以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施例であるスロットマシン1の前面扉3が閉じた状態を示した斜視図であり、図2は、そのスロットマシン1の前面扉3が開いた状態を示した斜視図である。
図1及び図2を参照して、スロットマシン1の全体構成について説明する。スロットマシン1は、図1に示すように、本体2と前面扉3とから正面視略矩形状の箱状体に構成されている。本体2は、図2に示すように、スロットマシン1の骨格をなす部材であり、回胴L,M,Rやホッパ47等を収納するために、前面側が開放した中空状の箱状体に形成されている。
なお、回胴L,M,Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。また、回胴L,M,Rをベルトやドラム、リール等として構成しても良い。更に、回胴L,M,Rは識別情報を変動表示する表示装置の一例であり、表示装置はこれ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に代えて、或いはこれに加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を変動表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
本体2の内部には、図2に示すように、各種の図柄等が表示され回転可能に構成された3本の回胴L,M,Rと、スロットマシン1の遊技を制御する制御装置40、電源スイッチ41とリセットスイッチ42と設定キー挿入孔43とを備える電源ボックス44、メダルを貯留する補助タンク45とこの補助タンク45内のメダルを払出用通路61に通じる開口62を介してメダル払出口32へ払い出す払出装置46とを備えるホッパ47等が収納されている。
前面扉3は、上述した本体2の前面側開放部分に覆設される部材であり、図2に示すように、その前面扉3の裏面側辺部に取着されたヒンジ部材10により本体2に開閉可能に連結されている。よって、前面扉3を閉じることにより本体2の前面側開放部分を閉封することができ、図1に示すように、本体2内に収納される回胴L,M,Rやホッパ47等をその本体2と共に被包することができる。一方、前面扉3を開くことにより本体2の前面側を開放することができ、ホッパ47内に貯留されたメダルの回収等を行うことができる。なお、前面扉3には、図1に示すように、施錠装置9が配設されており、かかる施錠装置9により本体2と前面扉3とを図1に示す状態で施錠することができる。
前面扉3は前面枠4によりその外形が形成されており、前面枠4は、枠部材視認部4aと枠部材操作部4bと枠部材貯留部4cとに3分割されて構成されている。前面扉3の上段部(前面枠4の枠部材視認部4a)には、図1に示すように、遊技の進行に伴って点灯し又は点滅する上部ランプ11、遊技の進行に伴って種々の効果音等を発生するスピーカ12,12、各種の内容を表示する液晶ディスプレイ(以下「LCD」と略す)13、左回胴Lと中回胴Mと右回胴Rとをそれぞれ透視可能な露出窓14L,14M,14R、メダルのベット数(賭け数)に応じて点灯する5つのベットランプ15,16,16,17,17、クレジット数表示部18、ゲーム数表示部19、払出枚数表示部20などが設けられている。
前面扉3の中段部(前面枠4の枠部材操作部4b)には、図1に示すように、メダルを貯玉するか否かを切り替えるクレジットボタン21と、左中右の各回胴L,M,Rの停止を指示する左・中・右回胴用ストップボタン22〜24と、メダルの詰まりを解消するメダル詰まり解消ボタン25と、貯玉されたメダルから1枚のメダルを賭けるための1枚ベットボタン26と、2枚のメダルを賭ける2枚ベットボタン27と、最大である3枚のメダルを賭けるマックスベットボタン28と、各回胴L,M,Rの回転を開始させるスタートレバー29と、メダル投入口30と、機種名や遊技に関わるキャラクタ等が表示された表示プレート31等とが設けられている。また、前面扉3の下段部(前面枠4の枠部材貯留部4c)には、図1に示すように、メダル払出口32から払い出されたメダルを受けて貯留するメダル受け皿33、タバコの吸い殻等を入れる灰皿34などが設けられている。
図3は、払出用通路61に配設されるメダルセレクタ70の正面図である。メダルセレクタ70は、主に、メダル投入口30から投入されたメダルが、このスロットマシン1で遊技を行うことができる適正なメダルか否かを選別するメダル選別部71と、そのメダル選別部71により選別された適正なメダルのスロットマシン1への投入を検出するメダル検出部72とにより構成されている。
図3におけるメダル選別部71の左上方には、メダル投入口30から投入されたメダルを、メダルセレクタ70内へ流入させるための流入口71aが設けられている。この流入口71aには、略L字形のメダル通路71bが連通されている。略L字形のメダル通路71bの横移動部分の一側壁は、メダルの通路に沿ってストライプ状のリブが形成されたメダルレール73で構成され、その反体側の側壁はメダルの通路の下面74aを備え中央が開放されたメダルドア74で構成されている。また、メダルレール73の反体側の上方には、ガイドプレート75がメダルの通路に沿って設けられている。
メダル通路の下流には、メダル検出部72が設けられている。メダル検出部72は、メダルの通過を検出する第1メダルセンサ76及び第2メダルセンサ77と、メダル検出部72へのメダルの流入を阻止又は許容するブロック部材78とを有している。第1及び第2メダルセンサ76,77は、それぞれ発光部と受光部とを備えたフォトカプラで構成され、発光部から発光された光を受光部で受光できない場合に物体の通過を検出するセンサである。なお、第1及び第2メダルセンサ76,77の動作については、図6を参照して後述する。
メダルレール73及びブロック部材78は、メダル通路切替ソレノイド(図5参照)66により図3の紙面方向にその位置が前後する。具体的には、メダル通路切替ソレノイド66がオンされている場合には、メダルレール73及びブロック部材78は共に図3の紙面奥方向に引っ込んでおり、図4(a)に示すように、メダルセレクタ70内へ流入したメダルのメダル検出部72への流入を許容する。メダル検出部72へ流入したメダルは、取込路72aから補助タンク45内へ取り込まれる。
一方、メダル通路切替ソレノイド66がオフされている場合には、メダルレール73及びブロック部材78は共に図3の紙面手前方向に突出する。すると、図4(b)に示すように、メダルセレクタ70内へ流入したメダルは、メダルレール73によりメダルドア74の手前側へ押し出されるか、或いは、ブロック部材78によりメダル検出部72への流入が阻止された上で、メダルレール73によりメダルドア74の手前側へ押し出される。メダルドア74の手前側へ押し出されたメダルは、排出路71cからメダル払出口32を介してメダル受け皿33へ排出される。
