はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=0,1,2・・・)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
手段0.メダルが投入されるメダル投入部と、該メダル投入部に投入された前記メダルが通過するメダル通路部と、該メダル通路部に設けられた第1のメダル検出位置と、該第1のメダル検出位置よりも下流側に設けられた第2のメダル検出位置と、を含む複数の通過位置において前記投入されたメダルを検出し、前記第1のメダル検出位置と前記第2のメダル検出位置とが、該第2のメダル検出位置を前記メダルが通過した時点より後に前記第1の検出位置に次のメダルが到達するように設けられた投入メダル検出部と、前記第2の検出位置でメダルの通過が検出される毎に、該第2のメダル検出位置をメダルが通過した時点から次のメダルが前記第1の検出位置に到達するまでの時間をメダルの通過間隔として計測する通過間隔計測手段と、前記通過間隔計測手段によって計測されているメダルの通過間隔が予め設定された通過基準時間を越えた場合において前記第1のメダル検出位置でメダルの到達が検出された時点でトータル時間の計測を開始し、該計測の開始後に前記通過間隔計測手段により計測されているメダルの通過間隔が再度前記通過基準時間を越えた時点で前記トータル時間の計測を終了するトータル時間計測手段と、前記トータル時間計測手段が前記トータル時間の計測を実行している間の前記複数の通過位置における検出に基づいて、前記メダル検出部を通過したメダルの枚数をカウントするメダル数カウント手段と、前記トータル時間を前記メダル数カウント手段によって検出されるメダルの枚数ごとに対応して予め設定されたトータル基準時間と比較して、該トータル時間が該トータル基準時間未満のときには異常と判定するメダル通過判定部と、を備えたことを特徴とする。
手段0.メダルが投入されるメダル投入部と、該メダル投入部に投入された前記メダルが通過するメダル通路部と、該メダル通路部に設けられた第1のメダル検出位置と、該第1のメダル検出位置よりも下流側に設けられた第2のメダル検出位置と、を含み、前記第1のメダル検出位置と前記第2のメダル検出位置が通過する1枚のメダルを同時に検出しうる程度に近接した状態で並設され、前記第2のメダル検出位置を前記メダルが通過した時点より後に前記第1の検出位置に次のメダルが到達するまでを通過間隔として検出する投入メダル検出部と、前記第2の検出位置でメダルの通過が検出される毎に、該第2のメダル検出位置をメダルが通過した時点から次のメダルが前記第1の検出位置に到達するまでの時間をメダルの通過間隔として計測する通過間隔計測手段と、前記通過間隔計測手段によって計測されているメダルの通過間隔が予め設定された通過基準時間を越えた場合において前記第1のメダル検出位置でメダルの到達が検出された時点でトータル時間の計測を開始し、該計測の開始後に前記通過間隔計測手段により計測されているメダルの通過間隔が再度前記通過基準時間を越えた時点で前記トータル時間の計測を終了するトータル時間計測手段と、前記トータル時間計測手段が前記トータル時間の計測を実行している間の前記複数の通過位置における検出に基づいて、前記メダル検出部を通過したメダルの枚数をカウントするメダル数カウント手段と、前記トータル時間を前記メダル数カウント手段によって検出されるメダルの枚数ごとに対応して予め設定されたトータル基準時間と比較して、該トータル時間が該トータル基準時間未満のときには異常と判定するメダル通過判定部と、を備えたことを特徴とする。
手段1によれば、経過時間計測手段によって計測されるトータル時間を、メダル数カウント手段によって検出される通過メダル数ごとに予め設定した閾値であるトータル基準時間と比較することによって、発光手段を用いて極めて短時間のうちに所定枚数のメダルの通過と誤認識させるような不正行為が行われたときに計測されるトータル時間は極めて短いことから、このような不正行為を確実に検出することができる。
そして、通過間隔計測手段によって計測される相前後するメダルの通過間隔が予め設定された通過基準時間を超えたときに経過時間計測手段によるトータル時間の計測を終了するようにしたことにより、トータル時間の計測の終期を明確に設定することができる。ここで、通過基準時間とは、メダルの通過間隔について、メダル投入部からメダルが適正に連続して投入されたときに通過間隔計測手段によって計測される相前後するメダルの通過間隔を上回るように設定された時間を意味する。メダルの適正投入によって計測される相前後するメダルの通過間隔は、投入速度に応じて所定の範囲内で計測されるのが一般的であることから、通過基準時間は、メダルの適正投入によって計測される上限の通過間隔を少なくとも上回るように予め設定されるのが好ましい。
したがって、メダル通過判定部は、相前後するメダルの通過間隔が所定の通過基準時間を超えた時点をトータル時間の計測の終期とすることができるので、計測したトータル時間に基づいて、迅速にメダルの適正な通過か否かを判定することができる。
また、トータル時間の計測の終期を明確に設定したことで、メダル通過判定部は、通過間隔が通過基準時間を超えた時点での通過メダル数およびその通過のトータル時間に基づいて通過判定を行うことができるので、トータル時間とトータル基準時間とを比較する構成と相俟って、より正確なメダルの通過判定を行うことができる。
手段2.手段1の遊技機において、メダル通過判定部は、通過間隔が通過基準時間を超えた時点における先のメダルの通過を検出するまでのトータル時間に基づいて所定枚数のメダルの適正な通過か否かを判定するようにしたことを特徴とする。
手段2によれば、経過時間計測手段によって計測されるトータル時間は、通過間隔が通過基準時間を超えた時点での先のメダル、換言すると、所定枚数後のメダルの通過が検出されるまでに要した時間とされる。これにより、トータル時間は、所定枚数のメダルが実際に通過するのに要した時間として得ることができる。したがって、メダル通過判定部は、トータル基準時間との比較に基づき、より正確なメダルの通過判定を行うことができる。
手段3.手段1の遊技機において、メダル通過判定部は、通過間隔が通過基準時間を超えた時点における先のメダルの通過を検出するまでのトータル時間と、該先のメダルの通過が検出されてから通過間隔計測手段によって計測された通過間隔とに基づいて所定枚数のメダルの適正な通過か否かを判定するようにしたことを特徴とする。
手段3によれば、経過時間計測手段によるトータル時間の計測の終期は通過間隔が通過基準時間を超えた時点としたので、通過間隔が通過基準時間を超えた時点での先のメダル、換言すると、所定枚数後のメダルの通過が検出されるまでに要したトータル時間に加えて、通過基準時間を超えた時点においてその先のメダルから通過間隔計測手段によって計測された通過間隔に基づいてメダルの通過の判定を行ったとしても、計測された通過間隔は予め設定された通過基準時間と同一の長さで、一定の時間であることから、同様の正確なメダルの通過判定を確保することができる。なお、本発明におけるトータル基準時間には、通過基準時間分の時間を加算して設定する必要がある。
手段4.手段1〜3に記載した遊技機において、メダル数カウント手段によるメダルの通過の検出は、予め設定された枚数のメダルまで行うことができるように構成され、メダル通過判定部は、予め設定された枚数のメダルにかかる複数の検出信号の検出に基づいてトータル時間の計測を終了するようにしたことを特徴とする。
