JP7445168B1 - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】メイン処理のループ処理を複数回実行することによりプログラムの安定を図る。【解決手段】メイン処理(ステップS1060)と割込み処理(ステップS1200)とを備える。メイン処理は、遊技待機状態(ベットなし)においてループ処理(ステップS1061~S1064)を実行する。ループ処理は、遊技待機状態において少なくともメダルの投入を判断する処理(ステップS1063)を含めて複数回実行される。1回のループ処理の平均処理時間を「M11」とし、1回のループ処理において割込み処理を禁止して処理を行う平均処理時間を「M12」とし、1回のループ処理において遊技の進行に関係しない処理の平均処理時間を「M14」とし、割込み処理の割込み時間間隔を「T」とし、割込み処理の平均処理時間を「I1」としたとき、「(T-I1-M12-M14)>(M11×2)」を満たす。【選択図】図194

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
従来より、遊技機の1つとして、スロットマシンが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2015-016110号公報
本発明が解決しようとする課題は、遊技機としての性能を向上させることである。
本発明は、以下の解決手段によって上述の課題を解決する(かっこ書きで、対応する実施形態の構成を示す。)。
本発明(第12実施形態)は、
遊技を開始可能な状態であるときに点灯可能な遊技開始表示ランプ(遊技開始表示LED79d(図57(A))を備え、
遊技開始表示ランプは、スタートスイッチの操作が実行されたタイミング(図201(a)中、ステップS1162で「Yes」)では消灯せず、
割込み処理におけるスタートスイッチの入力信号を取得する処理(図201(b)中、ステップS1304)を、割込み禁止命令を使用していない状態で実行可能とし、
取得したスタートスイッチの入力信号に基づきスタートスイッチが操作されたか否かを判断する処理(図201(a)中、ステップS1162)を、割込み許可状態で実行可能とし、
スタートスイッチが操作されたと判断した後、リールを回転させるための準備処理(図201(a)中、ステップS1165)を実行する前に、遊技開始表示ランプの消灯準備処理(図201(a)中、ステップS1163)を実行可能とし、
スタートスイッチが操作され、遊技開始表示ランプの消灯準備処理を実行した後の割込み処理における遊技開始表示ランプの消灯処理を、割込み禁止命令を使用していない状態で実行可能とし(図201(b)中、ステップS1305)、
遊技開始表示ランプが点灯している状況において、遊技開始表示ランプは、精算スイッチの操作が実行されたタイミング(図202(a)中、ステップS1167で「Yes」)では消灯せず、
割込み処理における精算スイッチの入力信号を取得する処理を、割込み禁止命令を使用していない状態で実行可能とし(図202(b)中、ステップS1306)、
取得した精算スイッチの入力信号に基づき精算スイッチが操作されたか否かを判断する処理を、割込み許可状態で実行可能とし(図202(a)中、ステップS1167)、
精算スイッチが操作されたと判断した後、精算処理を実行する前に、遊技開始表示ランプの消灯準備処理を実行可能とし(図202(a)中、ステップS1167~S1169)、
精算スイッチが操作され、遊技開始表示ランプの消灯準備処理を実行した後の割込み処理における遊技開始表示ランプの消灯処理を、割込み禁止命令を使用していない状態で実行可能とする(図202(b)中、ステップS1307)
ことを特徴とする。
本発明によれば、遊技機としての性能を向上させることができる。
第1実施形態における遊技機の一例であるスロットマシンの制御の概略を示すブロック図である。 第1実施形態におけるリールの図柄配列を示す図である。 第1実施形態において、(A)は表示窓と各リールの位置関係と有効ラインを示す図であり、(B)は図柄位置の称呼を示す図である。 第1実施形態における役の図柄組合せ及び払出し枚数等(1)を示す図である。 第1実施形態における役の図柄組合せ及び払出し枚数等(2)を示す図である。 第1実施形態における役の図柄組合せ及び払出し枚数等(3)を示す図である。 第1実施形態における役の図柄組合せ及び払出し枚数等(4)を示す図である。 第1実施形態における役の図柄組合せ及び払出し枚数等(5)を示す図である。 第1実施形態における役の図柄組合せ及び払出し枚数等(6)を示す図である。 第1実施形態における役の図柄組合せ及び払出し枚数等(7)を示す図である。 第1実施形態における役の図柄組合せ及び払出し枚数等(8)を示す図である。 第1実施形態におけるRT遷移を示す図である。 第1実施形態における非RTの置数表(1)を示す図である。 第1実施形態における非RTの置数表(2)を示す図である。 第1実施形態におけるRT1の置数表(1)を示す図である。 第1実施形態におけるRT1の置数表(2)を示す図である。 第1実施形態におけるRB作動中の置数表(1)を示す図である。 第1実施形態におけるRB作動中の置数表(2)を示す図である。 第1実施形態における役物条件装置、並びに小役及びリプレイ条件装置(1)を示す図である。 第1実施形態における小役及びリプレイ条件装置(2)を示す図である。 第1実施形態における小役及びリプレイ条件装置(3)を示す図である。 第1実施形態における小役及びリプレイ条件装置(4)を示す図である。 第1実施形態における小役及びリプレイ条件装置(5)を示す図である。 第1実施形態における小役及びリプレイ条件装置(6)を示す図である。 第1実施形態における小役及びリプレイ条件装置(7)を示す図である。 第1実施形態における小役及びリプレイ条件装置(8)を示す図である。 第1実施形態における演出グループ番号を示す図である。 第1実施形態において、演出グループ番号「8」のときの変則押し順及び順押しでの期待値を説明する図である。 第1実施形態において、(a)は通常区間レバー処理を示すフローチャートであり、(b)は初期通常モード抽選を示す図である。 第1実施形態において、(a)は通常モードの種類を示す図であり、(b)は有利区間1ゲーム目の通常モード抽選の置数を示す図である。 第1実施形態において、(a)は通常モードの種類を示す図であり、(b)は各通常モードの遷移確率を示す図である。 第1実施形態において、「赤7」揃い疑似遊技演出を示すフローチャートである。 第1実施形態において有利区間連続演出を示すフローチャートである。 第1実施形態において、差数カウンタ及び打止めカウンタの推移を示す図である。 第1実施形態において、差数カウンタ及び打止めカウンタと電源断との関係を示す図である。 第1実施形態において、電源オンからメイン処理までの流れを示すフローチャートである。 図36のステップS513におけるエラー処理を示すフローチャートである。 図36のステップS525におけるコンプリート機能算出処理を示すフローチャートである。 第1実施形態において、コンプリート機能の作動の予告する画像を示す図である。 第1実施形態において、コンプリート機能の作動を予告する区間を示す図である。 第1実施形態において、コンプリート機能作動を全面に画像表示する例を示す図である。 第1実施形態において、コンプリート機能作動画像を示す図である。 第1実施形態において、特別遊技状態中に打止めカウンタが「19000」に到達した場合を示す図である。 第1実施形態において、コンプリート機能と電源断との関係を示す図である。 第1実施形態において、コンプリート機能と電源断との関係を示す図である。 第1実施形態において、コンプリート機能と電源断との関係を示す図である。 第1実施形態において、コンプリート機能と電源断との関係を示す図である。 第1実施形態において、コンプリート機能と電源断との関係を示す図である。 第1実施形態において、コンプリート機能と電源断との関係を示す図である。 第1実施形態において、払出し後にコンプリート機能が作動する遊技において、自動精算中にホッパーエンプティエラーが発生した例を示す図である。 第1実施形態において、払出し後にコンプリート機能が作動する遊技において、自動精算中にホッパーエンプティエラーが発生した例を示す図である。 第1実施形態において、サブ側電源復帰処理を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるメインCPU、ROM、RWMの構成を説明する図である。 第2実施形態におけるRWMの使用領域に記憶されるデータのアドレス、ラベル名、バイト数、及び名称を示す図である。 第2実施形態におけるRWMの使用領域外に記憶されるデータのアドレス、ラベル名、バイト数、及び名称を示す図である。 第2実施形態におけるRWMの使用領域外に記憶されるデータのアドレス、ラベル名、バイト数、及び名称を示す図であって、図34に続く図である。 (A)は、第2実施形態における表示基板上の各種LEDを示す図であり、(B)は、第2実施形態における管理情報表示LEDを示す図である。 第2実施形態におけるデジット1~9とセグメントA~G及びPとの関係を示す図である。 第2実施形態における出力ポート2~7から出力される信号を示す図である。 第2実施形態におけるデジットとセグメントとの関係を示す図である。 (A)は、第2実施形態におけるLED表示カウンタ1(_CT_LED_DSP1)と出力ポート3から出力される信号との関係を示す図であり、(B)は、第2実施形態におけるLED表示カウンタ2(_SC_LED_DSP2)と出力ポート6から出力される信号との関係を示す図であり、(C)は、第2実施形態におけるLED表示要求フラグ(_FL_LED_DSP )を示す図である。 第2実施形態におけるプログラム開始処理(M_PRG_START )を示すフローチャートである。 第2実施形態における電源復帰処理(M_POWER_ON)を示すフローチャートである。 第2実施形態における復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)を示すフローチャートである。 第2実施形態における初期化処理(M_INI_SET )を示すフローチャートである。 第2実施形態における設定変更確認処理(M_RANK_CTL)を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるメイン処理(M_MAIN)を示すフローチャートである。 第2実施形態における割込み処理(I_INTR)を示すフローチャートである。 第2実施形態における電源断処理(I_POWER_DOWN)を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるRWMチェックサムセット処理(S_SUM_SET )を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるLED表示制御(I_LED_OUT )を示すフローチャートである。 第2実施形態における復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)を示すフローチャートである。 第2実施形態における比率表示準備処理(S_DSP_READY )を示すフローチャートである。 第2実施形態における点滅要求フラグ生成処理(S_LED_FLASH )を示すフローチャートである。 第2実施形態における点滅/非該当項目判定値テーブル(TBL_SEG_FLASH )を示す図である。 第2実施形態における比率表示タイマ更新処理(S_RATE_TIME )を示すフローチャートである。 第2実施形態における比率表示処理(S_LED_OUT )を示すフローチャートである。 第2実施形態における点滅ビット検査回数テーブル(TBL_FLASH_CHK )を示すフローチャートである。 第2実施形態の変形例における復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)を示すフローチャートである。 第2実施形態の変形例における出力ポート2~5から出力される信号を示す図である。 第2実施形態の変形例におけるLED表示カウンタ1(_CT_LED_DSP1)と出力ポート3及び6から出力される信号との関係を示す図である。 第3実施形態における1チップマイクロプロセッサを示す図である。 第3実施形態において、図82中、内蔵ROM内のメモリマップをより詳細に示す図である。 第3実施形態において、図82中、内蔵RWM内のメモリマップをより詳細に示す図である。 第3実施形態において、割込み初期設定アドレスを説明する図であり、(A)は割込み初期設定アドレスのデータ詳細を示す図であり、(B)は割込み優先順位と割込み優先順位設定値との関係を示す図である。 第3実施形態において、ベクタアドレス値と、ベクタアドレスに記憶されているデータ値とを説明する図であり、(A)はベクタアドレス値を示し、(B)は割込み要因と自動割当て値との関係を示し、(C)はベクタアドレスのデータ値の例を示す。 第3実施形態において、電源がオンされた後、ユーザモードに移行するまでの過程を示す図である。 第3実施形態において、内蔵ROMの使用領域のプログラム領域において、「0000H」から開始されるプログラム例を示す図である。 第3実施形態において、ベクタアドレスを「00F4H」としたときの例を示す図である。 第3実施形態において、RST命令で呼び出される処理の例を示すフローチャートであり、(A)、(B)、及び(C)は、それぞれ例1、例2、及び例3を示す。 第3実施形態において、プログラムコード領域設定アドレスとそのデータ値とを示す図である。 第4実施形態において、(a)は、役の種類、当選確率、ストップスイッチの押し順ごとの払出し枚数等を示す図であり、(b)は、偏り役の出玉性能を示す図である。 第4実施形態において、有利区間かつ非AT中に推奨押し順でストップスイッチが操作されたときの演出の流れ(例1)を示す図である。 第4実施形態において、有利区間かつ非AT中に非推奨押し順でストップスイッチが操作されたときの演出の流れ(例1)を示す図である。 第4実施形態において、有利区間かつ非AT中に、推奨押し順でストップスイッチが操作されたときの演出の流れ(例2)を示す図である。 第4実施形態において、有利区間かつ非AT中に、非推奨押し順でストップスイッチが操作されたときの演出の流れ(例2)を示す図である。 第4実施形態において、推奨画像が表示されたときの(画像)レイヤーの推移を説明する図である。 図97に続く図である。 第4実施形態において、デモ表示後にベット操作及びスタートスイッチ操作をした場合の画像表示、プッシュボタンランプの状態、及びメニュー表示を示すタイムチャート(リプレイ非入賞時)であり、(a)は推奨押し順時を示し、(b)は非推奨押し順時を示す。 第4実施形態において、リプレイ入賞後、60秒経過後にスタートスイッチを操作した場合の画像表示、プッシュボタンランプの状態、及びメニュー表示を示すタイムチャートであり、(a)は推奨押し順時を示し、(b)は非推奨押し順時を示す。 第4実施形態において、全停後3秒以内にベット操作し、全停後60秒経過後にスタート操作した場合の画像表示、プッシュボタンランプの状態、及びメニュー表示を示すタイムチャートであり、(a)は推奨押し順時を示し、(b)は非推奨押し順時を示す。 第4実施形態におけるメイン処理を示すフローチャートである。 図102のステップS181における押し順指示番号セット処理を示すフローチャートである。 図102のステップS182における演出グループ番号セット処理を示すフローチャートである。 第4実施形態において、当選役(偏り役)と指示モニタ及び画像表示との関係を示す図である。 第4実施形態において、仮保存処理1を示すフローチャートである。 図106に続くフローチャートである。 図107の他の例を示すフローチャートである。 第4実施形態において、仮保存処理2を示すフローチャートである。 図109に続くフローチャートである。 第5実施形態におけるスロットマシンの側断面図である。 第5実施形態におけるスロットマシンの制御の概略を示すブロック図である。 第5実施形態におけるメダルセレクタとシュート部材との間の透き間の説明図(1)である。 第5実施形態におけるメダルセレクタとシュート部材との間の透き間の説明図(2)である。 第5実施形態におけるメダルセレクタとシュート部材との間の透き間の説明図(3)である。 第5実施形態におけるメダルセレクタとシュート部材との間の透き間の説明図(4)である。 第5実施形態におけるメダルセレクタとシュート部材との間の透き間の説明図(5)である。 第5実施形態におけるメダルセレクタとシュート部材との間の透き間の説明図(6)である。 第5実施形態におけるメダルセレクタとシュート部材との間の透き間の説明図(7)である。 第5実施形態におけるメダルセレクタとシュート部材との間の透き間の説明図(8)である。 第5実施形態におけるメダルセレクタとシュート部材との間の透き間の説明図(9)である。 第5実施形態におけるエラーの検知時及び解除時の動作態様を示すタイムチャート(1)である。 第5実施形態におけるエラーの検知時及び解除時の動作態様を示すタイムチャート(2)である。 第5実施形態におけるエラーの検知時及び解除時の動作態様を示すタイムチャート(3)である。 第5実施形態におけるエラーの検知時及び解除時の動作態様を示すタイムチャート(4)である。 第5実施形態におけるエラーの検知時及び解除時の動作態様を示すタイムチャート(5)である。 第5実施形態におけるエラーの検知時及び解除時の動作態様を示すタイムチャート(6)である。 第5実施形態におけるエラーの検知時及び解除時の動作態様を示すタイムチャート(7)である。 第5実施形態におけるエラーの検知時及び解除時の動作態様を示すタイムチャート(8)である。 第5実施形態におけるドア開放報知中に電源オフしたときの動作態様を示すタイムチャート(1)である。 第5実施形態におけるドア開放報知中に電源オフしたときの動作態様を示すタイムチャート(2)である。 第5実施形態におけるドア開放報知中に電源オフしたときの動作態様を示すタイムチャート(3)である。 第6実施形態におけるエラー報知の例1を示すタイムチャートである。 第6実施形態におけるエラー報知の例2を示すタイムチャートである。 第6実施形態におけるエラー報知の例3を示すタイムチャートである。 第6実施形態において、第1エラーの発生中に電源断が発生した例(例4)を示すタイムチャートである。 第6実施形態において、第1エラーの発生中に電源断が発生した例(レ5)を示すタイムチートであり、図136の変形例である。 第6実施形態におけるエラー報知の例6を示すタイムチャートである。 第6実施形態におけるエラー報知の例7を示すタイムチャートである。 第6実施形態におけるエラー報知の例8を示すタイムチャートである。 第6実施形態におけるエラー報知の例9を示すタイムチャートである。 第7実施形態において、スロットマシンを示す外観斜視図である。 第7実施形態において、ドアキー及びドアキーシリンダを示す図であり、(a)はドアシリンダーを示す正面図であり、(b)はドアキー挿入口からドアキーが挿入された状態を示す側面図である。 第7実施形態において、ドアキー挿入口とドアキーの位置関係とを示す正面図である。 第7実施形態において、(a)はドアキーシリンダの各種寸法を説明する正面図であり、(b)は電源プラグの寸法を示す平面図及び側面図である。 第7実施形態における施錠装置を説明する模式図であり、フロントドアの内側から外側(遊技者側)に向かって見た正面図である。 第7実施形態において、図146の状態からカムが反時計回りに45度回転したときの状態を示す図である。 第7実施形態において、図146の状態からカムが時計回りに45度回転したときの状態を示す図である。 第7実施形態において、フロントドアを開放した後、ドアキーをその位置でロックする構造を示す正面図である。 第7実施形態において、設定キー及び設定キーシリンダを示す図であり、(a)は設定キーを挿入した状態を示す側面図であり、(b)は設定キーを時計回りに90度回転させたときの状態を示す側面図である。 第7実施形態において、ドアキー及び設定キーの回転角度と、回転角度に対応する回転トルクとの関係を示す図である。 第8実施形態における演出ステージを示す図である。 第8実施形態における演出の種類を示す図である。 第8実施形態において、演出01、演出03、演出14のイベント名、カット数、及び分岐数を示す図である。 第8実施形態において、演出15、演出16、演出17のイベント名、カット数、及び分岐数を示す図である。 第8実施形態において、演出18、演出20、演出21、演出22のイベント名、カット数、及び分岐数を示す図である。 第8実施形態において、演出23、演出24、演出25のイベント名、カット数、及び分岐数を示す図である。 第9実施形態における遊技機(メダルレス遊技機)を示すブロック図である。 第9実施形態における計数関連処理を示すフローチャートである。 第10実施形態において、引戻しゾーンでのアイコン数の推移等を示す図である。 第10実施形態において、引戻しゾーンの引戻し抽選処理を示すフローチャートである。 第10実施形態において、図161のステップS705における有利区間継続判定を示すフローチャートである。 第10実施形態において、通常区間における引戻し抽選処理を示すフローチャートである。 第10実施形態において、移行準備状態にける引戻し抽選処理を示すフローチャートである。 第10実施形態において、有利区間クリアカウンタ管理処理を示すフローチャートである。 第10実施形態において、デモンストレーション画像の表示処理の流れを示すフローチャートである。 図166に続くフローチャートである。 第10実施形態において、SPフラグの制御処理を示すフローチャートである。 第10実施形態において、サブボーナス移行処理の流れを示すフローチャートである。 第11実施形態における1チップマイクロプロセッサの構成概要を示すブロック図である。 図170中、演算回路(APU)を示すブロック構成図である。 第11実施形態において、乗除レジスタの構造を示す図である。 第11実施形態において、電源がオンされた後、ユーザモードに移行するまでの過程を示す図である。 第11実施形態において、役比モニタの表示仕様を示す図である。 第11実施形態において、ROMの第2領域に設けられたデータテーブルを示す図である。 第11実施形態におけるRWMの使用領域外(第2領域)を示す図である。 第11実施形態におけるRWMの使用領域外(第2領域)を示す図である。 第11実施形態におけるプログラム開始処理を示すフローチャートである。 図178のステップS902におけるテストパターン表示設定を示すフローチャートである。 第11実施形態におけるメイン処理を示すフローチャートである。 図180のステップS910における比率セット処理を示すフローチャートである。 図181のステップS921における比率計算処理を示すフローチャートである。 図182の変形例を示すフローチャートである。 第11実施形態における割込み処理を示すフローチャートである。 第11実施形態において、割込み処理で実行される比率表示準備を示すフローチャートである。 図185のステップS961における点滅要求フラグ生成を示すフローチャートである。 図185のステップS962における比率表示タイマ更新を示すフローチャートである。 図185のステップS963における比率表示処理を示すフローチャートである。 第11実施形態における点滅ビット検査回数テーブルを示す図である。 第12実施形態におけるジャンプ命令の例を示す図である。 第12実施形態において、プログラム開始処理(M_PRG_START )を示すフローチャートである。 (a)は、第12実施形態における領域の種類とアドレスを示す図であり、(b)は、空き領域のデータを示す図である。 第12実施形態において、各状態ごとの平均処理時間を示す図である。 第12実施形態において、遊技待機時(ベットなし)のメインループ処理及び割込み処理を示すフローチャートである。 第12実施形態において、ベット後遊技開始前のメインループ処理及び割込み処理を示すフローチャートである。 第12実施形態において、スタートスイッチの操作を検知し、リールの回転を開始した後、リール31が定速となった後のメインループ処理及び割込み処理を示すフローチャートである。 第12実施形態において、リール定速回転中かつ全リール停止前の状態のメインループ処理及び割込み処理を示すフローチャートである。 第12実施形態において、全リール停止後の払出し処理時のメインループ処理及び割込み処理を示すフローチャートである。 第12実施形態において、メダル投入から役抽選までのメイン処理及び割込み処理を示すフローチャートである。 第12実施形態において、リールの回転開始からストップスイッチが操作されるまでのメイン処理と、その間に実行される割込み処理とを示すフローチャートである。 第12実施形態において、メダルが投入されてからスタートスイッチが操作された直後までのメイン処理及び割込み処理の流れを示すフローチャートである。 第12実施形態において、メダルが投入された後、精算スイッチが操作された場合のメイン処理及び割込み処理の流れを示すフローチャートである。 第12実施形態において、メダルが投入された後、異常状態が発生した場合のメイン処理及び割込み処理の流れを示すフローチャートである。 第12実施形態において、リプレイ作動図柄が停止表示する場合のメイン処理及び割込み処理の流れを示すフローチャートである。 第12実施形態において、リプレイ作動図柄が停止表示した遊技の次回遊技でのメイン処理及び割込み処理の流れを示すフローチャートである。 第12実施形態において、全リールの停止後から投入表示LEDの点灯処理までのメイン処理及び割込み処理の流れを示すフローチャートである。 第12実施形態において、規定数のメダルが投入されてから投入表示LEDの消灯処理までのメイン処理及び割込み処理の流れを示すフローチャートである。
本明細書において、用語の意味は、以下の通りである。
「ベット」とは、遊技を行うためにメダル(遊技媒体)を賭けることをいう。メダルをベットするには、メダル投入口47から実際のメダルを手入れ投入するか、又はクレジット(貯留)されているメダルをベットするためにベットスイッチ40を操作する。
一方、「クレジット(「貯留」ともいう。)」とは、上記「ベット」とは異なり、スロットマシン10内部にメダルを貯留することをいう。本明細書では、「クレジット」というときは、「ベット」を含まない意味で使用する。
さらに、「投入」とは、メダルをベット又はクレジットすることをいう。
また、「規定数」とは、当該遊技で遊技を開始(実行)可能なベット数をいう。たとえば、規定数「2」又は「3」である遊技では、ベット数「2」又は「3」のいずれかで遊技を開始可能であり、ベット数「1」で遊技を行うことはできない。
なお、説明の便宜上、「規定数」を「ベット数」と称する場合もある。
一方、「ベット数」というときは、「規定数」以外を指す場合もある。たとえば規定数「2」又は「3」の遊技において、1枚のメダルが投入された時点(遊技開始前)では、ベット数は「1」(その時点でベットされている数)である。
「手入れ」とは、遊技者が、メダル投入口47(後述)からメダルを投入することをいう。
「手入れベット」とは、遊技者が、メダル投入口47からメダルを手入れすることにより、メダルをベットすることをいう。
「手入れクレジット」とは、遊技者が、メダル投入口47からメダルを手入れすることにより、メダルをクレジットすること(クレジットを加算する)ことをいう。
「ベットメダル」とは、ベットされているメダルをいう。
「貯留メダル」とは、クレジット(貯留)されているメダルをいう。
「貯留ベット」とは、遊技者がベットスイッチ40(後述)を操作することにより、当該遊技でベット可能な範囲内において、クレジットされているメダルの一部又は全部を、遊技を行うためにベットすることをいう。
「自動ベット」とは、リプレイが入賞したときに、スロットマシン10の制御処理により、前回遊技でベットされていた数のメダルを自動でベットすることをいう。
ここで、小役に対応する図柄組合せが停止表示(有効ラインに停止したことを意味する。以下同じ。)したことを「小役の入賞」と称する。
一方、「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則(以下、単に「規則」という。)」では、リプレイに対応する図柄組合せが停止表示したときは、再遊技に係る条件装置の作動であって「入賞」ではないと解釈されている。
しかし、本願(本明細書等)では、リプレイについても役の1つとして扱い(再遊技役)、リプレイに対応する図柄組合せが停止表示したことを「リプレイの入賞」と称する場合がある。
「精算」とは、ベットメダル及び/又は貯留メダルを遊技者に対して払い出すことをいう。本実施形態では、精算スイッチ43(後述)が操作されたときに精算処理を実行する。
「払出し」とは、役の入賞に基づきメダルを遊技者に払い出すこと、又は上記精算によりメダルを払い出すことをいう。役の入賞に基づきメダルを遊技者に払い出すときは、クレジットとして貯留すること(貯留メダルを加算すること、換言すれば、RWM53(後述)に記憶された電子データを更新すること)、及び払出し口(図示せず)から実際のメダルを払い出すことの双方を含む。メダルの払出しは、たとえば「50」枚を限界枚数としてクレジットし、クレジット数が「50」を超えた分のメダルは、遊技者に対して実際に払い出すように制御する。
なお、「払出し」を、「付与」と称する場合もある。したがって、「払出し数」を「付与数」と称する場合もある。
「遊技媒体」は、本実施形態ではメダルであるが、たとえば封入式(ECO)遊技機のような場合には、遊技媒体として電子情報(電子メダル、電子データ)が用いられる。なお、「電子情報」とは、たとえば貸出し機に金銭(紙幣)を投入すると、その金銭に対応する分の電子情報に変換されるとともに、その電子情報の一部又は全部を、遊技機で遊技を行うための遊技媒体として遊技機にクレジット可能となるものである。
なお、「遊技媒体」は、「遊技価値」と称する場合もある。
また、遊技媒体が電子情報である場合において、「メダルの払出し」とは、遊技機に備えられた遊技媒体クレジット装置にクレジット(加算)することを意味する。したがって、「メダルの払出し」とは、実際にメダルをホッパー35(後述)から払い出すことのみを意味するものではなく、遊技媒体クレジット装置に、入賞役に対応する配当分の電子情報をクレジット(加算)する処理も含まれる。
「N-1」遊技目、「N」遊技目、「N+1」遊技目、・・・(「N」は、2以上の整数)と遊技が進行する場合において、現在の遊技が「N」遊技目であるとき、「N」遊技目の遊技を「今回遊技」と称する。また、「N-1」遊技目の遊技を「前回遊技」と称する。さらにまた、「N+1」遊技目の遊技を「次回遊技」と称する。
本明細書において、数字の末尾(特に、8ビット)に「(B)」を付した数値は、2進数を意味する。同様に、数字の末尾に「(H)」、「H」又は「h」を付した数値は、16進数を意味する。具体的には、たとえば10進数で「16」を示す数値は、2進数では「00010000(B)」と表記し、16進数では「10(H)」、「10H」又は「10h」と表記する。また、10進数を意味する数値については、必要に応じて「16(D)」と表記する。
ただし、2進数、10進数、及び16進数のいずれであるかが明確であるときは、それぞれ「(B)」、「(D)」、「(H)」、「H」又は「h」の末尾記号を省略する場合がある。
また、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が停止するまでの間(最大移動コマ数)に、有効ラインに停止表示させたい所望の図柄を有効ラインに停止させることができる確率を「引込み率(PB)」という。
そして、適切なリール31の位置で(対象図柄を最大移動コマ数の範囲内において有効ラインに停止可能な操作タイミングで)ストップスイッチ42を操作しなければ、対象図柄を有効ラインに停止させる(有効ラインまで引き込む)ことができないことを「PB≠1」と称する。
これに対し、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31がどの位置であっても(ストップスイッチ42の操作タイミングにかかわらず)、対象図柄を常に有効ラインに停止させる(引き込む)ことができることを「PB=1」と称する。
また、ストップスイッチ42の「操作態様」とは、ストップスイッチ42の押し順、及び/又は操作タイミング(対象図柄が有効ラインに停止するためのストップスイッチの押すタイミング)を意味する。
さらにまた、ストップスイッチ42の「有利な操作態様」とは、ストップスイッチ42の操作態様によって遊技結果(有効ラインに停止する図柄組合せ)に有利/不利が生じる遊技において、払出しを有する若しくは払出し数の多い図柄組合せが停止する操作態様、有利なRTに移行(昇格)する図柄組合せが停止する操作態様、又は不利なRTに移行(転落)しない図柄組合せが停止する操作態様をいう。「有利な操作態様」は、正解操作態様、正解押し順とも称される。
「ストップスイッチ42の操作態様によって遊技結果に有利/不利が生じる遊技」は、たとえば、払出し数が異なる複数種類の小役(ベル)に重複当選した遊技(いわゆる「押し順ベル」に当選した遊技)において、ストップスイッチ42の操作態様によって入賞する小役(ベル)の種類が異なる(払出し数が異なる)場合に相当する。また、たとえば、複数種類のリプレイに当選した遊技(重複リプレイ当選時。いわゆる「押し順リプレイ」に当選した遊技)において、入賞したリプレイの種類によってRTが移行するような場合も相当する。
「指示機能」とは、ストップスイッチ42の操作態様を遊技者に指示する機能を意味する。指示機能は、原則として、ストップスイッチ42の有利な操作態様を遊技者に指示する機能である。
いいかえれば、「指示機能」は、入賞を容易にする装置を指す。
なお、「指示」内容を見えるように示すことが「表示」であり、指示内容を遊技者に知らせることが「報知」である。よって、「指示機能」は、「表示機能」でもあり、「報知機能」でもある。
また、ストップスイッチ42の操作態様の報知は、最も有利となる操作態様の報知に限らない可能性がある。そして、最も有利となるストップスイッチ42の操作態様の報知を「指示機能の作動」としてもよいが、最も有利となるストップスイッチ42の操作態様を含むいずれかの操作態様の報知を「指示機能の作動」としてもよい。
たとえば、押し順ベルが6択押し順である場合において、その押し順ベル当選時の配当が、押し順に応じて、1枚、3枚、4枚、10枚、又は取りこぼし(非入賞)のいずれかになると仮定する。
ここで、10枚役を入賞させるための押し順を報知することは、ストップスイッチ42の有利な操作態様の報知であり、「指示機能の作動」に該当することはもちろんである。
一方、1枚役、3枚役、又は4枚役を入賞させるための押し順を報知することを、「有利な操作態様の報知(指示機能の作動)」としてもよく、「有利な操作態様の報知」としなくてもよい。
4枚役を入賞させるための押し順は、10枚役を入賞させない押し順であるから、最も有利となる操作態様ではない。しかし、ベット数「3」に対して払出し数「4」となり、当該遊技の差枚数は「+1」となるから、差枚数を増加させる操作態様であり、必ずしも不利な操作態様とはいえない。
同様に、3枚役を入賞させるための押し順は、10枚役を入賞させない押し順であるから、最も有利な操作態様ではない。しかし、ベット数「3」に対して払出し数「3」となり、差枚数を現状維持する(差枚数を減少させない)操作態様であるから、必ずしも不利な操作態様とはいえない。
さらに同様に、1枚役を入賞させるための押し順は、10枚役を入賞させない押し順であるから、最も有利な操作態様ではない。さらに、ベット数「3」に対して払出し数「1」となり、差枚数を減少させる操作態様である。しかし、役をとりこぼさない操作態様ともいえるので、不利な操作態様とはいえない可能性がある。
本実施形態では、押し順ベル当選時における指示機能の作動では、払出し数が最も多い役が入賞する操作態様(正解押し順)を報知する。
しかし、たとえば有利区間中の終了条件が近づいたときは、押し順ベルに当選したときに、上記のようにたとえば3枚役や4枚役を入賞させる押し順を報知し、差枚数がほぼ現状維持となるように制御することが考えられる。
また、本実施形態において、指示機能の作動は、一の規定数に限られる。たとえば、指示機能を作動させる規定数を「3」と定めたとする。この場合、AT中の規定数「2」又は「3」の遊技において、ベット数「3」で遊技を開始し、押し順ベルに当選したときは、指示機能を作動可能である。これに対し、ベット数「2」で遊技を開始したときは、押し順ベルに当選したときであっても、指示機能は作動不可能である。
「遊技区間」には、「通常区間(非有利区間)」と「有利区間」とを備える。なお、5.9号機では「待機区間」(有利区間抽選に当選したが、未だ有利区間に移行していない遊技区間)を設けていたが、現時点での6号機規則では、「待機区間」等は設けられていない。ただし、これに限らず、通常区間及び有利区間以外の遊技区間を設けてもよい。
「通常区間」とは、指示機能に係る信号、具体的には後述する押し順指示番号や入賞及びリプレイ条件装置番号(正解押し順を判別可能な情報)を周辺基板(たとえば、サブ制御基板80)に送信することを禁止する遊技区間であり、かつ、指示機能に係る性能に一切影響を及ぼさない(指示機能に係る処理を実行しない)遊技区間を指す。換言すれば、通常区間は、操作態様を報知できない遊技区間である。ただし、役の抽選に加え、有利区間に移行するか否かの決定(抽選等)を行うことができる。
通常区間では、指示機能を作動させてはならないため、メイン制御基板60と電気的に接続された所定の表示装置(LED等)での押し順指示情報の表示を行うことができないし、指示機能に係る信号を周辺基板に送信しないので、サブ制御基板80に電気的に接続された画像表示装置23による有利な操作態様の表示(報知)を行うこともできない。
一方、「有利区間」とは、指示機能に係る性能を有する(指示機能を作動させてよい)遊技区間であり、具体的には、指示機能を作動させる場合には、メイン制御基板60において指示内容(ストップスイッチ42の操作態様)が識別できるように押し順指示情報を表示する場合に限り、指示機能に係る信号をサブ制御基板80に送信することができる遊技区間を指す。換言すれば、有利区間は、指示機能の作動ができる(指示機能を作動させてもよい)遊技区間、すなわちストップスイッチ42の操作態様の表示ができる(表示してもよい)遊技区間である。
ただし、サブ制御基板80は、メイン制御基板60が行う指示内容や、受信した指示機能に係る信号に反する演出を出力することはできない。
また、有利区間は、ストップスイッチ42の操作態様によって遊技結果に有利/不利が生じる遊技であっても、指示機能を作動させなくても差し支えない。
一方、有利区間中は、ストップスイッチ42の操作態様によって遊技結果に有利/不利が生じる遊技では、常に指示機能を作動させてストップスイッチ42の操作態様を表示してもよい。
AT(報知遊技状態)は、ストップスイッチ42の操作態様によって遊技結果に有利/不利が生じる遊技において、ストップスイッチ42の操作態様を報知する遊技状態である。したがって、ATは、常に有利区間中であり、非有利区間中にATが実行されることはない。
また、ATは、ストップスイッチ42の操作態様によって遊技結果に有利/不利が生じる遊技では、常に(100%で)ストップスイッチ42の操作態様を報知してもよいが、所定期間における出玉率を規則で定められた範囲内にするため等に、ストップスイッチ42の操作態様によって遊技結果に有利/不利が生じる遊技であっても、ストップスイッチ42の操作態様を報知しないことも考えられる。
たとえば、AT中にATの終了条件に近づいた場合には、ATを延命する観点から、一時的に、ストップスイッチ42の操作態様を報知しない(指示機能を作動させない)ことも考えられる。
また、有利区間とATとの関係については、種々設定することができる。たとえば第1に、「有利区間=AT」に設定することが挙げられる。この場合、有利区間に当選したことと、ATに当選したこととは、等価である。そして、有利区間の1遊技目からATが開始される。また、有利区間の終了とともにATが終了する。
また第2に、「AT≠有利区間」に設定することが挙げられる。
この場合、有利区間に移行しただけでは、ATの開始(実行)条件を満たさないようにし、有利区間中であることを条件に、ATを実行するか否かを抽選等で決定し、ATを実行することに決定したときは、当該ATの所定の終了条件を満たすまでATを実行することが挙げられる。なお、有利区間に移行したときに非ATであるときは、たとえば、メイン遊技状態として、通常区間、前兆、CZ(チャンスゾーン(ATに当選しやすい期間))等に設定することが挙げられる。
AT当選後に前兆に移行するときは、必ず本前兆に移行するようにして、本前兆の所定遊技回数の終了後、ATに移行してもよい。あるいは、本前兆とするかガセ前兆とするかを抽選等によって決定し、本前兆に決定されたときは本前兆終了後にATに移行するようにしてもよい。また、ガセ前兆に決定されたときは、ガセ前兆終了後は、有利区間を維持してもよく、あるいは通常区間に移行してもよい。
さらにまた、ATの終了条件を満たしたときは、AT及び有利区間の双方を終了させてもよい。あるいは、ATは終了するものの、有利区間の終了条件を満たしていないときは、有利区間を継続(非ATかつ有利区間)してもよい。有利区間と同時にATを開始したときも同様である。
また、有利区間を開始するときに有利区間の遊技回数を決定し、その有利区間中は、有利区間に関する抽選等を実行しないことが挙げられる。
さらにまた、有利区間を開始するときに有利区間の初期遊技回数を決定し、有利区間中は、有利区間の(残り)遊技回数を上乗せ(加算)するか否かの決定(抽選等)を行うことが挙げられる。
さらに、有利区間に所定の終了条件を定め、有利区間の所定の終了条件を満たしたときは、有利区間の残り遊技回数(あるいは、ATの残り遊技回数)を有する場合であっても、その時点で有利区間を終了することが挙げられる。
ここで、有利区間の「所定の終了条件」とは、たとえば、後述する差数カウンタ値が「2400(D)」を超えたこと、又は後述する有利区間クリアカウンタ(有利区間の残り遊技回数)が「0」に到達したことが挙げられる。これらのいずれかの条件を満たしたときは、有利区間の終了条件を満たすと判断し、次回遊技から通常区間(非有利区間)に移行することが挙げられる。この場合、最終遊技がATであっても、有利区間の終了と同時にATも終了する。
有利区間では、後述する有利区間表示LED(「区間表示器」とも称される。)77(たとえば後述する図58参照。デジット4(獲得数表示LED78の下位桁)のセグメントP)を点灯させ、有利区間中であることを遊技者に報知してもよい。ただし、これに限らず、有利区間表示LED77等を設けることなく、有利区間中であることを遊技者に報知しなくてもよい。
有利区間表示LED77は、有利区間中は常に点灯させてもよいが、有利区間に移行した後、所定の点灯条件を満たしたときに点灯させてもよい。
ここで、「所定の点灯条件」とは、たとえば、有利区間であり、かつ、区間Sim出玉率が「1」を超える遊技状態において、指示機能を作動させるときが挙げられる。なお、有利区間表示LED77を一旦点灯させた後は、有利区間中はその点灯を維持する。
また、「区間Sim(シミュレーション)出玉率」とは、当選役に対応する図柄組合せが必ず停止表示する(「PB≠1」の役に当選したときであっても、当該役に対応する図柄組合せが停止表示する)と仮定し、かつ、当選役に対応する図柄組合せが複数種類有するときは遊技者に最も有利となる図柄組合せ(押し順ベル当選時には、最大払出しとなる高目ベル)が停止表示すると仮定したときの出玉率である。区間Sim出玉率の計算では、役物作動(1BB作動等)による出玉(払出し数)を含めない。また、リプレイに当選した遊技では、ベット数「3」であるときは、払出し数を「0」とカウントし、リプレイの入賞に基づく再遊技(リプレイに当選した遊技の次回遊技)では、ベット数「0」、払出し数「x」(「x」は、当該遊技での払出し数)として計算する。あるいは、リプレイに当選した遊技の払出し数、及びその次回遊技のベット数をカウントしないようにしてもよい。
さらにまた、「区間Sim出玉率が「1」を超える遊技状態」とは、区間Sim出玉率が「1」を超えるように設定されたRTやメイン遊技状態が挙げられる。
ここで、区間Sim出玉率が「1」を超えるRTとしては、たとえばリプレイ当選確率が高く設定されたRTが挙げられる。
また、メイン遊技状態として、通常、CZ(チャンスゾーン)、AT、引戻し区間等が設けられているとすると、区間Sim出玉率が「1」を超えるメイン遊技状態としては、ATが挙げられる。
有利区間表示LED77を点灯させた場合において、有利区間を終了するとき、より具体的には、有利区間の最終遊技において、たとえば後述する遊技終了チェック処理、あるいは有利区間の最終遊技の次回遊技における遊技開始セット処理時に、有利区間表示LED77を消灯する。有利区間の終了条件を満たしたときは、後述する有利区間表示LEDフラグの初期化処理を実行することにより、その後の割込み処理において有利区間表示LED77が消灯する。
「有利区間に係る処理」とは、たとえば以下の処理が挙げられる。
1)有利区間の(移行)抽選
2)有利区間クリアカウンタの更新(減算、クリア)
3)差数カウンタの更新(演算、クリア)
4)有利区間種別フラグの更新
5)有利区間表示LED77の制御(有利区間表示LEDフラグの更新)
また、「指示機能に係る処理」とは、たとえば以下の処理が挙げられる。
1)押し順指示情報の表示(指示機能の作動)
2)ATの抽選
3)ゲーム数管理型AT(残り遊技回数が「0」となったときにATを終了する仕様)の場合、AT遊技回数カウンタの更新(減算、上乗せ加算、クリア)
4)差枚数管理型AT(残り差枚数が「0」となったときにATを終了する仕様)の場合、AT差枚数カウンタの更新(減算、上乗せ加算、クリア)
そして、現時点における規則では、有利区間に係る処理、及び指示機能に係る処理は、いずれも、以下を除き、一の遊技状態(RT)において、一の規定数で実行可能と定められている。そこで、本実施形態では、規定数「3」では有利区間に係る処理及び指示機能に係る処理を実行可能とし、規定数「2」では有利区間に係る処理及び指示機能に係る処理を実行不可能とした。
ただし、有利区間中においては、有利区間クリアカウンタの更新、及び差数カウンタの更新は、いずれの規定数であっても、実行する必要がある。
また、役抽選結果が非当選であるとき、換言すれば、条件装置の非作動時の遊技では、有利区間に係る処理(有利区間移行抽選)を実行しないと定めてもよい。しかし、これに限らず、役抽選結果が非当選であっても有利区間に係る処理を実行してもよい。
一方、役抽選結果が非当選であっても、非当選確率が所定値以上(極端に低確率でないとき。たとえば「1/17500」以上。)であれば、指示機能に係る処理(AT抽選処理)を実行可能としてもよい。
さらにまた、有利区間移行抽選(有利区間に係る処理)を実行した結果、有利区間移行抽選に当選したときは、次回遊技から有利区間となる。したがって、有利区間移行抽選(有利区間に係る処理)を実行し、有利区間に当選した遊技で、正解押し順の報知(指示機能に係る処理)を実行することはできない。
ただし、有利区間移行抽選(有利区間に係る処理)とAT抽選(指示機能に係る処理)とを一遊技で行うことは差し支えない。さらに、たとえば、特定の役抽選結果となったときは、(抽選を実行することなく)有利区間かつATに決定してもよい。
管理情報表示LED(「役比モニタ」又は「比率表示器」ともいう。)74は、たとえば、4個のLED(「デジット」とも称する。)からなり、2桁の識別セグ(下記6項目のうちのいずれの項目であるかを所定の記号等によって表示するLED)と、2桁の比率セグ(算出された比率を表示するためのLED)とから構成されている。
管理情報表示LED74は、以下の1)~6)の6項目の比率を、所定時間ごとに繰り返して表示する。
1)有利区間比率(累計)(7U.)、又は指示込役物比率(累計)(7P.)のいずれか
2)連続役物比率(6000遊技)(6y.)
3)役物比率(6000遊技)(7y.)
4)連続役物比率(累計)(6A.)
5)役物比率(累計)(7A.)
6)役物等状態比率(累計)(5H.)
たとえば、役物比率(累計)を表示する場合において、その比率が「50」%であるときは、役物比率(累計)を示す記号「7A.」を識別セグに表示し、「50」を比率セグに表示する。
ここで、「累計」とは、それまでにカウントし続けた数値の総和を指し、総遊技回数が少なくとも基準遊技回数(たとえば「17500」、又は「175000」)に到達するまではカウントする。そして、累計が基準遊技回数に満たないものであるときは、たとえば点滅表示によって比率を表示し、基準遊技回数以上であるときは、たとえば点灯表示によって比率を表示する。累計は、基準遊技回数以上となった後も、RWM53の所定アドレスに記憶可能な値(上限値)に到達するまで加算し続ける。
また、「6000遊技」とは、1セットを「400」遊技回数とし、その15セットを合計した遊技回数である。
「有利区間比率」とは、全遊技区間(非有利区間+有利区間)に対して、有利区間に滞在していた比率(割合)を指す。具体的には、たとえば全遊技区間の遊技回数が「1000」で、その間の有利区間の遊技回数が「700」であるときは、有利区間比率は、「70%」となる。
また、「指示込役物比率」とは、役物作動時の払出し数と、指示機能を作動させた遊技での払出し数との合計を、総払出し数で割った値である。なお、役物を搭載していないスロットマシンでは、「指示込役物比率」は、指示機能を作動させた遊技での払出し数を総払出し数で割った値となる。
役物作動時の払出し数と、指示機能を作動させた遊技での払出し数の総和は、指示込役物カウンタによってカウントされる。
さらにまた、「指示機能を作動させた遊技での払出し数」は、指示機能の作動により表示された押し順に従ってストップスイッチ42を操作したことに基づいて、たとえば10枚ベルが入賞したときは、指示込役物カウンタに「10」が加算される。
これに対し、指示機能を作動させた遊技において、表示された押し順と異なる押し順でストップスイッチ42を操作したために、たとえば1枚ベルが入賞したときは、指示込役物カウンタに「1」が加算される。
同様に、指示機能を作動させた遊技において、表示された押し順と異なる押し順でストップスイッチ42を操作したために、当選役を取りこぼしたとき(役の非入賞時)は、指示込役物カウンタには加算されない。換言すれば、前回遊技でのカウント値のままとなる。
なお、AT中に共通ベルに当選したときは、押し順ベルに当選したときと同様に指示機能を作動させ、獲得数表示LED78に押し順指示情報(ダミー)を表示する場合と、指示機能を作動させない場合とが挙げられる。そして、共通ベルの当選時に指示機能を作動させた場合には、当該遊技での払出し数は、指示込役物カウンタに加算される。
一方、共通ベルに当選した場合において、指示機能を作動させないときは、当該遊技の払出し数は、指示込役物カウンタに加算されない。ただし、総払出数しカウンタには加算される。この場合、サブ制御基板80により、画像又は音声により正解押し順を報知する場合も含まれる。
「連続役物比率」とは、総払出し数に対する、第一種特別役物(RB)の作動時における払出し数の比率を指す。したがって、本実施形態では、「総払い出し数に対する、1BB作動中の払出し数」を指す。
たとえば、「6000」遊技回数における総払出し数が「2000枚」で、そのうち、「第一種特別役物(RB)」作動時の払出し数が「500枚」であったとき、「連続役物比率(6000遊技)」は、「25(%)」となる。
また、「役物比率」とは、総払出し数に対する、役物作動時における払出し数の比率を指す。ここで、「役物」とは、上記の第一種特別役物(RB)に加えて、第二種特別役物(CB)、MB(2BBとも称される。第二種役物連続作動装置。CBが連続作動。)、SB(シングルボーナス)が含まれる。
さらにまた、「役物等状態比率」とは、総遊技回数に対する、役物連続作動装置作動時の遊技回数と役物連続作動装置非作動時における役物作動時の遊技回数とを合算したものの割合を指す。
ここで、「役物連続作動装置作動時」とは、第1に、第一種役物連続作動装置(1BB)作動時を指し、第一種役物連続作動装置(1BB)作動時における第一種特別役物(RB)非作動時(内部中を含む)及び第一種特別役物(RB)作動時に相当する。
また、「役物連続作動装置作動時」とは、第2に、第二種役物連続作動装置(MB(2BB))作動時を指し、第二種役物連続作動装置(MB(2BB))における第二種特別役物(CB)非作動時及び第二種特別役物(CB)作動時に相当する。
さらにまた、「役物連続作動装置非作動時における役物作動時」とは、役物連続作動装置が作動していない状況下において、第一種特別役物(RB)作動時、普通役物(SB)作動時、又は第二種特別役物(CB)作動時に相当する。
なお、上記6項目において、その項目に該当する機能を備えていない遊技機では、比率セグを「--」と点灯表示する。
たとえば、「第一種特別役物(RB)」を備えていない場合には、連続役物比率は存在しないので、比率表示番号「2」及び「4」の表示時には、比率セグを「--」と点灯表示する。
以上のように、管理情報表示LED74には、6種類の比率を表示するが、所定の条件を満たした場合の所定のタイミングでは、テストパターンを表示する。
また、有利区間比率及び指示込役物比率は、規則上、70%以下にすべきことが定められている。また、役物比率は70%以下にすべきことが記載されており、連続役物比率は60%以下にすべきことが規定されている。さらに、役物等状態比率は50%以下にすべきことが定められている。
このため、管理情報表示LED74に表示された情報を見ることで、規則上の範囲内に収まっているか否かを確認することができる。
なお、有利区間比率を70%以下とする仕様の遊技機を「7U」タイプと称し、指示込役物比率を70%以下とする仕様の遊技機を「7P」タイプと称する。有利区間を備える遊技機では、「7U」タイプ又は「7P」タイプのいずれかとなる。「7U」タイプの場合には、有利区間比率(累計)を管理情報表示LED74に表示し、「7P」タイプの場合には、指示込役物比率(累計)を表示する。
「7U」タイプでは、全遊技区間に対する有利区間の比率が「70」%以下にする必要があるが、「7P」タイプでは、指示機能の作動及び役物作動によって払い出された払出し数が総払出し数の70%以下にすればよく、たとえば遊技区間のうちの全期間、あるいはほとんどが有利区間であってもよい。
たとえば、非有利区間に移行したときは、100%の確率で有利区間抽選に当選するように設定すること、ほぼ100%(たとえば98%程度)の確率で有利区間抽選に当選するように設定すること、あるいは、高確率(たとえば、70%)で有利区間抽選に当選するように設定することが挙げられる。
「7U」タイプは、設定値自体を参照して指示機能に係る処理(たとえばAT抽選)を行うことはできないが、「7P」タイプは、設定値自体を参照して指示機能に係る処理を行うことが可能である。
また、管理情報表示LED74は、性能表示モニタとして、ぱちんこ遊技機においても適用可能である。
この場合の管理情報表示LED74(性能表示モニタ)は、スロットマシン(回胴式遊技機)の場合と同様に、2桁の識別セグと、2桁の比率セグとから構成される。そして、アウト球「60000」個ごとのリアルタイム(計測中)のベース値(「ベース値」とは、100個のアウト球に対してセーフ球が何個であるかを示す。)と、「60000」個ごとの1回前、2回前、及び3回前のベース値を順次表示する。たとえばリアルタイムのベース値の識別セグを「bL.」と表示し、1回前のベース値の識別セグを「b1.」と表示し、2回前のース値の識別セグを「b2.」と表示し、3回前のベース値の識別セグを「b3.」と表示する。
このように、管理情報表示LED74は、遊技機のうち、スロットマシンに限らず、ぱちんこ遊技機においても適用される。
「RT」とは、抽選対象となる役の種類(数)及びその当選確率が特有の抽選状態であることを意味し、「RT移行」とは、一のRTから他の一のRTに移行することによって、抽選対象となる少なくとも1つのリプレイの当選確率が変動することを意味する。
したがって、一のRTにおけるリプレイの種類及びその当選確率は、そのRT特有の値であり、一のRTと、他の一のRTとで、リプレイの種類及びその当選確率がすべて同一になることはない。ただし、一のRTと、他の一のRTとで、リプレイの当選確率の合算値が同一になることは、差し支えない。
なお、「非RT」とは、RTの概念に含まれないという意味ではなく、「RT0」と等価である。したがって、本明細書において「RT」というときは、非RTを含む。
<第1実施形態>
以下、図面等を参照して、第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態における遊技機の一例であるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。
スロットマシン10に設けられた代表的な制御基板として、メイン制御基板50とサブ制御基板80とを備える。
メイン制御基板50は、入力ポート51及び出力ポート52を有し、RWM53、ROM54、メインCPU55等を備える(図1で図示したもののみを備える意味ではない)。
図1において、メイン制御基板50と、ベットスイッチ40等の操作スイッチを含む遊技進行用の周辺機器とは、入力ポート51又は出力ポート52を介して電気的に接続されている。入力ポート51は、操作スイッチ等の信号が入力される接続部であり、出力ポート52は、モータ32等の周辺機器に対して信号を送信する接続部である。
図1中、入力用の周辺機器は、その周辺機器からの信号がメイン制御基板50に向かう矢印で表示しており、出力用の周辺機器は、メイン制御基板50からその周辺機器に向かう矢印で示している(サブ制御基板80も同様である)。
RWM53は、遊技の進行等に基づいた各種データ(変数)を記憶(更新)可能な記憶媒体である。
ROM54は、遊技の進行に必要なプログラムや各種データ(たとえば、データテーブル)等を記憶しておく記憶媒体である。
メインCPU55は、メイン制御基板50上に設けられたCPU(演算機能を備えるIC)を指し、遊技の進行に必要なプログラムの実行、演算等を行い、具体的には、役の抽選、リール31の駆動制御、及び入賞時の払出し等を実行する。
また、メイン制御基板50上には、RWM53、ROM54、メインCPU55及びレジスタを含むMPUが搭載される。なお、RWM53及びROM54は、MPU内部に搭載されるもの以外に、外部に備えていてもよい。
なお、後述するサブ制御基板80上においても、RWM83、ROM84、及びサブCPU85を含むMPUが搭載される。なお、RWM83及びROM84は、MPU内部に搭載されるもの以外に、外部に備えてもよい。
図1において、メダル投入口47から投入されたメダルは、メダルセレクタ内部に送られる。
メダルセレクタ内には、図1に示すように、通路センサ46、ブロッカ45、投入センサ44(一対の投入センサ44a及び44b)が設けられており(ただし、これらに限定されるものではない)、これらは、メイン制御基板50と電気的に接続されている。
メダル投入口47から投入されたメダルは、最初に、通路センサ46に検知されるように構成されている。
さらに、通路センサ46の下流側には、ブロッカ45が設けられている。ブロッカ45は、メダルの投入を許可/不許可にするためのものであり、メダルの投入が不許可状態のときは、メダル投入口47から投入されたメダルを払出し口から返却するメダル通路を形成する。これに対し、メダルの投入が許可状態のときは、メダル投入口47から投入されたメダルをホッパー35に案内するメダル通路を形成する。ブロッカ45は、たとえば、メダルセレクタ内のメダル通路の一部に形成された開口部(メダル返却口に通じる開口部)を塞いでメダルをホッパー35側に案内するためのメダル通路を形成する切替え部材と、その切替え部材を駆動するためのアクチュエータ等とから構成されている。
ここで、ブロッカ45は、遊技中(リール31の回転開始時から、全リール31が停止し、役の入賞時には入賞役に対応する払出しの終了時まで)は、メダルの投入を不許可状態とする。すなわち、ブロッカ45がメダルの投入を許可するのは、少なくとも遊技が行われていないときである。
メダルセレクタ内において、ブロッカ45のさらに下流側には、投入センサ(光学センサ)44が設けられている。投入センサ44は、本実施形態では所定距離を隔てて配置された一対の投入センサ44a及び44bからなり、メダルが一方の投入センサ44aにより検知されてから所定時間を経過した後に他方の投入センサ44bにより検知されるように構成されている。そして、一対の投入センサ44がそれぞれオン/オフとなるタイミングに基づいて、正しいメダルが投入されたか否かを判断する。
また、図1に示すように、メイン制御基板50には、遊技者が操作する操作スイッチとして、ベットスイッチ40(40a又は40b)、スタートスイッチ41、(左、中、右)ストップスイッチ42、及び精算スイッチ43が電気的に接続されている。
ここで、「操作スイッチ(又は、単に、「スイッチ」)」とは、遊技者(操作者)による操作体の操作に基づいて(外部からの力を受け)、電気信号のオン/オフを切り替える装置(電気回路及び/又は電気部品を含む)を指し、遊技者が操作する操作体の形状を限定するものではない。
操作スイッチがオフ状態であるときは、たとえば発光素子からの光が受光素子に入射し続けている(受光素子が光を検知し続けているときは、操作スイッチはオフ状態にある。)。そして、遊技者等により操作スイッチ(の操作体)が操作されると、発光素子からの光が受光素子に入射しない状態となる。この状態を検知したときに、操作スイッチがオン状態になったことを示す電気信号をメイン制御基板50に送信する。なお、上記とは逆に、操作スイッチがオフ状態であるときは発光素子からの光が受光素子に入射せず、発光素子からの光が受光素子に入射したときにオン状態となるように構成してもよい。
本実施形態では、スタートスイッチ41の操作体は、レバー(棒)状であり(このため、「スタートレバー(スイッチ)41」とも称される。)、ベットスイッチ40、ストップスイッチ42、及び精算スイッチ43の操作体は、押しボタン状である(このため、「ベットボタン(スイッチ)40」、「停止(ストップ)ボタン(スイッチ)42」、「精算ボタン(スイッチ)43」とも称される)。
また、図1では図示しないが、操作スイッチの操作体及び/又はその周囲若しくは近傍には、LED(発光手段)が設けられている。そして、その操作スイッチの操作受付けが許可状態にあるときは、たとえばその操作スイッチに対応するLED等を青色発光し、その操作スイッチの操作受付けが不許可状態にあるときは、たとえばその操作スイッチのLED等を赤色発光することにより、その操作スイッチの許可/不許可状態を遊技者に示すようにしている。
具体的には、たとえば全リール31が回転中であり、ストップスイッチ42の操作が受付け可能な状態であるときは、すべてのストップスイッチ42のLEDを青色発光させ、操作可能であることを遊技者に示す。そして、1つのストップスイッチ42が操作されると、操作されたストップスイッチ42に対応するリール31が停止制御される。その後、残りのストップスイッチ42が操作可能となるのは、停止制御されたリール31に対応するモータ32の励磁状態が終了し、かつ、操作されたストップスイッチ42の検知センサ42eがオフになった後である。したがって、その間は、すべてのストップスイッチ42のLEDを赤色発光する。そして、操作されたストップスイッチ42に対応するモータ32の励磁状態が終了し、かつ、そのストップスイッチ42に対応する検知センサ42eがオフになったときは、すでに操作されたストップスイッチ42のLEDは赤色発光のままであるが、未だ操作されていないストップスイッチ42のLEDについては青色発光させる。
ベットスイッチ40は、貯留されたメダルを今回遊技のためにベットするときに遊技者に操作される操作スイッチである。本実施形態では、1枚のメダルを投入するための1ベットスイッチ40aと、3枚(最大数、規定数)のメダルを投入するための3ベットスイッチ40bとを備える。
なお、これに限らず、2枚ベット用のベットスイッチを設けてもよい。
なお、規定数は、たとえば第1に、役物非作動時/作動時に応じて予め定められている場合がある。この場合には、たとえば、役物非作動時、SB作動時、1BB作動時は3枚、2BB作動時は2枚、等のように設定されている。1ベットスイッチ40aを2回操作すると2枚のメダルを投入可能であり、3回操作すると3枚のメダルを投入可能である。また、規定数が3枚であるときは、3ベットスイッチ40bを操作すれば一時に3枚のメダルを投入可能であり、規定数が2枚であるときは、3ベットスイッチ40bを操作すれば一時に2枚のメダルを投入可能である。規定数未満がすでにベットされている状態で3ベットスイッチ40bを操作すれば、ベット数が3枚となるようにベット処理が行われる。
また、規定数は、たとえば第2に、一律に(遊技状態等にかかわらず)たとえば「3枚」と定められている場合がある。以下の第1実施形態の例では、規定数は常に「3枚」と定められている。
また、スタートスイッチ41は、(左、中、右のすべての)リール31を始動させるときに遊技者に操作される操作スイッチである。
さらにまた、ストップスイッチ42は、3つ(左、中、右)のリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者に操作される操作スイッチである。
さらに、精算スイッチ43は、スロットマシン10内部にベット及び/又は貯留(クレジット)されたメダルを払い戻す(ペイアウトする)ときに遊技者に操作される操作スイッチである。
また、図1に示すように、メイン制御基板50には、表示基板75が電気的に接続されている。なお、実際には、メイン制御基板50と表示基板75との間には、中継基板が設けられ、メイン制御基板50と中継基板、及び中継基板と表示基板75とが接続されているが、図1では中継基板の図示を省略している。このように、メイン制御基板50と表示基板75とは、直接ハーネス等で接続されていてもよいが、両者間に別の基板が介在してもよい。
さらに、制御基板同士が直接ハーネス等で接続されていることに限らず、他の別基板(中継基板等)を介して接続されていてもよい。たとえば、メイン制御基板50とサブ制御基板80との間に1つ以上の他の別基板(中継基板等)が介在してもよい。
表示基板75には、クレジット数表示LED76、及び獲得数表示LED78が搭載されている。
クレジット数表示LED76は、スロットマシン10内部に貯留(クレジット)されたメダル枚数を表示するLEDであり、上位桁及び下位桁の2桁から構成されている。
また、獲得数表示LED78は、役の入賞時に、払出し数(遊技者の獲得数)を表示するLEDであり、クレジット数表示LED76と同様に、上位桁及び下位桁の2桁から構成されている。
なお、獲得数表示LED78は、払い出されるメダルがないときは、消灯するように制御してもよい。あるいは、上位桁を消灯し、下位桁のみを「0」表示してもよい。
また、獲得数表示LED78は、通常は獲得数を表示するが、エラー発生時にはエラーの内容(種類)を表示するLEDとして機能する。
さらにまた、獲得数表示LED78は、AT中に押し順を報知する遊技では、押し順指示情報を表示する(有利な押し順を報知する)LEDとして機能する。よって、本実施形態における獲得数表示LED78は、獲得数、エラー内容、及び押し順指示情報の表示を兼ねるLEDである。ただし、これに限らず、押し順指示情報を表示する専用のLED等を設けてもよいのはもちろんである。
なお、AT中において、有利な押し順の報知は、サブ制御基板80に接続された画像表示装置23によっても実行される。
図1において、メイン制御基板50には、図柄表示装置のモータ(本実施形態ではステッピングモータ)32等が電気的に接続されている。
図柄表示装置は、図柄を表示する(本実施形態では3つの)リール31と、各リール31をそれぞれ駆動するモータ32と、リール31の位置を検出するためのリールセンサ33とを含む。
モータ32は、リール31を回転させるための駆動手段となるものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段65によって制御される。
ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
なお、左リール31を第1リール31と称する場合があり、中リール31を第2リール31と称する場合があり、右リール31を第3リール31と称する場合がある。
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。
また、各リール31には、1個(2個以上であってもよい)のインデックスが設けられている。インデックスは、リール31のたとえば周側面に凸状に設けられており、リール31が所定位置を通過したか否かや、1回転したか否か等を検出するときに用いられる。そして、各インデックスは、リールセンサ33により検知される。リールセンサ33の信号は、メイン制御基板50に電気的に接続されている。そして、インデックスがリールセンサ33を検知する(切る)と、その入力信号がメイン制御基板50に入力され、そのリール31が所定位置を通過したことが検知される。
また、リールセンサ33がリール31のインデックスを検知した瞬間の基準位置上の図柄を予めROM54に記憶している。これにより、インデックスを検知した瞬間の基準位置上の図柄を検知することができる。さらに、リールセンサ33がリール31のインデックスを検知した瞬間から、(ステッピング)モータ32を何パルス駆動すれば、前記基準位置上の図柄から数えて何図柄先の図柄を有効ライン上に停止させることができるかを識別可能となる。
また、メイン制御基板50には、メダル払出し装置が電気的に接続されている。メダル払出し装置は、メダルを溜めておくためのホッパー35と、ホッパー35のメダルを払出し口から払い出すときに駆動するホッパーモータ36と、ホッパーモータ36から払い出されたメダルを検出するための払出しセンサ37を備える。
メダル投入口47から手入れされ、受け付けられた(正常であると判断された)メダルは、ホッパー35内に収容されるように形成されている。
払出しセンサ(光学センサ)37は、本実施形態では、所定距離を隔てて配置された一対の払出しセンサ37a及び37bからなる。そして、メダルが払い出されるときには、そのメダルにより所定の移動部材が移動する。所定の移動部材の移動によって、払出しセンサ37a及び37bがオン/オフされる。所定時間の範囲内で払出しセンサ37a及び37bがそれぞれオン/オフされたか否かに基づいて、メダルが正しく払い出されたか否かを判断する。
たとえば、ホッパーモータ36が駆動しているにもかかわらず、一対の払出しセンサ37のオンを検知しないときは、メダルが払い出されていないと判断し、ホッパーエラー(メダルなし)と検知される。
一方、払出しセンサ37の少なくとも1つがオン信号を出力し続けたままとなったときは、メダル詰まりが生じたと検知する。
遊技者は、遊技を開始するときは、ベットスイッチ40の操作により予めクレジットされたメダルを投入するか(貯留ベット)、又はメダル投入口47からメダルを手入れ投入する(手入れベット)。当該遊技の規定数のメダルがベットされた状態でスタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御基板50に入力される。メイン制御基板50(具体的には、後述するリール制御手段65)は、この信号を受信すると、役抽選手段61による抽選を行うとともに、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓内で上下方向に移動表示される。
そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(たとえば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御基板50に入力される。メイン制御基板50(具体的には、後述するリール制御手段65)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、役抽選手段61の抽選結果(内部抽せん手段により決定した結果)に対応するように、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。
そして、すべてのリール31の停止時における図柄組合せにより、今回遊技の遊技結果を表示する。さらに、いずれかの役に対応する図柄組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
次に、メイン制御基板50の具体的構成について説明する。
図1に示すように、メイン制御基板50のメインCPU55は、以下の役抽選手段61等を備える。本実施形態における以下の各手段は例示であり、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
役抽選手段61は、当選番号の抽選(決定、選択)を行う。このため、役抽選手段61は、「当選番号抽選(決定、選択)手段」とも称する。ここで、「役抽選手段61による当選番号の抽選」は、風営法規則(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則。以下、単に「規則」という。)における「内部抽せん」と同じであり、役抽選手段61による抽選結果は、規則における「内部抽せんにより決定した結果」と同じである。したがって、役抽選手段61を、規則に合わせた表現で、「内部抽せん手段61」とも称する。
役抽選手段61は、たとえば、抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、当選番号を決定する当選番号決定手段とを備えている。
乱数発生手段は、所定の領域(たとえば10進数で「0」~「65535」)の乱数を発生させる。乱数は、たとえば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが「0」~「65535」の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する抽選テーブルと照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する当選番号を決定する。
役抽選手段61により当選番号が決定されると、その当選番号に基づいて、条件装置番号(入賞及びリプレイ条件装置番号、並びに役物条件装置番号)が決定され、当該遊技で作動可能となる入賞及びリプレイ条件装置、並びに役物条件装置が定まることとなる。このため、役抽選手段61は、条件装置番号の決定(抽選又は選択)手段、当選役決定(抽選又は選択)手段等とも称される。
「役物条件装置番号」は、特別役(役物)に対応する条件装置番号である。
さらに、「入賞及びリプレイ条件装置番号」は、小役又はリプレイに対応する条件装置番号である。
当選フラグ制御手段62は、役抽選手段61による抽選結果に基づいて、各役に対応する当選フラグのオン/オフを制御するものである。本実施形態では、すべての役について、役ごとに当選フラグを備える。そして、役抽選手段61による抽選においていずれかの役の当選となったときは、その役の当選フラグをオンにする(当選フラグを立てる)。なお、役の当選には、当選役が1つである場合(単独当選)と、当選役が複数ある場合(重複当選)とが挙げられる。
押し順指示番号選択手段63は、役抽選手段61による当選番号の抽選結果(押し順ベル、又は押し順リプレイ当選時)に基づいて、押し順指示番号(正解押し順に相当する番号)の選択(決定)を行うものである。
ここで選択される押し順指示番号の「押し順」とは、遊技者にとって有利な押し順(正解押し順)を意味する。たとえば押し順ベルの当選時には、高目ベルを入賞させる押し順(正解押し順)を指す。また、リプレイ重複当選時は、有利なRTに昇格させる押し順又は不利なRTに転落させない押し順を指す。
本実施形態では、当選番号ごとに、それぞれ固有の押し順指示番号を備える。
そして、AT中に、押し順ベル又は押し順リプレイに当選したときは、メイン制御基板50は、上述した獲得数表示LED78に、押し順指示番号に対応する押し順指示情報、具体的には「=*」(「*」=1、2、・・)のような情報を表示する。このように、有利な押し順を有する条件装置の作動時に、押し順指示情報を表示する機能は、指示機能とも称される。
また、AT中に、押し順ベル又は押し順リプレイに当選したときは、メイン制御基板50は、遊技の開始時(スタートスイッチ41が操作され、当選番号が決定された後)に、サブ制御基板80に対し、押し順指示番号に対応するコマンドを送信する。
サブ制御基板80は、当該コマンドを受信したときは、正解押し順を画像表示装置23で画像表示する。
なお、メイン制御基板50が選択した押し順指示番号をサブ制御基板80に送信することができるのは、有利区間(AT)中に限られる。したがって、通常区間において押し順指示番号選択手段63により押し順指示番号が選択されたとしても、その押し順指示番号がサブ制御基板80に送信されることはない。なお、通常区間では、押し順指示番号を選択しなくてもよい。
演出グループ番号選択手段64は、当選番号に対応する演出グループ番号であって、サブ制御基板80に送信するための番号を選択するものである。
ここで、当選番号に対応する演出グループ番号が予め定められている。そして、演出グループ番号選択手段64は、スタートスイッチ41が操作されることにより当選番号が決定すると、当該遊技の当選番号に対応する演出グループ番号を選択し、メイン制御基板50は、選択した演出グループ番号をサブ制御基板80に送信する。サブ制御基板80は、受信した演出グループ番号に基づいて、当選役に関する演出を出力する。演出グループ番号は、上記の押し順指示番号と異なり、毎遊技選択され、メイン制御基板50からサブ制御基板80に送信される。
また、メイン制御基板50は、サブ制御基板80に対し、当該遊技の当選番号を送信しない。このため、サブ制御基板80は、当該遊技の当選番号を知ることはできない。ただし、サブ制御基板80は、毎遊技、演出ブループ番号を受信するので、受信した演出グループ番号に基づいて、演出を出力可能となる。ただし、押し順ベル又は押し順リプレイの当選時であっても、演出グループ番号から正解押し順を判断できないので、サブ制御基板80は、演出グループ番号に基づいて正解押し順を報知することはない。これに対し、AT中は、押し順ベル又は押し順リプレイの当選時は、メイン制御基板50からサブ制御基板80に対し、押し順指示番号を送信する。これにより、サブ制御基板80は、受信した押し順指示番号に基づいて、正解押し順を報知可能となる。
リール制御手段65は、リール31の回転開始命令を受けたとき、特に本実施形態ではスタートスイッチ41の操作を検知したときに、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御する。
さらに、リール制御手段65は、役抽選手段61により当選番号の決定が行われた後、今回遊技における当選フラグのオン/オフを参照して、当選フラグのオン/オフに対応する停止位置決定テーブルを選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42の操作を検知したときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御する。
たとえば、リール制御手段65は、少なくとも1つの当選フラグがオンである遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役(当選フラグがオンになっている役)に対応する図柄組合せを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役(当選フラグがオフになっている役)に対応する図柄組合せを有効ラインに停止させないようにリール31を停止制御する。
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでの時間又はリール31の回転量(移動図柄(コマ)数)の範囲内を意味する。
本実施形態では、リール31は、定速時は1分間で約80回転する速度で回転される。
そして、ストップスイッチ42が操作されたときは、MB作動中の所定のリール31(たとえば、中リール31)を除き、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31を停止させるまでの時間が190ms以内に設定されている。これにより、本実施形態では、MB作動中の所定のリール31を除き、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からリール31が停止するまでの最大移動図柄数が4図柄に設定されている。
一方、MB作動中の所定のリール31については、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31を停止させるまでの時間が75ms以内に設定されている。これにより、MB作動中の所定のリール31については、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からリール31が停止するまでの最大移動図柄数が1図柄に設定されている。
そして、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間に、リール31の停止制御の範囲内にある図柄のいずれかが所定の有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が所定の有効ラインに停止するように制御される。
すなわち、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選番号に対応する役の図柄が所定の有効ラインに停止しないときには、リール31を停止させるまでの間に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選番号に対応する役の図柄をできる限り所定の有効ラインに停止させるように制御する(引込み停止制御)。
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選番号に対応しない役の図柄組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選番号に対応しない役の図柄組合せを有効ラインに停止させないように制御する(蹴飛ばし停止制御)。
さらに、複数の役に当選している遊技(たとえば、押し順ベル当選時)では、ストップスイッチ42の押し順や、ストップスイッチ42の操作タイミングに応じて、入賞させる役の優先順位が予め定められており、所定の優先順位によって、最も優先する役に係る図柄の引込み停止制御を行う。
入賞判定手段66は、リール31の停止時に、有効ラインに停止したリール31の図柄組合せが、いずれかの役に対応する図柄組合せであるか否かを判断するものである。
ここで、入賞判定手段66は、実際に、役に対応する図柄組合せが有効ラインに停止したか否かを検知することはない。具体的には、当該遊技で作動した条件装置と、ストップスイッチ42の押し順及び/又はストップスイッチ42の操作タイミングとから、リール31が実際に停止する前に有効ラインに停止する図柄組合せを予め判断するか、又はリール31の停止後に有効ラインに停止した図柄組合せを予め判断する。
制御コマンド送信手段71は、サブ制御基板80に対し、サブ制御基板80で出力する演出に必要な情報(制御コマンド)を送信する。
制御コマンドとしては、たとえばベットスイッチ40が操作されたときの情報、スタートスイッチ41が操作されたときの情報、押し順指示番号(AT中、かつ正解押し順を有する当選番号に当選したときのみ)、演出グループ番号、RT(遊技状態)情報、ストップスイッチ42が操作されたときの情報、入賞した役の情報等が挙げられる。
メイン制御基板50上には、設定値表示LED73を備える。
「設定値」は、遊技者の有利度に関するものであり、本実施形態では、図示しないが、設定1~設定6の6段階を設けている。そして、設定値が高くなるほど、遊技者の有利度が高くなるようにしている。
さらにまた、電源がオフの状態で、設定キースイッチ(後述する図112(第5実施形態)中、設定キースイッチ152に相当)をオンにし、この状態で電源をオンにすると、設定値を変更可能な設定変更状態(設定変更モード)に移行する。このとき、RWM53の所定の記憶領域を初期化する初期化処理(RWMクリア処理)が実行される。
さらに、電源がオンの状態で、設定キースイッチをオンにすると、設定値の変更はできないが、設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に移行する。
図1において、サブ制御基板80は、遊技中及び遊技待機中における演出(情報)の選択や出力等を制御するものである。
ここで、メイン制御基板50とサブ制御基板80とは、電気的に接続されており、メイン制御基板50(制御コマンド送信手段71)は、パラレル通信によってサブ制御基板80に一方向で、演出の出力に必要な情報(制御コマンド)を送信する。
なお、メイン制御基板50とサブ制御基板80とは、電気的に接続されることに限らず、光通信手段を用いた接続であってもよい。さらに、電気的接続及び光通信接続のいずれも、パラレル通信に限らず、シリアル通信であってもよく、シリアル通信とパラレル通信とを併用してもよい。
サブ制御基板80は、メイン制御基板50と同様に、入力ポート81、出力ポート82、RWM83、ROM84、及びサブCPU85等を備える。
サブ制御基板80には、入力ポート81又は出力ポート82を介して、図1に示すような以下の演出ランプ21等の演出用周辺機器が電気的に接続されている。ただし、演出用の周辺機器は、これらに限られるものではない。
RWM83は、サブCPU85が演出を制御するときに取り込んだデータ等を一時的に記憶可能な記憶媒体である。
また、ROM84は、演出用データとして、演出に係る抽選を行うとき等のプログラムや各種データ等を記憶しておく記憶媒体である。
演出ランプ21は、たとえばLED等からなり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、演出ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ、リール31の上部からリール31上の図柄を照光する蛍光灯、スロットマシン10のフロントドア前面に配置され、役の入賞時等に点滅する枠ランプ等が含まれる。
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像(正解押し順、当該遊技で作動する条件装置に対応する演出等)や、遊技情報(役物作動時や有利区間(AT)中の遊技回数や獲得枚数等)等を表示するものである。
図2は、第1実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。図2に示すように、第1実施形態では、各リール31は、20コマからなる。
また、第1実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が停止するまでの最大移動図柄数は「4」に設定されている。
したがって、1つのリール31において、所定図柄を5図柄間隔で4個配置すれば、いずれの位置でストップスイッチ42が操作されても、常に所定図柄を有効ラインに停止表示可能となる。具体的には、たとえば左リール31において、「リプレイ」は、17番、12番、7番、及び2番に配置されている。したがって、左リール31における「リプレイ」は、5図柄間隔4個配置である。このため、左リール31については、どのタイミングで左ストップスイッチ42が操作されても、常に、有効ラインに「リプレイ」を停止させることができる。このような図柄配置を「「PB=1」配置」と称する場合がある。一方、このような図柄配置になっていない場合を、「「PB≠1」配置」と称する場合がある。
そして、左リール31では、「リプレイ」、「スイカ」、「ベルA」は、それぞれ「PB=1」配置である。
また、中リール31では、「リプレイ」、「ベルA」、「ベルB」は、それぞれ「PB=1」配置である。
さらにまた、右リール31では、「リプレイ」、「スイカ」、「ベルA」は、それぞれ「PB=1」配置である。
さらに、たとえば左リール31において、「ブランクB」及び「チェリー」は、これら2図柄合算で「PB=1」配置である。したがって、どのタイミングで左ストップスイッチ42が操作されても、「ブランクB」又は「チェリー」のいずれかを有効ラインに停止表示可能である。このように、2図柄合算で「PB=1」図柄が配置されている箇所を有する。
さらにまた、たとえば左リール31において、「白BAR」、「赤7」、「黒BAR」、「ブランクA」は、これら4図柄合算で「PB=1」配置である。したがって、どのタイミングで左ストップスイッチ42が操作されても、「白BAR」、「赤7」、「黒BAR」、「ブランクA」のいずれかを有効ラインに停止可能である。このように、4図柄合算で「PB=1」図柄が配置されている箇所を有する。
図3(A)は、表示窓18と、各リール31の位置関係と、有効ライン(図柄組合せを表示する表示ライン)とを示す図である。
とができる。
また、第1実施形態における有効ラインは、水平方向中段の1ラインである。そして、各リール31は、表示窓18から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓17から、合計9個の図柄(コマ)が見えるように配置されている。
第1実施形態では、表示窓18から見える停止時の図柄位置を、上から順に「上段」、「中段」、「下段」と称し、左リール31であれば、それぞれ「左上段」、「左中段」、「左下段」と称する。
図4~図11は、第1実施形態における役(役抽選手段61で抽選される当選番号に対応する役等)等の種類、図柄組合せ、払出し枚数等を示す図である。
図4に示すように、第1実施形態の遊技状態としては、役物未作動時(非特別遊技状態)、RB作動時(役物作動時、特別遊技状態)を有し、これらの遊技状態の規定数(ベット数)は「3」枚に設定されている。
図4に示すように、特別役(役物)は、役番号「001」の1BB(第一種役物連続作動装置;第一種ビッグボーナス)のみである。
1BBに当選すると、1BBが入賞するまで、当該当選が次回遊技に持ち越される。1BBの当選が持ち越されていない状態を「非内部中」と称し、1BBの当選が持ち越されている状態を「内部中」と称する。また、1BBに当選した遊技は「非内部中」とする。すなわち、「内部中」と称するときは、前回遊技までに1BBに当選している状態を指す。なお、内部中への移行タイミングは、適宜設定することができる。たとえば、1BBに当選した当該遊技で、すべてのリール31の停止後に、1BB内部中に移行させてもよく、また、1BBに当選した当該遊技では1BB内部中に移行させず、次回遊技で1BB内部中に移行させてもよい。
非特別遊技状態(役物未作動時)において1BBに当選し、1BBが入賞すると、今回遊技におけるメダルの払い出しはないが、次回遊技から、1BB遊技(特別遊技状態)に移行し、1BB遊技中は、1BB遊技の終了条件を満たすまでRBが連続作動(役物作動)状態となる。
ここで、第1実施形態では、1BBが入賞することは想定しておらず、1BB内部中のまま遊技を行う仕様である。
当選が次回遊技に持ち越される1BBに対し、リプレイ及び小役は、当選が当該遊技でのみ有効となり、次回遊技には持ち越されない。
なお、特別役としては、上記1BB以外に、MB(第二種役物連続作動装置;第二種ビッグボーナス)を挙げることができる。
MBに当選し、MBに対応する図柄組合せが有効ラインに停止(MBが入賞)すると、今回遊技におけるメダルの払出しはないが、次回遊技から、MB遊技を開始する。MB遊技中は、CB(第二種特別役物)遊技が連続して実行される。
CB遊技は、役抽選手段61による抽選結果にかかわらず、すべての小役に重複当選した状態になるとともに、特定のリール31(たとえば、左リール31)について、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が停止するまでの時間が75ms以内(最大移動コマ数が1コマ)になる。CB遊技は、1遊技で終了する。MB遊技中のメダルの払出し枚数が所定枚数を超えるとMB遊技が終了し、次回遊技からMB遊技に移行する前の遊技状態に戻る。
図4~図7に示すように、第1実施形態におけるリプレイの種類としてはリプレイ01~リプレイ22を備える。いずれのリプレイに対応する図柄組合せが停止表示しても再遊技となる。
なお、役番号「008」のリプレイ04の図柄組合せは、「赤7」揃いであり、詳細は後述するが、当選役にリプレイ04を含む所定の条件装置の作動時に所定押し順でストップスイッチ42を操作すると「赤7」揃いが停止表示可能となり、サブボーナス(「サブボーナス遊技」ともいう。「AT」と同じである。詳細は後述する。)に移行可能となる。
図7~図11に示すように、第1実施形態における小役の種類としては、小役01~小役87を備える。
小役01~小役08は、14枚の払出しとなる小役であり、押し順によって遊技結果が異なる所定の条件装置(後述する入賞A条件装置又は入賞B条件装置)の作動時に、14枚役が入賞可能となる押し順(「有利な押し順」、「正解押し順」ともいう。)でストップスイッチ42を操作すると入賞可能となる小役である。
また、小役09~小役13は、3枚の払出しとなる小役であり、押し順によって遊技結果が異なる特定の条件装置(後述する入賞C条件装置、入賞D条件装置又は入賞E条件装置)の作動時に、3枚役が入賞可能となる押し順(上記と同様に、「有利な押し順」、「正解押し順」ともいう。)でストップスイッチ42を操作すると入賞可能となる小役である。
また、小役14~小役69(1枚役)は、押し順によって遊技結果が異なる条件装置の作動時に、有利でない押し順でストップスイッチ42が操作されたときに入賞可能となる役である。
図12は、第1実施形態におけるRT遷移を示す図である。まず、RWM53が初期化されると、非RTに移行する。ここでの「RWM初期化」は、たとえば設定変更を伴う電源投入時に実行されるものであり、RWM53の全範囲の初期化を示し、1BBに当選している情報や、RT状態の初期化を含むものである。RT状態のデータが初期化されると「0」となるが、RT状態のデータが「0」の場合は、非RTに相当する。
非RTは、1BB非内部中であり、1BBに当選するまで継続する。なお、後述するように、非RTにおける1BBの当選確率は、「7564/65536(約11%)」である。
1BBに当選した遊技において1BBに対応する図柄組合せが停止表示しなかったときは、次回遊技からRT1(1BB内部中)となる。なお、本実施形態では、RT1(1BB内部中)になると、小役及びリプレイの非当選遊技が存在しない。このため、RT1において1BBが入賞する場合はない。よって、1BBが入賞するのは非RTにおいて1BBが当選した遊技に限られる。さらに、本実施形態における1BBに当選する遊技は、1BBに単独当選する場合と1BBと小役(入賞E)とに重複当選する場合とを有する。そして、1BBと小役(入賞E)とに重複当選した遊技では、小役(入賞E)に係る図柄が優先して停止表示するので、当該遊技で1BBが入賞する場合はない。
よって、1BBが入賞するのは非RTにおいて1BBが単独当選した遊技(後述するように、その確率は「4/65536」)のみである。よって、そのようなケースはほとんど生じない。
一方、1BBに当選した遊技において1BBに対応する図柄組合せが停止表示したときは、1BB作動中(RB作動中)(特別遊技状態)となり、1BB作動の終了条件を満たすまで(たとえば100枚の払出しまで)継続する。1BB作動の終了条件を満たすと、再度非RTに移行する。
図13~図18は、第1実施形態における各当選番号ごとの置数(当選確率)を示す図である。図13及び図14は、非RTの置数表を示し、図15及び図16はRT1の置数表を示し、図17及び図18は、RB作動中の置数表を示している。
各置数表中の数値を「65536」で割ると、当選確率となる。たとえば、図13中、当選番号「1」(リプレイA)の置数は、全設定共通で「8943」であるので、その当選確率は、「8943/65536」(約「1/7.3」)となる。
また、「設定値」は、第1実施形態と同様に、遊技者の有利度に関するものであり、「設定1」~「設定6」の6段階を有する。
このように、RT(遊技状態)ごと及び設定値ごとに置数が定められている。
また、各置数表において、「有利区間」とは、有利区間の移行抽選の有無を示している。「○」は、当該当選番号に当選したときに有利区間抽選が実行されることを意味し、「?」は、当該当選番号に当選したときに有利区間抽選が実行されないことを意味する。「-」は、抽選の対象となっていないために(置数が「0」であることにより)有利区間の抽選対象にならないことを意味する。さらに本実施形態では、有利区間移行抽選が実行されるときは、「1/1」の確率で有利区間に当選するように設定されている。
たとえば当該遊技が通常区間であり、図13中、当選番号「1」(リプレイA)に当選したときは、当該遊技で必ず有利区間移行に当選し、次回遊技から有利区間となる。
なお、有利区間中であるときは、有利区間移行抽選は実行されない。
また、図13及び図15に示すように、非RT及びRT1のいずれも、当選番号「2」(リプレイB)に当選したときは、有利区間移行抽選は実行されないので有利区間に移行しない。したがって、通常区間において当選番号「2」に当選したときは、次回遊技も通常区間となる。
さらに、図16に示すように、RT1において、当選番号「60」~「71」(入賞E1~入賞12)に当選したときは、有利区間移行抽選は実行されないので有利区間に移行しない。したがって、当選番号「2」と同様に、通常区間において当選番号「60」~「71」に当選したときは、次回遊技も通常区間となる。
なお、有利区間の移行抽選を実行することなく、有利区間に移行する当選番号を定めておき、当該当選番号に当選したときには次回遊技から有利区間に移行するようにしてもよい。たとえば、図13~図16に示す各置数表における有利区間の欄に「○」が付いている当選番号に当選したときには、有利区間移行抽選を実行することなく次回遊技から有利区間に移行するようにしてもよい。
図13及び図14に示すように、非RT(非内部中)における1BBの当選としては、単独当選となる当選番号「0」と、入賞Eとの重複当選となる当選番号「60」~「71」を備える。
これに対し、RT1(内部中)では1BBに当選する場合はない。このため、RT1では当選番号「0」に当選する場合はない。また、RT1における当選番号「60」~「71」の当選は、入賞Eの単独当選となる。
本実施形態において非RTであるのは、図12に示すように、RWM初期化後、すなわち設定変更を伴う電源投入後である。そして、1BBに当選した遊技で1BBが入賞しないと仮定すると、1BBに当選した後は、ずっとRT1(内部中)のままである。
一方、詳細は後述するが、有利区間は有利区間の開始時からの差数(払出し数から投入数を引いた値)が「2400」を超えた遊技の遊技終了時に終了し、差数「2400」を超えた遊技の次回遊技が通常区間となる。ただし、通常区間に移行しても1BBの当選を持ち越しているのでRT1のままである。
よって、本実施形態の場合には、RWM初期化後(設定変更後)は非RTかつ通常区間であるが、1BBに当選するとRT1となり、有利区間に移行する当選番号に当選すると次回遊技から有利区間に移行する。
そして、RT1かつ有利区間となった後、差数が「2400」を超えると、次回遊技はRT1かつ通常区間となる。RT1かつ通常区間において有利区間に移行する当選番号に当選すると、次回遊技からRT1かつ有利区間となる。
図19~図26は、条件装置番号、条件装置及び当選役等を示す図である。
まず、役抽選手段61では、各遊技状態に応じて、上述した置数表に対応する当選確率で当選番号が抽選される。たとえば非RTにおいて当選番号「0」(1BB)に当選すると、当該遊技では、役物条件装置番号「1」の1BB条件装置が作動可能な遊技となる。そして、1BB条件装置が作動可能な遊技では、1BB条件装置に含まれる当選役、すなわち1BBに対応する図柄組合せが有効ラインに停止可能となる。
また、たとえば非RTにおいて当選番号「1」(リプレイA)に当選すると、小役及びリプレイ条件装置中、リプレイA条件装置が作動可能な遊技となる。そして、リプレイA条件装置が作動する遊技では、リプレイA条件装置に含まれる当選役、具体的にはリプレイ01、03~05のいずれか1つの図柄組合せが有効ラインに停止可能となる。
また、本実施形態では、リプレイB条件装置作動時の遊技では、逆押し(押し順321(右中左))でストップスイッチ42を操作するとリプレイ04に対応する図柄組合せ(「赤7」揃い)が停止可能となり、それ以外の押し順でストップスイッチ42を操作するとリプレイ01に対応する図柄組合せが停止可能となる。
また、リプレイA、リプレイC~リプレイG条件装置作動時の遊技では、ストップスイッチ42の押し順にかかわらずリプレイ01に対応する図柄組合せが停止可能となる。
たとえばリプレイ01の図柄組合せは、図4中、役番号「001」の「ブランクB」-「ブランクB」-「リプレイ」であるが、左及び中リール31の「ブランクB」は「PB=1」配置であり、右リール31の「リプレイ」は「PB=1」配置である。したがって、リプレイA~リプレイG条件装置作動時の遊技では、いかなる押し順でストップスイッチ42が操作されても、リプレイ01を停止表示可能である。
また、リプレイB条件装置に含まれる当選役であるリプレイ01~05の図柄組合せは、それぞれ、
リプレイ01:「ブランクB」-「ブランクB」-「リプレイ」
リプレイ02:「ベルA」-「リプレイ」-「ベルA」
リプレイ03:「白BAR」-「リプレイ」-「赤7」
リプレイ03:「赤7」-「リプレイ」-「赤7」
リプレイ03:「黒BAR」-「リプレイ」-「赤7」
リプレイ03:「ブランクA」-「リプレイ」-「赤7」
リプレイ04:「赤7」-「赤7」-「赤7」
リプレイ05:「白BAR」-「赤7」-「赤7」
リプレイ05:「黒BAR」-「赤7」-「赤7」
リプレイ05:「ブランクA」-「赤7」-「赤7」
である。
そして、リプレイB条件装置作動時の遊技において、たとえば右第1停止時に「赤7」を停止可能であるときは、右中段に「赤7」を停止させる。右中段に「赤7」を停止させることができないときは右中段に「リプレイ」を停止させる。
右中段に「リプレイ」を停止させた後は、その後、中中段に「ブランクB」を停止させ、左中段に「ブランクB」を停止させる。
一方、右第1停止時に「赤7」を停止させた後、中第2停止時に中中段に「赤7」を停止可能であるときは中中段に「赤7」を停止させる。中中段に「赤7」を停止させることができないときは右中段に「リプレイ」を停止させる。なお、右第1停止時に「赤7」を停止させ、中第2停止時に「リプレイ」を停止させたときは、左第3停止時には「白BAR」、「赤7」、「黒BAR」又は「ブランクA」(4図柄合算で「PB=1」の図柄)を停止させる。これにより、リプレイ03が停止表示する。
次に、右第1停止時に「赤7」を停止させ、かつ中第2停止時に中中段に「赤7」を停止させた場合において、左第3停止時に左中段に「赤7」を停止可能であるときは左中段に「赤7」を停止させる。これにより、リプレイ04の図柄組合せが停止表示する。
一方、左第3停止時に左中段に「赤7」を停止させることができないときは、左中段に「白BAR」、「黒BAR」又は「ブランクA」を停止させる。これにより、リプレイ05が停止表示する。
さらに、第1停止が左リール31であるときは、「ベルA」を左中段に停止させる(PB=1)。また、その後は、中リール31の停止時には「リプレイ」を中中段に停止させ(PB=1)、右リール31の停止時には「ベルA」を右中段に停止させる(PB=1)。これにより、リプレイ02が停止表示する。
第1停止が中リール31であるときも上記と同様である。中リール31の停止時には「リプレイ」を中中段に停止させ、その後、左リール31の停止時には「ベルA」を左中段に停止させ、右リール31の停止時には「ベルA」を右中段に停止させる。
さらに、RT1は、1BBの当選を持ち越しているため、いずれかのリプレイに当選したときは、1BB条件装置と当選したリプレイ条件装置とが作動する遊技となる。しかし、1BB及びリプレイの双方が停止表示可能な遊技では、リプレイを停止表示させることが優先される。さらに、リプレイは「PB=1」である。よって、RT1においてリプレイ条件装置作動時の遊技では1BBが停止表示する場合はない。
さらに、RT1では、いずれかの小役に当選したときは、1BB条件装置と当選した小役条件装置とが作動する遊技となる。しかし、1BB及び小役の双方が停止表示可能な遊技では、小役を停止表示させることが優先される。ここで、小役は、「PB=1」である小役と「PB=1」でない小役とを有する。しかし、小役を停止表示させることを優先すると、1BBが停止表示しないように構成されている。換言すれば、小役が停止表示できない遊技であっても1BBが停止表示することはない。
具体的には、順押しで遊技を消化するとしたとき、1BBの図柄組合せを停止表示させるためには、左リール31の停止時に「ブランクB」を左中段に停止させる必要がある。しかし、左リール31の図柄が「ブランクB」となっているのは、役番号「276」の小役72、役番号「280」の小役76、及び役番号「282」の小役78だけである。しかし、小役条件装置作動時の遊技において、小役72、小役76又は小役78の停止表示が優先される場合はない。たとえば入賞A1条件装置には当選役として小役72を含むが、順押し時には小役52又は54の停止表示が優先される。
以上より、RT1において、いずれの条件装置作動時でも1BBの図柄組合せが停止表示する遊技は存在しない。
次に、いわゆる押し順ベルの条件装置について説明する。
押し順ベルの条件装置は、以下の種類から構成されている。
入賞A条件装置:入賞A1条件装置~入賞A16条件装置
入賞B条件装置:入賞B1条件装置~入賞B16条件装置
入賞C条件装置:入賞C1条件装置~入賞C8条件装置
入賞D条件装置:入賞D1条件装置~入賞D12条件装置
入賞E条件装置:入賞E1条件装置~入賞E12条件装置
そして、入賞A条件装置、及び入賞B条件装置は、変則押し(中第1停止又は右第1停止)が押し順正解となる条件装置である。これらの条件装置作動時の遊技において、押し順正解時には14枚の払出しとなる小役が入賞し、押し順不正解時には1枚の払出しとなる小役が入賞するか又は取りこぼしとなる。
一方、入賞C条件装置は、順押し(左第1停止)が押し順正解となる条件装置である。入賞C条件装置作動時の遊技において、押し順正解時には3枚の払出しとなる小役が入賞し、押し順不正解時には1枚の払出しとなる小役が入賞するか又は取りこぼしとなる。
また、入賞D条件装置作動時の遊技のうち、入賞D1~D4条件装置の遊技では左第1停止1が押し順正解となり、入賞D5~D8条件装置作動時の遊技では中第1停止が押し順正解となり、入賞D9~D12条件装置作動時の遊技では右第1停止が押し順正解となる。そして、これらの条件装置作動時の遊技において、押し順正解時には3枚の払出しとなる小役が入賞し、押し順不正解時には1枚の払出しとなる小役が入賞するか又は取りこぼしとなる。
さらに、入賞E条件装置作動時の遊技のうち、入賞E1~E4条件装置作動時の遊技では左第1停止が押し順正解となり、入賞E5~E8条件装置作動時の遊技では中第1停止が押し順正解となり、入賞E9~E12条件装置作動時の遊技では右第1停止が押し順正解となる。そして、これらの条件装置作動時の遊技において、押し順正解時には3枚の払出しとなる小役が入賞し、押し順不正解時には1枚の払出しとなる小役が入賞するか又は取りこぼしとなる。
以下、押し順ベルに係るいくつかの条件装置を抜粋して、当該条件装置作動時のリール停止制御について説明する。また、以下の説明では、RT1において1BBの当選を持ち越している場合であっても1BBに係る停止制御を省略する。
(例1)小役A1条件装置(押し順213正解)
たとえばRT1において当選番号「8」となり、小役A1条件装置が作動する遊技では、図19に示すように、小役01、14、32、52、54、70~72のいずれかが入賞可能となる。しかし、実際に入賞可能となる小役は、小役01、14、32、52、54のいずれである。小役70~72は、制御役(制御役とは、リール31の停止制御を異ならせるための役であり、入賞させるための役ではない)である。
そして、第1実施形態で説明したように、複数種類の小役が重複(同時)当選した場合に、押し順正解時には枚数優先でリール31を停止制御し、押し順不正解時には個数優先でリールを停止制御する。
図19に示すように、入賞A1条件装置作動時は、
押し順123(不正解):小役52、54(1枚)(入賞率「1/2」)
押し順132(不正解):小役52、54(1枚)(入賞率「1/2」)
押し順213(正解):小役入賞01(14枚)(PB=1)
押し順231(不正解):小役14(入賞率「1/2」)
押し順312(不正解):小役32(入賞率「1/8」)
押し順321(不正解):小役32(入賞率「1/8」)
がそれぞれ入賞可能となる。
なお、上記に示す各押し順は、第1実施形態と同様に、
押し順123:押し順左中右
押し順132:押し順左右中
押し順213:押し順中左右
押し順231:押し順中右左
押し順312:押し順右左中
押し順321:押し順右中左
をそれぞれ意味している。
さらにまた、入賞A1条件装置に含まれる各小役に対応する図柄組合せは、以下の通りである。
小役01:「スイカ」-「ベルA」-「スイカ」
小役14:「白BAR」-「ベルA」-「ベルA」
小役14:「赤7」-「ベルA」-「ベルA」
小役32:「黒BAR」-「白BAR」-「リプレイ」
小役32:「ブランクA」-「白BAR」-「リプレイ」
小役52:「リプレイ」-「スイカ」-「白BAR」
小役52:「リプレイ」-「スイカ」-「黒BAR」
小役54:「リプレイ」-「ブランクB」-「白BAR」
小役54:「リプレイ」-「ブランクB」-「黒BAR」
小役70:「ベルA」-「リプレイ」-「スイカ」
小役71:「チェリー」-「リプレイ」-「赤7」
小役72:「チェリー」-「リプレイ」-「ブランクB」
小役72:「ブランクB」-「リプレイ」-「ブランクB」
まず、中第1停止時は、この時点で押し順正解であるので、小役01を入賞させるために、枚数優先により中中段に「ベルA」を停止させる(PB=1)。
次に、左第2停止時は、この時点で押し順正解であるので、枚数優先により左中段に「スイカ」を停止させる(PB=1)。
そして、右第3停止時は、右中段に「スイカ」を停止させる(PB=1)。
これにより、小役01が入賞する。
また、中第1停止後、右第2停止時は、この時点で押し順不正解となるので、個数優先により右中段に「ベルA」を停止させる(PB=1)。
そして、左第3停止時には、「白BAR」又は「赤7」を左中段に停止可能であるときはこれらのいずれかの図柄を停止させる(PB≠1)。「白BAR」又は「赤7」を左中段に停止させることができれば、小役14の入賞となる。
ここで、左リール31の「白BAR」は「16」番に配置され、「赤7」は「11」番に配置されている。このため、「白BAR」又は「赤7」を左中段に引き込むことができる確率(引込み率(PB))は「1/2」である。よって、押し順231時には小役14が入賞可能となり、その入賞率は「1/2」となる。
次に、右第1停止時は、この時点で押し順不正解であるので、個数優先を採用すると、右リール31で最も個数の多い図柄は、「ベルA」、「リプレイ」、「白BAR」、「黒BAR」、「ブランクB」(それぞれ2個)である。このように最大個数となる図柄が複数の場合には任意に定めることができるので、これらの図柄のうち「リプレイ」を優先すると定め、「リプレイ」を右中段に停止させる(PB=1)。
そうすると、この時点で小役32のみが入賞可能となる。
次に、左第2停止時には、「黒BAR」又は「ブランクA」を左中段に停止可能であるときはこれらのいずれかの図柄を左中段に停止させる。「黒BAR」又は「ブランクA」の左中段への引込み率は「1/2」である。
さらに次に、中第3停止時には、「白BAR」を中中段に停止可能であるときは当該図柄を中中段に停止させる。「白BAR」の中中段への引込み率は「1/4」である。
よって、押し順312時には小役32が入賞可能となり、その入賞率は「1/8」となる。
また、右第1停止後、中第2停止時は、上記と同様に引込み率「1/4」で「白BAR」が停止する。さらに、左第3停止時は、上記と同様に引込み率「1/2」で「黒BAR」又は「ブランクA」が停止する。
よって、押し順321時には、小役32が入賞可能となり、その入賞率は「1/8」となる。
次に、左第1停止時は、この時点で押し順不正解であるので、個数優先を採用すると、左リール31で最も多い図柄は、「リプレイ」(4個)である。よって、「リプレイ」(PB=1)を停止させると定める。
そうすると、この時点で小役52又は54が入賞可能となる。
次に、中第2停止時には、「スイカ」又は「ブランクB」を中中段に停止可能であるときはこれらのいずれかの図柄を中中段に停止させる(合算で「PB=1」)。
さらに次に、右第3停止時には、「白BAR」又は「黒BAR」を右中段に停止可能であるときはこれらのいずれかの図柄を右中段に停止させる。「白BAR」又は「黒BAR」の右中段への引込み率は「1/2」である。
よって、押し順123時には小役52又は54が入賞可能となり、その入賞率は「1/2」となる。
また、左第1停止後、右第2停止時は、上記と同様に引込み率「1/2」で「白BAR」又は「黒BAR」が停止可能となる。さらに、中第3停止時は、上記と同様に「PB=1」で「スイカ」又は「ブランクB」を中中段に停止させることができる。
よって、押し順132時には小役52又は54が入賞可能となり、その入賞率は「1/2」となる。
(例2)小役A13条件装置(押し順321正解)
小役A13条件装置が作動する遊技では、図21に示すように、小役04、20、36、60、62、77、78、80のいずれかが入賞可能となる。
入賞A13条件装置作動時は、
押し順123(不正解):小役60、62(1枚)(入賞率「1/4」)
押し順132(不正解):小役60、62(1枚)(入賞率「1/4」)
押し順213(不正解):小役36(1枚)(入賞率「1/8」)
押し順231(不正解):小役36(1枚)(入賞率「1/8」)
押し順312(不正解):小役20(1枚)(入賞率「1/2」)
押し順321(正解):小役04(14枚)(PB=1)
がそれぞれ入賞可能となる。
また、各小役の図柄組合せは、以下の通りである。
小役04:「スイカ」-「スイカ」-「リプレイ」
小役04:「スイカ」-「ブランクB」-「リプレイ」
小役20:「ベルA」-「白BAR」-「リプレイ」
小役20:「ベルA」-「赤7」-「リプレイ」
小役36:「白BAR」-「リプレイ」-「白BAR」
小役36:「赤7」-「リプレイ」-「白BAR」
小役60:「リプレイ」-「ベルA」-「赤7」
小役62:「リプレイ」-「スイカ」-「赤7」
小役77:「チェリー」-「ベルB」-「スイカ」
小役78:「ブランクB」-「ベルB」-「スイカ」
小役80:「黒BAR」-「黒BAR」-「スイカ」
小役80:「ブランクA」-「黒BAR」-「スイカ」
ここでは、押し順123及び押し順132(入賞率「1/4」となる場合)を例に挙げて説明する。
左第1停止であるとき、この時点で押し順不正解となるので、個数優先で図柄を停止させる。この場合、「スイカ」、「ベルA」、「リプレイ」がそれぞれ図柄数「2」となるが、ここでは「リプレイ」(PB=1)と定める。
また、中(第2又は第3)停止時には、中中段に「ベルA」又は「スイカ」を停止可能であるときはこれらのいずれかの図柄を停止させる。なお、中リール31は「ベルA」だけで「PB=1」である。
さらにまた、右(第2又は第3)停止時には、右中段に「赤7」を停止可能であるときは当該図柄を停止させる(PB≠1)。なお、右リール31の「赤7」は1つだけであるので、引込み率は「1/4」である。
よって、小役A13条件装置作動時における押し順123及び押し順132での小役60又は62の入賞率は「1/4」となる。
(例3)小役B15条件装置(押し順321正解)
小役B15条件装置が作動する遊技では、図23に示すように、小役08、21、50、64、65、77~79のいずれかが入賞可能となる。
また、入賞B15条件装置作動時は、
押し順123(不正解):小役64、65(1枚)(入賞率「3/4」)
押し順132(不正解):小役64、65(1枚)(入賞率「3/4」)
押し順213(不正解):小役50(1枚)(入賞率「1/8」)
押し順231(不正解):小役50(1枚)(入賞率「1/8」)
押し順312(不正解):小役21(1枚)(入賞率「1/2」)
押し順321(正解):小役08(14枚)(PB=1)
がそれぞれ入賞可能となる。
また、各小役の図柄組合せは、以下の通りである。
小役08:「スイカ」-「リプレイ」-「リプレイ」
小役21:「ベルA」-「黒BAR」-「リプレイ」
小役21:「ベルA」-「チェリー」-「リプレイ」
小役50:「黒BAR」-「ベルA」-「チェリー」
小役50:「ブランクA」-「ベルA」-「チェリー」
小役64:「リプレイ」-「スイカ」-「ブランクB」
小役65:「リプレイ」-「ブランクB」-「ブランクB」
小役77:「チェリー」-「ベルB」-「スイカ」
小役78:「ブランクB」-「ベルB」-「スイカ」
小役79:「白BAR」-「白BAR」-「スイカ」
小役79:「赤7」-「白BAR」-「スイカ」
ここでは、押し順123及び押し順132(入賞率「3/4」となる場合)を例に挙げて説明する。
左第1停止であるとき、この時点で押し順不正解となるので、個数優先で図柄を停止させる。この場合、「スイカ」、「ベルA」、「リプレイ」がそれぞれ図柄数「2」となるが、ここでは「リプレイ」(PB=1)と定める。
また、中(第2又は第3)停止時には、中中段に「スイカ」又は「ブランクB」を停止可能であるときはこれらのいずれかの図柄を停止させる。なお、中リール31は、「スイカ」と「ブランクB」の2図柄合算で「PB=1」である。
さらにまた、右(第2又は第3)停止時には、右中段に「ブランクB」を停止可能であるときは当該図柄を停止させる(PB≠1)。なお、右リール31には「ブランクB」は5図柄間隔で3箇所に配置されているので、引込み率は「3/4」である。
よって、小役B15条件装置作動時における押し順123及び押し順132での小役64又は65の入賞率は「3/4」となる。
以上のように、入賞A条件装置及び入賞B条件装置作動時の遊技では、変則押しが押し順正解となり、押し順正解時には「PB=1」で14枚役が入賞する。
また、第1停止正解で第2停止不正解のときは、入賞率「1/2」で1枚役が入賞する。
さらにまた、左第1停止(順押し)であるときは、入賞率「1/1」、「1/2」、「1/4」又は「3/4」で1枚役が入賞する。
さらに、変則押しで第1停止不正解であるときは、入賞率「1/8」で1枚役が入賞する。
(例4)入賞C1条件装置(左第1正解)
小役C1条件装置が作動する遊技では、図23に示すように、小役09、28、29、44、45のいずれかが入賞可能となる。
また、入賞C1条件装置作動時は、
押し順1--(正解):小役09(3枚)(PB=1)
押し順-1-(不正解):小役44、45(1枚)(入賞率「1/4」)
押し順--1(不正解):小役28、29(1枚)(入賞率「1/4」)
がそれぞれ入賞可能となる。
また、各小役の図柄組合せは、以下の通りである。
小役09:「リプレイ」-「リプレイ」-「スイカ」
小役28:「白BAR」-「白BAR」-「リプレイ」
小役28:「赤7」-「白BAR」-「リプレイ」
小役29:「白BAR」-「赤7」-「リプレイ」
小役29:「赤7」-「赤7」-「リプレイ」
小役44:「白BAR」-「ベルA」-「白BAR」
小役44:「赤7」-「ベルA」-「白BAR」
小役45:「白BAR」-「ベルA」-「黒BAR」
小役45:「赤7」-「ベルA」-「黒BAR」
まず、左第1停止(押し順正解)であるとき、「リプレイ」を左中段に停止させる(PB=1)。また、その後の中停止時は「リプレイ」を中中段に停止させ(PB=1)、右停止時には「スイカ」を右中段に停止させる(PB=1)。
これにより小役09が入賞する。
また、中第1停止であるときは、この時点で押し順不正解となり、個数優先により、最も図柄数の多い「ベルA」を中中段に停止させる(PB=1)。
また、その後の左停止時は、「白BAR」又は「赤7」を左中段に停止させる(引込み率は2図柄合算で「1/2」)。さらにまた、その後の右停止時は、「チェリー」又は「ブランクA」を右中段に停止させる(引込み率は2図柄合算で「1/2」)。
よって、中第1停止時は「1/4」の入賞率で小役44又は45が停止表示する。
次に、右第1停止であるときは、この時点で押し順不正解となり、個数優先により、最も図柄数の多い「リプレイ」を右中段に停止させる(PB=1)。
また、その後の左停止時は、「白BAR」又は「赤7」を左中段に停止させる(引込み率は2図柄合算で「1/2」)。さらにまた、その後の中停止時は、「黒BAR」又は「チェリー」を中中段に停止させる(引込み率は2図柄合算で「1/2」)。
よって、右第1停止時は「1/4」の入賞率で小役28又は29が停止表示する。
(例5)入賞D5条件装置(中第1正解)
小役D5条件装置が作動する遊技では、図24に示すように、小役11、52、66のいずれかが入賞可能となる。
また、入賞D5条件装置作動時は、
押し順1--(不正解):小役52(1枚)(入賞率「1/4」)
押し順-1-(正解):小役11(3枚)(PB=1)
押し順--1(不正解):小役66(1枚)(入賞率「1/4」)
がそれぞれ入賞可能となる。
また、各小役の図柄組合せは、以下の通りである。
小役11:「スイカ」-「ベルA」-「リプレイ」
小役52:「リプレイ」-「スイカ」-「白BAR」
小役52:「リプレイ」-「スイカ」-「黒BAR」
小役66:「白BAR」-「白BAR」-「ベルA」
小役66:「白BAR」-「赤7」-「ベルA」
小役66:「赤7」-「白BAR」-「ベルA」
小役66:「赤7」-「赤7」-「ベルA」
まず、中第1停止(押し順正解)であるとき、「ベルA」を中中段に停止させる(PB=1)。また、その後の左停止時は「スイカ」を中中段に停止させ(PB=1)、右停止時には「リプレイ」を右中段に停止させる(PB=1)。
これにより小役11が入賞する。
また、左第1停止であるときは、この時点で押し順不正解となり、個数優先により、「リプレイ」、「白BAR」、「赤7」のいずれかを左中段に停止させることとなるが、ここでは「リプレイ」を停止させると定める(PB=1)。
また、その後の中停止時は、「スイカ」を中中段に停止させる(引込み率「1/2」)。さらにまた、その後の右停止時は、「白BAR」又は「黒BAR」を右中段に停止させる(引込み率は2図柄合算で「1/2」)。
よって、左第1停止時は「1/4」の入賞率で小役52が停止表示する。
次に、右第1停止であるときは、この時点で押し順不正解となり、個数優先により、最も図柄数の多い「ベルA」を右中段に停止させる(PB=1)。
また、その後の左停止時は、「白BAR」又は「赤7」を左中段に停止させる(引込み率は2図柄合算で「1/2」)。さらにまた、その後の中停止時は、「白BAR」又は「赤7」を中中段に停止させる(引込み率は2図柄合算で「1/2」)。
よって、右第1停止時は「1/4」の入賞率で小役66が停止表示する。
(例6)入賞E9条件装置(右第1正解)
小役E9条件装置が作動する遊技では、図25に示すように、小役12、42、43、52のいずれかが入賞可能となる。
また、入賞E9条件装置作動時は、
押し順1--(不正解):小役52(1枚)(入賞率「1/4」)
押し順-1-(不正解):小役42、43(1枚)(入賞率「1/4」)
押し順--1(正解):小役12(3枚)(PB=1)
がそれぞれ入賞可能となる。
また、各小役の図柄組合せは、以下の通りである。
小役12:「スイカ」-「ベルB」-「リプレイ」
小役42:「黒BAR」-「リプレイ」-「チェリー」
小役42:「ブランクA」-「リプレイ」-「チェリー」
小役43:「黒BAR」-「リプレイ」-「ブランクA」
小役43:「ブランクA」-「リプレイ」-「ブランクA」
小役52:「リプレイ」-「スイカ」-「白BAR」
小役52:「リプレイ」-「スイカ」-「黒BAR」
まず、右第1停止(押し順正解)であるとき、枚数優先により「リプレイ」を右中段に停止させる(PB=1)。また、その後の左停止時は「スイカ」を左中段に停止させ(PB=1)、中停止時には「ベルB」を右中段に停止させる(PB=1)。
これにより小役12が入賞する。
また、左第1停止であるときは、この時点で押し順不正解となり、個数優先により、「リプレイ」、「黒BAR」、「ブランクA」のいずれかを左中段に停止させることとなるが、ここでは「リプレイ」を停止させると定める(PB=1)。
また、その後の中停止時は、「スイカ」を中中段に停止させる(引込み率は「1/2」)。さらにまた、その後の右停止時は、「白BAR」又は「黒BAR」を右中段に停止させる(引込み率は2図柄合算で「1/2」)。
よって、左第1停止時は「1/4」の入賞率で小役52が入賞する。
次に、中第1停止であるときは、この時点で押し順不正解となり、個数優先により、最も図柄数の多い「リプレイ」を中中段に停止させる(PB=1)。
また、その後の左停止時は、「黒BAR」又は「ブランクA」を左中段に停止させる(引込み率は2図柄合算で「1/2」)。さらにまた、その後の右停止時は、「チェリー」又は「ブランクA」を中中段に停止させる(引込み率は2図柄合算で「1/2」)。
よって、中第1停止時は「1/4」の入賞率で小役42又は43が入賞する。
非RT又はRT1では、当選番号「72」~「75」に当選する場合を有し(図14及び図16)、これらの当選番号に当選したときは、それぞれ入賞F条件装置、入賞G条件装置、入賞H条件装置、入賞I条件装置が作動する。
また、RB作動中には、当選番号「76」~「78」に当選する場合を有し(図18)、これらの当選番号に当選したときは、それぞれ入賞J条件装置、入賞K条件装置、入賞L条件装置が作動する。
これらの条件装置が作動したときのリール停止制御については説明を割愛する。
図27は、第1実施形態における演出グループ番号を示す図である。
メイン処理では、毎遊技、役抽選結果(当選番号)に対応する演出グループ番号を選択し(図1中、演出グループ番号選択手段64)、選択した演出グループ番号をサブ制御基板80に送信する。サブ制御基板80は、受信した演出ブループ番号に基づいて今回遊技における演出を決定し、出力する。
演出グループ番号において、第1実施形態の特徴は、入賞A1~A16、入賞B1~B16、及び入賞C1~C8がすべて同一の演出グループ番号「8」となっている点である。したがって、サブ制御基板80側では、演出グループ番号8を受信すると、今回遊技では入賞A1~A16、入賞B1~B16、入賞C1~C8のいずれかの押し順ベルに当選したと判断可能であるが、正解押し順までは判断できない。
ここで、演出グループ番号「8」のうち、入賞A1~A16及び入賞B1~B16は、いずれも正解押し順が変則押し順であることから、各当選番号の置数及び正解押し順時の払出し枚数によっては、変則押しをしたときの期待値が規定数(ベット数)を超えるおそれがある。しかし、本実施形態では、今回遊技の演出グループ番号が「8」であることを知って変則押しをしたとしても、今回遊技の期待値は規定数以下となるように設定されている。
これにより、たとえばゴト行為により、メイン制御基板50からサブ制御基板80に送信される演出グループ番号を不正取得したとしても、規定数を超えるメダルを獲得できないように構成されている。
図28は、第1実施形態において、演出グループ番号「8」のときの期待値を説明する図である。
ここで、変則押しでは押し順213を例に挙げる。なお、計算は省略するが、変則押しでは、押し順213、231、312、321のいずれも、期待値は同一値となる。
また、順押しでは押し順123を例に挙げる。計算は省略するが、押し順123での期待値と押し順132の期待値は同一値となる。
まず、入賞A1~A16のいずれかに当選した場合において、押し順213で14枚の払出しを得るのは、入賞A1~A4のときである。よって、押し順213において、入賞A1~A4であるときは、入賞率「1/1」で14枚役が入賞するので、期待値は「14(枚)」となる。
また、押し順213において、入賞A5~A8であるときは、入賞率「1/2」で1枚役が入賞するので、期待値は「0.5(枚)」となる。
さらにまた、押し順213において、入賞A9~A16であるときは、入賞率「1/8」で1枚役が入賞するので、期待値は「0.125(枚)」となる。
以上は、入賞B1~B16のときも同じである。
さらに、押し順213において、入賞C1~C8であるときは、入賞率「1/4」で1枚役が入賞するので、期待値は「0.25(枚)」となる。
次に、押し順123において、入賞A1~A8であるときは、入賞率「1/2」で1枚役が入賞するので、期待値は「0.5(枚)」となる。
さらにまた、押し順123において、入賞A9~A12であるときは、「PB=1」で1枚役が入賞するので、期待値は「1(枚)」となる。
さらに、押し順123において、入賞A13~A14であるときは、入賞率「1/4」で1枚役が入賞するので、期待値は「0.25(枚)」となる。
また、押し順123において、入賞A15~A16であるときは、入賞率「3/4」で1枚役が入賞するので、期待値は「0.75(枚)」となる。
以上は、入賞B1~B16のときも同じである。
さらに、押し順123において、入賞C1~C8であるときは、「PB=1」で3枚役が入賞するので、期待値は「3(枚)」となる。
以上より、押し順213である場合において、入賞A1~A16、及び入賞B1~B16であるときの期待値は、「3.6875(枚)」となる。
また、押し順213である場合において、入賞C1~C8であるときの期待値は、「0.25(枚)」となる。
一方、押し順123である場合において、入賞A1~A16、及び入賞B1~B16であるときの期待値は、「0.625(枚)」となる。
また、押し順123である場合において、入賞C1~C8であるときの期待値は、「3(枚)」となる。
そして、入賞A1~A16の当選確率(置数「1112」)は同一である。さらにまた、入賞B1~B16の当選確率(置数「1112」)は同一である。さらに、入賞C1~C8の当選確率(置数「1113」)は同一である。
したがって、入賞A1~A16、入賞B1~B16、入賞C1~C8の全置数の合計は、
1112×16+1112×16+1113×8
=44488
である。
よって、演出グループ番号「8」であるときの入賞A1~A16である確率は、
(1112×16)/44488
≒0.399928
である。
演出グループ番号「8」であるときの入賞B1~B16である確率も、上記と同様に「0.399928」である。
また、演出グループ番号「8」であるときの入賞C1~C8である確率は、
(1113×8)/44488
≒0.200144
である。
よって、演出グループ番号「8」時に押し順213で操作したときの期待値は、
0.399928×3.6875+0.399928×3.6875+0.200144×0.25
≒2.9995(枚)
となり、規定数「3」を下回る。
また、演出グループ番号「8」時に押し順123で操作したときの期待値は、
0.399928×0.625+0.399928×0.625+0.200144×3
≒1.1003(枚)
となり、規定数「3」を下回る。
以上より、今回遊技が演出グループ番号「8」であることを知って変則押しをしたとしても、その期待値は規定数「3」を上回ることができない。
なお、上記のように、演出グループ番号「8」であるときは、変則押しをしたときの期待値の方が順押しをしたときの期待値よりも高くなる。
しかし、第1実施形態では、非AT中に変則押しを行った今回遊技では、サブボーナス(ATに相当)抽選を実行しないか、今回遊技で行ったサブボーナス抽選を無効にするか、又は順押し時よりも当選確率が低いサブボーナス抽選を実行する。換言すれば、非AT中に変則押しを行った今回遊技におけるATに関する期待度が、非AT中に順押しを行った今回遊技におけるATに関する期待度よりも相対的に低くなるよう構成されている。
「今回遊技で行ったサブボーナス抽選を無効にする」場合には、たとえばスタートスイッチ41の操作時には通常通りサブボーナス抽選を実行し(この時点では変則押しされるか否かが確定していないため)、全停時に変則押しされたと判断したときは、今回遊技でのサブボーナス抽選を無効にする(クリアする、破棄する)ことが挙げられる。
よって、非AT中は順押しで遊技し、かつ、AT中は押し順指示に従って遊技した時の方が、非AT中は変則押しで遊技し、かつ、AT中は押し順指示に従って遊技した時よりもトータルの出玉性能が高くなるように構成されている。
ここで、非AT中のベースを下げるほど指示込み役物比率が高くなる。そこで、指示込み役物比率を下げるために共通ベルを設けることが挙げられる。しかし、共通ベルは、押し順(押し位置)不問で入賞する役であるので、変則押し時の出玉率が高くなってしまう。
そこで、本実施形態のように左偏りベル(順押しが正解となる押し順ベル)を設けることにより、順押しで遊技した場合の非AT中のベースを下げつつ、指示込み役物比率を抑えることができる。さらに、指示込み役物比率を抑えるための共通ベルを設けた場合よりも変則押し時の出玉率を抑えることができる。
さらに第1実施形態では、SPフラグを備える。SPフラグは、前回遊技で変則押しされたか否かを判断するためのフラグである。たとえば今回遊技の全停時に一旦SPフラグをオフにし、その後、今回遊技が順押しで操作されたと判断したときはSPフラグをオンにする。これに対し、今回遊技が変則押しで操作されたと判断したときはSPフラグをオフのままとする。
そして、次回遊技に移行し、SPフラグがオンであるときは通常のサブボーナス抽選を実行し、SPフラグがオフであるときは通常のサブボーナス抽選を実行せず(サブボーナス抽選を実行しないか、サブボーナス抽選自体は実行するものの、その後にサブボーナス抽選結果を無効にするか、又は順押し時よりも当選確率が低いサブボーナス抽選を実行する)、当該次回遊技の全停時に一旦SPフラグをオフにし、その後、当該次回遊技が順押しで操作されたと判断したときはSPフラグをオンにする。これに対し、当該次回遊技が変則押しで操作されたと判断したときはSPフラグをオフのままとする。
このようにすれば、たとえばスタートスイッチ41操作時に熱い演出が出力されたとき(サブボーナスの当選期待度がそれなりにある場合)だけ順押しをし、それ以外、たとえばスタートスイッチ41操作時に当該遊技特有の演出が出力されなかったときは変則押しをするといった攻略打ちを防止することが可能となる。
次に、第1実施形態におけるモード抽選について説明する。
上述したように、第1実施形態では、ATと同じ概念としてサブボーナスを備える。サブボーナスは、サブボーナス開始時に、サブボーナスの開始を示す特有の図柄組合せ(「赤7」揃い)を停止表示させる。そして、サブボーナスに移行すると、ATと同じように、押し順ベル(たとえば上述した入賞A~入賞E)に当選したときは正解押し順を報知する。そして、払出し枚数が所定枚数(たとえば300枚)に到達するまでサブボーナスを継続し、払出し枚数が所定枚数に到達した遊技でサブボーナスを終了し、非AT(通常遊技)に移行する。
第1実施形態のモード抽選としては、
1)通常区間における初期通常モード抽選
2)通常区間から有利区間に移行したときに、有利区間の1遊技目で実行される通常モード抽選
3)サブボーナスの開始時に実行されるモード遷移抽選
が挙げられる。
各モードごとに、サブボーナスへの移行期待度(当選期待度、天井遊技回数、より有利なモードへの移行期待度)が異なる(後述する図31(a)参照)。
図29は、第1実施形態において、通常区間における初期通常モード抽選を示す図であり、(a)は通常区間レバー処理(スタートスイッチ41操作時の処理を意味する。)のフローチャートを示し、(b)は抽選置数を示す。
通常区間に滞在するのは、以下の2つである。
第1に、電源が投入され、かつ、RWM初期化(設定変更)されたときは、遊技区間がクリアされるので通常区間となる。したがって、RWM初期化後の1遊技目は通常区間となる。
第2に、有利区間の終了条件を満たしたときは、次回遊技は通常区間に移行する。本実施形態では、有利区間の開始からの差数が「2400(枚)」を超えたときに有利区間の終了条件を満たし、有利区間が終了し、その次回遊技が通常区間となる。
ここで、有利区間は、有利区間開始時からの遊技回数が所定回数(たとえば1500遊技回数や、3000遊技回数等)に到達したときに終了する仕様が知られているが。第1実施形態では、有利区間は遊技回数では終了しないように構成されている。
図29(a)において、通常区間を開始したときは、ステップS492では、今回遊技の当選番号に対応する演出グループ番号が演出グループ番号「2」であるか否かが判断される。演出グループ番号「2」は、リプレイBの当選(当選番号「2」)に相当する。演出グループ番号が「2」でないと判断されたときはステップS493に進み、演出グループ番号が「2」であると判断されたときは本フローチャートによる処理を終了する。すなわち、演出グループ番号が「2」であるとき(リプレイB当選時)は有利区間移行抽選は実行されないので有利区間には移行しない(図13参照)。このため、演出グループ番号が「2」であると判断されたときは以下の初期通常モードの抽選は実行されず、次回遊技も通常区間となり、再度、通常区間レバー処理が実行される。
ステップS493に進むと、今回遊技が非RTであるか否かが判断される。メイン制御基板50は、現在のRT情報をRWM53の所定記憶領域に記憶しており、この情報から判断する。非RTである(1BB非内部中)と判断したときはステップS495に進み、非RTでないと判断したときはステップS494に進む。
なお、RT移行は、今回遊技の終了時であるものとする。したがって、今回遊技で1BBに当選したときであっても、ステップS493では非RTであると判断される。
ここで、電源投入後のRWM初期化後は、非RTである。電源投入後のRWM初期化後は、たとえば電源投入前に1BBに当選していたとしても当該1BBの当選情報はクリアされ、かつ、RT情報もクリアされる(これによりRT状態は非RTとなる)からである。
なお、以下の説明において、1BB非内部中を「朝一」と称し、1BB非内部中に移行した有利区間を「朝一で移行した有利区間」と称する場合がある。
一方、1BB内部中を「朝一でない」と称し、1BB内部中に移行した有利区間を「朝一以外で移行した有利区間」と称する場合がある。
また、朝一で移行した有利区間であるか否かが不明であるときは、「朝一不確定」と称する場合がある。
ステップS493において非RTでないと判断され、ステップS494に進むと、今回遊技の演出グループ番号が「10」であるか否かが判断される。演出グループ番号「10」は、入賞Eの当選(当選番号「60」~「71」。図16参照。)に相当する。演出グループ番号が「10」でないと判断されたときはステップS495に進み、演出グループ番号が「10」であると判断されたときは本フローチャートによる処理を終了する。図16に示すように、RT1において入賞Eに当選したときは、有利区間移行抽選が実行されないので、次回遊技で有利区間に移行しないからである。よって、この場合にも、次回遊技では再度、通常区間レバー処理が実行される。以上より、次回遊技も通常区間レバー処理が実行される(有利区間に移行しない)のは、非RT及びRT1を問わず演出グループ番号「2」となったとき(リプレイB当選時)、又は朝一以外(RT1)で演出グループ番号「10」となったとき(入賞E当選時)である。
ステップS495に進むと、初期通常モード抽選を実行する。そして次のステップS496に進み、その抽選結果を保存(記憶)し、本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS495における初期通常モード抽選は、図29(b)に示す置数によって行われる。なお、図29(b)に示す置数の分母は「240」であり、置数「240」であるときは、当選確率は「1/1」を意味する。
まず、非RTにおいて演出グループ番号「0」(1BB単独当選)となったとき、又は演出グループ番号「10」(1BBと入賞Eとの重複当選)となったときは、通常モード0に当選する。
ここで、1BBに当選するというのは、今回遊技の開始前が非RT(1BB非内部中)であることが確定するので、朝一であることが確定する。
同様に、非RTでなく演出グループ番号「10」であるときには初期通常モード抽選が実行されないことから、今回遊技で演出グループ番号「10」であるというのは、非RTであることを意味する。よって、今回遊技で演出グループ番号「10」であるときは、朝一であることが確定する。
これに対し、非RT又はRT1において、演出グループ番号「1」、「3」~「9」、「11」~「14」であるときは、通常モード1に当選する。なお、上記演出グループ番号は、朝一であるとき及び朝一でないときのいずれも当選する可能性を有し、上記演出グループ番号に当選した場合は1BB非内部中であるか否かにかかわらず有利区間へ移行することから、上記演出グループ番号の遊技では、朝一不確定となる。
以上より、通常モード0、1は、通常区間において次回遊技から有利区間に移行するときに抽選され、朝一であるか否かを判定するためのモードであり、通常モード0であれば朝一が確定し、通常モード1であれば朝一は不確定となる。
図30は、通常モード移行処理を示す図であり、(a)はフローチャートを示し、(b)は抽選置数を示す。
通常区間から有利区間に移行すると、有利区間1遊技目では通常モードの抽選が実行される。有利区間2遊技目以降の通常モードは、後述するように番号「2」~「9」までを有する。したがって、有利区間では、1遊技目が通常モード0又は1であり、2遊技目以降は番号「2」~「9」のいずれかとなる。
図中(a)において、通常モード移行処理が開始されると、ステップS502では、通常モード0又は1であるか否かが判断される。通常モード0又は1であるときはステップS503に進み、通常モード0又は1でないときは本フローチャートによる処理を終了する。すなわち、この例では、有利区間中は毎遊技通常モード移行処理が実行されるが、有利区間1遊技目以外はステップS502で「No」となるので、ステップS503の通常モード抽選は実行されない。
そして、ステップS502で通常モード0又は1である(有利区間1遊技目である)と判断されるとステップS503に進み、通常モードの抽選が実行される。そして、ステップS504に進み、抽選で決定した通常モードが保存(記憶)され、本フローチャートによる処理を終了する。
図29(b)では、4種類のパターンでの通常モード抽選の置数を示している。
まず、「非RT、かつ、通常モード0」とは、朝一で演出グループ番号「0」となり(1BBに単独当選し)、当該遊技で1BBを入賞させた場合に相当する。なお、1BB遊技中は通常モード抽選を実行しない(通常モード移行処理に入らない)。したがって、「非RT、かつ、通常モード0」は、1BB遊技の終了後の1遊技目(非RT)における通常モード抽選を示している。このようなことは実際に起こり得るが、レアケースである。
また、「RT1、かつ、通常モード0」とは、朝一で演出グループ番号「0」(1BB単独当選)となり1BBが入賞しなかった場合、又は朝一で演出グループ「10」(1BBと入賞Eとの重複当選)となり(この場合には入賞Eに含まれる小役が優先して入賞するので1BBが入賞する場合はない)、有利区間に移行した場合に相当する。
さらにまた、「非RT、かつ、通常モード1」とは、朝一で演出グループ番号「0」又は「10」以外となり、有利区間に移行した場合に相当する。
さらに、「RT1、かつ、通常モード1」とは、朝一以外で有利区間に移行した場合に相当する。なお、朝一以外のときは、演出グループ番号「0」(1BBの単独当選)となることはない。さらに、朝一以外の場合に演出グループ番号「10」となって有利区間に移行することもない。
したがって、朝一以外で有利区間に移行した場合とは、朝一以外で演出グループ番号「1」、「3」~「9」、「11」~「14」となったときに相当する。
以上の通常モード抽選では、
当選番号「0」:天国B準備モード
当選番号「1」:通常Aモード
当選番号「2」:通常Bモード
当選番号「3」:通常Cモード
当選番号「4」:天国Aモード
のいずれかに当選する。
そして、通常Aモード、通常Bモード、及び通常Cモードは、遊技者に有利でない(サブボーナスに当選しにくい)モードである。一方、天国B準備モード、及び天国Aモードは、遊技者に有利な(サブボーナスに当選しやすい)モードである。
「非RT、かつ、通常モード0」、「RT1、かつ、通常モード0」、及び「非RT、かつ、通常モード1」では、天国B準備モードに移行する置数は「0」であり、かつ、天国Aモードに移行する置数は「1」であるので、ほとんどの場合は遊技者に有利なモードに移行しない。
これに対し、「RT1、かつ、通常モード1」では、100%の確率で天国B準備モードに移行する。
ここで、朝一以外で演出グループ番号「0」(1BBの単独当選)になる場合はなく、かつ、朝一以外で演出グループ番号「10」となったときは有利区間移行抽選は実行されないので有利区間に移行しない。
したがって、朝一以外で通常モードの抽選が実行されれば、100%の確率で天国B準備モード(遊技者に有利なモード)に移行し、朝一で通常モードの抽選が実行されれば、ほとんどは遊技者に有利なモードに移行しないので、朝一以外で移行した有利区間の出玉率の方が、朝一で移行した有利区間の出玉率よりも高くなるよう構成されている。
換言すると、朝一(非内部中)に移行した有利区間を、朝一以外(内部中)に移行した有利区間よりも遊技者に不利にする(出玉率を低くする)ことができるので、設定変更した場合の朝一の有利区間が過度に有利にならないようにできる(いわゆるモーニング対策)。さらに、朝一以外に移行した有利区間では必ず天国B準備モードから開始するので、有利区間完走後も遊技意欲を高めることができる。
なお、上記とは逆に、朝一で有利区間に移行した場合に遊技者にとって有利となる(出玉率を高くした)ようにした場合には、朝一の稼働を促進することができる。
図31は、通常モード「2」~「9」の種類及び特徴を説明する図である。
図中(a)は、各通常モード(2~9)の特徴を示し、図中(b)はサブボーナス開始時における通常モードの遷移確率(抽選置数)を示す図である。
上述したように、通常モードは有利区間1遊技目で抽選され、その後は、サブボーナス開始時ごとに通常モードの遷移抽選が実行される。
図中(a)において、遊技者に有利な通常モードは、天国B準備モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードである。また、天国B引戻しモードは、サブボーナスの当選確率的には遊技者に有利である。
各通常モードのいずれも、サブボーナス当選までの天井ゲーム数及びサブボーナス当選確率が設定されている。各通常モード中は、図31(a)に示す当選確率で、毎遊技、当選番号に基づいてサブボーナスの抽選が行われる。さらに、各通常モードには天井ゲーム数が設けられており、サブボーナスに当選することなく天井ゲーム数に到達したときには、サブボーナスの当選フラグが強制的に立つ(サブボーナスの当選となる)。サブボーナスの当選後は、「0」~所定回数の前兆遊技を経て、サブボーナスに対応する図柄組合せ(「赤7」揃い)が停止表示可能となる。サブボーナスに対応する図柄組合せ(「赤7」揃い)が停止すると、次回遊技からサブボーナスが実行される。
一方、どの通常モードに滞在している場合であっても、当選番号「2」(リプレイB)に当選したときはサブボーナスの当選となる。当選番号「2」に当選したときは、上述したように、ストップスイッチ42の押し順を逆押しとすることで、リプレイ04に対応する図柄組合せ、すなわち「赤7」揃いを停止可能となる。したがって、当選番号「2」となった遊技では、ストップスイッチ42の逆押しを指示する報知を行い、「赤7」揃いを停止可能とし、当該遊技で「赤7」揃いが停止表示したときは、次回遊技からサブボーナスを開始する。
ここで、当選番号「2」に当選し、ストップスイッチ42を逆押しして「赤7」揃いを停止表示させるときは、当該遊技は本遊技である。
これに対し、それ以外で「赤7」揃いを停止表示させる遊技は、本遊技ではなく疑似(「擬似」ともいう。)遊技演出となる。
ここで、「疑似遊技演出」とは、リール31の回転開始後、リール31の回転速度が一定となるまでの間において、回転中のリール31に対して、回転停止装置を作動させるためのストップスイッチ42の操作を契機としてリール31を疑似的に停止(この場合の停止を「仮停止」又は「疑似停止」とも称する。以下では「仮停止」と称する。)させ、任意の図柄組合せを表示させる演出をいう。「疑似遊技演出」は、「リール演出」とも称される。
一方、上記「疑似遊技演出」に対し、遊技結果としての図柄組合せ(役抽選結果に対応する図柄組合せ)を表示するための遊技を「本遊技」と称する。
疑似遊技演出によって仮停止した図柄組合せは、遊技結果を表示したものではない。疑似遊技演出によって図柄組合せが仮停止した後、本遊技によって図柄組合せが停止表示されることにより遊技結果が表示される。
特に本実施形態では、サブボーナスに当選し、疑似遊技演出を実行する条件を満たしたとき(たとえば前兆遊技回数を消化したとき)は、「赤7」揃いが仮停止するまで、最大で4回、疑似遊技演出を実行する。
また、疑似遊技演出中は、疑似遊技演出であること、換言すれば本遊技でないことを遊技者に報知可能としてもよい。このようにすることによって、遊技者が疑似遊技演出と本遊技とを誤認混同しないようにすることができる。
さらにまた、疑似遊技演出中にすべてのリール31を仮停止させたときに、リール31を静止させず、所定時間間隔で上下に図柄が動くように(上下に微振動するように)モータ32を駆動制御する(「揺れ変動」、又は「揺れ変動制御」という。)ことにより、本遊技における遊技結果を表示した停止(本停止)でなく、疑似遊技演出における仮停止であることを遊技者に報知してもよい。
そして、疑似遊技演出によって全リール31を停止させた後、本遊技に移行する場合には、スタートスイッチ41が操作されると、ランダム遅延処理により、各リール31の回転開始タイミングがばらばらになるようにする。
図32は、「赤7」揃いの疑似遊技演出を示すフローチャートである。このフローチャートは、当選番号「2」に当選し、逆押しで「赤7」を停止表示させるときの本遊技を含まない。
まず、ステップS581において、メイン制御基板50は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断し、スタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップS582に進む。ステップS82では、疑似遊技の開始条件を満たすか否かを判断する。ここでは、サブボーナスに当選して前兆遊技回数を消化した後のサブボーナス確定状態(メイン遊技状態)を意味する。
疑似遊技の開始条件を満たすと判断したときはステップS583に進み、条件を満たさないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS583では、メイン制御基板50は、疑似遊技演出の連続回数「N」に「1」を加算する。「N」の初期値は「0」である。
次にステップS584に進み、メイン制御基板50は、「N」が「4」であるか否かを判断する。「N」が「4」でないと判断したときはステップS585に進み、「N」が「4」であると判断したときはステップS591に進む。
ステップS585では、サブ制御基板80は、順押しで「赤7」を狙うことを遊技者に報知する演出を出力する。そしてステップS586に進む。ステップS586では、メイン制御基板50は、ストップスイッチ42が操作されたか否かを判断し、ストップスイッチ42が操作されたと判断したときはステップS587に進む。ステップS587では、リール制御手段65は、最大4コマの範囲内において「赤7」を有効ラインに引き込む仮停止処理を実行する。
次にステップS588に進み、メイン制御基板50は、全リール31が仮停止したか否かを判断する。全リール31が仮停止したと判断したときはステップS589に進み、全リール31が仮停止していないと判断したときはステップS586に戻る。
ステップS589では、メイン制御基板50は、「赤7」揃いが有効ラインに仮停止したか否かを判断する。「赤7」揃いが仮停止したと判断したときはステップS590に進み、サブボーナスに移行する。これに対し、「赤7」揃いが仮停止表示していないと判断したときは、「赤7」揃い疑似遊技演出を繰り返す。
一方、ステップS584で「N」が「4」であると判断したときはステップS591に進む。ステップS591では、リール制御手段65は、回転中のすべてのリール31を自動で仮停止させ、かつ、「赤7」揃いで仮停止させる。ここでは、左、中、右リール31の順にリール31を仮停止させてもよく、あるいは全リール31をほぼ同時に仮停止させてもよい。そしてステップS590に進み、サブボーナスを開始する。
以上のような疑似遊技演出により、「赤7」揃いを遊技者に行わせるものの、「赤7」揃いに3回連続で失敗したときは、4回目の疑似遊技演出では、遊技者にストップスイッチ42を操作させることなく自動で「赤7」揃いを仮停止させる。これにより、サブボーナスへの移行処理を迅速に行うことができる。
なお、図示しないが、サブボーナス中でないときに当選番号「2」に当選したときは、サブ制御基板80は、逆押しで「赤7」を狙うことを遊技者に報知する演出を出力する。そして、逆押しでストップスイッチ42が操作されたときは、リール制御手段65は、「赤7」を最大4コマで有効ラインに引き込む停止制御処理(本遊技)を実行する。上述したように、当選番号「2」に当選した遊技では、逆押しをすることで「赤7」揃い、すなわちリプレイ04に対応する図柄組合せを有効ラインに停止可能である。また、逆押しで「赤7」揃いを停止させることができなかった(遊技者が目押しを失敗してしまった)ときはリプレイ01に対応する図柄組合せを停止表示させる。さらにまた、当選番号「2」に当選した遊技であっても、逆押しでストップスイッチ42を操作されなかったときは、リプレイ01に対応する図柄組合せを停止表示させる。
当選番号「2」に当選した遊技で「赤7」揃いを停止表示させることができなかったときは、次回遊技において、「赤7」揃い疑似遊技演出(疑似遊技)を実行する。ただし、これに限らず、当選番号「2」に当選した遊技で「赤7」揃いを停止表示させることができなかったときは、疑似遊技を経由せずに次回遊技からサブボーナスを開始してもよい。
なお、メイン遊技状態としてはサブボーナス確定状態であっても、サブ状態としては前兆中(確定画面を表示していない状態)である場合を有する。このような場合に疑似遊技の開始条件を満たすと判断するか否かは任意である。ただし、サブ状態では前兆中であるので「赤7」揃いの報知は実行されないが、メイン遊技状態としてはサブボーナス確定状態であれば疑似遊技が実行され、当該疑似遊技において「赤7」を狙って停止させることができる。
説明を図31に戻す。
天国B準備モードは、上述したように、朝一以外で通常区間から有利区間に移行したときに、100%の確率で選択される通常モードである。
そして、天国B準備モードの状況下においてサブボーナスが開始されるときに通常モードの遷移抽選がされ、図31(b)に示すように、50%(120/240)の確率で遷移なし(サブボーナス終了後も天国B準備モード)となり、50%の確率で天国Bモードに移行する。すなわち、天国B準備モードに滞在し続けている間は、天国B準備モードが維持されるか、又は天国Bモードに移行するので、遊技者にとって有利となる。
また、通常Aモード、通常Bモード、通常Cモードは、遊技者にとって不利なモードである。そして、通常Aモード、通常Bモード、通常Cモードになるに従って、天国に近いモードとなる。たとえば通常Aモードでは、遷移なしとなる確率が最も高く、遷移ありの場合には通常Bモードに遷移する確率が最も高い。また、通常Bモードでは、遷移なしとなる確率が最も高く、遷移ありの場合には通常Cモードに遷移する確率が最も高い。さらにまた、通常Bモードから通常Aモードに転落する場合はない。さらに、通常Cモードでは、天国Aモードに遷移する確率が最も高く、通常Aモードや通常Bモードに転落する場合はない。
図31(b)に示すように、通常Aモードから他の通常モードに移行するときは通常Bモードに移行し、通常Bモードから他の通常モードに移行するときは通常Cモードに移行する。したがって、通常Cモードに滞在しているときは、通常モードに最も長く滞在している可能性が高い。そして、通常Aモード、通常Bモード、通常Cモードのうち、通常Cモードが最も天国Cモードに移行しやすくなっている。換言すると、通常モードの移行に際しては差数カウンタ値を参照することはないが、遊技者に不利な状態が長く続いている通常Cモードほど、天国Cモードに移行しやすくなっている。
天国Aモードは、60%(144/240)の確率で遷移しない(ループする)モードであり、ループから漏れた場合には通常Aモード又は通常Bモードに遷移する。
天国Bモードは、90%(216/240)の確率で遷移しない(ループする)モードであり、ループから漏れた場合には天国B引戻しモードに遷移する。
天国B引戻しモードは、天国Bモードへの引戻し率は20%(48/240)であり、引き戻すことができなかった場合には通常Aモード又は通常Bモードに遷移する。
天国Cモードは、遷移なしのモードであり、有利区間の終了まで、すなわち有利区間の開始時からの差数が「2400」を超えるまで維持されるモード、いわゆる完走モードである。
また、天国Cモードへの遷移条件が定められている。天国Cモードへの遷移に当選した場合において、その時点での残り差数が「1000」以上であれば天国Cモードに遷移する。これに対し、天国Cモードへの遷移に当選した場合において、その時点での残り差数が「1000」未満であるときは、天国Aモードに遷移する。
以上より、たとえば、
1)天国Aモードで60%ループを繰り返して有利区間における差数が「2400」を超えたとき、
2)天国B準備モードを維持するか、又は天国Bモードに遷移して、有利区間における差数が「2400」を超えたとき、
3)天国Cモードに遷移して有利区間における差数が「2400」を超えたとき
は、それぞれ有利区間を終了する。
有利区間を終了すると、次回遊技は通常区間に移行する。
通常区間に移行すると、図29に示す通常区間レバー処理が実行され、通常モード1となる。そして、RT1かつ通常モード1の場合には、図30に示すように、必ず天国B準備モードに当選する。
天国B準備モードに移行すると、天国Bモードに遷移するまで天国B準備モードに滞在し、天国Bモードに移行した後は90%で天国Bモードがループする。これにより、次の有利区間でも、有利区間における差数が「2400」を超えて有利区間を終了する可能性が高くなる。
このようにして、差数「2400」を超えて終了する有利区間を複数回繰り返すことが可能となる。
図33は、上記のようにして、有利区間を複数回繰り返した場合の演出処理を示すフローチャートである。この処理は、サブ制御基板80による処理である。
まず、ステップS622では、有利区間を開始したか否かを判断する。有利区間を開始したと判断したときはステップS623に進む。
ステップS623では、有利区間の天国モード(天国Aモード、天国B準備モード、天国Bモード、天国Cモードのいずれか)が連続しているか否かを判断する。ここでは、前回の有利区間終了時が天国Aモード、天国B準備モード、天国Bモード、天国Cモードのいずれかであり、かつ、次の有利区間の開始時が天国B準備モードである場合には、有利区間の天国モードが連続していると判断する。有利区間の天国モードが連続していると判断したときはステップS624に進み、有利区間の天国モードが連続していないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS624では、サブ制御基板80側に備える有利区間連続カウンタを「+1」にする。そしてステップS625に進み、サブ制御基板80は、有利区間の連続演出を実行する。ここでは、有利区間連続カウンタの値に基づいて、たとえば有利区間連続カウンタの値が「1」(有利区間の連続回数が「2」)であるときは演出ランプ21のうち枠ランプを青色で点灯させ、有利区間連続カウンタの値が「2」であるときは枠ランプを黄色で点灯させ、有利区間連続カウンタの値が「3」であるときは枠ランプを緑色で点灯させること等が挙げられる。換言すれば、遊技機10の枠ランプ(筐体)の演出を見ることで、有利区間の天国モードが何回連続しているかを概ね把握可能となる。
さらに、サブ制御基板80は、前回の有利区間における天国モードでの総獲得枚数を画像表示し、当該総獲得枚数を記憶しておく。そして、次回の有利区間に移行した後、天国モードであるときは、前回の有利区間における天国モードでの総獲得枚数からの累積値を画像表示し、今回の有利区間の開始から所定遊技回数(たとえば100遊技)以内でサブボーナスを開始したときは、天国モードが継続しているとし、総獲得枚数の表示を継続する。
なお、天国モードのループ中は、サブボーナス中でなくても総獲得枚数を表示してもよいが、サブボーナス中にのみ総獲得枚数の表示を行うようにしてもよい。
さらに、複数回の有利区間を跨いた総獲得枚数を画像表示する場合には、天国ループを抜けるまで、たとえば獲得枚数が「+2000」枚になるごとに、所定の画像(たとえばアイコン)を画像表示する(それ以降、「+2000」枚になるごとに、所定の画像を変化させたり増加させたりする)。
なお、有利区間の終了時には、メイン制御基板50側では、有利区間に係るパラメータをクリアするが、サブ制御基板80側では、有利区間に係るパラメータ(上記の総獲得枚数等)をクリアしない。
ただし、上記に限らず、有利区間を跨いだ場合には総獲得枚数は引き継がないようにし、リセットしてもよい。
ステップS625で有利区間連続演出を出力した後、次のステップS626では、有利区間を終了したか否かを判断する。有利区間を終了したと判断したときはステップS622に戻り、有利区間を終了していないと判断したときはステップS627に進む。
ステップS627では、有利区間の天国モードが終了したか否かを判断する。ここでは、天国モードのループを抜けたときは、有利区間の天国モードが終了したと判断する。有利区間の天国モードが終了したと判断したときはステップS628に進み、有利区間の天国モードが終了していないと判断したときはステップS625に戻る。
ステップS628では、有利区間の連続演出を終了する。たとえば上記のように枠ランプの演出を実行しているときは当該演出を終了する。また、前回の有利区間の天国モードからの総獲得枚数を表示しているときは当該表示を終了する。
次にステップS629に進み、有利区間連続カウンタをクリアする。そして本フローチャートによる処理を終了する。
以上のようにして、有利区間の連続演出を実行することにより、遊技者が大量にメダルを獲得していることを周囲にアピールすることができる。特に、後述するメダルレス遊技機の場合には、実際に獲得したメダルが見えないので、有利区間の連続演出はより効果的なものとなる。
また、図33の例では、天国モードを終了したときに有利区間連続演出を終了したが、これに限らず、天国モードの終了後、たとえば100遊技程度までは有利区間連続演出を継続してもよい。
さらにまた、有利区間を終了して通常区間に移行したときは、本実施形態では通常区間の1遊技目でほとんどの場合は有利区間移行抽選に当選し、次回遊技から再度有利区間となる。この場合、有利区間と次の有利区間との間の通常区間を含めて、有利区間連続演出を実行してもよい。
通常区間中も有利区間連続演出を実行する場合には、通常区間でも天国ループが続いていることを報知できるので、遊技者が誤って遊技をやめてしまうことを防止することができる。
一方、通常区間では有利区間連続演出を実行しなくてもよい。この場合には、通常区間であってもAT抽選が実行されると遊技者が誤認してしまうことを防止することができる。
続いて、第1実施形態におけるコンプリート機能について説明する。「コンプリート機能」とは、遊技機の打止め機能(当日のそれ以降の遊技を終了すること)に相当する。
第1実施形態では、第1に、差数カウンタにより有利区間における差数をカウントする。
ここで、「有利区間における差数」とは、有利区間の開始時を「0」としたときの差枚数を指す。換言すれば、有利区間中の最小値からの差数(MY)ではなく、有利区間の開始時を基準(「0」)とする。このため、有利区間中に差数がマイナスの値となったときは、マイナス値をカウントする。また、上記他の実施形態と同様に、差数カウンタは、通常区間中は遊技回数をカウントしない。
たとえば差数カウンタは、2バイトのデクリメントカウンタとする。そして、有利区間中の差数が「+2400(枚)」を超えたときは、有利区間の終了条件を満たすと判断する。
ここで、差数カウンタの第1の例としては、有利区間の開始時に初期として「+2415」(枚)(16進数では、「096Fh」)を設定し、今回遊技の差数がマイナスであるときは差数カウンタに当該差数を加算し、今回遊技の差数がプラスであるときは差数カウンタから当該差数を減算する方法が挙げられる。
具体的に説明すると、まず、有利区間の開始時に「+2415」を設定し、1遊技目の差数が「-3(枚)」(ベット数「3」、払出し数「0」)であったときは、差数カウンタに「3」を加算して差数カウンタを「+2418」に更新する。これに対し、1遊技目の差数が「+11(枚)」(ベット数「3」、払出し数「14」)であったときは、差数カウンタから「11」を減算し、差数カウンタを「+2404」に更新する。
そして、差数カウンタが「0」となったときは、有利区間中の差数が「+2400」枚を超えたと判断し、有利区間を終了する。
なお、後述する図34及び図35の例における差数カウンタは、今回遊技における差数が増加すると差数カウンタ値が増加するものとする。
また、差数カウンタの第2の例としては、有利区間の開始時を「0」とし、差数カウンタが「+2400」(枚)を超えたとき(具体的には、16進数では差数カウンタ値が「0961h」以上となったとき)に、有利区間の終了条件を満たすと判断する方法が挙げられる。
なお、以下に示す差数カウンタ及び打止めカウンタにおいて、16進数を示すときは数値に「h」を付す。数値に「h」を付さない場合には10進数を示す。また、差数カウンタ値にマイナス符号を付さないときはプラスであることを示す。
また、上述したように、第1実施形態では、有利区間中の遊技回数は有利区間の終了条件には含まれないので、有利区間の遊技回数はカウントしていない。
そして、上記第1の例及び第2の例のいずれも、有利区間を終了したときは、差数カウンタをクリアする。
また、第1実施形態では、第2に、打止めカウンタにより、電源投入時からのMYをカウントする。ここで、「MY」とは、上述した他の実施形態における差数カウンタと同じように、最小値を「0」としたときの値である。
打止めカウンタは、電源投入時に初期化され、「0000h」となる。
そして、たとえば電源投入時から、
1遊技目:ベット数「3」、払出し数「0」、打止めカウンタ「0000h」
2遊技目:ベット数「3」、払出し数「14」、打止めカウンタ「000Bh」
3遊技目:ベット数「3」、払出し数「0」、打止めカウンタ「0008h」
4遊技目:ベット数「3」、払出し数「0」、打止めカウンタ「0005h」
5遊技目:ベット数「3」、払出し数「0」、打止めカウンタ「0002h」
6遊技目:ベット数「3」、払出し数「0」、打止めカウンタ「0000h」