なお、メダル選別部71は、次のように適正でないメダルの使用を排除している。まず、規格寸法より径の大きなメダルは、そのメダルの流入が流入口71aで止まるように構成されている。よって、規格寸法より径の大きなメダルが投入された場合には、流入口71aが詰まるので、係員が施錠装置9を解除して前面扉3を開放し、その詰まったメダルを排出するまで、以降のメダルの投入ができなくなる。一方、規格寸法に満たない径のメダルは、流入口71a内へ流入し、メダルドア74の下面74a上を通過するが、その場合に、該メダルの上端はガイドプレート75に届かない。よって、メダル通路切替ソレノイド66がオンされている場合にも、該メダルは、メダルドア74の手前側へ押し出され、排出路71cからメダル払出口32を介してメダル受け皿33へ排出される。
図5は、スロットマシン1の電気的構成を示したブロック図である。スロットマシン1の主制御基板Cは、制御装置40内に配設されている。この主制御基板Cには、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU51と、そのMPU51と接続されると共に各種のI/O装置と接続された入出力ポート54とが搭載されている。MPU51には、MPU51により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM52と、そのROM52内に記憶される制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM53と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
ROM52には、制御プログラムの一部として、後述のフローチャートに示すプログラムが記憶されている。また、固定値データの一部として、第1抽選テーブル52a、第2抽選テーブル52b、第3抽選テーブル52cが記憶されている。
第1〜3抽選テーブル52a〜52cは、遊技の当たり役を記憶したテーブルであり、1の遊技におけるベット数(掛け数)に応じて、第1〜3抽選テーブル52a〜52cのいずれかが選択されて使用される。本スロットマシン1では、1の遊技のベット数(遊技を開始するために使用されるメダル数)は、1枚から3枚とされている。ベット数が1枚の場合には第1抽選テーブル52aが選択され、ベット数が2枚の場合には第2抽選テーブル52bが選択され、ベット数が3枚の場合には第3抽選テーブル52cが選択される。1の遊技におけるベット数が多いほど、当たり役の発生確率が高くなるように設定されるので、ベット数が3で第3抽選テーブル52cを選択された場合には最も高確率で当たり役が発生し、ベット数が2で第2抽選テーブル52bが選択された場合には2番目に高確率で当たり役が発生し、ベット数が1で第1抽選テーブル52aが選択された場合には最も低確率で当たり役が発生する。
RAM53には、乱数カウンタ53aと、ベットカウンタ53bと、クレジットカウンタ53cと、遊技中フラグ53dと、リプレイフラグ53eと、メダル投入監視タイマ53fと、メダル投入状態カウンタ53gと、メダル投入フラグ53hとが設けられている。また、RAM53には、スロットマシン1の電源のオフ後においても、後述する電源基板55からバックアップ電圧が供給され、スロットマシン1の電源のオフ後もデータを保持(バックアップ)できるように構成されている。
乱数カウンタ53aは、遊技結果(当たり役)を決める乱数値を更新するためのカウンタである。乱数カウンタ53aの値は、定期的に実行される乱数カウンタ更新処理(図示せず)により、「0」〜「65535」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新される。この乱数カウンタ53aの値は、遊技者によりスタートレバー29が操作されたタイミングで読み出され、その読み出された乱数値に基づいて、遊技結果が決定される。即ち、遊技結果(当たり役)は、読み出された乱数値に基づいて、ベット数に応じて選択された抽選テーブル52a〜52cを参照することにより行われる。従って、同一の乱数値であっても、ベット数に応じて選択された抽選テーブル52a〜52cによって、当たり役が生じる場合と生じない場合とがある。
なお、ソフト制御により更新される上記乱数カウンタ53aを、ハードカウンタ回路により構成しても良い。例えば、約9msで「0」〜「65535」の更新が行われるハード乱数カウンタ回路を設け、スタートレバー29が操作されたタイミングで、そのハード乱数カウンタ回路の値をラッチし(読み出し)、そのラッチした乱数値に基づいて、遊技結果を決定するようにしても良い。
ベットカウンタ53bは、1の遊技のベット数(掛け数)を記憶するカウンタである。ベットカウンタ53bの値は、メダル投入口30から投入されたメダルが、メダル検出部72の第1及び第2メダルセンサ76,77により検出されると、1ずつ加算される。また、ベットカウンタ53bの値は、スロットマシン1に貯玉されるメダルがある場合(クレジット数がある場合)に、1枚ベットボタン26が押下されると1となり、2枚ベットボタン27が押下されると2となり、更に、3枚ベットボタン28が押下されると3となる。本スロットマシン1では、1の遊技のベット数は1から3なので、ベットカウンタ53bの値は0〜3のいずれかの値をとる。即ち、ベットカウンタ53bの値は、ベット数が0の場合には0、1の場合には1、2の場合には2、3の場合には3となる。なお、ベットカウンタ53bの値は、1の遊技の終了後であって、再遊技役(リプレイ役)が不成立の場合に0クリアされる。
クレジットカウンタ53cは、スロットマシン1に貯玉されるメダルの数(クレジット数)を記憶するカウンタである。前述したベットカウンタ53bの値が最大の3である場合に、更にメダル投入口30からメダルが投入され、そのメダルがメダル検出部72の第1及び第2メダルセンサ76,77により検出されると、クレジットカウンタ53cの値は1ずつ加算される。本スロットマシン1では、メダルの最大貯玉数は50なので、クレジットカウンタ53cの値は0〜50のいずれかの値となる。また、クレジットボタン21によってメダル貯玉状態に切り替えられている場合に、メダルの払い出しがあると、そのメダルは最大合計50まで貯玉され、その貯玉された数分、クレジットカウンタ53cの値は加算される。一方、1枚〜3枚ベットボタン26〜28のいずれかが押下され、クレジットの中からベットされた場合には、そのベット数分、クレジットカウンタ53cの値は減算される。
