を両誘導レール4,5の何れか一方の外側に設けるようにしてもよい。
【0037】
また、図8及び図9には、他の実施例における発射球数検出装置の構成について示す。この実施例の発射球数検出装置110は、請求項4の発明として規定したように、発射球誘導路95の出口95a付近の遊技盤3裏側に、近接スイッチよりなる発射球通過検出器111,115を誘導路95に沿って二つ並設したもので構成される。また、前記遊技盤3の発射球通過検出器111,115が位置する部分には、該検出器111,115による発射球の通過の検出を可能とする検出用開口部o5,o6が形成されている。さらに、この実施例においても、先の実施例の発射装置100と同様に、上流側発射球通過検出器111の検知動作の後、下流側発射球通過検出器115の検知動作があった場合に発射球数を1加算し、下流側発射球通過検出器115の検知動作の後、上流側発射球通過検出器111の検知動作があった場合には、発射球数を1減算することによって、遊技領域面6上に発射された遊技球の正味発射球数を累積計算するようになっている。
【0038】
上記したように、発射球通過検出器111,115を遊技盤3裏側に設け、遊技盤3の検出用開口部o5,o6を介して発射球の通過を検出するようにすれば、遊技盤3に複雑な加工を施さなくても、単に遊技盤3に前記開口部o5,o6を形成するだけで、至って簡単に前記発射球通過検出器111,115を組み付けることができる。
【0039】
図10は上記パチンコ遊技機の電気的接続関係を示す制御ブロック図である。この制御ブロック図に示すように、前記特別図柄表示装置43の特別図柄制御基板B1は、主制御基板Bmに接続されて、特別図柄の表示等に関する制御指示が相互に行われるようになっている。また、普通図柄表示装置41の普通図柄制御基板B2は、中継基板Brを介して主制御基板Bmに接続され、普通図柄の変動制御等が前記主制御基板Bmと中継基板Brとの間における各種データ授受によって制御指示される。前記大入賞口16の開閉等における動作を制御する大入賞口基板B3も中継基板Brを介して主制御基板Bmに接続される。この大入賞口基板B3には、前記特定領域入賞球検出スイッチ63及び大入賞口入賞球数カウントスイッチ64が接続されるとともに、前記主制御基板Bm及び中継基板Brからの指示を受けて大入賞口16を開閉する前記大入賞口開放用ソレノイド59と、特定領域入賞口60を開閉する特定領域開放用ソレノイド62が接続される。
【0040】
また、前記中継基板Brには、前記特別図柄変動開始スイッチ55,普通図柄変動開始スイッチ56,57が接続される。これらのスイッチによる検出信号等のデータは、中継基板Brを介して主制御基板Bmに出力されて処理される。さらに、中継基板Brには、前記第1種始動口11を開閉する第1種始動口用ソレノイド53や前記画像表示装置9の窓枠部49の誘導部49aを上下動させる誘導部駆動用モータ49b、ランプ表示器35,36、スピーカー37、画像表示部50等が接続される。
【0041】
それに対して、CR賞品球払出制御基板Bcは直接主制御基板Bmと接続され、前記集合入賞球排出機構部82の入賞球排出ソレノイド84及び合計入賞球数検出スイッチ85と、前記アウト球検出スイッチ86と、発射球数検出装置100若しくは110等が接続される。加えて、該CR賞品球払出制御基板Bcには賞品球払出機構部の賞品球払出分配基板B4が接続されるとともに、その賞品球払出分配基板B4には賞品球モータ121及び賞品球払出個数を検出する賞品球払出個数検出スイッチ122が接続され、前記合計入賞球数検出スイッチ85によって検出されたデータが前記主制御基板Bm及びCR賞品球払出制御基板Bcで処理される。さらに、前記CR賞品球払出制御基板Bcには発射装置制御基板B5と、カードインターフェース基板B6が接続される。また、CR外部接続端子基板B7は、前記主制御基板Bm及びCR賞品球払出制御基板Bc並びに外部電源Eに接続される。なお、前記集合入賞球排出機構部82が設けられないパチンコ遊技機においては、上述の制御ブロックから前記入賞球排出ソレノイド84及び合計入賞球数検出スイッチ85を除いた構成となる。
【0042】