となる。
ここで、上記の1遊技目では、差数は「-3」であるので、打止めカウンタの初期値「0000h」に差数「-3」を加算すると、「FFFDh」となるが、桁下がりが生じたときは、その都度「0000h」に補正する。
6遊技目も同様に、差数は「-3」であるので、打止めカウンタ「0002h」に差数「-3」を加算すると、「FFFFh」となるが、補正により「0000h」となる。
そして、電源投入時からの打止めカウンタの値が「19000」(4A38h)に到達したときは、コンプリート機能を作動させ、その遊技機10を打止めとし、その後の遊技(当日の稼働)を終了する。
なお、打止めカウンタは、差数カウンタと異なり、通常区間であってもMYをカウントする。
図34は、第1実施形態における差数カウンタ及び打止めカウンタの推移を示す図である。
まず、電源をオンにし、かつ、RWMを初期化したときの地点が図中「A」に相当する。図中「A」地点では、差数カウンタ及び打止めカウンタの双方ともに「0」である。
そして、RWM初期化の電源投入直後は通常区間であるため通常区間を開始し、図中「B」の地点で有利区間に移行したとする。よって、この「B」時点(有利区間の開始時)では、差数カウンタは「0」である。通常区間中は、差数カウンタは更新されない。
さらに、図中「B」地点から差数が減少し、「C」地点に到達すると、この「C」地点における差数カウンタ値は「B-C」である。また、打止めカウンタ値は「0」である。
そして、その後、有利区間においてサブボーナス等が実行され、差数が増加して「D」地点に到達したときに、差数「D-B」が「2400」を超えたものとすると、「D」地点で有利区間の終了条件を満たし、有利区間を終了する、そして、次回遊技は通常区間となり、さらに通常区間において有利区間への移行条件を満たすと有利区間に移行する。
次に、図中「E」地点に到達したときに、打止めカウンタ値である「E-C」が「19000」に到達すると、コンプリート機能が作動し、遊技機10の打止めとなる。
また、図34において、一点鎖線で示す線は、電源投入後から差数が増加し続け、最短時間で打止めカウンタが「19000」に到達した場合を示している。
図中、「F-A」が「19000」となっている。
ここで、最小遊技時間(今回遊技のリール31の回転開始時から、次回遊技の回転開始時までの最短時間)は、「4.1」秒に設定されている。
一方、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、「風営法」、「風適法」、「風俗営業法」と称することがある。)では、「第4号営業」として「ぱちんこ屋」が規定されている。そして、風営法では、全ての風俗営業について、原則として午前0時から朝6時までの営業を許容していない(法第13条)。このため、ぱちんこ屋として営業できる1日の最長時間は18時間である。また、各都道府県の条例で定められる営業時間の中で、最も短いのは13時間である。
さらにまた、具体的な計算は省略するが、上述した置数表及び条件装置に基づいて、最短で通常区間から有利区間、さらにはサブボーナスに移行し、差数カウンタが「2400」を超えるまでサブボーナスを継続し、差数カウンタが「2400」を超えると有利区間を終了して通常区間に移行すると考えたとき、1遊技あたりの純増枚数は約「6」枚に設定されている。
すなわち、1遊技あたり「4.1」秒で消化し、かつ、1遊技あたりの純増枚数が「6」枚であるときは、1時間あたりの純増枚数は約「5268」枚となる。よって、MYが「19000」に到達するまでには、約「3.6」時間を要する。
したがって、1日の営業時間(最短で13時間、最長で18時間)以内で、打止めカウンタが「19000」に到達する場合を有する。
このように、ぱちんこ屋の1日の営業時間内においてコンプリート機能が作動し得るように、コンプリート機能が作動することとなる打止めカウンタの値と、1遊技あたりの純増枚数を設定することで、遊技者の射幸心を著しく煽ってしまうことを防ぐことができる。
図35は、差数カウンタ及び打止めカウンタと電源オン/オフとの関係を示す図である。図35におけるグラフの「電源断」及び「電源復帰」は、単純な電源のオン/オフであり、RWMクリア(設定変更)はされていないものとする。
図35に示すように、たとえば打止めカウンタ及び差数カウンタ値が所定値である状況にて電源断となり、その後、復帰した場合には、打止めカウンタはクリアされる。したがって、電源断からの復帰後は「0000h」から開始する(図中、1点鎖線)。
これに対し、差数カウンタはクリアされない。よって、電源断からの復帰後は、電源断前の値から再開する(図中、実線)。
また、図35中、下の表は、RWMクリアなし時の電源オン/オフと、RWMクリアあり時の電源オン/オフとにおける差数カウンタ及び打止めカウンタの状況を示している。
上述したように、RWMクリアなしでの電源のオン/オフでは、差数カウンタは保持されるが、打止めカウンタはクリアされる。これに対し、RWMクリアあり時の電源のオン/オフ(たとえば設定変更時)では、差数カウンタ及び打止めカウンタのいずれも、クリアされる。
また、「コンプリート機能作動フラグ」とは、打止めカウンタが「19000」に到達し、かつ、コンプリート機能を作動させたときにオンとなるフラグであり、たとえば1バイトデータから構成され、オフのときは「00h」、オンのときは「FFh」となるフラグである。
さらにまた、「コンプリート機能仮フラグ」とは、打止めカウンタが「19000」に到達したが、コンプリート機能を作動させることができない状況、たとえば特別遊技状態(役物作動中)であるときにオンとなるフラグであり、たとえば1バイトデータから構成され、オフのときは「00h」、オンのときは「FFh」となるフラグである。
これらのコンプリート機能作動フラグ及びコンプリート機能仮フラグは、RWMクリアなしの電源のオン/オフではクリアされないように構成されている。
したがって、詳細は後述するが、たとえば特別遊技状態中に打止めカウンタが「19000」に到達したときは、コンプリート機能作動フラグはオフのままであるが、コンプリート機能仮フラグがオンとなる。そして、特別遊技状態が終了する前に電源断となり、その後復帰したときは、コンプリート機能仮フラグがオンの状態で復帰するので、電源断からの復帰後、特別遊技状態が終了したときは、コンプリート機能作動フラグをオンにして、コンプリート機能を作動させることができる。
ただし、RWMクリアあり時の電源のオン/オフ(設定変更時)では、コンプリート機能作動フラグ及びコンプリート機能仮フラグのいずれもクリアされる。
図36は、電源オン時からメイン処理までの流れを示すフローチャートであり、コンプリート機能に係る処理を含むものである。
まず、ステップS511で電源がオンにされると、次のステップS512では電源投入処理が実行される。この電源投入処理の1つとして、所定記憶領域の初期化処理を有する。ここで、RWMクリアなしの電源オンの場合には、初期化処理の1つとして、打止めカウンタの初期化処理(クリア処理)を実行する。これに対し、差数カウンタ、コンプリート機能作動フラグ、コンプリート機能仮フラグの初期化処理は実行されない。
一方、RWMクリアありの電源オンの場合には、打止めカウンタ、差数カウンタ、コンプリート機能作動フラグ、及びコンプリート機能仮フラグのすべてが初期化される。
次にステップS513に進んでエラー処理が行われる。このエラー処理の中で、後述するようにコンプリート機能に係る処理が実行されるように構成されている。
次のステップS515では、メイン制御基板50は、投入・精算の受付け処理を実行する。次のステップS516では、メイン制御基板50は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断し、スタートスイッチ41が操作されたと判断するとステップS517に進む。
ステップS517では、役抽選手段61は役(当選番号)の抽選を実行する。そして次のステップS518で、リール制御手段65は、リール31の回転を開始する。
ステップS519では、メイン制御基板50は、ストップスイッチ42が操作されたか否かを判断し、ストップスイッチ42が操作されたと判断するとステップS520に進み、リール制御手段65は、操作されたストップスイッチ42に対応するリール31を停止制御する。
次のステップS521では、メイン制御基板50は、全リール31が停止したか否かを判断し、全リール31が停止していないと判断したときはステップS519に戻り、全リール31が停止したと判断したときはステップS522に進む。ステップS522では、入賞判定手段66は、入賞役の判定を行う。そしてステップS523に進み、払出し手段67は、入賞役に対応するメダルの払出しを行う。
次にステップS524に進み、メイン制御基板50は、役比モニタ(管理情報表示LED74)の更新処理を行う。
次にステップS525に進み、メイン制御基板50は、コンプリート機能算出処理を実行する。この処理は打止めカウンタの更新等の処理であり、後述する図38に示す処理である。
次にステップS526に進み、メイン制御基板50は、遊技状態更新処理を実行する。そして、ステップS513に戻る。
図37は、図36のステップS513におけるエラー処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS531では、メイン制御基板50は、特別遊技状態(役物作動中)であるか否かを判断する。本実施形態では、特別遊技状態でコンプリート機能の作動条件(打止め条件)を満たしてもコンプリート機能は作動させないためである。特別遊技状態であると判断したときはステップS537に進み、コンプリート作動に係る処理以外の他のエラー処理を実行する。一方、ステップS531において特別遊技状態でないと判断したときはステップS532に進む。ステップS532では、コンプリート機能作動フラグを読み込む。そして次のステップS533においてコンプリート機能作動フラグが「FFh」(オン)であるか否かを判断する。「FFh」であると判断したときはステップS534に進み、「FFh」でないと判断したときはステップS537に進む。
ステップS534では、メイン制御基板50は、コンプリート機能の作動を報知する。この処理は、サブ制御基板80に対してコンプリート機能の作動信号を送信し、画像表示装置23等でコンプリート機能の作動報知を行う。
次にステップS535に進み、メイン制御基板50は、自動精算処理を実行する。なお、コンプリート機能が作動したときに、クレジットされているメダルの自動精算を行うか否かは任意であり、コンプリート機能の作動時に自動精算を実行する場合にはこのステップS535において自動精算処理を実行する。一方、コンプリート機能の作動時に自動精算を実行しない場合にはステップS535の処理を実行しない。
次にステップS536に進み、コンプリート信号を外部に出力する。これによりエラー処理を終了する。また、ステップS536に進んだときは、図36中、ステップS515以降の処理には進まない。これにより、操作スイッチ(ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42)の受付けは行われないので、遊技を進行することができなくなる。
なお、この例では、ステップS513のエラー処理内でコンプリート機能の作動に係る処理を実行したが、これに限らず、たとえばエラー処理の次の処理として独立してコンプリート機能作動に係る処理を設け、図37のステップS531~S536の処理を実行してもよい。
図38は、図36のステップS525におけるコンプリート機能算出処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS541において、メイン制御基板50は、コンプリート機能仮フラグがオン(FFh)であるか否かを判断する。コンプリート機能仮フラグがオンでないと判断したときはステップS542に進み、オンであると判断したときはステップS548に進む。
ステップS542では、メイン制御基板50は、コンプリート機能作動フラグがオン(FFh)であるか否かを判断する。オンである、つまり、すでにコンプリート機能が作動していると判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。コンプリート機能がすでに作動している場合には打止めカウンタの更新処理等を実行しないためである。
ステップS542においてコンプリート機能作動フラグがオンでないと判断し、ステップS543に進むと、メイン制御基板50は、再遊技作動中であるか否かを判断する。本実施形態では再遊技作動中は打止めカウンタを更新しないため、再遊技作動中であると判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
再遊技作動中でないと判断したときはステップS544に進む。ステップS544では、今回遊技のベット数及び払出し数に基づいて打止めカウンタを更新する。
次のステップS545では、打止めカウンタが「0」未満となったか否か、すなわち桁下がりが生じたか否かを判断する。打止めカウンタが「0」未満でないと判断したときはステップS546に進み、「0」未満であると判断したときはステップS551に進む。
ステップS551では、打止めカウンタ値を「0」に補正する。これにより、MYの最小値が「0」になる。そして本フローチャートによる処理を終了する。
一方、ステップS545からステップS546に進むと、メイン制御基板50は、打止めカウンタ値が「19000」に到達したか否かを判断する。上述したように、打止めカウンタ値が「4A38h」以上であるときは、「19000」に到達したと判断する。打止めカウンタが「19000」に到達したと判断したときはステップS547に進み、「19000」に到達していないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS547では、コンプリート機能仮フラグをオン(FFh)にする。次にステップS548に進み、今回遊技が特別遊技状態(1BB遊技中やRB遊技中など)であるか否かを判断する。なお、今回遊技で特別遊技状態が終了したとき(たとえば1BB遊技の最終遊技であったとき)は、ステップS525の時点では特別遊技状態が終了しているので、特別遊技状態でないと判断される。
特別遊技状態であると判断されたときは本フローチャートによる処理を終了する。したがって、特別遊技状態では、打止めカウンタが「19000」に到達したときはステップS547においてコンプリート機能仮フラグがオンとなるが、ステップS549を経由しないのでコンプリート機能作動フラグはオン(FFh)にならない。このため、特別遊技状態ではコンプリート機能は作動しない。
一方、ステップS548において特別遊技状態でないと判断されたときはステップS549に進む。ステップS549では、メイン制御基板50は、コンプリート機能作動フラグをオン(FFh)にする。次にステップS550に進み、コンプリート機能仮フラグをオフ(00h)にする。そして本フローチャートによる処理を終了する。ステップS549でコンプリート機能作動フラグがオンにされたときは、次回遊技の開始時に、図36のステップS513及び図37により、コンプリート機能が作動する。
また、特別遊技状態において、ステップS547でコンプリート機能仮フラグがオンになったときは、特別遊技状態が終了するまでコンプリート機能仮フラグがオンのまま(コンプリート機能作動フラグはオフ)となり、特別遊技状態の終了時にコンプリート機能作動フラグがオン(ステップS549)、コンプリート機能仮フラグがオフ(ステップS550)となる。
次に、コンプリート機能に関するサブ制御基板80による画像制御について説明する。
図39は、コンプリート機能作動を予告(事前報知)する画像を示しており、(a)は遊技画面、(b)はデモンストレーション画面、(c)はメニュー画面を示す。
サブ制御基板80は、電源投入後、独立して打止めカウンタをカウントしている。ただしこれに限らず、メイン制御基板50からサブ制御基板80に対し、毎遊技の終了時に打止めカウンタ値を送信するようにしてもよい。
そして、打止めカウンタが「19000」に到達したときに突然コンプリート機能を作動させると、遊技者への不意打ちとなってしまう。そこで、コンプリート機能の作動が近づいているときは、遊技者に対し、コンプリート機能作動を予告する。
サブ制御基板80は、打止めカウンタが「18900」に到達したとき、換言すればコンプリート機能が作動するまで残り「100」枚となったときは、コンプリート機能作動を予告する。
図中、(a)、(b)、及び(c)に示すように、遊技画面、デモンストレーション画面、及びメニュー画面のいずれであっても、たとえばこの例のように「コンプリート機能作動まで残り100枚」と表示する。
また、次回遊技で打止めカウンタがたとえば「+11」枚となったときは、コンプリート機能作動の予告画像は、「コンプリート機能作動まで残り89枚」という表示に更新される。このように、コンプリート機能作動の予告は、コンプリート機能作動条件(打止めカウンタが「19000」に到達したこと)を満たすまでの定量的な変化が視覚的に認識できるように行われる。
図中、コンプリート機能作動の予告画像の領域をドットパターンで示しているが、このドットパターン領域は、最前のレイヤを表す。したがって、たとえば画面中の所定の表示とコンプリート機能作動の予告画像とが重なる領域を有する場合には、当該重なる領域についてはコンプリート機能作動の予告画像が表示され、所定の画像(後方レイヤ)は表示されない。
後述する他の図面においても、ドットパターンで示す領域は、最前のレイヤを指すものとする。
上記例では、打止めカウンタが「19000」に到達したときにコンプリート機能を作動させる場合に、打止めカウンタが「18900」に到達したときにコンプリート機能作動を予告した。
ここで、コンプリート機能作動を予告した後、打止めカウンタ値が減少することなく「19000」に到達する場合には、打止めカウンタが「18900」に到達した後、「19000」に到達するまでの間はずっとコンプリート機能作動を予告する。
これに対し、打止めカウンタが「18900」に到達した後、打止めカウンタの値が減少した場合において、打止めカウンタの値が所定値となったときは、コンプリート機能作動の予告を終了する。
ここで、打止めカウンタが「18900」を閾値として遊技の進行とともに上下した場合には、コンプリート機能作動を予告している状態と予告していない状態とが頻繁に入れ替わることとなり、たとえばコンプリート機能作動の予告画像が表示されたり表示されなかったりしてしまう。
そこで、本実施形態では、一旦、コンプリート機能作動を予告したときは、打止めカウンタが所定値(本実施形態では「18850」)未満になるまでは、コンプリート機能作動の予告を維持する。
図40は、コンプリート機能作動を予告(事前報知)する区間と、予告しない区間との推移を示す図である。図中、実線がコンプリート機能作動を予告する区間であり、波線が予告しない区間である。
図40において、打止めカウンタの値が図中「A」(MY1=「18900」)に到達すると、コンプリート機能作動を予告する条件を満たすので、この時点からコンプリート機能作動を予告する。
そして、遊技が進行し、図中「B」の時点で打止めカウンタの値が「MY1(18900)」を下回るが、コンプリート機能作動の予告を継続する。
そして、図中「C」の時点で打止めカウンタの値が「MY2(18850)」を下回ると、コンプリート機能作動の予告を終了し、予告しない区間に移行する。
一旦、予告しない区間に移行すると、次に、打止めカウンタが「18900」(MY1)に到達しないと、コンプリート機能作動を予告する区間にならない。図40の例では、図中「D」の時点で打止めカウンタが「18900」(MY1)に到達し、再度、コンプリート機能作動を予告する区間になった例を示している。
なお、打止めカウンタが「19000」に到達すると、コンプリート機能が作動するので、コンプリート機能作動の予告は終了する。
また、コンプリート機能作動を予告する区間となる打止めカウンタ「MY1」と、予告しない区間となる打止めカウンタ「MY2」との差「MY1-MY2」は、この例では「50」としている。ここで、「MY1-MY2」は、1遊技での最大差数(第1実施形態では「11枚」)よりも大きいことが好ましい。このようにすれば、コンプリート機能作動を予告する区間と予告しない区間とが1遊技で(頻繁に)入れ替わることを防止することができる。
図41は、コンプリート機能作動を全面に画像表示する例を示す図である。図中、ドットパターンの表示領域がコンプリート機能作動の画像表示領域とする。したがって、この例のように全面にコンプリート機能が作動していることを画像表示したときは、それまでの遊技画面等は全く見えなくなる。
ここで、コンプリート機能が作動した場合には、自動精算を実行する場合と自動精算を実行しない場合とを有する。コンプリート機能が作動した場合には、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、及びストップスイッチ42の操作受付けは無効となるので、それ以降、遊技を進行することができない。ただし、精算スイッチ43の操作受付けを許可する遊技機10については、コンプリート機能作動後に精算スイッチ43を操作して、貯留メダルのすべてをメダル受け皿に排出することができる。この場合には、図中(a)に示すように、精算を促す表示を行う。
一方、コンプリート機能が作動した場合には、自動精算を実行する場合には、遊技者による精算スイッチ43の操作によることなく、貯留メダルのすべてを自動でメダル受け皿に排出する。この場合には、図中(b)に示すように、自動精算中はその旨を表示する。
また、後述する第18実施形態(図52)で説明する「メダルレス遊技機」である場合には、計数スイッチ47を操作すると、遊技機10に記憶されている遊技媒体(電子メダル)が貸出しユニット200に送信される。そして、メダルレス遊技機の場合には、コンプリート機能作動時には、計数スイッチ47を操作して遊技媒体を貸出しユニット200に送信する必要がある。この場合には、図中(c)に示すように、計数を促す表示を行う。
図42は、コンプリート機能作動を一部の領域に画像表示する例を示す図である。図中、ドットパターンの表示領域がコンプリート機能作動の画像表示領域である。
図中(a)は、たとえばサブボーナス遊技(AT)中にコンプリート機能が作動した例である。遊技画面レイヤーの上に重ねて、コンプリート機能作動の画像レイヤーを表示する。このため、遊技画像とコンプリート機能作動の画像とが重なる範囲では、コンプリート機能作動の画像が上になって表示される。なお、コンプリート機能作動の画像を透過タイプとし、コンプリート機能作動の画像の下に遊技画面が見えるように構成してもよい。
また、遊技画面をそのまま放置して所定時間を経過すると、図中(b)に示すようにデモンストレーション画面に移行する。デモンストレーション画面に移行した場合であっても、コンプリート機能作動の画像は消去されずに表示され続ける。さらに、デモンストレーション画面の画像とコンプリート機能作動の画像とが重なる範囲では、コンプリート機能作動の画像が手前側のレイヤとなって表示される。
さらにまた、コンプリート機能作動後でも、メニュー画面に移行可能である。メニュー画面に移行した場合であっても、コンプリート機能作動の画像は消去されずに表示され続ける。さらに、メニュー画面の画像とコンプリート機能作動の画像とが重なる範囲では、コンプリート機能作動の画像が手前側のレイヤとなって表示される。
図43は、特別遊技状態(たとえば1BB遊技中やRB遊技中等)に打止めカウンタが「19000」に到達したときの例を示す図であり、(a)はタイムチャートを示し、(b)及び(c)は画像表示例を示す。
なお、第1実施形態は、1BB内部中(1BBを入賞させないこと)を前提としてサブボーナス(AT)を実行可能とする遊技性である。これに対し、図43の例は、たとえば遊技中に1BBやRB(役物)を入賞させ、特別遊技状態(1BB遊技中やRB遊技中)であるときに打止めカウンタが「19000」に到達した例を示している。
図中(a)において、特別遊技状態を開始した時点では、打止めカウンタは「18900」未満であり、コンプリート機能仮フラグはオフ、かつ、コンプリート機能作動フラグはオフである。まず、打止めカウンタが「18900」に到達すると、サブ制御基板80は、コンプリート機能作動を予告する画像を表示する。図中(b)はこのときの画像を示している。特別遊技状態の遊技画面において、一部の領域にコンプリート機能作動の予告画像を重ねて表示する。
次に、特別遊技状態で打止めカウンタが「19000」に到達すると、コンプリート機能仮フラグはオンになる。ただし、特別遊技状態であるため、コンプリート機能作動フラグはオフのままである。
また、コンプリート機能仮フラグがオンになったことに基づいて、サブ制御基板80は、コンプリート機能の作動が待機中である(特別遊技状態の終了後にコンプリート機能が作動する)旨の画像を表示する。図中(c)は、このときの画像を示している。よって、打止めカウンタが「19000」に到達したことに基づいて、図中(b)の画像表示から図中(c)の画像表示となる。
このように構成することで、特別遊技状態中に打止めカウンタが「19000」に到達したこと(当日のこれ以上の遊技はできないこと)を遊技者に伝えることができるため、特別遊技状態の終了後に遊技機10が打止めとなったときにぱちんこ屋のスタッフと遊技者とのトラブルを防止することができる。
特別遊技状態が終了すると、コンプリート機能作動フラグがオンとなる(コンプリート機能仮フラグはオフになる)。これにより、図中(c)の画像から、たとえば図41や図42(a)に示す画像に切り替わる。
なお、特別遊技状態で打止めカウンタが一旦「19000」に到達したときは打止めカウンタのカウントは終了するが、その後に獲得メダルが減少した場合(たとえば打止めカウンタが「19000」に到達した後、その後のカウントを終了することなく継続したと仮定したとき、特別遊技状態の終了時に当該カウント値が「19000」未満となったとき)であっても、特別遊技状態の終了時にコンプリート機能仮フラグはオンのままでありコンプリート機能作動フラグがオンとなる。
なお、図38の例では、コンプリート機能仮フラグがオンであるとき(ステップS541で「Yes」)は、ステップS544を経由しないので打止めカウンタは更新されない。よって、この場合には、その後の特別遊技状態において獲得メダルが減少しても打止めカウンタは変化しない。
ただし、これに限らず、コンプリート機能仮フラグがオンになった後も打止めカウンタを更新してもよい。この場合、特別遊技状態の終了時に打止めカウンタが「19000」未満となっている場合であっても、特別遊技状態中にコンプリート機能仮フラグが一旦オンになった場合には、特別遊技状態の終了時にコンプリート機能作動フラグをオンにし、遊技機10を打止めとする。
また、図43において、打止めカウンタが「19000」に到達した後、特別遊技状態が終了する前に電源断となり、その後電源が投入され、特別遊技状態が終了したときは、特別遊技状態の終了時にコンプリート機能が作動する。特別遊技状態中に打止めカウンタが「19000」に到達したときはコンプリート機能作動フラグはオンにならないが、コンプリート機能仮フラグがオンとなる。そして、打止めカウンタは電源オン/オフによりクリアされるが、コンプリート機能仮フラグは、電源オン/オフによりクリアされない。このため、電源が投入された後、特別遊技状態の終了前は、コンプリート機能仮フラグがオン、コンプリート機能作動フラグはオフである。そして、特別遊技状態が終了すると、コンプリート機能仮フラグがオフ、コンプリート機能作動フラグがオンとなり、コンプリート機能が作動する。
このように構成することで、打止めカウンタが「19000」に到達した後であって、遊技機10が打止めとなっていない状況(たとえば、特別遊技状態中に打止めカウンタが「19000」に到達した状況)で停電等が発生し、その後電源が投入され打止めカウンタがクリアされたとしても、コンプリート機能仮フラグ及びコンプリート機能作動フラグに基づいて遊技機10を打止めとすることができるため、遊技者の射幸心を著しく煽ってしまうことを防止することができる。
図44は、コンプリート機能作動の予告(事前報知)状態(たとえば図43(b)に示す状態)となっており、払出し後にコンプリート機能が作動する遊技(打止めカウンタが「19000」に到達する遊技。以下同じ。)において、電源断が発生し、電源断処理の開始前に払出し処理が終了した例を示すタイムチャートである。
まず、コンプリート機能作動の予告状態となっている状況下において、ストップスイッチ42が操作され、最後のストップスイッチ42から手が離されて、払出し処理が行われたとする。そして、払出し処理の終了直前に電源断が発生し、電源断処理が開始する前に払出し処理が終了したものとする。
払出し処理が終了すると、打止めカウンタが更新され、打止めカウンタが「19000」に到達した結果、コンプリート機能作動の予告状態からコンプリート機能作動状態に移行する。当該予告状態から作動状態に切り替わる瞬間ぐらいに電源断が発生しているが、電源断処理が開始する前に作動状態となっている。このため、電源断処理が開始する前にコンプリート機能作動フラグがオンになる。
電源断処理が終了すると、その後に電源がオフとなる。
次に、電源が投入されると、電源投入処理が実行される。電源投入処理が終了すると、コンプリート機能作動状態に復帰する。上述したように、電源オン/オフが行われると、打止めカウンタはクリアされるが、コンプリート機能作動フラグはクリアされない。このため、電源投入処理時にコンプリート機能作動フラグの値が読み込まれ、コンプリート機能作動フラグがオンであるときは、コンプリート機能作動状態となる。
図45は、コンプリート機能作動の予告状態となっており、払出し後にコンプリート機能が作動する遊技において、払出し処理の途中で電源断が発生し、電源断処理が開始した例を示すタイムチャートである。
図45では(a)の例1と(b)の例2とを図示しているが、まず、(a)の例1について説明する。
コンプリート機能作動の予告状態において、ストップスイッチ42が操作され、最後のストップスイッチ42から手が離されて、払出し処理が行われたとする。そして、払出し処理の途中に電源断が発生し、払出し処理のすべてが終了する前(すべてのメダルが払い出される前)に電源断処理が開始したものとする。したがって、電源断処理が終了し、電源がオフになった時点では、打止めカウンタは「19000」に到達していない。このため、コンプリート機能作動の予告状態のまま電源オフとなっている。換言すれば、電源断時にはコンプリート機能作動フラグはオフである。
なお、電源断時には、途中までの払出し処理と、コンプリート機能作動の予告状態とがバックアップされる。
次に、電源が投入されると、電源投入処理が実行される。電源投入処理が終了すると、バックアップデータに基づいて払出し処理の続きが実行される。また、電源断時のバックアップデータに基づいて、コンプリート機能作動の予告状態に復帰する。
払出し処理が終了すると、打止めカウンタが更新されるが、打止めカウンタは、電源のオフによりクリアされている。このため、電源投入後に続きの払出し処理が実行され、打止めカウンタが更新されても打止めカウンタは「19000」に到達しない。さらには、打止めカウンタの値は、コンプリート機能作動の予告状態になるための値(たとえば図40の例では「18900」)に到達していない。よって、払出し処理の終了後はコンプリート機能作動の予告状態にはならず、通常状態に移行する。
また、図中(b)の例2は、電源断時に、コンプリート機能作動の予告状態をバックアップしない例である。
このため、電源投入後は、コンプリート機能作動の予告状態に復帰しない。したがって、電源投入処理が終了すると、通常状態となる。
なお、図45は、コンプリート機能作動の予告状態となっており、払出し後にコンプリート機能が作動しない場合(打止めカウンタが「19000」に到達しない場合)であっても当てはまる。
また、図中(b)の例2において、電源断時にコンプリート機能作動の予告状態をバックアップするが、電断復帰時の処理でコンプリート機能作動の予告状態をクリアするように構成してもよい。このように処理することは、後述する図46(b)、図47(b)、図48(b)についても同様である。
図46は、コンプリート機能作動の予告状態となっており、払出し後にコンプリート機能が作動する遊技において、最後のストップスイッチから手を離す前に電源断が発生し、払出し処理が途中まで行われたときに電源断処理が実行された例を示すタイムチャートである。
図46では(a)の例1と(b)の例2とを図示しているが、まず、(a)の例1について説明する。
コンプリート機能作動の予告状態において、ストップスイッチ42が操作され、最後のストップスイッチ42から手が離されて、払出し処理が行われたとする。ここでは、最後のストップスイッチ42から手が離される前に電源断が発生したとする。さらに、払出し処理のすべてが終了する前(すべてのメダルが払い出される前)に電源断処理が開始したものとする。したがって、電源断処理が終了し、電源がオフになる時点では、打止めカウンタは「19000」に到達していない。このため、コンプリート機能作動の予告状態のまま電源オフとなる。
なお、電源断時には、途中までの払出し処理と、コンプリート機能作動の予告状態とがバックアップされる。
次に、電源が投入され、電源投入処理が実行されると、バックアップデータに基づいて払出し処理の続きが実行される。また、電源断時のバックアップデータに基づいて、コンプリート機能作動の予告状態に復帰する。
払出し処理が終了すると、打止めカウンタが更新されるが、打止めカウンタは、電源のオフによりクリアされている。このため、電源投入後に続きの払出し処理が実行され、打止めカウンタが更新されても打止めカウンタが「19000」に到達しない。さらには、打止めカウンタの値は、コンプリート機能作動の予告状態になるための値に到達していない。よって、払出し処理の終了後はコンプリート機能作動の予告状態にはならず、通常状態に移行する。
また、図中(b)の例2は、電源断時に、コンプリート機能作動の予告状態をバックアップしない例である。
このため、電源投入後は、コンプリート機能作動の予告状態に復帰しない。したがって、電源投入処理が終了すると、通常状態となる。
なお、図46は、コンプリート機能作動の予告状態となっており、払出し後にコンプリート機能が作動しない場合(打止めカウンタが「19000」に到達しない場合)であっても当てはまる。
また、図45の例と図46の例とを対比すると、結果は同一となる。図45の例では最後のストップスイッチ42から手を離した後に電源断が発生しており、図46の例では電源断が発生した後に最後のストップスイッチ42から手を離している。
そして、いずれも、払出し処理の途中で電源断処理を終了している。これにより、電源投入後は、払出し処理の続きが行われ、コンプリート機能作動の予告状態がバックアップされているときはコンプリート機能作動の予告状態に復帰するものの、打止めカウンタがクリアされているために、その後、通常状態となる。
なお、電源オン/オフ時の打止めカウンタの更新方法としては、以下の2つの方法が挙げられる。
第1の方法としては、当該遊技での払出し数とベット数とに基づいて打止めカウンタを更新する方法である。
また、第2の方法としては、電源投入後に払い出された枚数に基づいて打止めカウンタを更新する方法である。
たとえば、3枚がベットされ、10枚の払出しがある遊技において、10枚中5枚が払い出されたタイミングで電源断処理が完了し、その後電源が投入され、残りの払出しが行われるとすると、
第1の方法を採用した場合には、電源投入後に、差数として7枚分、打止めカウンタが更新される。
これにより、払出し処理の途中で電源のオン/オフが発生したとしても、電源のオン/オフが発生しなかったときと同じ差数を更新することができるため、処理を簡素化することができる。ただし、電源投入後に更新された打止めカウンタの値と電源投入後に払い出された枚数とが一致しない場合がある。
また、第2の方法を採用した場合には、電源投入後に払い出された5枚分、打止めカウンタが更新される。
これにより、電源投入後に更新された打止めカウンタの値と電源投入後に払い出された枚数とが一致するため、電源投入後にコンプリート機能作動の予告等がされたときに遊技者を混乱させてしまうことがない。
図47は、コンプリート機能作動の予告状態となっており、払出し後にコンプリート機能が作動する遊技において、電源断処理の開始直前(T1)又は電源断処理後(T2)に最後のストップスイッチから手を離した例を示すタイムチャートである。
電源断処理の開始直前(T1)に最後のストップスイッチから手を離した場合、及び電源断処理の終了後から電源投入前までの間(T2)に最後のストップスイッチから手を離した場合のいずれであっても、結果は同じとなる。
図46では(a)の例1と(b)の例2とを図示しているが、まず、(a)の例1について説明する。
コンプリート機能作動の予告状態において、ストップスイッチ42が操作された後、電源断処理の開始直前(T1)又は電源断処理後(T2)に最後のストップスイッチ42から手が離されたとする。最後のストップスイッチ42から手を離されると払出し処理が実行されるが、電源断処理の開始直前(T1)又は電源断処理後(T2)に最後のストップスイッチ42から手が離されていることから、払出し処理が開始される前に電源断処理が終了している。
したがって、電源断処理が終了し、電源がオフになる時点では、打止めカウンタは「19000」に到達していない。このため、コンプリート機能作動の予告状態のまま電源オフとなっている。
なお、電源断時には、役の入賞があったことと、コンプリート機能作動の予告状態とがバックアップされる。
次に、電源が投入され、電源投入処理が実行されると、バックアップデータに基づいて払出し処理が実行される。また、電源断時のバックアップデータに基づいて、コンプリート機能作動の予告状態に復帰する。
払出し処理が終了すると、打止めカウンタが更新されるが、打止めカウンタは、電源のオフによりクリアされている。このため、電源投入後に払出し処理が実行され、打止めカウンタが更新されても打止めカウンタが「19000」に到達しない。さらには、打止めカウンタの値は、コンプリート機能作動の予告状態になるための値に到達していない。よって、払出し処理の終了後はコンプリート機能作動の予告状態にはならず、通常状態に移行する。
また、図中(b)の例2は、電源断時に、コンプリート機能作動の予告状態をバックアップしない例である。
このため、電源投入後は、コンプリート機能作動の予告状態に復帰しない。したがって、電源投入処理が終了すると、通常状態となる。
図48は、コンプリート機能作動の予告状態となっており、電源断発生後、電源投入後に最後のストップスイッチから手を離した例を示すタイムチャートである。
電源断発生後、電源投入後に最後のストップスイッチ42から手を離した場合であっても、上述した図47の例と同一となる。
具体的には、(a)例1のように、電源断時に、コンプリート機能作動の予告状態をバックアップした場合には、電源投入処理後、払出し処理終了前の間は、バックアップデータに基づいてコンプリート機能作動の予告状態で復帰する。そして、払出し処理の終了後に通常状態に移行する。
これに対し、(b)例2のように、電源断時に、コンプリート機能作動の予告状態をバックアップしていない場合には、電源投入処理後、通常状態となる。
図49は、サブボーナス中にコンプリート機能作動の予告状態となっている状況下で電源断が発生した場合の例を示すタイムチャートである。この例では、電源断時の前後で払出し処理はないものとする。
サブボーナスにおいて、コンプリート機能作動の予告状態となっているので、コンプリート機能作動までの残り枚数を画像表示している。たとえば図43(b)のような画像表示である。また、サブボーナス中の獲得枚数を画像表示している。
コンプリート機能作動までの残り枚数及びサブボーナス中の獲得枚数を画像表示している状態において電源断が発生した後、電源が投入されると、電源投入処理が実行される。電源投入処理が終了すると、打止めカウンタはクリアされるので、打止めカウンタの値は、コンプリート機能作動の予告状態になるための値に到達しない。これにより、コンプリート機能作動の予告状態にならない。このため、電源投入後は、コンプリート機能作動までの残り枚数は画像表示されない。
一方、電源投入処理が終了すると、バックアップデータに基づいて、サブボーナス中の獲得枚数が画像表示される。
以上より、電源断前は、コンプリート機能作動までの残り枚数及びサブボーナス中の獲得枚数を画像表示した状態であるが、電源投入後は、サブボーナス中の獲得枚数を画像表示した状態となる。
図50は、コンプリート機能作動の予告を報知しており、かつ、払出し処理後にコンプリート機能が作動し、コンプリート機能作動を報知する場合において、当該払出し処理後の自動精算中にホッパーエンプティエラーが発生した例を示す図である。(a)はタイムチャートを示し、(b)~(d)が画像表示内容を示す。
図中(a)において、コンプリート機能の作動予告を報知している状況下において、払出し処理が終了すると、打止めカウンタが「19000」に到達し、コンプリート機能作動フラグがオンになる。これにより、コンプリート機能の作動を報知する。図中(b)において、「コンプリート機能作動中 係員を呼んでください」は、コンプリート機能の作動を報知する例である。
また、この例では、図41(b)の例と同様に、コンプリート機能が作動したときは自動精算される仕様であるものとする。したがって、コンプリート機能の作動を報知すると、自動精算が開始される。図中(b)は、コンプリート機能の作動を報知し、かつ、自動精算中であることを報知している例である。
次に、自動精算中にホッパーエンプティエラーが発生すると、ホッパーエンプティエラーが報知される。図中(c)は、コンプリート機能の作動を報知し、かつ、ホッパーエンプティエラーの発生を報知している例である。
そして、ホッパーエンプティエラーが解消され、かつ、自動精算が終了すると、図中(d)に示すように、コンプリート機能の作動のみが報知される。
なお、図中(c)の場合において、ホッパーエンプティエラーの発生を優先する場合にはホッパーエンプティエラーの報知をコンプリート機能作動の報知よりも大きく表示してもよい。あるいは、コンプリート機能作動の報知を優先する場合には、コンプリート機能作動の報知をホッパーエンプティエラーの報知よりも大きく表示してもよい。
図51は、コンプリート機能作動の予告を報知しており、かつ、払出し処理後にコンプリート機能が作動する場合において、自動精算後にコンプリート機能作動を報知する例である。さらに、当該自動精算中にホッパーエンプティエラーが発生した例を示す図である。(a)はタイムチャートを示し、(b)~(d)は画像表示内容を示す。
図51において、図50と相違する点は、払出し処理後の自動精算中はコンプリート機能作動を報知せず、自動精算後にコンプリート機能作動を報知する例である。
図中(a)において、コンプリート機能の作動予告を報知している状況下において、払出し処理が終了すると、打止めカウンタは「19000」に到達するので、コンプリート機能作動フラグがオンになる。次に、コンプリート機能の動を報知する前に、自動精算処理が実行されるので、自動精算中である旨が表示される。図中(b)はこのときの状態を示している。
なお、図37の例では、ステップS533でコンプリート機能作動フラグがオンであると判断すると、ステップS534に進み、コンプリート機能の作動を報知した。次にステップS535に進んで自動精算処理を実行した。したがって、このフローチャートの例は、図50の例である。
これに対し、図51のように処理する場合には、図37中、ステップS533でコンプリート機能作動フラグがオンであると判断すると、ステップS535に進み、自動精算処理を実行する。そして、自動精算処理後にステップS534に進んでコンプリート機能の作動を報知する。
そして、自動精算中にホッパーエンプティエラーが発生すると、図中(c)に示すように、「自動精算中」の表示から「ホッパーエンプティエラー」の表示に切り替わる。
そして、ホッパーエンプティエラーが解消され、かつ、自動精算が終了すると、図中(d)に示すように、コンプリート機能作動が報知される。
このように構成することで、自動精算が完了していない状態ではコンプリート機能の作動が報知されないため、自動精算が未完了の状態で遊技者が遊技をやめて損をしてしまうことを防止することができる。
また、図51の例では、払出し処理が終了すると、打止めカウンタが「19000」に到達するのでその時点でコンプリート機能作動フラグがオンとなり、コンプリート機能が作動する。ただし、払出し処理後に実行される自動精算中はコンプリート機能の作動を報知していない。
ここで、自動精算中のホッパーエンプティエラー中に電源断となり、その後電源が投入され、ホッパーエンプティエラーが解除されたときは、自動精算処理の終了前は自動精算中であることを報知し(コンプリート機能の作動は報知せず)、自動精算処理が終了するとコンプリート機能の作動を報知する。
これにより、コンプリート機能作動時の自動精算中にホッパーエンプティエラーとなり、ホッパーエンプティエラーが発生している状況下において電源断となった場合であっても、当該ホッパーエンプティエラーの解除後にコンプリート機能作動フラグ及びコンプリート機能仮フラグに基づいて遊技機10を打止めとすることが可能となるため、遊技者の射幸心を著しく煽ってしまうことを防ぐことができる。
次に、第1実施形態において、サブ制御基板80における電源復帰処理について説明する。
第1実施形態では、電源断前の遊技状態が遊技者に有利な遊技状態であったか否かに応じて、電源断からの復帰画面を異ならせる。
ここで、「遊技者に有利な遊技状態」とは、サブボーナス(AT)中に限らず、サブボーナス(AT)の本前兆中やATの当選期待度が高いいわゆるチャンスゾーン(CZ)を含めてもよい。本前兆中の場合には、遊技者にサブボーナス(AT)の当選を報知した場合と報知していない場合との双方が含まれる。
ただし、「遊技者に有利な遊技状態」には、単なる有利区間(ATに当選していない場合)は含まない。
また、第1実施形態の仕様と異なるが、当選した特別役を入賞させて特別遊技を実行する(特別遊技状態に移行する)仕様の場合における「遊技者に有利な遊技状態」とは、特別遊技状態に限らず、特別役の当選を持ち越している内部中を含めてもよい。さらに内部中の場合には、特別役の当選を報知した場合と報知していない場合との双方が含まれる。
本実施形態では、電源断前に遊技者に有利な状態でなかったときは、電源断からの復帰後に、遊技待機画面(通常復帰画面)を表示する。これに対し、電源断前に遊技者に有利な状態であったときは、所定復帰画面を表示する。これにより、たとえばホール店員は、遊技機10の電源を投入したときに、前日のホール営業終了時(電源断時)に、遊技者に有利な状態で終了したか否かを判断することができるので、設定変更して通常の状態で営業を開始するか、又は設定変更せずに遊技者に有利な状態のまま営業を開始するかを適宜選択することができる。
さらに、電源断前にコンプリート機能作動画面を表示していたときは、電源断前は遊技者に有利な遊技状態である場合がほとんどである。しかし、電源断前に,遊技者に有利な遊技状態であり、かつ、コンプリート機能作動画面を表示していたときは、電源断からの復帰後は、所定復帰画面よりも優先してコンプリート機能作動画面を表示する。これにより、ホール店員に対し、設定変更をしないと遊技ができないことを知らせることができる。
メイン制御基板50は、サブ制御基板80に対し、現在の遊技状態、サブボーナス(AT)の当選、特別役の当選等の情報を送信する。この情報に基づいて、サブ制御基板80は、現在の遊技状態が遊技者に有利な状態であるか否かを判断する。たとえば遊技者に有利な状態であるとき(上記の本前兆中や内部中も含まれる)にオンとなるフラグを設け、遊技者に有利な遊技状態であるか否かを記憶しておく。
また、所定復帰画面の表示中に所定のエラー(セレクタエラーやドア開放エラーなど)が発生した場合には、所定のエラーの報知を優先するため、所定復帰画面に代えて、エラー画面に切り替える。ただし、所定復帰画面の一部に所定のエラーが発生した旨を表示してもよい。あるいはエラー画面の一部に所定復帰画面の表示中であることを表示してもよい。換言すれば、所定復帰画面の表示中に所定のエラーが発生した旨を表示する場合には、所定復帰画面とエラー画面のいずれも識別可能に表示してもよい。
なお、リール31の回転中に電源断となり、電源断から復帰した場合においては、リール31の回転中はエラー画面を表示せず、リール31の全停後にエラー報知を行う。ただし、これに限らず、リール31の回転中からエラー報知を行ってもよい。
コンプリート機能作動画面を表示したときは、設定変更を伴う電源のオン/オフをしない限り、消去されない。
これに対し、所定復帰画面の表示は、遊技が開始されたとき(スタートスイッチ41が操作されたとき)に終了する。ただし、ベット操作だけでは終了しない。
また、電源が投入され、所定復帰画面が表示された後、所定時間を経過したときは、所定復帰画面の表示を終了し、デモンストレーション画面に移行する。
ここで、遊技待機画面を表示した時からデモンストレーション画面の表示に移行するまでの時間をT1とし、所定復帰画面を表示した時からデモンストレーション画面の表示に移行するまでの時間をT2としたとき、
T2>T1
となるように構成されている。
これにより、ホールにおいて電源が投入されたときに、所定復帰画面で復帰した場合には、遊技待機画面(一の遊技において、遊技の進行に伴って全停後に表示されている遊技画面であり、専用の画面ではない。また、デモンストレーション画面とは異なる画面である。)よりもデモンストレーション画面に移行するまでの時間が長いので、ホール店員が所定復帰画面が表示されていることに気づきやすくすることができる。
なお、遊技終了後の所定のタイミング(全リール31の停止後や、払出し処理の終了後など)から、何の操作も行われずに所定時間を経過したときは、デモンストレーション画面の表示に移行する。当該遊技終了時からデモンストレーション画面の表示に移行するまでの時間をT0としたとき、
T0≒T1
である。
したがって、
T2>T0
である。
また、遊技待機画面又は所定復帰画面の表示からデモンストレーション画面の表示に移行した後、ベット操作が行われれば、デモンストレーション画面の表示を終了し、遊技待機画面に戻る。そして、遊技待機画面からスタートスイッチ41が操作されると、遊技開始画面(遊技開始時に表示される通常の演出画面)を表示する。
また、デモンストレーション画面が表示されている状態においてベット操作が行われ、遊技待機画面に移行したときは、その後、時間経過によってもデモンストレーション画面には移行しない。
図52は、サブ制御基板80において、電源断後の復帰画面の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS561では、サブ制御基板80は、設定変更モードであるか否かを判断する。設定変更モードとして電源がオンされたときは、メイン制御基板50からサブ制御基板80に対し、設定変更モードである旨のコマンドが送信されるので、当該コマンドの受信に基づいて設定変更モードであるか否かを判断する。
設定変更モードでないと判断したときはステップS562に進み、設定変更モードであると判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。このように、設定変更モードであるときは、所定復帰画面等を表示することなく設定変更モードに移行する(設定変更モード特有の画面を表示する)。
ステップS561からステップS562に進むと、サブ制御基板80は、電源断前にコンプリート機能作動画面を表示していたか否かを判断する。電源断時には、コンプリート機能の作動を報知しているか否かの情報についてもバックアップされている。電源断前にコンプリート機能作動画面を表示していないと判断したときはステップS563に進み、表示していたと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS563では、サブ制御基板80は、電源断前の遊技状態が遊技者に有利な遊技状態であったか否かを判断する。上述したように、サブ制御基板80は、メイン制御基板50から送信されてくる情報に基づき、遊技者に有利な遊技状態であるか否かを記憶しておく。そして、電源断時にはその情報をバックアップし、電源が投入されると当該情報を読み込んで、電源断前の遊技状態を判断する。電源断前の遊技状態が遊技者に有利な状態であると判断したときはステップS564に進み、遊技者に有利な状態でないと判断したときはステップS572に進む。
ステップS564に進んだとき、すなわち電源断前にコンプリート機能作動画面を表示しておらず、かつ、電源断前が遊技者に有利な状態であるときは、サブ制御基板80は、所定復帰画面を表示する。そしてステップS565に進む。
ステップS565では、サブ制御基板80は、メダルがベットされたか否かを判断する。メダルがベットされたと判断したときはステップS576に進み、ベットされていないと判断したときはステップS566に進む。
ステップS566では、サブ制御基板80は、所定復帰画面の表示開始から時間T2を経過したか否かを判断する。時間T2を経過したと判断したときはステップS567に進み、時間T2を経過していないと判断したときはステップS565に戻る。
ステップS567に進むと、サブ制御基板80は、所定復帰画面の表示を終了し、デモンストレーション画面の表示を開始する。次にステップS568に進み、サブ制御基板80は、メダルがベットされたか否かを判断する。メダルがベットされたと判断したときはステップS569に進む。すなわち、デモンストレーション画面は、メダルがベットされるまで継続する。メダルがベットされたと判断してステップS569に進むと、サブ制御基板80は、遊技待機画面を表示する。
ステップS569で遊技待機画面を表示した後、ステップS570に進み、サブ制御基板80は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。換言すると、ステップS570では、遊技が開始されたか否かを判断する。スタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップS571に進んで遊技開始画面を表示する。そして本フローチャートによる処理を終了する。
一方、ステップS564において所定復帰画面を表示した後、ステップS565においてメダルがベットされたと判断し、ステップS576に進むと、サブ制御基板80は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。なお、ステップS576の段階では、所定復帰画面が表示された状態である。ステップS576でスタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップS571に進んで遊技開始画面を表示する。これに対し、ステップS576でスタートスイッチ41が操作されていないと判断するとステップS577に進む。ステップS577では、サブ制御基板80は、所定復帰画面の表示開始から時間T2を経過したか否かを判断する。時間T2を経過したと判断したときはステップS578に進み、時間T2を経過していないと判断したときはステップS576に戻る。
ステップS578に進むと、サブ制御基板80は、所定復帰画面の表示を終了し、デモンストレーション画面の表示を開始する。次にステップS579に進み、サブ制御基板80は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。スタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップS571に進んで遊技開始画面を表示する。
一方、ステップS563において電源断前の遊技状態が遊技者に有利な遊技状態ないと判断され、ステップS572に進むと、サブ制御基板80は、遊技待機画面を表示する。次にステップS573に進み、サブ制御基板80は、メダルがベットされたか否かを判断する。メダルがベットされたと判断したときはステップS575に進む。また、メダルがベットされていないと判断したときはステップS574に進む。ステップS574では、サブ制御基板80は、遊技待機画面の表示開始から時間T1を経過したか否かを判断する。上述したように、「時間T1<時間T2」である。時間T1を経過していないと判断したときはステップS573に戻って遊技待機画面を維持する。これに対し、時間T1を経過したと判断したときはステップS567に進んでデモンストレーション画面を表示する。
また、ステップS573においてメダルがベットされたと判断し、ステップS575に進むと、サブ制御基板80は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。スタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップS571に進んで遊技開始画面を表示する。
なお、ステップS564において所定復帰画面を表示した後、ステップS566において時間T2を経過したと判断される前にステップS565でベットありと判断されたときは、(ステップS576ではなく)ステップS579に移行してもよい。換言すれば、ベット後は時間T2を経過してもデモンストレーション画面を表示せず、スタートスイッチ41が操作されるまで所定復帰画面の表示を維持してもよい。
あるいは、ステップS564において所定復帰画面を表示した後は、ベットされ、かつスタートスイッチ41が操作されるまで所定復帰画面の表示を維持してもよい。換言すれば、ステップS564の後、ステップS570に進み、ステップS570において(ベットされ、かつ)スタートスイッチ41が操作されるまで所定復帰画面の表示を維持してもよい。
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、たとえば以下のような種々の変形が可能である。
(1)上記実施形態では、サブボーナスに当選すると、所定回数の前兆遊技及び疑似遊技(「赤7」揃い遊技)を経てサブボーナスを開始するようにした。しかし、これに限らず、サブボーナスに当選した遊技の次回遊技で疑似遊技を実行し、サブボーナスに移行してもよい。
(2)上記実施形態では、当選番号「2」(リプレイB)に当選した遊技をサブボーナス当選遊技とし、逆押しで「赤7」揃いをさせることとした。
しかし、たとえば当選番号「1」(リプレイA)であっても当選役にリプレイ04を含むことから、逆押しで「赤7」揃い(リプレイ04)を表示可能としてもよい。
また、当選番号「1」は、約「1/7.3」で当選することから、サブボーナスに当選した後、当選番号「1」に当選したときは、逆押しで「赤7」揃いを狙う演出を出力し、「赤7」揃いが表示されたときは、次回遊技からサブボーナスに移行してもよい。
(3)上記実施形態では、有利区間の終了条件として、有利区間中の差数が「2400」を超えたことに設定したが、たとえば有利区間の遊技回数が所定回数となったときは有利区間を終了してもよい。「所定回数」としては、たとえば「3000」遊技、又は「4000」遊技が挙げられる。
この場合、有利区間中の差数が「2400」を超えたこと、又は有利区間の遊技回数が所定回数となったことのいずれかを満たせば、有利区間を終了する。なお、有利区間中の差数が「2400」を超えたこと、又は有利区間の遊技回数が所定回数となったことに加えて、任意の有利区間の終了条件(たとえば、AT終了後や、一のATで所定数を超える遊技媒体を獲得したときなど)を満たしたときに有利区間を終了するよう構成してもよい。
(4)コンプリート機能が作動するときは、クレジットの自動精算を実行する仕様を有するようにした。ここで、たとえば遊技を終了した瞬間にベット操作を行い、その後にコンプリート機能が作動したときは、ベット数が遊技機に残るおそれがある。そこで、コンプリート機能を作動させるときの自動精算においては、クレジット数及びベット数の双方を行うようにしてもよい。
(5)コンプリート機能作動の予告(事前報知)画像は、遊技中に常時表示していてもよいが、たとえば残り枚数の節目で行うようにしてもよい。たとえば、打止めカウンタが「18500」、「18600」、「18700」、「18800」、及び「18900」に到達した全停時に、各枚数に対応した予告(事前報知)を行うようにしてもよい。
また、遊技者に周知徹底をはかるため、具体的な予告方法としては、たとえば演出ランプ21を点滅させ、かつ、「ピコーン」等の報知音を1回又は所定回数再生し、さらに、「コンプリート機能作動まで残り○○○枚となりました」等の音声をスピーカ22から出力することが挙げられる。
(6)コンプリート機能作動の報知は、上記の予告と同様に、画像表示のみに限らず、「ピコーン」等の報知音、又は「コンプリート機能が作動しました。」や「コンプリート機能が作動しました。本日は遊技終了です。」等の音声をスピーカ22から出力してもよい。また、コンプリート機能の作動に対応するパターンで演出ランプ21を発光させてもよい。
さらに、コンプリート機能作動の報知は、サブ制御基板80側で実行するだけでなく、メイン制御基板50側でも実行可能である。具体的には、獲得数表示LED78や、自動精算後のクレジット数表示LED76に、たとえば「Ed」と表示することにより、コンプリート機能が作動していることを報知してもよい。
(7)コンプリート機能作動の報知は、報知開始後は遊技機10の電源をオフにするまで継続してもよく、一定時間だけ実行してもよい。一定時間実行する場合には、たとえば「10」秒以上は継続することで遊技者に確実に知らせることが好ましい。
(8)コンプリート機能作動の予告画像は、すべてのリール31が停止し、払出し処理が終了し、打止めカウンタが所定値(たとえば「18900」)となったときは、速やかに表示することが好ましい。たとえば払出し処理が終了した後に表示する場合には、払出し処理が終了した後、1枚のメダルをカウントアップするまでの時間よりも短い時間で表示することが挙げられる。
一方、すべてのリール31が停止し、払出し枚数が確定し、打止めカウンタが所定値になることが確定したときは、払出し処理の終了前から表示してもよい。
(9)コンプリート機能作動の予告画像を表示する場合には、最前のレイヤで画像表示するが、たとえば押し順ナビを表示している場合には、押し順ナビの表示の妨げにならないようにコンプリート機能作動の予告画像を表示する。また、サブボーナス(AT)中にコンプリート機能作動の予告画像を表示する場合には、残り遊技回数、獲得枚数等の遊技情報の表示の妨げにならないようにする。
(10)打止めカウンタが「19000」に到達する遊技でリプレイが停止表示したときは、第1に、自動ベット処理を実行しないことが挙げられる。
あるいは第2に、自動ベット自体は実行するが、たとえば自動ベット処理の完了前にスタートスイッチ41の操作を無効とし、リプレイ遊技ができないようにする。
(11)特別遊技状態においてコンプリート機能仮フラグがオンとなったときは、特別遊技状態終了時における打止めカウンタの値にかかわらず、コンプリート機能を作動させ、かつ、自動精算機能を有する仕様の場合には自動精算を実行する。
たとえば役抽選結果が役の非当選となる場合を有する特別遊技状態の場合に、コンプリート機能仮フラグがオンとなった後、打止めカウンタ値が減少する可能性がある。しかし、特別遊技状態においてコンプリート機能仮フラグが一旦オンとなったときは、特別遊技状態の終了時にたとえばコンプリート機能作動の予告の報知に満たない枚数となった場合であってもコンプリート機能を作動させる。
(12)図50(b)に示すように、コンプリート機能の作動中にエラー(この例ではホッパーエンプティエラー)が生じたときは、コンプリート機能作動を報知する画像と、発生したエラーを示す画像とを同時に表示したが、これに限らず、エラー画像を優先し、エラーの発生中はコンプリート機能作動を報知する画像が見えなくてもよい。
(13)コンプリート機能作動の作動予告やコンプリート機能作動の報知において、画像表示装置23を備える遊技機の場合には、画像で表示し、さらに、スピーカ22を用いて音声で遊技者に報知する。
一方、画像表示装置23を備えない遊技機の場合には、スピーカ22を用いて音声によりコンプリート機能作動の作動予告やコンプリート機能作動の報知を行う。さらに、これらに併せて、演出ランプ21(枠ランプ等)を特定のパターンで発光させることによりこれらの報知を行ってもよい。
また、画像表示装置23を備えない遊技機において、コンプリート機能の作動予告については、
a)第1の例として、作動予告中は払出し枚数表示器(図1の例では獲得数表示LED78)によって表示し、作動予告中は払出し枚数を表示しないことが挙げられる。
b)第2の例として、コンプリート機能の作動予告を行うための専用のランプを設けることが挙げられる。
(14)特別遊技状態を開始するときに入賞した役に払出しを有し、特別遊技状態の開始時に打止めカウンタが「19000」以上となったときは、当該役の入賞時、又は特別遊技状態の開始時から、特別遊技状態終了時にコンプリート機能を作動する旨の報知を行うことが挙げられる。
また、特別遊技状態の終了時に打止めカウンタが「19000」以上となることが濃厚な状況において、特別遊技状態を開始した場合に、「特別遊技状態の終了時にコンプリート機能が作動します」等の報知を、特別役入賞時や特別遊技状態の開始時に行うことが挙げられる。
具体的には、差枚で150枚の払出しが見込める特別遊技を実行可能な遊技機において、残り100枚でコンプリート機能が作動する状況下で当該特別遊技を開始するときは、当該特別遊技の開始時に、「特別遊技終了時にコンプリート機能が作動します」等の報知を実行する。
(15)遊技者に有利な遊技状態であるが非AT中である場合に、変則押しされたために推奨押し順でない旨の画像(たとえば図94(c))を表示しているとき、又は規定数が3枚であるときに2枚掛けで遊技が行われたためにその旨を表示しているときに電源断となった場合において、電源断から復帰したときは、所定復帰画面の表示より優先して、推奨押し順でない旨の画像や2枚掛けで遊技が行われた旨の画像を表示してもよい。これにより、変則押しをした遊技において電源断が発生した場合であっても遊技者に適切な遊技方法を伝えることができる。
一方、上記とは逆に、電源断から復帰したときに所定復帰画面の表示を優先してもよい。所定復帰画面の表示を優先することにより、変則押しをしたという遊技者にとって不利になり得る事実を隠すことができるため、遊技者の遊技意欲が低下することを防止することができる。
(16)サブボーナス(AT)の最終遊技において少なくとも1つのリール31の回転中に電源断となり、電源断から復帰したときは、全停後に、所定復帰画面とのめり込み防止画面との双方を識別可能に表示してもよい。
(17)遊技者に有利でない遊技状態において電源断となり、電源断から復帰したときは、上記例では遊技待機画面に復帰したが、これに限らず、電源断からの復帰後はデモンストレーション画面を表示してもよい。
(18)遊技者に有利な遊技状態で電源断となり、電源断から復帰して所定復帰画面を表示し、所定復帰画面の表示中に再度電源断となったときは、以下のような制御が挙げられる。
a)再度、時間T2の間、所定復帰画面を表示する。
b)1回目の所定復帰画面の表示時間と2回目の所定復帰画面の表示時間との合計が時間T2となったときは、所定復帰画面の表示を終了する。
c)再度の電源断から復帰したときは、所定復帰画面を表示せず、デモンストレーション画面を表示する。
(19)上記例では、所定復帰画面の表示は、時間T2が経過するまではスタートスイッチ41の操作によって終了したが、これに限らず、ベット操作によって所定復帰画面を終了し、遊技待機画面に移行してもよい。
(20)サブボーナス(AT)中において、押し順ナビの表示中(全リール31の回転中)に電源断となり、電源断から復帰したときは、所定復帰画面とともに押し順ナビを表示する。
(21)コンプリート機能作動画面が表示されている状況下で電源断となり、電源断から復帰したときは、所定復帰画面より優先してコンプリート機能作動画面を表示することが好ましい。したがって、この場合には、所定復帰画面が表示されなくてもよい。ただし、コンプリート機能作動画面と所定復帰画面とを同時に表示してもよい。
(22)図159の処理において、ベットありの場合には祝福演出に移行せずに、精算促進演出を出力するようにした。しかし、これに限らず、祝福演出を実行した上でベット数の有無を判断し、ベットありのときは祝福演出を出力しつつ、精算促進演出を出力してもよい。
(23)上記実施形態では、サブボーナスは「赤7」揃いを例に挙げたが、サブボーナスとして複数種類を設けてもよい。たとえば「赤7」-「赤7」-「赤7」揃いにより開始される第1サブボーナスと、「赤7」-「赤7」-「黒BAR」揃いにより開始される第2サブボーナスとを設けてもよい。さらに、複数種類のサブボーナスを設ける場合には、サブボーナスごとに獲得枚数を異ならせてもよい。たとえば第1サブボーナスを約「300」枚の払出しで終了(AT「50」遊技)とし、第2サブボーナスを約「90」枚の払出しで終了(AT「15」遊技)とすること等が挙げられる。
<第2実施形態>
第2実施形態では、電源スイッチ11、ドアスイッチ17、設定キー挿入口151、設定キースイッチ152、及び設定変更(リセット)スイッチ153を備えている。なお、これらの各構成は、後述する図112(第5実施形態)に図示されている。
また、ドアスイッチ17、設定キースイッチ152、及び設定変更(リセット)スイッチ153は、入力ポート51を介して、メイン制御基板50と電気的に接続されている。
電源スイッチ11は、電源をオン/オフするときに操作されるスイッチである。
以下の説明では、電源スイッチ11をオンにすることを、「電源を投入する」、「電源をオンにする」又は「電源の供給を再開する」と称する場合を有する。
また、電源スイッチ11をオフにすることを、「電源をオフにする」又は「電源の供給を遮断する」と称する場合を有する。
ドアスイッチ17は、フロントドア12(後述する図111(第5実施形態)参照)の開放を検知するスイッチであって、キャビネット13又はフロントドア12に取り付けられている。
フロントドア12は、通常は閉じられているが、たとえば、電源投入時、設定変更時、設定確認時、エラー発生時、メダル補給時等には、フロントドア12が開放される。
そして、フロントドア12が閉じられている状態では、ドアスイッチ17がオフになるとともに、フロントドア12が開放された状態では、ドアスイッチ17がオンになるように設定されている。これにより、フロントドア12の開放を検知することができる。
なお、フロントドア12が閉じられている状態では、ドアスイッチ17がオンになるとともに、フロントドア12が開放された状態では、ドアスイッチ17がオフになるように設定することにより、フロントドア12の開放を検知するようにしてもよい。
設定キースイッチ152は、設定値を変更可能な設定変更状態(「設定変更モード」若しくは「設定変更中」とも称する。)又は設定値を変更できないが確認可能な設定確認状態(「設定確認モード」若しくは「設定確認中」とも称する。)に移行させるときに用いられるスイッチである。
設定キー挿入口151から設定キーを挿入し、設定キーを時計回りに90度回転させることにより、設定キースイッチ152がオン(「第1態様」とも称する。)になり、この状態から設定キーを反時計回りに90度回転させることにより、設定キースイッチ152がオフ(「第2態様」とも称する。)になるように設定されている。
設定変更(リセット)スイッチ153は、設定変更スイッチ153、リセットスイッチ153、及びRWMクリアスイッチ153を兼ねるスイッチである。
設定変更スイッチ153は、設定変更状態において、設定値を変更するときに操作されるスイッチである。
また、リセットスイッチ153は、発生したエラーの除去後に、エラー発生前の状態に復帰させる(エラー状態を解除する)ときに操作されるスイッチである。
さらにまた、RWMクリアスイッチ153は、RWM53における所定の記憶領域を初期化(クリア)するときに操作されるスイッチである。
以下の説明では、「設定変更(リセット)スイッチ153」と称する場合と、「設定変更スイッチ153」と称する場合と、「リセットスイッチ153」と称する場合と、「RWMクリアスイッチ153」と称する場合とを有する。
また、設定キースイッチ152や設定変更スイッチ(リセットスイッチ/RWMクリアスイッチ)153等の各種スイッチがオンの状態であることを「操作されている」と称し、オフの状態であることを「操作されていない」と称する場合を有する。
なお、本実施形態では、設定変更スイッチ153、リセットスイッチ153、及びRWMクリアスイッチ153を一体としたが、これに限らず、設定変更スイッチ153、リセットスイッチ153、及びRWMクリアスイッチ153を別々に設けてもよい。
図53は、第2実施形態におけるメインCPU55、ROM54、及びRWM53の構成を説明する図である。
メイン制御基板50上に、メインCPU55、RWM53、及びROM54を備えている。
また、図53に示すように、メイン制御基板50上には、1チップマイクロプロセッサ(以下、単に「チップ」という。)が搭載されており、このチップ内に、メインCPU55を備えている。さらにまた、メインCPU55は、内蔵メモリーを有し、この内蔵メモリーは、(内蔵)ROM54と(内蔵)RWM53とを有している。さらに、ROM54及びRWM53のアドレスは、連続している。
ROM54の記憶領域は、使用領域と使用領域外とを有し、また、使用領域及び使用領域外は、それぞれ、制御領域とデータ領域とを有している。
ここで、「使用領域」は、遊技の進行に関係する情報が記憶される記憶領域である。
また、「制御領域」は、メイン制御手段50により実行される各種プログラムが記憶される記憶領域であり、「プログラム領域」とも称する。
さらにまた、「データ領域」は、プログラム以外の情報が記憶される記憶領域であり、プログラムの実行時に使用されるデータが記憶される記憶領域である。
さらに、「使用領域外」は、遊技の進行に関係しない情報が記憶される記憶領域であり、たとえば、後述する管理情報表示LED74の点灯を制御するためのプログラム、試験時に用いられるプログラムや、及び不正防止のためのプログラム等が記憶される記憶領域である。
また、「使用領域外」は、使用領域と同様に、制御領域とデータ領域とを有している。使用領域の制御領域を「第1制御領域」又は「第1プログラム領域」と称し、使用領域外の制御領域を「第2制御領域」又は「第2プログラム領域」と称する場合も有する。
さらにまた、使用領域の制御領域(第1制御領域、第1プログラム領域)に記憶されるプログラムを「第1プログラム」と称し、使用領域外の制御領域(第2制御領域、第2プログラム領域)に記憶されるプログラムを「第2プログラム」と称する場合も有する。
ROM54の使用領域の制御領域に記憶されているプログラム(第1プログラム)の実行中は、ROM54の使用領域のデータ領域に記憶されているデータの参照(アクセス)は許可しつつ、ROM54の使用領域外のデータ領域に記憶されているデータの参照は禁止している。
同様に、ROM54の使用領域外の制御領域に記憶されているプログラム(第2プログラム)の実行中は、ROM54の使用領域外のデータ領域に記憶されているデータの参照は許可しつつ、ROM54の使用領域のデータ領域に記憶されているデータの参照は禁止している。
RWM53の記憶領域は、ROM54と同様に、使用領域と使用領域外とを有し、また、使用領域及び使用領域外は、それぞれ、作業領域とスタック領域とを有している。
図53に示すように、アドレス「F000(H)」~「F1FF(H)」が使用領域であり、アドレス「F200(H)」~「F20F(H)」が未使用領域であり、アドレス「F210(H)」~「F3FF(H)」が使用領域外である。
ROM54の使用領域の制御領域に記憶されているプログラム(第1プログラム)の実行中は、RWM53の使用領域に記憶されているデータについては、参照(アクセス)も書き換え(上書き)も許可しているが、RWM53の使用領域外に記憶されているデータについては、参照は許可しつつ、書き換えは禁止している。
同様に、ROM54の使用領域外の制御領域に記憶されているプログラム(第2プログラム)の実行中は、RWM53の使用領域外に記憶されているデータについては、参照も書き換えも許可しているが、RWM53の使用領域のデータについては、参照は許可しつつ、書き換えは禁止している。処理が複雑にならないようにするためである。
また、使用領域外のプログラム(第2プログラム)の実行中に、プログラムの暴走等によって、RWM53の使用領域のデータの書き換え(上書き)が行われてしまうことを防止するために、RWM53の使用領域と使用領域外との間に未使用領域を設けている。
さらに、使用領域外のプログラム(第2プログラム)の実行中に割込み処理が入ると、割込み処理によってRWM53の使用領域のデータの書き換え(上書き)が行われる可能性があるため、使用領域外のプログラム(第2プログラム)の実行中は、割込み処理を禁止している。
また、図53に示すように、ROM54には、使用領域及び使用領域外の他に、その他の領域としてプログラム管理エリア等を有している。
さらにまた、図53に示すように、RWM53には、使用領域及び使用領域外の他に、その他の領域として未使用領域等を有している。
さらに、内蔵メモリー全体の記憶領域のうち、ROM54及びRWM53以外の領域として、内蔵レジスタエリアや、未使用領域等を有している。
また、内蔵レジスタエリアには、たとえばAレジスタ~Lレジスタ、及び送信用レジスタ等が設けられている。
図54は、第2実施形態において、RWM53の使用領域に記憶されるデータのアドレス、ラベル名、バイト数、及び名称を示す図である。
使用領域のアドレスは、図53に示すように、「F000(H)」~「F1FF(H)」の範囲に設定されている。
なお、図54に示すデータは、第2実施形態の説明で用いるためのものであり、RWM53の使用領域に記憶されるデータは、これらに限られるものではない。
アドレス「F000(H)」は、設定値データ(_NB_RANK)の記憶領域である。設定値が「N」のときは、設定値データとして「N-1」が記憶される。本実施形態では、設定値「1」~「6」を有する。したがって、設定値データとして、「0(H)」~「5(H)」のいずれかの値が記憶される。
そして、設定値表示LED73には、設定値データに「1」を加算した「N」が設定値として表示される。
アドレス「F001(H)」は、設定値表示データ(_NB_RANK_DSP)が記憶される1バイトの記憶領域である。設定値が「N」のときは、アドレス「F000(H)」には、設定値データ(_NB_RANK)として、「N-1」が記憶される。そして、設定値データ(_NB_RANK)に「1」を加算した「N」が、設定値表示データ(_NB_RANK_DSP)として、アドレス「F001(H)」に記憶される。
本実施形態では、設定値「1」~「6」を有し、アドレス「F000(H)」には、設定値データ(_NB_RANK)として、「0(D)」~「5(D)」のいずれかの値が記憶され、アドレス「F001(H)」には、設定値表示データ(_NB_RANK_DSP)として、「1(D)」~「6(D)」のいずれかの値が記憶される
そして、設定値表示データ(_NB_RANK_DSP)の値が、設定値として設定値表示LED73に表示される。
アドレス「F010(H)」は、クレジット数データ(_NB_CREDIT)の記憶領域である。クレジット数データは、クレジット数表示LED76に表示するためのデータである。本実施形態では、クレジット数データとして、「0」~「50(D)」のいずれかの値が記憶される。
ここで、本実施形態では、クレジット数データとして、クレジット数を10進数に換算した値を記憶する。たとえば、表示すべきクレジット数が「29」であるとき、「29(H)」という値を記憶する。換言すると、アドレス「F010(H)」には、「00101001(B)」を記憶する。これにより、アドレス「F010(H)」のD0~D3の下位4ビットは、クレジット数の下位桁(本例では「9」)を表示するためのデータであり、D4~D7の上位4ビットは、クレジット数の上位桁(本例では「2」)を表示するためのデータである。なお、本実施形態では、クレジット数の上限値は「50(D)」であるので、記憶されるデータ値は、「0」~「50」の範囲となる。
そして、本実施形態では、クレジット数データそのものを記憶するRWM53のアドレスは設けておらず、クレジット数表示LED76の表示データとしてクレジット数データを設けている。
アドレス「F011(H)」は、獲得数データ(_NB_PAYOUT)の記憶領域である。獲得数データは、獲得数表示LED78に表示するためのデータである。獲得数データにおいて、上述したクレジット数データと同様に、D0~D3の下位4ビットは、下位桁を表示するためのデータであり、D4~D7の上位4ビットは、上位桁を表示するためのデータである。
本実施形態では、小役の入賞時には、入賞した小役に対応する払出し数を獲得数表示LED78に表示するため、獲得数データとして、入賞した小役に対応する払出し数データが記憶される。具体的には、小役が入賞してメダルが払い出されると、メダルの払出しに伴って獲得数データが加算されていき、獲得数表示LED78の表示が更新される。たとえば、獲得数データとして「1(H)」が記憶されているときは、獲得数表示LED78に「01」と表示される。
ここで、後述するアドレス「F040(H)」の払出し数データ(_NB_PAY_MEDAL )には、たとえば8枚役が入賞したときに「8(H)」が記憶され、払出し数データは、メダル払出し時(クレジットへの加算を含む)に、「8」→「7」→・・・→「0」のように、払出し数に応じて「1」ずつデクリメントされる。
これに対し、アドレス「F011(H)」に記憶される獲得数データは、たとえば8枚役が入賞したときに、「0」→「1」→「2」→・・・→「8」のように、メダルが1枚払い出されるごとに「1」ずつ加算される。したがって、獲得数表示LED78の表示も、「0」→「1」→「2」→・・・→「8」のようにカウントアップする。
また、本実施形態では、設定変更中には、獲得数表示LED78に「88」と表示する。このため、設定変更中には、獲得数データとして、「88」と表示するための設定変更中表示データが記憶される。獲得数表示LED78に「88」と表示することにより、設定変更中であることを遊技機の前面側から識別可能にするためである。さらに、「88」と全セグメントを点灯させることにより、セグメント不良がないこと(点灯できないセグメントを有さないこと)を確認可能となる。
なお、メダルの払出し数の上限値は、15枚であるので、獲得数表示LED78に「88」と表示されたときは、払出し数の表示ではないことを理解することができる。
さらにまた、規定数(今回遊技でベットすべきメダル数)を指示する条件を満たしたときは、遊技開始前(ベットが可能となる前、又はスタートスイッチ41が操作される前)に、獲得数表示LED78に規定数を指示(表示、報知)する。
本実施形態では、規定数「2」を指示するために、獲得数表示LED78に「0A」と表示する。したがって、規定数を指示する場合には、獲得数データとして、「0A」と表示するための指示規定数表示データが記憶される。
さらに、AT中の押し順ベル等の当選時には、獲得数表示LED78に押し順指示情報を表示する。したがって、獲得数表示LED78に押し順指示情報を表示するときは、獲得数データとして、押し順指示番号が記憶される。
たとえば、当選番号「3」に当選した遊技において、押し順指示情報を表示するときは、獲得数データとして、押し順指示番号「A1(H)」が記憶される。これにより、押し順指示番号「A1(H)」に対応する押し順指示情報「=1」が獲得数表示LED78に表示される。
また、所定のエラーが発生したときは、獲得数表示LED78にエラー番号を表示する。このため、所定のエラーが発生したときは、獲得数データとして、エラー番号を表示するためのエラー番号表示データが記憶される。
たとえば、表示するエラー番号が「HP」であるときは、「HP」と表示するためのエラー番号表示データが獲得数データとして記憶される。
アドレス「F030(H)」は、作動状態フラグ(_FL_ACTION)の記憶領域である。作動状態フラグ(_FL_ACTION)は、リプレイ及び役物の作動の有無を判別するためのフラグである。
たとえば、1BBの作動時には、作動状態フラグのD2ビットを「1」にする。また、リプレイに対応する図柄組合せが停止表示したと判断したときは、作動状態フラグのD0ビットを「1」にする。
アドレス「F040(H)」は、払出し数データ(_NB_PAY_MEDAL )の記憶領域である。払出し数データは、当該遊技で小役が入賞し、払出し数が決定されたときに、その払出し数に対応する値を示すデータとなる。小役が入賞したときは、入賞した小役に対応する払出し数データが記憶され、メダル払出し処理が実行されることとなる。ここで、メダル1枚払出し(クレジット数への「1」加算、又は実際のメダルの(ホッパー35からの)1枚払出し)ごとに、払出し数データは「1」ずつ減算される。すなわち、払出し処理を実行する回数としての役割を有している。これにより、メダル払出し処理が終了したときは、払出し数データは、「0」となる。
アドレス「F041(H)」は、払出し数データバッファ(_BF_PAY_MEDAL )の記憶領域である。払出し枚数データバッファは、払出し数データと同様に、当該遊技で小役が入賞し、払出し数が決定されたときに、払出し数に対応する値を示すデータとなる。ここで、払出し数データバッファは、払出し数データと異なり、メダル1枚払出し処理ごとに減算されず、最初に記憶された値が維持される。そして、その値は、次回遊技のメダル払出し枚数更新処理まで維持される。たとえば、当該遊技で8枚払出しの小役が入賞したときは、払出し数データバッファとして「8(H)」が記憶され、次回遊技において、役が入賞しなかったときは、払出し数データバッファとして「0」が上書きされる。
アドレス「F042(H)」のは、自動ベット数データ(_NB_REP_MEDAL )の記憶領域である。自動ベット数データは、リプレイ入賞時に自動ベットされるメダル枚数を示すものであり、本実施形態では「2」又は「3」が記憶される。
アドレス「F043(H)」は、ベット数データ(_NB_PLAY_MEDAL)の記憶領域である。ベット数データは、今回遊技でのベット数を示し、本実施形態では、「0」~「3」のいずれかが記憶される。
アドレス「F044(H)」は、状態表示LED点灯データが記憶される1バイトの記憶領域である。
後述する図57(A)に示すように、第2実施形態では、表示基板75上に、状態表示LED79として、1ベット表示LED79a、2ベット表示LED79b、3ベット表示LED79c、遊技開始表示LED79d、投入表示LED79e、及びリプレイ表示LED79fの6個のLEDを備えている。
そして、状態表示LED点灯データは、上記の6個のLEDのうち、遊技開始表示LED79d、投入表示LED79e、及びリプレイ表示LED79fの3個について、点灯させるか否かを示すデータである。
図54に示すように、状態表示LED点灯データのD0ビットには、遊技開始表示LED79dが割り当てられ、D1ビットには、投入表示LED79eが割り当てられ、D2ビットには、リプレイ表示LED79fが割り当てられている。この状態表示LED点灯データの各ビットは、後述する図61(A)のLED表示カウンタ1の各ビットと一致している。
そして、点灯させるLEDに対応するビットには「1」がセットされ、消灯させるLEDに対応するビットには「0」がセットされる。
たとえば、遊技開始表示LED79dを点灯させ、投入表示LED79e及びリプレイ表示LED79fを消灯させる場合には、状態表示LED点灯データとして、「00000001(B)」が記憶される。
アドレス「F051(H)」は、LED表示カウンタ1(_CT_LED_DSP1)が記憶される1バイトの記憶領域である。
LED表示カウンタ1は、デジット1~5のうち、いずれのデジットを点灯させるかを定めるためのカウンタであり、1割込みごとに更新され続ける。
ここで、「デジット」とは、表示部(ディスプレイ)を意味し、本実施形態では、1つの7セグメントディスプレイから構成されている。本実施形態のデジットのうち、デジット1は、クレジット数(貯留数)表示LED76の上位桁に相当し、デジット2は、クレジット数表示LED76の下位桁に相当する。また、デジット3は、獲得数表示LED78の上位桁に相当し、デジット4は、獲得数表示LED78の下位桁に相当し、デジット5は、設定値表示LED73に相当する。
また、LED表示カウンタ1の各ビットは、D0ビットがデジット1信号、D1ビットがデジット2信号、・・・、D4ビットがデジット5信号に割り当てられている。そして、一割込み処理では、LED表示カウンタ1で「1」となっているビットに対応するデジットを点灯させるように、デジット1~5のダイナミック点灯を行う。
第2実施形態では、LED表示カウンタ1は、初期値として、「00010000(B)」の値をとる。そして、LED表示カウンタ1は、割込み「1」→「2」→・・・と進むにしたがって(一割込みごとに)、LED表示カウンタ1のビット「1」を一桁右シフトするように更新する。また、割込み「5」の次の割込みでは、LED表示カウンタ1は、一桁右シフトにより「00000000(B)」となるが、当該割込み時に、LED表示カウンタ1の初期化処理を行い、LED表示カウンタ1を「00010000(B)」にする。これにより、割込み処理ごとに、LED表示カウンタ1は、「5」→「4」→・・・→「1」→「5」→「4」→・・・の値を繰り返す。すなわち、5割込みで1周期となる。
以上より、LED表示カウンタ1の値は、
「N」割込み目 :00010000(B)
「N+1」割込み目:00001000(B)
「N+2」割込み目:00000100(B)
「N+3」割込み目:00000010(B)
「N+4」割込み目:00000001(B)
「N+5」割込み目:00000000(B)→00010000(B)(初期化;「N」割込み目と同一値)
「N+6」割込み目:00001000(B)

となる。
第2実施形態では、5割込みが1周期となって、デジット1~5をダイナミック点灯させる。具体的には、LED表示カウンタ1の値が「00010000(B)」のときは、デジット5信号を出力する。そして、デジット5信号の出力により、デジット5(設定値表示LED73)が点灯可能(デジット1~4は消灯)となる。次の割込み処理時には、LED表示カウンタが「00001000(B)」となり、デジット4信号を出力し、デジット4(獲得数表示LEDD78の下位桁)が点灯可能(デジット1~3及び5は消灯)となる。
アドレス「F052(H)」は、LED表示要求フラグ(_FL_LED_DSP )の記憶領域である。LED表示要求フラグは、通常中、設定変更中又は設定確認中に応じた値をとる。
第2実施形態では、通常中は、デジット1~4を点灯させ、デジット5は点灯させないため、「00001111(B)」の値をとる。また、設定変更中及び設定確認中は、デジット5を点灯させ、デジット1~4は点灯させないため、「00010000(B)」の値をとる。
アドレス「F061(H)」は、有利区間種別フラグ(_NB_ADV_KND )の記憶領域である。有利区間種別フラグは、現在の遊技区間が、通常区間、又は有利区間のいずれであるかを示すフラグである。
有利区間種別フラグは、通常区間であるときは「00000000(B)」を記憶し、通常区間から有利区間に移行するときは、D0ビットが「1」になる。
なお、どのようなタイミングで有利区間種別フラグが更新されるかについては、後述する。
アドレス「F062(H)」は、有利区間表示LEDフラグ(_FL_ADV_LED )の記憶領域である。有利区間表示LEDフラグは、有利区間表示LED77の点灯の有無を示すフラグである。有利区間表示LED77の消灯時は有利区間表示LEDフラグが「0」となり、有利区間表示LED77の点灯時は有利区間表示LEDフラグが「1」となる。
なお、有利区間表示LED77は、有利区間に移行した後は、いつ点灯させてもよい(たとえば有利区間への移行と同時に有利区間表示LED77を点灯させてもよい)。
一方、有利区間に移行した後も、有利区間表示LED77を点灯させなくてもよい。
具体的には、第1に、有利区間への移行時には有利区間表示LED77を点灯させないが、その後(有利区間中)に点灯させる場合がある。
また第2に、有利区間への移行時には有利区間表示LED77を点灯させず、有利区間表示LED77を点灯させる条件を満たす前に有利区間の終了条件を満たしたときは、有利区間表示LED77を一度も点灯させないままで有利区間を終了してもよい。
さらにまた、本実施形態では、有利区間であり、かつ、区間Sim出玉率が「1」を超える遊技状態において、指示機能を作動させるとき(正解押し順を報知するとき)は、有利区間表示LED77を点灯させる。
さらに、有利区間表示LED77を一旦点灯させた後は、有利区間中はその点灯を維持する。
また、有利区間の最終遊技における遊技終了チェック処理時に、有利区間表示LED77を消灯するための処理を実行する。具体的には、有利区間の終了条件を満たしたときは、有利区間表示LEDフラグ記憶領域の初期化処理(有利区間表示LEDフラグのクリア処理)を実行する。これにより、その後の割込み処理において有利区間表示LED77が消灯する。
さらにまた、指示機能を作動させる遊技で有利区間表示LED77を点灯させる場合の点灯タイミングは、たとえば、スタートスイッチ41の操作時(より具体的には、リール31の回転を開始した後、リール31の回転が定速状態に到達するまで)である。
ただし、これに限られるものではなく、他の点灯タイミングとしては、たとえば、
1)スタートスイッチ41が操作される前
2)スタートスイッチ41の操作後、全リール31が定速状態となり、ストップスイッチ42の操作受付けが可能となったとき、
3)少なくとも1つのリール31が停止し、他の少なくとも1つのリール31が回転中のとき、
4)全リール31の停止時、
5)全リール31が停止した後(当該遊技が終了し)、次回遊技の開始前に精算スイッチ43が操作可能となる前
が挙げられる。
ただし、指示機能を作動させる遊技で有利区間表示LED77を点灯させる場合には、当該遊技での当選役が決定されている必要があるので、スタートスイッチ41の操作前(役抽選前)は除かれる。
指示機能を作動させる遊技で有利区間表示LED77を点灯させる場合には、スタートスイッチ41が操作され、役の抽選が実行された後になるので、リール31の回転を開始した後、リール31の回転が定速状態に到達するまでに有利区間表示LED77を点灯させるタイミングが、最短のタイミングとなる。
アドレス「F063(H)」は、有利区間クリアカウンタ(_CT_ADV_CLR )の記憶領域である。有利区間クリアカウンタは、有利区間中の遊技回数をカウントするためのデクリメントカウンタである。有利区間クリアカウンタは、通常区間中は、「0」となっており、有利区間に移行するときに、初期値として「1500(D)」がセットされる。また、有利区間クリアカウンタは、有利区間中はもちろん、通常区間中においても、1遊技あたり「1」減算されるように設定されている。ただし、最小値は「0」である。このため、通常区間において、(減算前の)有利区間クリアカウンタが「0」であるとき、「1」を減算しても、減算後の値が「0」となるカウンタを用いている。したがって、通常区間中は、1遊技ごとに、「1」減算されるものの、「0」が維持される。換言すると、有利区間クリアカウンタに「0」が記憶されているときは、通常区間(非有利区間)である。
また、有利区間に移行すると、有利区間クリアカウンタは、初期値として「1500(D)」がセットされるので、その次回遊技では、有利区間クリアカウンタは「1499(D)」となる。
なお、有利区間クリアカウンタは、最大で初期値「1500(D)」を記憶するので、2バイトから構成されている。換言すると、有利区間クリアカウンタに「0」以外の値が記憶されているときは、有利区間である。
アドレス「F065(H)」は、差数カウンタ(_SC_24HGAME )の記憶領域である。差数カウンタは、有利区間中における差枚数の累積値に対応する値を記憶するカウンタであり、「MYカウンタ」とも称される。
差数カウンタは、単に、差枚数の累積値そのものを記憶するのではなく、差枚数の累積値に「対応する値」を記憶する。たとえば、差枚数がマイナスに相当する値となったときは、その値を「0(H)」に補正する。したがって、「差枚数の累積値≠差数カウンタ値」である。
差数カウンタは、有利区間中の差枚数の累積値に対応する値が「2400(D)」を超えたか否かを判断するためのインクリメントカウンタである。このため、差数カウンタは、2バイトの記憶領域から構成される。
差数カウンタは、少なくとも有利区間中の差枚数の累積値をカウントすれば足り、非有利区間(通常区間)中のカウントはしなくてもよい。
ここで、有利区間であることを条件に差数カウンタ値を更新するときは、毎遊技、当該遊技が有利区間であるか否かを判断する処理が必要となる。このため、本実施形態では、非有利区間(通常区間)中も含めて差数カウンタ値の更新を実行する。このようにすれば、毎遊技、当該遊技が有利区間であるか否かを判断することなく差数カウンタ値を更新できるので、処理を簡素化することができる。
さらに、今回遊技で差枚数がマイナスとなり、差枚数の累積値に対応する値が繰り下がりのデータとなったときでも、差数カウンタ値を更新する。ただし、その演算の結果、差数カウンタが繰り下がりデータであるときは、差数カウンタ値を「0」にする補正を行う。
具体例を挙げると(1遊技目開始時の差数カウンタ値を「0(H)」とする)、
1遊技目:ベット数「3」、払出し数「0」のとき、演算後の差数カウンタは「FFFD(H)」、補正後の差数カウンタ「0(H)」
2遊技目:ベット数「3」、払出し数「9」、演算後の差数カウンタ「0006(H)」(補正なし)
3遊技目:ベット数「3」、払出し数「0」、演算後の差数カウンタ「0003(H)」(補正なし)
4遊技目:ベット数「3」、払出し数「1」、演算後の差数カウンタ「0001(H)」(補正なし)
5遊技目:ベット数「3」、払出し数「0」、演算後の差数カウンタ「FFFE(H)」、補正後の差数カウンタ「0(H)」
のように更新される。
なお、前回遊技の差数カウンタが「0(H)」であり、今回遊技の差数カウンタが「0(H)」であっても、当該遊技の差数を反映した差数カウンタ値を改めて算出した結果であるので、このような場合も差数カウンタの「更新」に相当する。
以上のように、演算後の差数カウンタ値が桁下がりを生じた値であるときは、差数カウンタ値を「0」に補正する(初期値「0」をセットする)。なお、桁下がりが生じたか否かの判断方法については後述する。
このような差数カウンタ値の更新により、たとえばベット数に対して払出し数が多いとき、すなわち差枚数の増加中であるときは、差数カウンタ値は遊技の進行とともにその値が増加する。これに対し、払出し数がベット数を下回るとき、たとえば通常区間中の遊技では、差数カウンタ値は、小役の入賞に基づく払出しがあったときはその払出し数だけ増えるものの、その後、払出し数がベット数を下回れば、やがて「0」となる。
アドレス「F067(H)」は、ATフラグ(_FL_AT_KND)の記憶領域である。ATフラグは、AT中であるか否かを判別するためのフラグであり、非AT中は「0」にされ、AT中は「1」にされる。ATフラグが「1」にされるタイミングは、AT抽選に当選したときであり、後述する図67のステップS364で実行される。また、ATフラグがオフにされるのは、ATの最終遊技における遊技終了時であり、たとえば後述する遊技終了チェック処理(図71のステップS415)で実行される。また、なお、有利区間終了時にクリア(初期化)されるデータには、ATフラグが含まれる。
アドレス「F068(H)」は、AT遊技回数カウンタ(_CT_ART )の記憶領域である。AT遊技回数カウンタは、AT(ARTを含む)中の遊技回数をカウントするデクリメントカウンタである。AT遊技回数カウンタは、有利区間クリアカウンタと異なり、「0」となったときは、それ以降のカウント(減算)は中止する。
AT中にAT遊技回数カウンタを更新(減算)するのは、メイン処理(M_MAIN)(図67)中、スタートスイッチ41が操作された後(図67のステップS281)である。
また、本実施形態では、AT遊技回数の初期値として、「255(D)」を超える場合があるため、AT遊技回数カウンタは2バイトカウンタから構成される。AT遊技回数が最大で「255(D)」以下であるときは、AT遊技回数カウンタを1バイトカウンタから構成してもよい。
ATを開始するとき(あるいは、AT準備中に移行したとき)は、AT遊技回数カウンタに初期値がセットされる。初期値は、一定値であってもよく、AT当選時に抽選等によって決定してもよい。また、初期値を決定した後は、AT遊技回数はその後に変更されることなく「0」まで更新されるものであってもよい。あるいは、AT中に所定条件を満たしたときはAT遊技回数を上乗せするようにし、上乗せ抽選で当選したとき等は、AT遊技回数を増加してもよい。この場合、その増加分を、AT遊技回数カウンタに加算する。
このAT遊技回数カウンタも、有利区間の終了時にクリアされるデータに含まれる。
なお、本実施形態では、ゲーム数管理型ATを例示しているので、AT遊技回数カウンタを設けている。したがって、差枚数管理型ATの場合には、AT遊技回数カウンタに代えて、AT差枚数カウンタを設ける。そして、AT開始時に、獲得可能な差枚数の初期値を設定する。また、上乗せに当選したときは、上乗せ差枚数を加算する。そして、払出しがあるごとに当該遊技の差枚数を減算し、AT差枚数カウンタが「0」となったときは、ATを終了する。
アドレス「F1D0(H)」~「F1FF(H)」の48バイトの記憶領域は、使用領域のスタック領域である。
図55及び図56は、第2実施形態において、RWM53の使用領域外に記憶されるデータのアドレス、ラベル名、バイト数、及び名称を示す図である。
使用領域外のアドレスは、図53に示すように、「F210(H)」~「F3FF(H)」の範囲に設定されている。
なお、図55及び図56に示すデータは、第2実施形態の説明で用いるためのものであり、RWM53の使用領域外に記憶されるデータは、これらに限られるものではない。
アドレス「F210(H)」の400ゲームカウンタは、400ゲームを区切りとして、遊技回数を加算するものである。この400ゲームカウンタは、「0」~「399(D)」を循環するカウンタであって、毎遊技、「1」ずつ加算される。そして、400ゲームカウンタの値が「399(D)」のときに「1」が加算されると、400ゲームカウンタの値は「0」になる。
なお、上記とは逆に、400ゲームカウンタの初期値として「399(D)」をセットし、毎遊技、「1」ずつ減算してもよい。この場合、400ゲームカウンタの値が「0」となったときは、400ゲームを実行したと判断する。そして、400ゲームカウンタの値が「0」のときに「1」を減算すると、400ゲームカウンタに初期値「399(D)」をセットする。
アドレス「F212(H)」のリングバッファ番号は、当該遊技でメダルの払出しがあったときに、そのメダルの払出し枚数を何番目のリングバッファに加算するかを指定するためのものである。
具体的には、アドレス「F212(H)」には、リングバッファ番号として、「0」~「14(D)」のいずれかが記憶される。
アドレス「F213(H)」~「F230(H)」は、総払出しリングバッファ0~14の記憶領域である。総払出しリングバッファ0~14は、15個のリングバッファから構成されている。各総払出しリングバッファは、2バイトで構成されている。たとえば、総払出しリングバッファ0は、アドレス「F213(H)」及び「F214(H)」からなり、アドレス「F213(H)」が下位桁、アドレス「F214(H)」が上位桁となる。図55及び図56において、バイト数が「2」以上の記憶領域については、最下位のアドレス番号を表示している。
1つのリングバッファには、400ゲーム間の総払出し枚数が記憶される。たとえば、1遊技目~400遊技目の払出し数は、アドレス「F213(H)」及び「F214(H)」に記憶され、次の401遊技目~800遊技目の払出し数は、アドレス「F215(H)」及び「F216(H)」に記憶される。
ここで、400遊技目となったか否かは、上述したアドレス「F210(H)」の400ゲームカウンタを参照することにより判断する。また、当該遊技でメダルの払出し数をいずれのリングバッファの値に加算する(値を更新する)かは、アドレス「F212(H)」のリングバッファ番号を参照することにより判断する。
そして、1遊技目~400遊技目の総払出し数がアドレス「F213(H)」及び「F214(H)」の総払出しリングバッファ0に記憶されるとき、5601遊技目~6000遊技目までの総払出し枚数は、アドレス「F22F(H)」及び「F230(H)」の総払出しリングバッファ14に記憶される。次に、6000遊技目の終了時に、アドレス「F213(H)」及び「F214(H)」の総払出しリングバッファ0に記憶されているデータがクリアされ、6001遊技目~6400遊技目の払出し枚数は、アドレス「F213(H)」及び「F214(H)」の総払出しリングバッファ0に記憶される。
なお、総払出しリングバッファ0~14は、それぞれ2バイトから構成されている。1遊技での最大払出し枚数を「15」枚とすると、400遊技間で払い出される最大枚数は6000枚となるので、2バイトの記憶容量で記憶可能となる。
この点は、後述する連続役物払出しリングバッファ0~14、及び役物払出しリングバッファ0~14についても同様である。
また、アドレス「F231(H)」~「F24E(H)」は、連続役物払出しリングバッファ0~14の記憶領域である。
さらにまた、アドレス「F24F(H)」~「F26C(H)」は、役物払出しリングバッファ0~14の記憶領域である。
アドレス「F26D(H)」~「F26F(H)」の総遊技回数カウンタは、遊技回数(累計)を記憶するカウンタであり、3バイトで構成されている。累計の遊技回数として、「175000(D)」遊技をカウントする必要があるため、総遊技回数カウンタを3バイトで構成している。
なお、総遊技回数カウンタは、遊技回数が「175000(D)」遊技を超えてもカウントを継続し、3バイトフル(「FFFFFF(H)」)となったときは、カウントを中止する。
アドレス「F270(H)」~「F272(H)」の指示込役物カウンタは、役物作動時の払出し数と、指示機能を作動させた遊技での払出し数とをカウントするカウンタであり、3バイトで構成されている。
アドレス「F273(H)」~「F275(H)」の総払出し(6000回)カウンタは、6000遊技間におけるメダルの総払い出し数をカウントするカウンタである。仮に、6000遊技で毎遊技15枚のメダルが払い出されたとしても、合計で90000枚となるので、3バイトでカウント可能である(後述する連続役物払出し(6000回)カウンタ、及び役物払出し(6000回)カウンタについても同様である。)。
アドレス「F276(H)」~「F278(H)」の連続役物払出し(6000回)カウンタは、6000遊技間における連続役物作動時での払出し枚数をカウントするカウンタである。
アドレス「F279(H)」~「F27B(H)」の役物払出し(6000回)カウンタは、6000遊技間における役物作動時での払出し枚数をカウントするカウンタである。
そして、連続役物非作動時かつ役物非作動時に払出しがあったときは、総払出し(6000回)カウンタのみが更新(加算)され、連続役物払出し(6000回)カウンタ、及び役物払出し(6000回)カウンタは更新されない。
また、連続役物非作動時かつ役物作動時に払出しがあったときは、総払出し(6000回)カウンタ、及び役物払出し(6000回)カウンタが更新され、連続役物払出し(6000回)カウンタは更新されない。
さらにまた、連続役物作動時に払出しがあったときは、総払出し(6000回)カウンタ、役物払出し(6000回)カウンタ、及び連続役物払出し(6000回)カウンタのすべてが更新される。
総払出し(6000回)カウンタ、連続役物払出し(6000回)カウンタ、及び役物払出し(6000回)カウンタの値は、400遊技ごとに更新される。
まず、最初の1遊技目から6000遊技目までにメダルの払出しがあったときは、それぞれ、連続役物作動時/非作動時、役物作動時/非作動時に応じて、総払出し(6000回)カウンタ、連続役物払出し(6000回)カウンタ、及び役物払出し(6000回)カウンタに記憶(加算)される。
6000遊技目の終了時には、連続役物比率(6000回)、及び役物比率(6000回)が算出される。この算出後、当該遊技から「400×15-1」遊技(5999遊技)前から「400×15-400」遊技(5600遊技)前までの400遊技回数間における各払出し数が、総払出し(6000回)カウンタ値、連続役物払出し(6000回)カウンタ値、及び役物払出し(6000回)カウンタ値からそれぞれ減算される。
たとえば6000遊技目であるとき、総払出し(6000回)カウンタ値から、総払出しリングバッファ0(F213(H)~F214(H))値が減算される。そして、総払出しリングバッファ0(F213(H)~F214(H))値はクリアされる。さらに、6001遊技目から6400遊技目までの払出し数は、総払出しリングバッファ0、及び総払出し(6000回)カウンタに加算される。
同様に、6000遊技目となったときは、連続役物払出し(6000回)カウンタ値から、連続役物払出しリングバッファ0(F231(H)~F232(H))値が減算される。そして、連続役物払出しリングバッファ0の値はクリアされる。さらに、6001遊技目から6400遊技目までの連続役物作動時の払出し数は、連続役物払出しリングバッファ0、及び連続役物払出し(6000回)カウンタに加算される。
さらに同様に、6000遊技目となったときは、役物払出し(6000回)カウンタ値から、役物払出しリングバッファ0(F24F(H)~F250(H))値が減算される。そして、役物払出しリングバッファ0の値はクリアされる。さらに、6001遊技目から6400遊技目までの役物作動時の払出し数は、役物払出しリングバッファ0、及び役物払出し(6000回)カウンタに加算される。
より具体的に説明すると、たとえば総払出しリングバッファには、以下の遊技回数間における払出し枚数が記憶される。
総払出しリングバッファ0:「1」遊技目~「400」遊技目
総払出しリングバッファ1:「401」遊技目~「800」遊技目
総払出しリングバッファ2:「801」遊技目~「1200」遊技目
総払出しリングバッファ3:「1201」遊技目~「1600」遊技目
総払出しリングバッファ4:「1601」遊技目~「2000」遊技目
総払出しリングバッファ5:「2001」遊技目~「2400」遊技目
総払出しリングバッファ6:「2401」遊技目~「2800」遊技目
総払出しリングバッファ7:「2801」遊技目~「3200」遊技目
総払出しリングバッファ8:「3201」遊技目~「3600」遊技目
総払出しリングバッファ9:「3601」遊技目~「4000」遊技目
総払出しリングバッファ10:「4001」遊技目~「4400」遊技目
総払出しリングバッファ11:「4401」遊技目~「4800」遊技目
総払出しリングバッファ12:「4801」遊技目~「5200」遊技目
総払出しリングバッファ13:「5201」遊技目~「5600」遊技目
総払出しリングバッファ14:「5601」遊技目~「6000」遊技目
総払出し(6000回)カウンタ:「1」遊技目~「6000」遊技目
そして、6000遊技目を終了したと仮定すると、総払出しリングバッファ0~14のすべてに、各遊技回数間の払出し枚数が記憶されている状態となる。
また、総払出し(6000回)カウンタの値と、総払出しリングバッファ0~14に記憶された値の合計とは、一致する。
ここで、この時点における総払出し(6000回)カウンタに記憶された値をΣ1、総払出しリングバッファ0に記憶された値をZ1とすると、
総払出し(6000回)カウンタ=Σ1-Z1
の演算を実行する。
また、
総払出しリングバッファ0=0(クリア)
の演算を実行する。
すなわち、5999(400×15-1)遊技前から5600(400×15-400)遊技前までの400遊技回数間における払出し枚数を記憶した総払出しリングバッファ0の値「Z1」を、総払出し(6000回)カウンタに記憶された値「Σ1」から減算する処理を実行する。
次に、5999(400×15-1)遊技前から5600(400×15-400)遊技前までの400遊技回数間における払出し枚数を記憶した総払出しリングバッファ0の値「Z1」をクリアする処理を実行する。
このように演算した後、6001遊技目を開始する。6001遊技目~6400遊技目までに払出し(ここでは、6001遊技目~6400遊技目までに役物は作動しなかったと仮定する)があったときは、総払出しリングバッファ0に加算し、かつ、総払出し(6000回)カウンタに加算する。
次に、6400遊技目を終了したと仮定すると、総払出しリングバッファには、以下の遊技回数間における払出し枚数が記憶される。
総払出しリングバッファ0:「6001」遊技目~「6400」遊技目
総払出しリングバッファ1:「401」遊技目~「800」遊技目

総払出しリングバッファ14:「5601」遊技目~「6000」遊技目
総払出し(6000回)カウンタ:「401」遊技目~「6000」遊技目、及び「6001」遊技目~「6400」遊技目
そして、上記と同様に、この時点における総払出し(6000回)カウンタに記憶された値をΣ2、総払出しリングバッファ1に記憶された値をZ2とすると、
総払出し(6000回)カウンタ=Σ2-Z2
とする。
そして、
総払出しリングバッファ1=0
とする。
このように演算した後、6401遊技目を開始する。6401遊技目~6800遊技目までに払出し(ここでは、6401遊技目~6800遊技目までに役物は作動しなかったと仮定する)があったときは、総払出しリングバッファ1に加算し、かつ、総払出し(6000回)カウンタに加算する。以上の処理を繰り返す。
また、総払出しリングバッファ及び総払出し(6000回)カウンタについて説明したが、役物作動時や連続役物作動時も、上記と同様の処理を行う。
具体的には、役物作動時は、上記総払出しリングバッファ0~14を役物払出しリングバッファ0~14に置き換え、総払出し(6000回)カウンタを役物払出し(6000回)カウンタに置き換えた処理を実行する。なお、役物作動時は、上述したように、総払出しリングバッファ0~14のいずれか、及び総払出し(6000回)カウンタの更新も併せて行う。
同様に、連続役物作動時は、上記総払出しリングバッファ0~14を連続役物払出しリングバッファ0~14に置き換え、総払出し(6000回)カウンタを連続役物払出し(6000回)カウンタに置き換えた処理を実行する。なお、連続役物作動時は、総払出しリングバッファ0~14のいずれか、役物払出しリングバッファ0~14のいずれか、総払出し(6000回)カウンタ、及び役物払出し(6000回)カウンタの更新も併せて行う。
アドレス「F27C(H)」~「F27E(H)」の総払出し(累計)カウンタは、払出し数の累計をカウントするカウンタであり、少なくとも「175000(D)」遊技間における総払出し数をカウントする。
同様に、アドレス「F27F(H)」~「F281(H)」の連続役物払出し(累計)カウンタは、連続役物作動時における払出し数の累計をカウントするカウンタであり、上記と同様に、少なくとも「175000(D)」遊技間における連続役物作動時の払出し数をカウントする。
さらに同様に、アドレス「F282(H)」~「F284(H)」の役物払出し(累計)カウンタは、役物作動時における払出し数の累計をカウントするカウンタであり、上記と同様に、少なくとも「175000(D)」遊技間における役物作動時の払出し数をカウントする。
なお、上述した3種類の払出し(6000回)カウンタは、400遊技ごとに、5999遊技前から5600遊技前までの払出し数を減算するが、これら3種類の払出し(累計)カウンタは、値を減算することはない。
なお、3種類の払出し(累計)カウンタは、3バイトで構成されている。たとえば、175000遊技において、毎遊技15枚の払出しがあったと仮定すると、「175000×15=2625000」となり、3バイトで記憶可能な値よりも小さい。したがって、3バイトの記憶容量で記憶可能である。
アドレス「F285(H)」~「F287(H)」の役物等状態カウンタは、役物作動時の遊技回数と、役物連続作動装置の作動時の遊技回数との合計をカウントするカウンタであり、3バイトで構成されている。
アドレス「F288(H)」の指示込役物比率データは、総払出し数に対する、役物作動時の払出し数と指示機能を作動させた遊技での払出し数との合計の比率である指示込役物比率を記憶する記憶領域である。
アドレス「F289(H)」の連続役物比率(6000回)データは、6000遊技回数間における総払出し数に対する連続役物作動時の払出し数の比率を記憶する記憶領域である。
アドレス「F28A(H)」の役物比率(6000回)データは、6000遊技回数間における総払出し数に対する役物作動時の払出し数の比率を記憶する記憶領域である。
アドレス「F28B(H)」の連続役物比率(累計)データは、総遊技回数での総払出し数に対する連続役物作動時の払出し数の比率を記憶する記憶領域である。
アドレス「F28C(H)」の役物比率(累計)データは、総遊技回数での総払出し数に対する役物作動時の払出し数の比率を記憶する記憶領域である。
アドレス「F28D(H)」の役物等状態比率データは、総遊技回数に対する、役物作動時の遊技回数と役物連続作動装置の作動時の遊技回数との合計の比率である役物等状態比率を記憶する記憶領域である。
アドレス「F28E(H)」の計算結果バッファは、比率計算処理時に計算結果を一時的に記憶する記憶領域である。
アドレス「F28F(H)」のカウント上限フラグは、総遊技回数カウンタ(アドレス「F26D(H)」~「F26F(H)」)又は総払出し数(累計)カウンタ(アドレス「F27C(H)」~「F27E(H)」)の記憶容量が上限値であるとき(3バイトフル、すなわち「FFFFFF(H)」であるとき)にオンにされるフラグである。
1バイト(8ビット)データのうち、「D0」ビットが遊技回数の上限フラグに割り当てられ、「D1」ビットが払出し枚数の上限フラグに割り当てられている。「D2」~「D7」ビットは、第2実施形態では未使用である。
たとえば、総遊技回数カウンタがカウント上限値に到達しているときは、カウント上限フラグの値は、「00000001(B)」となる。
アドレス「F290(H)」の払出し枚数上限バッファは、当該遊技における払出し数を総払出し(累計)カウンタに加算したときに、3バイトフルを超える場合、加算後の値が3バイトフルとなるための値を記憶する記憶領域である。
たとえば当該遊技での払出し前の総払出し(累計)カウンタ値が「FFFFFE(H)」であり、当該遊技での払出し数が「8(H)」であるとき、上記カウンタ値に「8(H)」を加算すると、桁あふれが生じてしまう。このため、総払出し(累計)カウンタ値の桁あふれを生じさせないように、3バイトフルになるための値を演算し、その演算結果を払出し枚数上限バッファに記憶する。
上記例では、「FFFFFE(H)」+「1(H)」=「FFFFFF(H)」となるので、払出し枚数上限バッファには「1(H)」が記憶される。
アドレス「F291(H)」の点滅要求フラグは、識別セグ及び比率セグを表示するときに、点滅表示条件を満たす対象を特定するためのフラグである。
指示込役物比率、連続役物比率(累計)、役物比率(累計)、及び役物等状態比率については、総遊技回数(総遊技回数カウンタに記憶された値)が「175000」未満であるときは、その識別セグを点滅表示するように制御する。
連続役物比率(6000回)、及び役物比率(6000回)については、総遊技回数(総遊技回数カウンタに記憶された値)が「6000」未満であるときは、その識別セグを点滅表示するように制御する。
指示込役物比率、連続役物比率(累計)、役物比率(累計)、及び役物等状態比率は、本来、(ばらつきを少なくするために)175000ゲーム間での比率であることが望ましいが、175000ゲーム未満での遊技回数で算出した比率であるときは、そのことを示すために、識別セグを点滅表示する。
同様に、連続役物比率(6000回)、及び役物比率(6000回)は、本来、6000回間での比率であるが、6000回未満での遊技回数で算出した比率であるときは、そのことを示すために、識別セグを点滅表示する。
また、指示込役物比率、役物比率(累計)、及び役物比率(6000回)については、表示される値が「70」以上であるときは、比率セグを点滅表示するように制御する。
さらにまた、連続役物比率(累計)、及び連続役物比率(6000回)については、表示される値が「60」以上であるときは、比率セグを点滅表示するように制御する。
さらに、役物等状態比率については、表示される値が「50」以上であるときは、比率セグを点滅表示するように制御する。
上記のように設定したのは、本実施形態のスロットマシンでは、指示込役物比率、及び役物比率については「70」%未満となるように設計し、連続役物比率については「60」%未満となるように設計し、役物等状態比率については「50」%未満となるように設計しており、実測値が設計値の範囲内に収まっていないときは、比率セグを点滅表示させることによってそのことを知らせるためである。
また、点滅要求フラグにおいて、D0ビットは指示込役物比率点滅フラグ、D1ビットは連続役物比率(6000回)点滅フラグ、・・・、D7ビットは175000回点滅フラグに対応している。
たとえば、算出された指示込役物比率が「70」未満であるときは、点滅要求フラグのD0ビットは「0」となり、「70」以上であるときは、点滅要求フラグのD0ビットが「1」となる。
同様に、算出された連続役物比率(6000回)が「70」未満であるときは、点滅要求フラグのD1ビットは「0」となり、「70」以上であるときは、点滅要求フラグのD1ビットが「1」となる。
また、算出された役物等状態比率が「50」未満であるときは、点滅要求フラグのD5ビットは「0」となり、「50」以上であるときは、点滅要求フラグのD5ビットが「1」となる。
さらにまた、総遊技回数カウンタ値が「6000」未満であるときは、点滅要求フラグのD6ビットが「1」となり、「6000」以上であるときは、点滅要求フラグのD6ビットが「0」となる。
さらに、総遊技回数カウンタ値が「175000」未満であるときは、点滅要求フラグのD7ビットが「1」となり、「175000」以上であるときは、点滅要求フラグのD7ビットが「0」となる。
アドレス「F292(H)」の比率表示番号は、当該割込み処理で表示する比率に対応する番号を記憶する記憶領域である。
当該割込み処理で表示する比率が指示込役物比率であるときは、アドレス「F292(H)」の比率表示番号に「1」を記憶する。同様に、連続役物比率(6000回)であるときは「2」を記憶し、役物比率(6000回)であるときは「3」を記憶し、連続役物比率(累計)であるときは「4」を記憶し、役物比率(累計)であるときは「5」を記憶し、役物等状態比率であるときは「6」を記憶する。
アドレス「F293(H)」の点滅切替えフラグは、当該割込み処理時に識別セグ又は比率セグを点滅表示する場合、点灯又は消灯のいずれの時であるかを判断するためのフラグである。
本実施形態では、点滅表示するときは、約0.3秒ごとに点灯と消灯とを繰り返すように設定されている。そして、点灯中の約0.3秒間は、点滅切替えフラグが「0」(点灯を示す値)となり、消灯中の約0.3秒間は、点滅切替えフラグが「1」(消灯を示す値)となるように設定される。
アドレス「F294(H)」の表示切替え時間は、一つの比率を表示する時間である約5秒間をカウントするカウンタであり、割込み処理が1回行われるごとに「1」更新するカウンタである。
本実施形態では、指示込役物比率表示(約5秒間)→役物連続比率(6000回)表示(約5秒間)→・・・→役物比率(累計)表示(約5秒間)→役物等状態比率表示(約5秒間)→指示込役物比率(約5秒間)→・・・を繰返し表示し続ける。
このため、約5秒を経過したか否か、すなわち表示する比率の切替え時間に到達したか否かを判断するために、表示切替え時間を記憶する。
アドレス「F296(H)」の点滅切替え時間は、上述したように、識別セグや比率セグを点滅表示する場合に、約0.3秒間をカウントするカウンタであり、割込み処理が1回行われるごとに「1」更新するカウンタである。
アドレス「F297(H)」は、LED表示カウンタ2(_SC_LED_DSP2)が記憶される1バイトの記憶領域である。
LED表示カウンタ2は、デジット6~9のうち、いずれのデジットを点灯させるかを定めるためのカウンタであり、1割込みごとに更新され続ける。LED表示カウンタ2の各ビットは、D0ビットがデジット6信号、D1ビットがデジット7信号、D2ビットがデジット8信号、D3ビットがデジット4信号に割り当てられている。そして、一割込み処理では、LED表示カウンタ2で「1」となっているビットに対応するデジットを点灯させるように、デジット6~9のダイナミック点灯を行う。
第2実施形態では、LED表示カウンタ2は、初期値として、「00001000(B)」の値をとる。そして、LED表示カウンタ2は、割込み「1」→「2」→・・・と進むにしたがって(一割込みごとに)、LED表示カウンタ2のビット「1」を一桁右シフトするように更新する。また、割込み「4」の次の割込みでは、LED表示カウンタ2は、一桁右シフトにより「00000000(B)」となるが、当該割込み時に、LED表示カウンタ2の初期化処理を行い、LED表示カウンタ2を「00001000(B)」にする。これにより、割込み処理ごとに、LED表示カウンタ2は、「4」→「3」→「2」→「1」→「4」→・・・の値を繰り返す。すなわち、4割込みで1周期となる。
以上より、LED表示カウンタ2の値は、
「N」割込み目 :00001000(B)
「N+1」割込み目:00000100(B)
「N+2」割込み目:00000010(B)
「N+3」割込み目:00000001(B)
「N+4」割込み目:00000000(B)→00001000(B)(初期化;「N」割込み目と同一値)
「N+5」割込み目:00000100(B)