手段4によれば、メダル投入部から投入されたメダルはメダル数カウント手段によって予め設定された枚数まで検出されることから、投入されたメダルが予め設定された枚数の上限の枚数となった時点でそれ以降のメダルの投入ができなくなり、少なくも1回の遊技が行われて、再びメダル投入可能となる必要があるので、予め設定された枚数までのメダルにかかる複数の検出信号に基づいてトータル時間の計測の終期としたことにより、通過間隔計測手段による通過間隔の計測結果を待つ必要がないことから、迅速なメダルの通過判定を行うことができる。
この場合、上限の投入枚数となった時点から再びメダルの投入が可能となって、実際にメダルが投入されたときまでのメダルの通過間隔を通過間隔計測手段によって計測すると、通過基準時間を大幅に上回るのは明かであることから、予め設定された枚数までのメダルにかかる検出信号の検出に基づいてトータル時間の計測の終期としたものである。
なお、手段4は、通過間隔計測手段による相前後するメダルの通過の通過間隔の計測をしないという意味合いではなく、通過間隔の計測結果を待たずにトータル時間とトータル基準時間との比較を行うことによって、より迅速なメダルの通過判定を確保しようとするものである。
手段5.メダルが投入されるメダル投入部と、該メダル投入部に投入されたメダルが通過するメダル通路部と、該メダル通路部に設けられ、投入された1枚のメダルの通過過程における複数の通過位置でそれぞれ検出信号を出力する検出信号発信手段と、該複数の検出信号の検知によりメダルの通過を検出するメダル数カウント手段と、該メダル数カウント手段によって検出される相前後するメダルの通過の通過間隔を計測する通過間隔計測手段と、所定枚数のメダルの通過するトータル時間を計測する経過時間計測手段と、通過間隔が予め設定された通過基準時間を超えたときに経過時間計測手段によるトータル時間の計測を終了し、同一の所定枚数のトータル時間を相互に比較して、その差が所定の範囲を超えるときには所定枚数のメダルがメダル通路部を適正に通過したものと判定し、その差が所定の範囲内にあるときには所定枚数のメダルがメダル通路部を適正に通過していないものと判定するメダル通過判定部とを備えたことを特徴とする。
手段5によれば、同一の所定枚数について得られた複数のトータル時間を相互に比較することによって、その差が所定の範囲内にあるときには所定枚数のメダルが適正に投入されていないものと認識することができるので、発光手段等の不正な手段を用いた不正行為を確実に検出することができる。
そして、通過間隔計測手段によって計測される相前後するメダルの通過間隔が予め設定された通過基準時間を超えたときに経過時間計測手段によるトータル時間の計測を終了するようにしたことにより、トータル時間の計測の終期を明確に設定することができる。
したがって、メダル通過判定部は、相前後するメダルの通過間隔が所定の通過基準時間を超えた時点をトータル時間の計測の終期とし、同一の所定枚数について得られた複数のトータル時間に基づいて、迅速にメダルの適正な通過か否かを判定することができる。
手段6は、手段5に記載した遊技機において、メダル通過判定部は、通過間隔が通過基準時間を超えた時点における先のメダルの通過を検出するまでのトータル時間に基づいて所定枚数のメダルの適正な通過か否かを判定するようにしたことを特徴とする。
手段6によれば、経過時間計測手段によって計測されるトータル時間は、通過間隔が通過基準時間を超えた時点での先のメダル、換言すると、所定枚数後のメダルの通過が検出されるまでに要した時間とされる。これにより、トータル時間は、所定枚数のメダルが実際に通過するのに要した時間として得ることができる。したがって、メダル通過判定部は、複数のトータル時間の比較によるメダルの通過判定をより正確に行うことができる。
手段7は、手段5に記載した遊技機において、メダル通過判定部は、通過間隔が通過基準時間を超えた時点における先のメダルの通過を検出するまでのトータル時間と、該先のメダルの通過が検出されてから通過間隔計測手段によって計測された通過間隔とに基づいて所定枚数のメダルの適正な通過か否かを判定するようにしたことを特徴とする。
手段7によれば、経過時間計測手段によるトータル時間の計測の終期は通過間隔が通過基準時間を超えた時点としたので、通過間隔が通過基準時間を超えた時点での先のメダル、換言すると、所定枚数後のメダルの通過が検出されるまでに要したトータル時間に加えて、通過基準時間を超えた時点においてその先のメダルから通過間隔計測手段によって計測された通過間隔に基づいてメダルの通過の判定を行ったとしても、計測された通過間隔は予め設定された通過基準時間と同一の長さで、一定の時間であることから、同様の正確なメダルの通過判定を確保することができる。
手段8は、手段1〜7に記載した遊技機において、検出信号発信手段は、メダル通路部に沿って順に設けられた第1検出信号発信手段および第2検出信号発信手段を有し、経過時間計測手段は、メダルの通過過程で第1検出信号発信手段によって最初の検出信号が出力されてから、所定枚数後のメダルの通過過程で第2検出信号発信手段によって最後の検出信号が出力されるまでの経過時間を計測することを特徴とする。
手段8によれば、検出信号発信手段を第1検出信号発信手段および第2検出信号発信手段とする最小限の構成にしても、トータル時間を基準時間と比較するメダルの通過判定を充分に行うことができるので、簡易な構成で請求項1〜7の作用を得ることができる。
手段9は、手段1〜8に記載した遊技機において、メダル通過判定部は、所定枚数のメダルの適正な通過ではないと判定したときに遊技機外に不正報知信号を出力する不正信号出力手段を有することを特徴とする。
手段9によれば、メダル通過判定部により不正行為が生じたものと判定されたときに不正信号出力手段から不正報知信号を遊技機外、例えば遊技機を監理するホールコンピュータに送信することにより、不正行為の発生を早期に認識して迅速に対応することができる。
以下、本発明にかかる遊技機の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、遊技機としてスロットマシン1を例にして説明する。
(第1実施の形態)
図1は、スロットマシン1の前面扉3が閉じた状態を示した斜視図、図2は、スロットマシン1の前面扉3が開いた状態を示した斜視図である。スロットマシン1は、図1に示すように本体2と前面扉3とからなる正面視略矩形状の筐体4を有している。
本体2は、スロットマシン1の骨格をなす部材であり、図2に示すように、前面が開放された箱形状を有している。本体2の内部には、各種の図柄等が表示される複数個の回転ドラム11と、スロットマシン1の遊技動作を制御するメイン制御基板60(図4を参照)等を収納した制御基板収納ボックス12と、電源スイッチ13a、リセットスイッチ13bなどを備える電源ボックス13と、遊技価値媒体であるメダルMを貯留する補助タンク14a、及び補助タンク14a内のメダルMを排出用通路7からメダル払出口41に払い出す支払装置14bを備えたホッパ14等が収容されている。
前面扉3は、図2に示すように、左側辺部の上下2カ所がヒンジ5によって本体2に連結されて取り付けられており、本体2の前面開放部分を容易に閉塞及び開放できるように構成されている。
前面扉3は、図1に示すように、上方から下方に向かって順番に表示部3A、操作部3B、貯留部3Cの3つの部分を備えている。表示部3Aは、前面扉3の上辺に沿って設けられ遊技の進行に伴って点灯・点滅する上部ランプ28と、上部ランプ28の下方位置で左右両側に各々配置されて種々の効果音等を発生させる一対のスピーカ21と、これら一対のスピーカ21の間に配設されて画像・映像などの種々の情報を表示する液晶ディスプレイ22を有している。また、表示部3Aの略中央高さ位置には、筐体4内で回転する複数個の回転ドラム11をそれぞれ視認するための透明窓23が設けられており、透明窓23の左側にはメダルMのベット数(賭け数)に応じて点灯するベットランプ24が配設されている。そして、表示部3Aの下部には、左側から右側に向かって順番にクレジット枚数表示部25、ゲーム数表示部26、払出枚数表示部27が設けられている。