図11は上述の各検出スイッチの検出結果に基づくシステム制御を簡略に示したブロック図である。図示のように、主制御基板Bmには、所定の制御プログラムや初期データを記憶するROM(読み出し専用メモリ)131と、該ROM131の制御プログラムに従って各種演算処理を実行するCPU(中央処理装置)132と、該CPU132による演算結果を一時的に記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)133と、前記合計入賞球数検出スイッチ85により検出された入力信号T1を演算処理する入賞球数演算カウンタ134と、前記アウト球検出スイッチ86により検出された入力信号T2を演算処理するアウト球数演算カウンタ135と、前記発射球数検出装置100若しくは110により検出された入力信号T3を演算処理する発射球数演算カウンタ136等が組み込まれている。なお、前記各入力信号T1,T2,T3は入出力回路を介して入賞球数演算カウンタ134,アウト球数演算カウンタ135,発射球数演算カウンタ136にそれぞれ入力される。なお、前記各カウンタ134,135,136の各計数値は、遊技開始から遊技終了まで累積されるようにしてもよいし、遊技球の発射終了毎に(一回の発射装置の作動が完了する毎に)累積されるようにしてもよい。
【0043】
前記入賞球数演算カウンタ134,アウト球数演算カウンタ135,発射球数演算カウンタ136の演算結果に異常が生じたときは、タッチ検出137により作動している発射装置制御基板B5に信号を送り発射装置91の発射モータ91mを停止するようになっている。さらに、前記入賞球検出の入力信号をCPU132で処理することにより得られた検出結果(出力データ)は、入出力回路を介して音声処理回路138やランプ表示処理回路139や画像表示部表示処理回路140等へ送信され、それによってスピーカー37から音声を発したり、各ランプやLEDを点滅させたり、画像表示部50に文字やキャラクター等を表示させるようにして、各種遊技情報が遊技者に対して報知されるようになっている。
【0044】
ところで、前記入賞球数演算カウンタ134,アウト球数演算カウンタ135,発射球数演算カウンタ136の演算結果に異常が生じた場合は、遊技者が何れかの入賞口へ多数の遊技球を強制的に挿入する等の不正行為があった可能性がある。すなわち、正常に遊技されている場合は、前記全ての入賞球数とアウト球数の総和と正味発射球数は一致するはずであり、前記全ての入賞球数とアウト球数の総和と正味発射球数とが異なった場合、具体的には前記正味発射球数が全ての入賞球数とアウト球数の総和より小さければ、何れかの入賞口へ遊技球が強制的に挿入されて、過大な入賞利益の付与をねらう不正行為が行われた可能性があると判断できる。
【0045】
前記入賞球数演算カウンタ134,アウト球数演算カウンタ135,発射球数演算カウンタ136の演算結果の異常検知及び該異常検知があった場合における対応の具体例について、図12のフローチャートを用いて以下に説明する。
この例では、まず、遊技球の発射終了毎に正味発射球数と入賞球数とアウト球数をそれぞれ累積計算し(S11)、前記正味発射球数が入賞球数とアウト球数の総和と一致するか否か判定する(S12)。そして、前記正味発射球数と入賞球数とアウト球数の総和とが異なる場合には、不正行為が行われた可能性があるとして、画像表示部50に図18のような『エラー発生』等の文字やキャラクター等を表示したり、前記ランプ表示器35,36を点滅させたり、スピーカー37から音声を発する等して、異常情報を報知する(S13)。また、前記報知後、発射装置制御基板B5により発射装置91の発射モータ91mを強制的に停止し(S14)、爾後の不正行為による過大な入賞利益の付与を防止する。その後、前記異常の原因を解消したか否か判断され(S15)、異常の原因が解消された場合には前記異常報知及び発射装置の強制停止が終了され、異常の原因が解消されていない場合には前記異常報知及び発射装置の強制停止が継続される。
【0046】
また、上記大入賞口装置15に特別遊技状態の継続を判定するための特定領域入賞球検出スイッチ63および大入賞口16への入賞球数を制限するための大入賞口入賞球数カウントスイッチ64を有する機種においては、先の従来技術の欄でも述べたように、前記特定領域入賞球検出スイッチ63や大入賞口入賞球数カウントスイッチ64の配線を切断または短絡する等の不正行為が懸念される。
【0047】
そこで、本発明におけるパチンコ遊技機1においては、特別遊技状態中に、前記特定領域入賞球検出スイッチ63または大入賞口入賞球数カウントスイッチ64の配線が切断または短絡等されて、それらのスイッチ63,64の動作異常が検出されたときに異常報知されるように構成されている。
【0048】