遊技中フラグ53dは、遊技の実行中を示すフラグであり、遊技者によるスタートレバー29の操作を検出するとオンされ、1の遊技の終了後にオフされる。ここで、1の遊技の終了とは、回転を開始した回胴L,M,Rがすべて停止し且つメダルの払い出しが無いか、或いはメダルの払い出しがあってもその払い出しが終了した状態をいう。即ち、本実施形態において、遊技の実行中とは、遊技者によるスタートレバー29の操作から、回転を開始した回胴L,M,Rがすべて停止し且つメダルの払い出しが無いか、或いはメダルの払い出しがあってもその払い出しが終了するまでの間をいう。逆に、遊技の停止中とは
、すべての回胴L,M,Rが停止し且つメダルの払い出しが無いか、或いはメダルの払い出しがあってもその払い出しが終了してから、スタートレバー29が操作されるまでの間をいう。
リプレイフラグ53eは、再遊技の作動中を示すフラグであり、再遊技役が成立した場合にオンされ、遊技者によるスタートレバー29の操作を検出するとオフされる。即ち、リプレイフラグ53eがオフされると、それに代わって、遊技中フラグ53dがオンされる。
遊技中フラグ53d又はリプレイフラグ53eがオンされている場合には、新たなメダルの受付(取り込み)は禁止される。よって、遊技中フラグ53d又はリプレイフラグ53eがオンされている場合には、メダル通路切替ソレノイド66はオフされて、メダル投入口30から投入されたメダルは、図4(b)に示すように、メダルセレクタ70内へ流入した後、メダルレール73によりメダルドア74の手前側へ押し出されるか、或いは、ブロック部材78によりメダル検出部72への流入が阻止された上で、メダルレール73によりメダルドア74の手前側へ押し出され、排出路71cからメダル払出口32を介してメダル受け皿33へ排出される。
メダル投入監視タイマ53fは、遊技者によるスタートレバー29の操作後も、所定時間(本実施例では約50ms)、メダルの投入を監視するためのタイマである。
前述した通り、スタートレバー29が操作されると、遊技中フラグ53dがオンされ、メダル通路切替ソレノイド66はオフされて、その結果、メダル投入口30から投入されたメダルは、メダル検出部72へは受け入れられず、排出路71cからメダル払出口32を介してメダル受け皿33へ排出される(図4(b)参照)。しかし、遊技者がメダルを投入しながらスタートレバー29を操作した場合には、メダル通路切替ソレノイド66をオフした後に、メダル通路を流下中のメダルがメダル検出部72へ流入することがある。
さて、メダルの投入は、後述するメダル検出処理(図7)により検出される。メダル検出処理では、第1及び第2メダルセンサ76,77から図6に示す所定パターンの信号が出力されたことを検出した場合に、メダルの投入があったことを検出する。しかし、該メダル検出処理は、第1及び第2メダルセンサ76,77の出力信号の変化をタイミング良く検出する必要があるので、制御負担が大きい(メダル検出処理は、メイン処理の中で優先的に繰り返し実行され、そのメダル検出処理の合間に割込処理が許可される)。
一方、スタートレバー29の操作により遊技が開始されるが、遊技の開始にあたっては、各回胴L,M,Rが回転駆動される。各回胴L,M,Rの回転駆動は、左・中・右回胴用ステッピングモータ64L,64M,64Rを駆動制御することにより行われるが、かかる駆動制御は、決まったタイミングで実行しなければ回胴L,M,Rが正常に回転できないので、制御負担が大きい。
このため、遊技中の制御負担を軽減するために、メダル検出処理は、スタートレバー29が操作された後は、遊技が終了するまで実行されないようにされている。本来、その期間はメダルがメダル検出部72へ流入し、取込路72aから補助タンク45内へ取り込まれることはないからである。しかし、上述したように、遊技者がメダルを投入しながらスタートレバー29を操作した場合には、メダル通路切替ソレノイド66をオフした後に、メダル通路を流下中のメダルがメダル検出部72へ流入することがあり、かかる場合に、メダル検出処理を中止していると、メダルは検出されずに、図4(a)に示すように、取込路72aから補助タンク45内へ取り込まれる。かかるメダルは、ベットカウンタ53bの値も、クレジットカウンタ53cの値も更新するものではなく、遊技者の損失となる。
そこで、本実施例では、メダル投入監視タイマ53fを設け、遊技者によるスタートレバー29の操作後も、そのタイマに設定された所定時間の間、メダル検出処理の実行を継続して、メダルの投入を監視し続けるようにしている。メダル投入監視タイマ53fには、スタートレバー29の操作タイミングで初期値(時間にして約50msの値)が設定され、タイマ割込処理により、その値は1ずつ減算される。メダル投入監視タイマ53fの値が0になるまでの間、メダル検出処理の実行を継続して、メダルの投入を監視する。メダル投入監視タイマ53fの値が0となると、その時のベットカウンタ53bの値に基づいて、既にスタートレバー29の操作タイミングで読み出された乱数カウンタ53aの値に基づいて、遊技結果(当たり役)が決定され、その上で、遊技が開始される(各回胴L,M,Rの回転駆動が開始される)。
メダル投入状態カウンタ53gは、第1及び第2メダルセンサ76,77により検出される出力信号の状態を示すカウンタであり、また、メダル投入フラグ53hは、第1及び第2メダルセンサ76,77からの出力信号パターンにより、メダルの投入が検出された場合にオンされるフラグである。ここで、メダル投入状態カウンタ53g及びメダル投入フラグ53hについて、図6を参照しつつ説明する。
図6は、メダル検出部72をメダルが通過した場合に、第1及び第2メダルセンサ76,77から出力される信号波形と、その信号波形に応じて更新されるメダル投入状態カウンタ53gの値及びメダル投入フラグ53hがオンされるタイミングを示した図である。図4(a)に示すように、メダルがメダル検出部72を通過する場合には、第1及び第2メダルセンサ76,77の出力がいずれもオフの状態から、まず、第1メダルセンサ76からオン信号が出力され、次いで、そのオン信号の出力中に、第2メダルセンサ77からオン信号が出力される。その後、第2メダルセンサ77からオン信号の出力中に、第1メダルセンサ76の出力がオフとなり、最後に、第1メダルセンサ76の出力と同様に、第2メダルセンサ77の出力がオフとなって、1枚のメダルの検出が完了する。
