以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。本発明に係る遊技機の具体例として、メダルを遊技媒体として用いて遊技を実行可能なスロットマシンを挙げて説明する。しかし、遊技機は、このようなスロットマシンに限定されず、遊技球を遊技媒体として用いて遊技を実行可能な遊技機などの他の遊技機であってもよい。
<スロットマシンの構成例>
図1および図2を参照してスロットマシンの全体構成を説明する。図1は、スロットマシンの正面図である。図2は、スロットマシンの前面扉が開放された状態を示す斜視図である。
スロットマシン1は、前面に開口を有する箱状の筐体3と、筐体3の一辺において開閉自在に取り付けられた前面扉5とを含む部材から構成される。筐体3の前面は、前面扉5が筐体3に対して閉じられることにより閉塞される。前面扉5は、遊技場の管理者が管理する扉用鍵により筐体3に対して施錠・解除が可能となる。
図1に示すように、前面扉5の中央部分には、表示窓7が設けられている。表示窓7からは、複数種類の図柄が配列されているリール11L、11M、11R(以下、まとめてリール11L〜11Rともいう)を視認できる。リール11L〜11Rが回転すると、表示窓7からは、リール11L〜11R各々に配列されている図柄が可変表示している状態を視認できる。このように、表示窓7およびリール11L〜11Rにより、複数の図柄を可変表示する可変表示部13が形成される。
可変表示部13は、複数の可変表示列10を備えている。具体的に、可変表示部13は、表示窓7のうちリール11Lの前方に相当する部分とリール11Lとから構成される左可変表示列10L、表示窓7のうちリール11Mの前方に相当する部分とリール11Mとから構成される中可変表示列10M、および、表示窓7のうちリール11Rの前方に相当する部分とリール11Rとから構成される右可変表示列10Rを備えている。リール11L〜11Rが停止している状態において、左可変表示列10L、中可変表示列10M、および右可変表示列10R各々は、上段・中段・下段に図柄を停止表示できる。このため、表示窓7からは、9つの図柄を視認できる。
本実施形態では、役の入賞判定対象となる入賞ラインとして、左可変表示列10Lの中段、中可変表示列10Mの中段、右可変表示列10Rの中段により構成されるいわゆる中段ラインが設定されている。表示窓7には、入賞ラインNLが描かれている。
前面扉5の表示窓7の上方には、液晶表示器27が設けられている。液晶表示器27は、遊技(ゲーム)の進行に応じて、所定の画像を表示することにより演出を実行する。また、前面扉5の液晶表示器27の上方には、予め定められた役の図柄組合せや払出枚数等が刷られた説明パネル29が設けられ、さらに、説明パネル29の上方および左右各々には、ランプ部33L、33M、33Rが設けられている。ランプ部33L、33M、33Rは、LEDなどの光源を備え、遊技の進行に応じて発光することにより演出を実行する。
前面扉5の表示窓7の左側には、クレジット表示器45と、ペイアウト表示器46と、報知用表示器60と、有利期間報知ランプ80と、遊技開始表示ランプ81と、再遊技表示ランプ82とが配設されている。クレジット表示器45は、遊技者所有のメダルのうち、スロットマシン1内において貯留(記憶)されているメダルの枚数であるクレジットを表示する。クレジットの上限枚数は50に設定されている。
ペイアウト表示器46は、役の入賞が発生したときにメダル(遊技媒体)の払出枚数を表示するとともに、エラー情報など各種情報の表示にも兼用される表示器である。報知用表示器60は、遊技者にとって有利となる操作態様(例えば、操作タイミング、押し順など。以下、有利操作態様ともいう)や役抽選の結果などを特定するための所定情報を報知する表示器である。有利期間報知ランプ80は、有利操作態様を報知可能なAT遊技を許容できる有利な期間(以下、有利期間という)であることを報知する表示器である。遊技開始表示ランプ81は、1遊技の開始に必要な規定数分のメダルが賭数設定されており、回転開始可能な状態であることを報知する表示器である。本実施形態における規定数は、「ボーナス」以外の遊技状態は「3」および「1」が設定され、「ボーナス」中は「2」が設定されている。再遊技表示ランプ82は、再遊技役の入賞に伴う遊技であることを報知する表示器であって、再遊技役に対応する図柄の組合せが入賞ライン上に揃ったときに点灯し、再遊技役入賞に伴う次回遊技の終了時に消灯する。
クレジット表示器45、ペイアウト表示器46、および報知用表示器60は、各々、例えば7セグメントLEDにより構成され、各セグメントの点灯態様に応じて情報を報知する。また、有利期間報知ランプ80、遊技開始表示ランプ81、および再遊技表示ランプ82は、各々、例えばLEDにより構成され、点灯することにより有利期間であることや、遊技開始可能であること、再遊技役の入賞に伴う遊技であることを報知する。
前面扉5の表示窓7の下方には、各種の操作部が設けられている。操作部としては、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、スタートスイッチ19、精算スイッチ23、ストップスイッチ21L、21M、21R(以下、まとめてストップスイッチ21L〜21Rともいう)、および、メダル投入口25が設けられている。
ベットスイッチ15は、クレジットを用いて1枚分のメダルを賭数設定するための操作を検出するスイッチである。最大ベットスイッチ17は、クレジットを用いて最大規定数分のメダルを賭数設定するための操作を検出するスイッチである。最大規定数とは、1回の遊技(以下、1遊技ともいう)について賭数設定できる最大数(「ボーナス」以外の遊技状態では「3」、「ボーナス」中は「2」)をいう。最大ベットスイッチ17の操作部(操作ボタン)には、賭数設定可能な状態である旨を報知する最大ベット表示ランプが内蔵されており、賭数設定可能な状態において最大ベット表示ランプが点灯する。
スタートスイッチ19は、リール11L〜11R各々を回転させて図柄の可変表示を開始させるための操作を検出するスイッチである。スロットマシン1は、回転開始可能な状態でないときにはスタートスイッチ19への操作を有効に受付けず、遊技開始表示ランプ81により回転開始可能な状態であることが報知されているときにスタートスイッチ19への操作を有効に受付ける。精算スイッチ23は、クレジットあるいは設定済の賭数に相当する枚数分のメダルを払い出させるための操作を検出するスイッチである。ストップスイッチ21L〜21Rは、各々、リール11L〜11Rのうちの対応するリールの回転を停止させて図柄の可変表示を停止させるための操作を検出するスイッチである。メダル投入口25は、遊技者がメダルを投入するための開口である。
前面扉5における各種の操作部の下方には、キャラクタなどが刷られた下部パネル35が設けられている。また、下部パネル35の左右には、それぞれ下部ランプ部37L、37Rが設けられている。下部ランプ部37L、37Rは、例えばLEDなどの光源を備え、遊技の進行に応じて発光することにより演出を実行する。
また、下部パネル35の下方には、役入賞の発生等に応じてメダルを払い出すためのメダル払出口39、および、メダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け41が設けられている。メダル払出口39の左右には、各々、遊技の進行に応じて効果音や音声などを出力することによる演出を行うためのスピーカ31L、31Rが設けられている。
次に、スロットマシン1の筐体3の内部構成について説明する。図2に示すように、スロットマシン1の筐体3内の中央には、リール11L〜11Rを横並びに収容するためのリールユニット9が設けられている。リールユニット9は、筐体3内の後壁に固定されている。リールユニット9は、リールモータ14L、14M、14R(図7参照。以下、リールモータ14L〜14Rともいう。)と、位置センサ55L、55M、55R(図7参照。以下、位置センサ55L〜55Rともいう)とを備えている。
リールモータ14L〜14Rは、各々、リールユニット9のフレームに対して横並びに固定されており、その回転軸にリール11L〜11Rのうちの対応するリールが固定されている。これにより、リールモータ14L〜14Rが駆動制御されることにより回転・停止する。リールモータ14L〜14Rは、例えばステッピングモータにより構成されている。
位置センサ55L〜55Rは、各々、リール11L〜11Rに設けられた突起部がリール回転に伴って所定位置を通過したことを検出するためのセンサである。位置センサ55L〜55Rは、例えばフォトインタラプタにより構成されている。位置センサ55L〜55Rは、各々対応するリールの突起部を検出したときに、そのリールの所定位置の図柄(例えば、図6の図柄番号20番の図柄)が表示窓7の中段に位置するように構成されている。
リールユニット9の上方には、メイン制御基板63およびサブ制御基板73が各々基板ケースに収納された状態で設置されている。基板ケースは、収納されている制御基板などに対して仮に不正が行われた場合、その痕跡を容易に判別可能にするために、たとえば一部の部材を破壊等しなければ制御基板に接触できない構造を有している。また、メイン制御基板63とサブ制御基板73とは、基板間を接続する信号線により電気的に接続されている。
リールユニット9の下方には、ホッパーユニット43が設けられている。ホッパーユニット43は、ホッパー容器42と、満タンセンサ58(図7参照)と、ホッパーモータ57(図7参照)と、払出センサ54(図7参照)とを備えている。
ホッパー容器42は、メダル投入口25から受け入れられたメダルを貯留するための容器である。満タンセンサ58は、ホッパー容器42の所定位置に設けられ、ホッパー容器42に貯留されたメダルが所定量に達した満タン状態であることを検出するセンサである。
ホッパーモータ57は、所定の払出条件が成立したときに駆動し、ホッパー容器42に貯留されたメダルを所定枚数排出するために駆動するモータである。ホッパーモータ57は、たとえばDCモータ(Direct Current Motor)により構成されている。払出センサ54は、ホッパーモータ57によりホッパー容器42から排出されるメダルを1枚ずつ検出するセンサである。払出センサ54により検出されたメダルは、前面扉5の裏面側の下方に設けられたメダルシュート部材44を介して、メダル払出口39から払い出される。
ホッパーユニット43の左側方には、スロットマシン1が備える各種装置に電力を供給するための電源ユニット49が配設されている。電源ユニット49には、電源スイッチ49a、リセットスイッチ52、および、変更処理開始スイッチ56が配設されている。
電源スイッチ49aは、スロットマシン1への電力供給の有無を切り換えるスイッチである。リセットスイッチ52は、設定値を変更可能な設定変更処理中において設定値の切り換え操作を検出するためのスイッチである。リセットスイッチ52は、エラーが発生した際のエラー解除するためのスイッチとしても用いられる。変更処理開始スイッチ56は、設定変更処理用のキーシリンダからなり、設定変更処理に移行させるための操作を検出するスイッチである。
設定値とは、役抽選における当選確率(ひいては払出率、有利度合い)を特定する値である。設定値としては、例えば、当選確率が異なる1〜6の6段階が設けられている。設定値の変更は、遊技場の管理者が管理する設定変更用鍵により変更処理開始スイッチ56をONにした状態で電源を投入することにより設定変更処理に移行させることにより可能となる。設定変更処理に移行するとスロットマシン1のRAMは初期化(クリア)される。