前記特定領域入賞球検出スイッチ63または大入賞口入賞球数カウントスイッチ64の動作異常の検出は、スイッチ異常検出制御手段により行われる。この実施例では、前記スイッチ異常検出制御手段は、請求項6の発明に規定したように、乱数更新処理や払出し処理等、遊技機の各種の処理を合わせて実行する一連のメイン制御プログラムのルーチン内に組み込まれた断線短絡異常タイマー更新処理手段よりなる。以下、前記メイン制御プログラムおよび断線短絡異常タイマー更新処理手段について説明する。
【0049】
前記メイン制御プログラムにおいては、図13のフローチャートに示すように、まずパチンコ遊技機に電源が投入されたか否か判断され(S21)、電源投入が有る場合には、電源投入時当り外れあるいは当り成立確率切り換え若しくは変動時間設定用乱数(更新)処理(S22)、遊技状態外部出力,入賞装置駆動出力,発射装置駆動出力等の外部装置出力処理(S23),入賞球検出スイッチ,特定領域入賞球検出スイッチ,大入賞口入賞球数カウントスイッチ検出等の入力処理(S24)、ゲーム状態処理(S25)、異常(エラー)対応処理(S26)、残余時間,待機処理(S27)が実行される。それに対して、前記電源投入が無い場合にはデータ内容をクリヤー等する初期化処理(S28)を実行し、残余処理(S27)に移り、制御待機状態となる。
【0050】
また、前記入力処理(S24)においては、図14のフローチャートに示すように、スイッチデータ入力処理(S30)が実行される。このスイッチデータ入力処理(S30)では、スイッチ入力サブルーチン(S31)、賞品球若しくは貸球払出し制御動作検出(S32)、断線短絡異常制御下におけるタイマー更新処理(S33)、スイッチ動作確認(S34)が順次実行された後、初期の制御へ復帰させるリターン処理(S35)がなされる。
【0051】
上記断線短絡異常制御下におけるタイマー更新処理(S33)は、大入賞口入賞球数カウントスイッチ64と特定領域入賞球検出スイッチ63のそれぞれに対するスイッチ異常検出制御手段となるものであって、断線短絡異常タイマー更新処理手段を構成する。図15は、このタイマー更新処理のタイミングチャートであり、同図に示すように、当該タイマー更新処理では、大入賞口入賞球カウントスイッチパルスまたは特定領域入賞球検出スイッチパルスが1の時点(実際にスイッチがONになってから所定時間t経過した時点)でONを検出してからOFFが検出されない状態が所定時間U(後述する設定タイマーデータの時間)を経過した2の時点で異常発生となる。異常発生後、前記大入賞口入賞球カウントスイッチパルスまたは特定領域入賞球検出が3の時点(実際にスイッチがOFFになってから所定時間t経過した時点)でOFFを検出すると異常発生前の状態に復帰する。なお、前記時間tは0より大きく、かつ割り込み時間(2.731ms)よりも小さいものとする。
【0052】
次に、大入賞口入賞球数カウントスイッチ64に対するスイッチ異常検出制御と、特定領域入賞球検出スイッチ63に対するスイッチ異常検出制御について、図16および図17を用いてそれぞれ具体的に説明する。
【0053】
図16は大入賞口入賞球数カウントスイッチ64に対するスイッチ異常検出制御(断線短絡異常タイマー更新処理)に関するフローチャートであり、まず、断線短絡異常検出タイマーデータに断線短絡異常検出タイマー1のデータを指定する(S41)。前記断線短絡異常タイマー1では、大入賞口入賞球数カウントスイッチ64がON毎にタイマーデータを設定しOFFになるまでの間割り込み処理毎に1減算して0になると異常発生として断線短絡異常フラグを設定するようになっている。すなわち、断線短絡異常検出タイマー1のデータが指定されると、前記スイッチ64のパルスレベルがONか否か判定され(S42)、前記パルスレベルがONの場合、さらに断線短絡異常検出タイマーが0か否か判定される(S43)。そして、断線短絡異常検出タイマーが0の場合には異常フラグBITに0をセットし(S44)、異常発生制御(不正検知時処理)を実行する(S45)。これに対して、前記断線短絡異常検出タイマーが0でない場合には、断線短絡異常検出タイマーデータを2DCH(時間)から1減算し(S46)、続いて断線短絡異常検出タイマー1に断線短絡異常検出タイマー更新データを格納する(S47)。また、前記スイッチ64のパルスレベルがONか否かの判定(S42)において、パルスレベルがOFFの場合には、断線短絡異常検出タイマー更新データ2CDH(時間)を設定し(S48)、その後、断線短絡異常検出タイマー1に断線短絡異常検出タイマー更新データを格納する(S47)。
【0054】