メダル投入状態カウンタ53gは、かかる第1及び第2メダルセンサ76,77の出力信号の状態を示すカウンタであり、両メダルセンサ76,77が共にオフ信号を出力している場合は0、第1メダルセンサ76がオン信号を、第2メダルセンサ77がオフ信号を出力している場合は1、両メダルセンサ76,77が共にオン信号を出力している場合は2、第1メダルセンサ76がオフ信号を、第2メダルセンサ77がオン信号を出力している場合は3の各値をとるようにされている。よって、メダル投入状態カウンタ53gの値が0→1→2→3→0と更新されることにより、1枚のメダルの投入が検出される。このメダルの投入が検出されるタイミングで、メダル投入フラグ53hがオンされる。なお、投入フラグ53hは、ベットカウンタ53b又はクレジットカウンタ53cの値の更新時にオフされる。
図5に戻って説明する。入出力ポート54は、前述した通りROM52及びRAM53を内蔵したMPU51と接続されると共に、各種のI/O装置と接続されている。具体的に入出力ポート54は、遊技状態をリセットするためのリセットスイッチ42と、設定キー挿入孔43内に設けられ設定キーの操作により遊技の当選確率を6段階に切り替えるための設定キースイッチ48と、1枚・2枚・マックスベットボタン26〜28と、クレジットボタン21と、スタートレバー29と、左・中・右回胴用ストップボタン22〜24と、払い出されたメダルを検出するための払出センサ49と、回胴L,M,Rの原点位置(回転原点)をそれぞれ検出するための左・中・右回胴用原点センサ63L,63M,63Rと、左・中・右の各回胴L,M,Rをそれぞれ回転させるための左・中・右回胴用ステッピングモータ64L,64M,64Rと、1枚〜3枚ベットランプ15〜17と、クレジット枚数表示部18と、ゲーム数表示部19と、払出枚数表示部20と、第1メダルセンサ76と、第2メダルセンサ77と、ホッパ駆動モータ65と、メダル通路切替ソレノイド66と、主制御基板Cから送信されるコマンドを受信して、スピーカ12から効果音などの出力制御を行うと共に表示用制御基板Dを制御してLCD13上に演出表示などを行わせるサブ制御基板Sと、更には、電源基板55に設けられた停電監視回路57とにそれぞれ接続されている。
サブ制御基板Sには、上部ランプ11と、スピーカ12と、サブ制御基板Sから送信されるコマンドを受信してLCD13上に演出表示などを行う表示用制御基板Dとがそれぞれ接続されている。なお、サブ制御基板Sと表示用制御基板Dとは、データ等の送受信が双方向に可能に構成されている。
電源基板55は、前述した電源ボックス44内に設けられており、主制御基板Cをはじめ、スロットマシン1の各電子機器に駆動電力を供給する電源部56と、電源断の発生を監視する停電監視回路57とを備えている。スロットマシン1の電源のオフ後には、電源基板55の電源部56からRAM53へバックアップ電圧が供給される。
停電監視回路57は、停電等の発生による電源断時(電源スイッチ41のオフによる電源断を含む)に、主制御基板CのNMI端子および入出力ポート54へ停電信号58を出力するための回路である。この停電監視回路57は、電源基板55から出力される最も大きい電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号58を出力するように構成されている。この停電信号58の出力によって、主制御基板Cは、停電の発生を認識すると、図示しない停電時処理を実行する。なお、電源基板55は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御基板Cは、停電時処理を正常に実行することができる。また、停電監視回路57を、電源基板55ではなく、例えば主制御基板Cに設けるようにしても良い。
次に、図7から図11に示すフローチャートを参照して、主制御基板Cで行われる各処理について説明する。図7は、メダル検出処理のフローチャートである。メダル検出処理は、遊技者によるメダルの投入を検出するための処理であり、遊技中フラグ53dがオフ、又は、メダル投入監視タイマ53fの値が0でない場合に、メイン処理の中で優先的に繰り返し実行される。即ち、1の遊技が終了して遊技中フラグ53dがオフされてから、ベット数が1以上ある状態でスタートレバー29が操作されて遊技中フラグ53dがオンされるまでの間、又は、遊技中フラグ53dがオンされて遊技が開始されていても、遊技中フラグ53dがオンするタイミングで初期値が設定されるメダル投入監視タイマ53fの値が0になるまでの間、メダル検出処理はメイン処理の中で短い間隔で繰り返し実行される。
なお、遊技中フラグ53dがオン且つメダル投入監視タイマ53fの値が0である場合にも、第1及び第2メダルセンサ76,77の出力信号は定期的に(数十ミリ秒間隔で)検出される。しかし、かかる検出は、図6に示すメダルセンサ76,77の出力信号の波形パターンを検出するものではなく、単に、第1及び第2メダルセンサ76,77の出力信号のオン又はオフを検出するものであり、2〜4ミリ秒間隔で実行される検出処理である。即ち、該検出処理は、遊技者等により不正行為が行われているか否かを検出するためのものなので、メダル投入を検出するためのメダル検出処理とは、その処理内容も、検出後の処理も根本的に異なっている。
メダル検出処理では、まず、メダル投入状態カウンタ53gの値を調べる(S11)。メダル投入状態カウンタ53gの値が0であれば(S11:0)、第1及び第2メダルセンサ76,77の出力信号は、前回の検出時には共にオフであった。よって、かかる場合は、第1メダルセンサ76の出力がオン、且つ第2メダルセンサ77の出力がオフとなったか否かを確認し(S12)、該信号が出力されていれば(S12:Yes)、メダル投入状態カウンタ53gの値を1とするべく、該カウンタ53gの値を1加算して(S13)、今回のメダル検出処理を終了する。
一方、S12における検出の結果、第1メダルセンサ76の出力がオン、且つ第2メダルセンサ77の出力がオフでなければ(S12:No)、第1及び第2メダルセンサ76,77の出力信号は、前回の検出時と同様であったか否かを確認し(S19)、前回の検出時と同様であれば(S19:Yes)、メダル投入状態カウンタ53gの値を更新することなく、今回のメダル検出処理を終了する。なお、S19の処理において、第1及び第2メダルセンサ76,77の出力信号が前回の検出時のものと異なっていれば(S19:No)、何らかのエラーが発生したものとしてエラー処理を実行する(S20)。エラー処理の実行により、メダル投入状態カウンタ53gの値は0クリアされる。
S11の処理の結果、メダル投入状態カウンタ53gの値が1であれば(S11:1)、前回の検出時には、第1メダルセンサ76の出力がオン、且つ第2メダルセンサ77の出力がオフであった。よって、かかる場合は、第1及び第2メダルセンサ76,77の出力が共にオンとなったか否かを確認し(S14)、該信号が出力されていれば(S14:Yes)、メダル投入状態カウンタ53gの値を2とするべく、該カウンタ53gの値を1加算して(S13)、今回のメダル検出処理を終了する。