操作部3Bは、表示部3Aの下端で折曲されて手前側に向かって延在する平面部分Fと、その平面部分Fの手前側の端部で折曲されて下方に向かって垂下する縦壁部分Hを有しており、平面部分Fには、左側位置に1枚用と2枚用のベットボタン31、32が設けられ、その右側近傍位置に3枚用のベットボタン33が設けられている。そして、平面部分Fの右側位置にはメダル投入口36が配設されている。
縦壁部分Hの上部の略中央部分において左側から右側に向かって順番に、メダルMを貯留するか否かを選択するためのクレジットボタン34、回転ドラム11の回転開始を指示するためのスタートレバー35、回転ドラム11の回転停止を指示するためのストップボタン37が設けられている。
クレジットボタン34の操作によってメダルMを貯留するように選択した場合、一度の遊技に使用される3枚のメダルに加えて、予め設定されている枚数まで投入可能に設定されている。本実施の形態において、例えば既に投入されたメダルの枚数を含めて最大53枚まで投入可能に設定されている。一方、クレジットボタン34の操作によってメダルMを貯留しないように選択した場合、上記の3枚のメダルのみ投入可能に設定され、4枚目以降のメダルについては、貯留されることなく返却されるように構成されている。
スタートレバー35は、縦壁部分Hから手前側に向かって突設されており、下方に押し下げる、或いは上方に押し上げることによって操作される。ストップボタン37は、各回転ドラム11に対応する位置にそれぞれ配設されており、押し動作によって操作される。また、操作部3Bの下部には、機種名や遊技に関わるキャラクタ等が表示された表示プレート38等が設けられている。
貯留部3Cは、操作部3Bの下方位置で左右方向に亘って延在するように配置形成されており、メダル払出口41から払い出されたメダルMを受けて貯留するメダル受け皿42や灰皿43等が設けられている。
次に、メダル投入口36から投入されたメダルが供給されるセレクタ50について説明する。図3は、セレクタ50の内部構造を示す図である。
投入メダル認識部としてのセレクタ50は、前面扉3の背面に沿って上下方向に延在するように配置されており、セレクタボディ51には、メダル投入口36から投入されたメダルMが通過すると共に貯留用通路6に導くメダル通路部としてのメダル通路52が設けられている。
メダル通路52は、図3に矢印Aで示すように、セレクタボディ51のボディ上面左側部分から垂下してセレクタボディ51の高さ位置の略中央でボディ右側に向かってカーブし、さらに矢印Bで示すように所定の傾斜角度で右面の下部まで延在しており、投入されたメダルMが通過できるように形成されている。本実施の形態において、メダル通路52は、セレクタボディ51から図の手前側に突出する突条52aによって底部が構成されており、投入されたメダルMは、突条52a上を転がりながら矢印Bで示した下流方向に向かって流れる。
メダル通路52の途中位置には、図に矢印Cで示すように、メダル通路52から分岐して排出用通路7に連通する分岐通路53が形成されており、メダル通路切替手段54によってメダルを貯留用通路6と排出用通路7のいずれに供給するかを選択できるように構成されている。
メダル通路切替手段54は、メダル通路52に対して出没自在な切替片54aと、この切替片54aを作動させるためのソレノイド(図示せず)とを備えている。ソレノイドの非励磁時には、メダル通路52内に切替片54aを突出させることによって貯留用通路6へのメダルMの流れを阻止し、メダルMを突条52aの上から図中の手前側に移動させて下方に落下させて分岐通路53に誘導し、分岐通路53から排出用通路7に導いて、前面扉3のメダル払出口41からメダル受け皿42に排出させる。一方、ソレノイドの励磁時には、メダル通路52外に切替片54aを没入させて、メダルMをメダル通路52に沿って移動させて貯留用通路6に導き、筐体4の内部に収容されたホッパ14に供給する。
メダル通路52の中央よりやや下流側位置には、メダル通路52におけるメダルMの通過を検出する検出信号発信手段55が設けられている。検出信号発信手段55は、通過するメダルMの両側に一対の投光部と受光部(それぞれ図示せず)を有するフォトカプラによって構成されており、本実施の形態においては第1投入メダル通過検出センサ55aと第2投入メダル通過検出センサ55bを備えており、少なくとも通過する1枚のメダルMを同時に検出しうる程度に近接した状態で上流側と下流側に並設されている。各投入メダル通過検出センサ55a、55bは受光時には「Lo」信号、遮光時には「Hi」信号をそれぞれ出力するように設定されている。
検出信号発信手段55は、メダル通路切替手段54のソレノイド非励磁時に投入されたメダルMがメダル通路52の途中で下方に落下して分岐通路53に誘導されたときには、各投入メダル通過検出センサ55a、55bによるメダルMの通過の検出はない。また、メダル通路切替手段54のソレノイド励磁時には投入されたメダルMがメダル通路52の上流側から下流側に移動するので、各投入メダル通過検出センサ55a、55bによりメダルMの通過が検出される。
次に、図4は、スロットマシン1の電気的構成を説明するブロック図であり、以下に制御基板収納ボックス12の内部に配設されるスロットマシン1のメイン制御基板60等について同図に基づいて説明する。
メイン制御基板60には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU61と、そのMPU61に接続されると共にセンサ類やスイッチ類等の各種の入出力手段に接続された入出力ポート62が搭載されている。
MPU61には、MPU61により実行される通過間隔計測プログラム、メダル通過判定プログラム等の各種の制御プログラムや通過基準時間およびトータル基準時間等の固定値データを記憶したROM63と、そのROM63内に記憶される制御プログラムの実行にあたって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64(記憶部)と、各投入メダル通過検出センサ55a、55bから出力された検出信号に基づいて投入された所定枚数のメダルが通過するトータル時間を計測する経過時間計測手段としてのトータル時間計測タイマ65、通過メダル数をカウントするメダル数カウンタ68、相前後するメダルの通過の通過間隔を計測する通過間隔計測タイマ69等が内蔵されている。
入出力ポート62には、リセットスイッチ13b、スタートレバー35、第1投入メダル通過検出センサ55a、第2投入メダル通過検出センサ55b、1枚〜3枚ベットランプ24、クレジット枚数表示部25、ゲーム数表示部26、払出枚数表示部27、サブ制御基板66、外部集中端子板81等が接続されている。
サブ制御基板66は、メイン制御基板60から送信されるコマンドを受信して所定の制御処理を行うものであり、本実施の形態において、スピーカ21から効果音および上部ランプ28の点灯・点滅等の出力制御、表示用制御基板67を制御してLCD22上に演出表示等を行わせるように構成されている。サブ制御基板66には、上部ランプ28、スピーカ21、表示用制御基板67等が接続されており、表示用制御基板67との間ではデータ等を双方向に送受信可能に構成されている。