設定値は、設定変更処理中にリセットスイッチ52を操作することにより順次切替える(例えば…5→6→1→2…)ことができる。設定変更処理中は、ペイアウト表示器46に設定値が表示される。設定変更処理では、スタートスイッチ19への操作が検出されることによりそのときに表示されている設定値を記憶し、変更処理開始スイッチ56をOFFにすることにより終了する。これにより、設定値の変更が完了し、以降の遊技においては、記憶された設定値に基づき後述する役抽選等が行われる。
前面扉5の裏面側には、メダル投入口25の下方位置にメダルセレクタ48が配設されている。メダルセレクタ48は、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものであるか否か等を選別し、正規のメダルをホッパー容器42に誘導する一方、非正規のメダルやメダル投入不可能な状態において投入されたメダルをメダル払出口39から排出させる機能を有する。正規のメダルとは、所定の規格に適合したメダルであって、例えば、直径が25mm、及び、厚さが1.6mmのメダルをいう。ここで、図3を参照して、メダルセレクタ48の概要を説明する。図3は、メダルセレクタ48を正面側(前面扉5側)から視認したときの図を示している。
メダルセレクタ48は、メダル投入口25から投入されたメダルを、図3(a)などに示すメダル受入口48aから受け入れる。メダル受入口48aの開口は、所定の規格に適合したメダルがその内部を1枚のみ通過可能となるように、所定の規格に適合したメダルの直径および厚さよりもわずかに大きい内寸法となるように形成されている。これにより、所定の規格に適合したメダルよりも大きなメダルを受け入れてしまうことを防止できる。
メダルセレクタ48には、メダル受入口48aから受け入れたメダルをメダル排出部40まで誘導するためのメダル通路47が形成されている。メダル排出部40は、メダルセレクタ48の終端部である。メダル排出部40を通過したメダルは、シュート案内部38(図2参照)からホッパー容器42側に排出される。なお、シュート案内部38は、メダルセレクタ48に連結されるものであってもよく、またメダルセレクタ48と一体形成されるものであってもよい。メダル通路47は、略L字状に形成され、メダル受入口48aからほぼ鉛直下方へ向かう鉛直通路47aと、鉛直通路47aの下端から緩やかに下り傾斜してメダル排出部40まで至る傾斜通路47bとからなる。
傾斜通路47bには、可動ガイド部材51aが設けられるとともに、当該可動ガイド部材51aと対向する位置においてキャンセル口50(図3(b)の点線参照)が形成されている。可動ガイド部材51aは、通過中のメダルの上部側面を支持する第1位置(図3(a)の状態)と、通過中のメダルの上部側面を支持しない第2位置(図3(b)の状態)とに変位可能である。可動ガイド部材51aは、切替ソレノイド51(図7参照)により駆動制御されて、メダル投入可能な状態において第1位置に変位し、メダル投入不可能な状態(例えばリール回転中、クレジット上限到達時等)において第2位置に変位する。
キャンセル口50は、通過中のメダルをメダルシュート部材44へ排出可能な開口である。可動ガイド部材51aが第2位置に変位しているときに傾斜通路47bを通過中のメダルや、第1位置に変位しているときであっても所定の規格よりも直径が小さいなどにより可動ガイド部材51aによってメダル上部側面が支持されないメダルは、図3(b)に示すようにキャンセル口50からメダルシュート部材44へ排出されて、メダル払出口39から払い出される。
また、メダル通路47のうち鉛直通路47aには、当該通路へ向けて突出したり退避したりする受入検知片55が設けられ、さらに、当該受入検知片55の揺動を検知することによりメダル受入口48aからのメダルの受け入れを検出するためのメダルセンサ53cが設けられている。メダルセンサ53cは、発光部と、発光部から発せられた光を受けるための受光部とを備えた光センサを用いて構成されている。常態では、発光部と受光部との間に、受入検知片55の所定部が存在しない位置に退避している。一方、メダルの通過時には、受入検知片55が回動することにより、受入検知片55の所定部が発光部と受光部との間に移動する。これにより、発光部から発せられた光は、受光部に届かなくなる。この場合に、メダルセンサ53cによりメダル受入口48aからメダルを受け入れて通過した旨の検知を行う。
また、メダル通路47のうち傾斜通路47bには、当該通路を通るメダルの通過を検出するためのセンサであって、メダルの進行方向に沿って上流側と下流側とにメダルセンサ53aおよび53bが並設されている。メダルセンサ53aおよび53bは、各々、発光部と、発光部から発せられた光を受けるための受光部を備え、発光部から受光部へ至る光路が傾斜通路47bと交差し、受光部の受光状態によってメダルの通過を検知するように形成されている。
メダルセンサ53aおよび53bは、ともに、発光部から発せられた光が、常態で受光部まで至るようになっているが、傾斜通路47bを通過するメダルが発光部と受光部との間を通過するときには受光部まで届かなくなる。これにより、メダルセンサ53aおよび53b各々によりメダルの通過を検知する。また、メダルセンサ53aの光路が先に遮られ、その後にメダルセンサ53bの光路が遮られれば、メダルの進行方向は正常であるが、メダルセンサ53bの光路が先に遮られ、その後にメダルセンサ53aの光路が遮られると、メダルの進行方向は異常である。このように、メダルセンサ53aおよび53bを備えることにより、メダルが通過した旨のみならず、メダルの進行方向をも検知可能にしている。
メダルセンサ53a〜53cは、メダルである遊技媒体を検出する遊技媒体検出手段である。メダルセンサ53a〜53cは、各々、メダルの通過が検知されたときに検知信号がONとなり、メダルの通過が検知されていないときに検知信号がOFFとなる。例えば、図4(a)は、メダルセンサ53bからの検知信号がONである状況例を示し、図4(b)は、メダルセンサ53bからの検知信号がOFFである状況例を示している。また、図5は、メダル投入口25から複数枚のメダルを連続して投入したときの状況例を示している。図5(a)は、先に投入されたメダルAによりメダルセンサ53aおよび53bからの検知信号がONとなり、後続のメダルBによりメダルセンサ53cからの検知信号がONである状況例を示している。また、図5(b)は、図5(a)の状態から時間の経過に応じてメダルAおよびB各々が流下して、メダルセンサ53a〜53cからの検知信号が各々OFFである状況例を示している。
次に、図6を参照して、リール11L〜11R各々の図柄配列の構成について説明する。リール11L〜11Rには、各々、図6に示すとおり複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。図6では、説明の便宜上、複数種類の図柄を「7」「BAR」「CH1」「CH2」「BE」「RP」などといった文字列で示しているが、実際にはこれら文字列に対応する絵柄が配列されている。例えば、「7」として赤色の「7」の絵柄、「BE」として「ベル」の絵柄、「RP」として「リプレイ」の絵柄などが配列されている。複数種類の図柄は、他の図柄と識別可能な態様であれば絵柄に限るものではなく、模様や、記号、数字など、どのようなものであってもよい。「CH1」および「CH2」は、外観が類似する絵柄により構成されているため、これらをまとめて「CH」ともいう。なお、図6において空欄の箇所には、所定のブランク図柄(例えば星マークの図柄)が配列されているものとする。
図6においては、その左端に、リール11L〜11R各々に図柄が配置されている図柄配置領域に対応させて図柄番号0〜20を示している。図柄番号0〜20は、本実施形態のリール11L〜11R各々において、どの図柄配置領域の図柄であるかを特定するための番号である。
本実施形態の場合、例えば、図柄番号0〜20までの図柄が印刷されたリールテープがリール11L〜11R各々の周面に貼り付けられている。このため、リール11L〜11Rが回転すると、図柄番号…20→19→18→17→…2→1→0→20→19→18…といったように、予め定められた順に複数の図柄を表示窓7において可変表示させることができる。
以上のような構成を備えるスロットマシン1は、まずメダル投入口25へのメダル投入あるいはベットスイッチ15等が操作されて規定数分のメダルが賭数設定されることにより回転開始可能な状態においてスタートスイッチ19への操作が有効となる。スタートスイッチ19への操作が有効化されているときにスタートスイッチ19が操作されることにより、リール11L〜11Rを回転させて図柄を可変表示して1遊技を開始する。
1遊技が開始された後においては、リール回転中においてストップスイッチ21L〜21Rが操作されることにより対応するリールの回転を停止させ、リール11L〜11Rすべての回転が停止することにより1遊技を終了する。スロットマシン1は、リール11L〜11Rすべての回転が停止したときの図柄組合せなどに応じて遊技者に対して所定の特典を新たに付与する。所定の特典としては、例えば、遊技状態の移行、メダル等を新たに用いることなく次回遊技の賭数を自動設定、所定枚数のメダル払出(あるいはクレジット加算)等が挙げられるが、これらに限るものではない。
次に、図7を参照して、スロットマシン1の電気的な構成について説明する。図7に示すとおり、スロットマシン1には、メイン制御基板63、サブ制御基板73、電源ユニット49、および、外部出力基板90などが設けられている。
メイン制御基板63は、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装された基板である。サブ制御基板73は、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブCPU71が実装された基板である。電源ユニット49は、スロットマシン1に搭載された各種電気部品を駆動するための電源を生成する。外部出力基板90は、遊技の進行に応じた信号をスロットマシン1の外部(例えば、ホールコンピュータ、台毎データ表示器等)に出力する基板である。
メインCPU61は、遊技の進行を制御するための遊技制御プログラムを記憶するROM67と、遊技に関するデータなどを一時的に記憶するRAM65とを備え、ROM67に格納された遊技制御プログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を有している。
メインCPU61は、タイマ割込みなどの割込機能を有し、ROM67に記憶されている遊技制御プログラムを実行し、メイン制御基板63に接続されたスイッチ(操作手段)やセンサ(検出手段)からの信号に基づいて遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPU61は、スロットマシン1においてエラーが発生しているか否かを判定する。エラーには、例えば、メダルセレクタ48に関するセレクタエラー、満タンセンサ58によりホッパー容器42が満タンであることが検知されている満タンエラー、ホッパーモータ57を駆動しているにもかかわらず払出センサ54により所定時間以上検知されていないメダル切れエラーなどを含む。メインCPU61は、例えば、メダルセンサ53cにより通常の検知時間よりも長い時間に亘って検知されているとき(メダル詰まり)や、メダルセンサ53cが検知してからメダルがメダルセンサ53aに到達するまでに要する時間よりも長い所定時間が経過するまでにメダルセンサ53aが検知しないとき(不正メダル投入)、メダルセンサ53aよりもメダルセンサ53bが先に検知されたとき(不正行為)、メダルセンサ53a〜53cの少なくともいずれかにより通常よりも長い時間にわたって検知されたとき(不正行為:具体的には長尺状のゴト冶具などが挿入されたとき)などに、セレクタエラーであると判定する。