一方、図17は特定領域入賞球検出スイッチ63に対するスイッチ異常検出制御(断線短絡異常タイマー更新処理)に関するフローチャートであり、まず、断線短絡異常検出タイマーデータに断線短絡異常検出タイマー2のデータを指定する(S51)。前記断線短絡異常タイマー2では、特定領域入賞球検出スイッチ63がON毎にタイマーデータを設定しOFFになるまでの間割り込み処理毎に1減算して0になると異常発生として断線短絡異常フラグを設定するようになっている。すなわち、断線短絡異常検出タイマー2のデータが指定されると、前記スイッチ63のパルスレベルがONか否か判定され(S52)、前記パルスレベルがONの場合、さらに断線短絡異常検出タイマーが0か否か判定される(S53)。そして、断線短絡異常検出タイマーが0の場合には異常フラグBITに1をセットし(S54)、異常発生制御(不正検知時処理)を実行する(S55)。これに対して、前記断線短絡異常検出タイマーが0でない場合には、断線短絡異常検出タイマーデータを2DCH(時間)から1減算し(S56)、続いて断線短絡異常検出タイマー2に断線短絡異常検出タイマー更新データを格納する(S57)。また、前記スイッチ63のパルスレベルがONか否かの判定(S52)において、パルスレベルがOFFの場合には、断線短絡異常検出タイマー更新データ2CDH(時間)を設定し(S58)、その後、断線短絡異常検出タイマー2に断線短絡異常検出タイマー更新データを格納する(S57)。
【0055】
前記特定領域入賞球検出スイッチ63または大入賞口入賞球数カウントスイッチ64の動作異常が検出された場合における異常発生制御(不正検知時処理)では、特定領域入賞球検出スイッチ63または大入賞口入賞球数カウントスイッチ64の動作異常報知がなされる。この実施例では、当該異常報知は、前記遊技盤3上に設けられた画像表示部50に図18のような『エラー発生』等の文字やキャラクター等を表示することによって行われる。勿論、異常報知の方法はこれに限定されることはなく、遊技盤3上のランプ表示器35,36を点滅させたり、スピーカー37から音声を発する等して異常報知してもよい。
【0056】
さらに、本発明におけるパチンコ遊技機1においては、前記発射球数検出装置100が正味発射球数を検出計数していない場合には、上述した特定領域入賞球検出スイッチ63または大入賞口入賞球数カウントスイッチ64の動作異常に対する異常報知を行わないように、すなわち異常報知を禁止するように制御している。この異常報知禁止制御に関するフローチャートが図19に示されている。
【0057】
当該異常報知禁止制御においては、まず、特定領域入賞球検出スイッチ63または大入賞口入賞球数カウントスイッチ64の動作異常の検出があるか否か判定され(S61)、異常の検出がある場合には、前記異常の検出から所定時間(数秒ないし数十秒)の間、発射球数検出装置100による正味発射球数の検出があるか否か、すなわち正味発射球数が0か否か判定される(S62)。そして、前記正味発射球数の検出が無い場合には、さらに入賞球あるいはアウト球の検出が有るか否か判定され(S63)、該入賞球あるいはアウト球の検出が無い場合、前記特定領域入賞球検出スイッチ63または大入賞口入賞球数カウントスイッチ64の動作異常に対する異常報知を禁止する(S64)。
【0058】
このようにすれば、遊技領域面6に遊技球が全く発射されていない場合には前記異常報知は行わないこととなり、前記スイッチ63,64の動作異常の発生時において、遊技球が異常中に発射されている場合と遊技球が異常中に発射されていない場合とに場合分けすることができ、不正行為か否かの判断等の当該スイッチ異常への対応が容易となる。つまり、前記異常報知が有る場合には、その異常中に遊技球が遊技領域面6上に発射されているので遊技者が意図的に前記特定領域入賞球検出スイッチ63または大入賞口入賞球数カウントスイッチ64の配線を切断や短絡して不正行為を働いている可能性が高いことを意味する。それに対して、前記特定領域入賞球検出スイッチ63または大入賞口入賞球数カウントスイッチ64の動作異常があっても遊技球が全く発射されていない場合には、遊技が中断されており、不正行為の可能性が低いことを意味する。また、前記のように正味発射球数の検出が無く、かつ入賞球あるいはアウト球の検出が無い場合に異常報知を禁止するようにしたのは、遊技球を発射させることなく入賞球を検出させる不正行為等に対応するためである。