となる。
第2実施形態では、4割込みが1周期となって、デジット6~9をダイナミック点灯させる。具体的には、LED表示カウンタ2の値が「00001000(B)」のときは、デジット9信号を出力する。そして、デジット9信号の出力により、デジット9(比率セグ下位桁)が点灯可能となる。次の割込み処理時には、LED表示カウンタが「00000100(B)」となり、デジット8信号を出力し、デジット8(比率セグ上位桁)が点灯可能となる。また、LED表示カウンタが「00000010(B)」のときは、デジット7信号を出力して、デジット7(識別セグ下位桁)が点灯可能となり、LED表示カウンタが「00000001(B)」のときは、デジット6信号を出力して、デジット6(識別セグ上位桁)が点灯可能となる。
アドレス「F2A0(H)」のRWMチェックサムデータ(_SW_SUM_CHK )は、電源断処理(I_POWER_DOWN)時にRWMチェックサムセット処理(S_SUM_SET )で算出されたRWMチェックサムデータが記憶される記憶領域である。
ここで、「RWMチェックサムデータ」は、「補数データ」、「誤り検出用データ」又は「誤り検出情報」とも称されるものであって、RWM53の使用領域のアドレス「F000(H)」~「F1FF(H)」のデータ、及び使用領域外のアドレス「F210(H)」~「F3FF(H)」(「F2A0(H)」を除く)のデータの加算値に加算すると「0」になる値である。
すなわち、RWM53の使用領域のアドレス「F000(H)」~「F1FF(H)」のデータ及び使用領域外のアドレス「F210(H)」~「F3FF(H)」(「F2A0(H)」を除く)のデータの加算値に、「F2A0(H)」の「RWMチェックサムデータ(補数データ)」を加算すると、「0」になる。換言すると、アドレス「F000(H)」~「F1FF(H)」のデータとアドレス「F210(H)」~「F3FF(H)」のデータの加算値は「0」になる。
アドレス「F2A1(H)」の電源断処理済みフラグ(_SF_POWER_OFF )は、電源断処理が正常に実行されたか否かを判断するためのフラグであって、電源断処理時に記憶されるものである。
電源断処理が正常に実行されたときは、電源断処理済みフラグ(_SF_POWER_OFF )として、「55(H)」が記憶され、電源断処理が正常に実行されなかったときは、電源断処理済みフラグ(_SF_POWER_OFF )として、「55(H)」以外の値が記憶される。
アドレス「F2A2(H)」の電源断復帰データ(_SW_POWER_ON)は、RWM53のチェックサムの算出結果、及び電源断処理済みフラグが正常であるか否かを判断するためのフラグであって、プログラム開始処理時に記憶されるものである。
RWM53のチェックサムの算出結果が正常(RWM35の使用領域及び使用領域外(「F2A0(H)」を除く)のデータの加算値に、「F2A0(H)」のRWMチェックサムデータ(補数データ)を加算した結果が「0」)であり、かつ電源断処理済みフラグが正常な値(「55(H)」)であるときは、電源断復帰データ(_SW_POWER_ON)として、「55(H)」が記憶される。
これに対し、RWM53のチェックサムの算出結果、及び電源断処理済みフラグのうち、少なくとも1つが正常でない(異常である)ときは、電源断復帰データ(_SW_POWER_ON)として、「00(H)」が記憶される。
アドレス「F2A3(H)」のスタックポインタ一時保存バッファ2(_SB_STACK2)は、使用領域外のプログラム(第2プログラム)を実行するときに、使用領域のスタックポインタが記憶(保存)される記憶領域(バッファ)である。
ここで、「スタック領域」とは、各種レジスタや、プログラムの戻り番地等のデータを一時的に退避(記憶)可能なRWM53の記憶領域をいう。
また、「スタックポインタ」とは、スタック領域におけるデータの退避(記憶)先を示すアドレスを保持するためのものである。
そして、使用領域外のプログラム(第2プログラム)を実行するときに、使用領域のスタックポインタをスタックポインタ一時保存バッファ2に記憶し、使用領域外のプログラム(第2プログラム)を終了して使用領域のプログラム(第1プログラム)に戻るときに、スタックポインタ一時保存バッファ2から使用領域のスタックポインタを復帰させる。
アドレス「F3E8(H)」~「F3FF(H)」の24バイトの記憶領域は、使用領域外のスタック領域である。
続いて、RWM53の使用領域及び使用領域外のデータの初期化について説明する。
RWM53の使用領域及び使用領域外のデータは、電源の供給の遮断/再開(電源のオン/オフ、電源スイッチ11のオン/オフ)だけでは初期化されずに維持される。
また、復帰可能エラー状態からの復帰時にも、RWM53の使用領域及び使用領域外のデータは初期化されずに維持される。
さらに、設定変更状態に移行させるための操作(設定キースイッチ152をオンにした状態で電源をオンにする)を行い、電源断復帰異常と判断されたとする。この場合、後述する図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2707で「Yes」となり、ステップS2711に進み、電源断復帰異常時における設定変更開始時のRWM53の初期化範囲がセットされる。また、電源断復帰異常時であるので、図62のステップS2712で「Yes」となり、ステップS2731の初期化処理(M_INI_SET )に進む。
このため、後述する図65の初期化処理(M_INI_SET )のステップS2732~S2736では、RWM53の使用領域における設定値データ(_NB_RANK)を含む全範囲(アドレス「F000(H)」~「F1FF(H)」)、及び使用領域外の全範囲(アドレス「F210(H)」~「F3FF(H)」の初期化処理が実行される。
復帰不可能エラー状態からの復帰時にも、設定変更状態に移行させるための操作を行って電源断復帰異常と判断されたときと同一の範囲で、RWM53の初期化処理が実行される。
また、設定変更状態に移行させるための操作を行い、電源断復帰正常と判断されたとする。この場合、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2707で「Yes」となり、ステップS2712では「No」となって、ステップS2713に進み、電源断復帰正常時における設定変更開始時のRWM53の初期化範囲がセットされる。
このため、図65の初期化処理(M_INI_SET )のステップS2732~S2736では、RWM53の使用領域のアドレス「F001(H)」~「F1FF(H)」、及び使用領域外のアドレス「F292(H)」~「F3FF(H)」の初期化処理が実行される。
よって、設定変更状態に移行させるための操作を行い、電源断復帰正常と判断されると、RWM53のアドレス「F000(H)」の設定値データ(_NB_RANK)、及び使用領域外のアドレス「F210(H)」~「F291(H)」のデータは、初期化されずに維持される。
換言すると、RWM53のアドレス「F292(H)」(比率表示番号)は初期化される。このため、たとえば、管理情報表示LED74(役比モニタ)に役物比率(累計)データ(比率表示番号「5」)が表示されているときに電源をオフにし、その後、設定変更状態に移行させるための操作を行い、電源断復帰正常と判断されると、管理情報表示LED74には、各種比率情報の1番目の表示項目である指示込役物比率データ(比率表示番号「1」)から表示が開始される。
また、設定キースイッチ152をオフにし、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153をオンにした状態で電源をオンにして、電源断復帰正常と判断されたとする。この場合、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2707では「No」となり、ステップS2710では「Yes」となって、ステップS2713に進み、電源断復帰正常時における設定変更開始時のRWM53の初期化範囲がセットされる。
このため、図65の初期化処理(M_INI_SET )のステップS2732~S2736では、RWM53の使用領域のアドレス「F001(H)」~「F1FF(H)」、及び使用領域外のアドレス「F292(H)」~「F3FF(H)」の初期化処理が実行される。
換言すると、RWM53のアドレス「F292(H)」(比率表示番号)は初期化される。このため、たとえば、管理情報表示LED74(役比モニタ)に役物比率(累計)データ(比率表示番号「5」)が表示されているときに電源をオフにし、その後、設定キースイッチ152をオフにし、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153をオンにした状態で電源をオンにして、電源断復帰正常と判断されると、管理情報表示LED74には、各種比率情報の1番目の表示項目である指示込役物比率データ(比率表示番号「1」)から表示が開始される。
よって、設定キースイッチ152をオフにし、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153をオンにした状態で電源をオンにして電源断復帰正常と判断されたときは、設定変更状態に移行させるための操作を行って電源断復帰正常と判断されたときと同一の範囲で、RWM53の初期化処理が実行される。
このため、設定キーを所持していなくても、また、設定変更状態に移行させなくても、設定変更状態に移行させるための操作を行って電源断復帰正常と判断されたときと同一の範囲で、RWM53を初期化することができる。
また、有利区間終了時には、有利区間に関するデータが記憶されているRWM53の使用領域の所定範囲(たとえば図54のアドレス「F061(H)」~「F068(H)」)の初期化処理が実行される。
また、有利区間が終了しても、RWM53のアドレス「F292(H)」は初期化されない。このため、たとえば、管理情報表示LED74(役比モニタ)に役物比率(累計)データ(比率表示番号「5」)が表示されているときに有利区間が終了し、有利区間に関するデータが記憶されているRWM53の使用領域の所定範囲(たとえば図54のアドレス「F061(H)」~「F068(H)」)の初期化処理が実行されても、管理情報表示LED74に表示される表示項目は、役物比率(累計)データの次は、役物等状態比率データ(比率表示番号「6」)となる。
また、電源をオフにし、その後、設定キースイッチ152及びリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153の双方ともオフの状態で電源をオンにして、電源断復帰正常と判断されたとする。すなわち、通常の電源のオン/オフを行ったとする。この場合、RWM53の初期化処理は実行されないため、電源断時におけるRWM53の使用領域及び使用領域外のデータが維持される。
このため、たとえば、管理情報表示LED74(役比モニタ)に役物比率(累計)データ(比率表示番号「5」)が表示されているときに電源をオフにし、その後、設定キースイッチ152及びリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153の双方ともオフの状態で電源をオンにして、電源断復帰正常と判断されると、電源断時の状態に復帰するので、管理情報表示LED74には、まず、役物比率(累計)データが表示され、その次に、役物比率(累計)データの次の表示項目である役物等状態比率データ(比率表示番号「6」)が表示される。
また、電源をオフにし、その後、設定キースイッチ152及びリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153の双方ともオフの状態で電源をオンにして、電源断復帰異常と判断されたとする。この場合、図62のステップS2708で「Yes」となり、ステップS2801に進み、復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)が実行される(復帰不可能エラー状態となる)ので、RWM53の初期化処理は実行されない。さらに、本実施形態では、ステップS2801の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)が実行されると、割込み処理が禁止され(図64のステップS1490)、出力ポート0~7の出力がオフにされる(図64のステップS1495)。
このため、たとえば、管理情報表示LED74(役比モニタ)に役物比率(累計)データ(比率表示番号「5」)が表示されているときに電源をオフにし、その後、設定キースイッチ152及びリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153の双方ともオフの状態で電源をオンにして、電源断復帰異常と判断されると、割込み処理は禁止され、出力ポート0~7の出力がオフにされるので、管理情報表示LED74は消灯したままとなる。
なお、たとえば、ステップS2801の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)において、管理情報表示LED74のデジット6~9にそれぞれ「8」を表示するようにしてもよい。この場合、電源をオフにし、その後、設定キースイッチ152及びリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153の双方ともオフの状態で電源をオンにして、電源断復帰異常と判断されると、管理情報表示LED74に「8888」が表示される。
また、たとえば、ステップS2801の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)に移行しても、割込み処理を禁止せず、出力ポート0~7の出力もオフにせずに維持するようにしてもよい。この場合、たとえば、管理情報表示LED74(役比モニタ)に役物比率(累計)データ(比率表示番号「5」)が表示されているときに電源をオフにし、その後、設定キースイッチ152及びリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153の双方ともオフの状態で電源をオンにして、電源断復帰異常と判断されても、管理情報表示LED74には、まず、役物比率(累計)データが表示され、その次に、役物比率(累計)データの次の表示項目である役物等状態比率データ(比率表示番号「6」)が表示される。
図57(A)は、第2実施形態における表示基板75上の各種LEDを示す図であり、同図(B)は、第2実施形態における管理情報表示LED74(役比モニタ)を示す図である。
図57(A)に示すように、第2実施形態では、表示基板75上に、クレジット数表示LED76、獲得数表示LED78、及び状態表示LED79を備えている。
クレジット数表示LED76は、デジット1(上位桁)及びデジット2(下位桁)から構成され、獲得数表示LED78は、デジット3(上位桁)及びデジット4(下位桁)から構成されている。また、デジット1~4は、ドットセグメントを備えていない7セグメントディスプレイを用いている。
なお、デジット1~4は、ドットセグメントを備えた7セグメントディスプレイを用いて構成しつつ、ドットセグメントを点灯させないようにしてもよい。
また、状態表示LED79として、1ベット表示LED79a、2ベット表示LED79b、3ベット表示LED79c、遊技開始表示LED79d、投入表示LED79e、及びリプレイ表示LED79fを備え、これらは、6個のLEDから構成されている。
さらにまた、有利区間表示LED77は、図57には現れていないが、図58に示すように、デジット4のセグメントPを用いて構成されている。
さらに、設定値表示LED73は、図57には現れていないが、図1に示すように、メイン制御基板50上に設けられており、デジット5から構成されている。また、デジット5は、ドットセグメントを備えていない7セグメントディスプレイを用いている。
なお、デジット5は、ドットセグメントを備えた7セグメントディスプレイを用いて構成しつつ、ドットセグメントを点灯させないようにしてもよい。
図57(B)に示すように、管理情報表示LED74は、デジット6(識別セグ上位桁)、デジット7(識別セグ下位桁)、デジット8(比率セグ上位桁)、及びデジット9(比率セグ下位桁)から構成されている。
また、デジット6~9は、ドットセグメント(セグメントP)を備える7セグメントディスプレイを用いている。
さらに、デジット7(識別セグ下位桁)のセグメントPは、桁区切り表示LEDとして機能する。桁区切り表示LEDは、情報種別(識別セグ)と比率(比率セグ)との区切りを明確にするために用いられる。
図58は、第2実施形態におけるデジット及びセグメントの詳細を説明する図である。
第2実施形態では、デジット1~5の7セグメントディスプレイ自体は、セグメントA~Gから構成され、ドットセグメント(セグメントP)を備えていない。
ただし、デジット1のセグメントPは、遊技開始表示LED79dを構成し、デジット2のセグメントPは、投入表示LED79eを構成し、デジット3のセグメントPは、リプレイ表示LED79fを構成し、デジット4のセグメントPは、有利区間表示LED77を構成している。
図59は、第2実施形態における出力ポート2~7を示す図である。
第2実施形態では、デジット信号を出力する出力ポートが2個(出力ポート3及び6)設けられ、さらに、セグメント信号を出力する出力ポートが2個(出力ポート4及び7)設けられていることを特徴とする。
第2実施形態では、デジット1~9を設けている。
また、デジット1~5のセグメントを、セグメント1(セグメント1A~1P)とし、デジット6~9のセグメントを、セグメント2(セグメント2A~2P)とする。
また、第2実施形態では、出力ポート3は、デジット1~5用のデジット信号(デジット1~5信号)を出力する出力ポートとし、出力ポート6は、デジット6~9用のデジット信号(デジット6~9信号)を出力する出力ポートとしている。
さらに、第2実施形態では、出力ポート4は、デジット1~5用のセグメント信号(セグメント1A~1P信号)を出力する出力ポートとし、出力ポート7は、デジット6~9用のセグメント信号(セグメント2A~2P信号)を出力する出力ポートとしている。
そして、デジット1~5を点灯させるときは、出力ポート3からデジット信号を出力し、かつ出力ポート4からセグメント1信号を出力する。
また、デジット6~9を点灯させるときは、出力ポート6からデジット信号を出力し、かつ出力ポート7からセグメント2信号を出力する。
次に、外部信号について説明する。「外部信号」とは、外部集中端子板100を介してスロットマシン10の外部(ホールコンピュータ200や、ホールに設置されているデータカウンタ等)に出力する信号である。
図59に示すように、第2実施形態では、出力ポート5から外部信号1~6を出力する。具体的には、出力ポート5のD0ビット(外部信号1)には「設定変更中信号」を割り当て、D1ビット(外部信号2)には「設定確認中信号」を割り当てている。D2~D5ビットについても、図59に示す各信号をそれぞれ割り当てている。
「設定変更中信号」は、設定変更中であること、及び設定変更が行われたことを示す外部信号である。設定変更中信号は、設定変更中、及び設定変更後の1遊技の終了時(すべてのリール31が停止し、メダル払出し処理(図67のステップS294)まで継続して出力する。設定変更が行われたことを外部に確実に知らせるためである。出力ポート5のD0ビットが「1」のときは、設定変更中信号がオンである(設定変更中である、又は設定変更後の1遊技の終了前である)ことを示す。また、D0ビットが「0」のときは、設定変更中信号がオフである(設定変更中でなく、かつ設定変更後の1遊技の終了前でもない)ことを示す。
「設定確認中信号」は、設定確認中であることを示す外部信号である。設定確認中信号は、設定確認中に出力する。出力ポート5のD1ビットが「1」のときは、設定確認中信号がオンである(設定確認中である)ことを示し、D1ビットが「0」のときは、設定確認中信号がオフである(設定確認中でない)ことを示す。
「不正検知信号1」は、不正のおそれがあることを示す外部信号である。たとえば、ドアスイッチ17がオンのとき(フロントドア12の開放を検知したとき)に、不正検知信号1を出力する。出力ポート5のD2ビットが「1」のときは、不正検知信号1がオンである(ドアスイッチ17がオンである、フロントドア12が開放されている)ことを示し、D2ビットが「0」のときは、不正検知信号1がオフである(ドアスイッチ17がオフである、フロントドア12が閉じられている)ことを示す。
「不正検知信号2」は、不正検知信号1と同様に、不正のおそれがあることを示す外部信号である。たとえば、復帰可能エラー状態となったときに、不正検知信号2を出力する。出力ポート5のD3ビットが「1」のときは、不正検知信号2がオンである(復帰可能エラー状態である)ことを示し、D3ビットが「0」のときは、不正検知信号2がオフである(復帰可能エラー状態でない)ことを示す。
「不正検知信号3」は、不正検知信号1及び2と同様に、不正のおそれがあることを示す外部信号である。たとえば、復帰不可能エラー状態となったときに、不正検知信号3を出力する。出力ポート5のD4ビットが「1」のときは、不正検知信号3がオンである(復帰不可能エラー状態である)ことを示し、D4ビットが「0」のときは、不正検知信号3がオフである(復帰不可能エラー状態でない)ことを示す。
「セキュリティ信号」は、設定変更中信号、設定確認中信号、不正検知信号1~3のいずれかがオンであることを示す外部信号である。設定変更中信号、設定確認中信号、不正検知信号1~3のいずれかを出力しているときは、同時に、セキュリティ信号も出力する。出力ポート5のD5ビットが「1」のときは、セキュリティ信号がオンである(設定変更中信号、設定確認中信号、不正検知信号1~3のいずれかを出力中である)ことを示し、D5ビットが「0」のときは、セキュリティ信号がオフである(設定変更中信号、設定確認中信号、不正検知信号1~3のいずれも出力していない)ことを示す。
上述したように、設定変更中信号は、設定変更後の1遊技の終了時まで継続して出力する。このため、設定変更後の1遊技目の終了前に設定確認状態に移行させると、設定変更中信号及び設定確認中信号の双方が出力される。具体的には、たとえば、設定変更状態を終了して、メダル(遊技媒体、遊技価値)をベット可能な状況となったとする。このとき、ベット数が「0」である状態で、設定キースイッチ152をオンにすると、設定変更中信号及び設定確認中信号の双方が出力される。
さらに、設定変更中信号、設定確認中信号、不正検知信号1~3のいずれかを出力しているときは、セキュリティ信号も出力する。よって、設定変更後の1遊技目の終了前に設定確認状態に移行させると、出力ポート5のD0ビット、D1ビット、及びD5ビットがオン(「1」)になる。その後、設定変更後の1遊技目の終了前に設定確認状態を終了させると、出力ポート5のD0ビット、及びD5ビットはオン(「1」)のまま、D1ビットはオフ(「0」)になる。そして、設定変更後の1遊技目が終了すると、出力ポート5のD0ビット、及びD5ビットもオフ(「0」)になる。
続いて、デジット1~9の点灯制御について説明する。
デジット1~5(クレジット数表示LED76、獲得数表示LED78、設定値表示LED73)は、後述する図71のLED表示制御(I_LED_OUT )によって点灯を制御する。また、LED表示制御処理(I_LED_OUT )は、使用領域のプログラム(第1プログラム)による処理である。
これに対し、デジット6~9(管理情報表示LED74)は、後述する図73の比率表示準備処理(S_DSP_READY )によって点灯を制御する。また、比率表示準備処理(S_DSP_READY )は、使用領域外のプログラム(第2プログラム)による処理である。
そして、第2実施形態では、使用領域のプログラム(第1プログラム)によって点灯を制御するデジット1~5と、使用領域外のプログラム(第2プログラム)によって点灯を制御するデジット6~9とで、使用する出力ポートを分けている。
図60は、第2実施形態におけるデジットとセグメントとの関係を示す図である。
第2実施形態では、デジット1~9を有し、デジット1~5のセグメントを、セグメント1(セグメント1A~1P)とし、デジット6~9のセグメントを、セグメント2(セグメント2A~2P)としている。
デジット1のセグメント1A~1Gは、クレジット数表示LED76の上位桁を構成し、デジット1のセグメント1Pは、遊技開始表示LED79dを構成している。
また、デジット2のセグメント1A~1Gは、クレジット数表示LED76の下位桁を構成し、デジット2のセグメント1Pは、投入表示LED79eを構成している。
さらにまた、デジット3のセグメント1A~1Gは、獲得数表示LED78の上位桁を構成し、デジット3のセグメント1Pは、リプレイ表示LED79fを構成している。
さらに、デジット4のセグメント1A~1Gは、獲得数表示LED78の下位桁を構成し、デジット4のセグメント1Pは、有利区間表示LED77を構成している。
また、デジット5のセグメント1A~1Gは、設定値表示LED73を構成している。
さらにまた、デジット6のセグメント2A~2Gは、管理情報表示LED74の識別セグ上位桁を構成している。
さらに、デジット7のセグメント2A~2Gは、管理情報表示LED74の識別セグ下位桁を構成し、デジット7のセグメント2Pは、桁区切り表示LEDを構成している。
また、デジット8のセグメント2A~2Gは、管理情報表示LED74の比率セグ上位桁を構成している。
さらにまた、デジット9のセグメント2A~2Gは、管理情報表示LED74の識別セグ下位桁を構成している。
図61(A)は、第2実施形態におけるLED表示カウンタ1(_CT_LED_DSP1)と出力ポート3から出力される信号との関係を示す図である。また、同図(B)は、第2実施形態におけるLED表示カウンタ2(_SC_LED_DSP2)と出力ポート6から出力される信号との関係を示す図である。さらにまた、同図(C)は、第2実施形態におけるLED表示要求フラグ(_FL_LED_DSP )を示す図である。
この例では、RWM53の使用領域にLED表示カウンタ1(_CT_LED_DSP1)(図54のアドレス「F051(H)」)を設け、さらに、RWM53の使用領域外にLED表示カウンタ2(_SC_LED_DSP2)(図56のアドレス「F297(H)」)を設けたものである。
LED表示カウンタ1(_CT_LED_DSP1)は、デジット1信号~デジット5信号を一割込みごとに出力するためのカウンタであり、1周期が5割込みのカウンタである。
また、LED表示カウンタ2(_SC_LED_DSP2)は、デジット6信号~デジット9信号を一割込みごとに出力するためのカウンタであり、1周期が4割込みのカウンタである。
このように、第2実施形態では、デジット1~5を点灯させるためのLED表示カウンタと、デジット6~9を点灯させるためのLED表示カウンタとを、別個独立して設けている。
また、両者のLED表示カウンタの1周期が異なるため、デジット1~5の点灯タイミングと、デジット6~9の点灯タイミングとは相違することとなる。
LED表示要求フラグ(_FL_LED_DSP )は、点灯が許可されているデジットを示すデータであり、RWM53の使用領域のアドレス「F052(H)」に記憶されている(図54参照)。
図61(C)に示すように、LED表示要求フラグは、D0ビット目がデジット1信号、D1ビット目がデジット2信号、・・・、D4ビット目がデジット5信号に対応する8ビットデータである。LED表示要求フラグの各ビットは、図59に示す出力ポート3のビットと一致させている。
また、図61(C)に示すように、通常中はデジット1~4が点灯可能(デジット5は消灯)であり、設定変更中及び設定確認中はデジット5が点灯可能(デジット1~4は消灯)である。なお。「通常中」とは、遊技待機中及び遊技中を指す。
そして、割込み処理では、使用領域のLED表示カウンタ1の値とLED表示要求フラグの値とをAND演算し、「1」となったビットに対応するデジットが、今回の割込み処理で点灯するデジットとなる。
たとえば、使用領域のLED表示カウンタ1の値が「00001000(B)」であり、LED表示要求フラグの値が「00001111(B)(通常中)」であれば、両者をAND演算すると、「00001000(B)」となり、デジット4信号のみが「1」となる。
また、設定変更中及び設定確認中は、たとえばデジット5信号がオンとなる割込みタイミング(使用領域のLED表示カウンタ1が「00010000(B)」)では、出力ポート4からセグメント信号を出力して、設定値表示LED73(デジット5)を点灯可能とする。
続いて、復帰可能エラー及び復帰不可能エラーについて説明する。
「復帰可能エラー」は、電源をオン/オフすることなく復帰させることができるエラーである。復帰可能エラーとして、たとえば、
「HP」エラー:ホッパー35のメダル詰まり(滞留)エラー
「HE」エラー:ホッパー35内のメダル空エラー
「H0」エラー:ホッパー35の払出しセンサ37の異常
「CE」エラー:メダルセレクタのメダル滞留エラー
「CP」エラー:メダルセレクタ内のメダル不正通過エラー
「CH」エラー:メダルセレクタ内に配置されている通路センサ46の異常
「C0」エラー:メダルセレクタ内に配置されている投入センサ44の異常
「C1」エラー:メダル異常投入エラー
「FE」エラー:サブタンクの満杯
「dE」エラー:フロントドア12の開放
等が挙げられる。
なお、復帰可能エラーは、上記したものに限定されるものではない。
後述する図68の割込み処理(I_INTR)のステップS457で入力ポート51の読み込み処理を実行し、各種スイッチ(スタートスイッチ41等)及び各種センサ(投入センサ44等)の入力信号を読み込む。その後、読み込んだ入力信号に基づいて、各種データ(レベルデータ、立ち上がりデータ、立ち下がりデータ)を生成し、RWM53の所定アドレスに記憶する。その後、割込み処理(I_INTR)のステップS463で入力エラーチェック処理を実行し、上記の各種データを参照して、いずれかの復帰可能エラーを検出したときは、検出した復帰可能エラーを示すエラー検出フラグをRWM53の所定アドレスに記憶する。
また、メイン処理(M_MAIN)(図67)において、スタートスイッチ41の操作の検知前、及びすべてのリール31の停止後のタイミングで、エラー検出フラグをチェックし、エラー検出フラグのいずれかのビットが「1」であるときは、復帰可能エラーが発生したと判断して、遊技の進行を停止し、復帰可能エラー状態とする。
なお、規定数のメダルがベットされた状況下でスタートスイッチ41が操作されてから、すべてのリール31が停止するまでの間に、復帰可能エラーが発生した場合には、すべてのリール31が停止するまでは遊技の進行を継続し、すべてのリール31が停止した後、メダル払出し処理を実行する前に、遊技の進行を停止し、復帰可能エラー状態としてもよい。
さらに、復帰可能エラーが発生したと判断したときは、獲得数表示LED78に、発生した復帰可能エラーのエラー情報を表示する。このエラー情報の表示(エラー表示)は、図68の割込み処理(I_INTR)中のLED表示制御(I_LED_OUT )において行う。
そして、復帰可能エラーの発生時には、管理者(ホールの店員)により復帰可能エラーの要因が除去され、リセットスイッチ153が操作されると、復帰可能エラー状態を解除して、遊技の進行を再開する。
このように、復帰可能エラーの発生時には、電源をオン/オフすることなく、また、設定キースイッチ152も操作することなく、復帰可能エラーの要因を除去してリセットスイッチ153を操作することにより、復帰可能エラー状態を解除して、遊技の進行が可能な状態に復帰させることができる。
これに対し、「復帰不可能エラー」は、電源をオフにし、設定変更状態に移行させるための操作(設定キースイッチ152をオンにした状態で電源をオンにすること)を行わなければ復帰できない重大なエラーである。復帰不可能エラーとして、たとえば、
「E1」エラー:電源断からの復帰が正常でないとき(電源断復帰異常のとき)(後述する図62のステップS2712で「Yes」のとき)
「E5」エラー:リール31の停止時に停止図柄が正常でないとき(表示エラーが発生したとき)
「E6」エラー:設定値が正常範囲でないとき(設定値エラーが発生したとき)(図68のステップS458で「No」のとき)
「E7」エラー:乱数エラーが発生したとき(図68のステップS460で「Yes」のとき)
等が挙げられる。
なお、復帰不可能エラーは、上記したものに限定されるものではない。
いずれの復帰不可能エラーが生じても、獲得数表示LED78に、エラー情報を表示する。たとえば、「E1」エラーが生じたときは、デジット3に「E」を表示し、デジット4に「1」を表示する。他の復帰不可能エラー時にも同様に表示する。
また、電源断からの復帰が正常でない(電源断復帰異常)と判断し、「E1」エラーと判定するのは、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )中のステップS2715の処理(使用領域のプログラム(第1プログラム)による処理)である。
さらにまた、リール31の停止時に停止図柄が正常でない(表示エラーが発生した)と判断し、「E5」エラーと判定するのは、メイン処理(M_MAIN)(図67)中の処理(使用領域のプログラム(第1プログラム)による処理)である。
これに対し、設定値が正常範囲でない(設定値エラーが発生した)と判断し、「E6」エラーと判定するのは、図68の割込み処理(I_INTR)中のステップS458の処理(使用領域外のプログラム(第2プログラム)による処理)である。
同様に、乱数値が正常でない(乱数エラーが発生した)と判断し、「E7」エラーと判定するのは、図68の割込み処理(I_INTR)中のステップS460の処理(使用領域外のプログラム(第2プログラム)による処理)である。
そして、使用領域のプログラム(第1プログラム)で復帰不可能エラーと判定したときは、後述する図64の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)を実行する。
これに対し、使用領域外のプログラム(第2プログラム)で復帰不可能エラーと判定したときは、後述する図72の復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)を実行する。
そして、復帰不可能エラーの発生時には、電源の供給を遮断(電源をオフに、電源スイッチ11をオフに)し、その後、設定キースイッチ152をオンにした状況下で、電源の供給を再開(電源をオンに、電源スイッチ11をオンに)する。これにより、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2707で「Yes」となり、ステップS2711に進む。また、復帰不可能エラーの発生時には、後述する図69の電源断処理(I_POWER_DOWN)が実行されないので、図62のステップS2712で「Yes」となり、ステップS2731の初期化処理(M_INI_SET )に進む。
さらに、後述する図65の初期化処理(M_INI_SET )のステップS2732~S2736で、RWM53の使用領域の設定値データ(_NB_RANK)を含む全範囲(アドレス「F000(H)」~「F1FF(H)」)、及び使用領域外の全範囲(アドレス「F210(H)」~「F3FF(H)」の初期化処理が実行される。その後、図65のステップS2742の設定変更確認処理(M_RANK_CTL)に進み、ここで設定値を設定し直すと、復帰不可能エラー状態が解除されて、ステップS248のメイン処理(M_MAIN)(図67)に進む。
このように、復帰不可能エラーの発生時には、電源を一旦オフにし、設定キースイッチ152をオンにした状態で、電源をオンにすることにより、復帰不可能エラー状態を解除して、遊技の進行が可能な状態に復帰させることができる。
また、復帰可能エラーの発生時には、図71のLED表示制御(I_LED_OUT )によってエラー表示が行われるが、復帰不可能エラーの発生時には、図68の割込み処理(I_INTR)が実行されず、したがって、LED表示制御(I_LED_OUT )も実行されない。そして、復帰不可能エラーの発生時には、図64の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)又は図72の復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)によってエラー表示が行われる。
さらにまた、復帰可能エラー状態からの復帰時には、RWM53の使用領域及び使用領域外のデータは初期化されずに維持されるが、復帰不可能エラー状態からの復帰時には、RWM53の使用領域及び使用領域外の全範囲のデータが初期化される。
なお、復帰可能エラー状態からの復帰時に、RWM53の所定アドレスに記憶されているエラー検出フラグ等のデータは初期化してもよい。
図62は、第2実施形態におけるメイン制御基板50によるプログラム開始処理(M_PRG_START )を示すフローチャートである。
電源が投入された(電源スイッチ11がオンにされた、電源の供給が再開された)ときは、図62のプログラム開始処理から実行する。
図62において、ステップS2701でプログラムが開始されると、次のステップS2702において、メイン制御基板50は、AFレジスタ(Aレジスタ及びFレジスタ(フラグレジスタ))をRWM53の使用領域のスタック領域に退避させる。
次にステップS2703に進み、メイン制御基板50は、RWM53のチェックサム算出処理を実行する。
具体的には、ステップS2703では、RWM53の使用領域のアドレス「F000(H)」~「F1FF(H)」のデータ及び使用領域外のアドレス「F210(H)」~「F3FF(H)」のデータを加算する。
すなわち、RWM53の使用領域のアドレス「F000(H)」~「F1FF(H)」のデータ及び使用領域外のアドレス「F210(H)」~「F3FF(H)」を加算する。
そして、その結果が「0」であるときは、RWM53のチェックサムの算出結果が正常であると判断し、その結果が「0」でないときは、RWM53のチェックサムの算出結果が正常でない(異常である)と判断する。
また、ステップS2703では、RWM53のアドレス「F2A1(H)」の電源断処理済みフラグ(_SF_POWER_OFF )が「55(H)」であるか否かを判断し、「55(H)」であるときは、電源断処理済みフラグが正常であると判断し、「55(H)」でないときは、電源断処理済みフラグが正常でない(異常である)と判断する。
ここで、本実施形態では、電源断処理時に、RWM53のアドレス「F2A1(H)」に、電源断処理済みフラグ(_SF_POWER_OFF )をセットする(図70のRWMチェックサムセット(S_SUM_SET )のステップS2784)。そして、ステップS2703では、電源断処理時にセットした電源断処理済みフラグが正常な値(「55(H)」)であるか否かを判断する。
また、ステップS2703では、RWM53のチェックサムの算出結果が正常(RWM35の使用領域及び使用領域外のデータを加算した結果が「0」)であり、かつ電源断処理済みフラグ(_SF_POWER_OFF )が正常な値(「55(H)」)であるときは、電源断復帰データ(_SW_POWER_ON)として「55(H)」をRWM53のアドレス「F2A2(H)」に記憶する。
これに対し、ステップS2703において、RWM53のチェックサムの算出結果、及び電源断処理済みフラグのうち、少なくとも1つが正常でない(異常である)ときは、電源断復帰データ(_SW_POWER_ON)として「00(H)」をRWM53のアドレス「F2A2(H)」に記憶する。そして、次のステップS2704に進む。
ステップS2704に進むと、メイン制御基板50は、ステップS2702で退避させたAFレジスタ(Aレジスタ及びFレジスタ(フラグレジスタ))を復帰させる。そして、次のステップS2705に進む。
ここで、プログラム開始処理のプログラムは、ROM54の使用領域の制御領域(第1制御領域、第1プログラム領域)に記憶されている。すなわち、プログラム開始処理のプログラムは、第1プログラムである。
これに対し、ステップS2703のRWM53のチェックサム算出処理のプログラムは、ROM54の使用領域外の制御領域(第2制御領域、第2プログラム領域)に記憶されている。すなわち、ステップS2703のチェックサム算出処理のプログラムは、第2プログラムである。
このため、図62中、使用領域のプログラム(第1プログラム)による処理であるプログラム開始処理において、ステップS2703に進むと、使用領域外のプログラム(第2プログラム)による処理であるRWM53のチェックサム算出処理を実行し、このチェックサム算出処理が終了すると、使用領域のプログラム(第1プログラム)による処理であるプログラム開始処理に戻る。
また、使用領域のプログラム(第1プログラム)による処理から、使用領域外のプログラム(第2プログラム)による処理に移行するときに、AFレジスタ(Aレジスタ及びFレジスタ(フラグレジスタ))をRWM53の使用領域のスタック領域に退避させ、使用領域外のプログラム(第2プログラム)による処理を終了して、使用領域のプログラム(第1プログラム)による処理に戻るときに、AFレジスタを復帰させる。
ステップS2705に進むと、メイン制御基板50は、RWM53のアドレス「F2A2(H)」から電源断復帰データ(_SW_POWER_ON)を取得し、これをAレジスタに記憶する。そして、次のステップS2706に進む。
ステップS2706に進むと、メイン制御基板50は、ドアスイッチ信号がオンであるか否かを判断する。上述したように、フロントドア12が開放された状態では、ドアスイッチ17がオンになり、ドアスイッチ信号がオンになる。そして、ドアスイッチ信号がオンである(フロントドア12が開放された状態である)と判断したときは、次のステップS2707に進む。これに対し、ドアスイッチ信号がオフである(フロントドア12が閉じられた状態である)と判断したときは、ステップS2715に進む。
ステップS2707では、メイン制御基板50は、設定キースイッチ信号がオンであるか否かを判断する。上述したように、設定キーを設定キー挿入口151に挿入して時計回りに90度回転させると、設定キースイッチ152がオンになり、設定キースイッチ信号がオンになる。そして、設定キースイッチ信号がオンであると判断したときは、ステップS2711に進む。これに対し、設定キースイッチ信号がオフであると判断したときは、ステップS2708に進む。
ステップS2708に進むと、メイン制御基板50は、電源断復帰異常であるか否かを判断する。具体的には、Aレジスタの値(ステップS2705で取得した電源断復帰データ(_SW_POWER_ON))が「55(H)」であるときは、電源断復帰異常でないと判断し、次のステップS2709に進む。これに対し、Aレジスタの値が「00(H)」であるときは、電源断復帰異常であると判断し、ステップS2801の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)に進む。なお、復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)の具体的な内容については後述する。
ステップS2709では、メイン制御基板50は、リセット判定データをセットする。具体的には、Dレジスタに「7」を記憶する。そして、次のステップS2710に進む。
ステップS2710に進むと、メイン制御基板50は、リセットスイッチ信号がオンであるか否かを判断する。上述したように、本実施形態では、設定変更スイッチ153、リセットスイッチ153、及びRWMクリアスイッチ153が一体のスイッチとして構成されている。そして、リセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンであるときは、リセットスイッチ信号がオンになり、ステップS2713に進む。これに対し、リセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオフであるときは、リセットスイッチ信号がオフになり、ステップS2721の電源復帰処理(M_POWER_ON)に進む。なお、電源復帰処理(M_POWER_ON)の具体的な内容については後述する。
ステップS2711に進むと、メイン制御基板50は、電源断復帰異常時用のRWM53の初期化範囲をセットする。本実施形態では、電源断復帰が異常(電源断復帰データ(_SW_POWER_ON)が「00(H)」)であるときは、RWM53のアドレス「F000(H)」の設定値データ(_NB_RANK)を含む、使用領域及び使用領域外の全範囲(アドレス「F000(H)」~「F1FF(H)」及び「F210(H)」~「F3FF(H)」)を初期化範囲としてセットする。なお、初期化範囲は、初期化範囲の先頭アドレスとバイト数とで特定する。そして、次のステップS2712に進む。
ステップS2712では、メイン制御基板50は、電源断復帰異常であるか否かを判断する。具体的には、ステップS2708と同様である。そして、電源断復帰異常でないと判断したときは、設定変更状態と判定するためのデータである「7」をDレジスタに記憶し、次のステップS2713に進み、電源断復帰異常であると判断したときは、ステップS2731の初期化処理(M_INI_SET )に進む。なお、初期化処理(M_INI_SET )の具体的な内容については後述する。
ステップS2713に進むと、メイン制御基板50は、電源断復帰正常時用のRWM53の初期化範囲をセットする。本実施形態では、電源断復帰が正常(電源断復帰データ(_SW_POWER_ON)が「55(H)」)であるときは、RWM53のアドレス「F000(H)」の設定値データ(_NB_RANK)、及び使用領域外のアドレス「F210(H)」~「F291(H)」については、初期化(クリア)せずに維持する。このため、ステップS2713では、RWM53の使用領域のアドレス「F001(H)」~「F1FF(H)」、及び使用領域外のアドレス「F292(H)」~「F3FF(H)」を初期化範囲としてセットする。上述したように、初期化範囲は、初期化範囲の先頭アドレスとバイト数とで特定する。そして、次のステップS2714に進む。
ステップS2714では、メイン制御基板50は、設定変更可であるか否かを判断する。本実施形態では、リール31の回転中を含む、スタートスイッチ受付け処理(図67のステップS279)~遊技終了チェック処理(図67のステップS301)の間は、設定変更不可に設定されており、この間は、設定変更不可フラグがオンにされる。そして、ステップS2714では、設定変更不可フラグがオンであるか否かを判断することにより、設定変更可であるか否かを判断する。そして、設定変更可でない(設定変更不可である)と判断したときは、次のステップS2715に進み、設定変更可であると判断したときは、ステップS2731の初期化処理(M_INI_SET )に進む。なお、初期化処理(M_INI_SET )の具体的な内容については後述する。
なお、設定変更不可の期間を設けず、したがって、設定変更不可フラグを設けずに、常時、設定変更可能にしてもよい。
ステップS2715に進むと、メイン制御基板50は、電源断復帰異常であるか否かを判断する。具体的には、ステップS2708と同様である。そして、電源断復帰異常であると判断したときは、ステップS2801の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)に進み、電源断復帰異常でないと判断したときは、ステップS2721の電源復帰処理(M_POWER_ON)に進む。なお、電源復帰処理(M_POWER_ON)及び復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)の具体的な内容については後述する。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
図63は、図62中、ステップS2721の電源復帰処理(M_POWER_ON)を示すフローチャートである。
まず、ステップS2722では、メイン制御基板50は、スタックポインタを復帰させる。本実施形態では、電源断処理時に、スタックポインタを保存する(図69の電源断処理(I_POWER_DOWN)のステップS2774)。そして、ステップS2722では、電源断処理時に保存したスタックポインタを復帰させる。
次のステップS2723に進むと、メイン制御基板50は、入力ポート51の読込み処理を実行する。これにより、入力ポート51の各データを最新のデータに更新する。
次のステップS2724では、メイン制御基板50は、電源断処理済フラグをクリアする。そして、ステップS248のメイン処理(M_MAIN)(図67)に進み、本フローチャートによる処理を終了する。
なお、本実施形態では、ステップS2724の処理を実行した後、ステップS248のメイン処理(M_MAIN)(図67)に進む前のタイミングで、図68の割込み処理(I_INTR)を開始する。
図64は、復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)を示すフローチャートである。
復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)のプログラムは、ROM54の使用領域内に記憶されており、復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)のプログラムは、ROM54の使用領域外に記憶されている。すなわち、復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)のプログラムは、第1プログラムであり、復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)のプログラムは、第2プログラムである。
また、復帰不可能エラー処理では、割込み処理が禁止される。
復帰不可能エラーは、通常では起こり得ない重大なエラーであり、異常なデータに基づく処理(入力ポート51からの入力信号に基づくRWM53のデータの更新や、サブ制御基板80への制御コマンドの送信、RWM53のデータに基づく出力ポートからの信号出力に基づく制御)等を実行しないようにするために、復帰不可能エラー処理では、割込み処理を禁止している。
ここで、復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)は、第1プログラムによる処理であり、復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)を開始すると、まず、ステップS1490の割込み禁止の処理で割込み処理(I_INTR)の実行を禁止する。
これに対し、復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)は、第2プログラムによる処理であり、第2プログラムの実行中は、割込み処理(I_INTR)の実行が禁止されているため、復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)の開始後に割込み禁止の処理を設けていない。
図64において、ステップS1491に進むと、メイン制御基板50は、復帰不可能エラーの下位桁用のエラー表示データをセットする。この処理は、Hレジスタに、デジット4を点灯させるためのデータ(デジット4信号のみを「1」としたデータ)(「00001000(B)」)を記憶する処理である。
次にステップS1492に進み、メイン制御基板50は、復帰不可能エラーの上位桁用のエラー表示データをセットする。この処理は、Dレジスタに、デジット3を点灯させるためのデータ(デジット3信号のみを「1」としたデータ)(「00000100(B)」)を記憶する処理である。
さらに、このステップS1492では、メイン制御基板50は、Eレジスタに、復帰不可能エラーの上位桁(デジット3)に「E」を表示するためのセグメントデータ(「01111001B」)を記憶する。
なお、復帰不可能エラー処理に移行する前に、Lレジスタに、復帰不可能エラーの下位桁を表示するためのセグメントデータが記憶される。たとえば、復帰不可能エラーが「E1」エラーであるときは、下位桁(デジット4)は「1」であるので、Lレジスタには、「1」を表示するためのセグメントデータ(「00000110B」)が記憶される。
なお、以下の例では、今回の復帰不可能エラー1は「E1」エラーであるとする。
以上より、D、E、H、及びLレジスタ値は、この時点では、
Dレジスタ値:復帰不可能エラーの上位桁(デジット3)を点灯させるためのデータ(デジット3信号のみを「1」としたデータ)(「00000100(B)」)
Eレジスタ値:復帰不可能エラーの上位桁(デジット3)に「E」を表示するためのセグメントデータ(「01111001(B)」)
Hレジスタ値:復帰不可能エラーの下位桁(デジット4)を点灯させるためのデータ(デジット4信号のみを「1」としたデータ)(「00001000(B)」)
Lレジスタ値:復帰不可能エラーの下位桁(デジット4)に「1」を表示するためのセグメントデータ(「00000110(B)」)
となる。
次のステップS1493では、メイン制御基板50は、クリアすべき出力ポートのアドレス及び出力ポート数をセットする。本実施形態では、復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)でクリアすべき出力ポートは、出力ポート0~7であり、各出力ポートごとにアドレスが設定されているので、そのアドレス及び出力ポート数(8個)をセットする。
次のステップS1494では、メイン制御基板50は、出力ポート0~7の出力を順次オフにする。具体的には、出力ポート0~7について、1つの出力ポートずつ、出力をオフ(「00000000(B)」)にする。
次のステップS1495では、メイン制御基板50は、次の出力ポートのアドレスをセットする。すなわち、出力ポートを示すアドレスを「1」インクリメントする。たとえば、出力ポート0のアドレスが「00F1(H)」であるときは、次のアドレスとして、出力ポート1のアドレス「00F2(H)」をセットする。
次にステップS1496に進み、メイン制御基板50は、すべての出力ポートの出力オフが終了したか否か、すなわち、出力ポート7まで出力をオフにしたか否かを判断する。終了していないと判断したときはステップS1494に戻り、終了したと判断したときはステップS1497に進む。このようにして、すべての出力ポートの出力をオフにするまで、ステップS1494~S1496の処理を繰り返し、すべての出力ポートの出力をオフにしたと判断するとステップS1497に進む。
このように、全出力ポートをオフにすることにより、この処理の実行前に出力されていたアクティブ信号がすべてオフになる。これにより、デジット1~9(クレジット数表示LED76、獲得数表示LED78、設定値表示LED73、管理情報表示LED74)を含むすべてのLEDが消灯するので、LEDの焼き付きを防止することができる。
また、モータ32の励磁信号を出力している状況で復帰不可能エラーが発生した場合、出力ポートをオフにしないと、復帰不可能エラーが解除されるまで、モータ32の励磁信号を出力し続けることとなるが、全出力ポートをオフにすることにより、モータ32の励磁信号がオフになるので、モータ32の焼き付きを防止することができる。
さらに、ブロッカ信号を出力している状況で復帰不可能エラーが発生した場合、出力ポートをオフにしないと、メダルの検知処理が実行されないにもかかわらず、ブロッカ45がオンの状態(メダルをホッパー35に案内する状態)が続くことになるので、メダルが飲み込まれてしまうが、全出力ポートをオフにすることにより、ブロッカ45がオフになり、投入されたメダルが返却されるので、メダルの飲み込みを防止することができる。
次のステップS1497では、メイン制御基板50は、上位桁のエラー表示を行うために、出力ポート3及び4からエラー表示データを出力する。出力ポート3からは、Dレジスタに記憶されたデータを出力し、出力ポート4からは、Eレジスタに記憶されたデータを出力する。
次にステップS1498に進み、メイン制御基板50は、LEDのちらつき防止用の待機(ウェイト)処理を実行する。ここで、どの程度の待機を行うかについてはLEDの性能にもよるが、たとえば「0.1ms」程度に設定することが挙げられる。ここでは、たとえばBレジスタに所定値(たとえば「255」)を記憶し、たとえば内部システムクロックによってこの値を減算し、Bレジスタ値が「0」となったときは、待機時間を経過したと判断し、次のステップS1499に進む。
ステップS1499では、メイン制御基板50は、出力ポート3及び4の出力をオフ(「0」)にする。この処理は、残像防止のための処理である。
次にステップS1500に進み、メイン制御基板50は、LEDのちらつき防止用の待機(ウェイト)処理を実行する。出力ポート3及び4の出力をオフ(「0」)にした後、LEDを確実に消光させるための処理である。
次にステップS1501に進み、メイン制御基板50は、上位桁と下位桁との切替えを行う。
具体的には、DEレジスタ値とHLレジスタ値とを入れ替える。これにより、
<入替え前>
Dレジスタ値:復帰不可能エラーの上位桁(デジット3)を点灯させるためのデータ(デジット3信号のみを「1」としたデータ)(「00000100(B)」)
Eレジスタ値:復帰不可能エラーの上位桁(デジット3)に「E」を表示するためのセグメントデータ(「01111001(B)」)
Hレジスタ値:復帰不可能エラーの下位桁(デジット4)を点灯させるためのデータ(デジット4信号のみを「1」としたデータ)(「00001000(B)」)
Lレジスタ値:復帰不可能エラーの下位桁(デジット4)に「1」を表示するためのセグメントデータ(「00000110(B)」)
<入替え後>
Dレジスタ値:復帰不可能エラーの下位桁(デジット4)を点灯させるためのデータ(デジット4信号のみを「1」としたデータ)(「00001000(B)」)
Eレジスタ値:復帰不可能エラーの下位桁(デジット4)に「1」を表示するためのセグメントデータ(「00000110(B)」)
Hレジスタ値:復帰不可能エラーの上位桁(デジット3)を点灯させるためのデータ(デジット3信号のみを「1」としたデータ)(「00000100(B)」)
Lレジスタ値:復帰不可能エラーの上位桁(デジット3)に「E」を表示するためのセグメントデータ(「01111001(B)」)
となる。
そして、ステップS1502に進み、メイン制御基板50は、下位桁のエラー表示を行うために、出力ポート3及び4からエラー表示データを出力する。ステップS1497と同様に、出力ポート3からはDレジスタ値を出力し、出力ポート4からはEレジスタ値を出力する。これにより、出力ポート3からはデジット4を点灯させる「00001000(B)」(デジット4信号のみを「1」としたデータ)を出力し、出力ポート4からは「1」を表示するためのセグメントデータ「00000110(B)」を出力する。
次にステップS1503に進み、メイン制御基板50は、ちらつき防止用の待機処理を実行する。この処理は、ステップS1498と同様である。
次にステップS1504に進み、メイン制御基板50は、ステップS1499と同様に、出力ポート3及び4の出力をオフ(「0」)にする。
次のステップS1505では、メイン制御基板50は、ちらつき防止用の待機処理を実行する。この処理は、ステップS1500と同様である。そして、ステップS1497に戻る。
以上の処理により、たとえば「E1」エラーであるときは、デジット3による「E」の表示と、デジット4による「1」の表示とが所定時間間隔で交互に繰り返し表示される。
なお、LED表示制御(I_LED_OU T)は、割込み処理(I_INTR)で実行されるが、上述したように、復帰不可能エラー時には、割込み処理(I_INTR)は実行されず(禁止され)、図64に示すように、レジスタを用いた演算処理及びハードウェア構成により、復帰不可能エラーの表示を実行する。
図65は、図62中、ステップS2731の初期化処理(M_INI_SET )を示すフローチャートである。
メイン制御基板50は、まず、ステップS2732において、RWM53の指定アドレスの初期化を実行し、次のステップS2733では、RWM53の初期化範囲の次のアドレスをセット(指定)し、次のステップS2734に進むと、RWM53の初期化範囲のすべてについて初期化を終了したか否かを判断する。そして、初期化を終了していないと判断したときは、ステップS2732に戻り、初期化を終了したと判断したときは、ステップS2735に進む。これにより、RWM53の初期化範囲のすべてについて初期化を終了するまで、ステップS2732~S2734の処理を繰り返す。
上述したように、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2711又はS2713において、RWM53の初期化範囲(初期化範囲の先頭アドレス及びバイト数)をセットしている。
そして、初期化処理(M_INI_SET )のステップS2732~S2734では、ステップS2711又はS2713でセットされたRWM53の初期化範囲のうち、使用領域の初期化範囲について初期化を実行する。
なお、初期化処理(M_INI_SET )のステップS2732~S2734の処理は、使用領域のプログラム(第1プログラム)によって実行される。このため、初期化処理(M_INI_SET )のステップS2732~S2734では、RWM53の初期化範囲のうち、使用領域の初期化範囲についてのみ初期化を実行する。
そして、ステップS2734で初期化を終了したと判断すると、次のステップS2735に進み、メイン制御基板50は、AFレジスタ(Aレジスタ及びFレジスタ(フラグレジスタ))をRWM53の使用領域のスタック領域に退避させる。
次のステップS2736に進むと、メイン制御基板50は、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2711又はS2713でセットされたRWM53の初期化範囲のうち、使用領域外の初期化範囲の初期化を実行する。
上述したように、ステップS2732~S2734では、RWM53の初期化範囲のうち、使用領域の初期化を実行するが、ステップS2736では、RWM53の初期化範囲のうち、使用領域外の初期化を実行する。
なお、初期化処理(M_INI_SET )のステップS2736の処理は、使用領域外のプログラム(第2プログラム)によって実行される。このため、初期化処理(M_INI_SET )のステップS2736では、RWM53の初期化範囲のうち、使用領域外の初期化範囲についてのみ初期化を実行する。
そして、ステップS2736で使用領域外の初期化範囲の初期化を終了すると、次のステップS2737に進み、メイン制御基板50は、ステップS2735で退避させたAFレジスタ(Aレジスタ及びFレジスタ(フラグレジスタ))を復帰させる。そして、次のステップS2738に進む。
ステップS2738では、メイン制御基板50は、リセット時であるか否かを判断する。具体的には、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2710で「Yes」となったか否かを判断する。本実施形態では、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2709で、リセット判定データとして、Dレジスタに「7」を記憶する。さらに、図62のステップS2710で「Yes」のときは、Dレジスタの「7」を維持し、図62のステップS2710で「No」のときは、Dレジスタをクリア(「0」を記憶)する。そして、図65のステップS2738では、Dレジスタが「7」であるか否かを判断し、Dレジスタが「7」であるときは、リセット時である(図62のステップS2710で「Yes」)と判断し、ステップS2739に進む。これに対し、Dレジスタが「0」であるときは、リセット時でない(図62のステップS2710で「No」)と判断し、ステップS2739をスキップして、ステップS2740に進む。
ステップS2739に進むと、メイン制御基板50は、リセット時の表示をセットする。具体的には、RWM53のアドレス「F011(H)」の獲得数データ(_NB_PAYOUT)に「70(H)」を記憶する。これにより、ステップS2739の処理以降に実行される割込み処理によって、獲得数表示LED78(デジット3及び4)に「70」が表示可能となり、リセット時であることを管理者(ホールの店員)に知らせることができる。
次のステップS2740に進むと、メイン制御基板50は、設定コマンドをRWM53の制御コマンドバッファにセットする。ステップS2740でセットする設定コマンドは、リセット時か又は設定変更時かを示すものである。これにより、ステップS2740の処理以降に実行される割込み処理によって、制御コマンドバッファにセットされた設定コマンドがサブ制御基板80に送信されるので、リセット時か又は設定変更時かをサブ制御基板80側で判断可能にすることができる。
なお、本実施形態では、ステップS2740の処理を実行した後、ステップS2741の処理に進む前のタイミングで、図68の割込み処理(I_INTR)を開始する。換言すると、割込み処理(I_INTR)が開始する前には、RWM53の初期化範囲を初期化する処理(図65のステップS2732~S2734及びS2736の処理)は終了している。このように構成することによって、RWM53を初期化している最中に割込み処理(I_INTR)が実行されないようにしている。これにより、RWM53を初期化している最中に割込み処理(I_INTR)によってRWM53の内容が変化する(書き換えられる、上書きされる)ことを防止することができる。
次のステップS2741に進むと、メイン制御基板50は、リセット時であるか否かを判断する。具体的には、ステップS2738と同様である。そして、リセット時でないと判断したときは、ステップS2742に進み、リセット時であると判断したときは、ステップS2742をスキップして、ステップS2743に進む。
ステップS2742に進んだときは、メイン制御基板50は、設定変更確認処理(M_RANK_CTL)を実行する。この処理の具体的な内容については後述する。そして、設定変更確認処理(M_RANK_CTL)を終了すると、次のステップS2743に進む。
ステップS2743では、メイン制御基板50は、待機時間が経過したか否かを判断する。この待機時間は、設定コマンドの送信を待つためのものである。そして、待機時間が経過したと判断すると、次のステップS2744に進み、メイン制御基板50は、初期化待ち時間をセットし、次のステップS2745では、2バイト時間待ち処理(ウエイト処理)を実行する。ステップS2744及びS2745の処理は、サブ制御基板80のRWM83の初期化が終了するのを待つためのものである。
そして、2バイト時間待ち処理が終了すると、次のステップS2746に進み、メイン制御基板50は、設定コマンドをRWM53の制御コマンドバッファにセットする。ステップS2746でセットする設定コマンドは、設定変更確認処理(M_RANK_CTL)が終了したこと、及び設定値を示すものである。これにより、ステップS2746の処理以降に実行される割込み処理によって、制御コマンドバッファにセットされた設定コマンドがサブ制御基板80に送信されるので、設定変更確認処理(M_RANK_CTL)が終了したこと、及び設定値をサブ制御基板80側で判断可能にすることができる。
次のステップS2747に進むと、メイン制御基板50は、RWM53のアドレス「F011(H)」の獲得数データ(_NB_PAYOUT)をクリア(「0」を記憶)する。これにより、ステップS2747の処理以降に実行される割込み処理によって、獲得数表示LED78(デジット3及び4)に「00」が表示される。
そして、ステップS2747の獲得数データのクリアが終了すると、ステップS248のメイン処理(M_MAIN)(図67)に進み、本フローチャートによる処理を終了する。
図66は、図65中、ステップS2742の設定変更確認処理(M_RANK_CTL)を示すフローチャートである。
ステップS2742の設定変更確認処理(M_RANK_CTL)が開始されると、まず、ステップS2751において、メイン制御基板50は、RWM53のアドレス「F000(H)」から設定値データ(_NB_RANK)を取得し、これをAレジスタに記憶する。そして、次のステップS2752に進む。
ステップS2752に進むと、メイン制御基板50は、設定値表示データを生成する。具体的には、ステップS2752では、まず、Aレジスタ値をCレジスタに記憶し、次に、Aレジスタ値に「1」を加算する。そして、次のステップS2753に進む。
上述したように、本実施形態では、設定値「1」~「6」を有するとともに、設定値データを「0」~「5」で管理しており、設定値が「N」のときは、設定値データとして「N-1」が記憶される。このため、設定値データ「N-1」に「1」を加算した「N」が設定値表示データとして用いられる。
ステップS2753に進むと、メイン制御基板50は、生成した設定値表示データを保存する。具体的には、ステップS2753では、Aレジスタ値をRWM53のアドレス「F001(H)」の設定値表示データ(_NB_RANK_DSP)に記憶する。そして、次のステップS2754に進む。
ステップS2754では、メイン制御基板50は、割込み待ち処理を実行する。この処理は、一割込み時間(2.235ms)を経過するまで待機する処理である。割込み処理(I_INTR)が1回実行されるのを待つことにより、リセットスイッチ(設定変更スイッチ)153の信号の立ち上がりデータがオフ(「0」)になるのを待つためである。
換言すると、リセットスイッチ(設定変更スイッチ)153が操作(オンに)されると、リセットスイッチ(設定変更スイッチ)153の信号の立ち上がりデータがオン(「1」)になる。その後、1回でも割込み処理(I_INTR)が実行されれば、リセットスイッチ(設定変更スイッチ)153の信号の立ち上がりデータはオフ(「0」)になる。
しかし、リセットスイッチ(設定変更スイッチ)153の信号の立ち上がりデータがオン(「1」)になった後、割込み処理(I_INTR)が実行される前に、ステップS2752~S2758の処理が複数回ループしてしまうと、設定値データに「1」を加算する処理が繰り返し実行されてしまう。
そこで、ステップS2754において割込み処理(I_INTR)が1回実行されるのを待つことにより、ステップS2752~S2758の処理が複数回ループして、設定値データに「1」を加算する処理が繰り返し実行されてしまうことを防止している。
そして、ステップS2754において一割込み時間が経過するまで待機した後、次のステップS2755に進む。
なお、前回の割込み処理時に、リセットスイッチ(設定変更スイッチ)153の信号のレベルデータが「0」であり、今回の割込み処理時に、リセットスイッチ153の信号のレベルデータが「1」であるときは、リセットスイッチ153の信号の立ち上がりデータが「1」になる。
また、前回の割込み処理時に、リセットスイッチ153の信号のレベルデータが「1」であり、今回の割込み処理時に、リセットスイッチ153の信号のレベルデータが「1」であるときは、リセットスイッチ153の信号の立ち上がりデータが「0」になる。
同様に、前回の割込み処理時に、リセットスイッチ153の信号のレベルデータが「0」であり、今回の割込み処理時に、リセットスイッチ153の信号のレベルデータが「0」であるときは、リセットスイッチ153の信号の立ち上がりデータが「0」になる。
また、前回の割込み処理時に、リセットスイッチ153の信号のレベルデータが「1」であり、今回の割込み処理時に、リセットスイッチ153の信号のレベルデータが「0」であるときは、リセットスイッチ153の信号の立ち下がりデータが「1」になる。
スタートスイッチ41、ストップスイッチ42、設定キースイッチ152等の他のスイッチについても、リセットスイッチ(設定変更スイッチ)153と同様である。
ステップS2755では、メイン制御基板50は、設定確認開始時であるか否かを判断する。この処理は、設定確認時であるか又は設定変更時であるかを判断する処理である。本実施形態では、遊技開始前のベット数が「0」である状態で、設定キースイッチ152がオンになった場合に、Dレジスタに「1」が記憶されるように設定されている。そして、ステップS2755では、まず、Dレジスタ値をAレジスタに記憶し、次に、Aレジスタ値が「1」であるか否かを判断する。そして、Aレジスタ値が「1」であるときは、設定確認時であると判断して、ステップS2760に進み、Aレジスタ値が「1」でないとき(Dレジスタ値が「0」や「7」のとき)は、設定確認時でない(設定変更時である)と判断して、ステップS2756に進む。そして、Aレジスタ値が「1」であるか否かを判断した後、Cレジスタ値をAレジスタに記憶する。上述したように、ステップS2752において、Aレジスタ値をCレジスタに記憶しているため、Cレジスタには設定値データが記憶されている。このため、Cレジスタ値をAレジスタに記憶すると、Aレジスタ値は、設定値データとなる。
なお、電源復帰時(電源がオンにされてプログラム開始処理(M_PRG_START )が開始するとき)には、Aレジスタ~Lレジスタは初期値(「0」)になっている。
ステップS2756に進むと、メイン制御基板50は、RWM53の所定アドレスに記憶されているスタートスイッチ41の信号の立ち上がりデータを参照する。そして、スタートスイッチ41の信号の立ち上がりデータが「1」であるとき、すなわち、スタートスイッチ41が操作されたと判断したときは、ステップS2759に進む。これに対し、スタートスイッチ41の信号の立ち上がりデータが「0」であるとき、すなわち、スタートスイッチ41が操作されていないと判断したときは、ステップS2757に進む。
ステップS2757では、メイン制御基板50は、RWM53の所定アドレスに記憶されているリセットスイッチ(設定変更スイッチ)153の信号の立ち上がりデータを参照する。そして、リセットスイッチ153の信号の立ち上がりデータが「1」であるとき、すなわち、リセットスイッチ153が操作されたと判断したときは、ステップS2758に進む。これに対し、リセットスイッチ153の信号の立ち上がりデータが「0」であるとき、すなわち、リセットスイッチ153が操作されていないと判断したときは、ステップS2752に戻る。
ステップS2758に進むと、メイン制御基板50は、設定値データに「1」を加算する。具体的には、Aレジスタ値に「1」を加算する。上述したように、ステップS2755の終了時には、Aレジスタ値は、設定値データとなっている。そして、ステップS2757で「Yes」のとき、すなわち、設定変更(リセット)スイッチ153が操作されたと判断したときは、設定値データに「1」を加算する。なお、加算によりAレジスタ値が「6」になったときは、Aレジスタ値を「0」に書き換える。そして、ステップS2752に戻る。
また、ステップS2759に進んだときは、メイン制御基板50は、設定値データを保存する。具体的には、Aレジスタ値をRWM53のアドレス「F000(H)」の設定値データ(_NB_RANK)に記憶する。上述したように、ステップS2755の終了時には、Aレジスタ値は、設定値データとなっている。そして、ステップS2756で「Yes」となり、ステップS2759に進んだ時点でも、Aレジスタ値は、設定値データのままである。そして、ステップS2759では、Aレジスタ値をRWM53のアドレス「F000(H)」に記憶する。これにより、設定値データをRWM53に保存することができる。
次のステップS2760に進むと、メイン制御基板50は、RWM53の所定アドレスに記憶されている設定キースイッチ152の信号の立ち下がりデータを参照する。そして、設定キースイッチ152の信号の立ち下がりデータが「1」になるまで、すなわち、設定キースイッチ152がオフにされるまで、ステップS2760の処理を繰り返し、設定キースイッチ152の信号の立ち下がりデータが「1」になると、すなわち、設定キースイッチ152がオフにされると、ステップS2761に進む。
ステップS2761では、メイン制御基板50は、RWM53のアドレス「F001(H)」の設定値表示データ(_NB_RANK_DSP)をクリア(「0」に)する。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
また、設定変更時に、本フローチャートによる処理を終了すると、図65のステップS2743の処理に進む。
ここで、設定確認状態(設定確認モード、設定確認中)への移行について説明する。
本実施形態では、電源が投入されており(オンであり)、ドアスイッチ17がオン(フロントドア12が開放された状態)であり、かつベット数が「0」である状態において、設定キースイッチ152がオンにされると、Dレジスタに「1」が記憶されて、設定確認状態に移行する。設定確認状態は、設定値の変更はできない(設定変更スイッチ153を操作しても設定値は変わらない)が、現在の設定値を確認することができる。また、現在の設定値は、設定値表示LED73に表示される。そして、設定キースイッチ152をオフにすると、設定確認状態が終了して、メダルをベット可能な状況に戻る。
より具体的には、メイン処理(M_MAIN)(図67)において、メイン制御基板50は、スタートスイッチ41の操作の検知前のタイミングで、設定キースイッチ152がオンであるか否かを判断する。そして、ドアスイッチ17がオン(フロントドア12が開放された状態)であり、かつベット数が「0」である状態において、設定キースイッチ152がオンであると判断すると、図66の設定変更確認処理(M_RANK_CTL)に進む。また、図66の設定変更確認処理(M_RANK_CTL)のステップS2751~S2754については、上述した通りである。
さらにまた、第2実施形態では、遊技開始前のベット数が「0」である状態においては、設定キースイッチ152がオンにされると、Dレジスタに「1」が記憶されるように設定されている。そして、図66の設定変更確認処理(M_RANK_CTL)のステップS2755に進むと、メイン制御基板50は、設定確認開始時であるか否かを判断する。具体的には、まず、Dレジスタ値をAレジスタに記憶し、次に、Aレジスタ値が「1」であるか否かを判断する。そして、Aレジスタ値が「1」であるときは、設定確認開始時である(「Yes」)と判断して、ステップS2760に進む。
その後、設定キースイッチ152がオフにされるまで、ステップS2760の処理を繰り返す。その間、設定値表示LED73には、現在の設定値が表示され続ける。そして、ステップS2760において、設定キースイッチ152がオフであると判断すると、ステップS2761に進み、メイン制御基板50は、RWM53のアドレス「F001(H)」の設定値表示データ(_NB_RANK_DSP)をクリア(「0」に)する。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
また、設定確認時に、本フローチャートによる処理を終了すると、メイン処理(M_MAIN)(図67)における、設定キースイッチ152がオンであるか否か(設定確認状態に移行させるか否か)の判断処理の次の処理に進む。
このように、第2実施形態では、設定変更処理と設定確認処理とを同一のモジュールで実行可能としている。すなわち、設定変更状態と設定確認状態とを同一のモジュールで作り出している。そして、Dレジスタに記憶された情報に基づいて、設定変更状態とするか、又は設定確認状態とするかを判断している。
なお、Dレジスタではなく、他のレジスタに記憶された情報に基づいて、設定変更状態とするか、又は設定確認状態とするかを判断してもよく、また、RWM53に記憶された情報に基づいて、設定変更状態とするか、又は設定確認状態とするかを判断してもよい。
図67は、第2実施形態におけるメイン処理(M_MAIN)を示すフローチャートである。メイン処理は、1遊技の処理である。遊技の進行中は、毎遊技、メイン処理を繰り返す。
まず、ステップS271では、スタックポインタをセットする。スタックポインタとは、電断が生じた場合に、電断発生時のデータ(例えば、レジスタ値、割込み処理前のメイン処理の命令処理等)を保存するRWM53の領域を指し、スタックポインタのセットとは、そのRWM53の領域において、レジスタ値を初期値にセットする処理である。
次のステップS272では、遊技開始セット処理を行う。この処理は、作動状態フラグの生成、更新、保存等の処理である。
次のステップS273ではベットメダルの読み込みを行う。この処理は、現時点においてベットされているメダル枚数が何枚であるかを読み込む処理であり、ベット数データ又は自動ベット数データを読み込む。
次のステップS274では、ステップS273で読み込んだベット枚数に基づき、ベットメダルの有無を判断する。
ステップS274でベットメダルありと判断したときはステップS276に進み、ベットメダルなしと判断したときはステップS275に進んでメダル投入待ち処理を行い、その後、ステップS276に進む。ステップS275のメダル投入待ち処理は、設定キースイッチがオンであるか否かを判断し、オンであるときは設定確認モードに移行させる等の処理を行う。
ステップS276では、投入されたメダルの管理処理を行う。この処理は、メダルが手入れされたか否かの判断や、精算スイッチ43が操作されたか否かの判断等を行う処理である。
次のステップS277では、ソフト乱数の更新処理を行う。この処理は、役抽選手段61で使用する乱数(ハード乱数、又は内蔵乱数)に加工(演算処理)するための加工用乱数を更新(たとえば「1」ずつ加算)する処理である。ソフト乱数は、「0」~「65535(D)」の範囲を有する16ビット乱数である。なお、更新方法として、更新前の値に、割込みカウント値(割込み時にインクリメントされるカウント値(変数))を加算する処理を実行してもよい。
次のステップS278では、メイン制御基板50は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。スタートスイッチ41が操作されたと判断したときは、ステップS279に進み、スタートスイッチ41が操作されていないと判断したときはステップS273に戻る。なお、スタートスイッチ41が操作された場合であっても、ベット数が当該遊技の規定数に達していないときは、ステップS278で「No」と判断される。
ステップS279では、スタートスイッチ受付け時の処理を実行する。この処理は、設定変更不可フラグをセットしたり、リール31の回転開始時の出力要求セットや、ホールコンピュータ等に外部信号としてメダル投入信号を出力するための出力回数のセット等を行う処理である。
次のステップS280では、獲得数データをクリアする。これにより、獲得数表示LED78に「00」を表示させる(又は消灯させる)。
次にステップS281に進み、メイン制御基板50は、AT遊技回数の更新処理を実行する。この処理は、AT中であって所定条件を満たすときは、AT遊技回数の減算を行う処理である。したがって、非AT中は、この処理は実行されない。
また、AT中に、AT遊技回数を上乗せするか否かは、ステップS282における役抽選処理による役抽選結果に基づいて行われる。たとえばレア役に当選したときに、ATの上乗せ遊技回数を決定することが挙げられる。したがって、AT遊技回数を上乗せし、AT遊技回数カウンタに上乗せ分を加算するときは、ステップS282の処理後に実行される(図67では図示を省略する)。
なお、スタートスイッチ受付け(ステップS279)の後、ステップS281でAT遊技回数カウンタ更新を行うが、これに限らず、ステップS282における役抽選処理後や、全リール31の停止後(ステップS290以降)にAT遊技回数カウンタ更新を行ってもよい。
なお、差枚数管理型ATの仕様において、AT差枚数カウンタを有しているときは、全リール31の停止後、かつ入賞によるメダル払出し処理の終了後(ステップS300の後)にAT差枚数カウンタを更新する。
ステップS282では、役抽選手段61は、スタートスイッチ41が操作されたタイミングで、すなわちスタートスイッチ41の操作信号の受信時に、役の抽選を実行する。なお、役抽選時の乱数値はステップS279で取得する。そして、ステップS282において、取得した乱数値が、いずれかの当選役に該当する乱数値であるか否かを役抽選テーブルを用いて判定する処理を行う。
次のステップS283では、メイン制御基板50は、有利区間移行抽選処理を実行する。本実施形態では、有利区間移行抽選の際に、AT抽選を併せて実行する。
次にステップS284に進み、押し順指示番号セットを行う。この処理は、AT中に、当該遊技で指示機能を作動させる(獲得数表示LED78に押し順指示番号を表示する)ときに、押し順指示番号を生成して、押し順指示情報を表示等する処理である。
次のステップS285では、リール回転開始準備処理を実行する。この処理は、最小遊技時間(4.1秒)を経過したか否かを判断等する処理を実行し、最小遊技時間を経過していれば次のステップS286に進む。
ここで、RWM53には、最小遊技時間のタイマー値を記憶する領域が設けられており、初期値は、「1834(D)(2.235ms×1834≒4099ms)」である。ステップS279において、最小遊技時間が「0」であると判断されると、最小遊技時間(タイマー値)として初期値「1834(D)」をセットする。そして、割込み処理ごとに最小遊技時間を「1」ずつ減算する。次回遊技のステップS285に進むと、最小遊技時間が「0」であるか否かを判断し、「0」であると判断されたときにステップS286に進む。
ステップS286では、リール制御手段65は、モータ32を駆動制御し、リール31の回転を開始する。そして、リール31が定速状態に到達すると、ストップスイッチ42の操作受付けを許可し、ステップS287に進む。
ステップS287では、リール31の停止受付けをチェックする。ここでは、ストップスイッチ42の操作信号を受信したか否かを検知し、操作信号を受信したときは、役の抽選結果とリール31の位置とに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定し、決定した位置にそのリール31を停止させるように制御する。
次のステップS288では、リール制御手段65は、全リール31が停止したか否かをチェックし、ステップS289に進む。ステップS289では、全リール31が停止したか否かを判断し、全リール31が停止したと判断したときはステップS290に進み、全リール31が停止していないと判断したときはステップS287に戻る。
ステップS290では、獲得数データをクリアする(「0」にする)。たとえば、AT中に、指示機能を作動させたことにより、獲得数表示LED78に押し順指示情報(たとえば「=1」)が表示される場合がある。この場合は、ステップS290の処理以降に実行される割込み処理により、獲得数表示LED78の表示が「00」になる。
なお、獲得数表示LED78を消灯させてもよい。具体的には、LED表示要求フラグに「00010011(B)」を記憶してもよいし、セグメントデータとして、消灯用のデータを設け、そのデータを出力してもよい。
ステップS291では、図柄の表示判定を行う。ここでは、入賞判定手段66により、有効ラインに、役に対応する図柄組合せが停止したか否かを判断する。
次のステップS292では、図柄の表示エラーが発生したか否かを判断し、表示エラーが発生したと判断したときはステップS304に進み、表示エラーが発生していないと判断したときはステップS293に進む。
ここで、リール31の停止は、停止位置決定テーブルに基づき実行されるので、通常は、停止位置決定テーブルで定められた位置以外の位置でリール31が停止する場合はない。しかし、図柄の表示判定の結果、有効ライン上に、本来表示されてはいけない図柄(蹴飛ばし図柄)が表示されたときは、異常であると判定し、復帰不可能エラー処理を実行する。
ステップS292において表示エラーが発生していないと判断され、ステップS293に進むと、払出し数の更新処理を実行する。この処理は、払出し数データ及び払出し数データバッファとして、当該遊技での払出し数を記憶する処理である。
次のステップS294では、払出し手段67は、入賞役に対応するメダルの払出しを行う。次にステップS295に進み、割込み待ち処理を行う。次のステップS296では、割込み処理を禁止する。これらのステップS295及びS296の処理により、割込み直後に割込みが禁止される。
次のステップS297では、AFレジスタを退避させる。次にステップS298に進み、比率セット処理を実行する。この「比率セット処理」とは、管理情報表示LED74(役比モニタ)に5種類の比率を表示するために、各種カウンタ値の更新や、比率計算等を実行する処理である。そして、ステップS299に進むと、ステップS297で退避したAFレジスタを復帰させ、次のステップS300で割込みを許可(再開)する。このようにして、比率セット処理を実行する際には、AFレジスタを退避させておき、かつ割込み処理を禁止した上で実行する。
なお、比率セット処理の実行中に割込み処理を禁止するのは、比率セット処理は、使用領域外に記憶されたプログラムを用いる処理であり、メイン処理において使用領域外のプログラムを実行しているときに割込み処理が入ると、使用領域内のプログラムと使用領域外のプログラムとが混在してしまい、処理が複雑になってしまうためである。
次にステップS301に進み、遊技終了チェック処理を行う。この処理は、条件装置(当選役)フラグ等をクリアする処理である。そしてステップS302に進み、遊技終了時の出力要求セット、及び次のステップS303で制御コマンドセット1を行う。これらの処理は、1遊技が終了した旨をサブ制御基板80に送信するための制御コマンドデータをセットする処理である。
そして、ステップS303の処理を終了すると、再度、メイン処理の先頭(ステップS248)に戻る。
図68は、第2実施形態におけるメイン制御基板50による割込み処理(I_INTR)を示すフローチャートである。
図68に示す割込み処理(I_INTR)では、ステップS452の次はステップS2770に進み、メイン制御基板50は、電源断が発生したか否かを判断する。そして、電源断が発生したと判断したときは、ステップS2771に進み、メイン制御基板50は、電源断処理(I_POWER_DOWN)を実行する。これに対し、電源断が発生していないと判断したときは、ステップS2771をスキップして、ステップS454に進む。
このように、電源断処理(I_POWER_DOWN)は、割込み処理(I_INTR)において実行される。このため、割込み禁止により割込み処理(I_INTR)が実行されないときや、使用領域外のプログラム(第2プログラム)を実行中であるために割込み処理(I_INTR)が実行されないときは、電源断処理(I_POWER_DOWN)も実行されない。なお、電源断処理(I_POWER_DOWN)の具体的な内容については後述する。そして、電源断処理(I_POWER_DOWN)を終了すると、ステップS454に進む。
また、図68に示す割込み処理(I_INTR)では、ステップS455の次はステップS2821に進み、メイン制御基板50は、LED表示制御(I_LED_OUT )を実行する。このように、LED表示制御(I_LED_OUT )は、割込み処理(I_INTR)において実行される。なお、LED表示制御(I_LED_OUT )の具体的な内容については後述する。
そして、LED表示制御(I_LED_OUT )を終了すると、次はステップS2765に進み、メイン制御基板50は、AFレジスタ(Aレジスタ及びFレジスタ(フラグレジスタ))をRWM53の使用領域のスタック領域に退避させる。そして、次はステップS2221に進み、メイン制御基板50は、比率表示準備処理(S_DSP_READY )を実行する。
ここで、LED表示制御(I_LED_OUT )は、クレジット数表示LED76、獲得数表示LED78、及び設定値表示LED73(デジット1~5)等の点灯を制御する処理であり、使用領域のプログラム(第1プログラム)によって実行される。
これに対し、比率表示準備処理(S_DSP_READY )は、管理情報表示LED74(デジット6~9)の点灯を制御する処理であり、使用領域外のプログラム(第2プログラム)によって実行される。なお、比率表示準備処理(S_DSP_READY )の具体的な内容については後述する。そして、比率表示準備処理(S_DSP_READY )を終了すると、ステップS458に進む。
ステップS458では、メイン制御基板50は、設定値が正常範囲であるか否かを判断する。具体的には、RWM53のアドレス「F000(H)」に記憶されている設定値データ(_NB_RANK)を読み込み、これをAレジスタに記憶させる。次に、Aレジスタ値と「5」との比較演算を実行し(Aレジスタ値から「5」を減算し)、キャリーフラグ=「1」となったか否かを判断する。そして、キャリーフラグ≠「1」のときは、設定値データが正常範囲である(設定値データが「0」~「5」の範囲内である)と判断し、キャリーフラグ=「1」のときは、設定値データが正常範囲でないと判断する。そして、正常範囲であると判断したときはステップS459に進み、正常範囲でないと判断したときはステップS2811の復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)に進む。
また、図68に示す割込み処理(I_INTR)では、ステップS458で「No」のとき、又はステップS460で「Yes」のときは、ステップS2811に進み、メイン制御基板50は、復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)を実行する。復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)の具体的な内容については後述する。
さらにまた、図68に示す割込み処理(I_INTR)では、ステップS460で「No」のときは、ステップS2766に進み、メイン制御基板50は、ステップS2765で退避させたAFレジスタ(Aレジスタ及びFレジスタ(フラグレジスタ))を復帰させる。そして、ステップS457に進む。
ここで、図68に示す割込み処理(I_INTR)では、ステップS2221、ステップS458、ステップS459、及びステップS460の処理は、使用領域外のプログラム(第2プログラム)によって実行される。
そして、使用領域のプログラム(第1プログラム)による処理から、使用領域外のプログラム(第2プログラム)による処理に移行するときに、ステップS2765でAFレジスタ(Aレジスタ及びFレジスタ(フラグレジスタ))をRWM53の使用領域のスタック領域に退避させ、使用領域外のプログラム(第2プログラム)による処理を終了して、使用領域のプログラム(第1プログラム)による処理に戻るときに、ステップS2766でAFレジスタを復帰させる。
図69は、図68中、ステップS2771の電源断処理(I_POWER_DOWN)を示すフローチャートである。
ステップS2771の電源断処理(I_POWER_DOWN)が開始されると、まず、ステップS2772において、メイン制御基板50は、レジスタを退避させる。この処理は、各種レジスタをRWM53の使用領域のスタック領域に退避させる処理である。
次のステップS2773に進むと、メイン制御基板50は、すべての出力ポート52をクリアする。これにより、すべての出力ポート52の出力をオフにし、たとえば、モータ32が駆動中(リール31の回転中)であるときや、ホッパーモータ36が駆動中(メダルの払出し中)であるときは、その駆動を停止する。
次のステップS2774では、メイン制御基板50は、スタックポインタをRWM53の使用領域の作業領域における所定アドレスに保存する。なお、このステップS2774で保存したスタックポインタは、図63の電源復帰処理(M_POWER_ON)のステップS2722で復帰させる。
次のステップS2775に進むと、メイン制御基板50は、AFレジスタ(Aレジスタ及びFレジスタ(フラグレジスタ))をRWM53の使用領域のスタック領域に退避させる。そして、次はステップS2776に進み、メイン制御基板50は、RWMチェックサムセット処理(S_SUM_SET )を実行する。RWMチェックサムセット処理(S_SUM_SET )の具体的な内容については後述する。そして、RWMチェックサムセット処理(S_SUM_SET )が終了すると、次のステップS2777に進み、メイン制御基板50は、ステップS2775で退避させたAFレジスタを復帰させる。そして、次のステップS2778に進む。
なお、RWMチェックサムセット処理(S_SUM_SET )は、使用領域外のプログラム(第2プログラム)によって実行される。
そして、使用領域のプログラム(第1プログラム)による処理から、使用領域外のプログラム(第2プログラム)による処理に移行するときに、ステップS2775でAFレジスタ(Aレジスタ及びFレジスタ(フラグレジスタ))をRWM53の使用領域のスタック領域に退避させ、使用領域外のプログラム(第2プログラム)による処理を終了して、使用領域のプログラム(第1プログラム)による処理に戻るときに、ステップS2777でAFレジスタを復帰させる。
ステップS2778に進むと、メイン制御基板50は、RWM53へのアクセスを禁止する。そして、次のステップS2779に進み、メイン制御基板50は、リセット待ち状態(ループ処理状態)にする。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
図70は、図69中、ステップS2776のRWMチェックサムセット処理(S_SUM_SET )を示すフローチャートである。
ステップS2776のRWMチェックサムセット処理(S_SUM_SET )が開始されると、メイン制御基板50は、まず、ステップS2781において、スタックポインタ(SPレジスタ)をRWM53の使用領域外の作業領域における特定アドレスに退避させ、次のステップ2782では、使用領域外のスタックポインタ(「F400(H)」)をセットし、次のステップS2783に進むと、複数のレジスタをRWM53の使用領域外のスタック領域に退避させる。そして、次のステップS2784に進む。
ここで、ステップS2781では、スタックポインタ(SPレジスタ)を、スタックポインタ一時保存バッファ2(図56のアドレス「F2A3(H)」)に記憶する。
上述したように、RWMチェックサムセット処理(S_SUM_SET )は、使用領域外のプログラム(第2プログラム)による処理であるので、使用領域外のプログラム(第2プログラム)の実行中は、使用領域のプログラム(第1プログラム)で使用していたスタックポインタを退避しておき、使用領域のプログラム(第1プログラム)に戻ったときにスタックポインタを復帰させる。
また、ステップS2782では、スタックポインタ(SPレジスタ)に、使用領域外のスタックポインタ(アドレス「F400(H)」)を記憶する。
さらにまた、ステップS2783では、各種レジスタを、使用領域外のスタック領域に退避させる。
ステップS2784に進むと、メイン制御基板50は、RWM53のアドレス「F2A1(H)」に電源断処理済みフラグ(_SF_POWER_OFF )をセットする。ここで、電源断処理が実行されたときは、電源断処理済みフラグ(_SF_POWER_OFF )として「55(H)」を記憶する。
なお、電源復帰時に、図63の電源復帰処理(M_POWER_ON)のステップS2724において、電源断処理済フラグをクリア(「0」に)する。このため、このステップS2724の処理を実行した後は、RWM53のアドレス「F2A1(H)」は、「00(H)」となる。そして、電源断処理が実行されないと、電源断処理済みフラグ(_SF_POWER_OFF )がセットされないので、RWM53のアドレス「F2A1(H)」は、「00(H)」のままとなる。
次のステップS2785に進むと、メイン制御基板50は、RWM53のアドレス「F2A0(H)」のRWMチェックサムデータ(_SW_SUM_CHK )をクリア(「0」に)する。そして、次のステップS2786に進む。
ステップS2786に進むと、メイン制御基板50は、アドレス指定用のレジスタ(たとえばBレジスタ)に、RWM53の使用領域の先頭アドレス(「F000(H)」)をセットし、次のステップS2787に進むと、演算回数用のレジスタ(たとえばCレジスタ)に、RWM53の使用領域のバイト数(チェックサム算出数)をセットし、次のステップS2788に進むと、チェックサム算出用のレジスタ(たとえばDレジスタ)に、初期データ(「00000000(B)」)をセットする。
そして、次のステップS2789に進み、メイン制御基板50は、RWM53の使用領域のチェックサム算出処理を実行する。
本実施形態では、RWM53の使用領域は、アドレス「F000(H)」~「F1FF(H)」の範囲に設定されており、次のステップS2790でRWM53のアドレス「F1FF(H)」までチェックサム算出処理が終了したと判断するまで、ステップS2789及びS2790の処理を繰り返す。これにより、RWM53の使用領域(アドレス「F000(H)」~「F1FF(H)」)のチェックサムを算出する。
より具体的には、本実施形態では、ステップS2789では、チェックサム算出用のレジスタ(Dレジスタ)値から、アドレス指定用のレジスタ(Bレジスタ)値が示すデータを減算する。次のステップS2790では、演算回数用のレジスタ(Cレジスタ)値を更新(「1」減算)し、その結果が「0」であるか否かを判断する。そして、「0」であると判断したときは、RWM53の使用領域のチェックサム算出処理が終了したと判断して、ステップS2791に進む。これに対し、「0」でないと判断したときは、アドレス指定用のレジスタ(Bレジスタ)値を更新(「1」加算)し、ステップS2789に戻る。
そして、RWM53の使用領域のチェックサム算出処理が終了すると、ステップS2791に進み、メイン制御基板50は、アドレス指定用のレジスタ(Bレジスタ)に、RWM53の使用領域外の先頭アドレス(「F210(H)」)をセットし、次のステップS2792では、演算回数用のレジスタ(Cレジスタ)に、RWM53の使用領域外のバイト数(チェックサム算出数)をセットする。
そして、次のステップS2793に進み、メイン制御基板50は、RWM53の使用領域外のチェックサム算出処理を実行する。
本実施形態では、RWM53の使用領域外は、アドレス「F210(H)」~「F3FF(H)」に設定されており、次のステップS2794でRWM53のアドレス「F3FF(H)」までチェックサム算出処理が終了したと判断するまで、ステップS2793及びS2794の処理を繰り返す。これにより、RWM53の使用領域外(アドレス「F210(H)」~「F3FF(H)」)のチェックサムを算出する。
より具体的には、本実施形態では、ステップS2793に進んだ時点では、チェックサム算出用のレジスタ(Dレジスタ)には、RWM53の使用領域のチェックサム算出結果が記憶されている。そして、ステップS2793では、チェックサム算出用のレジスタ(Dレジスタ)値から、アドレス指定用のレジスタ(Bレジスタ)値が示すデータを減算する。次のステップS2794では、演算回数用のレジスタ(Cレジスタ)値を更新(「1」減算)し、その結果が「0」であるか否かを判断する。そして、「0」であると判断したときは、RWM53の使用領域外のチェックサム算出処理が終了したと判断して、ステップS2795に進む。これに対し、「0」でないと判断したときは、アドレス指定用のレジスタ(Bレジスタ)値を更新(「1」加算)し、ステップS2793に戻る。
このように、本実施形態では、ステップS2785~S2794の処理を実行することにより、RWMチェックサムデータ(補数データ、誤り検出用データ、又は誤り検出情報とも称する)を算出する。
このRWMチェックサムデータ(補数データ)は、上述したように、RWM53の使用領域のアドレス「F000(H)」~「F1FF(H)」のデータ、及び使用領域外のアドレス「F210(H)」~「F3FF(H)」(「F2A0(H)」を除く)のデータの加算値に加算すると「0」になる値である。
そして、RWM53の使用領域外のチェックサム算出処理が終了すると、ステップS2795に進み、メイン制御基板50は、RWM53のアドレス「F2A0(H)」に、RWMチェックサムデータ(補数データ)を記憶(保存)する。
次のステップS2796に進むと、メイン制御基板50は、ステップS2783で退避させたレジスタを復帰させ、次のステップS2797では、ステップS2781で退避させたスタックポインタを復帰させる。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
図71は、図68中、ステップS2821におけるLED表示制御(I_LED_OUT )を示すフローチャートである。
まず、ステップS2822において、出力ポート3及び4(図59)をオフにする。出力ポート3は、デジット1信号~デジット5信号に対応する出力ポートであり、出力ポート4は、セグメント1A~セグメント1P信号に対応する出力ポートである。これらの出力ポート3及び4について、「00000000(B)」を出力することで、一旦、デジット1~5の出力を行わないようにする。これにより、LEDの表示を切り替える際に、一瞬でも異なるLEDが同時に点灯して見えてしまうこと(被って表示されてしまうこと)を防止している(残像防止)。
次のステップS2823では、使用領域のLED表示カウンタ1(_CT_LED_DSP1)(図54及び図61(A))を更新する。LED表示カウンタ1の更新は、ビット「1」を右に一桁シフトする処理である。この更新後の値を、RWM53のアドレス「F051(H)」(図54)に記憶する。そして、ステップS2824に進む。
ステップS2824では、LED表示カウンタ1の値が「00000000(B)」であるか否かを判断する。そして、「00000000(B)」であると判断したときは、ステップS2825に進む。これに対し、「00000000(B)」でないと判断したときは、ステップS2825をスキップして、ステップS2826に進む。
ステップS2825では、LED表示カウンタ1の初期化を行う。ここでは、LED表示カウンタ1の値を「00010000(B)」にして、RWM53のアドレス「F051(H)」(図54)に記憶する。そして、ステップS2826に進む。
ステップS2826では、RWM53に記憶されたLED表示カウンタ1(図54のアドレス「F051(H)」)及びLED表示要求フラグ(図54のアドレス「F052(H)」)の値を取得する。ここでは、LED表示カウンタ1の値をEレジスタに記憶し、LED表示要求フラグの値をAレジスタに記憶する。
次にステップS2827に進み、今回表示するデジットのセグメント表示確認セットを行う。この処理は、Aレジスタ値(LED表示要求フラグの値)とEレジスタ値(LED表示カウンタ1の値)とをAND演算し、今回点灯するLEDのデータを作成する。
たとえば、
LED表示カウンタ値 :00001000B
LED表示要求フラグ値:00001111B
AND演算後 :00001000B
となる。
あるいは、たとえば、
LED表示カウンタ値 :10000000B
LED表示要求フラグ値:00001111B
AND演算後 :00000000B
となる。
そして、その演算結果をAレジスタに記憶する。さらに、Aレジスタに記憶した値をDレジスタに記憶する。
次にステップS2828に進み、Aレジスタ値(LED表示カウンタ1の値とLED表示要求フラグの値とをAND演算した値)が「0」であるか否かを判断する。ここで、「0」であるときは、表示要求なし(「No」)と判断し、ステップS2844に進む。これに対し、「0」でないときは、表示要求あり(「Yes」)と判断し、ステップS2829に進む。
ステップS2829では、エラー表示データを取得する。エラーが発生したときには、RWM53の所定アドレスにエラー表示データが記憶される。そして、ステップS2829では、RWM53からエラー表示データを読み取り、Bレジスタに記憶する。
次のステップS2830では、LEDセグメントテーブル2をセットする。本実施形態では、7セグメントディスプレイに英文字を表示するためのデータを記憶したLEDセグメントテーブル1と、7セグメントディスプレイに数字を表示するためのデータを記憶したLEDセグメントテーブル2とを備えており、これらはROM54の使用領域に記憶されている。なお、LEDセグメントテーブル1及び2の具体的構成については説明を省略する。そして、ステップS2830では、LEDセグメントテーブル2の先頭アドレスを読み込み、その値をHLレジスタに記憶する。
次にステップS2831に進み、RWM53から設定値表示データ(図54のアドレス「F001(H)」)を読み込み、Aレジスタに記憶する。
次にステップS2832に進み、設定値表示要求があるか否かを判断する。具体的には、Dレジスタに記憶した上記AND演算した値のD4ビット(デジット5に相当するビット)が「1」であるか(「00010000(B)」であるか)否かを判断する。そして、D4ビットが「1」であるときは、設定値表示要求あり(「Yes」)と判断し、ステップS2843に進む。これに対し、D4ビットが「0」であるときは、設定値表示要求なし(「No」)と判断し、ステップS2833に進む。
ステップS2833では、RWM53からクレジット数データ(図54のアドレス「F010(H)」)を読み込み、Aレジスタに記憶する。
次のステップS2834では、上位桁用オフセットを取得する。この処理は、Aレジスタ値(ステップS2833で取得したクレジット数データ)を「10(10進数)」で割る演算を実行し、Aレジスタに商の値を記憶し、Cレジスタに余りの値を記憶する処理である。
次のステップS2835では、クレジット数の上位桁の表示要求を有するか否かを判断する。具体的には、Dレジスタに記憶した上記AND演算した値のD0ビット(デジット1に相当するビット)が「1」であるか否かを判断する。そして、D0ビットが「1」であるときは、クレジット数上位桁の表示要求あり(「Yes」)と判断し、ステップS2843に進む。これに対し、D0ビットが「0」であるときは、クレジット数上位桁の表示要求なし(「No」)と判断し、ステップS2836に進む。
ステップS2836に進むと、クレジット数の下位桁の表示要求を有するか否かを判断する。具体的には、Dレジスタに記憶した上記AND演算した値のD1ビット(デジット2に相当するビット)が「1」であるか否かを判断する。そして、D1ビットが「1」であるときは、クレジット数下位桁の表示要求あり(「Yes」)と判断し、ステップS2842に進む。これに対し、D1ビットが「0」であるときは、クレジット数下位桁の表示要求なし(「No」)と判断し、ステップS2837に進む。
ステップS2837では、RWM53から獲得数データ(図54のアドレス「F011(H)」を読み込み、Aレジスタに記憶する。
次のステップS2838では、エラー表示時であるか否かを判断する。具体的には、Bレジスタ値が「0」であるか否かを判断し、「0」であるときは、エラー表示時でない(「No」)と判断し、ステップS2840に進む。これに対し、Bレジスタ値が「0」でないときは、エラー表示時である(「Yes」)と判断し、ステップS2839に進む。
ステップS2839では、LEDセグメントテーブル1をセットする。ステップS2839に進んだ時点では、HLレジスタには、7セグメントディスプレイに数字を表示するためのLEDセグメントテーブル2の先頭アドレスが記憶されているが、エラー表示時には、7セグメントディスプレイに、エラーの種別に応じた英文字を表示する。このため、ステップS2839では、7セグメントディスプレイに英文字を表示するためのLEDセグメントテーブル1の先頭アドレスを読み込み、その値をHLレジスタに記憶する。これにより、HLレジスタには、ステップS2830でセットしたLEDセグメントテーブル2の先頭アドレスに代えて、LEDセグメントテーブル1の先頭アドレスがセットされることとなる。
次のステップS2840では、上位桁用のオフセットを取得する。ステップS2840に進んだ時点では、Aレジスタには、ステップS2837で取得した獲得数データが記憶され、Bレジスタには、ステップS2829で取得したエラー表示データが記憶されている。そして、エラー発生時でない場合には、Aレジスタに記憶されている獲得数データを「10(10進数)」で割る演算を実行し、その商をAレジスタに記憶し、余りをCレジスタに記憶する。これに対し、エラー発生時には、Bレジスタに記憶されているエラー表示データを「10(10進数)」で割る演算を実行し、その商をAレジスタに記憶し、余りをCレジスタに記憶する。
次のステップS2841では、獲得数表示LED78の上位桁の表示要求があるか否かを判断する。具体的には、Dレジスタに記憶されている上記AND演算した値のD2ビット(デジット3に相当するビット)が「1」であるか否かを判断する。そして、D2ビットが「1」であるときは、獲得数上位桁の表示要求あり(「Yes」)と判断し、ステップS2843に進む。これに対し、D2ビットが「0」であるときは、獲得数上位桁の表示要求なし(「No」)と判断し、ステップS2842に進む。
ステップS2842では、下位桁用のオフセットを取得する。この処理は、Cレジスタに記憶されたデータをAレジスタに記憶する処理である。ステップS2842に進んだ時点では、Aレジスタには、ステップS2834又はS2840の割り算で算出された商が記憶され、Cレジスタには、ステップS2834又はS2840の割り算で算出された余りが記憶されている。そして、ステップS2842では、Cレジスタ値(割り算の余り)をAレジスタに記憶する。
次にステップS2843に進み、セグメント出力データを取得する。具体的には、HLレジスタに記憶されたデータ(ステップS2830で記憶したLEDセグメントテーブル2の先頭アドレス、又はステップS2839で記憶したLEDセグメントテーブル1の先頭アドレス)と、Aレジスタに記憶されたデータ(表示データに対応するオフセット値)とを加算し、加算後のアドレスに対応するデータをROM54のLEDセグメントテーブル1又は2から取得して、Dレジスタに記憶する。
次にステップS2844に進み、セグメントPの表示要求があるか否かを判断する。
具体的には、まず、LED表示カウンタ1(Eレジスタ値)のD3ビットが「1」(デジット4の点灯タイミング)であり、かつ有利区間表示LEDフラグ(図54のRWM53のアドレス「F062(H)」から取得)のD0ビットが「1」であるか否かを判断する。そして、LED表示カウンタ1のD3ビットが「1」であり、かつ有利区間表示LEDフラグのD0ビットが「1」であるときは、セグメントPの表示要求あり(「Yes」)と判断し、ステップS2845に進む。
一方、LED表示カウンタ1のD3ビットが「1」であり、かつ有利区間表示LEDフラグのD0ビットが「1」でないときは、セグメントPの表示要求なし(「No」)と判断し、ステップS2845をスキップして、ステップS2846に進む。
次に、LED表示カウンタ1のD3ビットが「1」でない場合には、以下の処理に進む。
LED表示カウンタ1(Eレジスタ値)と状態表示LED点灯データ(図54のRWM53のアドレス「F044(H)」から取得)とをAND演算し、AND演算結果が「0」か否かを判断する。そして、AND演算結果が「0」でないときは、セグメントPの表示要求あり(「Yes」)と判断し、ステップS2845に進む。これに対し、AND演算結果が「0」であるときは、セグメントPの表示要求なし(「No」)と判断し、ステップS2845をスキップして、ステップS2846に進む。
ステップS2845に進むと、セグメントP出力データをセットする。具体的には、ステップS2843で取得したセグメント出力データ(Dレジスタ値)と「10000000(B)」とをOR演算し、OR演算結果をDレジスタに記憶する。これにより、セグメント出力データのD7ビット(セグメントPに対応するビット)が「1」になる。
そして、次のステップS2846に進み、出力ポート3からデジット信号を出力し、かつ出力ポート4からセグメント信号を出力する。具体的には、Eレジスタに記憶されているデータ(LED表示カウンタ1)をデジット信号として出力ポート3から出力し、かつDレジスタに記憶されているデータ(セグメント出力データ)をセグメント信号として出力ポート4から出力する。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
図72は、復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)を示すフローチャートである。
上述したように、復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)は、第2プログラムによる処理であり、第2プログラムの実行中は、そもそも割込み処理(I_INTR)の実行が禁止されているため、復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)の開始後に割込み禁止の処理を設けていない。この点以外は、図72の復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)は、図64の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)と同様である。
なお、図72において、図64と同一の処理には同一ステップ番号を付している。
図73は、図68の割込み処理(I_INTR)のステップS2221における比率表示準備(S_DSP_READY )を示すフローチャートである。
比率表示準備(S_DSP_READY )は、割込み処理(I_INTR)中に実行される。そして、設定変更状態や、設定確認状態や、スタートスイッチ受付け処理(図67のステップS279)~遊技終了チェック処理(図67のステップS301)の間(遊技中)や、復帰可能エラー状態においても、割込み処理(I_INTR)を実行可能であるため、比率表示準備(S_DSP_READY )も実行可能であるので、管理情報表示LED74(役比モニタ)に各種比率情報を表示可能である。
比率表示準備(S_DSP_READY )の処理を開始すると、メイン制御基板50は、まず、ステップS2461において、スタックポインタ(SPレジスタ)を、スタックポインタ一時保存バッファ2(図56のアドレス「F2A3(H)」)に記憶する。
上述したように、比率表示準備(S_DSP_READY )は、使用領域外のプログラム(第2プログラム)による処理であるので、使用領域外のプログラム(第2プログラム)の実行中は、使用領域のプログラム(第1プログラム)で使用していたスタックポインタを退避しておき、使用領域のプログラム(第1プログラム)に戻ったときにスタックポインタを復帰させる。
次のステップS2462では、メイン制御基板50は、使用領域外のスタックポインタをセットする。この処理は、スタックポインタ(SPレジスタ)に「F400(H)」を記憶する処理である。
次のステップS2463では、メイン制御基板50は、レジスタを退避させる。この処理は、各種レジスタを、使用領域外のスタック領域に退避する処理である。
次にステップS2464に進み、メイン制御基板50は、点滅要求フラグ生成(S_LED_FLASH )を実行する。この処理は、後述する図74に示す処理であり、点滅要求フラグ(アドレス「F291(H)」)を更新する処理である。
次のステップS2465では、メイン制御基板50は、比率表示タイマ更新(S_RATE_TIME )を行う。この処理は、後述する図76に示す処理であり、点滅切替えフラグ(アドレス「F293(H)」)、表示切替え時間(アドレス「F294」)、及び点滅切替え時間(アドレス「F296(H)」)を更新する処理である。
次のステップS2466では、メイン制御基板50は、比率表示処理(S_LED_OUT )を行う。この処理は、後述する図77に示す処理であり、当該割込み処理での比率を実際に表示(点灯又は消灯)する処理である。
次にステップS2467に進み、メイン制御基板50は、レジスタを復帰させる。この処理は、ステップS2463で退避した各種レジスタを復帰させる処理である。
次のステップS2468では、メイン制御基板50は、スタックポインタを復帰させる。この処理は、ステップS2461で退避したスタックポインタ、すなわちスタックポインタ一時保存バッファ2に記憶されているデータを、スタックポインタ(SPレジスタ)に記憶する処理である。換言すると、当該処理によりスタップポインタが使用領域のアドレスを示すこととなる。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
上述したように、本実施形態では、設定変更状態、設定確認状態、スタートスイッチ受付け処理(図67のステップS279)~遊技終了チェック処理(図67のステップS301)の間(遊技中)、及び復帰可能エラー状態においても、割込み処理(I_INTR)を実行可能であるから、比率表示準備(S_DSP_READY )も実行可能である。
このため、設定変更状態、設定確認状態、スタートスイッチ受付け処理(図67のステップS279)~遊技終了チェック処理(図67のステップS301)の間(遊技中)、及び復帰可能エラー状態においても、比率表示準備処理(S_DSP_READY )により、管理情報表示LED74(役比モニタ)のデジット6~9に、情報種別及び遊技結果に関する各種比率を順次表示することが可能である。
また、本実施形態では、ドアスイッチ17のオン/オフ(フロントドア12の開閉)にかかわらず、比率表示準備(S_DSP_READY )を実行可能である。すなわち、ドアスイッチ17がオンである(フロントドア12が開放されている)ときも、ドアスイッチ17がオフである(フロントドア12が閉じられている)ときも、比率表示準備(S_DSP_READY )を実行可能である。
このため、ドアスイッチ17がオンである(フロントドア12が開放されている)ときも、ドアスイッチ17がオフである(フロントドア12が閉じられている)ときも、比率表示準備処理(S_DSP_READY )により、管理情報表示LED74(役比モニタ)のデジット6~9に、情報種別及び遊技結果に関する各種比率を順次表示することが可能である。
これに対し、復帰不可能エラーが発生し、復帰不可能エラー状態(図64の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)又は図72の復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)が実行され、遊技の進行が停止した状態)となると、割込み処理(I_INTR)が禁止されるため、比率表示準備処理(S_DSP_READY )が実行されないので、管理情報表示LED74(役比モニタ)のデジット6~9には、情報種別及び遊技結果に関する各種比率が表示されなくなる。
さらに、本実施形態では、復帰不可能エラー状態では、上述した図64の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)、又は後述する図72の復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)のステップS1494において、出力ポート0~7の出力をオフ(「00000000(B)」)にする。
これにより、復帰不可能エラー状態では、出力ポート6(デジット6~9信号の出力ポート)及び出力ポート7(デジット6~9用のセグメント信号の出力ポート)からの出力が「00000000(B)」のままとなるので、復帰不可能エラー状態が解除されて割込み処理(I_INTR)が再開されるまで、管理情報表示LED74のデジット6~9がすべて消灯したままとなる。
そして、管理情報表示LED74のデジット6~9がすべて消灯したままとなるのは、復帰不可能エラー状態に特有の態様であり、これにより、管理者(ホールの店員)に、復帰不可能エラー状態となったことを知らせることができる。
図74は、図73のステップS2464における点滅要求フラグ生成(S_LED_FLASH )を示すフローチャートである。
点滅要求フラグ生成(S_LED_FLASH )の処理を開始すると、メイン制御基板50は、まず、ステップS2481において、繰返し回数及び初期値をセットする。この処理は、Bレジスタに「6(H)」、Cレジスタに「0」を記憶する処理である。
ここで、繰返し回数「6」とは、6項目の比率セグについて点滅するか否かを判定するための値である。
次のステップS2482では、メイン制御基板50は、点滅/非該当項目判定値テーブルのアドレスをセットする。この処理は、DEレジスタに、点滅/非該当項目判定値テーブル(TBL_SEG_FLASH )の先頭アドレスを記憶する処理である。
図75は、点滅/非該当項目判定値テーブル(TBL_SEG_FLASH )を示す図である。点滅/非該当項目判定値テーブルは、6項目の比率について、それぞれ、所定値を定めている。たとえば、指示込役物比率が「70」というのは、指示込役物比率が「70」以上であるとき、その表示を点滅させることを意味している。
図75に示すように、点滅/非該当項目判定値テーブルの先頭アドレスは、「2500(H)」である。したがって、DEレジスタに、「2500(H)」を記憶する。
また、「非該当項目」とは、その項目に該当する機能(性能)を備えていないことを指す。たとえば、「RB(第1種特別役物)」を備えていない遊技機では、連続役物比率を表示しないので、連続役物比率の表示時には、比率セグに「--」を点灯表示する。
なお、第2実施形態では、6項目すべての比率を表示するが、非該当項目を有するときは、点滅/非該当項目判定値テーブルの非該当項目に対応するROM54のアドレスには、「DE(H)」を記憶する。
たとえば、「RB(第1種特別役物)」を備えていない遊技機では、アドレス「2502(H)」及び「2504(H)」に、図75中、「60(H)」に代えて、「DE(H)」を記憶する。
このように、「RB(第1種特別役物)」を備えない等、どのような遊技機であっても、点滅/非該当項目判定値テーブルの一部のデータを修正するだけで、管理情報の点灯制御を可能とする制御処理が組まれている。よって、制御プログラムを他の製品でも流用しやすくなっている。
なお、非該当項目に対応する値は、「DE(H)」に限られるものではない。
次のステップS2483では、メイン制御基板50は、比率データのRWMアドレスをセットする。この処理は、HLレジスタに、役物等状態比率データが記憶されているアドレス(図56の「F28D(H)」)を記憶する処理である。
次にステップS2484に進み、メイン制御基板50は、点滅又は非該当項目判定値を取得する。ここでは、以下の処理を実行する。
(1)DEレジスタ値が示すアドレスのデータを、Aレジスタに記憶する。
(2)Aレジスタ値を、「1」減算する。
次のステップS2485では、メイン制御基板50は、非該当項目値であるか否かを判断する。この処理は、Aレジスタ値から「DD(H)」を減算し、演算結果が「0」(ゼロフラグ=「1」)であるときは、非該当項目値であると判断する。
すなわち、非該当項目であるときは、上述したように、点滅/非該当項目判定値テーブルには「DE(H)」が記憶されているので、「DE(H)」から「1」を減算した後、さらに「DD(H)」を減算すると「0」となり、ゼロフラグ=「1」となる。
なお、非該当項目に対応する値として「DE(H)」以外の所定値を記憶したときは、たとえば「所定値-1-(所定値-1)」を演算し、演算結果が「0」(ゼロフラグ=「1」)であるときは非該当項目値であると判断する。
また、「所定値」は、指示込役物比率、役物比率(累計)、役物比率(6000回)の場合は「70(H)」を超える値であればよく、連続役物比率(累計)、連続役物比率(6000回)の場合は「60(H)」を超える値であればよく、役物等状態比率の場合は「50(H)」を超える値であればよい。
そして、非該当項目値でないと判断したときは、次のステップS2486に進み、非該当項目値であると判断したときは、ステップS2486をスキップして、ステップS2487に進む。
ステップS2486では、メイン制御基板50は、比率データを取得する。この処理は、HLレジスタ値が示すアドレスに記憶されているデータを、Aレジスタに記憶する処理である。
次のステップS2487では、メイン制御基板50は、比率データ又は非該当項目値を保存する。この処理は、Aレジスタ値を、HLレジスタ値が示すアドレスに記憶する処理である。なお、この処理には、以下の意味がある。
非該当項目を有する場合に、比率データが記憶されるRWM53の記憶領域には、上記保存処理の前にはデータが記憶されていない。
たとえば「RB(第1種特別役物)」を備えていない場合には、連続役物比率(6000回)データ(アドレス「F289(H)」)及び連続役物比率(累計)データ(アドレス「F28B(H)」)には「00(H)」が記憶されている。
詳細は後述するが、管理情報表示LED74の比率セグに比率に表示する際には、当該アドレスに記憶された情報に基づいて比率を表示する。その際、連続役物比率(6000回)データに「00(H)」が記憶されていると、連続役物比率(6000回)を表示する際には、管理情報表示LED74の比率セグには「00」と表示されてしまう。これを防止するために、ステップS2485で取得したAレジスタの値(本実施形態では「DD(H)」)を比率データとして記憶することにより、「--」が表示されるようになる。
なお、これも非該当項目を有する遊技機と非該当項目を有さない遊技機とで、共通で使用できるようプログラム処理が組まれている。
次のステップS2488では、メイン制御基板50は、点滅判定を行う。この処理は、Aレジスタ値から、DEレジスタ値が示すアドレスのデータを減算する処理である。なお、その演算をした結果、桁下がりがあったときは、キャリーフラグ=「1」となる。
なお、詳細は後述するが、キャリーフラグ=「1」となったときは、当該項目を表示するときに点滅しない態様で点灯することを意味し、キャリーフラグ=「0」となったときは、当該項目を表示するときに点滅する態様で点灯することを意味している。
次にステップS2489に進み、メイン制御基板50は、点滅要求フラグを生成する。この処理は、キャリーフラグ及びCレジスタ値を、左にローテートシフトする演算処理を行う。
具体的には、キャリーフラグの値を「CY」、Cレジスタ値を「D7,D6,D5,D4,D3,D2,D1,D0」とすると、
「CY」、Cレジスタ値「D7,D6,D5,D4,D3,D2,D1,D0」
を、
「D7」、Cレジスタ値「D6,D5,D4,D3,D2,D1,D0,CY」
とする演算を行う。
たとえば、Cレジスタ値がステップS2481で示したように初期値「00000000(B)」であり、かつ、ステップS2488でキャリーフラグ=「1」であったときは、
「1」、Cレジスタ値「00000000(B)」
を、
「0」、Cレジスタ値「00000001(B)」
とする演算を行う。
したがって、Cレジスタ値は、「00000001(B)」となる。
このCレジスタ値が最終的に点滅要求フラグとなる。
換言すると、ステップS2488の処理は、比率データと点滅/非該当項目判定値テーブルに記憶された特定値とに基づいた演算により、当該項目の比率セグを点滅するかしないかを判断する情報をレジスタ(記憶領域)に記憶する処理である。
次のステップS2490では、メイン制御基板50は、次の比率データのRWMアドレスをセットする。この処理は、HLレジスタ値を「1」減算する処理である。
たとえば1回目の点滅判定におけるHLレジスタ値は、上述したように「F28D(H)」(役物等状態比率データ)である。ここで、「1」を減算すると、HLレジスタ値は、2回目の点滅判定対象である「F28C(H)」(役物比率(累計)データ)となる。
次のステップS2491では、メイン制御基板50は、次の点滅/非該当項目判定値テーブルのアドレスをセットする。この処理は、DEレジスタ値を「1」加算する処理である。たとえば、最初にDEレジスタ値として「2500(H)」を記憶していたときは、本処理により、「2501(H)」となる。
ここで、図75に示すように、役物等状態比率、役物比率(累計)、連続役物比率(累計)、役物比率(6000回)、連続役物比率(6000回)、指示込役物比率の順で、アドレス「2500(H)」~「2505(H)」に点滅/非該当項目判定値を記憶している。
これにより、点滅/非該当項目判定値テーブルのアドレス(DEレジスタ値)の初期値を「2500(H)」とし、次の点滅/非該当項目の判定時には「1」加算するというループ処理(ステップS2484~S2492)により、目的のアドレスを指定することができるので、処理を簡素化できる。
次にステップS2492に進み、メイン制御基板50は、繰返しを終了したか否かを判断する。ここでは、以下の処理を実行する。
(1)Bレジスタ値を「1」減算する。
(2)Bレジスタ値が「0」でないとき、繰返しを終了していないと判断する。
ここで、Bレジスタ値は、最初のステップS2481で「6」がセットされるので、繰返し回数は「6」となる。繰返しを終了したと判断したときはステップS2493に進み、繰返しを終了していないと判断したときはステップS2484に戻る。
以上のようにして、6項目の点滅判定を行う。
6項目の点滅判定を終了してステップS2493に進むと、メイン制御基板50は、総遊技回数カウンタ値を取得する。ここでは、以下の処理を実行する。
(1)HLレジスタに、総遊技回数カウンタ(アドレス「F26D(H)」)の下位2バイトの値を記憶する。
(2)Aレジスタに、総遊技回数カウンタ(アドレス「F26D(H)」)の上位1バイトの値を記憶する。
なお、上述したように、総遊技回数カウンタは、3バイトで構成されており、「F26D(H)」が1桁目を記憶する記憶領域であって、その値がLレジスタに記憶される。
また、「F26E(H)」が2桁目を記憶する記憶領域であって、その値がHレジスタに記憶される。
さらにまた、「F26F(H)」が3桁目を記憶する記憶領域であって、その値がAレジスタに記憶される。
次のステップS2494では、メイン制御基板50は、総遊技回数カウンタの上位1バイトが「0」であるか否かを判断する。この処理は、ステップS2493で記憶したAレジスタ値が「0」であるか否かを判断する。「0」であると判断したときはステップS2495に進み、「0」でないと判断したときはステップS2496に進む。
ステップS2495では、メイン制御基板50は、6000ゲームを経過したか否かを判断する。この処理は、HLレジスタ値(総遊技回数カウンタの下位2バイトのデータ)から「6000(D)」を減算する。その演算をした結果、桁下がりがあったときは、キャリーフラグ=「1」となる。そして、キャリーフラグ=「1」のときは、6000ゲームを経過していないと判断し、ステップS2497に進む。
これに対し、6000ゲームを経過したと判断したときはステップS2496に進む。
ステップS2496では、メイン制御基板50は、点滅要求フラグ用データを更新する。この処理は、CレジスタのD6ビットを「1」にする処理である。ここで、Cレジスタ値は、図56のアドレス「F291(H)」の点滅要求フラグに対応する値(ただし、この時点では、ビットは反転状態にある。)となるようにする。このため、6000ゲームを経過しているときは、D6ビットを「1」にする処理を実行する。
次のステップS2497では、メイン制御基板50は、総遊技回数カウンタの上位1バイトが「2」を超える(「3」以上)か否かを判断する。ここでは、Aレジスタ値から「3」を減算する処理を行う。この減算で桁下がりがなかったときは、キャリーフラグ≠「1」となる。そして、キャリーフラグ≠「1」であるときは、総遊技回数カウンタの上位1バイトが「2」を超える(「3」以上)と判断する。
このようにするのは、175000ゲームに達しているか否かを判断するために、まずは、上位1バイトと「3」とを比較する。ここで、「175000(D)」は、16進数では、「2AB98(H)」となることから、Aレジスタ値が「2」を超える(Aレジスタ値が「3」以上)ということは、必然的に、総遊技回数カウンタの値が「175000(D)」を超えていることが分かる。
ステップS2497で、キャリーフラグ≠「1」であるときは、総遊技回数カウンタの上位1バイトが「2」を超えると判断してステップS2500に進み、キャリーフラグ=「1」であるときは、総遊技回数カウンタの上位1バイトが「2」を超えないと判断してステップS2498に進む。
ステップS2498では、メイン制御基板50は、総遊技回数カウンタの上位1バイトの値が「2」であるか否かを判断する。この処理は、Aレジスタ値から「2」を減算し、「0」でないと判断したときは、総遊技回数カウンタの上位1バイトの値が「2」でないと判断する。総遊技回数カウンタの上位1バイトの値が「2」でないと判断されたときはステップS2501に進み、総遊技回数カウンタの上位1バイトの値が「2」であると判断されたときはステップS2499に進む。
ステップS2499では、メイン制御基板50は、175000ゲームを経過したか否かを判断する。具体的には、HLレジスタ値から「AB98(H)」を減算し、その演算をした結果、桁下がりがあったときはキャリーフラグ=「1」となる。そして、キャリーフラグ=「1」のときは、175000ゲームを経過していないと判断する。
ステップS2499で175000ゲームを経過したと判断したときはステップS2500に進み、175000ゲームを経過していないと判断したときはステップS2501に進む。
ステップS2500では、メイン制御基板50は、点滅要求フラグ用データを更新する。この処理は、CレジスタのD7ビットを「1」にする。CレジスタのD7ビットは、図56のアドレス「F291(H)」の点滅要求フラグのD7ビット(175000ゲーム点滅フラグ)に対応する。そして、ステップS2501に進む。
ステップS2501では、メイン制御基板50は、点滅要求フラグを生成する。ここでは、以下の処理を実行する。
(1)Aレジスタに、「01111111(B)」を記憶する。
(2)Aレジスタ値と、Cレジスタ値との排他的論理和演算(XOR)を行い、演算結果をAレジスタに記憶する。
ステップS2501の処理の実行前は、上述したように、Cレジスタに記憶されているデータのうち、点滅する項目(ビット)に「0」が記憶されている。たとえば、175000ゲームを経過したときは、上述したようにD7ビットが「1」となっているので、換言すれば、175000ゲームを経過していないときは「0」となっている。
そこで、Cレジスタ値のビットを反転させることにより、点滅する項目(ビット)が「1」となるように点滅要求フラグを生成する。
次のステップS2502では、メイン制御基板50は、ステップS2501で生成した点滅要求フラグを保存する。ここでは、以下の処理を実行する。
(1)HLレジスタに、点滅要求フラグのアドレス(図56の「F291(H)」)を記憶する。
(2)Aレジスタ値を、HLレジスタ値が示すアドレス(図56の「F291(H)」)に記憶する。
これにより、点滅する項目は「1」、点滅させない項目は「0」となる。このように、各ビットに対応する情報は、「1」又は「0」で表され、点滅させるか否かを含む8つの項目に関する点滅要求フラグが、図56のアドレス「F291(H)」に記憶される。
図76は、図73中、ステップS2465における比率表示タイマ更新(S_RATE_TIME )を示すフローチャートである。
比率表示タイマ更新(S_RATE_TIME )の処理を開始すると、メイン制御基板50は、まず、ステップS2511において、表示切替え時間を更新する。ここでは、以下の処理を実行する。
(1)HLレジスタに、表示切替え時間を記憶しているアドレス(図56の「F294(H)」)を記憶する。
(2)HLレジスタ値が示すアドレスに記憶されているデータを「1」減算し、減算した結果を当該アドレスに記憶する。
この処理は、表示切替え時間として10進数で表記したとき、「0」~「2144(D)」の間を循環する循環減算処理を実行するものである。
このため、表示切替え時間が「0」のときに当該処理を行うと、「2144(D)」(860(H))が表示切替え時間として記憶される。
また、「0」のときに当該処理を行い、「2144(D)」(860(H))が表示切替え時間として記憶されるとき、キャリーフラグ=「1」となる。
なお、2.235msごとに割込み処理が実行されるため、約4792msごとに「0」から「2144(D)」となり、キャリーフラグ=「1」となる。
これにより、約5秒ごとに、比率表示内容の切替えが行われる。
次のステップS2512では、メイン制御基板50は、表示切替え時間が経過したか否かを判断する。この判断は、ステップS2511の処理において、キャリーフラグ=「1」となったか否かを判断するものであり、キャリーフラグ=「1」であるときは、表示切替え時間が経過したと判断する。
そして、表示切替え時間を経過したと判断したときはステップS2513に進み、表示切替え時間を経過していないと判断したときはステップS2518に進む。
ステップS2513では、メイン制御基板50は、点滅切替え時間を保存する。この処理は、HLレジスタ値に「2」を加算したデータ(すなわち「F296(H)」)が示すアドレス(点滅切替え時間)に、「134(D)(86(H))」を記憶する。
つまり、表示切替え時間が経過したと判断したときに、点滅切替え時間が保存されることになる。点滅切替え時間として、「2.235×134=299.49(ms)」の時間が記憶されることになる。
次にステップS2514に進み、メイン制御基板50は、点滅切替えフラグをオフにする。ここでは、以下の処理を実行する。
(1)HLレジスタに、点滅切替えフラグのアドレス(図56の「F293(H)」)を記憶する。
(2)HLレジスタ値が示すアドレスに「0」を記憶する。
なお、上述したように、点滅切替えフラグに記憶されているデータが「0」のときは点灯、「1」のときは消灯を指す。
すなわち、表示切替え時間が経過したタイミングで、点滅切替えフラグが「0」(点灯)となる。
次にステップS2515に進み、メイン制御基板50は、比率表示番号を更新する。ここでは、以下の処理を実行する。
(1)HLレジスタ値を「1」減算する。
換言すると、HLレジスタに、比率表示番号に対応するRWM53のアドレス(図56の「F292(H)」)を記憶する。
(2)HLレジスタ値が示すアドレスに記憶されているデータに「1」を加算する。
この処理は、比率表示番号について、「0」~「5」の間を循環する循環加算処理を実行している。このため、比率表示番号が「5」のときに当該処理を行うと「0」が比率表示番号として記憶される。また、比率表示番号が「5」未満のときに当該処理を行うと、キャリーフラグ=「1」となる。
次のステップS2516では、メイン制御基板50は、更新後の比率表示番号が「0」であるか否かを判断する。ここでは、キャリーフラグ=「1」のときに、比率表示番号が「0」でないと判断する。換言すると、比率表示番号が「5」のときに、ステップS2515の処理を実行すると、キャリーフラグ≠「1」(=「0」)となり、このとき、比率表示番号が「0」であると判断する。
そして、ステップS2516において、更新後の比率表示番号が「0」であると判断したときはステップS2517に進み、「0」でないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS2517では、メイン制御基板50は、比率表示番号を補正する。この処理は、HLレジスタ値が示すアドレス(図56の「F292(H)」)に記憶されたデータに「1」を加算する処理である。この処理により、比率表示番号に「0」が記憶されているときは、「1」に更新される。これにより、比率表示番号は、「1」~「6」を循環するものとなる。そして、本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS2512において表示切替え時間が経過していないと判断され、ステップS2518に進むと、メイン制御基板50は、点滅切替え時間を更新する。ここでは、以下の処理を実行する。
(1)HLレジスタに、点滅切替え時間のアドレス(図56の「F296(H)」)を記憶する。
(2)HLレジスタ値が示すアドレスに記憶されているデータから「1」を減算し、減算した結果を当該アドレスに記憶する。
この処理は、点滅切替え時間として10進数で表記したとき、「0」~「134(D)」の間を循環する循環減算処理を実行している。
このため、点滅切替え時間が「0」のときに当該処理を行うと、「134(D)」(86(H))が点滅切替え時間として記憶される。
また、「0」のときに当該処理を行い、「134(D)」(86(H))が点滅切替え時間として記憶されるとき、キャリーフラグ=「1」となる。
次にステップS2519に進み、メイン制御基板50は、点滅切替え時間が経過したか否かを判断する。この判断は、キャリーフラグが「1」であるか否かを判断し、キャリーフラグ≠「1」であるときは、点滅切替え時間を経過していないと判断する。点滅切替え時間を経過したと判断したときはステップS2520に進み、点滅切替え時間を経過していないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS2520では、メイン制御基板50は、点滅切替えフラグを更新する。ここでは、以下の処理を実行する。
(1)HLレジスタに、点滅切替えフラグのアドレス(図56の「F293(H)」)を記憶する。
(2)HLレジスタ値が示すアドレス記憶されているデータに「1」を加算し、加算した結果を当該アドレスに記憶する。
この処理は、点滅切替えフラグについて、「0」~「1」の間を循環する循環加算処理を実行している。このため、点滅切替えフラグが「1」のときにこの処理を行うと、「0」が点滅切替えフラグとして記憶される。
そして、本フローチャートによる処理を終了する。
図77は、図73中、ステップS2466における比率表示処理(S_LED_OUT )を示すフローチャートである。
比率表示処理(S_LED_OUT )の処理を開始すると、メイン制御基板50は、まず、ステップS1471において、LED表示カウンタ2(_SC_LED_DSP2)(図56のアドレス「F297(H)」)の値を取得する。この処理は、LED表示カウンタ2(_SC_LED_DSP2)の値を取得し、Dレジスタに記憶する処理である。
次のステップS1472では、メイン制御基板50は、比率表示要求があるか否かを判断する。ここでは、デジット6~9のいずれかの表示要求があるか否かを判断する。具体的には、Dレジスタに記憶したLED表示カウンタ2の値と「00001111(B)」とをAND演算する。そして、そのAND演算結果が「0」であるときは、比率表示要求なしと判断し、本フローチャートによる処理を終了する。これに対し、AND演算結果が「0」でないときは、比率表示要求ありと判断し、ステップS1475に進む。
なお、第2実施形態では、LED表示カウンタ2の値と「00001111(B)」とのAND演算の結果が「0」になることはないので、ステップS1472で「No」となることはない。
次のステップS1475では、比率表示番号(図56のアドレス「F292(H)」)を取得する。この処理は、比率表示番号を取得してAレジスタに記憶し、さらにAレジスタ値をEレジスタに記憶する処理を実行する。
ここで、比率表示番号に基づいて、後述する点滅ビット検査回数が決定される。たとえば、例を挙げると、以下の通りである。
例1)
比率表示番号が「1」:指示込役物比率の点滅ビット検査回数を取得する。
例2)
比率表示番号が「2」:連続役物比率(6000回)の点滅ビット検査回数を取得する。
例3)
比率表示番号が「5」:役物比率(総累計)の点滅ビット検査回数を取得する。
例4)
比率表示番号が「6」:役物等状態比率の点滅ビット検査回数を取得する。
また、Aレジスタ値をEレジスタに記憶する処理を実行することにより、Aレジスタ値とEレジスタ値とは同値となる。
次のステップS2531では、点滅ビット検査回数テーブルのアドレスをセットする。この処理は、HLレジスタに、点滅ビット検査回数テーブル(TBL_FLASH_CHK )の先頭アドレスから「1」を減算したアドレスを記憶する。
図78は、点滅ビット検査回数テーブル(TBL_FLASH_CHK )を示す図である。
図78に示すように、各比率ごとに、それぞれ所定値(たとえば指示込役物比率に対応する値は「8(H)」)が記憶されている。
そして、その先頭アドレスは、「2510(H)」である。よって、HLレジスタには、「250F(H)」が記憶される。
なお、「点滅ビット検査回数」とは、アドレス「F292(H)」の点滅要求フラグにおいて、D0ビット目から何ビット先に進むと、検査対象となるビットに到達するかを示す値である。
たとえば、図78において、指示込役物比率、連続役物比率(累計)、役物比率(累計)、役物等状態比率には、「8(H)」が記憶されているが、これは、点滅要求フラグにおいて、D0ビット目から数えて8個目のD7ビットの値が「1」であるか否かを判断するための値である。D7ビット目は、総遊技回数が175000回に到達していないときに「1」となるフラグであり、このD7ビット目が「1」であるときは、指示込役物比率、連続役物比率(累計)、役物比率(累計)、及び役物等状態比率の識別セグが点滅対象となる。
また、図78において、連続役物比率(6000回)、役物比率(6000回)には、「7(H)」が記憶されているが、これは、点滅要求フラグにおいて、D0ビット目から数えて7個目のD6ビットの値が「1」であるか否かを判断するための値である。D6ビット目は、総遊技回数が6000回に到達していないときに「1」となるフラグであり、このD6ビット目が「1」であるときは、連続役物比率(6000回)、及び役物比率(6000回)の識別セグが点滅対象となる。
次のステップS2532では、メイン制御基板50は、識別セグ点滅ビット検査回数をセットする。ここでは、以下の処理を実行する。
(1)HLレジスタ値にAレジスタ値を加算したデータを、HLレジスタに記憶する。
(2)HLレジスタ値が示すアドレスに記憶されたデータを、Bレジスタに記憶する。
たとえば、Aレジスタ値(ステップS1475で記憶している比率表示番号)が「3」であるときは、
250F(H)+3(H)=2512(H)(=HLレジスタ値)
7(H)(=Bレジスタ値)
となる。
換言すると、「250F(H)」が基準アドレスとなり、比率表示番号(アドレス「F292(H)」)に記憶されたデータをオフセット値として、点滅ビット検査テーブルのアドレスを算出し、当該アドレスに記憶されているデータを取得することが可能となる。
上記例では、アドレス「2512(H)」に記憶されている役物比率(6000回)のときの識別セグを点滅させるか否かを判断するための情報である「7(H)」が取得される。
次にステップS1476に進み、メイン制御基板50は、識別セグオフセットテーブルをセットする。この処理は、HLレジスタに、識別セグオフセットテーブル(TBL_SEGID_DATA)の先頭アドレスを記憶する処理である。当該先頭アドレスは、「2520(H)」であり、このアドレスから「1」を減算した値である「251F(H)」をHLレジスタに記憶する。
次のステップS1477では、メイン制御基板50は、識別セグオフセット値を取得する。この処理は、ステップS1475でAレジスタに記憶した比率表示番号をオフセット値として、識別セグオフセットテーブルから読み取る処理である。
具体的には、以下の処理を実行する。
(1)HLレジスタ値にAレジスタ値を加算したデータを、HLレジスタに記憶する。
(2)HLレジスタ値が示すアドレスに記憶されたデータをAレジスタに記憶する。
これにより、たとえば、比率表示番号が「1」であるときは、「251F(H)」に「1(H)」を加算した「2520(H)」がHLレジスタに記憶され、当該アドレスに記憶されたデータである「7A(H)」がAレジスタに記憶される。また、比率表示番号が「2」であるときは、「251F(H)」に「2(H)」を加算した「2521(H)」がHLレジスタに記憶され、当該アドレスに記憶されたデータである「6B(H)」がAレジスタに記憶される。
次のステップS1478では、メイン制御基板50は、比率(1000桁)の表示要求(デジット6の表示要求)があるか否かを判断する。ここでは、Dレジスタに記憶された値(LED表示カウンタ2の値)のD0ビットが「1」であるか否かを判断し、「1」であるときは表示要求ありと判断する。比率(1000桁)の表示要求ありのときはステップS1482に進み、表示要求なしのときはステップS1479に進む。
ステップS1479では、メイン制御基板50は、比率(100桁)の表示要求(デジット7の表示要求)があるか否かを判断する。ここでは、Dレジスタに記憶された値(LED表示カウンタ2の値)のD1ビットが「1」であるか否かを判断し、「1」であるときは表示要求ありと判断する。比率(100桁)の表示要求ありのときはステップS1483に進み、表示要求なしのときはステップS2533に進む。
ステップS2533では、メイン制御基板50は、比率セグ点滅ビット検査回数をセットする。ここでは、以下の処理を実行する。
(1)Eレジスタ値をAレジスタに記憶する。
(2)Aレジスタ値をBレジスタに記憶する。
ここで、Eレジスタには、ステップS1475で取得した比率表示番号が記憶されている。よって、Eレジスタ、Aレジスタ、及びBレジスタには、同一の値が記憶される。
次にステップS1480に進む。なお、ステップS1480に進んだときは、比率(1000桁)及び比率(100桁)の表示要求がないとき、すなわち識別セグの表示要求がないとき(比率セグを表示するとき)である。したがって、ステップS1480では、比率データを取得する。
このステップS1480では、メイン制御基板50は、Eレジスタに記憶された比率表示番号に対応する数値を取得する。たとえばEレジスタ値が比率表示番号「1」に対応する「00000001(B)」であるときは、指示込役物比率データを取得する。
具体的な比率データの取得は、以下の通りである。
(1)HLレジスタに、指示込役物比率データが記憶されているRWM53のアドレス(図56の「F288(H)」)から「1」を減算した値(「F287(H)」)を記憶する。
(2)HLレジスタ値にAレジスタ値を加算したデータを、HLレジスタに記憶する。
(3)HLレジスタ値が示すアドレスに記憶されたデータを、Aレジスタに記憶する。
つまり、「F287(H)」を基準アドレスとし、比率表示番号をオフセット値として比率データが記憶されているRWMアドレスを算出(指定)し、当該RWMアドレスに記憶されたデータをレジスタ(記憶領域)に取得(記憶)することができる。
この処理により、Aレジスタには、指示込役物比率データ、連続役物比率データ(6000回)、役物比率データ(6000回)、連続役物比率データ(累計)、役物比率データ(累計)、役物等状態比率のいずれかの比率を表示するためのオフセット値が記憶される。なお、このオフセット値(Aレジスタ値)は、ステップS1484で比率表示セグメントデータを取得するときに使用する。
次に、ステップS1481に進み、メイン制御基板50は、比率(1桁)の表示要求(デジット9の表示要求)があるか否かを判断する。この処理は、Dレジスタに記憶した値(LED表示カウンタ2の値)のD3ビットが「1」であるか否かを判断する処理である。比率(1桁)の表示要求ありのときはステップS1483に進み、表示要求なしのときはステップS1482に進む。
なお、ステップS1481において比率(1桁)表示要求なしとなったときは、比率(10桁)の表示要求があるときである。
以上の処理により、比率(1000桁)又は比率(10桁)の表示要求があるときはステップS1482に進み、比率(100桁)又は比率(1桁)の表示要求があるときはステップS1483に進む。
ステップS1482では、メイン制御基板50は、上位桁用オフセットをセットする。ステップS1482に進んだときは、識別セグ又は比率セグの上位桁を点灯させるためである。この時点では、Aレジスタには、識別セグオフセット値(ステップS1477)又は比率データ(ステップS1480)が記憶されている。そして、ここでは、以下の処理を実行する。
(1)Aレジスタに記憶されている下位4ビットと上位4ビットとを入れ替える。
たとえば、入替え前のデータが「0011/1001(B)」(「/」は、上位4ビットと下位4ビットとの境を示す))であるときは、下位4ビットと上位4ビットとを入れ替えると、「1001/0011(B)」となる。
(2)Aレジスタ値と「00001111(B)」とをAND演算し、演算結果をAレジスタに記憶する。この処理は、Aレジスタの下位4ビットをオフセット値として使用するため、上位4ビットをマスクする(「0」にする)処理である。
識別セグオフセット値の1バイトデータ、及び比率を表示するためのオフセット値の1バイトデータのうち、上位4ビットが上位桁のオフセット値に対応し、下位4ビットが下位桁のオフセット値に対応している。そこで、上記処理を行うことにより、上位桁のセグメントデータを取得するためのオフセット値を生成する。
次のステップS1483では、メイン制御基板50は、比率表示セグメントデータテーブルをセットする。この処理は、比率表示セグメントデータテーブルの先頭アドレスをHLレジスタに記憶する処理である。当該先頭アドレスは「2530(H)」であり、HLレジスタに「2530(H)」を記憶する。なお、比率表示セグメントデータテーブルの具体的構成については説明を省略する。
次にステップS1484に進み、メイン制御基板50は、セグメント出力データを取得する。この処理は、HLレジスタ値(比率表示セグメントデータテーブルの先頭アドレス)に、Aレジスタ値(オフセット値)を加算し、加算後の比率表示セグメントデータテーブルのアドレスに対応するデータをEレジスタに記憶する処理である。
具体的には、たとえば、
HLレジスタ値=2530(H)(加算前;比率表示セグメントデータテーブルの先頭アドレス値)
Aレジスタ値=5(H)
であるときは、
HLレジスタ値=2535(H)(加算後)
Eレジスタ値=01101101(B)(「5」表示データ)
となる。
次にステップS1485に進み、メイン制御基板50は、セグメントPの表示があるか否かを判断する。本実施形態では、デジット6~9を表示する際、デジット7のセグメントP(ドット)を常に表示するので、比率(100桁)の表示要求ありのときは、セグメントPの表示があると判断する。一方、比率(1桁)、比率(10桁)、及び比率(1000桁)の表示要求ありのときは、セグメントPの表示要求なしと判断する。
ここでは、たとえばDレジスタに記憶された値のD1ビットが「1」であるか否かを判断し、「1」であるときはセグメントPの表示要求があると判断し、「1」でないときはセグメントPの表示要求がないと判断する。具体的は、以下の処理を実行する。
(1)Aレジスタに「00000010(B)」を記憶する。
(2)Aレジスタ値とDレジスタ値(ステップS1471で記憶したLED表示カウンタ2の値)とをAND演算し、演算結果が「0」でないとき、セグメントPの表示要求があると判断する。
セグメントPの表示要求ありと判断したときはステップS1486に進み、表示要求なしと判断したときはステップS2534に進む。
ステップS1486では、メイン制御基板50は、セグメントPに対応する出力データをセットする。セグメントPは、8ビットデータのうち、D7ビットに対応するので、ステップS1484で取得したセグメントデータ(Eレジスタ値)と、「10000000(B)」とをOR演算し、その演算結果をEレジスタに記憶する。
次のステップS2534では、メイン制御基板50は、点滅要求フラグを取得する。この処理は、点滅要求フラグ(図56のアドレス「F291(H)」)のデータをAレジスタに記憶する処理である。
次にステップS2535に進み、メイン制御基板50は、点滅ビット検査を行う。この処理は、Aレジスタを右に「1」シフトさせ、シフトしてあふれた結果をキャリーフラグに記憶する処理である。すなわち、「1」シフト前のD0ビットの値がキャリーフラグに記憶される。よって、「1」シフト前のD0ビットの値が「0」であればキャリーフラグ=「0」、「1」シフト前のD0ビットの値が「1」であればキャリーフラグ=「1」となる。
次のステップS2536では、メイン制御基板50は、検査を終了したか否かを判断する。ここでは、以下の処理を実行する。
(1)Bレジスタ値から「1」を減算する。
(2)Bレジスタ値が「0」であると判断したときは、検査を終了したと判断する。
検査を終了したと判断したときはステップS2537に進み、検査を終了していないと判断したときはステップS2535に戻る。
以上の処理により、最初にBレジスタに記憶された回数だけ、点滅要求フラグの値を右シフトし、そのときにシフトしてあふれた結果がキャリーフラグに記憶される。
たとえば、点滅要求フラグの値が「10000000(B)」(D7ビット目の175000回点滅フラグがオン)であり、Bレジスタ値が「8(H)」であるとき、
1回目:「10000000(B)」→「01000000(B)」、キャリーフラグ=「0」
Bレジスタ値=8-1=7(H)
2回目:「01000000(B)」→「00100000(B)」、キャリーフラグ=「0」
Bレジスタ値=7-1=6(H)
3回目:「00100000(B)」→「00010000(B)」、キャリーフラグ=「0」
Bレジスタ値=6-1=5(H)
4回目:「00010000(B)」→「00001000(B)」、キャリーフラグ=「0」
Bレジスタ値=5-1=4(H)
5回目:「00001000(B)」→「00000100(B)」、キャリーフラグ=「0」
Bレジスタ値=4-1=3(H)
6回目:「00000100(B)」→「00000010(B)」、キャリーフラグ=「0」
Bレジスタ値=3-1=2(H)
7回目:「00000010(B)」→「00000001(B)」、キャリーフラグ=「0」
Bレジスタ値=2-1=1(H)
8回目:「00000001(B)」→「00000000(B)」、キャリーフラグ=「1」
Bレジスタ値=1-1=0(H)
となる。
ステップS2537では、メイン制御基板50は、点滅要求フラグがオンであるか否かを判断する。この処理は、ステップS2536で検査を終了したと判断したときのキャリーフラグが「1」であるか否かを判断し、「1」であるときは点滅要求フラグがオンであると判断する。点滅要求フラグがオンであると判断したときはステップS2538に進み、点滅要求フラグがオンでないと判断したときはステップS1487に進む。
ステップS2538では、メイン制御基板50は、点滅切換えフラグがオンであるか否かを判断する。ここでは、以下の処理を実行する。
(1)点滅切替えフラグ(図56のアドレス「F293(H)」)のデータをAレジスタに記憶する。
(2)Aレジスタ値が「0」であるとき(第2ゼロフラグ=「1」)、点滅切換えフラグがオンでないと判断する。
点滅切換えフラグがオンであると判断したときはステップS2539に進み、オンでないと判断したときはステップS1487に進む。
なお、ステップS2537及びS2538より、
a)点滅要求フラグがオフ(ステップS2537で「No」)であれば、ステップS2538に進まないので、点滅切替えフラグがオンであっても消灯にはならない。
b)点滅要求フラグがオン(ステップS2537で「Yes」)であっても、点滅切替えフラグがオフ(ステップS2538で「No」)であれば、点灯となる。
c)点滅要求フラグがオン(ステップS2537で「Yes」)であって、かつ、点滅切替えフラグがオン(ステップS2538で「Yes」)であれば、ステップS2539に進むので、消灯となる。
ステップS2539では、メイン制御基板50は、セグメントデータをクリアする。この処理は、Bレジスタ値をEレジスタに記憶する処理である。
ここで、Bレジスタ値は、ステップS2536で検査終了と判断されたときは、必ず「0」になっている。このため、本処理は、Eレジスタに「0」をセットする処理となる。すなわち、点滅要求フラグがオン(「1」)であり、かつ点滅切替えフラグがオン(「1」、すなわち消灯)であるときは、当該割込み処理では、点灯対象となる表示を消灯するので、セグメントデータ(Eレジスタ値)を「00000000(B)」にするため、ステップS2539の処理を実行する。そしてステップS1487に進む。
ステップS1487では、メイン制御基板50は、デジット信号及びセグメント信号を出力するため、出力ポート7からセグメント信号を出力し、出力ポート6からデジット信号を出力する。ここでは、以下の処理を実行する。
(1)DEレジスタ値とHLレジスタ値とを交換する。
ここで、Dレジスタには、デジット信号が記憶されている。また、Eレジスタには、セグメント信号が記憶されている。そして、
Dレジスタに記憶されているデータとHレジスタに記憶されているデータを入れ替え、
Eレジスタに記憶されているデータとLレジスタに記憶されているデータを入れ替える。
これにより、
Hレジスタには、デジット信号が記憶され、
Lレジスタには、セグメント信号が記憶される。
(2)Lレジスタ値を出力ポート7に出力し、Hレジスタ値を出力ポート6に出力する。
これにより本フローチャートによる処理を終了する。
次に、第2実施形態におけるリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153の操作時の動作について説明する。
有利区間表示LED77が点灯しており、かつメダルをベット可能な状況下で、復帰可能エラー状態(たとえば、メダルセレクタのメダル滞留エラー(「CE」エラー)等)となった場合において、リセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153が操作されて復帰可能エラー状態が解除されたとする。
この場合、上述したように、復帰可能エラー状態が解除されても、RWM53の使用領域及び使用領域外のデータは初期化されずに維持されるため、有利区間に関するデータも初期化されずに維持されるので、有利区間表示LED77も点灯した状態が維持される。
なお、復帰可能エラー状態からの復帰時に、RWM53の所定アドレスに記憶されているエラー検出フラグ等のエラーに関するデータは初期化してもよい。
これに対し、有利区間表示LED77が点灯しており、かつメダルをベット可能な状況下で、復帰可能エラー状態となった場合において、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152がオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンである(操作されている)状況下で、電源がオンにされたとする。
この場合、設定キースイッチ152がオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンである状況下で、電源がオンにされると、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2707で「No」となり、ステップS2710で「Yes」となって、ステップS2713に進み、電源断復帰正常時における設定変更開始時のRWM53の初期化範囲がセットされる。
また、メダルをベット可能な状況下であるから、設定変更不可フラグはオフであるので、ステップS2714で「Yes」となり、ステップS2731の初期化処理(M_INI_SET )に進む。そして、図65の初期化処理(M_INI_SET )のステップS2732~S2736では、RWM53の使用領域のアドレス「F001(H)」~「F1FF(H)」、及び使用領域外のアドレス「F292(H)」~「F3FF(H)」の初期化処理が実行される。このため、有利区間に関するデータが初期化されるので、有利区間表示LED77は消灯する。ただし、アドレス「F000(H)」の設定値データ(_NB_RANK)は初期化されずに維持されるので、設定値は変更されない。さらに、リセット時であるため、図65のステップS2741では「Yes」となり、ステップS2742の設定変更確認処理(M_RANK_CTL)をスキップするので、設定変更状態にも移行しない。その後、ステップS248のメイン処理(M_MAIN)(図67)に進み、メダルをベット可能な状況に戻る。
このように、有利区間表示LED77が点灯しており、かつメダルをベット可能な状況下で、復帰可能エラー状態となった場合に、リセットスイッチ153を操作して復帰可能エラー状態を解除すれば、有利区間での遊技を維持することができる。
これに対し、有利区間表示LED77が点灯しており、かつメダルをベット可能な状況下で、復帰可能エラー状態となった場合に、電源を一旦オフにし、その後、リセットスイッチ153をオンにした状態で電源をオンにすると、復帰可能エラー状態を解除することができるとともに、有利区間ではなく通常区間から遊技を再開させることができる。
これにより、有利区間での遊技を維持するか、通常区間から遊技を再開させるかを、管理者(ホールの店員)に選択させることができる。
また、たとえば、有利区間での遊技中に(有利区間での遊技の途中で)、遊技者が遊技を止めてしまったとする。このような場合、有利区間での遊技の途中から、次の遊技者に遊技を行わせると、その遊技者が有利になり過ぎてしまう。
一方、ホールの営業中に設定変更を行うことは、遊技者の射幸心を煽る可能性があるため、好ましくない。
また、ホールの営業中に、遊技機の電源をオフにして稼働を停止すると、遊技機の稼働率が低下するため、ホールの経営上好ましくない。
そこで、有利区間表示LED77が点灯しており、かつメダルをベット可能な状況下で、電源を一旦オフにし、その後、リセットスイッチ153をオンにした状態で電源をオンにする。これにより、設定変更を行うことなく、通常区間から遊技を再開させることができる。
また、メダルをベット可能な状況下で、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152がオンであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオフである(操作されていない)状況下で、電源がオンにされたとする。
この場合、設定変更状態(設定変更モード、設定変更中)に移行可能となり、その後、スタートスイッチ41が操作され、設定キースイッチ152がオフにされて、設定変更状態が終了すると、メダルをベット可能な状況に戻る。
具体的には、メダルをベット可能な状況下で、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152がオンであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオフである(操作されていない)状況下で、電源がオンにされると、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2707で「Yes」となり、ステップS2711に進む。また、電源断復帰異常時ではないので、ステップS2712で「No」となり、ステップS2713に進み、電源断復帰正常時における設定変更開始時のRWM53の初期化範囲がセットされる。さらにまた、メダルをベット可能な状況下であるから、設定変更不可フラグはオフであるので、ステップS2714で「Yes」となり、ステップS2731の初期化処理(M_INI_SET )に進む。
さらに、リセット時ではないため、図65の初期化処理(M_INI_SET )のステップS2741では「No」となり、ステップS2742の設定変更確認処理(M_RANK_CTL)に進む。そして、設定確認開始時ではないため、図66の設定変更確認処理(M_RANK_CTL)のステップS2755では「No」となり、ステップS2756で「Yes」となるまで、ステップS2752~S2758の処理を繰り返す。すなわち、設定変更状態となる。その後、スタートスイッチ41が操作されると、ステップS2756で「Yes」となり、さらに、設定キースイッチ152がオフにされると、ステップS2760で「Yes」となって、設定変更状態が終了する。そして、図65のステップS2743~S2747の処理を経て、ステップS248のメイン処理(M_MAIN)(図67)に進み、メダルをベット可能な状況に戻る。
また、上述したように、メイン処理(M_MAIN)(図67)において、リール31の回転中を含む、スタートスイッチ受付け処理(図67のステップS279)~遊技終了チェック処理(図67のステップS301)の間は、設定変更不可に設定されており、この間は、設定変更不可フラグがオンにされる。
そして、設定変更不可フラグがオンであるときに、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152はオンであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153はオフである状況下で、電源がオンにされても、図62のステップS2714で「No」となるので、ステップS2731の初期化処理(M_INI_SET )には移行せず、したがって、設定変更状態には移行しない。
これに対し、メダルをベット可能な状況下では、設定変更不可フラグはオフであるので、このような状況下で、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152はオンであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153はオフである状況下で、電源がオンにされると、図62のステップS2714で「Yes」となり、ステップS2731の初期化処理(M_INI_SET )に移行するので、設定変更状態に移行可能となる。
また、上述したように、電源断復帰正常時に、設定変更状態に移行させるための操作を行うと、図62のステップS2713に進み、RWM53の初期化範囲として、使用領域のアドレス「F001(H)」~「F1FF(H)」、及び使用領域外のアドレス「F292(H)」~「F3FF(H)」がセットされる。さらに、RWM53の使用領域の初期化範囲には、アドレス「F010(H)」のクレジット数データ(_NB_CREDIT)、及びアドレス「F043(H)」のベット数データ(_NB_PLAY_MEDAL)が含まれる。
このため、メダルをベット可能であり、ベット数が「1」~「3」のいずれかであり、かつクレジット数が「1」~「50」のいずれかである状況下において、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152がオンであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオフである状況下で、電源がオンにされて、設定変更状態に移行した場合には、設定変更状態が終了してメダルをベット可能な状況になったときに、ベット数は「0」となり、かつクレジット数も「0」となる。
また、メダルをベット可能であり、ベット数が「1」~「3」のいずれかであり、かつクレジット数が「0」である状況下において、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152がオンであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオフである状況下で、電源がオンにされて、設定変更状態に移行した場合には、設定変更状態が終了してメダルをベット可能な状況になったときに、ベット数は「0」となり、かつクレジット数も「0」となる。
さらにまた、メダルをベット可能であり、ベット数が「0」であり、かつクレジット数が「1」~「50」のいずれかである状況下において、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152がオンであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオフである状況下で、電源がオンにされて、設定変更状態に移行した場合には、設定変更状態が終了してメダルをベット可能な状況になったときに、ベット数は「0」となり、かつクレジット数も「0」となる。
さらに、メダルをベット可能であり、ベット数が「0」であり、かつクレジット数が「0」である状況下において、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152がオンであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオフである状況下で、電源がオンにされて、設定変更状態に移行した場合には、設定変更状態が終了してメダルをベット可能な状況になったときに、ベット数は「0」となり、かつクレジット数も「0」となる。
また、メダルをベット可能な状況下で、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152はオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンである(操作されている)状況下で、電源がオンにされたとする。この場合、RWM53の所定の記憶領域の初期化処理を実行可能となり、初期化処理を実行した後は、設定変更状態には移行せずに、メダルをベット可能な状況となる。
具体的には、メダルをベット可能な状況下で、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152はオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンである状況下で、電源がオンにされると、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2707では「No」となり、ステップS2710では「Yes」となって、ステップS2713に進み、電源断復帰正常時における設定変更開始時のRWM53の初期化範囲がセットされる。また、メダルをベット可能な状況下であるから、設定変更不可フラグはオフであるので、ステップS2714で「Yes」となり、ステップS2731の初期化処理(M_INI_SET )に進む。
そして、図65の初期化処理(M_INI_SET )のステップS2732~S2736では、RWM53の使用領域のアドレス「F001(H)」~「F1FF(H)」、及び使用領域外のアドレス「F292(H)」~「F3FF(H)」の初期化処理が実行される。
また、リセット時であるから、図65の初期化処理(M_INI_SET )のステップS2741では「Yes」となり、ステップS2742の設定変更確認処理(M_RANK_CTL)をスキップして、ステップS2743に進む。このため、設定変更状態には移行しない。その後、ステップS2744~S2747の処理を経て、ステップS248のメイン処理(M_MAIN)(図67)に進み、メダルをベット可能な状況に戻る。
また、設定変更不可フラグがオンのときに電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152はオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153はオンである状況下で、電源がオンにされると、図62のステップS2714で「No」となるので、ステップS2731の初期化処理(M_INI_SET )には移行せず、したがって、RWM53の初期化処理は実行されない。
これに対し、メダルをベット可能な状況下では、設定変更不可フラグはオフであり、このような状況下で、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152はオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153はオンである状況下で、電源がオンにされると、図62のステップS2714で「Yes」となり、ステップS2731の初期化処理(M_INI_SET )に移行するので、RWM53の初期化処理が実行される。
また、メダルをベット可能な状況下で、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152はオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンである状況下で、電源がオンにされると、図62のステップS2713において、RWM53の初期化範囲として、使用領域のアドレス「F001(H)」~「F1FF(H)」、及び使用領域外のアドレス「F292(H)」~「F3FF(H)」がセットされる。この初期化範囲は、電源断復帰正常時において設定変更状態に移行させるための操作を行ったときに設定される初期化範囲と同一である。
すなわち、電源断復帰正常時である(電源断復帰異常時でない)ことを条件として、設定キースイッチ152はオンであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオフである状況下で、電源がオンにされたときと、設定キースイッチ152はオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンである状況下で、電源がオンにされたときとで、同一の範囲で、RWM53の初期化処理が実行される。
このように、本実施形態では、設定キースイッチ152を操作しなくても、したがって、設定キーを所持していなくても、設定変更状態に移行させるための操作を行ったときと同一の範囲で、RWM53の初期化処理を実行することができる。
また、本実施形態では、設定変更状態に移行させることなく、設定変更状態に移行するときと同一の範囲で、RWM53の初期化処理を実行することができる。
このため、メダルをベット可能であり、ベット数が「1」~「3」のいずれかであり、かつクレジット数が「1」~「50」のいずれかである状況下において、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152がオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンである状況下で、電源がオンにされた場合には、RWM53の初期化処理が実行され、その後、メダルをベット可能な状況になったときに、ベット数は「0」となり、かつクレジット数も「0」となる。
また、メダルをベット可能であり、ベット数が「1」~「3」のいずれかであり、かつクレジット数が「0」である状況下において、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152がオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンである状況下で、電源がオンにされた場合にも、RWM53の初期化処理が実行され、その後、メダルをベット可能な状況になったときに、ベット数は「0」となり、かつクレジット数も「0」となる。
さらにまた、メダルをベット可能であり、ベット数が「0」であり、かつクレジット数が「1」~「50」のいずれかである状況下において、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152がオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンである状況下で、電源がオンにされた場合にも、RWM53の初期化処理が実行され、その後、メダルをベット可能な状況になったときに、ベット数は「0」となり、かつクレジット数も「0」となる。
さらに、メダルをベット可能であり、ベット数が「0」であり、かつクレジット数が「0」である状況下において、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152がオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンである状況下で、電源がオンにされた場合にも、RWM53の初期化処理が実行され、その後、メダルをベット可能な状況になったときに、ベット数は「0」となり、かつクレジット数も「0」となる。
また、メダルをベット可能な状況下で、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152がオンであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンである状況下で、電源がオンにされたとする。すなわち、設定キースイッチ152及びリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153の双方ともオンの状況下で電源がオンにされたとする。この場合、設定変更状態に移行可能となり、その後、スタートスイッチ41が操作され、設定キースイッチ152がオフにされて、設定変更状態が終了すると、メダルをベット可能な状況に戻る。
図62に示すように、プログラム開始処理(M_PRG_START )では、ステップS2707で設定キースイッチ信号がオンか否かを判断し、その後、ステップS2710でリセットスイッチ信号がオンか否かを判断する。すなわち、先に、設定キースイッチ信号がオンか否かを判断し、その後で、リセットスイッチ信号がオンか否かを判断する。
このため、設定キースイッチ152及びリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153の双方ともオンの状況下で電源がオンにされたときは、ステップS2707で「Yes」となり、ステップS2710には進まない。すなわち、設定キースイッチ152及びリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153が双方ともオンの状況下で電源がオンにされたときは、設定キースイッチ152が優先される。そして、図65の初期化処理(M_INI_SET )に進んだときに、ステップS2741で「No」となり、ステップS2742の設定変更確認処理(M_RANK_CTL)に進むので、設定変更状態に移行可能となる。
また、設定変更状態に移行したときに、設定値表示LED73に最初に設定値「M」(たとえば「2」)が表示されたとする。このとき、RWM53のアドレス「F000(H)」の設定値データ(_NB_RANK)の値は「M-1」であり、「F001(H)」の設定値表示データ(_NB_RANK_DSP)の値は「M」である。
その後、設定変更スイッチ153が操作されて、設定値表示LED73に設定値「N」(たとえば「3」)が表示されたとする。このとき、RWM53のアドレス「F000(H)」の設定値データ(_NB_RANK)の値は「M-1」のままであり、「F001(H)」の設定値表示データ(_NB_RANK_DSP)の値は「N」となる。
さらに、設定値表示LED73に設定値「N」が表示されている状況下で、スタートスイッチ41が操作されることなく、電源がオフにされたとする。この場合、スタートスイッチ41が操作されていないため、変更後の設定値データがRWM53のアドレス「F000(H)」に保存(記憶)されていないので、「F000(H)」の値は「M-1」のまま維持される。また、スタートスイッチ41が操作されておらず、設定キースイッチ152もオフにされていないので、設定変更状態が終了することなく(設定変更状態に滞在したまま)、電源がオフになる。
その後、設定キースイッチ152がオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオフである状況下で、電源がオンにされたとする。この場合、電源をオン/オフしただけであり、RWM53の使用領域及び使用領域外のデータは初期化されずに維持されるため、電源断が発生したときと同じ状態に復帰するので、設定変更状態に復帰する。また、RWM53のアドレス「F000(H)」の設定値データ(_NB_RANK)には「M-1」が記憶され、「F001(H)」の設定値表示データ(_NB_RANK_DSP)には「N」が記憶されているので、設定変更状態に復帰したときには、設定値表示LED73には設定値「N」が表示される。
これに対し、設定変更状態に移行したときに、設定値表示LED73に最初に設定値「M」(たとえば「2」)が表示されたとする。その後、設定変更スイッチ153が操作されて、設定値表示LED73に設定値「N」(たとえば「3」)が表示されたとする。さらに、設定値表示LED73に設定値「N」が表示されている状況下で、スタートスイッチ41が操作されることなく、電源がオフにされたとする。ここまでは、上記の場合と同じである。そして、今度は、設定キースイッチ152がオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンの状況下で、電源がオンにされたとする。
この場合、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2707では「No」となり、ステップS2710では「Yes」となるので、ステップS2731に進み、電源断復帰正常時における設定変更開始時のRWM53の初期化範囲がセットされる。そして、図65の初期化処理(M_INI_SET )のステップS2732~S2736において、RWM53の使用領域のアドレス「F001(H)」~「F1FF(H)」、及び使用領域外のアドレス「F292(H)」~「F3FF(H)」の初期化処理が実行される。このため、RWM53のアドレス「F000(H)」の設定値データ(_NB_RANK)の値は「M-1」のまま維持される。
また、リセット時であるから、図65の初期化処理(M_INI_SET )のステップS2741では「Yes」となり、ステップS2742の設定変更確認処理(M_RANK_CTL)をスキップして、ステップS2743に進む。このため、設定変更状態には移行しない。その後、ステップS2744~S2747の処理を経て、ステップS248のメイン処理(M_MAIN)(図67)に進み、メダルをベット可能な状況となる。このとき、RWM53のアドレス「F000(H)」の設定値データ(_NB_RANK)の値は「M-1」のまま維持されるから、設定値は「M」となる。
また、復帰不可能エラー状態において電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152がオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンである状況下で電源がオンにされたとする。
この場合、復帰不可能エラー状態では、割込み処理(I_INTR)が実行されず、したがって、電源断処理(I_POWER_DOWN)も実行されないので、電源断時に、電源断処理済みフラグがセットされず、RWMチェックサムデータも保存されない。
また、設定キースイッチ152がオフの状態で電源がオンにされているので、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2707では「No」となり、ステップS2708に進む。さらに、電源断処理済みフラグがセットされず、RWMチェックサムデータも保存されていないので、ステップS2708では「Yes」となり、ステップS2801の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)に進む。
すなわち、復帰不可能エラー状態において電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152がオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンである状況下で電源がオンにされると、再度、復帰不可能エラー状態となる。
なお、リセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンである状況下で電源がオンにされているものの、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )ではステップS2710には進まないので、電源断復帰処理(M_POWER_ON)が実行されることはなく、初期化処理(M_INI_SET )が実行されることもない。
また、第2プログラムによる処理の実行中は、割込み処理(I_INTR)が実行されず、電源断処理(I_POWER_DOWN)も実行されないので、第2プログラムによる処理の実行中に電源がオフになると、その後、電源がオンにされたときに、電源断処理済みフラグがセットされておらず、RWMチェックサムデータも保存されていないので、ステップS2708では「Yes」となり、ステップS2801の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)に進む。すなわち、復帰不可能エラー状態となる。
また、使用領域外のプログラム(第2プログラム)による復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)の実行中に、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152がオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンである状況下で、電源がオンにされると、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2707で「No」となり、ステップS2708で「Yes」となって、ステップS2801に進むので、使用領域のプログラム(第1プログラム)による復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)が実行されることとなる。
同様に、使用領域のプログラム(第1プログラム)による復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)の実行中に、電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152がオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンである状況下で、電源がオンにされても、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2707で「No」となり、ステップS2708で「Yes」となって、ステップS2801に進むので、使用領域のプログラム(第1プログラム)による復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)が実行されることとなる。
また、復帰不可能エラー状態において電源がオフにされ、その後、設定キースイッチ152がオンであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオフである状況下で、電源がオンにされたとする。
この場合、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2707で「Yes」となり、ステップS2711に進み、電源断復帰異常時における設定変更開始時のRWM53の初期化範囲がセットされる。また、電源断復帰異常時であるので、ステップS2712で「Yes」となり、ステップS2731の初期化処理(M_INI_SET )に進む。そして、図65の初期化処理(M_INI_SET )のステップS2732~S2736において、RWM53の使用領域の設定値データ(_NB_RANK)を含む全範囲(アドレス「F000(H)」~「F1FF(H)」)、及び使用領域外の全範囲(アドレス「F210(H)」~「F3FF(H)」の初期化処理が実行される。このため、RWM53のアドレス「F000(H)」の設定値データ(_NB_RANK)は「0」になるので、設定値は「1」になる。
また、リセット時ではないので、図65の初期化処理(M_INI_SET )のステップS2741で「No」となり、ステップS2742の設定変更確認処理(M_RANK_CTL)に進み、設定変更状態に移行する。
そして、この設定変更状態において、設定変更スイッチ(リセットスイッチ/RWMクリアスイッチ)153が操作されることなく、電源がオフにされたとする。この場合、設定変更状態では割込み処理(I_INTR)が実行されるので、電源断処理(I_POWER_DOWN)が実行される。
その後、リセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンの状況下で、電源がオンにされたとする。この場合、電源断復帰異常時ではないので、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2708で「No」となる。また、リセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンであるので、ステップS2710では「Yes」となる。そして、ステップS2713に進み、電源断復帰正常時における設定変更開始時のRWM53の初期化範囲がセットされる。
また、設定変更不可フラグがオフであるので、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2714で「Yes」となり、ステップS2731の初期化処理(M_INI_SET )に進む。さらに、リセット時であるので、図65の初期化処理(M_INI_SET )のステップS2741で「Yes」となり、ステップS2742の設定変更確認処理(M_RANK_CTL)をスキップする。このため、今度は、設定変更状態に移行しない。その後、ステップS2744~S2747の処理を経て、ステップS248のメイン処理(M_MAIN)(図67)に進み、メダルをベット可能な状況となる。このとき、RWM53のアドレス「F000(H)」の設定値データ(_NB_RANK)は、上述したように「0」になっているので、設定値は「1」になる。
またここで、本実施形態では、図68の割込み処理(I_INTR)のステップS2771において、電源断処理(I_POWER_DOWN)が実行される。さらに、図69の電源断処理(I_POWER_DOWN)のステップS2776において、RWMチェックサムセット処理(S_SUM_SET )が実行される。そして、図70のRWMチェックサムセット処理(S_SUM_SET )において、ステップS2785~S2794の処理を実行することにより、RWMチェックサムデータ(補数データ)を算出し、算出したRWMチェックサムデータを、ステップS2795の処理でRWM53のアドレス「F2A0(H)」に記憶する。
このRWMチェックサムデータは、上述したように、RWM53の使用領域のアドレス「F000(H)」~「F1FF(H)」のデータ、及び使用領域外のアドレス「F210(H)」~「F3FF(H)」(「F2A0(H)」を除く)のデータの加算値に加算すると「0」になる値である。
また、本実施形態では、復帰可能エラーが発生し、復帰可能エラー状態(エラー検出フラグがオンになり、遊技の進行が停止した状態)となったとしても、上述したように、割込み処理(I_INTR)を実行可能である。このため、復帰可能エラー状態において、電源の供給が遮断される(電源がオフになる)事象が発生しても、電源断処理(I_POWER_DOWN)を実行可能である。
これに対し、復帰不可能エラーが発生し、復帰不可能エラー状態(図64の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)又は図72の復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)が実行され、遊技の進行が停止した状態)となると、上述したように、割込み処理(I_INTR)が禁止される。このため、復帰不可能エラー状態において、電源の供給が遮断される(電源がオフになる)事象が発生した場合には、電源断処理(I_POWER_DOWN)を実行しない。
このように、復帰不可能エラー状態において電源がオフになった場合には、電源断処理(I_POWER_DOWN)を実行しないことにより、その後、電源がオンになったときに、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )において、ステップS2708で電源断復帰異常であると判断して、ステップS2801の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)に進むようにすることができる。
すなわち、復帰不可能エラー状態となったときは、電源をオン/オフするだけでは、再度、復帰不可能エラー状態となる。
そして、復帰不可能エラー状態となったときは、電源を一旦オフにし、設定変更状態に移行させるための操作(設定キースイッチ152をオンにした状態で電源をオンにする)を行わなければ、メダルをベット可能な状態(遊技を進行可能な状態)に復帰できないようにすることができる。
また、復帰不可能エラー状態となったときは、電源をオフにし、リセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153をオンにした状態で電源をオンにしても、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )において、ステップS2708で電源断復帰異常であると判断して、ステップS2801の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)に進むため、メイン処理(M_MAIN)(図67)には進まないので、メダルをベット可能な状態(遊技を進行可能な状態)に復帰させることができない。
また、復帰可能エラーが発生し、復帰可能エラー状態(エラー検出フラグがオンになり、遊技の進行が停止した状態)となったとしても、割込み処理(I_INTR)を実行可能であるが、復帰不可能エラーが発生し、復帰不可能エラー状態(図64の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)又は図72の復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)が実行され、遊技の進行が停止した状態)となると、割込み処理(I_INTR)が禁止される。
さらにまた、デジット1~5(クレジット数表示LED76、獲得数表示LED78、設定値表示LED73)の点灯を制御するLED表示制御(I_LED_OUT )、及びデジット6~9(管理情報表示LED74)の点灯を制御する比率表示準備処理(S_DSP_READY )は、割込み処理(I_INTR)において実行される。
このため、復帰可能エラー状態においては、割込み処理(I_INTR)を実行可能であるから、LED表示制御(I_LED_OUT )及び比率表示準備処理(S_DSP_READY )も実行可能である。したがって、復帰可能エラー状態中であっても、LED表示制御(I_LED_OUT )により、獲得数表示LED78(デジット3及び4)に、エラー情報を表示し、比率表示準備処理(S_DSP_READY )により、管理情報表示LED74(デジット6~9)に、情報種別及び遊技結果に関する各種比率を順次表示することが可能である。
これに対し、復帰不可能エラー状態では、割込み処理(I_INTR)が禁止されるため、LED表示制御(I_LED_OUT )及び比率表示準備処理(S_DSP_READY )も実行されない。
そこで、復帰不可能エラー状態中は、上述した図64の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)又は図72の復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)により、獲得数表示LED78(デジット3及び4)に、エラー情報を表示する。
また、図64の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)又は図72の復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)のステップS1494において、出力ポート0~7の出力をオフ(「00000000(B)」)にする。
これにより、復帰不可能エラー状態中は、出力ポート6(デジット6~9信号の出力ポート)及び出力ポート7(デジット6~9用のセグメント信号の出力ポート)からの出力が「00000000(B)」のままとなるので、復帰不可能エラー状態が解除されて割込み処理(I_INTR)が再開されるまで、管理情報表示LED74のデジット6~9がすべて消灯したままとなる。
そして、管理情報表示LED74のデジット6~9がすべて消灯したままとなるのは、復帰不可能エラー状態に特有の態様であり、これにより、管理者(ホールの店員)に、復帰不可能エラー状態となったことを知らせることができる。
以上、本発明の第2実施形態について説明したが、本発明は、上述した内容に限定されるものではなく、たとえば以下のような種々の変形が可能である。
(1)上記実施形態では、復帰不可能エラー状態中は、出力ポート6(デジット6~9信号の出力ポート)及び出力ポート7(デジット6~9用のセグメント信号の出力ポート)の出力をオフ(「00000000(B)」)にすることにより、管理情報表示LED74のデジット6~9がすべて消灯したままとなるようにした。
しかし、復帰不可能エラー状態における管理情報表示LED74のデジット6~9の表示態様は、これに限らない。
たとえば、復帰不可能エラー状態中は、管理情報表示LED74のデジット6~9にそれぞれ「8」を表示してもよい。すなわち、管理情報表示LED74の表示が「8888」となるようにしてもよい。
図79は、復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)の変形例を示すフローチャートであり、図72に対応する図である。
図79において、図72と異なるステップには、ステップ番号にアンダーラインを付し、図72と同一のステップには、同一のステップ番号を付している。
以下、図72と相違する点を主として説明する。
図79に示す復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)では、ステップS1505の次はステップS1506に進み、メイン制御基板50は、デジット6に「8」を表示するためのデータを出力ポート6及び7から出力する。
具体的には、出力ポート6からは「00000001(B)」(デジット6信号のみが「1」であるデータ)を出力し、出力ポート7からは「01111111(B)」(セグメント2A~2G信号が「1」であるデータ)を出力する。
次にステップS1507に進み、メイン制御基板50は、LEDのちらつき防止用の待機(ウェイト)処理を実行する。どの程度の待機を行うかについてはLEDの性能にもよるが、たとえば「0.1ms」程度に設定することができる。たとえばBレジスタに所定値(たとえば「255」)を記憶し、内部システムクロックによってこの値を減算し、Bレジスタ値が「0」となったときは、待機時間を経過したと判断し、次のステップS1508に進む。
ステップS1508では、メイン制御基板50は、出力ポート6及び7の出力をオフ(「00000000(B)」)にする。この処理は、残像防止のための処理である。
次にステップS1509に進み、メイン制御基板50は、LEDのちらつき防止用の待機(ウェイト)処理を実行する。出力ポート6及び7の出力をオフにした後、LEDを確実に消光させるための処理である。
次のステップS1510に進むと、メイン制御基板50は、デジット7に「8」を表示するためのデータを出力ポート6及び7から出力する。
具体的には、出力ポート6からは「00000010(B)」(デジット7信号のみが「1」であるデータ)を出力し、出力ポート7からは「01111111(B)」(セグメント2A~2G信号が「1」であるデータ)を出力する。
ステップS1511~S1513については、ステップS1507~S1509と同様である。
そして、ステップS1514に進むと、メイン制御基板50は、デジット8に「8」を表示するためのデータを出力ポート6及び7から出力する。
具体的には、出力ポート6からは「00000100(B)」(デジット8信号のみが「1」であるデータ)を出力し、出力ポート7からは「01111111(B)」(セグメント2A~2G信号が「1」であるデータ)を出力する。
ステップS1515~S1517については、ステップS1507~S1509と同様である。
そして、ステップS1518に進むと、メイン制御基板50は、デジット9に「8」を表示するためのデータを出力ポート6及び7から出力する。
具体的には、出力ポート6からは「00001000(B)」(デジット9信号のみが「1」であるデータ)を出力し、出力ポート7からは「01111111(B)」(セグメント2A~2G信号が「1」であるデータ)を出力する。
ステップS1519~S1521については、ステップS1507~S1509と同様である。そして、ステップS1521の処理を実行すると、ステップS1497に戻る。
このようにして、復帰不可能エラー状態中は、管理情報表示LED74のデジット6~9にそれぞれ「8」を表示してもよい。
そして、管理情報表示LED74のデジット6~9の表示がすべて「8」になるのは、復帰不可能エラー状態に特有の態様であり、これにより、管理者(ホールの店員)に、復帰不可能エラー状態となったことを知らせることができる。
なお、管理情報表示LED74の表示が「8888」ではなく、「----」となるようにしてもよい。すなわち、デジット6~9のセグメントGのみがそれぞれ点灯するようにしてもよい。
また、管理情報表示LED74の表示が「....」となるようにしてもよい。すなわち、デジット6~9のセグメントPのみがそれぞれ点灯するようにしてもよい。
さらにまた、管理情報表示LED74の表示が「8.8.8.8.」となるようにしてもよい。すなわち、図30(a)又は(c)に示すように、デジット6~9のすべてのセグメント(セグメントA~G及びP)がそれぞれ点灯するようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、復帰不可能エラー状態中は、出力ポート6(デジット6~9信号の出力ポート)及び出力ポート7(デジット6~9用のセグメント信号の出力ポート)の出力をオフ(「00000000(B)」)にすることにより、管理情報表示LED74のデジット6~9がすべて消灯したままとなるようにした。
しかし、図64の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)又は図72の復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)のステップS1494において、出力ポート6及び7の出力をオフ(「00000000(B)」)にするのではなく、維持してもよい。この場合、管理情報表示LED74のデジット6~9の表示は、以下のようになる。
上述したように、管理情報表示LED74のデジット6~9は、4割込みを1周期としてダイナミック点灯する。このため、たとえば、管理情報表示LED74のデジット6~9に「7P.65」を表示しているときは、デジット9の「5」、デジット8の「6」、デジット7の「P.」、デジット6の「7」が順次点灯する。そして、たとえば、管理情報表示LED74のデジット6~8は消灯し、デジット9に「5」が点灯表示されている状況下で、復帰不可能エラー状態となったとする。この場合、デジット6~8を消灯させ、デジット9に「5」を点灯表示させる信号(デジット信号及びセグメント信号)が出力ポート6及び7から出力されている状態で、割込み処理(I_INTR)が停止する。
具体的には、出力ポート6からは「00001000(B)」(デジット9信号が「1」で他は「0」のデータ)が出力され、出力ポート7からは「01101101(B)」(セグメント2G、2F、2D、2C、及び2A信号が「1」で他は「0」のデータ)が出力されている状態で、割込み処理(I_INTR)が停止し、その後、出力ポート6及び7から出力する信号(データ)の書き換えが行われなくなる。
このため、復帰不可能エラー状態が解除されて割込み処理(I_INTR)が再開されるまで、出力ポート6及び7からの信号(デジット信号及びセグメント信号)の出力が維持されるので、デジット6~8が消灯したままとなり、かつデジット9に「5」が点灯表示されたままとなる。
同様に、たとえば、管理情報表示LED74のデジット6に「7」が点灯表示され、デジット7~9が消灯している状況下で、復帰不可能エラー状態となったとする。
この場合、復帰不可能エラー状態が解除されて割込み処理(I_INTR)が再開されるまで、デジット6に「7」を点灯表示させ、デジット7~9を消灯させる信号(デジット信号及びセグメント信号)が出力ポート6及び7から出力された状態が継続するので、デジット6に「7」が点灯表示され、デジット7~9が消灯したままとなる。
また、たとえば、管理情報表示LED74のデジット6に「7」が点灯表示され、デジット7~9が消灯している状況下で、第2プログラムによる復帰不可能エラー処理2が実行されたとする。そして、第2プログラムによる復帰不可能エラー処理2において、出力ポート6及び7の出力をオフにせずに維持したとする。この場合、上述したように、デジット6に「7」を点灯表示させ、デジット7~9を消灯させる信号(デジット信号及びセグメント信号)が出力ポート6及び7から出力された状態が継続するので、デジット6に「7」が点灯表示され、デジット7~9が消灯したままとなる。
この状態で電源をオフにすると、管理情報表示LED74のデジット6~9は消灯する。その後、設定キースイッチ152がオフの状態で電源をオンにすると、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2708で「Yes」となり、ステップS2801に進み、今度は第1プログラムによる復帰不可能エラー処理が実行される。この場合、ステップS2731の初期化処理には進まないため、RWM53のデータは初期化されずに維持される。このため、RWM53における管理情報表示LED74(役比モニタ)の点灯制御に関するデータ(たとえばアドレス「F292(H)」の比率表示番号(_SN_DSP_NO)~「F297(H)」のLED表示カウンタ2(_SC_LED_DSP2)等)も初期化されずに維持される。
ここで、第1プログラムによる復帰不可能エラー処理において、割込み処理(I_INTR)を禁止せずに実行可能にしたとする。この場合、割込み処理(I_INTR)中の比率表示準備処理(S_DSP_READY )により管理情報表示LED74の点灯制御が行われるので、管理情報表示LED74のデジット6~9には、まず、第2プログラムによる復帰不可能エラー処理2が実行される直前の比率情報、すなわち、「7P.65」(指示込役物比率、比率表示番号「1」)が表示される。
また、第2プログラムによる復帰不可能エラー処理2が実行される直前に、管理情報表示LED74のデジット6~9に、「7P.65」が、たとえば「2000ms」間表示されていたとする。この場合、第1プログラムによる復帰不可能エラー処理において比率表示準備処理(S_DSP_READY )が再開されたときは、管理情報表示LED74のデジット6~9に、「7P.65」が、「4791.84ms」-「2000ms」=「2791.84ms」間表示される。その後、比率表示番号「2」以降の表示項目が、比率表示準備処理(S_DSP_READY )により、管理情報表示LED74に順次表示される。
このように、第1プログラムによる復帰不可能エラー処理において比率表示準備処理(S_DSP_READY )が再開されたときは、第2プログラムによる復帰不可能エラー処理2が実行される直前の比率情報の続きから表示が開始(再開)される。
これに対し、第1プログラムによる復帰不可能エラー処理において、割込み処理(I_INTR)を禁止すると、割込み処理(I_INTR)中の比率表示準備処理(S_DSP_READY )も実行されないので、管理情報表示LED74のデジット6~9は消灯したままとなる。
また、上述したように、指示込役物比率、連続役物比率(累計)、役物比率(累計)、及び役物等状態比率については、総遊技回数が「175000」未満のときは、その識別セグを点滅表示する。連続役物比率(6000回)、及び役物比率(6000回)については、総遊技回数が「6000」未満のときは、その識別セグを点滅表示する。また、指示込役物比率、役物比率(累計)、及び役物比率(6000回)について、表示される値が「70」以上のときは、比率セグを点滅表示する。連続役物比率(累計)、及び連続役物比率(6000回)について、表示される値が「60」以上のときは、比率セグを点滅表示する。役物等状態比率について、表示される値が「50」以上のときは、比率セグを点滅表示する。また、点滅表示するときは、約0.3秒ごとに点灯と消灯とを繰り返す。
このため、管理情報表示LED74のデジット6~9がすべて消灯することもある。そして、たとえば、管理情報表示LED74のデジット6~9がすべて消灯している状況下で、すなわち、出力ポート6及び7からの出力が「00000000(B)」(オフ)のときに、復帰不可能エラー状態となったとする。
この場合、復帰不可能エラー状態が解除されて割込み処理(I_INTR)が再開されるまで、出力ポート6及び7からの出力が「00000000(B)」(オフ)のまま維持されるので、管理情報表示LED74のデジット6~9がすべて消灯したままとなる。
そして、管理情報表示LED74のデジット6~9の表示態様が上記のようになるのは、復帰不可能エラー状態に特有の表示態様であり、これにより、管理者(ホールの店員)に、復帰不可能エラー状態となったことを知らせることができる。
(3)上記実施形態では、電源断復帰正常時である(電源断復帰異常時でない)ことを条件として、設定キースイッチ152はオンであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオフである状況下で、電源がオンにされたとき(設定変更状態に移行させるとき)と、設定キースイッチ152はオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンである状況下で、電源がオンにされたときとで、同一の範囲で、RWM53の初期化処理が実行した。
しかし、これに限らず、設定キースイッチ152はオンであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオフである状況下で、電源がオンにされたとき(設定変更状態に移行させるとき)と、設定キースイッチ152はオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンである状況下で、電源がオンにされたときとで、RWM53の初期化範囲を異ならせてもよい。
たとえば、設定キースイッチ152はオフであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンである状況下で、電源がオンにされたときは、有利区間終了時と同一の範囲で、RWM53の初期化処理を実行してもよい。
具体的には、有利区間に関するデータが記憶されているRWM53の使用領域の所定範囲(たとえば図54のアドレス「F061(H)」~「F068(H)」)の初期化処理を実行し、それ以外の範囲(たとえば図54のアドレス「F010(H)」のクレジット数データ(_NB_CREDIT)や「F043(H)」のベット数データ(_NB_PLAY_MEDAL)等)については初期化せずに維持することができる。
いずれにせよ、設定変更状態に移行するときの初期化範囲より、リセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオンの状態で電源がオンにされたときの初期化範囲の方が狭くなるように設定することが好ましい。
(4)上記実施形態では、図68の割込み処理(I_INTR)のステップS458で設定値が正常範囲であるか否かを判断し、正常範囲でないと判断したときはステップS2811の復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)に進んだ。しかし、これに限らない。
たとえば、メイン処理(M_MAIN)(図67)でスタートスイッチ41がオンになった(操作された)と判断した直後のタイミングで設定値が正常範囲であるか否かを判断してもよい。
(5)上記実施形態では、設定変更状態に滞在中に電源をオフにし、その後、リセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153をオンにした状況下で電源をオンにしたときは、設定変更状態に移行させることなく、メダルをベット可能な状況に移行させた。
しかし、これに限らず、たとえば、設定変更状態に滞在中に電源をオフにし、その後、設定キースイッチ152をオフ、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153をオンにした状況下で電源をオンにしたときは、復帰不可能エラー状態となるようにしてもよい。
具体的には、たとえば、設定変更状態フラグを設け、設定変更状態に移行したときは、RWM53の所定の記憶領域に設定変更状態フラグをセットし、設定変更状態の終了条件を満たしたときは、設定変更状態フラグをクリアする。
そして、設定変更状態で電源をオフにし、その後、リセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153をオンにした状況下で電源をオンにしたときは、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2714において、設定変更状態フラグがオンであるか否かを判断する。そして、設定変更状態フラグがオンであると判断したときは、ステップS2801の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)に進み、復帰不可能エラー状態とする。
これにより、設定値を確定させる操作(たとえば、スタートスイッチ41をオンにする)が行われていないのに、設定値が設定されてしまうことを防止することができる。
(6)上記実施形態では、RWM53のアドレス「F000(H)」には、設定値データ(_NB_RANK)として、「0(D)」~「5(D)」のいずれかの値を記憶した。すなわち、設定値データを「0(D)」~「5(D)」で管理した。
しかし、これに限らず、RWM53のアドレス「F000(H)」には、設定値データ(_NB_RANK)として、「1(D)」~「6(D)」のいずれかの値を記憶してもよい。すなわち、設定値データを「1(D)~「6(D)」で管理してもよい。
そして、設定変更状態に移行するときは、RWM53のアドレス「F000(H)」の設定値データ(_NB_RANK)をクリア(「0」に)し、設定値を確定させる操作(たとえば、スタートスイッチ41をオンにする)が行われると、RWM53のアドレス「F000(H)」に、設定値データ(_NB_RANK)として、「1(D)」~「6(D)」のいずれかの値を記憶してもよい。
この場合、設定変更状態で電源をオフにし、その後、リセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153をオンにした状況下で電源をオンにしたときは、図68のステップS458で設定値が正常範囲でない(設定値エラーが発生した)と判断して、ステップS2811の復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)に進み、復帰不可能エラー状態としてもよい。
(7)上記実施形態では、図59に示すように、デジット1~5用のデジット信号(デジット1~5信号)を出力ポート3から出力し、デジット1~5用のセグメント信号(セグメント1A~1P信号)を出力ポート4から出力し、デジット6~9用のデジット信号(デジット6~9信号)を出力ポート6から出力し、デジット6~9用のセグメント信号(セグメント2A~2P信号)を出力ポート7から出力した。
そして、デジット1~5を点灯させるときは、出力ポート3からデジット信号を出力し、かつ出力ポート4からセグメント1信号を出力した。また、デジット6~9を点灯させるときは、出力ポート6からデジット信号を出力し、かつ出力ポート7からセグメント2信号を出力した。すなわち、使用領域のプログラム(第1プログラム)によって点灯を制御するデジット1~5と、使用領域外のプログラム(第2プログラム)によって点灯を制御するデジット6~9とで、使用する出力ポートを分けた。
しかし、これに限らず、たとえば、使用領域のプログラム(第1プログラム)によって点灯を制御するデジット1~5と、使用領域外のプログラム(第2プログラム)によって点灯を制御するデジット6~9とで、使用する出力ポートを兼用としてもよい。
図80は、第2実施形態における出力ポートの変形例を示す図である。
図80に示すように、デジット1~9用のセグメント信号(セグメントA~P信号)を出力ポート3から出力するようにしてもよい。また、デジット1~5用のデジット信号(デジット1~5信号)については、出力ポート2から出力し、デジット6~9用のデジット信号(デジット6~9信号)については、出力ポート4から出力することができる。
この場合、復帰不可能エラー状態中は、出力ポート4(デジット6~9信号の出力ポート)の出力をオフ(「00000000(B)」)にすることにより、管理情報表示LED74のデジット6~9をすべて消灯したままにすることができる。
(8)上記実施形態では、図61に示すように、RWM53の使用領域に、デジット1信号~デジット5信号を出力するためのLED表示カウンタ1(_CT_LED_DSP1)を設け、RWM53の使用領域外に、デジット6信号~デジット9信号を出力するためのLED表示カウンタ2(_SC_LED_DSP2)を設けた。すなわち、デジット1~5を点灯させるためのLED表示カウンタと、デジット6~9を点灯させるためのLED表示カウンタとを、別個独立して設けた。しかし、これに限らない。
図81は、第2実施形態におけるLED表示カウンタの変形例を示す図である。
図81に示すように、RWM53の使用領域に、1周期が5割込みのLED表示カウンタ1(_CT_LED_DSP1)を設け、このLED表示カウンタ1(_CT_LED_DSP1)の値に基づいて、デジット1信号~デジット5信号を出力するとともに、デジット6信号~デジット9信号を出力してもよい。すなわち、デジット1~5を点灯させるためのLED表示カウンタと、デジット6~9を点灯させるためのLED表示カウンタとを、兼用としてもよい。
この場合、図77の比率表示処理(S_LED_OUT )のステップS1471において、LED表示カウンタ1(_CT_LED_DSP1)の値を取得し、Dレジスタに記憶する。
次のステップS1472では、比率表示要求があるか否かを判断する。具体的には、Dレジスタに記憶したLED表示カウンタ1の値と「11110000(B)」とをAND演算し、AND演算結果が「0」のときは比率表示要求ありと判断して、ステップS1475に進み、AND演算結果が「0」でないときは比率表示要求なしと判断して、本フローチャートによる処理を終了する。
ここで、LED表示カウンタ1の値が「00001000(B)」、「00000100(B)」、「00000010(B)」、又は「00000001(B)」であるときは、AND演算結果が「0」になるため、比率表示要求ありと判断して、ステップS1475に進む。
これに対し、LED表示カウンタ1の値が「00010000(B)」であるときは、AND演算結果が「0」にならないため、比率表示要求なしと判断して、本フローチャートによる処理を終了する。この場合、出力ポート6及び7の出力が維持されるため、管理情報表示LED74のデジット6~9の表示態様は、前回の割込み処理時の表示態様と同一となる。たとえば、前回の割込み処理時にデジット6に「7」を点灯表示させていたときは、今回の割込み処理時でもデジット6に「7」を点灯表示させる。
なお、ステップS1472において、比率表示要求なしと判断したときは、出力ポート6(デジット6~9信号の出力ポート)及び出力ポート7(デジット6~9用のセグメント信号の出力ポート)の出力をオフ(「00000000(B)」)にして、管理情報表示LED74のデジット6~9をすべて消灯させてもよい。
(9)たとえば、電源断復帰正常時である(電源断復帰異常時でない)ことを条件として、設定キースイッチ152がオンであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオフである状況下で電源がオンにされたときと、設定キースイッチ152及びリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153の双方ともオンの状況下で電源がオンにされたときとで、RWM53の初期化範囲を異ならせてもよい。
具体的には、設定キースイッチ152がオンであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオフである状況下で電源がオンにされたときは、RWM53の初期化範囲として、たとえば、使用領域のアドレス「F001(H)」~「F1FF(H)」、及び使用領域外のアドレス「F292(H)」~「F3FF(H)」をセットする。この場合、RWM53のアドレス「F000(H)」の設定値データ(_NB_RANK)、及び使用領域外のアドレス「F210(H)」~「F291(H)」については、初期化(クリア)せずに維持する。
これに対し、設定キースイッチ152及びリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153の双方ともオンの状況下で電源がオンにされたときは、RWM53の初期化範囲として、たとえば、アドレス「F000(H)」の設定値データ(_NB_RANK)を含む、使用領域の全範囲(アドレス「F000(H)」~「F1FF(H)」)、及び使用領域外のアドレス「F292(H)」~「F3FF(H)」をセットする。この場合、使用領域外のアドレス「F210(H)」~「F291(H)」については、初期化(クリア)せずに維持するが、アドレス「F000(H)」の設定値データ(_NB_RANK)については、初期化(クリア)する。なお、この場合、設定値データ(_NB_RANK)は「0」になるので、設定値は「1」になる。これにより、設定変更状態に移行させるだけで、設定値を「1」に変更することができる。
また、設定キースイッチ152がオンであり、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153がオフである状況下で電源がオンにされたときも、設定キースイッチ152及びリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153の双方ともオンの状況下で電源がオンにされたときも、いずれも、設定変更状態に移行可能にすることができる。
(10)上記実施形態では、電源断復帰正常時用のRWM53の初期化範囲として、RWM53の使用領域のアドレス「F001(H)」~「F1FF(H)」、及び使用領域外のアドレス「F292(H)」~「F3FF(H)」をセットした。
しかし、RWM53の初期化範囲は、上述した範囲に限らず、スロットマシン10の仕様に応じて、適宜設定することができる。
たとえば、図54のRWM53のアドレス「F030(H)」の作動状態フラグ(_FL_ACTION)の内容に応じて、RWM53の初期化範囲を異ならせることができる。
具体的には、たとえば、「F030(H)」の作動状態フラグ(_FL_ACTION)のD2ビットが「1」であり、1BB作動中であるときは、RWM53の初期化範囲から、アドレス「F030(H)」の作動状態フラグ(_FL_ACTION)を除くことができる。
これに対し、「F030(H)」の作動状態フラグ(_FL_ACTION)のD2ビットが「0」であり、1BB作動中でないときは、RWM53の初期化範囲に、アドレス「F030(H)」の作動状態フラグ(_FL_ACTION)を含めることができる。
(11)上記実施形態では、図64の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)のステップS1490で割込み処理を禁止した。しかし、これに限らず、たとえば、復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)において割込み処理を禁止しなくてもよい。
具体的には、図62のプログラム開始処理(M_PRG_START )のステップS2708又はS2715で「Yes」となり、ステップS2801の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)に進んだときに、割込み処理を禁止しなくてもよい。
そして、復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)の実行中も、図68の割込み処理(I_INTR)を実行可能とし、ステップS2821のLED表示制御(I_LED_OUT )や、ステップS2221の比率表示準備(S_DSP_READY )を実行可能としてもよい。
これにより、復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)の実行中も、デジット1~5(クレジット数表示LED76、獲得数表示LED78、設定値表示LED73)や、デジット6~9(管理情報表示LED74)の点灯制御を実行可能としてもよい。
(12)上記実施形態では、設定変更状態に移行させるための操作(設定キースイッチ152をオンにした状態で電源をオンにする)を行い、電源断復帰正常と判断されると、RWM53のアドレス「F292(H)」(比率表示番号)は初期化される。このため、たとえば、管理情報表示LED74(役比モニタ)に役物比率(累計)データ(比率表示番号「5」)が表示されているときに電源をオフにし、その後、設定変更状態に移行させるための操作を行い、電源断復帰正常と判断されると、管理情報表示LED74には、各種比率情報の1番目の表示項目である指示込役物比率データ(比率表示番号「1」)から表示が開始される。
しかし、これに限らず、たとえば、設定変更状態に移行させるための操作(設定キースイッチ152をオンにした状態で電源をオンにする)を行い、電源断復帰正常と判断されると、管理情報表示LED74に、まず、「8888」又は「8.8.8.8.」等の比率情報と異なる特定の情報を表示し、その後、各種比率情報の1番目の表示項目である指示込役物比率データ(比率表示番号「1」)から表示を開始してもよい。
これにより、デジット6~9のすべてのセグメントが点灯するか否かを確認可能にすることができるので、セグメントの故障の有無やセグメントの信号線の断線の有無を確認可能にすることができる。
設定変更状態に移行させるための操作を行い、電源断復帰異常と判断されたときも同様に、管理情報表示LED74に、まず、「8888」又は「8.8.8.8.」等の比率情報と異なる特定の情報を表示し、その後、各種比率情報の1番目の表示項目である指示込役物比率データ(比率表示番号「1」)から表示を開始してもよい。
(13)たとえば、設定キースイッチ152をオフにし、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153もオフにした状態で電源をオンにしたとき、設定キースイッチ152をオンにし、かつリセットスイッチ153をオフにした状態で電源をオンにしたとき、設定キースイッチ152をオフにし、かつリセットスイッチ153をオンにした状態で電源をオンにしたとき、設定キースイッチ152をオンにし、かつリセットスイッチ153もオンにした状態で電源をオンにしたときのいずれにおいても、管理情報表示LED74(役比モニタ)のデジット6~9に、まず、「8888」又は「8.8.8.8.」等の比率情報と異なる特定の情報を表示することができる。
その後、管理情報表示LED74(役比モニタ)のデジット6~9には、電源オン時の各種スイッチのオン/オフの状態、及び電源断復帰正常と判断されたか又は電源断復帰異常と判断されたかに応じた情報を表示する。これにより、電源オン時に、デジット6~9のすべてのセグメントが点灯するか否かを確認可能にすることができるので、セグメントの故障の有無やセグメントの信号線の断線の有無を確認可能にすることができる。
また、設定キースイッチ152をオンにし、かつリセットスイッチ153をオフにした状態で電源をオンにしたとき、設定キースイッチ152をオフにし、かつリセットスイッチ153をオンにした状態で電源をオンにしたとき、設定キースイッチ152をオンにし、かつリセットスイッチ153もオンにした状態で電源をオンにしたときは、管理情報表示LED74(役比モニタ)のデジット6~9に「8888」又は「8.8.8.8.」等の比率情報と異なる特定の情報を表示するが、設定キースイッチ152をオフにし、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153もオフにした状態で電源をオンにしたときは、管理情報表示LED74に上記の特定の情報を表示しなくてもよい。
(14)上記実施形態では、設定変更状態に移行させるための操作(設定キースイッチ152をオンにした状態で電源をオンにする)を行い、電源断復帰正常と判断されたときは、RWM53における管理情報表示LED74(役比モニタ)の点灯制御に関するデータ(たとえばアドレス「F292(H)」の比率表示番号(_SN_DSP_NO)~「F297(H)」のLED表示カウンタ2(_SC_LED_DSP2)等)を初期化した。
しかし、これに限らず、設定変更状態に移行させるための操作を行い、電源断復帰正常と判断されたときは、RWM53における管理情報表示LED74(役比モニタ)の点灯制御に関するデータ(たとえばアドレス「F292(H)」の比率表示番号(_SN_DSP_NO)~「F297(H)」のLED表示カウンタ2(_SC_LED_DSP2)等)を初期化せずに維持してもよい。
たとえば、管理情報表示LED74(役比モニタ)に役物比率(累計)データ(比率表示番号「5」)が表示されているときに電源をオフにし、その後、設定変更状態に移行させるための操作を行い、電源断復帰正常と判断されたとする。この場合、割込み処理(I_INTR)が起動して比率表示準備処理(S_DSP_READY )が再開されると、管理情報表示LED74には、まず、電源をオフにする直前の比率情報、すなわち、役物比率(累計)データが表示される。
また、電源をオフにする直前に、管理情報表示LED74(役比モニタ)に、役物比率(累計)データ(比率表示番号「5」)が、たとえば「1000ms」間表示されていたとする。この場合、割込み処理(I_INTR)が起動して比率表示準備処理(S_DSP_READY )が再開されたときは、管理情報表示LED74には、役物比率(累計)データが、「4791.84ms」-「1000ms」=「3791.84ms」間表示される。その後、比率表示番号「6」以降の表示項目が、比率表示準備処理(S_DSP_READY )により、管理情報表示LED74に順次表示される。
このように、設定変更状態に移行させるための操作を行い、電源断復帰正常と判断されて、比率表示準備処理(S_DSP_READY )が再開されたときは、電源がオフにされる直前の比率情報の続きから表示が開始(再開)される。
(15)上記実施形態では、設定キースイッチ152をオフにし、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153をオンにした状態で電源をオンにして電源断復帰正常と判断されたときは、RWM53における管理情報表示LED74(役比モニタ)の点灯制御に関するデータ(たとえばアドレス「F292(H)」の比率表示番号(_SN_DSP_NO)~「F297(H)」のLED表示カウンタ2(_SC_LED_DSP2)等)を初期化した。
しかし、これに限らず、設定キースイッチ152をオフにし、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153をオンにした状態で電源をオンにして電源断復帰正常と判断されたときは、RWM53における管理情報表示LED74(役比モニタ)の点灯制御に関するデータ(たとえばアドレス「F292(H)」の比率表示番号(_SN_DSP_NO)~「F297(H)」のLED表示カウンタ2(_SC_LED_DSP2)等)を初期化せずに維持してもよい。
たとえば、管理情報表示LED74(役比モニタ)に連続役物比率(6000遊技)データ(比率表示番号「2」)が表示されているときに電源をオフにし、その後、設定キースイッチ152をオフにし、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153をオンにした状態で電源をオンにし、電源断復帰正常と判断されたとする。この場合、割込み処理(I_INTR)が起動して比率表示準備処理(S_DSP_READY )が再開されると、管理情報表示LED74には、まず、電源をオフにする直前の比率情報、すなわち、連続役物比率(6000遊技)データが表示される。
また、電源をオフにする直前に、管理情報表示LED74(役比モニタ)に、連続役物比率(6000遊技)データ(比率表示番号「2」)が、たとえば「3000ms」間表示されていたとする。この場合、割込み処理(I_INTR)が起動して比率表示準備処理(S_DSP_READY )が再開されたときは、管理情報表示LED74には、連続役物比率(6000遊技)データが、「4791.84ms」-「3000ms」=「1791.84ms」間表示される。その後、比率表示番号「3」以降の表示項目が、比率表示準備処理(S_DSP_READY )により、管理情報表示LED74に順次表示される。
このように、設定キースイッチ152をオフにし、かつリセットスイッチ(RWMクリアスイッチ)153をオンにした状態で電源をオンにし、電源断復帰正常と判断されて、比率表示準備処理(S_DSP_READY )が再開されたときは、電源がオフにされる直前の比率情報の続きから表示が開始(再開)される。
(16)上記実施形態では、リール31の回転中を含む、スタートスイッチ受付け処理(図67のステップS279)~遊技終了チェック処理(図67のステップS301)の間(遊技中)は、設定変更不可に設定し、この間は、設定変更不可フラグをオンにした。
しかし、これに限らず、設定変更不可の期間を設けず、したがって、設定変更不可フラグを設けずに、常時、設定変更可能にしてもよい。
(17)上記実施形態では、図68の割込み処理(I_INTR)のステップS2770で電源断が発生したか否かを判断し、電源断が発生したと判断したときは、ステップS2771の電源断処理(I_POWER_DOWN)に進み、電源断が発生していないと判断したときは、ステップS2771の電源断処理(I_POWER_DOWN)をスキップして、ステップS454に進んだ。
しかし、これに限らず、たとえば、図68の割込み処理(I_INTR)中には電源断処理(I_POWER_DOWN)を実行せずに、電源断の発生を検知したときは、図68の割込み処理(I_INTR)とは別の割込み処理を実行し、この別の割込み処理において電源断処理(I_POWER_DOWN)を実行してもよい。
この場合、図68の割込み処理(I_INTR)の実行中に電源断の発生を検知したときは、当該割込み処理(I_INTR)の実行中は別の割込み処理を起動せず、当該割込み処理(I_INTR)の終了後に別の割込み処理を起動し、この別の割込み処理において電源断処理(I_POWER_DOWN)を実行する。
(18)上記実施形態では、遊技機として、スロットマシン10を例に挙げたが、これに限らない。たとえば、遊技媒体として、遊技球を用いるパロットや、物理的な(有体物としての)メダルを用いずに電子情報(電子メダル)を用いる封入式遊技機(メダルレス遊技機)や、カジノマシンにも、本願発明を適用することができる。
(19)第2実施形態は単独で実施されることに限らず、第1実施形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
<第3実施形態>
第3実施形態は、タイマ割込み処理及びベクタアドレス(「割込みベクタアドレス」ともいう。)に関するものである。
第3実施形態では、以下のように語句を使用する。
(1)第3実施形態における「タイマ割込み処理」は、第2実施形態(図68)における「割込み処理(I_INTR)」と同じである。以下の第3実施形態の説明では、必要に応じて、「タイマ割込み処理」を単に「割込み処理」と略称する場合がある。
(2)「アドレス値」とは、内蔵メモリ中の番地の数値をいう。たとえば後述する図83において、「ベクタアドレス値」は、「0004H」である。なお、本明細書では、必要に応じて「アドレス」と称する場合と「番地」と称する場合とがあるが、これらは同義である。
(3)「アドレスのデータ値」とは、当該アドレスに記憶されているデータの値をいう。たとえば上述した「ベクタアドレス」は、実際には「0004H」及び「0005H」の2バイトのアドレスから構成されているが、「ベクタアドレスのデータ値」というときは、アドレス「0004H」及び「0005H」に記憶されているデータ値(2バイト(16ビット)の値)をいう。
(4)アドレス値には「H」を付する。「H」は16進数の「ヘキサ」を示している。また、アドレスに記憶されているビット値には「B」を付する。「B」は2進数の「ビット」を示している。
また、2バイトのビット値(16ビット値)を示す場合、上位バイト(8ビット)値と下位バイト(8ビット)値との間には「/」を付す。たとえば「00000000/00000100B」である。
(5)一方、レジスタは、アドレスを有するものではなく、「レジスタ(の)値」とは、当該レジスタに記憶されているデータの値をいう。
(6)本実施形態では、内蔵メモリ内の記憶領域の称呼を、「プログラム領域」、「データ領域」、「レジスタ領域」、「プログラム管理領域」、「作業領域」、「スタック領域」とする。ただし、これに限らず、これらはそれぞれ、「プログラムエリア」、「データエリア」、「レジスタエリア」、「プログラム管理エリア」、「作業エリア」、「スタックエリア」と称してもよい。
また、「プログラム領域」は、「プログラムコード領域」又は「プログラムコードエリア」とも称される。
図82は、第3実施形態における1チップマイクロプロセッサ(以下単に「チップ」と略称する。)を示す図である。この1チップマイクロプロセッサは、図1において、メイン制御基板50上に搭載されており、RWM53、ROM54、及びメインCPU55を1チップ化したものである。
図82において、チップ内には、メインCPU55(図1と同じ)と、内蔵メモリとを備える。なお、チップ内にはこれら2つのハードウェア以外にも種々のハードウェアが設けられているが、説明及び図示を割愛する。
内蔵メモリは、アドレス「0000H」~「3FFFH」の範囲(16384バイト)を有する内蔵ROM54と、アドレス「F000H」~「F3FFH」の範囲(1024バイト)を有する内蔵RWM53とを備える。
内蔵ROM54は、図1中、「ROM54」と同じものであり、内蔵RWM53は、図1中、「RWM53」と同じものである。
さらに、内蔵メモリ内には、内蔵メモリレジスタ領域として、機能設定レジスタ領域と、機能制御レジスタ領域とを備える。
機能設定レジスタ領域は、割込み処理を含む動作設定(たとえば、割込み処理等の初期設定)のためのレジスタの記憶領域である。
プリスケーラレジスタ502は、8ビットカウンタ501へ供給するクロックを選択する設定値を設定可能なレジスタである。
カウンタ設定レジスタ503は、8ビットカウンタ501のカウント値を設定可能な内蔵レジスタである。
機能制御レジスタ領域は、監視や制御を司るレジスタの記憶領域であり、たとえば割込み処理等の監視や、乱数値の格納を行うレジスタの記憶領域である。
割込み待ちモニタレジスタ301は、割込みフラグ504がセットされた後に、割込み要求信号の発生があったことを示す情報を記憶するためのレジスタである。
8ビットカウンタ501は、割込み処理のタイミングを計測するための8ビット(1バイト)からなるカウンタ値の記憶領域である。
割込みフラグ504は、8ビットカウンタ501がタイムアウトしたことを示すフラグである。
なお、内蔵メモリレジスタ領域は、図82に示す機能設定レジスタ領域及び機能制御レジスタ領域に限られるものではない。
一方、メインCPU55には、CPUレジスタ領域を備える。このCPUレジスタ領域は、内蔵メモリ内に設けられている内蔵メモリレジスタ領域とは異なるレジスタ領域である。
CPUレジスタ領域には、汎用レジスタであるA、B、C、D、E、F、H、Lレジスタが設けられている。なお、Fレジスタはフラグレジスタである。
また、Qレジスタは、内蔵RWM53の使用領域中、作業領域(図84参照)の上位アドレス「F0H」が記憶され、命令の際に利用されるレジスタである。そして、内蔵RWM53の記憶領域のうち、上位アドレスが「F0H」であるデータを読み出すときの命令で用いられる。
さらにまた、Iレジスタとは、インタラプト・ページ・アドレス・レジスタと称されるレジスタであり、詳細は後述するが、ベクタアドレスの上位バイト値を定めるためのレジスタである。
割込み禁止フラグ(IFF1、IFF2)302において、IFF1レジスタは、マスカブル割込みの許可及び禁止を決定するためのレジスタである。また、IFF2レジスタは、ノンマスカブル割込みの処理後にIFF1レジスタを復帰させたり、CALLEX命令の実行後のRETEX命令による復帰に使用されるレジスタである。
なお、レジスタは、上記以外にも、Qレジスタ、Uレジスタ等、種々のレジスタが設けられているが、第3実施形態では図示及び説明を省略する。
また、図82で示したレジスタ、カウンタ、及びフラグは、例示であり、図82に示したものに限定されるものではない。たとえば8ビットカウンタ501は、機能制御レジスタ領域内に設けたが、これに限らず、メインCPU55内のCPUレジスタ領域に設けることや、回路により構成することも可能である。また、割込みフラグ504についても、オン/オフを記憶する機能を有するものであればよく、機能制御レジスタ領域内ではなく、たとえばCPUレジスタ領域に設けることや、回路により構成することも可能である。その他、プリスケーラレジスタ502、カウンタ設定レジスタ503、割込み待ちモニタレジスタ301についても同様に、CPUレジスタ領域や内蔵メモリ内の他の領域に設けることや、回路により構成することも可能である。
図83は、図82中、内蔵ROM54内のメモリマップをより詳細に示す図である。
内蔵ROM54の領域には、使用領域と使用領域外領域とが設けられている。
「使用領域」とは、遊技の進行に関係する情報が記憶される記憶領域である。
また、「使用領域外領域」とは、遊技の進行に関係しない情報が記憶される記憶領域であり、たとえば管理情報表示LED74(役比モニタ)の点灯を制御するためのプログラム、試験時に用いられるプログラム、及び不正防止のためのプログラム等が記憶される記憶領域である。
内蔵ROM54における使用領域及び使用領域外領域には、ぞれぞれ、プログラム領域及びデータ領域が設けられている。
「プログラム領域」とは、「制御領域」とも称され、メイン制御手段50により実行される各種プログラムが記憶される記憶領域である。
また、「データ領域」とは、プログラム以外の情報が記憶される記憶領域であり、プログラムの実行時に使用されるデータが記憶される記憶領域である。
ここで、図83のかっこ書きで示すように、「使用領域」を「第1領域」と称してもよい。また、「使用領域外領域」を「第2領域」と称してもよい。
そして、使用領域のプログラム領域を「第1プログラム領域」又は「第1制御領域」と称してもよい。また、使用領域のデータ領域を「第1データ領域」と称してもよい。
さらに、使用領域のプログラム領域に記憶されるプログラムを「第1プログラム」と称してもよい。
同様に、使用領域外領域のプログラム領域を「第2プログラム領域」又は「第2制御領域」と称してもよい。また、使用領域外領域のデータ領域を「第2データ領域」と称してもよい。
さらに、使用領域外領域のプログラム領域に記憶されるプログラムを「第2プログラム」と称してもよい。
図83に示すように、本実施形態では、使用領域のプログラム領域とデータ領域との間に未使用領域(アドレス「11FFH」)を有するが、当該未使用領域をなくし、使用領域のプログラム領域とデータ領域とが連続するように配置してもよい。
また、使用領域と使用領域外領域との間に未使用領域(アドレス「1DF7H」~「1FFFH」)を有するが、当該未使用領域をなくし、使用領域と使用領域外領域とが連続するように配置してもよい。
さらにまた、使用領域外領域については、プログラム領域とデータ領域とが連続して配置されているが、使用領域のように、プログラム領域とデータ領域との間に1バイト以上の未使用領域を有していてもよい。
なお、使用領域及び使用領域外領域については、プログラム領域及びデータ領域のみを指し、未使用領域は除かれるように定めてもよい。一方、図83の使用領域のように、プログラム領域とデータ領域との間に未使用領域を有する場合に、当該未使用領域を含めて使用領域(又は使用領域外領域)と称してもよい。
内蔵ROM54には、上述した使用領域、使用領域外領域、及び未使用領域以外に、会社名、日付、(遊技機10の)型式名等を記憶した記憶領域や、プログラム管理領域が設けられている。
以上において、以下に詳述するベクタアドレス(0004H)は、本実施形態では使用領域のプログラム領域に設けられている。
また、プログラムコード領域開始/終了アドレス(3FD3H~3FD8H))と、割込み初期設定アドレス(3FDAH)は、プログラム管理領域に設けられている。
プログラム管理領域には、後述するプログラムコード領域設定アドレス(3FD3H~3FD8H)や割込み初期設定アドレス(3FDAH)等を有する。
図84は、図82中、内蔵RWM53内のメモリマップをより詳細に示す図である。
内蔵RWM53の領域には、内蔵ROM54の領域と同様に、使用領域(「第1領域」と称してもよい。)と使用領域外領域(「第2領域」と称してもよい。)とが設けられている。これらの「使用領域」及び「使用領域外領域」の概念は、内蔵ROM54の場合と同じである。
また、内蔵RWM53における使用領域及び使用領域外領域には、それぞれ、作業領域、未使用領域、及びスタック領域を有している。
使用領域における作業領域(「第1作業領域」ともいう。)及びスタック領域(「第1スタック領域」ともいう。)は、内蔵ROM54の使用領域のプログラム領域に記憶されたプログラム(遊技の進行に関係するプログラム)の実行中に使用される(更新される、参照される)記憶領域である。
同様に、使用領域外領域における作業領域(「第2作業領域」ともいう。)及びスタック領域)「第2スタック領域」ともいう。)は、内蔵ROM54の使用領域外領域のプログラム領域に記憶されたプログラム(遊技の進行に関係しないプログラム。たとえば、役比モニタの表示に関するプログラム。)の実行中に使用される(更新される、参照される)記憶領域である。
なお、「スタック領域」とは、各種レジスタや、プログラムの戻り番地等のデータを一時的に退避(記憶)可能な記憶領域である。
次に、割込み初期設定アドレスについて説明する。
まず、「ベクタアドレス」とは、タイマ割込み処理の要因が発生した場合に実行するタイマ割込み処理のプログラム(I_INTR)の開始アドレス(先頭アドレス)を記憶したアドレスをいう。換言すれば、ベクタアドレスにはタイマ割込み処理のプログラム(I_INTR)そのものが記憶されているのではなく、タイマ割込み処理のプログラム(I_INTR)の所在(先頭アドレス)を記憶しているアドレスをいう。
そして、「割込み初期設定アドレス」とは、ベクタアドレスの値を特定可能とするデータを記憶しているアドレスである。特に本実施形態では、割込み初期設定アドレスに記憶されているデータだけではベクタアドレスを特定できず、Iレジスタの値及び割込み初期設定アドレスに記憶されているデータに基づいて、ベクタアドレスの値を特定可能とする。
図85は、割込み初期設定アドレスを説明する図である。図中、(A)は、割込み初期設定アドレスのデータ値の詳細を示す図であり、(B)は、割込み優先順位と割込み優先順位設定値との関係を示す図である。
図83で説明したように、割込み初期設定アドレスは、内蔵ROM54のプログラム管理領域に設けられており、そのアドレスは、本実施形態では「3FDAH」(1バイト)である。ただし、これは例示であり、これに限られるものではない。
遊技機10の電源がオンされた後、この割込み初期設定アドレスに記憶されたデータ値が読み込まれ、当該データ値はベクタアドレスを定めるために用いられる。
図85(A)において、割込み初期設定アドレスのデータ値のうち、上位4ビット(A7ビット~A4ビット)は、ベクタアドレス設定値として予め定められた値をとり、本実施形態では「0000B」となっている。このベクタアドレス設定値は、後述するように、ベクタアドレス値の一部を構成する。
なお、本実施形態ではベクタアドレス設定値を「0H(0000B)」としたが、これに限らず、たとえば「8H(1000H)」、「FH(1111B)」等、種々設定することが可能である。
また、割込み初期設定アドレスのデータ値中、A3ビット及びA2ビットは、固定値であり、本実施形態では「00B」に設定されている。なお、詳細は後述するが、この固定値である2ビット値は、遊技機10の起動時に(セキュリティモードで)チェックされるように構成されており、当該2ビット値が「00B」でないときは、エラーとなるように構成されている。
また、この固定値についても、「00B」に限らず、「11B」等、種々設定することが可能である。
さらにまた、割込み初期設定アドレスのデータ値のうち、下位2ビットであるA1及びA0ビットは、割込み優先順位設定値である。
ここで、割込み優先順位設定値としては、本実施形態では、図85(B)に示すように、「00B」、「01B」、「10B」、及び「11B」の4種類が設けられている。
図85(B)は、割込み優先順位設定値と割込み要因との関係を示している。
本実施形態において、割込み要因としては、「IR0」~「IR5」の5種類を有し、末尾の数字が小さいほど割込み優先順位が高い割込み要因であることを示している。換言すれば、「IR0」の割込み要因が最も高い割込み優先順位であり、「IR5」の割込み要因が最も低い割込み優先順位である。
また、割込みの種類としては、「PTC0」~「PTC2」、「RX0」~「RX1」、及び「XINT」を有する。ここで、「PTC0」~「PTC2」は、タイマ割込み処理に用いられる割込み要因であり、特に「PTC2」が、本実施形態におけるタイマ割込み処理(I_INTR)に相当する。
そして、本実施形態では、割込み優先順位設定値として「01B」を採用している。これにより、割込み優先順位は、優先順位の高い方から順に、「PTC0」、「PTC1」、「PTC2」、「XINT」、「RX0」、「RX1」となる。
また、割込み優先順位設定値として「01B」を採用したときには、割込み初期設定アドレスのデータ値のうち、A1ビット及びA0ビットが「01B」となる。
以上より、本実施形態では、割込み初期設定アドレスの値は「3FDAH」であり、割込み初期設定アドレスのデータ値は「00000001B」である。
図86は、ベクタアドレス値と、ベクタアドレスに記憶されているデータ値とを説明する図である。
図86(A)は、ベクタアドレス値を示している。
本実施形態において、ベクタアドレスは、内蔵ROM54において使用領域のプログラム領域内に設けられ、2バイトである。
ベクタアドレス値は、図86(A)に示すように、その上位1バイトの値はIレジスタ値であり、下位1バイトの値は、ベクタアドレス設定値と自動割当て値とからなる。
ここで、本実施形態のIレジスタ値は、「00H」である。図82に示すように、Iレジスタは、CPUレジスタ領域に設けられており、遊技機10の電源が投入された後、「00H」に設定される。換言すれば、遊技機10の電源が投入された直後に、CPUレジスタ領域内に設けられた各レジスタ値はクリアされるからである。その後、Iレジスタに「00H」以外の値が記憶されなければ、Iレジスタ値は「00H」のままである。
そして、本実施形態では、遊技機10の電源投入後、Iレジスタに値を設定することはない。したがって、Iレジスタ値は、「00H」を維持する。
よって、ベクタアドレスの上位1バイト値は「00H」となる。
次に、ベクタアドレス値の下位バイトにおいて、A7~A4ビット値は、割込み初期設定アドレス(3FDAH)のデータ値のうち、A7~A4ビット値(ベクタアドレス設定値)に相当する。図85(A)に示すように、割込み初期設定アドレスのデータ値中、A7~A4ビット値は「0000B」であるので、この値がそのままベクタアドレスの下位バイトのA7~A4ビット値となる。
また、ベクタアドレス値の下位バイトにおいて、A3~A0ビット値は、自動割当て値である。
図86(B)は、割込み要因と自動割当て値との関係を示す図である。図85(B)に示したように、本実施形態では割込み優先順位設定値として「01B」を採用し、本実施形態のタイマ割込み処理(I_INTR)であるPTC2の割込み要因の優先順位は「IR2」である。
したがって、図86(B)に示すように、割込み要因「IR2」、割込み「PTC2(I_INTR)」の自動割当て値は、「0100B」(04H)である。この「0100B」が、ベクタアドレス値のA3~A0ビット値となる。
以上より、図86(A)に示すように、ベクタアドレスの値は、
「00000000/00000100B」=「0004H」
となる。
これにより、図83において、「0000H」から始まる内蔵ROM54の記憶領域中、「0004H」がベクタアドレスとなる。
なお、ベクタアドレスの値は、上述したように2バイトであるので、実際にはベクタアドレスは「0004H」及び「0005H」である。
図86(C)は、ベクタアドレスのデータ値の例を示す図である。本実施形態では、タイマ割込み処理(I_INTR)のプログラムは、内蔵ROM54の使用領域のプログラム領域中、「1134H」から記憶されている。換言すれば、タイマ割込み処理(I_INTR)のプログラムの先頭アドレスは「1134H」である。
このため、ベクタアドレス(0004H)のデータ値は、「1134H」となる。
2バイトのベクタアドレスに「1134H」を記憶する場合、最初の「0004H」に下位バイトの値「34H」を記憶し、次の「0005H」に「11H」を記憶する。
これにより、
0004H:34H(00110100B)
0005H:11H(00010001B)
が記憶されている。
遊技機10の電源が投入され、メインCPU55が起動すると、割込み初期設定アドレスのデータ値及びIアドレス値とに基づいて、ベクタアドレスがどこにあるかを認識可能に構成されている。
具体的には、まず、割込み初期設定アドレス(3FDAH)の上位4ビット値が「0000B」であるため、ベクタアドレスの下位バイトの上位4ビット値が「0000B」となる。
また、割込み初期設定アドレス(3FDAH)の下位2ビットの値である割込み優先順位設定値の値が「01B」であるため、PTC2(タイマカウンタch2の割込み)に対応するベクタアドレスの下位バイトの下位4バイトの値は、割込みコントローラによって「0100B」に割り当てられる。
一方、電源がオンにされると、Iレジスタの値が「00H」になるので、ベクタアドレスの上位バイトの値は「00000000B」となる。
以上より、メインCPU55は、PTC2(タイマカウンタch2の割込み。今回の実施形態のタイマ割込み処理(I_INTR)に相当)に対応するベクタアドレス(「I_INTR」の先頭アドレスが記憶されているアドレス)が「0004H」であると認識することができる。
よって、ベクタアドレスに記憶されているデータ値により、タイマ割込み処理(I_INTR)のプログラムがどのアドレスに記憶されているか(タイマ割込み処理のプログラムの先頭アドレス)を認識することができる。
なお、電源がオンされた後、Iレジスタに「00H」が設定される処理が実行されるわけではない。電源がオンされると、図82中、メインCPU55側のCPUレジスタ領域が初期化されるので、これによって、Iレジスタ値についても他のレジスタ値と同様に「00H」となる。
また、電源がオンされた後、レジスタが初期化されると、Qレジスタには「F0H」が記憶される。そして、Qレジスタに「F0H」が記憶された場合において、内蔵RWM53の記憶領域のうち、上位アドレス「F0H」を指定するときは、Qレジスタを指定する。
また、本実施形態において、PTC2のタイマ割込み処理(I_INTR)が入ると、ベクタアドレス(「0004H」及び「0005H」)に記憶されているデータ(1134H)に相当するアドレスのプログラム(すなわちタイマ割込み処理(I_INTR))が呼び出される。換言すれば、タイマ割込み処理(I_INTR)のプログラムコードを実行可能となる。
図87は、本実施形態において、電源がオンされた後、ユーザモードに移行するまでの過程を示す図である。
まず、電源投入前まで(電源がオフのとき)は、「XSRST」が「L(ロー)」となっている。ここで、「XSRST」は、メインCPU55の作動状況を示し、メインCPU55が動作してはいけない状況(停止中)である場合には「XSRST=L」となっている(メインCPU55が停止中であることを示す)。
この状況下で電源がオンされると、システムリセットが解除され、電源が安定して供給されるようになると、メインCPU55が回路的に「L(ロー)」から「H(ハイ)」となる。
次に、CPUレジスタ領域内のレジスタが初期化され、PROMモード要求があるか否かを判断する。ここで「PROMモード」とは、ROMにデータを書き込む(ROMを焼く)モードのことである。PROMモードへの移行要求ありと判断したときはPROMモードに移行し、PROMモードへの移行要求なしと判断したときは次にセキュリティモードに移行する。なお、市場に設置されている遊技機は、システムリセットが解除された後、PROMモードへの移行要求なしと判断されるように構成されている。
セキュリティモードでは、セキュリティチェックを行い、セキュリティチェックがOKであると判断したときはユーザモードに移行し、セキュリティチェックがNGであると判断したときは実行(処理)停止となる。
当該セキュリティモードでのセキュリティチェックとして、プログラム管理領域のプログラムコード領域設定アドレスや、割込み初期設定アドレス(3FDAH)等が読み込まれる。そして、プログラム管理領域の設定エラーの有無や、自己診断が実行される。また、このセキュリティモードにおいて割込み初期設定アドレス(3FDAH)のデータ値を読み込み、ベクタアドレス値を認識する。
ここで、割込み初期設定アドレスのデータを読み込み、図85(A)中、固定値(A3及びA2ビット)の値が「00B」でないときは、プログラム管理領域の設定エラーとする。
セキュリティモードにおいてセキュリティチェックがOKであると判断されると、次にユーザモードに移行する。
このユーザモードとは、内蔵ROM54の使用領域のプログラム領域中、「0000H」から開始されるプログラム処理に相当する。
なお、図87において、「指定領域外走行」については後述する。
図88は、内蔵ROM54の使用領域のプログラム領域において、「0000H」から開始されるプログラム例を示す図である。
ここで、本実施形態では、メインCPU5による呼出し命令として、特殊呼出し命令と通常呼出し命令とが設けられている。
特殊呼出し命令は「RST命令」と称され、通常呼出し命令は「CALLF命令」と称される。
そして、RST命令は、1バイト(4サイクル)のプログラムとして表すことができる命令である。一方、CALLF命令は、2バイト(4サイクル)のプログラムとして表すことができる命令である。このため、RST命令を記述するためのバイト数は、CALLF命令を記述するためのバイト数よりも少ないので、CALLF命令を用いるよりもRST命令を用いた方がプログラム容量を削減することができる。そこで、呼出し頻度の高いプログラムについてはRST命令を使って呼び出すようにしている。
ここで、「呼出し頻度の高いプログラム」とは、たとえば1遊技で何度も(複数回)呼び出されるプログラムが挙げられる。
ただし、「呼出し頻度の高いプログラム」としては、たとえば1遊技で最低1回呼び出されるプログラムや、1遊技で最低1回呼び出されるとは限らないものの、遊技中に呼び出される可能性が高いプログラムが挙げられる。
また、本実施形態において、RST命令を用いて呼び出すことができるアドレスは、所定のアドレスに限定されている。
具体的には、「所定のアドレス」は、
0008H
0010H
0018H
0020H
0028H
0030H
0038H
0040H
の8つから構成されている。
なお、これら8つのアドレスはあくまでも例示であり、チップの仕様等に応じて、「所定のアドレス」の値(番地)や個数については種々設定可能である。
上記8つのアドレスに、RST命令で呼出し可能なプログラムを記憶しておくことにより、プログラム容量を削減することができる。
一方、上述したように、使用領域のプログラム領域は「0000H」から始まり、この「0000H」から電源投入プログラムが記憶される。電源投入プログラムは、たとえば図62(第2実施形態)に示す「プログラム開始処理(M_PRG_START )」に相当する。
また、上述したように、ベクタアドレスは「0004H」である。
よって、図88に示すように、
0000H:電源投入プログラム(開始プログラム)