メイン制御基板63に接続されたスイッチやセンサには、図7に示される、メダルセンサ53a〜53c、ベットスイッチ15、最大ベットスイッチ17、スタートスイッチ19、ストップスイッチ21L〜21R、精算スイッチ23、リセットスイッチ52、変更処理開始スイッチ56、位置センサ55L〜55R、払出センサ54、満タンセンサ58などが含まれる。
また、メインCPU61は、遊技の進行に関する処理を行って、メイン制御基板63に接続された機器類を駆動制御する。メイン制御基板63に接続された機器類には、図7に示される、切替ソレノイド51、クレジット表示器45、ペイアウト表示器46、報知用表示器60、有利期間報知ランプ80、遊技開始表示ランプ81、再遊技表示ランプ82、リールモータ14L〜14R、ホッパーモータ57、および、各種LEDなどが含まれる。また、メイン制御基板63には、7セグメントLEDからなる表示器が搭載されている。メイン制御基板63に搭載されている表示器は、全遊技期間に対して有利期間に滞在している有利期間滞在比率、および総払出枚数に対するボーナスでの払出枚数の役物比率などを常に表示する。なお、有利期間滞在比率および役物比率などは、メイン制御基板63に搭載されている表示器に表示するものに限らず、別個に設けられた表示器(例えば、ペイアウト表示器46等)に表示するものであってもよい。この場合、メインCPU61は、例えばリセットスイッチ52が操作されたときに、有利期間滞在比率および役物比率をメイン制御基板63とは別個に設けられた表示器に表示するようにしてもよい。
メイン制御基板63は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板73に対して各種のコマンドを送信する。サブ制御基板73は、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて演出の制御を行う。一方、サブ制御基板73からメイン制御基板63に対しては、コマンドを送ることはできない。コマンドは、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して一方向にのみ送信される。
サブ制御基板73に搭載されているサブCPU71は、演出を制御するための演出制御プログラムを記憶するROM77と、演出に関するデータなどを一時的に記憶するRAM75とを備え、ROM77に格納された演出制御プログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアが制御されることにより実現される種々の機能を有している。
サブCPU71は、タイマ割込みなどの割込機能を有し、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて、ROM77に記憶されている演出制御プログラムを実行し、遊技の進行に応じた演出内容の決定等を行い、その結果に基づいてサブ制御基板73に接続された機器類を駆動制御して演出を行う。サブ制御基板73に接続された機器類には、図7に示される、スピーカ31L、31R、液晶表示器27、および各種ランプ・LEDなどが含まれる。
<遊技制御処理>
メインCPU61は、ROM67に記憶されている遊技制御プログラムに基づいて、遊技の進行を制御するための遊技制御処理を行う。図8は、遊技制御処理の一例を説明するための図である。
(遊技制御処理)
遊技制御処理では、まず、S100において遊技開始表示ランプ点灯判定処理を行う。遊技開始表示ランプ点灯判定処理では、賭数が規定数分設定されることに応じて遊技開始表示ランプ81を点灯させて、スタートスイッチ19への操作を有効に受付可能(有効化)にするための処理が行われる。なお、遊技開始表示ランプ点灯判定処理は、遊技制御処理において実行するものに限らず、例えば、メインCPU61によるタイマ割込み処理において実行するものであってもよい。また、S200では、スタートスイッチ19への操作が有効に受け付けられたか否かを判定するスタートスイッチ判定処理を行う。遊技制御処理では、スタートスイッチ19への操作が有効に受け付けられるまで、S100およびS200の処理を繰り返す。
図9は、遊技開始表示ランプ点灯判定処理の一例を説明するための図である。まず、S101では、メインCPU61によるタイマ割込み処理が実行されることを許可する。S102では、メダル投入口25からメダルを最大規定数以上投入したかまたはクレジットが0である場合を除いて、最大ベット表示ランプを点灯させる。なお、1枚賭けのベットスイッチ15を操作することにより最大規定数に到達した場合でも、最大ベット表示ランプは点灯したままとなる。S103では、タイマ割込み処理が実行されることを不許可にする。
タイマ割込み処理の実行が許可されているときには、図10に例示する処理などが実行される。タイマ割込み処理は、S01においてベットスイッチ15あるいは最大ベットスイッチ17に対する操作が行われたか否かを判定する処理を含む。S01においてベットスイッチ15あるいは最大ベットスイッチ17に対する操作が行われたと判定されたときには、S02において貯留されているクレジットの範囲内で操作されたスイッチに対応する枚数を賭数として加算設定する。なお、S01およびS02の処理は、タイマ割込み処理において実行するものに限らず、遊技制御処理(例えば、図11を用いて後述するS202においてNOと判定されたときなど)において実行するものであってもよい。
また、タイマ割込み処理では、メダルセンサ53a〜53cからの検知信号に応じた処理を行う。例えば、メダルセンサ53cからの検知信号がONとなったときにCセンサフラグをONとし、当該検知信号がOFFとなってから所定時間が経過したときに当該CセンサフラグをOFFとする。また、メダルセンサ53aからの検知信号がONとなったときにABセンサフラグをONとし、続いてメダルセンサ53bからの検知信号がONとなり続いてメダルセンサ53aからの検知信号がOFFとなりかつメダルセンサ53bからの検知信号がOFFとなったときに当該ABセンサフラグをOFFとする。
図10におけるS03では、メダルセンサ53a〜53cのうちの最も下流側に設けられているメダルセンサ53bの検知信号がONからOFFへ変化したか否かを判定する。つまり、投入されたメダルがメダルセンサ53bを通過したか否かを判定する。S03においてメダルセンサ53bの検知信号がONからOFFへ変化したと判定されたときには、S04において賭数が最大規定数に到達していないときには賭数に「1」加算し、賭数が最大規定数に到達しているときにはクレジットに「1」加算する。これにより、ベットスイッチ15あるいは最大ベットスイッチ17が操作されるか、メダル投入口25からメダルを投入することにより、賭数設定が行われる。
前回遊技において再遊技役に入賞して再遊技フラグが設定されているときには、賭数が最大賭数に到達していないときであっても、S04においては賭数ではなくクレジットに加算する。つまり、再遊技フラグが設定されているときにメダルが投入されてメダルセンサ53bの検知信号がONからOFFへ変化した場合には、クレジットに加算される。
なお、S03およびS04においては、ABセンサフラグがONからOFFに変化したことに基づいて賭数あるいはクレジットに「1」加算するようにしてもよい。
また、加算の結果、クレジットが上限に達したときには、切替ソレノイド51により可動ガイド部材51aが第2位置となるように駆動制御されて、メダル投入不可能な状態となる。
図9に戻り、S104では、遊技開始表示ランプ81について消灯設定を行う。消灯設定が行われているときには、タイマ割込み処理において遊技開始表示ランプ81を消灯する処理が行われる。S105では、遊技状態に応じた最大規定数を算出する処理を行う。ボーナス中においては、最大規定数として「2枚」を算出し、ボーナス中以外においては、最大規定数として「3枚」を算出する。
S106では、現時点において賭数設定されている賭数が、S105において算出された最大規定数であるか否かが判定される。ボーナス中以外の遊技状態では、例えば、ベットスイッチへの操作、3枚以上のメダル投入、再遊技フラグによる賭数自動設定等に基づき、賭数として「3」が設定されているか否かが判定される。最大規定数であると判定されたときには、S111において遊技開始表示ランプ81について点灯設定を行う。点灯設定が行われているときには、タイマ割込み処理において遊技開始表示ランプ81を点灯する処理が行われ、スタートスイッチ19が有効化されていることを報知する。
また、S106において賭数設定されている賭数が最大規定数であると判定されなかったときには、S107において賭数設定されている賭数が、ボーナス中以外の遊技状態において規定数となる「1」であるか否かが判定される。S107において賭数が「1」であると判定されなかったときには、遊技開始表示ランプ点灯判定処理を終了する。
S107において賭数が「1」であると判定されたときには、S108において再遊技表示ランプ82が点灯しているか、つまり1枚賭けにより前回遊技が行われて再遊技役に入賞したことに伴って今回遊技の賭数として「1」が自動設定されているときであるか否かが判定される。S108において再遊技表示ランプ82が点灯していると判定されたときには、S111において遊技開始表示ランプ81について点灯設定が行われる。
一方、S108において再遊技表示ランプ82が点灯していると判定されなかったときには、S109において現在の遊技状態が役物作動(ボーナス)中であるか否かが判定される。S109においてボーナス中であると判定されたときには、規定数が「2」であり遊技を開始できる状態ではないため、遊技開始表示ランプ点灯判定処理を終了する。
S109においてボーナス中であると判定されなかったとき(ボーナス中以外であると判定されたとき)には、S110においてCセンサフラグおよびABセンサフラグのいずれかがON設定されているか否かが判定される。つまり、賭数が「1」である状態において、賭数を「2」に更新させるメダルが新たに検出されているか否かが判定される。CセンサフラグおよびABセンサフラグは、前述したとおり、メダルセンサ53a〜53c各々からの検知信号に基づきONに設定される。
CセンサフラグおよびABセンサフラグのいずれかがONであると判定されたときには、賭数を「2」に更新させるメダルが新たに検出されている場合であって、ボーナス中以外の遊技状態における規定数とは異なる賭数となる場合である。このため、遊技開始表示ランプ点灯判定処理を終了する。この場合、S104において遊技開始表示ランプ81について消灯設定されているため、遊技開始表示ランプ81が点灯することはない。
一方、S110においてCセンサフラグおよびABセンサフラグのいずれもONではないと判定されたときには、賭数を「2」に更新させるメダルの通過が検出されておらず、ボーナス中以外の遊技状態における規定数の「1」が維持される場合である。このため、S111において遊技開始表示ランプ81について点灯設定が行われる。