【0059】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、本発明に係るパチンコ遊技機においては、大入賞口装置の特定領域入賞球検出スイッチまたは大入賞口入賞球数カウントスイッチの動作異常が検出されたときに異常報知がされるようになっているので、特定領域入賞球検出スイッチや大入賞口入賞球数カウントスイッチの配線の切断や短絡等に起因する異常を容易に察知することができる。また、発射球数検出装置が発射球数を検出していない場合には前記異常報知が行われないようになっているので、不正行為の有無の判断等、当該スイッチの異常への対応が容易となる。しかも、前記発射球数検出装置は発射球誘導路の出口付近に配設された複数の発射球通過検出器からなり、上流側発射球通過検出器の検知動作後、下流側発射球通過検出器の検知動作があった場合には発射球数を1加算し、下流側発射球通過検出器の検知動作後、上流側発射球通過検出器の検知動作があった場合には発射球数を1減算することによって、遊技盤の遊技領域面上に有効に発射された遊技球の正味発射球数を検出計数するように構成されているので、従来に比し発射球数の検出の精度が飛躍的に向上する。
【0060】
また、請求項2の発明のように、前記複数の発射球通過検出器を発射球誘導路の出口付近における両誘導レールの少なくとも一方の外側に配設し、当該発射球通過検出器が位置する誘導レールの部分に該検出器による発射球通過の検出を可能とする検出用開口部を形成すれば、誘導レールを特別に加工することなく、至って簡単に前記発射球通過検出器を組み付けることができる。さらに、請求項3の発明のように、前記発射球通過検出器を両誘導レールと一体に設けるようにすれば、よりいっそうパチンコ遊技機の組み付け作業を簡単にすることができる。
【0061】
請求項4の発明においては、前記複数の発射球通過検出器を発射球誘導路の出口付近の遊技盤裏側に並設し、遊技盤の発射球通過検出器が位置する部分に検出用開口部を形成し、前記検出器による発射球通過の検出を可能としているので、遊技盤を特別に加工することなく、至って簡単に前記発射球通過検出器の組み付けを行うことができる。
【0062】
また、請求項5の発明の如く、大入賞口装置が、大入賞口を開閉する大入賞口用開閉扉と、特定領域入賞口を開閉する特定領域入賞口用開閉扉とを有し、かつ前記特定領域入賞口用開閉扉の内側に特定領域入賞球検出スイッチを設けるようにすれば、確実に、特別遊技状態中の各ラウンドにおける特定領域入賞口への遊技球の入賞球数を予め設定した数にすることができる。
【0063】
またさらに、請求項6の発明のように、特定領域入賞球検出スイッチまたは大入賞口入賞球数カウントスイッチの動作異常を検出するスイッチ異常検出制御手段が、パチンコ遊技機の各種の処理を実行する一連のメイン制御プログラムのルーチン内に組み込まれた断線短絡異常タイマー更新処理手段とされれば、簡単な構成で特定領域入賞球検出スイッチまたは大入賞口入賞球数カウントスイッチの動作異常を検出できる。
【0064】
加えて、請求項7の発明のように、特定領域入賞球検出スイッチまたは大入賞口入賞球数カウントスイッチの動作異常の報知を、遊技盤上に設けられた画像表示部の表示により行うようにすれば、前記スイッチの動作異常の察知が極めて容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るパチンコ遊技機全体の正面図である。
【図2】同パチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。
【図3】同遊技盤の裏面図である。
【図4】同遊技盤上の大入賞口装置を部分的に示す斜視図である。
【図5】同遊技盤上の発射誘導路付近を示す拡大正面図である。
【図6】同発射誘導路付近を示す概略斜視図である。
【図7】正味発射球数の演算を簡略に示すフローチャートである。
【図8】他の実施例における遊技盤の発射誘導路付近を示す拡大正面図である。
【図9】同発射誘導路付近を示す概略斜視図である。
【図10】パチンコ遊技機の電気的接続関係を示す制御ブロック図である。
【図11】各検出スイッチの検出結果に基づくシステム制御を簡略に示したブロック図である。
【図12】各演算カウンタの演算結果の異常検知及び該異常検知があった場合の対応に関するフローチャートである。
【図13】メイン制御プログラムに関するフローチャートである。
【図14】メイン制御プログラムの入力処理に関するフローチャートである。
【図15】入力処理におけるタイマー更新処理のタイミングチャートである。