0004H:ベクタアドレス

0008H:RST命令で呼び出されるプログラム1

0010H:RST命令で呼び出されるプログラム2

0018H:RST命令で呼び出されるプログラム3

0020H:RST命令で呼び出されるプログラム4

0028H:RST命令で呼び出されるプログラム5

0030H:RST命令で呼び出されるプログラム6

0038H:RST命令で呼び出されるプログラム7

0040H:RST命令で呼び出されるプログラム8

というデータ(命令、プログラムを含む)の配置となる。
また、ジャンプ命令は、本実施形態では3バイトの容量を必要とする。そこで、「0001H」~「0003H」にジャンプ命令を記憶し、ジャンプ先アドレスとしてたとえば「0050H」を指定する。「0050H」以降には、「0000H」の続きのプログラムを記憶する。
ここで、当該ジャンプ命令を含めて電源投入プログラムと称してもよく、あるいは、ジャンプ命令を含まないものを電源投入プログラムと称してもよい。
これにより、「0000H」で電源投入プログラムを開始し、次の「0001H」のジャンプ命令で「0050H」に飛び、「0050H」から電源投入プログラムの続きを実行することができる。
このように設定すれば、「0000H」から電源投入プログラムを開始しつつ、「0004H」にベクタアドレスを配置することができる。さらに、「0000H」から電源投入プログラムを開始しつつ、「0008H」、「0010H」等に、RST命令を配置することができる。
なお、電源投入プログラムの続きでは、たとえば設定変更モードに移行するか否かが判断される。
ここで、電源投入時には電圧が不安定であることから、ジャンプ命令が正常に実行されないおそれがある。ジャンプ命令が正常に実行されない場合は、設定変更モードに移行するまでの時間がかかったり、設定変更モードに移行しない可能性がある。このため、設定変更モードに移行するための操作(たとえば設定キーの所定の操作)をして電源を投入した場合に、目安となる時間(T)までに設定変更モードに移行しなかったときは、ジャンプ命令を含むプログラムが正常に実行されなかったと判断することができる。そして、管理者が、目安となる時間(T)までに設定変更モードに移行しないと判断したときは、遊技機10の電源を入れ直す。電源が再投入されると、再度、セキュリティモードを経て、アドレス「0000H」からプログラムが開始する。
また、電源投入プログラムのジャンプ命令は、「0000H」から「0007H」までに行うことが好ましい。RST命令として「0008H」を使用可能とするためである。
また、「0008H」にRST命令で呼び出されるプログラム1を記憶する場合、当該プログラム1は、「0008H」から「000FH」の8バイトの容量、又は8バイト以内の容量で済むプログラムを配置する。
同様に、「0010H」にRST命令で呼び出されるプログラム2を記憶する場合、当該プログラム2は、「0010H」~「0017H」の8バイトの容量、又は8バイト以内の容量で済むプログラムを配置する。
ここで、当該プログラム2がたとえば「0010H」~「0013H」の4バイトからなる場合、「0014H」~「0017H」のアドレスをどのように用いてもよい。
たとえば第1に、「0014H」~「0017H」のアドレスを未使用領域(「00000000B」を記憶)としてもよい。
また第2に、「0014H」~「0017H」に、4バイト以内で収まる他のプログラムを記憶してもよい。
さらにまた第3に、「0014H」に「0000H」から始まる電源投入プログラムの続きのプログラムを記憶し、「0015H」~「0017H」にジャンプ命令(「0014H」の続きのプログラムが記憶されているアドレスにジャンプする命令)を記憶してもよい。
以上は、「0018H」、「0020H」、「0028H」、「0030H」、「0038H」及び「0040H」についても同様である。
なお、たとえば、「0020H」にRST命令で呼び出されるプログラム4を記憶する場合に、当該プログラム4が「0020H」~「002DH」の14バイトの容量のときは、RST命令で「0028H」を呼び出すプログラム5を設けないようにしてもよい。ただし、RST命令で呼び出されるプログラムが8バイトを超える場合には、プログラム容量に制限が無い「0040H」以降に記憶することが好ましい。このように構成することにより、RST命令で呼出し可能なプログラムとして8つのプログラムを記憶することができる。
また、RST命令で呼び出されるプログラムが8バイトを超える場合のプログラムの配置方法としては、「0040H」以降に記憶することだけでなく、たとえば上記の例では「0020H」から「0024H」までプログラムを記憶し、「0025H」~「0027H」にジャンプ命令を記憶し、当該ジャンプ命令によって「0040H」以降にジャンプさせる方法が挙げられる。このようにすることで、「0028H」にRST命令で呼び出すことができるプログラムを記憶することができる。このような方法をとれば、RST命令で呼び出されるプログラムが8バイトを超える場合であっても、RST命令で呼び出されるプログラムを8個設けることができる。
図88の例では、「0001H」に「0050H」へジャンプする命令を記憶し、「0050H」以降に、「0000H」の続きのプログラムを記憶した例を示している。
なお、本実施形態ではベクタアドレスを「0004H」にしたが、これに限られない。
ここで、ベクタアドレスの値の上位バイトは、Iレジスタの値である。そして、本実施形態のように、電源投入後にIレジスタに特定値を設定する処理を実行せず、メインCPU55のレジスタとして初期化され、「00H」となったままの状態とすることから、ベクタアドレスの上位バイト値を「00H」としている。ただし、これに限らず、電源投入後にIレジスタを初期化した後、Iレジスタに特定値を設定する処理を実行する場合には、ベクタアドレスの上位バイト値を当該特定値に設定することができる。
ただし、図83に示すように、ベクタアドレスを、内蔵ROM54中、使用領域のプログラム領域に設ける場合には、Iレジスタの値は、「00H」~「11H」の範囲となる。
なお、後述するように、ベクタアドレスは、使用領域のプログラム領域に設けることに限らず、使用領域のデータ領域、使用領域外領域のプログラム領域、使用領域外領域のデータ領域に設けることも可能である。
ただし、電源投入後にIレジスタを初期化した後、Iレジスタに特定値を設定する処理を実行する場合には、それだけプログラム容量を必要とする。たとえば特定値を「02H」とした場合、電源投入後にIレジスタを初期化した後、「LD I,02H」(Iレジスタに「02H」をロードする命令(プログラム))を設ける必要がある。当該プログラムとしてたとえば2バイトの容量を要する場合には、それだけプログラム記憶領域を消費する。
これに対し、本実施形態のように、Iレジスタ値として、初期化された値である「00H」を用いる場合には、Iレジスタに特定値を設定する必要がないので、それだけプログラム記憶領域を節約することができる。これにより、ベクタアドレスの上位バイト値を「00H」とした方がプログラム容量を少なくすることができる。
さらに、Iレジスタ値を「00H」とした場合に、ベクタアドレスの値は、「0004H」に限られない。具体的には、ベクタアドレスの値は、たとえば「00FEH」及び「00FFH」以下の値であり、かつ、RST命令での呼出し対象となるアドレス(上述した「0008H」、「0010H」等)以外であれば、任意に設定することができる。たとえば「00F4H」に設定することが可能である。ベクタアドレスの下位バイトの下位4ビット値を「0100B(4H)」とすれば、図86(B)に示す本実施形態の自動割当て値をそのまま使用することができる。
また、ベクタアドレスの下位バイトの上位4ビット値を上記のように「FH」(1111B)としたときには、図85(A)中、割込み初期設定アドレス(3FDAH)のデータ値において、上位4ビット値(ベクタアドレス設定値)が「1111B」となる。
図89は、ベクタアドレス値を「00F4H」としたときの例を示す図である。この場合には、「0004H」はベクタアドレスではないので、「0000H」~「0004H」には、電源投入プログラムを記憶することができる。
また、ジャンプ命令のプログラム容量として3バイト必要である場合、「0005H」~「0007H」の3バイト記憶領域にジャンプ命令を配置し、「0008H」には、図88と同様にRST命令で呼び出されるプログラム1を記憶することができる。
次に、RST命令で呼び出されるプログラム、すなわち1遊技で複数回呼び出されるプログラムについて説明する。
図90は、RST命令で呼び出される処理の例を示すフローチャートであり、(A)、(B)、及び(C)は、それぞれ例1、例2、及び例3を示す。
図90(A)の例1は、制御コマンドセット1(R_CMD_SET )を示すフローチャートである。この処理は、たとえば図67(第2実施形態)中、ステップS303の処理に相当し、メイン制御基板50からサブ制御基板80に対して送信するコマンドデータをセットするための処理である。
さらに、図示しないが、図67(第2実施形態)中、ステップS272における遊技開始セット処理においても作動状態(BB作動図柄が表示されたか否かや、リプレイ作動図柄が表示されたか否か等)の出力要求がセットされ、制御コマンドセット1が実行される。
同様に、図示しないが、図67(第2実施形態)中、ステップS279におけるスタートスイッチ受付け処理においても、リール回転開始時の出力要求がセットされ、制御コマンドセット1が実行される。
図90(A)において、まず、ステップS151では、メイン制御基板50は、割込み禁止処理を実行する。次のステップS152では、制御コマンドセット2(C_CMD_SET )を実行する。そしてステップS503に進み、ステップS151で禁止した割込み処理の解除(すなわち割込み許可)を実行する。以上の処理により、制御コマンドセット2の実行中は、割込み処理が禁止される。
なお、制御コマンドセット2の詳細な処理は省略するが、この処理は、制御コマンドの書込みを行う処理である。また、制御コマンドセット2の実行中は割込み処理が禁止されるので、制御コマンドの書込み処理中に割込み処理が実行されることによる誤作動を防止することができる。
図90(B)の例2は、割込み待ち処理(R_INTR_WAIT )を示すフローチャートである。この処理は、たとえば図66(第2実施形態)のステップS2754や、図67(第2実施形態)のステップS295の処理に相当する。
まず、ステップS161では、メイン制御基板50は、割込みカウンタ値を取得する。この処理は、割込みカウンタ値をAレジスタに記憶する処理である。なお、内蔵RWM53の使用領域の作業領域中、所定のアドレスには、16ビット(2バイトカウンタ)の割込みカウンタ値を記憶しており、ステップS161では、下位8ビットのアドレスに記憶されている値をAレジスタに記憶する。
次のステップS162では、メイン制御基板50は、割込みカウンタ値の下位8ビットの値が変化したか否かを判断する。具体的には、Aレジスタ値から下位8ビットの値を減算し、演算結果が「0」でないとき(ゼロフラグ=「0」のとき)は「Yes」と判断する。変化したと判断したときは本フローチャートによる処理を終了し、変化していないと判断したときはステップS162の処理を継続する。
図90(C)の例3は、カウントダウン(R_CNT_DOWN)を示すフローチャートである。この処理は、たとえば図67(第2実施形態)のステップS301(遊技終了チェック処理)において有利区間クリアカウンタを減算する処理、図68(第2実施形態)のステップS455(タイマ計測)においてタイマ値を更新する処理、あるいは図示しないがAT遊技中にAT遊技回数を更新する処理等に用いられる。
この処理では、ステップS171において、カウンタ値を「1」減算し、本フローチャートの処理を終了する。
なお、図90に示した3つの処理は、1遊技で複数回呼び出される処理の例示であり、これら3つの処理に限定されるものではなく、さらに多くの処理が挙げられる。そして、上述したアドレス内に記憶可能なプログラム容量であり、かつ、1遊技での呼出し回数が多いプログラムを、RST命令で呼び出す処理に設定する。
図91は、プログラムコード領域指定アドレスとそのデータ値とを示す図である。なお、以下では「プログラムコード領域指定アドレス」と称するが、「プログラムコード領域設定アドレス」と称してもよい。
図83に示すように、内蔵ROM54のプログラム管理領域において、アドレス「3FD3H」~「3FD8H」は、プログラムコード領域指定アドレスに設定されている。
メインCPU55は、プログラムコード領域に指定されたアドレスの範囲内に記憶されているプログラムコードが実行されたときは正常であると判断し、プログラムコード領域に指定されたアドレスの範囲外に記憶されているプログラムコードが実行されたときは異常(指定領域外走行)と判断する。メインCPU55は、異常(指定領域外走行)と判断した場合には、リセットを発生させる。
換言すると、指定領域外に記憶されているプログラムコード(命令)を呼び出した(命令フェッチした)ときに、リセットを発生させる。
このようにしているのは、以下の理由による。
第1の理由としては、本来のプログラム領域以外の領域に不正プログラムコードが記憶され、本来のプログラム領域からたとえばジャンプ命令で不正プログラムコードに飛ばし、当該不正プログラムコードを実行させるというゴト行為のおそれがあるためである。
また、第2の理由としては、電源投入直後の電圧不安定時に暴走が発生したり、熱による暴走が発生したりして、プログラム領域以外の領域に命令が飛ぶおそれがあるためである。具体的には、たとえばAアドレスからBアドレスにジャンプする命令を有する場合に、当該命令が正確に実行されなければ、Bアドレス以降に記憶された命令が設計時間内に実行されない場合がある。このような場合には、一旦電源を落とし、電源を再投入(再起動)させるものである。
図87では、指定領域外走行時の処理を併せて図示している。
図87に示すように、ユーザモードの実行中に指定領域外走行を検知したときは、リセットを発生させる。この場合、メインCPU55は、レジスタを初期化し、セキュリティモードを経由して、再度、ユーザモードを実行する(アドレス「0000H」からプログラムを実行する。)。
なお、これに限らず、指定領域外走行を検知し、リセットを発生させたときは、レジスタを初期化した後、セキュリティモードを経由することなく、ユーザモードから実行してもよい。
また、図87の例では、レジスタを初期化した後にPROMモード要求の有無を判断しているが、これに限らず、指定領域外走行を検知し、リセットを発生させたときは、PROMモード要求の有無を判断しないようにしてもよい。
ただし、指定領域外走行を検知してリセットを発生させたときは、レジスタの初期化は必ず実行される。
図91(A)は、プログラムコード領域1の終了アドレスを指定するためのアドレスを示す図である。「プログラムコード領域1」は、図83中、使用領域のプログラム領域に相当する。なお、後述する「プログラムコード領域2」は、図83中、使用領域外領域のプログラム領域に相当する。
ここで、図83に示すように、使用領域のプログラム領域のアドレス範囲は、「0000H」~「11FEH」となっている。このため、本実施形態では、開始アドレス「0000H」については定めず、終了アドレス「11FEH」のみを定めるようにしている。このようにすれば、開始アドレス「0000H」を定めるための記憶領域(2バイト)が不要となる。
終了アドレスのみを定め、開始アドレスを定めなければ、必然的に、メインCPU55は、内蔵メモリの先頭アドレスから終了アドレスまでの範囲をプログラムコード領域1と認識する。そして、実際に、プログラムコード領域1(使用領域のプログラム領域)は「0000H」から開始しているので、メインCPU55が上記のように認識しても支障はない。
プログラムコード領域1の終了アドレスは、プログラム管理領域のアドレス「3FD3H」及び「3FD4H」(2バイト領域)に記憶される。本実施形態では、図91(A)に示すように、アドレス「3FD3H」に下位バイトを記憶し、アドレス「3FD4H」に上位バイトを記憶する。
したがって、アドレス「3FD3H」には「FEH」(11111110B)が記憶され、アドレス「3FD4H」には「11H」(00010001B)が記憶される。
図91(B)は、プログラムコード領域2の開始アドレスを指定するためのアドレスを示す図である。
プログラムコード領域2の開始アドレスを指定するためのアドレスは、「3FD5H」及び「3FD6H」に設定されている。図83に示すように、使用領域外領域のプログラム領域のアドレス範囲は、「2000H」~「245DH」である。このため、プログラムコード領域2の開始アドレスは「2000H」である。
したがって、アドレス「3FD5H」には「00H」(000000000B)が記憶され、アドレス「3FD6H」には「20H」(00100000B)が記憶される。
図91(C)は、プログラムコード領域2の終了アドレスを指定するためのアドレスを示す図である。プログラムコード領域2の終了アドレスを指定するためのアドレスは、「3FD7H」及び「3FD8H」に設定されている。
そして、アドレス「3FD7H」には「5DH」(01011101B)が記憶され、アドレス「3FD8H」には「24H」(00100100B)が記憶される。
以上のように、プログラムコード領域1の終了アドレス、及びプログラムコード領域2の開始及び終了アドレスがプログラム管理領域に記憶されている状況下で、メインCPU55は、これらの指定アドレス範囲内のプログラムコードが実行されているときは正常と判断するが、指定アドレス範囲外のプログラムコードが実行されるときは、異常と判断する。
なお、プログラムコード領域を指定しないことも可能である。この場合には、プログラムコード領域1終了アドレス、プログラムコード領域2開始アドレス、及びプログラムコード領域2終了アドレスのすべてに「0000H」を記憶する。
また、たとえばプログラムコード領域1のみアドレスを指定し、プログラムコード領域2のアドレスを指定しない場合には、プログラムコード領域1終了アドレスを図91に示すように「11FEH」とし、プログラムコード領域2の開始アドレス及び終了アドレスを「0000H」とすればよい。
以上、本発明の第3実施形態について説明したが、本発明は、上記記載に限定されることなく、たとえば以下のような種々の変形が可能である。
(1)使用領域のプログラム領域にベクタアドレスを設けたが、たとえば使用領域のデータ領域にベクタアドレスを設けることも可能である。たとえばベクタアドレスの上位バイト値を「12H」にした場合には、電源が投入された後、Iレジスタには「12H」を記憶する処理を実行する。
また、使用領域外領域のプログラム領域にベクタアドレスを設けてもよい。たとえばベクタアドレスの上位バイト値を「20H」にした場合には、電源が投入された後、Iレジスタには「20H」を記憶する処理を実行する。
さらにまた、使用領域外領域のデータ領域にベクタアドレスを設けてもよい。たとえばベクタアドレスの上位バイト値を「24H」にした場合には、電源が投入された後、Iレジスタには「24H」を記憶する処理を実行する。
なお、使用領域のデータ領域にベクタアドレスを設けた場合、使用領域外領域のプログラム領域にベクタアドレスを設けた場合、及び使用領域外領域のデータ領域にベクタアドレスを設けた場合のいずれも、ベクタアドレスに記憶されたデータ値を読み込んだだけでは、指定領域外走行となりリセットがかかることはない。
(2)ベクタアドレスに記憶されているデータ値、すなわちタイマ割込み処理のプログラムが記憶された先頭アドレスは、任意に設定することができる。図86(c)の例では、「1134H」としたが、これに限られない。また、タイマ割込み処理のプログラムが記憶された先頭アドレスは、ベクタアドレスよりも後でもよいし、ベクタアドレスよりも前であってもよい。
(3)上記実施形態では、プログラムコードの実行可能範囲(走行可能な領域)として、図91に示すように、2つのアドレス範囲を定めたが、これに限らず、1つのアドレス範囲のみを定めてもよい。
また、内蔵ROM54の使用領域のプログラム領域においてプログラムコードの実行可能範囲を定めるにあたり、上記実施形態では終了アドレスのみを定め、開始アドレスを定めていないが、これに限らず、開始アドレス及び終了アドレスの双方を定めてもよい。
(4)上記実施形態では、RST命令で呼び出されるプログラムを記憶したアドレスとして、「0008H」、「0010H」、「0018H」、「0020H」、「0028H」、「0030H」、「0038H」、及び「0040H」を設けたが、これら8個のアドレスに限られるものではない。ただし、RST命令で呼び出されるプログラムを記憶したアドレスのうち上位バイトは「00H」に設定することが好ましい。
このようにすることで、1遊技で複数回呼び出されるモジュールを先頭アドレス(0000H)付近に設けておくことにより、開発段階において、当該モジュールを先に設計しておき、他のモジュールを後に設計(検討)することが可能となる。
(5)RST命令で呼び出されるプログラムを記憶したアドレスとベクタアドレスとの関係については、以下の通りである。
第1に、図88に示すように、RST命令で呼び出されるプログラムを記憶したすべてのアドレスよりも前にベクタアドレスを配置してもよい。
第2に、図89に示すように、RST命令で呼び出されるプログラムを記憶したすべてのアドレスよりも後にベクタアドレスを配置してもよい。
第3に、RST命令で呼び出されるプログラムを記憶した1つのアドレス(たとえば「0020H」)と、RST命令で呼び出されるプログラムを記憶した他の1つのアドレス(たとえば「0028H」)との間(たとえば「0026H」及び「0027H」)にベクタアドレスを配置してもよい。
この場合、使用領域のプログラム領域内(「0000H」~「00FFH」の範囲内)にベクタアドレスを配置すれば、電源投入後、Iレジスタにベクタアドレスの上位バイト値を設定する必要がない。換言すれば、Iレジスタ値を「00H」とすれば、プログラム容量を削減することができる。
また、図86(B)に示すように、ベクタアドレス値の下位1バイト中、A3-A0ビット値は、この例の場合、「0100B」となる。よって、この時点で、ベクタアドレス値は、「00000000/♯♯♯♯0100B」となる(「♯」は、「0」又は「1」の任意の値。)。
ここで、上記「♯♯♯♯B」(ベクタアドレス設定値)は、図86(A)の例では「0000B」である。しかし、これに限らず、「♯♯♯♯B」をたとえば「1000B(8H)」や「1111B(FH)」としてもよい。
「♯♯♯♯B」を「1000B(8H)」としたときは、ベクタアドレス値は「00000000/10000100B」となり、「♯♯♯♯B」を「1111B(FH)」としたときは、ベクタアドレス値は「00000000/11110100B」となる。
(6)ベクタアドレス値の上位バイト値はIレジスタ値とし、「00H」とした。しかしこれに限らず、上述したことと一部重複するが、ベクタアドレスの上位バイトの値を「00H」以外の値、たとえば「02H」としてもよい。この場合、遊技機10の電源をオンにした後、Iレジスタを初期化した後、Iレジスタに「02H」を記憶する処理を実行する。
特に、ベクタアドレスを、内蔵ROM54中、使用領域のプログラム領域に設ける場合には、Iレジスタの値すなわちベクタアドレスの上位バイト値は「00H」~「11H」の範囲であればよい。
ただし、遊技機10の電源がオンにされる毎にIレジスタは初期化される(「00H」となる)ため、当該初期化後に、改めてIレジスタにたとえば「02H」を記憶する処理を実行する。上述したように、たとえば「LD I,02H」というプログラムコードを設け、Iレジスタに「02H」を記憶する処理を実行する。
一方、本実施形態のように、ベクタアドレスの上位バイトの値を「00H」とすれば、Iレジスタ値は「00H」となるので、遊技機10の電源がオンにされ、Iレジスタが初期化された後はIレジスタに特定値を記憶する処理が不要となる。換言すれば、「LD I,00H」というプログラムコードを設ける必要がない。よって、その分、プログラム容量を削減することができる。
(7)第1実施形態~第3実施形態、及び第1実施形態~第3実施形態で示した各種の変形例は、単独で実施されることに限らず、適宜組み合わせて実施することが可能である。
<第4実施形態>
第4実施形態は、ストップスイッチ42の操作態様(押し順、及び/又は操作タイミング)に応じて入賞役(メダル獲得枚数期待値)が異なる偏り役を備える遊技機に関するものである。
「偏り役」とは、ストップスイッチ42の操作態様に応じて入賞役が異なっており、かつ、一方的に有利な押し順とそれ以外の押し順(一方的に不利な押し順)とを有し、偏り役に当選した遊技において、一方的に有利な押し順でストップスイッチ42が操作されると、それ以外の押し順でストップスイッチ42が操作された場合と比較して、当該1遊技におけるメダル獲得枚数期待値(ATに係る期待値を考慮しない期待値)が高くなる役である。
また、ストップスイッチ42の押し順としては、順押し(左第一停止)と変則押し(中第一停止又は右第一停止)とを有するが、第4実施形態における「一方的に有利な押し順」は、変則押しに相当する。
偏り役は、複数種類の小役から構成されており、偏り役の当選とは、これら複数種類の小役の重複当選に相当する。そして、偏り役の当選時(複数種類の小役の重複当選時)に、一方的に有利な押し順でストップスイッチ42が操作されると、枚数優先制御(第1実施形態参照)により最も払出し数の多い小役(以下「高目」という。)が入賞可能となる。一方、偏り役の当選時に一方的に有利な押し順以外の押し順でストップスイッチ42が操作されると、個数優先制御(第1実施形態参照)により、最も払出し数の多い小役以外の小役(以下「低目」という。)が入賞可能となる。なお、枚数優先制御が実行されたときは、一般には、高目が「PB=1」で入賞する。
これに対し、個数優先制御が実行されたときは、
a)低目が「PB=1」で入賞する場合と、
b)低目が「PB≠1」で入賞するか、又はいずれの小役も入賞しない(役の入賞を取りこぼす)場合と
を有する。
さらに、「偏り役」には正解押し順が6択の押し順に対して均等に割り当てられておらず、偏り役の当選時には上述した変則押しでストップスイッチ42を操作すると一方的に有利となるように構成されている。このことから、偏り役の当選時には、一方的に有利な押し順(変則押し)とそれ以外の押し順(一方的に不利な押し順(順押し))とを有する。また、「偏り」とは、有利な押し順が変則押しに偏っていることを示している。
具体的には、偏り役に当選した遊技において、順押しでストップスイッチ42が操作されたときに高目が入賞する割合を「R1(%)」とし、変則押しでストップスイッチ42が操作されたときに高目が入賞する割合を「R2(%)」としたとき、
「R1<R2」
となるように構成されている。
特に第4実施形態では、「R1=0(%)」に設定されている。
図92(a)は、第4実施形態において、役の種類、当選確率、ストップスイッチ42の押し順ごとの払出し枚数等を示す図であり、同図(b)は、偏り役の出玉性能を示す図である。第1実施形態と同様に、スタートスイッチ41が操作されたときに役抽選手段61による役抽選が行われ、図92に示す役が同図に示す当選確率で当選するように構成されている。なお、図92では、特別役(ボーナス役)を省略している。
図92において、偏り役は、偏りベル1~偏りベル4、レア役A、レア役Bに相当する。
ここで、いわゆる押し順ベルとして、
左中右(123)正解ベル
左右中(132)正解ベル
中左右(213)正解ベル
中右左(231)正解ベル
右左中(312)正解ベル
右中左(321)正解ベル
を設け、各押し順ベルの当選確率はすべて同一に設定することが挙げられる。
これにより、遊技中に、遊技者がどの押し順で遊技を消化しても、各押し順ベルの当選に基づくメダル獲得枚数期待値に有利/不利は生じない。
換言すれば、順押しで遊技を消化した場合と、変則押しで遊技を消化した場合とで、押し順ベルに係るメダル獲得枚数期待値は同一である。
これに対し、第4実施形態では、偏り役は、順押しでは押し順正解となる場合(高目が入賞する場合)がなく、押し順正解となるのは変則押しに限られる。
換言すれば、偏り役の当選時には、正解押し順となるのは変則押しに限られているので、遊技者が通常行うストップスイッチ42の押し順である順押しで遊技を消化した場合には、偏り役当選時に高目が入賞することはない。
偏りベル1~偏りベル4を構成する役は、いずれも、1枚役、2枚役、及び7枚役である。そして、いずれかの偏りベルの当選時に、変則押しの正解押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、枚数優先制御によって、高目ベルである7枚役が「PB=1」で入賞する。これに対し、いずれかの偏りベルの当選時に、不正解押し順である順押しでストップスイッチ42が操作されたときは、個数優先制御によって、低目ベルである1枚役又は2枚役が「PB=1」で入賞する。また、いずれかの偏りベルの当選時に、変則押しであるが不正解押し順であるときは、個数優先制御によって低目ベルである1枚役が「PB=1」で入賞する。
すなわち、この例では、偏りベル当選時にどの押し順でストップスイッチ42が操作されても取りこぼしは発生しない。
より具体的に説明すると、たとえば偏りベル1の当選時に、中左右の正解押し順でストップスイッチ42が操作されると、「PB=1」で7枚役が入賞する。これに対し、偏りベル1の当選時に、中右左、右左中、又は右中左の不正解押し順でストップスイッチ42を操作すると、「PB=1」で1枚役が入賞するように構成されている。
一方、偏りベル1の当選時に、不正解押し順である順押し(左中右、又は左右中)でストップスイッチ42が操作されると、「PB=1」で1枚役又は2枚役が入賞する。1枚役又は2枚役のいずれが入賞するかは、ストップスイッチ42の操作タイミングに応じて異なる。このことは、偏りベル2~偏りベル4の当選時も同様である。
同様に、偏りベル2の当選時に、中右左の正解押し順でストップスイッチ42を操作すると「PB=1」で7枚役が入賞し、中左右、右左中、又は右中左の不正解押し順でストップスイッチ42を操作すると「PB=1」で1枚役が入賞する。
また、偏りベル3の当選時に、右左中の正解押し順でストップスイッチ42を操作すると「PB=1」で7枚役が入賞し、中左右、中右左、又は右中左の不正解押し順でストップスイッチ42を操作すると「PB=1」で1枚役が入賞する。
さらにまた、偏りベル4の当選時に、右中左の正解押し順でストップスイッチ42を操作すると「PB=1」で7枚役が入賞し、中左右、中右左、又は右左中の不正解押し順でストップスイッチ42を操作すると「PB=1」で1枚役が入賞する。
毎遊技、偏りベル1~4は合算で「4/5」の確率で当選する。ここで、偏りベル当選時の順押し時に、1枚役が50%の確率で入賞し、2枚役が50%の確率で入賞するとしたときに、毎遊技、順押しで消化した場合には、偏りベルに基づくメダル獲得枚数期待値は、
4/5×1/2×1+4/5×1/2×2=1.2(枚)
となる。
一方、毎遊技、変則押しで消化した場合には、偏りベルに基づくメダル獲得枚数期待値は、
4/5×1/4×7+4/5×3/4×1=2.0(枚)
となる。
また、レア役A、レア役Bは、偏り役の一種である。レア役A、レア役Bは、いずれも、1枚役と12枚役とを含む役である。
そして、図92に示すように、レア役A又はレア役Bの当選時に、順押しでストップスイッチ42が操作されたときは、押し順不正解となり、「PB=1」で1枚役(低目)が入賞する。
一方、レア役A又はレア役Bの当選時に、変則押しでストップスイッチ42が操作されたときは、押し順正解となり、「PB=1」で12枚役(高目)が入賞する。
レア役A及びレア役Bの合算の当選確率は「1/125」であるので、順押しの場合、レア役A及びレア役Bに基づくメダル獲得枚数期待値は、
1/125×1=0.008(枚)
となる。
一方、変則押しの場合、レア役A及びレア役Bに基づくメダル獲得枚数期待値は、
1/125×12=0.096(枚)
となる。
以上より、偏り役当選時の遊技において、当該遊技でのメダル獲得枚数期待値は、変則押しをすれば一方的に有利となり、順押しでは一方的に不利となる(図92(b))。
偏り役以外の役としては、共通ベル、スイカ、及びリプレイを備える。
共通ベルは、正解押し順/不正解押し順という概念を有さず、どの押し順でストップスイッチ42が操作されても、6枚役が入賞する(PB=1)。
また、スイカは、その当選時には押し順にかかわらず入賞可能となる小役であるが、取りこぼしを有する役である。このため、図92では、「5枚(入賞時)」又は「0枚(取りこぼし時)」と表示している。ただし、図柄配列やストップスイッチ42の操作タイミングによっては、入賞しやすさに差が生じる場合があるが、この点については説明を割愛する。
共通ベルは、払出し数6枚で当選確率は「1/88」である。
また、スイカは、払出し数5枚(取りこぼさない場合)で当選確率は「1/200」である。スイカについては、入賞50%、取りこぼし50%とすると、共通ベル及びスイカの合算のメダル獲得枚数期待値は、
6×1/88+5×1/200×1/2≒0.081(枚)
である。
以上より、順押しで遊技を消化したときの全役に基づくメダル獲得枚数期待値は、
1.2+0.008+0.081=1.289(枚)
となる。
一方、変則押しで遊技を消化したときの全役に基づくメダル獲得枚数期待値は、
2.0+0.096+0.081=2.177(枚)
となる。
したがって、メダル獲得枚数期待値は、順押し時よりも変則押し時の方が大きい。
また、第4実施形態では、ベット数(「規定数」ともいう。)は「3(枚)」である。このため、毎遊技、変則押しで遊技を消化しても、1遊技あたりのメダル獲得枚数期待値がプラスにはならないようになっている。
一方、第4実施形態では、上記の他の実施形態と同様に、通常区間(非有利区間)と有利区間とを有する。さらに有利区間は、非ATとATとを有する。非ATには非CZとCZ(AT当選期待度が非CZよりも高い状態)とを有する。
そして、通常区間では、AT抽選(以下の第4実施形態の説明では、CZ抽選を含めてAT抽選と称する。)を実行しない。これに対し、有利区間かつ非AT中は、AT抽選を実行する。AT抽選は、レア役A及びレア役B(以下、レア役A及びレア役Bを総称して単に「レア役」という。)の当選時に実行可能とする。
なお、共通ベルやスイカの当選時にもAT抽選を実行してもよいが、第4実施形態では、説明の簡素化のため、レア役の当選時にのみAT抽選を実行可能とする。
また、レア役の当選時に順押しでストップスイッチ42が操作されたときのATの当選期待度(「当選確率」、「当選割合」、「当選期待値」等ともいう。)を「P1」とし、レア役の当選時に変則押しでストップスイッチ42が操作されたときのATの当選期待度を「P2」としたとき、
P1>P2
に構成されている。このため、遊技中にいつレア役に当選するかはわからないので、有利区間かつ非ATにおいてATの当選期待度を高めるためには、遊技者は、常時、順押しで遊技を消化した方が有利となる(図92(b))。
なお、ATの当選期待度「P2」は、「0」を超える値でもよく、あるいは「0」でもよい。第4実施形態では、「P2=0」とする。
AT抽選は、スタートスイッチ41が操作され、レア役に当選したことに基づいて行われるので(後述する図102のステップS283)、AT抽選が実行されるタイミングでは、未だストップスイッチ42は操作されていない。
したがって、たとえばレア役当選時のAT抽選は、レア役当選のタイミング(スタートスイッチ41の操作時)で行い、ATに当選した場合であって、今回遊技が変則押しであったときは、今回遊技の全停時(今回遊技の遊技終了時、次回遊技の開始時でもよい。)に、当該ATの当選を無効にする(ATの当選を破棄する)。
上述したように、偏り役の当選時に、変則押しでストップスイッチ42が操作されれば、順押しでストップスイッチ42が操作されたときよりも、その遊技におけるメダル獲得枚数期待値は高くなる。
しかし、上記のように、有利区間かつ非ATにおいて、偏り役の当選時に、順押しでストップスイッチ42が操作されたときはATの権利を付与する場合を有するが、変則押しでストップスイッチ42が操作されたときは、ATの権利を付与する場合はない。
このため、ATでの出玉を含めたトータル(遊技全体)の出玉性能は、順押しの方が変則押しよりも高くなっている(図92(b))。
このことから、第4実施形態では、順押し(左第一停止)の押し順を「推奨押し順」と称し、変則押し(中第一停止又は右第一停止)の押し順を「非推奨押し順」と称する(図92(b))。
「推奨」とは、有利区間かつ非ATにおいてその押し順で遊技を実行すれば、トータル(遊技全体)のメダル獲得枚数期待値が他の押し順よりも高くなることを意味する。
ただし、順押しはあくまでも「推奨」であって「命令」等ではない。換言すれば、変則押しは「非推奨」であって「禁止」等ではない。
第4実施形態では、有利区間かつ非ATにおいて非推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、推奨画像(「所定画像」、「特定画像」と称してもよい。)を表示する。
ここで、「推奨画像」とは、順押しが推奨押し順であること、換言すれば、順押しが遊技者に有利な押し順であることを遊技者に知らせる画像である。なお、推奨画像の表示は、推奨押し順を遊技者に知らせる表示であり、警告表示とは異なる。変則押しでストップスイッチ42が操作されたときに、次回遊技以降の遊技において何らかのペナルティとなったり、遊技者が不利益を受けることはない。ただし、順押しでストップスイッチ42が操作された遊技と、変則押しでストップスイッチ42が操作された遊技とでは、上記のように当該遊技でのAT当選期待度が異なる。
このため、推奨画像の表示により、変則押しでストップスイッチ42を操作するとトータル(遊技全体)のメダル獲得枚数期待値が低下することを遊技者に知らせることを目的とする。ここで、「トータル(遊技全体)のメダル獲得枚数期待値が低下する」とは、たとえばAT当選期待度が低くなること、ATに当選したときのAT中のメダル獲得枚数期待値が減少すること、AT当選までの天井ゲーム数が伸びてしまうこと等に相当する。
なお、「推奨画像」は、たとえば「左押し(順押し)が推奨です」、「左押し(順押し)が有利です」、「左押し(順押し)の方がATに当選しやすいです」等の画像が挙げられる。ただし、推奨画像としては、上記以外にも各種の画像が挙げられる。
ストップスイッチ42が順押しされた遊技では、推奨画像が表示されることはない。これに対し、有利区間かつ非ATにおいてストップスイッチ42が変則押しされた遊技では、第一停止の時点で推奨画像が表示される。また、推奨画像が表示された場合であっても、少なくとも次回遊技の遊技開始時(スタートスイッチ41操作時)にはその表示を終了する。ただし、今回遊技の全停時や次回遊技のベット操作時のタイミングで推奨画像の表示を終了することも可能である。この場合、推奨画像表示の終了のタイミングで内部制御状態と演出画像とを一致させる処理を実行することが好ましい。このように構成することで、推奨画像が表示される期間が短くなるため、遊技者が煩わしさを感じたり、他の遊技者が推奨画像を見て、非推奨押し順で遊技を行った台であることを知ってしまい、後の稼働が低下してしまうことを防ぐことができる。
また、推奨画像とともに、あるいは推奨画像に代えて、推奨押し順を報知するための音を出力してもよい。以下、推奨画像の表示を含む推奨押し順の報知として、適切な例及び不適切な例を挙げる。
(1)推奨押し順の報知として不適切な例
a)「変則押し禁止」と表示することは、推奨押し順の報知として不適切である。「禁止」という文言が警告の表現に該当するためである。遊技機10では、ストップスイッチ42の推奨押し順を遊技者に報知可能であるが、ストップスイッチ42の押し順をどのようにするかは遊技者が決定することであるため、特定の押し順を禁止することは不適切だからである。
b)「危険(DANGER)」と表示することは、推奨押し順の報知として不適切である。上記の「禁止」と同様に、警告の表現に該当するためである。
c)黒と黄の縞模様を表示すること、禁止マーク(赤い円内に、斜め右下がりの赤い直線を表したもの)を表示すること、「×」と表示すること等は、推奨押し順の報知として不適切である。これらの画像は、社会通念上、警告、危険、禁止等と認識されるためである。
d)ブザーや警報に類する音の出力は、推奨押し順の報知として不適切である。社会通念上、警告音、禁止音と認識されているからである。ただし、メダルセレクタエラーやホッパーエラー等、遊技機10にエラーが発生した場合にブザーや警報等の音を出力可能としてもよいのは、もちろんである。
(2)推奨押し順の報知として適切な例
a)上記のように「左押し(順押し)が推奨です」と表示することは、遊技者にとって最適な(遊技者にとって利益が最大となる)遊技方法(押し順)を報知しているので、推奨押し順の報知として適切である。
b)通常時と異なるリール31の停止音を出力することは、推奨押し順の報知として適切である。遊技機10の演出として一般に用いられる程度の音であれば、警告音には該当しない。
c)全停後にリール31のバックライトを消灯させることは、推奨押し順の報知として適切である。上記と同様に、遊技機10の演出として一般に用いられる程度のものだからである。
d)液晶画面を暗転させることは、推奨押し順の報知として適切である。上記c)と同様の理由による。なお、暗転のタイミングは、第一停止時、第二停止時、全停時、全停後のいずれであってもよい。
e)リール31の停止音を出力しないことは、推奨押し順の報知として適切である。上記c)と同様の理由による。なお、第一停止時のみの停止音を出力しない、第一停止時及び第二停止時の停止音を出力しない、すべての停止音を出力しない、のいずれでもよい。また、役の入賞音を出力しないことも、推奨押し順の報知として適切である。
f)複数遊技にわたる連続演出を出力している場合において、非推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたときに、連続演出の進行を中断することは、推奨押し順の報知として適切である。上記c)と同様の理由による。
g)前兆中に残り遊技回数を表示している場合において、当該残り遊技回数の減算表示を行わないことは、推奨押し順の報知として適切である。なお、前兆中に非推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、内部制御上も前兆中の残り遊技回数の減算処理を実行しないものとする。このようにしても、事実を報知しているにすぎず、警告等には該当しないためである。
h)「変則押ししています」と画像表示すること、及び/又は音声出力することは、推奨押し順の報知として適切である。上記g)と同様に事実を報知しているにすぎず、警告等には該当しないためである。
i)「順押しをするとAT性能が上がり、ベースが下がります。変則押しをすると、AT性能が下がり、ベースが上がります。」と画像表示することは、推奨押し順の報知として適切である。上記g)と同様の理由による。
j)所定条件(たとえば、有利区間に移行したことや、AT等の抽選に係る新たな周期が開始したこと)を満たしてからの遊技回数に係る表示(たとえば、有利区間に移行してからの遊技回数や、AT等の抽選に係る周期が終了するまでの残り遊技回数)をしている場合において、所定の遊技(たとえば、有利区間における一の遊技や、AT等の抽選に係る周期の一の遊技)で非推奨押し順で操作されたことに基づいて当該遊技回数に係る表示の加算表示又は減算表示しないことは、推奨押し順の報知として適切である。
なお、有利区間に移行した後、規定の遊技回数や規定の周期数が消化されてもAT等の有利な遊技状態に制御されていない場合に、強制的にAT等の有利な遊技状態に制御する救済機能(「天井」とも称する。)が知られている。
そして、前記所定の遊技において非推奨押し順で操作されたときは、内部制御上は救済機能に係る遊技回数の加算処理(インクリメントカウンタの場合)又は減算処理(デクリメントカウンタの場合)を実行しないが、有利区間クリアカウンタについては減算処理を実行するものとする。上記g)と同様の理由である。
図93は、有利区間かつ非AT中において、推奨押し順(順押し)でストップスイッチ42が操作されたときの演出の流れ(例1)を示す図である。図中、(a)→(b)→(c)→(d)の順の時系列となっている。
この例では、有利区間かつ非AT中は、画像表示装置23に現在のステージが表示されているものとする。ステージは、通常と高確とを有し、高確であるときは通常であるときよりもAT当選期待度が高くなるように設定されている。また、ステージが通常である状況下でレア役に当選したときは、ステージを通常から高確に昇格させるか否かの抽選を実行するものとする。以下の例ではステージが通常から高確に昇格するときの例を示す。
図中(a)において、遊技開始前は、遊技開始前演出が画像表示装置23に表示されている。また、この時点でのステージは通常である。
そして、図中(b)に示すようにスタートスイッチ41が操作され、レア役に当選すると、ステージ昇格示唆演出が開始される。
次に図中(c)に示すように、左ストップスイッチ42が最初に操作されると、この時点で推奨押し順であることが確定するので、推奨画像は表示されず、左(第一)ストップスイッチ42操作時の演出として、ステージ昇格示唆演出が発展する。なお、この例では最初のストップスイッチ42操作時にステージ昇格示唆演出が発展する例を示しているが、遊技開始時(全リール31の回転中)と左ストップスイッチ42操作時(左リール31停止時)とで演出が変化しなくてもよいのはもちろんである。
次に図中(d)に示すように、すべてのストップスイッチ42が操作され、全リール31が停止すると、全リール31停止後の演出として、ステージ昇格に成功した旨の演出が出力される。そして、ステージは、それまでの通常から高確に切り替わる。
以上のようにして、推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、推奨画像は表示されない。
図94は、図93の例において、非推奨押し順(変則押し)でストップスイッチ42が操作されたときの演出の流れ(例1)を示す図である。この例では、レア役の当選によって、ステージが通常から高確に昇格する抽選には当選したが、非推奨押し順であったために当該当選が無効となり、ステージは高確に昇格しない例である。図中、(a)→(b)→(c)→(d)→(e)→(f)の順の時系列となっている(以下の図95~図98も同様である)。
図94において、(a)及び(b)は、いずれも図93(a)及び(b)と同じである。次に、図中(c)に示すように、第一停止が非推奨押し順であるときは、メイン制御基板50は、そのコマンドをサブ制御基板80に送信する。サブ制御基板80は、受信したコマンドに基づいて、第一停止が非推奨押し順であると判断したときは、推奨画像を表示する。この推奨画像は、画像表示装置23の画像表示領域の略全領域を覆う画像であり、それまでのステージ昇格示唆演出は推奨画像に隠蔽され、見えなくなる。
なお推奨画像が表示された後、スピーカ22から出力される音声は、それまでの演出画像に対応する音声(すなわち、図93の場合と同じ音声)でもよく、それまでの演出画像に対応する音声を中断して、推奨画像用の音声を出力してもよい。推奨画像用の音声としては、たとえば「左押し推奨です」のような音声を1回又は繰り返し複数回出力することが挙げられる。また、それまでの演出画像に対応する音声を出力しつつ、当該音声に重ねて「左押し推奨です」のような推奨画像に対応する音声を重ねて出力してもよい。
次に図中(d)に示すように、すべてのストップスイッチ42が操作され、全リール31が停止しても、推奨画像の表示は維持される。
また、図中(e)に示すように、ベット操作されたときも、推奨画像の表示は維持される。さらに図中(f)に示すように、スタートスイッチ41が操作されると、そのタイミングで推奨画像の表示は終了し、推奨画像表示前の画像に戻る。
なお、図94の例は、図中(d)の全停時から3秒以内にスタートスイッチ41が操作された例である。後述するように、推奨画像が表示されたときは、全停時から3秒を経過するとデモ表示が実行されるためである。この点については、図96、図98についても同様である。
図95は、有利区間かつ非AT中において、推奨押し順(順押し)でストップスイッチ42が操作されたときの演出の流れ(例2)を示す図である。
この例は、画像表示装置23にキャラクタ画像が表示されており(図中(a)におけるキャラクタA、B、Cに相当)、レア役に当選すると、新たなキャラクタを獲得するか否かの抽選を実行する。そして、キャラクタ数が所定数(たとえば「5」)になったときは、CZに移行したり、AT抽選を優遇等する。以下の例では、レア役に当選することにより新たなキャラクタDを獲得する例を示す。
図中(a)は、遊技開始前の状況を示す。この状況では、遊技開始前演出が出力されており、キャラクタとして、キャラクタA、B、及びCが画像表示されている。
次に図中(b)に進み、スタートスイッチ41が奏され、レア役に当選したとする。これにより、キャラクタ獲得演出が開始される。
次に図中(c)に示すように、推奨押し順で第一停止操作が行われると、この時点で推奨押し順であることが確定するので、推奨画像は表示されず、第一停止時の演出として、キャラクタ獲得演出が発展する。なお、この例では最初のストップスイッチ42操作時にキャラクタ獲得演出が発展する例を示しているが、遊技開始時と第一停止時とで演出が変化しなくてもよいのはもちろんである。
次に図中(d)に示すように、すべてのストップスイッチ42が操作され、全リール31が停止すると、全リール31停止後の演出として、キャラクタDを新たに獲得した演出(獲得成功演出)が出力される。そして、いままでのキャラクタA、B、及びCに加えて、新たに獲得したキャラクタDが表示される。
さらに、図中(e)に示すように、ベット操作が行われると遊技開始前演出に移行する。次に図中(f)に進み、スタートスイッチ41が操作されると当該遊技の遊技開始演出が出力される。
このようにして、推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、推奨画像は表示されない。また、新たに獲得したキャラクタDは、次回遊技でもそのまま表示される。
図96は、図95の例において、非推奨押し順(変則押し)でストップスイッチ42が操作されたときの演出の流れ(例2)を示す図である。この例では、上記の例1と同様に、レア役の当選によってキャラクタの獲得抽選には当選したが、非推奨押し順であったために当該当選が無効となり、キャラクタが増加しない例である。
図96において、(a)及び(b)は、いずれも図95(a)及び(b)と同じである。次に、図中(c)に示すように、第一停止が非推奨押し順で操作されると、推奨画像が表示され、それまでの演出は隠蔽される。
次に図中(d)に示すように、すべてのストップスイッチ42が操作され、全リール31が停止しても、推奨画像の表示は維持される。
また、図中(e)に示すように、ベット操作されたときも、推奨画像の表示は維持される。さらに図中(f)に示すように、スタートスイッチ41が操作されると、そのタイミングで推奨画像の表示は終了し、レア役当選前の画像(キャラクタを獲得していない画像)に戻る。
図97及び図98は、推奨画像が表示されたときの(画像)レイヤーの状況を説明する図である。図98は、図97に続く図である。
図97及び図98の例は、図94の例1に相当する。
なお、図97及び図98において、前面レイヤー及び後面レイヤーのいずれも、1枚のレイヤーとは限らず、実際には複数枚のレイヤー(層)から構成されている。
この例では、前面レイヤーによって推奨画像を出力し、後面レイヤーによって通常の演出画像を出力する。
図中、(a)の遊技開始前、及び(b)のスタートスイッチ操作時は、前面レイヤーは透明である。このため、遊技者からは、後面レイヤーの演出画像のみが見える。
次に図中(c)に示すように、第一停止が非推奨押し順でストップスイッチ42が操作されると、前面レイヤーを用いて推奨画像を表示する。また、前面レイヤーの推奨画像によって後面レイヤーは遊技者からは見えなくなる。また、図中(c)に示すように、前面レイヤーによって推奨画像を表示した場合であっても、後面レイヤーの演出は中止等することなく、そのまま出力(表示)されている。図中(c)における後面レイヤーの画像は、図93(c)における演出画像に相当する。
次に図98の(d)全停時においても、前面レイヤーの推奨画像はそのまま維持される。また、このときの後面レイヤーでは、推奨押し順時の演出が進行し、ステージ昇格成功演出及びステージが高確に移行した状態が出力されている。この画像は、図93(d)に相当する。ただし、推奨画像の表示中は後面レイヤーは遊技者からは見えないので、ステージ昇格成功演出は遊技者には見えない。
次に図中(e)に進み、ベット操作が行われても、推奨画像の表示は維持される。また、このときの後面レイヤーは、ベット操作時の演出画像に進む。また、この時点では、ステージ昇格後の高確状態が表示されている。
次に図中(f)に進み、スタートスイッチ41の操作時(遊技開始時)に、この時点で内部制御状態(非推奨押し順で操作されたために通常ステージが維持されること)と演出画像とを一致させる処理が実行される。これにより、ステージは通常に戻される。また、スタートスイッチ41が操作されると、推奨画像の表示は終了し、前面レイヤーは透明になる。これにより、遊技者は、この時点で後面レイヤーの画像表示内容を見ることができる。
以上のように画像表示を制御すれば、非推奨押し順でストップスイッチ42が操作されても、推奨押し順時の画像表示を中止等することなく、前面レイヤーに推奨画像を表示すればよいので、プログラム処理を簡素化することができる。また、内部制御状態と演出画像とが一致していない期間は、前面レイヤーによって推奨画像を表示することで後面レイヤーの演出画像は遊技者には見えなくなるため、ステージが高確に移行したと遊技者が誤認してしまうことがない。
なお、スタートスイッチ41の操作時に画像を戻すのではなく、ベット操作時(図98(e)のタイミング)に画像を戻してもよい。具体的には、ベット操作時に、この時点で内部制御状態(非推奨押し順で操作されたために通常ステージが維持されること)と演出画像とを一致させる処理を実行する。これにより、ステージは通常に戻される。一方、ベット操作がされると、前面レイヤーでの推奨画像の表示を終了するので、遊技者は、この時点で後面レイヤーの画像表示内容を見ることができるようになる。
また、上記の例では、前面レイヤーを予め設けておき、推奨画像を表示しない期間は前面レイヤーを透明とした。しかし、これに限らず、推奨画像を表示しない期間は前面レイヤー無しとし、推奨画像を表示する期間のみ、前面レイヤーが配置されるように構成してもよい。
次に、推奨画像と、遊技状態、遊技区間、ベット数との関係について説明する。
1.推奨画像と遊技状態との関係
第4実施形態において、非特別遊技状態では、特別役(ボーナス役)の抽選が行われる。特別役に当選し、特別役に対応する図柄組合せが停止表示すると、特別遊技に移行する(特別遊技状態となる)。
第4実施形態では、特別役として、1BBを有する。
1BB作動中は、RB連続作動の状態となる。RB連続作動中は、毎遊技、入賞ALL条件装置が作動する。入賞ALL条件装置が作動する遊技では、ストップスイッチ42の押し順にかかわらず(ストップスイッチ42の押し順による有利/不利はなく)、所定枚数の払出しとなる役が入賞するようにリール31が停止制御される。
また、1BB作動中は、AT抽選を実行しないように制御される。
以上より、1BB作動中の遊技では、推奨押し順が存在しない。したがって、1BB作動中の遊技では、変則押しでストップスイッチ42が操作されても推奨画像は表示されない。1BB作動中の遊技では、遊技者は、任意の押し順で遊技を消化することができる。なお、1BB作動中の遊技(RB連続作動中)は、どの押し順でも、メダル獲得枚数期待値が同じになるように構成されている。
また、AT中は、変則押しでストップスイッチ42が操作されても推奨画像は表示されない。AT中は、原則として、偏り役の当選時には正解押し順が報知され、遊技者はその正解押し順に従うので、当該遊技では変則押しが行われる。この場合に推奨画像が表示されないのはもちろんである。
また、AT中において、偏り役に当選した遊技以外の遊技、たとえば役の非当選時の遊技で変則押しでストップスイッチ42が操作されたとしても、推奨画像は表示しない。
2.推奨画像と遊技区間との関係
第4実施形態では、上記の他の実施形態と同様に、非有利区間(通常区間)と有利区間とを有する。
そして、有利区間ではAT抽選を実行可能とするが、非有利区間ではAT抽選を実行しない。このため、非有利区間では、AT抽選において有利となる推奨押し順は存在しない。よって、非有利区間中に変則押しでストップスイッチ42が操作されても、推奨画像を表示しない。
このことから、通常状態(特別遊技状態やATでない状態)において変則押しをしても推奨画像が表示されないときは、遊技者に対し、今回遊技が非有利区間であること、及びAT抽選が実行されないことを示唆することが可能となる。
なお、第4実施形態では詳細な説明を割愛するが、非有利区間(通常区間)中は、有利区間への移行抽選を実行し、たとえば内部抽せんの結果が非当選となったとき以外はすべて有利区間への移行抽選に当選するように設定されている。このため、たとえば有利区間において差枚数が2400枚を超え、有利区間から非有利区間に移行したとしても、当該非有利区間は、通常は1~数遊技程度である。したがって、遊技者が非有利区間であることを知って(有利区間表示LED78が消灯していることを確認して)変則押しをしても、メダルが増加する期待値はわずかであり、無視できる程度である。
また、上記とは逆に、非有利区間であっても変則押しでストップスイッチ42が操作されたときは推奨画像を表示してもよい。このように構成すれば、変則押し時に推奨画像が表示されるか否かで今回遊技が有利区間であるか否かを判別できないようにすることができる。さらに、有利区間であっても有利区間表示LED77を点灯させないようにしたり、あるいは、有利区間であることを示すランプ(区間表示器)を備えない場合には、その効果をより発揮することができる。
3.推奨画像とベット数(規定数)との関係
第4実施形態では、ベット数「2」又はベット数「3」のいずれかで遊技を実行可能である。
そして、ベット数「3」が遊技者に有利なベット数である。換言すれば、ベット数「3」が推奨ベット数である。
ベット数「3」で遊技を行ったときのAT当選期待度(当選割合、当選確率)を「P1」とし、ベット数「2」で遊技を行ったときのAT当選期待度を「P2」としたとき、
P1>P2
である。
特に、P1>P2×1.5
である。
よって、ベット数「2」で遊技を消化したとしても、ベット数「3」で遊技を消化したときと比較して、AT当選期待度が有利になることはない。
特に第4実施形態では、ベット数「2」で遊技を行った場合には、内部抽せんの結果によらずAT抽選を実行しない(プログラム処理において、AT抽選処理を経由しない)ように構成されている。すなわち、「P2=0」である。
さらに、ベット数「2」で遊技を行った場合の各役の当選確率は、ベット数「3」で遊技を行った場合の各役の当選確率と比較して、「2/3」以下に設定される。これにより、ベット数「2」で遊技を消化しても、メダル獲得枚数期待値がベット数を上回ることはない。
以上のように、第4実施形態では、ベット数「2」ではストップスイッチ42の押し順にかかわらずAT抽選を実行しないことから、ベット数「2」で遊技が行われ、かつ、変則押しでストップスイッチ42が操作されても、推奨画像を表示しない。AT抽選を実行しないにもかかわらず推奨画像を表示すると、かえって遊技者を混乱させてしまうおそれがあるためである。また、有利区間かつ非AT中であるにもかかわらず、変則押しでストップスイッチ42を操作しても推奨画像が表示されないときは、遊技者に対し、当該遊技のベット数が「2」であったことを気づかせることができる。
続いて、デモンストレーション画像表示(以下単に「デモ表示」という。)について説明する。
全停後(メダルの払出し処理を有するときは払出し処理の終了後。)、所定時間を経過しても遊技を進行させる操作(ベット操作)が行われないときは、画像表示装置23の表示を遊技終了時の演出表示からデモ表示に移行する場合を有する(デモ表示に移行しない例については後述する。)。デモ表示は、たとえば遊技機10の製造メーカーのロゴを表示等するプロモーションビデオである。
第4実施形態では、推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたときと、非推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたときとで、リール31の全停後、デモ表示に移行するまでの時間が異なるように設定されている。
具体的には、非推奨押し順でストップスイッチ42が操作され、リール31の全停時又は全停時以降のあるタイミング(払出し開始時、払出し終了時、全停から所定期間(たとえば2秒)経過後)からデモ表示に移行するまでの時間を「t1」とし、推奨押し順でストップスイッチ42が操作され、リール31の全停時又は全停時以降のあるタイミングからデモ表示に移行するまでの時間を「t2」としたとき、
t1<t2
に設定されている。
すなわち、非推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたときの方が、推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたときよりも早くデモ表示に移行する。
このように設定しているのは、推奨画像の表示からできるだけ早期にデモ表示に移行することにより、非推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたことをできる限りわからないようにするためである。遊技者が遊技をする遊技台を選ぶ場合に、推奨画像が表示されている状態であると、非推奨押し順でストップスイッチ42が操作された台だとわかるので、何らかのペナルティが発生しているのではないかと誤認し、当該遊技台での遊技を敬遠してしまうおそれがあるためである。
なお、上述したように、非推奨押し順でストップスイッチ42が操作された遊技では、AT抽選の対象となる役に当選していてもAT当選にはならない(あるいは、ATに当選したとしても無効になる)だけであり、非推奨押し順でストップスイッチ42が操作された遊技の次回遊技以降で何らかのペナルティが発生することはない。ただし、5号機(従来の遊技機)では変則押しが行われると次回遊技以降もペナルテイ(所定遊技間、AT抽選を行わない等)が継続する場合があったことから、5号機のときと同様にペナルティが発生しているのではないかと混同するおそれがあるため、推奨画像の表示が必要以上に長く続くことは好ましくない。
また、推奨押し順でストップスイッチ42が操作され、デモ表示に移行した場合には、ベット操作(メダル投入操作)によってデモ表示が解除され、通常表示(遊技待機演出表示)に戻る。
これに対し、非推奨押し順でストップスイッチ42が操作され、デモ表示に移行した場合には、ベット操作(メダル投入操作)ではデモ表示が解除されず、デモ表示が継続する。そして、スタートスイッチ41が操作され、遊技が開始されたときに、通常表示(遊技待機演出表示)に戻る。
なお、推奨画像が表示された後、全停後から時間「t2」を経過し、デモ表示に移行したときは、推奨画像を表示するレイヤーよりもさらに前に、デモ表示のレイヤーが配置される。これにより、デモ表示中には、推奨画像の表示は遊技者からは見えない。
そして、ベット操作が行われても、推奨画像の表示及びデモ表示は維持される。さらにスタートスイッチ41が操作されると、推奨画像の表示及びデモ表示の双方が消去され、推奨画像の表示のさらに後方に位置する通常表示のレイヤーが表示される。
なお、図94、図96、及び図98の例は、推奨画像の表示からデモ表示に移行することなく通常表示に戻る例を示している。換言すれば、全停後、時間「t2」を経過する前にスタートスイッチ41が操作された例である。
次に、デモ表示への移行について、タイムチャートを用いて説明する。
図99は、デモ表示後にベット操作及びスタートスイッチ(図99~図101では「スタート」と略称表示している。)操作をした場合の画像表示、プッシュボタンランプの状態、及びメニュー(画面)表示を示すタイムチャートであり、リプレイ非入賞時を示す。図中(a)は推奨押し順でストップスイッチ42を操作した場合の例であり、図中(b)は非推奨押し順でストップスイッチ42を操作した場合の例である。
図1では図示していないが、サブ制御基板80には、プッシュボタンが接続されている。プッシュボタンは、演出ボタン、チャンスボタン、操作ボタン、決定ボタン、サブボタン、メニューボタン等とも称される。
また、プッシュボタンの内部にはランプ(プッシュボタンランプ)が設けられており、プッシュボタンが有効のときには点灯し、無効のときには消灯し、その点灯/消灯状態を遊技者が目視可能に構成されている。これにより、遊技者は、プッシュボタンランプの点灯の有無を見ることで、プッシュボタンが有効であるか否かを判断することができる。
プッシュボタンの用途としては、第1に、プッシュボタンの操作を促す演出を表示し、プッシュボタンの操作を検知すると演出を発展させることが挙げられる。
また第2に、遊技待機中に操作することによりメニューを表示することが挙げられる。なお、メニューでは、たとえばいわゆるマイスロの二次元コードの発行、ゲームフロー、配当表等が表示可能となる。プッシュボタンランプが点灯しているときはメニューを表示可能であり、プッシュボタンランプが消灯しているときはメニューを表示できない。
図99(a)において、最初のベット操作時点では、通常演出が表示されているものとする。
また、通常演出中のデモ表示が実行されていない所定期間(たとえば、ベット操作時から全停後5秒経過するまで)では、メニューには移行することができない。このため、プッシュボタンランプは消灯している。
上記状態は、遊技が開始され(スタートスイッチ41が操作され)、すべてのストップスイッチ42が操作され、全リール31が停止した後、5秒を経過するまで維持される。なお、この「5秒」は例示であり、たとえば「3秒」、「10秒」等、種々設定することができる。
また、遊技開始時から遊技終了時まで「通常演出」とのみ表示しているが、遊技の進行に伴って演出内容が変化するのはもちろんである。
全停後、5秒を経過したときは、プッシュボタンランプが点灯する。これにより、遊技者に対し、メニューを表示可能(メニューに移行可能)であることを知らせることができる。プッシュボタンランプが点灯している状況下においてプッシュボタンが操作されたときは、メニューを表示可能となる。この例ではプッシュボタンが操作されない(メニューを表示しない)ものとする。
さらに、リール31の全停後から60秒を経過したと判断されると、画像表示が通常演出表示からデモ表示に切り替わる。なお、この「60秒」は例示であり、「20秒」、「30秒」等、種々設定することができる。ただし一般には、デモ表示は、プッシュボタンランプの点灯後である。
ここで、図99(a)において、デモ表示が実行されるのは、ベットされていないことを条件とする。したがって、当該遊技でリプレイは入賞しておらず(自動ベットされておらず)、メダルが投入されていないものとする。
デモ表示が実行されている状況下でベット操作が行われる(又はメダルが投入される)と、デモ表示を終了し、通常演出に移行する。また、通常演出への移行に伴い、メニュー表示は不可となり、プッシュボタンランプも消灯する。
図99(b)は、図99(a)と異なり、非推奨押し順でストップスイッチ42を操作した例である。
図99(b)において、第一停止としてたとえば中ストップスイッチ42が操作され、非推奨押し順となったときは、その時点で、画像表示が通常演出表示から推奨画像表示に切り替わる。上述したように、通常演出表示のレイヤーよりも前に推奨画像表示のレイヤーが配置されている。
そして、全停後から3秒を経過したときは、推奨画像表示からデモ表示に切り替わる。なお、「3秒」は例示であり、「5秒」等であってもよい。上述したように、推奨押し順の場合には全停後60秒経過後にデモ表示に切り替わったが、非推奨押し順時には、全停後から3秒経過後にデモ表示に切り替わる。これにより、非推奨押し順時の全停後は早期にデモ表示に切り替えることができるので、遊技者が当該遊技をもって遊技を終了した場合には、他の遊技者がこの遊技台を見たときに既にはデモ表示となっている可能性が高い。よって、前遊技者の最終遊技で非推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたことをわかりにくくすることができる。
また、推奨押し順時は、ベット操作によってデモ表示から通常演出表示に移行した。これに対し、非推奨押し順時は、ベット操作(メダル投入操作)が行われてもデモ表示から通常演出表示(及びデモ表示より後方のレイヤーである推奨画像表示)に移行しない。したがって、たとえば非推奨押し順をした遊技を終了した後、他の遊技者がこの遊技台に対してメダルを投入しても通常演出表示(及びデモ表示より後方のレイヤーである推奨画像表示)には移行しない。
そして、ベット操作が行われ、かつ、スタートスイッチ41が操作されたとき(遊技が開始されたとき)に、デモ表示(及びそれより後方のレイヤーである推奨画像表示)が終了し、通常演出状態に移行する。
さらにまた、小役が入賞したときは、獲得数表示LED78(図1)に獲得数が表示される。この獲得数の表示がクリアされるのは、たとえば払出し処理終了時から所定時間経過後や、デモ表示開始時(全停後60秒経過後)等である。しかし、たとえば偏りベルに当選し、非推奨押し順でストップスイッチ42が操作され、7枚役が入賞したときは獲得数表示LED78に「07」と表示される。同様に、レア役に当選し、非推奨押し順でストップスイッチ42を操作し、12枚役が入賞したときは獲得数表示LED78に「12」と表示される。
しかし、その遊技者が7枚又は12枚を獲得した遊技をもって遊技を終了した場合において、次の遊技者がその遊技台の獲得数表示LED78に「07」や「12」と表示されていることを発見してしまう場合がある。これにより、当該次の遊技者がその遊技台で遊技をすることを敬遠してしまうおそれがある。
そこで、非推奨押し順でストップスイッチ42が操作され、7枚役や12枚役が入賞し、獲得数表示LED78に獲得数が表示されたときは、推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたときよりも早期に獲得数表示LED78に表示された獲得数をクリアすることが好ましい。たとえば、図99(b)中、全停後3秒後にデモ表示に移行するタイミングで獲得数表示LED78の表示をクリアすることが挙げられる。
なお、推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、全停後所定時間を経過したときに獲得数表示LED78の表示をクリアしてもよい。あるいは、推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、次回遊技のベット操作時まで獲得数表示LED78の表示を維持し、ベット操作により獲得数表示LED78の表示をクリアしてもよい。
図100は、リプレイ入賞時(自動ベット時)の画像表示、プッシュボタンランプの状態、及びメニューの表示を示すタイムチャートである。図中(a)は推奨押し順でストップスイッチ42を操作した場合の例であり、図中(b)は非推奨押し順でストップスイッチ42を操作した場合の例である。
図100(a)において、全停後、リプレイの入賞に基づいて自動ベットされると、図99(a)と同様のベット後状態となるので、画像表示は通常演出表示が継続され、全停後から60秒を経過してもデモ表示は実行されない。これにより、プッシュボタンランプが点灯することはなく、メニューを表示することもできない。
一方、図100(b)において、第一停止で非推奨押し順でストップスイッチ42が操作されると、図99(b)と同様にその時点で推奨画像が表示される。
さらに、全停後、3秒を経過したときは、推奨画像表示からデモ表示に移行する。よって、この点で、リプレイ入賞時はデモ表示を行わない推奨押し順時と相違する。
そして、このデモ表示は、自動ベットされている間は継続され、スタートスイッチ41が操作される(遊技が開始される)と、デモ表示から通常演出表示に移行する。
図101は、全停後3秒以内にベット操作し(メダル投入操作を含む)、全停後60秒経過後にスタート操作した場合の画像表示、プッシュボタンランプの状態、及びメニュー表示を示すタイムチャートである。図中(a)は推奨押し順でストップスイッチ42を操作した場合の例であり、図中(b)は非推奨押し順でストップスイッチ42を操作した場合の例である。
図101(a)において、全停後、3秒経過前にベット操作が行われると、図99(a)と同様のベット後状態となるので、画像表示は通常演出表示が継続され、全停後から60秒を経過してもデモ表示には移行しない。これにより、プッシュボタンランプが点灯することはなく、メニューも表示できない。
一方、図101(b)において、第一停止が非推奨押し順で操作されると、図99(b)と同様にその時点で推奨画像が表示される。
さらに、全停後、3秒以内にベット操作が行われても、推奨画像表示は維持される。次に、全停後、3秒を経過したときは、推奨画像表示からデモ表示に移行する。すなわち、ベット操作が行われたとしても、推奨画像表示は、全停後から3秒を経過するまでに限られ、全停後から3秒を経過したときは、推奨画像表示からデモ表示に切り替わる。
以上説明したように、推奨押し順時は、全停後から60秒を経過したときにデモ表示に移行するか(図99(a))、又は全停後から60秒を経過しても通常演出表示を維持するか(図100(a)又は図101(a))のいずれかとなる。
これに対し、非推奨押し順時は、第一停止時には推奨画像を表示し、全停後から3秒を経過したときはデモ表示に移行する。
なお、上述したように、図99(b)、図100(b)、及び図101(b)はいずれも有利区間かつ非ATに限られ、非有利区間(通常区間)中、AT中、特別遊技状態中のときは、変則押しされても推奨画像は表示されない。このため、非有利区間(通常区間)中、AT中、特別遊技状態中に変則押しでストップスイッチ42が操作されたときは、それぞれ図99(a)、図100(a)、及び図101(a)と同じとなる。
また、図99(a)に示すように、推奨押し順時(リプレイ非入賞時)は全停後60秒経過後にデモ表示を行うが、たとえば連続演出中やCZ中等、推奨押し順で操作された場合であってもデモ表示を行わない場合がある。したがって、図99(a)の例は、全停後60秒経過後には必ずデモ表示を行うことを意味するものではない。
さらにまた、上述した連続演出中やCZ中等のように推奨押し順で操作された場合にデモ表示を行わない状況(メニューを表示しない状況)であっても、非推奨押し順で操作された場合は、全停後3秒経過後にデモ表示を行う。
さらに、図99(b)、図100(b)、及び図101(b)に示すように、スタート操作でデモ表示及び推奨画像表示を終了し、通常演出表示に戻すのは、本実施形態ではスタート操作時に演出表示内容が切り替わる(メイン制御基板50からサブ制御基板80に対し演出コマンドを新たに送信する)ためである。一方、ベット操作で演出表示内容が切り替わるように構成した場合には、ベット操作で通常演出表示に戻してもよい。この場合には、ベット操作時にメイン制御基板50からサブ制御基板80に対し、演出コマンドを新たに送信する。
以上のいずれを採用する場合も、演出表示内容が内部制御状態と一致したとき又はそれ以降にデモ表示及び推奨画像表示を終了するようにし、遊技者に見える演出表示内容と内部制御状態とにずれが生じないようにする。
続いて、押し順指示番号の送信及び演出グループ番号の送信について説明する。
押し順指示番号は、有利な押し順を有する役(第4実施形態では偏り役)に当選したときの正解押し順(高目役を入賞させる押し順)に対応する番号である。役抽選手段61による役抽選が行われ、偏り役に当選すると、押し順指示番号選択手段63(図1)は、当選した偏り役に対応する押し順指示番号を選択する。
偏り役の押し順を6択としたとき、押し順指示番号は、
左中右正解:押し順指示番号「A1」
左右中正解:押し順指示番号「A2」
中左右正解:押し順指示番号「A3」
中右左正解:押し順指示番号「A4」
右左中正解:押し順指示番号「A5」
右中左正解:押し順指示番号「A6」
とすることが挙げられる。
ただし、第4実施形態では、偏りベル当選時に正解押し順となるのは、変則押し(4択)となるので、たとえば、
中左右正解:押し順指示番号「A1」
中右左正解:押し順指示番号「A2」
右左中正解:押し順指示番号「A3」
右中左正解:押し順指示番号「A4」
としてもよい。
また、レア役の当選時には、上記押し順指示番号「A1」~「A4」のうち任意の番号を選択すればよい。あるいは、レア役当選時における変則押しを示す押し順指示番号を設けてもよい。
メイン制御基板50は、AT中(指示を行う遊技)に偏り役に当選したときは、押し順指示番号を選択し、獲得数表示LED78(指示モニタ)に、押し順指示番号に対応する押し順指示情報を表示する。たとえば押し順指示番号「A1」のときは、押し順指示情報として「=1」と表示することが挙げられる。
さらに、メイン制御基板50は、押し順指示情報を表示するときは、サブ制御基板80に対し、押し順指示番号に対応するコマンドを送信する。サブ制御基板80は、押し順指示番号に対応するコマンドを受信したときは、正解押し順に関する情報を出力可能となる。換言すれば、メイン制御基板50が送信する押し順指示番号に対応するコマンドは、正解押し順を特定可能なコマンドである。サブ制御基板80は、当該コマンドを受信したときは、正解押し順を画像表示装置23で画像表示する。
第4実施形態でも、メイン制御基板50が押し順指示番号をサブ制御基板80に送信することができるのは、有利区間かつAT中に限られる。したがって、有利区間かつAT中以外に押し順指示番号選択手段63により押し順指示番号が選択されたとしても、その押し順指示番号がサブ制御基板80に送信されることはない。なお、有利区間かつAT中以外は、押し順指示番号を選択しなくてもよい。
一方、演出グループ番号は、第1実施形態と同様に、当選番号に対応する番号であって、サブ制御基板80が当選役に対応する演出を出力可能とするための情報である。
役に当選した遊技に限らず、役に非当選の遊技であっても演出グループ番号を選択する。
また、有利な押し順を有する役に当選した遊技で選択される演出グループ番号は、いずれかの有利な押し順を有する役に当選したことを示す情報であり、演出グループ番号からは有利な押し順を特定できないように構成されている。
演出グループ番号選択手段64(図1)は、当選役に対応する演出グループ番号を選択し、サブ制御基板80に送信可能とする。サブ制御基板80は、演出グループ番号を受信すると、その情報に基づいて、当選役に関する演出を出力可能とする。
ここで、メイン制御基板50は、サブ制御基板80に対し、演出グループ番号を送信する例として、以下の例が挙げられる。
a)例1
偏り役に当選した遊技以外の遊技では、演出グループ番号を選択し、かつ、サブ制御基板80に送信する。
これに対し、偏り役に当選した遊技では、演出グループ番号を選択せず、かつ、サブ制御基板80に送信しない。ただし、偏り役に当選した遊技において、演出グループ番号の選択は行うが、サブ制御基板80に送信しないように構成してもよい。
b)例2
役抽選結果にかかわらず(偏り役に当選した遊技も含めて)、演出グループ番号を選択し、かつ、サブ制御基板80に送信する。
メイン制御基板50は、サブ制御基板80に対し、当選役に対応する当選番号を送信しない。このため、サブ制御基板80は、当選役の当選番号を知ることはできない。ただし、サブ制御基板80は、演出ブループ番号を受信可能であるので、受信した演出グループ番号に基づいて、当選役に対応する演出を出力可能となる。また、サブ制御基板80は、偏り役当選時に演出グループ番号を受信しない仕様のときは、演出グループ番号を受信しなければ偏り役に当選した遊技であると推測可能であるので、偏り役に当選した遊技を実質的に判別可能となっている。
メイン制御基板50は、偏り役当選時に演出グループ番号を送信しない仕様であっても、AT中は、偏り役当選時に押し順指示番号をサブ制御基板80に送信する。これにより、サブ制御基板80は、受信した押し順指示番号に基づいて、正解押し順に関する演出を出力可能となる。
なお、押し順ベルに当選したときは、一律に演出グループ番号をサブ制御基板80に送信することが挙げられる。
しかし、偏り役の当選時に演出グループ番号をサブ制御基板80に送信することは、指示に該当するのではないかという疑義がある。偏り役の当選時の遊技では一方的に有利な押し順を有するため、偏り役の当選に対応する演出グループ番号の送信は、指示情報の送信であると解釈可能であるためである。さらに、メイン制御基板50からサブ制御基板80に対して指示情報を送信していると解釈した場合には、指示モニタの表示を行わなければならず、かつ、当該遊技において獲得したメダルを指示込役物比率(第1実施形態参照)に加算する必要があるためである。
このため、第4実施形態では、上記の例1を採用し、偏り役当選時には演出グループ番号をサブ制御基板80に送信しない。ただし、上述したように、偏り役当選時のみ演出グループ番号を送信しないので、サブ制御基板80は、演出グループ番号を受信していない遊技では、偏り役に当選したと推測可能となる。
ここで、図92の例では、ベット数「3」での偏り役の合算の当選確率は「101/125」であり、「1/2」(全遊技の半数)を超える。このように偏り役の当選確率を高確率とすることにより、演出グループ番号を送信しなくてよい遊技が多くなるので、送信コマンド数を減らすことができる。
その一方、偏り役の合算の当選確率を高確率にすることで、通常時のベースを下げてATの出玉性能を高めることが可能となるので、遊技の興趣を高めることができる。
なお、偏り役の当選確率やメダル獲得枚数期待値によっては、偏り役当選時に演出グループ番号を送信する場合は、押し順(「停止順」ともいう。)を指示し(指示モニタを点灯させ)、指示込役物比率に含めなければならないという考えがあった。
しかし、現時点では、偏り役当選時に、演出グループ番号を送信したとしても押し順を指示せず(指示モニタを点灯させず)、かつ、指示込役物比率に含めないようにすることが可能であるのは、以下の3つの条件を満たした場合であると考えられている。
1)押し位置はランダム(「目押し」をしない)という条件のもと、全役(ハズレも含む)に基づく各押し順(3リールの場合は6通り)ごとの期待値が規定数(ベット数。基本的には「3」。)以下となること。
2)押し順や押し位置を演出等で示唆しないようにすること。たとえば、偏り役に当選した遊技でのみ表示される色を用いた演出等は、押し順の示唆にあたるので当該演出は不可である可能性がある。
3)常に高目をとる打ち方(不正解押し順であったとしても低目の1枚役等を必ずとるような打ち方)をするという条件のもと、偏り役を含む同一の演出グループ番号が割り当てられた小役群に当選したときの各押し順ごとの期待値が全て規定数以下となること。
以上の1)~3)を満たすように構成することで、偏り役当選時に演出グループ番号が不正に取得されたとしても、変則押し時のメダル獲得枚数期待値が規定数以下となるため、不正にメダルを増やす行為を防止することができる。ここで、「小役群に当選したとき」とは、「小役群に含まれるいずれかの小役に当選したとき」という意味である。
以上の点を、図92(a)を参考にして、より具体的に説明する。
まず、以下の説明において、
「左中右」の押し順を「押し順1」とし、
「左右中」の押し順を「押し順2」とし、
「中左右」の押し順を「押し順3」とし、
「中右左」の押し順を「押し順4」とし、
「右左中」の押し順を「押し順5」とし、
「右中左」の押し順を「押し順6」とする。
とする(図92(a)参照)。
また、
全役に基づく押し順1のメダル獲得枚数期待値を「E1」とし、
全役に基づく押し順2のメダル獲得枚数期待値を「E2」とし、
全役に基づく押し順3のメダル獲得枚数期待値を「E3」とし、
全役に基づく押し順4のメダル獲得枚数期待値を「E4」とし、
全役に基づく押し順5のメダル獲得枚数期待値を「E5」とし、
全役に基づく押し順6のメダル獲得枚数期待値を「E6」とする。
このとき、
E1=Σ{(各当選役の押し順1で操作したときの獲得枚数)×(各当選役の当選確率)}
E2=Σ{(各当選役の押し順2で操作したときの獲得枚数)×(各当選役の当選確率)}
E3=Σ{(各当選役の押し順3で操作したときの獲得枚数)×(各当選役の当選確率)}
E4=Σ{(各当選役の押し順4で操作したときの獲得枚数)×(各当選役の当選確率)}
E5=Σ{(各当選役の押し順5で操作したときの獲得枚数)×(各当選役の当選確率)}
E6=Σ{(各当選役の押し順6で操作したときの獲得枚数)×(各当選役の当選確率)}
である。
そして、
E1≦規定数
E2≦規定数
E3≦規定数
E4≦規定数
E5≦規定数
E6≦規定数
となっていることが、上記1)の条件である。
所定の押し順でストップスイッチ42を操作した場合の全役に基づくメダル獲得枚数期待値が、前記所定の押し順とは異なる特定の押し順でストップスイッチ42を操作した場合の全役に基づくメダル獲得枚数期待値に比べて「0.1」枚以上多いときは、前記所定の押し順は一方的に有利な押し順であり、前記特定の押し順は一方的に不利な押し順であるとする考え方がある。
そして、押し順ごとに全役に基づくメダル獲得枚数期待値が異なる場合に、各押し順は一方的に有利な押し順又は一方的に不利な押し順のいずれかに区別される。
第4実施形態では、上述したように、順押し(「押し順1」及び「押し順2」)で遊技を消化したときの全役に基づくメダル獲得枚数期待値(「E1」及び「E2」)は、「1.289」枚であり、変則押し(「押し順3」~「押し順6」)で遊技を消化したときの全役に基づくメダル獲得枚数期待値(「E3」~「E6」)は、「2.177」枚であり、
2.177-1.289=0.888>0.1
であることから、「押し順1」及び「押し順2」は一方的に不利な押し順であり、「押し順3」~「押し順6」は一方的に有利な押し順である。
ここで、実際の遊技機では、たとえば、「押し順3」と「押し順4」~「押し順6」(一方的に有利な押し順同士)とを比較した場合に全役に基づくメダル獲得枚数期待値が厳密には異なるような仕様が存在する。
具体的には、たとえば、「押し順3」で操作した場合には特別役(ボーナス役)に係る図柄を引き込みうるが、「押し順4」~「押し順6」では特別役に係る図柄を引き込まないような仕様では、「押し順3」で操作した場合には特別役が入賞して払出し枚数が「0」枚となることがある一方、「押し順4」~「押し順6」で操作した場合には特別役が入賞せず重複当選している小役(たとえば1枚役)が入賞し、払出し枚数が「1」枚となる場合がある。
このような場合には、「押し順3」と「押し順4」~「押し順6」とで厳密には全役に基づくメダル獲得枚数期待値が異なってしまう。そこで、この期待値の誤差が「0.01」枚以下である場合に、同じ「一方的に有利な押し順」であるとみなす。
すなわち、本例において「E3」と「E4」~「E6」の誤差が「0.01」枚以下である場合には、「押し順3」と「押し順4」~「押し順6」との間に有利・不利という関係性が生じないものである。
ここで、
E1=E2=A
E3=B
E4=E5=E6=C
として、
B-A≧0.1
C-A≧0.1
0<C-B≦0.01
であるときは、「押し順1」及び「押し順2」と比較して「押し順3」及び「押し順4」~「押し順6」は一様に「一方的に有利な押し順」であるとみなす。なお、ここでは一方的に有利な押し順同士で全役に基づくメダル獲得枚数期待値が異なる場合を例に説明したが、これは一方的に不利な押し順同士で全役に基づくメダル獲得枚数期待値が異なる場合についても同様である。この場合、一方的に不利な押し順同士の全役に基づくメダル獲得枚数期待値の誤差が「0.01」枚以下であれば、それらは一様に「一方的に不利な押し順」であるとみなす。
以上のように、一方的に有利(不利)な押し順同士であっても厳密には全役に基づくメダル獲得枚数期待値が異なる場合があることから、上記1)の条件を満たすか否かについては、「順押しの期待値及び変則押しの期待値≦規定数」ではなく、「全役に基づく各押し順のメダル獲得枚数期待値≦規定数」であることをもって判断する。
これと同様の理由から、上記3)の条件を満たすか否かについて判断する場合も、同一の演出グループ番号が割り当てられた小役群に当選したときの各押し順のメダル獲得枚数期待値を算出する。
上記3)の条件を満たすか否かを判断するために、各押し順のメダル獲得枚数期待値を算出するときは、常に高めを取る打ち方をするため、例えば偏りベル1~偏りベル4の当選時に、「押し順1」又は「押し順2」で遊技した場合には、必ず2枚役を取得するということに留意する。
〈押し順を指示し、指示込役物比率に含める必要がある例〉
偏り役を含む同一の演出グループ番号が割り当てられた小役群として、偏りベル1~偏りベル4から構成される小役群Aと、レア役A及びレア役Bから構成される小役群Bがあるとする。
ここで小役群Aの小役の置数の比率は、
偏りベル1:偏りベル2:偏りベル3:偏りベル4
=1/5:1/5:1/5:1/5
=1:1:1:1
となることから、
小役群Aに当選したときに偏りベル1に当選している確率
=小役群Aに当選したときに偏りベル2に当選している確率
=小役群Aに当選したときに偏りベル3に当選している確率
=小役群Aに当選したときに偏りベル4に当選している確率
=1/4
となる。
したがって、小役群Aに当選したときの押し順1~押し順6のメダル獲得枚数期待値を、それぞれE1(A)~E6(A)とすると、
E1(A)=2×1/4×4=2
E2(A)=2×1/4×4=2
E3(A)=7×1/4+1×1/4×3=2.5
E4(A)=7×1/4+1×1/4×3=2.5
E5(A)=7×1/4+1×1/4×3=2.5
E6(A)=7×1/4+1×1/4×3=2.5
となり、E1(A)~E6(A)の全てが規定数(ここでは「3」)以下であることから、上記3)の条件を満たす。
一方、小役群Bの小役の置数の比率は、
レア役A:レア役B
=1/250:1/250
=1:1
となることから、
小役群Bに当選したときにレア役Aに当選している確率
=小役群Bに当選したときにレア役Bに当選している確率
=1/2
となる。
ここで、小役群Bに当選したときの押し順1~押し順6のメダル獲得枚数期待値を、それぞれE1(B)~E6(B)とすると、
E1(B)=1×1/2×2=1
E2(B)=1×1/2×2=1
E3(B)=12×1/2×2=12
E4(B)=12×1/2×2=12
E5(B)=12×1/2×2=12
E6(B)=12×1/2×2=12
となり、E3(B)~E6(B)は規定数(ここでは「3」)よりも大きくなってしまう。
したがって、本例において、小役群A及び小役群Bの演出グループ番号を送信する場合は、小役群Aに当選したときには押し順の指示をせず、指示込役物比率にも含めないが、小役群Bに当選した場合には押し順の指示をした上で、指示込役物比率にも含める必要がある。
〈押し順を指示せず、指示込役物比率に含めない例〉
この点についてもう1つ例を挙げて説明する。
図92(a)において、偏り役を含む同一の演出グループ番号が割り当てられた小役群として、偏りベル1~偏りベル4、レア役A、及びレア役Bから構成される小役群C(偏り役群)があるとする。この小役群Cの小役の置数の比率は、
偏りベル1:偏りベル2:偏りベル3:偏りベル4:レア役A:レア役B
=1/5:1/5:1/5:1/5:1/250:1/250
=50:50:50:50:1:1
となる。
これにより、
小役群Cに当選したときに偏りベル1に当選している確率
=小役群Cに当選したときに偏りベル2に当選している確率
=小役群Cに当選したときに偏りベル3に当選している確率
=小役群Cに当選したときに偏りベル4に当選している確率
=50/202
となり、
小役群Cに当選したときにレア役Aに当選している確率
=小役群Cに当選したときにレア役Bに当選している確率
=1/202
となる。
したがって、小役群Cに当選したときの押し順1~押し順6のメダル獲得枚数期待値を、それぞれE1(C)~E6(C)とすると、
E1(C)=2×50/202×4+1×1/202×2≒1.990
E2(C)=2×50/202×4+1×1/202×2≒1.990
E3(C)=7×50/202+1×50/202×3+12×1/202×2≒2.594
E4(C)=7×50/202+1×50/202×3+12×1/202×2≒2.594
E5(C)=7×50/202+1×50/202×3+12×1/202×2≒2.594
E6(C)=7×50/202+1×50/202×3+12×1/202×2≒2.594
となり、小役群Cに当選したときのメダル獲得枚数期待値が全ての押し順について規定数(ここでは「3」)以下となっており、上記3)の条件を満たすことから、これに加えて上記1)及び2)の条件を満たしている場合には、小役群Cの演出グループ番号を送信する場合であっても、押し順の指示をせず、指示込役物比率にも含めないようにしてもよい。
このように、偏り役を含む同一の演出グループ番号が割り当てられた小役群に当選したときのメダル獲得枚数期待値が、全ての押し順について規定数以下となっているというのが、上記3)の条件である。
図102は、第4実施形態におけるメイン処理を示すフローチャートであり、第2実施形態の図67に相当する図である。図102では、図67に対し、異なる処理のステップ番号についてアンダーラインを引いている。
図102のメイン処理では、ステップS282で役抽選処理が実行された後、この役抽選結果に基づいて、ステップS181で押し順指示番号セットが実行され、次のステップS182で演出グループ番号セットが実行される。その他は図67の処理と同様である。
また、ステップS283では、非有利区間中は有利区間移行抽選が実行され、有利区間かつ非AT中はAT抽選が実行される。さらにまた、AT中はAT上乗せ抽選やAT継続抽選が実行される。ただし、今回遊技のベット数が「2」であるときは上記抽選は実行されない。
図103は、図102中、ステップS181における押し順指示番号セット処理を示すフローチャートである。
図103において、ステップS191では、メイン制御基板50は、有利区間中であるか否かを判断する。ここでは、たとえば図54(第2実施形態)中、アドレス「F061(H)」の有利区間種別フラグの値を判断することにより行う。有利区間中であると判断したときはステップS192に進み、有利区間中でないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
次のステップS192では、今回遊技の条件装置番号(小役及びリプレイ条件装置番号)を取得する。図102のステップS282において役抽選処理が実行されると、当選番号に対応する条件装置番号が生成され、RWM53の所定領域に記憶されるので、その情報を取得する。
そして、次のステップS193では、今回遊技で偏り役に当選したか否かを判断する。この処理は、ステップS192で取得した条件装置番号が偏り役に対応する条件装置番号であるか否かを判断することにより行う。偏り役の当選であると判断したときはステップS194に進み、偏り役の当選でないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS194では、メイン制御基板50は、今回遊技が押し順指示情報を指示モニタで表示する遊技であるか否かを判断する。押し順指示情報を表示する遊技であると判断したときはステップS195に進み、押し順指示情報を表示する遊技でないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS195では、押し順指示番号を取得する。この処理は、ステップS192で取得した条件装置番号に基づいて、その条件装置番号に対応する押し順指示番号を特定する処理である。次にステップS196に進み、取得した押し順指示番号を、RWM53の所定領域に保存する。
次のステップS197では、押し順指示番号を、RWM53の獲得数データに記憶する。この記憶領域は、たとえば図54(第2実施形態)中、アドレス「F011(H)」に相当する。獲得数データに押し順指示番号が記憶されると、その後の割込み処理(図68)のLED表示制御(ステップS2821、図71)において、獲得数データに記憶された押し順指示番号に対応する押し順指示情報が表示される。
そしてステップS198に進み、押し順指示番号の出力要求セット、及び次のステップS199で制御コマンドセット1を行う。これらの処理は、押し順指示番号をサブ制御基板80に送信するための制御コマンドデータをセットする処理である。そして本フローチャートによる処理を終了する。
以上のようにして、偏り役に当選し、かつ指示モニタで押し順指示情報を表示する遊技では、押し順指示番号がサブ制御基板80に送信される。
図104は、図102中、ステップS182における演出グループ番号セット処理を示すフローチャートである。なお、この例は、偏り役に当選した遊技では、演出グループ番号を選択せず、かつ、サブ制御基板80に送信しない例である。
図104において、ステップS201では、今回遊技の条件装置番号を取得する。この処理は、上述した図103のステップS192と同様の処理である。次のステップS202では、今回遊技で偏り役に当選したか否かを判断する。この処理は、上述した図103のステップS193の処理と同様である。そして、偏り役の当選であると判断したときは本フローチャートによる処理を終了し、偏り役の当選でないと判断したときはステップS203に進む。
ステップS203では、メイン制御基板50は、ステップS201で取得した条件装置番号に基づいて、今回遊技の条件装置番号に対応する演出グループ番号を取得する。次にステップS204に進み、取得した演出グループ番号を、RWM53の所定領域に記憶する。
そしてステップS205に進み、演出グループ番号の出力要求セット、及び次のステップS206で制御コマンドセット1を行う。これらの処理は、演出グループ番号をサブ制御基板80に送信するための制御コマンドデータをセットする処理である。そして本フローチャートによる処理を終了する。
以上より、この例では、偏り役当選時には演出グループ番号は保存されず、かつサブ制御基板80にも送信されない。一方、偏り役当選以外の場合(すなわち、役の非当選時も含む)は演出グループ番号が保存され、かつ、サブ制御基板80に送信される。また、図104のフローは、非有利区間、有利区間を問わず実行される。
なお、この例では、偏り役当選時には演出グループ番号を保存する処理を実行しないので、偏り役の当選に対応する演出グループ番号を設けなくてもよい。あるいは、偏り役の当選に対応する演出グループ番号を準備しておき、偏り役の当選時には偏り役の当選に対応する演出グループ番号をRWM53の所定領域に記憶するが、サブ制御基板80に演出グループ番号を送信しないようにしてもよい。
ただし、上述したように、1遊技あたりのメダル獲得枚数期待値が規定数「3」以下であるときには、演出グループ番号をサブ制御基板80に送信しても指示には該当しないとする解釈を採用するのであれば、偏り役の当選時に偏り役の当選に対応する演出グループ番号を選択し、サブ制御基板80に送信することも可能である。この場合にはステップS202の処理は不要となる。
図105は、第4実施形態において、当選役である偏り役と指示モニタ及び画像表示との関係を示す図である。
非有利区間中に偏り役に当選したときは、いずれも、指示モニタを表示しない。特に、レア役当選時も指示モニタを表示しない。非有利区間においてレア役に当選してもAT抽選を実行しないためである。また、指示モニタを表示しないので、押し順に関する画像表示も行わない。
一方、有利区間では、非ATであるかATであるかに応じて指示モニタの表示等が異なる。
有利区間かつ非AT中に偏りベルに当選しても指示モニタはオフである。また、押し順に関する画像表示も行わない。
これに対し、有利区間かつAT中に偏りベルに当選した遊技では指示モニタをオンとし、当選した偏りベルに対応する押し順指示情報を表示する。さらに、画像表示装置23には、正解押し順を表示する。
また、有利区間かつ非AT中にレア役に当選したときは指示モニタをオンにし、順押しに相当する押し順指示情報を表示する。さらに、画像表示装置23には、正解押し順として左第一停止を示す「1--」を画像表示する。ここで、レア役の当選時に、変則押しでストップスイッチ42を操作した方が順押し時よりも当該遊技でのメダル獲得枚数期待値が高くなる。しかし、トータルの出玉は、順押しである方が有利であるため(図92(b))、非ATであっても有利な押し順に相当する順押しを報知する。
また、有利区間かつAT中にレア役に当選したときは指示モニタをオンにし、かつ、変則押しに相当する押し順指示情報を表示する。AT中はAT抽選を行われないので、当該遊技でのメダル獲得枚数期待値が高い変則押しを表示する。さらに、画像表示装置23には、正解押し順として変則押しを画像表示する。よって、有利区間中のレア役当選時は、非AT及びATのいずれも指示モニタを表示し、かつ画像表示装置23に正解押し順を表示するが、表示される押し順が相違することとなる。
したがって、図103のステップS194では、非AT中において偏りベルに当選したときは「No」と判断されるが、非AT中においてレア役に当選したときは「Yes」と判断される。なお、AT中において偏りベル又はレア役に当選したときは「Yes」と判断される。
さらに、レア役に当選し、ステップS194において「Yes」と判断され、ステップS195に進んだ場合において、非AT中であれば順押しに相当する押し順指示番号が取得され、AT中であれば変則押しに相当する押し順指示番号が取得される。
続いて、第4実施形態における仮保存処理について説明する。以下では、2種類の方法(仮保存処理1、仮保存処理2)について説明する。なお、以下で説明する非CZ中及びCZ(非CZよりもAT当選期待度が高い遊技状態)中は、いずれも有利区間である。
1.第1の方法(仮保存処理1)
第4実施形態では、図102に示すように、スタートスイッチ41が操作されると役抽選処理(ステップS282)を行うが、さらに、ステップS283に示すようにATに関する抽選等を実行する。なお、ATに関する抽選には、CZに関する抽選を含むものとする。そして、ATに関する抽選は1つに限られず、通常は複数種類の抽選が実行される。
なお、ATに関する抽選は、「指示に関する抽選」、「出玉性能に関する抽選」等と称する場合がある。
第4実施形態では、非CZ中におけるATに関する抽選として、
1)AT抽選
2)CZ抽選
3)ステージ抽選
を実行するものとする。なお、CZやATの当選期待度がステージごとに相違する(当選確率が低確率や高確率等)ように構成されている。
また、CZ中におけるATに関する抽選として、
4)AT抽選
5)CZカウンタ1の抽選
6)CZカウンタ2の抽選
を実行するものとする。
第4実施形態では、CZ中には遊技者にポイントを付与し、溜まったポイントに応じてAT抽選を優遇したり、ATに決定等する。CZカウンタ1の抽選は、CZ中に付与するポイント数の抽選である。
また、第4実施形態では、CZの初期遊技回数が所定値に設定されており、CZ中にCZの遊技回数を上乗せするか否かの抽選として、CZカウンタ2の抽選を行う。
そして、第4実施形態では、上記のようなATに関する抽選を実行した後、抽選結果を仮記憶し、本記憶する条件を満たしたときには仮記憶した情報を本記憶する。
また、仮記憶手段として、RWM53の記憶領域に、仮記憶領域1、仮記憶領域2、仮記憶領域3を設ける。
そして、非CZ中に上述した抽選1)~3)を実行したときは、それぞれこれらの各抽選結果を仮記憶領域1、仮記憶領域2、仮記憶領域3に記憶する。
一方、CZ中に上述した抽選4)~6)を実行したときは、それぞれこれらの各抽選結果を仮記憶領域1、仮記憶領域2、仮記憶領域3に記憶する。
換言すれば、仮記憶領域1、仮記憶領域2、仮記憶領域3には、非CZ中であるかCZ中であるかに応じて、異なる抽選結果が記憶される。
また、メイン制御基板50は、仮記憶領域1~仮記憶領域3に記憶された情報をサブ制御基板80に送信する。サブ制御基板80は、これらの情報を受信すると、当該情報に対応する演出を出力可能とする。
ここで、サブ制御基板80は、仮記憶領域1~仮記憶領域3に記憶された情報が送信されてきただけでは、どの情報であるのかを判別できない。
一方、サブ制御基板80は、メイン制御基板50から送信されてくる他のコマンドに基づいて、現在の遊技状態が非CZ中であるかCZ中であるかを判断可能となっている。
このため、サブ制御基板80は、CZ中であるか否かと、仮記憶領域1~仮記憶領域3に記憶された情報とに基づいて、受信した情報が非CZ中におけるAT抽選結果、CZ抽選結果、ステージ抽選結果であるのか、又はCZ中におけるAT抽選結果、CZカウンタ1抽選結果、CZカウンタ2抽選結果であるのかを判断し、各抽選結果に対応する演出を出力可能とする。
また、メイン制御基板50のRWM53の本記憶領域として、
1)AT抽選結果を記憶する本記憶領域(以下「本記憶領域1」という。)
2)CZ抽選結果を記憶する本記憶領域(以下「本記憶領域2」という。)
3)ステージ抽選結果を記憶する本記憶領域(以下「本記憶領域3」という。)
4)CZカウンタ1の抽選結果を記憶する本記憶領域(以下「本記憶領域4」という。)
5)CZカウンタ2の抽選結果を記憶する本記憶領域(以下「本記憶領域5」という。)
がそれぞれ設けられている。
そして、第4実施形態では、偏り役当選時に上記抽選1)~3)、又は4)~6)を実行し、推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたときは抽選結果を反映させ、非推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたときは抽選結果をクリア(破棄)する(反映させない)。
図106及び図107は、上述した仮保存処理1を示すフローチャートである。図107は、図106に続くフローチャートである。なお、図106及び図107のフローチャートでは、有利区間かつ非AT(ATが抽選される状態)であるものとする。
図106において、ステップS312では、メイン制御基板50は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。スタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップS313に進む。なお、ステップS312でスタートスイッチ41が操作されたと判断したときは役抽選が実行されるが、本フローチャートでは処理を省略する。
次のステップS313では、メイン制御基板50は、今回遊技がCZ中であるかを判断する。CZ中でないと判断されたときはステップS314に進み、CZ中であると判断されたときはステップS320に進む。
なお、図54(第2実施形態)に示した例ではATフラグを備えているが、このATフラグ以外に、RWM53の所定領域には、現在の遊技状態がCZであるか否かを判断するためのCZフラグが記憶されている(図54では図示せず)。そして、このCZフラグの値に基づき今回遊技がCZ中であるか否かを判断する。
ステップS314では、メイン制御基板50は、ATを実行するか否かを抽選する。そしてステップS315に進み、ステップS314の抽選結果を仮記憶領域1に保存する(仮保存)。
次のステップS316では、メイン制御基板50は、CZを実行するか否かを抽選する。そしてステップS317に進み、ステップS316の抽選結果を仮記憶領域2に保存する(仮保存)。
次のステップS318では、メイン制御基板50は、ステージ抽選を実行する。ここで第4実施形態では、有利区間かつ非ATにおいて、CZやATの当選期待度が異なる複数のステージを有し、役抽選結果に基づいてどのステージに滞在するかの抽選を実行している。たとえばAT当選期待度が低いステージ、AT当選期待度が高いステージ、CZ当選期待度が高いステージ等を備える。
次にステップS319に進み、ステップS318の抽選結果を仮記憶領域3に保存する(仮保存)。そしてステップS326に進む。
一方、ステップS313においてCZ中であると判断され、ステップS320に進むと、メイン制御基板50は、AT抽選を実行する。この抽選は、ステップS314の抽選と同じである。そしてステップS321に進み、ステップS320の抽選結果を仮記憶領域1に保存する(仮保存)。この処理についてもステップS315と同じである。
次のステップS322では、メイン制御基板50は、CZカウンタ1抽選を実行する。次にステップS323に進み、ステップS322の抽選結果を仮記憶領域2に保存する(仮保存)。
次のステップS324では、メイン制御基板50は、CZカウンタ2抽選を実行する。次にステップS325に進み、ステップS324の抽選結果を仮記憶領域3に保存する(仮保存)。そしてステップS326に進む。
ステップS326では、メイン制御基板50は、仮記憶領域1~3の情報をサブ制御基板80に送信する。この処理は、上述した制御コマンドセット1等を実行する処理である。
以上のようにして、スタートスイッチ41操作時にATに関する抽選が実行され、仮記憶領域1~3に保存され、その抽選結果がサブ制御基板80に送信されるので、サブ制御基板80は、この情報に基づいて、遊技開始時(ストップスイッチ42が操作される前)の演出を出力することが可能となる。
次にステップS327に進み、メイン制御基板50は、第1(最初の)ストップスイッチ42が操作されたか否かを判断する。第1ストップスイッチ42が操作されたと判断したときはステップS328に進む。ステップS328では、押し順情報を更新する。
ここで、第4実施形態では、RWM53の所定領域に押し順情報を記憶する。押し順情報は、「aabbcc00(B)」からなる1バイトデータであり、
「aa」:第1(最初に操作された)ストップスイッチ42の値
「bb」:第2(2番目に操作された)ストップスイッチ42の値
「cc」:第3(3番目に操作された)ストップスイッチ42の値
である。
さらに、
左ストップスイッチ42に対応する値:01(B)
中ストップスイッチ42に対応する値:10(B)
右ストップスイッチ42に対応する値:11(B)
とする。
したがって、たとえば左中右の押し順でストップスイッチ42が操作されたときの押し順情報は、
01000000(B):左第一停止時