なお、3枚賭けにより前回遊技が行われて再遊技役に入賞した場合で今回遊技の賭数として「3」が自動設定されたときは、S106においてYESと判定されて、S111へ移行される。このため、3枚賭けにより再遊技役に入賞したときには、メダルが投入されてCセンサフラグおよびABセンサフラグなどがON設定されているか否か(S110)にかかわらず、即座に遊技開始表示ランプを点灯設定することができる。これに対し、1枚賭けにより前回遊技が行われて再遊技役に入賞した場合で今回遊技の賭数として「1」が自動設定されたときには、S106においてNOと判定されてしまう。この場合において、仮にS108における再遊技表示ランプ点灯を判定しない場合には、例えば、メダルが投入されてCセンサフラグおよびABセンサフラグなどがON設定されているか否か(S110)を判定するようにすると、再遊技表示ランプ82が点灯しているにもかかわらず、メダルが投入されてCセンサフラグおよびABセンサフラグなどがON設定されているか否かに応じてS111へ移行するタイミングが異なるために、遊技開始表示ランプが点灯するタイミングおよびスタートスイッチ19が有効化されるタイミングを異ならせてしまうことになる。しかし、スロットマシン1では、賭数が「1」であるときにS108において再遊技表示ランプ82が点灯しているか否かを判定し、点灯していると判定したときには、S111へ移行するように構成されている。このため、1枚賭けにより前回遊技が行われて再遊技役に入賞した場合で今回遊技の賭数として「1」が自動設定されているときには、メダルが投入されてCセンサフラグおよびABセンサフラグなどがON設定されているか否か(S110)にかかわらず、3枚賭けにより再遊技役に入賞した場合と同様に、即座に遊技開始表示ランプを点灯設定することができる。つまり、賭数にかかわらず再遊技役入賞したときには、メダルが投入されているか否かの影響を受けることなく、即座に同じタイミングで遊技開始表示ランプを点灯設定することができる。
以上より、ボーナス中以外の遊技状態において、賭数が「1」に設定されているときには、S107〜S110の処理によりS111において遊技開始表示ランプ81を点灯させることができ、賭数が「1」であっても賭数を「2」に更新させる新たなメダルが検出されているときや既に賭数が「2」に設定されているときには、S110でYESと判定されるかS107でNOと判定されることにより遊技開始表示ランプ81を消灯させることができ、賭数が「3」に設定されているときにはS106においてYESと判定されて遊技開始表示ランプ81を点灯させることができる。また、ボーナス中において賭数が「2」であるときには、S106においてYESと判定されて遊技開始表示ランプ81を点灯させることができる一方、ボーナス中において賭数が「1」であるときには、S106においてNOと判定された後、S109においてYESと判定されて遊技開始表示ランプ81を消灯させることができる。
図11は、図8のS200におけるスタートスイッチ判定処理の一例を説明するための図である。S201では、スタートスイッチ19からの検知信号に基づいて、スタートスイッチ19が操作されたか否かが判定される。スタートスイッチ19が操作されたと判定されたときには、S202において、遊技開始表示ランプ81が点灯設定(図9のS111)されており、なおかつ遊技開始表示ランプ81が点灯(タイマ割込み処理において点灯させる処理)しているか否かを判定する。つまり、S202においては、スタートスイッチ19が有効化されているか否かを判定する。
なお、遊技開始表示ランプ81の点灯設定は、図9のS111において行われる一方、遊技開始表示ランプ81の点灯は、タイマ割込み処理において行われる。このため、点灯設定されてから実際に点灯するまで、あるいは消灯設定されてから実際に消灯するまでにタイムラグが生じてしまう。その結果、仮にS202においていずれか一方のみを判定する場合には、例えば、遊技開始表示ランプ81が消灯しているにもかかわらずスタートスイッチ19を操作することにより回転開始されることや、遊技開始表示ランプ81が点灯しているにもかかわらずスタートスイッチ19への操作が受け付けられないといった不具合が生じてしまう。しかし、S202においては、遊技開始表示ランプ81の点灯設定と遊技開始表示ランプ81の点灯との双方を判定しているため、上記のような不具合を防止できる。
S202において、遊技開始表示ランプ81が点灯設定されており、なおかつ遊技開始表示ランプ81が点灯していると判定されたときには、図8のS300へ移行する。なお、S300へ移行するときには、切替ソレノイド51により可動ガイド部材51aが第1位置のときには第2位置となるように駆動制御されて、メダル投入不可能な状態に制御される。また、S201においてスタートスイッチ19が操作されていないと判定されるか、またはS202において遊技開始表示ランプ81が点灯設定されておりなおかつ遊技開始表示ランプ81が点灯していると判定されず、スタートスイッチ19が有効化されていないと判定されたときには、図8のS100へ移行する。
ここで、メダルセンサ53a〜53c各々からの検知信号、Cセンサフラグ・ABセンサフラグ、および遊技開始表示ランプ81が点灯してスタートスイッチ19の有効化各々の関係について、図12〜図14を参照して説明する。図12〜図14では、各々、縦軸の上段からメダルセンサ53cの検知信号の状態、Cセンサフラグの設定状態、メダルセンサ53aの検知信号の状態、メダルセンサ53bの検知信号の状態、ABセンサフラグの設定状態、およびスタートスイッチ19の有効・無効状態が示され、横軸において時間の経過が示されている。
図12は、ボーナス以外の遊技状態でかつ賭数が設定されていない状態において、メダルが1枚だけ投入されたときのタイミングチャートを示している。投入されたメダルは、まず、受入検知片55を揺動させてメダルセンサ53cにより検知される。これにより、メダルセンサ53cの検知信号がONとなるとともに、CセンサフラグがON設定される。
T1は、投入されたメダルが受入検知片55を通過して、メダルセンサ53cの検知信号がOFFになったタイミングを示している。Cセンサフラグは、メダルセンサ53cの検知信号がOFFになったT1から所定時間経過したときにOFFとなる。所定時間は、投入されたメダルが受入検知片55を通過してからメダルセンサ53aの検出位置に到達するまでに要する平均的な時間よりも長い時間が設定されている。本実施形態における所定時間としては、投入されたメダルが受入検知片55を通過してから、メダルセンサ53aにより検知されて検知信号がONとなるまでに要する平均的な時間よりも長い時間(例えば、500msec)が設定されている。
T2は、受入検知片55を通過したメダルがメダルセンサ53aにより検知されたタイミングを示している。これにより、メダルセンサ53aの検知信号がONとなるとともに、ABセンサフラグがON設定される。その後、メダルは、メダルセンサ53bにより検知された後、メダルセンサ53aを通過し、さらにメダルセンサ53bを通過する。T3は、メダルがメダルセンサ53bを通過したタイミングを示している。これにより、メダルセンサ53bの検知信号がOFFとなるとともに、ABセンサフラグもOFFとなる。その結果、図10のS04において説明したとおり、賭数が「1」加算された状態となる。
T4は、T1から所定時間経過したタイミングである。T4においては、CセンサフラグがOFFとなる。なお、前述したように所定時間としては、500msecが定められているため、投入されたメダルがメダルセンサ53bを通過して賭数が加算された後に、当該メダルにより設定されたCセンサフラグがOFFとなる。ABセンサフラグがOFFでCセンサフラグがOFFになると、図9のS111において遊技開始表示ランプ81が点灯設定されて点灯する。これにより、図11のS202においてスタートスイッチ19への操作があった場合に有効に受け付けることが可能な状態となる。その結果、ボーナス中以外の遊技状態においては、賭数として「1」が設定された状態で遊技を開始させることができる。
T5は、2枚目のメダルが投入されて、メダルセンサ53cにより検知されCセンサフラグがON設定されたタイミングを示している。賭数を「2」に更新させるためのメダルが検知されると、図9のS110においてYESと判定される。このため、遊技開始表示ランプ81が消灯することにより、スタートスイッチ19への操作が無効化される。
T6は、投入されたメダルが受入検知片55を通過して、メダルセンサ53cの検知信号がOFFになったタイミングを示している。Cセンサフラグは、メダルセンサ53cの検知信号がOFFになったT6から所定時間経過したときにOFFとなる。スタートスイッチ19の無効化は、賭数が「3」に設定されて図9のS106においてYESと判定されるまで維持される。
図13は、ボーナス以外の遊技状態でかつ賭数が設定されていない状態において、メダルが2枚連続投入されたときのタイミングチャートを示している。メダルが2枚連続投入されたときには、メダルセンサ53cの欄に示されるように、1枚目のメダルがメダルセンサ53cにより検知されてOFFとなってから所定時間(500msec)が経過するまでに、2枚目のメダルがメダルセンサ53cにより検知される。このため、CセンサフラグのON設定は、メダルセンサ53cにより、1枚目のメダルが検知されてから、2枚目のメダルの検知が終了した後において所定時間が経過するT13のタイミングまで維持される。なお、1枚目のメダルがメダルセンサ53cにより検知されてOFFとなってからの所定時間の計時は、2枚目のメダルがメダルセンサ53cにより検知されることにより終了(初期設定)し、2枚目のメダルがメダルセンサ53cにより検知されてOFFとなってから新たに所定時間の計時が開始する。また、1枚目のメダルおよび2枚目のメダル各々によるABセンサフラグ等がONからOFFになった場合(T11、T12)、図10のS04で示したとおり、賭数が「1」ずつ加算される。これにより、T11においては、賭数が「1」に設定される。しかし、CセンサフラグがON設定されているため、賭数が「1」に設定されてもスタートスイッチ19が有効化されない。
また、T12においては、賭数が「2」に設定される。このため、CセンサフラグがOFF設定されたときには、既に賭数が「2」に設定されており、図9のS107においてNOと判定される。その結果、スタートスイッチ19が無効化されたまま維持される。これにより、連続投入により賭数が「1」に設定されたとき(瞬間)においてもスタートスイッチ19が有効化されず、かつ、賭数が「2」に設定されたときにおいてスタートスイッチ19が操作されたとしても、当該操作を有効に受け付けないため、遊技が開始されてしまうことを防止できる。
図14は、ボーナス以外の遊技状態でかつ賭数が設定されていない状態において、メダルが4枚連続投入されたときのタイミングチャートを示している。メダルが4枚連続投入されたときには、メダルセンサ53cの欄に示されるように、先にメダルセンサ53cにより検知されてOFFとなってから所定時間(500msec)が経過するまでに、次のメダルがメダルセンサ53cにより検知される。このため、CセンサフラグのON設定は、メダルセンサ53cにより、1枚目のメダルが検知されてから、4枚目のメダルの検知が終了した後において所定時間が経過するT25のタイミングまで維持される。
また、1枚目〜3枚目のメダル各々によるABセンサフラグ等がONからOFFになった場合(T21〜T23)、図10のS04で示したとおり、賭数が「1」ずつ加算される。これにより、賭数が「3」に設定される。しかし、賭数が「1」に設定されるT21のタイミングにおいては、CセンサフラグがON設定されており、T22のタイミングにおいては、賭数が「2」に設定されているため、スタートスイッチ19が無効化されたまま維持される。