【図16】大入賞口入賞球数カウントスイッチに対するスイッチ異常検出制御に関するフローチャートである。
【図17】特定領域入賞球検出スイッチに対するスイッチ異常検出制御に関するフローチャートである。
【図18】異常報知する場合における画像表示部の一例を示す図である。
【図19】異常報知禁止制御に関するフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
3 遊技盤
4 外側誘導レール
5 内側誘導レール
6 遊技領域面
15 大入賞口装置
16 大入賞口
50 画像表示部
58 大入賞口用開閉扉
60 特定領域入賞口
61 特定領域入賞口用開閉扉
63 特定領域入賞球検出スイッチ
64 大入賞口入賞球数カウントスイッチ
91 発射装置
95 発射球誘導路
95a 発射球誘導路の出口
100,110 発射球数検出装置
101,105,111,115 発射球通過検出器
o1〜o6 検出用開口部

Claims (7)

  1. 遊技者の発射操作に応じて遊技球を遊技盤の遊技領域面に向けて発射する発射装置と、
    発射球を遊技領域面に誘導するために遊技盤面に立設された外側誘導レールと内側誘導レール間で構成される発射球誘導路と、
    大入賞口と、該大入賞口内に設けられた特定領域入賞口と、遊技球の前記特定領域入賞口への入賞を検出する特定領域入賞球検出スイッチと、前記大入賞口に入賞した全ての入賞球数を検出計数する大入賞口入賞球数カウントスイッチとを有する大入賞口装置と、
    前記発射球誘導路の出口付近に配設された複数の発射球通過検出器からなり、上流側発射球通過検出器の検知動作後、下流側発射球通過検出器の検知動作があった場合には発射球数を1加算し、下流側発射球通過検出器の検知動作後、上流側発射球通過検出器の検知動作があった場合には発射球数を1減算することによって、遊技盤の遊技領域面上に発射された遊技球の正味発射球数を検出計数する発射球数検出装置とを備えるパチンコ遊技機であって、
    前記特定領域入賞球検出スイッチまたは大入賞口入賞球数カウントスイッチの動作異常が検出されたときに異常報知されるように構成されるとともに、
    前記発射球数検出装置が正味発射球数を検出計数していない場合には前記異常報知が行われないようにされたことを特徴とするパチンコ遊技機。
  2. 発射球数検出装置の複数の発射球通過検出器が、発射球誘導路の出口付近における両誘導レールの少なくとも一方の外側に配設され、当該発射球通過検出器が位置する誘導レールの部分には該検出器による発射球通過の検出を可能とする検出用開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
  3. 発射球通過検出器が誘導レールと一体に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のパチンコ遊技機。
  4. 発射球数検出装置の複数の発射球通過検出器が、発射球誘導路の出口付近の遊技盤裏側に誘導路に沿って並設され、当該発射球通過検出器が位置する遊技盤の部分には該検出器による発射球通過の検出を可能とする検出用開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
  5. 大入賞口装置が、遊技領域面に対して略垂直方向に回動して大入賞口を開閉する大入賞口用開閉扉と、特定領域入賞口を開閉する特定領域入賞口用開閉扉とを有し、かつ前記特定領域入賞口用開閉扉の内側に特定領域入賞球検出スイッチが設けられていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のパチンコ遊技機。
  6. 特定領域入賞球検出スイッチまたは大入賞口入賞球数カウントスイッチの動作異常を検出するスイッチ異常検出制御手段が、遊技機の各種の処理を実行する一連のメイン制御プログラムのルーチン内に組み込まれた断線短絡異常タイマー更新処理手段よりなることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載のパチンコ遊技機。
  7. 特定領域入賞球検出スイッチまたは大入賞口入賞球数カウントスイッチの動作異常の報知が、遊技盤上に設けられた画像表示部の表示により行われることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載のパチンコ遊技機。
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