01100000(B):中第二停止時

01101100(B):右第三停止時
の順に更新される。
よって、ステップS228では、たとえば左ストップスイッチ42が最初に操作されたときは押し順情報を「01000000(B)」に更新する。あるいは、たとえば中ストップスイッチ42が最初に操作されたときは押し順情報を「10000000(B)」に更新する。
次にステップS329に進み、メイン制御基板50は、推奨押し順(順押し)でストップスイッチ42が操作されたか否かを判断する。この判断は、上記の押し順情報に基づき判断する。ここで、推奨押し順(順押し)でストップスイッチ42が操作されたか否かを判断するための定義データとして、「01000000(B)」を備える。この定義データは、最初に左ストップスイッチ42が最初に操作されたときの押し順情報と同一値である。
そして、ステップS328で更新した押し順情報の値から定義データの値を減算し、「0」となるか否かを判断する。減算結果が「0」になれば、最初に左ストップスイッチ42が操作されたと判断する。
なお、減算に限らず、ステップS328で更新した押し順情報と定義データの値とが同一値であるか否かを判断すればよいので、押し順情報と定義データとを排他的論理和(XOR)による演算を行い、演算結果が「0」になれば両者は同一値であると判断することができる。
たとえば、
押し順情報:01000000(B)(最初に左ストップスイッチ42が操作)
定義データ:01000000(B)
であるときは、両者を「XOR」演算すれば「00000000(B)」となる。演算結果が「0」であることから、第1ストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であると判断することができる。
一方、
押し順情報:10000000(B)(最初に中ストップスイッチ42が操作)
定義データ:01000000(B)
であるときは、両者を「XOR」演算すれば「11000000(B)」となる。演算結果が「0」でないことから、第1ストップスイッチ42は左ストップスイッチ42でないと判断することができる。
ステップS329において推奨押し順であると判断したときは図107のステップS331に進み、推奨押し順でないと判断したときはステップS330に進む。
ステップS330では、メイン制御基板50は、第1停止情報をサブ制御基板80に送信し、次のステップS331に進む。ここで送信する情報は、非推奨押し順で操作されたことに対応する情報である。一方、メイン制御基板50は、推奨押し順で操作されたときは第1停止情報をサブ制御基板80に送信しない。サブ制御基板80は、第1停止情報を受信したときは、非推奨押し順で操作されたと判断できるので、推奨画像を表示するように制御する。
ステップS331では、メイン制御基板50は、第2ストップスイッチ42が操作されたか否かを判断する。第2ストップスイッチ42が操作されたと判断したときはステップS332に進む。
ステップS332では、メイン制御基板50は、押し順情報を更新する。たとえば第1ストップスイッチ42が左であったときの押し順情報は「01000000(B)」であるので、次に中ストップスイッチ42が操作されたときは、押し順情報を「01100000(B)」に更新する。
一方、たとえば第1ストップスイッチ42が中であったときの押し順情報は「10000000(B)」であるので、次に右ストップスイッチ42が操作されたときは、押し順情報を「10110000(B)」に更新する。
次にステップS333に進み、メイン制御基板50は、第3ストップスイッチ42が操作されたか否かを判断する。第3ストップスイッチ42が操作されたと判断したときはステップS334に進む。
ステップS334では、メイン制御基板50は、押し順情報を更新する。たとえば左中右の順でストップスイッチ42が操作されたときは、押し順情報を「01100000(B)」から「01101100(B)」に更新する。
一方、たとえば中右左の順でストップスイッチ42が操作されたときは、押し順情報を「10110000(B)」から「10110100(B)」に更新する。
次にステップS335に進み、メイン制御基板50は、今回遊技において偏り役に当選したか否かを判断する。第1実施形態で説明したように、役の抽選が行われると、その抽選結果は、RWM53の所定領域に設けられた「小役及びリプレイ条件装置番号」に記憶されるので、このデータを読み込んでいずれかの偏り役に当選したか否かを判断する。
ステップS335において偏り役に当選したと判断したときはステップS336に進み、偏り役に当選していないと判断したときはステップS345に進む。
ステップS336では、メイン制御基板50は、第1停止リール特定フラグを生成する。ここで、「第1停止リール特定フラグ」とは、第1停止リール31(第1ストップスイッチ42と同義)がどのリール31であるかを判断するためのフラグであり、推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたか否かを判断するためのフラグである。ステップS328の時点で更新される押し順情報は、第1ストップスイッチ42の情報のみが記憶されているので、第1ストップスイッチ42(すなわち第1リール31)がどのストップスイッチ42であるかをすぐに判断できる。これに対し、ステップS334の時点で更新される押し順情報には、3つのストップスイッチ42の情報が含まれているので、演算しないと第1ストップスイッチ42がどのストップスイッチ42であるかを判断できない。このため、第1停止リール31がどのリール31であるかを判断するための第1停止リール特定フラグを生成する。
第1停止リール特定フラグを生成するためには、ステップS334の時点で更新した押し順情報に対し、中ストップスイッチ42及び右ストップスイッチ42の値をマスクすればよい。
たとえばマスキングデータを「11000000(B)」とし、押し順情報「aabbcc00(B)」とマスキングデータ「11000000(B)」とを論理積(AND)演算することにより、第1停止リール特定フラグ「aa000000(B)」を生成する。
次のステップS337では、メイン制御基板50は、今回遊技の押し順が推奨押し順であるか否かを判断する。この判断は、ステップS329と同様である。ステップS336で生成した第1停止リール特定フラグ「aa000000(B)」と定義データ「01000000(B)」とを「XOR」演算し、演算結果が「0」であれば推奨押し順であると判断し、演算結果が「0」でなければ推奨押し順でないと判断する。
ステップS337において推奨押し順であると判断されたときはステップS338に進み、推奨押し順でないと判断されたときはステップS345に進む。
ステップS338では、メイン制御基板50は、今回遊技がCZ中であるか否かを判断し、CZ中でないと判断したときはステップS339に進み、CZ中であると判断したときはステップS342に進む。
ステップS339では、メイン制御基板50は、仮記憶領域1に記憶された情報を、本記憶領域1に記憶する(本保存)。
次のステップS340では、メイン制御基板50は、仮記憶領域2に記憶された情報を、本記憶領域2に記憶する(本保存)。
次のステップS341では、メイン制御基板50は、仮記憶領域3に記憶された情報を、本記憶領域3に記憶する(本保存)。
そしてステップS345に進む。
これに対し、ステップS338においてCZ中であると判断され、ステップS342に進むと、メイン制御基板50は、仮記憶領域1に記憶された情報を、本記憶領域1に記憶する(本保存)。
次のステップS343では、メイン制御基板50は、仮記憶領域2に記憶された情報を、本記憶領域4に記憶する(本保存)。
次のステップS344では、メイン制御基板50は、仮記憶領域3に記憶された情報を、本記憶領域5に記憶する(本保存)。
そしてステップS345に進む。
ステップS345では、メイン制御基板50は、本記憶領域1~3、又は本記憶領域1、4、5に記憶された情報をサブ制御基板80に送信する。これにより、偏り役に当選し、かつ、推奨押し順でストップスイッチ42が操作された遊技では、遊技終了時に、本記憶領域の更新後の情報がサブ制御基板80に送信される。これに対し、偏り役に当選し、かつ、推奨押し順でストップスイッチ42が操作されなかったときは、本記憶領域の情報は更新されないので、前回遊技で送信された情報と同一の情報がサブ制御基板80に送信される。
また、サブ制御基板80は、送信されてきた本記憶領域1~3又は本記憶領域1、4、5の情報と、CZ中であるか否かを判断することにより、送信されてきた情報が何の情報であるかを判断し、その結果に基づいて演出の出力を制御する。
次にステップS346に進み、メイン制御基板50は、仮記憶領域1~3をクリアする(「0」にする)。次のステップS347では、メイン制御基板50は、押し順情報をクリアする(「0」にする)。さらに次のステップS348では、メイン制御基板50は、第1停止リール特定フラグをクリアする(「0」にする)。そして本フローチャートによる処理を終了する。
図108は、図107における仮保存処理1の他の例を示すフローチャートである。図108中、図107の処理と相違するステップ番号にアンダーラインを付している。
図107や図108では図示していないが、推奨押し順であるか否かは、ステップS337の処理以降において複数回(たとえば5回程度)実行される。そして、その都度、ステップS337で示したように第1停止リール特定フラグと定義データとの「XOR」演算を行うと、プログラム容量が増大する。そこで、ステップS337の判定処理を行った後、推奨押し順であるときにはステップS351に進んで変則遊技判定データとして「0」を記憶し、推奨押し順でないときにはステップS352に進んで変則遊技判定データとして「1」を記憶しておく。そして、ステップS337以降における推奨押し順であるか否かの判断は、変則遊技判定データが「0」であるか否かを判断することにより行う。たとえば、変則遊技判定データから「1」を減算し、ゼロフラグが「1」となっときは(減算前の)変則遊技判定データは「1」である(推奨押し順でない)と判断することが可能となる。
これにより、推奨押し順であるか否かの判断処理を簡素化及び高速化することができる。
また、本処理の最後には、ステップS353において変則遊技判定データをクリアする(「0」にする)処理を実行する。
2.第2の方法(仮保存処理2)
この例では、有利区間かつ非AT中に、ATに関する抽選として、3種類のカウント値A、B、Cを抽選するものとする。そして、各カウント値の抽選結果を、毎遊技、前回遊技までのカウント値に加算する。
たとえば、前回遊技までのカウント値A、B、Cがそれぞれ、
カウント値A=X
カウント値B=Y
カウント値C=Z
であり、
今回遊技でのカウント値A、B、Cの抽選結果がそれぞれ、
カウント値A=a
カウント値B=b
カウント値C=c
であるとき、今回遊技でのカウント値A、B、Cが更新されると、
カウント値A=X+a
カウント値B=Y+b
カウント値C=Z+c
となる。
そして、たとえばカウント値Aが第1の値に到達したときはAT抽選を実行したり、カウント値Bが第2の値に到達したときはATを実行することに決定したり、カウント値Cが第3の値に到達したときはCZに移行したりする。
また、今回遊技でのカウント値の抽選結果の反映(各カウント値の加算)は、偏り役に当選し、推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたときに限られる。それ以外の場合には、今回遊技でのカウント値の抽選結果は反映しない。
さらに、上記第1の方法と異なり、第2の方法では、仮記憶領域と本記憶領域とが一対一で対応している。したがって、
カウント値Aを記憶する仮記憶領域1及び本記憶領域1
カウント値Bを記憶する仮記憶領域2及び本記憶領域2
カウント値Cを記憶する仮記憶領域3及び本記憶領域3
を備える。
ここでは、上記3種類の仮記憶領域及び本記憶領域を例示するが、これに限らず、実際にはさらに多くのカウント値が抽選され、そのカウント値を記憶するための仮記憶領域及び本記憶領域が設けられている。したがって、実際には、
カウント値Dを記憶する仮記憶領域4及び本記憶領域4
カウント値Eを記憶する仮記憶領域5及び本記憶領域5

を備える。
図109及び図110は、上述の仮保存処理2を示すフローチャートである。図110は、図109に続くフローチャートである。
図109において、ステップS362では、メイン制御基板50は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。スタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップS363に進む。なお、スタートスイッチ41が操作されると、役抽選処理が実行される。
ステップS363では、メイン制御基板50は、本記憶領域1の値(カウント値A)を仮記憶領域1にコピーする。次のステップS364では、メイン制御基板50は、本記憶領域2の値(カウント値B)を仮記憶領域2にコピーする。さらに次のステップS365では、メイン制御基板50は、本記憶領域3の値(カウント値C)を仮記憶領域3にコピーする。
よって、スタートスイッチ41の操作時に、仮記憶領域「N」(N=1、2、3)の値と本記憶領域「N」の値とは同一値になる。
次のステップS366では、メイン制御基板50は、カウント値Aの抽選を実行する。なお、このカウント値Aの抽選、並びに後述するカウント値Bの抽選及びカウント値Cの抽選は、役抽選結果に基づいて実行される。
次のステップS367では、メイン制御基板50は、カウント値Aの抽選結果を仮記憶領域1に加算する。たとえばカウント値Aの抽選結果が「a」であり、それまでの仮記憶領域1の値が「X」であるとき、仮記憶領域1の値は「X+a」に更新される。
次のステップS368では、メイン制御基板50は、カウント値Bの抽選を実行する。次にステップS369に進み、メイン制御基板50は、カウント値Bの抽選結果を仮記憶領域2に加算する。
次のステップS370では、メイン制御基板50は、カウント値Cの抽選を実行する。次にステップS371に進み、メイン制御基板50は、カウント値Cの抽選結果を仮記憶領域3に加算する。
次にステップS372に進み、メイン制御基板50は、仮記憶領域1~3の情報をサブ制御基板80に送信する。この処理は、上述した制御コマンドセット1等を実行する処理である。
以上のようにして、スタートスイッチ41操作時にカウント値A~Cの抽選結果がサブ制御基板80に送信されるので、サブ制御基板80は、この情報に基づいて、遊技開始時(ストップスイッチ42が操作される前)の演出を出力することが可能となる。
次にステップS373に進み、メイン制御基板50は、第1(最初の)ストップスイッチ42が操作されたか否かを判断する。第1ストップスイッチ42が操作されたと判断したときはステップS374に進む。ステップS374では、上記の仮保存処理1と同様に、第1ストップスイッチ42の操作に対応した押し順情報(「aa000000(B)」)を記憶する。
次に、図110のステップS375に進み、メイン制御基板50は、推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたか否か(左ストップスイッチ42が最初に操作されたか否か)を判断する。この処理は、上記の押し順情報に基づき判断する。この処理は、仮保存処理1と同様に、押し順情報の値から定義データの値を減算し、「0」となるか否かを判断する。
ステップS375において推奨押し順であると判断したときはステップS377に進み、推奨押し順でないと判断したときはステップS376に進む。
ステップS376では、メイン制御基板50は、第1停止情報をサブ制御基板80に送信し、ステップS377に進む。ここで送信する情報は、非推奨押し順で操作されたことに対応する情報である。サブ制御基板80は、第1停止情報を受信したときは、非推奨押し順で操作されたと判断できるので、推奨画像を表示するように制御する。
ステップS377では、メイン制御基板50は、第2ストップスイッチ42が操作されたか否かを判断する。第2ストップスイッチ42が操作されたと判断したときはステップS378に進む。
ステップS378では、メイン制御基板50は、第2ストップスイッチ42の操作に対応する押し順情報を更新する。
次にステップS379に進み、メイン制御基板50は、第3ストップスイッチ42が操作されたか否かを判断する。第3ストップスイッチ42が操作されたと判断したときはステップS380に進む。
ステップS380では、メイン制御基板50は、第3ストップスイッチ42の操作に対応する押し順情報を更新する。
次にステップS381に進み、メイン制御基板50は、今回遊技において偏り役に当選したか否かを判断する。上述と同様に、RWM53に記憶された「小役及びリプレイ条件装置番号」に基づき、いずれかの偏り役に当選したか否かを判断する。
ステップS381において偏り役に当選したと判断したときはステップS382に進み、偏り役に当選していないと判断したときはステップS387に進む。
ステップS382では、メイン制御基板50は、第1停止リール特定フラグを生成する。第1停止リール特定フラグの生成は、仮保存処理1と同様に、ステップS380の時点で更新した押し順情報とマスキングデータとを論理積(AND)演算することにより、第1停止リール特定フラグ「aa000000(B)」を生成する。
次のステップS383では、メイン制御基板50は、今回遊技の押し順が推奨押し順であるか否かを判断する。第1停止リール特定フラグ「aa000000(B)」と定義データ「01000000(B)」とを「XOR」演算し、演算結果が「0」であれば推奨押し順であると判断し、演算結果が「0」でなければ推奨押し順でないと判断する。
推奨押し順であると判断されたときはステップS384に進み、推奨押し順でないと判断されたときはステップS387に進む。
ステップS384では、メイン制御基板50は、仮記憶領域1に記憶された値を本記憶領域1に記憶(反映)する。
次のステップS385では、メイン制御基板50は、仮記憶領域2に記憶された値を本記憶領域2に記憶(反映)する。
次のステップS386では、メイン制御基板50は、仮記憶領域3に記憶された値を本記憶領域3に記憶(反映)する。
そして、ステップS387に進む。
ステップS387では、メイン制御基板50は、本記憶領域1~3に記憶された値をサブ制御基板80に送信する。これにより、偏り役に当選し、かつ、推奨押し順でストップスイッチ42が操作された遊技では、遊技終了時に、本記憶領域に記憶された更新後の値がサブ制御基板80に送信される。これに対し、偏り役に当選し、かつ、推奨押し順でストップスイッチ42が操作されなかった遊技では、本記憶領域に記憶されている情報が更新されないので、前回遊技で送信された本記憶領域の情報と同一の情報がサブ制御基板80に送信される。
次にステップS388に進み、メイン制御基板50は、仮記憶領域1~3をクリアする(「0」にする)。次のステップS389では、メイン制御基板50は、押し順情報をクリアする(「0」にする)。さらに次のステップS390では、メイン制御基板50は、第1停止リール特定フラグをクリアする(「0」にする)。そして本フローチャートによる処理を終了する。
以上の仮保存処理1及び仮保存処理2によれば、推奨押し順であるか否かが定まる前に、スタートスイッチ41の操作時の抽選結果をサブ制御基板80に送信できるので、サブ制御基板80側で、これらの抽選結果に基づいて遊技開始時の演出を実行可能となる。
ただし、仮保存用の記憶領域を設ける必要がある。
また、全停後に、偏り役に当選したか否かと、推奨押し順であるか否かを判断する必要がある。
さらに、仮保存処理1の方法では、仮保存用の記憶領域を共用化しているので、仮保存用用の記憶領域を最小限にすることができる。ただし、サブ制御基板80側では、仮保存記憶領域に記憶された情報を送信しただけでは何の情報であるかを判断できないので、何の情報であるかを判断する処理が必要となる。
また、仮保存処理1の方法では、一度仮記憶領域に保存をすると、当該遊技では他の抽選結果を当該仮記憶領域に保存できなくなる。
これに対し、仮保存処理2の方法では、保存したい情報を仮保存と本保存とで一対一で記憶できる。ただし、保存する数だけの仮保存領域及び本保存領域を設ける必要がある。
なお、図110の例においても、図108と同様に、ステップS383で推奨押し順であると判断されたときは(図108のステップS351と同様に)変則遊技判定データに「0」をセットし、推奨押し順でないと判断されたときは(図108のステップS352と同様に)変則遊技判定データに「1」をセットしてもよい。
この場合には、ステップS390の後、(図108のステップS353と同様に)変則遊技判定データをクリアする。
以上、第4実施形態について説明したが、本発明は、上記記載に限定されることなく、たとえば以下のような種々の変形が可能である。
(1)上記実施形態では、非推奨押し順(一方的に有利な押し順)は、変則押しである中第一停止又は右第一停止とした。しかし、これに限らず、中第一停止のみ、又は右第一停止のみとしてもよい。さらには、非推奨押し順(一方的に有利な押し順)として、左第一停止のみ、あるいは左第一停止を含む押し順とすることも可能である。たとえば中第一停止を推奨押し順とし、左第一停止及び右第一停止を非推奨押し順とすることが挙げられる。
また、推奨押し順は、第一停止のみを特定するものに限らず、たとえば「左中右」の順を推奨押し順とすることも可能である。この場合、「左右中」と操作された場合には、第二停止(右)時点で推奨画像を表示することが好ましい。
(2)上記実施形態では、推奨押し順でないこと(非推奨押し順であること)を遊技者に知らせるために、推奨画像を表示可能とした。しかし、遊技者に対して推奨押し順でないことを知らせる表示方法として、推奨画像を表示することには限られない。たとえば、推奨画像という新たな画像を表示するのではなく、それまで演出画像を変化させるものであってもよい。たとえば、画面を暗転させる(画像の視認性を低下させる)ことで、遊技者に対し今回遊技の押し順が推奨押し順でないことを報知してもよい。
なお、画面を暗転させることで推奨押し順でないことを遊技者に知らせる場合において、表示内容と内部状態との間にずれが生じているときは、当該表示内容の視認性を大きく低下させることでも差し支えないが、当該表示内容を全く見えなくする方が好ましい。
また、遊技機(スロットマシン10)が備える演出ランプ21の点灯、点滅パターンを特有のパターンにすることで推奨押し順でないことを知らせもよい。
さらにまた、スピーカ22からの出力音により推奨押し順でないことを知らせてもよい。
(3)推奨画像の表示領域は、種々設定することが可能である。たとえば第1に、画像表示装置23の画像表示領域中、全領域を覆うように推奨画像を表示することが挙げられる。
また第2に、画像表示装置23の画像表示領域中、一部の範囲に推奨画像を表示することが挙げられる。
ただし、推奨画像を表示する場合において、表示内容と内部状態との間にずれが生じているときは、当該表示内容(ずれの表示を含む部分)が隠れるように推奨画像を表示することが好ましい。
(4)第4実施形態では、第一停止時にストップスイッチ42の押し順を判断し、順押しであるときに推奨押し順であると判断した。しかしこれに限らず、停止出目に基づいて推奨押し順であるか否かを判断することも可能である。この場合にはストップスイッチ42の押し順を判断しない。
なお、停止出目によって推奨押し順であるか否かを判断する場合には、当選役が同一(同一当選フラグ)であっても推奨押し順と非推奨押し順とで停止出目が相違するようにリール31を停止制御する。
ただし、停止出目に基づいて推奨押し順を判断する場合には、すべてのリール31が停止しないとその判断は困難である。このため、全停時に停止出目を見て、非推奨押し順に基づく停止出目であると判断されたときに推奨画像を表示することとなる。
よって、第一停止時点で推奨画像を表示する場合には、ストップスイッチ42の押し順に基づいて推奨押し順であるか否かを判断する方が好ましい。
(5)図92で示した偏りベルは、押し順が実質4択の小役である。しかし、これに限らず、押し順及び色によって択数をさらに増加させることも可能である。
たとえば、押し順を上記のように4択とし、さらに、中リール31及び右リール31の図柄の色をそれぞれ2択とする(正解図柄色の方を目押しさせる)ことによって、正解図柄の色を4択とすることが挙げられる。これにより、偏りベルは、「押し順4択×色4択=合計16択」となる(以下、「16択偏りベル」という。)。
この場合、16択偏りベルの当選時に、順押し時には、1枚役が「PB=1」で入賞するように構成することが挙げられる。一方、16択偏りベルの当選時に、押し順正解かつ色正解時には、「PB=1」で15枚役が入賞するように構成することが挙げられる。
さらにまた、16択偏りベルの当選時に、変則押しであり、かつ、押し順正解及び色正解以外の場合には、1枚役が入賞するか又は取りこぼす(0枚)ように構成することが挙げられる。
そして、16択偏りベルの当選時に、任意に変則押しをしたときには、「1/16」の確率で15枚役が入賞し、「7.5/16」の確率で1枚役が入賞し、「7.5/16」の確率で取りこぼす(0枚)ように構成したときには、図92で示した偏りベルを採用したときよりもさらにベースを下げることができ、かつ、AT中のメダル払出し数を増加させることができる。
(6)第4実施形態では、一方的に有利な押し順を有するレア役を設け、レア役当選時に推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、AT抽選を実行するようにした。しかし、これに限らず、レア役については、スイカ等と同様に押し順不問役としてもよい。
また、偏りベルの当選時に、推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたときはAT抽選を実行し(又はAT抽選を優遇し)、非推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたときはAT抽選を実行しない(又はAT抽選を冷遇する)ように構成してもよい。
(7)有利区間かつ非ATである場合において、推奨押し順で操作したときは、毎遊技、天井ゲーム数や周期ゲーム数(後述)を更新するが、非推奨押し順で操作したときは、当選役にかかわらず天井ゲーム数や周期ゲーム数を更新しないことが挙げられる。
ここで「周期ゲーム数」とは、たとえば所定遊技回数(たとえば「100」)の消化ごとにAT抽選を行うようなものが挙げられる。
なお、押し順不問役に当選した遊技では、天井ゲーム数や周期ゲーム数を更新してもよいし、更新しなくてもよい。
(8)有利区間かつ非ATである場合において、押し順不問役に当選した遊技で非推奨押し順で操作されたときは、推奨画像を表示した。ここで、押し順不問役に当選した遊技でAT抽選等を実行する場合において非推奨押し順で操作されたときは、AT抽選等を実行する場合と実行しない場合(AT抽選等の抽選結果を無効にする場合)とが挙げられる。
押し順不問役は押し順によって期待値が変動しない役であることから、押し順不問役に当選した遊技では、非推奨押し順で操作された場合であってもAT抽選等を実行することが可能である。これにより、押し順不問役に当選した遊技において押し順を誤ってしまっても遊技者に不利な結果にならず、推奨画像の表示が終了した後に演出画像にAT抽選等の結果が反映されているため、遊技者を落胆させてしまうことがない。同時に、推奨画像の表示により有利区間かつ非ATであるときの推奨押し順を遊技者に伝えることが可能になる。
一方、押し順不問役に当選した遊技で非推奨押し順で操作された場合に、AT抽選等を実行しない(AT抽選等の抽選結果を無効にする)ときは、推奨画像の表示が終了した後にAT抽選等の結果が反映されていないため、遊技者に対し、非推奨押し順で操作したときの不利益を明確に伝えることが可能になり、遊技者に注意喚起を促すことが可能となる。
(9)第4実施形態(変形例を含む)では、遊技機の1つとしてスロットマシン10を例に挙げたが、たとえばカジノマシンや封入式遊技機(メダルレス遊技機)にも適用することができる。
(10)第1実施形態~第4実施形態(変形例を含む)は、単独で実施されることに限らず、他の実施形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
<第5実施形態>
第5実施形態は、メダル投入口47から投入されたメダルMを選別するためのメダルセレクタ110と、メダルセレクタ110で投入を許可されたメダルMをホッパー35に誘導するためのシュート部材120と、メダルセレクタ110で投入を不許可とされたメダルMをメダル受け皿19に誘導するための返却部材130とを有するスロットマシン10に関するものである。
以下、図面等を参照して、第5実施形態について説明する。
図111は、第5実施形態におけるスロットマシン10の側断面図であり、図112は、第5実施形態におけるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。
なお、図112は、図1に対して、ドアスイッチ17、設定キー挿入口151、設定キースイッチ152、設定変更(リセット)スイッチ153、プッシュボタン86、及び十字キー87を追加したものである。
図111に示すように、スロットマシン10は、前面が開口する箱形のキャビネット13と、キャビネット13の開口を覆うように取り付けられているフロントドア12とを備えている。
また、キャビネット13は、底板13a、背板13b、天板13c、右側板及び左側板(図示せず)等を組み立てることにより、前面が開口する箱形に構成されている。
さらにまた、フロントドア12は、キャビネット13の前面の開口を覆うようにして、キャビネット13に取り付けられている。
フロントドア12は、通常は閉鎖されているが、たとえば、電源投入時、設定変更時、設定確認時、エラー発生時、メダル補給時等には開放される。
具体的には、フロントドア12とキャビネット13とが、ヒンジ(図示せず)を介して取り付けられている。
また、フロントドア12の裏面(遊技者が向き合う面とは反対側の面)には、施錠装置(図示せず)が設けられている。
さらにまた、フロントドア12の前面における、施錠装置に対応する位置には、ドアキー挿入口(図示せず)が設けられている。ドアキー挿入口は、施錠装置を操作するためのドアキーが挿入される部分である。
フロントドア12が閉鎖され、かつ施錠されている状態において、ドアキー挿入口にドアキーを挿入し、この状態でドアキーを時計回りに回すと、施錠が解除される。そして、施錠が解除された状態で、フロントドア12を引くと、ヒンジを中心としてフロントドア12が回動して、フロントドア12が開放される。
また、キャビネット13又はフロントドア12には、フロントドア12の開放を検知するためのドアスイッチ17(図112)が設けられている。フロントドア12が閉鎖された状態では、ドアスイッチ17がオフになり、フロントドア12が開放された状態では、ドアスイッチ17がオンになるように構成されている。
さらに、ドアスイッチ17は、入力ポート51(図112)を介して、メイン制御基板50と電気的に接続されている。
そして、メイン制御基板50は、ドアスイッチ17がオフのときは、フロントドア12が閉鎖された状態であると判断し、ドアスイッチ17がオンのときは、フロントドア12が開放された状態であると判断するように構成されている。
また、フロントドア12の中央には、表示窓18が設けられている。表示窓18は、フロントドア12を閉じた状態において、図柄表示装置14の前方に位置するように構成されている。そして、表示窓18を通して、図柄表示装置14が備える3個のリール31を視認することができるように構成されている。
また、フロントドア12の前面(遊技者が向き合う面)における、表示窓18の下方には、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42、精算スイッチ43、及びメダル投入口47等が設けられている。メダル投入口47は、遊技者がメダルMをベット又はクレジットするときに、メダルMを投入する部分である。
さらにまた、フロントドア12の前面下部には、メダル払出し口16と、メダル払出し口16から排出されたメダルMを受けるメダル受け皿19とが設けられている。メダル払出し口16は、メダル払出し装置15から払い出されたメダルM、及びメダルセレクタ110で投入を不許可とされたメダルMが通過する開口部である。
また、フロントドア12の裏面(遊技者が向き合う面とは反対側の面)における、メダル投入口47に対応する位置には、メダル投入口47から投入されたメダルMを選別するためのメダルセレクタ110が設けられている。
具体的には、フロントドア12の裏面における、メダル投入口47に対応する位置に、セレクタベース113(図113)が固定され、このセレクタベース113に、メダルセレクタ110が着脱可能に取り付けられている。
セレクタベース113は、メダルセレクタ110を着脱可能に保持するためのものであって、板金の折曲げ加工によって形成されており、フロントドア12の裏面における、メダル投入口47に対応する位置に、ねじで固定されている。そして、メダルセレクタ110は、セレクタベース113に着脱可能に取り付けられる。
さらにまた、フロントドア12の裏面における、メダルセレクタ110に隣接する位置には、メダルセレクタ110で投入を許可されたメダルMをホッパー35に誘導するためのシュート部材120が設けられている。
さらに、フロントドア12の裏面における、メダルセレクタ110とメダル払出し口16との間に相当する位置には、メダルセレクタ110で投入を不許可とされたメダルM、及びメダル払出し装置15から払い出されたメダルMをメダル受け皿19に誘導するための返却部材130が設けられている。
また、キャビネット13の内部下方(底板13aの上)には、メダル払出し装置15が配置されている。メダル払出し装置15は、メダルMを貯留するためのホッパー35と、ホッパー35に貯留されているメダルMを払い出すときに駆動するホッパーモータ36(図112)と、ホッパー35から払い出されたメダルMを検知するための払出しセンサ37(図112)とを備えている。
ホッパー35は、メダルMを貯留するためのものである。また、ホッパー35の上部には、シュート部材120によって誘導されたメダルMを受け入れる開口部である貯留受入れ口35aが設けられている。貯留受入れ口35aは、シュート部材120におけるホッパー35側の端部(メダル誘導通路121の下流側の端部)より下方に開口している。
第1実施形態でも説明したように、払出しセンサ37は、所定間隔を空けて配置された一対の払出しセンサ37a及び払出しセンサ37b(図112)から構成されている。
そして、メダルMが払い出されるときには、そのメダルMにより所定の移動部材(図示せず)が移動し、所定の移動部材の移動によって、払出しセンサ37a及び払出しセンサ37bがオン/オフされる。
また、図112において、ホッパーモータ36は、出力ポート52を介して、メイン制御基板50と電気的に接続されており、また、払出しセンサ37a及び払出しセンサ37bは、入力ポート51を介して、メイン制御基板50と電気的に接続されている。
そして、メイン制御基板50は、メダル払出し装置15からメダルMを払い出すときは、ホッパーモータ36を駆動させる。
また、メイン制御基板50は、払出しセンサ37a及び払出しセンサ37bが所定時間の範囲内でそれぞれオン/オフされたか否かに基づいて、メダルMが正常に払い出されたか否かを判断する。
図111において、キャビネット13の内部下方(底板13aの上)には、電源ユニット(図示せず)が配置されている。電源ユニットは、メイン制御基板50やサブ制御基板80等に電力を供給する電源基板(図示せず)と、電源をオン/オフするときに操作される電源スイッチ11(図112)と、設定変更状態又は設定確認状態に移行させるときに操作される設定キースイッチ152(図112)と、設定値を変更するとき及びエラーを解除するときに操作される設定変更(リセット)スイッチ153(図112)とを備えている。
電源スイッチ11は、電源をオン/オフするときに操作されるスイッチである。
電源スイッチ11をオンにすることを、「電源を投入する」、「電源をオンにする」又は「電源の供給を再開する」と称する場合を有する。
また、電源スイッチ11をオフにすることを、「電源をオフにする」又は「電源の供給を遮断する」と称する場合を有する。
設定キースイッチ152は、設定値を変更可能な設定変更状態、又は設定値を変更できないが確認可能な設定確認状態に移行させるときに操作されるスイッチである。
設定キー挿入口151(図112)から設定キーを挿入し、設定キーを時計回りに略90度回転させると、設定キースイッチ152がオンになり、設定キーを元の位置に戻すと、設定キースイッチ152がオフになるように構成されている。
設定変更(リセット)スイッチ153は、設定変更スイッチ153、及びリセットスイッチ153を兼ねるスイッチである。
また、設定変更スイッチ153は、設定変更状態において、設定値を変更するときに操作されるスイッチである。
さらにまた、リセットスイッチ153は、エラーの要因を除去した後に、エラー報知を解除するときに操作されるスイッチである。
このように、設定変更(リセット)スイッチ153は、設定変更状態においては、設定変更スイッチ153として機能し、エラー報知時には、リセットスイッチ153として機能する。
以下、「設定変更(リセット)スイッチ153」と称する場合と、「設定変更スイッチ153」と称する場合と、「リセットスイッチ153」と称する場合とを有する。
また、設定変更(リセット)スイッチ153等の各種スイッチについて、オンの状態にすることを「操作する」と称し、オンの状態であることを「操作されている」と称し、オフの状態であることを「操作されていない」と称する場合を有する。
なお、第5実施形態では、設定変更スイッチ153、及びリセットスイッチ153を兼用としたが、これに限らず、設定変更スイッチ153、及びリセットスイッチ153を別々に設けてもよい。
図112において、設定キースイッチ152、及び設定変更(リセット)スイッチ153は、入力ポート51を介して、メイン制御基板50と電気的に接続されている。
そして、設定キースイッチ152がオンの状態で電源をオンにすると、設定変更状態に移行し、また、電源がオンの状態で設定キースイッチ152をオンにすると、設定確認状態に移行するように構成されている。
また、設定変更状態に移行すると、現在の設定値がメイン制御基板50上に搭載された設定値表示LED73に表示される。さらに、設定変更状態において、設定変更スイッチ153を操作するごとに、設定値が変更(「1」加算)される。そして、スタートスイッチ41を操作し、その後、設定キースイッチ152をオフにすると、設定変更状態が終了して、設定値表示LED73が消灯する。なお、スタートスイッチ41の操作後は、設定変更スイッチ153を操作しても、設定値を変更することができなくなる。
また、設定値は、RWM53の所定アドレスに記憶されている。
そして、設定変更状態において、設定変更スイッチ153を操作するごとに、設定値が変更されるとともに、変更後の設定値が、RWM53の所定アドレスに記憶(上書き)されるように構成されている。
なお、設定変更状態において、設定変更スイッチ153を操作しただけでは、変更後の設定値はRWM53の所定アドレスに記憶(上書き)されず、スタートスイッチ41を操作すると設定値が確定し、このとき、確定した設定値がRWM53の所定アドレスに記憶(上書き)されるようにしてもよい。
また、設定確認状態に移行すると、設定値を変更することはできないが、現在の設定値が設定値表示LED73に表示される。そして、設定キースイッチ152をオフにすると、設定確認状態が終了して、設定値表示LED73が消灯する。
次に、図113~図121を参照して、メダルセレクタ110、シュート部材120、及び返却部材130について更に詳しく説明する。
図113は、メダルセレクタ110、シュート部材120、及び返却部材130を示す図であり、メダルセレクタ110とシュート部材120との間の透き間112について説明する図である。
図114は、図113に対して、ホッパー35を追加したものであり、メダルセレクタ110とシュート部材120との間の透き間112と、ホッパー35との関係について説明する図である。
図115は、メダルセレクタ110とシュート部材120との間の透き間112の間隔と、メダルMの厚さとの関係について説明する図である。
図116は、シュート部材120の各部の寸法と、メダルMの直径及び半径との関係について説明する図である。
図117は、メダルセレクタ110とシュート部材120との間の透き間112に入り込んだ一のメダルMと、メダルセレクタ110からシュート部材120に向かう他のメダルMとの関係について説明する図である。
図118は、シュート部材120のメダル誘導通路121の幅と、シュート部材120を固定するねじ127の各部の寸法との関係について説明する図である。
図119は、メダルセレクタ110とシュート部材120との間の透き間112の鉛直下方に、返却受入れ口131及び上縁部135のいずれも配置されていない例について説明する図である。
図120は、メダルセレクタ110とシュート部材120との間の透き間112の鉛直下方にふさぎ部材140が配置され、このふさぎ部材140によって返却受入れ口131の一部がふさがれている例について説明する図である。
図121は、メダルセレクタ110とシュート部材120との間の透き間112の鉛直下方に、返却受入れ口131の一部が配置されている例について説明する図である。
図113に示すように、メダルセレクタ110は、メダル投入口47から投入されたメダルが通過するメダル通路111を有している。メダル通路111は、略L字形に形成されており、図113中、メダルセレクタ110の上面左側部から略鉛直下方へ向かう鉛直部111aと、鉛直部111aの下端から右斜め下方へ向けて緩やかに傾斜してメダルセレクタ110の右側面下部に至る傾斜部111bとを有している。また、メダルセレクタ110の上面左側部には、メダル通路111の入口111cが設けられ、メダルセレクタ110の右側面下部には、メダル通路111の出口111dが設けられている。
メダルセレクタ110がフロントドア12の裏面の所定位置に取り付けられると、メダル投入口47の鉛直下方に、メダル通路111の入口111cが位置するように構成されている。そして、メダル投入口47から投入されたメダルMは、メダルセレクタ110のメダル通路111に送られるように構成されている。
また、図113に示すように、メダル通路111の傾斜部111bの中間位置には、メダルMの投入を許可/不許可にするためのブロッカ45が設けられており、メダル通路111の傾斜部111bにおける、ブロッカ45より下流側には、メダル通路111を通過するメダルMを検知可能な投入センサ44が設けられている。
ブロッカ45は、メダルMの投入を許可/不許可にするためのものであって、出力ポート52(図112)を介して、メイン制御基板50と電気的に接続されている。
そして、メイン制御基板50は、遊技中(リール31の回転開始時から、全リール31が停止し、役の入賞時には入賞した役に対応するメダルMの払出しの終了時まで)は、メダルMの投入を不許可にするようにブロッカ45を制御する。
また、規定数のメダルMがすでにベットされており、かつクレジット数が上限値に到達しているときは、それ以上のメダルMのベット及びクレジットができないので、メイン制御基板50は、メダルMの投入を不許可にするようにブロッカ45を制御する。
これに対し、遊技が行われていないとき(メダルMの払出し終了後、リール31の回転開始前)において、メダルMのベット数が規定数に到達していないか、又はクレジット数が上限値に到達していないときは、メイン制御基板50は、メダルMの投入を許可するようにブロッカ45を制御する。
メダルMの投入を不許可にしているときは、ブロッカ45は、メダル投入口47から投入されたメダルMを、ブロッカ45の位置でメダル通路111から外して下方に落下させるように構成されている。また、ブロッカ45の位置でメダル通路111から外れて下方に落下したメダルMは、返却部材130によって誘導され、メダル払出し口16から排出されて、メダル受け皿19に貯留される。
これに対し、メダルMの投入を許可しているときは、ブロッカ45は、メダル投入口47から投入されたメダルMを、メダル通路111におけるブロッカ45より下流側に誘導するように構成されている。また、メダル通路111におけるブロッカ45より下流側に誘導されたメダルMは、投入センサ44a及び投入センサ44b(以下双方を総称して「投入センサ44」という。)を通過し、メダル通路111の出口111dから排出され、シュート部材120によって誘導されて、ホッパー35に貯留される。
投入センサ44は、メダル通路111におけるブロッカ45より下流側に誘導されたメダルMを検知するためのものであって、図113に示すように、所定間隔を空けて配置された一対の投入センサ44a及び投入センサ44bから構成されている。上流側に配置されているのが投入センサ44aであり、下流側に配置されているのが投入センサ44bである。また、投入センサ44a及び投入センサ44bは、入力ポート51(図112)を介して、メイン制御基板50と電気的に接続されている。
メダル通路111におけるブロッカ45より下流側に誘導されたメダルMは、まず、上流側の投入センサ44aによって検知され、その後、下流側の投入センサ44bによって検知されるように構成されている。
具体的には、メダル通路111におけるブロッカ45より下流側にメダルMが誘導されると、まず、上流側の投入センサ44aがメダルMを検知する(オフからオンになる)。
さらにメダルMがメダル通路111を流下すると、次に、下流側の投入センサ44bがメダルMを検知する(オフからオンになる)。
さらにメダルMがメダル通路111を流下すると、上流側の投入センサ44aがメダルMを検知しなくなる(オンからオフになる)。
さらにメダルMがメダル通路111を流下すると、下流側の投入センサ44bがメダルMを検知しなくなる(オンからオフになる)。
そして、メイン制御基板50は、投入センサ44a及び投入センサ44bが所定時間の範囲内でそれぞれオン/オフされたか否かに基づいて、メダルMがメダル通路111を正常に通過したか否かを判断する。
シュート部材120は、メダルセレクタ110で投入を許可されてメダル通路111の出口111dから排出されたメダルMを、キャビネット13の内部下方に配置されたホッパー35に誘導するためのものであって、フロントドア12の裏面における、メダルセレクタ110に隣接する位置に設けられている。
また、シュート部材120は、メダルセレクタ110(上流)側からホッパー35(下流)側に向けてメダルMを誘導するためのメダル誘導通路121を有している。
メダル誘導通路121は、メダルセレクタ110(上流)側からホッパー35(下流)側に向かうに従って高さが次第に低くなるように緩やかに傾斜している。
また、図113において、メダルMは、メダルセレクタ110で投入を許可され、メダル通路111を通過すると、メダル通路111の出口111dから排出される。ここで、メダルセレクタ110は、図111に示すように、フロントドア12の裏面に取り付けられている。このため、出口111dは、フロントドア12の裏面寄りに位置している。これに対し、ホッパー35は、図111に示すように、キャビネット13の内部において中央寄り位置している。換言すれば、図113の紙面と垂直方向において、出口111dに対しホッパー35は手前側に位置している。このため、出口111dとホッパー35との間には、一定の距離がある。そこで、メダル誘導通路121は、出口111dから排出されたメダルMをホッパー35側に誘導するために、ホッパー35側に向かって円弧状に湾曲した形状をなしている。
また、図113に示すように、シュート部材120は、メダル誘導通路121の底面を構成する底面部122と、円弧状のメダル誘導通路121の内側の側面を構成する内側壁部123と、円弧状のメダル誘導通路121の外側の側面を構成する外側壁部124とを有している。なお、メダル誘導通路121の上部は開放されている。
さらにまた、図116に示すように、シュート部材120は、底面部122における、メダル誘導通路121の途中に相当する位置に、メダルセレクタ110(上流)側よりホッパー35(下流)側の方が高さが低い段差部125を有している。
上述したように、メダル誘導通路121は、円弧状に湾曲した形状に形成されている。このため、メダルMは、メダル誘導通路121の底面部122の上を上流側から下流側に向けて移動し、メダル誘導通路121の途中で内側壁部123や外側壁部124と接触することにより、その速度は減速する。
そこで、底面部122における、メダル誘導通路121の途中に相当する位置に、図116に示すように、上流側より下流側の方が高さが低い段差部125を設けている。そして、メダル誘導通路121の上流側から下流側に向けて移動するメダルMを、段差部125で落下させる。これにより、内側壁部123や外側壁部124に接触することで減速したメダルMを加速させることができる。
また、図113に示すように、シュート部材120の外側壁部124における、メダルセレクタ110側の端部付近には、固定部126が設けられている。固定部126は、シュート部材120をフロントドア12の裏面に固定するためのものであって、外側壁部124の上端から上方へ向けて突出している。また、固定部126には、その前面側から裏面側まで貫通するねじ穴(図示せず)が設けられている。さらに、固定部126を貫通するねじ穴は、外側壁部124の上端より上方に設けられている。
そして、シュート部材120は、固定部126のねじ穴に通したねじ127によって、フロントドア12の裏面の所定位置に固定されている。また、シュート部材120がフロントドア12の裏面の所定位置にねじ127で固定された状態では、ねじ127は、外側壁部124の上端より上方に位置する。
ここで、図115に示すように、メダルMの厚さを「T」とする。
また、図116に示すように、メダルMの直径を「D」とし、メダルMの半径を「R」とする。さらにまた、段差部125の高さを「H1」とし、内側壁部123の高さを「H2」とし、外側壁部124の高さを「H3」とする。
さらに、図118に示すように、メダル誘導通路121の幅(内側壁部123と外側壁部124との間隔)を「L1」とし、ねじ127の全長を「L2」とし、ねじ頭の直径を「L3」とする。
そして、メダル誘導通路121の幅「L1」、メダルMの厚さ「T」、及びメダルMの直径「D」について、「L1>T」、かつ「L1<D」を満たすように構成されている。すなわち、メダル誘導通路121の幅「L1」は、メダルMの厚さ「T」より広く(大きく)、かつメダルMの直径「D」より狭い(小さい)。
これにより、メダルMが起きた状態でメダル誘導通路121の底面部122の上を移動するようにしている。
また、内側壁部123の高さ「H2」、外側壁部124の高さ「H3」、及びメダルMの直径「D」について、「H2<D」、かつ「H3<D」を満たすように構成されている。すなわち、内側壁部123の高さ「H2」は、メダルMの直径「D」より低く(小さく)、かつ外側壁部124の高さ「H3」も、メダルMの直径「D」より低い(小さい)。
これにより、メダルMの上部が内側壁部123及び外側壁部124の上端より上方に飛び出した状態で、メダルMがメダル誘導通路121の底面部122の上を移動するようにしている。
さらにまた、段差部125の高さ「H1」、内側壁部123の高さ「H2」、外側壁部124の高さ「H3」、及びメダルMの半径「R」について、「H1<H2」、かつ「H1<H3」、かつ「H1<R」を満たすように構成されている。すなわち、段差部125の高さ「H1」は、内側壁部123の高さ「H2」より低く(小さく)、かつ外側壁部124の高さ「H3」より低く(小さく)、かつメダルMの半径「R」より低い(小さい)。
これにより、メダルMが段差部125で落下するときに、内側壁部123や外側壁部124を乗り越えて、メダル誘導通路121の外に飛び出してしまうことがないようにしている。
なお、内側壁部123の高さ「H2」、及び外側壁部124の高さ「H3」について、「H2=H3」を満たすように構成してもよく、また、「H2<H3」を満たすように構成してもよく、さらにまた、「H2>H3」を満たすように構成してもよい。
すなわち、内側壁部123の高さ「H2」は、外側壁部124の高さ「H3」と等しくしてもよく、外側壁部124の高さ「H3」より高く(大きく)してもよく、外側壁部124の高さ「H3」より低く(小さく)してもよい。
さらに、メダル誘導通路121の幅「L1」、ねじ127の全長「L2」、及びねじ頭の直径「L3」について、「L1<L2」、かつ「L1<L3」を満たすように構成されている。すなわち、ねじ127の全長「L2」は、メダル誘導通路121の幅「L1」より長く(大きく)、ねじ頭の直径「L3」は、メダル誘導通路121の幅「L1」より太い(大きい)。
これにより、ねじ127がフロントドア12の裏面から外れても、外れたねじ127がメダル誘導通路121内に入り込まないようにすることができるので、メダルMの通過を妨げないようにすることができる。
また、「L2>L3」を満たすように構成されている。すなわち、ねじ127の全長「L2」は、ねじ頭の直径「L3」より長い(大きい)。これにより、シュート部材120をフロントドア12の裏面にねじ127でしっかりと固定することができる。
なお、シュート部材120の所定位置には係止部(図示せず)が設けられている。この係止部は、シュート部材120をフロントドア12の裏面に係止させるためのものである。そして、係止部によってシート部材120をフロントドア12の裏面に係止させた状態で、固定部126のねじ穴に通したねじ127によってシュート部材120をフロントドア12の裏面に固定する。このため、ねじ127が外れても、シュート部材120がフロントドア12の裏面から離れて落下することはない。
また、メダル投入口47は、複数枚のメダルMをそろえた状態で載置可能なメダル載置部(図示せず)を有している。第5実施形態では、メダル載置部は、10枚のメダルMをそろえた状態で載置可能とされている。そして、メダル載置部にそろえた状態で載置した複数枚のメダルMをメダル投入口47から連続して投入することができる。
また、メダルMの厚さを「T」とし、メダル誘導通路121の幅を「L1」とし、メダル載置部に載置可能なメダルMの枚数を「M」としたときに、「L1<(M÷2)×T」を満たすように構成されている。すなわち、メダル誘導通路121の幅「L1」は、メダル投入口47のメダル載置部に載置可能な枚数の半分の枚数分のメダルMの厚さ「(M÷2)×T」より狭い(小さい)。
返却部材130は、メダルセレクタ110で投入を不許可とされたメダルM、及びメダル払出し装置15から払い出されたメダルMを、メダル受け皿19に誘導するためのものであって、フロントドア12の裏面における、メダルセレクタ110とメダル払出し口16との間に相当する位置に設けられている。
フロントドア12の裏面の所定位置に返却部材130が固定されると、図113に示すように、フロントドア12の裏面と返却部材130との間に、メダル返却通路132及びメダル払出し通路134が形成される。
また、メダル返却通路132は、メダルセレクタ110で投入を不許可とされたメダルMをメダル払出し口16まで誘導する通路である。
さらにまた、メダル払出し通路134は、メダル払出し装置15から払い出されたメダルMをメダル払出し口16まで誘導する通路である。
なお、メダル返却通路132及びメダル払出し通路134は、途中で合流して1つの通路になる。
また、図113に示すように、返却部材130の上部には、返却受入れ口131が設けられている。返却受入れ口131は、メダルセレクタ110で投入を不許可とされ、ブロッカ45の位置でメダル通路111から外れて下方に落下したメダルMを受け入れるための開口部であって、メダル返却通路132の入口となる開口部であり、メダルセレクタ110のブロッカ45の鉛直下方に位置するように構成されている。
そして、メダルセレクタ110で投入を不許可とされ、ブロッカ45の位置でメダル通路111から外れて下方に落下したメダルMは、返却受入れ口131を通過した後、メダル返却通路132によって誘導され、メダル払出し口16を通過して、メダル受け皿19に貯留される。
また、返却部材130の中央より下側であって、図113中、右寄りの位置には、払出し受入れ口133が設けられている。払出し受入れ口133は、メダル払出し装置15から払い出されたメダルMを受け入れるための開口部であって、メダル払出し通路134の入口となる開口部であり、フロントドア12を閉じた状態でメダル払出し装置15の前方に位置するように構成されている。
そして、メダル払出し装置15から払い出されたメダルMは、払出し受入れ口133を通過した後、メダル払出し通路134によって誘導され、メダル払出し口16を通過して、メダル受け皿19に貯留される。
また、図113に示すように、返却部材130の上部における、返却受入れ口131の周縁部を「上縁部135」と称する。すなわち、上縁部135は、返却受入れ口131の周囲の縁に相当する部分である。フロントドア12の裏面の所定位置に返却部材130を固定した状態では、上縁部135は、略水平となるように構成されている。
さらに、図113に示すように、メダルセレクタ110とシュート部材120との間には、透き間112が設けられている。そして、透き間112の鉛直下方には、上縁部135が配置されている。これにより、透き間112の鉛直下方には、返却受入れ口131は配置されていない。
また、図115に示すように、メダルMの厚さを「T」とし、透き間112の間隔を「W」とし、上縁部135の幅を「B」とする。
そして、メダルMの厚さ「T」、及び透き間112の間隔「W」について、「W>T」を満たすように構成されている。すなわち、透き間112の間隔「W」は、メダルMの厚さ「T」より大きい。このため、図117に示すように、透き間112にメダルMを入れることができる。
より具体的には、「W≒2×T」を満たすように構成されている。すなわち、透き間112の間隔「W」は、メダルMの厚さ「T」の略2倍とされている。このため、透き間112には「2」枚のメダルMを入れることができる。
なお、第5実施形態では、フロントドア12の裏面における、メダル投入口47に対応する位置に、セレクタベース113(図113)が固定され、このセレクタベース113に、メダルセレクタ110が着脱可能に取り付けられている。
また、図113に示すように、メダルセレクタ110の右側面(メダル通路111の出口111dが設けられている面)と、シュート部材120の上流側の端部との間に、セレクタベース113の右側部が配置されている。そして、透き間112は、セレクタベース113の右側部と、シュート部材120の上流側の端部との間に設けられている。
また、セレクタベース113は、板金の折曲げ加工によって形成されており、セレクタベース113を構成する板金の厚さは、「0.8」mm~「1.0」mmとされている。
さらにまた、メダルMの厚さ「T」は、「1.6」mmとされており、透き間12の間隔「W」は、「3.2」mmとされている。
このため、メダルセレクタ110の右側面(メダル通路111の出口111dが設けられている面)から、シュート部材120の上流側の端部までの距離は、「4.0」mm~「4.2」mmとされている。
また、透き間112の鉛直下方には上縁部135が配置されており、さらに、メダルMの厚さ「T」、透き間112の間隔「W」、及び上縁部135の幅「B」について、「B>T」、かつ「B>W」を満たすように構成されている。すなわち、上縁部135の幅「B」は、メダルMの厚さ「T」より大きく、かつ透き間112の間隔「W」より大きい。加えて、上縁部135は、略水平となるように構成されている。このため、透き間112に入れたメダルMを上縁部135の上に載せることができる。
たとえば、ホールの店員が、メダルセレクタ110のメンテナンス時に、メダルセレクタ110とシュート部材120との間の透き間112にメダルMを入れる場合を有する。このとき、上縁部135の上にメダルMが載るので、メダルセレクタ110とシュート部材120との間の透き間112にメダルMをとどまらせることができる。
しかし、ホールの店員が、メダルセレクタ110とシュート部材120との間の透き間112にメダルMを入れたままであることを忘れて、フロントドア12を閉じてしまう場合を有する。この場合、フロントドア12を閉じたときの衝撃で、メダルセレクタ110とシュート部材120との間の透き間112からメダルMが落ちる。
このとき、透き間112の鉛直下方には、上縁部135が配置されており、返却受入れ口131は配置されていないため、透き間112から落ちたメダルMは、返却受入れ口131内には落下しない。よって、透き間112から落ちたメダルMが、メダル返却通路132を通り、メダル払出し口16を通って、メダル受け皿19に至ることはない。これにより、ホールの店員がメダルセレクタ110のメンテナンスのために透き間112に入れたメダルMを遊技者に与えないようにすることができる。
また、図114に示すように、透き間112は、ホッパー35の貯留受入れ口35aより上方に配置されている。すなわち、ホッパー35の貯留受入れ口35aは、透き間112より低い位置に開口している。これにより、フロントドア12を閉じたときに透き間112から落ちたメダルMを、貯留受入れ口35a内に落下させることができるので、ホッパー35内に貯留することができる。
また、上述したように、透き間112の間隔「W」は、メダルMの厚さ「T」の略2倍であるため、透き間112に「1」枚のメダルMを入れたときは、透き間112とメダルMとの間には隙間を有することから、「1」枚のメダルMが透き間112から取り出せなくなってしまうことはない。
そして、この「1」枚のメダルMを透き間112に入れたままフロントドア12を閉じると、この「1」枚のメダルMは、そのときの衝撃で透き間112から落ち、貯留受入れ口35a内に落下してホッパー35内に貯留される。
さらに、透き間112の間隔「W」がメダルMの厚さ「T」の2倍よりわずかに広い(大きい)と、透き間112に「2」枚のメダルMを入れたときは、この「2」枚のメダルMが透き間112から取り出せなくなってしまうことはない。
そして、この「2」枚のメダルMを透き間112に入れたままフロントドア12を閉じたときも、「1」枚のメダルMを透き間112に入れたままフロントドア12を閉じたときと同様に、フロントドア12を閉じたときの衝撃で透き間112から落ち、貯留受入れ口35a内に落下してホッパー35内に貯留される。
逆に、透き間112の間隔「W」がメダルMの厚さ「T」の2倍よりわずかに狭い(小さい)と、「2」枚のメダルMを透き間112に押し込むことになる。この場合、押し込んだ「2」枚のメダルMを透き間112から取り出せなくなってしまうことはない。
ただし、「2」枚のメダルMを透き間112に押し込んだままフロントドア12を閉じると、この「2」枚のメダルMが透き間112にとどまる場合を有する。
ここで、図117に示すように、透き間112に入れられて、上縁部135の上に載せられたメダルMは、メダルセレクタ110のメダル通路111の出口111dをふさぐようにして、透き間112内にとどまる。このため、一のメダルMが透き間112内にとどまっている状態では、メダル投入口47から投入された他のメダルMが、メダルセレクタ110のメダル通路111を通ってシュート部材120に向かうときに、透き間112内の一のメダルMに当たって止まる。
また、メダル通路111を通る他のメダルMが、透き間112内の一のメダルMに当たった状態では、透き間112内の一のメダルMの上端は、メダル通路111を通る他のメダルMの中心より上方に位置する。このため、メダル通路111を通る他のメダルMが、透き間112内の一のメダルMを乗り越えることもない。
このため、一のメダルMが透き間112に入り込んだ状態では、他のメダルMがメダルセレクタ110からシュート部材120に向けて通過することができない。
また、透き間112内にメダルMがとどまっていることを直接検知することはできないが、上述したように、一のメダルMが透き間112内にとどまっている状態では、メダル投入口47から投入された他のメダルMが、透き間112内の一のメダルMに当たって止まる。このとき、他のメダルMがメダル通路111の出口111d付近で滞留することにより、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままになる。
また、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままになると、メイン制御基板50は、メダルセレクタ110内でメダルMが詰まる(滞留する)エラーを検知したと判断し、その旨を報知する。これにより、透き間112内にメダルMがとどまっていることを間接的に検知することができる。なお、エラーの検知及び報知については後述する。
また、シュート部材120がフロントドア12の裏面の所定位置にねじ127で固定された状態では、ねじ127の鉛直下方には、返却受入れ口131は配置されていない。
このため、ねじ127がフロントドア12の裏面から外れても、外れたねじ127が、返却受入れ口131内には落下しない。よって、外れたねじ127が、メダル返却通路132を通り、メダル払出し口16を通って、メダル受け皿19に至ることはない。
また、図112に示すように、メダルセレクタ110は、通路センサ46を備えている。通路センサ46は、メダルMが詰まる(滞留する)エラーやゴト行為の有無等を判断するために設けられたセンサである。図113には図示していないが、通路センサ46は、メダル通路111の鉛直部111aに設けられている。すなわち、通路センサ46は、メダル通路111におけるブロッカ45より上流側に設けられている。
このため、メダル投入口47から投入されたメダルMは、最初に通路センサ46によって検知される。また、通路センサ46は、ブロッカ45がメダルMの投入を許可している状態(オン状態)か、不許可にしている状態(オフ状態)かにかかわらず、メダル投入口47から投入されたメダルMを検知することができる。
また、図111~図121には図示していないが、シュート部材120は、メダル誘導通路121の途中に、シュートセンサを備えている。シュートセンサは、通路センサ46と同様に、メダルMが詰まる(滞留する)エラーやゴト行為の有無等を判断するために設けられたセンサである。シュート部材120は、メダルセレクタ110で投入を許可されたメダルMをホッパー35に誘導するためのものであるから、シュートセンサは、投入センサ44a及び投入センサ44bより下流側に設けられている。
また、通路センサ46及びシュートセンサは、入力ポート51を介して、メイン制御基板50と電気的に接続されている。
なお、通路センサ46及びシュートセンサは、双方とも設けてもよく、いずれか一方のみ設けてもよく、双方とも設けなくてもよい。
次に、第5実施形態におけるエラーの検知、エラー報知、及びエラー報知の解除について説明する。
たとえば、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままになったときは、メイン制御基板50は、メダルセレクタ110内でメダルMが詰まる(滞留する)エラー(以下、「セレクタ滞留エラー」と称する。)を検知したと判断し、セレクタ滞留エラーを示す報知(以下、「セレクタ滞留報知」と称する。)を実行する。具体的には、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知として、セレクタ滞留エラーを示すコード(たとえば「CE」)を獲得数表示LED78に表示する。
また、メイン制御基板50は、セレクタ滞留エラーを検知したときは、セレクタ滞留エラーを示すコマンド(以下、「セレクタ滞留コマンド」と称する。)をサブ制御基板80に送信する。
そして、サブ制御基板80は、セレクタ滞留コマンドを受信したときは、スピーカ22及び画像表示装置23等により、セレクタ滞留報知を実行する。具体的には、サブ制御基板80は、セレクタ滞留報知として、たとえば、スピーカ22から「係員を呼んでください」との音声を出力し、画像表示装置23に「セレクタエラー」の文字を表示する。
また、たとえば、投入センサ44a及び投入センサ44bがこの順にオンにならなかった(メダルMが正常に通過しなかった)ときは、メイン制御基板50は、メダルMが正常に通過しないエラー(以下、「セレクタ通過エラー」と称する。)を検知したと判断し、セレクタ通過エラーを示す報知(以下、「セレクタ通過エラー報知」と称する。)を実行する。
上述したように、メダル投入口47から投入されたメダルMがメダル通路111におけるブロッカ45より下流側に誘導されると、まず、投入センサ44aがオフからオンになり、次に、投入センサ44bがオフからオンになり、その次に、投入センサ44aがオンからオフになり、最後に、投入センサ44bがオンからオフになる。
そして、メイン制御基板50は、投入センサ44a及び投入センサ44bが上記の順にオン/オフしたときは、メダルMが正常に通過したと判断し、投入センサ44a及び投入センサ44bが上記の順にオン/オフしなかったときは、セレクタ通過エラーを検知したと判断する。
また、メイン制御基板50は、メダルMが投入センサ44a及び投入センサ44bを正常に通過したと判断したときは、当該メダルMのベット数又はクレジット数への「1」加算処理を実行する。
これに対し、メイン制御基板50は、セレクタ通過エラーを検知したときは、セレクタ通過エラー報知として、セレクタ通過エラーを示すコード(たとえば「CP」)を獲得数表示LED78に表示する。
また、メイン制御基板50は、セレクタ通過エラーを検知したときは、セレクタ通過エラーを示すコマンド(以下、「セレクタ通過エラーコマンド」と称する。)をサブ制御基板80に送信する。
そして、サブ制御基板80は、セレクタ通過エラーコマンドを受信したときは、スピーカ22及び画像表示装置23等により、セレクタ通過エラー報知を実行する。具体的には、サブ制御基板80は、セレクタ通過エラー報知として、たとえば、スピーカ22から「係員を呼んでください」との音声を出力し、画像表示装置23に「セレクタエラー」の文字を表示する。
なお、投入センサ44aがオフの状態で、投入センサ44bがオフからオンになったときに、セレクタ通過エラー(又はセレクタ逆流エラー)を検知したと判断してもよい。
また、投入センサ44bがオフからオンになり、次に、投入センサ44aがオフからオンになり、その次に、投入センサ44bがオンからオフになり、最後に、投入センサ44aがオンからオフになったときに、セレクタ通過エラー(又はセレクタ逆流エラー)を検知したと判断してもよい。
また、通路センサ46がメダルMを検知した時から所定時間にわたってメダルMを検知し続け、所定時間の経過後にメダルMを検知しなくなったときは、メイン制御基板50は、メダルMが正常に通過したと判断する。
これに対し、通路センサ46がメダルMを検知した時から所定時間を経過してもメダルMを検知し続けているときは、メイン制御基板50は、メダル滞留エラーを検知したと判断する。
また、通路センサ46がメダルMを検知した時から所定時間を経過する前にメダルMを検知しなくなったときは、メイン制御基板50は、メダル通過エラーを検知したと判断する。
また、シュートセンサがメダルMを検知したとき時から所定時間にわたってメダルMを検知し続け、所定時間の経過後にメダルMを検知しなくなったときは、メイン制御基板50は、メダルMが正常に通過したと判断する。
これに対し、シュートセンサがメダルMを検知した時から所定時間を経過してもメダルMを検知し続けているときは、メイン制御基板50は、メダル滞留エラーを検知したと判断する。
また、シュートセンサがメダルMを検知した時から所定時間を経過する前にメダルMを検知しなくなったときは、メイン制御基板50は、メダル通過エラーを検知したと判断する。
また、メイン制御基板50は、投入監視カウンタ(図示せず)を備えている。
投入監視カウンタは、ブロッカ45がオン状態(メダルMの通過を許可する状態)である場合において、メダルMが通路センサ46を正常に通過したときに「1」加算され、メダルMが投入センサ44a及び投入センサ44bを正常に通過したときに「1」減算されるカウンタである。このため、投入監視カウンタは、正常時には「1」と「0」とを繰り返す。
なお、投入監視カウンタは、ブロッカ45がオフ状態(メダルMの通過を不許可とする状態)のときは、メダルMが通路センサ46を通過しても「1」加算されない。
また、投入監視カウンタは、ブロッカ45がオフ状態(メダルMの通過を不許可とする状態)からオン状態(メダルMの通過を許可する状態)になるときは、クリアされる。
メイン制御基板50は、ブロッカ45がオン状態である場合において、メダルMが通路センサ46を正常に通過したときは、投入監視カウンタを「1」加算し、メダルMが投入センサ44a及び投入センサ44bを正常に通過したときは、投入監視カウンタを「1」減算する。
そして、ブロッカ45がオン状態である場合において、通路センサ46がメダルMの通過を検知せずに、投入センサ44a及び投入センサ44bのみがメダルMの通過を検知したときは、投入監視カウンタが「-1」となり、メイン制御基板50は、投入監視エラーを検知したと判断する。
また、ブロッカ45がオン状態である場合において、通路センサ46がメダルMの通過を検知したが、投入センサ44a及び投入センサ44bがメダルMの通過を検知せず、その後さらに通路センサ46がメダルMの通過を検知したときは、投入監視カウンタが「2」となり、メイン制御基板50は、投入監視エラーを検知したと判断する。
また、投入監視カウンタは、ブロッカ45がオン状態である場合において、メダルMが投入センサ44a及び投入センサ44bを正常に通過したときに「1」加算され、メダルMがシュートセンサを正常に通過したときに「1」減算されるカウンタとしてもよい。
すなわち、メイン制御基板50は、ブロッカ45がオン状態である場合において、メダルMが投入センサ44a及び投入センサ44bを正常に通過したときは、投入監視カウンタを「1」加算し、メダルMがシュートセンサを正常に通過したときは、投入監視カウンタを「1」減算してもよい。
そして、ブロッカ45がオン状態である場合において、投入センサ44a及び投入センサ44bがメダルMの通過を検知したが、シュートセンサがメダルMの通過を検知せず、その後さらに投入センサ44a及び投入センサ44bがメダルMの通過を検知したときは、投入監視カウンタが「2」となり、メイン制御基板50は、投入監視エラーを検知したと判断してもよい。
また、ブロッカ45がオン状態である場合において、投入センサ44a及び投入センサ44bがメダルMの通過を検知せずに、シュートセンサのみがメダルMの通過を検知したときは、投入監視カウンタが「-1」となり、メイン制御基板50は、投入監視エラーを検知したと判断してもよい。
なお、投入監視カウンタの正常値は「0」~「1」に限らない。すなわち、メイン制御基板50が投入監視エラーと判断するのは、投入監視カウンタが「2」となったとき又は「-1」となったときに限らない。たとえば、メイン制御基板50は、投入監視カウンタが「3」以上の所定値となったとき又は「-2」以下の所定値となったときに、投入監視エラーを検知したと判断してもよい。
また、メイン制御基板50は、通路センサ46からの入力信号と、投入センサ44a及び投入センサ44bからの入力信号とで投入監視カウンタを加算/減算する場合には、ブロッカ45をオフ状態からオン状態にするときに、投入監視カウンタをクリアする。
しかし、メイン制御基板50は、投入センサ44a及び投入センサ44bからの入力信号と、シュートセンサからの入力信号とで投入監視カウンタを加算/減算する場合には、ブロッカ45をオフ状態からオン状態にするときに、投入監視カウンタをクリアしてもよく、クリアしなくてもよい。
すなわち、投入監視カウンタは、投入センサ44a及び投入センサ44bからの入力信号と、シュートセンサからの入力信号とで加算/減算される場合には、ブロッカ45がオフ状態からオン状態になるときに、クリアされるようにしてもよく、クリアされないようにしてもよい。
また、通路センサ46用の投入監視カウンタと、シュートセンサ用の投入監視カウンタとを別々に設けてもよい。
すなわち、投入監視カウンタとして、第1投入監視カウンタと、第2投入監視カウンタとを備えることができる。
また、第1投入監視カウンタは、通路センサ46からの入力信号と、投入センサ44a及び投入センサ44bからの入力信号とで加算/減算されるカウンタとする。
さらにまた、第2投入監視カウンタは、投入センサ44a及び投入センサ44bからの入力信号と、シュートセンサからの入力信号とで加算/減算されるカウンタとする。
すなわち、メイン制御基板50は、ブロッカ45がオン状態である場合において、メダルMが通路センサ46を正常に通過したときは、第1投入監視カウンタを「1」加算し、メダルMが投入センサ44a及び投入センサ44bを正常に通過したときは、第1投入監視カウンタを「1」減算する。
そして、メイン制御基板50は、第1投入監視カウンタが正常値でなくなったとき(たとえば「-1」以下の所定値又は「2」以上の所定値となったとき)に、投入監視エラーを検知したと判断する。
また、メイン制御基板50は、ブロッカ45がオン状態である場合において、メダルMが投入センサ44a及び投入センサ44bを正常に通過したときは、第2投入監視カウンタを「1」加算し、メダルMがシュートセンサを正常に通過したときは、第2投入監視カウンタを「1」減算する。
そして、メイン制御基板50は、第2投入監視カウンタが正常値でなくなったとき(たとえば「-1」以下の所定値又は「2」以上の所定値となったとき)に、投入監視エラーを検知したと判断する。
また、たとえば、ホッパーモータ36を駆動させているにもかかわらず、払出しセンサ37a及び払出しセンサ37bがオン/オフされないときは、メイン制御基板50は、ホッパー35内にメダルMが貯留されていないエラー(以下、「ホッパーエンプティエラー」と称する。)を検知したと判断し、ホッパーエンプティエラーを示す報知(以下、「ホッパーエンプティ報知」と称する。)を実行する。具体的には、メイン制御基板50は、ホッパーエンプティ報知として、ホッパーエンプティエラーを示すコード(たとえば「HE」)を獲得数表示LED78(図112)に表示する。
また、メイン制御基板50は、ホッパーエンプティエラーを検知したときは、ホッパーエンプティを示すコマンド(以下、「エンプティコマンド」と称する。)をサブ制御基板80に送信する。
そして、サブ制御基板80は、エンプティコマンドを受信したときは、スピーカ22及び画像表示装置23等により、ホッパーエンプティ報知を実行する。具体的には、サブ制御基板80は、ホッパーエンプティ報知として、たとえば、スピーカ22から「係員を呼んでください」との音声を出力し、画像表示装置23に「ホッパーエンプティ」の文字を表示する。
また、たとえば、払出しセンサ37a及び払出しセンサ37bがオンのままになったときは、メイン制御基板50は、ホッパー35内でメダルMが詰まるエラー(以下、「ホッパージャムエラー」と称する。)を検知したと判断し、ホッパージャムエラーを示す報知(以下、「ホッパージャム報知」と称する。)を実行する。具体的には、メイン制御基板50は、ホッパージャム報知として、ホッパージャムエラーを示すコード(たとえば「HP」)を獲得数表示LED78に表示する。
また、メイン制御基板50は、ホッパージャムエラーを検知したときは、ホッパージャムを示すコマンド(以下、「ホッパージャムコマンド」と称する。)をサブ制御基板80に送信する。
そして、サブ制御基板80は、ホッパージャムコマンドを受信したときは、スピーカ22及び画像表示装置23等により、ホッパージャム報知を実行する。具体的には、サブ制御基板80は、ホッパージャム報知として、たとえば、スピーカ22から「係員を呼んでください」との音声を出力し、画像表示装置23に「ホッパージャム」の文字を表示する。
上述した各種エラーを検知すると、メイン制御基板50は、各種エラー報知が解除されるまで、遊技の進行を停止する。
また、上述した各種エラーの要因を除去すると、メイン制御基板50は、各種エラーを検知しなくなるが、各種エラー報知は、いったん実行されると、その後は、対応するエラーの要因を除去する(エラーを検知しなくなる)だけでは解除されず、リセットスイッチ153が操作(オンに)されるまで継続する。そして、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50及びサブ制御基板80は、各種エラー報知を解除する。
たとえば、セレクタ滞留エラー時には、フロントドア12を開放し、メダルセレクタ110内で詰まった(滞留した)メダルMを取り除くことで、セレクタ滞留エラーの要因を除去することができる。その後、リセットスイッチ153を操作することにより、セレクタ滞留報知を解除することができる。
セレクタ通過エラー時についても、セレクタ滞留エラー時と同様に、フロントドア12を開放し、メダルセレクタ110内のメダルMを取り除くことで、セレクタ通過エラーの要因を除去することができる。その後、リセットスイッチ153を操作することにより、セレクタ通過エラー報知を解除することができる。
また、ホッパーエンプティエラー時には、フロントドア12を開放し、ホッパー35内にメダルMを補充することで、ホッパーエンプティエラーの要因を除去することができる。その後、リセットスイッチ153を操作することにより、ホッパーエンプティ報知を解除することができる。
なお、ホッパー35内にメダルMを補充した後に、ドアキーを反時計回りに45度程度回して、解除スイッチをオフからオンにしても、ホッパーエンプティ報知を解除することができる。
さらにまた、ホッパージャムエラー時には、フロントドア12を開放し、ホッパー35内で詰まったメダルMを取り除くことで、ホッパージャムエラーの要因を除去することができる。その後、リセットスイッチ153を操作することにより、ホッパージャム報知を解除することができる。
また、メイン制御基板50は、ドアスイッチ17がオンになることにより、フロントドア12の開放(以下、「ドア開放」と称する。)を検知したときは、フロントドア12の開放を示す報知(以下、「ドア開放報知」と称する。)を実行する。具体的には、メイン制御基板50は、ドア開放報知として、フロントドア12の開放を示すコード(たとえば「dE」)を獲得数表示LED78に表示する。
また、メイン制御基板50は、ドアスイッチ17がオンになることにより、フロントドア12の開放を検知したときは、フロントドア12の開放を示すコマンド(以下、「ドア開放コマンド」と称する。)をサブ制御基板80に送信する。
そして、サブ制御基板80は、ドア開放コマンドを受信すると、スピーカ22及び画像表示装置23等により、ドア開放報知を実行する。具体的には、サブ制御基板80は、ドア開放報知として、たとえば、スピーカ22から「扉が開いています」との音声を出力し、画像表示装置23に「ドア開放」の文字を表示する。
また、フロントドア12の裏面(遊技者が向き合う面とは反対側の面)における、施錠装置の付近には、ドア開放報知を解除するための解除スイッチ(図示せず)が設けられている。ドアキー挿入口にドアキーを挿入し、この状態でドアキーを反時計回りに45度程度回すと、解除スイッチがオフからオンになる。すなわち、フロントドア12の施錠を解除するときとは反対方向にドアキーを45度程度回すと、解除スイッチがオフからオンになる。
なお、上述したように、ドアキー挿入口にドアキーを挿入し、この状態でドアキーを時計回りに90度回すと、施錠が解除される。そして、施錠が解除された状態で、フロントドア12を引くと、ヒンジを中心としてフロントドア12が回動して、フロントドア12が開放される。
フロントドア12を閉じると、ドアスイッチ17がオフになるが、ドア開放報知は、いったん実行されると、その後は、フロントドア12を閉じてドアスイッチ17をオフにするだけでは解除されず、解除スイッチがオフからオンになるまで継続する。
そして、ドア開放報知の実行中に、フロントドア12を閉じてドアスイッチ17をオフにし、この状態でドアキーを反時計回り(フロントドア12の施錠解除時とは反対方向)に45度程度回して、解除スイッチをオフからオンにすると、ドア開放報知が解除される。
このように、フロントドア12の施錠を解除するときとは反対方向にドアキーを回す操作が、ドア開放報知を解除するための操作となっている。
また、ドア開放報知が解除されると、メイン制御基板50は、獲得数表示LED78に「dE」を表示する前の獲得数を表示する。
さらに、解除スイッチがオフからオンになると、メイン制御基板50は、ドア開放報知の解除を示すコマンド(以下、「報知解除コマンド」と称する。)をサブ制御基板80に送信する。
そして、サブ制御基板80は、報知解除コマンドを受信すると、スピーカ22及び画像表示装置23等により実行していたドア開放報知を終了する。
次に、図122~図132を参照して、第5実施形態におけるエラー検知時、エラー報知時、及びエラー解除時の動作態様について説明する。
図122~図129は、第5実施形態におけるエラー検知時及びエラー解除時の動作態様を示すタイムチャートである。
図122は、セレクタ滞留エラーの要因を除去した後にリセットスイッチ153を操作したとき、及びフロントドア12の閉鎖後に解除スイッチを操作したときの動作態様を示すタイムチャートである。
図122中、「X11」のタイミングで、セレクタ滞留エラーが発生すると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留エラーを検知する。また、メイン制御基板50、及びサブ制御基板80は、セレクタ滞留報知を実行する。
具体的には、図122中、「X11」のタイミングにおいて、メダルセレクタ110のメダル通路111でメダルMが詰まり、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままになると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留エラーを検知したと判断する。そして、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知として、セレクタ滞留エラーを示す「CE」を獲得数表示LED78に表示する。
また、メイン制御基板50は、セレクタ滞留エラーを検知したときは、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
そして、サブ制御基板80は、セレクタ滞留コマンドを受信したときは、セレクタ滞留報知として、スピーカ22から「係員を呼んでください」との音声を出力し、画像表示装置23に「セレクタ滞留エラー」の文字を表示する。
その後、図122中、「X12」のタイミングで、フロントドア12が開放されると、メイン制御基板50は、フロントドア12の開放(ドア開放)を検知したと判断する。
具体的には、図122中、「X12」のタイミングにおいて、フロントドア12が開放されると、ドアスイッチ17がオンになり、メイン制御基板50は、フロントドア12の開放(ドア開放)を検知したと判断する。ただし、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知の実行中は、フロントドア12の開放を検知しても、ドア開放報知を実行せず、セレクタ滞留報知を継続する。
また、メイン制御基板50は、フロントドア12の開放を検知したときは、フロントドア12の開放を示すドア開放コマンドをサブ制御基板80に送信する。
ただし、サブ制御基板80は、セレクタ滞留報知の実行中は、ドア開放コマンドを受信しても、ドア開放報知を実行せず、セレクタ滞留報知を継続する。
その後、図122中、「X13」のタイミングで、メダルセレクタ110のメダル通路111に詰まっているメダルMを取り除くと、すなわち、セレクタ滞留エラーの要因を除去すると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留エラーを検知しなくなる。ただし、セレクタ滞留報知は、いったん実行されると、その後は、セレクタ滞留エラーの要因を除去する(セレクタ滞留エラーを検知しなくなる)だけでは解除されず、リセットスイッチ153が操作(オンに)されるまで継続する。
その後、図122中、「X14」のタイミングで、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を解除する。
また、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、エラー解除コマンドをサブ制御基板80に送信する。
そして、サブ制御基板80は、エラー解除コマンドを受信すると、スピーカ22及び画像表示装置23等により実行していたセレクタ滞留報知を解除する。
ただし、図122中、「X14」のタイミングでは、リセットスイッチ153が操作されて、セレクタ滞留報知が解除されても、フロントドア12は開放されたままであり、ドアスイッチ17はオンのままである。そして、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を解除すると、今度は、獲得数表示LED78により、ドア開放報知を実行する。具体的には、メイン制御基板50は、獲得数表示LED78の表示を、セレクタ滞留エラーを示す「CE」から、フロントドア12の開放(ドア開放)を示す「dE」に切り替える。
また、サブ制御基板80は、セレクタ滞留報知を解除すると、今度は、スピーカ22及び画像表示装置23等により、ドア開放報知を実行する。具体的には、サブ制御基板80は、ドア開放報知として、スピーカ22から「扉が開いています」との音声を出力し、画像表示装置23に「ドア開放」の文字を表示する。
その後、図122中、「X15」のタイミングで、フロントドア12が閉鎖されると、ドアスイッチ17がオフになる。これにより、メイン制御基板50は、フロントドア12の開放を検知しなくなる。ただし、ドア開放報知は、いったん実行されると、その後は、フロントドア12を閉じてドアスイッチ17をオフにするだけでは解除されず、解除スイッチが操作(オンに)されるまで継続する。
その後、図122中、「X16」のタイミングで、ドアキーが反時計回りに回されて、解除スイッチが操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、ドア開放報知を解除する。これにより、メイン制御基板50は、獲得数表示LED78にエラーコードを表示する前の獲得数を表示するとともに、ドア開放報知の解除を示す報知解除コマンドをサブ制御基板80に送信する。
そして、サブ制御基板80は、報知解除コマンドを受信すると、スピーカ22及び画像表示装置23等により実行していたドア開放報知を解除する。
図123は、セレクタ滞留エラーの要因を除去せずにリセットスイッチ153を操作したときの動作態様を示すタイムチャートである。
図123中、「X21」のタイミングにおいて、メダルセレクタ110のメダル通路111でメダルMが詰まり、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままになると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留エラーを検知したと判断する。
そして、メイン制御基板50は、セレクタ滞留エラーを検知すると、セレクタ滞留報知として、セレクタ滞留エラーを示す「CE」を獲得数表示LED78に表示するとともに、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
また、サブ制御基板80は、セレクタ滞留コマンドを受信すると、セレクタ滞留報知として、スピーカ22から「係員を呼んでください」との音声を出力し、画像表示装置23に「セレクタ滞留エラー」の文字を表示する。
その後、図123中、「X22」のタイミングにおいて、フロントドア12が開放されて、ドアスイッチ17がオンになると、メイン制御基板50は、フロントドア12の開放を検知する。
ただし、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知の実行中は、フロントドア12の開放を検知しても、ドア開放報知を実行せず、セレクタ滞留報知を継続する。
また、メイン制御基板50は、フロントドア12の開放を検知すると、フロントドア12の開放を示すドア開放コマンドをサブ制御基板80に送信する。
ただし、サブ制御基板80は、セレクタ滞留報知の実行中は、ドア開放コマンドを受信しても、ドア開放報知を実行せず、セレクタ滞留報知を継続する。
その後、図123中、「X23」のタイミングにおいて、メダルセレクタ110のメダル通路111にメダルMが詰まり、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままの状況で、すなわち、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を解除する。
また、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、エラー解除コマンドをサブ制御基板80に送信する。
そして、サブ制御基板80は、エラー解除コマンドを受信すると、スピーカ22及び画像表示装置23等により実行していたセレクタ滞留報知を解除する。
ただし、図123中、「X23」のタイミングで、セレクタ滞留報知をいったん解除するものの、その後、「X24」のタイミングで、セレクタ滞留報知を再度実行する。
具体的には、図123中、「X23」のタイミングで、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を解除し、今度は、ドア開放報知を実行するように制御する。その後、図123中、「X24」のタイミングで、メイン制御基板50は、ドア開放報知を解除し、再度、セレクタ滞留報知を実行するように制御する。
すなわち、メイン制御基板50は、図123中、「X23」のタイミングで、獲得数表示LED78の表示を、セレクタ滞留エラーを示す「CE」から、フロントドア12の開放を示す「dE」に切り替えるように制御し、その後、「X24」のタイミングで、獲得数表示LED78の表示を、「dE」から「CE」に切り替えるように制御する。さらに、メイン制御基板50は、図123中、「X24」のタイミングで、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
また、図123中、「X23」のタイミングで、エラー解除コマンドを受信すると、サブ制御基板80は、セレクタ滞留報知を解除し、今度は、ドア開放報知を実行するように制御する。その後、図123中、「X24」のタイミングで、セレクタ滞留コマンドを受信すると、サブ制御基板80は、ドア開放報知を解除し、再度、セレクタ滞留報知を実行するように制御する。
すなわち、サブ制御基板80は、図123中、「X23」のタイミングで、スピーカ22からの音声出力を、「係員を呼んでください」から「扉が開いています」に切り替えるとともに、画像表示装置23の表示を、「セレクタ滞留エラー」から「ドア開放」に切り替えるように制御する。その後、「X24」のタイミングで、スピーカ22からの音声出力を、「扉が開いています」から「係員を呼んでください」に切り替えるとともに、画像表示装置23の表示を、「ドア開放」から「セレクタ滞留エラー」に切り替えるように制御する。
ここで、セレクタ滞留エラー、セレクタ通過エラー、ホッパーエンプティエラー、ホッパージャムエラー等の各種エラーについては、メイン制御基板50で管理(検知、報知、解除)するが、ドア開放については、メイン制御基板50で管理(検知、報知、解除)する場合と、サブ制御基板80で管理(検知、報知、解除)する場合とを有する。
また、ドア開放報知については、ドア開放の検知から所定時間(たとえば3秒~5秒)経過したことを条件に解除(終了)する場合と、フロントドア12が閉鎖されてドアスイッチ17がオフにされたことを条件に解除(終了)する場合と、フロントドア12が閉鎖されてドアスイッチ17がオフにされた状態で解除スイッチが操作された(オフからオンになった、又はオフからオンになってオフに戻った)ことを条件に解除(終了)する場合とを有する。
さらにまた、ドア開放報知については、獲得数表示LED78への「dE」等のコード表示、スピーカ22からの「扉が開いています」等の音声出力、及び画像表示装置23への「ドア開放」等の文字表示の3つを実行する場合と、スピーカ22からの「扉が開いています」等の音声出力、及び画像表示装置23への「ドア開放」等の文字表示の2つを実行する場合と、スピーカ22からの「扉が開いています」等の音声出力のみ実行する場合と、画像表示装置23への「ドア開放」等の文字表示のみ実行する場合とを有する。
さらに、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に実行する処理の内容によって、「X23」から「X24」までに要する時間が、人間の知覚では認識できない程度に極めて短い(たとえば1ms~5ms)場合と、人間の知覚で認識可能な程度に比較的長い(たとえば3秒~5秒)場合とを有する。
このため、上記の種々の場合の組合せにより、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、種々の動作態様が考えられる。
すなわち、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、ドア開放報知を実行する場合と、ドア開放報知を実行しない場合とを有する。
また、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、ドア開放報知を実行する場合において、ドア開放報知が実行されたことを人間の視覚や聴覚で認識可能であるときと、ドア開放報知が実行されたことを人間の視覚や聴覚では認識できないか、認識できたとしても一瞬であるときとを有する。
さらにまた、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、ドア開放報知を実行しない場合において、セレクタ滞留報知がいったん解除された後に再度実行されたことを人間の視覚や聴覚で認識可能であるときと、セレクタ滞留報知がいったん解除された後に再度実行されたことを人間の視覚や聴覚では認識できないか、認識できたとしても一瞬であるときとを有する。
たとえば、ドア開放をメイン制御基板50で管理し、フロントドア12が閉鎖されてドアスイッチ17がオフにされた状態で解除スイッチが操作されたことをドア開放報知の解除(終了)条件とし、ドア開放報知として、獲得数表示LED78への「dE」等のコード表示、スピーカ22からの「扉が開いています」等の音声出力、及び画像表示装置23への「ドア開放」等の文字表示の3つを実行する場合を有する。
この場合、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、ドア開放報知を実行可能である。
また、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するまでに要する時間が、人間の知覚で認識可能な程度に比較的長い(たとえば3秒~5秒)場合には、「X23」から「X24」までの間にドア開放報知を実行したときに、このドア開放報知を人間の視覚や聴覚で認識可能である。
これに対し、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するまでに要する時間が、人間の知覚では認識できない程度に極めて短い(たとえば1ms~5ms)場合には、「X23」から「X23」までの間にドア開放報知を実行したとしても、このドア開放報知を人間の視覚や聴覚で認識することは困難である。
ただし、「X23」から「X24」までに要する時間が、人間の知覚では認識できない程度に極めて短い時間であっても、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除し、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行したことについては、人間の聴覚で認識可能である場合を有する。
すなわち、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除するときに、スピーカ22から出力する「係員を呼んでください」との音声が途中で途切れ、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するときに、「係員を呼んでください」の音声を冒頭から出力する。このため、たとえば「係員をよ・・・係員を呼んでください」のように聞こえるので、セレクタ滞留報知がいったん解除された後に再度実行されたことを人間の聴覚で認識可能である。
なお、セレクタ滞留報知として、スピーカ22から「ブー」や「ピー」のような警報音を出力する場合には、セレクタ滞留報知がいったん解除された後に再度実行されたことを人間の聴覚で認識できないか、認識できたとしても一瞬である。
また、たとえば、ドア開放をサブ制御基板80で管理し、ドア開放の検知から所定時間(たとえば3秒~5秒)経過したことをドア開放報知の解除(終了)条件とし、ドア開放報知として、スピーカ22からの「扉が開いています」等の音声出力、及び画像表示装置23への「ドア開放」等の文字表示の2つを実行する場合を有する。
この場合、ドア開放の検知から所定時間が経過する前に、セレクタ滞留報知をいったん解除して再度実行する場合には、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、ドア開放報知を実行可能である。
これに対し、ドア開放の検知から所定時間が経過した後はドア開放報知を実行しないので、ドア開放の検知から所定時間が経過した後に、セレクタ滞留報知をいったん解除して再度実行する場合には、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、ドア開放報知を実行しない。
また、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、ドア開放報知を実行しない場合において、「X23」から「X24」までに要する時間が、人間の知覚で認識可能な程度に比較的長い(たとえば3秒~5秒)ときを有する。
この場合、「X23」から「X24」までの間は、獲得数表示LED78には「CE」を表示する前の獲得数を表示し、スピーカ22からは「係員を呼んでください」の音声を出力する前の音声を出力し、画像表示装置23には「セレクタエラー」の文字を表示する前の画面(たとえば遊技画面又は遊技待機画面)を表示する。そして、「X23」から「X24」までの間におけるこれらの表示は、人間の視覚や聴覚で認識可能である。このため、セレクタ滞留報知がいったん解除された後に再度実行されたことも、人間の視覚や聴覚で認識可能である。
また、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、ドア開放報知を実行しない場合において、「X23」から「X24」までに要する時間が、人間の知覚では認識できない程度に極めて短い(たとえば1ms~5ms)ときを有する。
この場合、「X23」から「X24」までの間における、獲得数表示LED78や画像表示装置23への表示、及びスピーカ22からの音声については、人間の視覚や聴覚で認識することは困難である。
ただし、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除するときに、スピーカ22から出力する「係員を呼んでください」との音声が途中で途切れ、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するときに、「係員を呼んでください」の音声を冒頭から出力する場合には、たとえば「係員をよ・・・係員を呼んでください」のように聞こえるので、セレクタ滞留報知がいったん解除された後に再度実行されたことを人間の聴覚で認識可能である。
また、図123中、「X23」から「X24」までの間に実行される処理のパターンとして、下記(1)~(6)のパターンが考えられる。
(1)同一の割込み処理(図47)において、セレクタ滞留報知をいったん解除して、セレクタ滞留報知を再度実行するパターン
(2)一の割込み処理において、セレクタ滞留報知をいったん解除し、その次の割込み処理において、セレクタ滞留報知を再度実行するパターン
(3)一の割込み処理において、セレクタ滞留報知をいったん解除し、その後の割込み処理において、セレクタ滞留報知を再度実行する場合であって、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、セレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、複数回の割込み処理を要し、その間にドア開放報知を実行しないパターン
(4)一の割込み処理において、セレクタ滞留報知をいったん解除し、その後の割込み処理において、セレクタ滞留報知を再度実行する場合であって、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、セレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、複数回の割込み処理を要し、その間にドア開放報知を実行するパターン
(5)一の割込み処理において、セレクタ滞留報知をいったん解除し、その後の割込み処理において、セレクタ滞留報知を再度実行する場合であって、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、セレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、所定時間(たとえば3秒間~5秒間)の経過を要し、その間にドア開放報知を実行しないパターン
(6)一の割込み処理において、セレクタ滞留報知をいったん解除し、その後の割込み処理において、セレクタ滞留報知を再度実行する場合であって、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、セレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、所定時間(たとえば3秒間~5秒間)の経過を要し、その間にドア開放報知を実行するパターン
まず、上記(1)同一の割込み処理で、セレクタ滞留報知をいったん解除して、セレクタ滞留報知を再度実行するパターンについて説明する。
この場合、割込み処理(図68)において、入力ポート51の読込み処理(ステップS457)に進むと、メイン制御基板50は、各種スイッチ(リセットスイッチ153等)及び各種センサ(投入センサ44a及び投入センサ44b等)の入力信号を読み込む。そして、読み込んだ入力信号に基づいて、レベルデータ、立ち上がりデータ、立ち下がりデータの各種データを生成し、RWM53の所定の記憶領域に記憶する。このとき、リセットスイッチ153がオフからオンになったと判断すると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を解除する。
その後、割込み処理(図68)において、入力エラーチェック処理(ステップS463)に進むと、メイン制御基板50は、上記の各種データの記憶領域を参照し、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままであると判断したときは、セレクタ滞留エラーを検知したと判断して、セレクタ滞留エラーを示すエラーフラグをRWM53の所定の記憶領域に記憶する。
その後、割込み処理(図68)において、エラー処理(図示せず)に進むと、メイン制御基板50は、エラーフラグの記憶領域を参照し、セレクタ滞留報知を実行する。
その後、割込み処理(図68)において、制御コマンド送信処理(ステップS464)に進むと、メイン制御基板50は、エラーフラグの記憶領域を参照し、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
この場合、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知を解除するが、このタイミングでドア開放報知を実行しない。そして、ドア開放報知を実行することなく、「X24」のタイミングで再度のセレクタ滞留報知を実行することとなる。
また、セレクタ滞留報知の解除、及び再度のセレクタ滞留報知は、同一の割込み処理で実行される。さらにまた、割込み処理は、2.235msごとに実行される。このため、セレクタ滞留報知の解除から、再度のセレクタ滞留報知の実行までに要する時間は、1割込みの時間(2.235ms)未満となる。
このため、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除し、その後、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するが、「X23」から「X24」までの間における、獲得数表示LED78や画像表示装置23への表示、及びスピーカ22からの音声については、人間の視覚や聴覚で認識することは困難である。
ただし、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除するときに、スピーカ22から出力する「係員を呼んでください」との音声が途中で途切れ、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するときに、「係員を呼んでください」の音声を冒頭から出力する場合には、たとえば「係員をよ・・・係員を呼んでください」のように聞こえるので、セレクタ滞留報知がいったん解除された後に再度実行されたことを人間の聴覚で認識可能である。
次に、上記(2)一の割込み処理において、セレクタ滞留報知をいったん解除し、その次の割込み処理において、セレクタ滞留報知を再度実行するパターンについて説明する。
この場合、上記(1)のパターンと同様に、割込み処理(図68)において、入力ポート51の読込み処理(ステップS457)に進むと、メイン制御基板50は、各種スイッチ及び各種センサの入力信号を読み込む。そして、読み込んだ入力信号に基づいて、レベルデータ、立ち上がりデータ、立ち下がりデータの各種データを生成し、RWM53の所定の記憶領域に記憶する。このとき、リセットスイッチ153がオフからオンになったと判断すると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を解除する。
その後、上記(1)のパターンと同様に、割込み処理(図68)において、入力エラーチェック処理(ステップS463)に進むと、メイン制御基板50は、上記の各種データの記憶領域を参照し、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままであると判断したときは、セレクタ滞留エラーを検知したと判断して、セレクタ滞留エラーを示すエラーフラグをRWM53の所定の記憶領域に記憶する。
その後、上記(1)のパターンと異なり、メイン制御基板50は、メイン処理(図67)において、スタートスイッチ41がオンか否かの判断処理(ステップS278)より前のタイミング、又は全リール31が停止したか否かの判断処理(ステップS289)より後のタイミングで、エラー処理(図示せず)を実行する。このとき、メイン制御基板50は、エラーフラグの記憶領域を参照して、セレクタ滞留エラー状態とし、遊技の進行を停止する。
その後、メイン処理中のエラー処理でセレクタ滞留エラー状態とした後の割込み処理(図68)において、LED表示制御(ステップS2821)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知として、セレクタ滞留エラーを示すコード「CE」を獲得数表示LED78に表示する。
その後、割込み処理(図68)中の制御コマンド送信処理(ステップS464)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
この場合も、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知を解除するが、このタイミングでドア開放報知を実行しない。そして、ドア開放報知を実行することなく、「X24」のタイミングで再度のセレクタ滞留報知を実行することとなる。
ただし、上記(1)のパターンと異なり、一の割込み処理において、セレクタ滞留報知の解除が実行され、その後に実行されるメイン処理において、セレクタ滞留エラー状態として遊技の進行を停止するエラー処理が実行される。そして、その後に実行される割込み処理において、再度のセレクタ滞留報知が実行される。このため、セレクタ滞留報知の解除から、再度のセレクタ滞留報知の実行までに要する時間は、1割込みの時間(2.235ms)~2割込みの時間(2.235ms×2=4.47ms)程度となる。
そして、この場合も、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除し、その後、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するが、「X23」から「X24」までの間における、獲得数表示LED78や画像表示装置23への表示、及びスピーカ22からの音声については、人間の視覚や聴覚で認識することは困難である。
ただし、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除するときに、スピーカ22から出力する「係員を呼んでください」との音声が途中で途切れ、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するときに、「係員を呼んでください」の音声を冒頭から出力する場合には、たとえば「係員をよ・・・係員を呼んでください」のように聞こえるので、セレクタ滞留報知がいったん解除された後に再度実行されたことを人間の聴覚で認識可能である。
次に、上記(3)一の割込み処理において、セレクタ滞留報知をいったん解除し、その後の割込み処理において、セレクタ滞留報知を再度実行する場合であって、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、セレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、複数回の割込み処理を要し、その間にドア開放報知を実行しないパターンについて説明する。
この場合、上記(1)のパターンと同様に、割込み処理(図47)において、入力ポート51の読込み処理(ステップS457)に進むと、メイン制御基板50は、各種スイッチ及び各種センサの入力信号を読み込む。そして、読み込んだ入力信号に基づいて、レベルデータ、立ち上がりデータ、立ち下がりデータの各種データを生成し、RWM53の所定の記憶領域に記憶する。このとき、リセットスイッチ153がオフからオンになったと判断すると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を解除する。
その後、上記(1)のパターンと異なり、メイン制御基板50は、メイン処理(図67)において、スタートスイッチ41がオンか否かの判断処理(ステップS278)より前のタイミング、又は全リール31が停止したか否かの判断処理(ステップS289)より後のタイミングで、エラー処理(図示せず)を実行する。このとき、メイン制御基板50は、エラーフラグの記憶領域を参照して、セレクタ滞留エラー状態をいったん解除する。
その後、メイン処理中のエラー処理でセレクタ滞留エラー状態を解除した後の割込み処理(図68)において、LED表示制御(ステップS2821)に進むと、メイン制御基板50は、獲得数表示LED78に「CE」を表示する前の獲得数を表示する。
その後、割込み処理(図68)中の制御コマンド送信処理(ステップS464)に進むと、メイン制御基板50は、エラー解除コマンドをサブ制御基板80に送信する。
その後、次の割込み処理(図68)において、入力エラーチェック処理(ステップS463)に進むと、メイン制御基板50は、上記の各種データの記憶領域を参照し、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままであると判断したときは、セレクタ滞留エラーを検知したと判断する。そして、セレクタ滞留エラーを示すエラーフラグをRWM53の所定の記憶領域に記憶する。
その後、メイン制御基板50は、メイン処理(図67)において、スタートスイッチ41がオンか否かの判断処理(ステップS278)より前のタイミング、又は全リール31が停止したか否かの判断処理(ステップS289)より後のタイミングで、エラー処理(図示せず)を実行する。このとき、メイン制御基板50は、エラーフラグの記憶領域を参照して、セレクタ滞留エラー状態とし、遊技の進行を停止する。
その後、メイン処理中のエラー処理でセレクタ滞留エラー状態とした後の割込み処理(図68)において、LED表示制御(ステップS2821)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知として、セレクタ滞留エラーを示すコード「CE」を獲得数表示LED78に表示する。
その後、割込み処理(図68)中の制御コマンド送信処理(ステップS464)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
この場合も、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知を解除するが、このタイミングでドア開放報知を実行しない。そして、ドア開放報知を実行することなく、「X24」のタイミングで再度のセレクタ滞留報知を実行することとなる。
また、「Z」回目(「Z」は整数)の割込み処理において、セレクタ滞留報知をいったん解除し、その後に実行されるメイン処理において、セレクタ滞留エラー状態をいったん解除する。その後、「Z+1」回目の割込み処理において、獲得数表示LED78に「CE」を表示する前の獲得数を表示し、「Z+2」回目の割込み処理において、セレクタ滞留エラーを検知する。さらに、その後に実行されるメイン処理において、セレクタ滞留エラー状態として遊技の進行を停止するエラー処理を実行する。その後、「Z+3」回目の割込み処理において、セレクタ滞留報知を実行する。
このため、セレクタ滞留報知の解除から、再度のセレクタ滞留報知の実行までに要する時間は、3割込みの時間(2.235ms×3=6.705ms)~4割込みの時間(2.235ms×4=8.94ms)程度となる。
よって、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除し、その後、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するが、「X23」から「X24」までの間における、獲得数表示LED78や画像表示装置23への表示、及びスピーカ22からの音声については、人間の視覚や聴覚で認識することは困難である。
ただし、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除するときに、スピーカ22から出力する「係員を呼んでください」との音声が途中で途切れ、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するときに、「係員を呼んでください」の音声を冒頭から出力する場合には、たとえば「係員をよ・・・係員を呼んでください」のように聞こえるので、セレクタ滞留報知がいったん解除された後に再度実行されたことを人間の聴覚で認識可能である。
次に、上記(4)一の割込み処理において、セレクタ滞留報知をいったん解除し、その後の割込み処理において、セレクタ滞留報知を再度実行する場合であって、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、セレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、複数回の割込み処理を要し、その間にドア開放報知を実行するパターンについて説明する。
この場合、上記(1)のパターンと同様に、割込み処理(図68)において、入力ポート51の読込み処理(ステップS457)に進むと、メイン制御基板50は、各種スイッチ及び各種センサの入力信号を読み込む。そして、読み込んだ入力信号に基づいて、レベルデータ、立ち上がりデータ、立ち下がりデータの各種データを生成し、RWM53の所定の記憶領域に記憶する。このとき、リセットスイッチ153がオフからオンになったと判断すると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を解除する。
その後、上記(1)のパターンと異なり、割込み処理(図68)において、入力エラーチェック処理(ステップS463)に進むと、メイン制御基板50は、上記の各種データの記憶領域を参照し、ドアスイッチ17がオンであると判断したときは、フロントドア12の開放を検知したと判断して、ドア開放を示すエラーフラグをRWM53の所定の記憶領域に記憶する。
その後、メイン制御基板50は、メイン処理(図67)において、スタートスイッチ41がオンか否かの判断処理(ステップS278)より前のタイミング、又は全リール31が停止したか否かの判断処理(ステップS289)より後のタイミングで、エラー処理(図示せず)を実行する。このとき、メイン制御基板50は、エラーフラグの記憶領域を参照して、ドア開放状態とし、遊技の進行を停止する。
その後、メイン処理中のエラー処理でドア開放状態とした後の割込み処理(図68)において、LED表示制御(ステップS2821)に進むと、メイン制御基板50は、ドア開放報知として、ドア開放を示すコード「dE」を獲得数表示LED78に表示する。
その後、割込み処理(図68)中の制御コマンド送信処理(ステップS464)に進むと、メイン制御基板50は、ドア開放コマンドをサブ制御基板80に送信する。
その後、次の割込み処理(図68)において、入力エラーチェック処理(ステップS463)に進むと、メイン制御基板50は、上記の各種データの記憶領域を参照し、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままであると判断したときは、セレクタ滞留エラーを検知したと判断する。そして、ドア開放報知を解除して、セレクタ滞留エラーを示すエラーフラグをRWM53の所定の記憶領域に記憶する。
その後、メイン制御基板50は、メイン処理(図67)において、スタートスイッチ41がオンか否かの判断処理(ステップS278)より前のタイミング、又は全リール31が停止したか否かの判断処理(ステップS289)より後のタイミングで、エラー処理(図示せず)を実行する。このとき、メイン制御基板50は、エラーフラグの記憶領域を参照して、セレクタ滞留エラー状態とし、遊技の進行を停止する。
その後、メイン処理中のエラー処理でセレクタ滞留エラー状態とした後の割込み処理(図68)において、LED表示制御(ステップS2821)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知として、セレクタ滞留エラーを示すコード「CE」を獲得数表示LED78に表示する。
その後、割込み処理(図68)中の制御コマンド送信処理(ステップS464)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
この場合、図123中、「X23」のタイミングで、セレクタ滞留報知を解除して、ドア開放報知を実行する。そして、「X24」のタイミングで、ドア開放報知を解除して、セレクタ滞留報知を再度実行する。
また、「Z」回目(「Z」は整数)の割込み処理において、セレクタ滞留報知の解除と、ドア開放の検知とが実行され、その後に実行されるメイン処理において、ドア開放状態として遊技の進行を停止するエラー処理が実行される。その後、「Z+1」回目の割込み処理において、ドア開放報知が実行され、「Z+2」回目の割込み処理において、ドア開放報知の解除と、セレクタ滞留エラーの検知とが実行される。さらに、その後に実行されるメイン処理において、セレクタ滞留エラー状態として遊技の進行を停止するエラー処理が実行される。その後、「Z+3」回目の割込み処理において、セレクタ滞留報知が実行される。
このため、セレクタ滞留報知の解除から、再度のセレクタ滞留報知の実行までに要する時間は、3割込みの時間(2.235ms×3=6.705ms)~4割込みの時間(2.235ms×4=8.94ms)程度となる。
よって、図123中、「X23」のタイミングで、セレクタ滞留報知を解除して、ドア開放報知を実行するが、ドア開放報知が実行されたことを人間の視覚や聴覚で認識できないか、又は認識できたとしても一瞬である。そして、「X24」のタイミングで、ドア開放報知を解除して、セレクタ滞留報知を再度実行することとなる。
次に、上記(5)一の割込み処理において、セレクタ滞留報知をいったん解除し、その後の割込み処理において、セレクタ滞留報知を再度実行する場合であって、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、セレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、所定時間(たとえば3秒間~5秒間)の経過を要し、その間にドア開放報知を実行しないパターンについて説明する。
この場合、上記(1)のパターンと同様に、割込み処理(図68)において、入力ポート51の読込み処理(ステップS457)に進むと、メイン制御基板50は、各種スイッチ及び各種センサの入力信号を読み込む。そして、読み込んだ入力信号に基づいて、レベルデータ、立ち上がりデータ、立ち下がりデータの各種データを生成し、RWM53の所定の記憶領域に記憶する。このとき、リセットスイッチ153がオフからオンになったと判断すると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を解除する。
その後、上記(1)のパターンと異なり、割込み処理(図68)において、タイマセット処理(図示せず)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を解除してからの経過時間を計測するタイマをセットする。
その後、メイン制御基板50は、メイン処理(図67)において、スタートスイッチ41がオンか否かの判断処理(ステップS278)より前のタイミング、又は全リール31が停止したか否かの判断処理(ステップS289)より後のタイミングで、エラー処理(図示せず)を実行する。このとき、メイン制御基板50は、エラーフラグの記憶領域を参照して、セレクタ滞留エラー状態をいったん解除する。
その後、メイン処理中のエラー処理でセレクタ滞留エラー状態を解除した後の割込み処理(図68)において、LED表示制御(ステップS2821)に進むと、メイン制御基板50は、獲得数表示LED78に「CE」を表示する前の獲得数を表示する。
その後、割込み処理(図68)中の制御コマンド送信処理(ステップS464)に進むと、メイン制御基板50は、エラー解除コマンドをサブ制御基板80に送信する。
その後の割込み処理(図68)において、経過時間チェック処理(図示せず)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を解除してから所定時間(たとえば3秒間~5秒間)を経過したか否かを判断する。
そして、セレクタ滞留報知を解除してから所定時間を経過したと判断した場合において、入力エラーチェック処理(ステップS463)で、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままであると判断したときは、メイン制御基板50は、セレクタ滞留エラーを検知したと判断して、セレクタ滞留エラーを示すエラーフラグをRWM53の所定の記憶領域に記憶する。
その後、メイン制御基板50は、メイン処理(図67)において、スタートスイッチ41がオンか否かの判断処理(ステップS278)より前のタイミング、又は全リール31が停止したか否かの判断処理(ステップS289)より後のタイミングで、エラー処理(図示せず)を実行する。このとき、メイン制御基板50は、エラーフラグの記憶領域を参照して、セレクタ滞留エラー状態とし、遊技の進行を停止する。
その後、メイン処理中のエラー処理でセレクタ滞留エラー状態とした後の割込み処理(図68)において、LED表示制御(ステップS2821)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知として、セレクタ滞留エラーを示すコード「CE」を獲得数表示LED78に表示する。
その後、割込み処理(図68)中の制御コマンド送信処理(ステップS464)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
この場合、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知を解除するが、このタイミングでドア開放報知を実行しない。そして、ドア開放報知を実行することなく、「X24」のタイミングで再度のセレクタ滞留報知を実行することとなる。
また、一の割込み処理において、セレクタ滞留報知をいったん解除するとともに、セレクタ滞留報知を解除してからの経過時間を計測するタイマをセットする。その後に実行するメイン処理において、セレクタ滞留エラー状態をいったん解除する。その後に実行する割込み処理において、獲得数表示LED78に「CE」を表示する前の獲得数を表示し、エラー解除コマンドをサブ制御基板80に送信する。その後に実行する割込み処理において、セレクタ滞留報知を解除してから所定時間を経過したと判断すると、セレクタ滞留エラーを検知する。その後に実行するメイン処理において、セレクタ滞留エラー状態として遊技の進行を停止するエラー処理を実行する。その後に実行する割込み処理において、セレクタ滞留報知を実行し、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
このため、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、再度、セレクタ滞留報知を実行するまでに、所定時間(たとえば3秒間~5秒間)を要する。
また、図123中、「X23」のタイミングで、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングで、セレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、サブ制御基板80は、画像表示装置23に、「セレクタエラー」の文字を表示せず、「セレクタエラー」の文字を表示する前の画面(たとえば遊技画面や遊技待機画面)を表示する。
よって、図123中、「X23」のタイミングで、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングで、セレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、セレクタ滞留報知が解除されたことを、人間の視覚や聴覚で認識可能である。
なお、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、再度、セレクタ滞留報知を実行するまでに、所定時間が経過したことを条件とするのではなく、たとえば、フロントドア12が閉鎖されてドアスイッチ17がオンからオフにされたことを条件としてもよい。
この場合も、図123中、「X23」のタイミングで、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングで、セレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、セレクタ滞留報知が解除されたことを、人間の視覚や聴覚で認識可能とすることができる。
また、上記(5)一の割込み処理において、セレクタ滞留報知をいったん解除し、その後の割込み処理において、セレクタ滞留報知を再度実行する場合であって、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、セレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、所定時間(たとえば3秒間~5秒間)の経過を要し、その間にドア開放報知を実行しないパターンとして、下記のような例も考えられる。
まず、割込み処理(図68)において、入力ポート51の読込み処理(ステップS457)に進むと、メイン制御基板50は、各種スイッチ及び各種センサの入力信号を読み込む。そして、読み込んだ入力信号に基づいて、レベルデータ、立ち上がりデータ、立ち下がりデータの各種データを生成し、RWM53の所定の記憶領域に記憶する。このとき、リセットスイッチ153がオフからオンになったと判断すると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を解除する。
その後、メイン制御基板50は、メイン処理(図67)において、スタートスイッチ41がオンか否かの判断処理(ステップS278)より前のタイミング、又は全リール31が停止したか否かの判断処理(ステップS289)より後のタイミングで、エラー処理(図示せず)を実行する。このとき、メイン制御基板50は、エラーフラグの記憶領域を参照して、セレクタ滞留エラー状態をいったん解除する。
その後、メイン処理中のエラー処理でセレクタ滞留エラー状態を解除した後の割込み処理(図68)において、LED表示制御(ステップS2821)に進むと、メイン制御基板50は、獲得数表示LED78に「CE」を表示する前の獲得数を表示する。
その後、割込み処理(図68)中の制御コマンド送信処理(ステップS464)に進むと、メイン制御基板50は、エラー解除コマンドをサブ制御基板80に送信する。
その後の割込み処理(図68)において、入力エラーチェック処理(ステップS463)で、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままであると判断したときは、メイン制御基板50は、セレクタ滞留エラーを検知したと判断して、セレクタ滞留エラーを示すエラーフラグをRWM53の所定の記憶領域に記憶する。
その後、メイン制御基板50は、メイン処理(図67)において、スタートスイッチ41がオンか否かの判断処理(ステップS278)より前のタイミング、又は全リール31が停止したか否かの判断処理(ステップS289)より後のタイミングで、エラー処理(図示せず)を実行する。このとき、メイン制御基板50は、エラーフラグの記憶領域を参照して、セレクタ滞留エラー状態とし、遊技の進行を停止する。
その後、メイン処理中のエラー処理でセレクタ滞留エラー状態とした後の割込み処理(図68)において、タイマセット処理(図示せず)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留エラー状態としてからの経過時間を計測するタイマをセットする。
その後の割込み処理(図68)において、経過時間チェック処理(図示せず)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留エラー状態としてから所定時間(たとえば3秒間~5秒間)を経過したか否かを判断する。
そして、セレクタ滞留エラー状態としてから所定時間を経過したと判断した場合において、LED表示制御(ステップS2821)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知として、セレクタ滞留エラーを示すコード「CE」を獲得数表示LED78に表示する。
その後、割込み処理(図68)中の制御コマンド送信処理(ステップS464)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
この場合、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知を解除するが、このタイミングでドア開放報知を実行しない。そして、ドア開放報知を実行することなく、「X24」のタイミングで再度のセレクタ滞留報知を実行することとなる。
また、一の割込み処理において、セレクタ滞留報知をいったん解除し、その後に実行するメイン処理において、セレクタ滞留エラー状態をいったん解除する。その後に実行する割込み処理において、獲得数表示LED78に「CE」を表示する前の獲得数を表示し、エラー解除コマンドをサブ制御基板80に送信する。その後に実行する割込み処理において、セレクタ滞留エラーを検知すると、その後に実行するメイン処理において、セレクタ滞留エラー状態として遊技の進行を停止するエラー処理を実行し、その後に実行する割込み処理において、セレクタ滞留エラー状態としてからの経過時間を計測するタイマをセットする。そして、その後に実行する割込み処理において、セレクタ滞留エラー状態としてから所定時間を経過したと判断すると、セレクタ滞留報知を実行し、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
このため、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、再度、セレクタ滞留報知を実行するまでに、所定時間(たとえば3秒間~5秒間)を要する。
また、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、サブ制御基板80は、画像表示装置23に、「セレクタエラー」の文字を表示せず、「セレクタエラー」の文字を表示する前の画面(たとえば遊技画面や遊技待機画面)を表示する。
さらに、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、サブ制御基板80は、スピーカ22から「係員を呼んでください」との音声を出力せず、「係員を呼んでください」との音声を出力する前の音声を出力する。
よって、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングでセレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、セレクタ滞留報知が解除されたことを、人間の視覚や聴覚で認識可能である。
最後に、上記(6)一の割込み処理において、セレクタ滞留報知をいったん解除し、その後の割込み処理において、セレクタ滞留報知を再度実行する場合であって、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、セレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、所定時間(たとえば3秒間~5秒間)の経過を要し、その間にドア開放報知を実行するパターンについて説明する。
この場合、上記(1)のパターンと同様に、割込み処理(図68)において、入力ポート51の読込み処理(ステップS457)に進むと、メイン制御基板50は、各種スイッチ及び各種センサの入力信号を読み込む。そして、読み込んだ入力信号に基づいて、レベルデータ、立ち上がりデータ、立ち下がりデータの各種データを生成し、RWM53の所定の記憶領域に記憶する。このとき、リセットスイッチ153がオフからオンになったと判断すると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を解除する。
その後、上記(1)のパターンと異なり、割込み処理(図68)において、入力エラーチェック処理(ステップS463)に進むと、メイン制御基板50は、上記の各種データの記憶領域を参照し、ドアスイッチ17がオンであると判断したときは、フロントドア12の開放を検知したと判断して、ドア開放を示すエラーフラグをRWM53の所定の記憶領域に記憶する。
その後、割込み処理(図68)において、タイマセット処理(図示せず)に進むと、メイン制御基板50は、フロントドア12の開放を検知して、ドア開放を示すエラーフラグを記憶してからの経過時間を計測するタイマをセットする。
その後、メイン制御基板50は、メイン処理(図67)において、スタートスイッチ41がオンか否かの判断処理(ステップS278)より前のタイミング、又は全リール31が停止したか否かの判断処理(ステップS289)より後のタイミングで、エラー処理(図示せず)を実行する。このとき、メイン制御基板50は、エラーフラグの記憶領域を参照して、ドア開放状態とし、遊技の進行を停止する。
その後、メイン処理中のエラー処理でドア開放状態とした後の割込み処理(図68)において、LED表示制御(ステップS2821)に進むと、メイン制御基板50は、ドア開放報知として、ドア開放を示すコード「dE」を獲得数表示LED78に表示する。
その後、割込み処理(図68)中の制御コマンド送信処理(ステップS464)に進むと、メイン制御基板50は、ドア開放コマンドをサブ制御基板80に送信する。
その後の割込み処理(図68)において、経過時間チェック処理(図示せず)に進むと、メイン制御基板50は、フロントドア12の開放を検知して、ドア開放を示すエラーフラグを記憶してから所定時間(たとえば3秒間~5秒間)を経過したか否かを判断する。
そして、フロントドア12の開放を検知して、ドア開放を示すエラーフラグを記憶してから所定時間を経過したと判断した場合において、入力エラーチェック処理(ステップS463)で、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままであると判断したときは、メイン制御基板50は、セレクタ滞留エラーを検知したと判断して、セレクタ滞留エラーを示すエラーフラグをRWM53の所定の記憶領域に記憶する。
その後、メイン制御基板50は、メイン処理(図67)において、スタートスイッチ41がオンか否かの判断処理(ステップS278)より前のタイミング、又は全リール31が停止したか否かの判断処理(ステップS289)より後のタイミングで、エラー処理(図示せず)を実行する。このとき、メイン制御基板50は、エラーフラグの記憶領域を参照して、セレクタ滞留エラー状態とし、遊技の進行を停止する。
その後、メイン処理中のエラー処理でセレクタ滞留エラー状態とした後の割込み処理(図68)において、LED表示制御(ステップS2821)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知として、セレクタ滞留エラーを示すコード「CE」を獲得数表示LED78に表示する。
その後、割込み処理(図68)中の制御コマンド送信処理(ステップS464)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
この場合、図123中、「X23」のタイミングで、セレクタ滞留報知を解除して、ドア開放報知を実行する。そして、「X24」のタイミングで、ドア開放報知を解除して、セレクタ滞留報知を再度実行する。
また、一の割込み処理において、セレクタ滞留報知をいったん解除し、ドア開放を検知し、ドア開放を検知してからの経過時間を計測するタイマをセットする。その後に実行するメイン処理において、ドア開放状態として遊技の進行を停止するエラー処理を実行する。その後に実行する割込み処理において、ドア開放報知を実行し、ドア開放コマンドをサブ制御基板80に送信する。さらにその後に実行する割込み処理において、ドア開放を検知してから所定時間を経過したと判断すると、ドア開放報知を解除し、セレクタ滞留エラーを検知する。さらにその後に実行するメイン処理において、セレクタ滞留エラー状態として遊技の進行を停止するエラー処理を実行する。その後に実行する割込み処理において、セレクタ滞留報知を実行し、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
このため、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、再度、セレクタ滞留報知を実行するまでに、所定時間(たとえば3秒間~5秒間)を要する。
また、図123中、「X23」のタイミングで、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングで、セレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、サブ制御基板80は、画像表示装置23に、「セレクタエラー」の文字を表示せず、「ドア開放」の文字を表示する。
よって、図123中、「X23」のタイミングで、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングで、セレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、セレクタ滞留報知が解除されたこと、及びドア開放報知が実行されたことを、人間の視覚や聴覚で認識可能である。
なお、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、再度、セレクタ滞留報知を実行するまでに、所定時間が経過したことを条件とするのではなく、たとえば、フロントドア12が閉鎖されてドアスイッチ17がオンからオフにされたことを条件としてもよい。
この場合も、図123中、「X23」のタイミングで、セレクタ滞留報知をいったん解除してから、「X24」のタイミングで、セレクタ滞留報知を再度実行するまでの間に、セレクタ滞留報知が解除されたこと、及びドア開放報知が実行されたことを、人間の視覚や聴覚で認識可能とすることができる。
また、フロントドア12の開放を検知して、ドア開放を示すエラーフラグを記憶してからの経過時間を計測し、所定時間(たとえば3秒間~5秒間)が経過するまでは、ドア開放報知を実行するとともに、その間は、リセットスイッチ153や解除スイッチが操作されても、ドア開放報知を解除しないようにすることができる。これにより、フロントドア12が開放されたことを確実に知らせることができる。
セレクタ滞留エラー等のエラーを検知したときも同様である。すなわち、セレクタ滞留エラー等のエラーを検知して、そのことを示すエラーフラグを記憶してからの経過時間を計測し、所定時間(たとえば3秒間~5秒間)が経過するまでは、セレクタ滞留報知等のエラー報知を実行するとともに、その間は、リセットスイッチ153や解除スイッチが操作されても、セレクタ滞留報知等のエラー報知を解除しないようにすることができる。これにより、セレクタ滞留エラー等のエラーを検知したことを確実に知らせることができる。
ここで、図123では、セレクタ滞留エラーを例に、エラーの要因を除去せずにリセットスイッチ153を操作(オンに)したときの動作について説明したが、セレクタ通過エラー時、ホッパーエンプティエラー時、ホッパージャムエラー時についても、エラーの要因を除去せずにリセットスイッチ153を操作(オンに)すると、セレクタ滞留エラー時と同様に動作する。
たとえば、図123中、「X21」のタイミングで、ホッパーモータ36を駆動させているにもかかわらず、払出しセンサ37a及び払出しセンサ37bがオン/オフされないときは、メイン制御基板50は、ホッパーエンプティエラーを検知したと判断する。
そして、メイン制御基板50は、ホッパーエンプティエラーを検知すると、ホッパーエンプティ報知として、ホッパーエンプティエラーを示す「HE」を獲得数表示LED78に表示するとともに、ホッパーエンプティエラーを示すエンプティコマンドをサブ制御基板80に送信する。
また、サブ制御基板80は、エンプティコマンドを受信すると、ホッパーエンプティ報知として、スピーカ22から「係員を呼んでください」との音声を出力し、画像表示装置23に「ホッパーエンプティ」の文字を表示する。
その後、図123中、「X22」のタイミングで、フロントドア12が開放されて、ドアスイッチ17がオンになると、メイン制御基板50は、ドア開放を検知する。
ただし、メイン制御基板50は、ホッパーエンプティ報知の実行中は、ドア開放を検知しても、ドア開放報知を実行せず、ホッパーエンプティ報知を継続する。
また、メイン制御基板50は、ドア開放を検知すると、ドア開放コマンドをサブ制御基板80に送信する。
ただし、サブ制御基板80は、ホッパーエンプティ報知の実行中は、ドア開放コマンドを受信しても、ドア開放報知を実行せず、ホッパーエンプティ報知を継続する。
その後、図123中、「X23」のタイミングにおいて、ホッパー35内にメダルMが貯留されていないままの状況で、すなわち、ホッパーエンプティエラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、ホッパーエンプティ報知を解除する。
また、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、エラー解除コマンドをサブ制御基板80に送信する。
そして、サブ制御基板80は、エラー解除コマンドを受信すると、スピーカ22及び画像表示装置23等により実行していたホッパーエンプティ報知を解除する。
ただし、図123中、「X23」のタイミングで、ホッパーエンプティ報知をいったん解除するものの、その後、「X24」のタイミングで、ホッパーエンプティ報知を再度実行する。
具体的には、図123中、「X23」のタイミングで、ホッパーエンプティエラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、ホッパーエンプティ報知を解除し、今度は、ドア開放報知を実行するように制御する。その後、図123中、「X24」のタイミングで、メイン制御基板50は、ドア開放報知を解除し、再度、ホッパーエンプティ報知を実行するように制御する。
すなわち、メイン制御基板50は、図123中、「X23」のタイミングで、獲得数表示LED78の表示を、ホッパーエンプティエラーを示す「HE」から、フロントドア12の開放を示す「dE」に切り替えるように制御し、その後、「X24」のタイミングで、獲得数表示LED78の表示を、「dE」から「HE」に切り替えるように制御する。さらに、メイン制御基板50は、図123中、「X24」のタイミングで、エンプティコマンドをサブ制御基板80に送信する。
また、図123中、「X23」のタイミングで、エラー解除コマンドを受信すると、サブ制御基板80は、ホッパーエンプティ報知を解除し、今度は、ドア開放報知を実行するように制御する。その後、図123中、「X24」のタイミングで、エンプティコマンドを受信すると、サブ制御基板80は、ドア開放報知を解除し、再度、ホッパーエンプティ報知を実行するように制御する。
すなわち、サブ制御基板80は、図123中、「X23」のタイミングで、スピーカ22からの音声出力を、「係員を呼んでください」から「扉が開いています」に切り替えるとともに、画像表示装置23の表示を、「ホッパーエンプティ」から「ドア開放」に切り替えるように制御する。その後、「X24」のタイミングで、スピーカ22からの音声出力を、「扉が開いています」から「係員を呼んでください」に切り替えるとともに、画像表示装置23の表示を、「ドア開放」から「ホッパーエンプティ」に切り替えるように制御する。
なお、ホッパーモータ36を駆動させているにもかかわらず、所定時間(たとえば3秒~5秒)を経過しても払出しセンサ37a及び払出しセンサ37bがオン/オフされないと、メイン制御基板50は、ホッパーエンプティエラーを検知したと判断し、ホッパーエンプティ報知として、ホッパーエンプティエラーを示す「HE」を獲得数表示LED78に表示する。その後、ホッパー35にメダルMが補充(ホッパーエンプティエラーの要因が除去)されていない状況であっても、リセットスイッチ153が操作されると、メイン制御基板50は、ホッパーエンプティ報知を解除して、ホッパーモータ36を再度駆動させる。しかし、ホッパー35にメダルMが補充されていないため、ホッパーモータ36を再度駆動させてから所定時間(たとえば3秒~5秒)を経過しても払出しセンサ37a及び払出しセンサ37bがオン/オフされないので、メイン制御基板50は、ホッパーエンプティ報知を再度実行する。このため、ホッパーエンプティ報知をいったん解除してから再度実行するまでに要する時間は、3秒~5秒程度となる。
また、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままになったときは、メイン制御基板50は、セレクタ滞留エラーを検知したと判断し、セレクタ滞留報知として、セレクタ滞留エラーを示す「CE」を獲得数表示LED78に表示する。その後、メダルセレクタ110内でメダルMが詰まったままの(セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない)状況であっても、リセットスイッチ153が操作されると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知をいったん解除する。しかし、メダルセレクタ110内でメダルMが詰まったままであるため、投入センサ44a及び投入センサ44bはオンのままであるので、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を再度実行する。このとき、セレクタ滞留報知をいったん解除してから再度実行するまでに要する時間は、1割込みの時間(2.235ms)~2割込みの時間(2.235ms×2=4.47ms)程度となる。
このように、ホッパーエンプティ報知をいったん解除してから再度実行するまでに要する時間は、3秒~5秒程度であるのに対し、セレクタ滞留報知をいったん解除してから再度実行するまでに要する時間は、1割込みの時間(2.235ms)~2割込みの時間(2.235ms×2=4.47ms)程度である。
このため、ホッパーエンプティ報知をいったん解除してから再度実行するまでに要する時間は、セレクタ滞留報知をいったん解除してから再度実行するまでに要する時間より長くなっている。
また、たとえば、図123中、「X21」のタイミングで、投入センサ44bがオフからオンになり、次に、投入センサ44aがオフからオンになったときは、メイン制御基板50は、セレクタ通過エラーを検知したと判断する。
そして、メイン制御基板50は、セレクタ通過エラーを検知すると、セレクタ通過エラー報知として、セレクタ通過エラーを示す「CP」を獲得数表示LED78に表示し、セレクタ通過エラーを示すセレクタ通過エラーコマンドをサブ制御基板80に送信する。
また、サブ制御基板80は、セレクタ通過エラーコマンドを受信すると、セレクタ通過エラー報知として、スピーカ22から「係員を呼んでください」との音声を出力し、画像表示装置23に「セレクタエラー」の文字を表示する。
その後、図123中、「X22」のタイミングで、フロントドア12が開放されて、ドアスイッチ17がオンになると、メイン制御基板50は、ドア開放を検知する。
ただし、メイン制御基板50は、セレクタ通過エラー報知の実行中は、ドア開放を検知しても、ドア開放報知を実行せず、セレクタ通過エラー報知を継続する。
また、メイン制御基板50は、ドア開放を検知すると、ドア開放コマンドをサブ制御基板80に送信する。
ただし、サブ制御基板80は、セレクタ通過エラー報知の実行中は、ドア開放コマンドを受信しても、ドア開放報知を実行せず、セレクタ通過エラー報知を継続する。
その後、図123中、「X23」のタイミングにおいて、セレクタ通過エラーの要因が除去されていない状況(投入センサ44bがオフからオンになり、次に、投入センサ44aがオフからオンになることにより、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままの状況)で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、セレクタ通過エラー報知を解除する。
また、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、エラー解除コマンドをサブ制御基板80に送信する。
そして、サブ制御基板80は、エラー解除コマンドを受信すると、スピーカ22及び画像表示装置23等により実行していたセレクタ通過エラー報知を解除する。
ここで、セレクタ通過エラー報知を解除するものの、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままであることから、メイン制御基板50は、今度は、セレクタ滞留エラーを検知したと判断して、「X24」のタイミングで、セレクタ滞留報知を実行する。
具体的には、図123中、「X23」のタイミングで、セレクタ通過エラーの要因が除去されていない状況(投入センサ44bがオフからオンになり、次に、投入センサ44aがオフからオンになることにより、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままの状況)で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、セレクタ通過エラー報知を解除して、ドア開放報知を実行するように制御する。
その後も引き続き投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままであることから、メイン制御基板50は、今度は、セレクタ滞留エラーを検知したと判断して、図123中、「X24」のタイミングで、ドア開放報知を解除して、セレクタ滞留報知を実行するように制御する。
すなわち、メイン制御基板50は、図123中、「X23」のタイミングで、獲得数表示LED78の表示を、セレクタ通過エラーを示す「CP」から、フロントドア12の開放を示す「dE」に切り替えるように制御する。
その後、メイン制御基板50は、図123中、「X24」のタイミングで、獲得数表示LED78の表示を、フロントドア12の開放を示す「dE」から、セレクタ滞留エラーを示す「CE」に切り替えるように制御する。
さらに、メイン制御基板50は、図123中、「X24」のタイミングで、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
また、図123中、「X23」のタイミングで、エラー解除コマンドを受信すると、サブ制御基板80は、セレクタ通過エラー報知を解除し、今度は、ドア開放報知を実行するように制御する。
その後、図123中、「X24」のタイミングで、セレクタ滞留コマンドを受信すると、サブ制御基板80は、ドア開放報知を解除し、今度は、セレクタ滞留報知を実行するように制御する。
すなわち、サブ制御基板80は、図123中、「X23」のタイミングで、スピーカ22からの音声出力を、「係員を呼んでください」から「扉が開いています」に切り替えるとともに、画像表示装置23の表示を、「セレクタエラー」から「ドア開放」に切り替えるように制御する。
その後、サブ制御基板80は、図123中、「X24」のタイミングで、スピーカ22からの音声出力を、「扉が開いています」から「係員を呼んでください」に切り替えるとともに、画像表示装置23の表示を、「ドア開放」から「セレクタエラー」に切り替えるように制御する。
このように、セレクタ通過エラーを検知すると、セレクタ通過エラー報知を実行し、その後、セレクタ通過エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作されると、セレクタ通過エラーを解除し、今度は、セレクタ滞留エラーを検知して、セレクタ滞留報知を実行する場合を有する。
また、上述したように、セレクタ滞留エラーを検知すると、セレクタ滞留報知を実行し、その後、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作されると、セレクタ滞留報知をいったん解除した後、再度、セレクタ滞留報知を実行する場合も有する。
すなわち、エラーの要因を除去せずにリセットスイッチ153を操作した場合において、リセットスイッチ153の操作の前後で同一のエラー報知が実行されるときと、リセットスイッチ153の操作の前後で異なるエラー報知が実行されるときとを有する。
なお、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ通過エラー報知を解除するが、このタイミングでドア開放報知を実行しない場合を有する。そして、ドア開放報知を実行することなく、「X24」のタイミングで、今度は、セレクタ滞留報知を実行する場合を有する。
たとえば、同一の割込み処理(図68)において、入力ポート51の読込み(図68のステップS457)、入力エラーチェック(図68のステップS463)、及びエラー処理(図示せず)を実行する場合には、ドア開放報知を実行しない。
具体的には、割込み処理(図68)において、入力ポート51の読込み処理(ステップS457)に進むと、メイン制御基板50は、各種スイッチ(リセットスイッチ153等)及び各種センサ(投入センサ44a及び投入センサ44b等)の入力信号を読み込む。そして、読み込んだ入力信号に基づいて、レベルデータ、立ち上がりデータ、立ち下がりデータの各種データを生成し、RWM53の所定の記憶領域に記憶する。このとき、リセットスイッチ153がオフからオンになったと判断すると、メイン制御基板50は、セレクタ通過エラー報知を解除する。
その後、割込み処理(図68)において、入力エラーチェック処理(ステップS463)に進むと、メイン制御基板50は、上記の各種データの記憶領域を参照し、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままであると判断したときは、今度は、セレクタ滞留エラーを検知したと判断して、セレクタ滞留エラーを示すエラーフラグをRWM53の所定の記憶領域に記憶する。
その後、割込み処理(図68)において、エラー処理(図示せず)に進むと、メイン制御基板50は、エラーフラグの記憶領域を参照し、セレクタ滞留報知を実行する。
その後、割込み処理(図68)において、制御コマンド送信処理(ステップS464)に進むと、メイン制御基板50は、エラーフラグの記憶領域を参照し、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
この場合、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ通過エラー報知を解除するが、このタイミングでドア開放報知を実行しない。そして、ドア開放報知を実行することなく、「X24」のタイミングで、今度は、セレクタ滞留報知を実行する。
また、セレクタ通過エラー報知の解除、及びセレクタ滞留報知は、同一の割込み処理で実行される。このため、セレクタ通過エラー報知の解除から、セレクタ滞留報知の実行までに要する時間は、1割込みの時間(2.235ms)未満となる。
また、割込み処理(図68)において、入力ポート51の読込み(図68のステップS457)、及び入力エラーチェック(図68のステップS463)を実行し、その後に実行するメイン処理(図67)において、エラー処理(図示せず)を実行する場合にも、ドア開放報知を実行しない。
具体的には、割込み処理(図68)において、入力ポート51の読込み処理(ステップS457)に進むと、メイン制御基板50は、各種スイッチ及び各種センサの入力信号を読み込む。そして、読み込んだ入力信号に基づいて、レベルデータ、立ち上がりデータ、立ち下がりデータの各種データを生成し、RWM53の所定の記憶領域に記憶する。このとき、リセットスイッチ153がオフからオンになったと判断すると、メイン制御基板50は、セレクタ通過エラー報知を解除する。
その後、割込み処理(図68)において、入力エラーチェック処理(ステップS463)に進むと、メイン制御基板50は、上記の各種データの記憶領域を参照し、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままであると判断したときは、今度は、セレクタ滞留エラーを検知したと判断して、セレクタ滞留エラーを示すエラーフラグをRWM53の所定の記憶領域に記憶する。
その後、メイン制御基板50は、メイン処理(図67)において、スタートスイッチ41がオンか否かの判断処理(ステップS278)より前のタイミング、又は全リール31が停止したか否かの判断処理(ステップS289)より後のタイミングで、エラー処理(図示せず)を実行する。このとき、メイン制御基板50は、エラーフラグの記憶領域を参照して、セレクタ滞留エラー状態とし、遊技の進行を停止する。
その後、メイン処理中のエラー処理でセレクタ滞留エラー状態とした後の割込み処理(図68)において、LED表示制御(ステップS2821)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知として、セレクタ滞留エラーを示すコード「CE」を獲得数表示LED78に表示する。
その後、割込み処理(図68)中の制御コマンド送信処理(ステップS464)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
この場合も、図123中、「X23」のタイミングでセレクタ滞留報知を解除するが、このタイミングでドア開放報知を実行しない。そして、ドア開放報知を実行することなく、「X24」のタイミングで、今度は、セレクタ滞留報知を実行する。
また、一の割込み処理で、セレクタ通過エラー報知を解除し、その後に実行するメイン処理で、セレクタ滞留エラー状態として遊技の進行を停止し、その後に実行する割込み処理で、今度は、セレクタ滞留報知を実行する。このため、セレクタ通過エラー報知の解除から、セレクタ滞留報知の実行までに要する時間は、1割込みの時間(2.235ms)~2割込みの時間(2.235ms×2=4.47ms)程度となる。
また、図123中、「X23」のタイミングで、セレクタ通過エラー報知を解除して、ドア開放報知を実行するが、ドア開放報知の実行を人間の視覚や聴覚で認識できないか、又は認識できたとしても一瞬である場合を有する。そして、「X24」のタイミングで、ドア開放報知を解除して、今度は、セレクタ滞留報知を実行する場合を有する。
割込み処理で入力ポート51の読込み、及び入力エラーチェックを実行してから、メイン処理でエラー処理を実行するまでに、複数回の割込み処理を要する場合を有する。このような場合、ドア開放報知を実行するが、ドア開放報知の実行を人間の視覚や聴覚で認識できないか、又は認識できたとしても一瞬である。
具体的には、割込み処理(図68)において、入力ポート51の読込み処理(ステップS457)に進むと、メイン制御基板50は、各種スイッチ及び各種センサの入力信号を読み込む。そして、読み込んだ入力信号に基づいて、レベルデータ、立ち上がりデータ、立ち下がりデータの各種データを生成し、RWM53の所定の記憶領域に記憶する。このとき、リセットスイッチ153がオフからオンになったと判断すると、メイン制御基板50は、セレクタ通過エラー報知を解除する。
その後、割込み処理(図68)において、入力エラーチェック処理(ステップS463)に進むと、メイン制御基板50は、上記の各種データの記憶領域を参照し、ドアスイッチ17がオンであると判断したときは、フロントドア12の開放を検知したと判断して、ドア開放を示すエラーフラグをRWM53の所定の記憶領域に記憶する。
その後、メイン制御基板50は、メイン処理(図67)において、スタートスイッチ41がオンか否かの判断処理(ステップS278)より前のタイミング、又は全リール31が停止したか否かの判断処理(ステップS289)より後のタイミングで、エラー処理(図示せず)を実行する。このとき、メイン制御基板50は、エラーフラグの記憶領域を参照して、ドア開放状態とし、遊技の進行を停止する。
その後、メイン処理中のエラー処理でドア開放状態とした後の割込み処理(図68)において、LED表示制御(ステップS2821)に進むと、メイン制御基板50は、ドア開放報知として、ドア開放を示すコード「dE」を獲得数表示LED78に表示する。
その後、割込み処理(図68)中の制御コマンド送信処理(ステップS464)に進むと、メイン制御基板50は、ドア開放コマンドをサブ制御基板80に送信する。
その後、次の割込み処理(図68)において、入力エラーチェック処理(ステップS463)に進むと、メイン制御基板50は、上記の各種データの記憶領域を参照し、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままであると判断したときは、今度は、セレクタ滞留エラーを検知したと判断する。そして、ドア開放報知を解除して、セレクタ滞留エラーを示すエラーフラグをRWM53の所定の記憶領域に記憶する。
その後、メイン制御基板50は、メイン処理(図67)において、スタートスイッチ41がオンか否かの判断処理(ステップS278)より前のタイミング、又は全リール31が停止したか否かの判断処理(ステップS289)より後のタイミングで、エラー処理(図示せず)を実行する。このとき、メイン制御基板50は、エラーフラグの記憶領域を参照して、セレクタ滞留エラー状態とし、遊技の進行を停止する。
その後、メイン処理中のエラー処理でセレクタ滞留エラー状態とした後の割込み処理(図68)において、LED表示制御(ステップS2821)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知として、セレクタ滞留エラーを示すコード「CE」を獲得数表示LED78に表示する。
その後、割込み処理(図68)中の制御コマンド送信処理(ステップS464)に進むと、メイン制御基板50は、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
この場合、図123中、「X23」のタイミングで、セレクタ通過エラー報知を解除して、ドア開放報知を実行する。そして、「X24」のタイミングで、ドア開放報知を解除して、今度は、セレクタ滞留報知を実行する。
また、「Z」回目(「Z」は整数)の割込み処理において、セレクタ通過エラー報知の解除と、ドア開放の検知とが実行され、その後に実行されるメイン処理において、ドア開放状態として遊技の進行を停止するエラー処理が実行される。その後、「Z+1」回目の割込み処理において、ドア開放報知が実行され、「Z+2」回目の割込み処理において、ドア開放報知の解除と、セレクタ滞留エラーの検知とが実行される。さらに、その後に実行されるメイン処理において、セレクタ滞留エラー状態として遊技の進行を停止するエラー処理が実行される。その後、「Z+3」回目の割込み処理において、セレクタ滞留報知が実行される。
このため、セレクタ通過エラー報知の解除から、セレクタ滞留報知の実行までに要する時間は、3割込みの時間(2.235ms×3=6.705ms)~4割込みの時間(2.235ms×4=8.94ms)程度となる。そして、その間に、ドア開放報知を実行する。
よって、図123中、「X23」のタイミングで、セレクタ通過エラー報知を解除して、ドア開放報知を実行するが、ドア開放報知の実行を人間の視覚や聴覚で認識できないか、又は認識できたとしても一瞬である。そして、「X24」のタイミングで、ドア開放報知を解除して、今度は、セレクタ滞留報知を実行する。
また、サブ制御基板80は、RWM83の所定の記憶領域にエラー履歴を記憶し、エラー履歴の表示要求があったときは、記憶したエラー履歴を表示可能とされている。
第5実施形態では、エラー履歴は、設定確認状態において表示可能となる。
具体的には、電源がオンの状態において、遊技待機中(遊技開始前)、かつベット数「0」の状況下で、設定キースイッチ152をオンにすると、設定確認状態に移行する。
また、設定確認状態に移行すると、設定値表示LED73に、現在の設定値が表示されるとともに、画像表示装置23に、管理者用のメニュー画面が表示される。
さらに、管理者用のメニュー画面には、「エラー履歴」の項目が設けられている。
そして、管理者用のメニュー画面の表示中に、十字キー(図112)を操作して「エラー履歴」の項目を選択し、この状態でプッシュボタン86を操作(オンに)すると、画像表示装置23に、エラー履歴画面が表示される。
また、エラー履歴画面には、エラーの種類を示すエラーコード(たとえば「CE」、「CP」、「dE」等)と、エラーの報知時刻(たとえば「2021年9月17日 15時35分25秒」等)とが表示される。
ここで、たとえば、図123中、「X21」のタイミングで、セレクタ滞留報知が実行され、「X23」のタイミングで、セレクタ滞留報知がいったん解除されて、ドア開放報知が実行され、「X24」のタイミングで、ドア開放報知が解除されて、再度、セレクタ滞留報知が実行されたとする。
この場合、たとえば、
「CE」 2021年9月17日 15時35分25秒
「dE」 2021年9月17日 15時36分45秒
「CE」 2021年9月17日 15時36分45秒
のように表示される。
また、たとえば、図123中、「X21」のタイミングで、セレクタ滞留報知が実行され、「X23」のタイミングで、セレクタ滞留報知がいったん解除されたが、ドア開放報知は実行されず、その後、ドア開放報知が実行されることなく、「X24」のタイミングで、再度、セレクタ滞留報知が実行されたとする。
この場合、たとえば、
「CE」 2021年9月17日 15時35分25秒
「CE」 2021年9月17日 15時36分45秒
のように表示される。
また、たとえば、図123中、「X21」のタイミングで、セレクタ滞留報知が実行され、「X23」のタイミングで、メダルセレクタ110内でメダルMが詰まったままの(セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない)状況で、リセットスイッチ153が複数回(たとえば「3」回)連続して操作されたとする。この場合、セレクタ滞留報知の解除と再実行とが複数回(たとえば「3」回)繰り返されるようにしてもよい。
またこの場合、たとえば、
「CE」発生 2021年9月17日 15時35分25秒
「CE」解除 2021年9月17日 15時35分25秒
「CE」発生 2021年9月17日 15時35分25秒
「CE」解除 2021年9月17日 15時35分25秒
「CE」発生 2021年9月17日 15時35分25秒
「CE」解除 2021年9月17日 15時35分25秒
のように表示することができる。
なお、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が複数回連続して操作されて、セレクタ滞留報知の解除と再実行とが複数回繰り返されたとしても、これらの履歴を記憶及び表示せず、セレクタ滞留エラーの要因が除去された状況でリセットスイッチ153が操作されてセレクタ滞留報知が解除されたときのみ、その履歴を記憶及び表示するようにしてもよい。
また、たとえば、図123中、「X21」のタイミングで、セレクタ通過エラー報知が実行され、「X23」のタイミングで、セレクタ通過エラー報知がいったん解除されて、ドア開放報知が実行され、「X24」のタイミングで、ドア開放報知が解除されて、今度は、セレクタ滞留報知が実行されたとする。
この場合、たとえば、
「CE」 2021年9月17日 15時35分25秒
「dE」 2021年9月17日 15時36分45秒
「CP」 2021年9月17日 15時36分45秒
のように表示される。
また、たとえば、図123中、「X21」のタイミングで、セレクタ通過エラー報知が実行され、「X23」のタイミングで、セレクタ通過エラー報知がいったん解除されたが、ドア開放報知は実行されず、その後、ドア開放報知が実行されることなく、「X24」のタイミングで、今度は、セレクタ滞留報知が実行されたとする。
この場合、たとえば、
「CE」 2021年9月17日 15時35分25秒
「CP」 2021年9月17日 15時36分45秒
のように表示される。
なお、プッシュボタン86は、サブボタン86、演出ボタン86、演出スイッチ86等とも称するものであって、演出を進行(発展)させるとき等に操作されるものである。
また、十字キー87は、選択スイッチ87等とも称するものであって、メニュー画面等でカーソル位置を移動させるとき等に操作されるものである。
プッシュボタン86及び十字キー87は、入力ポート81を介して、サブ制御手段80と電気的に接続されている。
また、サブ制御基板80のエラー履歴は、電源のオン/オフや、設定変更処理では消去されない。サブ制御基板80のRWM83に重大なエラー(復帰不可能エラー)が発生しない限り、エラー履歴が消去されることはない。
このように、所定のエラーを検知したときは、所定のエラー報知を実行可能とし、所定のエラーの要因が除去されていない状況で、所定のエラー報知を解除するための操作、すなわち、リセットスイッチ153の操作が行われたときは、所定のエラー報知をいったん解除した後、再度、所定のエラー報知を実行可能とする。
これにより、リセットスイッチ153が正常に機能することを確認できるとともに、エラーの要因が除去されていないことを改めて知らせることができる。
図124は、セレクタ滞留エラーの要因を除去せずにリセットスイッチ153を操作したとき、セレクタ滞留エラーの要因を除去した後にリセットスイッチ153を操作したとき、及びフロントドア12を開放したまま解除スイッチを操作したときの動作態様を示すタイムチャートである。
図124中、「X31」のタイミングにおいて、メダルセレクタ110のメダル通路111でメダルMが詰まり、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままになると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留エラーを検知したと判断する。
そして、メイン制御基板50は、セレクタ滞留エラーを検知すると、セレクタ滞留報知として、セレクタ滞留エラーを示す「CE」を獲得数表示LED78に表示するとともに、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
また、サブ制御基板80は、セレクタ滞留コマンドを受信すると、セレクタ滞留報知として、スピーカ22から「係員を呼んでください」との音声を出力し、画像表示装置23に「セレクタ滞留エラー」の文字を表示する。
その後、図124中、「X32」のタイミングにおいて、フロントドア12が開放されて、ドアスイッチ17がオンになると、メイン制御基板50は、ドア開放を検知する。
ただし、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知の実行中は、ドア開放を検知しても、ドア開放報知を実行せず、セレクタ滞留報知を継続する。
また、メイン制御基板50は、ドア開放を検知すると、ドア開放コマンドをサブ制御基板80に送信する。
ただし、サブ制御基板80は、セレクタ滞留報知の実行中は、ドア開放コマンドを受信しても、ドア開放報知を実行せず、セレクタ滞留報知を継続する。
その後、図124中、「X33」のタイミングにおいて、メダルセレクタ110のメダル通路111にメダルMが詰まり、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままの状況で、すなわち、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を解除する。
また、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、エラー解除コマンドをサブ制御基板80に送信する。
そして、サブ制御基板80は、エラー解除コマンドを受信すると、スピーカ22及び画像表示装置23等により実行していたセレクタ滞留報知を解除する。
ただし、図124中、「X33」のタイミングで、セレクタ滞留報知をいったん解除するものの、その後、「X34」のタイミングで、セレクタ滞留報知を再度実行する。
具体的には、図124中、「X33」のタイミングにおいて、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を解除し、今度は、ドア開放報知を実行するように制御する。その後、図124中、「X34」のタイミングで、メイン制御基板50は、ドア開放報知を解除し、再度、セレクタ滞留報知を実行するように制御する。
すなわち、メイン制御基板50は、図124中、「X33」のタイミングで、獲得数表示LED78の表示を、セレクタ滞留エラーを示す「CE」から、フロントドア12の開放を示す「dE」に切り替えるように制御し、その後、「X34」のタイミングで、獲得数表示LED78の表示を、「dE」から「CE」に切り替えるように制御する。さらに、メイン制御基板50は、図124中、「X34」のタイミングで、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
また、図124中、「X33」のタイミングで、エラー解除コマンドを受信すると、サブ制御基板80は、セレクタ滞留報知を解除し、今度は、ドア開放報知を実行するように制御する。その後、図124中、「X34」のタイミングで、セレクタ滞留コマンドを受信すると、サブ制御基板80は、ドア開放報知を解除し、再度、セレクタ滞留報知を実行するように制御する。
すなわち、サブ制御基板80は、図124中、「X33」のタイミングで、スピーカ22からの音声出力を、「係員を呼んでください」から「扉が開いています」に切り替えるとともに、画像表示装置23の表示を、「セレクタ滞留エラー」から「ドア開放」に切り替えるように制御する。その後、「X34」のタイミングで、スピーカ22からの音声出力を、「扉が開いています」から「係員を呼んでください」に切り替えるとともに、画像表示装置23の表示を、「ドア開放」から「セレクタ滞留エラー」に切り替えるように制御する。
その後、図124中、「X35」のタイミングで、メダルセレクタ110のメダル通路111に詰まっているメダルMを取り除くと、すなわち、セレクタ滞留エラーの要因を除去すると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留エラーを検知しなくなる。ただし、セレクタ滞留エラーの要因を除去する(セレクタ滞留エラーを検知しなくなる)だけでは、セレクタ滞留報知は解除されない。
その後、図124中、「X36」のタイミングで、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を解除する。
また、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、エラー解除コマンドをサブ制御基板80に送信する。
そして、サブ制御基板80は、エラー解除コマンドを受信すると、スピーカ22及び画像表示装置23等により実行していたセレクタ滞留報知を解除する。
ただし、図124中、「X36」のタイミングでは、リセットスイッチ153が操作されて、セレクタ滞留報知が解除されても、フロントドア12は開放されたままであり、ドアスイッチ17はオンのままであるので、メイン制御基板50は、今度は、ドア開放報知を実行する。すなわち、メイン制御基板50は、獲得数表示LED78の表示を、セレクタ滞留エラーを示す「CE」から、フロントドア12の開放を示す「dE」に切り替えるように制御する。
また、図124中、「X36」のタイミングで、サブ制御基板80は、セレクタ滞留報知を解除すると、今度は、ドア開放報知を実行する。すなわち、サブ制御基板80は、スピーカ22からの音声出力を、「係員を呼んでください」から「扉が開いています」に切り替えるとともに、画像表示装置23の表示を、「セレクタ滞留エラー」から「ドア開放」に切り替えるように制御する。
その後、図124中、「X37」のタイミングにおいて、フロントドア12が開放されたままの状態で、すなわち、ドアスイッチ17がオンのままの状態で、ドアキーが反時計回りに回されて、解除スイッチが操作(オンに)されても、メイン制御基板50は、ドア開放報知を解除することなく継続して実行する。
また、メイン制御基板50は、フロントドア12が開放された(ドアスイッチ17がオンの)ままの状態で、解除スイッチが操作(オンに)されても、ドア開放報知の解除を示す報知解除コマンドをサブ制御基板80に送信しない。
このため、サブ制御基板80は、フロントドア12が開放された(ドアスイッチ17がオンの)ままの状態で、解除スイッチが操作(オンに)されても、ドア開放報知を解除することなく継続して実行する。
ここで、図124では、セレクタ滞留エラーを例に、エラーの要因を除去せずにリセットスイッチ153を操作したとき、及びエラーの要因を除去した後にリセットスイッチ153を操作したときの動作について説明したが、セレクタ通過エラー時、ホッパーエンプティエラー時、ホッパージャムエラー時についても、エラーの要因を除去せずにリセットスイッチ153を操作したとき、及びエラーの要因を除去した後にリセットスイッチ153を操作したときは、セレクタ滞留エラー時と同様に動作する。
たとえば、図124中、「X31」のタイミングにおいて、払出しセンサ37aがオフのままになり、かつ払出しセンサ37bがオンのままになったときは、メイン制御基板50は、ホッパージャムエラーを検知したと判断する。
そして、メイン制御基板50は、ホッパージャムエラーを検知すると、ホッパージャム報知として、ホッパージャムエラーを示す「HP」を獲得数表示LED78に表示するとともに、ホッパージャムエラーを示すホッパージャムコマンドをサブ制御基板80に送信する。
また、サブ制御基板80は、ホッパージャムコマンドを受信すると、ホッパージャム報知として、スピーカ22から「係員を呼んでください」との音声を出力し、画像表示装置23に「ホッパージャムエラー」の文字を表示する。
その後、図124中、「X32」のタイミングにおいて、フロントドア12が開放されて、ドアスイッチ17がオンになると、メイン制御基板50は、ドア開放を検知する。
ただし、メイン制御基板50は、ホッパージャム報知の実行中は、ドア開放を検知しても、ドア開放報知を実行せず、ホッパージャム報知を継続する。
また、メイン制御基板50は、ドア開放を検知すると、ドア開放コマンドをサブ制御基板80に送信する。
ただし、サブ制御基板80は、ホッパージャム報知の実行中は、ドア開放コマンドを受信しても、ドア開放報知を実行せず、ホッパージャム報知を継続する。
その後、図124中、「X33」のタイミングにおいて、ホッパー35内でメダルMが詰まったままの状況で、すなわち、ホッパージャムエラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、ホッパージャム報知を解除するように制御する。
また、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、エラー解除コマンドをサブ制御基板80に送信する。
そして、サブ制御基板80は、エラー解除コマンドを受信すると、スピーカ22及び画像表示装置23等により実行していたホッパージャム報知を解除するように制御する。
ただし、図124中、「X33」のタイミングで、ホッパージャム報知をいったん解除するものの、その後、「X34」のタイミングで、ホッパージャム報知を再度実行する。
具体的には、図124中、「X33」のタイミングで、ホッパージャムエラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、ホッパージャム報知を解除し、今度は、ドア開放報知を実行するように制御する。その後、図124中、「X34」のタイミングで、メイン制御基板50は、ドア開放報知を解除し、再度、ホッパージャム報知を実行するように制御する。
すなわち、メイン制御基板50は、図124中、「X33」のタイミングで、獲得数表示LED78の表示を、ホッパージャムエラーを示す「HP」から、フロントドア12の開放を示す「dE」に切り替えるように制御し、その後、「X34」のタイミングで、獲得数表示LED78の表示を、「dE」から「HP」に切り替えるように制御する。さらに、メイン制御基板50は、図124中、「X34」のタイミングで、ホッパージャムコマンドをサブ制御基板80に送信する。
また、図124中、「X33」のタイミングで、エラー解除コマンドを受信すると、サブ制御基板80は、ホッパージャム報知を解除し、今度は、ドア開放報知を実行するように制御する。その後、図124中、「X34」のタイミングで、ホッパージャムコマンドを受信すると、サブ制御基板80は、ドア開放報知を解除し、再度、ホッパージャム報知を実行するように制御する。
すなわち、サブ制御基板80は、図124中、「X33」のタイミングで、スピーカ22からの音声出力を、「係員を呼んでください」から「扉が開いています」に切り替えるとともに、画像表示装置23の表示を、「ホッパージャムエラー」から「ドア開放」に切り替えるように制御する。その後、「X34」のタイミングで、スピーカ22からの音声出力を、「扉が開いています」から「係員を呼んでください」に切り替えるとともに、画像表示装置23の表示を、「ドア開放」から「ホッパージャムエラー」に切り替えるように制御する。
その後、図124中、「X35」のタイミングで、ホッパー35内で詰まっているメダルMを取り除くと、すなわち、ホッパージャムエラーの要因を除去すると、メイン制御基板50は、ホッパージャムエラーを検知しなくなる。ただし、ホッパージャムエラーの要因を除去する(ホッパージャムエラーを検知しなくなる)だけでは、ホッパージャム報知は解除されない。
その後、図124中、「X36」のタイミングで、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、ホッパージャム報知を解除するように制御する。
また、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、エラー解除コマンドをサブ制御基板80に送信する。
そして、サブ制御基板80は、エラー解除コマンドを受信すると、スピーカ22及び画像表示装置23等により実行していたホッパージャム報知を解除するように制御する。
ただし、図124中、「X36」のタイミングでは、リセットスイッチ153が操作されて、ホッパージャム報知が解除されても、フロントドア12は開放されたままであり、ドアスイッチ17はオンのままであるので、メイン制御基板50は、今度は、ドア開放報知を実行するように制御する。すなわち、メイン制御基板50は、獲得数表示LED78の表示を、ホッパージャムエラーを示す「HP」から、フロントドア12の開放を示す「dE」に切り替えるように制御する。
また、図124中、「X36」のタイミングで、サブ制御基板80は、ホッパージャム報知を解除すると、今度は、ドア開放報知を実行するように制御する。すなわち、サブ制御基板80は、スピーカ22からの音声出力を、「係員を呼んでください」から「扉が開いています」に切り替えるとともに、画像表示装置23の表示を、「ホッパージャムエラー」から「ドア開放」に切り替えるように制御する。
その後、図124中、「X37」のタイミングにおいて、フロントドア12が開放されたままの状態で、すなわち、ドアスイッチ17がオンのままの状態で、ドアキーが反時計回りに回されて、解除スイッチが操作(オンに)されても、メイン制御基板50は、ドア開放報知を解除することなく継続して実行する。
また、メイン制御基板50は、フロントドア12が開放された(ドアスイッチ17がオンの)ままの状態で、解除スイッチが操作(オンに)されても、ドア開放報知の解除を示す報知解除コマンドをサブ制御基板80に送信しない。
このため、サブ制御基板80は、フロントドア12が開放された(ドアスイッチ17がオンの)ままの状態で、解除スイッチが操作(オンに)されても、ドア開放報知を解除することなく継続して実行する。
このように、所定のエラーを検知したときは、所定のエラー報知を実行可能とし、所定のエラーの要因が除去されていない状況で、所定のエラー報知を解除するための操作、すなわち、リセットスイッチ153の操作が行われたときは、所定のエラー報知をいったん解除した後、再度、所定のエラー報知を実行可能とする。
これにより、リセットスイッチ153が正常に機能することを確認できるとともに、エラーの要因が除去されていないことを改めて知らせることができる。
また、フロントドア12の開放(ドア開放)を検知したときは、ドア開放報知を実行可能とし、フロントドア12が開放された状態で、ドア開放報知を解除するための解除スイッチが操作(オンに)されても、ドア開放報知を解除することなく継続して実行可能とする。
これにより、フロントドア12が開放されたままであるにもかかわらず、何の報知も実行せずに不正が行われてしまうことを防止することができる。
なお、フロントドア12が開放されると、ドアスイッチ17がオンになり、ドア開放報知を実行するように構成したが、たとえば、フロントドア12が開放可能な状態になったことを検知すると、ドア開放報知を実行するように構成してもよい。
具体的には、フロントドア12のドアキー挿入口にドアキーを挿入し、この状態でドアキーを時計回りに回して、施錠が解除されると、フロンドドア12が開放可能な状態となるが、このとき、施錠が解除され、フロントドア12が開放可能な状態となったことをドアスイッチ17で検知するように構成してもよい。
そして、メイン制御基板50は、ドアスイッチ17がオンになることにより、フロントドア12の施錠が解除されて、フロントドア12が開放可能な状態になったことを検知したときは、フロントドア12が閉鎖されていても、ドア開放報知を実行するように構成してもよい。
この場合、フロントドア12を閉鎖して、施錠した後に、ドアキーを反時計回りに回して、解除スイッチを操作(オンに)すると、メイン制御基板50は、ドア開放報知を解除するように構成することができる。
さらにまた、メイン制御基板50は、ドアスイッチ17がオンになることにより、フロントドア12の施錠が解除されて、フロントドア12が開放可能な状態になったことを検知したときは、フロントドア12が閉鎖されていても、フロントドア12の開放を示すドア開放コマンドをサブ制御基板80に送信してもよい。
そして、サブ制御基板80は、ドア開放コマンドを受信したときは、フロントドア12が閉鎖されていても、スピーカ22及び画像表示装置23等により、ドア開放報知を実行するように構成してもよい。
すなわち、フロントドア12が開放されたこと又は開放可能となったことを検知したときは、ドア開放報知を実行可能とし、フロントドア12が開放された状態又は開放可能な状態で、ドア開放報知を解除するための操作(解除スイッチの操作)が行われても、ドア開放報知を解除することなく継続して実行可能とするように構成してもよい。
これにより、フロントドア12が開放された状態又は開放可能な状態であるにもかかわらず、何の報知も実行せずに不正が行われてしまうことを防止することができる。
図125は、セレクタ滞留エラーの要因を除去せずにリセットスイッチ153を操作したときの動作態様を示すタイムチャートであって、セレクタ滞留報知をいったん解除してから再度セレクタ滞留報知を実行可能とするまでの時間「T1」と、メダル投入口47から投入されたメダルMが投入センサ44aに検知された時から投入センサ44bに検知されなくなる時までの時間「T2」との関係を示すものである。
図125中、セレクタ滞留検知のオン/オフ、ドア開放検知のオン/オフ、セレクタ滞留報知のオン/オフ、ドア開放報知のオン/オフ、リセットスイッチ153のオン/オフ、及び解除スイッチのオン/オフについては、図123と同様である。
また、図125中の「X41」、「X42」、「X43」及び「X44」のタイミングは、図123中の「X21」、「X22」、「X23」及び「X24」のタイミングにそれぞれ相当する。
図125中、「X43」のタイミングにおいて、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知をいったん解除し、その後、「X44」のタイミングにおいて、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を再度実行するように制御する。
そして、「X43」から「X44」までの時間が、セレクタ滞留報知をいったん解除してから再度セレクタ滞留報知を実行可能とするまでの時間「T1」である。
また、図125中、「X43」の直前のタイミングで、メダル投入口47からメダルMが投入され、「X43」のタイミングで、当該メダルMが投入センサ44aによって検知されると仮定すると、その後、「X45」のタイミングで、当該メダルMが投入センサ44bによって検知されなくなる。
そして、「X43」から「X45」までの時間が、メダル投入口47から投入されたメダルMが投入センサ44aに検知された時から投入センサ44bに検知されなくなる時までの時間「T2」である。
また、「メダル投入口47から投入されたメダルMが投入センサ44aに検知された時」とは、メダル投入口47から投入されたメダルMが、メダルセレクタ110のメダル通路111を通り、ブロッカ45の通過を許可され、投入センサ44aに差し掛かり、投入センサ44aがオフからオンになった瞬間を意味する。
さらにまた、「メダル投入口47から投入されたメダルMが投入センサ44bに検知されなくなる時」とは、メダル投入口47から投入されたメダルMが、メダルセレクタ110のメダル通路111を通り、ブロッカ45の通過を許可され、投入センサ44aを通過し、投入センサ44bも通過して、投入センサ44bがオンからオフになった瞬間を意味する。
ここで、メダルMは、初速度「0」で、メダル投入口47から落下して、メダルセレクタ110のメダル通路111を通り、投入センサ44a、投入センサ44bの順に、これらを通過するときに、これらに検知されるものとする。また、ブロッカ45は、メダルMの通過を許可しているものとする。
すなわち、メダルMは、勢いをつけずに、メダル投入口47の位置で手から離されて、メダルセレクタ110のメダル通路111を通り、ブロッカ45の通過を許可され、投入センサ44a、及び投入センサ44bを順に通過し、このとき、投入センサ44a、及び投入センサ44bにそれぞれ検知されるものとする。
そして、第5実施形態では、「T1<T2」を満たすように構成されている。すなわち、セレクタ滞留報知をいったん解除してから再度セレクタ滞留報知を実行可能とするまでの時間「T1」は、メダル投入口47から投入されたメダルMが投入センサ44aに検知された時から投入センサ44bに検知されなくなる時までの時間「T2」より短くなるように構成されている。
たとえば、リセットスイッチ153を操作(オンに)するとともに、セレクタ滞留エラーが解除されたか否かを確認するために、メダル投入口47からメダルMを投入したとする。そして、図125中、「X43」のタイミングにおいて、セレクタ滞留報知が解除されると同時に、メダル投入口47から投入されたメダルMが投入センサ44aに検知されたとする。このとき、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていなければ、図125中、「X44」のタイミングにおいて、再度セレクタ滞留報知が実行され、その後、「X45」のタイミングにおいて、メダル投入口47から投入されたメダルMが投入センサ44bに検知されなくなる。
このため、メダル投入口47から投入されたメダルMは、投入センサ44a及び投入センサ44bを正常に通過することにはならないので、当該メダルMについては飲み込みが発生してしまうが、当該メダルMのベット数又はクレジット数への「1」加算処理が実行されないようにすることができる。
なお、図125では、セレクタ滞留エラーを例に、エラーの要因を除去せずにリセットスイッチ153を操作したときの動作について説明したが、セレクタ通過エラー時、ホッパーエンプティエラー時、ホッパージャムエラー時についても、エラーの要因を除去せずにリセットスイッチ153を操作したときは、セレクタ滞留エラー時と同様に動作する。
図126は、セレクタ滞留エラーの要因を除去せずにリセットスイッチ153を操作したときの動作態様を示すタイムチャートであって、セレクタ滞留報知をいったん解除してから再度セレクタ滞留報知を実行可能とするまでの時間「T1」と、デジット5を点灯させてからデジット1を点灯させるまでの時間「T3」との関係を示すものである。
第5実施形態においても、第2実施形態等と同様に、デジット1~デジット5を備える。
デジット1は、クレジット数(貯留数)表示LED76の上位桁に相当し、デジット2は、クレジット数表示LED76の下位桁に相当する。また、デジット3は、獲得数表示LED78の上位桁に相当し、デジット4は、獲得数表示LED78の下位桁に相当する。さらにまた、デジット5は、設定値表示LED73に相当する。
また、第2実施形態の図54に示すアドレス「F051(H)」は、LED表示カウンタ1(_CT_LED_DSP1)が記憶される1バイトの記憶領域である。
LED表示カウンタ1は、デジット1~デジット5のうち、いずれのデジットを点灯させるかを定めるためのカウンタであり、1割込みごとに更新され続ける。
また、LED表示カウンタ1の各ビットは、D0ビットがデジット1信号、D1ビットがデジット2信号、D2ビットがデジット3信号、D3ビットがデジット4信号、D4ビットがデジット5信号に割り当てられている。そして、一の割込み処理では、LED表示カウンタ1で「1」となっているビットに対応するデジットを点灯させるように、デジット1~デジット5のダイナミック点灯制御を実行する。
LED表示カウンタ1は、初期値として、「00010000(B)」の値をとる。そして、LED表示カウンタ1は、1割込みごとに、LED表示カウンタ1のビット「1」を一桁右シフトするように更新する。また、LED表示カウンタ1の値が「00000001(B)」になった次の割込みでは、LED表示カウンタ1は、一桁右シフトにより「00000000(B)」となるが、当該割込み時に、LED表示カウンタ1の初期化処理を行い、LED表示カウンタ1の値を「00010000(B)」にする。これにより、LED表示カウンタ1は、5割込みで1周期となる。
以上より、LED表示カウンタ1の値は、
「N」割込み目 :00010000(B)
「N+1」割込み目:00001000(B)
「N+2」割込み目:00000100(B)
「N+3」割込み目:00000010(B)
「N+4」割込み目:00000001(B)
「N+5」割込み目:00000000(B)→00010000(B)(初期化;「N」割込み目と同一値)
「N+6」割込み目:00001000(B)