電源基板70は、上述した電源ボックス13(図2参照乞う)内に設けられており、メイン制御基板60の他に、スロットマシン1の各電子機器に駆動電源を供給する電源部71と、電源断の発生を監視する停電監視回路72等の各種回路を備えている。スロットマシン1の電源オフ後には、電源基板70の電源部71からRAM64にバックアップ電圧が供給される。
メイン制御基板60は、入出力ポート62を介してMPU61に接続されている各種センサ類、スイッチ類からの検出信号等およびトータル時間計測タイマ65や通過間隔計測タイマ69の計測等に基づき、ROM63内に格納されているプログラムを実行することによって種々の処理を行う制御部を構成する。例えば、セレクタ50のメダル通路52内をメダルMが通過し、各投入メダル通過検出センサ55a、55bの投光部と受光部との間の光路がメダルMによって遮蔽されると、検出信号が各投入メダル通過検出センサ55a、55bから入出力ポート62を介してMPU61に入力される。
MPU61は、入力した検出信号をプログラムに基づいて解析し、メダルMの通過と判定すると、入出力ポート62を介してスピーカ21から効果音を発生させる信号をサブ制御基板66に出力し、メダルの投入に対応した効果音をスピーカ21から発生させる。
次に、上記構成を有するスロットマシン1においてメダルの投入による適切な通過であるのか、または不正行為によってメダルの通過と誤認識させたのかについて判定するときのメイン制御基板60等の動作について図5に基づいて説明する。
図5は、1枚のメダルMの通過状態および各投入メダル通過検出センサ55a、55bの検出を示すタイミングチャートを示す説明図であり、同図に基づいてメダルMの通過検出について以下に説明する。なお、図5のt1〜t4はメダルの通過タイミングを示している。
遊技者等がメダル受け皿42等に貯留されている所定枚数のメダルMを掴み取りメダル投入口36からメダルMが投入されると、メダル通路切替手段54がメダル通路52内に没入しているときにメダル通路52の突条52a上を移動して下流方向に流れる。メダルMの投入後、第1投入メダル通過検出センサ55aおよび第2投入メダル通過検出センサ55bを通過するまでは、これらの各投入メダル通過検出センサ55a、55bの光路はメダルMによって遮蔽されないことから、図5のタイミングチャートで示したように各投入メダル通過検出センサ55a、55bからの検出信号の出力状態は、それぞれ符号200および300で表したものとなる。すなわち、出力信号200および300はそれぞれ「Lo」のままである。
投入された所定枚数のメダルMがメダル通路52を移動して、最初のメダルM(1枚目のメダル)の先端部が第1投入メダル通過検出センサ55aの投光部と受光部の光路を遮蔽すると(タイミングt1)、第1投入メダル通過検出センサ55aからの出力信号200が「Lo」から「Hi」に変化する。すなわち、同図においてP−Aの領域からP−Bの領域へ変化した状態である(このとき、第2投入メダル通過検出センサ55bからの出力信号に変化はない)。
そして、先頭のメダルMがさらに移動して、先頭のメダルMの先端部が第2投入メダル通過検出センサ55bの投光部と受光部の光路を遮蔽すると(タイミングt2)、第2投入メダル通過検出センサ55bからの出力信号300が「Lo」から「Hi」に変化する。すなわち同図のタイミングチャートにおいてP−Bの領域からP−Cの領域へ変化した状態である。この時点で、先頭のメダルMは未だ第1投入メダル通過検出センサ55aの光路を遮蔽した状態であり、出力信号200は「Hi」の状態にある。
先頭のメダルMが更に移動すると、第2投入メダル通過検出センサ55bの光路を遮蔽した状態で第1投入メダル通過検出センサ55aを通り過ぎ、光路の遮蔽状態が終了すると(タイミングt3)、第1投入メダル通過検出センサ55aからの出力信号200が「Hi」から「Lo」に変化する。すなわち、同図においてP−Cの領域からP−Dの領域へ変化した状態である。
更に連続して先頭のメダルMが移動し、第2投入メダル通過検出センサ55bを通り過ぎ、光路の遮蔽状態が終了すると(タイミングt4)、第2投入メダル通過検出センサ55bからの出力信号300が「Hi」から「Lo」に変化する。すなわち、同図においてP−Dの領域からP−Eの領域へ変化した状態である(通常、このt4までのメダルMの移動動作は連続して一気に行われる)。このとき、MPU61では、メダル通路52を先頭のメダルMが通過したものと判断し、通過メダル数としてメダル数カウンタ68に「+1」が加算される。
このようにして、先頭のメダルMに続いてメダル通路52を通過するメダルM(2枚目以降のメダル)についても、先頭のメダルMと同様に各投入メダル通過検出センサ55a、55bの光路の遮蔽等を繰り返し、検出信号が出力される。これにより、2枚目以降のメダルMについても、図5に示すタイミングチャートと同様のタイミングチャートを得ることができると共に、通過メダル数としてメダル数カウンタ68に順次加算される。
上記各投入メダル通過検出センサ55a、55bから出力された検出信号は、図4に示したように、入出力ポート62を介してメイン制御基板60に送信されて記憶部としてのRAM64に一時的に格納される。ここでメダル通過判定手段としてのMPU61により、ROM63に格納されているメダル通過判定プログラムを実行して、所定枚数のメダルMがメダル通路52を通過したのか否かの判断がされる。すなわち、メダルの適正な投入が行われたものか否かが判定される。
以下にその手順をメダル投入口36から30枚のメダルMが投入された場合について図6を参照しつつ説明する。図6は、30枚のメダルMが連続して投入されたときのタイミングチャートを示した説明図である。なお、図中の各検出信号の上部に示した数字はメダルMの枚数を示している。
MPU61では、メダル投入口36から投入された先頭のメダルMがメダル通路52を移動し、第1投入メダル通過検出センサ55aの光路を遮蔽等を行ったタイミングt1の時点で、メダル通過判定プログラムを実行することによって、トータル時間計測タイマ65(図4参照乞う)によるトータル時間P−1の計測を開始する。
また、トータル時間P−1の計測と平行して、MPU61では、通過間隔計測プログラムを実行することによって、相前後するメダルMの通過の通過間隔を通過間隔計測タイマ69(図4参照乞う)により計測する。具体的には、上記の先頭のメダルMがさらに移動して、第2投入メダル通過検出センサ55bの光路の遮蔽状態が終了したタイミングt4(図5参照乞う)の時点で通過間隔計測タイマ69によって通過間隔の計測を開始する。この時点で、上述したように先頭のメダルMについてはメダル数カウンタ68によって「+1」が加算される。メダル数カウンタ68によってカウントされたカウント値はRAM64に一時的に格納される。
その後、先頭のメダルMに続く2枚目のメダルMがメダル通路52を移動し、その先端部が第1投入メダル通過検出センサ55aの光路を遮蔽等した時点(図5のタイミングチャートに示したt1に対応するタイミング)で通過間隔計測タイマ69による通過間隔の計測を終了する。これにより、先頭のメダルMと2枚目のメダルMとの間の通過間隔を計測値として得ることができる。なお、この時点では、トータル時間計測タイマ65によるトータル時間P−1の計測は継続されている。
そして、MPU61は、取得した先頭のメダルMと2枚目のメダルMとの間の通過間隔を予め設定されている通過基準時間と対比して、計測された通過間隔が通過基準時間を超えているのか否かを判定する。