一方、S14における検出の結果、第1及び第2メダルセンサ76,77の出力信号が共にオンでなければ(S14:No)、第1及び第2メダルセンサ76,77の出力信号は前回の検出時と同様であったか否かを確認し(S19)、前回の検出時と同様であれば(S19:Yes)、メダル投入状態カウンタ53gの値を更新することなく、今回のメダル検出処理を終了する。なお、S19の処理において、第1及び第2メダルセンサ76,77の出力信号が前回の検出時のものと異なっていれば(S19:No)、何らかのエラーが発生したものとしてエラー処理を実行する(S20)。エラー処理の実行により、メダル投入状態カウンタ53gの値は0クリアされる。
S11の処理の結果、メダル投入状態カウンタ53gの値が2であれば(S11:2)、第1及び第2メダルセンサ76,77の出力信号は、前回の検出時には共にオンであった。よって、かかる場合は、第1メダルセンサ76の出力がオフ、且つ第2メダルセンサ77の出力がオンとなったか否かを確認し(S15)、該信号が出力されていれば(S15:Yes)、メダル投入状態カウンタ53gの値を3とするべく、該カウンタ53gの値を1加算して(S13)、今回のメダル検出処理を終了する。
一方、S15における検出の結果、第1メダルセンサ76の出力がオフ、且つ第2メダルセンサ77の出力がオンでなければ(S15:No)、第1及び第2メダルセンサ76,77の出力信号は前回の検出時と同様であったか否かを確認し(S19)、前回の検出時と同様であれば(S19:Yes)、メダル投入状態カウンタ53gの値を更新することなく、今回のメダル検出処理を終了する。なお、S19の処理において、第1及び第2メダルセンサ76,77の出力信号が前回の検出時のものと異なっていれば(S19:No)、何らかのエラーが発生したものとしてエラー処理を実行する(S20)。エラー処理の実行により、メダル投入状態カウンタ53gの値は0クリアされる。
S11の処理の結果、メダル投入状態カウンタ53gの値が3であれば(S11:3)、前回の検出時には、第1メダルセンサ76の出力がオフ、且つ第2メダルセンサ77の出力がオンであった。よって、かかる場合は、第1及び第2メダルセンサ76,77の出力が共にオフとなったか否かを確認し(S16)、該信号が出力されていれば(S16:Yes)、メダル投入時の一連の波形パターンが確認されたので、メダル投入状態カウンタ53gの値を0クリアし(S17)、メダル投入フラグ53hをオンして(S18)、今回のメダル検出処理を終了する。メダル投入フラグ53hのオンにより、メダル投入の検出が確定する。
一方、S16における検出の結果、第1及び第2メダルセンサ76,77の出力信号が共にオフでなければ(S16:No)、第1及び第2メダルセンサ76,77の出力信号は前回の検出時と同様であったか否かを確認し(S19)、前回の検出時と同様であれば(S19:Yes)、メダル投入状態カウンタ53gの値を更新することなく、今回のメダル検出処理を終了する。なお、S19の処理において、第1及び第2メダルセンサ76,77の出力信号が前回の検出時のものと異なっていれば(S19:No)、何らかのエラーが発生したものとしてエラー処理を実行する(S20)。エラー処理の実行により、メダル投入状態カウンタ53gの値は0クリアされる。
図8は、メダル受付処理のフローチャートである。メダル受付処理は、主制御基板Cに搭載されるMPU51により定期的に実行される。メダル受付処理では、まず、ベットカウンタ53bの値が3以上且つクレジットカウンタ53cの値が50以上であるか否かを確認する(S21)。そうであれば(S21:Yes)、これ以上のメダルを受け付けることはできないので、メダル通路切替ソレノイド66をオフして(S27)、メダルのメダル検出部72への流入を防止し、このメダル受付処理を終了する。
ベットカウンタ53bの値が3以上でないか又はクレジットカウンタ53cの値が50以上でなければ(S21:No)、遊技中フラグ53d及びリプレイフラグ53eの状態を確認する(S22,S23)。いずれかのフラグ53d,53eがオンされていれば(S22:YesまたはS23:Yes)、メダルの投入を受け付けることができないので、かかる場合にも、メダル通路切替ソレノイド66をオフして(S27)、メダルのメダル検出部72への流入を防止し、このメダル受付処理を終了する。更に、その他のメダル受付可能状態か否かを確認し(S24)、メダルの受付が不能であれば(S24:No)、メダル通路切替ソレノイド66をオフして(S27)、メダルのメダル検出部72への流入を防止し、このメダル受付処理を終了する。なお、S21〜S23以外のメダルの受付不能な状態としては、メダルの払い出し中、打ち止めエラーの発生中、設定キースイッチ48による遊技の当選確率の6段階の切り替え中がある。
S21〜S24の処理により、メダルの受付可能な状態であると判断されれば(S24:Yes)、投入されたメダルがメダル検出部72へ流入できるように、メダル通路切替ソレノイド66をオンして(S25)、ベット・クレジット更新処理(S26)を実行し、その後、このメダル受付処理を終了する。
図9は、ベット・クレジット更新処理(S26,S47)のフローチャートである。ベット・クレジット更新処理は、メダルの投入があったことを示すメダル投入フラグ53hがオンされている場合に、ベットカウンタ53b又はクレジットカウンタ53cの値を更新するための処理である。
まず、メダル投入フラグ53hがオンされているか否かを確認し(S31)、オンされていれば(S31:Yes)、該フラグ53hをオフし(S32)、ベットカウンタ53bの値が3以上であるか否かを確認する(S33)。ベットカウンタ53bの値が3未満であれば(S33:No)、ベットカウンタ53bの値を1加算し(S34)、加算後のベットカウンタ53bの値に応じてベットランプ15〜17の表示を更新して(S35)、このベット・クレジット更新処理を終了する。
一方、S33の処理において、ベットカウンタ53bの値が3以上であれば(S33:Yes)、既に最大のベット数であるので、かかる場合にはクレジットカウンタ53cの値が50以上であるか否かを確認する(S36)。クレジットカウンタ53cの値が50未満であれば(S36:No)、クレジットカウンタ53cの値を1加算し(S37)、加算後のクレジットカウンタ53cの値に応じてクレジット枚数表示部18の表示を更新して(S38)、このベット・クレジット更新処理を終了する。