一方、T23のタイミングにおいては、賭数が「3」に設定されている。このため、図9のS106でYESと判定され、S111において遊技開始表示ランプ81が点灯設定されて点灯する。これにより、CセンサフラグがON設定されているときであっても、図11のS202においてスタートスイッチ19への操作があった場合に有効に受け付けることが可能な状態となる。その結果、ボーナス中以外の遊技状態においては、賭数として「3」が設定された状態で遊技を開始させることができる。また、4枚目のメダルによるABセンサフラグ等がONからOFFになった場合(T24)、賭数がすでに最大規定数に達しているため、図10のS04においてクレジットが「1」加算される。
図9〜図14を参照して、賭数等に応じてスタートスイッチ19への操作を有効化するための処理について説明したが、スタートスイッチ19が有効化されて実際にスタートスイッチ19への操作が受け付けられるまでには、各種の処理が行われる。例えば、精算スイッチ23からの操作信号に基づいて、ホッパーモータ57を駆動させる駆動信号を出力して、クレジット分あるいは設定済の賭数分に相当する枚数のメダルを払い出すための精算処理などが行われる。
スタートスイッチ19が有効化されて実際に操作が受け付けられると、図8のS300において役抽選処理が行われる。役抽選処理では、所定範囲(例えば0〜65535)で乱数値を更新する乱数回路から役抽選用の乱数値を抽出し、抽出した値(以下、抽出値という)に基づいて予め定められた複数種類の役のいずれかに当選するか否かを抽選する役抽選が行われる。図15(a)を参照して、スロットマシン1において設定されている役の種別および役名称について説明する。
役の種別としては、ボーナス役と、再遊技役と、小役とが設けられている。ボーナス役は、小役の当選確率が高いボーナスへの移行を伴う移行役である。再遊技役(以下、リプレイともいう)は、前述の再遊技フラグを設定する役であって、遊技者所有のメダル(あるいはクレジット)を新たに用いることなく、当該役に入賞した遊技と同じ賭数を次回遊技の賭数として自動設定する役である。小役は、所定枚数のメダルの払い出し(あるいはクレジット加算)を伴う役である。
ボーナス役としては、役名称「RBB」および「CBB」が設けられている。「RBB」「CBB」の図柄組合せには、各々、「7」の3つ揃い、「BAR」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「RBB」「CBB」は、各々、入賞した次の遊技以降の遊技状態をボーナス遊技状態とするものであり、各ボーナス遊技状態は、払出されたメダルの枚数が、図15(a)の備考欄に記載の枚数を超えた遊技で終了する。
再遊技役としては、役名称「NRP」が設けられている。「NRP」の図柄組合せには、「RP」の3つ揃いとなる組合せが定められている。小役としては、役名称「BEL」「CH1」および「CH2」が設けられている。「BEL」の図柄組合せには、「BE」の3つ揃いとなる組合せが定められている。「CH1」および「CH2」についても、各々、図15(a)に記載のとおりの図柄組合せが定められている。なお、「ANY」は、すべての図柄(いずれの図柄でもよい)を示している。
「BEL」は、賭数が「1」または「3」に設定されている状態(例えば、ボーナス以外の遊技状態)において入賞するとメダルが7枚払い出されるが、賭数が「2」に設定されている状態(例えば、ボーナス)において入賞するとメダルが13枚払い出される。一方、「CH1」および「CH2」は、賭数が「3」に設定されている状態(例えば、ボーナス以外の遊技状態)において入賞するとメダルが1枚払い出されるが、賭数が「2」に設定されている状態(例えば、ボーナス)において入賞するとメダルが13枚払い出される。
「CH1」および「CH2」は、賭数が「1」に設定されている状態においては後述するように「BEL」と同時当選して、当該「BEL」入賞となる。このため、賭数が「1」に設定されている状態においては、「CH1」「CH2」に当選しても入賞することがない。このため、図15(a)では、賭数が「1」に設定されている状態における払出枚数として「−」と記載している。しかし、賭数が「1」に設定されている状態において「CH1」あるいは「CH2」に入賞したときの払出枚数を特定するための払出枚数データは、ROM67に記憶されている。
図15(b)および(c)は、払出枚数データを説明するための図である。払出枚数データは、遊技状態、賭数、および小役に対応させてROM67に記憶されている。図15(b)は、ボーナス以外の遊技状態において賭数が「1」に設定されているとき、および賭数が「3」に設定されているとき各々に対応して記憶されている払出枚数データを示している。賭数が「1」に設定されているときには、「BEL」に対応して「a(7枚に相当するデータ)」が記憶され、「CH1」「CH2」各々に対応して「x」「y」が記憶されている。「x」「y」は、0を除く任意のデータであれば、例えば、「BEL」と同じ「a(7枚に相当するデータ)」が記憶されているものであってもよい。賭数が「1」に設定されているときには、前述したように「CH1」「CH2」に入賞することはないが、図15(b)に示すように、「BEL」と同様に払出枚数データが記憶されている。
賭数が「3」に設定されているときには、「BEL」に対応して「a(7枚に相当するデータ)」が記憶され、「CH1」「CH2」各々に対応して「b(1枚に相当するデータ)」が記憶されている。なお、賭数が「1」に設定されているときの「x」「y」は、賭数が「3」に設定されているときの「CH1」「CH2」と同じデータとして「b」が記憶されているものであってもよい。これにより、データを簡略化できる。図15(c)は、ボーナス中において賭数が「2」に設定されているときにおける払出枚数データを示している。「BEL」に対応して「c(13枚に相当するデータ)」が記憶され、「CH1」「CH2」各々に対応して「c」が記憶されている。
図15(b)および(c)で示したように、賭数によっては入賞しない役(「CH1」「CH2」)に対しても払出枚数データを記憶している。このため、後述するメダル払出処理においては、非ボーナス中は賭数によっては入賞しない役があったとしても共通の処理(例えば、役名称と入賞となる図柄の組合せが一致しているかを判定し、一致した場合に対応する払出枚数データを払出枚数に設定するなど)を実行することにより、正確な判断・処理を実行できるため、処理負荷を軽減できる。また、賭数が「1」に設定されている状態における「CH1」および「CH2」に対応する払出枚数データを記憶する領域に、未使用データあるいは未使用プログラムなどの不正なデータ等が記憶されてしまうなど、当該領域を用いて不正が行われることを未然に防止できる。
役抽選処理では、図15(a)に示す役のうち予め定められた役から構成される複数種類の当選役グループ毎に役抽選が行われる。図16を参照して、本実施形態における当選役グループおよび役構成について説明する。
ボーナス役を含む当選役グループとしては、「RBB」「CBB」が設けられている。「RBB」「CBB」は、それぞれ1つのボーナス役から構成される当選役グループである。再遊技役の当選役グループとしては、「通常リプレイ」が設けられている。「通常リプレイ」は、「NRP」のみから構成される当選役グループである。
小役の当選役グループとしては、「ベル」、「チェリー」、および「全小役」が設けられている。「ベル」は、「BE」のみから構成される当選役グループである。「チェリー」は、「CH1」および「CH2」を含むように構成される当選役グループである。「全小役」は、「BE」、「CH1」、および「CH2」を含むように構成される当選役グループである。
なお、役および当選役グループの種類については、図15(a)および図16で示すものに限らず、他の役および他の当選役グループを含むものであってもよい。例えば、再遊技役としては、再遊技役に当選する確率が異なる遊技状態への移行を伴う役を含むものであってもよい。また、小役としては、操作態様(押し順)が当選している役の種類に応じて定められている有利操作態様(所定の押し順)であるときに遊技者にとって有利な役(払出枚数が多い役)を入賞させる押し順役などを含むものであってもよい。前述した有利期間は、押し順役に当選したときに有利操作態様を報知可能なAT遊技を許容できる期間である。有利期間は、所定の契機が成立すること(例えば「チェリー」役当選など)により制御可能となる。
これら複数種類の当選役グループのうち役抽選の対象となる当選役グループは、複数種類の遊技状態および賭数毎に定められている。図16は、複数種類の遊技状態および賭数毎に役抽選の対象となる当選役グループを説明するための図である。図16では、○印により役抽選の対象となることを示し、×印により役抽選の対象とならないことを示している。スロットマシン1において制御可能となる遊技状態としては、「通常RT」、「RBB」が当選している「RBB内部当選状態」、「CBB」が当選している「CBB内部当選状態」、およびボーナス役の種類に応じた「RBB」「CBB」などが設けられている。
ボーナス役を含む当選役グループのうち「RBB」「CBB」は、各々、「通常RT」において賭数が「3」に設定されているときにおいて役抽選の対象となり、「通常RT」であっても賭数が「1」に設定されているときには役抽選の対象とはならない。再遊技役を含む当選役グループの「通常リプレイ」は、「通常RT」「RBB内部当選状態」「CBB内部当選状態」において賭数が「3」および「1」のいずれに設定されているときであっても役抽選の対象となる。
小役を含む「ベル」および「チェリー」は、各々、「通常RT」「RBB内部当選状態」「CBB内部当選状態」において賭数が「3」に設定されているときに役抽選の対象となる。これに対し、小役を含む「全小役」は、「通常RT」「RBB内部当選状態」「CBB内部当選状態」において賭数が「1」に設定されているとき、および「RBB」「CBB」において役抽選の対象となる。
役抽選の対象となる当選役グループは、各々、設定値毎に抽選値が定められている。図17は、役抽選の対象となる当選役グループ毎の抽選値の一例を説明するための図である。図17(a)〜(e)は、各々、通常RT、RBB内部当選状態、CBB内部当選状態、RBB、CBBにおける抽選値が示されている。
例えば、図17(a)では、賭数が「3」であるときの役抽選の対象となる「RBB」「CBB」「通常リプレイ」「ベル」「チェリー」各々について、設定値毎の抽選値が定められている。例えば、設定値が「1」のときには、「RBB」「CBB」「通常リプレイ」「ベル」「チェリー」各々の抽選値として「256」「136」「8978」「8660」「2560」が定められている。また、乱数回路から抽出される数値範囲は、65536である。このため、賭数が「3」であるときで設定値が「1」のときの役抽選の対象となる「RBB」「CBB」「通常リプレイ」「ベル」「チェリー」各々の当選確率は、図17(a)に示すとおり、「1/256」「1/480」「1/7.29」「1/7.5」「1/25」となる。
また、賭数が「3」であるときで設定値が「6」であるときには、設定値が「1」であるときと比較して、「CBB」の抽選値として「218」という異なる値が定められている。このため、設定値「6」であるときの「CBB」当選確率は、「1/300」に向上する。なお、図17(a)の賭数が「1」であるとき、および図17(b)〜(e)についても、役抽選の対象となる当選役グループ毎の抽選値が設定値毎に定められている。このため、役抽選における当選確率は、図17で示す確率となる。