ここで、比較対象となる通過基準時間は、相前後するメダルMの通過間隔について、メダル投入口36から複数枚のメダルMが適正に連続して投入されたときに通過間隔計測タイマ69によって計測される相前後するメダルMの通過間隔を上回るように設定された時間を意味する。このように通過基準時間を設けるのは、従来課題となっていた発光手段等の不正な手段によってMPU61にメダルの通過と誤認識させるような不正な行為を確実に検知するためであり、トータル時間の計測と平行して通過間隔を計測することによって、メダル投入口36から投入されたメダルMが適正にメダル通路52を通過したときだけメダルMの通過を認識できるようにするものである。
そして、メダルMが適正に連続して投入された場合、通過間隔計測タイマ69によって計測される相前後するメダルMの通過間隔は、投入速度に応じて多少の長短をもっているものの、ほぼ一定の範囲に収束して計測されることから、通過基準時間は、このような範囲の計測値、すなわちメダルMを適正に投入していれば実際に開くであろう通過間隔を少なくとも上回るように設定される。
これにより、計測された通過間隔が通過基準時間を上回るときには、相前後するメダルの先のメダルと後のメダルとの通過の間隔が離間した状態、すなわち通過間隔が開いた状態である。これに対し、計測された通過間隔が通過基準時間以下のときには、相前後するメダルの先のメダルと後のメダルの通過の間隔が密になった状態、すなわち通過間隔が接近した状態にある。
したがって、このように通過基準時間を設定することは本発明の特徴的構成をなすものであり、トータル時間計測タイマ65によるトータル時間P−1の計測の終期とすることができ、計測されたトータル時間P−1に基づくメダルの通過判定に迅速に移行することができる。
通過基準時間は、メダルMの条件(材質、厚さ、直径)、メダル通路52の状態(材質、メダル通路52の傾斜、各投入メダル通過検出センサ55a、55bの間隔)等に応じて異なるので、当初は、メダルの投入を繰り返し行って予め実験的に算出して設定するようにする。その後の遊技の進行の中で、実際の計測によって取得した通過間隔P−2に基づいて、最初に設定した通過基準時間に修正を加えることも可能である。
そして、通過間隔計測タイマ69によって計測された通過間隔が通過基準時間以下の場合、図6のタイミングチャートに示すように、先頭のメダルMと2枚目のメダルMとの間の通過間隔は比較的短い間隔で検出される、すなわち先頭のメダルMにかかる検出信号と2枚目のメダルMにかかる検出信号が比較的接近した状態で検出されていることから、MPU61は、投入されたメダルMが通過基準時間以下の所定間隔を有してメダル通路52を連続して通過中であるものと判断し、トータル時間P−1の計測を継続する。
一方、通過間隔が通過基準時間を上回る場合、例えば、後述する当該メダルの投入における30枚目のメダルMと31枚目のメダル(実際の遊技では、次のメダル投入における先頭のメダルMとして取り扱われる。)との通過間隔P−2は、通過基準時間を上回って比較的長い間隔で検出される、すなわち30枚目のメダルMにかかる検出信号と次の31枚目のメダルMにかかる検出信号が比較的離間した状態で検出されていることから、MPU61は、相前後するメダルMの先のメダルM(30枚目のメダルM)が投入されてから、後のメダルM(31枚目のメダルM)が投入されるまでに通過基準時間を上回る所定の投入間隔が空いた状態であると判断し、トータル時間P−1の計測を終了するようにする。
2枚目のメダルMがさらに移動して第2投入メダル通過検出センサ55bの光路の遮蔽等を終了した時点(図5のタイミングチャートに示したt4に対応するタイミング)で、メダル数カウンタ65によって+1が加算されて合計「2」がカウントされると共に、2枚目のメダルMと次の3枚目のメダルMの通過間隔を同様に通過間隔計測タイマ69によって計測開始する。この時点において、トータル時間P−1の計測は未だに継続されている。そして、2枚目のメダルMと3枚目のメダルMとの間の通過間隔を、実際の計測値に基づき通過基準時間と同様に対比する。
このようにして、MPU61では、3枚目のメダルMが第2投入メダル通過検出センサ55bの光路の遮蔽等を終了してから、30枚目のメダルMが第1投入メダル通過検出センサ55aの光路の遮蔽等を開始するまで同様の計測動作が繰り返され、メダルの通過間隔について通過基準時間との対比が同様に行われる。また、メダル通路52を通過する3枚目以降の各メダルMについて、各投入メダル通過検出センサ55a、55bからの検出信号に基づいてメダル数カウンタ68による同様のカウント動作が行われ、29枚目までの通過メダル数「3」から「29」までが順番にカウントされる。この時点では、トータル時間計測タイマ65によるトータル時間P−1の計測が継続されている。
30枚目のメダルMがさらに移動して第2投入メダル通過検出センサ55bの光路を遮蔽状態が終了した時点(図5のタイミングチャートに示すt4に対応するタイミング)で、メダル数カウンタ68によって+1が加算されて合計して「30」がカウントされると共に、同様に30枚目のメダルMと次の31枚目のメダルMとの間の通過間隔P−2について通過間隔計測タイマ69による計測が開始される。この時点でも、トータル時間P−1の計測は未だに継続されている。メダル数カウンタ68によるカウント値は、上述のようにMPU61のRAM64に一時的に格納される。
そして、図6のタイミングチャートに示すように、次の31枚目のメダルMにかかる出力信号が検出されることなく、次のメダルMまでの通過間隔P−2の計測途中で通過基準時間を上回ることから、MPU61では、トータル時間計測タイマ65によるトータル時間P−1の計測を終了するようにする。トータル時間P−1の計測の終了は、このように通過間隔P−2が通過基準時間を上回った時点で終了するのが好ましいが、次のメダルMにかかる出力信号の検出タイミング(図5のタイミングチャートに示したt1のタイミング)まで待って終了することも可能である。
このようにして、メダルMの通過間隔P−2が通過基準時間を上回った時点のトータル時間計測タイマ65によるトータル時間P−1およびメダル数カウンタ68による通過メダル数は、MPU61のRAM64に一時的に格納される。なお、本実施の形態において、メダルの通過間隔P−2が通過基準時間を上回ったことでトータル時間P−1の計測が終了した場合、トータル時間P−1は、30枚目のメダルMが第2投入メダル通過検出センサ55bの光路の遮蔽状態が終了した時点(図5のタイミングチャートのt4のタイミング)までの時間を意味し、トータル時間P−1には、30枚目と31枚目の通過間隔P−2が含まれないものとする。
しかしながら、通過間隔計測タイマ69より計測中の通過間隔が通過基準時間を上回った時点において、トータル時間計測タイマ65により計測された先のメダルMである30枚目のメダルMまでのトータル時間P−1と、その計測された通過間隔分の時間とに基づいてメダルの適正な通過か否かを判定することもできる。換言すると、トータル時間P−1にその計測された通過間隔分の時間を加算した時間(トータル時間P−1+計測された通過間隔)に基づいてメダルの通過の判定を行うことができる。
上記の通過間隔は、本実施の形態の場合に30枚目のメダルMの通過が検出されてから通過間隔計測タイマ69より次のメダルM(31枚目のメダルM)までの通過間隔の計測が開始され、そして通過基準時間を上回った時点まで実際に計測された計測値である。よって、得られた計測値は、予め設定されている通過基準時間と同一の長さであり、一定の時間であるので、実際に計測されたトータル時間P−1と共にメダルの通過判定の判断材料としても正確なメダルの通過判定を確保することができる。この場合、トータル基準時間に通過基準時間を加算した時間を設定する必要がある。
次に、MPU61では、計測されたトータル時間P−1および取得したカウント値(通過メダル数)を基にして予め設定されているトータル基準時間と比較することによって実際に30枚のメダルMが適正に通過したのか否かを最終的に判定する。