なお、S31の処理において、メダル投入フラグ53hがオンされていなければ(S31:No)、メダルの投入は無いので、ベットカウンタ53b又はクレジットカウンタ53cのいずれの値も更新することなく、この処理を終了する。また、ベットカウンタ53bの値が3以上で且つクレジットカウンタ53cの値が50以上であれば(S33:Yes,S36:Yes)、例えメダルの投入が検出されていても、かかる場合には、ベットカウンタ53b又はクレジットカウンタ53cの各値をこれ以上大きくすることはできないので、両カウンタ53b,53cのいずれの値も更新することなく、この処理を終了する。即ち、S36の処理でYesに分岐する場合には、遊技者は投入したメダルを1枚損失する。
図10は、遊技始動処理のフローチャートである。遊技始動処理は、1の遊技を開始するための処理であり、主制御基板Cに搭載されるMPU51により定期的に実行される。遊技始動処理では、まず、遊技中フラグ53dがオンされているか否かを確認する(S41)。遊技中フラグ53dがオンされていれば(S41:Yes)、現在は1の遊技の実行中であるので、かかる場合には、そのままこの処理を終了する。
遊技中フラグ53dがオフされていれば(S41:No)、遊技中ではない。よって、かかる場合には、リプレイフラグ53eがオンされているか否かを確認する(S42)。リプレイフラグ53eがオンされていれば(S42:Yes)、再遊技の作動中であるので、S44の処理へ移行してスタートレバー29の操作を待機する(S44:No)。一方、リプレイフラグ53eがオフであれば(S42:No)、ベットカウンタ53bの値を確認し(S43)、その値が1以上であれば(S43:Yes)、遊技の始動条件は成立しているので、かかる場合にはスタートレバー29の操作を待機する(S44:No)。なお、リプレイフラグ53eがオフで(S42:No)、ベットカウンタ53bの値が0であれば(S43:No)、遊技の始動条件は未成立なので、かかる場合には、そのままこの処理を終了する。
スタートレバー29が操作されると(S44:Yes)、遊技中フラグ53dをオンして、リプレイフラグ53eをオフする。また、メダル通路切替ソレノイド66をオフして、メダル投入口30から投入されたメダルのメダル検出部72への流入を防止する。更に、メダル投入監視タイマ53fに初期値(時間にして約50msの値)を設定する(S45)。メダル投入監視タイマ53fへの初期値の設定により、その設定された時間の間、メダル検出処理(図7)が継続して実行される。これにより、メダル通路切替ソレノイド66のオフ後の所定時間の間(本実施例では約50ms)、投入されたメダルの検出が継続されるので、メダルのメダル検出部72への流入防止後に、メダル検出部72を通過して取込路72aから補助タンク45内へ取り込まれるメダルがあっても、そのメダルを確実に検出することができ、遊技者に損失を与えることがない。
次に、この遊技の当たり役を決定する乱数カウンタ53aの値を読み出し(S46)、ベット・クレジット更新処理(図9)を実行する(S47)。ベット・クレジット更新処理(図9)は、メダル投入監視タイマ53fの値が0になるまで(S48:No)、繰り返し実行される。よって、スタートレバー29の操作後に検出されたメダルを、ベット数またはクレジット数として反映させることができる。即ち、スタートレバー29の操作後に検出されたメダルの数分、ベットカウンタ53b又はクレジットカウンタ53cの値は増加する。
メダル投入監視タイマ53fの値が0になれば(S48:Yes)、ベットカウンタ53bの値に基づいて、即ち掛け数(ベット数)に基づいて、第1〜第3抽選テーブル52a〜52cのいずれかを選択する(S49)。具体的には、ベットカウンタ53bの値が1であれば第1抽選テーブル52aが、2であれば第2抽選テーブル52bが、3であれば第3抽選テーブル52cが、それぞれ選択される。前述した通り、1の遊技におけるベット数が多いほど、当たり役の発生確率が高くなるように設定されているが、抽選テーブル52a〜52cを選択する際のベットカウンタ53bの値は、メダル投入監視タイマ53fへ設定された時間の間、メダル検出処理(図7)を継続して検出されたメダルの数も含まれるので、当たり役の発生確率がより高くなるように抽選テーブル52a〜52cの選択を行うことができる。
S49の処理で選択された抽選テーブル52a〜52cと、S46の処理で読み出された乱数カウンタ53aの値、即ち乱数値とに基づいて、その遊技での当たり役を決定する(S50)。なお、抽選の結果、当たり役が成立しない場合もあるが、それらを含めて当たり役の決定という。当たり役の決定後は、各回胴用ステッピングモータ64L,64M,64Rを始動して(S51)、各回胴L,M,Rを始動し、遊技を開始する。なお、各回胴L,M,Rの始動時には、S50の処理により、既にその遊技での当たり役が決定されているので、S51の処理では、その当たり役に応じた態様で、各回胴L,M,Rを始動することができる。
図11は、メダル投入監視タイマ減算処理のフローチャートである。メダル投入監視タイマ減算処理は、1.49ms毎にMPU51のインターバル割込処理により定期的に実行される。この処理では、まず、メダル投入監視タイマ53fの値が0であるか否かを確認し(S61)、0であれば(S61:Yes)、そのまま、一方、0でなければ(S61:No)、メダル投入監視タイマ53fの値を1減算して(S62)、本処理を終了する。これにより、メダル投入監視タイマ53fへ初期値を設定した後、その初期値に1.49msを乗じた時間の経過後に、メダル投入監視タイマ53fの値は0となる。
以上説明したように、本実施例のスロットマシン1によれば、スタートレバー29の操作により1の遊技が始動されて、メダル通路切替ソレノイド66がオフされ、メダルの通路が取込路72aから排出路71cへ切り替えられた後も、メダル投入監視タイマ53fへ設定された初期値が示す所定時間(本実施例では約50ms)、第1及び第2メダルセンサ76,77の出力信号は、メダル検出処理(図7)により継続して検出される。よって、メダルを投入しつつ、遊技が始動された場合にも、投入されたメダルを確実に検出して、遊技者に損失を与えることがない。
次に、図12を参照して第2実施例を説明する。第2実施例は、前述した第1実施例の遊技始動処理のS45の処理が、S71〜S74の処理に変更されたものである。具体的には、スタートレバー29の操作時のベットカウンタ53bの値に応じて、メダル投入監視タイマ53fへ設定される初期値が異なるようにされている。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