となる。
第5実施形態においても、第2実施形態と同様に、5割込みが1周期となって、デジット1~デジット5をダイナミック点灯させる。
具体的には、LED表示カウンタ1の値が「00010000(B)」のときは、デジット5信号を出力する。そして、デジット5信号の出力により、デジット5(設定値表示LED73)が点灯可能(デジット1~デジット4は消灯)となる。
次の割込み処理時には、LED表示カウンタ1の値が「00001000(B)」となり、このとき、デジット4信号を出力し、デジット4(獲得数表示LED78の下位桁)が点灯可能(デジット1~デジット3及びデジット5は消灯)となる。
次の割込み処理時には、LED表示カウンタ1の値が「00000100(B)」となり、このとき、デジット3信号を出力し、デジット3(獲得数表示LED78の上位桁)が点灯可能(デジット1、デジット2、デジット4及びデジット5は消灯)となる。
次の割込み処理時には、LED表示カウンタ1の値が「00000010(B)」となり、このとき、デジット2信号を出力し、デジット2(クレジット数表示LED76の下位桁)が点灯可能(デジット1及びデジット3~デジット5は消灯)となる。
次の割込み処理時には、LED表示カウンタ1の値が「00000001(B)」となり、このとき、デジット1信号を出力し、デジット1(クレジット数表示LED76の上位桁)が点灯可能(デジット2~デジット5は消灯)となる。
図126中、セレクタ滞留検知のオン/オフ、ドア開放検知のオン/オフ、セレクタ滞留報知のオン/オフ、ドア開放報知のオン/オフ、リセットスイッチ153のオン/オフ、及び解除スイッチのオン/オフについては、図123と同様である。
また、図126中の「X51」、「X52」、「X53」及び「X54」のタイミングは、図123中の「X21」、「X22」、「X23」及び「X24」のタイミングにそれぞれ相当する。
図126中、「X53」のタイミングにおいて、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知をいったん解除し、その後、「X54」のタイミングにおいて、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を再度実行する。
そして、「X53」から「X54」までの時間が、セレクタ滞留報知をいったん解除してから再度セレクタ滞留報知を実行可能とするまでの時間「T1」である。
また、図126中、「X53」のタイミングにおいて、デジット5(設定値表示LED73)が点灯すると仮定すると、その後、「X55」のタイミングで、デジット1(クレジット数表示LED76の上位桁)が点灯する。
そして、「X53」から「X55」までの時間が、デジット5(設定値表示LED73)を点灯させてからデジット1(クレジット数表示LED76の上位桁)を点灯させるまでの時間「T3」である。
上述したように、第5実施形態では、一割込みごとに、デジット5~デジット1を順次点灯させるダイナミック点灯制御を実行する。また、デジット5を点灯させてからデジット1を点灯させるまでは4割込みである。よって、時間「T3」は、4割込みの時間(2.235ms×4=8.94ms)である。
そして、第5実施形態では、「T1<T3」を満たすように構成されている。すなわち、セレクタ滞留報知をいったん解除してから再度セレクタ滞留報知を実行可能とするまでの時間「T1」は、デジット5(設定値表示LED73)を点灯させてからデジット1(クレジット数表示LED76の上位桁)を点灯させるまでの時間「T3」より短くなるように構成されている。
ここで、図126中、「X53」のタイミングにおいて、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知をいったん解除して、ドア開放報知を実行するように制御する。このとき、メイン制御基板50は、獲得数表示LED78の表示を、セレクタ滞留エラーを示す「CE」から、フロントドア12の開放(ドア開放)を示す「dE」に切り替えるように制御する。その後、「X54」のタイミングにおいて、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を再度実行するように制御する。このとき、メイン制御基板50は、獲得数表示LED78の表示を「dE」から「CE」に切り替えるように制御する。そして、「X53」のタイミングにおいて、デジット5(設定値表示LED73)が点灯すると仮定すると、その後、「X55」のタイミングで、デジット1(クレジット数表示LED76の上位桁)が点灯する。すなわち、「X53」から「X55」までの間に、デジット5~デジット1が1回ずつ点灯する。
このため、「X53」のタイミングで獲得数表示LED78の表示を「CE」から「dE」に切り替え、その後、「X54」のタイミングで獲得数表示LED78の表示を「dE」から「CE」に切り替えるように制御するものの、「X53」から「X54」までの間には、獲得数表示LED78において、「dE」が1回だけ点灯するか、又は「dE」が1回も点灯しないこととなる。このため、獲得数表示LED78において「dE」が点灯したことを人間の目で確認することは困難であるので、セレクタ滞留エラーの要因が除去されたと誤認させてしまうことを防止することができる。
なお、図126では、セレクタ滞留エラーを例に、エラーの要因を除去せずにリセットスイッチ153を操作したときの動作について説明したが、セレクタ通過エラー時、ホッパーエンプティエラー時、ホッパージャムエラー時についても、エラーの要因を除去せずにリセットスイッチ153を操作したときは、セレクタ滞留エラー時と同様に動作する。
図127は、セレクタ滞留エラーの要因を除去せずにリセットスイッチ153を操作したときの動作態様を示すタイムチャートであって、セレクタ滞留報知をいったん解除してから再度セレクタ滞留報知を実行可能とするまでの時間「T1」と、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生した時から当該電源の供給が遮断される事象を検知する時までの期間の設計値「T4」との関係を示すものである。
図127中、セレクタ滞留検知のオン/オフ、ドア開放検知のオン/オフ、セレクタ滞留報知のオン/オフ、ドア開放報知のオン/オフ、リセットスイッチ153のオン/オフ、及び解除スイッチのオン/オフについては、図123と同様である。
また、図127中の「X61」、「X62」、「X63」及び「X64」のタイミングは、図123中の「X21」、「X22」、「X23」及び「X24」のタイミングにそれぞれ相当する。
図127中、「X63」のタイミングにおいて、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知をいったん解除し、その後、「X64」のタイミングにおいて、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を再度実行するように制御する。
そして、「X63」から「X64」までの時間が、セレクタ滞留報知をいったん解除してから再度セレクタ滞留報知を実行可能とするまでの時間「T1」である。
また、図127中、「X63」のタイミングで、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生したと仮定すると、その後、「X65」のタイミングで、電源の供給が遮断される事象を検知し、「X66」のタイミングで、電源断処理が実行される。
そして、「X63」から「X65」までの時間が、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生した時から当該電源の供給が遮断される事象を検知する時までの期間の設計値「T4」である。
また、「X65」から「X66」までの時間が、電源の供給が遮断される事象(電源断)を検知した時から電源断処理を実行するまでの時間「T5」である。
また、図127では、スロットマシン10の電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生したとき(たとえば、電源スイッチ11がオフにされたとき、電源プラグがコンセントから抜けたとき、ブレーカーが落ちたとき、停電が発生したとき等)の電圧レベルを示している。
図127において、電源がオンのときの電圧レベルを「V0」とする。また、電源の供給が遮断される事象が発生したことを検知可能となる電圧レベル(電源断検知レベル)を「V1」とする。電源電圧が電圧レベル「V0」の状態では、スロットマシン10は、正常に作動する。また、電源電圧が電圧レベル「V1」まで低下すると、電源の供給が遮断される事象が発生したことを検知可能となる。
図127では、「X63」のタイミングで、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生した例を示している。「X63」のタイミングで電源断が発生すると、「X65」のタイミングで、電源電圧が電圧レベル「V1」まで低下する。また、「X63」から「X65」までの時間が「T4」である。すなわち、電源断が発生すると、その後、時間「T4」で、電源電圧が電圧レベル「V1」まで低下する。
また、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生した時から、当該電源の供給が遮断される事象を検知する時までの期間は、20割込みの時間(2.235ms×20=44.7ms)以上となるように設計されている。
なお、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生した時から、当該電源の供給が遮断される事象を検知する時までの期間は、20割込みの時間に限らず、電圧監視装置(電源断検知回路)やメインCPU55の性能に応じて、適宜設定することができる。
メイン制御基板50上には、電圧監視装置(電源断検知回路)が設けられている。そして、電源電圧が電源断検知レベル「V1」以下になったときには、入力ポート51における所定のビットに電源断検知信号が入力され、その信号の入力があったか否かを検知することにより電源断を検知する。
また、電源電圧が電源断検知レベル「V1」からさらに低下し、メインCPU55の駆動限界電圧レベル未満になると、メインCPU55を駆動することができなくなる(メインCPU55の動作を保証できなくなる)。
メイン制御基板50は、電源電圧が駆動限界電圧レベル未満になると電源断処理を実行することができないので、「X63」のタイミングで電源断が発生したときは、「X66」のタイミングまでに、電源断処理を終了できるように設定している。
電源断の検知は、2.235msごとに実行される割込み処理内で実行するが、電源電圧が電源断検知レベル「V1」以下であることを2割込み連続で検知したときは、次の割込み処理で電源断処理を実行する。したがって、図127中、「X65」のタイミングは、電源電圧が電源断検知レベル「V1」以下であることを割込み処理で2回連続で検知したタイミングである。そして、メイン制御基板50は、次の割込み処理(図127中、「X66」のタイミング)で、電源断処理を実行する。
メイン制御基板50は、電源断処理において、RWM53の所定の記憶領域のデータをバックアップする。その後、電源の供給が再開される(電源がオンにされる、電源が投入される、電源断から復帰する)と、メイン制御手段50は、電源復帰処理を実行し、バックアップしたデータをRWM53の所定の記憶領域に復帰させる。これにより、電源断から復帰したときは、電源断検知時の状態に復帰させることができる。
また、図127では、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況でリセットスイッチ153が操作(オンに)されたタイミング(「X63」のタイミング)と、セレクタ滞留報知をいったん解除してから再度セレクタ滞留報知を実行するタイミング(「X64」のタイミング)とを図示している。
さらに、図127では、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生したタイミングと、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況でリセットスイッチ153が操作(オンに)されたタイミングとを一致させている。
そして、第5実施形態では、「T1<T4」を満たすように構成されている。すなわち、セレクタ滞留報知をいったん解除してから再度セレクタ滞留報知を実行可能とするまでの時間「T1」は、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生した時から当該電源の供給が遮断される事象を検知する時までの期間の設計値「T4」より短くなるように構成されている。
図127中、「X63」のタイミングにおいて、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知をいったん解除して、ドア開放報知を実行するように制御する。また、リセットスイッチ153の操作(オン)と略同時に、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生したとする。この場合、図127中、「X64」のタイミングで、再度セレクタ滞留報知を実行するように制御し、その後、「X65」のタイミングで、電源の供給が遮断される事象を検知し、その後、「X66」のタイミングで、電源断処理を実行する。
このため、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153の操作(オン)と略同時に、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生したときは、電源断を検知して電源断処理を実行する前に、再度セレクタ滞留報知を実行するように制御する。よって、電源断処理において、セレクタ滞留報知を実行中であることを示すデータをバックアップすることができるので、電源の供給が再開された(電源断から復帰した)ときに、セレクタ滞留報知を実行することができる。
なお、図127では、セレクタ滞留エラーを例に、エラーの要因を除去せずにリセットスイッチ153を操作したときの動作について説明したが、セレクタ通過エラー時、ホッパーエンプティエラー時、ホッパージャムエラー時についても、エラーの要因を除去せずにリセットスイッチ153を操作したときは、セレクタ滞留エラー時と同様に動作する。
図130は、ドア開放報知中に電源の供給が遮断され、その後、電源の供給が遮断された状態でフロントドア12を閉鎖し、その後、電源の供給を再開したときの動作態様を示すタイムチャートである。
図130において、電源の供給が遮断されたときとは、たとえば、電源プラグがコンセントから抜けたとき、ブレーカーが落ちたとき、停電が発生したとき等を意味する。
図130中、「X91」のタイミングで、フロントドア12が開放されると、メイン制御基板50は、ドア開放を検知したと判断する。
具体的には、図130中、「X91」のタイミングにおいて、フロントドア12が開放されると、ドアスイッチ17がオンになり、メイン制御基板50は、ドア開放を検知したと判断する。また、メイン制御基板50は、ドア開放を検知すると、ドア開放報知を実行する。具体的には、ドア開放報知として、獲得数表示LED78に、フロントドア12の開放を示す「dE」を表示する。
また、メイン制御基板50は、ドア開放を検知したときは、ドア開放コマンドをサブ制御基板80に送信する。そして、サブ制御基板80は、ドア開放コマンドを受信すると、ドア開放報知を実行する。具体的には、ドア開放報知として、スピーカ22から「扉が開いています」との音声を出力し、画像表示装置23に「ドア開放」の文字を表示する。
その後、図130中、「X92」のタイミングで、電源の供給が遮断される(たとえば、電源プラグがコンセントから抜ける、ブレーカーが落ちる、停電が発生する)と、メイン制御基板50もサブ制御基板80も動作しなくなることから、ドア開放報知も停止する。このとき、メイン制御基板50及びサブ制御基板80は、それぞれ、電源断処理を実行する。これにより、メイン制御基板50及びサブ制御基板80における所定の記憶領域のデータがバックアップされる。
その後、図130中、「X93」のタイミングで、電源の供給が遮断された状態でフロントドア12が閉鎖される。
その後、図130中、「X94」のタイミングで、電源の供給が再開されると、メイン制御基板50及びサブ制御基板80は、それぞれ、電源断復帰処理を実行する。これにより、電源断処理時にバックアップしたデータがメイン制御基板50及びサブ制御基板80における所定の記憶領域に復帰する。これにより、電源断検知時の状態に復帰する。このとき、フロントドア12は閉鎖され、ドアスイッチ17はオフになっているが、メイン制御基板50及びサブ制御基板80は、それぞれ、ドア開放報知を実行する。
その後、図130中、「X95」のタイミングで、ドアキーが反時計回り(フロントドア12の施錠解除時とは反対方向)に回されて、解除スイッチが操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、ドア開放報知を解除する。これにより、メイン制御基板50は、獲得数表示LED78に「dE」を表示する前の獲得数を表示するとともに、ドア開放報知の解除を示す報知解除コマンドをサブ制御基板80に送信する。
そして、サブ制御基板80は、報知解除コマンドを受信すると、スピーカ22及び画像表示装置23等により実行していたドア開放報知を解除する。
また、フロントドア12が開放されると、ドアスイッチ17がオンになり、ドア開放報知を実行するように構成したが、たとえば、フロントドア12が開放可能な状態になったことを検知すると、ドア開放報知を実行するように構成してもよい。
具体的には、フロントドア12のドアキー挿入口にドアキーを挿入し、この状態でドアキーを時計回りに回して、施錠が解除されると、フロンドドア12が開放可能な状態となるが、このとき、施錠が解除され、フロントドア12が開放可能な状態となったことをドアスイッチ17で検知するように構成してもよい。そして、フロントドア12が開放可能な状態となったことを検知すると、フロントドア12が閉鎖されていても、ドア開放報知を実行するように構成してもよい。
このように、電源が供給された状態で、フロントドア12が開放された状態又は開放可能な状態となったことを検知したときは、ドア開放報知を実行可能とする。また、ドア開放報知の実行中に電源の供給が遮断され、その後、電源の供給が遮断された状態でフロントドア12が閉鎖された場合において、電源の供給が再開されたときは、ドア開放報知を実行可能とする。
ここで、不正行為によりフロントドア12を開放し、その後、ドア開放報知の実行中に不正行為により電源の供給を遮断し、その後、電源の供給が遮断された状態でフロントドア12を閉鎖することにより、不正行為を隠そうとすることが考えられる。このような場合においても、上記の構成により、電源の供給が再開されたときは、フロントドア12が閉鎖されていても、ドア開放報知を実行可能とするので、上述したような不正行為を防止することができる。
図131は、ドア開放報知中に電源の供給が遮断され、その後、電源の供給が遮断された状態でフロントドア12を閉鎖し、その後、ドアキーを左に回した状態(解除スイッチを操作した状態)で電源の供給を再開したときの動作態様を示すタイムチャートである。
図131においても、図130と同様に、電源の供給が遮断されたときとは、たとえば、電源プラグがコンセントから抜けたとき、ブレーカーが落ちたとき、停電が発生したとき等を意味する。
図131中、「X101」のタイミングで、フロントドア12が開放されて、ドアスイッチ17がオンになると、メイン制御基板50は、ドア開放を検知したと判断する。そして、ドア開放報知として、獲得数表示LED78に、フロントドア12の開放を示す「dE」を表示する。
また、メイン制御基板50は、フロントドア12の開放を検知すると、ドア開放コマンドをサブ制御基板80に送信する。そして、サブ制御基板80は、ドア開放コマンドを受信すると、ドア開放報知として、スピーカ22から「扉が開いています」との音声を出力し、画像表示装置23に「ドア開放」の文字を表示する。
その後、図131中、「X102」のタイミングで、電源の供給が遮断されると、メイン制御基板50もサブ制御基板80も動作しなくなることから、ドア開放報知も停止する。このとき、メイン制御基板50及びサブ制御基板80は、それぞれ、電源断処理を実行し、所定の記憶領域のデータをバックアップする。
その後、図131中、「X103」のタイミングで、電源の供給が遮断された状態でフロントドア12が閉鎖される。
その後、図131中、「X104」のタイミングで、ドアキーが反時計回り(フロントドア12の施錠解除時とは反対方向)に回される。この状態は、図131中、「X105」のタイミングまで継続する。
その後、図131中、「X105」のタイミングにおいて、ドアキーが反時計回り(フロントドア12の施錠解除時とは反対方向)に回された状態で、電源の供給が再開される。このとき、ドアキーが反時計回りに回されているので、電源の供給が再開されると、解除スイッチがオンになる。このため、メイン制御基板50は、ドア開放報知を実行しない。また、メイン制御基板50は、ドア開放報知の解除を示す報知解除コマンドをサブ制御基板80に送信する。そして、サブ制御基板80は、報知解除コマンドを受信し、ドア開放報知を実行しない。
また、フロントドア12が開放されると、ドアスイッチ17がオンになり、ドア開放報知を実行するように構成するのではなく、たとえば、フロントドア12が開放可能な状態になったことを検知すると、ドア開放報知を実行するように構成してもよい。
すなわち、フロントドア12のドアキー挿入口にドアキーを挿入し、この状態でドアキーを時計回りに回して、施錠が解除されると、フロンドドア12が開放可能な状態となるが、このような状態となったことをドアスイッチ17で検知するように構成してもよい。そして、フロントドア12が開放可能な状態になったことを検知したときは、フロントドア12が閉鎖されていても、ドア開放報知を実行するように構成してもよい。
このように、電源が供給された状態で、フロントドア12が開放された状態又は開放可能な状態となったことを検知したときは、ドア開放報知を実行可能とする。また、ドア開放報知の実行中に電源の供給が遮断され、その後、電源の供給が遮断された状態でフロントドア12が閉鎖された場合において、その後、ドアキーが左回しに回された状態(解除スイッチが操作された状態)で電源の供給が再開されたときは、ドア開放報知を実行しないようにすることができる。
なお、ドア開放報知の実行中に、フロントドア12を閉鎖してドアスイッチ17をオフにし、この状態でドアキーを反時計回り(フロントドア12の施錠解除時とは反対方向)に回すと、解除スイッチがオンになり、ドア開放報知が解除されるように構成したが、たとえば、以下に示すように構成してもよい。
ドア開放報知の実行中に、フロントドア12を閉じてドアスイッチ17をオフにし、この状態でドアキーを反時計回り(フロントドア12の施錠解除時とは反対方向)に回して、解除スイッチをオフからオンにし、その後、ドアキーを元の位置に戻して、解除スイッチをオンからオフにすると、ドア開放報知が解除されるように構成してもよい。
この場合、フロントドア12の施錠を解除するときとは反対方向にドアキーを回し、その後、ドアキーを元の位置に戻す操作が、ドア開放報知を解除するための操作となる。
図132は、ドアキーを反時計回り(フロントドア12の施錠解除時とは反対方向)に回して、解除スイッチをオフからオンにし、その後、ドアキーを元の位置に戻して、解除スイッチをオンからオフにすると、ドア開放報知が解除されるように構成した場合における動作態様を示すタイムチャートである。
図132においても、図131と同様に、ドア開放報知中に電源の供給が遮断され、その後、電源の供給が遮断された状態でフロントドア12を閉鎖し、その後、ドアキーを左に回した状態(解除スイッチを操作した状態)で電源の供給が再開される。
また、図132においても、図130及び図131と同様に、電源の供給が遮断されたときとは、たとえば、電源プラグがコンセントから抜けたとき、ブレーカーが落ちたとき、停電が発生したとき等を意味する。
図132中、「X111」のタイミングで、フロントドア12が開放されて、ドアスイッチ17がオンになると、メイン制御基板50は、フロントドア12の開放(ドア開放)を検知したと判断する。そして、ドア開放報知として、獲得数表示LED78に、フロントドア12の開放を示す「dE」を表示する。
また、メイン制御基板50は、フロントドア12の開放を検知すると、ドア開放コマンドをサブ制御基板80に送信する。そして、サブ制御基板80は、ドア開放コマンドを受信すると、ドア開放報知として、スピーカ22から「扉が開いています」との音声を出力し、画像表示装置23に「ドア開放」の文字を表示する。
その後、図132中、「X112」のタイミングで、電源の供給が遮断されると、メイン制御基板50もサブ制御基板80も動作しなくなることから、ドア開放報知も停止する。このとき、メイン制御基板50及びサブ制御基板80は、それぞれ、電源断処理を実行し、所定の記憶領域のデータをバックアップする。
その後、図132中、「X113」のタイミングで、電源の供給が遮断された状態でフロントドア12が閉鎖される。
その後、図132中、「X114」のタイミングで、ドアキーが反時計回り(フロントドア12の施錠解除時とは反対方向)に回される。この状態は、図132中、「X116」のタイミングまで継続する。
その後、図132中、「X115」のタイミングにおいて、ドアキーが反時計回り(フロントドア12の施錠解除時とは反対方向)に回された状態で、電源の供給が再開される。このとき、メイン制御基板50及びサブ制御基板80は、それぞれ、電源断復帰処理を実行する。これにより、電源断処理時にバックアップしたデータがメイン制御基板50及びサブ制御基板80における所定の記憶領域に復帰する。これにより、電源断検知時の状態に復帰する。このとき、フロントドア12は閉鎖され、ドアスイッチ17はオフになっているが、メイン制御基板50及びサブ制御基板80は、それぞれ、ドア開放報知を実行する。
また、ドアキーが反時計回り(フロントドア12の施錠解除時とは反対方向)に回されているので、電源の供給が再開されると、解除スイッチがオンになるが、解除スイッチをオンにするだけでは、ドア開放報知を解除しないので、メイン制御基板50及びサブ制御基板80は、それぞれ、ドア開放報知を解除せずに継続する。
その後、図132中、「X116」のタイミングで、ドアキーが元の位置に戻されて、解除スイッチがオンからオフになると、メイン制御基板50は、ドア開放報知を解除する。これにより、メイン制御基板50は、獲得数表示LED78に「dE」を表示する前の獲得数を表示するとともに、ドア開放報知の解除を示す報知解除コマンドをサブ制御基板80に送信する。
そして、サブ制御基板80は、報知解除コマンドを受信すると、スピーカ22及び画像表示装置23等により実行していたドア開放報知を解除する。
また、フロントドア12が開放されると、ドアスイッチ17がオンになり、ドア開放報知を実行するように構成するのではなく、たとえば、フロントドア12が開放可能な状態になったことを検知すると、ドア開放報知を実行するように構成してもよい。
すなわち、フロントドア12のドアキー挿入口にドアキーを挿入し、この状態でドアキーを時計回りに回して、施錠が解除されると、フロンドドア12が開放可能な状態となるが、このような状態となったことをドアスイッチ17で検知するように構成してもよい。そして、フロントドア12が開放可能な状態になったことを検知したときは、フロントドア12が閉鎖されていても、ドア開放報知を実行するように構成してもよい。
このように、電源が供給された状態で、フロントドア12が開放された状態又は開放可能な状態となったことを検知したときは、ドア開放報知を実行可能とする。また、ドア開放報知の実行中に電源の供給が遮断され、その後、電源の供給が遮断された状態でフロントドア12が閉鎖された場合において、その後、ドアキーが反時計回り(フロントドア12の施錠解除時とは反対方向)に回された状態で電源の供給が再開されたときは、ドア開放報知を実行可能とするように構成することができる。そして、その後、ドアキーが元の位置に戻されて、解除スイッチがオンからオフになると、ドア開放報知を解除する。
これにより、不正行為によりフロントドア12を開放し、その後、ドア開放報知の実行中に不正行為により電源の供給を遮断し、その後、電源の供給が遮断された状態でフロントドア12を閉鎖することにより、不正行為を隠そうとしても、電源の供給が再開されたときは、フロントドアが閉鎖されていても、ドア開放報知を実行可能とするので、上述したような不正行為を防止することができる。
以上、本発明の第5実施形態について説明したが、本発明は、上述した内容に限定されるものではなく、たとえば以下のような種々の変形が可能である。
(1)第5実施形態では、フロントドア12が閉鎖された状態では、ドアスイッチ17がオフになり、フロンドドア12が開放された状態では、ドアスイッチ17がオンになるように構成したが、これに限らない。
たとえば、フロントドア12が閉鎖された状態では、ドアスイッチ17がオンになり、フロントドア12が開放された状態では、ドアスイッチ17がオフになるように構成することにより、フロントドア12の閉鎖/開放を検知するようにしてもよい。
(2)第5実施形態では、ドアスイッチ17がオンになることにより、フロントドア12の開放を検知したときは、フロントドア12の開放を示す報知(ドア開放報知)を実行したが、これに限らない。
たとえば、フロントドア12のドアキー挿入口にドアキーを挿入し、この状態でドアキーを時計回りに回すと、施錠が解除されるが、このとき、施錠が解除されたことをドアスイッチ17で検知するようにしてもよい。
そして、メイン制御基板50は、ドアスイッチ17がオンになることにより、フロントドア12の施錠が解除されたことを検知したときは、フロントドア12が閉鎖されていても、ドア開放報知を実行してもよい。
また、メイン制御基板50は、ドア開放報知として、たとえば、獲得数表示LED78に「dE」を表示することができる。
さらにまた、メイン制御基板50は、ドアスイッチ17がオンになることにより、フロントドア12の施錠が解除されたことを検知したときは、フロントドア12が閉鎖されていても、フロントドア12の開放を示すコマンド(ドア開放コマンド)をサブ制御基板80に送信してもよい。
そして、サブ制御基板80は、ドア開放コマンドを受信したときは、フロントドア12が閉鎖されていても、スピーカ22及び画像表示装置23等により、ドア開放報知を実行してもよい。
また、サブ制御基板80は、ドア開放報知として、たとえば、スピーカ22から「扉が開いています」との音声を出力したり、画像表示装置23に「ドア開放」の文字を表示することができる。
(3)第5実施形態では、ドアスイッチ17がオンになることにより、フロントドア12の開放を検知したときは、メイン制御基板50及びサブ制御基板80の双方で、フロントドア12の開放を示す報知(ドア開放報知)を実行したが、これに限らない。
ドアスイッチ17がオンになることにより、フロントドア12の開放を検知したときは、メイン制御基板50では、ドア開放報知を実行するが、サブ制御基板80では、ドア開放報知を実行しなくてもよい。
また、ドアスイッチ17がオンになることにより、フロントドア12の開放を検知したときは、メイン制御基板50では、ドア開放報知を実行せず、サブ制御基板80でのみ、ドア開放報知を実行してもよい。
この場合、メイン制御基板50は、ドアスイッチ17がオンになることにより、フロントドア12の開放を検知したときは、ドア開放報知を実行しないが、フロントドア12の開放を示すコマンド(ドア開放コマンド)をサブ制御基板80に送信してもよい。そして、サブ制御基板80は、ドア開放コマンドを受信すると、スピーカ22及び画像表示装置23等により、ドア開放報知を実行することができる。
(4)第5実施形態では、ドアスイッチ17は、メイン制御基板50と電気的に接続したが、これに限らず、サブ制御基板80と電気的に接続してもよい。
そして、サブ制御基板80は、ドアスイッチ17がオンになることにより、フロントドア12の開放を検知したときは、スピーカ22及び画像表示装置23等により、ドア開放報知を実行することができる。
また、スロットマシン10では、メイン制御基板50からサブ制御基板80に一方向でコマンドが送信される。このため、ドアスイッチ17をサブ制御基板80に電気的に接続し、フロントドア12の開放をサブ制御基板80で検知するようにした場合には、メイン制御基板50では、フロントドア12の開放を検知することができず、また、サブ制御基板80からドア開放コマンドを受信することもできない。よって、フロントドア12が開放されても、メイン制御基板50は、ドア開放報知を実行せず、また、ドア開放状態として遊技の進行を停止させることもない。すなわち、フロントドア12が開放された状態でも、メイン制御基板50は、遊技を進行させることが可能である。
(5)第5実施形態では、ドア開放報知の実行中に、フロントドア12を閉じてドアスイッチ17をオフにし、この状態でドアキーを反時計回り(フロントドア12の施錠解除時とは反対方向)に回して、解除スイッチをオフからオンにすると、ドア開放報知が解除されるように構成したが、これに限らない。
たとえば、ドア開放報知の実行中に、フロントドア12を閉じてドアスイッチ17をオフにし、この状態でドアキーを反時計回り(フロントドア12の施錠解除時とは反対方向)に回して、解除スイッチをオフからオンにし、その後、ドアキーを元の位置に戻して、解除スイッチをオンからオフにすると、ドア開放報知が解除されるように構成してもよい。
この場合、ドアキーを反時計回り(フロントドア12の施錠解除時とは反対方向)に回して、解除スイッチをオフからオンにするだけでは、ドア開放報知は解除されずに継続する。
そして、フロントドア12の施錠を解除するときとは反対方向にドアキーを回し、その後、ドアキーを元の位置に戻す操作が、ドア開放報知を解除するための操作となる。
(6)第5実施形態では、メダルセレクタ110とシュート部材120との間の透き間112の鉛直下方に、返却部材130の上縁部135を配置することにより、返却受入れ口131を配置しないように構成したが、これに限らない。
たとえば、図119に示すように、透き間112の鉛直下方より左側に、返却部材130の返却受入れ口131及び上縁部135を配置することにより、透き間112の鉛直下方に、返却受入れ口131を配置しないように構成してもよい。この場合、透き間112の鉛直下方には、返却部材130の上縁部135も配置されていない。
また、透き間112の鉛直下方に上縁部135が配置されていなくても、たとえば、透き間112の間隔「W」がメダルMの厚さ「T」よりわずかに狭い場合には、「1」枚のメダルMを透き間112に押し込むことにより、透き間112内に「1」枚のメダルMをとどまらせることができる。この場合、押し込んだ「1」枚のメダルMが透き間112から取り出せなくなってしまうこともない。
そして、透き間112に「1」枚のメダルMを押し込んだままフロントドア12を閉じると、そのときの衝撃で透き間112から「1」枚のメダルMが飛び出す場合を有する。このとき、透き間112の鉛直下方には返却受入れ口131が配置されていないので、透き間112から飛び出した「1」枚のメダルMは、返却受入れ口131内には落下せず、貯留受入れ口35a内に落下して、ホッパー35内に貯留されるようにすることができる。
また、透き間112の鉛直下方に上縁部135が配置されていなくても、たとえば、透き間112の間隔「W」がメダルMの厚さ「T」の2倍よりわずかに狭い場合には、「2」枚のメダルMを透き間112に押し込むことにより、透き間112内に「2」枚のメダルをとどまらせることができる。この場合、押し込んだ「2」枚のメダルMが透き間112から取り出せなくなってしまうことはない。
さらに、透き間112に「2」枚のメダルMを押し込んだままフロントドア12を閉じると、そのときの衝撃で透き間112から「2」枚のメダルMが飛び出す場合を有する。そして、透き間112に「1」枚のメダルMを押し込んだままフロントドア12を閉じたときと同様に、透き間112から飛び出した「2」枚のメダルMは、返却受入れ口131内には落下せず、貯留受入れ口35a内に落下して、ホッパー35内に貯留されるようにすることができる。
(7)第5実施形態では、メダルセレクタ110とシュート部材120との間の透き間112の鉛直下方に、返却部材130の上縁部135を配置したが、これに限らない。
たとえば、図120に示すように、透き間112の鉛直下方に、ふさぎ部材140を設け、このふさぎ部材140により、返却受入れ口131における、透き間112の鉛直下方に相当する部分をふさいでもよい。すなわち、返却受入れ口131における、透き間112の鉛直下方に相当する部分を、ふさぎ部材140でふさいでもよい。また、ふさぎ部材140は、略水平となるように構成することができる。
この場合、透き間112に入れたメダルMが、ふさぎ部材140の上に載るようにすることができる。そして、透き間112にメダルMを入れたままフロントドア12を閉じると、そのときの衝撃で透き間112からメダルMが落ちる。このとき、返却受入れ口131における、透き間112の鉛直下方に相当する部分が、ふさぎ部材140でふさがれているので、透き間112から落ちたメダルMは、返却受入れ口131内には落下せず、貯留受入れ口35a内に落下して、ホッパー35内に貯留されるようにすることができる。
(8)第5実施形態では、メダルセレクタ110とシュート部材120との間の透き間112の鉛直下方に、返却受入れ口131を配置しないように構成したが、これに限らず、たとえば、図121に示すように、透き間112の鉛直下方に、返却受入れ口131の一部を配置してもよい。
また、透き間112の鉛直下方に返却受入れ口131の一部を配置しても、たとえば、透き間112の間隔「W」がメダルMの厚さ「T」よりわずかに狭い場合には、「1」枚のメダルMを透き間112に押し込むことにより、透き間112内に「1」枚のメダルMをとどまらせることができる。この場合、押し込んだ「1」枚のメダルMが透き間112から取り出せなくなってしまうこともない。
そして、透き間112に「1」枚のメダルMを押し込んだままフロントドア12を閉じると、そのときの衝撃で透き間112から「1」枚のメダルMが飛び出す場合を有する。このとき、透き間112の鉛直下方に返却受入れ口131の一部が配置されているので、透き間112から飛び出した「1」枚のメダルMは、返却受入れ口131内に落下し、メダル返却通路132を通り、メダル払出し口16を通って、メダル受け皿19に誘導されるようにすることができる。
また、透き間112の鉛直下方に返却受入れ口131の一部を配置しても、たとえば、透き間112の間隔「W」がメダルMの厚さ「T」の2倍よりわずかに狭い場合には、「2」枚のメダルMを透き間112に押し込むことにより、透き間112内に「2」枚のメダルをとどまらせることができる。この場合、押し込んだ「2」枚のメダルMが透き間112から取り出せなくなってしまうことはない。
さらに、透き間112に「2」枚のメダルMを押し込んだままフロントドア12を閉じると、そのときの衝撃で透き間112から「2」枚のメダルMが飛び出す場合を有する。そして、透き間112に「1」枚のメダルMを押し込んだままフロントドア12を閉じたときと同様に、透き間112から飛び出した「2」枚のメダルMは、返却受入れ口131内に落下し、メダル返却通路132を通り、メダル払出し口16を通って、メダル受け皿19に誘導されるようにすることができる。
(9)第5実施形態では、メダル誘導通路121の幅「L1」、ねじ127の長さ「L2」、及びねじ127の幅「L3」について、「L1<L2」、かつ「L1<L3」を満たすように構成した。すなわち、ねじ127の長さ「L2」を、メダル誘導通路121の幅「L1」より長く(大きく)し、ねじ127の幅「L3」も、メダル誘導通路121の幅「L1」より太く(大きく)したが、これに限らない。
たとえば、「L1<L2」、かつ「L1>L3」を満たすように構成してもよい。すなわち、ねじ127の長さ「L2」は、メダル誘導通路121の幅「L1」より長い(大きい)が、ねじ127の幅「L3」は、メダル誘導通路121の幅「L1」より細く(小さく)してもよい。
これにより、ねじ127がフロントドア12の裏面から外れたときに、外れたねじ127がメダル誘導通路121内に入り込むようにすることができるので、外れたねじ127を紛失しないようにすることができる。
なお、上述したように、シュート部材120の所定位置には、シュート部材120をフロントドア12の裏面に係止させるための係止部が設けられている。そして、係止部によってシート部材120をフロントドア12の裏面に係止させた状態で、固定部126のねじ穴に通したねじ127によってシュート部材120をフロントドア12の裏面に固定する。このため、ねじ127が外れても、シュート部材120がフロントドア12の裏面から離れて落下することはない。
(10)第5実施形態では、一のメダルMが透き間112に入り込んだ状態では、他のメダルMがメダルセレクタ110からシュート部材120に向けて通過不可となるように構成したが、これに限らず、一のメダルMが透き間112に入り込んだ状態においても、他のメダルMがメダルセレクタ110からシュート部材120に向けて通過可能に構成してもよい。
これにより、透き間112に一のメダルMを入れたままフロントドア12を閉じた場合において、透き間112内に一のメダルMがとどまっても、他のメダルMがメダルセレクタ110からシュート部材120に向けて通過するのを妨げないので、遊技の進行を妨げないようにすることができる。
(11)第5実施形態では、デジット1~デジット5の5つのデジット(表示器)を備え、5割込みを1周期として、デジット5~デジット1を順次点灯させるダイナミック点灯制御を実行した。
しかし、これに限らず、たとえば、デジット1~デジット4の4つのデジットを備え、4割込みを1周期として、デジット4~デジット1をダイナミック点灯制御により順次点灯させるように構成してもよい。
すなわち、デジット(表示器)の個数は、5個に限らず、必要に応じて適宜設定することができる。また、ダイナミック点灯制御の周期も、5割込みに限らず、デジットの個数等に応じて適宜設定することができる。
(12)第5実施形態では、セレクタ滞留報知をいったん解除してから再度セレクタ滞留報知を実行可能とするまでの時間「T1」、及び電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生した時から当該電源の供給が遮断される事象を検知する時までの期間の設計値「T4」について、「T1<T4」を満たすように構成したが、逆に、「T1>T4」を満たすように構成してもよい。
図128は、セレクタ滞留エラーの要因を除去せずにリセットスイッチ153を操作したときの動作態様を示すタイムチャートであって、セレクタ滞留報知をいったん解除してから再度セレクタ滞留報知を実行可能とするまでの時間「T1」と、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生した時から当該電源の供給が遮断される事象を検知する時までの期間の設計値「T4」との関係を示すものである。
図128中、セレクタ滞留検知のオン/オフ、ドア開放検知のオン/オフ、セレクタ滞留報知のオン/オフ、ドア開放報知のオン/オフ、リセットスイッチ153のオン/オフ、及び解除スイッチのオン/オフについては、図123と同様である。
また、図128中の「X71」、「X72」及び「X73」のタイミングは、図123中の「X21」、「X22」及び「X23」のタイミングにそれぞれ相当する。
図128中、「X73」のタイミングにおいて、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知をいったん解除する。その後、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生しなければ、「X76」のタイミングにおいて、メイン制御基板50は、再度セレクタ滞留報知を実行可能とする。
そして、「X73」から「X76」までの時間が、セレクタ滞留報知をいったん解除してから再度セレクタ滞留報知を実行可能とするまでの時間「T1」である。
また、図128中、「X73」のタイミングで、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生したと仮定すると、その後、「X74」のタイミングで、電源の供給が遮断される事象を検知し、「X75」のタイミングで、電源断処理が実行される。
そして、「X73」から「X74」までの時間が、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生した時から当該電源の供給が遮断される事象を検知する時までの期間の設計値「T4」である。
また、「X74」から「X75」までの時間が、電源の供給が遮断される事象(電源断)を検知した時から電源断処理を実行するまでの時間「T5」である。
また、図128においても、図127と同様に、スロットマシン10の電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生したときの電圧レベルを示している。
図128において、電源がオンのときの電圧レベルを「V0」とする。また、電源の供給が遮断される事象が発生したことを検知可能となる電圧レベル(電源断検知レベル)を「V1」とする。
また、図128では、「X73」のタイミングで、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生した例を示している。「X73」のタイミングで電源断が発生すると、「X74」のタイミングで、電源電圧が電圧レベル「V1」まで低下する。また、「X73」から「X74」までの時間が「T4」である。
さらに、電源電圧が駆動限界電圧レベル未満になると電源断処理を実行することができないので、図128中、「X73」のタイミングで電源断が発生したときは、「X75」のタイミングまでに、電源断処理を終了するように設定している。
また、図128では、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況でリセットスイッチ153が操作(オンに)されたタイミング(「X73」のタイミング)と、セレクタ滞留報知をいったん解除した後、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生しなければ、再度セレクタ滞留報知を実行可能とするタイミング(「X76」のタイミング)とを図示している。
さらに、図128では、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生したタイミングと、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況でリセットスイッチ153が操作(オンに)されたタイミングとを一致させている。
そして、「T1>T4」を満たすように構成されている。すなわち、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生した時から当該電源の供給が遮断される事象を検知する時までの期間の設計値「T4」は、セレクタ滞留報知をいったん解除した後、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生しなければ、再度セレクタ滞留報知を実行可能とするまでの時間「T1」より短くなるように構成されている。
図128中、「X73」のタイミングにおいて、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知をいったん解除して、ドア開放報知を実行する。また、リセットスイッチ153の操作(オン)と略同時に、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生したとする。この場合、図128中、「X74」のタイミングで、電源の供給が遮断される事象が検知され、その後、「X75」のタイミングで、電源断処理が実行される。その後、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生しなければ、図128中、「X76」のタイミングで、再度セレクタ滞留報知が実行可能となる。
このため、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153の操作(オン)と略同時に、電源の供給が遮断される事象(電源断)が発生したときは、セレクタ滞留報知をいったん解除し、その後、セレクタ滞留報知を再度実行する前に、電源断を検知して電源断処理を実行する。よって、電源断処理において、セレクタ滞留報知の実行を示すデータをバックアップしないので、電源の供給が再開された(電源断から復帰した)ときに、セレクタ滞留報知を実行しないようにすることができる。
なお、図128では、「X75」のタイミングにおいて、セレクタ滞留報知ではなく、ドア開放報知を実行している。このため、電源断処理において、ドア開放報知を実行中であることを示すデータをバックアップするので、電源の供給が再開された(電源断から復帰した)ときは、ドア開放報知が実行される。
また、図128では、セレクタ滞留エラーを例に、エラーの要因を除去せずにリセットスイッチ153を操作したときの動作について説明したが、セレクタ通過エラー時、ホッパーエンプティエラー時、ホッパージャムエラー時についても、エラーの要因を除去せずにリセットスイッチ153を操作したときは、セレクタ滞留エラー時と同様に動作する。
(13)第5実施形態では、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作されると、セレクタ滞留報知をいったん解除し、その後、何の操作も要することなく、再度セレクタ滞留報知を実行したが、これに限らない。
たとえば、フロントドア12が開放され、かつセレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況において、リセットスイッチ153が操作されたときは、セレクタ滞留報知を解除してドア開放報知を実行し、その後、フロントドア12が閉鎖され、かつセレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況において、解除スイッチが操作されたときは、ドア開放報知を解除してセレクタ滞留報知を再度実行するように構成してもよい。
図129は、フロントドア12が開放され、かつセレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況でリセットスイッチ153が操作されたとき、及びフロントドア12が閉鎖され、かつセレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で解除スイッチが操作されたときの動作態様を示すタイムチャートである。
図129中、「X81」のタイミングにおいて、メダルセレクタ110のメダル通路111でメダルMが詰まり、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままになると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留エラーを検知したと判断する。
そして、メイン制御基板50は、セレクタ滞留エラーを検知すると、セレクタ滞留報知として、セレクタ滞留エラーを示す「CE」を獲得数表示LED78に表示するとともに、セレクタ滞留コマンドをサブ制御基板80に送信する。
また、サブ制御基板80は、セレクタ滞留コマンドを受信すると、セレクタ滞留報知として、スピーカ22から「係員を呼んでください」との音声を出力し、画像表示装置23に「セレクタ滞留エラー」の文字を表示する。
その後、図129中、「X82」のタイミングにおいて、フロントドア12が開放されて、ドアスイッチ17がオンになると、メイン制御基板50は、フロントドア12の開放を検知するが、セレクタ滞留報知の実行中は、ドア開放報知を実行せずに、セレクタ滞留報知を継続する。
また、メイン制御基板50は、フロントドア12の開放を検知すると、フロントドア12の開放を示すドア開放コマンドをサブ制御基板80に送信する。ただし、サブ制御基板80は、セレクタ滞留報知の実行中は、ドア開放コマンドを受信しても、ドア開放報知を実行せずに、セレクタ滞留報知を継続する。
その後、図129中、「X83」のタイミングにおいて、フロントドア12が開放され、かつセレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、セレクタ滞留報知を解除して、ドア開放報知を実行する。具体的には、獲得数表示LED78の表示を、セレクタ滞留エラーを示す「CE」から、フロントドア12の開放を示す「dE」に切り替える。
また、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、エラー解除コマンドをサブ制御基板80に送信する。そして、サブ制御基板80は、エラー解除コマンドを受信すると、セレクタ滞留報知を解除して、ドア開放報知を実行する。具体的には、スピーカ22からの音声出力を、「係員を呼んでください」から「扉が開いています」に切り替えるとともに、画像表示装置23の表示を、「セレクタ滞留エラー」から「ドア開放」に切り替える。
その後、図129中、「X84」のタイミングにおいて、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、フロントドア12が閉鎖されると、ドアスイッチ17がオフになる。これにより、メイン制御基板50は、フロントドア12の開放を検知しなくなる。ただし、ドア開放報知は、フロントドア12を閉じてドアスイッチ17をオフにしても解除されず、解除スイッチが操作(オンに)されるまで継続する。
その後、図129中、「X85」のタイミングにおいて、フロントドア12が閉鎖され、かつセレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、ドアキーが反時計回り(反時計回り)に回されて、解除スイッチが操作(オンに)されると、メイン制御基板50は、ドア開放報知を解除して、セレクタ滞留報知を実行する。具体的には、獲得数表示LED78の表示を、セレクタ滞留エラーを示す「dE」から、フロントドア12の開放を示す「CE」に切り替える。
また、メイン制御基板50は、解除スイッチが操作(オンに)されると、ドア開放報知の解除を示す報知解除コマンドをサブ制御基板80に送信する。そして、サブ制御基板80は、報知解除コマンドを受信すると、ドア開放報知を解除して、セレクタ滞留報知を実行する。具体的には、スピーカ22からの音声出力を、「扉が開いています」から「係員を呼んでください」に切り替えるとともに、画像表示装置23の表示を、「ドア開放」から「セレクタ滞留エラー」に切り替える。
ここで、図129では、セレクタ滞留エラーを例に、フロントドア12が開放され、かつエラーの要因が除去されていない状況でリセットスイッチ153が操作されたとき、及びフロントドア12が閉鎖され、かつエラーの要因が除去されていない状況で解除スイッチが操作されたときの動作について説明した。
しかし、これに限らず、セレクタ通過エラー時、ホッパーエンプティエラー時、ホッパージャムエラー時についても、フロントドア12が開放され、かつエラーの要因が除去されていない状況でリセットスイッチ153が操作されたとき、及びフロントドア12が閉鎖され、かつエラーの要因が除去されていない状況で解除スイッチが操作されたときは、セレクタ滞留エラー時と同様に動作する。
また、図129では、フロントドア12が開放されると、ドアスイッチ17がオンになり、ドア開放報知を実行するように構成したが、たとえば、フロントドア12が開放可能な状態になったことを検知すると、ドア開放報知を実行するように構成してもよい。
具体的には、フロントドア12のドアキー挿入口にドアキーを挿入し、この状態でドアキーを時計回りに回して、施錠が解除されると、フロンドドア12が開放可能な状態となるが、このとき、施錠が解除され、フロントドア12が開放可能な状態となったことをドアスイッチ17で検知するように構成してもよい。
そして、メイン制御基板50は、ドアスイッチ17がオンになることにより、フロントドア12の施錠が解除されて、フロントドア12が開放可能な状態になったことを検知したときは、フロントドア12が閉鎖されていても、ドア開放報知を実行するように構成してもよい。
この場合、フロントドア12を閉鎖して、施錠した後に、ドアキーを反時計回りに回して、解除スイッチを操作(オンに)すると、メイン制御基板50は、ドア開放報知を解除するように構成することができる。
このように、所定のエラーを検知したときは、所定のエラー報知を実行可能とする。その後、フロントドア12が開放されたこと又は開放可能となったことを検知し、かつ所定のエラーの要因が除去されていない状況で、所定のエラー報知を解除するための操作(リセットスイッチ153の操作)が行われたときは、所定のエラー報知をいったん解除した後、ドア開放報知を実行可能とする。その後、フロントドア12が閉鎖又は施錠され、かつ所定のエラーの要因が除去されていない状況で、ドア開放報知を解除するための操作(解除スイッチの操作)が行われたときは、ドア開放報知を解除した後、再度所定のエラー報知を報知可能とする。
これにより、リセットスイッチ153が正常に機能することを確認できるとともに、エラーの要因が除去されていないことを改めて知らせることができる。
加えて、フロントドア12が開放され、所定のエラーの要因が除去されていない状況において、リセットスイッチ153が操作されたときは、所定のエラー報知を解除してドア開放報知を実行することにより、フロントドア12が開放されていることを改めて知らせることができるので、不正行為を防止することができる。
(14)第5実施形態では、エラーの検知、エラー報知の実行、及びエラー報知の解除に関する処理は、割込み処理において実行する。
そして、同一の割込み処理において、エラー報知をいったん解除して、再度エラー報知を実行する場合を有する。
図123に示す例では、「X23」のタイミングで、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、セレクタ滞留報知を解除して、ドア開放報知を実行した。その後、「X24」のタイミングで、ドア開放報知を解除して、再度、セレクタ滞留報知を実行した。
しかし、同一の割込み処理において、セレクタ滞留報知を解除し、その後、再度、セレクタ滞留報知を実行する場合を有する。この場合、ドア開放報知は実行されない。
このように、割込み処理内におけるエラーの検知、エラー報知の実行、及びエラー報知の解除の順番によって、セレクタ滞留報知を解除し、その後、ドア開放報知を実行せずに、セレクタ滞留報知を再度実行する場合を有する。
また、一の割込み処理においては、エラーの検知、エラー報知の実行、及びエラー報知の解除に関する処理を、いずれか1つのみ実行する場合を有する。このような場合には、セレクタ滞留エラーの要因が除去されていない状況で、リセットスイッチ153が操作(オンに)されると、セレクタ滞留報知を解除して、ドア開放報知を実行し、その後、ドア開放報知を解除して、セレクタ滞留報知を再度実行する場合を有する。
(15)第5実施形態では、フロントドア12の裏面の所定位置に返却部材130を固定した状態では、上縁部135は、略水平となるように構成した。
しかし、これに限らず、上縁部135は、図113の紙面と垂直方向において、手前側から奥側に向けて高さが次第に低くなるように傾斜させてもよい。すなわち、上縁部135は、図113の紙面と垂直方向において、手前側の高さが高く、かつ奥側の高さが低くなるように傾斜させてもよい。
この場合、透き間112にメダルMを入れて、このメダルMを上縁部135の上に載せると、このメダルMには、図113の紙面と垂直方向の奥側に向かって滑ろうとする力が働く。すなわち、このメダルMには、フロントドア12の裏面方向に向かって滑ろうとする力が働く。このため、透き間112に入れて上縁部135に載せたメダルMは、透き間112内にとどまりやすくなる。よって、透き間112にメダルMを入れたままフロントドア12を閉じた場合、フロントドア12を閉じたときの衝撃が加わっても、透き間112からメダルMが落ちにくい。
そして、一のメダルMが透き間112内にとどまっている状態では、メダル投入口47から投入された他のメダルMが、透き間112内の一のメダルMに当たって止まる。このとき、他のメダルMがメダル通路111で滞留することにより、投入センサ44a及び投入センサ44bがオンのままになり、これにより、セレクタ滞留報知が行われるので、透き間112内にメダルMがとどまっていることを間接的に検知することができる。
また、上記とは逆に、上縁部135は、図113の紙面と垂直方向において、奥側から手前側に向けて高さが次第に低くなるように傾斜させてもよい。すなわち、上縁部135は、図113の紙面と垂直方向において、奥側の高さが高く、かつ手前側の高さが低くなるように傾斜させてもよい。
この場合、透き間112にメダルMを入れて、このメダルMを上縁部135の上に載せると、このメダルMには、図113の紙面と垂直方向の手前側に向かって滑ろうとする力が働く。すなわち、このメダルMには、フロントドア12の裏面とは反対方向(キャビネット13の内部方向)に向かって滑ろうとする力が働く。このため、透き間112に入れて上縁部135に載せたメダルMは、透き間112からキャビネット13の内部方向に向かって滑り落ちやすくなる。よって、透き間112に入れて上縁部135に載せたメダルMは、透き間112内にとどまりにくくなる。
(16)第5実施形態では、ホッパー35の上部の開口部を貯留受入れ口35aとした。そして、貯留受入れ口35aを、シュート部材120におけるホッパー35側の端部(メダル誘導通路121の下流側の端部)より下方に設けた。
しかし、これに限らず、たとえば、ホッパー35の側壁の上端縁を、シュート部材120におけるホッパー35側の端部(メダル誘導通路121の下流側の端部)より上方に配置してもよい。すなわち、ホッパー35の上部の開口部を、シュート部材120におけるホッパー35側の端部(メダル誘導通路121の下流側の端部)より上方に配置してもよい。
この場合、たとえば、ホッパー35の側壁の所定位置に、ホッパー35の側壁の上端から下方へ向けて切り欠いた凹部を設ける。また、この凹部の下端は、シュート部材120におけるホッパー35側の端部(メダル誘導通路121の下流側の端部)より下方に配置する。そして、この凹部を、シュート部材120によって誘導されたメダルMを受け入れる貯留受入れ口35aとすることができる。
この場合、フロントドア12を閉鎖した状態で、シュート部材120におけるホッパー35側の端部(メダル誘導通路121の下流側の端部)と、貯留受入れ口35aとされる凹部とが向き合うようにする。
また、フロントドア12を閉鎖したときに、シュート部材120におけるホッパー35側の端部(メダル誘導通路121の下流側の端部)付近が、貯留受入れ口35aとされる凹部の内側に挿入されるようにしてもよい。
(17)第1実施形態~第5実施形態、及び第1実施形態~第5実施形態で示した各種の変形例は、単独で実施されることに限らず、適宜組み合わせて実施することが可能である。
<第6実施形態>
第6実施形態は、エラー検知に関するものである。第6実施形態では、エラーを検知した後、所定条件を満たすまでは、当該エラーを解除できないようにしたものである。
以下の説明において、「エラー」とは、「復帰可能エラー」に相当し、「復帰不可能エラー」は含まない。
「復帰可能エラー」とは、電源をオン/オフすることなく、エラー要因を除去することができ、復帰させることが可能となるエラーである。
そして、以下では、エラーとして、ホッパーエラー、セレクタエラー、及びドア開放エラーを例示する。
ホッパーエラーとしては、たとえば、
「HP」エラー:ホッパー35のメダル詰まり(滞留)エラー
「HE」エラー:ホッパー35内のメダル空エラー
「H0」エラー:ホッパー35の払出しセンサ37の異常
が挙げられる。
なお、上記エラーがすべてのホッパーエラーという意味ではない。
「HP」エラーは、たとえば払出しセンサ37a及び/又は37bがメダルを検知した後(払出しセンサ37a及び/又は37bがオン)、所定期間を経過しても払出しセンサ37a及び/又は37bがオフにならなかった場合(常時オン状態となった場合)のエラーである。
「HE」エラーは、ホッパーモータ36が駆動し、払出し処理が実行されたが、払出しセンサ37a及び/又は37bがメダルを検知しない場合(払出しセンサ37a及び/又は37bがオフ)の場合のエラーである。具体的には、ホッパー35内のメダルがなくなった場合のエラーである。
「H0」エラーは、払出しセンサ37a及び37bのオン/オフのタイミングが基準値の範囲内にない場合、たとえば払出しセンサ37aがオンになってから払出しセンサ37bがオンになるまでの時間が基準時間以内におさまっていないような場合のエラーである。
また、セレクタエラーとしては、たとえば、
「CE」エラー:メダルセレクタのメダル滞留エラー
「CP」エラー:メダルセレクタ内のメダル不正通過エラー
「CH」エラー:メダルセレクタ内に配置されている通路センサ46の異常
「C0」エラー:メダルセレクタ内に配置されている投入センサ44の異常
「C1」エラー:メダル異常投入エラー
が挙げられる。
なお、上記エラーがすべてのセレクタエラーという意味ではない。
「CE」エラーは、2つの投入センサ44a及び44bのうち、下流側に位置する投入センサ44bがオンになった後(メダルを検知した後)、所定期間を経過しても投入センサ44bがオフにならない場合のエラーである。
「CP」エラーは、たとえば、投入センサ44aがオンになった後、投入センサ44bがオンになることなく投入センサ44aがオフになったような場合のエラーである。
「CH」エラーは、通路センサ46の異常を検知したときのエラーである。たとえば通路センサ46がメダルを検知した(通路センサ46がオンになった)後、所定時間を経過しても通路センサ46がオフにならないような場合のエラーである。
「C1」エラーは、通路センサ46、又は投入センサ44a若しくは44bの通過時間の異常を検知したときのエラーである。
さらにまた、ドア開放エラーは、「dE」エラーと称し、フロントドア12を開放したときに検知されるエラーである。フロントドア12を閉じ、ドアキーを所定方向に回してエラー解除操作を行うこと(後述)により解除される。
以下においてホッパーエラーと称するときは、上述したいずれかのホッパーに関するエラー、又は上述した以外のホッパーに関する何らかのエラーであるものとする。
同様に、以下においてセレクタエラーと称するときは、上述したいずれかのセレクタに関するエラー、又は上述した以外のセレクタに関する何らかのエラーであるものとする。
上記の「HP」、「CE」等のエラーは、獲得数表示LED78に表示される(メイン側でのエラー表示)。たとえばエラー発生前の獲得数表示LED78の表示が「*0」(「*」は消灯を示す。)であるとき、「HP」エラーが発生すると、獲得数表示LED78の表示は「*0」から「HP」に切り替わる。そして、「HP」エラーが解除されると、獲得数表示LED78の表示は「HP」から「*0」に戻る。
また、エラーが発生すると、その旨のコマンドがサブ制御基板80に送信される。サブ制御基板80は、エラーコマンドを受信すると、画像表示装置23に、受信したエラーコマンドに対応する画像表示を行い、かつ、スピーカ22からエラーに対応する音を出力し、演出ランプ21をエラーに対応する色で発光させる。
そして、エラーが解除されると、その旨のコマンドがサブ制御基板80に送信される。サブ制御基板80は、エラー解除コマンドを受信すると、画像表示装置23、スピーカ22、及び演出ランプ21の状態を、エラー発生前の状態に戻す。
なお、以下の例では、第1エラーであるホッパーエラーの発生中に、第2エラーであるセレクタエラーが発生した場合(図133)と、第1エラーであるセレクタエラーの発生中に、第2エラーであるホッパーエラーが発生した場合(図134)とを例示している。
ここで、セレクタエラーとホッパーエラーとが重複して発生することは、遊技中にはほとんど起こり得ない。具体的には、セレクタエラーが発生しているときにメダル払出し処理が実行されることは実際にはあり得ないためである。
また、ホッパーエラーが発生しているときはブロッカ45はオフになっているのでメダルが投入されても投入センサ44a及び44bの位置までメダルが到達しない。このため、ホッパーエラーが発生しているときに重ねてセレクタエラーが発生することは実際にはあり得ない。
しかし、たとえば第1に、ホッパーエラー(たとえば「HE」エラー)の発生中にメダルが投入され、何らかの原因によってブロッカ45を通り抜け(たとえばブロッカ45の駆動に不具合が生じた場合等)、投入センサ44a及び44bに到達するおそれがある。また、ホッパーエラーの発生中にメダル投入ゴト行為が行われ、メダル異常投入を検知する場合がある。
また第2に、セレクタエラーの発生中にホッパーゴト行為が行われ、払出しセンサ37の異常を検出する場合がある。
このように、ホッパーエラーが発生している間にセレクタエラーが発生する場合や、セレクタエラーが発生している間にホッパーエラーが発生するおそれがある。
そこで、第6実施形態では、上記事象も含めてエラー報知を制御する。
次に、第2実施形態で示したフローチャートを用いて、エラーの検知から報知までの流れを説明する。
メイン制御基板50は、図67のメイン処理(M_MAIN)において、ステップS274でメダルが投入されたと判断されるとステップS276に進み、メダル管理を実行する。この処理は、通路センサ46、投入センサ44a及び44bの検知に基づいて、セレクタエラーの有無を判断する。具体的には、図68の割込み処理(I_INTR)のステップS463(入力エラーチェック)において、割込み処理ごとにセレクタエラーが検知されたか否かを判断している。
メイン制御基板50は、セレクタエラーを検知すると、サブ制御基板80に対し、その旨のコマンドを送信する。サブ制御基板80は、当該コマンドを受信すると、セレクタエラーの報知を実行可能とする。
また、メイン制御基板50は、図67のメイン処理(M_MAIN)において、小役が入賞したと判断したときは、ステップS294においてメダル払出し処理を実行する。あるいは、メイン制御基板50は、ステップS276のメダル管理において精算スイッチ43が操作されたと判断したときは、精算処理に移行し、貯留メダルのメダル払出し処理を実行する。
メダル払出し処理中は、払出しセンサ37a及び37bにより、ホッパーエラーの有無を判断する。具体的には、図687の割込み処理(I_INTR)のステップS463(入力エラーチェック)において、割込み処理ごとにメダルのホッパーエラーが検知されたか否かを判断している。
メイン制御基板50は、ホッパーエラーを検知すると、サブ制御基板80に対し、その旨のコマンドを送信する。サブ制御基板80は、当該コマンドを受信すると、ホッパーエラーの報知を実行可能とする。
さらにまた、エラーの検知中やエラーの報知中に電源断が発生し、当該エラーに係るデータをバックアップする必要があるときは、図69の電源断処理(I_POWER_DOWN)において、たとえばステップS2772の処理前に、エラーに係るデータのバックアップ処理を実行する。
そして、電源が投入されると、図63の電源復帰処理(M_POWER_ON)におけるいずれかのタイミングにおいて、バックアップしたエラーに係るデータの読込みを実行し、電源断前の状態に復帰させる。
図133は、第6実施形態におけるエラー報知の例1を示すタイムチャートであり、それぞれ第1エラーの検知状況、第1エラーの報知状況、第2エラーの検知状況、及び第2エラーの報知状況を示している。
図133の例1では、第1エラーはホッパーエラーであり、第2エラーはセレクタエラーである。ただし、このエラーに限られるものではない。
エラー報知は、メイン制御基板50及びサブ制御基板80の双方で行われる。
メイン制御基板50は、獲得数表示LED78によりエラー報知を行う。たとえば上述したメダル滞留エラーを検知したときは、獲得数表示LED78に「CE」とセグ表示する。また、サブ制御基板80は、演出ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23によりエラー報知を行う。以下の例で示すエラー報知の「BGM」は、サブ制御基板80によるエラー報知音の出力に相当する。
まず、第1エラーの要因が発生した時には、他のエラーは発生していないものとする。第1エラーの要因が発生すると、メイン制御基板50により第1エラーが検知される。なお、この例では、第1エラーの要因が発生したタイミングと、第1エラーを検知したタイミングは、同時(タイムラグを有さない)であるものとする。実際には、エラーの要因が発生すると、その後に実行される割込み処理によってエラーが検知される(エラーが発生したと判断される)ので、最長で一割込み時間(たとえば「2.235」ms)のタイムラグが生じるが、ここでは当該タイムラグを無視するものとする。
上述したように、メイン制御基板50は、第1エラーを検知すると、第1エラーに係るエラーコマンドをサブ制御基板80に送信する。サブ制御基板80は、第1エラーに係るエラーコマンドを受信すると、第1エラーの報知を行う。
一方、メイン制御基板50は、第1エラーが検知されてからは、所定期間、第1エラーの解除操作を有効にしないように制御する。ここで、所定期間内であっても、第1エラーの要因の除去自体は可能である。ただし、所定期間内に第1エラーの要因が除去された場合であっても、所定期間を経過するまでは、第1エラーの解除操作を無効とする。なお、所定期間の経過後であっても第1エラーの要因を除去可能であるのはもちろんである。
このため、第1エラーの報知は、最低でも所定期間実行される。この所定期間内で、エラーに係るBGMが1ループするように構成されている。換言すれば、第1エラーの報知として、少なくともBGMが1ループすることとなる。サブ制御基板80は、BGMを出力するための音源データを記憶しており、この音源データの始めから終わりまでの再生がBGMの「1ループ」に相当する。
なお、所定期間の経過後も第1エラー解除操作が実行されないときは、第1エラーの報知は継続され、そのBGMは2ループ目に移行する。
ここで、「所定期間」の始期は、「第1エラーを検知した後の所定のタイミング」である。そして、「第1エラーを検知した後の所定のタイミング」とは、メイン制御基板50が第1エラーを検知した時、メイン制御基板50がエラー状態をセットした時、メイン制御基板50がエラーコマンドをサブ制御基板80に送信した時、サブ制御基板80がエラー報知を開始した時、等が挙げられる。本実施形態では、「第1エラーを検知した後の所定のタイミング」は、「第1エラーを検知した時」であるものとする。
以上より、第6実施形態において、「第1エラーを検知したとき」とは、「第1エラーの要因が発生したとき」であり、かつ、「第1エラーを検知した後の所定のタイミング」である。
所定期間の経過後、第1エラーの解除操作を行うときは、後述する第7実施形態で詳述するが、ドアキーDKをフロントドア12のドアキー挿入口160aに挿入し、反時計回りに45度回転させ、内部に設けられたリセットセンサ175(図147)をオンにすることにより行う。
なお、エラー解除操作は、ドアキーDKを反時計回りに回すことに限らず、種々の方法が挙げられる。たとえば図112に示したリセットスイッチ153を押すことをエラー解除操作とすることが挙げられる。
リセットセンサ175がオンを検知すると、検知した第1エラーの要因が除去されているか否かを判断する。所定期間が経過しており、かつ、第1エラーの要因が除去されていると判断したときは、メイン制御基板50側の第1エラーの報知を終了する。また、サブ制御基板80に対して第1エラーが解除された旨のコマンドを送信する。サブ制御基板80は、当該コマンドを受信すると、第1エラーの報知を終了する。これに対し、リセットセンサ175のオンを検知したが、第1エラーの要因が除去されていないと判断したときは、メイン制御基板50は、第1エラーの報知を継続する。また、サブ制御基板80に対しては、エラー解除コマンドを送信しない。これにより、サブ制御基板80側でも第1エラーの報知が継続される。
また、リセットセンサ175のオンを検知し、かつ、第1エラーの要因が除去されていると判断した場合であっても、所定期間を経過していないときは、メイン制御基板50は、第1エラーの報知を継続する。また、サブ制御基板80に対しては、エラー解除コマンドを送信しない。これにより、サブ制御基板80側でも第1エラーの報知が継続される。
なお、所定期間を経過したか否かの判断は、たとえば以下のようにして行う。まず、所定期間の開始のタイミングで、所定期間に相当するタイマ値をRWM53にセットし、割込み処理ごとに「1」減算する。そして、割込み処理ごとにタイマ値が「0」になったか否かを判断し、タイマ値が「0」でないと判断したときは所定期間を経過していないと判断し、タイマ値が「0」であると判断したときは所定期間を経過したと判断する。
図133の例では、第1エラーの要因が除去された後、所定期間を経過する前に第1エラーの解除操作(ドアキーDKを回す操作)が行われた例を示しているが、この場合の第1エラーの解除操作は無効であり、第1エラーの報知を終了させることができない。
所定期間の経過後に再度第1エラーの解除操作が行われると、当該解除操作は有効となるので、メイン制御基板50は、サブ制御基板80に対し、第1エラーが解除された旨のコマンドを送信する。サブ制御基板80は、当該コマンドを受信すると、第1エラーの報知を終了する。
また、図133の例1では、所定期間中に第2エラーの要因が発生した例を示している。この例1では、所定期間中は、他のエラーを検知しない。したがって、所定期間が経過する前に第2エラーの要因が発生しているが、所定期間中は第2エラーが検知されない。
このように制御する方法としては、所定期間中は、メイン処理を第2エラーの検知処理まで進まないようにすることが挙げられる。
なお、この例1では所定期間中は第2エラー(セレクタエラー)を検知しないが、他のエラーについては検知可能としてもよい。
第1エラーの所定期間が経過すると、メイン制御基板50は、第2エラーを検知し、その旨のコマンドをサブ制御基板80する。これにより、サブ制御基板80は、第2エラーの報知を実行する。したがって、第1エラーに対応する所定期間の終了と略同時に第2エラーの報知が行われる(第2エラーに対応する所定期間が開始する)。
このようにして、本実施形態では、第1エラーの報知と第2エラーの報知とを重複して実行しない。このため、第1エラーの報知が終了した後、第2エラーの報知が開始する。なお、第2エラーの報知開始前に第2エラーが検知されているのはもちろんである。
また、第2エラーの報知が開始されると、第2エラーの報知開始時から所定期間は、第2エラーの解除操作の無効期間となる。よって、この点は第1エラーの場合と同じである。このため、当該所定期間中は第2エラーを解除する(第2エラーの報知を終了する)ことができない。
第2エラーの報知は、第1エラーの報知と同様に、所定期間でBGMが1ループするように構成されている。このため、第2エラーの報知によって、少なくともBGMが1ループするように構成されている。
所定期間の経過後は、第2エラーの解除操作が可能となる。第2エラーの解除操作は第1エラーの解除操作と同様に、ドアキーDKを反時計回りに45度回す操作である。
第2エラーの要因が除去され、かつ、所定期間の経過後に第2エラーの解除操作が行われると、当該解除操作は有効となるので、メイン制御基板50は、メイン制御基板50側の第2エラーの報知を終了し、かつ、サブ制御基板80に対し、第2エラーが解除された旨のコマンドを送信する。サブ制御基板80は、当該コマンドを受信すると、第2エラーの報知を終了する。
以上のようにして、第1エラーが発生すると、第1エラーの報知は少なくとも所定期間行われる。また、第2エラーが発生すると、第2エラーの報知が少なくとも所定期間行われる。よって、第1エラーの発生後、第1エラーの報知が終了する前に第2エラーが発生しても、第1エラーの報知期間(所定期間)が短縮されることはない。
なお、第1エラーについては、第1エラーの要因が発生したと略同時に第1エラーが検知されるので、メイン制御基板50のRWM53中、エラーログ(履歴)には、第1エラーの検知時が第1エラーの発生日時として記憶される。
これに対し、第2エラーについては、第2エラーの検知時が第2エラーの発生日時として記憶される。したがって、厳密には、第2エラーが実際に発生した日時と、RWM53に記憶される発生日時(実際には検知日時)との間にはずれが生じる場合がある。
図134は、エラー報知の例2を示すタイムチャートである。例2において、図133の例1と相違する点は、第1エラーの所定期間中であっても第2エラーを検知する点である。また、例2では、第1エラーはセレクタエラーであり、第2エラーはホッパーエラーである。ただし、これらのエラーに限られるものではない。
図134において、第1エラーが検知された後、所定期間中に第2エラーの要因が発生すると、当該所定期間中であっても第2エラーを検知する。ただし、第1エラーの報知と重複して第2エラーの報知を実行しない。第1エラーの要因が除去され、第1エラーにおける所定期間が経過し、かつ、第1エラーの解除操作が行われると、第1エラーの報知を終了する。第1エラーの報知が終了すると、既に検知していた第2エラーの報知を開始する。第2エラーの報知を開始すると、第2エラーの報知期間として改めて所定期間が開始され、当該所定期間が経過するまでは第2エラーの解除操作は無効となる。第2エラーの要因が除去され、当該所定期間が終了し、かつ、第2エラーの解除操作が行われると、第2エラーの報知を終了する。
以上のようにして、第1エラーが発生すると、第1エラーの報知は少なくとも所定期間行われる。また、第2エラーが発生すると、第2エラーの報知が少なくとも所定期間行われる。よって、第1エラーの発生後、第2エラーが発生したからといって、第1エラーの報知期間(所定期間)が短縮されることはない。
図135は、エラー報知の例3を示すタイムチャートである。例3では、第1エラーはホッパーエラー又はセレクタエラーのいずれかである。あるいはこれら2つのエラー以外の復帰可能エラーであってもよい。
図135の例3では、第1エラーが検知された後、所定期間中にフロントドア12が開放され、ドア開放エラー(以下単に「ドアエラー」という。)が検知された例を示している。
第6実施形態では、ドアエラーは、所定期間中であっても検知可能とし、かつ報知可能とする。さらに、ドアエラーはいつでも(所定期間中であっても)解除可能であり、フロントドア12を閉じて解除操作が行われればその時点でドアエラーの報知が終了する。換言すれば、ドアエラーは、第1エラー等と異なり、一旦発生したら所定期間にわたって報知されるエラーではない。
フロントドア12が開放されるとドアスイッチ17がオンとなり、メイン制御基板50はフロントドア12の開放を検知する。メイン制御基板50はフロントドア12の開放を検知すると、メイン側でのエラー報知(「dE」の表示)を行い、かつ、その旨のコマンドをサブ制御基板80に送信する。サブ制御基板80は、当該コマンドを受信すると、ドアエラーを報知する。
上述したセレクタエラーやホッパーエラーが発生したときは、エラー要因を除去するため、ホール店員は、フロントドア12を開放するが、このときにフロントドア12の開放が検知され、ドアエラーが発生することとなる。
図135の例3では、第1エラーが検知された後、所定期間中にフロントドア12が開放されると、所定期間中であるか否かにかかわらず直ちにドアエラーが検知される。さらに、ドアエラーが検知されると、直ちにドアエラー報知が行われる。したがって、第1エラーの報知とドアエラーの報知とが重複して行われる。たとえば、第1エラーの報知に対応するBGMと、ドアエラー音(たとえば警報音や、「扉が開いています」を連呼する音声等)を重複して出力する。
ここで、ドアエラーを報知している間は、第1エラーの報知音量を通常時よりも低くしてもよい。あるいは、ドアエラーを報知している間は、第1エラーの報知を画像のみとし、音声出力をなくしてもよい。さらには、ドアエラーを報知している間は、第1エラーの報知を中断してもよい。
フロントドア12を閉じ、ドアエラーの解除操作を行うと、所定期間内であるか否かにかかわらず、フロントドア12が閉鎖されているか否かが判断され、フロントドア12が閉鎖されている(ドアエラーが解除された)と判断されると、ドアエラーの報知は終了する。したがって、第1エラーの報知のみが継続する。
第1エラーは、上記例と同様に、所定期間が経過するまでは解除することができず、所定期間の経過後に第1エラー解除操作を行うことにより解除可能ととなる。
なお、図135では図示していないが、第1エラーの所定期間の経過後かつ第1エラーの要因除去後にフロントドア12を閉鎖し、ドアエラー解除操作を行ったときは、ドアエラーの報知及び第1エラーの報知の双方を終了してもよい。この場合、ドアエラーの解除操作は第1エラーの解除操作を兼ねることとなる。
図136は、第1エラーの発生中に電源断(電源の供給を遮断する事象)が発生した例4を示すタイムチャートである。
この例では、「所定期間=時間t1+時間t2」であるものとし、第1エラーが検知され、所定期間が開始された後、時間t1経過時に電源断が発生したものとする。
第1エラーが検知されたことにより第1エラーの報知が行われるが、電源断が生じると、やがて電源が供給されなくなることから、第1エラーの報知も中断する。
ここで、本実施形態では、所定時間のうちの時間t1を経過したことを示すデータをバックアップデータとして電源断処理時にRWM53に記憶しておく。
電源断後、電源が投入されると、(電源断前にエラーを検知していたか否かにかかわらず)電源断前の状態に復帰する。電源断前にエラーを検知していたときは、図42に示す電源復帰処理の終了後、電源断時にバックアップされた時間t1に関するデータが読み込まれ、所定のタイミングで第1エラーの報知が再開される。
そして、電源断からの復帰後は、時間t2を経過するまで第1エラーの解除操作を無効とする。これにより、電源断の発生前後合算で、第1エラーの報知期間(所定期間)、換言すれば第1エラーの操作解除の無効期間を確保することができる。このようにすることで、第1エラーが検知された後、たとえばゴト行為により電源断されても、当該電源断からの復帰後に、第1エラー報知を行うことができ、かつ、電源断の発生前後合わせて所定期間を確保することができる。
電源断からの復帰後に第1エラーの報知が再開されると、当該報知が再開されてから時間t2を経過するまでは第1エラーを解除することができない。時間t2の経過後は、第1エラーの要因が除去されていれば、第1エラーを解除可能となる。
図137の例5は、第1エラーの発生中に電源断が発生したときの例を示すタイムチャートであり、図136の変形例である。
この例では、所定期間中の時間t1経過時に電源断が発生した場合に、時間t1に関するデータをバックアップしない。
そして、電源断からの復帰後は、第1エラーの要因が除去されていることを条件に、電源断からの復帰後における第1エラーの報知時間が時間t2未満であっても第1エラーの報知を解除可能とする。このようにして、電源断からの復帰後は第1エラーの報知を再開するものの、電源断前後合わせて所定時間を確保しないようにしてもよい。
このように制御する場合には、たとえば、電源断からの復帰時に、所定期間の残り時間に相当するタイマ値としてRWM53に「0」が記憶されるようにする。このため、電源断からの復帰後に、第1エラーの要因が除去されていれば、第1エラーの解除操作を行うとすぐに第1エラーの報知を終了することができる。
次に、セレクタエラーとホッパーエラーの種々の発生状況と、その場合の報知態様の具体例について説明する。以下の説明において、セレクタエラー1は、メダルの逆流が発生したことによるエラーである。たとえば投入センサ44b(下流側)が最初にメダルを検知した後に投入センサ44a(上流側)がメダルを検知したときには、メダルの逆流が発生したと判断され、セレクタエラー1となる。
また、セレクタエラー2は、メダルの滞留が発生したことによるエラーである。たとえば投入センサ44a及び/又は44bは、メダルの通過に従ってオフ→オン→オフとなるが、オン状態が所定時間持続したような場合に相当する。
そして、以下の例では、最初にセレクタエラー1が発生した後、その直後にセレクタエラー2が発生した例を挙げている。
ここで、メダルの逆流が発生したとき(ゴト行為による不正なメダル投入を含む)は、投入センサ44の異常を検知することによりセレクタエラー1(逆流)となるが、メダルの逆流が発生すると、通常はメダルセレクタ内でメダル詰まりが発生する。したがって、発生したメダル詰まりを除去することにより、セレクタエラー1の要因が除去される。
セレクタエラー2(滞留)が発生したときも同様に、メダルセレクタ内でメダル詰まりが発生するので、その詰まったメダルを除去することによりセレクタエラー2の要因が除去される。
また、ホッパーエラーがたとえばホッパーエンプティエラーである場合には、ホッパーにメダルを補充することにより当該ホッパーエラー要因が除去される。また、ホッパーエラーがたとえばホッパー出口のメダル詰まりである場合には、詰まったメダルを除去することにより当該ホッパーエラー要因が除去される。
さらにまた、ホッパーエラーがたとえば払出しセンサ37aの異常(ゴト行為による不正な払出しを含む)である場合には、当該ホッパーエラーの要因を除去する操作はなく、エラー解除操作が行われた後、再度、払出しセンサ37の異常の有無が判断される。
なお、以下の例では、エラーの解除不能期間(上記の「所定時間」に相当)であるか否かにかかわらず、エラー解除操作が行われた時点では、当該エラーの要因は除去されている(当該エラーは発生していない)ものとする。
さらにまた、「エラー解除操作」とは、ドアキーDKを反時計回りに45度回す操作に相当する(ただし、上述したように、リセットスイッチ153をオンにする操作等でもよい。)。
図138(a)は、エラー報知の例6を示すタイムチャートである。
この例では、まず、セレクタエラー1の要因が発生し、その直後にセレクタエラー2が発生している。この場合、最初に発生したセレクタエラー1に基づいて、セレクタエラー1の報知を実行する。セレクタエラー1の報知が開始されると、「(エラー)解除不能期間1」(本例では「5秒間」)中は、セレクタエラー解除操作が実行されてもセレクタエラー1の報知は終了しない。
さらに、セレクタエラー1の報知中であって解除不能期間1中に、ホッパーエラーの要因が発生している例を示している。上述したように、セレクタエラーが発生した後は遊技の進行は中断されているのでメダルの払出しは実行されないのでホッパーエラーが発生することは想定しにくいが、たとえばゴト行為によりメダルの払出しが強制的に実行されるおそれがあり、そのような場合にはホッパーエラーとなる。
以上より、セレクタエラー1の報知中(解除不能期間1中)に、セレクタエラー1、セレクタセラー2、ホッパーエラーの3つが重なっている。
そして、最初の解除不能期間1中に、セレクタエラーの要因が除去され、セレクタエラー解除操作が行われたときは、その解除操作は無効であるので、セレクタエラー1の報知は終了しない。
次に、セレクタエラー1の報知開始から5秒経過時にセレクタエラー解除操作が実行されると、その操作は有効であるので、セレクタエラー1の報知が終了する。
なお、解除不能期間の5秒後に実行されるエラー解除操作は、5秒を経過していればいつでもよい(他も解除不能期間も同様である)。
セレクタエラーの解除操作(有効)が実行され、セレクタエラー1の報知が終了すると、次に、セレクタエラー2の報知に切り替わる。このセレクタエラー2を報知する解除不能期間2も、改めて「5秒」間継続される。したがって、セレクタエラー2の要因が発生してから5秒以上経過しており、かつ、セレクタエラー2の要因が除去されているとしても、解除不能期間2が終了するまでは、セレクタエラー2の報知を終了できない。
セレクタエラー2の報知開始から5秒経過時にセレクタエラー解除操作が実行されると、その操作は有効であるので、セレクタエラー2の報知が終了する。セレクタエラー2の報知が終了すると、次に、ホッパーエラーの報知に切り替わる。このホッパーエラーを報知する解除不能期間3も、改めて「5秒」間継続される。したがって、ホッパーエラーの要因が発生してから5秒以上経過しており、かつ、ホッパーエラーの要因が除去されているとしても、解除不能期間3が終了するまでは、ホッパーエラーの報知を終了できない。
ホッパーエラーの報知開始から5秒経過時にホッパーエラーの解除操作が実行されると、その操作は有効であるので、ホッパーエラーの報知が終了する。
以上のようにして、3つのエラーが重なっても、各エラーごとに「5秒」間のエラー報知が実行され、それぞれの「5秒」間は、解除不能期間となっている。
図138(b)は、(a)の変形例を示すタイムチャートである。
図138(b)の例は、図138(a)において、最初のセレクタエラー1の報知から「20秒」経過後にセレクタエラーの解除操作を実行した場合を示している。
この場合、セレクタエラーの解除操作は、セレクタエラー1の報知から「20」秒を経過しているので、最初の解除不能期間1(「5秒」)を過ぎている。したがって、エラー解除操作によりセレクタエラー1の報知が終了することは、図138(a)と同じである。
ただし、解除不能期間1の経過後、何秒経過してからエラー解除操作を実行しても、他の解除不能期間(解除不能期間2や解除不能期間3)がキャンセルされたり、他の解除不能期間(解除不能期間2や解除不能期間3)が短縮されたりすることはない。
したがって、セレクタエラー1の報知から「20」秒を経過した後にセレクタエラーの解除操作を行っても、セレクタエラー1の報知は終了するが、次に、セレクタエラー2の報知が開始される。そして、セレクタエラー2の報知は、「5秒」間の解除不能期間2を有するので、この解除不能期間2中にセレクタエラーの解除操作を行っても無効となる。解除不能期間2の「5秒」の経過後にセレクタエラーの解除操作を実行すると、その解除操作は有効となり、セレクタエラー2の報知が終了する。ただし、その後はホッパーエラー報知が実行される。
図139は、エラー報知の例7を示すタイムチャートである。
この例7では、最初の解除不能期間である「5秒」以内に、複数のエラーが発生した場合には、解除不能期間が5秒を超えて継続する例である。
図139の例では、最初にホッパーエラーの要因が発生し、ホッパーエラー報知が行われる。次に、ホッパーエラー報知から「5秒」を経過する前に、セレクタエラー1(逆流)及びセレクタエラー2(滞留)が発生している。
この場合、ホッパーエラー報知の開始から「5秒」経過後にホッパーエラーの解除操作を実行しても、ホッパーエラー報知を終了できないようにしている。そして、この例7では、ホッパーエラー報知から10秒を経過すると、ホッパーエラーの解除操作が有効となるように構成されている。
なお、この例7では、ホッパーエラーの解除操作が有効となるまでの期間を「10秒」としたが、これに限らず、「15秒」であってもよい。「15秒」とすれば、「ホッパーエラーの報知の解除不能期間(5秒)+セレクタエラー1の報知の解除不能期間(5秒)+セレクタエラー2の報知の解除不能期間(5秒)」と等しくなる。
また、ホッパーエラーが報知された後、10秒が経過したときに、ホッパーエラー、セレクタエラー1、及びセレクタエラー2のすべての要因を除去した上で、エラーの解除操作を実行すると、ホッパーエラーの報知を終了する。さらには、ホッパーエラーの報知終了後に、セレクタエラー1の報知やセレクタエラー2の報知を実行しない。
この例7のように、最初のエラーの報知期間中に他のエラーが累積的に発生した場合に、十分なエラーの報知期間を確保したときは、最初のエラー解除操作が実行されれば、他のエラーの報知を実行することなく、正常状態に復帰してもよい。なお、エラー解除操作が実行され、エラー報知を終了するときには、すべてのエラーの要因が除去されている必要があるのはもちろんである。
図140は、エラー報知の例8を示すタイムチャートである。
この例8は、最初にホッパーエラーの要因が発生し、ホッパーエラーが報知された後、最初の解除不能期間1(5秒)内に、セレクタエラー1(逆流)及びセレクタエラー2(滞留)が発生した例である。すなわち、エラーの発生状況は、図139の例7と同一である。
この例では、最初の解除不能期間1(5秒)は、ホッパーエラーに対応する期間であり、この解除不能期間1中にホッパーエラーの解除操作が実行されてもホッパーエラーの報知は終了しない。
解除不能期間1の経過後、ホッパーエラーの解除操作が行われると、その解除操作は有効になり、ホッパーエラーの報知を終了する。ホッパーエラーの報知が終了すると、次のセレクタエラー1の報知(解除不能期間2(5秒))に移行する。
解除不能期間2(5秒)は、セレクタエラー1に対応する期間であり、この解除不能期間2中にセレクタエラーの解除操作が実行されてもセレクタエラー1の報知は終了しない。
解除不能期間2の経過後、セレクタエラーの解除操作が行われると、その解除操作は有効になり、セレクタエラー1の報知を終了する。セレクタエラー1の報知が終了すると、次にセレクタエラー2報知(解除不能期間3(5秒))に移行する。
解除不能期間3(5秒)は、セレクタエラー2に対応する期間であり、この解除不能期間3中にセレクタエラーの解除操作が実行されてもセレクタエラー2の報知は終了しない。
解除不能期間3の経過後、セレクタエラーの解除操作が行われると、その解除操作は有効になり、セレクタエラー2の報知を終了する。
次に、セレクタエラー2の報知が終了すると、ホッパーエラーの報知をもう一度実行する(2回目)。なお、この時点ではホッパーエラーは発生していない。最初に発生したホッパーエラーをもう一度報知することにより注意喚起を行うものである。
そして、2回目のホッパーエラーの報知は、解除不能期間4(5秒)の間継続する。解除不能期間4の間にエラー解除操作が実行されても2回目のホッパーエラーの報知は終了しない。解除不能期間4の経過後、エラーの解除操作が行われると、その解除操作は有効になり、2回目のホッパーエラーの報知を終了する。2回目のホッパーエラーの報知が終了すると、正常に復帰する。
以上のようにして、その時点ではエラーは発生していないが(エラーの要因が除去されているが)、注意喚起等のために、最初に発生したエラーを改めて報知してもよい。
図141の例9は、図140と同様に、ホッパーエラー、セレクタエラー1、セレクタエラー2の順にエラーが発生した状況を示すタイムチャートである。
図141の例9では、最初にホッパーエラーの要因が発生し、ホッパーエラーの報知が行われ、このホッパーエラーの報知中に、ホッパーエラーの要因が除去され、かつ、セレクタエラーの要因も除去された例である。
解除不能期間1内に、すべてのエラー要因が除去された場合に、解除不能期間1の経過後にホッパーエラーの解除操作を行うと、ホッパーエラーの報知が終了し、次のセレクタエラー1の報知を開始する。すなわち、この時点でセレクタエラーの要因は除去されているが、セレクタエラー1が発生したことに基づいて、その時点でセレクタエラーの要因が除去されているか否かにかかわらず、セレクタエラー1を報知し、解除不能期間2が経過するまで当該報知を継続する。解除不能期間2が経過するまでは、エラーの解除操作が実行されても無効となる。
解除不能期間2の経過後、エラーの解除操作を行うと、セレクタエラー1の報知が終了し、次のセレクタエラー2の報知を開始する。上記と同様に、この時点でセレクタエラーの要因は除去されているが、セレクタエラー2が発生したことに基づいて、その時点でセレクタエラーの要因が除去されているか否かにかかわらず、セレクタエラー2を報知し、解除不能期間3が経過するまで当該報知を継続する。解除不能期間3が経過するまでは、エラーの解除操作が実行されても無効となる。
解除不能期間3の経過後、エラーの解除操作を行うと、セレクタエラー2の報知が終了し、正常状態に復帰する。
このようにして、その時点でエラー要因が除去されているか否かにかかわらず、発生したエラー順に、解除不能期間を有するエラー報知を行ってもよい。
以上、本発明の第6実施形態について説明したが、本発明は、上述した内容に限定されるものではなく、たとえば以下のような種々の変形が可能である。
(1)図136の例において、電源断からの復帰後に、第1エラーの報知を改めて所定期間継続することも可能である。すなわち、電源断からの復帰後の所定期間中は、第1エラーの解除操作を無効とする。
このように制御する方法としては、たとえば電源断が検知され、電源断処理に移行するときに、所定期間の全時間に相当するデータをバックアップしておくことが挙げられる。
さらにこの場合に、電源断からの復帰後は改めて所定期間の報知を可能とするが、この所定期間中に第1エラーの解除操作が行われたときは、当該所定期間を経過する前であっても第1エラーの報知を終了可能としてもよい。
(2)図136の例において、第1エラーを検知した後、所定時間の経過後であって第1エラーの解除操作が実行される前に電源断が発生したときは、以下のように制御することが可能である。
第1の方法としては、電源断からの復帰後は、第1エラーを報知しないことが挙げられる。電源断前にすでに所定時間の第1エラーの報知を実行しているためである。
また第2の方法としては、電源断からの復帰後は、第1エラーの報知を再開するが、第1エラーの解除操作が実行されることなく(第1エラー報知の再開時から)特定時間を経過したときは、第1エラーの解除操作が実行されなくても第1エラー報知を終了してもよい。
さらにまた第3の方法として、図137の例と同様に、電源断からの復帰後は、第1エラー報知を再開するが、第1エラーの解除操作が実行された時点で第1エラー報知を終了してもよい。
(3)図133の例1では、第1エラーを検知した後、所定時間を経過するまでは第2エラーを検知しないようにした。また、図134の例2では、第1エラーを検知した後、所定時間を経過する前であっても第2エラーを検知するようにした。
これら以外の方法として、たとえば第1エラーを一旦検知した後は、所定期間を経過するまでは第1エラーも検知しないようにしてもよい。そして、所定期間を経過した後、第1エラーの要因が除去されたか否かを判断してもよい。
この場合に、第1エラーの要因が除去されていないときは第1エラーの報知を継続する。また、所定期間を経過した後、第1エラーの要因が除去されている場合であっても、第1エラーの解除操作が実行されていないときは、第1エラーの報知を継続する。
これに対し、所定期間を経過した後、第1エラーの要因が除去されており、かつ、第1エラーの解除操作が実行されているときは、第1エラーの報知を終了する。
たとえばホッパーに対してゴト行為が行われ、不正払出しが行われたとする。1回目の不正払出しが行われたことに基づいてホッパーエラーを検知すると、ホッパーエラーを報知する。次に、当該ホッパーエラーの報知中に2回目の不正払出しが行われたとする。この場合、2回目の不正払出しを検知してもよく、検知しなくてもよい。
そして、所定期間を経過する前は、エラー解除操作が実行されてもその操作は無効であり、ホッパーエラーの報知は終了しない。次に、所定期間の経過後、エラーの解除操作が実行されると、ホッパーエラーの報知を終了して正常状態に復帰する。換言すれば、エラーの解除操作が実行された後、再度、2回目の不正払出しに対応するホッパーエラーの報知は実行しない。
以上のように制御することも可能である。
(4)第1エラーの要因が除去されており、かつ、第1エラーの報知が終了し、他のエラーを検知していないときは、すぐに遊技可能である。
また、第1エラーの要因が除去されており、かつ、第1エラーの報知が終了し、他のエラーを検知していないときは、設定確認状態に移行可能である。遊技待機中に、設定キーCKを設定キー挿入口151に挿入し、設定キーCKを時計回りに90度回転させたとき(後述する図150)は、図66に示す設定確認処理に移行可能である。
(5)上記実施形態において、具体的な「所定期間」は、種々設定することができる。「所定期間」を短めの期間とする場合には、たとえば「5秒」程度にすることが挙げられる。一方、長めの期間とする場合には、たとえば「60秒」程度にすることが挙げられる。
<第7実施形態>
第7実施形態は、ドアキー(ドアキーと対比する設定キーを含む)に関するものである。
第7実施形態(他の実施形態も同様である)において、ドアキーDKや設定キーCKの時計回り(「右回り」とも称する。)、反時計回り(「左回り」とも称する。)とは、キー側から見た回転方向を表している。
図142は、スロットマシン10の外観斜視図である。スロットマシン10を遊技者側から見たときに、フロントドア12の右縁寄り(右側の側板13d側)であって、メダル投入口47の下方付近に、ドアキー挿入口160aが設けられている。このドアキー挿入口160aに後述するドアキーDKを挿入し、時計回りに45度回転させると、フロントドア12が開放可能となる。フロントドア12が開放されるときは、キャビネット13に対し、図142中、フロントドア12の左側を軸として開放する。
図143は、ドアキーDK及びドアキーシリンダ160を示す図である。
図143中、(a)はドアシリンダー160を示す正面図であり、(b)はドアシリンダー160のドアキー挿入口160aからドアキーDKが挿入された状態を示す側面図である。同図(b)では、ドアキーDKを実線で図示し、ドアキーシリンダ160を2点鎖線で図示している。
図143(a)に示すように、ドアキーシリンダ160は、外筒161と、その内部に収容された内筒162とを備える。ドアキーシリンダー160の外筒161はフロントドア12に固定されており、外筒161に対して内筒162が回転可能に形成されている。
内筒162は、その中央部に、ドアキーDKを挿入するためのドアキー挿入口160aを備える。また、外筒161の内筒162側には、2箇所に溝部161aを備える。
一方、ドアキーDKは、2箇所に突起DK1を備え、ドアキーDKをドアキー挿入口160aに挿入すると、2つの突起DK1がそれぞれ2つの溝部161a内に入り込む構造となっている。ドアキーシリンダ160の全長L11は、ドアキーDKのキーウェイDK2(鍵溝が形成されている部分)の長さより長く形成されている。ドアキーDKがドアキー挿入口160aに挿入されたときに、ドアキーDKのキーウェイDK2の溝形状とドアキーシリンダ160の内部形状とが嵌合したとき(ドアキーシリンダ160の内部形状と合致するドアキーDKが挿入されたとき)に、ドアキーDKを回転可能となり、内筒162を回転させることが可能となる。
また、図143(b)に示すように、ドアキーシリンダ160の先端には、カム171が連結されている。そして、ドアキーDKを挿入して内筒162を回転させると、内筒162に連動してカム171も同時に回転可能に構成されている。なお、カム171の詳細については後述する(図146等)。
図144は、ドアキー挿入口160aと、挿入されたドアキーDKの位置関係とを示す正面図である。図144では、ドアキーDKを2点鎖線で示している。
図144(b)の状態は、いわゆる初期状態(図143(a)に示す状態)であり、ドアキーDKが挿入されていないときの内筒162の位置を示している。この状態では、ドアキー挿入口160a(内筒162のドアキーDKが挿入される空間)が図中、上下方向に延びている。なお、フロントドア12が閉じられており、かつ、図144(b)に示す状態では、ドアキーDKが挿入されているか否かにかかわらず、フロントドア12はキャビネット13に対してロックされており、フロントドア12は閉塞状態(開放できない状態)である。
これに対し、図144中、(a)の状態は、(b)の状態に対し、ドアキーDKを反時計回りに45度回転した状態を示す。この状態は、スロットマシン10に発生したエラーを解除するときに操作するドアキーDKの方向を示す。
上述したように、ホッパーエラーやセレクタエラー等が発生し、ホール店員がこれらのエラー要因を除去したときに、当該エラー要因を除去したたけではエラー報知は継続され、エラー発生前の状態には復帰しない。エラー要因を除去した後、フロントドア12を閉じ、ドアキーDKをドアキー挿入口160aに挿入し、ドアキーDKを反時計回りに45度回転させ、図144(a)に示す状態とする。換言すれば、第6実施形態において、「エラー解除操作」とは、図144(a)に示す位置までドアキーDKを回すことに相当する。
これにより、後述するリセットセンサ175が当該エラー解除操作を検知する。エラー解除操作が検知されると、エラー要因が除去されているか否かを判断し、エラー要因が除去されていないと判断したときはエラーは解除されずにエラー報知が継続する。これに対し、エラー要因が除去されたと判断したときはエラー報知を終了し、エラー検知前の状態に復帰する。
図144(b)の状態においてドアキーDKをドアキー挿入口160a内に挿入し、図143(b)に示すようにドアキーDKのキーウェイDK2が内筒162内に入り込むと、ドアキーDKの2つの突起DK1は外筒161の溝161a内に入り込む。この状態で図144(a)に示すようにドアキーDKが反時計回りに45度回転されると、ドアキーDKの突起DK1は、外筒161の内部であって溝部161aが形成されていない位置まで移動する。このため、図144(a)に示す状態においてドアキーDKを引き抜こうとしても、突起DK1と外筒161とが当接し、ドアキーDKを引き抜くことができない。ドアキー挿入口160aに挿入したドアキーDKを引き抜くことができるのは、図144(b)に示す位置、すなわちドアキーDKの突起DK1と溝部161aの位置とを一致させた場合に限られる。
また、ドアキーDKを反時計回りに回転させたときの可動範囲は、45度である。したがって、図144(a)に示す位置を超えてドアキーDKを反時計回りに回転させることができない構造となっている。図144(a)に示す位置を超えてドアキーDKを反時計回りに回転させようとしても、図示しないストッパによって制限される。
また、図144(b)に示す状態からドアキーDKを反時計回りに回転させると、ドアキーDKには回転トルクが発生する。そして、図144(a)の位置までドアキーDKを回転させた後、ドアキーDKから手を放すと(ドアキーDKに作用する力を取り除くと)、内筒162には初期位置に戻る力が作用する。このため、図144(b)に示す状態からドアキーDKを反時計回りに回転させ、図144(a)に示す状態にした後、ドアキーDKから手を放せば図144(b)に示す状態に戻る。図144(a)に示す状態から、ドアキーDKをつかんだまま時計回りに回転させても図144(b)に示す状態に戻すことができる。
また、図144(a)に示す状態にした後、ドアキーDKから手を放すと、図144(b)に示す状態に戻るが、さらにそれ以上、内筒162は時計回りに回転しない。内筒162を時計回りに回転させるためには回転トルクを必要とするためである。このため、図144(a)に示す状態においてドアキーDKに作用する力を取り除いても、ドアキーDKは、図144(b)に示す状態からさらに図144(c)に示す方向にはほとんどオーバーランしない。
これにより、たとえばホッパーエンプティエラーとなり、ホール店員がフロントドア12を開放し、ホッパー35にメダルを補充し(ホッパーエンプティエラーの要因を除去し)、フロントドア12を閉じてドアキーDKを反時計回りに回すことで解除操作を行い、その位置でドアキーDKから手を放してもフロントドア12の開放位置までドアキーDKが回らないので、フロントドア12が意図せずに開放されてしまうことを防止することができる。
図144(c)の状態は、図144(b)の状態からドアキーDKを時計回りに45度回転させた状態を示している。図144(b)の状態までドアキーDKを回すと、フロントドア12を開放可能となる。
ドアキーDKの時計回りの可動範囲についても45度であり、図144(c)の状態が限度である。すなわち、図144(c)の状態からさらにドアキーDKは時計回りに回転しないようになっている。図144(c)に示す位置を超えてドアキーDKを時計回りに回転させようとしても、図示しないストッパによって制限される。
図144(c)の状態においても、図144(a)の状態と同じように、ドアキーDKの突起DK1は、外筒161の内部であって溝部161aが形成されていない位置まで移動する。このため、図144(c)に示す状態においてドアキーDKを引き抜こうとしても、突起DK1と外筒161とが当接し、ドアキーDKを引き抜くことができない。ドアキー挿入口160aに挿入したドアキーDKを引き抜くことができるのは、図144(b)に示す位置まで戻したときに限られる。
さらにまた、フロントドア12が閉じている状態において、図144(b)に示す状態から図144(c)に示す状態にした後、ドアキーDKから手を放すと、図144(b)に示す状態に戻るが、さらにそれ以上、内筒162は反時計回りに回転しない。内筒162を反時計回りに回転させるためには回転トルクを必要とするためである。このため、図144(c)に示す状態においてドアキーDKに作用する力を取り除いても、ドアキーDKは、図144(b)に示す状態からさらに図144(a)に示す方向にはほとんどオーバーランしない。
これにより、ホール店員がエラー内容を確認する前にフロントドア12を開放し、ドアキーDKから手を放してもエラーの解除操作位置までドアキーDKが回らないので、意図せずにエラーが解除されてしまうこと(エラー内容が確認できなくなること)を防止することができる。
また、図144(b)に示す状態から図144(c)に示す状態までドアキーDKを回し、フロントドア12を開放した後、ドアキーDKから手を放したときは、図144(b)に示す状態に戻るようにしてもよく、図144(c)に示す状態を維持するようにしてもよい。図144(c)に示す位置でロックするロック機構を設けない場合には、ドアキーDKから手を放せば、図144(c)に示す状態から図144(b)に示す状態に戻ることができる。このようにドアキーDKが自動で戻るようにすれば、ホール店員の作業効率を高めることができる。
これに対し、後述する図149に示すように、ドアキーDKを時計回りに45度回転させてフロントドア12を開放した後は、ドアキーDKは図144(c)に示す状態を維持するロック機構を設けることも可能である。このロック機構(図149)については後述する。
図145(a)は、ドアキーシリンダ160の各種寸法を説明する正面図であり、(b)は、電源プラグの寸法を示す平面図及び側面図である。
図145(a)に示すように、ドアキー挿入口160aの長手方向の長さ(溝部161aを除く)をL14とし、ドアキー挿入口160aの短手方向の長さ(幅)をL13とする。
また、図145(a)に示すように、ドアキー挿入口160aの中心から側板13dまでの距離をL12とする。
一方、図145(b)に示すように、電源プラグPPにおいて、栓刃PP3の長さをL15、厚みをL16とする。また、2つの栓刃PP3の距離(中心間距離)をL17とする。さらにまた、栓刃PP3の幅をL18とする。
ここで、電源プラグPPが、「JIS C 8303」で定めるタイプAである場合には、
L15:17±1.3(ミリメートル)
L16:1.5±0.13(ミリメートル)
L17:12.7±0.13(ミリメートル)
L18:6.35±0.25(ミリメートル)
である。
なお、以下の説明では、電源プラグPPは、「JIS C 8303」のタイプAであるものとする。
ここで、1つの栓刃PP3に着目すると、
栓刃PP3の幅L18<ドアキー挿入口160aの長手方向の長さL14
栓刃PP3の厚みL16<ドアキー挿入口160aの短手方向の長さL13
であれば、栓刃PP3はドアキー挿入口160a内に入り込むことが可能となる。
仮に、栓刃PP3がドアキー挿入口160aに入り込むことが可能であれば、電源プラグPPの栓刃PP3を用いたゴト行為が行われるおそれがある。
このため、電源プラグPPの栓刃間距離L17と、ドアキー挿入口160aと側板13dとの間の距離L12とを、
L17<L12
としている。
これにより、電源プラグPPの一方の栓刃PP3をドアキー挿入口160a内に挿入しようとしても、他方の栓刃PP3がフロントドア12と当接するので、当該一方の栓刃PP3をドアキー挿入口160a内に挿入することができない。
また第2に、栓刃PP3の長さL15に対し、ドアキー挿入口160aの奥行き(図143(b)中、L11)の方が十分に長い場合には、たとえ栓刃PP3がドアキー挿入口160a内に挿入されたとしても内筒161を回転させることはできないと考えられるので、そのように構成することが好ましい。
さらにまた第3に、ドアキー挿入口160aの幅L13と、栓刃PP3の厚みL16との関係が、
L13<L16
である場合、
及び/又は、
ドアキー挿入口160aの長手方向の長さL14と、栓刃PP3の幅L18との関係が、
L14<L18
である場合には、栓刃PP3をドアキー挿入口160aに挿入することができないので、そのように構成することが好ましい。
さらに、
「L13<L16」及び/又は「L14<L18」とすれば、上述した「L17<L12」とすることなく(「L17>L12」であっても)ゴト行為を防止可能となる。
栓刃PP3をドアキー挿入口160aに挿入できない構造とすれば、たとえば実機を購入して自宅で遊技をするような場合に、栓刃PP3がドアキー挿入口160aに誤って刺さり、栓刃PP3がドアキー挿入口160a内に入ったまま折れてしまうような事故を防止することができる。
次に、ドアキーシリンダ160によって動作する施錠装置について説明する。
図146は、第7実施形態における施錠装置170を説明する模式図であり、フロントドア12の内側から外側(遊技者側)に向かって見た正面図である。
カム171は、図143(b)に示したように、ドアキーシリンダ160の内筒162の先端部に連結されており、ドアキーDK及び内筒162の回転によって同時に回転する。図146はフロントドア12の裏側から見た図であるので、図144(a)に示すように、外側から見てドアキーDKが反時計回りに回転されたときは、図146中、カム171は時計回りに回転する。同様に、図144(c)に示すように、外側から見てドアキーDKが時計回りに回転されたときは、図146中、カム171は反時計回りに回転する。
図146はフロントドア12が閉鎖されている状態であり、かつ、図146のカム171の位置は、図144(b)に示す位置である。そして、この位置では、キャビネット13側に設けられた係合部材(図示せず)とカム171とが係合し、キャビネット13に対してフロントドア12が閉塞される(ロックされる)ように構成されている。
カム171には、2つの突起171a及び171bを備える。この例では、90度間隔で突起171a及び171bが設けられている。
施錠装置170には、図中上下方向に移動可能に構成された移動部材172及び173を備える。移動部材172には、フック172cを介してコイルばね176が連結されている。
同様に、移動部材173には、フック173bを介してコイルばね177が連結されており、かつ、フック173cを介してコイルばね178が連結されている。
さらに、移動部材172は、図示しない所定の部材によって支持されている。そして、移動部材172が図中上方向に移動すると、コイルばね176が伸ばされることによりコイルばね176には弾性力が作用する。
同様に、移動部材173は、図示しない所定の部材によって支持されている。そして、移動部材173が図中下方向に移動すると、コイルばね177及び178が伸ばされることによりコイルばね177及び178には弾性力が作用する。
移動部材172には、カム171側に伸びる従動部172aが設けられており、従動部172aの先端とカム171の突起171bとが当接している。そして、従動部172aと突起171bとの当接によって、移動部材172の図中下方向への移動が制限されている。
また、移動部材173には、カム171側に伸びる従動部173aが設けられており、従動部173aの先端とカム171の突起171aとが当接している。そして、従動部173aと突起171aとの当接によって、移動部材173の図中上方向への移動が制限されている。
さらにまた、図146に示すように、移動部材173の図中上下方向の長さは、移動部材172の図中上下方向の長さよりも長く形成されている。すなわち、移動部材173は移動部材172よりも大きい。このため、移動部材173の重量は移動部材172の重量よりも重い。
ここで、コイルばね176、177及び178はすべて同一形状(同一性能)であるものとする。このため、移動部材172が図中上方向に移動するときのコイルばね176の弾性力をF1とし、移動部材173が図中下方向に移動するときのコイルばね177及び178の各弾性力をF2としたとき、
2×F1≒F2
となるように構成されている。
以上のように構成することで、重力の影響を含めても、移動部材173を図中下方向に移動させるための力は、移動部材172を図中上方向に移動させるための力よりも大きくなるように構成されている。
このように構成することで、フロントドア12を閉じた状況下で、ドアキーDKを時計回りに回すときは、反時計回りに回すときよりも、大きな力(回転トルク)が必要になる。これにより、たとえばドアキー挿入口160aに不正器具が挿入されフロントドア12を開放しようとしても容易に開放されないようにすることができる。一方、ドアキーDKを反時計回りに回すときは大きな力を必要としないので、ホール店員はエラー解除操作を容易に行うことができる。
なお、図146の位置では、コイルばね176には引張力はほとんど作用していない。このため、従動部172aと突起171bとの当接が解除されても、移動部材172は図146の位置からさらに図中下方向には移動しないように構成されている。
また、図146の位置では、コイルばね177及び178には引張力はほとんど作用していない。このため、従動部173aと突起171aとの当接が解除されても、移動部材173は図146の位置からさらに図中上方向には移動しないように構成されている。
また、カム171の突起171aは、従動部174と当接している。
従動部174は、詳細な図示は省略するが、図中、上下方向に移動可能に構成されている。そして、カム171が反時計回りに回転し、突起171aの先端が下方向に移動すると、従動部174は突起171aに接触した状態で下方向に移動可能に構成されている。
移動部材172には、検知片172bが設けられている。一方、施錠装置170にはリセットセンサ175が取り付けられている。そして、図146の位置では、リセットセンサ155が検知片172bを検知している状態となっている。なお、リセットセンサ175が検知片172bを検知している状態を「オフ」とする。
これに対し、移動部材172が図中上方向に移動すると、検知片172bがリセットセンサ175に検知されなくなる。これにより、リセットセンサ175が「オン」を検知する。
図147は、図146の状態からカム171が反時計回りに45度回転したときの状態を示す図である。
図144(b)の状態において、ドアキーDKを挿入し、ドアキーDKを時計回りに45度回転させ、図144(c)の状態にすると、図146中、カム171が反時計回りに45度回転し、図147に示す状態となる。したがって、図147の状態は、フロントドア12の開放可能な状態である。
カム171が反時計回りに45度回転すると、突起171aと接触している従動部174は、突起171aとの当接状態を維持しつつ、下方向に移動する。また、従動部173aは、突起171aとの当接状態を維持しつつ、下方向に移動する。これにより、移動部材173が図中下方向に移動し、コイルばね177及び178が伸ばされるので、カム171には時計回りに回ろうとする(元の位置に戻ろうとする)回転トルクが作用する。この回転トルクは、コイルばね177及び178の弾性力である。
一方、カム171の突起171bと従動部172aとは当接状態が解除される。移動部材172は、突起171bとの当接状態が解除されても図146に示す位置を維持する。したがって、検知片172bはリセットセンサ175に検知されたまま(オフ状態)である。また、移動部材172が移動しないので、コイルばね176に弾性力は作用しない。
図148は、図146の状態からカム171が時計回りに45度回転したときの状態を示す図である。
図144(b)の状態において、ドアキー挿入口160aに挿入したドアキーDKを反時計回りに45度回転させ、図144(a)の状態にすると、図146中、カム171が時計回りに45度回転し、図148に示す状態となる。したがって、図148の状態は、エラー解除操作時の状態である。
図146の状態からカム171が時計回りに回転すると、突起171aと従動部174との当接状態は解除されるが、従動部174は、最上位置でとどまるように構成されている。したがって、従動部174は、突起171aとの当接状態が解除されても下方向に移動することはない。
また、カム171が時計回りに回転すると、従動部172aが突起171bにより図中上方向に移動される。これにより、移動部材172が図中上方向に移動する。移動部材172が図中上方向に移動されるとコイルばね176が伸ばされるので、カム171には反時計回りに回ろうとする(元の位置に戻ろうとする)回転トルクが作用する。この回転トルクは、コイルばね176の弾性力である。
なお、従動部173aとカム171は接触していないので、図146の状態からカム171が時計回りに回転し、図148の状態になっても、従動部173aの位置は変化しない。このため、移動部材173の位置は変動しない。
また、図146の状態から図148の状態になると、検知片172aがリセットセンサ175によって検知されなくなる。これにより、リセットセンサ175がオンになるので、エラー解除操作が行われたと判断される。
図149は、ドアキーDKを時計回りに45度回転させ(図144(c)の状態)、フロントドア12を開放した後、ドアキーDKをその位置(時計回りに45度回転した状態)でロックする構造を示す正面図である。
図149中、(a)は、図144(b)及び図146の状態(ドアキーDKを回転する前、すなわち移動部材173が下方向に移動する前の状態)を示し、(b)は、図144(c)及び図147の状態(ドアキーDKを時計回りに45度回転させ、移動部材173が下方向に移動した後の状態)を示す。
図149において、固定部材179は、フロントドア12側に固定されている部材である。したがって、固定部材179に対して移動部材173が上下方向に移動する。
図149に示すように、移動部材173には開口部173dが形成されている。そして、この開口部173dから略円筒形状のストッパ173eが図中、手前側に突出している。ストッパ173eは、開口部173d内で移動可能に取り付けられている。
図149(a)の状態では、固定部材179と開口部173dは、上下方向において一部が重なり合う高さに位置している。このため、ストッパ173eは、固定部材179の図中、右側外縁と当接している。
そして、図149(a)の状態から移動部材173が下方向に移動し、図149(b)の状態になると、開口部173dが固定部材179よりも下側に位置するようになる。そして、フロントドア12が開放されると、ストッパ173eが図中左方向に移動し、固定部材179の下側外縁と当接する。これにより、移動部材173が上方向に戻ろうとする力が規制される。したがって、ドアキーDKが時計回りに45度回った状況下でドアキーDKから手を放しても、移動部材173は上方向に移動できないので、ドアキーDKは自動で戻らない。換言すれば、図144(b)の状態からドアキーを時計回りに45度回転させ(同図(c)の状態にし)、フロントドア12を開放した後は、ドアキーDKから手を放しても、図144(c)の状態を維持する。
そして、フロントドア12を閉じると、ストッパ173eの位置が右方向に戻され、移動部材173が上方向に移動可能となる。これにより、移動部材173は図149(a)の状態に戻り、ドアキーDKは、図144(c)の状態から図144(b)の状態まで自動で戻る。
なお、図144(b)の状態からドアキーDKを反時計回りに45度回転させても、フロントドア12が開放することはないので、図149に示すようなロックはかからない。したがって、図144(a)の状態でドアキーDKから手を放すと、自動で図144(b)の状態に戻る。
また、本実施形態において図149に示すロックがかかるのは、フロントドア12を開放したときである。したがって、フロントドア12を開放することなく図144(b)の状態から図144(c)の状態にドアキーDKを回した後、手を放すと、図144(b)の状態に戻る。
次に、上述したドアキーDKとの対比説明のため、設定キーCKについて説明する。
図150は、設定キーCK及び設定キーシリンダ154を示す図である。同図(a)は、設定キーCKを設定キー挿入口151から挿入した状態を示す側面図であり、同図(b)は、設定キーCKを時計回りに90度回転させたときの状態を示す側面図である。図150では、設定キーシリンダ154を2点鎖線で図示している。
設定キー挿入口151は、図112に示すように、メイン制御基板50上に搭載されている。図150(a)に示すように設定キーCKを設定キー挿入口151から挿入し、同図(b)に示すように時計回りに90度回転させると、内部に設けられた設定キースイッチ152がオンになり、設定変更が可能な状態、又は設定値を確認可能な状態となる。
設定キーCKの可動範囲は、図150(a)に示す状態(回転角度0度)から同図(b)に示す状態(時計回りに回転角度90度)である。
また、施錠装置170と異なり、図中(b)に示す90度回転させた状態で設定キーCKから手を放しても設定キーCKは図中(a)に示す状態には戻らない。
また、設定キーCKの回転可動範囲において、回転トルクは略一定であり、設定キーCKの回転角度に応じて回転トルクはほとんど変化しない。
図151は、ドアキーDK及び設定キーCKについて、各キーの回転角度と、回転角度に対応する回転トルクとの関係を示す図である。なお、図151の例は、ドアキーDKを時計回りに45度回転させた後、フロントドア12を開放しない(図149に示すロックがかからない)ものとする。
上述したように、ドアキーDKは、その可動範囲が「-45度」~「+45度」である。また、上述したように、時計回りに回転させたときの回転トルクは、反時計回りに回転させたときの回転トルクよりも大きい。
これに対し、設定キーCKは、その可動範囲が「0度」~「+90度」である。また、設定キーCKは、ドアキーDKと異なり、回転角度と作用する回転トルクとは略一定である。なお、この例では、設定キーCKの回転トルクは、ドアキーDKの回転角度が「0度」ときの回転トルク(T1)よりも小さい例を挙げているが、これに限られない。設定キーCKの回転トルクは、ドアキーDKの回転角度が「0度」のときの回転トルク「T1」よりも大きくてもよい。さらに、設定キーCKの回転トルクは、ドアキーDKを「-45度」まで回転させたときの回転トルクよりも大きく、かつ、ドアキーDKを「+45度」まで回転させたときの回転トルクよりも小さくしてもよい。あるいは、設定キーCKの回転トルクは、ドアキーDKを「+45度」まで回転させたときの回転トルクよりも大きくてもよい。
以上、本発明の第7実施形態について説明したが、本発明は、上述した内容に限定されるものではなく、たとえば以下のような種々の変形が可能である。
(1)上記実施形態では、フロントドア12の開放状態ではドアキーDKは図144(c)の位置を維持し、図144(b)の位置には戻らないようにしたが、これに限られない。
たとえば図149で示した構造をなくし、ドアキーDKを時計回りに45度回転させた状態でフロントドア12を開放した後、ドアキーDKから手を放すと、コイルばね177及び178の弾性力によってカム171が初期位置に戻るようにし、これによってドアキーDKが図144(b)に示す位置に戻るようにしてもよい。ドアキーDKが図144(b)に示す位置に戻れば、フロントドア12の開放中であってもドアキーDKを引き抜くことができる。
(2)第7実施形態で示したドアキーDKの形状は例示であり、これに限定されるものではない。たとえば突起DK1を有さないドアキーDKであってもよい。この場合、ドアキーDKを回転させた状態であってもドアキーDKを引き抜くことが可能となる。
(3)第7実施形態で示した施錠装置170の構成は、図示したものに限られない。たとえば、ドアキーDKを時計回りに回転させたときと反時計回りに回転させたときとで、回転トルクが同一になるように設計してもよい。また、ドアキーDKの回転可動範囲についても、「-45度」~「+45度」に限らず、たとえばフロントドア12を開放するときは「+90度」まで回転させる構造(設定キーCKと同じ)にすることも可能である。
(4)ドアキーDKの時計回りでの最大回転量と、反時計回りでの最大回転量とは、いずれも任意に設定可能である。上記実施形態では、ドアキーDKは、時計回りに最大45度、反時計回りに最大45度、回転可能とした。
しかし、これに限らず、ドアキーDKの時計回りでの最大回転量と反時計回りでの回転量との間に多少の差があっても差し支えない。
一方、ドアキーDKの時計回りでの最大回転量と反時計回りでの最大回転量との間に十分な差を設けることも可能である。たとえば時計回りでの最大回転量を「+60度」とし、反時計回りでの最大回転量を「-30度」等とすることも可能である。
あるいは、これとは逆に、時計回りでの最大回転量を「+30度」とし、反時計回りでの最大回転量を「-60度」等とすることも可能である。
(5)ドアキーDKを回転させるときの回転トルク(回転させるのに必要な力)は、時計回りと反時計回りとで同一に設定してもよく、異なるように設定してもよい。
たとえば第1に、ドアキーDKを時計回りに「+45度」回転させるときの回転トルクを「T1」とし、反時計回りに「-45度」回転させるときの回転トルクを「T2」としたとき、「T1≒T2」、「T1>T2」、「T1<T2」のいずれであってもよい。
また、フロントドア12の閉鎖状態と開放状態とで、ドアキーDKを時計回り(フロントドア12の開放側)に回転させるときの回転トルクは同一であってもよく、異なっていてもよい。たとえば、フロントドア12の閉鎖状態においてドアキーDKを時計回りに回転させるときの回転トルクは、フロントドア12の開放状態においてドアキーDKを時計回りに回転させるときの回転トルクよりも大きくてもよい。
特に、フロントドア12の閉鎖状態においてドアキーDKを時計回りに回転させるときは、施錠を解除する力が必要となるので、回転トルクは大きくなる。これに対し、フロントドア12の開放状状態においてドアキーDKを時計回りに回転させても、施錠を解除するときの力が作用しないので、上記と比較して回転トルクは小さくなる。
さらにまた、フロントドア12を開放しているか否かと、ドアキーDKの時計回り/反時計回りの回転トルクは、種々設定することが可能である。
具体的には、
a)フロントドア12の閉鎖状態で、ドアキーDKの時計回りの回転トルク≒ドアキーDKの反時計回りの回転トルク
b)フロントドア12の閉鎖状態で、ドアキーDKの時計回りの回転トルク>ドアキーDKの反時計回りの回転トルク
c)フロントドア12の閉鎖状態で、ドアキーDKの時計回りの回転トルク<ドアキーDKの反時計回りの回転トルク
d)フロントドア12の開放状態で、ドアキーDKの時計回りの回転トルク≒ドアキーDKの反時計回りの回転トルク
e)フロントドア12の開放状態で、ドアキーDKの時計回りの回転トルク>ドアキーDKの反時計回りの回転トルク
f)フロントドア12の開放状態で、ドアキーDKの時計回りの回転トルク<ドアキーDKの反時計回りの回転トルク
のいずれであってもよい。
<第8実施形態>
第8実施形態は、演出のカット及び分岐に関する発明である。
第8実施形態で使用する用語の意味は、以下の通りである。
「演出ステージ」とは、複数回の遊技にわたって表示される背景演出の画像を指す。なお、本実施形態では「動画像(映像)」及び「静止画像」の双方を含めて「画像」と称する。
演出ステージは、遊技状態、当選役、遊技回数等に基づいて抽選等により決定される。遊技中は、たとえば毎遊技、又は所定の条件を満たしたときに演出ステージの変更を実行するか否かが抽選等で決定される。演出ステージの変更を実行することに決定されたときは、今回遊技の遊技中又は今回遊技の遊技終了時から次回遊技の遊技開始時までの間に演出ステージを変更する。
演出ステージは、後述するイベントと同様に、遊技者による操作(たとえばベット操作やスタートスイッチ41の操作等)を契機としてその表示が開始される。そして、次の演出ステージの切替え契機となるまでは、その演出ステージが表示され続ける。
演出ステージとしては、たとえば、通常ステージ、前兆ステージ、CZステージ、ATステージ等が設けられている。
ここで、「前兆ステージ」とは、ATに移行するか否かを煽るときのステージである。なお、前兆には、ATに移行する場合の本前兆とATに移行しないガゼ前兆とを有する。
また、「CZ(チャンスゾーン)ステージ」とは、ATへの移行(当選)期待度が非CZに比べて高いステージである。換言すれば、CZステージは、通常ステージよりも遊技者に有利なステージ(遊技者に有利な状態に移行しやすいステージ)である。
そして、「通常ステージ」というときは、前兆ステージやCZステージを含めないものとする。
また、「ATステージ」というときは、AT中通常ステージを指し、AT特化ゾーンステージや、AT中サブボーナスステージを含めないものとする。AT中通常ステージは、AT中において滞在比率が一番高いステージである。
「イベント」とは、遊技者による操作、具体的には、ベット操作(メダルの投入操作やベットスイッチ40の操作)、スタートスイッチ41の操作、ストップスイッチ42の操作を契機として発生する演出であり、新たに出力される演出、又はそれまでとは異なる演出をいう。イベントは、演出の最小単位であり、イベントを組み合わせることで後述する単発演出や連続演出等の各種演出が構成される。
上述したように、遊技中は、いずれかの演出ステージが選択されており、背景演出が表示されている。そして、今回遊技における演出が選択されると、その演出で定められているイベントが所定の契機で出力されるように構成されている。この場合、背景演出(演出ステージ)に重ねてイベントが画像表示されることとなる。
たとえば後述する図154に示すように、演出番号01が選択された場合には、イベントが発生しないか、又は所定の操作を契機として出力する1又は複数のイベントが定められている。たとえばイベント「0101」が選択されると、スタートスイッチ41が操作されたことを契機としてイベント「0101」が出力される。
「カット」とは、連続する(切れ目のない)動画像の最小単位をいい、「ショット」とも称される。たとえば登場キャラクタAが言葉を話す動画像があり、次に、画面が登場キャラクタBに切り替わり、登場キャラクタBが言葉を話す動画像がある場合において、登場キャラクタAによる言葉を話す動画像が切れ目のない場合にはそれが1カットとなり、次に登場キャラクタB切り替わったときに別カットとなり、その後、登場キャラクタBが言葉を話す動画像が切れ目なく続く限りは1カットとなる。
したがって、登場キャラクタAの切れ目ない動画像として1カット、次に登場キャラクタBの切れ目ない動画像として1カットを有する場合には、合計2カットとなる。
一方、登場キャラクタAが言葉を話す動画像の途中で登場キャラクタAのアングルが切り替わり、登場キャラクタAが言葉を話す動画像が続く場合には、アングルが切り替わる前の1カットと、アングルが切り替わった後の1カットとで、合計2カットとなる。
これに対し、たとえば縦長の動画像を下からパンアップするような動画像は、連続する(切れ目のない)動画像であるので、1カットとなる。
なお、イベントは、1カットである場合と、複数カットからなる場合を有する。
また、動画像において、ある場所での一連のカット(1カット、又は2以上のカットをまとめたもの)を「シーン」と称する場合がある。したがって、1イベントは、1シーンと称することもできる。
「分岐」とは、本実施形態では、それまでのイベントから新しいイベントに切り替わることを指す。これにより、カット又はシーンが切り替わる。
また、「分岐数」とは、演出が分かれするときの分かれ先の演出の総数をいう。
たとえば、ある操作契機では、イベントAのみが出力可能であり、他のイベントが出力されることがない場合(たとえば、後述する図155中、演出15のスタート時(スタートスイッチ41の操作時)において、イベント「1501」のみが出力されるような場合)には、分岐数を「1」とする。
また、それまでイベントAが出力されており、ある操作契機において、イベントB又はイベントCのいずれかに切り替わるような場合(たとえば、後述する図155中、演出15の1停時において、イベント「1502」又は「1504」のいずれかが出力されるような場合)には、当該操作契機での分岐数を「2」とする。
さらにまた、ある操作契機において、イベントが出力されない場合と、イベントAが出力される場合とを有するとき(たとえば、後述する図154において、演出01のスタート時に、イベントなしであるか又はイベント「0101」が出力されるような場合)には、当該操作契機での分岐数を「2」とする。
さらに、それまでイベントAが出力されており、ある操作契機において、新たに出力されるイベントを有さない場合(たとえば、後述する図154において、演出14の1停時にイベントが選択されない場合)には、分岐数を「-」と表示する。
また、演出が何遊技継続するかという観点から、単発演出と連続演出とを有する。
「単発演出」とは、1遊技で完結する演出を指す。たとえばスタートスイッチ41の操作時から全停時まで(さらには、全停後からベット操作時まで、又は全停後から次回遊技のスタートスイッチ41の操作時まで)の間に出力され、次回遊技に当該演出を持ち越さない演出である。
さらにまた、「チャンスアップパターン」とは、単発演出や連続演出において出力される演出であって、遊技の進行とともに、あるいは所定の操作を契機として出力され、期待度がそれまでよりも高くなる演出を指す。ここで、「期待度」には、特別役(ボーナス)の当選、CZ(チャンスゾーン)への移行、AT当選、AT特化ゾーンへの移行、AT中サブボーナスの当選等に係る期待度が含まれる。
さらに、「確定演出」とは、単発演出において出力される演出であって、その演出が出力された時点で結果の確定(特別役、AT、AT中サブボーナスの当選の確定や、CZへの移行確定、AT特化ゾーンへの移行確定等)を意味する演出(プレミアム演出)を指す。後述するように、連続演出中には、遊技者に有利な結果の確定を意味する「成功演出」を出力する場合を有するが、「確定演出」は単発演出で出力され、「成功演出」は連続演出で出力される。
一方、「連続演出」とは、上記「単発演出」とは異なり、複数回(少なくとも2回以上)の遊技で出力される一連の演出を指す。連続演出には、最初に出力される演出として「導入演出」(これから連続演出が開始される旨の演出)を有する。ただし、導入演出を省略して連続演出の1遊技目から開始してもよい。
また、連続演出の最終遊技(結果を告知する遊技)として、「失敗演出」、「成功演出」、「逆転演出」が挙げられる。
連続演出は、その結果として、特別役(ボーナス)の当選、CZ(チャンスゾーン)への移行、AT当選、AT特化ゾーンへの移行、AT中サブボーナスの当選等を告知する演出であるが、「失敗演出」とは、特別役に当選していないこと、CZに移行しないこと、ATに当選していないこと、AT特化ゾーンに移行しないこと、AT中サブボーナスに当選していないこと等を告知する演出である。
これに対し、「成功演出」とは、特別役に当選していること、CZに移行すること、ATに当選していること、AT特化ゾーンに移行すること、AT中サブボーナスに当選していること等を告知する演出である。
なお、上記の単発演出においても、その演出結末を示すため、失敗演出や成功演出を出力する場合がある。
また、「逆転演出」とは、連続演出の最終遊技で「失敗演出」が出力された後、次回遊技のためのベット操作を行ったとき、又は次回遊技のスタートスイッチ41が操作されたときを契機として、「失敗演出」から「成功演出」に切り替える演出である。
連続演出において、失敗演出が出力された後、次回遊技で逆転演出が出力されなかったときは、当該失敗演出が出力された遊技が連続演出の最終遊技となる。
これに対し、失敗演出が出力された後、次回遊技で逆転演出が出力されたときは、当該逆転演出が出力された遊技が連続演出の最終遊技となる。
「エンディング演出」とは、ATの完走が確定したときに出力される演出であり、ATの終了時の遊技まで継続される。なお、「ATの完走」とは、AT中のパラメータ(遊技回数、払出し数、差枚数)が上限値を超えるまで(あるいは上限値に到達するまで)継続することである。具体的には、たとえば差数カウンタ値が上限値(たとえば「2400」)を超えるまで継続するような場合に相当する。
図152は、第8実施形態における演出ステージを示す図である。図152の演出ステージは例示であるので、これら12個に限られるものではない。なお、図152では、各演出ステージにおけるカット数を表示している。
通常ステージ0は、非有利区間にのみ選択される演出ステージである。このように、非有利区間特有の演出ステージを設けてもよいが、有利区間での演出ステージ(たとえば通常ステージ1)と兼用することも可能である。
有利区間の通常中に選択される演出ステージとしては、通常ステージ1~5を備える。「有利区間(通常)」は、非ATであって、かつ、前兆中やCZ中を含まない。CZ中にはCZステージ1が選択され、前兆中は前兆ステージ1が選択されるようになっている。
また、有利区間AT中の演出ステージとして、ATステージ1が設けられている。有利区間AT中の演出ステージとしては複数種類設けてもよい。また、「有利区間AT」には、有利区間AT中の(上乗せ)特化ゾーンや、有利区間AT中のサブボーナス状態を含まない。有利区間AT中の特化ゾーンでの演出ステージとしてAT特化ステージ1及び2を備え、有利区間AT中のサブボーナスでの演出ステージとしてAT中SBステージを備える。
図152に示すように、有利区間通常(非AT)で選択される演出ステージの数(5個)は、有利区間ATで選択される演出ステージの数(1個)よりも多く設けられている。有利区間通常時の演出バリエーションを多くすることで遊技者を飽きさせないようにするためである。
図152では、演出ステージの画像容量を併せて図示している。非有利区間で用いられる演出ステージ(通常ステージ0)の画像容量をC1(MB)、有利区間通常(非AT)で用いられる演出ステージ(通常ステージ1~5)の全画像容量をC2(MB)、有利区間ATで用いられる演出ステージ(ATステージ1)の画像容量をC3(MB)としたとき、
C1<C3<C2
である。
非有利区間は滞在割合が極めて低く、たとえばAT抽選等が行われないことから、演出の画像容量は最も小さい。
また、有利区間通常(非AT)での演出ステージの数は、有利区間ATでの演出ステージの数よりも多いことから、それに比例して、画像容量も大きくなっている。
ただし、これに限らず、有利区間AT時の演出ステージ数を増加させてもよい。さらには、有利区間AT時の演出ステージ数を有利区間通常(非AT)時の演出ステージ数よりも多くしてもよい。
そして、それぞれの画像容量を、
C1<C2<C3
としてもよい。
図153は、第8実施形態における演出の種類を示す図である。図153では一部の演出のみを例示しており、図153で示す演出がすべての演出という意味ではない。
演出は、有利区間であるか否か、今回遊技の当選役、CZ中であるか否か、前兆中であるか否か、AT中であるか否か等に応じて、毎遊技、抽選等でいずれかの演出番号が選択される。
演出01~演出18は、有利区間の通常時に選択される演出である。
また、演出14~演出18は、連続演出で選択される演出である。連続演出が選択されたときは、最初に演出14が選択され、次回遊技から連続演出が開始されることを告知する。そして、次回遊技における連続演出の1遊技目、2遊技目、3遊技目では、それぞれ演出15、演出16、演出17が選択される。さらに、連続演出の3遊技目で失敗演出(後述)が選択されており、かつ、遊技者に有利な状態に移行する場合には、連続演出の4遊技目として演出18(逆転演出)が選択される。
また、ATが開始されるときは、演出21が選択され、ATの開始を報知し、ATの終了時には、演出25が選択され、ATの終了を報知する。
図154~図157は、図153中、いくつかの演出を抽出して、それぞれ、イベント名、カット数、及び分岐数を示す図である。
図154~図157では、
演出01(通常時期待感演出)(図154)
演出03(通常時期待感演出)(図154)
演出14(連続演出(導入))(図154)
演出15(連続演出(1ゲーム目))(図155)
演出16(連続演出(2ゲーム目))(図155)
演出17(連続演出(3ゲーム目))(図155)
演出18(連続演出(逆転))(図156)
演出20(確定演出)(図156)
演出21(AT開始演出)(図156)
演出22(AT通常演出)(図156)
演出23(AT上乗せ演出)(図157)
演出24(AT期待感演出)(図157)
演出25(AT終了演出)(図157)
を例示している。
まず、図154中、演出01(通常時期待感演出)を例に挙げ、演出に対応するイベント、カット数、及び分岐数について説明する。
なお、第8実施形態では、イベント名を4桁の数字で示し、4桁のうちの上位2桁は演出番号を表し、下位2桁は、当該演出中のイベント番号を「01」から付している。
有利区間通常時の演出であって連続演出でない場合(図153中、演出01~演出13)には、「イベントなし」が選択される場合を有する。演出01は、イベントとして、「0101」~「0107」の7種類を備える。
「イベントなし」は、すべての操作契機で選択される場合を有する。たとえばスタート時(スタートスイッチ41の操作時、又はリール31の回転開始時)には、「イベントなし」が選択される場合とイベント「0101」が選択される場合とを有する。同様に、1停時(第1ストップスイッチ42操作時、又は第1リール31の停止時)には、「イベントなし」、イベント「0102」、「0103」、「0104」、又は「0106」のいずれかが選択される場合を有する。
また、たとえばイベント「0102」は、1停時、2停時(第2ストップスイッチ42操作時、又は第2リール31の停止時)、3停時(第3ストップスイッチ42操作時、又は第3リール31の停止時)のいずれかの操作契機で選択される場合を有する。複数の操作契機で選択される可能性を有するイベントの場合、いずれかの操作契機で選択されたときは、当該遊技では重複して同一イベントは選択されない。たとえば1停時にイベント「0102」が選択されたときは、2停時や3停時ではイベント「0102」が選択されることはない。また、演出01では、全停後に選択されるイベントを有さない。
以上より、今回遊技で演出01が選択された場合には、たとえば、
スタート時:イベント「0101」
1停時:イベント「0104」
2停時:イベントなし
3停時:イベント「0102」
全停後:イベントなし
というような流れでイベントが出力される。
また、今回遊技で演出01が選択された場合に、すべての操作契機でイベントが選択される場合を有する。
たとえば、
スタート時:イベント「0101」
1停時:イベント「0104」
2停時:イベント「0102」
3停時:イベント「0105」
のような場合である。
さらに、これとは対照的に、今回遊技で演出01が選択された場合に、すべての操作契機でイベントが選択されない場合を有する。
たとえば、
スタート時:イベントなし
1停時:イベントなし
2停時:イベントなし
3停時:イベントなし
のような場合である。
この場合には、いずれかの演出ステージが選択されているので、背景画像のみが出力されている状態の遊技となる。
なお、複数の操作契機で出力可能なイベントを備える場合、同一イベントを複数の操作契機で出力してもよい。たとえば、イベント「0102」を1停目で出力した後、3停目でもイベント「0102」を出力するような例が挙げられる。
また、各イベント「0101」~「0107」のカット数はいずれも「1」である。このため、演出01におけるいずれのイベントが選択された場合であっても、少なくとも次の操作契機までは、切れ目のない連続した動画が出力される。
ただし、カットは、有限であり、予め尺(時間)が決まっている。たとえばイベント「0101」の再生時間が「T1」であると仮定する。そして、スタート時にイベント「0101」が選択されたと仮定する。
この場合、スタートスイッチ41の操作後、時間「T1」を経過するまで第1ストップスイッチ42を操作しなかった場合には、イベント「0101」の1カットが最後まで出力され、その後、当該1カットの最終画像で停止した状態となる。
また、スタートスイッチ41の操作後、時間「T1」を経過する前に第1ストップスイッチ42が操作されたが、1停時にはイベントが選択されなかったと仮定する。そして、2停前に時間「T1」を経過したと仮定すると、1停後から2停前までの間にイベント「0101」の1カットが最後まで出力され、その後、当該1カットの最終画像で停止した状態となる。
さらにまた、スタートスイッチ41の操作後、時間「T1」を経過する前に第1ストップスイッチ42が操作され、1停時にはイベント「0102」が選択されたと仮定する。この場合、1停を契機としてイベント「0101」から「0102」に切り替わる。すなわち、イベント「0101」の1カットが最後まで出力されていない場合であっても、1停を契機としてイベント「0101」の1カットの出力を中止し、イベント「0102」の1カットの出力を開始する。
また、演出01の分岐は、以下の通りである。
まず、スタート時は、イベントなしであるか又はイベント「0101」が選択される場合を有することから、スタート時の分岐数は「2」となる。
同様に、1停時は、イベントなしであるか又はイベント「0102」、「0103」、「0104」、又は「0106」が選択される場合を有することから、1停時の分岐数は「5」となる。換言すれば、1停時は、イベントなし、イベント「0102」、「0103」、「0104」、又は「0106」の5つのうちのいずれかに分岐することとなる。
さらに同様に、図154に示すように、2停時の分岐数は「2」、3停時の分岐数は「6」となっている。
演出03は、演出01と同様に、有利区間通常時(非AT)で選択可能な演出である。上述したように、有利区間通常時の演出であって連続演出でない場合には、「イベントなし」が選択される場合を有する。
また、イベント「0307」に示すように、1イベントのカット数は「1」に限らず、「2」以上である場合を有する。
また、演出03の2停時のように、イベントが選択されない操作契機を有する。
演出03に示すように、3停契機のイベントのカット数の平均値(全演出での平均値を指す。以下同じ。)は、1停や2停契機のイベントのカット数の平均値よりも多くなるように設定されている。演出03を例に挙げると、
1停時のイベントのカット数の平均値:1
3停時のイベントのカット数の平均値:1.2
である。
各操作契機のイベントのカット数の平均値としては、
a)3停時のイベントのカット数の平均値が最も多く、
b)スタート時のイベントのカット数の平均値は3停時のイベントのカット数の平均値と同等か又は少なく、
c)1停時や2停時のイベントのカット数の平均値は、3停時イベントのカット数の平均値より少ない
ようになっている。
さらに、単発演出や連続演出を合算した場合でも、1遊技で実行される演出としては、3停時のイベントのカット数の平均値は、1停時や2停時のイベントのカット数の平均値よりも多い。
このようになっているのは、3停時は、1遊技に必要な遊技者の操作が終了したタイミングであるので、演出に集中させることができる(イベントを十分に見せることができる)ためである。
また、遊技終了時にイベントのカット数を増加しても、遊技のテンポを悪くしてしまうことがなく、遊技者による操作の流れにおいて、遊技者が見たいイベントを誤って飛ばしてしまうことがないためである。
なお、カット数が多ければ1イベントの尺(時間)が長いとは限らないが、全体の平均値では、カット数が多いほど、1イベントの尺が長くなっている。
さらにまた、操作契機における演出の分岐数(全停後を除く。以下同じ。)の平均値は、
a)3停時の演出の分岐数の平均値が最も多く、
b)スタート時の演出の分岐数の平均値は、3停時の演出の分岐数の平均値と同等か又は少なく、
c)1停時や2停時の演出の分岐数の平均値は、3停時の演出の分岐数の平均値より少なく、
d)2停時の演出の分岐数の平均値が最も少ない
ようになっている。
演出01では、3停時の演出の分岐数が最も多く(分岐数「6」)、演出03ではスタート時及び3停時の演出の分岐数が最も多い(分岐数「6」)。
また、演出01及び演出03のいずれも、2停時の演出の分岐数が最も少ない(たとえば演出03の場合は、2停時の演出の分岐数は「1」)。
さらに、単発演出や連続演出を合算した場合に、1遊技で実行される演出としては、3停時の演出の分岐数の平均値は、1停時や2停時の演出の分岐数の平均値よりも多い。
ただし、連続演出のうち1遊技で実行される演出としては、1停時や2停時の演出の分岐数の平均値は、3停時の演出の分岐数の平均値よりも多い。
連続演出である演出14~演出18では、通常時の演出とは異なり、操作契機で設けられたイベントがある場合には、当該操作契機で必ずイベントが出力される。また、操作契機で設けられたイベントが複数ある場合には、当該操作契機ではいずれかのイベントが出力される。したがって、ある操作契機で少なくとも1つのイベントが定められている場合には、「イベントなし」にはならない。
たとえば演出14では、スタート時には必ずイベント「1401」が選択される。そして、1停時、2停時には定められたイベントを有さないのでイベントは選択されず、3停時にはイベント「1402」又は「1403」のいずれかが選択される。
演出15では、スタート時の分岐数は「1」、1停時の分岐数は「2」、3停時の分岐数は「1」である。演出15では、スタート時には必ずイベント「1501」が選択される。また、1停時にはイベント「1502」又は「1504」のいずれかが選択される。ここで、イベント「1504」はチャンスアップパターンである。したがって、1停目で、チャンスアップパターンが出力される場合と出力されない場合とを有する。さらにまた、3停時には必ずイベント「1503」が出力される。
また、イベント「1504」のチャンスアップパターンは、1停時に選択可能なイベントである。本実施形態におけるチャンスアップパターンは、いずれも1停時で選択可能なイベントであり、他の操作契機では選択されない。しかし、これに限らず、他の操作契機でもチャンスアップパターンを選択可能としてもよい。
ただし、チャンスアップパターンは、1遊技の進行中であって、早めに出力されることが好ましい。したがって、3停時よりも1停時(あるいはスタート時)にチャンスアップパターンが選択されやすく設定することが好ましい。1遊技内で早めに遊技者に期待感を与えるためである。なお、単発演出や連続演出のいずれも、1停時の方が2停時や3停時よりもチャンスアップパターンが出現しやすくなっている。
このため、連続演出では、1停契機の分岐数を、2停や3停契機の分岐数よりも多く設定している。遊技者に驚きを与えやすくなり、演出成功への期待感を高めることができるためである。
以下の連続演出の2ゲーム目や3ゲーム目でもチャンスアップパターンが選択される場合を有するが、いずれも1停を契機として選択されるように構成されている。
演出16は、連続演出の2ゲーム目(演出15が出力される遊技の次回遊技)で出力される演出であり、すべてのイベントのカット数が「1」である。イベント「1604」は、上記イベント「1504」と同様にチャンスアップパターンである。
連続演出の2ゲーム目以降についても演出15と同様に、操作契機で定められたイベントを有するときは、いずれかのイベントが選択され、出力される。したがって、演出16では、スタート時のイベントは必ず「1601」であり、1停時のイベントは「1602」又は「1604」のいずれかであり、2停時のイベントはなく、3停時のイベントは「1603」である。
演出17は、連続演出の3ゲーム目で出力される演出である。演出17の各イベントのカット数は、連続演出の1ゲーム目や2ゲーム目で選択されるイベントのカット数よりも相対的に多い。連続演出の1ゲーム目(演出15)で選択されるイベントのカット数平均値は「1.25」であり、連続演出の2ゲーム目(演出16)で選択されるイベントのカット数平均値は「1.0」であるのに対し、連続演出の3ゲーム目(演出17)で選択されるイベントのカット数平均値は「1.83」である。
なお、本実施形態の連続演出は、原則として3ゲーム継続するので、演出17が最終遊技の演出となる。ただし、連続演出の結末が遊技者に有利となる結末であり(何らかの抽選に当選している場合や、遊技者に有利な遊技状態に移行すること等)、かつ、連続演出の3ゲーム目(演出17)でイベント「1704」(失敗)が選択されたときは、例外として連続演出の4ゲーム目に移行し、演出18のイベント「1801」を出力する。よって、この場合のみ、連続演出は4ゲーム継続する。
連続演出の3ゲーム目は、原則として連続演出の最終遊技に位置づけられているので、全停後に、「失敗」を意味するイベント「1704」、又は成功を意味するイベント「1705」のいずれかが選択され、出力される。たとえば連続演出において何らかのミッション演出が出力され、そのミッションを達成できれば「成功」となり、そのミッションを達成できなければ「失敗」となる演出である。
たとえばCZに当選している場合、ATに当選している場合、又は特別役に当選している場合には、原則として、「成功」となるイベント「1705」が選択される。一方、たとえばCZに当選していない場合、ATに当選していない場合、又は特別役に当選していない場合には、「失敗」となるイベント「1704」が選択される。
ただし、たとえばCZに当選している場合、ATに当選している場合、又は特別役に当選している場合であっても、所定確率(たとえば20%)で、「失敗」となるイベント「1705」が選択され、かつ、次回遊技で演出18のイベント「1801」が選択される。
ここで、失敗に相当するイベント「1704」のカット数は「2」であるが、成功に相当するイベント「1705」のカット数は「4」である。成功時の演出の動きを多くすることで、特典付与の期待感を創出することができるためである。
また、全停後にイベント「1704(失敗)」が選択されるときの1停時にイベント「1706」のチャンスアップパターンが選択される確率を「X1」とし、全停後にイベント「1705(成功)」が選択されるときの1停時にイベント「1706」のチャンスアップパターンが選択される確率を「X2」としたとき、
「X1<X2」
である。
換言すれば、チャンスアップパターンが選択されると、「成功」となる期待値が高くなるように設定されている。
演出18は、スタート時にイベント「1801」が出力される演出である。このイベントのカット数は「4」であり、1イベントのカット数としては多い方である。上記の例でいえば、ミッションに一度「失敗」したが、再チャレンジして(たとえばキャラクタが復活して)「成功」となるような演出に相当する。
なお、以上は連続演出を示したが、たとえばCZの開始時から終了時までの演出は、連続演出に類似する演出が出力される。CZの最終遊技では、成功又は失敗のイベントが出力される。
演出20は、通常時に確定演出を出力するときに選択される。演出20では、スタート時に1カットのイベント「2001」が選択され、全停まで継続される。ただし、これに限らず、1停時、2停時、又は3停時を契機として当該イベントを選択し、確定演出を出力してもよい。
この確定演出は、いわゆるプレミア演出であり、通常の演出が行われているときに、前兆や連続演出を経由することなく、今回遊技(1遊技)で、特別役の当選、CZの当選、又はATの当選等を告知するときに選択される。
確定演出のイベント「2001」を1カットから構成しているのは、確定演出のカット数をあえて少なくすることで、確定演出に注目させるようにするためである。
演出21~演出25は、AT中において選択される演出である。
演出21は、AT開始演出に相当する。ここで選択されるイベント「2101」のカット数は「3」であり、スタート時に選択される。ただし、これに限らず、1停時、2停時、又は3停時を契機として当該イベントを選択し、AT開始演出を出力してもよい。
これに対し、後述するAT終了演出(演出25)でのイベントのカット数は「1」である。AT開始の場面では、カット数を多くする(動きを多い演出とする)ことでAT開始を盛り上げ、期待感を創出するためである。これに対し、AT終了時にはカット数をあえて減らすことでATをフェードアウトさせる効果を持たせるためである。
演出22は、AT通常演出である。AT中は毎遊技、スタート時、1停時、2停時、及び3停時のいずれも、異なるイベントが選択され、必ず出力されるように構成されている。ただしこれに限らず、AT中であっても役の非当選時やリプレイ当選時には、すべての操作契機で特有のイベントを出力しないようにしてもよい。
これに対し、AT中の押し順ベル当選時には、スタート時に正解押し順が報知されるとともに、1停時、2停時、3停時において特有のイベントを選択し、出力する。
演出23は、AT中の上乗せ演出である。AT中の上乗せ演出としては、多種類のイベントが設けられており、演出の多様化を図ることができるようになっている。
また、演出24は、AT中の期待感演出(たとえば、上乗せ抽選の対象となる役に当選したときに出力される演出)では、各操作契機ごとにイベントが出力される。
演出22~演出24に示すように、通常時演出と同様に、スタート時や3停時を契機として出力されるイベントのカット数の平均値は、1停時や2停時を契機として出力されるイベントのカット数の平均値よりも多くなっている。
演出25は、AT終了演出である。スタート時にカット数「1」のイベントが選択される。ただし、これに限らず、1停時、2停時、3停時、又は全停後に当該イベントを選択し、AT終了演出を出力してもよい。演出25では、AT中の遊技結果等に応じていずれかのイベントを抽選等で決定する。
なお、以上は、演出が選択されたときに、どのイベントを選択するかを抽選等で決定したが、イベントの組合せのパターンを選択してもよい。たとえば、演出ごとに発生し得るイベントの組合せのパターンを記憶しておき、スタート時に今回遊技で出力される演出(たとえば演出01等)と、当該演出におけるイベントの組合せのパターンを決定して、決定したパターンに従って演出を出力することも可能である。
以上、本発明の第8実施形態について説明したが、本発明は、上述した内容に限定されるものではなく、たとえば以下のような種々の変形が可能である。
(1)上記実施形態では、各演出のカット数や分岐数を中心に説明したが、演出の音量については、たとえば以下のように構成することが挙げられる。
まず、図152に示すいずれかの演出ステージが選択されると、その演出ステージ特有の背景音楽(バックグラウンド・ミュージック。以下単に「BGM」という。)が選択され、出力される。
そして、たとえば演出20(確定演出)が選択され、イベント「2001」が出力されると、イベント「2001」に対応するBGMの音量は、そのときの演出ステージの一般的なBGMの音量よりも大きい。このように構成することで、確定演出を強調し、遊技者に注目させることができる。
ただし、エラー検知時に出力されるBGMの音量は、すべての演出に係るBGMの音量よりも大きい。このように構成することで、エラー検知時に周囲に注意喚起を行うとともに、ホール店員にエラーの発生に容易に気づかせることができる。
また、たとえば連続演出の3ゲーム目(演出17が選択される遊技)において、全停後にイベント「1705(成功)」が出力されるときは、BGMを変化させる。ここで、BGMの変化が「成功」を意味する演出の1つとすると、イベント「1705」の出力開始とともにBGMを変化させてもよく、あるいは、イベント「1705」の出力開始前にBGMを変化させ、イベント「1705」の出力を示唆してもよい。
また、イベント「1705(成功)」のBGMのテンポ(曲の速度)は、イベント「1704(失敗)」のBGMのテンポよりも速い。さらにまた、イベント「1705(成功)」のBGMの音量は、イベント「1704(失敗)」のBGMの音量よりも大きい。
さらに、ATにおいては、演出21(AT開始演出)のイベント「2101」のBGMのテンポは、演出25(AT終了演出)のイベント「2501」又は「2502」のBGMのテンポよりも速い。
また、演出21(AT開始演出)のイベント「2101」のBGMの音量は、演出25(AT終了演出)のイベント「2501」又は「2502」のBGMの音量よりも大きい。
以上のようにして、AT開始時には、BGMのテンポを速くし、かつ、音量を大きくすることにより、AT開始を盛り上げ、期待感を創出するようにしている。
(2)また、演出画像の色彩については、たとえば以下ように構成することが挙げられる。
まず、演出17において、イベント「1705(成功)」で表示され得る画像の明度・彩度の平均値は、イベント「1704(失敗)」で表示され得る画像の明度・彩度の平均値よりも高い。成功時の演出を明るい演出とすることで、特典付与に対する期待感を創出するためである。
一方、たとえば通常時のステージには、ATやCZの当選期待値が異なる低確ステージ、通常ステージ、高確ステージを有するが、高確ステージで表示され得る画像の明度・彩度の平均値は、通常ステージや低確ステージで表示され得る画像の明度・彩度の平均値よりも低い。たとえば、高確ステージは夜をモチーフとする画像とし、通常ステージは夕方をモチーフとする画像とし、低確ステージは昼をモチーフとする画像とすることが挙げられる。
そして、低確ステージから連続演出に発展する場合よりも、高確ステージから連続演出に発展する場合の方が、連続演出中に表示され得る画像の明度・彩度が相対的に低い連続演出に発展しやすいように構成してもよい。このようにすることで、連続演出中の明度・彩度を、連続演出前のステージ(明度・彩度)に合わせることが可能となる。
また、通常時に出力される演出においても、CZ、AT、特別役の当選期待度の高い演出(いわゆる熱い演出)で表示され得る画像の明度・彩度の平均値は、他の演出で表示され得る画像の明度・彩度の平均値よりも低い。このように明度・彩度と当選期待度との関係を持たせれば、今回遊技の明度・彩度から、遊技者が当選期待度を推測すること、換言すれば当選期待度を示唆することが可能となる。
ただし、滞在ステージ、キャラクタ、遊技情報(クレジット数)等のUI画像の明度・彩度は、遊技を通じて(CZ、AT、特別役等の当選期待度にかかわらず)一定である。
<第9実施形態>
続いて、第9実施形態について説明する。
第9実施形態の遊技機は、メダルレス遊技機(「スマートスロット」ともいう。)に関する。
第9実施形態において、用語の意味は、以下の通りである。
メダルレス遊技機における「遊技媒体(遊技価値)」は、「電子情報(電子メダル、電子遊技媒体)」である。以下の説明では単に「遊技媒体」という。
「貸出し」とは、貸出しユニット200から遊技機に遊技媒体を移し、遊技機にクレジットすることをいう。
「クレジット」とは、遊技機に遊技媒体を貯留することをいう。一般的なメダル遊技機では、遊技媒体の貯留数は「50」が上限であるが、メダルレス遊技機では、たとえば「16384」を上限として貯留可能となっている。
特に、メダルレス遊技機における「クレジット」とは、具体的には、後述する遊技媒体数制御基板100(より具体的には遊技媒体数記憶手段103a)への(電子メダル、電子遊技媒体の)記憶に相当する。なお、「遊技媒体数制御基板100」は、「遊技メダル数制御基板100」とも称される。
したがって、メダルレス遊技機における「クレジットされている遊技媒体」とは、遊技媒体数制御基板100に記憶されている遊技媒体、又は遊技メダル数制御基板100に記憶されている遊技メダルに相当する。
「ベット」とは、遊技を行うために遊技媒体を賭けることをいう。ベットスイッチ40を操作すると、クレジットされている遊技媒体のうちの所定数(たとえば「3」)がベットされる。この点は、メダル遊技機と同じである。
「精算」とは、メダル遊技機における精算とは異なり、ベットされている遊技媒体をクレジットに戻すことをいう。すなわち、ベットされている遊技媒体を「0」にすること(ベット数を「0」にすること)である。
「計数」とは、遊技機にクレジットされている遊技媒体を貸出しユニット200に戻すことをいう。
「返却」とは、貸出しユニット200に記憶されている遊技媒体をカード等(磁気カードやICカード等の記憶媒体)に記憶し、そのカード等を貸出しユニット200から排出することをいう。
図158は、第9実施形態における遊技機10(スロットマシン)のブロック図を示す図である。上述したように、第9実施形態における遊技機10は、メダルレス遊技機である。
図158において、第9実施形態における遊技機10では、第1実施形態(図1)の遊技機10と異なり、メダル投入口47、メダルセレクタ(通路センサ46、ブロッカ45、投入センサ44)は設けられていない。
また、メダル払出し装置(ホッパー35、ホッパーモータ36、払出しセンサ37)も設けられていない。
主制御基板50は、第1実施形態(図1)におけるメイン制御基板50に相当する。
また、ベット数表示部77は、現在のベット数を表示する2桁のLEDである。
付与数表示部78は、第1実施形態における獲得数表示LED78に相当する。
遊技媒体数制御基板100は、遊技機10にクレジットされている遊技媒体数を管理する基板である。
遊技媒体数制御基板100は、第2主制御基板(手段)、払出制御基板(手段)、メダル数制御基板(手段)、メダル数表示制御基板(手段)、又は遊技媒体数表示制御基板(手段)等とも称される。遊技媒体数制御基板100は、主制御基板50と同様に、不正防止のためのセキュリティ性が求められるため、基板ケース内に収容され、カシメ(封印部材)により封印することによって、基板ケースの開放(遊技媒体数制御基板100内へのアクセス)が困難となるように構成されている。
遊技媒体数制御基板100には、入力ポート101又は出力ポート102を介して、主制御基板50、計数スイッチ47、遊技媒体数表示基板120、貸出しユニット200等が電気的に接続されている。
遊技媒体数制御基板100は、主制御基板50と同様に、独立したRWM103、ROM104、CPU105を備える。これらのRWM103、ROM104、CPU105は、1つのチップ内に内蔵されていてもよい。
RWM103は、CPU105が遊技媒体数(クレジット数)を管理するときに取り込んだデータ等を一時的に記憶する記憶手段である。RWM103には、遊技媒体数を記憶する遊技媒体数記憶手段103aを備える。貸出しユニット200から遊技媒体が貸し出されると、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数が更新(加算)される。さらに、小役の入賞により遊技媒体が付与されると、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数が更新(加算)される。
また、遊技を開始するためにベットスイッチ40が操作されると、ベット数に対応する遊技媒体数(たとえば3ベットスイッチ40bが操作されたときは、ベット数「3」)だけ、遊技媒体数記憶手段103aの遊技媒体(データ)が更新(減算)される。
さらにまた、ROM104は、クレジット数を管理するときのプログラムや各種データ等を記憶する。
さらに、CPU105は、遊技媒体数制御基板100上に設けられたCPU(演算機能を備えるIC)であり、遊技媒体数の管理に必要なプログラムの実行、演算等を行う。
なお、主制御基板50を主制御基板の1つと見たとき、遊技媒体数制御基板100は、主制御基板の他の1つである。このため、主制御基板50のRWM53、ROM54、CPU55は、それぞれ(第1主制御)RWM53、(第1主制御)ROM54、(第1主制御)CPU55と表示している。
そして、遊技媒体数制御基板100のRWM103、ROM104、CPU105は、それぞれ(第2主制御)RWM103、(第2主制御)ROM14、(第2主制御)CPU105と表示している。
第9実施形態では、主制御基板50と遊技媒体数制御基板100とを別体から構成しているが、1つの主制御基板から構成することも可能である。ただし、この場合も、1つの制御基板上に、第1主制御RWM53、第1主制御ROM54、第1主制御CPU55、第2主制御RWM103、第2主制御ROM104、第2主制御CPU105が設けられることになる。
また、副制御基板80は、第1実施形態(図1)のサブ制御基板80に相当する。そして、副制御基板80のRWM83、ROM84、CPU85を、それぞれ(副制御)RWM83、(副制御)ROM84、(副制御)CPU85と表示している。
遊技媒体数制御基板100には、遊技媒体数表示基板120が電気的に接続されている。この遊技媒体数表示基板120上には、遊技媒体数表示部121が搭載されている。遊技媒体数表示部121は、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数を表示するものであり、たとえば5桁のLEDから構成される。
たとえば、遊技媒体数記憶手段103aに遊技媒体数として「100」が記憶されていると仮定する。この場合に、遊技媒体数表示部121には「100」と表示される。
遊技を開始するためにたとえば3ベットスイッチ40bが操作されると、そのベット操作信号が主制御基板50から遊技媒体数制御基板100に送信される。遊技媒体数制御基板100は、遊技媒体数記憶手段103aに記憶された遊技媒体数に基づいて、当該ベットが可能であるか否かを判断し、ベット可能であると判断したときは、主制御基板50に対してベット信号を送信する。主制御基板50は、当該ベット信号を受信すると、ベット処理を実行し、ベット数記憶手段53aにベット数を記憶する。ベット数記憶手段53aに記憶されたベット数が「0」から「3」に更新されると、ベット数表示部77の表示(下一桁)も「0」から「3」に更新される。
一方、遊技媒体数制御基板100は、主制御基板50からベット操作信号を受信し、ベット可能であると判断したときは、遊技媒体数記憶手段103aに記憶された遊技媒体数を更新する。この例では、たとえばベット前の遊技媒体数記憶手段103aに記憶された遊技媒体数が「100」であるときは、「3」ベットされると「97」に更新される。そして、遊技媒体数表示部121の表示も「100」から「97」に更新される。
また、精算スイッチ46が操作されると、ベットされている遊技媒体がクレジットに戻される(換言すれば、ベット数が「0」になる)。
ベット数記憶手段53aにベット数が記憶され、ベット数表示部77にベット数が表示されている状況下において、スタートスイッチ41を操作する前(遊技を開始する前)に精算スイッチ46が操作されたときは、ベット数をクレジットに戻す。
たとえばベット数記憶手段53aに「3」が記憶され、かつ、遊技媒体数記憶手段103aに「97」が記憶されている状況下において、精算スイッチ46が操作されると、ベット数記憶手段53aに記憶されているベット数は「3」から「0」に更新される。これにより、ベット数表示部77の表示は「3」から「0」に更新される。
また、精算スイッチ46が操作されたことに基づいて、精算信号(ベット数「3」を戻すことに相当する信号)が主制御基板50から遊技媒体数制御基板100に送信される。遊技媒体数制御基板100は、この精算信号を受信すると、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数を「97」から「100」に更新する。これにより、遊技媒体数表示部121の表示は「97」から「100」に更新される。
このように、精算スイッチ46は、ベットされた遊技媒体をクレジットに戻す(ベット数を「0」にする)ときに使用される。したがって、精算スイッチ46が操作されても、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数が減算されることはない。
また、ベット数記憶手段53aにベット数が記憶されていない状況において精算スイッチ46が操作されても、ベット数記憶手段53aに記憶されているベット数は「0」のままであり、かつ、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数もそのままである。
遊技媒体がベットされている状況下でスタートスイッチ41が操作されることにより遊技が開始される。次に、ストップスイッチ42が操作されることによりリール31が停止する。そして、役に対応する図柄組合せが停止表示すると、遊技媒体が付与される。この点は、第1実施形態と同様である。
遊技媒体が付与されると、主制御基板50は、付与数記憶手段53bに遊技媒体の付与数を記憶する。さらに、主制御基板50は、付与数(払出し数)信号を遊技媒体数制御基板100に送信する。遊技媒体数制御基板100は、付与数信号を受信したときは、付与数信号に対応する遊技媒体数だけ、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数に加算する。たとえば、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数が当該遊技の終了前までは「97」であり、付与数が「14」であるときは、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数は「111」に更新される。さらに、遊技媒体数表示部121の表示も「97」から「111」に更新される。
また、付与数記憶手段53bに付与数が記憶された後は、次回遊技のスタートスイッチ41の操作時(遊技の開始時)や、次回遊技の全リール31の停止時等に、付与数記憶手段53bに記憶された付与数をクリアする。付与数記憶手段53bに記憶されている付与数がクリアされると、付与数表示部78の表示も「0」に更新される。
さらに、遊技媒体数制御基板100には、総遊技媒体数クリアスイッチ112が設けられている。総遊技媒体数クリアスイッチ112が操作されると、遊技媒体数制御基板100の遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている(総)遊技媒体数をクリア可能としている(「0」を記憶する)。遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数がクリアされると、遊技媒体数表示部121に表示されている遊技媒体数も「0」に更新される。
ここで、総遊技媒体数クリアスイッチ112は、遊技機10の電源をオフにし、総遊技媒体数クリアスイッチ112をオンにした状態で遊技機10の電源を投入することにより有効となる(遊技媒体数制御基板100に記憶された遊技媒体数がクリアされる)。このため、遊技機10の電源をオンした後、たとえば遊技待機中に総遊技媒体数クリアスイッチ112が操作されても遊技媒体数はクリアされない。
なお、総遊技媒体数クリアスイッチ112の操作によりクリアされる情報は、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている総遊技媒体数のみであり、他の情報はクリアされない。
たとえば、ベット数記憶手段53aに記憶されているベット数が「3」であり、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数が「1000」であるときに、総遊技媒体数クリアスイッチ112が操作されると、ベット数記憶手段53aに記憶されているベット数は「3」のままであるが、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数は「0」となる。換言すると、総遊技媒体数クリアスイッチ112が操作されたことにより、ベット数記憶手段53aに記憶されているベット数はクリアされない。
さらにまた、第9実施形態の例では、遊技媒体数制御基板100に役比モニタ113(第1実施形態(図1)中、管理情報表示LED74)が搭載されている。ただし、これに限らず、第1実施形態と同様に、主制御基板50上に役比モニタ113を搭載してもよい。
貸出しユニット(「管理装置」、「CRユニット」ともいう。)200は、遊技媒体の貸出し及び払戻しを行うための装置であり、遊技機1台ごとに設けられ、その遊技機に隣接して配置される。ホールでは、貸出しユニット200は、遊技機の間に配置されることから、サンドと称される場合がある。また、遊技機と、その遊技機に対応する貸出しユニット200とから「遊技システム」が構成される。
貸出しユニット200と遊技媒体数制御基板100との間の通信により、貸出しユニット200から遊技媒体数制御基板100に遊技媒体を移行(貸出し)可能となっており、貸し出された遊技媒体を遊技媒体数制御基板100にクレジット可能となっている。
さらに、遊技機10にクレジットされている遊技媒体(遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体)を貸出しユニット200に戻すことが可能となっている。
貸出しユニット200は、貸出しスイッチ202、返却スイッチ203、貸出可能遊技媒体数表示部204、貸出可能遊技媒体数記憶手段206を備える。
貸出可能遊技媒体数記憶手段206は、貸出ユニット200から遊技機10に対して貸し出すことができる遊技媒体数を記憶しておくものであり、たとえば貸出ユニット200の内部に備えるRWMから構成されている。貸出可能遊技媒体数記憶手段206に記憶されている貸出可能遊技媒体数は、貸出可能遊技媒体数表示部204に表示される。貸出可能遊技媒体数表示部204は、たとえば3桁の7セグから構成される。
貸出しユニット200内に紙幣が投入されると、投入された紙幣に対応する度数(たとえば千円の投入により度数「50」)が貸出可能遊技媒体数記憶手段206に記憶され、かつ、貸出可能遊技媒体数表示部204に表示される。
貸出しスイッチ202は、遊技媒体を遊技機10に貸し出すときに操作されるスイッチである。貸出可能遊技媒体数記憶手段206に貸出し可能な遊技媒体が記憶されている場合に、たとえば貸出しスイッチ202が1回押されるごとに、度数「50」(貸出し可能な度数が「50」未満の場合には貸出し可能な全度数)に相当する遊技媒体の貸出しが行われる。
貸出しユニット200から遊技媒体が貸し出されると、その情報は遊技媒体数制御基板100に送信され、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数が更新される。さらに、遊技媒体数表示部121による遊技媒体数の表示も更新される。たとえば、クレジット数が「10」のときに、貸出しユニット200から「50」の遊技媒体が貸し出されると、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数、及び遊技媒体数表示部121に表示される遊技媒体数は、いずれも「10」から「60」に更新される。
一方、遊技者は、遊技をやめるときや、遊技媒体数表示部121に表示されている遊技媒体数(遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数)が過多となったときは、計数スイッチ47を操作して、遊技媒体の全部又は一部を遊技機10から貸出しユニット200に移す操作を行う。
詳細は後述するが、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数が「15000」以上となったときは、計数を促進する演出を出力するように構成されている。特に本実施形態では、遊技媒体数記憶手段103aに記憶可能な遊技媒体数の上限値は「16384」に定められているため、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数が上限値「16384」に近づいたときは、少なくとも一部の遊技媒体を貸出しユニット200に戻すことを推奨している。
また、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数が「15000」以上となったときは、遊技の進行が可能、かつ、計数が可能であるが、貸出しユニット200から遊技媒体の貸出しは不可となる。
計数スイッチ47が操作されると、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体が接続端子板130を介して貸出ユニット200に送信される。たとえば、遊技媒体数記憶手段103aに遊技媒体数「1000」が記憶されている状況下において、計数スイッチ47が1回操作され、計数値として「50」という情報が接続端子板130に送信されると、貸出ユニット200に計数値として「50」という情報が送信される。そして、計数値を送信した後の遊技媒体数記憶手段103aには「950」が記憶される。また、上記のようにして遊技媒体が戻されると、貸出しユニット200側では、貸出可能遊技媒体数記憶手段206に記憶されている遊技媒体数が「50」だけ増加する。
なお、計数スイッチ47の押下時間によって貸出ユニット200に送信される遊技媒体数が異なるように構成されている。たとえば計数スイッチ47を短押し(たとえば「0.5」秒未満)したときは、遊技媒体数「1」が貸出ユニット200に送信される。また、計数スイッチ47を長押し(たとえば「0.5」秒以上)したときは、1回の長押しに対して遊技媒体数「50」が貸出ユニット200に送信される。計数スイッチ47の長押しを繰り返せば、遊技媒体数が「50」ずつ、貸出ユニット200に送信される。
具体的には、遊技機10から貸出ユニット200に対し、遊技機情報通知、及び計数通知を送信し、次に貸出ユニット200から遊技機10に対し貸出通知を送信する。遊技機10は、貸出通知を受領すると、貸出ユニット200に対し、貸出受領結果応答を送信する。遊技機10は、遊技機情報通知の送信から、次の遊技機情報通知の送信までの時間が300msとなるように送信する。
そして、上記の計数通知には計数メダル数が含まれている。計数スイッチ47の操作を受け付けると、計数通知のタイミングで計数メダル数(「1」又は「50」)を送信する。
また、計数スイッチ47が操作される前の遊技媒体数表示部121には「1000」と表示されている状況下において、貸出ユニット200に計数値として「50」という情報が送信されると、遊技媒体数表示部121の表示は「950」に更新される。
さらに、遊技者が遊技をやめるときは、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている全遊技媒体数を貸出ユニット200に送信した上で、貸出しユニット200の返却スイッチ203を操作する。返却スイッチ203が操作されると、貸出ユニット200の貸出可能遊技媒体数記憶手段206に記憶されている全遊技媒体数をカード等に記憶し、当該カード等を貸出ユニット200から排出する。ここで、遊技媒体数を度数換算してカード等に記憶してもよい。
なお、遊技媒体数制御基板100の遊技媒体数記憶手段103aに「1」以上の遊技媒体数が記憶されている場合であっても、貸出ユニット200の貸出可能遊技媒体数記憶手段206に記憶されている遊技媒体数(貸出し可能な遊技媒体数)が「0」であるときは、返却スイッチ203を操作してもカード等は排出されない。
一方、遊技媒体数制御基板100の遊技媒体数記憶手段103aに「1」以上の遊技媒体数が記憶されており、かつ、貸出ユニット200の貸出可能遊技媒体数記憶手段206に記憶されている遊技媒体数が「1」以上であるときは、返却スイッチ203を操作すると、貸出可能遊技媒体数記憶手段206に記憶されている全遊技媒体数をカード等に記憶し、カード等を排出する。
したがって、上記の場合には、計数スイッチ47を操作することにより、遊技媒体数記憶手段103aに記憶された遊技媒体を貸出ユニット200に送信し、貸出可能遊技媒体数記憶手段206に遊技媒体を記憶する。その後、返却スイッチ203を操作すれば、貸出可能遊技媒体数記憶手段206に記憶された遊技媒体がカード等に記憶され、貸出ユニット200から排出される。貸出可能遊技媒体数記憶手段206に記憶された遊技媒体がカード等に記憶されると、貸出可能遊技媒体数記憶手段206に記憶された貸出可能遊技媒体数は「0」に更新される。
ホールコンピュータ300は、ホール営業のためのデータ収集用のコンピュータである。たとえば当日の遊技回数、イン(投入)数、アウト(付与)数、差数、MY、役物作動回数、貸出数等を集計する。
また、貸出しユニット200は、ホールコンピュータ300と電気的に接続されているので、貸出しユニット200からホールコンピュータ300に対して遊技媒体の貸出しや払戻し等に関する情報が一方向で送信される。
管理コンピュータ400は、外部(ホール外のたとえば外部センタ)に情報を送信するためのコンピュータである。なお、管理コンピュータ400についても、ホールコンピュータ300と同様に、ホール内に設置されている。
第9実施形態では、ホールコンピュータ300と管理コンピュータ400とを別に設けているが、これらが1つになったコンピュータとしてもよい。
以上の構成からなるメダルレス遊技機においては、上述したように、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数が「15000」以上となったときは、計数を促進する演出を出力する。
さらに、一人の遊技者が遊技を行った結果、計数値から貸出し数を引いた差数が「15000」以上である場合には、祝福演出を出力する。
ただし、祝福演出は、遊技者が遊技を終了するときに出力するようにするために、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数の一部を計数しただけでは祝福演出を出力しないようにし、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数が「0」になるように計数したことを条件として祝福演出を出力する。
また、祝福演出は、遊技者が遊技を終了するときに出力するようにするために、たとえばサブボーナス(AT)や特別遊技状態の途中では、計数が実行されたとしても祝福演出を出力しない。
図159は、第9実施形態における計数関連演出を示すフローチャートである。
まず、ステップS601では、遊技媒体数制御基板100は、計数スイッチ47が操作されたか否かを判別する。
計数スイッチ47が操作されたと判断したときはステップS602に進み、遊技媒体数制御基板100は、計数処理を実行する。そして次のステップS603において、遊技媒体数制御基板100は、計数値を記憶(更新)する。
次にステップS604に進み、遊技媒体数制御基板100は、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数が「0」となったか否か、すなわちすべての遊技媒体が計数されたか否かを判断する。遊技媒体数が「0」であると判断したときはステップS605に進み、遊技媒体数が「0」でないと判断したときはステップS610に進む。
ステップS605では、遊技媒体数制御基板100は、ベット数が「0」であるか否かを判断する。たとえばベットスイッチ40が操作され、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数からベット数を減じた後、遊技が開始されておらず、かつ、精算スイッチ46が操作されていないと判断したときは、ベット数が「0」でないと判断する。ベット数が「0」であると判断したときはステップS606に進み、ベット数が「0」でないと判断したときはステップS613に進む。
ステップS613では、遊技媒体数制御基板100は、副制御基板80に対し、精算促進演出を出力させる要求を行う。ここでは、遊技媒体のすべてが計数されているがベット数が残っている状態であるので、遊技者によるベット数の計数忘れの可能性が高いためである。そして、ステップS614に進み、遊技媒体数制御基板100は、精算スイッチ46が操作されたか否か(精算処理が実行されたか否か)を判断する。上述したように、精算スイッチ46が操作されると精算信号が主制御基板50から遊技媒体数制御基板100に送信されるので、当該精算信号を受信したときは精算ありと判断する。精算なしと判断されたときはステップS613に戻り、精算ありと判断したときはステップS601に戻る。精算処理が実行されると、ベットされていた遊技媒体が遊技媒体数記憶手段103aに戻るので、再度、計数スイッチ47が操作されることを待つようにする。
ステップS605においてベット数が「0」であると判断され、ステップS606に進むと、遊技媒体数制御基板100は、計数値と貸出し数との差数を算出する。
次にステップS607に進み、遊技媒体数制御基板100は、差数が「15000」以上であるか否かを判断する。差数が「15000」以上であると判断したときはステップS608に進み、差数が「15000」以上でないと判断したときはステップS610に進む。
ステップS608では、遊技媒体数制御基板100は、通常状態であるか否かを判断する。ここで「通常状態」とは、サブボーナス(AT)中でないことに相当する。また、特別役を入賞させて特別遊技を実行する仕様である場合には、特別遊技状態でないことに相当する。ここでは、通常状態であることを条件としてステップS609に進むようにするためである。換言すれば、サブボーナス中等である場合には、まだ遊技をやめないと推測できるからである。そして、遊技者が遊技を終了するときに祝福演出を出力するためである。
なお、遊技媒体数制御基板100は、主制御基板50から、サブボーナス(AT)中や特別遊技状態である旨の情報を受信し、記憶しておき、ステップS608の判断に用いるようにする。
ステップS608において通常状態であると判断したときはステップS609に進み、通常状態でないと判断したときはステップS610に進む。
ステップS609では、遊技媒体数制御基板100は、副制御基板80に対し、祝福演出を出力させる要求を行う。そしてステップS610に進む。この祝福演出は、遊技者の差数が「15000」以上であったことから、大量獲得に対するプレミア演出の1つである。
ステップS610では、遊技媒体数制御基板100は、副制御基板80に対し、注意喚起演出を出力させる要求を行う。この注意喚起演出は、計数後に出力されるものであり、貸出しユニット200から、計数した遊技媒体を記憶したカード等を取り忘れることがないようにすべきことを出力するものである。そして本フローチャートによる処理を終了する。
一方、ステップS601において計数スイッチ47が操作されていないと判断されたときはステップS611に進み、遊技媒体数制御基板100は、遊技媒体数記憶手段103aに記憶されている遊技媒体数が「15000」以上であるか否かを判断する。遊技媒体数が「15000」以上であると判断したときはステップS612に進み、遊技媒体数が「15000」以上でないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS612では、遊技媒体数制御基板100は、副制御基板80に対し、計数促進演出を出力させる要求を行う。上述したように、遊技媒体数記憶手段103aに記憶可能な遊技媒体数の上限は「16384」であるため、「15000」以上となったときは、早めに計数すべきことを遊技者に報知する。
<第10実施形態>
第10実施形態は、サブボーナスの終了後にサブボーナスの引戻しを実行可能とする引戻しゾーン(「引戻し区間」や「引戻しCZ」とも称される。)に移行する。なお、第10実施形態では、第1実施形態と同様に、「AT」は「サブボーナス」である。
遊技区間としては、他の実施形態と同様に、通常区間と有利区間とを備える。
また、遊技状態としては、報知遊技状態と非報知遊技状態とを備える。
「報知遊技状態」とは、押し順ベル当選時に正解押し順を報知可能な遊技状態をいう。「報知遊技状態」には、押し順ベルに当選したすべての遊技で正解押し順を報知する遊技状態と、押し順ベルに当選した一部の遊技で正解押し順を報知する遊技状態とを有する。
そして、サブボーナス(AT)は、報知遊技状態である。
一方、「非報知遊技状態」とは、押し順ベルに当選した遊技で正解押し順を報知しない遊技状態をいう。有利区間は報知遊技状態のときと非報知遊技状態のときとを有するが、通常区間は常に非報知遊技状態である。
さらにまた、第10実施形態では、遊技状態と異なる概念としてメイン遊技状態を備える。
「メイン遊技状態」としては、通常区間、有利区間の1遊技目(移行準備状態)、非ATかつ非CZ(いわゆる通常状態)、非ATかつCZ、サブボーナス通常、サブボーナス特化ゾーン、サブボーナスED(エンディング)、引戻しゾーン等を備える。各メイン遊技状態ごとに番号が割り当てられており、現在のメイン遊技状態番号がRWM53に記憶されている。たとえば通常区間のメイン遊技状態番号は「0」と定められている。
第10実施形態の「引戻しゾーン」は、サブボーナスの終了後に移行するメイン遊技状態であるが、この引戻しゾーンは、報知遊技状態又は非報知遊技状態のいずれであってもよい。
「CZ(チャンスゾーン)」は、通常状態よりもサブボーナスの当選確率が高い状態を指す。本実施形態における引戻しゾーンは、非CZよりもサブボーナスの当選確率が高い遊技状態であるので、CZの1つであるといえる。
なお、CZは、報知遊技状態又は非報知遊技状態のいずれであってもよい。
第10実施形態において、リール31の図柄配列、当選役、当選番号、当選確率(置数表)、及び条件装置は、第1実施形態と同一であるものとする(図1~図26)。
また、第10実施形態では、有利区間の遊技回数上限値は「4000」とし、有利区間の差数の上限は第1実施形態と同様に、有利区間の開始時を「0」としたときに「+2400」であるものとする。有利区間の遊技回数が「4000」に到達したとき、又は有利区間の差数が「2400」を超えたときは、有利区間の終了条件を満たすと判断する。
さらにまた、第1実施形態では、天国Bモードに移行したときは、天国Bモードを90%でループし、10%で天国B引戻しモードに移行した。そして、天国Bモードでは、20%で天国Bモードに移行する(引戻しする)ようにした。
これに対し、第10実施形態では、サブボーナス終了後に必ず引戻しゾーンに移行し、引戻しゾーンでサブボーナスの引戻し抽選を行う。
サブボーナスに移行する前の状態では、所定(たとえば宝箱、盾、槍等、何らかの物の形を模したもの)のアイコン(以下単に「アイコン」という。)の獲得抽選を実行する。アイコンの獲得抽選は、毎遊技、当選番号(役抽選結果)に応じた当選確率で実行する。
また、アイコンの獲得抽選が実行されたことや、アイコンの獲得抽選に当選しても、サブボーナス移行前に遊技者には報知されない。ただし、アイコンの獲得抽選が実行されたことや、アイコンの獲得抽選に当選したことを示唆する(アイコンの獲得抽選が実行された期待度が高いことや、アイコンの獲得抽選に当選した期待度が高いことを意味する)演出を出力することは可能である。
サブボーナスの移行前に、アイコンの獲得抽選によりアイコンの数が増加することはあるが、アイコンの数が減少することはない。
そして、サブボーナスが開始されるときに、それまでに獲得した数のアイコンを画像表示し、遊技者に報知する。サブボーナスの移行前に獲得したアイコンの個数が4個以下であるときは、サブボーナスの開始時のアイコンの個数の初期値を5個に設定する。換言すれば、サブボーナスの開始時におけるアイコンの個数の最小値は5個である。また、サブボーナスの移行前に獲得したアイコンの個数が6個以上であるときは、サブボーナスの開始時におけるアイコンの個数の初期値をその個数(6個以上)に設定する。
また、サブボーナス中は、当選番号に応じてアイコンの獲得抽選を実行する。なお、サブボーナス中にアイコンの個数が減少することはない。サブボーナス中にアイコンを獲得したときは、その都度、画像表示されているアイコンの個数を増加してもよく、あるいは、サブボーナス中はアイコンの獲得抽選に当選してもその旨を遊技者に報知せず、サブボーナス終了時にサブボーナス中に獲得したアイコン数を遊技者に報知してもよい。
サブボーナスが終了すると、エンディングとなったとき(有利区間の完走時)を除き、引戻しゾーンに移行するが、サブボーナスの終了後、所定のメイン遊技状態を経てから引戻しゾーンに移行してもよい。
引戻しゾーンにおいてサブボーナスの引戻し抽選に当選することなく引戻しゾーンを終了したときは、通常状態(非ATかつ非CZ)に移行する。一方、引戻しゾーンにおいてサブボーナスの引戻し抽選に当選したときは、サブボーナスに移行する。ここで、引戻しゾーンにおいてサブボーナスの引戻し抽選に当選したときは、その時点で引戻しゾーンを終了してもよい。あるいは、引戻しゾーンにおいてサブボーナスの引戻し抽選に当選したときであっても引戻しゾーンを継続し(内部的には引戻し抽選を実行しないが、演出として引戻し抽選を実行しているように見せて)、引戻しゾーンの演出上の終了時に引戻し抽選に当選したか否かを遊技者に報知してもよい。
また、引戻しゾーンではアイコンが画像表示される。上述したように、引戻しゾーンの開始時におけるアイコンの最低数は5個であり、サブボーナスの移行前及びサブボーナス中にアイコンを獲得したときは、アイコン数は5個を超える。
図160は、引戻しゾーンでのアイコン数の推移等を示す図である。図160の例では、引戻しゾーンの1遊技目の遊技前におけるアイコン数を「8」としている。
引戻しゾーンにおける引戻し抽選は、遊技前のアイコン数が「1」以上であるときに実行される。引戻しゾーンの遊技前にアイコン数が「1」であるときは、その遊技で引戻しゾーンは終了する。
引戻しゾーンでは、遊技開始時(スタートスイッチ41の操作時)から全停時(すべてのリール31の停止時)までの間にアイコン数を「1」減じる演出を実行する。
図160に示すように、たとえば遊技前にアイコン数が「8」であったときは、その遊技で引戻し抽選が行われ、その遊技の全停時のアイコン数は「7」となる。
本実施形態では、引戻しゾーンでは、毎遊技、引戻し抽選を実行する。換言すれば、どの当選番号に当選しても引戻し抽選を実行する。当選番号ごとの引戻し抽選の当選確率は予め設定されている。たとえば、当選番号「1」(リプレイA)の当選であるときは「1/50」の確率で引戻し抽選に当選し、当選番号「72」(入賞F)の当選であるときは「1/2」で引戻し抽選に当選すると定めること等が挙げられる。
さらに、アイコン数が「5」から「4」になる遊技では、引戻し抽選と同時に有利区間継続判定が実行される。
第10実施形態では、有利区間継続判定としては、以下のa)~d)が実行される。
a)今回遊技が非RT(非内部中)であるか否かが判断される。今回遊技が非RTであるときは、有利区間を継続すると判定される。
b)進行カウンタの値が「2500」未満であるか否かが判断される。
ここで「進行カウンタ」とは、有利区間の遊技のうち、変則押しされた遊技(後述するSPフラグが「0」で行われた遊技)を除いた遊技(換言すれば、有利区間の遊技のうち、後述するSPフラグが「1」で行われた遊技)の遊技回数をカウントするカウンタである。
進行カウンタは、有利区間の開始時に初期値「1」が設定され、SPフラグが「1」で遊技が行われたときは「1」加算するインクリメントカウンタである。
そして、進行カウンタが「2500(D)」未満であるときは有利区間を継続すると判断する。ここで、本実施形態においては、有利区間の上限遊技回数は「4000」である。このため、進行カウンタが「2500」以上であるときは、その時点から有利区間を継続しても、残り「1500」遊技未満となり、その後の有利区間における十分な遊技回数を確保できない。このため、進行カウンタが「2500」以上であるときは有利区間を継続しないようにした。
また、たとえば第9実施形態におけるメダルレス遊技機(「スマートスロット」、「スマートパチスロ」、「スマスロ」とも称される。)の場合には、有利区間の上限遊技回数を有さない仕様が挙げられる。このような場合には、進行カウンタは不要となり、進行カウンタの値に基づく有利区間継続判定は実行しない。
c)差数カウンタが「2915(D)」以上であるときは有利区間を継続すると判断する。
第10実施形態における差数カウンタは、第1実施形態の差数カウンタと同様である。改めて説明すると、第10実施形態における差数カウンタは、有利区間の開始時を「0」としたときの差枚数をカウントする(換言すれば、「MYカウンタ」ではない。)。このため、有利区間中に差数がマイナスの値となったときは、マイナス値をカウントする。なお、差数カウンタは、通常区間中は差数をカウントしない。
さらに、差数カウンタは、有利区間の開始時に初期値として「2415(D)」が設定され、今回遊技の差数がマイナスであるときは差数カウンタに当該差数を加算し、今回遊技の差数がプラスであるときは差数カウンタから当該差数を減算する方法が挙げられる。
たとえば有利区間の開始時に「2415」を設定した後、有利区間1遊技目の差数が「-3」(ベット数「3」、払出し数「0」)であったときは、差数カウンタに「3」を加算して差数カウンタを「2418」に更新する。これに対し、有利区間1遊技目の差数が「+11」(ベット数「3」、払出し数「14」)であったときは、差数カウンタから「11」を減算し、差数カウンタを「2404」に更新する。
そして、差数カウンタが「15」未満となったときは、有利区間中の差数が「2400」枚を超えたと判断し、有利区間を終了する。
なお、差数カウンタが「2915」以上であるときに有利区間を継続すると判断するのは、この時点から差数カウンタが「0」になるまでは、遊技者が「2900」枚を差数として獲得可能であるので、十分なメダルを獲得できるためである。換言すれば、有利区間で獲得可能な差数が少ないとき(有利区間の終了条件に近づいているとき)は、有利区間を終了させるので、引戻しゾーンで引戻し抽選に当選したときの期待感(サブボーナスで十分な差数を獲得できるという期待感)を遊技者に与えることができる。
ただし、上記の「2915」の値は一例であり、「2915」より多くてもよく、少なくてもよい。
また、有利区間の差数は「2400」を超えないこととされているが、仮に、差数が「4000」を超えないこととされた場合には、上記「2915」の値は、「4515」となる。
d)有利区間の継続抽選に当選したときは、有利区間を継続すると判断する。有利区間継続抽選は、予め設定した確率、たとえば25%の確率で当選するように抽選が実行され、この抽選に当選したときは有利区間を継続すると判断する。
アイコン数が「5」から「4」になる遊技では、以上のような有利区間継続判定が実行される。そして、有利区間を継続すると判定されたときは次回遊技も有利区間のままであるが、有利区間を継続すると判定されなかったときは、今回遊技で有利区間を終了し、次回遊技では通常区間(非有利区間)となる。
図160では、引戻しゾーンの残り遊技回数について、アイコン数が「5」から「4」になる遊技の後、有利区間継続時と有利区間終了時との双方を図示している。
有利区間継続時は、有利区間継続判定が実行された遊技の次回遊技の開始前における引戻しゾーンの残り遊技回数は「4」であり、当該遊技の全停時に引戻しゾーンの残り遊技回数が「3」となる。このようにして、引戻しゾーンの最終遊技まで進行すると、その遊技の開始前における引戻しゾーンの残り遊技回数は「1」となり、当該遊技の全停時に引戻しゾーンの残り遊技回数が「0」となる。引戻しゾーンの残り遊技回数が「0」となったときは、当該遊技をもって引戻しゾーンを終了し、次回遊技から通常状態(非ATかつ非CZ)の遊技となる。
また、引戻しゾーンの遊技のいずれかの遊技において、引戻し抽選に当選したときは、当該遊技又は当該遊技の次回遊技以降において引戻し抽選に当選したことを遊技者に報知し、その後、サブボーナスを開始する。
さらにまた、引戻しゾーンにおいて、引戻しゾーンの残り遊技回数が「1」以上であるときに引戻し抽選に当選したときは、引戻し抽選に当選した旨を遊技者に報知し、引戻しゾーンを終了してサブボーナスに移行してもよい。
あるいは、引戻しゾーンの残り遊技回数が「1」以上であるときに引戻し抽選に当選した場合に、内部的にはその後の引戻し抽選を行わないものの、その時点では引戻し抽選に当選したことを遊技者に報知せず、アイコン数が「0」になる遊技まで演出上の(フェイクの)引戻しゾーンを継続し、アイコン数が「0」になった遊技又はその次回遊技で引戻し抽選に当選したことを遊技者に報知してもよい。
なお、アイコン数(引戻しゾーンの残り遊技回数)が「6」以上であるときに引戻し抽選に当選したときは、サブボーナスの開始時に、引戻しゾーンの残り遊技回数(「6」以上の値)を引き継ぐ。
一方、アイコン数(引戻しゾーンの残り遊技回数)が「5」以下であるときに引戻し抽選に当選したときは、サブボーナスの開始時に、引戻しゾーンの残り遊技回数を「5」にする。
一方、アイコン数が「5」から「4」になる遊技で有利区間継続判定が行われた結果、有利区間を継続しないと判断されたとき(図160中、「*1」)は、次回遊技は通常区間(非有利区間)となる。しかし、演出上はそれまでの引戻しゾーンと同じ状態を維持する。
ただし、有利区間から通常区間に移行する場合には、後述するようにRWM53中、指示機能に係る性能に影響を与える全てのデータがクリアされるので、このクリア処理によって引戻しゾーンの残り遊技回数もクリアされる。したがって、その次回遊技(通常区間)の開始前には、引戻しゾーンの残り遊技回数は「0」となる(図160中、「*2」)。この場合、遊技区間が通常区間となるので、メイン遊技状態は引戻しゾーンではない。ただし、演出上はそれまでの引戻しゾーンと同じ状態を維持して遊技者には通常区間に移行したことがわからないようにする。なお、通常区間の1遊技目の開始前での画像表示上のアイコン数は「4」である。
さらに、この通常区間の1遊技目では、所定条件を満たす場合には引戻し抽選が実行される(図160中、「*5」)。
ここで、「所定条件を満たす場合」とは、
a)当該通常区間において有利区間への移行が決定されたこと(次回遊技が有利区間であること)
b)当選番号「1」(リプレイA)以外の当選番号に当選したこと
の双方を満たす場合である。これらの条件を満たす場合には、引戻し抽選が実行される。
ここで、「通常区間において有利区間への移行が決定されない」のは、図15及び図16に示すように、当選番号「2」(リプレイB)、又は当選番号「60」~「71」(入賞E1~E12)の当選時である。それ以外は、有利区間への移行が決定される。
そして、通常区間において有利区間への移行が決定されると、メイン遊技状態が「移行準備状態」となり、次回遊技は有利区間の1遊技目となる。
一方、通常区間において有利区間への移行が決定されなかったときは、次回遊技も通常区間となる。
また、通常区間においてリプレイAに当選したときは、有利区間への移行が決定されるが、引戻し抽選は実行されない。この場合には、上記と同様にメイン遊技状態が「移行準備状態」となり、次回遊技は有利区間の1遊技目となる。
以上のように、通常区間において有利区間への移行が決定され、かつ、当選番号「1」(リプレイA)以外の当選番号に当選したときは、引戻し抽選が実行される。また、画像表示上のアイコン数は、遊技前の「4」から全停時に「3」となる。さらに、当該遊技の開始前の引戻しゾーンの残り遊技回数は「0」であるが、全停時に、引戻しゾーンの残り遊技回数として「3」がセットされる(図160中、「*3」)。
また、通常区間において有利区間への移行が決定されたが、当選番号「1」(リプレイA)に当選番号に当選したときは、引戻し抽選が実行されない。ただし、画像表示上は、引戻し抽選が実行されたかのような演出を出力し(当選番号「1」以外の当選番号に当選したときと同様の演出を出力し)、画像表示上のアイコン数は、遊技前の「4」から全停時に「3」となる。
さらにまた、通常区間において当選番号「2」又は「60」~「71」の当選となり、有利区間への移行が決定されなかった場合(次回遊技の通常区間である場合)には、画像表示上は、引戻し抽選が実行されなかったことを意味する演出を出力し、かつ、アイコン数を減少させない。したがって、この場合には、次回遊技(通常区間)においても、遊技前のアイコン数は「4」となり、再度、上述した通常区間での処理が実行される。
通常区間において有利区間への移行が決定されると、次回遊技は有利区間(メイン遊技状態が「移行準備状態」)となる。
ここで、図160の例では、通常区間の1遊技目で有利区間への移行が決定された例を示している。通常区間において有利区間への移行が決定されると、上述したように、当該遊技の全停時に引戻しゾーンの残り遊技回数として「3」がセットされるので、有利区間1遊技目の開始前における引戻しゾーンの残り遊技回数は「3」である(図160中、「*4」)。
ただし、上記に限らず、通常区間において有利区間への移行が決定されたときに、当該遊技の全停時における引戻しゾーンの残り遊技回数は「0」のままとし、次回遊技(有利区間の1遊技目)の開始前に引戻しゾーンの残り遊技回数として「3」をセットしてもよい。あるいは、有利区間の1遊技目の開始時に引戻しゾーンの残り遊技回数として「2」をセットし、当該遊技の全停時には引戻しゾーンの残り遊技回数を減算しないようにしてもよい。
通常区間において有利区間への移行が決定され、有利区間に移行すると、有利区間の継続判定において有利区間が継続した場合と同様に、当該遊技(有利区間の1遊技目)ではアイコン数が「3」から「2」となる(引戻しゾーンの残り遊技回数が「3」から「2」となる)。さらに次回遊技では、アイコン数が「2」から「1」となり(引戻しゾーンの残り遊技回数が「2」から「1」となり)、さらにその次回遊技では、アイコン数が「1」から「0」となり(引戻しゾーンの残り遊技回数が「1」から「0」となり)、引戻しゾーンが終了する。引戻しゾーンが終了すると、通常状態(非ATかつ非CZ)に移行する。
以上のように、引戻しゾーンでは、通常区間を除き、アイコン数と引戻しゾーンの残り遊技回数とが同数となる。
なお、引戻しゾーン中に有利区間を終了して通常区間に移行した場合であっても、引戻しゾーンの演出は継続して実行される(換言すれば、内部的には引戻しゾーンを一旦終了するが、演出上は引戻しゾーンを継続する)ので、有利区間と次の有利区間との切れ目に違和感のない演出を行うことができる(有利区間が終了したこと、通常区間に移行したこと、及び当該通常区間から有利区間に移行したことをわからないようにすることができる。)。
また、有利区間を終了して通常区間に移行するときには、RWM53の有利区間に係るデータが初期化される(有利区間に係るデータが残らない)が、通常区間及び当該通常区間から移行する有利区間でも、画像表示されるアイコンの数だけ引戻し抽選を行うことができる。
また、サブボーナス中に有利区間の差数が「+2400」を超えたとき(有利区間を完走したとき)は、サブボーナスの抽選は、以下のようになる。
まず、サブボーナス中に有利区間の差数が「+2400」を超えることが確定したときは、メイン遊技状態がサブボーナス(ED)となり、所定のタイミングでエンディング演出を出力する。エンディング演出は、サブボーナスの終了時まで継続する。また、このエンディング演出では、アイコンは画像表示されない。そして、差数が「+2400」を超え(有利区間の終了条件を満たし)、サブボーナスが終了すると、次回遊技は通常区間となる。サブボーナスの終了時には、RWM53の初期化処理により、引戻しゾーンの残り遊技回数のデータもクリアされる。したがって、サブボーナスの終了後、次回遊技である通常区間では、引戻しゾーンの残り遊技回数は「0」である。
サブボーナスを完走した後(エンディング演出後)は、引戻しゾーンの演出とは異なる演出(たとえば、サブボーナスの当選期待度が高いことを示唆する演出。以下、「所定の演出」という。)を出力する。サブボーナスを完走した後は、引戻しゾーンの演出とは異なる所定の演出を出力することにより、演出のバリエーションを増やすことができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
ただし、サブボーナスを完走し、通常区間に移行した後の所定の演出の遊技においても、引戻しゾーンで有利区間を終了して通常区間に移行した後の遊技と同じサブボーナスの引戻し抽選が実行される。このため、所定の演出の遊技での引戻し抽選の当選確率は、引戻しゾーンで有利区間を終了して通常区間に移行した後の引戻し抽選の当選確率と同じである。
具体的には、サブボーナスを完走した後の通常区間の遊技(所定の演出の1遊技目)では、上記の引戻しゾーンの演出中における通常区間の遊技と同様に有利区間への移行が決定され、かつ、当選番号「1」(リプレイA)以外の当選番号に当選したときはサブボーナスの引戻し抽選が実行される。この場合、所定の演出の遊技の残り遊技回数(引戻しゾーンの遊技回数に相当する)は「4」から「3」になる。そして、次回遊技は有利区間(移行準備状態)の1遊技目となる。
また、有利区間への移行が決定されたが、当選番号「1」(リプレイA)に当選したときは、引戻し抽選は実行されない。ただし、所定の演出の遊技の残り遊技回数は「4」から「3」になる。そして、次回遊技は有利区間(移行準備状態)の1遊技目となる。
一方、通常区間において有利区間への移行が決定されなったときは、所定の演出の遊技の残り遊技回数は「4」のままで、次回遊技も通常区間となり、上述した通常区間の抽選が繰り返される。
所定の演出の遊技において有利区間に移行したときは、所定の演出の遊技の残り遊技回数が「0」になるまで引戻し抽選が実行される。
なお、サブボーナスを完走した後(エンディング演出後)、所定の演出の遊技に移行するのではなく、上述した引戻しゾーンの演出を出力する遊技に移行し、「4」遊技の間、引戻し抽選を実行してもよい。この場合には、サブボーナスを完走した後の通常区間において引戻しゾーンの演出を出力し、アイコンを「4」個画像表示する。よって、図160中、有利区間の継続判定において有利区間を終了したときと同じものとなる。
さらにまた、設定変更後(朝一)の遊技でも引戻し抽選が実行される場合を有する。
設定変更後(朝一)の遊技区間は、通常区間であり、かつ、非内部中である。
したがって、設定変更後(朝一)の通常区間の1遊技目は、上述した通常区間と同様の処理が実行される。すなわち、当該遊技で有利区間への移行が決定され、かつ当選番号「1」以外の当選番号に当選したときには引戻し抽選が実行される。そして、次回遊技は有利区間の1遊技目(移行準備状態)となる。
また、当該遊技で有利区間への移行が決定されたが、当選番号「1」に当選したときは、引戻し抽選は実行されない。そして、次回遊技は有利区間の1遊技目(移行準備状態)となる。
さらにまた、当該遊技で有利区間への移行が決定されなかったときは、次回遊技も通常区間となり、上述した通常区間での処理が繰り返される。
さらに、通常区間において有利区間への移行が決定され、有利区間に移行すると、当該有利区間の1遊技目では、内部中であるか否かが判断される。有利区間の1遊技目が内部中であるときは、引戻しゾーンの残り遊技回数が「3」に設定され、図160の例と同様に、引戻しゾーンの残り遊技回数が「0」になるまで(途中で引戻し抽選に当選したときは当該遊技まで)、引戻し抽選が実行される。
これに対し、有利区間の1遊技目が内部中でないときは、通常状態に移行する。すなわち、引戻しゾーンの残り遊技回数は設定されず、引戻し抽選は実行されない。
よって、設定変更後(朝一)は、有利区間に移行するまでの遊技で1BBに当選すればその後の有利区間で引戻し抽選が実行されるが、1BBに当選することなく有利区間に移行したときは、引戻し抽選は実行されない。なお、設定変更後(朝一)に限らず、非内部中に有利区間に移行した場合も同様に、引戻し抽選は実行されない。
以上の引戻し抽選において、有利区間での引戻し抽選は、上述したように全当選番号に対して実行される。具体的には、当選番号「1」(リプレイAの当選)となった遊技でも、所定確率で引戻し抽選に当選するように定められている。
一方、通常区間での引戻し抽選は、上述したように当選番号「1」以外の当選番号となり、かつ、有利区間への移行が決定されたときに実行される。
このため、各当選番号に割り当てられている引戻し抽選の当選確率が同一であるとすると、通常区間での引戻し抽選の当選確率は、有利区間での引戻し抽選の当選確率よりも、有利区間における当選番号「1」に割り当てられている当選確率の分だけ、当選確率が低くなる。ただし、これに限らず、通常区間と有利区間とで、各当選番号での引戻し抽選の当選確率を異ならせてもよい。
一方、通常区間での引戻し抽選において、当選番号「1」の当選となったときも引戻し抽選を実行してもよい。ただし、有利区間と通常区間とで引戻し抽選の当選確率を同一にすると出玉率が高くなってしまうので、本実施形態では、通常区間での引戻し抽選の当選確率を有利区間での引戻し抽選の当選確率よりも低くしている。具体的には、通常区間での引戻し抽選の当選確率を低くするために、当選番号「1」に当選したときには引戻し抽選を実行しないようにしている。ただし、通常区間において引戻し抽選が実行された場合の引戻し抽選の当選確率と、有利区間での引戻し抽選の当選確率とは同じである。
なお、当選番号「1」となる確率は、図13及び図15に示したように置数「8943」であるので、約「1/7.3」の確率である。
上記のように、通常区間での引戻し抽選において当選番号「1」の当選となったときも引戻し抽選を実行した場合であっても、当該遊技で有利区間に移行することに決定されなかったときは引戻し抽選が実行されないので、厳密には、通常区間での引戻し抽選の当選確率は、有利区間での引戻し抽選の当選確率よりも低くなる。
ただし、通常区間での引戻し抽選において当選番号「1」の当選となったときも引戻し抽選を実行すれば、通常区間で有利区間への移行が決定された場合の引戻し抽選の当選確率と有利区間における引戻し抽選の当選確率とが同じになるので、通常区間における引戻し抽選の当選確率と通常区間における引戻し抽選の当選確率とを略同じにすることができる。これにより、引戻しゾーン中に通常区間に移行した場合であっても遊技者が不利益をほとんど受けないようにすることができる。
また、サブボーナスの終了後は、所定のタイミングで、のめり込み防止の出力を行う。
ここで、「のめり込み防止の出力」とは、たとえば、画像表示装置23に「ぱちんこ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。」等を画像表示することである。また、画像表示のみに限らず、「ぱちんこ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。」等を音声出力してもよい。画像表示のみ、音声のみ、画像表示及び音声の双方等、いずれであってもよいが、少なくとも画像表示を実行することが好ましいと解されている。
さらにまた、のめり込み防止の出力は、一般に、一定数以上のメダルが払い出されたときに実行されるものである。
そして、本実施形態では、サブボーナス終了後に引戻しゾーンに移行し、引戻しゾーンにおける引戻し抽選において当選した場合にはサブボーナスを再度開始することとなる。このため、たとえばサブボーナス終了後にのめり込み防止の出力を実行した後、引戻しゾーンにおいて引戻し抽選に当選し、再度サブボーナスが開始されると、のめり込み防止の出力を実行してからすぐにサブボーナスが開始される場合がある。
そこで、本実施形態では、サブボーナス終了後にはのめりこみ防止を出力せず、引戻しゾーンの終了後(アイコン数が「0」となり、引戻し残り遊技回数が「0」となったとき)に、引戻しゾーンの終了画面とともにのめり防止を出力する。
ただし、これに限らず、サブボーナスの終了時にサブボーナス終了画面とともにのめりこみ防止表示を出力してもよいのはもちろんである。
続いて、引戻し抽選処理の流れをフローチャートに基づき説明する。
図161は、引戻しゾーンの引戻し抽選処理を示すフローチャートである。この処理は、図160中、遊技前のアイコン数が「8」~「5」、「3」(有利区間を継続した場合)、「2」~「1」の場合に実行される処理である。
図161の処理は、引戻しゾーンにおける処理であるため、遊技前の引戻しゾーンの残り遊技回数が「1」以上である。また、引戻し抽選処理は、役抽選結果に基づいて行われるので、遊技開始時であって役抽選の後である。
ステップS701では、メイン制御基板50は、役抽選結果に基づいて引戻し抽選を実行する。次にステップS702に進み、メイン制御基板50は、引戻しゾーンの残り遊技回数から「1」を減算する。引戻しゾーンの残り遊技回数は、RWM53の所定領域(番地)に記憶されている。
次にステップS703に進み、メイン制御基板50は、ステップS701における引戻し抽選に当選したかを判断する。当選していないと判断したときはステップS704に進み、当選したと判断したときはステップS708に進む。
引戻し抽選に当選していないと判断され、ステップS704に進むと、メイン制御基板50は、引戻しゾーンの残り遊技回数が「4」であるか否かを判断する。引戻しゾーンの残り遊技回数が「4」であると判断されたときはステップS705に進み、「4」でないと判断されたときはステップS706に進む。
ステップS705では、メイン制御基板50は、有利区間を継続するか否かの判定を行う。この処理は、後述する図162に示す処理である。そして本フローチャートによる処理を終了する。
一方、ステップS704において引戻しゾーンの残り遊技回数が「4」でないと判断されてステップS706に進むと、メイン制御基板50は、引戻しゾーンの残り遊技回数が「0」であるか否かを判断する。引戻しゾーンの残り遊技回数が「0」でないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。これに対し、引戻しゾーンの残り遊技回数が「0」であると判断したときはステップS707に進み、メイン制御基板50は、メイン遊技状態を引戻しゾーンから非AT(かつ非CZ)にし、本フローチャートによる処理を終了する。なお、メイン遊技状態に係るデータは、RWM53の所定領域(番地)に記憶されている。
また、ステップS703において引戻し抽選に当選したと判断されステップS708に進むと、メイン制御基板50は、サブボーナス移行フラグをオンにする。そして本フローチャートによる処理を終了する。
なお、ステップS708においてサブボーナス移行フラグがオンになったときは、後述する図169の処理を経て疑似遊技に移行する。
図162は、図161のステップS705における有利区間継続判定を示すフローチャートである。
まず、ステップS721では、メイン制御基板50は、今回遊技が非RT(非内部中)であるか否かを判断する。非RTであると判断したときは本フローチャートによる処理を終了し、非RTでないと判断したときはステップS722に進む。
ステップS722では、メイン制御基板50は、進行カウンタが「2500」未満であるか否かを判断する。進行カウンタが「2500」未満であるときは本フローチャートによる処理を終了し、「2500」未満でないときはステップS723に進む。
ステップS723では、メイン制御基板50は、差数カウンタが「2915」未満であるか否かを判断する。差数カウンタが「2915」未満であるときはステップS724に進み、「2915」未満でないときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS724では、メイン制御基板50は、有利区間継続抽選を実行する。上述したように、たとえば25%の確率で当選するように定められている。そして、有利区間継続抽選に当選したと判断したときは本フローチャートによる処理を終了し、当選していないと判断したときはステップS726に進む。
ステップS726では、メイン制御基板50は、有利区間を終了するように制御する。具体的には、有利区間クリアカウンタに「1」を記憶する。そして本フローチャートによる処理を終了する。
有利区間クリアカウンタには、有利区間の開始時に所定値(本実施形態では「4000(D)」)が記憶され、毎遊技、遊技終了時に「1」を減算する。そして、「1」減算後の値が「0」であると判断したときは有利区間の終了条件を満たすと判断し、有利区間の終了処理(RWM53の所定範囲の初期化処理)を実行する。
以上のように、有利区間継続判定は、
a)非RTでないこと
b)進行カウンタが「2500」未満でないこと
c)差数カウンタが「2915」未満であること
d)有利区間継続抽選に当選しなかったこと
のすべてを満たすときに、有利区間を継続しない(終了する)と判定する。
なお、進行カウンタの閾値「2500」、差数カウンタの閾値「2915」は一例であり、この値に限定されるものではなく、遊技機の仕様等に応じて種々設定可能である。
また、ステップS724における有利区間継続抽選は、本実施形態のように実行してもよいが、実行しないことも可能である。
図163は、通常区間における引戻し抽選処理を示すフローチャートである。
図160に示すように、引戻しゾーンの残り遊技回数が「5」から「4」になる遊技で上記のように有利区間継続判定が行われ、有利区間を終了することに決定したときは、次回遊技は通常区間となり、本処理が実行される。
また、サブボーナス中に有利区間の差数が「+2400」を超えることにより有利区間を完走し、次回遊技から通常区間となったときは、当該通常区間において本処理が実行される。
さらにまた、設定変更後(朝一)の通常区間では、本処理が実行される。
まず、ステップS741では、メイン制御基板50は、今回遊技において有利区間に移行することに決定されたか否かを判断する。
図15及び図16に示すように、内部中である場合には、当選番号「2」(リプレイB)及び当選番号「60」~「71」(入賞E1~入賞E12)に当選したとき以外は、有利区間に移行すると決定する。
ここで、サブボーナス終了後、有利区間継続判定において有利区間を終了すると判定されて通常区間に移行したときや、有利区間を完走して(有利区間の終了条件を満たして)通常区間に移行したときは、その時点ではほぼ内部中であるといえる。非内部中であるときの1BBの当選置数は、図13及び図14に示すように「7564」(当選確率が約「1/8.7」)であるので、1BBに当選することなく(非内部中のままで)サブボーナスを終了したり有利区間を完走することは稀だからである。
なお、第1実施形態では、内部中において当選番号「60」~「71」に当選したときは有利区間に移行すると決定されないが、非内部中と同様に、有利区間に移行することに決定してもよい。
また、図13及び図14に示すように、設定変更後(朝一)の非内部中の通常区間である場合には、当選番号「2」(リプレイB)に当選したとき以外は、有利区間に移行すると決定する。
ステップS741において有利区間に移行することに決定されたときはステップS742に進み、有利区間に移行することに決定されなかったときは本フローチャートによる処理を終了する。なお、有利区間に移行することに決定されなかったとき、すなわち次回遊技も通常区間である場合には、次回遊技も本処理が実行される。
ステップS742では、メイン制御基板50は、リプレイA(当選番号「1」)に当選したか否かを判断する。リプレイAに当選したと判断したときはステップS745に進み、リプレイAに当選していないと判断したときはステップS743に進む。
ステップS743では、メイン制御基板50は、引戻し抽選を実行する。そして次のステップS744において、メイン制御基板50は引戻し抽選に当選したか否かを判断する。引戻し抽選に当選していないと判断したときはステップS745に進み、引戻し抽選に当選したと判断したときはステップS746に進む。
ステップS745では、メイン制御基板50は、メイン遊技状態を移行準備状態にする。そして本フローチャートによる処理を終了する。すなわち、通常区間において有利区間への移行が決定されたときは、役抽選結果や引戻し抽選結果にかかわらず、メイン遊技状態を通常区間から有利区間の移行準備状態とする。
これに対し、ステップS744において引戻し抽選に当選したと判断されてステップS746に進むと、メイン制御基板50は、サブボーナス移行フラグをオンにし、本フローチャートによる処理を終了する。
図164は、移行準備状態における引戻し抽選処理を示すフローチャートである。図163においてステップS745に進んだときは、その次回遊技において本処理が実行される。
ステップS761では、メイン制御基板50は、内部中であるか否かを判断する。なお、設定変更後(朝一)の有利区間1遊技目では、非内部中である場合を有し、この場合にはステップS761において内部中でないと判断される。これに対し、サブボーナス終了後に移行準備状態となったときは、ほぼ内部中であるといえる。したがって、この場合には内部中であると判断される。
ステップS761において内部中であると判断されたときはステップS763に進み、内部中でないと判断されたときはステップS762に進む。
ステップS762では、メイン制御基板50は、メイン遊技状態を移行準備状態から通常状態(非ATかつ非CZ)にする。そして本フローチャートによる処理を終了する。
一方、ステップS761において内部中であると判断されてステップS763に進むと、メイン制御基板50は、引戻しゾーンの残り遊技回数を「3」にセットする。これにより、図160に示すように、有利区間終了後の遊技前の引戻しゾーン残り遊技回数が「3」となり、アイコン数「3」と一致するようになる(図160中、「*4」)。
そして次のステップS764において、メイン制御基板50は、引戻し抽選を実行する。次のステップS765では、メイン制御基板50は、引戻しゾーンの残り遊技回数から「1」を減算する。よって、この時点での引戻しゾーンの残り遊技回数は「2」となる。
次のステップS766では、メイン制御基板50は、ステップS764の引戻し抽選に当選したか否かを判断する。引戻し抽選に当選していないと判断したときはステップS767に進み、引戻し抽選に当選したと判断したときはステップS768に進む。
ステップS767では、メイン制御基板50は、メイン遊技状態を移行準備状態から引戻しゾーンにする。そして本フローチャートによる処理を終了する。
一方、引戻し抽選に当選したと判断されてステップS768に進むと、メイン制御基板50は、サブボーナス移行フラグをオンにする。そして本フローチャートによる処理を終了する。
以上の移行準備状態の引戻し抽選処理において、本処理の終了後に引戻しゾーンの残り遊技回数が「2」となり、ステップS767においてメイン遊技状態が引戻しゾーンになると、次回遊技は図161の処理が実行される。
図165は、有利区間クリアカウンタ管理処理を示すフローチャートである。
図67(第2実施形態)に示すように、毎遊技実行されるメイン処理において、ステップS301で遊技終了チェック処理が行われる。この遊技終了チェック処理の1つとして、図165の有利区間クリアカウンタ管理処理が実行される。
図165において、ステップS781では、メイン制御基板50は、有利区間クリアカウンタから「1」減算する。次にステップS782に進み、メイン制御基板50は、有利区間クリアカウンタの減算前(ステップS781の処理前)の値が「0」であるか否かを判断する。減算前の値が「0」であると判断したときはステップS783に進み、「0」でないと判断したときはステップS786に進む。なお、減算前の有利区間クリアカウンタが「0」であるというのは、有利区間でないとき(通常区間であるとき)に相当する。
ステップS783では、メイン制御基板50は、メイン遊技状態番号が「0」であるか否かを判断する。本実施形態では、通常区間であるときはメイン遊技状態が「0」であり、有利区間であるときはメイン遊技状態番号が「1」以上となるように定められる。たとえば通常区間において役抽選が行われ、有利区間への移行が決定される当選番号に当選したときは、ステップS783の処理前に、メイン遊技状態番号が「0」から「1」以上の所定番号に書き換えられる。よって、ステップS782で「Yes」、かつステップS783で「No」と判断されるのは、今回遊技において通常区間から有利区間への移行が決定されたときである。
ステップS783においてメイン遊技状態番号が「0」でないと判断したときはステップS784に進み、メイン遊技状態番号が「0」であると判断したとき(通常区間において有利区間への移行が決定されていないとき)は本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS784では、メイン制御基板50は、有利区間クリアカウンタに「4000」を記憶する。有利区間クリアカウンタは、毎遊技、ステップS781で「1」減算され、減算後に「0」になったときは有利区間の終了条件を満たすと判断する。
次にステップS785に進み、メイン制御基板50は、差数カウンタに「2415」を記憶し、本フローチャートによる処理を終了する。
上述したように、当該遊技の差数が「+x」枚であるときは差数カウンタから「x」を減算し、当該遊技の差数が「-y」枚であるときは差数カウンタに「y」を加算する。そして、差数カウンタが「15」未満となったときは有利区間の終了条件を満たすと判断する(後述するステップS790)。
ステップS782において有利区間クリアカウンタが減算前「0」でないと判断され、ステップS786に進むと、メイン制御基板50は、有利区間クリアカウンタの減算前の値が「1」であるか否かを判断する。減算前「1」であると判断したときはステップS791に進み、「1」でないと判断したときはステップS787に進む。
ステップS787では、メイン制御基板50は、今回遊技で再遊技作動図柄(リプレイ)が表示されたか否かを判断する。再遊技作動図柄が表示されたときは差数カウンタを更新しないためである。再遊技作動図柄が表示されたと判断したときはステップS790に進み、再遊技作動図柄が表示されていないと判断したときはステップS788に進む。
ステップS788では、メイン制御基板50は、差数カウンタから払出し数を減算する。次のステップS789では、メイン制御基板50は、差数カウンタに規定数(ベット数)を加算する。
次のステップS790では、メイン制御基板50は、差数カウンタが「15」未満であるか否かを判断する。差数カウンタが「15」未満であると判断したときはステップS791に進み、「15」未満でないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS791では、メイン制御基板50は、指示発生に係る性能に影響を与える全てのRWM53(の記憶領域)に「0」を保存する(クリア処理)。そして本フローチャートによる処理を終了する。
なお、指示発生に係る性能に影響を与える全てのRWM53の記憶領域としては、具体的には、有利区間種別フラグ(図54中、「_NB_ADV_KND 」)、有利区間クリアカウンタ、差数カウンタ、進行カウンタ、メイン遊技状態番号、引戻しゾーンの残り遊技回数、サブボーナス移行フラグが挙げられる。
また、サブボーナス(AT)に関する記憶領域、たとえばATフラグ(図54中、「_FL_AT_KND」)、AT遊技回数カウンタ(図54中、「_CT_ART 」)等が挙げられる。
さらにまた、区間表示器(図58中、デジット4のセグメントPにより構成される有利区間表示LED77)を有する場合には、区間表示器の点灯データを記憶する有利区間LED表示フラグ(図54中、「_FL_ADV_LED 」)が挙げられる。
上述したように、図162の有利区間継続判定において有利区間を継続しないことに決定したときは、ステップS726において有利区間クリアカウンタに「1」を保存した。この場合には、図165のステップS786において有利区間クリアカウンタが減算前「1」であると判断されるので、ステップS791に進んでRWM53のクリア処理が実行される。よって、次回遊技は通常区間となる。
次に、第10実施形態における推奨画像の表示について説明する。
第10実施形態では、第4実施形態(図94等)と同様に、所定条件下で推奨画像(順押しが遊技者にとって有利な押し順(推奨押し順)であることを遊技者に知らせる画像)を表示する。
推奨画像の表示条件等は、以下の通りである。
(1)推奨画像は、変則押し時(最初に操作されたストップスイッチ42が中又は右ストップスイッチ42であるとき)に表示される。
(2)推奨画像は、有利区間の遊技で表示し、通常区間の遊技では(変則押しされても)表示しない。
(3)推奨画像は、サブボーナス以外の遊技で表示し、サブボーナス中の遊技では表示しない。
たとえばサブボーナス中に第1停止が左である正解押し順が報知された場合において、遊技者の操作ミスにより第1停止が中又は右(変則押し)となってしまっても、推奨画像は表示しない。
また、サブボーナス中に正解押し順が報知されない遊技(たとえばリプレイの当選時)において変則押しをしても、推奨画像は表示しない。
さらにまた、たとえばCZ中(引戻しゾーンを含む)に、押し順ベル当選時に正解押し順を表示した場合には、当該遊技で変則押しをされても推奨画像は表示しない。ここで、たとえば当選番号「40」~「47」(入賞C、押し順正解左)当選時において、左第1停止を正解押し順として報知したが、遊技者の操作ミスにより第1停止が中又は右となってしまっても、推奨画像を表示しない。
一方、CZ中(引戻しゾーンを含む)に、正解押し順を表示しない遊技において変則押しをされた場合には、推奨画像を表示しなくてもよく、表示してもよい。
(4)推奨画像は、押し順ベル当選時、具体的には当選番号「8」~「71」(入賞A~入賞E)の遊技で表示可能とする。ただし、これに限らず、変則押し時に高目ベルが入賞可能となる当選番号「8」~「39」(入賞A及び入賞B)のみ、推奨画像を表示可能としてもよい。あるいは、これとは逆に、いずれの当選番号であっても推奨画像を表示可能としてもよい。さらに、本実施形態では設けられていないが役の非当選時であっても推奨画像を表示可能としてもよい。
(5)有利区間の所定の遊技(サブボーナス中の遊技や、サブボーナス中以外の遊技であって正解押し順が報知された遊技を除く遊技)であれば、役抽選結果にかかわらず、変則押しをされたときに推奨画像を表示してもよい。
(6)第10実施形態の規定数は、第1実施形態と同様に「3」に限定されている。しかし、たとえば規定数「2」又は「3」のいずれかで遊技可能であり、規定数「3」で遊技を行う方が遊技者に有利である仕様の場合には、規定数「3」で遊技が行われたときは推奨画像を表示可能とし、規定数「2」で遊技が行われたときは推奨画像を表示しない。
(7)推奨画像の表示開始タイミングとしては、最初のストップスイッチ42(中又は右ストップスイッチ42)の操作時である。推奨画像は、画像表示装置23の全面に表示する。このため、推奨画像表示中は遊技中の演出画像は見えなくなる。ただし、これに限らず、画像表示装置23の画像表示領域中、一部の領域にのみ推奨画像を表示し、演出画像の一部が見えるようにしてもよい。
さらにまた、推奨画像の表示終了タイミングとしては、次回遊技のスタートスイッチ41操作時であり、次回遊技におけるベット時(ベットスイッチ40の操作時、又はメダル投入時)には推奨画像の表示は終了しない。このようにすれば、変則押しをされたことにより演出上の表示と内部で管理されるデータとの間にずれが生じても、それを推奨画像で隠すことができる。具体的には、たとえば天井までの遊技回数を画像表示している場合において、変則押しをされると天井までの遊技回数を更新しないときは、変則押しにより画像表示される遊技回数と内部の遊技回数とでずれが生じる。しかし、第一停止時から次回遊技のスタートスイッチ41操作時まで推奨画像を表示すれば、天井までの遊技回数が更新されないことを目立たなくすることができる。なお、これ以外には、たとえば図97及び図98に示すように、演出の矛盾を推奨画像によって隠すことができる。
ただし、ベット時にサブ制御基板80に演出に関する所定のコマンドを送信する場合には、ベット時に推奨画像の表示を終了してもよい。特に、ベットコマンドをサブ制御基板80に送信し、ベットを契機として遊技画像を切り替える場合には、ベット時に推奨画像の表示を終了してもよい(ただし、単に、遊技画像の前面レイヤーに表示しているデモンストレーション画像を消去するような場合は含まない。)。
また、全停(メダルの払出しを有する場合には払出し処理終了時であってもよい。)から、ベット(ベットスイッチ40の有効な操作や、メダルの投入)やメニュー画面を表示するボタン操作が行われることなく所定時間を経過したときには、デモンストレーション画像を表示する。
そして、推奨画像が表示されていない状況下では、全停から「30」秒経過後にデモンストレーション画像を表示する。
これに対し、推奨画像が表示されている状況下では、全停から「4」秒経過後にデモンストレーション画像を表示する。
このように、推奨画像が表示されている状況下では早期にデモンストレーション画像の表示を開始するのは以下の理由による。
たとえば遊技者が最後の遊技で変則押しをして推奨画像が表示されたまま遊技を終了しても、「4」秒後にはデモンストレーション画像が表示される(推奨画像の表示が終了する)。したがって、他の遊技者がその遊技機を見たときにはデモンストレーション画像が表示された状態であり、推奨画像は表示されていないので、当該他の遊技者がその遊技機で遊技することを敬遠しないようにすることができる。
また、デモンストレーション画像は、精算処理終了時には、全停からの経過時間にかかわらず表示される。このことは、全停時に推奨画像が表示されているか否かにかかわらず実行される。ただし、推奨画像が表示されていない状況下であって、連続演出中、サブボーナス中、CZ中等、遊技者に有利な状態(遊技者に有利な状態に移行しやすい状態を含む)では、精算処理終了後であってもデモンストレーション画像を表示しない場合を有する。
ここで、クレジット数が少ないときは、精算スイッチ43の操作時から「4」秒以内で精算処理が完了する。したがって、全停後すぐに精算スイッチ43が操作されたときは、全停から「4」秒を経過する前に精算処理が終了する。この場合には、全停から「4」秒を経過する前であっても、精算処理の終了時にデモンストレーション画像を表示する。なお、その後に全停から「4」秒を経過しても、デモンストレーション画像の表示を新たに開始するような処理は行わない。
一方、全停から「4」秒を経過したときに精算処理中である場合を有する。この場合には、精算処理中であっても全停から「4」秒を経過した時点でデモンストレーション画像を表示する。なお、その後、精算処理が終了しても、デモンストレーション画像の表示を新たに開始するような処理は行わない。
さらにまた、推奨画像が表示されている状況下において、全停から「4」秒経過後にデモンストレーション画像を表示した後は、全停から「30」秒を経過してもデモンストレーション画像の表示はそのまま維持される。換言すれば、デモンストレーション画像の表示を新たに開始するような処理は行わない。
さらに、推奨画像が表示されていない状況下において、全停後精算処理が実行され、全停から「30」秒未満でデモンストレーション画像が表示された後、全停から「30」秒を経過しても、デモンストレーション画像の表示を新たに開始するような処理は行わない。
さらにまた、本実施形態では、推奨画像が表示されていない状況下において、全停から「30」秒を経過したタイミングが精算処理中であっても、当該精算処理中にはデモンストレーション画像を表示せず、当該精算処理終了後にデモンストレーション画像を表示する。
また、推奨画像が表示された後、全停から「4」秒を経過してデモンストレーション画像が表示されたときは、ベット操作(ベットスイッチ40の有効な操作、又はメダルの投入)が行われてもデモンストレーション画像の表示は維持される。そして、スタートスイッチ41が操作されると、デモンストレーション画像の表示が終了し、遊技開始画像が表示される。
これに対し、推奨画像が表示されることなく全停から「30」秒を経過してデモンストレーション画像が表示されたときは、ベット操作(ベットスイッチ40の有効な操作、又はメダルの投入)が行われると、遊技待機画像が表示される。その後、スタートスイッチ41が操作されると、遊技待機画像から遊技開始画像(演出画像)に移行する。
ここで、「遊技待機画像」とは、前回遊技の終了時に表示されている画像に相当する。
また、「遊技開始画像」とは、今回遊技の演出(たとえば、今回遊技の役抽選結果に対応する演出)に応じた画像に相当する。
また、全停後、(たとえば所定時間を経過することにより)メニュー画面を表示可能である状況下において、推奨画像が表示されておらず、デモンストレーション画像が表示される前にメニューボタンが操作されたときは、メニュー画面(図39参照)を表示可能である。
一方、推奨画像が表示されているときは、デモンストレーション画像が表示される前にメニューボタンが操作されても、メニュー画面を表示しない。
さらにまた、全停後、(たとえば所定時間を経過することにより)メニュー画面を表示可能である状況下において、推奨画像が表示されておらず、全停から「30」秒が経過し、デモンストレーション画像が表示された後、メニューボタンが操作されたときは、メニュー画面を表示可能である。
これに対し、推奨画像が表示されており、全停から「4」秒が経過し、デモンストレーション画像が表示された後、メニューボタンが操作されてもメニュー画面を表示しない。
次に、推奨画像の表示とデモンストレーション画像表示との処理の流れをフローチャートに基づき説明する。
図166及び図167は、デモンストレーション画像処理の流れを示すフローチャートである。図167は、図166に続くフローチャートである。
図166において、ステップS801では、メイン制御基板50は、今回遊技が有利区間かつ非AT(非サブボーナス)であるか否かを判断する。換言すれば、今回遊技が通常区間であるときやAT(サブボーナス)中であるときは、推奨画像を表示しない。有利区間かつ非ATであると判断したときはステップS802に進み、有利区間かつ非ATでないと判断したときはステップS822(図167)に進む。
次のステップS802では、メイン制御基板50は、今回遊技で押し順ベルに当選したか否かを判断する。本処理では、押し順ベルに当選したことを条件として推奨画像を表示する。ただし、これに限らず、上述したように、役抽選結果(当選番号)にかかわらず推奨画像を表示することも可能である。この場合にはステップS802の処理は不要である。
ステップS802において押し順ベルに当選したと判断したときはステップS803に進み、押し順ベルに当選していないと判断したときはステップS822に進む。
ステップS803では、メイン制御基板50は、押し順報知(ナビ)が実行されたか否かを判断する。たとえば非AT中であってもCZ中等に押し順報知が実行されたときは、推奨画像は表示しない。押し順報知が実行されたと判断したときはステップS822に進み、押し順報知が実行されていないと判断したときはステップS804に進む。
次のステップS804では、メイン制御基板50は、ストップスイッチ42の押し順が変則押し(第1停止が中又は右)であるか否かを判断する。変則押しであると判断したときはステップS805に進み、変則押しでないと判断したときはステップS822に進む。
ステップS805では、サブ制御基板80は、推奨画像を表示する。次のステップS806では、メイン制御基板50は、すべてのリール31が停止したか否かを判断し、すべてのリール31が停止したと判断したときはステップS807に進む。ステップS807では、メイン制御基板50は、精算スイッチ43が操作されたか否かを判断する。精算スイッチ43が操作されていないと判断したときはステップS808に進み、精算スイッチ43が操作されたと判断したときはステップS816に進む。
ステップS808では、メイン制御基板50は、ベットされた状態でスタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。したがって、ベットされただけの場合やベットされることなくスタートスイッチ41が操作された場合は含まない。ベットされた状態でスタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップS813に進み、ベットされた状態でスタートスイッチ41が操作されていないと判断したときはステップS809に進む。なお、メイン制御基板50は、ベットされた状態でスタートスイッチ41が操作されたと判断したときは、サブ制御基板80に対し、そのコマンドを送信する。
ステップS809では、全停から「4」秒を経過したか否かを判断する。なお、ここでの判断は、メイン制御基板50でもサブ制御基板80でもよい(以下に示す「4」秒を経過したか否かの判断についても同様である。)。たとえばサブ制御基板80が判断する場合には、全停時にメイン制御基板50からそのコマンドを受信し、そのコマンドを受信してからタイマー計測を開始する。「4」秒を経過していないと判断したときはステップS807に戻り、「4」秒を経過したと判断したときはステップS810に進む。なお、メイン制御基板50が「4」秒を経過したか否かを判断するときは、メイン制御基板50が「4」秒を経過したと判断したときはそのコマンドをサブ制御基板80に送信する。
ステップS810では、サブ制御基板80は、デモンストレーション画像を表示する。そしてステップS811に進み、メイン制御基板50は、精算スイッチ43が操作されたか否かを判断する。精算スイッチ43が操作されていないと判断したときはステップS812に進み、メイン制御基板50は、ベットされた状態でスタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。ステップS812においてベットされた状態でスタートスイッチ41が操作されていないと判断したときはステップS811に戻り、ベットされた状態でスタートスイッチ41が操作されたと判断したときは、ステップS813に進む。ステップS813では、サブ制御基板80は、デモンストレーション画像の表示を終了し、遊技開始画像を表示する。そして本フローチャートによる処理を終了する。
一方、ステップS811において精算スイッチ43が操作されたと判断し、ステップS814に進むと、メイン制御基板50は、精算処理を開始する。そして、次のステップS815では、メイン制御基板50は、精算処理が終了したか否かを判断し、精算処理が終了したと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。なお、ステップS810においてデモンストレーション画像が表示された後、ステップS815で精算処理が終了した場合であってもデモンストレーション画像の表示は維持される。
また、上述したように、推奨画像を表示した(ステップS805)後、デモンストレーション画像を表示した(ステップS810又はS821)場合には、メニューボタンを操作してもメニュー画面は表示しない。推奨画像を表示した後にデモンストレーション画像を表示した場合には、メニューボタンの操作は無効となる。
また、ステップS807において精算スイッチ43が操作されたと判断してステップS816に進むと、メイン制御基板50は、精算処理を開始する。次にステップS817に進み、「4」秒を経過したか否かを判断する。「4」秒を経過したと判断したときはステップS818に進み、「4」秒を経過していないと判断したときはステップS819に進む。ステップS818では、サブ制御基板80は、デモンストレーション画像を表示する。そしてステップS819に進む。ステップS819では、メイン制御基板50は、精算処理が終了したか否かを判断する。精算処理が終了したと判断したときはステップS820に進み、精算処理が終了していないと判断したときはステップS817に戻る。
ステップS820では、サブ制御基板80は、デモンストレーション画像を表示中であるか否かを判断する。デモンストレーション画像を表示中である判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。これに対し、デモンストレーション画像を表示中でないと判断したときはステップS821に進み、サブ制御基板80は、デモンストレーション画像を表示する。そして本フローチャートによる処理を終了する。
以上において、精算処理の終了時点でデモンストレーション画像を表示していないときは、精算処理の終了によってデモンストレーション画像を表示する。
一方、精算処理を開始した後、精算処理を終了する前に「4」秒を経過したときは、「4」秒経過時点で(精算処理中に)デモンストレーション画像を表示する。そして、その後の精算処理の終了時にはデモンストレーション画像を再表示するような処理は実行しない。
また、ステップS801~S804から図167のステップS822に進んだときは、推奨画像は表示しない。ステップS822では、メイン制御基板50は、すべてのリール31が停止したか否かを判断し、すべてのリール31が停止したと判断したときはステップS823に進む。ステップS823では、メイン制御基板50は、精算スイッチ43が操作されたか否かを判断する。精算スイッチ43が操作されていないと判断したときはステップS824に進み、精算スイッチ43が操作されたと判断したときはステップS832に進む。
ステップS832では、メイン制御基板50は、精算処理を開始する。次のステップS833では、メイン制御基板50は、精算処理が終了したか否かを判断し、精算処理が終了したと判断したときはステップS834に進む。
ステップS834では、サブ制御基板80は、デモンストレーション画像を表示する。そして本フローチャートによる処理を終了する。なお、精算処理の開始及び終了コマンドは、メイン制御基板50からサブ制御基板80に送信される。
一方、ステップS823からステップS824に進むと、メイン制御基板50は、ベットされたか否か(クレジットを有する状態でベットスイッチ40が操作されか否か、又は投入されたメダルを正常に受け付けたか否か)を判断する。ベットされたと判断したときはステップS829に進み、ベットされていないと判断したときはステップS825に進む。なお、メイン制御基板50は、ベットされたと判断したときは、サブ制御基板80に対し、そのコマンドを送信する。
ステップS825では、全停から「30」秒を経過したか否かを判断する。なお、ここでの判断は、メイン制御基板50でもサブ制御基板80でもよい。たとえばサブ制御基板80が判断する場合には、全停時にメイン制御基板50からそのコマンドを受信し、そのコマンドを受信してからタイマー計測を開始する。「30」秒を経過していないと判断したときはステップS823に戻り、「30」秒を経過したと判断したときはステップS826に進む。なお、メイン制御基板50が「30」秒を経過したか否かを判断するときは、メイン制御基板50が「30」秒を経過したと判断したときはそのコマンドをサブ制御基板80に送信する。
ステップS826では、サブ制御基板80は、デモンストレーション画像を表示する。そしてステップS827に進み、メイン制御基板50は、精算スイッチ43が操作されたか否かを判断する。精算スイッチ43が操作されていないと判断したときはステップS828に進み、精算スイッチ43が操作されたと判断したときはステップS835に進んで精算処理を開始する。そして、次のステップS836では、メイン制御基板50は、精算処理が終了したか否かを判断し、精算処理が終了したと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
また、ステップS827からステップS828に進むと、メイン制御基板50は、ベットされたか否かを判断する。ステップS828においてベットされたと判断したときはステップS829に進み、ベットされていないと判断したときはステップS827に戻る。
ステップS829では、サブ制御基板80は、デモンストレーション画像の表示を終了し、遊技待機画像を表示する。
次にステップS830に進み、メイン制御基板50は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。スタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップS831に進み、サブ制御基板80は遊技開始画像を表示する。そして本フローチャートによる処理を終了する。
なお、本フローチャートでは図示していないが、推奨画像が表示されなかった遊技において、ステップS826又はS834でデモンストレーション画像が表示された後、メニューボタンが操作されたときは、メニュー画面を表示する。
また、図167の例では、全停から「30」秒を経過する前に精算処理を開始したときは、当該精算処理中に「30」秒を経過したか否かの判断を実行していないが、これに限らず、精算処理中に「30」秒を経過したか否かの判断を実行してもよい。そして、精算処理中に「30」秒を経過したと判断したときは精算処理中であってもデモンストレーション画像を表示してもよい。この場合には、精算処理を終了したときにはデモンストレーション画像を表示しているか否かを判断し、デモンストレーション画像を表示していないと判断したときはデモンストレーション画像を表示する。
なお、推奨画像を表示した遊技では、小役又はリプレイの図柄組合せが停止表示した場合であっても、入賞音を出力せず、かつ、入賞時のバックランプ演出等を実行しない。これにより、当該遊技では推奨押し順で遊技が行われなかったことを強調することができる。
また、後述するように、推奨押し順で遊技が行われなかったときは、その次回遊技において、いわゆるペナルティを与える場合を有する。この遊技においても、たとえば小役又はリプレイの図柄組合せが停止表示したときは、入賞音を出力せず、かつ、入賞時のバックランプ演出等を実行しないようにしてもよい。
続いて、第10実施形態におけるSPフラグについて説明する。第10実施形態では第1実施形態と同様にSPフラグを備える。以下、第1実施形態と説明が一部重複するが、第10実施形態におけるSPフラグについて説明する。
第1実施形態で説明したように、スタートスイッチ41操作時にサブボーナスの当選期待度が高い演出が出力されたときには順押しし、それ以外の場合には変則押しをすることで、サブボーナスの当選期待度が高い遊技ではペナルティとなることを防止し、かつ、サブボーナスの当選期待度が高くない遊技では払出し枚数期待値を高くするという攻略打ちを防止する必要がある。
そこで、サブボーナス以外の遊技であって押し順が報知されていない遊技で変則押しをした場合には、その次回遊技での出玉に関する抽選を通常時よりも不利にするため、SPフラグを「0」(オフ)とする。
そして、遊技開始時にSPフラグが「0」のときは、出玉に関する抽選を不利にする。ここで、「出玉に関する抽選を不利にする」とは、サブボーナスやCZに関する抽選を行わないか、又はこれらの当選確率を(SPフラグが「1」のときよりも)低い確率にすること等に相当する。ただし、SPフラグが「0」又は「1」のいずれであっても役抽選確率(置数表の値)は変わらない。
なお、SPフラグが「0」の遊技では出玉に関する抽選を不利にするが、当該遊技で変則押しをされていないときは、当該遊技の終了時にSPフラグは「1」となる。これにより、当該遊技の次回遊技では、出玉に関する抽選は通常抽選となる。
また、SPフラグが「0」の遊技では、役抽選結果に対応する特有の演出は出力しないことが挙げられる。たとえばスタートスイッチ41の操作時から全停時まで演出が発展しないようにする。具体的には、遊技開始時には役抽選結果等に基づいて当該遊技における演出の抽選が実行されるが、この演出の抽選を実行しないことが挙げられる。
あるいは、SPフラグが「0」の遊技特有の演出(たとえば、役抽選結果の期待度が低い演出)を設けておき、その特有の演出を出力してもよい。当該特有の演出が出力されれば、遊技者は、今回遊技がSPフラグが「0」の遊技であると認識できる。あるいは、SPフラグが「0」であるときは、通常状態(非AT、非CZ)の或るステージの演出を実行してもよい。
さらに、遊技開始時にフリーズ抽選を実行する場合においては、SPフラグが「0」の遊技では、フリーズ抽選を実行しないことが挙げられる。
一方、SPフラグが「0」の遊技であっても、所定の状況(たとえばCZ中等)に限っては、SPフラグが「0」であるときの演出を出力せず、それまでの演出を継続してもよい。
さらにまた、本実施形態では、押し順ベル当選時であって押し順が報知されていないサブボーナス以外の遊技で変則押しされたことを条件にSPフラグを「0」にする。しかし、これに限らず、役抽選結果にかかわらず押し順が報知されていない遊技で変則押しされたときは、SPフラグを「0」にしてもよい。
なお、サブボーナス以外の遊技であってもCZ中に押し順が報知される場合を有し、CZ中に押し順が報知された遊技で変則押しをしても、SPフラグは「1」である。
さらに、本実施形態では規定数「3」であるが、たとえば規定数が「2」又は「3」のいずれかで遊技が可能な仕様の遊技機において、規定数「2」で遊技を行ったときは規定数「3」で遊技を行ったときよりも不利な場合に、規定数「2」で遊技を行い、かつ変則押しをされても、SPフラグの更新処理を実行しない(SPフラグの更新プログラムを通らない)。
また、通常区間において変則押しをされたときは、SPフラグを「0」にするか否かは任意である。上述したように、通常区間において変則押しをされても推奨画像は表示しない。これに対応して、通常区間において変則押しをされてもSPフラグを更新しないようにしてもよい。あるいは、通常区間において変則押しをされても推奨画像は表示しないがSPフラグは「0」としてもよい。
なお、SPフラグが「0」である遊技では、上述した進行カウンタは更新されない。
次に、SPフラグの処理の流れをフローチャートに基づき説明する。図168は、SPフラグの制御処理を示すフローチャートである。
ステップS851では、メイン制御基板50は、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断し、スタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップS852に進む。次のステップS852では、メイン制御基板50は、SPフラグが「1」であるか否かを判断する。SPフラグが「1」であると判断したときはステップS853に進み、SPフラグが「1」でないと判断したときはステップS855に進む。
ステップS853では、メイン制御基板50は、通常処理を実行する。ここで「通常処理」とは、不利な処理が実行されないことを意味する。次にステップS854に進み、サブ制御基板80は、通常演出を実行する。ここで「通常演出」とは、SPフラグが「0」であるとき特有の演出を実行しないことを意味する。そしてステップS857に進む。
なお、サブ制御基板80は、メイン制御基板50とは独立してSPフラグの値を記憶してもよい。あるいは、メイン制御基板50は、ステップS852においてSPフラグが「1」であるか否かを判断した後、SPフラグの値を示すコマンドをサブ制御基板80に送信してもよい。
一方、ステップS855では、メイン制御基板50は、所定処理を実行する。ここで「所定処理」とは、ステップS853における通常処理よりも遊技者に不利となる処理(冷遇処理)に相当する。たとえば、
a)指示機能に係る処理等(具体的には、サブボーナスやCZ等の抽選、天井カウンタの更新等)を一切行わない
b)指示機能に係る処理等の一部のみを行う
c)指示機能に係る処理等の全てについて冷遇する
d)指示機能に係る処理等の一部を冷遇する
こと等が挙げられる。
なお、上述したように、役抽選(当選番号の抽選)は、ステップS853とステップS855とで同一である。
次にステップS856に進み、サブ制御基板80は、所定演出を出力する。ここで「所定演出」とは、たとえば、
a)役抽選結果に対応する今回遊技特有の演出(たとえば、AT当選期待度が高いレア役の当選を示唆する演出)を実行しない、
b)サブボーナス、CZ、フリーズの期待度を示唆する演出を出力しない、
c)SPフラグが「0」であることに相当する演出を出力する
こと等が挙げられる。
そしてステップS857に進む。
ステップS857では、メイン制御基板50は、今回遊技が有利区間かつ非AT(非サブボーナス)であるか否かを判断する。有利区間かつ非ATであると判断したときはステップS858に進み、有利区間かつ非ATでないと判断したときはステップS862に進む。
次のステップS858では、メイン制御基板50は、今回遊技で押し順ベルに当選したか否かを判断する。押し順ベルに当選したと判断したときはステップS859に進み、押し順ベルに当選していないと判断したときはステップS862に進む。
ステップS859では、メイン制御基板50は、押し順報知が実行されたか否かを判断する。たとえば非ATであってもCZ中等に押し順報知が実行される場合を有するからである。押し順報知が実行されたと判断したときはステップS862に進み、押し順報知が実行されていないと判断したときはステップS860に進む。
ステップS860では、メイン制御基板50は、今回遊技のストップスイッチ42の押し順が変則押し(第1停止が中又は右)であるか否かを判断する。変則押しであると判断したときはステップS861に進み、変則押しでないと判断したときはステップS862に進む。
ステップS861では、メイン制御基板50は、変則フラグを「1」にする。したがって、変則フラグは、有利区間かつ非ATの遊技で押し順ベルに当選し、押し順報知が実行されない遊技で変則押しをされたときに「1」となるフラグである。次にステップS862に進み、サブ制御基板80は、図166のステップS805と同様に推奨画像を表示する。そしてステップS864に進む。
これに対し、ステップS863では、メイン制御基板50は、変則フラグを「0」にする。そしてステップS864に進む。
ステップS864では、メイン制御基板50は、全てのリール31が停止したか否かを判断し、全てのリール31が停止したと判断したときはステップS865に進む。ステップS865では、メイン制御基板50は、SPフラグを「0」にする。なお、ステップS865の処理前にSPフラグが「0」又は「1」のいずれであってもSPフラグを一律に「0」にする処理を実行する。次にステップS866に進み、メイン制御基板50は、変則フラグが「1」であるか否かを判断する。変則フラグが「1」であると判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。一方、変則フラグが「1」でないと判断したときはステップS867に進む。ステップS867では、メイン制御基板50は、SPフラグを「1」にする。そして本フローチャートによる処理を終了する。
以上より、有利区間かつ非ATの遊技で押し順ベルに当選し、押し順報知が実行されない遊技で変則押しをされたときは、SPフラグは「0」となり、それ以外の場合はSPフラグは「1」となる。
そして、次回遊技に移行すると、SPフラグが「1」であるときはステップS853及びS854の処理(通常処理及び通常演出)が実行され、SPフラグが「0」であるときはステップS855及びS856の処理(所定処理及び所定演出)が実行される。
続いて、第10実施形態におけるサブボーナス開始時の処理について説明する。第1実施形態では、サブボーナスへの移行時に疑似遊技を実行し、「赤7」揃いを停止表示させた。第10実施形態も同様に、サブボーナスへの移行時に疑似遊技により「赤7」揃いを停止表示させる。
ただし、朝一フラグがオンであるときにサブボーナスに移行するときは、7リプレイを停止表示させることによりサブボーナスに移行する。
ここで「7リプレイ」とは、ストップスイッチ42を逆押し(右中左の押し順)したときに中段ラインに「赤7」揃いが停止可能となるリプレイ(図4中、役番号「008」のリプレイ4に相当)である。
図29に示すように、通常区間レバー処理において、演出グループ番号「0」又は「10」となったときは、初期通常モード抽選において「通常モード0(朝一確定)」となる。この場合には、朝一フラグをオン(「1」)にする。
また、初期通常モード抽選において朝一不確定となったときは、有利区間の1遊技目が非内部中であれば、朝一フラグをオンにする。
そして、サブボーナスに移行するときに朝一フラグを参照し、朝一フラグがオンであるときは、7リプレイを停止表示させて疑似遊技に移行する。
これに対し、朝一フラグがオフであるときは、(7リプレイを停止表示させることなく)疑似遊技に移行する。
第10実施形態の疑似遊技は、図32(第1実施形態)と同じである。
7リプレイが停止表示可能となるのは、リプレイ04を含む条件装置の作動時にストップスイッチ42を逆押ししたときである。
図19に示すように、リプレイ04を含む条件装置は、小役及びリプレイ条件装置番号「1」及び「2」である。第10実施形態では、これらの条件装置作動時、すなわち当選番号「1」(リプレイA)又は当選番号「2」(リプレイB)となったときに、7リプレイが停止表示可能となる。
サブボーナスへの移行が決定し、かつ、朝一フラグがオンであるときは、当選番号「1」又は「2」となった遊技で、逆押しで「赤7」を狙うべきこと(以下、「7リプレイナビ」という。)が報知される。
この遊技で7リプレイが停止表示したときは、サブボーナスに移行可能となる。また、この遊技で7リプレイが停止表示したときは朝一フラグがオフにされる。
一方、当選番号「1」又は「2」に当選した遊技で7リプレイを停止表示させることができないと、他のリプレイが停止表示した場合であっても次回遊技でサブボーナスには移行しない。
さらにまた、サブボーナスに移行することに決定し、朝一フラグがオンであり、7リプレイナビが表示された遊技で7リプレイを停止表示させることができなかったときは、その後にリプレイ「1」又は「2」に当選しても7リプレイナビは表示されない。さらに、7リプレイナビが表示された遊技で7リプレイを停止表示させることができなかった場合において、その後に当選番号「1」又は「2」となった遊技(7リプレイナビは表示されない)で7リプレイを停止表示させてもサブボーナスへは移行しない。
サブボーナスに移行することに決定し、朝一フラグがオンであり、7リプレイナビが表示された遊技で7リプレイを停止表示させることができなったときは、次回遊技以降、当選番号「8」~「39」(入賞A群のいずれか、又は入賞B群のいずれか)に当選した遊技において、押し順を選択するための画像(以下、「押し順選択画像」という。)を表示する。
なお、当選番号「8」~「39」に当選したことに限らず、当選番号「40」~「47」(入賞C群のいずれか)又は当選番号「48」~「59」(入賞D群のいずれか)に当選したことを含めてもよい。
ここで、「押し順選択」とは、遊技者に押し順を選択させ、所定の押し順を正解とし、所定の押し順以外の押し順を不正解とするものである。「押し順選択」は、「押し順当て」や「択当て」とも称される。
本実施形態では、押し順ベルの当選時に、第1押し順を遊技者に選択させ、遊技者が選択した第1押し順(最初の押し順)が、当選した押し順ベルにおける正解押し順の第1停止と一致するときは、押し順選択に正解したとするものである。具体的には、たとえば入賞A1(正解押し順213)に当選した遊技では、中第1停止であれば押し順選択正解とし、第2停止は不問である。
具体的には、たとえば第1に、入賞A群又は入賞B群(変則押しが押し順正解となる押し順ベル)のいずれかの当選時に押し順選択画像を表示する場合に、「×??」と画像表示することが挙げられる。
ここで、「×」は、第1停止ではないことを示す。したがって、「×??」と画像表示されたときは、第1停止は中又は右のいずれかとなるので、2択(正解率50%)となる。
あるいは、入賞A群又は入賞B群のいずれかの当選時に、「???」と表示する画像が挙げられる。この場合の第1停止は、左、中又は右のいずれかとなるので、3択(正解率33.3%)となる。
また第2に、入賞C群又は入賞D群(左、中、又は右のいずれかが押し順正解となる押し順ベル)のいずれかの当選時に押し順選択画像を表示する場合に、「×??」、「?×?」、又は「??×」と画像表示することが挙げられる。入賞C群又は入賞D群の押し順ベルは元々3択であるが、第1停止の1つを「×」とすれば、2択(正解率50%)となる。
あるいは、上記と同様に、入賞C群又は入賞D群のいずれかの当選時に、「???」と画像表示し、3択(正解率33.3%)としてもよい。
そして、押し順ベル当選時に押し順選択画像を表示し、第1停止の押し順選択に正解となったとき(すなわち、第1停止正解で第2停止不正解、又は第1~第3停止正解のいずれかとなったとき)は、疑似遊技(図32)に移行する。さらに、この疑似遊技を経てサブボーナスに移行可能となる。なお、疑似遊技に移行するときは、朝一フラグはオフになる。
このように、押し順選択の遊技では、第1停止の押し順選択に正解すればよく、入賞A群又は入賞B群のいずれかの当選時には、高目ベルが入賞することには限られない。
ただし、入賞A群又は入賞B群のいずれかの当選時に高目ベルが入賞するための押し順を正解押し順に設定してもよい。たとえば入賞A1(正解押し順213)の当選時に「×??」と表示すれば、本来の6択から4択(正解率25%)となる。
あるいは、入賞A群又は入賞B群の当選時に「???」と表示すれば、本来の6択となる。
なお、上記の押し順選択画像は画像表示装置23に表示されるが、いわゆる指示モニタには、専用の番号を表示する。
また、押し順選択画像が表示された遊技では、変則押しされても推奨画像は表示しない。
さらにまた、当選役に対応する押し順選択画像を表示する場合には、予め記憶されている画像のうちどの画像を表示するかを抽選によって選択することが挙げられる。
たとえば入賞A1に対応する押し順選択画像として「×??」及び「??×」の2つを有する場合には、これらのうちいずれか1つを抽選によって決定する。ただし、このような場合には、第1停止左が正解となる押し順ベル(入賞C群及び入賞D群)を含める。
同様に、入賞C1に対応する押し順選択画像として「?×?」及び「??×」の2つを有する場合には、これらのうちいずれか1つを抽選によって決定する。
次に、サブボーナス移行前の処理の流れをフローチャートに基づき説明する。図169は、サブボーナスに移行することに決定された場合の処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS881では、メイン制御基板50は、サブボーナス移行フラグがオンであるか否かを判断する。
サブボーナス移行フラグは、
a)非ATにおいてサブボーナスに当選したとき、
b)サブボーナス終了後の引戻しゾーンにおいて引戻し抽選に当選したとき(図161のステップS708、図164の図768)、
c)通常区間における引戻し抽選に当選したとき(図163のステップS746)
にオンになる。
サブボーナス移行フラグがオンであると判断したときはステップS882に進み、サブボーナス移行フラグがオンでないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS882では、メイン制御基板50は、朝一フラグがオンであるか否かを判断する。朝一フラグがオンであると判断したときはステップS883に進み、朝一フラグがオンでないと判断したときはステップS897に進む。ステップS897に進むと、疑似遊技に移行する。この疑似遊技は、図32(第1実施形態)に示す赤7揃い疑似遊技演出に相当する。
すなわち、朝一フラグがオンでなければ後述する7リプレイナビを実行することなく疑似遊技に移行する。
ステップS883では、メイン制御基板50は、7リプレイ(リプレイA又はリプレイB)に当選したか否かを判断する。7リプレイに当選したと判断したときはステップS884に進み、7リプレイに当選していないと判断したときはステップS891に進む。
ステップS884では、メイン制御基板50は、7リプレイナビフラグがオンであるかを判断する。ここで「7リプレイナビフラグ」とは、7リプレイナビが実行されたときにオンとなるフラグである。本実施形態では7リプレイナビは1回だけ実行するので、最初に7リプレイナビが実行されたときは7リプレイナビをオンにし、次回以降に7リプレイに当選しても7リプレイナビは実行しないようにする。
7リプレイナビフラグがオンでないと判断したときはステップS885に進み、7リプレイナビがオンであると判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS885では、サブ制御基板80は、7リプレイナビを実行する。なお、メイン制御基板50は、7リプレイナビの条件を満たしたときは、サブ制御基板80に対してその旨のコマンドを送信する。そしてステップS886に進み、メイン制御基板50は、7リプレイナビフラグをオンにする。
次のステップS887では、メイン制御基板50は、7リプレイが停止表示されたか否かを判断する。7リプレイが停止表示したと判断したときはステップS888に進み、7リプレイが停止表示していないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS888では、メイン制御基板50は、朝一フラグをオフにする。次にステップS889に進み、メイン制御基板50は、サブボーナス移行フラグをオフにする。そしてステップS890に進んでサブボーナスに移行する。
ステップS883において7リプレイに当選していないと判断されてステップS891に進むと、メイン制御基板50は、押し順ベルに当選したか否かを判断する。押し順ベルに当選していないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。一方、押し順ベルに当選したと判断したときはステップS892に進む。ステップS892では、メイン制御基板50は、7リプレイナビフラグがオンであるか否かを判断する。7リプレイナビフラグがオンであると判断したときはステップS893に進み、オンでないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS893では、サブ制御基板80は、当選した押し順ベルに対応する押し順選択画像を表示する。次にステップS894に進み、メイン制御基板50は、第1押し順が正解となったか否かを判断する。たとえば今回遊技で入賞A1に当選し、第1停止が中である場合には第1押し順正解と判断し、第1停止が左又は右である場合は第1押し順不正解と判断する。第1押し順が正解であると判断したときはステップS895に進み、第1押し順が不正解であると判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ステップS895では、メイン制御基板50は、朝一フラグをオフにする。次にステップS896に進み、メイン制御基板50は、サブボーナス移行フラグをオフにする。そしてステップS897に進んで疑似遊技(図32)に移行する。
以上において、ステップS888又はS895において朝一フラグがオフにされると、次にサブボーナス移行フラグがオンになったときはステップS882で「No」と判断されるので、7リプレイナビは実行されずに疑似遊技に移行する。
また、ステップS891及びS892に示すように、押し順ベルに当選した場合であっても、7リプレイナビフラグがオンでないときは押し順選択画像は表示しない。したがって、7リプレイナビより先に押し順選択画像が表示されることはない。押し順選択画像は、7リプレイナビが表示され、かつ、7リプレイを停止表示させることができなかったときに限られる。ただし、7リプレイナビの表示前に押し順ベルに当選したときには(押し順ベル当選時の一部の遊技又はすべての遊技で)、正解押し順を表示してメダルが増加するようにしてもよい。
なお、フローチャートでは図示していないが、7リプレイナビフラグをオンにした後、サブボーナス又は疑似遊技に移行するときには、7リプレイナビフラグをオフにしてもよい。ただし、7リプレイナビフラグがオンのままであっても、次にサブボーナス移行フラグがオンになったときは、朝一フラグはオフであることから、ステップS883以降の処理には移行しないので、7リプレイナビフラグがオンのままであっても差し支えない。
以上、本発明の第10実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく以下のような種々の変形が可能である。
(1)サブボーナス終了後の引戻しゾーンを報知遊技状態としてもよい。ただし、引戻しゾーンにおいて有利区間を終了することに決定し、通常区間に移行したときは、当該通常区間は非報知遊技状態となる。さらに、当該通常区間において有利区間への移行が決定されたときは、その後の有利区間における引戻しゾーンを報知遊技状態とする。
さらに、引戻しゾーンを報知遊技状態としたときは、引戻しゾーンにおいて変則押しされても推奨画像は表示しない。
(2)引戻しゾーンにおける有利区間の継続判定は、図162の例では、ステップS721、S722、S723、S725の4つの条件を満たしたときに有利区間を終了するようにしたが、有利区間の継続判定に対し、どのような条件を設けるかは任意である。たとえばステップS722及びS723の2条件のみでもよい。
(3)図166では押し順ベル当選時に推奨画像を表示するようにしたが、これに限らず、変則押しをされたときは、当選役にかかわらず、遊技状態に応じて(サブボーナスやCZを除いて)推奨画像を表示してもよい。
(4)上記実施形態では、全停から「4」秒経過後(変則押し時)又は全停から「30」秒経過後(順押し時)にデモンストレーション画像を表示した。しかし、推奨画像を表示しなかった場合(順押し時)に、たとえば連続演出中やサブボーナス中等のような所定の状況であるときは、デモンストレーション画像を表示しなくてもよい。あるいは、連続演出の結末が成功(サブボーナス当選)の場合には当該連続演出中にはデモンストレーション画像を表示せず、連続演出の結末が失敗(サブボーナス非当選)の場合には当該連続演出中にデモンストレーション画像を表示してもよい。
一方、推奨画像を表示した場合(変則押し時)には、たとえば連続演出中やサブボーナス中等のような所定の状況であるか否かにかかわらず、全停後、所定のタイミングでデモンストレーション画像を表示してもよい。
さらにまた、正常に遊技をしている場合には、リプレイの図柄組合せが停止表示した後にデモンストレーション画像を表示しないようにしてもよい。一方、役抽選結果にかかわらず変則押しをされたときに推奨画像を表示する場合には、リプレイの図柄組合せが停止表示した後であってもデモンストレーション画像を表示してもよい。
(5)図169に示すように、7リプレイを停止表示させることができなかった後、押し順選択画像の表示により第1押し順正解となったときは、疑似遊技に移行した。しかし、これに限らず、疑似遊技を経ることなくサブボーナスを開始してもよい。
(6)7リプレイナビが表示され、7リプレイを停止表示させることができなかったときは、サブボーナスが開始されるまでの期間中、メダルの差数が現状維持される程度に押し順ベル当選時に正解押し順を報知してもよい(以下、当該期間を「現状維持期間」という。)。現状維持期間中に差数を現状維持するための正解押し順の報知としては、たとえば、押し順ベルに当選したときに3回に1回の割合で正解押し順を報知すること等が挙げられる。
なお、現状維持期間中に差数を現状維持するための正解押し順を報知した場合には、報知に従ってストップスイッチ42を操作してもサブボーナスには移行しない(図169中、ステップS894で「Yes」と判断されることはない)。また、当該遊技では推奨画像は表示しない。
さらにまた、サブボ-ナス移行フラグがオンになった後、サブボーナスを開始するまでの期間においても、サブボーナスに関する所定の抽選(遊技回数又は獲得可能なメダル枚数の上乗せ抽選、加算抽選、特化ゾーンに移行するか否かの抽選等)を実行してもよい。この場合、現状維持期間中は、サブボーナスに関する所定の抽選の当選確率(期待値)を下げて実行してもよいし、サブボーナスに関する所定の抽選を実行しなくてもよい。このようにすることで、遊技者があえて7リプレイを停止表示させずに現状維持期間へ移行させ、サブボーナスに関する所定の抽選を受けるといった攻略打ちを防止することができる。
(7)第10実施形態では、サブボーナスに移行することに決定した場合において、朝一フラグがオンのときだけ7リプレイを停止表示させるようにした。しかし、これに限らず、以下のようにしてもよい。
a)サブボーナスに移行することに決定したときには、毎回、7リプレイナビを表示し、7リプレイを停止表示させるようにしてもよい。
b)サブボーナスに移行することに決定した場合において、7リプレイナビを表示し、7リプレイを停止表示させたときは、次回のサブボーナスに移行することに決定した場合にも、7リプレイナビを表示し、7リプレイを停止表示させるようにする。そして、7リプレイナビを表示し、7リプレイを停止表示させることができなかったときは、次回以降は、サブボーナスに移行することに決定したときに、7リプレイナビを表示することなく疑似遊技に移行してもよい。
c)サブボーナスに移行することに決定した場合には、毎回、7リプレイナビを表示して7リプレイを停止表示させるか、又は7リプレイナビの表示を行うことなく疑似遊技に移行するかを、抽選等で決定してもよい。
d)7リプレイの図柄組合せを停止表示させようとする遊技で、当選番号「1」又は「2」に当選しているときは7リプレイナビを表示して7リプレイを停止表示させ、当選番号「1」又は「2」に当選していないときは当該遊技で疑似遊技を実行し、7リプレイの図柄組合せを停止表示させてもよい。
なお、上記a)~d)のいずれにおいても、7リプレイナビを表示して7リプレイを停止表示させることができなかったときは、それ以降の遊技で押し順ベルに当選したときに押し順選択画像を表示する。
また、7リプレイナビを表示して7リプレイを停止表示させることができなかった後、押し順ベルに当選する前(押し順選択画像を表示する前)に7リプレイに再度当選したときは、7リプレイナビを再度表示してもよい。そして、7リプレイが停止表示したときにはサブボーナスを開始してもよい。
同様に、7リプレイナビを表示して7リプレイを停止表示させることができなかった後、押し順ベルに当選して押し順選択画像を表示したが押し順選択に正解しなかった場合において、次に押し順ベルに当選する前に7リプレイに再度当選したときは、7リプレイナビを再度表示してもよい。そして、7リプレイが停止表示したときにはサブボーナスを開始してもよい。
以上のように、7リプレイナビを表示して7リプレイを停止表示させることができなかった後は、押し順ベルに当選した遊技では押し順選択画像を表示し、7リプレイに当選した遊技では7リプレイナビを表示する。そして、押し順選択画像を表示して押し順選択に正解したときは疑似遊技に移行し(直接サブボーナスに移行してもよい)、7リプレイナビを表示して7リプレイを停止表示させたときはサブボーナスに移行するようにしてもよい。
(8)設定変更を行ったときは朝一フラグがオンとなるので、最初のサブボーナスでは必ず7リプレイナビが表示される。換言すれば、最初のサブボーナスで7リプレイナビが表示されたときは設定変更されていることになる。したがって、設定変更の有無をわからないようにするため、設定変更の有無にかかわらず電源投入後の最初のサブボーナスに移行するときには、7リプレイナビを必ず表示するか、あるいは7リプレイナビを表示するか否かを抽選で決定すれば、設定変更の有無をわからないようにすることができる。
(9)図169の例では、押し順選択画像を表示した遊技で第1押し順に正解しないときは、いつまでもサブボーナスに移行しないこととなる。しかし、これに限らず、最初の押し順選択画像を表示した遊技で第1押し順に正解しなかったときは、その後、所定条件を満たせばサブボーナスに移行するようにしてもよい。
たとえば、押し順選択画像を表示した回数が所定回数(たとえば5回)になったときや、7リプレイナビが表示された最初の遊技から数えて所定遊技回数(たとえば50遊技)を経過したときは、7リプレイが停止表示せず、かつ、押し順選択画像の表示時に第1停止正解にならなくてもサブボーナスに移行してもよい。
(10)デモンストレーション画像の表示は、全停から「4」秒経過後(推奨画像表示時)又は「30」秒経過後(推奨画像非表示時)としたが、払出しを有する場合には、払出し処理の終了時から「4」秒経過後又は「30」秒経過後としてもよい。すなわち、全停後の所定のタイミングから「4」秒経過後又は「30」秒経過後としてもよい。
なお、「4」秒や「30」秒は、例示であり、この時間に限定されるものではない。
ただし、推奨画像表示時に全停からデモンストレーション画像を表示するまでの時間「T1」と、推奨画像非表示時に全停からデモンストレーション画像を表示するまでの時間「T2」との関係は、「T1<T2」であることが好ましい。このようにすることで、推奨押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、デモンストレーション画像が表示されるまでの時間を短くできるので、推奨画像の表示を早期に終了することが可能となる。
また、「全停時」とは、ストップスイッチ42の操作受付け時、リール31の停止時(モータ32の回転速度が「0」になった時)、モータ32の4相励磁終了時等、どのタイミングを基準とするかは任意であり、これらのいずれのタイミングであっても「全停時」に含まれる。
(11)図166の例では、推奨画像が表示されている状況下において、全停から「4」秒を経過する前に精算処理が開始されたときは、全停から「4」秒を経過する前であっても精算処理が終了したときはデモンストレーション画像を表示した。しかし、これに限らず、推奨画像が表示されている状況下において、精算処理終了時に全停から「4」秒を経過していないときは、全停から「4」秒を経過することを待ってデモンストレーション画像を表示してもよい。これにより、全停後すぐに精算スイッチ43が操作されたとしても、全停から「4」秒を経過するまでは推奨画像を表示できるので、遊技終了後に直ちに推奨画像を消去できないようにすることができる。
一方、図167に示すように、推奨画像が表示されていない状況下で、「30」秒を経過する前に精算スイッチ43が操作されたときは、精算処理の終了時にデモンストレーション画像を表示した。したがって、精算処理中には、全停から「30」秒を経過したか否かを判断していない。しかし、精算処理中も全停から「30」秒を経過したか否かを判断し、全停から「30」秒を経過したと判断したときは、精算処理中であってもデモンストレーション画像を表示してもよい。
(12)第10実施形態は、単独で実施されることに限らず、他の実施形態と組み合わせて実施することが可能である。
<第11実施形態>
第11実施形態は、管理情報表示LED74に関する。なお、第11実施形態の説明では、管理情報表示LED74を「役比モニタ74」と称する。役比モニタ74は、比率表示器74とも称される。さらに、スロットマシンの比率表示器とぱちんこ遊技機の性能表示器とを総称して単に「表示器(又は「所定の表示器」)」と称してもよい。
役比モニタ74の構造は、図57(B)(第2実施形態)で示したものと同じであり、デジット6~デジット9の4桁のLEDから構成されている。各デジット(LED)は、図58に示すように、セグメントA~G及びPから構成されている。ここで、図58、図60、及び図61に示すように、デジット7のセグメントPは桁区切り表示LEDとして用いられ、デジット6、デジット8及びデジット9のセグメントPは、未使用(「-」)となっている。比率を表示する場合には、これら3つのデジット6、デジット8及びデジット9のセグメントPを点灯させる場合はないが、後述するように、電源投入時のテストパターンとしてデジット6~デジット9の全セグメント(セグメントPを含む)を点灯させる場合を有する。
なお、識別セグを「AB」と表示したときは、デジット6の表示が「A」であり、デジット7の表示が「B」であることを示す。また、比率セグを「12」と表示したときは、デジット8の表示が「1」であり、デジット9の表示が「2」であることを示す。
さらにまた、1つのデジットについて「A。」と表示したときは、セグメントA~Gにより「A」を表示し、かつ、セグメントPは消灯していることを示す。
同様に、1つのデジットについて「A.」と表示したときは、セグメントA~Gにより「A」を表示し、かつ、セグメントPは点灯していることを示す。
また、第11実施形態では採用していないが、たとえば設定変更状態(モード)又は設定確認状態(モード)中には、役比モニタ74に比率を表示せず、設定変更モードであること又は設定確認モードであることを示す所定のパターンを表示してもよい。ただし、設定確認中は、遊技中と同様に比率を表示してもよい。所定のパターンとしては、たとえば、「1。2.3。4.」(デジット7及び9のセグメントPを点灯又は点滅。デジット6及び8のセグメントPは消灯。)等と表示することが挙げられる。
図170は、第11実施形態における1チップマイクロプロセッサ(以下単に「チップ」という。)の構成概要を示すブロック図である。図170は、第11実施形態において説明に必要な構成のみを図示している。換言すれば、図170は、チップ内のすべての構成を図示したものではない。
図170では、チップの構成として、メインCPU55、内蔵メモリ、演算回路(APU)57を表示している。チップの内蔵メモリは、図82~図84(第3実施形態)と同様に、ROM54、RWM53、及び内蔵メモリレジスタ56を備える。
図83(第3実施形態)における説明と重複するが、改めて説明すると、ROM54及びRWM53には、それぞれ使用領域と使用領域外とが設けられている。
「使用領域」とは、遊技の進行に関係する情報が記憶される記憶領域である。以下、「第1領域」とも称する。
また、「使用領域外」とは、遊技の進行に関係しない情報が記憶される記憶領域であり、たとえば役比モニタ74の点灯を制御するためのプログラム、試験時に用いられるプログラム、及び不正防止のためのプログラム等が記憶される記憶領域である。以下、「第2領域」とも称する。
内蔵ROM54における第1領域及び第2領域には、ぞれぞれ、プログラム領域(第1プログラム領域と第2プログラム領域)及びデータ領域(第1データ領域と第2データ領域)が設けられている。「プログラム領域」とは、「制御領域」とも称され、メイン制御手段50により実行される各種プログラムが記憶される記憶領域である。
なお、「プログラム」は、命令を指す場合がある。さらに、「プログラム」は、複数の命令から構成されたもの(いわゆるモジュール)を指す場合がある。
また、「データ領域」とは、プログラム以外の情報が記憶される記憶領域であり、プログラムの実行時に使用されるデータが記憶される記憶領域である。
また、RWM53の記憶領域は、ROM54の記憶領域と同様に、第1領域と第2領域とを有し、さらに、第1領域及び第2領域は、それぞれ作業領域(第1作業領域と第2作業領域)とスタック領域(第1スタック領域と第2スタック領域)とを有している。
第11実施形態では、内蔵メモリレジスタ56として、機能設定レジスタ56a及び機能制御レジスタ56bを備える(図82(第3実施形態)と同様)。図170に示すように、機能設定レジスタ56aの記憶領域は、アドレス「FE00h」~「FEFFh」であり、機能制御レジスタ56bの記憶領域は、アドレス「FF00h」~「FFCh」である。
また、演算回路(APU)57は、比率計算時等に使用される。
第11実施形態において、メインCPU55の内蔵レジスタ55a(図82中、CPUレジスタ領域と同義)には、レジスタバンク0とレジスタバンク1とを備える。そして、各レジスタバンク内に、メインレジスタ(表レジスタ)とサブレジスタ(裏レジスタ)とを備えている。メインレジスタは、汎用レジスタを含むものである。
以下の説明では、サブレジスタについては割愛し、「レジスタ」と称するときはメインレジスタを指すものとする。
レジスタバンク0の各レジスタは、第1プログラム(たとえば後述する図180のメイン処理中、ステップS272における遊技開始セット処理等)を実行しているときに使用されるレジスタである。同様に、レジスタバンク1の各レジスタは、第2プログラム(たとえば図180のメイン処理中、ステップS910における比率セット処理)を実行しているときに使用されるレジスタである。
したがって、第1プログラムを実行しているときはレジスタバンク0のレジスタが使用され、レジスタバンク1のレジスタは使用されない。
同様に、第2プログラムを実行しているときはレジスタバンク1のレジスタが使用され、レジスタバンク0のレジスタは使用されない。
Aレジスタ、Fレジスタ等は、それぞれレジスタバンク0及びレジスタバンク1の双方に設けられている。換言すれば、レジスタバンク0のAレジスタと、レジスタバンク1のAレジスタは、異なるレジスタである。
Aレジスタは、アキュムレータである。Fレジスタは、フラグレジスタである。B、C、D、E、H、及びLレジスタは、汎用レジスタである。
IX及びIYレジスタは、インデックスレジスタであり、たとえばアドレスを指定するとき等に使用される。
SPレジスタは、スタックポインタレジスタである。SPレジスタは、データをスタック領域に退避させるときにどのアドレスに退避させるかを指定し、かつ、データをスタック領域から復帰させるときにどのアドレスのデータを復帰させるかを指定するレジスタである。
具体的には、レジスタバンク0のSPレジスタは、第1スタック領域(「F1D0h」~「F1FFh」の範囲)のアドレスを指定する。同様に、レジスタバンク1のSPレジスタは、第2スタック領域(「F3E8h」~「F3FFh」の範囲)のアドレスを指定する。
レジスタバンク0及び1の外には、I、R、PC、IFFレジスタを備える。
Iレジスタは、インタラプトレジストであり、割込み処理を実行するときに使用される。
Rレジスタは、リフレッシュレジスタであり、RWM53のリフレッシュに使用される。
PCレジスタは、プログラムカウンタであり、メモリ上の現在実行中のアドレスを保持するレジスタである。
IFFレジスタは、割込み許可レジスタである。IFFレジスタには、マスカブル割込み(INT)の許可及び禁止を決定するIFF1レジスタと、ノンマスカブル割込み(NMI)の処理後にIFF1を復帰させるためのIFF2レジスタとから構成されている。IFF2レジスタは、ノンマスカブル割込み処理からの復帰以外に、CALLEX命令(後述)の実行後のRETEX命令(後述)による復帰にも使用される。
また、ノンマルカブル割込み受付け時、又はCALLEX命令の実行時に、IFF1レジスタはクリア(割込み処理を禁止する値(「0」)に設定)され、マスカブル割込みは禁止され、IFF2レジスタはこのときの状態(ノンマルカブル割込み受付け時、又はCALLEX命令の実行時において割込み禁止状態であったか割込み許可状態であったか)を保持する。また、RET命令又はRETEX命令の実行により、IFF2レジスタ値がIFF1レジスタに移され、マスカブル割込みの受付け状態を以前の状態に復帰する。
レジスタバンク0のSPレジスタには、電源投入後の第1プログラム領域の命令の1つである「LD SP,F200h」の命令により、初期値「F200h」が記憶される(後述する図178中、ステップS901)。
次に、何らかのプログラムが実行されて、第1スタック領域の「F1FFh」及び「F1FEh」にデータを積んだ場合には、レジスタバンク0のSPレジスタ値は「F1FEh」に更新される。
次に、第1スタック領域の「F1FFh」及び「F1FEh」に記憶されたデータを呼び出す場合には、何らかのプログラム(戻り命令等)を実行する。そして、当該命令により、「F1FEh」及び「F1FFh」に記憶されたデータが呼び出される。たとえば、第1プログラム領域に記憶されたCALL命令により戻り番地を「F1FEh」及び「F1FFh」に記憶し、CALL命令によって呼び出された命令(第1プログラム領域のプログラム)を実行する。その後、RET命令によりCALL後の命令に戻る(第1スタック領域に保存されているプログラムカウンタのプログラム(戻り番地のプログラム)に戻る)とともに、レジスタバンク0のSPレジスタ値は「F1FEh」から「F200h」に更新される。また、たとえば、第1プログラム領域に記憶されたCALLEX命令により戻り番地を「F1FEh」及び「F1FFh」に記憶し、CALLEX命令によって呼び出された命令(第2プログラム領域のプログラム)を実行する。その後、RETEX命令によりレジスタバンクをレジスタバンク0に切り替えた後、CALLEX命令後の命令に戻る(第1スタック領域に保存されているプログラムカウンタのプログラム(戻り番地のプログラム)に戻る)とともに、レジスタバンク0のSPレジスタ値は「F1FEh」から「F200h」に更新される。
第2スタック領域についても上記と同様である。
レジスタバンク1のSPレジスタには、電源投入後の第2プログラム領域のプログラムの命令の1つである「LD SP,F400h」の命令により、初期値「F400h」が記憶される(後述する図179のステップS903)。
次に、何らかのプログラムが実行されて、第2スタック領域の「F3FFh」及び「F3FEh」にデータを積んだ場合には、レジスタバンク1のSPレジスタ値は「F3FEh」に更新される。
さらに、第2スタック領域の「F3FFh」及び「F3FEh」に記憶されたデータを呼び出す場合には、何らかのプログラムを実行する。そして、当該命令により、「F3FFh」及び「F3FEh」に記憶されたデータが呼び出される。たとえば、第2プログラム領域に記憶されたCALL命令により戻り番地を「F3FFh」及び「F3FEh」に記憶し、CALL命令によって呼び出された命令(第2プログラム領域のプログラム)を実行する。その後、RET命令によりCALL命令後の命令に戻る(第2スタック領域に保存されているプログラムカウンタのプログラム(戻り番地のプログラム)に戻る)とともに、レジスタバンク1のSPレジスタ値は「F3FEh」から「F400h」に更新される。
上述したCALLEX命令は、第1プログラム(レジスタバンク0のとき)に有する命令であり、第2プログラム(レジスタバンク1のとき)には有さない命令である。
また、RETEX命令は、第1プログラム(レジスタバンク0のとき)には有さない命令であり、第2プログラム(レジスタバンク1のとき)に有する命令である。
CALLEX命令は、コール(呼び出し)命令の1つである。
まず、「CALLEX mn」の命令が実行されると、
(1)プログラムカウンタに記憶されている戻り番地を第1スタック領域に退避し、レジスタバンク0のスタックポインタを更新し、
(2)その時点において割込み許可状態であるか割込み禁止状態であるかにかかわらず、ノンマスカブル割込み(NMI)及びマスカブル割込み(INT)を禁止し、
(3)レジスタバンクを「1」に切り替え、
(4)「mn」で指定されるアドレスにコールする(呼び出す(プログラムカウンタに「mn」を記憶する))
ことを実行する。
第11実施形態では、第1プログラムから第2プログラムを実行する際に、CALLEX命令を実行することによって、第2プログラムを実行可能とする。
また、RETEX命令は、従来のリターン命令に対応する命令である。
RETEX命令は、
(1)ノンマスカブル割込み(NMI)、及びマスカブル割込み(INT)をCALLEX命令前の状態にし、
(2)レジスタバンクを「0」に切り替え、
(3)レジスタバンク0のスタックポインタにより示される第1スタック領域に記憶された戻り番地をプログラムカウンタに復帰し、レジスタバンク0のスタックポインタを更新する。
つまり、リターン(RET)する(CALLEX前の状態、換言すれば、CALLEXの次の命令(戻り番地のプログラム)に戻る)
ことを実行する。
これにより、第1プログラムを実行可能とする。
なお、CALLEX命令時の状態が割込み許可状態であるときは、RETEX命令によって割込み許可状態にする。一方、CALLEX命令時の状態が割込み禁止状態であるときは、RETEX命令によって割込み禁止状態にする。
従来の一般的なコール/リターン命令では、コール命令によってプログラムを呼び出し、当該プログラムを実行した後、リターン命令によって当該コール命令後に戻るものである。
これに対し、第11実施形態では、CALLEX命令においてプログラムを呼び出し、当該プログラムを実行した後、RETEX命令によって当該CALLEX命令後に戻るものである。
以上のようなCALLEX命令及びRETEX命令を用いることにより、第2プログラム領域のプログラムを実行する際や、第2プログラム領域のプログラムから第1プログラム領域のプログラムを実行する際に、独立した割込み禁止命令(DI命令)や割込み許可命令(EI命令)は不要となる。
また、レジスタバンク0及び1を備え、CALLEX命令及びRETEX命令により、レジスタバンクを切り替えるようにすれば、従来のように単一のレジスタバンクを設けて第1プログラム領域のプログラムから第2プログラム領域のプログラムを実行する際や、第2プログラム領域のプログラムから第1プログラム領域のプログラムを実行する際に、独立したレジスタ退避命令やレジスタ復帰命令は不要となる。よって、ROM領域の容量の圧迫や、ROM領域に記憶される命令の煩雑さを軽減することができる。
図171は、図170中、演算回路(APU)57を示すブロック構成図である。
演算回路57は、四則演算を実行可能な乗算回路及び除算回路と、演算に用いるデータを記憶する被乗数設定レジスタ、乗数設定レジスタ、被除数設定レジスタ、除数設定レジスタを備える。
また、演算結果を記憶する乗算結果レジスタ、除算結果レジスタ、剰余結果レジスタを備える。
なお、以下の説明において、これらの被乗数設定レジスタ、乗数設定レジスタ、乗算結果レジスタ、被除数設定レジスタ、除数設定レジスタ、除算結果レジスタ、及び剰余結果レジスタを総称して「乗除レジスタ」と称する。図170に示すように、乗除レジスタは、機能制御レジスタ56bの一部として設けられている。
内部バスを通じて被乗数設定レジスタ、乗数設定レジスタ、被除数設定レジスタ、又は除数設定レジスタに値(データ)が記憶(入力)されると、乗算回路及び除算回路を経て、演算結果が、乗算結果レジスタ、除算結果レジスタ、剰余結果レジスタに記憶(出力)される。メインCPU55は、内部バスを通じて乗算結果レジスタ、除算結果レジスタ、剰余結果レジスタに記憶された値(データ)を取得可能である。
たとえば被乗数設定レジスタ及び乗数設定レジスタの双方に値が記憶されたときに、乗算回路によって演算(乗算)が実行されるように構成してもよいが、第11実施形態では、いずれか一方のレジスタに値が入力されると、その時点における被乗数設定レジスタの値及び乗数設定レジスタの値により乗算回路によって乗算が実行され、その乗算結果が乗算結果レジスタに記憶される。
たとえば、「2×3」の乗算を実行する場合には、被乗数設定レジスタに「2」が記憶され、乗数設定レジスタに「3」が記憶されると、値「2」及び「3」が乗算回路に入力され、乗算結果レジスタに「6」が出力される。
同様に、「7/3」の除算を実行する場合には、被除算設定レジスタに「7」が記憶され、除数設定レジスタに「3」が記憶されると、値「7」及び「3」が除算回路に入力され、除算結果レジスタに「2」(商)が出力され、剰余結果レジスタに「1」(剰余)が出力される。
また、第11実施形態の除算回路は、除数設定レジスタに「0」が記憶されているときは、除算結果レジスタ(4バイト)に「FFFFFFFFh」が記憶されるように構成されている。コンピュータプログラムにおけるゼロ除算では、エラーとする考えや、被除数が正の値であればゼロ除算値は正の無限大とし、被除数が負の値であればゼロ除算値は負の無限大とする考えが知られている。しかし、第11実施形態では上記のように処理するものとする。
特に第11実施形態では、比率の算出に際し、比率が正常である場合には、除算結果レジスタ値に「0」~「100(D)」が記憶されるように構成されている。ここで、「100(D)」は「64h」である。したがって、最下位のバイトの値が「FFh」であるときは、算出された比率は異常値であると判断することができる。
なお、第11実施形態では、除算結果の商のみを用い、剰余を用いないようにしているので、このような例の場合には剰余結果レジスタは必ずしも必要でない。しかし、今後、仕様変更によって除算結果の剰余を用いるようになった場合(たとえば剰余を四捨五入した値を商とする場合等)に備えて、剰余結果レジスタを予め設けている。したがって、少なくとも第11実施形態では、剰余結果レジスタに値が出力されても、剰余結果レジスタ値を読み込むことはなく(剰余結果レジスタ値を使用することはなく)、除算結果レジスタ(すなわち「商」)の値のみを用いる。
図172は、乗除レジスタの構造を示す図である。
まず、被乗数設定レジスタ及び乗数設定レジスタは、それぞれ2バイト(16ビット)から構成されている。たとえば被乗数設定レジスタのアドレスは、「FF0Bh」及び「FF0Ch」であり、「FF0Bh」の1バイトに下位の0~7ビット目の値が記憶され、「FF0Ch」の1バイトに上位の8~15ビット目が記憶される。乗数設定レジスタも同様に2バイトから構成されている。
また、乗算結果レジスタのアドレスは、「FF0Fh」~「FF12h」であり、「FF0Fh」の1バイトに最下位の0~7ビット目の値が記憶され、「FF10h」の1バイトに8~15ビット目が記憶される。同様に、「FF11h」の1バイトに23~16ビット目が記憶され、「FF12h」の1バイトに最上位の24~31ビット目が記憶される。
したがって、「2バイト(被乗数)×2バイト(乗数)=4バイト(乗算結果)」となる。
被除数設定レジスタ、除数設定レジスタ、除算結果レジスタ、及び剰余結果レジスタは、いずれも、上記の乗算結果レジスタと同様に、4バイトの記憶領域を有し、アドレス値が小さい方から下位のビット目の値が記憶される。
したがって、「4バイト(被除数)/4バイト(除数)=4バイト(除算結果の商)+4バイト(除算結果の剰余)」となっている。
また、各乗除レジスタには、電源投入時に初期値が記憶される。図172に示すように、除算結果レジスタには、初期値「FFh」が記憶される。すなわち、アドレス「FF1Bh」~「FF1Eh」にそれぞれ「FFh」が記憶される。
また、除算結果レジスタ以外の乗除レジスタには、初期値「00h」が記憶される。したがって、これらの各アドレスに「00h」が記憶される。
図173は、第11実施形態において、電源がオンされた後、ユーザモードに移行するまでの過程を示す図であり、第3実施形態の図87に対応する図である。
上述したように、電源投入後、メインCPU55内の内蔵レジスタの初期化、セキュリティモードを経て、セキュリティチェックがOKとなった場合には、ユーザモードに移行し、このユーザモードにおいて後述するプログラム開始処理(図178)が実行される。
この場合、第11実施形態では、セキュリティモードにおいてセキュリティチェックが実行された後、ユーザモードに移行する前に、乗除レジスタの初期化が実行される。
ただし、乗除レジスタの初期化は、ユーザモードに移行する前であればよく、たとえばセキュリティモードの実行前であっても可能である。
なお、ユーザモードのアドレス「0000h」には、電源オンとなった後の最初の命令(プログラム)が記憶されている。電源オンとなった後の最初の命令は、第1プログラム領域の命令である。
次に、第11実施形態において、役比モニタ74に表示する比率等について説明する。なお、上述した第2実施形態と説明が一部重複するが、改めて説明する。また、第11実施形態において、特に説明のない点は第2実施形態と同様である。
図174は、役比モニタ74の表示仕様を示す図である。役比モニタ74には、表示順に沿って6つの比率が循環表示される。第11実施形態では、指示込役物比率を表示するものとし、有利区間比率は表示しないものとする。
図中、「略記」は、識別セグ(デジット6及び7)に表示される記号に相当する。
そして、総遊技回数が基準遊技回数未満である場合には、識別セグの表示を点滅表示とし、総遊技回数が基準遊技回数以上である場合には、識別セグの表示を点灯表示とする。
また、比率が閾値以上である場合には、比率セグ(デジット8及び9)の表示を点滅表示とし、比率が閾値未満であるときは、比率セグの表示を点灯表示とする。
さらにまた、6つの比率のうち、役物等状態比率については毎遊技更新する。なお、上述したように有利区間比率については本実施形態では算出しないが、仮に有利区間比率を算出して表示する場合には、毎遊技更新する。
一方、役物等状態比率以外の比率については、400ゲームごとに更新する。
このように、役物等状態比率や有利区間比率は、遊技を1回行うことによって分母となる総遊技回数が1ずつ更新されることとなる。換言すると、役物等状態比率や有利区間比率は遊技を1回行うことによって変動するため、毎遊技更新するようにしている。
一方、指示込役物比率、連続役物比率(6000回)、役物比率(6000回)、連続役物比率(累計)、役物比率(累計)は、遊技を1回行うことによって分母となる総払出数等が更新されないことがある。換言すると、遊技媒体の付与が行われない図柄組合せが停止して遊技が終了する場合がある。このため、これらの比率は、毎遊技更新せずに、予め定めた規定ゲーム数毎に更新するようにしている。これにより、無駄な処理を行わないようにしている。
図175は、ROM54の第2領域に設けられたデータテーブルとして、2つのデータテーブルを示す図である。第2領域のデータテーブルは、役比モニタ74の表示を行うためのデータを記憶したデータテーブルであり、識別セグオフセットテーブル(TBL_SEGID_DATA)と、比率表示セグメントデータテーブル(TBL_SEGRATE_DATA)とを備えている。ただし、これら2つのデータテーブルに限られるものではない。
なお、第11実施形態では図示しないが、ROM54の第1領域には各種のデータテーブルが設けられている。第1プログラムを実行しているときに、クレジット数表示LED76や獲得数表示LED78に記号や数字を表示するときには、第1領域のデータテーブルが用いられる。たとえばエラーが発生したときにエラーの種類を表示するための記号及び数字や、クレジット数、ベット数又は払出し数を表示するための数字、指示機能を作動させたときの押し順を表示するための記号及び数字が挙げられる。
一方、第2プログラムを用いて役比モニタ74に比率等を表示する場合には、ROM54の第2領域に記憶されたデータテーブルが用いられる。
図175において、識別セグオフセットテーブルの先頭アドレスは「2520h」であり、比率表示セグメントデータテーブルの先頭アドレスは「2530h」である。図中、「DEFB」とは、アセンブラ言語において1バイト(8ビット)データを記憶することを指す。
識別セグオフセットテーブルにおいて、指示込役物比率の識別セグを示す「7P」の表示オフセットデータは、図175に示すように「7Ah」であるが、「7」が上位桁(デジット6)のオフセット値を示し、「A」が下位桁(デジット7)のオフセット値を示している。さらに、ここでのオフセット値とは、比率表示セグメントデータテーブルの先頭アドレス(2530h)からのオフセット値を示している。
したがって、オフセット値「7」は、アドレス「2537h」に記憶されたセグメントデータ、すなわち「7」表示データを指定することとなる。同様に、オフセット値「A」は、アドレス「253Ah」に記憶されたセグメントデータ、すなわち「P.」表示データを指定することとなる。
ここで、比率表示セグメントデータテーブルにおいて、たとえば「H.」表示データは、「11110110B」である。すなわち、図58中、セグメントB、C、E、F、G、Pが「1(オン;点灯)」となり、セグメントA、Dが「0(オフ、消灯)」となることにより「H.」を表示する。
図176及び図177は、第11実施形態におけるRWM53の使用領域外(第2領域)を示す図である。
第11実施形態では、図54及び図55(第2実施形態)に示す記憶領域は、そのまま適用される。
一方、第11実施形態では、図56に示す記憶領域に代えて、図176及び図177に示す記憶領域を備える(一部、同一の記憶領域を含む)。
まず、図56に示す第2実施形態では、点滅要求フラグとして、アドレス「F291h」に1バイトの記憶領域を設けた。
これに対し、第11実施形態では、図177に示すように、点滅要求フラグを識別セグ点滅要求フラグ(「F298h」)と比率セグ点滅要求フラグ(「F299h」)とに分けて、それぞれ1バイトの記憶領域を設けた。
その理由は以下の通りである。
比率セグで表示する比率は、図174に示すように6種類を有し、それぞれ閾値以上である場合には比率を点滅表示する。このため、各比率を点滅表示するか否かを判断するためのフラグとして6ビット要する。
また、第2実施形態では、総遊技回数が「6000」未満である場合には、役物比率(6000回)及び連続役物比率(6000回)を点滅表示し、他の4つの比率は総遊技回数が「175000」未満である場合には点滅表示する。このため、総遊技回数が「6000」未満であるか否か、及び「175000」未満であるか否かを判断するためのフラグとして2ビットを要する。
よって、比率を点滅表示させるか否かのフラグとして6ビット要し、識別セグの表示を点滅させるか否かのフラグとして2ビット要するため、合計8ビットとなり、1バイトデータに収まった。
これに対し、第11実施形態では、総遊技回数が「17500」未満である場合には、役物比率(累計)及び連続役物比率(累計)を点滅表示する。このため、総遊技回数が「6000」未満であるか否か、「17500」未満であるか否か、及び「175000」未満であるか否かを判断するために3ビット要する。したがって、比率を点滅表示させるか否かのフラグとして6ビット要するため、合計9ビットとなり、1バイトデータには収まらない。そこで、点滅要求フラグを、識別セグ点滅要求フラグ(「F298h」)と比率セグ点滅要求フラグ(「F299h」)とに分けて記憶するようにしている。
アドレス「F292h」の比率表示番号は、役比モニタ74に表示すべき比率に対応する番号を記憶する記憶領域である。
第2実施形態の図56では、当該割込み処理で表示する比率が指示込役物比率であるときは比率表示番号に「1」を記憶し、連続役物比率(6000回)であるときは比率表示番号に「2」を記憶し、・・・、役物等状態比率であるときは比率表示番号に「6」を記憶した。
これに対し、第11実施形態では、電源投入時における比率表示番号の初期値を「00h」とし、「00h」が指示込役物比率に対応する。したがって、「05h」は役物等状態比率に対応する。
また、図56に示す第2実施形態では、アドレス「F294h」及び「F295h」の表示切替え時間は、割込み回数「2144」をカウントするため、2バイトの記憶領域を設けている。
これに対し、第11実施形態では、アドレス「F294h」の表示切替えカウンタは、「0」~「15(D)」を循環するリングカウンタであり、1バイトの記憶領域である。
表示切替カウンタは、アドレス「F296h」の点滅切替え時間が割込み回数「134」をカウントしたときに「1」更新される。したがって、表示切替カウンタが一巡するのは、「134×16=2144」割込みに相当する。
このように構成すれば、表示切替えカウンタ(第2実施形態の表示切替え時間に相当)を1バイトから構成することができるので、1バイト分の記憶領域を節約することができる。その1バイト分を他の記憶領域に利用することが可能となる。
アドレス「F29Ah」のテスト表示フラグは、電源投入時に初期値「FFh」が記憶され、テスト表示フラグの値が「FFh」であるときは役比モニタ74にテストパターンを表示し、テスト表示フラグの値が「00h」であるときは役比モニタ74に比率情報を表示する。
ここで、上記値である「FFh」や「00h」は一例であり、初期値は「FFh」以外の値でもよい。同様に、役比モニタ74に比率情報を表示するときの値は「00h」以外の値でもよい。換言すると、テスト表示フラグの値に応じて、テストパターンを表示するか比率情報を表示するかを判別可能であればよい。
なお、詳細は後述するが、テストパターンは、役比モニタ74の全デジット6~9の全セグメントA~G及びPを点滅させる(点灯時、「8.8.8.8.」と表示される)パターンである。
したがって、第2実施形態中、図58、図60、図61(B)において、デジット6、8及び9のセグメントP(セグメント2P)は、「-」と表示されているが、比率の表示中は点灯する場合を有さないものの、テストパターンの表示中は点滅する。なお、上述したように、設定変更又は設定確認中であることを示すパターンを役比モニタ74に表示する場合、デジット6~9の少なくとも1つのセグメントPを点灯又は点滅させてもよい。
図178は、第11実施形態におけるプログラム開始処理(M_PRG_START )を示すフローチャートであり、第2実施形態の図62に相当する。図178において、図62と同様の処理には同一ステップ番号を付している。以下、第2実施形態の図62と異なる点を主として説明する。
プログラムが開始されると、まず、ステップS901において、第1に、レジスタバンク0のSPレジスタに初期値をセットする。電源投入時は、レジスタバンク0のSPレジスタ値は「0」である。ここでは、「LD SP,F200h」の命令により、レジスタバンク0のSPレジスタに「F200h」を記憶する。
ここで記憶される値「F200h」は、図170に示すように、第1スタック領域の最後のアドレスに「1」を加算した値となる。そして、レジスタバンク0のSPレジスタ値が「F200h」であるときは、「F1FFh」にデータを記憶する(積む)ことを示すものとなる。
また、ステップS901では、第2に、「CALLEX 2100h」を実行する。なお、この例では、次のステップS902におけるテストパターン表示設定の開始アドレスが「2100h」であるものとする。そしてステップS902に進む。
ここで、ステップS902のテストパターン表示設定及びRWMチェックサム算出は、第2プログラムによって実行される。第2プログラムが実行されるときは、上述したようにCALLEX命令によって呼び出され、RETEX命令により第1プログラムに戻る。そして、第2プログラムが実行されるときは、レジスタバンクが切り替わる。このため、第11実施形態では、図62中、ステップS2702のAFレジスタ退避処理及びステップS2704のAFレジスタ復帰処理は不要となる。
ステップS902では、まず、テストパターン表示設定を実行する。この処理は、後述する図179に示す処理であり、テストパターンの表示に係る所定のパラメータを初期化する処理である。ここで、テストパターン表示設定では、パラメータを「0」に初期化する場合と、パラメータを「0」以外の所定値(第11実施形態では「FFh」)に初期化する場合とを有する。このため、その後の処理におけるRWMチェックサム算出での算出範囲には、テストパターン表示設定での初期値設定範囲は除かれる。
テストパターン表示設定では、後述するようにテスト表示フラグが「FFh」に設定されるので、電源投入直後は、テストパターンを表示することに設定される。
また、ステップS2711及びステップS2713における設定変更開始時初期化範囲セットでも、テストパターン表示設定処理での初期値設定範囲は除かれる。
テストパターン表示設定が終了すると、次にアドレス「2000h」に飛ぶJP命令を実行する。この例では、RWMチェックサム算出命令の開始アドレスが「2000h」であるものとする。そして、RWMチェック算出を実行する。
さらに、RWMチェックサム算出を終了すると、RETEXを実行し、CALLEX命令後のプログラム(ステップS2705)に戻る。
また、ステップS2721の電源復帰処理(M_POWER_ON)に進むと、図63に示すように、ステップS2724の後のタイミングで割込み処理(後述する図184)を開始する。割込み処理が開始されると、図184中、ステップS960において比率表示準備(S_DSP_READY )が実行され、この処理の中で役比モニタ74の点灯処理(後述する図188の比率表示処理(S_LED_OUT ))が実行される。
そして、上述したように、プログラム開始処理におけるステップS902において、テストパターン表示設定ではテストパターンを表示することに設定されるので、電源投入直後は、役比モニタ74にはテストパターンが表示される。詳細は後述するが、テストパターンは約5秒間表示される。割込み処理では、テストパターンを表示してから約5秒が経過したか否かが判断され、約5秒を経過したと判断されると、テストパターンの表示を終了し、比率の表示に移行する。
図179は、図178のステップS902におけるテストパターン表示設定(S_TEST_SET)を示すフローチャートである。
まず、ステップS903では、電源投入後、第2プログラムを最初に開始することになるため、レジスタバンク1のSPレジスタに初期値をセットする。電源投入時は、レジスタバンク1のSPレジスタ値は「0」である。ここでは、「LD SP,F400h」の命令により、レジスタバンク1のSPレジスタに「F400h」を記憶する。
ここで記憶される値「F400h」は、図170で示したように、第2スタック領域の最後のアドレス「F3FFh」に「1」を加算した値となる。そして、レジスタバンク1のSPレジスタ値が「F400h」であるときは、「F3FFh」にデータを記憶する(積む)ことを示すものとなる。
次のステップS904では、テストパターン表示用RWMを初期化する。第11実施形態では、初期化されるデータ(パラメータ)は、図179に示すように、比率表示番号、表示切替カウンタ、点滅切替え時間、LED表示カウンタ2、テスト表示フラグである。テスト表示フラグは、初期値として「FFh」が設定される。それ以外の4つのデータの初期値は「00h」である。これらの初期値を設定した後、本フローチャートによる処理を終了する。
比率表示番号は、初期値「00h」に設定される。これにより、電源投入後の比率表示は、図176に示すように、指示込役物比率(累計)から実行されることになる。
また、表示切替カウンタは、初期値「00h」に設定される。これにより、同一の表示が約5秒間継続する。
さらにまた、点滅切替え時間は、初期値「00h」に設定される。
さらに、LED表示カウンタ2は、初期値「00h」に設定される。詳細は後述するが、LED表示カウンタ2が「00h」である場合には、LED表示カウンタ2の初期化処理が実行され、「00001000B」となる。これにより、ダイナミック点灯を実行する対象デジットがデジット6に指定される(図177のアドレス「F297h」参照)。
また、テスト表示フラグは、初期値「FFh」に設定される。ここで、テスト表示フラグは「FFh」又は「00h」の値となる。テスト表示フラグが「FFh」である場合には役比モニタ74にテストパターンを表示することを指し、テスト表示フラグが「00h」である場合には役比モニタ74に比率情報を表示することを指す。
以上のようにして、電源投入後、プログラム開始処理が実行されると、テストパターン表示用RWMの所定のデータが初期化される。
図180は、第11実施形態におけるメイン処理(M_MAIN)を示すフローチャートであり、第2実施形態の図67に対応する図である。図67と同様の処理には同一ステップ番号を付している。
第11実施形態では、プログラム開始処理においてスタックポインタをセットしているので、図67中、ステップS271の処理は不要である。
また、上述したように、第2プログラムを実行するときはレジスタバンク1に切り替えるので、図67のステップS298における比率セット処理(図180ではステップS910に相当)の前にあるステップS297のAFレジスタ退避、及び比率セット処理の後にあるステップS299のAFレジスタ復帰は不要である。
さらに、第11実施形態では、ステップS910の比率セット処理を実行するにあたり、CALLEX命令により割込みを禁止するので、図67のステップS296のように独自の割込み禁止命令(DI命令)は不要である。同様に、比率セット処理の後、第1プログラムに戻るためのRETEX命令により禁止されていた割込みを許可するので、図67のステップS300のような独自の割込み許可命令(EI命令)は不要である。
また、ステップS910の比率セット処理を実行するにあたり、ステップS295で割込み待ちを実行するのは、以下の理由による。
ステップS295において割込み待ちを実行し、割込み処理が開始された直後に比率セット処理を行うためにCALLEX命令を実行する。CALLEX命令を実行すると、上述したように割込み処理が禁止される。そして、比率セット処理が終了するとRETEX命令を実行し、割込み処理を許可する。
ここで、第11実施形態では、比率セット処理(6項目の比率計算)は、割込み周期である「2.235ms」よりも短い時間、具体的にはたとえば「0.5」ms程度の時間で終了するように構成されている。
仮に、割込み処理が開始された後、「2」msを経過した割込みタイミングで比率セット処理が実行されると、比率セット処理の実行中に次の割込みタイミングが到来する。しかし、比率セット処理中は割込み処理が禁止されているので、当該次の割込みタイミングでは割込み処理を実行できず、RETEX命令が行われてから(割込み処理が許可されてから)、割込み禁止状態で到来した割込みタイミングの割込み処理が実行される。
このように、割込み周期が到来したときに割込み処理が実行できないと、たとえば図184中、ステップS2821におけるLED表示制御を実行できないため、各デジットのダイナミック点灯が一定の周期で(「2.235」msごとに)実行されない。これにより、たとえば割込み処理が実行された後、次の割込み処理が一定の周期(「2.235」ms)を超えた後に実行されると、デジット1~4が一瞬、暗くなるような印象を遊技者に与えるおそれがある。
また、割込み禁止中は、図184中、ステップS2771における電源断処理が実行できないため、電源断が発生しても電源断処理を実行できない。
これに対し、割込み待ちをしてから比率セット処理に移行すると、比率セット処理の開始時から約「2.235」ms経過後に次の割込み周期が到来する。そして、当該次の割込み周期が到来したときには当該比率セット処理は終了しているので、当該次の割込み周期が到来したときには割込みが許可されており、割込み処理を実行することができる。
なお、図180において、2点鎖線で囲んだ範囲では、エラーを検知するものの、エラーの報知や遊技の進行停止処理は実行しない。
ステップS279のスタートスイッチ受付け処理から、全リール31が停止するまで(ステップS289)の間であっても割込み処理は実行されるので、この間も、割込み処理でのエラーチェック(後述する図184のステップS463)が実行されていることから、エラーが発生した場合には当該エラーが検知され、検知されたエラーの種類がRWM53の所定記憶領域に記憶される。このように構成することにより、遊技をスムーズに進行しつつ、エラーを意図的に発生させることによって遊技媒体を不正に取得するゴト行為を防止することができる。
ただし、スタートスイッチ受付け処理から全リール31が停止するまでは、たとえエラーが発生しても遊技の進行を停止せず、全リール31が停止した後に遊技の進行を停止する。なお、このように構成するのではなく、スタートスイッチ受付け処理から全リール31が停止するまでの間にエラーが発生したときは、その間であってもエラーを報知し、かつ、遊技の進行を停止するように構成してもよい。
図181は、図180のステップS910における比率セット処理(S_RATE_SET)を示すフローチャートである。
まず、ステップS911では、レジスタバンク1のQレジスタにRWM53の上位アドレスをセットする。この処理は、Qレジスタに、「F2h」を記憶する処理である。この処理を行うのは、比率セット処理によって使用するRWM53のアドレスが全部「F2h」で始まるアドレスであるので(図55、及び図176参照)、RWM53のアドレス等の更新や、読込み処理の命令を簡素化することができるためである。
次のステップS912では、カウンタ上限チェックを行う。この処理は、所定のレジスタ(たとえばHLレジスタ)に、カウント上限フラグを記憶するRWM53のアドレスである「F28Fh」を記憶する処理である。
次にステップS913に進み、遊技回数上限フラグがオンであるか否かを判断する。この判断は、HLレジスタ値が示すアドレス(F28Fh)に記憶されているデータ(カウント上限フラグ)のD0ビットが「1」であるか否かを判断し、「1」であるときは遊技回数上限フラグがオンであると判断する。遊技回数上限フラグがオンであると判断したときはステップS916に進み、遊技回数上限フラグがオンでないと判断したときはステップS914に進む。すなわち、遊技回数上限フラグがオンであると判断したときは、ステップS914の総遊技回数カウント及びステップS915の役物等遊技回数カウントを実行しない。
ステップS914では、総遊技回数カウントを実行する。この処理は、アドレス「F26Dh」の総遊技回数カウンタに「1」を加算する処理である。
ステップS915では、今回遊技が連続役物が作動した遊技又は役物が作動した遊技であるか否かを判断する。連続役物又は役物が作動した遊技であると判断したときは、アドレス「F285h」の役物等状態カウンタに「1」を加算する。
次のステップS916では、総払出し枚数カウントを実行する。この処理は、アドレス「F273h」の総払出し(6000回)カウンタ及びアドレス「F27Ch」の総払出し(累計)カウンタに払出し数を加算する処理である。
次のステップS917では役物払出し枚数カウントを実行する。この処理は、今回遊技の払出しが役物作動遊技での払出しである場合に、アドレス「F279h」の役物払出し(6000回)カウンタ及びアドレス「F282h」の役物払出し(累計)カウンタに払出し数を加算する処理である。
次のステップS918では連続役物払出し枚数カウントを実行する。この処理は、今回遊技の払出しが連続役物が作動した遊技での払出しである場合に、アドレス「F276h」の連続役物払出し(6000回)カウンタ及びアドレス「F27Fh」の連続役物払出し(累計)カウンタに払出し数を加算する処理である。
さらに次のステップS919では指示込役物払出し枚数カウントを実行する。この処理は、今回遊技の払出しが指示機能を作動した遊技又は役物が作動した遊技での払出しである場合に、アドレス「F270h」の指示込役物カウンタに払出し数を加算する処理である。
次にステップS920に進み、400ゲームカウンタを更新する。この処理は、アドレス「F210h」(図55)の400ゲームカウンタに「1」を加算する処理である。
なお、400ゲームカウンタは、「0」~「399(D)」を循環するカウンタである。したがって、400ゲームカウンタに「399(D)」が記憶されているときは、「1」加算すると「0」になる。なお、400ゲームカウンタは、減算するものでもよい。
次にステップS921に進み、比率計算処理(S_CAL_SET )(図182)を実行する。この処理は、上述した6つの比率を算出し、RWM53の所定のアドレス(具体的には、図176中、アドレス「F288h」~「F28Dh」)に算出結果をそれぞれ記憶する処理である。
次にステップS922に進み、リングバッファ更新を実行する。この処理は、前回のリングバッファ番号の更新から400ゲームを経過したか否かを判断し、経過したと判断したときはリングバッファ番号を更新する処理である。
そして、本フローチャートによる処理を終了する。
図182は、図181のステップS921における比率計算処理(S_CAL_SET )を示すフローチャートである。
まず、ステップS931では、比率計算テーブルをセットする。比率計算テーブルの詳細については説明を省略するが、比率計算テーブルは、比率の計算に使用する払出しカウンタや遊技回数カウンタ(被除数となる値や除数となる値)、及び計算結果を保存する比率データのRWM53のアドレス等を特定するためのテーブルであり、このテーブルをセットする処理である。次のステップS932では、次の比率の計算に使用する比率計算テーブルの先頭アドレスに移動する処理である。1つの比率の計算に6バイト分のRWM53の記憶領域を有しており、ここでの更新処理は、比率計算テーブルのアドレスを6バイト分移動させる処理である。
次のステップS933では、6項目の比率の計算を終了したか否かを判断する。比率の計算を終了したと判断したときは本フローチャートによる処理を終了し、比率の計算を終了していないと判断した時はステップS934に進む。
ステップS934では、毎遊技計算する比率であるか否かを判断する。図174に示したように、第11実施形態では役物等状態比率については毎遊技計算し、その他の5項目の計算については400ゲームごとに計算する。したがって、次に計算する比率が役物等状態比率であるときは「Yes」と判断され、その他の比率であるときは「No」と判断される。毎遊技計算する比率(役物等状態比率)であるときはステップS936に進み、毎遊技計算する比率でないときはステップS935に進む。
ステップS935では、400ゲームを経過したか否かを判断する。ここでは、図55中、アドレス「F210h」に記憶された400ゲームカウンタ値が400ゲームを経過した値となっているときは「Yes」と判断する。ステップS935において400ゲームを経過したと判断したときはステップS936に進み、400ゲームを経過していないと判断したときはステップS932に戻る。
なお、400ゲームカウンタは、通常状態での電源のオン/オフや、通常状態での設定変更モードへの移行では初期化されない。これに対し、復帰不可能エラーが発生して電源をオフにし、その後に電源をオンにし、設定変更モードに移行してRWM初期化処理が実行されたときは、400ゲームカウンタはクリアされる。
以上は、カウント上限フラグ等、役比モニタのカウンタやフラグについても同様に当てはまる。
ステップS936では、総遊技回数又は総払出し数が上限値を超えたか否かを判断し、上限値を超えているときは比率の計算を実行しないので、計算実行時でないと判断する。具体的には、図176中、アドレス「F28Fh」のカウント上限フラグ中、D0又はD1ビット目が「1」であるときは上限値を超えていると判断する。上限値を超えているときは計算実行時でないと判断されステップS932に戻る。一方、上限値を超えていないときは計算実行時であると判断されステップS937に進む。
ステップS937に進むと、被除数となるRWM53のアドレスをレジスタにセットする。次のステップS938では、被除数の100倍値をセットする。この処理は、所定のレジスタに「100(D)(64h)」をセットする処理である。
次のステップS939では、被乗数設定レジスタに、ステップS937でセットした「100(D)」を書き込む処理を実行する。換言すれば、被乗数設定レジスタに「100(D)」を記憶し、乗数設定レジスタに被除数を設定することにより、被除数を100倍する処理を実行する。被除数を100倍した値を除数で割ると、比率が百分率で算出されるためである。
また、被除数を100倍する処理は、被除数の下位2バイトを100倍する処理と、被除数の上位1バイトを100倍する処理とに分けて実行する。
このため、次のステップS940では、被除数の下位2バイトを取得する。この処理は、ステップS937で取得した被除数RWMアドレスの下位2バイトの値をレジスタにセットする処理である。そして、次のステップS941において、乗数設定レジスタに、ステップS940で取得した値(被除数の下位2バイトの値)を書き込む。これにより、乗数設定レジスタには被除数の下位2バイトの値が書き込まれ、かつ、被乗数設定レジスタには「100(D)」が書き込まれているので、この時点で、乗算結果レジスタに、被除数の下位2バイトの値を100倍した値が書き込まれる。
次にステップS942に進み、被除数の上位1バイトの値を取得する。この処理は、ステップS937で取得した被除数RWMアドレスの上位1バイトの値をレジスタにセットする処理である。
次のステップS943では、被除数の上位1バイトの値を100倍する。換言すると、被除数の上位1バイトを100倍する処理は、乗数設定レジスタ、被乗数設定レジスタ、及び乗算結果レジスタに値を入れることなく(乗算回路を使用せずに)プログラム上で100倍値を算出する。なお、乗算回路を用いて100倍値を算出してもよい。
そしてステップS944に進み、被除数設定レジスタに被除数となる値を書き込む。ここでは以下の処理を実行する。
1)上述したように、乗算結果レジスタ(4バイト)には、被除数の下位2バイトの値を100倍した値が記憶されているので、乗算結果レジスタの下位2バイトの値を取得して、被除数設定レジスタの下位2バイトに書き込む。
2)乗算結果レジスタの上位2バイトの値を取得する。この値は、被除数の下位2バイトの値を100倍した値のうちの桁上がり分に相当する。したがって、この桁上がり分を、ステップS943で算出した「被除数の上位1バイトの値を100倍した値」に加算する。
3)上記2)で算出した値である「被除数の上位1バイトの値を100倍した値(桁上がり加算後)」を、被除数設定レジスタに書き込む。
以上により、被除数設定レジスタには、被除数を100倍した値が書き込まれる。
次にステップS945に進み、除数となるRWM53のアドレスをレジスタにセットする。そして次のステップS946において、除数設定レジスタに、ステップS945でセットしたアドレスに記憶されているデータ(除数)を書き込む。これにより、被除数設定レジスタに被除数が書き込まれ、かつ、除数設定レジスタに除数が書き込まれ、除算結果レジスタに除算結果が書き込まれる。
ここで、ステップS938~S946の処理を、具体的数値を用いて説明する。なお、以下の具体的数値では、かっこ書きで10進数の数値を記載する。
この例では、
被除数:249F0h(150000)
除数:493E0h(300000)
であるものとする。
ステップS939では、被乗数設定レジスタに「64h(100)」を書き込む。
次に、ステップS941では、乗数設定レジスタに、被除数の下位2バイト値「49F0h(18928)」を書き込む。
よって、
被乗数設定レジスタ値:64h(100)
乗数設定レジスタ値:49F0h(18928)
乗算結果レジスタ値:001CE1C0h(1892800)
となる。
次のステップS942では、被除数の上位1バイトである「2h」をレジスタにセットし、
次に、ステップS943では、被除数の上位1バイトである「2h」と「64h(100)」とを乗算する。乗算結果は「C8h(200)」となる。
ステップS944では、以下の処理を実行する。
1)被除数設定レジスタの下位2バイトに、乗算結果レジスタの下位2バイト値「E1C0h(57792)」を書き込む。
2)乗算結果レジスタの上位2バイト値「001Ch(28)」に、ステップS943で得た乗算結果「C8h(200)」を加算する。
001Ch(28)+C8h(200)=00E4h(228)
3)被除数設定レジスタの上位2バイトに「00E4h(228)」を書き込む。
これにより、
被除数設定レジスタ値:00E4E1C0h(15000000)
となり、被除数設定レジスタ値は、被除数(150000)を100倍した値になる。
ステップS946では、除数設定レジスタに、3バイト分の値(0493E0h(300000))を書き込む。
除数設定レジスタ1バイト目:E0h
除数設定レジスタ2バイト目:93h
除数設定レジスタ3バイト目:04h
これにより、
被除数設定レジスタ値:00E4E1C0h(15000000)
除数設定レジスタ値:0493E0h(300000)
除算結果レジスタ値:32h(50)
剰余結果レジスタ値:00h
となる。
図182の説明に戻る。
ステップS947では、比率データのRWM53のアドレスを取得する。この処理は、今回算出した比率(除算結果)を記憶するRWM53のアドレスを取得する処理である。次にステップS948に進み、除算結果レジスタに記憶されている値を読み込む。ここで、除算結果レジスタは4バイトから構成されているが、実際に読み込むのは、最下位の1バイトの値である。除算結果である比率は、正常値であれば「0」~「64h(100(D))」の範囲であるから、最下位の1バイトの値を読み込むだけで足りるからである。
次のステップS949では、除算結果レジスタに記憶されている値(4バイト値)の最下位の1バイトの値(図172中、「FF1Bh」の値)を取得し、その値が「FFh」であるか否かを判断する。
ここで、上述したように、除数設定レジスタに記憶されている値が「0」であるときは、被除数設定レジスタに記憶されている値にかかわらず(被除数設定レジスタの値が「0」であっても)、除算結果レジスタの値は「FFFFFFFFh」となるように除算回路が構成されている。このため、除算結果レジスタ値のうち最下位の1バイトの値が「FFh」であるときは、除数レジスタに記憶されている値が「0」であると推測することができる。
なお、除算結果レジスタの値が「FFFFFFFFh」になる他の例としては、
(1)電源投入後、被除数設定レジスタ、除数設定レジスタに値を設定する命令を実行したにもかかわらず、正しい演算が実行されず、除算結果レジスタが初期値のままになってしまった場合や、
(2)ノイズ等により、被除数設定レジスタに「FFFFFFFFh」が記憶され、かつ、除数設定レジスタの値に「1h」が記憶されてしまった場合、
等が挙げられる。
ステップS949において、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が「FFh」であると判断したときはステップS932に戻り、次の比率の計算に移行する。換言すると、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が「FFh」であるとき(除数が「0」であるとき)は比率の更新を行わない(ステップS953を実行しない)。一方、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が「FFh」でないと判断したときはステップS950に進む。ステップS950では、除算結果として「99(D)(63h)」をセットする。次のステップS951では、除算結果レジスタ値が「100(D)(64h)」であるか否かを判断する。なお、ここでも、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値のみで判断する。「100(D)」であると判断したときはステップS953に進んで、ステップS950でセットした「99(D)」を比率データとしてRWM53に保存する。そしてステップS933に戻る。換言すると、除算結果が「100(D)」であるときは「99(D)(63h)」を比率データとしてRWM53に保存する。
これに対し、ステップS951で除算結果が「100(D)」でないと判断したときはステップS952に進み、除算結果レジスタに記憶された値(除算結果レジスタの最下位の1バイトの値)をセットする。そして、次のステップS953において、その値を比率データとしてRWM53に保存(記憶)する。具体的には、比率データが指示込役物比率データであるときはアドレス「F288h」に記憶し、比率データが連続役物比率(6000回)データであるときはアドレス「F289h」に記憶し、比率データが役物比率(6000回)データであるときはアドレス「F28Ah」に記憶し、比率データが連続役物比率(累計)データであるときはアドレス「F28Bh」に記憶し、比率データが役物比率(累計)データであるときはアドレス「F28Ch」に記憶し、比率データが役物等状態比率データであるときはアドレス「F28Dh」に記憶する。
その後、ステップS933に戻る。したがって、除算結果が「100(D)」でないと判断したときは最初にセットした「99(D)」を使用しない。
上記の比率データの保存方法では、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が「FFh」でなく、かつ、「100(D)(64h)」でない場合には、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が比率データとしてRWM53に保存される。
したがって、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が「101(D)(65h)」~「254(D)(FEh)」であるときは、その値が比率データとしてRWM53に保存される。なお、比率データとして「100(D)」を超える値がRWM53に記憶された場合であっても、当該比率データに基づいて役比モニタ74に比率を表示する際には、識別セグは正常の表示を行う。
たとえばRWM53に比率データとして「101(D)(65h)」が記憶されている場合、「101(D)(65h)」を「10(D)(Ah)」で割ると、商「10(D)(Ah)」、余り「1」となる。余り「1」は、比率の下位桁のオフセット値となる。図175の比率表示セグメントデータテーブル中、先頭アドレス「2530h」からオフセット値「1」のときは、「1」表示データが選択される。
また、商「10(D)(Ah)」については、商「10(D)(Ah)」=「00001010(B)」と「00001111(B)」とを論理積した値「00001010B」すなわち「10」が上位桁のオフセット値となる。したがって、図175の比率表示セグメントデータテーブル中、先頭アドレス「2530h」からオフセット値「10」のときは、「P.」表示データが選択される。
したがって、RWM53に比率データとして「101(D)(65h)」が記憶されているときは、比率は「P.0」と表示される。
これにより、表示対象の比率がたとえば指示込役物比率であれば、役比モニタ74には「7P.P.0」と表示される。
同様に、有利区間比率であれば「7U.P.0」と表示され、連続役物比率(6000回)であれば「6y.P.0」と表示され、役物比率(6000回)であれば「7y.P.0」と表示され、役物比率(累計)であれば「6A.P.0」と表示され、役物比率(累計)であれば「7A.P.0」と表示され、役物等状態比率であれば「5H.P.0」と表示される。
上記と同様に、RWM53に比率データとして「110(D)」が記憶されているときは、比率は「y.0」と表示される。
これにより、表示対象の比率がたとえば指示込役物比率であれば、役比モニタ74には「7P.y.0」と表示される。
同様に、有利区間比率であれば「7U.y.0」と表示され、連続役物比率(6000回)であれば「6y.y.0」と表示され、役物比率(6000回)であれば「7y.y.0」と表示され、役物比率(累計)であれば「6A.y.0」と表示され、役物比率(累計)であれば「7A.y.0」と表示され、役物等状態比率であれば「5H.y.0」と表示される。
また、RWM53に比率データとして「120(D)」が記憶されているときは、比率は「A.0」と表示される。
これにより、表示対象の比率がたとえば指示込役物比率であれば、役比モニタ74には「7P.A.0」と表示される。
同様に、有利区間比率であれば「7U.A.0」と表示され、連続役物比率(6000回)であれば「6y.A.0」と表示され、役物比率(6000回)であれば「7y.A.0」と表示され、役物比率(累計)であれば「6A.A.0」と表示され、役物比率(累計)であれば「7A.A.0」と表示され、役物等状態比率であれば「5H.A.0」と表示される。
さらにまた、RWM53に比率データとして「130(D)」が記憶されているときは、比率は「H.0」と表示される。
これにより、表示対象の比率がたとえば指示込役物比率であれば、役比モニタ74には「7P.H.0」と表示される。
同様に、有利区間比率であれば「7U.H.0」と表示され、連続役物比率(6000回)であれば「6y.H.0」と表示され、役物比率(6000回)であれば「7y.H.0」と表示され、役物比率(累計)であれば「6A.H.0」と表示され、役物比率(累計)であれば「7A.H.0」と表示され、役物等状態比率であれば「5H.H.0」と表示される。
次に、RWM53に比率データとして「140(D)」が記憶されているときは、上位桁のオフセット値は「14」となるが、図175の比率表示セグメントデータテーブルにおいて、先頭アドレス「2530h」からオフセット値「14」に相当するアドレス「253Eh」は、比率表示セグメントデータテーブルには存在しない。この場合、アドレス「253Eh」に記憶されている他の何らかのデータが比率の上位桁として表示される。
たとえば、上記の何らかのデータによる表示を「??」としたとき、指示込役物比率であれば、役比モニタ74には「7P.??」と表示される。
同様に、有利区間比率であれば「7U.??」と表示され、連続役物比率(6000回)であれば「6y.??」と表示され、役物比率(6000回)であれば「7y.??」と表示され、役物比率(累計)であれば「6A.??」と表示され、役物比率(累計)であれば「7A.??」と表示され、役物等状態比率であれば「5H.??」と表示される。
RWM53に比率データとして「150(D)」が記憶されているときも上記と同様に、先頭アドレス「2530h」からオフセット値「15」に相当するアドレス「253Fh」は、比率表示セグメントデータテーブルには存在しない。この場合、アドレス「253Fh」に記憶されている他の何らかのデータが比率の上位桁として表示される。この場合、役比モニタ74に表示される表示態様は、上記と同様である。
次に、RWM53に比率データとして「160(D)」が記憶されているときは、「160(D)」を「10」で割ると、商「16」、余り「0」となる。そして、商「16(D)」である「00010000(B)」と「00001111(B)」とを論理積した値「00000000(B)」が上位桁のオフセット値となる。したがって、上位桁の表示は「0」となるので、比率データが「160(D)」であるときの比率は「00」と表示される。
これにより、表示対象の比率がたとえば指示込役物比率であれば、役比モニタ74には「7P.00」と表示される。
同様に、有利区間比率であれば「7U.00」と表示され、連続役物比率(6000回)であれば「6y.00」と表示され、役物比率(6000回)であれば「7y.00」と表示され、役物比率(累計)であれば「6A.00」と表示され、役物比率(累計)であれば「7A.00」と表示され、役物等状態比率であれば「5H.00」と表示される。
同様にして、
比率データ「170(D)」:比率「10」と表示
比率データ「180(D)」:比率「20」と表示
比率データ「190(D)」:比率「30」と表示
比率データ「200(D)」:比率「40」と表示
比率データ「210(D)」:比率「50」と表示
比率データ「220(D)」:比率「60」と表示
比率データ「230(D)」:比率「70」と表示
比率データ「240(D)」:比率「80」と表示
比率データ「250(D)」:比率「90」と表示
比率データ「254(D)」:比率「94」と表示
となる。
この場合、役比モニタ74に表示される表示態様は、上記と同様である。
なお、比率データが「100(D)」を超える場合、指示込役物比率、有利区間比率、連続役物比率(6000回)、役物比率(6000回)、役物比率(累計)、役物比率(累計)、及び役物等状態比率のいずれも閾値を超えるので、比率表示は点滅表示となる。
よって、たとえば比率データ「200(D)」であるときの比率は「40」と表示されるが、「40」は点滅表示されるので、異常値が表示されていると判断することができる。
これにより、表示対象の比率がたとえば指示込役物比率であれば、役比モニタ74には「7P.40」と表示され、かつ、「40」が点滅表示となる。
同様に、有利区間比率であれば「7U.40」と表示され、かつ、「40」が点滅表示となる。また、連続役物比率(6000回)であれば「6y.40」と表示され、かつ、「40」が点滅表示となる。さらにまた、役物比率(6000回)であれば「7y.40」と表示され、かつ、「40」が点滅表示となる。さらに、役物比率(累計)であれば「6A.40」と表示され、かつ、「40」が点滅表示となる。また、役物比率(累計)であれば「7A.40」と表示され、かつ、「40」が点滅表示となる。さらにまた、役物等状態比率であれば「5H.40」と表示され、かつ、「40」が点滅表示となる。
なお、以上の場合において、識別セグについても基準遊技回数の点滅条件を満たすときは、比率セグのみならず識別セグも点滅表示となる。
除算結果は、通常、「0」~「100(D)」の範囲内であるので、除算結果が正常値であるならば、除算結果レジスタの最下位の1バイトを除く3バイトはいずれも「0」となっているはずである。したがって、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値のみを読み込めば、それで足りるはずである。
しかし、除算結果レジスタの最下位の1バイトを除く3バイトが「0」以外の値であっても、正常に比率が表示されてしまう場合を有する。以下に例を挙げて説明する。
(例1)
除数が「1」であり、被除数が「5592405(D)」であるとする。
この場合、商(除算結果)は、「5592405(D)」=「555555h」となる。したがって、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値を取得すると、「55h」=「85(D)」となる。
よって、この場合の比率は「85」と表示される。ただし、比率が「85」である場合は、6項目のどの比率の場合であっても閾値を超えるので点滅表示となる。
(例2)
除数が「1」であり、被除数が「5592335(D)」であるとする。
この場合、商(除算結果)は、「5592335(D)」=「55550Fh」となる。したがって、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値を取得すると、「0Fh」=「15(D)」となる。
このように、除算結果自体は、6項目のどの比率の場合であっても比率の閾値を超えているので点滅表示の対象となるが、最下位の1バイトの値のみから判断されたときには閾値未満となるので点灯表示となる。
以上のように、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値を取得したときに、設計値の範囲内の比率が表示される場合がある。
上記のようなことが生じるのはレアケースであるので、通常は、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値のみを取得すれば足りる。
ただし、除算結果レジスタの最下位以外の3バイトの値を取得し、「0」であるか否かを判断することも可能である。
たとえば、除算結果レジスタの最下位以外の3バイトの値が「000000」であるときは、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値は正常値であると判断する。
これに対し、除算結果レジスタの最下位以外の3バイトの値が「000000」以外の値であるときは、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値は異常値であると判断する。
そして、異常値であると判断したときは、
1)比率データをRWM53に保存しない
2)比率データとして、異常値であると判別可能な値をRWM53に保存する
3)比率を表示するときに、異常値であると判別可能な表示態様(たとえば点滅表示)を行う
4)比率データとして、補正値(たとえば「99(D)」)をRWM53に保存する
こと等が挙げられる。
上記の比率計算処理は、第2プログラムであるので、比率計算処理中には割込み処理は実行されない。
換言すると、被乗数設定レジスタや乗数設定レジスタの値を設定する処理、乗算結果レジスタに乗数結果が記憶される処理の間は割込み処理は実行されない。
同様に、被除数設定レジスタや除数設定レジスタの値を設定する処理、除算結果レジスタや剰余結果レジスタに商や剰余が記憶される処理、さらに除算結果レジスタや剰余結果レジスタの値が読み込まれ、RWM53に保存されるまでの間は、割込み処理は実行されない。
一方、割込み処理が実行されなければ電源断処理(図184のステップS2771)は実行されない。したがって、乗除レジスタに値が記憶される処理や、除算結果レジスタや剰余結果レジスタの値がRWM53に保存されるまでの間は、電断断処理は実行されない。
たとえば、被除数設定レジスタに値(この値を「A」とする)を設定し、除数設定レジスタに値(この値を「B」とする)を設定した後、除算結果レジスタに記憶された値を取得するまでの間に電源断処理が実行された場合には、除算結果レジスタに「A/B」の商に対応した値が記憶された後の除算結果レジスタの値を取得することができず、たとえば除算結果レジスタの初期値である「FFh」を取得してしまう可能性がある。換言すると、RWM53の更新条件(たとえば「400」遊技回数の実行)を満たした場合であっても、電源断処理が実行されるとRWM53が更新されない事態が発生するおそれがある。
しかし、乗除レジスタに値が記憶される処理や、除算結果レジスタや剰余結果レジスタの値がRWM53に保存されるまでの間は電断断処理が実行されないので、そのような事態が発生することを防止することができる。
また、ステップS946で除数設定レジスタに除数が記憶されてから、除算結果レジスタに除算結果が記憶されるまでの時間は、第11実施形態では「4」SLCK(システムクロック)である。なお、第11実施形態のシステムクロックは「16」MHzであるので、「4」SLCKは、約「0.25」マイクロ秒に相当する。
一方、ステップS947の「比率データRWMアドレス取得」は、複数の命令から構成されており、ステップS947の処理は、約「6」SCLKかかるように構成されている。
したがって、ステップS946において除数設定レジスタに除数が記憶された後、ステップS948で除算結果レジスタの値が読み込まれるときには、既に除算結果レジスタには除算結果が記憶されている。このため、ステップS946の処理後、ステップS948の処理を実行するまでの間に、待機処理(たとえば、「4」SCLKが経過するためのループ処理)を設ける必要はない。
図183は、図182の変形例を示すフローチャートである。図182の例では、比率が「100%」を超えるとき、たとえば「101%」であるときは、「P.0」と表示される。
これに対し、図183の例では、比率データが「100(D)(64h)」以上、かつ「254(D)(FEh)」以下であるときは、すべて「99%(63h)」がRWM53に記憶される。
図183において、ステップS949では、除算結果レジスタの最下位の1バイト値が「FFh」であるか否かを判断し、「FFh」であるときはステップS933に戻る。この点は図182の例と同様である。
また、ステップS950において、比率データとして「99(D)(63h)」をセットした後、次のステップS954では、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が「63h(99(D))」を超えるか否かを判断する。「63h(99(D))」を超えると判断したときはステップS953に進んで、比率データとして「99(D)」をセットする。一方、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が「63h(99(D))」を超えないと判断したときは、除算結果レジスタ値の最下位の1バイト値を比率データとして保存する。
このように、最初にステップS949において除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が「FFh」であるか否かを判断し、「FFh」でないときはステップS954において「63h」を超えるか否かを判断すれば、実質的に、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が「64h」~「FEh」の範囲内であるか否かを判断することができるので、処理の簡素化を図ることができる。
これにより、
1)除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が「FFh」であるときは、比率データは更新されない(RWM53は更新されない)。
2)除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が「99(D)」以下のときは、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が比率データとしてRWM53に保存される。
3)除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が「100(D)」~「254(D)」の範囲内であるときは、比率データとして「99(D)」がRWM53に保存される。
なお、比率データとして「99(D)」が保存されたときは、それが6項目のどの比率であっても閾値を超えるので、点滅表示となる。
以上のように、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が「FFh」であるときは、RWM53に記憶された比率データは更新されず、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が「FFh」以外の値であるときは、RWM53に記憶された比率データが更新される。
たとえば、指示込役物比率データとして「40(D)」が新たに記憶されたと仮定する。これにより、役比モニタ74には、指示込役物比率を表示する際には比率セグに「40」と表示される。そこから400ゲームが経過するまでは、指示込役物比率を表示する際には比率セグに「40」と表示される。そして400ゲーム経過後、比率計算処理(図182又は図183)のステップS935で「Yes」となり、計算を実行すると、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が「FFh」であったとする。この場合には、指示込役物比率データは更新されないので、その時点からさらに400ゲームが経過するまでは、指示込役物比率を表示する際の比率セグには「40」が表示される(前回表示していた比率と同じ値が比率セグに表示される)。一方、除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が「FFh」でない場合には、RWM53の比率データが更新され、最新の比率データに基づいて当該比率の比率セグが表示される。なお、前回の比率データと同一値に更新される場合もあり得る。この場合は比率セグの表示自体は前回と同一となる。
以上は、指示込役物比率データの例を挙げたが、連続役物比率(6000回)データ、役物比率(6000回)データ、連続役物比率(累計)データ、役物比率(累計)データ、役物等状態比率データについても同様である。
図184は、第11実施形態における割込み処理(I_INTR)を示すフローチャートであり、第2実施形態の図68に対応する図である。
割込み処理では、ステップS960~S460の処理が第2プログラムで実行される。その他は第1プログラムでの処理である。
第11実施形態では、上記と同様にCALLEX命令及びRETEX命令を用いるため、第1プログラムから第2プログラムに移るときのAFレジスタ退避、及び第2プログラムから第1プログラムに移るときのAFレジスタ復帰は不要となる。
なお、割込み処理に移行したときにはステップS452において重複割込みは禁止されているので、第2プログラムに移行したときに改めて割込み禁止になることはない。
第11実施形態において、ステップS960の比率表示準備(S_DSP_READY )は、後述する図185に示す処理である。
図185は、割込み処理で実行される比率表示準備(S_DSP_READY )を示すフローチャートである。
比率表示準備は、割込み処理中の一処理である。このため、設定変更モード、設定確認モード、遊技中(スタートスイッチ41の操作時から全リール31が停止して払出し処理が終了するまで)、復帰可能エラー状態のときでも割込み処理が実行可能であることから、これらの状態のときでも役比モニタ74に比率情報を表示可能である。なお、上述したように、設定変更モードや設定確認モードのときは、比率情報以外の特有の表示を行ってもよい。
一方、復帰不可能エラーの発生中は、割込み処理が実行されないので、役比モニタ74には比率情報は表示されない。
復帰不可能エラーの発生中では、図64の復帰不可能エラー処理(C_ERROR_STOP)、又は図72の復帰不可能エラー処理2(S_ERROR_STOP)のステップS1494において、出力ポート0~7の出力をオフ(「00000000(B)」)にする。
これにより、出力ポート6(デジット6~9信号の出力ポート)及び出力ポート7(デジット6~9用のセグメント信号の出力ポート)からの出力が「00000000(B)」となるので、復帰不可能エラー状態が解除されて割込み処理が再開されるまで、役比モニタ74のデジット6~9は、すべて消灯した状態となる。
役比モニタ74のデジット6~9がすべて消灯したままとなるのは、復帰不可能エラー状態に特有の態様である。これにより、管理者(ホールの店員)は、役比モニタ74が全消灯していることを見れば、復帰不可能エラー状態であることを知ることができる。
図185において、ステップS961では、点滅要求フラグ生成(S_LED_FLASH )を実行する。この処理は、後述する図186に示す処理であり、図177中、アドレス「F298h」の識別セグ点滅要求フラグ及びアドレス「F299h」の比率セグ点滅要求フラグを更新する処理である。
次のステップS962では、比率表示タイマ更新(S_RATE_TIME )を行う。この処理は、後述する図187に示す処理であり、アドレス「F293h」の点滅切替えフラグ、アドレス「F294h」の表示切替えカウンタ、及びアドレス「F296h」の点滅切替え時間を更新する処理である。
次のステップS963では、比率表示処理(S_LED_OUT )を行う。この処理は、後述する図188に示す処理であり、当該割込み処理中に比率情報を実際に表示(点灯又は消灯)する処理である。
そして本フローチャートによる処理を終了する。
図186は、図185のステップS961における点滅要求フラグ生成(S_LED_FLASH )を示すフローチャートである。
まず、ステップS971では、繰返し回数及び点滅要求フラグ用データをセットする。この処理は、繰返し回数としてBレジスタに「6h」を記憶する。繰返し回数「6」とは、6項目の比率セグについて点滅するか否かを繰返し判定するという意味である。
また、点滅要求フラグ用データの初期値として、Cレジスタに「00000000B」を記憶する。
次のステップS972では、点滅/非該当項目判定値テーブルのアドレスをセットする。この処理は、DEレジスタに、図75に示す点滅/非該当項目判定値テーブル(TBL_SEG_FLASH )の先頭アドレス「2500h」を記憶する処理である。
また、「非該当項目」とは、その項目に該当する機能(性能)を備えていないことを指す。ただし、第11実施形態では、6項目すべての比率を表示するので、非該当項目を有さない。
次のステップS973では、比率データのRWM53のアドレスをセットする。この処理は、HLレジスタに、役物等状態比率データが記憶されているアドレス(図176の「F28Dh」)を記憶する処理である。
次にステップS974に進み、点滅又は非該当項目判定値を取得する。ここでは、DEレジスタ値が示すアドレス値「2500h」に記憶された値(50h)から「1」減算した値をAレジスタに記憶する。
次のステップS975では、非該当項目値であるか否かを判断する。この処理は、Aレジスタ値から「DDh」を減算し、演算結果が「0」(ゼロフラグ=「1」)であるときは、非該当項目値であると判断する。
非該当項目であるときは、点滅/非該当項目判定値テーブルには「DEh」が記憶されているので、「DEh」から「1」を減算した後、さらに「DDh」を減算すると「0」となり、ゼロフラグが「1」となる。
なお、図75に示すように、第11実施形態においても6項目すべての比率を算出かつ表示するので、点滅/非該当項目判定値テーブルのどのアドレスにも「DEh」は記憶されていない。
非該当項目値でないと判断したときは、次のステップS976に進み、非該当項目値であると判断したときは、ステップS976をスキップしてステップS977に進む。
したがって、第11実施形態の場合は、ステップS974及びS975は不要である。
ステップS976では、比率データを取得する。この処理は、HLレジスタ値が示すアドレス(F28Dh)に記憶されている値(ここでは役物等状態比率)を、Aレジスタに記憶する処理である。
次のステップS977では、比率データ又は非該当項目値を保存する。この処理は、Aレジスタ値を、HLレジスタ値が示すアドレスに記憶する処理である。
なお、この処理には、以下の意味がある。
非該当項目を有する場合に、比率データが記憶されるRWM53の記憶領域には、上記保存処理の前にはデータが記憶されていない。
たとえば「RB(第1種特別役物)」を備えていない場合には、連続役物比率(6000回)データ(アドレス「F289h」)及び連続役物比率(累計)データ(アドレス「F28Bh」)には「0」が記憶されている。
その際、連続役物比率(6000回)データに「0」が記憶されていると、連続役物比率(6000回)を表示する際には「00」と表示されてしまう。これを防止するために、ステップS975で取得したAレジスタの値(非該当項目である場合には「DDh」)を比率データとして記憶する。
なお、非該当項目である場合には比率として「--」を表示するが、第11実施形態では、6項目の比率のすべてを表示するため、非該当項目を有さない。このため、図175に示す比率表示セグメントデータテーブルには「-」表示データを設けていない。仮に、非該当項目を有する場合には、たとえばアドレス「253Eh」に「-」を表示するためのセグメントデータ「01000000B」を記憶すればよい。
プログラムを図186のように構成すれば、非該当項目を有する遊技機と非該当項目を有さない遊技機とで、共通のプログラムを使用することが可能となる。
次のステップS978では、点滅判定を行う。この処理は、Aレジスタ値(比率)から、DEレジスタ値が示すアドレスの値(比率の閾値)を減算する処理である。なお、その演算をした結果、桁下がりがあったときは、キャリーフラグが「1」となる。
たとえば、役物等状態比率の値が「40」である場合に、アドレス「2500h」に記憶されている値(役物等状態比率の閾値)は「50」であるので、「40」から「50」を減算すると、キャリーフラグが「1」になる。これに対し、役物等状態比率の値が「60」である場合には、「60」から「50」を減算すると、キャリーフラグは「0」である。したがって、キャリーフラグが「1」であるときは、当該項目を表示するときは点灯態様である(閾値未満である)ことを意味し、キャリーフラグが「0」であるときは当該項目を表示するときは点滅態様である(閾値以上である)ことを意味している。
次にステップS979に進み、点滅要求フラグ用データを更新する。具体的には、キャリーフラグ及びCレジスタ値を、左にローテートシフトする演算処理を行う。
たとえばキャリーフラグの値を「CY」、Cレジスタ値を「D7,D6,D5,D4,D3,D2,D1,D0」とすると、
「CY」、Cレジスタ値「D7,D6,D5,D4,D3,D2,D1,D0」
を、
「D7」、Cレジスタ値「D6,D5,D4,D3,D2,D1,D0,CY」
とする演算を行う。
ここで、Cレジスタ値がステップS971で示したように初期値「00000000B」であり、かつ、ステップS978でキャリーフラグが「1」であったときは、
「1」、Cレジスタ値「00000000B」
を、
「0」、Cレジスタ値「00000001B」
とする演算を行う。
次のステップS980では、次の比率データのRWMアドレスをセットする。この処理は、HLレジスタ値を「1」減算する処理である。
たとえば1回目の点滅判定におけるHLレジスタ値は、上述したように「F28Dh」(役物等状態比率データ)である。ここで、「1」を減算すると、HLレジスタ値は、2回目の点滅判定対象である「F28Ch」(役物比率(累計)データ)となる。
次のステップS981では、次の点滅/非該当項目判定値テーブルのアドレスをセットする。この処理は、DEレジスタ値を「1」加算する処理である。DEレジスタ値は、最初は「2500h」を記憶しているので、この処理により、「2501h」となる。よって、図75に示すように、次のアドレスは、役物比率(累計)の閾値が記憶されたアドレスとなる。
次にステップS982に進み、繰返しを終了したか否かを判断する。ここでは、以下の処理を実行する。ここでは、Bレジスタ値を「1」減算し、Bレジスタ値が「0」であるときは繰返しを終了したと判断する。繰返しを終了したと判断したときはステップS983に進み、繰返しを終了していないと判断したときはステップS974に戻る。
以上のようにして、6項目の点滅判定を行う。
6項目の点滅判定を行った後のCレジスタ値を「D7,D6,D5,D4,D3,D2,D1,D0」とすると、
D7:0
D6:0
D5:役物等状態比率の点滅判定データ(0又は1)
D4:役物比率(累計)の点滅判定データ(0又は1)
D3:連続役物比率(累計)の点滅判定データ(0又は1)
D2:役物比率(6000回)の点滅判定データ(0又は1)
D1:連続役物比率(6000回)の点滅判定データ(0又は1)
D0:指示込役物比率の点滅判定データ(0又は1)
となる。
6項目の点滅判定を終了してステップS983に進むと、比率セグ点滅要求フラグを生成する。ここでは、以下の処理を実行する。
1)Aレジスタに、「00111111B」を記憶する。
(2)Aレジスタ値とCレジスタ値との排他的論理和演算(XOR)を行い、演算結果をAレジスタに記憶する。
ステップS983の処理の実行前は、上述したように、Cレジスタに記憶されているデータのうち、点滅する項目(ビット)に「0」が記憶されている。たとえば、指示込役物比率が「70%」未満であるときはD0ビットが「1」であり、指示込役物比率が「70%」以上であるときはD0ビットが「0」となっている。
そこで、Cレジスタ値のビット値を反転させることにより、点滅する項目(ビット)が「1」となるように比率セグ点滅要求フラグを生成する。
そして、次のステップS984において、ステップS983で生成した比率セグ点滅要求フラグを保存する。この処理は、アドレス「F299h」にCレジスタ値を記憶する処理である。
これにより、点滅する項目は「1」、点滅させない項目は「0」となる。このように、各ビットに対応する情報は、「1」又は「0」で表され、点滅させるか否かを含む6項目に関する比率セグ点滅要求フラグがアドレス「F299h」に記憶される。
次のステップS985では、総遊技回数カウンタ値を取得する。ここでは、以下の処理を実行する。
1)HLレジスタに、総遊技回数カウンタ(アドレス「F26Dh」)の下位2バイトの値を記憶する。
2)Aレジスタに、総遊技回数カウンタ(アドレス「F26Dh」)の上位1バイトの値を記憶する。
上述したように、総遊技回数カウンタは3バイトで構成されており、「F26Dh」が1桁目を記憶する記憶領域であって、その値がLレジスタに記憶される。
また、「F26Eh」が2桁目を記憶する記憶領域であって、その値がHレジスタに記憶される。
さらにまた、「F26Fh」が3桁目を記憶する記憶領域であって、その値がAレジスタに記憶される。
次のステップS986では、総遊技回数カウンタの上位1バイトが「0」であるか否かを判断する。この処理は、Aレジスタ値が「0」であるか否かを判断する処理である。Aレジスタ値が「0」であると判断したときはステップS987に進み、「0」でないと判断したときはステップS989に進む。
ステップS987では、6000ゲームを経過したか否かを判断する。この処理は、HLレジスタ値(総遊技回数カウンタの下位2バイト値)と「6000(D)」とを対比する。そして、6000ゲーム以上であると判断したときはステップS988に進み、6000ゲーム以上でないと判断したときはステップS991に進む。
ステップS988では、17500ゲーム以上であるか否かを判断する。この処理は、HLレジスタ値(総遊技回数カウンタの下位2バイト値)と「17500(D)」とを対比する。そして、17500ゲーム以上であると判断したときはステップS989に進み、17500ゲーム以上でないと判断したときはステップS990に進む。
ステップS989では、点滅要求フラグ用データ(17500回)を更新する。この処理は、CレジスタのD1ビットを「1」にする処理である。ここで、Cレジスタ値は、図177のアドレス「F298h」の識別セグ点滅要求フラグに対応する値(ただし、この時点では、ビットは反転状態にある。)となるようにする。このため、17500ゲームを経過しているときは、D1ビットを「1」にする処理を実行する。
また、次のステップS990では、点滅要求フラグ用データ(6000回)を更新する。この処理は、CレジスタのD0ビットを「1」にする処理である。
以上より、6000ゲームを経過していないときはCレジスタ値は更新されない。また、6000ゲームを経過しているが17500ゲームを経過していないときはCレジスタのD0ビットのみが更新される。さらにまた、6000ゲームを経過しており、かつ、17500ゲームを経過しているときは、CレジスタのD0ビット及びD1ビットが更新される。
なお、ステップS986で「Yes」と判断されたときは、総遊技回数の下位の2バイトの値が「FFFFh」(65535(D))を超えているので、6000ゲームを経過しており、かつ、17500ゲームを経過していると判断できる。
次のステップS991では、総遊技回数カウンタの上位の1バイト値が「2」を超える(「3」以上)か否かを判断する。ステップS985では、総遊技回数カウンタの上位の1バイト値をAレジスタに記憶しているので、Aレジスタ値が「2」を超えるか否かを判断する。ここで、「175000(D)」は「2AB98h」であるから、Aレジスタ値が「2」を超えるということは、総遊技回数カウンタ値が「175000(D)」を超えていることになる。
ステップS991で、総遊技回数カウンタの上位の1バイト値が「2」を超えると判断したときはステップS994に進み、「2」を超えないと判断したときはステップS992に進む。
ステップS992では、総遊技回数カウンタの上位の1バイト値が「2」であるか否かを判断する。ここで、総遊技回数カウンタ値「20000h」は「131072(D)」に相当するので、総遊技回数カウンタの上位の1バイト値が「2」でないときは、「175000」ゲームを超えていない。
総遊技回数カウンタの上位の1バイト値が「2」であると判断したときはステップS993に進み、「2」でないと判断したときはステップS995に進む。
ステップS993では、総遊技回数カウンタ値が「175000」ゲームを経過したか否かを判断する。ここで、「175000(D)」は「2AB98h」であるから、HLレジスタ(ステップS985で記憶した総遊技回数カウンタの下位の2バイト値)が「AB98h」以上であるか否かを判断することにより、「175000」ゲームを経過したか否かを判断する。
「175000」ゲームを経過したと判断したときはステップS994に進み、「175000」ゲームを経過していないと判断したときはステップS995に進む。
ステップS994では、CレジスタのD2ビットを「1」にする処理を実行する。
以上より、総遊技回数が「175000」ゲームを経過しているときはCレジスタのD2ビットが「1」に更新され、総遊技回数が「175000」ゲームを経過していないときはCレジスタのD2ビットは更新されない。
次のステップS995では、識別セグ点滅要求フラグを生成する。
ここでは、以下の処理を実行する。
1)Aレジスタに、「00000111B」を記憶する。
(2)Aレジスタ値とCレジスタ値との排他的論理和演算(XOR)を行い、演算結果をAレジスタに記憶する。
ステップS995の処理の実行前は、Cレジスタに記憶されているデータのうち、点滅する項目(ビット)に「0」が記憶されている。たとえば、「175000」ゲームを経過したときはD2ビットが「1」となっている。
そこで、Cレジスタ値のビットを反転させることにより、点滅する項目(ビット)が「1」となるように識別セグ点滅要求フラグを生成する。
次のステップS996では、ステップS995で生成した識別セグ点滅要求フラグを保存する。この処理は、Cレジスタ値をアドレス「F298h」に記憶する処理である。
これにより、点滅する項目は「1」、点滅させない項目は「0」となった識別セグ点滅要求フラグがアドレス「F298h」に記憶される。
そして本フローチャートによる処理を終了する。
図187は、図185のステップS962における比率表示タイマ更新(S_RATE_TIME)を示すフローチャートである。
図187において、ステップS1001では、点滅切替え時間を更新する。この処理は、図176のアドレス「F296h」に記憶された値を「1」減算する。この点滅切替え時間は、「0」~「134(D)」を循環する循環減算処理を実行している。このため、点滅切替え時間が「0」のときに当該処理を行うと、「134(D)」(86h)が点滅切替え時間として記憶される。また、「0」のときに当該処理を行い、「134(D)」が点滅切替え時間として記憶されるときは、キャリーフラグが「1」となる。
次のステップS1002では、点滅切替え時間を経過したか否かを判断する。この処理は、ステップS1001の処理でキャリーフラグが「1」となったか否かを判断することにより、点滅切替え時間を経過したか否かを判断する。点滅切替え時間を経過したと判断したときはステップS1003に進み、点滅切替え時間を経過していないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
ここで、比率表示タイマ更新は、割込み処理ごとに実行され、割込み処理は「2.235」msごとに実行される。このため、点滅切替え時間が一巡する時間は、「2.235ms×134=約300ms」となる。
次のステップS1003では、点滅切替えフラグを更新する。この処理は、アドレス「F293h」の点滅切替えフラグの値が「0」であるときは「1」に更新し、「1」であるときは「0」に更新する。
次のステップS1004では、表示切替カウンタ値を更新する。この処理は、アドレス「F294h」の値を「1」加算する処理である。表示切替カウンタは、「0」→「1」→・・→「15」→「0」→「1」→・・と巡回するカウンタである。表示切替カウンタが「15」のときに「1」加算すると「0」になる。
次のステップS1005では、表示切替えを実行するか否かを判断する。ここでは、表示切替えカウンタが「15」から「0」になったときに、表示切替えを実行すると判断する。ステップS1005で表示切替えを実行すると判断したときはステップS1006に進み、表示切替えを実行しないと判断したときは本フローチャートによる処理を終了する。
このように、約「300」msごとにステップS1002で「Yes」となり、表示切替えカウンタが「15」から「0」になったときにステップS1005で表示切替え実行と判断される。したがって、「約300ms×16=約4800ms」ごとに表示が切り替わる。
次のステップS1006では、テスト表示フラグがオンであるか否かを判断する。この処理は、アドレス「F29Ah」の値が「FFh」であるときにテスト表示フラグがオンであると判断する。テスト表示フラグがオンであると判断されたときはステップS1008に進み、テスト表示フラグがオンでないと判断されたときはステップS1007に進む。
ステップS1007では、比率表示番号を更新する。この処理は、アドレス「F292h」の値を「1」加算する処理である。なお、比率表示番号は、「0」~「5」の間を循環する循環加算処理を実行している。このため、比率表示番号が「5」のときに当該処理を行うと「0」が比率表示番号として記憶される。
なお、ステップS1006においてテスト表示フラグがオンであると判断されたときはステップS1007はスキップされるので、比率表示番号は更新されない。
次のステップS1008では、テスト表示フラグをオフにする。この処理は、アドレス「F29Ah」に記憶された値を「00h」にする処理である。そして本フローチャートによる処理を終了する。
以上のようにして、約「4800」msごとに比率表示番号が更新されるので、6項目の比率が約「4.8」秒ごとに循環表示されることとなる。
また、上述したように、電源投入後、テスト表示フラグの初期値として「FFh」が記憶される(図179)。
一方、電源投入後の割込み処理回数が「2144」回となったとき(1回目の割込み処理から約「4.8」秒経過後)に、ステップS1005で「Yes」と判断され、テスト表示フラグがオフになる。したがって、電源投入後、約「4.8」秒を経過するまではテスト表示フラグがオンであるので、テストパターンが表示される。
そして、電源投入後、約「4.8」秒を経過すると、テスト表示フラグがオフになり、次回割込み処理から比率が表示される。この場合、比率表示番号の初期値は「0」であるので、指示込役物比率から表示される。
上記から明らかであるが、テストパターン表示時と比率情報表示時とで、点滅切替えフラグ、表示切替えカウンタ、及び点滅切替え時間は、同一のRWM53のデータが用いられる。このように、テストパターンの表示と比率情報の表示とで、RWM53のデータを共用しているので、RWM53の領域を削減することができる。
また、テストパターン表示時の点滅周期と比率表示時の点滅周期とは同一となる。これにより、テストパターンの表示と比率情報の表示との双方を見るような役比モニタ74の管理者(たとえばホールの責任者)に対し、違和感のない表示を見せることができる。
なお、ステップS1002及びS1003より、点滅切替えフラグは、約「0.3」秒ごとに、RWM53のアドレス「F293h」に、「00h(点灯)」と「01h(消灯)」とが交互に記憶される。
図188は、図185のステップS963における比率表示処理(S_LED_OUT )を示すフローチャートである。
図188において、ステップS1021では、出力ポートをオフにする。この処理は、図59中、出力ポート6(デジット6~9信号)及び出力ポート7(デジット6~9のセグメント信号)をオフにする処理である。これらの出力ポート6及び7について、「00000000B」を出力することで、一旦、デジット6~9の出力を行わないようにする。これにより、LEDの表示を切り替える際に、一瞬でも異なるLEDが同時に点灯して見えてしまうこと(被って表示されてしまうこと)を防止している(残像防止)。
次のステップS1022では、LED表示カウンタ2を更新する。この処理は、アドレス「F297h」のLED表示カウンタ2の値に対し、1ビット右シフトする処理を行う。たとえばLED表示カウンタ2の値が「00000010B」であるときは、更新後は「00000001B」となる。
次にステップS1023に進み、LED表示カウンタ2の値が「0」になったか否かを判断する。たとえばそれまでのLED表示カウンタ2の値が「00000001B」であるときは、更新後は「00000000B」となるので、「0」になったと判断される。
LED表示カウンタ2の値が「0」になったと判断したときはステップS1024に進み、「0」でないと判断したときはステップS1025に進む。
ステップS1024では、LED表示カウンタ2の値を初期化する。この処理は、LED表示カウンタ2のD3ビット目に「1」を記憶する処理である。これにより、LED表示カウンタ2の値は「00001000B」となる。そしてステップS1025に進む。上述したように、LED表示カウンタ2は、下位4ビットのみを使用しているためである。
ステップS1025では、全点灯データをセットする。この処理は、図59中、出力ポート6から出力するデータ(デジットデータ)を「00001111B」とし、出力ポート7から出力するデータ(セグメントデータ)を「11111111B」とする処理である。なお、この時点では出力ポートの点灯データは出力していない。
すなわち、これらのデータが仮に出力されると、役比モニタ74は「8.8.8.8.」と表示される。換言すれば、テストパターンを表示するデータとなる。
次にステップS1026に進み、アドレス「F29Ah」のテスト表示フラグがオン(FFh)であるか否かを判断する。テスト表示フラグがオンであると判断したときはステップS1050に進み、オンでないと判断したときはステップS1027に進む。
次のステップS1027では、アドレス「F292h」の比率表示番号を取得する。ここで取得した比率表示番号について、その後に点滅ビット検査回数が決定される。具体的には、以下のようになる。
比率表示番号が「0」:指示込役物比率の点滅ビット検査回数を取得する。
比率表示番号が「1」:連続役物比率(6000回)の点滅ビット検査回数を取得する。