本実施の形態においては、メダル数カウンタ68によってカウントされたカウント値「30」がRAM64に格納されているので、30枚に対応したトータル基準時間をROM63に設定されているトータル基準時間テーブルから取り出し、計測値としてのトータル時間P−1と比較する。
ここでトータル時間との比較対象になるトータル基準時間は、遊技者等によって30枚のメダルMがメダル投入口36から適正に投入され、メダル通路52において、先頭のメダルMが第1投入メダル通過検出センサ55aの光路の遮蔽状態が開始してから30枚目のメダルMによる第2投入メダル通過検出センサ55bの光路の遮蔽状態が終了するまでのトータル時間を繰り返し実験的に求めた閾値であり、トータル基準時間テーブルとしてROM63に格納されている。上述したようにスロットマシン1に投入可能なメダルMの枚数は53枚に設定されていることから、トータル基準時間は投入枚数(2〜53枚)ごとに対応してROM63にトータル基準時間テーブルとして設定されている。
また、メダルMの条件(材質、厚さ、直径)、メダル通路52の状態(材質、メダル通路52の傾斜、各投入メダル通過検出センサ55a、55bの間隔)等に応じて、同一の投入枚数でもトータル時間に差異が生じることもあるので、設定するトータル基準時間に補正を加え種々のトータル基準時間を設定することも可能である。また、トータル基準時間は実験的に求められたいわゆるミニマム値を設定することも可能である。
これにより、MPU61では、実際の計測値としてのトータル時間P−1とトータル基準時間とを比較して、実際のトータル時間P−1がトータル基準時間以上であるとき、計測されたトータル時間P−1は適正、すなわち実際に30枚のメダルMが通過したものと判定される。これにより、適正でないと判定された場合には、適正なメダル投入が行われていないものと判定される。
例えば、従来のスロットマシンで課題となっていた先端側に発光体を有する特殊な器具による不正行為の場合、先端側の発光体を点灯した状態で各投入メダル通過検出センサ55a、55bのそれぞれの光路に対応した位置まで進入させ、そして最初に第1投入メダル通過検出センサ55a側、その後に第2投入メダル通過検出センサ55b側に対応した発光体を順番に点滅させて、これを繰り返し、最終的に発光体を再び点灯させた状態で引き抜くことによって所定枚数のメダルMの通過と誤認識させることができる場合もある。
しかしながら、このような発光手段を用いた不正行為は可能な限り周囲に発見されないように行われることから、発光体の点滅は極めて短時間のうちに繰り返され、本発明の特徴的構成であるトータル時間判定によるメダル通過判定プログラムの処理により、このような不正行為を確実に検知することができる。すなわち、発光手段を用いた不正行為の場合、トータル時間計測タイマ65によって計測されMPU61において演算されるトータル時間P−1は、適正にメダルMが投入されたときに計測されるトータル時間P−1に比べて極めて短い時間(現実には投入できない速い速度による時間)であり、トータル基準時間との比較において両者の差が極めて大きくなって、トータル基準時間を大きく下回ることから、所定枚数のメダルMの通過ではないと判定され、セレクタゴトを確実に検出することができる。
上述した不正行為によるトータル時間P−1と適正投入によるトータル時間P−1との差は、本実施の形態において投入された30枚のように、メダルMの投入枚数が多くなるほど顕著となる傾向にあり、投入枚数の上限として設定されている53枚の投入の場合、両者の差は更に顕著なものとなる。したがって、トータル基準時間と比較するトータル時間判定によるメダル通過判定プログラムは、メダル投入口36から投入されるメダルMの枚数が多いときほど有効である。
また、トータル時間計測タイマ65によるトータル時間P−1の計測は、通過間隔計測プログラムに基づき通過間隔計測タイマ69による通過間隔P−2が通過基準時間を上回ったタイミングを計測終期とすることから、次のメダルMにかかる出力信号の検出を待つ必要がないので、MPU61では、通過基準時間を上回ったタイミングをもって迅速にメダル通過の判定を行うことができる。
そして、MPU61では、計測終了時のトータル時間P−1およびメダル数カウンタ68によってカウントされているカウント値(30枚)に基づいてのみメダルの通過判定を行うので、メダルの適正な通過または不正な手段による不正行為の発生をより正確に認識することができる。
更に、得られた計測値(トータル時間P−1)を、1回のメダルの通過判定終了後にRAM64からクリアすることなくそのまま格納しておくことも可能である。これにより、例えば30枚のメダルMが投入されたときのトータル時間P−1を複数得ることができ、これらのデータを相互に比較することによって、得られたデータの間で殆ど差がない、すなわちほぼ同じトータル時間P−1が連続して計測されたときには、セレクタ50に対する不正行為の発生を認識することができるので、不正行為の検知精度を高めることができる。
このときにも、通過間隔計測タイマ69を用いたトータル時間P−1の計測終期を設定することで、MPU61では、トータル時間P−1相互の比較に迅速に移行することができる。
また、30枚のメダルMが投入されたときのトータル時間P−1が複数得られたときに、例えばその中の1つのデータが、トータル基準時間との比較または他のデータとの比較において、適正なメダルの投入と判定できないような場合、その1つのデータに基づき不正行為と判定しないようにしても良い。30枚のメダルMを投入した結果、偶発的に不正の投入と判定されるようなデータを得ることもあるので、複数のデータが得られたうちの、例えば1つがこのようなデータであるときには不正行為が行われたものと判定しないようにすることができる。
この適正なメダルの通過の判定に基づきMPU61において30枚のメダルの投入として認識されると、スロットマシン1の以後の通常の動作が開始される。例えば、MPU61から入出力ポート62を介して所定の信号が送信されて、全てのベットランプ24が点灯する(先頭のメダルM〜3枚目のメダルM)と共に、クレジット枚数表示部25に表示されている数値が加算され(4枚目のメダルM〜30枚目のメダルM)、サブ制御基板66を介してスピーカ21からメダルの投入に関する効果音が出力される。そして、スタートレバー35の操作によって遊技が開始される。
一方、メダル通過判定プログラムに基づき適正なメダルの投入ではないと認識された場合、MPU61はセレクタ50において不正が行われたものと判断して、入出力ポート62を介して外部集中端子板81(不正信号出力手段)からスロットマシン1に外部接続されていると共にスロットマシン1を監理するいわゆるホールコンピュータ(メインコンピュータ)に異常を知らせる信号を送信する。これにより、遊技場側では発生した異常を早期に認識して、セレクタゴトを迅速に発見することができる。また、遊技場のホールコンピュータに送信されるだけであるので、適正にメダルを投入したにもかかわらず、不正と判定されたような場合に、確認なしで遊技の進行が中断されるようなことは生じない。
あるいは、メダルMを適正に投入したときでも、その投入速度等によってはトータル基準時間との比較において適正なメダルの投入ではないと判断されることもある。このような判定は、遊技の進行中に殆ど発生しないので、信号をホールコンピュータに送信したときに遊技の進行を中断するようにしても良い。