スタートレバー29が操作されると(S44:Yes)、遊技中フラグ53dをオンして、リプレイフラグ53eをオフする。また、メダル通路切替ソレノイド66をオフして、メダル投入口30から投入されたメダルのメダル検出部72への流入を防止する(S71)。ベットカウンタ53bの値が最大値の3であるか否かを確認し(S72)、最大値の3であれば(S72:Yes)、メダル投入監視タイマ53fへ第1初期値(時間にして約25msの値)を設定し(S73)、3未満であれば(S72:No)、メダル投入監視タイマ53fへ第2初期値(時間にして約50msの値)を設定する(S74)。
このように第2実施例のスロットマシン1によれば、メダルの検出数が1の遊技におけるメダルの最大ベット数(掛け数)である3に達していない場合には、達している場合に比べて、メダルの検出を継続する所定時間が長くされる(第2所定時間>第1所定時間)。第2実施例のスロットマシン1は、第1実施例と同様に、1の遊技におけるベット数が多いほど、当たり役の発生確率が高くなるように設定されているので、メダル検出数が最大ベット数に達していない場合に、メダルの検出継続時間を長くすることにより、抽選確率をより遊技者に有利なものとした上で遊技を開始することができる。一方、メダルの検出数が最大ベット数に達している場合には、メダルの検出継続時間は短くされるので、遊技をその分、早く始動することができる。なお、ベットカウンタ53bの値が最大値の3である場合にメダル投入監視タイマ53fへ設定される第1初期値を0としても良い。
次に、図13を参照して第3実施例を説明する。第3実施例は、前述した第1実施例の遊技始動処理のS45の処理が、S81〜S83の処理に変更されたものである。具体的には、スタートレバー29の操作時に、ベット数またはクレジット数(貯玉数)のいずれかが最大値に満たない場合に限り、メダル投入監視タイマ53fへ初期値を設定して、投入されたメダルの検出を所定時間継続するようにしている。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
スタートレバー29が操作されると(S44:Yes)、遊技中フラグ53dをオンして、リプレイフラグ53eをオフする。また、メダル通路切替ソレノイド66をオフして、メダル投入口30から投入されたメダルのメダル検出部72への流入を防止する(S81)。ベットカウンタ53bの値が最大値の3で且つクレジットカウンタ53cの値が最大値である50であるか否かを確認し(S82)、そうであれば(S82:Yes)、S83の処理をスキップして、メダル投入監視タイマ53fへ初期値を設定することなく、処理をS46へ移行する。これにより、メダル検出処理(図7)は、今回の遊技が終了して遊技中フラグ53dがオフされるまで、その実行が停止される。一方、ベットカウンタ53bの値が3未満であるか又はクレジットカウンタ53cの値が50未満であれば(S82:No)、投入されたメダルをベット又はクレジットすることができるので、メダル検出処理(図7)の実行を所定時間継続するべく、メダル投入監視タイマ53fへ初期値(時間にして約50msの値)を設定する(S83)。
このように第3実施例のスロットマシン1によれば、ベット数およびクレジット数(貯玉数)のいずれも最大値に達していれば、それ以上、ベットカウンタ53b又はクレジットカウンタ53cの値を増加することはできないので、かかる場合には、スタートレバー29の操作後、メダルの検出を継続することなく、遊技を開始し、遊技をその分、早く始動することができる。
次に、図14を参照して第4実施例を説明する。第4実施例は、前述した第1実施例のベット・クレジット更新処理(S26,S47)の変形例であり、この第4実施例を、前述した第1から第3実施例と組み合わせても良い。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
メダル投入フラグ53hがオンされており(S31:Yes)、ベットカウンタ53bの値が3以上で且つクレジットカウンタ53cの値が50以上であれば(S33:Yes,S36:Yes)、かかる場合には、ベットカウンタ53b又はクレジットカウンタ53cの各値をこれ以上大きくすることはできないので、メダルをメダル受け皿33へ1枚払い出し(S91)、この処理を終了する。このように第4実施例によれば、ベット数およびクレジット数(貯玉数)のいずれも最大値に達していて、それ以上、ベットカウンタ53b又はクレジットカウンタ53cの各値を増加できない場合に、新たなメダルの投入が検出されれば、メダルをメダル受け皿33へ1枚払い出すことにより、遊技者の損失を無くすことができる。
なお、S47のベット・クレジット更新処理として(S26の処理ではない)、図9及び図14のS33〜S35の処理を削除したものを使用しても良い。かかる場合には、メダル投入監視タイマ53fの値が0となるまでにメダルが検出されると(S31:Yes)、ベットカウンタ53bの値はそのままで、クレジットカウンタ53cの値が上限値である50の範囲内で1加算される。即ち、ベット数は変化せずに、クレジット数がアップする。
以上説明した第1から第4実施例において、請求項1記載の検出手段としては、第1及び第2メダルセンサ76,77と共にメダル検出処理(図7)が該当し、始動手段としては遊技始動処理(図10,図12,図13)が該当し、検出継続手段としてはS47及びS48(図10,図12,図13)の処理がそれぞれ該当する。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に本発明の遊技機およびその変形例を示す。遊技媒体を投入するための投入口と、その投入口から投入された遊技媒体を外部へ排出する排出路と、前記投入口から投入された遊技媒体を内部へ取り込む取込路と、遊技の停止中に、その取込路を通過する遊技媒体を検出する検出手段と、遊技を始動するために遊技者により操作される操作手段と、前記検出手段により1以上の遊技媒体が検出されている状態または所定数の遊技媒体が検出されている状態で、前記操作手段が操作されると遊技を始動する始動手段と、遊技の停止中には前記投入口から投入された遊技媒体を所定条件下で前記取込路へ通し、前記始動手段により遊技が始動された場合には、前記投入口から投入された遊技媒体を前記排出路へ通すように、その通路を切り替える切替手段とを備えた遊技機において、前記始動手段により遊技が始動されて前記切替手段により遊技媒体の通路が前記取込路から排出路へ切り替えられた後、前記検出手段による遊技媒体の検出を所定時間継続する検出継続手段を備えていることを特徴とする遊技機1。