比率表示番号が「5」:役物等状態比率(総累計)の点滅ビット検査回数を取得する。
次のステップS1028では、点滅ビット検査回数テーブルのアドレスをセットする。図189は、第11実施形態における点滅ビット検査回数テーブル(TBL_FLASH_CHK )を示す図であり、第2実施形態の図78に対応する図である。点滅ビット検査回数テーブルの先頭アドレスは、「2510h」である。そして、ステップS1028では、点滅ビット検査回数テーブルのアドレスとしてこの先頭アドレス「2510h」をセットする。
ここで、「点滅ビット検査回数」とは、第2実施形態と同様に、アドレス「F298h」の識別セグ点滅要求フラグにおいて、D0ビット目から何ビット先に進むと、検査対象となるビットに到達するかを示す値である。
たとえば、図189において、指示込役物比率、及び役物等状態比率に対応するアドレスには「2h」が記憶されているが、これは、アドレス「F298h」の識別セグ点滅要求フラグにおいて、D0ビット目から数えて2番目のD2ビットの値が「1」であるか否かを判断するための値である。D2ビット目は、総遊技回数が「175000」回に到達していないときに「1」となるフラグであり、このD2ビット目が「1」であるときは、指示込役物比率及び役物等状態比率の識別セグが点滅対象となる(図174)。
同様に、連続役物比率(6000回)及び役物比率(6000回)には、「0h」が記憶されているが、これは、識別セグ点滅要求フラグにおいて、D0ビット目から数えて0番目のD0ビットの値が「1」であるか否かを判断するための値である。D0ビット目は、総遊技回数が「6000」回に到達していないときに「1」となるフラグであり、このD0ビット目が「1」であるときは、連続役物比率(6000回)及び役物比率(6000回)の識別セグが点滅対象となる(図174)。
さらに、連続役物比率(累計)及び役物比率(累計)には、「1h」が記憶されているが、これは、識別セグ点滅要求フラグにおいて、D0ビット目から数えて1番目のD1ビットの値が「1」であるか否かを判断するための値である。D1ビット目は、総遊技回数が「17500」回に到達していないときに「1」となるフラグであり、このD1ビット目が「1」であるときは、連続役物比率(累計)及び役物比率(累計)の識別セグが点滅対象となる(図174)。
次のステップS1029では、識別セグ点滅ビット検査回数をセットする。ここでは、ステップS1028でセットした点滅ビット検査回数テーブルの先頭アドレス「2510h」に、ステップS1027で取得した比率表示番号を加算した値を取得する処理である。
たとえば比率表示番号が「0」(指示込役物比率)であるときは、
2510h+0h=2510h
となり、アドレス「2510h」に記憶された値「2h」を取得する。
また、たとえば比率表示番号が「4」(役物比率(累計))であるときは、
2510h+4h=2514h
となり、アドレス「2514h」に記憶された値「1h」を取得する。
換言すると、「2510h」が基準アドレスとなり、比率表示番号(アドレス「F292h」)に記憶された値をオフセット値として、点滅ビット検査テーブルのアドレスを算出し、当該アドレスに記憶されている値を取得する。
次のステップS1030では、識別セグ点滅要求フラグを取得する。この処理は、アドレス「F298h」の識別セグ点滅要求フラグのデータをAレジスタに記憶する処理である。
次にステップS1031に進み、識別セグオフセットテーブルをセットする。この処理は、図175に示す識別セグオフセットテーブル(TBL_SEGID_DATA)の先頭アドレス「2520h」を記憶する処理である。
次のステップS1032では、識別セグオフセット値を取得する。この処理は、ステップS1027で取得した比率表示番号をオフセット値として、識別セグオフセットテーブルから該当値を読み取る処理である。
具体的には、たとえば比率表示番号が「1」(連続役物比率(6000回))であるときは、「2520h」に「1h」を加算した「2521h」のアドレスに記憶された値「6Bh」を取得する。
次のステップS1033では、識別表示1桁(すなわち識別セグ下位桁であるデジット7)の表示要求があるか否かを判断する。LED表示カウンタ2の値が「00000100B」であるときは、識別表示1桁の表示要求があると判断する。識別表示1桁の表示要求ありと判断したときはステップS1044に進み、識別表示1桁の表示要求なしと判断したときはステップS1034に進む。
ステップS1034では、識別セグオフセットを更新する。この処理は、ステップS1032で取得した識別セグオフセット値(たとえば上記の例では「6Bh」)を、スワップ命令によって上位データと下位データとを入れ替える処理を実行する。したがって、入替え前の値が「6Bh」であるときは、入替えにより「B6h」となる。このように処理するのは、識別セグオフセット値の下位4ビットのみを使用するためである。
次にステップS1035に進み、識別表示2桁(すなわち識別セグ上位桁であるデジット6)の表示要求があるか否かを判断する。LED表示カウンタ2の値が「00001000B」であるときは、識別表示2桁の表示要求があると判断する。識別表示2桁の表示要求ありと判断したときはステップS1044に進み、識別表示2桁の表示要求なしと判断したときはステップS1036に進む。なお、ステップS1033で「No」、かつ、ステップS1035で「No」であるときは、(テスト表示パターンの表示等を除き)比率セグの表示要求があるときに相当する。
ステップS1036では、比率セグ点滅ビット検査回数をセットする。比率は全部で6項目を有することから、検査回数として「6」をBレジスタに記憶する。
次のステップS1037では、比率セグ点滅要求フラグを取得する。この処理は、この処理は、アドレス「F299h」の比率セグ点滅要求フラグのデータをAレジスタに記憶する処理である。
次にステップS1038に進み、比率データを取得する。この処理は、ステップS1027で取得した比率表示番号に対応する数値を取得する。たとえば比率表示番号が「0」の指示込役物比率であるときは、アドレス「F288h」の指示込役物比率データを取得する。
次のステップS1039では、「-」表示データを取得する。上述したように、遊技機に搭載されていない役物の比率は「-」で表示する。しかし、本実施形態では、6項目の比率に対応するすべての役物を搭載しているので、比率を「-」表示する場合はない。したがって、第11実施形態ではステップS1039は不要である。ただし、プログラムをこのように構成すれば、6項目のすべての比率に対応していない遊技機に対してもこのプログラムを使用可能となる。
次のステップS1040では、今回表示する比率が非該当項目であるかを判断する。非該当項目でないと判断したときはステップS1041に進み、非該当項目であると判断したときはステップS1052に進む。上述したように、第11実施形態では、6項目すべての比率を表示するので、非該当項目を有さない。
次のステップS1041では、比率表示データを算出する。この処理は、ステップS1038で取得した比率データを「10(D)(Ah)」で割る演算を行う。この処理により得た商と余りとをそれぞれ所定のレジスタに記憶する。たとえば比率データが「59(D)(3Bh)」であるときは、「10(D)(Ah)」で割ると、商が「5h」、余りが「9h」となるので、たとえば商記憶用レジスタをDレジスタとし、余り記憶用レジスタをEレジスタとしたとき、Dレジスタに「5h」を記憶し、Eレジスタに「9h」を記憶する。
次のステップS1042では、比率表示1桁の表示要求があるか否かを判断する。この処理は、アドレス「F297h」のLED表示カウンタ2中、D0ビット目が「1」であるか否かを判断し、D0ビット目が「1」であるときは比率表示1桁の表示要求があると判断する。比率表示1桁の表示要求があると判断したときはステップS1043に進み、比率表示1桁の表示要求がないと判断したときはステップS1044に進む。
次のステップS1043では、比率表示1桁表示データをセットする。この処理は、上述したEレジスタ値を1桁表示データとしてセットする処理である。
次にステップS1044に進み、比率表示オフセットをセットする。ステップS1044に進むのは、ステップS1033において識別表示1桁表示要求であると判断されたとき、ステップS1035において識別表示2桁表示要求であると判断されたとき、及びステップS1042において比率表示1桁表示要求でない(比率表示2桁表示要求である)と判断されたときである。ステップS1033からステップS1044に進んだときは、ステップS1032で取得した識別セグオフセットの下位4ビット値を比率表示オフセットとしてセットする。また、ステップS1035からステップS1044に進んだときは、ステップS1034で更新した識別セグオフセットの下位4ビット値を比率表示オフセットとしてセットする。さらにまた、ステップS1042からステップS1044に進んだときは、Dレジスタ値(比率データを「10(D)」で割ったときの商の値)を比率表示オフセットとしてセットする。
次にステップS1045に進み、比率表示セグメントデータテーブルをセットする。この処理は、図175中、比率表示セグメントデータテーブルの先頭アドレス「2530h」をセットする処理である。
次にステップS1046に進み、セグメントデータを取得する。この処理は、ステップS1045でセットした比率表示セグメントデータテーブルの先頭アドレス「2530h」に、ステップS1044でセットしたオフセット値を加算する処理である。
たとえばステップS1044でセットしたオフセット値が「9」であるときは、
2530h+9h=2539h
となり、「9」表示データ(01101111B)を取得する。
次にステップS1047に進み、点滅ビットの検査を行う。この処理は、今回の表示対象となった識別セグ又は比率セグを点滅表示させるか否かを判断する処理である。
この時点において、Aレジスタには、識別セグ点滅要求フラグ又は比率セグ点滅要求フラグの値が記憶されている。さらに、Bレジスタには検査回数の値が記憶されている。
そして、ステップS1047では、Aレジスタを右に「1」シフトさせ、シフトしてあふれた結果をキャリーフラグに記憶する処理である。すなわち、「1」シフト前のD0ビットの値がキャリーフラグに記憶される。よって、「1」シフト前のD0ビットの値が「0」であればキャリーフラグは「0」であり、「1」シフト前のD0ビットの値が「1」であればキャリーフラグは「1」となる。
次のステップS1048では、検査を終了したか否かを判断する。ここでは、以下の処理を実行する。この処理は、Bレジスタ値から「1」を減算し、Bレジスタ値が「0」であると判断したときは、検査を終了したと判断する。
検査を終了したと判断したときはステップS1049に進み、検査を終了していないと判断したときはステップS1047に戻る。
以上の処理により、Bレジスタに記憶された回数だけ、識別セグ点滅要求フラグ又は比率セグ点滅要求フラグの値を右シフトし、そのときにシフトしてあふれた結果がキャリーフラグに記憶される。
たとえば、識別セグ要求フラグの値が「00000100B」(D2ビット目がオン)であり、Bレジスタ値が「3h」であるとき、
1回目:「00000100B」→「00000010B」、キャリーフラグ=「0」
Bレジスタ値=3h-1h=2h
2回目:「00000010B」→「00000001B」、キャリーフラグ=「0」
Bレジスタ値=2h-1h=1h
3回目:「00000001B」→「00000000B」、キャリーフラグ=「1」
Bレジスタ値=1h-1h=0h
となる。
次にステップS1049に進み、点滅要求フラグがオンであるか否かを判断する。この処理は、ステップS1047で検査を終了したと判断したときのキャリーフラグが「1」であるか否かを判断し、「1」であるときは点滅要求フラグがオンであると判断する。点滅要求フラグがオンであると判断したときはステップS1050に進み、点滅要求フラグがオンでないと判断したときはステップS1052に進む。
ステップS1050では、アドレス「F293h」の点滅切換えフラグがオンであるか否かを判断する。点滅切換えフラグがオンであると判断したときはステップS1051に進み、オンでないと判断したときはステップS1052に進む。
ステップS1051では、セグメントデータをクリアする。すなわち、点滅要求フラグがオン(「1」)であり、かつ点滅切替えフラグがオン(「1」、すなわち消灯)であるときは、当該割込み処理では、点灯対象となる表示を消灯するので、セグメントデータを「00000000B」にする。そしてステップS1052に進む。
ステップS1052では、デジット信号及びセグメント信号を出力するため、出力ポート6(図59)からデジット信号を出力し、出力ポート7(図59)からセグメント信号を出力する。そして本フローチャートによる処理を終了する。
以上の比率表示処理において、電源投入後の最初の約「5」秒間は、ステップS1026で「Yes」となるので、ステップS1025でセットした全点灯データが出力可能となる。また、ステップS1050において、点滅切替えフラグがオフであるときにはセグメントデータがクリアされる。したがって、テストパターンは、約「5」秒間(図187のステップS1005で「Yes」と判断されるまで)、約「0.3」秒ごとに点灯と消灯とを繰り返す表示となる。
また、比率情報は、約「5」秒ごとに(図187のステップS1005で「Yes」と判断されるごとに)、順次切り替え表示される(図187のステップS1007)。
そして、識別セグの表示は、総遊技回数が基準遊技回数(図174参照)未満であるとき(図188中、ステップS1049で「Yes」と判断されたとき)は点滅表示となる。点滅表示は、上記と同様に、約「0.3」秒ごとに点灯と消灯とを繰り返す表示となる。
さらにまた、比率セグの表示は、比率が閾値(図174参照)以上であるとき(図188中、ステップS1049で「Yes」と判断されたとき)は点滅表示となる。点滅表示は、上記と同様に、約「0.3」秒ごとに点灯と消灯とを繰り返す表示となる。
次に、復帰可能エラー又は復帰不可能エラー発生後の電源投入とテストパターンの表示との関係について説明する。
上述したように、復帰可能エラーは、電源をオン/オフすることなく復帰させることができるエラーであり、たとえばホッパーエラー、メダルセレクタエラー、ドア(フロントドア12)オープンエラー等が挙げられる。
図184の割込み処理(I_INTR)において、ステップS457で入力ポート51の読込処理を実行し、その後、ステップS463で入力エラーチェックを実行する。入力エラーチェックにおいて、入力ポートのデータに基づいていずれかの復帰可能エラーを検出したときは、検出した復帰可能エラーを示すエラー検出フラグをRWM53の所定アドレスに記憶する。
また、メイン処理(M_MAIN)(図180)において、スタートスイッチ41の操作の検知前(ステップS278の前)、及びすべてのリール31の停止後(ステップS289の後)のタイミングで、エラー検出フラグのいずれかのビットが「1」であるときは、遊技の進行を停止し、エラー内容をたとえば獲得数表示LED78に表示する。
換言すると、規定数のメダルがベットされた状況下でスタートスイッチ41が操作されてから、すべてのリール31が停止するまでの間(ステップS279~ステップS289の間。図180中、2点鎖線で囲む範囲。)に復帰可能エラーが発生した場合には、すべてのリール31が停止するまでは遊技の進行を継続し、すべてのリール31が停止した後に遊技の進行を停止し、復帰可能エラーを表示する。
そして、復帰可能エラーの発生時には、管理者(ホールの店員)により復帰可能エラーの要因が除去され、リセットスイッチが操作されると、復帰可能エラー状態を解除して、遊技の進行を再開する。
また、復帰可能エラーの発生中であっても割込み処理は実行される。このため、復帰可能エラーの発生中であっても役比モニタ74による表示が実行される。
ここで、復帰可能エラーが発生した後、復帰可能エラーの要因を除去することなく電源をオフにし、その後、設定変更を行うことなく(設定変更モードに移行することなく)電源を投入したときは、図178のプログラム開始処理においてステップS2721の電源復帰処理に進み、その後、割込み処理が実行される。これにより、上述したように、役比モニタ74には約5秒間のテストパターンが表示された後、比率が表示される。
一方、割込み処理が開始されると、上述したように入力エラーチェック(図184のステップS463)が実行されるので、除去されていない復帰可能エラーが再度検知される。したがって、電源投入後は、復帰可能エラー状態となる(このとき、役比モニタ74にはテストパターンの表示後に比率を表示している状態となる)。
一方、電源投入直後に復帰不可能エラーが発生した場合(図178のステップS2801)には、図64に示す復帰不可能エラー処理が実行される。ここで、図64のステップS1490に示すように、割込み処理は禁止される。
一方、割込み処理中に復帰不可能エラーが発生した場合(図184のステップS2811)には、図72に示す復帰不可能エラー処理2が実行される。ここで、割込み処理において、ステップS960、及びステップS458~S460の処理は、第2プログラムによる処理である。そして、第2プログラムの実行中は割込み処理が禁止されている。換言すると、復帰不可能エラー処理2の処理中は割込み処理は実行されない。
ところで、正常に電源をオフにすると、割込み処理において電源断が検知される(図184のステップS2771)。そして、図69に示す電源断処理(I_POWER_DOWN)に移行すると、そのステップS2776においてRWMチェックサムセット(S_SUM_SET )が実行される。この処理は図70に示す処理である。図70に示すRWMチェックサムセットでは、ステップS2784において電源断処理済みフラグがセットされる。この処理は、図177中、アドレス「F2A2h」に「55h」を記憶する処理である。また、図70中、ステップS2795ではRWMチェックサムデータが保存される。この処理は、図177中、アドレス「F2A0h」に当該RWMチェックサムデータを記憶する処理である。
その後、電源が投入されると、図178のステップS2705において電源断復帰データ(上記のステップS2784においてセットされた電源断処理済みフラグの値)が取得される。そして、ステップS2708では、電源断処理済みフラグが「55h」であるか否かが判断される。また、ステップS2708では、上記の電源断処理時にRWM53に記憶されたRWMチェックサムデータと、ステップS902で算出したRWMチェックサムデータとが一致するか否かが判断される。そして、電源断処理済みフラグが「55h」であり、かつ、RWMチェックサムデータが一致すると判断したときは、電源断復帰が正常であると判断される。一方、電源断処理済みフラグが「55h」以外の値である場合や、RWMチェックサムデータが一致しない場合には、電源断復帰は異常であると判断される。ステップS2708において電源断復帰が正常であると判断され、ステップS2721の電源復帰処理に移行すると、図63のステップS2724において電源断処理済みフラグがクリアされる(「00h」が記憶される)。
このように、割込み処理において正常な電源断が実行されると電源断処理済みフラグとして「55h」がセットされ、電源投入時に電源断復帰データ(電源断処理済みフラグの値)が「55h」であれば電源断が正常であったと判断され、電源断復帰データが「55h」でなければ電源断が異常であったと判断される。
そして、上記のように復帰不可能エラー(図178のステップS2801)、又は復帰不可能エラー2(図184のステップS2811)の発生中に電源をオフにすると、これらの復帰不可能エラーの発生中は割込み処理が実行されないので、図184の電源断処理が実行されない。したがって、図70のステップS2784に示す電源断処理済みフラグはセットされない。また、電源断処理が実行されないので、図70のステップS2795においてRWMチェックサムデータは保存されない。
このため、次に電源が投入されると、図178中、ステップS2708において電源断復帰異常であると判断されるので、ステップS2801に進み、復帰不可能エラー処理が実行される。復帰不可能エラー処理が実行されると割込み処理は実行されないので、役比モニタ74にはテストパターンや比率は表示されない。
続いて、設定変更モード又は設定確認モードとテストパターンの表示との関係について説明する。
設定キースイッチ152(図112)がオンの状態で電源が投入され、図178中、ステップS2707で「Yes」、及びステップS2714で「Yes」になると、図65の初期化処理に進む。そして、図65中、ステップS2742に進むと、図66の設定変更確認処理(設定変更モード又は設定確認モード)に移行する。
ここで、図65中、ステップS2740の後のタイミングで割込み処理が開始するので、設定変更確認処理への移行と略同時に、テストパターンの表示が開始される。そして、設定変更確認処理に移行してから「5」秒を経過すると、テストパターンの表示が終了し、比率表示に移行する。
なお、設定確認モードは、電源投入後の遊技待機時にも移行可能である。図180中、ステップS275のメダル投入待ちにおいて設定キースイッチのオン信号を検知すると、図66の設定変更確認処理(この場合は設定確認処理)に移行する。
ここで、設定確認モードに移行する前の比率表示態様と、設定確認モード中の比率表示態様とは同一である。換言すれば、設定確認モードへの移行前後における役比モニタ74の表示は、設定確認モードに移行しない場合の役比モニタ74の表示と同じである。
この点について具体的に説明する。
一例として、現時点において、
指示込役物比率:50%
連続役物比率(6000回):30%
役物比率(6000回):40%