また、本実施の形態で投入される30枚のように、比較的多数のメダルMが一回に連続して投入された場合、MPU61は、その状態を知らせる信号をホールコンピュータに送信するようにしても良い。例えば、遊技者がメダル受け皿42等に貯留されているメダルMを掴み取ってメダル投入口36から投入する場合、掌の中でメダルMを一列に整列させてから投入することが多い。このときに、掌の中で整列させることができるメダルMの枚数はそれほど多くなく、30枚のような比較的多数のメダルMを掌の中で整列させて投入することは困難なことが多い。したがって、このような比較的多数のメダルMが一回に連続して投入されたことを遊技場側が認識することによって、セレクタゴトに対する意識を高めることができる。
更に、MPU61において不正行為の発生を認識した場合、エラー報知にかかる信号を入出力ポート62を介してサブ制御基板66に出力し、サブ制御基板66から上部ランプ28、スピーカ21および表示用制御基板67を介してLCD22にエラーの発生を報知するような強行な処理を行わせることも可能である。これにより、不正の発生を早期に開示できるのでセレクタゴトに迅速に対応することができるだけでなく、不正行為そのものの抑止力とすることができる。
上記構成を有するスロットマシン1によれば、メダル投入口36から投入されたメダルMがメダル通路52を通過するときに検出信号発信手段50の第1投入メダル通過検出センサ55aの光路の遮蔽が開始されてから、所定枚数後のメダルMがメダル通路52を通過するときに第2投入メダル通過検出センサ55bの光路の遮蔽状態が終了するまでのトータル時間P−1が、トータル時間計測タイマ65によって計測されると共に、各投入メダル通過検出センサ55a、55bからの検出信号の出力に基づいて通過メダル数がメダル数カウンタ68によってカウントされる。
このようにトータル時間P−1が計測されると共に、通過メダル数がカウントされると、MPU61ではメダル通過判定プログラムを実行することにより、計測されたトータル時間P−1をメダル数カウンタ68のカウント値に対応してROM63に予め設定されているトータル基準時間と比較し、トータル時間P−1がトータル基準時間以上であるときに、所定枚数のメダルMがメダル通路52を通過したものと判定することから、適正に投入されたメダルMの通過だけを確実に認識することができる。
一方、トータル時間P−1がトータル基準時間未満であるときにはセレクタ50において不正行為が行われたものと判定することができる。
したがって、例えば従来のセレクタ50を備えたスロットマシン1において課題となっていた先端側に発光体を有する特殊な器具を用いた不正行為の場合、発光体から照射される光の点滅は極めて短時間のうちに繰り返されることから、トータル時間計測タイマ65によってトータル時間P−1を計測し、その計測値としてのトータル時間P−1をトータル基準時間と比較すると、トータル時間P−1はトータル基準時間未満となることから、セレクタ50に対する不正行為と判定し、このような不正行為を確実に検出することができる。
このような不正行為によるトータル時間P−1と適正投入によるトータル時間P−1との差は、メダル数カウンタ68にカウントされたメダルMの枚数が多いときほど顕著となるので、トータル時間による判定は、例えば上述の発光体による不正行為で頻繁に行われる、上限の投入枚数に対する検出信号発信手段50の誤認識を確実に検出することができる。
さらに、トータル時間P−1の計測は、メダル通路52を通過する相前後するメダルMの通過の通過間隔を通過間隔計測タイマ69によって計測し、その計測値としての通過間隔(図6のタイミングチャートに示した通過間隔P−2)が通過基準時間を上回ったタイミングで終了するようにしたことにより、MPU61では、計測終了時に得られたトータル時間P−1およびメダル数カウンタ68のカウント値に基づき迅速にメダル通過の判定に移行することができる。
例えば、上述の発光手段を用いた不正行為においてMPU61に対して30枚のメダルの投入と認識させようとする場合、最初の29枚については発光手段等の不正な手段によってメダルの投入と認識させ、最後の1枚をメダル投入口36から投入して30枚を適正に投入したものとすることができることもある。
ところが、本実施の形態のように、トータル時間P−1を計測しつつ通過間隔計測タイマ69によって相前後するメダルの通過間隔を計測することによって、最初の29枚と残りの1枚との通過間隔が比較的開いた状態であれば、最初の29枚のトータル時間の計測をもって適正な投入ではないと判定することができ、最初の29枚と残りの1枚との通過間隔が比較的接近した状態であれば30枚のトータル時間の計測をもって適正な投入ではないと判定することができる。したがって、メダル投入口36からメダルが1枚ずつ投入されてメダル通路52を適正に通過したときだけMPU61ではメダルの通過と認識することができ、不正な行為によってメダルの通過と誤認識させることを確実に防止することができる。
そしてまた、メダルの通過判定は、計測終了時のトータル時間P−1およびそのときのメダル数カウンタ68のカウント値に基づいてのみ行われるので、正確なメダルの通過判定を行うことができる。
(第2実施の形態)
図7は、本発明の第2実施の形態を説明する30枚のメダルMが投入されたときのタイミングチャートを示した説明図である。
第2実施の形態では、第1実施の形態において30枚のメダルMが連続してメダル投入口36から投入されたのに対し、30枚のメダルMを複数回に分割してメダル投入口36から投入するようにしている。具体的には、本実施の形態において、30枚のメダルMを20枚と10枚に分割し、2回に分けて投入している。
例えば、30枚のような比較的多数のメダルMを投入する場合、掌の中で整列させてから順番にメダルを投入することが多い。ところが、このような多数のメダルは、その全てを掌の中で整列させて一度に投入することが困難なので、何回かに分割して投入するのが一般的である。本実施の形態は、このように実際のメダルの投入形態に近い場合についてトータル時間に基づくメダルの通過判定を説明するものである。
第1実施の形態と同様に、最初の20枚のメダルMについて、先頭のメダルMがメダル通路52を通過し、その先端部が第1投入メダル通過検出センサ55aの光路の遮蔽等を行った時点(図5のタイミングチャートに示したt1に対応する時点)でトータル時間P−3の計測をトータル時間計測タイマ65によって開始する。同様に、トータル時間P−3の計測と平行して、メダル通路52を通過する相前後するメダルの通過の通過間隔を通過間隔計測タイマ69によって計測する。
そして、20枚目のメダルMについて、メダル通路52を移動して第2投入メダル通過検出センサ55bの光路の遮蔽等を終了した時点(図5のタイミングチャートに示したt4に対応する時点)で、次のメダルMまでの通過間隔P−4を通過間隔計測タイマ69によって同様に計測開始する。なお、この時点で、第1実施の形態と同様に、20枚目のメダルMまでのトータル時間P−3の計測は継続されている。
ところが、図7のタイミングチャートに示すように、通過間隔P−4を計測開始してから、次のメダルMに係る出力信号が検出されるまでは、比較的離間した状態で検出され、通過間隔P−4は通過基準時間を上回っていることから、MPU61では、20枚目のメダルMまでのトータル時間P−3をもって計測を終了する。そして、MPU61では、メダル数カウンタ68のカウント値「20」とトータル時間P−3に基づいて、メダルの通過判定を行う。そして、メダルの通過判定への移行をもって、トータル時間計測タイマ65およびメダル数カウンタ68のそれぞれの計測値はリセットされる。
その後、通過間隔P−4が経過し、次の10枚のメダルMについて、同様に先頭のメダルMがメダル通路52を通過し、その先端部が第1投入メダル通過検出センサ55aの光路の遮蔽等を行った時点(図5のタイミングチャートに示したt1に対応する時点)でトータル時間P−5の計測をトータル時間計測タイマ65によって開始する。同様に、トータル時間P−5の計測と平行して、メダル通路52を通過する相前後するメダルの通過の通過間隔を通過間隔計測タイマ69によって計測する。