遊技機1において、所定の範囲内で乱数値を生成する乱数生成手段と、その乱数生成手段により生成された乱数値を前記操作手段の操作に応じて取得する取得手段と、その取得手段により取得された乱数値に基づいて遊技結果を抽選する抽選手段と、その抽選手段が抽選する抽選確率を、1の遊技に使用される前記検出手段による遊技媒体の検出数に基づいて設定する抽選確率設定手段と、その抽選確率設定手段及び抽選手段を、前記検出継続手段により前記検出手段による遊技媒体の検出が所定時間継続された後に実行させる実行遅延手段とを備えていることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、1の遊技に使用される遊技媒体の投入数に応じて抽選確率は設定される。かかる状況下、抽選結果を決定する乱数値は、遊技者による操作手段の操作に応じて取得されるものの、その乱数値に基づく抽選確率の設定及び抽選は、検出継続手段により検出手段による遊技媒体の検出が所定時間継続された後に行われる。よって、抽選結果を決定する乱数値の取得はあくまで遊技者の操作に応じて行いつつ、その抽選確率の設定及び抽選のタイミングを遅延させることにより、遊技者が投入した遊技媒体を確実に検出し、その遊技媒体の投入数に応じた適切な抽選を行うことができる。
遊技機2において、前記抽選確率設定手段は、前記抽選手段が抽選する遊技者に有利な結果となる抽選確率を、1の遊技に使用される前記検出手段による遊技媒体の検出数が多いほど高く設定するものであることを特徴とする遊技機3。遊技機3によれば、1の遊技に使用される遊技媒体の投入数が多いほど、遊技者に有利な結果となる抽選確率は高く設定されるので、抽選確率の設定及び抽選のタイミングを検出継続手段による所定時間分、遅延させることにより、遊技者が投入した遊技媒体を確実に検出して、遊技媒体の投入数に応じた適切で且つ遊技者に有利な抽選を行うことができる。
遊技機3において、前記検出継続手段は、前記検出手段による遊技媒体の検出を継続する所定時間を、前記検出手段による遊技媒体の検出数が1の遊技に使用される遊技媒体の最大投入数に達していない場合には、その検出数が1の遊技に使用される遊技媒体の最大投入数に達している場合に比べて長くするものであることを特徴とする遊技機4。遊技機4によれば、遊技媒体の検出数が1の遊技に使用される遊技媒体の最大投入数に達していない場合には、達している場合に比べて、遊技媒体の検出を継続する所定時間が長くされる。1の遊技に使用される遊技媒体の投入数(検出数)が多いほど、遊技者に有利な結果となる抽選確率は高く設定されるので、検出数が最大投入数に達していない場合に遊技媒体の検出継続時間を長くすることにより、抽選確率をより遊技者に有利なものとした上で遊技を開始することができる。一方、遊技媒体の検出数が最大投入数に達している場合には、遊技媒体の検出継続時間は短くされるので、遊技をその分、早く始動することができる。
遊技機3において、前記検出継続手段は、前記検出手段による遊技媒体の検出を継続する所定時間を、前記検出手段による遊技媒体の検出数が1の遊技に使用される遊技媒体の最大投入数に達している場合には、0時間にするものであることを特徴とする遊技機5。遊技媒体の検出数が最大投入数に達している場合には、遊技媒体の検出継続時間は0時間にされるので、その分、遊技を早く始動することができる。
遊技機3において、前記検出継続手段は、前記検出手段による遊技媒体の検出を継続する所定時間を、遊技媒体の遊技機への貯玉数(クレジット数)が最大数に達している場合であって且つ前記検出手段による遊技媒体の検出数が1の遊技に使用される遊技媒体の最大投入数に達している場合には、0時間にするものであることを特徴とする遊技機6。遊技媒体の遊技機への貯玉数が最大で且つ遊技媒体の検出数が最大投入数に達している場合には、遊技媒体をそれ以上検出しても、これを貯玉等することができない。よって、かかる場合には遊技媒体の検出継続時間は0時間にされるので、その分、遊技を早く始動することができる。
遊技機3において、遊技媒体の遊技機への貯玉数(クレジット数)が最大数に達している場合であって且つ前記検出手段による遊技媒体の検出数が1の遊技に使用される遊技媒体の最大投入数に達している場合に、前記検出手段により遊技媒体が検出された場合には、遊技者へ遊技媒体を返却する返却手段を備えていることを特徴とする遊技機7。かかる場合には、遊技媒体は遊技者へ返却されるので、遊技者の損失を無くすことができる。
遊技機2から7のいずれかにおいて、複数の識別情報が表示され回転可能に構成された環状回転体と、その環状回転体を回転駆動する駆動手段と、その駆動手段による前記環状回転体の回転駆動を、前記抽選手段による抽選後に開始する駆動開始手段とを備えていることを特徴とする遊技機8。遊技機8によれば、駆動手段による環状回転体の回転駆動は、抽選手段による抽選後に開始されるので、抽選結果を踏まえた上で(抽選結果に応じて)、環状回転体の動き出しを変化させることができる。よって、かかる環状回転体の動き出し時の変化により、遊技者に対して遊技結果を示唆することができる。
遊技機1または8のいずれかにおいて、前記検出手段は、前記取込路中に配設された少なくとも2つのセンサを備え、その2つのセンサの出力信号が所定パターンとなった場合に遊技媒体の投入を検出するものであり、複数の識別情報が表示され回転可能に構成された環状回転体と、その環状回転体を回転駆動する駆動手段と、その駆動手段による前記環状回転体の回転駆動を、前記検出継続手段により前記検出手段による遊技媒体の検出が所定時間継続された後であって前記検出手段による遊技媒体の検出が終了した後に開始する駆動開始手段とを備えていることを特徴とする遊技機9。遊技機9によれば、駆動手段による環状回転体の回転駆動は、遊技媒体の検出終了後に開始される。検出手段による検出処理は、2つのセンサの出力信号が所定パターンとなったか否かを検出するものであり、駆動手段は、環状回転体の駆動処理を行うものであるので、いずれも制御負担が大きい処理である。しかし、遊技媒体の検出処理の終了後に環状回転体の駆動処理が行われるので、これらの処理は同時に実行されない。よって、制御負担の大きい2つの処理を有していても、遊技機を正常に動作させることができる。
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機10。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機11。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機12。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。