ここで、小役の当選確率に関して、賭数が「3」に設定されているときと、賭数が「1」に設定されているときとを比較する。まず、賭数が「3」であるときに「ベル」あるいは「チェリー」に当選する確率は、抽選値の合計が「11220」に定められており約1/5.8となる。これに対し、賭数が「1」であるときに「全小役」に当選する確率は、抽選値が「4369」に定められており1/15となる。このため、賭数が「3」であるときと「1」であるときにおける小役の当選確率を比較すると、賭数が「1」に設定されているときよりも賭数が「3」に設定されているときの方が高くなる。
図18は、図17で示したように抽選値が定められているときの当選役グループ毎の当選確率の高さを横幅の広さで示した図である。図18では、横幅が広いほど当選確率が高いことを示している。図18(a)は、通常RTにおいて賭数が「3」に設定されているときの当選役グループ毎の当選確率が示されている。図17(a)で示したとおり、設定値が「1」であるときよりも「6」であるときの方が、「CBB」の横幅が広く当選確率が向上していることが示されている。
また、図18(b)は、通常RTにおいて賭数が「1」に設定されているときの当選役グループ毎の当選確率が示されている。図18(a)と図18(b)とを比較すると、小役の当選確率が図17(a)で説明したとおり、賭数が「1」に設定されているときの当選確率を示す図18(b)の方が、賭数が「3」に設定されているときの当選確率を示す図18(a)よりも小役の当選確率が低くなることが示されている。これと同様に、図17(b)および(c)において示されるように、RBB内部当選状態およびCBB内部当選状態においても、賭数が「1」に設定されているときには、「3」に設定されているときと比較して、小役の当選確率が低くなる。
また、図18(d)および(e)に示されるように、「RBB」中および「CBB」中においては、必ず「ベル」あるいは「全小役」に当選するように抽選値が定められており、必ず「BEL」に入賞する。このため、「RBB」および「CBB」は、他の遊技状態と比較して小役に入賞する確率が格段に向上するため、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
役抽選処理では、現在の遊技状態において役抽選の対象となる当選役グループの抽選値を読み出し、抽出値から減算した値(抽出値を更新)が所定値(例えば0)よりも小さい値になっているか否かを判定する判定処理を行い、小さい値になっていなければ(例えば0以上のとき)次の当選役グループについての判定処理を行うというサイクルを繰り返す。
いずれかの当選役グループについての判定処理において所定値よりも小さい値になっていると判定したときには、この当選役グループに当選していると判定し、当該当選役グループに含まれる役の当選フラグをRAM65の所定領域に設定して役抽選を終了する。このため、当選役グループに当選する確率は、「当選役グループの判定値/65536」となる。役抽選において読み出される判定値が大きいほど所定値よりも小さい値になりやすくなるため、当選確率が高い当選役グループであるといえる。一方、役抽選の対象となるすべての当選役グループについて判定処理を行ったが所定値よりも小さい値になっていないと判定されたときには、いずれの当選役グループにも当選していない「はずれ」であると判定する。
役抽選処理は、いずれかの当選役グループに当選していると判定されるか、いずれの当選役グループにも当選しておらず「はずれ」であると判定されると役抽選を終了して、図8のS400に移行する。
役抽選処理では、役抽選において当選した当選役グループの種別を特定可能な当選種別コマンドをサブ制御基板73に出力するための処理を行う。例えば、「RBB」「CBB」に当選したときにはいずれかのボーナス役に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力し、「通常リプレイ」に当選したときには再遊技役に当選していることを特定可能な当選種別コマンドを出力し、小役のいずれかに当選したときには小役を特定可能な当選種別コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、当選役グループの種別に応じた演出を実行可能となる。
図8のS400では、リールモータ14L〜14Rを駆動制御して、リール11L〜リール11Rを回転させる処理が行われる。なお、S400では、ウェイトタイムが経過しているか否かを判定する。ウェイトタイムは、例えば4.1秒に定められており、前回遊技のリール制御処理においてリール11L〜11R各々の回転が開始されてから計測が開始される。S400では、ウェイトタイムが経過していると判定されたときに、リール11L〜11Rの回転を開始させる処理を行う。これにより、前回遊技においてリール11L〜11R各々の回転が開始されてから少なくとも4.1秒経過するまで今回遊技におけるリール11L〜11Rを回転開始させるタイミングを遅延させることができる。リール11L〜11Rの回転が開始すると、リール回転開始コマンドを出力する。
リール11L〜11Rの回転が開始すると、リール11L〜11R各々の回転を開始させて一定速度に到達した後(例えば、リールモータ14L〜14Rの励磁パターンが一定速度となる励磁パターンとなった後)、リール11L〜11R各々の基準位置が位置センサ55L〜55R各々により検出されることにより停止操作可能な状態となり、ストップスイッチ21L〜21Rへの操作を有効に受け付ける状態(有効化)になる。S500では、有効化された状態においてストップスイッチ21L〜21Rへの操作が検出されたか否かが判定される。
S500においてストップスイッチへの操作が検出されたときには、例えば当該ストップスイッチに対応するリールを停止させるための停止制御を行う。停止制御では、例えば、停止対象のリールの入賞ラインNL上に位置する図柄から予め定められた引込み可能範囲内に配列されている図柄のいずれかを入賞ラインNLに引き込んで当該リールを停止させるリール停止処理を行う。引込み可能範囲は、4図柄先までの範囲であって、ストップスイッチが操作されたときに入賞ラインNL上にある図柄から4図柄先までに配列されている図柄を入賞ラインNL上に停止可能となる。
役抽選においていずれかの役に当選している場合は、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ライン上に引き込むことができるときに、当該図柄を入賞ライン上に引き込んで停止させる。これに対して、いずれの役にも当選していない場合は、いずれの役にも入賞しないはずれ図柄組合せとなる図柄を入賞ライン上に引き込み停止させる。このため、ストップスイッチへの操作が行われたときに、当選している役を構成する図柄を引込み可能範囲内で入賞ラインNL上に引込み可能であれば当該図柄を引込んで入賞ラインNL上に停止させることができる一方、当選していない役の図柄組合せを入賞ラインNL上に停止させてしまうことがない。
リール停止処理では、引込み可能範囲内の図柄を入賞ラインNL上に停止させることができるものの、引込み可能範囲外の図柄については入賞ラインNL上に停止させることができない。このため、リール11L〜11Rの図柄配列において、役を構成する図柄が引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する役については、役抽選において当選していても、操作タイミングが合わなければ入賞ラインNL上に当該役を構成する図柄を引き込むことができずに、当該役を取りこぼしてしまう場合(非入賞)が生じる。
「ボーナス役」を構成する図柄は、図6に示すとおり、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。例えば、「RBB」を構成する図柄「7」は、リール11L〜11Rに1または2個しか配列されていない。また、他の「ボーナス役」を構成する図柄についても、少なくとも1つのリールにおいて引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。このため、「ボーナス役」は、当選していてもストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングによっては入賞ラインにボーナス役を構成する図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。よって、「ボーナス役」のいずれかに当選しているときには、当選しているボーナス役を引込み可能範囲内で引込むリール制御を行うものの、いずれの役にも入賞しない場合が生じる。なお、「RBB」「CBB」については、当選した遊技において入賞させることができなかった場合、RBB内部当選状態あるいはCBB内部当選状態に制御されて当該ボーナス役に入賞するまで当該ボーナス役の当選フラグを持ち越す処理が行われる。
「NRP」および「BEL」を構成する図柄は、各々、図6に示すように、リール11L〜11Rのすべてにおいて引込み可能範囲内に配列されている。その結果、「NRP」あるいは「BEL」に当選したときには、ストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングにかかわらず、必ず入賞させることができる。
小役のうち「CH1」および「CH2」を構成する図柄(「CH1」「CH2」)は、図6に示すとおり、リールの図柄配列において引込み可能範囲内に存在しない個所が存在する。このため、「CH1」および「CH2」は、当選していてもストップスイッチ21Lの操作タイミングによっては入賞ラインに「CH」を構成する図柄を引き込むことができない場合があり、取りこぼす可能性がある。
また、リール停止処理では、複数種類の役に当選しているときには、当選している役の種類(役抽選の結果)およびストップスイッチ21L〜21Rの操作タイミングおよび押し順(操作態様)に応じて、優先して引き込む対象が予め定められている。例えば、ボーナス役の当選が持ち越されている状態(RBB内部当選状態など)において再遊技役や小役に当選したときにおけるリール停止処理では、ボーナス役よりも再遊技役や小役を優先して引き込むように定められている。しかし、図17(b)および(c)で示したとおり、賭数を「1」に設定することにより少なくとも小役の当選確率が低下する。このため、、ボーナス役の当選が持ち越されている状態においては、賭数を「1」に設定して遊技を行うことにより、小役に当選せずにボーナス役を入賞させる可能性を高めることができる。また、賭数を抑えてボーナス役の入賞を狙える。このため、ボーナス役の当選が持ち越されている状態においては、賭数を「3」に設定して遊技を行うよりも賭数を「1」に設定して遊技を行う方が、遊技者にとっての有利度合いが高い。その結果、ボーナス役の当選が持ち越されている状態においては、賭数を「1」に設定して遊技を行うことが最適であるといえる。
リール停止処理においては、リール11L〜11Rのいずれかが停止する毎に、停止したリール、および停止位置(例えば、中段に停止されている図柄の図柄番号等)などを特定可能なリール停止コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73は、停止したリール、および停止位置が特定可能となり、対応する演出を実行可能となる。
図8のS700では、リール11L〜11Rすべてが停止したか否かを判定する。リール11L〜11Rすべてが停止していないと判定したときには、S500へ移行する。一方、リール11L〜11Rすべてが停止していると判定したときには、S800へ移行する。