そして、10枚目のメダルMについて、メダル通路52を移動して第2投入メダル通過検出センサ55bの光路の遮蔽等を終了した時点(図5のタイミングチャートに示したt4に対応する時点)で、次のメダルMまでの通過間隔P−6を通過間隔計測タイマ69によって計測開始する。なお、この時点で、上記と同様に、10枚目のメダルMまでのトータル時間P−5の計測は継続されている。
ところが、図7のタイミングチャートに示すように、通過間隔P−6を計測開始してから、次のメダルMに係る出力信号が検出されるまでは、比較的離間した状態で検出され、通過間隔P−6は通過基準時間を上回っていることから、MPU61では、10枚目のメダルMまでのトータル時間P−5をもって計測を終了する。そして、MPU61では、メダル数カウンタ68のカウント値「10」とトータル時間P−5に基づいて、メダルの通過判定を行う。
このように、相前後するメダルMの通過間隔に対して本願の特徴的構成をなす通過基準時間を設定するようにしたことによって、実際のメダルMの投入枚数は30枚であるが、MPU61上では20枚のメダルMと10枚のメダルMが投入されたものと認識される。
そして、本願の特徴的構成の通過間隔P−4およびP−6の計測によってトータル時間の計測終期を明確に設けたことにより、各々の計測値P−3およびP−5に基づいて迅速なメダルの通過判定を行うことができる。また、トータル時間P−3およびP−5に基づくメダルの通過判定のように、トータル時間に基づくメダルの通過判定を細かく分けて、すなわち2回に分けて行うことから、30枚のメダルとして一度にメダルの通過判定を行うときよりも精度の高いメダルの通過判定を行うことができる。
なお、上記第1の実施の形態と同様に、通過間隔計測タイマ69より計測される通過間隔が通過基準時間を上回った時点において、トータル時間計測タイマ65により計測されたトータル時間P−3およびP−5と、その計測された通過間隔分の時間とに基づいてメダルの適正な通過か否かを判定することもできる。
(第3実施の形態)
図8は、本発明の第3実施の形態を説明する23枚のメダルが投入されたときのタイミングチャートを示した説明図である。第3実施の形態は、メダルMの投入の途中で上限の投入枚数として設定されている53枚に到達したときのトータル時間に基づくメダルの通過判定について説明するものである。
本発明のスロットマシン1には、既に投入されているメダルMの枚数を含めて最大53枚まで投入可能に構成されている。ところが、メダル投入口36から初めてメダルMを投入する場合等を除いて、遊技の途中であればクレジット枚数表示部25には、スロットマシン1に既に投入されている枚数が表示されているのが一般的である。本実施の形態は、このように実際のメダルの投入形態に近い場合についてトータル時間に基づくメダルの通過判定を説明するものである。なお、本実施の形態では、既に30枚のメダルMが投入されているものとして説明する。
上記実施の形態と同様に、メダル投入口36からメダルMが投入され、先頭のメダルMがメダル通路52を通過し、その先端部が第1投入メダル通過検出センサ55aの光路の遮蔽等を行った時点(図5のタイミングチャートに示したt1に対応する時点)でトータル時間P−7の計測をトータル時間計測タイマ65によって開始する。同様に、トータル時間P−7の計測と平行して、メダル通路52を通過する相前後するメダルの通過の通過間隔を通過間隔計測タイマ69によって計測する。
先頭のメダルMがさらに移動して第2投入メダル通過検出センサ55bの光路の遮蔽等を終了した時点(図5のタイミングチャートに示したt4に対応する時点)で、同様に先頭のメダルMについてメダル数カウンタ68によって+1が加算されて「1」がカウントされる。このとき、MPU61では、メダル数カウンタ68上では「1」をカウントしているが、既に投入されている30枚を含めメダルMの投入枚数として合計「31」を認識している。
その後、メダルMの投入動作が継続され、23枚目のメダルMについて、メダル通路52を移動して第2投入メダル通過検出センサ55bの光路の遮蔽等を終了した時点(図5のタイミングチャートに示したt4に対応する時点)で、上記と同様にメダル数カウンタ68によってさらに+1が加算されて「23」がカウントされる。このとき、上述したように、MPU61では、既に投入されている30枚を含めメダルMの投入枚数として合計「53」を認識している。
そして、MPU61がメダルMの上限の投入枚数である53枚を認識した時点で、通過間隔計測タイマ69による次の24枚目までの通過間隔P−8の通過間隔計測タイマ69による計測を待たずにトータル時間P−7の計測を終了する。
本発明のスロットマシン1におけるメダルMの投入枚数の上限は53枚であることから、MPU61において投入枚数として53枚を認識すると、メダル投入口36からさらにメダルMを投入しても、投入メダルとして受入できないので、メダル通路52に設けられている切替片54aによって排出用通路7に誘導される。そして、スロットマシン1において、再びメダルMを投入メダルとして受入可能となるには、少なくとも1回の遊技が行われて、MPU61において認識している投入メダルの枚数を減らす必要がある。
よって、上記の23枚目のメダルMが第2投入メダル通過検出センサ55bの光路の遮蔽等を終了した時点(図5のタイミングチャートに示したt4に対応する時点)の後、少なくとも1回の遊技が行われて新たにメダルMがメダル投入口36から投入され、その先頭のメダルMがメダル通路52を移動して第1投入メダル通過検出センサ55aの光路の遮蔽等を開始する時点(図5のタイミングチャートに示したt1に対応する時点)までの間隔、すなわち通過間隔P−8を通過間隔計測タイマ69によって計測すると、計測値としての通過間隔P−8は、通過基準時間を大きく上回るのが明かとなる。
したがって、投入可能な上限の投入枚数をMPU61が認識したことに基づいて、通過間隔計測タイマ69による通過間隔P−8の計測結果を待つことなくトータル時間計測タイマ65によるトータル時間P−7の計測の終期とするように構成されている。これにより、MPU61は、メダル通過判定プログラムを早期に開始し、すなわちメダルの通過判定に迅速に移行し、メダル数カウンタ68によるカウント値の「23」およびトータル時間計測タイマ65によるトータル時間P−7に基づいてメダルの適正な通過か否かを判断することができる。
なお、本実施の形態において、通過間隔計測タイマ69による通過間隔P−8の計測は行われないという意味合いでなく、MPU61が投入メダルとして上限の投入枚数を認識した時点でトータル時間P−7の計測を終了するようにしたことにより、通過間隔P−8の計測結果を待つことなく迅速にメダルの通過判定に移行することを確保するものである。
また、メダルの通過判定は、メダル数カウンタ68によるカウント値の「23」およびトータル時間計測タイマ65によるトータル時間P−7にのみ基づいて行われることから、メダルの適正な通過か否かを正確に判断することができる。
そしてまた、本実施の形態のメダルの通過判定は、クレジットボタン34の操作によってメダルMを貯留しないように選択した場合において用いることができる。上述したように、メダルMを貯留しない場合、メダル投入口36から3枚のメダルが投入可能であり4枚目以降のメダルについては返却されることから、メダル数カウンタ68によって「3」がカウントされると、カウント値「3」が得られた時点でのトータル時間に基づいて同様のメダル通過判定が行われる。