S800における図柄判定処理では、入賞ラインNL上の図柄組合せに基づいて図15に示す役のいずれかが入賞しているか否かを判定する。図柄判定処理が終了すると、S900に移行して、メダル払出処理を実行する。メダル払出処理では、図柄判定処理の結果に応じた処理を実行する。例えば、小役が入賞したと判定されているときには、図15の払出枚数欄に記載のメダルを払い出すか、あるいはクレジット加算するための払出処理を実行する。なお、メダル払出処理における払出処理が終了したときには、切替ソレノイド51により可動ガイド部材51aを第1位置となるように駆動制御されて、メダル投入可能な状態に制御される。
また、再遊技役が入賞したときには、再遊技フラグを設定するための処理を実行する。メダル払出処理では、入賞ラインNL上の図柄組合せ、入賞の有無、入賞した役の種類等を特定可能な遊技結果コマンドを出力する。これにより、サブ制御基板73側においては、入賞ラインNL上の図柄組合せに応じた演出を実行可能となる。また、メダル払出処理では、遊技の結果に応じて、有利期間滞在比率および役物比率を更新してRAM65の所定領域に記憶する。
さらに、メダル払出処理では、役抽選あるいは遊技の結果等に基づいて、次回以降の遊技状態を特定可能な遊技状態フラグを設定する遊技状態設定処理を実行する。遊技状態フラグは、RAM65の所定領域に記憶される。メインCPU61は、遊技状態フラグに基づいて、現在制御されている遊技状態を特定する。図12(a)には、遊技状態の遷移が示されている。
遊技状態設定処理は、「通常RT」において「RBB」に当選した遊技において入賞しなかったときに、「RBB内部当選状態」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。これにより、「RBB内部当選状態」に制御される。また、遊技状態設定処理は、「RBB」に入賞したときに、「RBB」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。これにより、「RBB」に制御される。遊技状態設定処理は、「RBB」中における払出枚数を計数し、払出枚数が所定枚数を超えたときに「通常RT」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。これにより、「通常RT」に制御される。なお、「通常RT」において「CBB」に当選した後においても、図19に示すとおりに遊技状態が制御される。また、スロットマシン1は、設定変更等により初期化されると「通常RT」を特定可能な遊技状態フラグを設定する。また、メダル払出処理では、遊技の結果に応じて、有利期間滞在比率および役物比率を更新してRAM65の所定領域に記憶する。メダル払出処理が終了すると、図8のS100へ移行して次回の遊技に備える。スロットマシン1は、1遊技毎にS100〜S900の処理を繰り返し実行する。
<演出制御処理>
サブCPU71は、メイン制御基板63からのコマンドに基づいて、ROM77に記憶されている演出制御プログラムを実行し、遊技の進行に応じた演出内容の決定等を行い、その結果に基づいてサブ制御基板73に接続された液晶表示器27、スピーカ31L、31R、および各種ランプ・LEDなどの演出手段を駆動制御するための演出制御処理を行う。演出制御処理により実行される演出例を以下に説明する。
(当選役グループに関する演出)
演出制御処理では、役抽選において当選した当選役グループの種別を特定可能な当選種別コマンドを受信したときには、当選役グループの種別に応じた演出を実行可能となる。当選種別コマンドを受信したときには、例えば、「RBB」の当選種別コマンド受信時は「ボーナス確定!」といった画像を液晶表示器27に表示する演出や、「ベル」を特定可能な当選種別コマンドに基づいてベルと類似色の「黄色い風船」の画像を液晶表示器27に表示する演出を実行する。これにより、遊技者は当選した当選役グループを推測しながら遊技を進行させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
<スロットマシン1により奏される効果の例>
上記実施形態におけるスロットマシン1では、ボーナス以外の遊技状態における規定数として「1」および「3」が定められており、賭数が「1」または「3」に更新されることよりスタートスイッチ19が有効化されて、遊技が開始可能となる。特に、賭数を「1」に更新させるメダルが検知された場合には、当該検知に基づくCセンサフラグがOFFとなるまでに賭数を「2」に更新させるメダルが検知されなかったときにスタートスイッチ19が有効化される。また、賭数が「1」となりスタートスイッチ19が有効化された後においても、図9のS107およびS110、図12のT5などで示したように、賭数を「2」に更新させるメダルがメダルセンサ53aにより検知されるとスタートスイッチ19が無効化されて、賭数が「3」に更新されるまでスタートスイッチ19の無効化が維持される。つまり、賭数を「2」に更新させるメダルがメダルセンサ53aにより検知された時点で、スタートスイッチ19が操作されたとしても有効に受付けられることがない。このため、仮に賭数が「2」に更新された状態においてスタートスイッチ19が操作されたとしても遊技が開始されない。その結果、賭数が「2」に更新された状態で遊技が実行されてしまうことを防止できる。
特に、賭数を「1」に設定して遊技を行うことが最適となる「RBB内部当選状態」や「CBB内部当選状態」であるときに、賭数が「2」に更新されていることに気付かずにスタートスイッチ19を操作してしまっても、遊技が開始されない。これにより、賭数が「2」に更新されていることを遊技者に認識させることができる。その結果、精算スイッチ23を操作して一旦賭数設定を解除して、再度賭数として「1」を設定し直すことにより、最適な賭数で遊技を行うことが可能となる。
また、図13で示したように、賭数を「1」に更新させるメダルがメダルセンサ53cにより検知されたとしても、CセンサフラグがOFFとなるまでの所定時間が経過するまでに賭数を「2」に更新させるメダルがメダルセンサ53cにより検知された場合においては、賭数が「1」に設定されたときであってもスタートスイッチ19が有効化されることなく無効化が維持される。このため、メダルが連続投入された場合においても、賭数が「2」に更新された状態で遊技が実行されてしまうことを防止できる。
また、スロットマシン1においては、図12等に示されるように、複数のメダルセンサのうちの最上流側のメダルセンサ53cによる検知(OFF)に基づいて、CセンサフラグをOFF設定するまでに要する所定時間の計測を開始している。これにより、所定時間の計測を下流側のメダルセンサによる検知に基づいて開始するものと比較して、メダルが投入されてから早いタイミングで所定時間が経過する。このため、メダル投入から極力早いタイミングでスタートスイッチ19を有効化させることができる。さらに、スロットマシン1では、最上流側のメダルセンサ53cによる検知に基づいてCセンサフラグのON・OFFを設定するようにしたことによって、当該Cセンサフラグを用いて、CセンサフラグがONであるときにメダルセンサ53aなどによりメダルが検出されないような不正メダル投入エラーなどの判定に兼用することができる。
また、スロットマシン1では、図14のT23で示すように、賭数が「3」に設定されたときにはCセンサフラグがONであっても、即座にスタートスイッチ19が有効化される。また、スロットマシン1では、図9のS108で示したように、1枚賭けにより前回遊技が行われて再遊技役に入賞したことに伴って今回遊技の賭数として「1」が自動設定されているときにも、Cセンサフラグ等の状態にかかわらず、即座にスタートスイッチ19が有効化される。このため、最大規定数分の賭数を設定したときや再遊技役入賞により賭数が自動設定されているときには、即座に遊技が開始可能となるため、CセンサフラグがOFFになるまで遊技開始可能タイミングを遅延させてしまうことを防止できる。
また、スロットマシン1は、賭数が「1」に設定されているときに賭数を「2」に更新させるメダルがメダルセンサ53cなどに検知されたときには、スタートスイッチ19が有効化されていた場合には無効化し、当該メダルにより賭数が「2」に更新された後においてもスタートスイッチ19の無効化が維持される。また、賭数が「3」に更新されてスタートスイッチ19が有効化された後においては、新たなメダルがメダルセンサ53c等により検知された場合であってもスタートスイッチ19の有効化が維持される。また、賭数が「2」に更新されているか更新されるためにスタートスイッチ19が無効化されているときであっても、可動ガイド部材51aは第1位置のままでありメダル投入可能な状態が維持される。このように、スロットマシン1は、ボーナス以外の遊技状態において賭数が「2」に設定された状態で遊技が行われてしまうことを防止することを目的としており、賭数を「2」に更新させるメダルが検知された時点でスタートスイッチ19を無効化させるものである。よって、スロットマシン1は、メダルが投入される毎にスタートスイッチを無効化することによりいわゆるメダルの飲み込み防止を目的とする従来のスロットマシンとは技術的思想が根本的に異なる。
<変形例>
上記実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。以下に、実施形態に対する変更を例示する。
上記実施形態におけるスロットマシン1では、賭数を「1」に更新させるためのメダルが投入された場合であっても、図12および図13等で示したように、メダルセンサ53cの検知に基づき設定されるCセンサフラグの設定状態に応じて、スタートスイッチ19が有効化される場合と、無効化が維持される場合とが生じ得る。しかし、賭数を「1」に更新されたときにスタートスイッチ19が有効化された場合でも無効化が維持されている場合でも、スロットマシン1は、少なくとも賭数を「2」に更新させるメダルがメダルセンサ等により検知されてから賭数が「3」に設定されるまでの間においてスタートスイッチ19への操作が無効化されるものであればよい。これにより、賭数が「2」に設定されているときに遊技が開始されてしまうことを防止できる。
また、上記実施形態におけるスロットマシン1では、Cセンサフラグがメダルセンサのうちの最上流側に設けられたメダルセンサ53cの検知に基づき設定される例について説明した。しかし、これに限らず、Cセンサフラグは、メダルセンサ53cよりも下流側に設けられたメダルセンサ53aあるいは53bの検知に基づき設定されるものであってもよい。
また、上記実施形態におけるCセンサフラグは、所定のメダルセンサ53cによりメダルが検知されたときにON設定され、当該メダルセンサの検知信号がONからOFFとなってから所定時間経過したときにOFF設定される例について説明した。しかし、これに限らず、Cセンサフラグは、所定のメダルセンサ53cによりメダルが検知されたときにON設定されてから所定時間経過したときにOFF設定されるものであってもよい。これにより、スタートスイッチ19が有効化されるタイミングを早めることができる。
また、上記実施形態におけるCセンサフラグは、所定のメダルセンサ53cのメダル検知から所定時間経過するまでON設定を維持する例について説明した。しかし、Cセンサフラグは、所定のメダルセンサ53cのメダル検知によりON設定された後、当該メダルが例えばメダルセンサ53bにより検知されて検知状態がOFF設定となることに応じてOFF設定するものであってもよい。具体的に、図12に示すようにメダルが1枚投入された場合、Cセンサフラグは、ON設定された後、メダルセンサ53bにより検知されて検知状態がOFF設定されたT3のタイミングでOFF設定するものであってもよく、またT3から予め定められた時間(T3からT4までの時間よりも短い時間)が経過したタイミングでOFF設定するものであってもよい。また、図13に示すようにメダルが連続投入された場合において、Cセンサフラグは、1枚目のメダルを検知することによりON設定された後、2枚目のメダルがメダルセンサ53bにより検知されて検知状態がOFF設定されたT12のタイミングでOFF設定するものであってもよく、またT12から予め定められた時間(T12からT13までの時間よりも短い時間)が経過したタイミングでOFF設定するものであってもよい。なお、予め定められた時間は、例えば、投入されたメダルがメダルセンサ53cにより検知されてからメダルセンサ53bにより検知されて検知状態がOFF設定されるまでに要する平均的な時間以上の時間を設定するものであってもよい。これにより、例えばメダルが連続投入された場合において、先に投入されたメダルがメダルセンサ53bにより検知されてその検知状態がOFF設定されたときであっても、後続のメダルがメダルセンサ53bにより検出されるまでは少なくともCセンサフラグのON設定を維持することができる。以上においては、Cセンサフラグをメダルセンサ53bの検知状態がON設定からOFF設定となることに応じてOFF設定することにより、極力早期にCセンサフラグをOFF設定してスタートスイッチ19を有効化できる例について説明した。しかし、極力早期にCセンサフラグをOFF設定してスタートスイッチ19を有効化する手法としては、これに限らず、例えばCセンサフラグのON設定を維持する所定時間(実施形態では500msec)を、メダルセンサ53cによりメダルが検知されることによりON設定されてから、当該メダルがメダルセンサ53bにより検知されてその検知状態がOFF設定されるまでに要する平均的な時間(例えば350msec)に設定するものであってもよい。
また、上記実施形態においては、メダルセンサ53cを設けてCセンサフラグを設定する例について説明したが、Cセンサフラグを設定しないものであってもよい。例えば、図12に示すT3において即座にスタートスイッチ19を有効化するものであってもよい。この場合においても、図13に示すように連続投入されたときには、T11において既に賭数を「2」に更新させるメダルがメダルセンサ53cにより検知されているため、スタートスイッチ19が有効化されず、無効化が維持される。
また、上記実施形態におけるメダルセレクタ48は、メダル投入口25に近い上流側においてメダルセンサ53cと、可動ガイド部材51aよりも下流側においてメダルセンサ53aおよび53bとを設けた例について説明した。しかし、メダルセレクタ48は、メダルセンサ53cを備えず、可動ガイド部材51aよりも下流側のメダルセンサ53aおよび53bのみを備えるものであってもよい。この場合、図12に示すようにメダルが1枚投入された場合には、図12のT3においてスタートスイッチ19を有効化させる。また、図13に示すようにメダルが連続投入された場合には、図13のT11から、賭数を「2」に更新させるメダルがメダルセンサ53aにより検知されてABセンサフラグがON設定されるまでの間は、スタートスイッチ19を有効化させ、ABセンサフラグがON設定された後においては賭数が「3」に更新されるまでスタートスイッチ19を無効化させる。これにより、スタートスイッチ19が有効化されるタイミングを、賭数が「1」に更新されたときと「3」に更新されたときとで同じにすることができ、遊技者に不信感を抱かせてしまうような不具合を未然に防止できる。
また、メダルセレクタ48が、メダルセンサ53cを備えず、メダルセンサ53aおよび53bのみを備えるようにした場合においても、メダルセンサ53aまたはメダルセンサ53bのいずれかによりメダルが検知されてから一定時間経過するまでは、スタートスイッチ19を有効化させず、一定時間経過後においてスタートスイッチ19を有効化させるようにしてもよい。なお、一定時間の計時は、メダルセンサ53aおよびメダルセンサ53bのいずれの検知に基づき開始されるものであってもよい。また、一定時間の計時開始タイミングは、メダルセンサによりメダルが検知されて検知信号がOFFからONとなったタイミングであってもよく、また、メダルが検知されて検知信号がONからOFFとなったタイミングであってもよい。
なお、メダルセンサ53cを備えずにメダルセンサ53aおよびメダルセンサ53bのみを可動ガイド部材51aよりも下流側に備えるようにした場合、例えば、メダルが連続投入されたときなどにおいて、先のメダルがメダルセンサにより検知されているときに、次のメダルがすでに可動ガイド部材51aに到達してしまうなどして、本来可動ガイド部材51aを第2位置に移動させてキャンセル口50から排出されるべきメダルをホッパー容器42側へ受入れてしまう可能性が生じる。これを防止するために、例えば、メダルセンサ53aを可動ガイド部材51aよりも上流側に配置し、メダルセンサ53bを可動ガイド部材51aよりも下流側に配置し、上流側のメダルセンサ53aの検知により可動ガイド部材51aを駆動制御するようにしてもよい。また、メダルセレクタ48は、可動ガイド部材51aよりも下流側においてメダルセンサがひとつだけ搭載されているものであってもよい。
上記実施形態では、セレクタエラーについて説明した。以下にセレクタエラーの例をより詳細に説明する。まず、セレクタエラーの第1の仕様として、「第1遊技媒体検出手段」としてのメダルセンサ53cによりメダルが検知されてから、「第2遊技媒体検出手段」としてのメダルセンサ53a,53bのいずれかによりメダルが検知されるまでに要した時間が「所定期間」を超過すると、メダル詰まりや長尺状ゴト治具による不正行為が想定される。このため、「第1遊技媒体検出手段」としてのメダルセンサ53cによりメダルが検知されてから「第2遊技媒体検出手段」としてのメダルセンサ53a,53bのいずれかによりメダルが検知されるまでに要した時間が「所定期間」を超過したか否かを判定し、超過したと判定したときにはエラー処理(例えば、遊技進行をする、エラー報知など)を実行するようにしてもよい。これにより、「最適な賭数と異なる賭数を設定してしまったときに遊技が行われてしまうことを抑止」するという目的を達成しつつ、部品点数をさほど増やすことなく、適切なエラー処理を行うことができる。
また、「第1遊技媒体検出手段」と「第2遊技媒体検出手段」との間には、正規のメダルよりも小径となる円形媒体(10円玉など)などの小さい異物が投入された場合に、小さい異物を遊技者側へ返却する返却経路(メダルセレクタ48のキャンセル口50からメダルシュート部材44を経由してメダル払出口39から返却)が形成されている。このような構成を備えた上で、セレクタエラーの第2の仕様としては、上流側の「第1遊技媒体検出手段」がメダル通路47内への長尺状のゴト冶具などの長尺状の異物をも検出可能に形成され、「第1遊技媒体検出手段」による検知状態(ON状態)が一定時間(一定時間とは例えば所定時間よりも長い時間)以上継続しているか否かを判定する。一定時間以上継続していると判定されたときには、エラー処理を実行するものであってもよい。
また、従来より、長尺状の異物を用いてメダルセンサの検知状態をOFFからON、ONからOFFに変化させる不正行為がある。このような不正行為が行われる際には、メダル通路47の幅方向よりも小さい部分を有する長尺状の異物が用いられる。一方、メダル通路47の幅方向よりも小さい長尺状の異物を検知するためには、メダル通路47の幅方向よりも小さいものを検知可能にする必要がある。例えば、第1遊技媒体検出手段の具体的な構成は、図3などで示すように、メダル通路47の幅方向のほぼ全域を横切るように突出したり退避したりする受入検知片55を有する機械式のセンサである。このため必然的に、第1遊技媒体検出手段は、返却経路を介して返却されるような小さい異物などをも検知可能となる。これにより、まず、第1遊技媒体検出手段は、メダル通路47内の小さい異物および長尺状の異物のいずれをも検知する役割を担うことができる。このような構成を備えた上で、「所定期間」を経過したか否かの判定は、「第2遊技媒体検出手段」がメダルを検知したときに行われるようにしてもよい。これにより、単に「第1遊技媒体検出手段」が検知してから「所定期間」が経過していると判定したときにエラーしてしまう構成では、小さい異物などが投入された場合に「所定期間」の経過が発生しエラーが頻発してしまう虞がある。これを防止するために、「所定期間」を経過したか否かの判定は、返却経路よりも下流の「第2遊技媒体検出手段」が検知したときに行われるものであってもよい。
また、前述したように、Cセンサフラグをメダルセンサ53bの検知状態がON設定からOFF設定となることに応じてOFF設定する場合や、CセンサフラグのON設定を維持する所定時間をメダルセンサ53cによりメダルが検知されてからメダルセンサ53bにより検知されてその検知状態がOFF設定されるまでに要する平均的な時間(例えば350msec)に設定する場合のいずれにおいても、例えば正規のメダルが正常に投入されたにもかかわらず、CセンサフラグがOFF設定であるときにメダルセンサ53bが検知されてエラー判定されてしまうような不都合の発生を防止できる。
上記実施形態において、「RBB内部当選状態」や「CBB内部当選状態」であるときに、賭数を「1」に設定して遊技を行うことが最適となる旨を報知するようにしてもよい。例えば、液晶表示器27において、「1枚賭けが得だよ!」といったメッセージを表示するようにしてもよい。また、賭数が「2」以上になっているときには、賭数設定の解除を促す旨を報知するようにしてもよい。例えば、液晶表示器27において、「精算ボタンで賭数解除だ!」といったメッセージを表示するようにしてもよい。また、これらの報知は、少なくとも「RBB」や「CBB」に当選していることが報知された後において実行可能となるようにしてもよい。
上記実施形態では、有利な状態としてボーナス遊技状態に制御可能であり、また、押し順役に当選したときに有利操作態様を報知可能なAT遊技を許容できる有利な期間に制御可能である例について説明した。しかし、有利な状態としては、これに限らず他の状態に制御可能なものであってもよく、例えば、再遊技役の当選確率が向上するRT(リプレイタイム)に制御可能なものであってもよい。また、前述した有利期間は、AT遊技にかかわる抽選を実行可能なチャンスゾーン(以下、CZという)と、AT遊技を実行するアシストタイム(以下、ATという)とを含むものであってもよい。CZは、所定のAT移行抽選条件が成立したときにAT抽選を行う期間であってもよく、また、すでに決定されているAT移行抽選の結果を報知するまでの期間(以下、前兆期間ともいう)であってもよい。
上記実施形態では、可変表示部13が3つの左可変表示列10L〜右可変表示列10Rを備える例について説明するが、これに限らず、1つの可変表示列を備える遊技機であっても、4つ以上の可変表示列を備える遊技機であってもよい。1つの可変表示列を備える遊技機における操作対応終了条件は、操作タイミングによって成立する条件となる。また、可変表示部13は、リール11L〜11Rにより構成される例を示したが、これに限らず、液晶表示器や7セグメントLEDなどの表示装置により構成されるものであってもよい。また、可変表示部13に対して入賞ラインとして1本のみ設定されている例について説明したが,これに限らず、複数の入賞ラインが設定されているものであってもよい。