役物等状態比率:20%
であるとする。
そして、役比モニタ74に「5H.20」と表示され、当該表示が開始してから約「3」秒経過時に遊技待機状態から設定確認モードに移行した場合には、設定確認モードに移行してから約「2」秒経過時に、役比モニタ74の表示が「5H.20」から「7P.50」に切り替わる。役比モニタ74の表示が「7P.50」になった後、約「5」秒経過したときは、役比モニタ74の表示が「7P.50」から「6y.30」に切り替わる。
次に、役比モニタ74の表示が「6y.30」になった後、約「1」秒経過時に設定確認モードを終了し、遊技待機状態に移行したときは、遊技待機状態において約「4」秒間、役比モニタ74に「6y.30」を表示し、その後、「7y.40」の表示に切り替わる。
また、メダル投入待ち状態にあるときは、通常、電源投入後のテストパターンの表示は終了しており、比率表示が行われている。しかし、設定確認モードに移行したときには、改めてテストパターンを表示するようにしてもよい。このように処理する場合には、たとえば図66中、ステップS2755で「Yes」と判断されたときに、テスト表示フラグに「FFh」を記憶する。これにより、その後の割込み処理において、図188の比率表示処理のステップS1026で「Yes」と判断されるので、テストパターンが表示され、テストパターンの表示終了後、比率表示に切り替わる。
さらに、設定確認モードに移行する場合には、図66中、ステップS2755で「Yes」と判断されたときに、表示切替えカウンタに初期値「00h」を記憶する(さらには、点滅切替え時間に「00h」を記憶してもよい)。これにより、設定確認モードに移行したときは、テストパターンを約「5」秒間、表示することができる。
さらに、設定確認モードに移行する場合には、図66中、ステップS2755で「Yes」と判断されたときに、比率表示番号の値を維持してもよく、あるいは比率表示番号に「00h」を記憶してもよい。
比率表示番号の値を維持した場合には、設定確認モードに移行し、テストパターンを表示した後、最初に表示される比率は、設定確認モードに移行する直前の比率となる。
これに対し、設定確認モードに移行するときに比率表示番号に「00h」を記憶する場合には、設定確認モードに移行し、テストパターンを表示した後、表示順が「1」番である指示込役物比率から表示が開始される。
以上、本発明の第11実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、たとえば以下のような種々の変形が可能である。
(1)役比モニタ74は、メイン制御基板50上に搭載されているが、これに限らず、メイン制御基板50以外の他の制御基板上に搭載することも可能である。
(2)比率データとして保存した値と、役比モニタ74に表示する値とは、必ずしも一致している必要はない。たとえば除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が「100(D)」のときは、「100(D)」をRWM53に保存するが、役比モニタ74には「99」と表示してもよい。
このように制御する場合には、図182中、ステップS950及びS951は不要となる。
そして、図188のステップS1041において、RWM53に記憶された比率データが「64h(100(D))」である場合には、ステップS1046におけるセグメントデータ取得において、図175のアドレス「2539h」の比率表示セグメントデータを取得する。
さらにこの場合、遊技機10が第9実施形態(図158)に示すメダルレス遊技機である場合には、比率データとして、RWM53に記憶した「64h(100(D))」を貸出しユニット200に送信する。
(3)除算結果レジスタの最下位の1バイトの値が「101(D)」以上であるとき(255(D)(FFh)であるときを含む)は、RWM53に「0」を保存する(比率データを更新する)ことも可能である。これにより、役比モニタ74には「00」が表示される。
さらにこの場合、メダルレス遊技機では、比率データとして、RWM53に記憶した「0」を貸出しユニット200に送信する。
(4)第11実施形態では、除数が「0」であるか否かを判断していない。しかし、これに限らず、除算を実行する前に除数が「0」であるか否かを判断し、除数が「0」であるときは、除数設定レジスタに「0」を記憶しないようにしてもよい。
(5)第11実施形態では、除算結果レジスタの値を取得するときは、除算結果レジスタの最下位の1バイト以外の3バイト(以下「上位側3バイト」と称する。)の値にかかわらず、最下位の1バイトの値を取得した。しかし、これに限らず、除算結果レジスタの上位側3バイトの値を取得し、「0」でないときは、除算結果(最下位の1バイトの値)をRWM53に保存しないようにしてもよい。除算結果は、「0」~「100(D)」の範囲となるので、上位側3バイトの値が「0」でないときは、除算結果は異常値であると判断可能であるためである。
(6)乗数設定レジスタ及び被乗数設定レジスタの設定順序(値の記憶順序)は、乗数設定レジスタの設定後、被乗数設定レジスタの設定としてもよく、これとは逆に、被乗数設定レジスタの設定後、乗数設定レジスタの設定としてもよい。
同様に、除数設定レジスタ及び被除数設定レジスタの設定は、除数設定レジスタの設定後、被除数設定レジスタの設定としてもよく、これとは逆に、被除数設定レジスタの設定後、除数設定レジスタの設定としてもよい。
(7)復帰不可能エラーが発生している状況にて電源をオフにし、その後、設定キースイッチをオンにした状態で電源をオンにしたときには、図178中、ステップS2731の初期化処理(図65)に進み、図65のステップS2740とS2741との間のタイミングで割込み処理が発生する。したがって、復帰不可能エラーが解消されていれば、役比モニタ74には最初にテストパターンが表示され、その後に比率が表示される。
(8)テストパターンは、第11実施形態では「8.8.8.8.」を点滅させるようにしたが、これに限らず、種々のパターンが挙げられる。ただし、各デジット6~9の全セグメントが点灯及び消灯可能であるかを判断できるテストパターンが好ましい。
たとえば、「*。8.8.8.」(「*」は、セグメントA~Gが消灯であることを示す。)を「1.25」秒間点灯表示→「8.*。8.8.」を「1.25」秒間点灯表示→「8.8.*。8.」を「1.25」秒間点灯表示→「8.8.8.*。」を「1.25」秒間点灯表示(合計「5」秒間表示)するパターンが挙げられる。
あるいは、上記とは逆に、「8.*。*。*。」を「1.25」秒間点灯表示→「*。8.*。*。」を「1.25」秒間点灯表示→「*。*。8.*。」を「1.25」秒間点灯表示→「*。*。*。8.」を「1.25」秒間点灯表示するパターンが挙げられる。
(9)第11実施形態では、RWM53の表示切替カウンタ及び点滅切替え時間を、テストパターンの表示と比率表示とで共用している。これにより、約「0.3」秒ごとに点灯を消灯とを繰り返す点滅態様と、約5秒で表示を切り替える態様(テストパターンの表示を終了する)が同一となっている。
ただし、これに限らず、テストパターンの表示特有の表示切替えカウンタを設けてもよい。たとえばテストパターン用の表示切替えカウンタ2を設け、「0」~「30(D)」を巡回するリングカウンタとする。そして、表示切替えカウンタ2が「0」になったとき(図187のステップS1005で「Yes」となったとき)にテストパターンの表示を終了し、比率表示を開始すること等も可能である。このようにすれば、電源投入後、テストパターンを約「10」秒間表示することが可能となる。
(10)第11実施形態では、電源投入後にRWM53の比率表示番号を初期化するように構成した(図179)。しかし、これに限らず、電源投入後にRWM53の比率表示番号を初期化しないように構成してもよい。このように構成すれば、電源の投入後は、前回の電源オフ時に表示していた比率表示番号から役比モニタ74の比率表示を再開することが可能となる。たとえば比率表示番号に「3h」が記憶されている状況にて電源がオフにされ、その後、設定変更を伴うことなく正常に電源が投入されたときは、テストパターンを約「5」秒間表示した後、比率表示番号「3h」に対応する連続役物比率(累計)が表示される。
ただし、上記の仕様であっても、設定変更スイッチがオンの状態で電源が投入されたときは、初期化処理(図65)によってRWM53の比率表示番号は初期化される。これにより、テストパターンの表示後、指示込役物比率から比率表示が開始される。
(11)第11実施形態では、テストパターンを点滅表示したが、これに限らず、テストパターンを点灯表示してもよい。テストパターンを点灯表示する場合には、図188中、ステップS1026で「Yes」と判断されたときに、ステップS1052に進む(ステップS1050及びS1051に進まない)ようにすればよい。
(12)電源をオンしてテストパターンを約「3」秒表示した後、電源をオフにし、その後電源をオンにしたときには、残りの約「2」秒間だけテストパターンを表示してもよく、あるいは、改めて約「5」秒間、テストパターンを表示してもよい。
残りの約「2」秒間だけテストパターンを表示する場合には、電源オン時に表示切替えカウンタを初期化しないようにすればよい。一方、改めて約「5」秒間テストパターンを表示する場合には、電源オン時に表示切替えカウンタを初期化すればよい(さらには、点滅切替え時間を初期化してもよい)。
(13)第11実施形態で示した各種フラグ、カウンタの値は、一つの例であり、上述した値に限られるものではなく、適宜定めることが可能である。
(14)第11実施形態は、従来のスロットマシンに限らず、たとえば遊技媒体として遊技球を用いるパロット(新回胴とも称される。)や、物理的なメダルを用いずに電子メダルを用いるメダルレス遊技機(スマートパチスロ)や、カジノマシンにも本発明を適用することができる。
さらに、スロットマシンに限らず、ぱちんこ遊技機の性能表示器に対しても、第11実施形態の役比モニタ74の特徴を適用することができる。
(15)第11実施形態は、単独で実施されることに限らず、第1実施形態~第10実施実施形態の少なくとも一部と適宜組み合わせて実施することが可能である。
<第12実施形態>
第12実施形態は、プログラムの命令、割込み処理等に関するものである。
まず、第12実施形態におけるジャンプ命令について説明する。第12実施形態は、ユーザプログラム(後述する図191のプログラム開始(M_PRG_START ))を開始した後、通常遊技処理(図180のメイン処理(M_MAIN))に移行するまでの間に、少なくとも複数回(2回以上)のジャンプ命令を有するものである。ジャンプ命令は、現在のアドレスから1バイト以上離れたアドレスを指定して当該アドレスに飛ぶ命令を指す。また、ジャンプ命令は、必ず(無条件に、一律に)特定アドレスに飛ぶジャンプ命令と、条件を満たした場合(あるいは満たさない場合)に特定アドレスに飛ぶジャンプ命令とを有する。
図190は、第12実施形態におけるジャンプ命令の例を示す図である。図190は、図88(第3実施形態)に対応する図である。
第12実施形態では、図87(第3実施形態)で示したように、遊技機10の電源が投入されると、システムリセット解除、レジスタ初期化、PROMモード要求、セキュリティモードを経て、ユーザモードに移行する。ユーザモードのプログラムの開始アドレスは、「0000H」であり、図191のプログラム開始(M_PRG_START )のステップS900の先頭アドレスに相当する。
図190の例では、図88と同様に、アドレス「0004H」がベクタアドレスとなっている。さらに、アドレス「0008H」、「0010H」、・・・、「0040H」の8つのアドレスが、RST命令で呼び出される各プログラムの先頭アドレスとなっている。
このため、アドレス「0001H」にジャンプ命令を配置し、まず、アドレス「0050H」に必ず飛ぶように構成されている。なお、ジャンプ命令としては、たとえば「JP命令」や「JR命令」が挙げられる。また、図190の例におけるジャンプ命令は、3バイト要するものとする。このため、アドレス「0001H」~「0003H」にジャンプ命令を配置することができる。
次に、アドレス「0050H」に進むと、電源投入プログラムの続きを開始する。そして、アドレス「006FH」には、設定変更モードへの移行条件を満たしていない場合にはアドレス「0090H」飛ぶジャンプ命令が配置されている。これに対し、設定変更モードへの移行条件を満たしている場合には、次のアドレス「0070H」(設定変更プログラムの先頭アドレス)に進む。
さらに、アドレス「0080H」は、設定変更プログラムの末尾プログラムとなっている。設定変更プログラムの終了後、異常が検知されない場合にはアドレス「0081H」に進む。アドレス「0081H」には、電源復帰処理への移行条件を満たしている場合にはアドレス「0090H」(電源復帰処理の先頭プログラム)に飛ぶジャンプ命令が配置されている。アドレス「0090H」から始まるプログラムは、電源復帰処理のプログラムとなっている。なお、設定変更プログラムを経ることなく異常が検知されない場合もアドレス「006FH」からアドレス「0090H」に飛び、電源復帰処理のプログラムが実行される。
そして、アドレス「009FH」が電源復帰処理の末尾プログラムとなっており、次のアドレス「00A0H」に、アドレス「00B0H」に必ず飛ぶジャンプ命令が配置されている。そして、アドレス「00B0H」には、メイン処理(M_MAIN)の先頭プログラムが設けられている。
以上のように、ユーザプログラムの先頭アドレス「0000H」から、通常遊技処理(メイン処理)のプログラムの先頭アドレス「00B0H」に進むまで、複数回のジャンプ命令が配置されている。これにより、ユーザプログラムの先頭アドレス「0000H」から通常遊技処理のプログラムの先頭アドレス「00B0H」の間に、不正なプログラムが埋め込まれていたとしても(当該不正プログラムを通るように仕組まれていても)、複数回のジャンプ命令によって当該不正プログラムを通りにくくすることができ、セキュリティ性を高めることができる。
また、ユーザプログラムの先頭アドレスから、通常遊技処理のプログラムの先頭アドレスまでの間に不正プログラムが埋め込まれていたとしても、ジャンプ命令により全然違う場所に飛ばされるので、その時点でプログラムをストップさせることが可能となる。これにより、ゴト行為を未然に防止することが可能となる(特に、ホール営業開始前に知ることが可能となる)。
これに対し、ユーザプログラムの先頭アドレスから通常遊技処理のプログラムの先頭アドレスまでの間に1度もジャンプ命令を有さない場合には、その途中に不正プログラムが埋め込まれている場合には、不正なプログラムが実行されるおそれがある。
上記の例をより具体的に説明する。
図191は、第12実施形態において、プログラム開始処理(M_PRG_START )を示すフローチャートである。図191は、図178(第11実施形態)に対応するフローチャートである。図191のフローチャートは、図178のフローチャートに対し、一部のジャンプ命令を明示している。なお、図191で示したジャンプ命令がプログラム開始処理における全てのジャンプ命令を明示したものではない。
まず、ステップS900はアドレス「0000H」から開始されるプログラムであるが、上述したように次のアドレス「0001H」にジャンプ命令が設けられているので、当該ジャンプ命令によってステップS900からステップS901に飛ぶように構成されている。
また、ステップS2707において設定変更モードへの移行条件を満たしたとき(ステップS2707で「Yes」のとき)は、ステップS2711に飛ぶジャンプ命令が設けられている。
さらにまた、ステップS2712で「Yes」のとき、又はステップS2714で「Yes」のときは、ステップS2731(初期化処理)に飛ぶジャンプ命令が設けられている。
さらに、ステップS2710で「No」、又はステップS2715で「No」のときは、ステップS2721(電源復帰処理)に飛ぶにジャンプ命令が設けられている。
また、ステップS2708で「Yes」、又はステップS2715で「Yes」のときは、ステップS2801(復帰不可能性エラー処理)に飛ぶジャンプ命令が設けられている。
このように、プログラム開始処理から、設定変更モード、電断復帰処理、初期化処理、又は復帰不可能エラー処理に進む過程においてそれぞれジャンプ命令が設けられている。
また、ステップS2721の電源復帰処理に進むと図63の処理に進むが、図63中、ステップS2724の後、ジャンプ命令によってステップS248(メイン処理)に飛ぶように構成されている。
次に、第12実施形態における呼出し命令について説明する。
図192(a)は、第12実施形態におけるROM54の領域の種類とアドレスを示す図である。第12実施形態におけるROM54の記憶領域は、図83(第3実施形態)の記憶領域と同じである。
ROM54の記憶領域として、第1領域(使用領域)と第2領域(使用領域外領域)とを有する。第1領域(使用領域)は、遊技の進行に関係する情報(データ、プログラム)が記憶される記憶領域である。また、第2領域(使用領域外領域)は、遊技の進行に関係しない情報が記憶される記憶領域であり、たとえば、役比モニタの表示を制御するためのプログラム、試験時に用いられるプログラム、及び不正防止のためのプログラム等が記憶される。
第12実施形態では、第1領域の範囲を「0000H」~「1FFFH」とし、第2領域の範囲を「2000H」~「3EFFH」とする。
さらに、第1領域のうち、アドレス「0000H」~「11FFH」の範囲を第3領域と称する。さらに、第3領域のうち、アドレス「0008H」~「0040H」の範囲を第4領域と称する。したがって、第3領域は第1領域に全て含まれている。また、第4領域は第1領域に全て含まれており、かつ、第4領域は第3領域に全て含まれている。
さらに、第1領域は第2領域を含まない。同様に、第2領域は第1領域を含まない。さらに、第2領域は、第3領域や第4領域を含まない。
第12実施形態の呼出し命令としては、CALL命令、CALLF命令、及びRST命令を備える。
まず、RST命令で呼び出すことが可能なプログラム(モジュール)の(先頭)アドレスが予め定められており、「0008H」、「0010H」、「0018H」、「0020H」、「0028H」、「0030H」、「0038H」、「0040H」の8つである。なお、本実施形態では8つとしたがこれに限られるものではない。
RST命令は、1バイトのプログラムとして表すことができる命令である。一方、CALLF命令は、2バイトのプログラムとして表すことができる命令である。さらにまた、CALL命令は、3バイトのプログラムとして表すことができる命令である。
このため、RST命令を記述するためのバイト数は、CALLF命令やCALL命令を記述するためのバイト数よりも少ないので、CALLF命令やCALL命令を用いるよりもRST命令を用いた方がプログラム容量を削減することができる。そこで、呼出し頻度の高いプログラム(モジュール)については、第4領域中、上記8つの先頭アドレスから配置し、RST命令を使って呼び出すようにしている。
なお、第4領域内であっても、たとえば上記8つ以外のアドレス、たとえば「0009H」はRST命令によって呼び出すことができない。
また、勿論であるが、アドレス「0041H」以降のアドレスをRST命令を用いて呼び出すこともできない。
RST命令で呼び出すことができるアドレスは、上記8つに限られることから、1つのモージュルの大きさは、RST命令で呼び出すことができるアドレスから、RST命令で呼び出すことができる次のアドレスの前までに記憶可能な大きさである必要がある。たとえばアドレス「0008H」から第1のモジュールのプログラムを記憶した場合、「0008H」~「000FH」までの8バイト以内で構成する必要がある。
このように、第4領域に記憶されている一つのモジュールの平均記憶容量は、第3領域(第4領域を除く)に記憶されている一つのモジュールの平均記憶容量より小さい。このため、第4領域に記憶されている一つのモジュールを実行する場合の平均処理速度は、第3領域(第4領域を除く)に記憶されている一つのモジュールを実行する場合の平均処理速度よりも速い。
さらに、CALLF命令を記述するためのバイト数(2バイト)は、CALL命令を記述するためのバイト数(3バイト)よりも少ないので、CALL命令を用いるよりもCALLF命令を用いた方がプログラム容量を削減することができる。
そして、CALLF命令を使用して呼び出すことができるプログラム(モジュール)のアドレスは、第3領域の範囲のアドレス、すなわちアドレス「0000H」~「11FFH」の範囲のアドレスである。このため、第3領域に記憶されたプログラム(モジュール)のアドレスを呼び出す際にはCALL命令より優先してCALLF命令を用いる。
一方、第1領域のうち、アドレス「1200H」~「1FFFH」については、RST命令やCALLF命令を用いて呼び出すことはできない。第1領域のうち、アドレス「1200H」~「1FFFH」については、CALL命令を用いて呼び出す。
また、第2領域であるアドレス「2000H」~「3EFFH」の範囲については、CALL命令で呼び出すことが可能である。一方、第2領域であるアドレス「2000H」~「3EFFH」の範囲については、RST命令やCALLF命令を用いて呼び出すことができないように構成されている。
また、第1領域から第2領域のプログラムを呼び出す場合には、「CALLEX」命令を用いることが可能であり、第2領域のプログラムから第1領域のプログラムに戻る場合には、「RETEX」命令を用いることが可能となっている(第3実施形態や第11実施形態と同様)。
換言すると、「CALLEX」命令は、第1領域で使用することができるが第2領域で使用することはできない。また、「CALLEX」命令は、第2領域のプログラムを呼び出すことが可能であるが、第1領域(第3領域、第4領域を含む)のプログラムを呼び出すことはない。
さらにまた、「RETEX」命令は、第2領域で使用することができるが第1領域(第3領域、第4領域を含む)で使用することはできない。さらに、「RETEX」命令の戻り番地は、第1領域のアドレスを指定することができるが、第2領域のアドレスを指定することができない。
さらに、図170(第11実施形態)と同様に、レジスタバンクとしてレジスタバンク0及びレジスタバンク1を備える。
レジスタバンク0の各レジスタは、第1領域のプログラムを実行しているときに使用されるレジスタである。同様に、レジスタバンク1の各レジスタは、第2領域のプログラムを実行しているときに使用されるレジスタである。
したがって、第1領域のプログラムを実行しているときはレジスタバンク0のレジスタが使用され、レジスタバンク1のレジスタは使用されない。
同様に、第2領域のプログラムを実行しているときはレジスタバンク1のレジスタが使用され、レジスタバンク0のレジスタは使用されない。
ここで、割込み禁止命令の一般的な命令として、「DI」命令が挙げられる。また、「EI」命令は、「DI」命令を実行した後、割込み許可をするための命令である。
「DI」命令が実行されると、その後、割込み禁止状態となる。また、「EI」命令が実行されると、その後、割込み許可状態となる。「EI」命令後のプログラムとしては、たとえば「RET」命令が挙げられる。この場合、「RET」命令の実行後に、割込み処理が実行可能となる。換言すると、「EI」命令が実行されても、次の命令である「RET」命令を実行するまでは割込み処理を実行しないようになっている。これにより、「EI」後の命令を確実に実行することができる。
これに対し、「CALLEX」命令が実行されると、その時点において割込み許可状態であるか割込み禁止状態であるかにかかわらず割込み禁止状態とし、レジスタバンクをレジスタバンク1に切り替え、指定されるアドレスを呼び出すことを実行する。
第12実施形態では、第1領域のプログラムから第2領域のプログラムを実行する際に、「CALLEX」命令を実行することによって、第2領域のプログラムを実行可能とする。
また、「RETEX」命令は、従来のリターン命令に対応する命令である。「RETEX」命令は、割込み状態を「CALLEX」命令前の状態に戻し、レジスタバンクをレジスタバンク0に切り替え、「CALLEX」命令前の状態、換言すると「CALLEX」命令の次の命令(戻りアドレスのプログラム)に戻ることを実行する。これにより、第1領域のプログラムを実行可能とする。
したがって、「CALLEX」命令時の状態が割込み許可状態であるときは、「RETEX」命令によって割込み許可状態となる。一方、「CALLEX」命令時の状態が割込み禁止状態であるときは、「RETEX」命令によっても割込み禁止状態である。
図192(b)は、空き領域のデータを示す図である。なお、この空き領域は一例であり、図に示すアドレスが必ず空き領域になっていることを意味するものではない。同様に、図に示すアドレス以外のアドレスが空き領域になっている場合もある。
図192(b)の例では、第4領域中、アドレス「000FH」、「003EH」、「003FH」が空き領域となっている。また、第3領域中、アドレス「11FEH」、「11FFH」が空き領域となっている。さらにまた、第1領域中、アドレス「1FFEH」、「1FFFH」が空き領域となっている。さらに、第2領域中、アドレス「3EFEH」、「3EFFH」が空き領域となっている。
通常、ROM54の記憶領域の初期状態は「FFH」となっており、プログラムを書き込まない空き領域は「FFH」のままとなる。
図192(b)に示すように、第4領域を除く第3領域、第1領域、第2領域の空き領域の値は「FFH」となっている。換言すると、第4領域を除く第3領域、第1領域、第2領域の空き領域は、初期値「FFH」のままとする。
これに対し、第4領域の空き領域には「00H」を記憶する。したがって、第4領域の空き領域に不正プログラムが記憶されてもそれを発見しやすくなる。第4領域中、データが「00H」であることをダンプリストを出力して確認できるからである。このため、第4領域の空き領域に「00H」以外の値が記憶されているときは、不正プログラム等が記憶されているおそれがあると判断することが可能となる。
次に、プログラム(メイン処理及び割込み処理)の平均処理速度について説明する。
図193は、各状態におけるプログラムの平均処理時間を示す図である。図193(及び後述する図194~図198)で示す各時間(割込み処理時間I1~I5、メインループ処理時間M11~M51、メインループ割込み禁止時間M12~M52、第1領域処理時間M13~M53、第2領域処理時間M14~M54、割込み不可中処理時間I61、割込み可能処理時間I62、第1領域処理時間I63、第2領域処理時間I64、割込み時間間隔T)は、すべて平均値であって、理論値又は実測値(実測値の場合は複数回の平均値)を示している。
図193中、状態「1」~「5」のいずれでも、メイン処理及び「6.」の割込み処理が実行されるともに、メイン処理中には所定のループ処理(以下、「メインループ処理」という。)を有する。さらに、プログラムには、第1領域のプログラムと第2領域のプログラムとを有する。
ここで、メインループ処理は、一の割込み処理とその次回の割込み処理との間に、少なくとも複数回(2回以上)繰り返されるようにプログラム設計をする必要がある。たとえばメインループ処理中に乱数を取得するような処理を有する場合には、メインループ処理が1回のみであると、不正が行われるおそれがあるためである。
図193に示すように、第12実施形態における割込み時間間隔(割込み周期)Tは、「1.18ms」であるものとする。一方、1回の割込み処理に要する時間は、状態に応じて「0.0899」ms~「0.0915」msである。したがって、一の割込み処理が開始された後、次回の割込み処理が開始されるまでに、当該一の割込み処理が終了しているように構成されている。
図193中、「1.遊技待機時(ベットなし)」において、割込み処理時間が「0.0899」msである場合、当該割込み処理の終了後、次回の割込み処理が実行されるまでの時間は、
T(「1.18」ms)-I1(「0.0899」ms)=「1.0901」ms
となる。
また、メインループ処理が2回繰り返される場合、
M11(「0.0195」ms)×2=「0.039」ms
となる。
よって、
T-I1>M11×2
である。
これにより、一の割込み処理とその次回の割込み処理との間にメインループ処理を複数回繰り返すことが可能となる。
さらにまた、遊技待機時(ベットなし)でのメインループ処理時間中には、割込み禁止時間「M12」(割込み待ち処理時間)を有する。
したがって、
T1-I1-M12=「1.0893」ms>M11×2
である必要である。
さらに、メインループ処理では、遊技に関する処理(第1領域のプログラムの処理)を、遊技に関係しない処理(第2領域のプログラムの処理)よりも多く実行したいことから、
M13(「0.0175」ms)>M14(「0.0020」ms)
であることが好ましい。
なお、遊技待機時(ベットなし)において、メインループ処理中における第2領域のプログラムの処理時間「M14」は、エラー関連処理時間である(後述する図194(b)中、ステップS1072)。
また、メインループ処理中に第2領域のプログラムの処理を有する場合には、
T1-I1-M12-M14=「1.0873」ms>M11×2
であることが必要である。
図194(a)及び(b)は、遊技待機時(ベットなし)のメインループ処理を示すフローチャートであり、同図(c)は、遊技待機時(ベットなし)における割込み処理を示すフローチャートである。
なお、以下で説明するメイン処理及び割込み処理は、第12実施形態の説明に必要な最小限の処理のみを示しており、すべての処理を示したものではない。
図194(a)において、遊技待機時(ベットなし)は、ステップS1061からステップS1064の間の処理をループする。
まず、ステップS1061では、エラー関連処理が実行される。この処理は、図194(b)に示す処理であり、エラーが発生したか否かを検知する処理である。具体的には、通路センサ46、投入センサ44、ホッパー35のオン/オフ、払出しセンサ37のエラーのチェック等である。
次のステップS1062では、精算処理が実行される。この処理は、精算スイッチ43が操作されたか否かを判断する処理である。精算スイッチ43からの信号入力処理は割込み処理によって実行される。精算スイッチ43が操作されると精算スイッチ43の立ち上がりデータが「1」となる。ステップS1062では精算スイッチ43の立ち上がりデータが「1」であるか否かを判断する。精算スイッチ43の立ち上がりデータが「1」であると判断したときは精算スイッチ43が操作されたと判断し、精算可能なメダルを有する場合には精算処理が実行される。
次のステップS1063では、メダル投入関連処理が実行される。この処理は、図180中、ステップS276のメダル管理処理に相当する。具体的には、投入センサ44の立ち上がりデータが「1」であるか否か、又はベットスイッチ40の立ち上がりデータが「1」であるか否かを判断し、「1」であると判断したときはベット処理を実行する。投入センサ44の信号入力処理、及びベットスイッチ40の信号入力処理は割込み処理によって実行される。
そして、ステップS1064では、スタートスイッチ41が操作されたか否かを判断する。この処理は、スタートスイッチ41の立ち上がりデータが「1」であるか否かを判断する処理である。スタートスイッチ41の信号入力処理は割込み処理によって実行される。
スタートスイッチ41が操作されたと判断したときはスタートスイッチ41操作後の処理(省略)に移行し、スタートスイッチ41が操作されていないと判断したときはステップS1061に戻る。このようにして、メダルが投入される前の遊技待機時は、ステップS1061~S1064をループする。
また、ステップS1061~S1064の処理は、ほとんどが第1領域に記憶されたプログラムの処理である。ステップS1061におけるエラー関連処理の一部(後述するステップS1072の異常値算出処理)が第2領域に記憶されたプログラムの処理となる。上述したように、遊技の進行に関係しない不正検知に係る処理のプログラムは第2領域に記憶されている。
図194(b)は、ステップS1061におけるエラー関連処理を示すフローチャートである。まず、ステップS1071では、割込み禁止処理を実行する。この処理は、上述したように「DI」命令に相当する。次にステップS1072に進み、異常値算出処理を実行する。異常値算出処理のプログラムは第2領域に記憶されている。この処理は、投入センサ44や払出しセンサ37の滞留時間のカウント等を行う処理である。
そして、異常値算出処理が終了すると、ステップS1073に進み、割込み許可処理を実行する。この処理は、ステップS1071で実行した割込み禁止を解除する処理であり、「EI」命令に相当する。このようにして、ステップS1072の異常値算出処理は、割込み処理を禁止して実行するので、異常値算出処理中に割込み処理が実行され、異常値が更新されてしまうことを防止している。次にステップS1074に進み、異常値検出処理を行う。この処理は、ステップS1072で算出した値が異常値であるか否かを判断する処理である。異常値であると判断されたときは、遊技の停止等、異常値検出時の処理を実行する。エラー関連処理のその他の処理については割愛する。
図194(c)は、遊技待機時(ベットなし)のメインループ処理中に実行される割込み処理を示すフローチャートであり、図184に示す処理を簡素化して示したものである。
まず、ステップS1201では、割込み禁止処理を実行する。この処理は、「DI」命令に相当する。次のステップS1202では、信号入力処理を実行する。この処理は、図184中、ステップS457における入力ポート読込み処理に相当するものであり、各種スイッチ(スタートスイッチ41等)及び各種センサ(投入センサ44等)の入力信号を読み込む処理である。その後、読み込んだ入力信号に基づいて、各種データ(レベルデータ、立ち上がりデータ、立ち下がりデータ)を生成し、RWM53の所定アドレスに記憶する。
次のステップS1203では、タイマ更新処理を実行する。この処理は、図184中、ステップS455のタイマ計測に相当する処理である。この処理は、メイン処理でセットした時間を減算等する処理である。具体的には、たとえば最小遊技時間(4.1秒)を経過したか否かの判断を行うタイマ値の更新等が挙げられる。
次のステップS1204における信号出力処理は、図184中、ステップS462のポート出力処理に相当する。この処理は、モータ32、ホッパーモータ36、ブロッカ45等の信号出力を行う。その後、ステップS1205に進み、割込み許可命令を行う。この処理は、「EI」命令に相当する。
以上のようにして、割込み処理では、第1領域のプログラム処理である信号入力、タイマ更新、信号出力を、割込み処理を禁止した状態で実行する。また、ステップS1205の割込み許可処理の後、ステップS1206に進み、エラーチェック処理を実行する。この処理は、図184中、ステップS463の入力エラーチェック(各種センサに異常がないか否かを判断する処理)に相当する。次にステップS1207に進み、役比モニタ処理を実行する。この処理は、図184中、ステップS960における比率表示準備に相当する。そして割込み処理を終了する。
以上の遊技待機時(ベットなし)の状態において、メインループ処理時間「M11」(ステップS1061~S1064の処理時間)を2倍した「M11×2」は、割込み間隔「T」(「1.18」ms)から割込み処理時間「I1」(ステップS1201~SS1207の処理時間)を引いた時間「T-I1」よりも短い時間となっている。
また、メインループ処理の割込み禁止時間「M12」(ステップS1071~S1073の処理時間)を考慮して、「M11×2」は、「T-I1-M12」よりも短い時間となっている。
さらにまた、メインループ処理の第1領域のプログラムの処理時間「M13」(ステップS1061(ステップS1071、S1073、S1074)、S1062、S1063、S1064の処理時間)は、メインループ処理の第2領域のプログラムの処理時間「M14」(ステップS1072の処理時間)よりも長い時間となっている。
さらには、「M11×2」は、「T1-I1-M12-M14」よりも短い時間となっている。
また、割込み不可中処理時間「I61」(ステップS1201~S1205の処理時間)(「DI」命令を実行する処理から「EI」命令を実行する処理までの時間。以下同じ。)は、割込み可能処理時間「I62」(ステップS1206~S1207の処理時間)よりも長い時間となっている。
図195(a)及び(b)は、ベット後遊技開始前のメインループ処理及び割込み処理を示すフローチャートである。
図195(a)では、図194(a)と異なり、ベット後(規定数投入後)であるため、図194(a)中、ステップS1063のメダル投入関連処理は実行しない。この状態のメイン処理では、スタートスイッチ41の操作を検知するまで、ステップS1061、ステップS1062及びステップS1064の処理をループする。これらのステップS1061、ステップS1062及びステップS1064の処理は、図194(a)と同じである。
また、ステップS1061のエラー関連処理についても、図194(b)と同じである。
さらにまた、図195(c)の割込み処理において、ステップS1207におけるランプ点灯処理は、ベットランプ40や遊技開始表示LED79dのダイナミック点灯に係る処理に相当し、図71のLED表示制御に相当する。その他は図194(c)と同様である。
以上のベット後遊技開始前の状態において、メインループ処理時間「M21」(ステップS1061、S1062、及びS1064の処理時間)を2倍した「M21×2」は、割込み間隔「T」から割込み処理時間「I2」を引いた時間「T-I2」よりも短い時間となっている。
また、メインループ処理の割込み禁止時間「M22」を考慮して、「M21×2」は、「T-I2-M22」よりも短い時間となっている。
さらにまた、メインループ処理の第1領域のプログラムの処理時間「M23」(ステップS1061(ステップS1071、S1073、S1074)、S1062、S1064の処理時間)は、メインループ処理の第2領域のプログラムの処理時間「M24」(ステップS1072の処理時間)よりも長い時間となっている。
さらには、「M21×2」は、「T-I2-M22-M24」よりも短い時間となっている。
また、割込み不可中処理時間「I61」(ステップS1201~S1207の処理時間)は、割込み可能処理時間「I62」(ステップS1206~S1207の処理時間)よりも長い時間となっている。
図196(a)及び(b)は、リール31の回転を開始した後、リール31が定速となった後、リール31の停止前のメインループ処理及び割込み処理を示すフローチャートである。
スタートスイッチ41が操作されると役抽選のための乱数が取得され、当選役が決定する。一方、スタートスイッチ41の操作に基づいてリール31の回転を開始し、リール31の回転が定速に到達すると、決定された当選役、及び操作されたストップスイッチ42に基づく停止テーブルの作成処理を行う。ステップS1091における停止位置作成処理は、この処理に相当する。次にステップS1092に進み、ストップスイッチ42が操作されたか否かを判断する。ストップスイッチ42が操作されたと判断されるまで、ステップS1091及びステップS1092のメインループ処理を実行する。なお、たとえば最初に左ストップスイッチが操作されると左リール31の停止処理を実行した後、ステップS1091に戻ると中及び右リール31用の停止位置を作成する。同様に、次に中ストップスイッチ42が操作されると中リール31の停止処理を実行した後、ステップS1091に戻ると右リール31用の停止位置を作成する。
また、このメインループ処理中に実行される割込み処理では、図194(c)に対し、ステップS1208の処理が異なる。割込み禁止命令によって割込み禁止状態となっているときに第1領域のプログラム処理が実行され、当該プログラム処理中にステップS1208の励磁関連処理を実行する。この処理はリール31を定速で回転させるためのモータ33の励磁処理(モータの駆動パルスの切替え等)に相当する。
以上のリール定速回転中かつリール停止前の状態において、メインループ処理時間「M31」(ステップS1091及びS1092の処理時間)を2倍した「M31×2」は、割込み間隔「T」から割込み処理時間「I3」を引いた時間「T-I3」よりも短い時間となっている。
また、メインループ処理の割込み禁止時間「M32」(実際には「0」ms)を考慮して、「M31×2」は、「T-I3-M32」よりも短い時間となっている。
さらにまた、メインループ処理の第1領域のプログラムの処理時間「M33」(ステップS1091及びS1092の処理時間)は、メインループ処理の第2領域のプログラムの処理時間「M42」(実際には「0」ms)よりも長い時間となっている。
さらには、「M31×2」は、「T-I3-M32-M34」よりも短い時間となっている。
また、割込み不可中処理時間「I61」(ステップS1201~S1205の処理時間)は、割込み可能処理時間「I62」(ステップS1206~S1207の処理時間)よりも長い時間となっている。
図197(a)及び(b)は、リール定速回転中かつ全リール停止前の状態のメインループ処理及び割込み処理を示すフローチャートである。
ステップS1091における停止テーブルの作成処理の後、ステップS1092では、ストップスイッチ42が操作されたか否かを判断し続ける。この処理は、回転中のリール31に対応するいずれかのストップスイッチ42の立ち上がりデータが「1」であるか否かを判断する処理である。ストップスイッチ42からの信号入力処理は割込み処理によって実行される。
ストップスイッチ42が操作されたと判断したときはステップS1093に進み、停止関連処理を実行する。この処理は、停止させるリール31を判断するフラグを作成し、当該リール31を減速させ、停止位置作成処理で作成された停止テーブルに従い図柄を停止表示させる処理である。次にステップS1094に進み、全リール31が停止したか否かを判断する。全リール31が停止したと判断したときは、図柄判定処理(図示せず)に移行し、全リール31が停止していないと判断したときはステップS1091に戻る。このようにして、ステップS1091~S1094をループする。
また、このメインループ処理中に実行される割込み処理は、図196(b)の割込み処理に対し、ステップS1209の停止関連処理が異なる。この処理は、リール31の駆動状態(定速、減速、停止)の切替え等を実行する処理である。
以上のリール定速回転中かつ全リール停止前の状態において、メインループ処理時間「M41」(ステップS1091~S1094の処理時間)を2倍した「M41×2」は、割込み間隔「T」から割込み処理時間「I4」を引いた時間「T-I4」よりも短い時間となっている。
また、メインループ処理の割込み禁止時間「M42」(実際には「0」ms)を考慮して、「M41×2」は、「T-I4-M42」よりも短い時間となっている。
さらにまた、メインループ処理の第1領域のプログラムの処理時間「M43」(ステップS1092~S1094の処理時間)は、メインループ処理の第2領域のプログラムの処理時間「M42」(実際には「0」ms)よりも長い時間となっている。
さらには、「M41×2」は、「T-I4-M42-M44」よりも短い時間となっている。
また、割込み不可中処理時間「I61」(ステップS1201~S1205の処理時間)は、割込み可能処理時間「I62」(ステップS1206~S1207の処理時間)よりも長い時間となっている。
図198(a)及び(b)は、全リール停止後の払出し処理時のメインループ処理を示すフローチャートであり、同図(c)は、その状態における割込み処理を示すフローチャートである。
図中(a)において、全リール31が停止した後、ステップS1111では、払出し関連処理が実行される。この処理は、停止表示した図柄を判定し、停止表示した図柄組合せに対応する払出し数を算出(決定)等する処理である。
次のステップS1112では、貯留装置加算処理を実行する。この処理は、クレジット数が上限値(「50」)未満であるときにクレジットへの加算を実行する処理である。次にステップS1113に進み、払出しが終了したか否かを判断する。払出しが終了した(全払出し数の払出し処理を終えた)と判断したときは本フローチャートを終了し、払出しが終了していないと判断したときはステップS1114に進む。ステップS1114では、貯留装置が最大となったか否か(クレジット数が「50」に到達したか否か)を判断する。貯留装置が最大となったと判断したときはステップS1115に進み、貯留装置が最大でないと判断したときはステップS1112に戻って貯留装置への加算を実行する。
ステップS1115では、払出し装置処理を実行する。この処理は、ホッパーモータ36を駆動して、実際にメダルを払出す処理である。次にステップS1116に進み、払出しが終了したか(全払出し数の払出し処理を終えたか)否かを判断する。払出しが終了したと判断したときは本フローチャートを終了し、払出しが終了していないと判断したときはステップS1115に戻って払出し装置処理を実行する。
図198(b)は、ステップS1115における払出し装置処理を示すフローチャートである。ステップS1121の払出し処理は、ホッパーモータ36を駆動して、メダルを1枚払い出す処理である。次にステップS1122に進み、割込み禁止処理(「DI」命令)を実行する。ステップS1122では、払出しセンサ37異常検出処理を実行する。この処理は、払出しセンサ37がメダルを通過するタイミングを監視し、設計の範囲内であるか否かを判断する処理である。この処理の後、ステップS1124に進み、割込み許可命令(「EI」命令)を実行する。このように、払出しセンサ異常処理は、割込み処理を禁止して実行する。払出しセンサ異常処理の途中で払出しセンサ37の入力信号が変化しないようにするためである。
また、このメインループ処理中に実行される割込み処理は、図194(c)の割込み処理に対し、ステップS1210の払出し関連処理が異なる。この処理は、ホッパーモータ36の励磁等に相当する。
以上の全リール停止後の払出し処理の状態において、メインループ処理時間「M51」(ステップS1112~S1116の処理時間)を2倍した「M51×2」は、割込み間隔「T」から割込み処理時間「I5」を引いた時間「T-I5」よりも短い時間となっている。
また、メインループ処理の割込み禁止時間「M52」(ステップS1122~S1124の処理時間)を考慮して、「M51×2」は、「T-I5-M52」よりも短い時間となっている。
さらにまた、メインループ処理の第1領域のプログラムの処理時間「M53」(ステップS1112~S1116の処理時間)は、メインループ処理の第2領域のプログラムの処理時間「M54」(実際には「0」ms)よりも長い時間となっている。
さらには、「M51×2」は、「T-I5-M52-M54」よりも短い時間となっている。
また、割込み不可中処理時間「I61」(ステップS1201~S1205の処理時間)は、割込み可能処理時間「I62」(ステップS1206~S1207の処理時間)よりも長い時間となっている。
続いて、第12実施形態におけるプログラム処理時間の効率化について説明する。
上述した例では、割込み処理内において割込み禁止命令(「DI」命令)及び割込み許可命令(「EI」命令)を使用した。これに対し、以下に示す例では、割込み処理内において割込み禁止命令(「DI」命令)及び割込み許可命令(「EI」命令)を使用しない。割込み禁止命令(「DI」命令)及び割込み許可命令(「EI」命令)は、いずれも数バイトを必要とするプログラムである。したがって、これらの命令を用いなければ、割込み処理の記憶容量を減らすことができる。また、割込み禁止命令(「DI」命令)及び割込み許可命令(「EI」命令)を用いないことで、割込み処理時間を短縮する(割込み処理を高速化する)ことができる。
図199(a)は、メイン処理において、メダル投入から役抽選までの処理の流れを示すフローチャートであり、同図(b)は、このメイン処理中に実行される割込み処理を示すフローチャートである。
ステップS1131で規定数のメダルが投入されると、次のステップS1132では精算スイッチ43が操作されたか否かが判断される。次に、ステップS1133ではスタートスイッチ41が操作されたか否かが判断される。スタートスイッチ41が操作されていないと判断したときはステップS1132に戻り、スタートスイッチ41が操作されたと判断したときはステップS1134に進む。
規定数のメダルが投入された後、精算スイッチ43が操作されたか否か及びスタートスイッチ41が操作されたか否かを判断するメインループ処理の最短処理時間は「T1」(理論値又は実測値)であり、最長処理時間は「T2」(理論値又は実測値)である。また、このメインループ処理のプログラム容量は「P1」であるものとする。
ステップS1133でスタートスイッチ41が操作されたと判断されると、ステップS1134に進み、割込み禁止命令(「DI」命令)を実行する。次にステップS1135に進み、役抽選手段(内部抽せん手段)61は役抽選用の乱数を取得する。その後、ステップS1135に進み、割込み許可命令(「EI」命令)を実行する。このように、役抽選用の乱数を取得する場合には、割込み処理を禁止して実行する。
割込み許可命令の後、ステップS1137に進み、取得した乱数に基づいて役抽選(当選判定)を実行する。
ここで、スタートスイッチ41が操作されたか否かの判断時には、割込み許可状態となっている(換言すれば、割込み禁止命令を使用していない)。これに対し、役抽選用乱数取得時は、割込み禁止命令を使用して割込み禁止状態となっている。
また、ステップS1134~S1136に要する処理時間「T3」(理論値又は実測値)は、上述した処理時間「T1」及び「T2」よりも短い。また、ステップS1134~S1136のプログラム容量「P2」は、上記のプログラム容量「P1」よりも小さい。
また、図199(b)に示すように、この例での割込み処理(以下の図200(b)~図207(b)も同じ)は、割込み禁止命令(「DI」)を使用しないことを特徴としている。具体的には、割込み禁止命令を使用していない状態でスタートスイッチ41他の信号入力(取得)処理を実行している。割込み禁止命令(及びその後の割込み許可命令(「EI」命令))を使用しないことにより、割込み処理時間を担保し、割込み処理のプログラム容量を少なくし、かつ、割込み処理時間を短縮することができる。割込み処理時間を短縮できれば、いわゆる処理落ち(一の割込み処理において全ての処理を完了する前に、次回の割込み処理のタイミングが到来してしまうこと)の可能性を低くすることができる。
また、割込み処理においては、ステップS1301におけるスタートスイッチ41等の信号入力処理の後、ステップS1302においてタイマ更新処理を実行している。図示しないが、タイマとしては複数種類設けられているので、ステップS1301の信号入力処理よりもステップS1302のタイマ更新処理時間の方が長くなる。したがって、信号入力処理を先に実行することで、信号入力処理の間隔(信号取得間隔)を極力一定にすることができる。
図200は、リール31の回転開始からストップスイッチ42が操作されるまでのメイン処理と、その間に実行される割込み処理とを示すフローチャートである。
図199(a)のメイン処理において、ステップS1137で役抽選が実行された後、図200(a)の処理に進む。リール31は、駆動状態に応じて、加速フラグ、定速フラグ、減速フラグ、停止フラグがセットされる。ここで、加速フラグをセットする際には割込み処理を禁止して実行する。このため、ステップS1141では割込み禁止命令(「DI」命令)を実行する。次にステップS1142に進み、リール回転加速状態(加速フラグ)をセットする。その後、ステップS1143に進んで割込み許可命令(「EI」命令)を実行する。
また、リール31の加速が終了すると、次に定速フラグをセットする。ステップS1144ではリール31の回転定速状態(定速フラグ)をセットする。リール31の定速状態をセットする処理が実行される時点では、割込み禁止命令は実行されていない。すなわち、割込み許状態において定速フラグがセットされる。
次に、リール31のインデックスを通過したか否かの判断が実行される。インデックスが通過したか否か(インデックス信号の入力があったか否か)の判断は、割込み処理を禁止して実行される。このため、ステップS1145において割込み禁止命令(「DI」命令)を実行し、次のステップS1146においてインデックスの通過判断を実行する。なお、このインデックスの通過判断は、全リール31一度に判断を行う。その後、ステップS1147において割込み許可命令(「EI」命令)を実行する。
ステップS1148では、ストップスイッチ42が操作されたか否かを判断する。ステップS1148においてストップスイッチ42が操作されていないと判断したときはステップS1145以前の処理に戻り、ストップスイッチ42が操作されたと判断したときはステップS1149に進む。
ストップスイッチ42が操作されたと判断したときはステップS1150において停止受付けセットを実行する。この処理は、どの位置でリール31を停止させるかを決定し、その停止位置を記憶する処理である。また、ステップS1150の停止受付けセットは、割込み処理を禁止して実行する。このため、ステップS1148からステップS1149に進むと割込み禁止命令(「DI」命令)を実行した後、ステップS1150において停止受付けセットを実行する。その後の、ステップS1151において割込み許可命令(「EI」命令)を実行する。
さらに、次のステップS1152では、停止テーブルをセット(選択)する。さらに次のステップS1153においてリール31の回転減速状態(減速フラグ)をセットする。リール31の減速状態をセットする処理が実行される時点では、割込み禁止命令は実行されていない。すなわち、割込み許状態において減速フラグがセットされる。
以上のようにして、リール31の定速状態のセット(ステップS1144)、及び減速状態のセット(ステップS1153)の各処理は、割込み処理が許可された状態で実行される。これに対し、リール31の加速状態のセット(ステップS1142)、インデックスの通過判断(ステップS1146)、及び停止受付けセット(ステップS1150)は、割込み禁止命令を使用して割込み禁止状態で実行する。
また、図200(b)に示すように、リール31の回転開始からストップスイッチ42が操作されるまでの割込み処理では、ステップS1303におけるインデックス信号の入力処理及び停止信号の入力処理や、ステップS1302におけるタイマ更新処理が実行されるが、これらの処理は、割込み禁止命令を使用していない状態で実行される。
続いて、各メイン処理及び割込み処理と、各種LED(図57(A)中、遊技開始表示LED79d、投入表示LED79e、及びリプレイ表示LED79f)の点灯/消灯状態との関係について説明する。
なお、第12実施形態では、図54、及び図59~図61(第2実施形態)で説明したように、使用領域のLED表示カウンタ1(_CT_LED_DSP1)を備え、セグメント1A~1G及び1Pに対し、「5」割込み周期のダイナミック点灯を実行するものとする。
また、図61(A)に示すように、遊技開始表示LED79d、投入表示LED79e、及びリプレイ表示LED79fは、セグメント1Pに割り当てられているものとし、割込み処理ごと(割込み周期T=「1.18」ms)に、LED表示制御(I_LED_OUT )において、出力ポート3からデジット信号を出力し、かつ、出力ポート4からセグメント信号を出力するものとする(図71中、ステップS2846参照)。そして、図59に示すように、出力ポート4の「D7」ビット(セグメント1P信号)が遊技開始表示LED79d、投入表示LED79e、及びリプレイ表示LED79fの点灯/消灯信号に相当する。
さらに、図54(第2実施形態)で示したように、RWM53の使用領域中、アドレス「F044H」に状態表示LED点灯データの記憶領域が設けられており、「D0」ビットに遊技開始表示LED79d、「D1」ビットに投入表示LED79e、「D2」ビットにリプレイ表示LED79fの点灯データ記憶領域が割り当てられているものとする。
図201(a)及び(b)は、規定数のメダルが投入されてからスタートスイッチが操作された直後までのメイン処理の流れと、その処理間の割込み処理の流れとを示すフローチャートである。
図中(a)において、ステップS1161で規定数のメダルが投入された後、ステップS1162ではスタートスイッチ41が操作されたか否かを判断し続ける。スタートスイッチ41が操作されたか否かの判断時では、割込み禁止命令は実行されておらず、割込み許可状態である。一方、ステップS1161において規定数のメダルが投入されると、その後、遊技開始表示LE79dの点灯処理が実行され、遊技開始表示LED79dが点灯状態となる。
規定数のメダルが投入されると、図54のアドレス「F044H」の状態表示点灯データ中、「D0」ビットを「1」にする処理(遊技開始表示LED点灯準備セット)が実行される。その後、LED表示カウンタ1が「00000001B」となった割込み処理のタイミングにおいて、出力ポート4から「D7」ビットが「1」である信号(セグメント1Pの点灯信号)が出力される。これにより、その後、遊技開始表示LED79dが点灯状態となる。
なお、図71のステップS2846において出力ポート4から「D7」ビットが「1」である信号が出力されると、その瞬間に遊技開始表示LED79dの点灯が目視により視認可能になるわけではなく、時間経過とともに、消灯状態から徐々に点灯状態に切り替わる。たとえば、消灯状態から点灯状態に至るまで、約数ms程度を要する。
ステップS1162においてスタートスイッチ41が操作されるとステップS1163に進み、遊技開始表示LED79dの消灯準備セット処理が実行される。この処理は、図54のアドレス「F044H」の状態表示点灯データ中、「D0」ビットを「0」にする処理である。
以上のスタートスイッチ41が操作されたか否かの判断(ステップS1162)や、遊技開始表示LED79dの消灯準備セット処理(ステップS1163)は、割込み禁止命令が実行されていない状態、すなわち割込み許可状態において実行される。
また、遊技開始表示LED79dの消灯準備セット処理が実行された後、割込み処理が実行され、かつ、LED表示カウンタ1が「00000001B」となった割込み処理のタイミングにおいて、出力ポート4から「D7」ビットが「0」である信号(セグメント1Pの消灯信号)が出力される。その後に遊技開始表示LED79dが消灯状態となる。よって、ステップS1163の処理の終了直後は、遊技開始表示LED79dはまだ点灯状態を維持している。
さらに、ステップS1163の遊技開始表示LED79dの消灯準備セット処理の実行後に、ステップS1164に進み、割込み禁止命令(「DI」命令)を実行し、その後にステップS1165に進んでリール回転加速状態(加速フラグ)をセットする。その後、ステップS1166で割込み許可命令(「EI」)を実行する。
このように、遊技開始表示LED79dの消灯準備セット処理は、リール回転加速状態のセット処理よりも前に実行する。
また、図201(b)に示すように、上記メイン処理の実行中において実行される割込み処理では、割込み禁止命令(「DI」命令)が実行されていない状態で各処理が実行される。そして、LED表示カウンタ1が「00000001B」となった割込み処理のタイミングでは、ステップS1305に示すように、遊技開始表示LEDの消灯信号出力処理が実行される。この処理は、出力ポート4から「D7」ビットが「0」である信号(セグメント1Pの消灯信号)が出力される。その後に遊技開始表示LED79dが消灯状態となる。よって、ステップS1305を実行した割込み処理の終了時点では、遊技開始表示LED79dは、目視により点灯が可能な状態であり、その後に遊技開始表示LED79dが消灯状態となる。
図202(a)及び(b)は、規定数のメダルが投入された後、精算スイッチ43が操作された場合のメイン処理の流れと、その処理間の割込み処理の流れとを示すフローチャートである。
図中(a)において、ステップS1161で規定数のメダルが投入された後、スタートスイッチ41が操作されるまでの間は、ステップS1167において精算スイッチ43が操作されたか否かを判断し続ける。また、ステップS1167において精算スイッチ43が操作されたと判断されると、その後、遊技開始表示LE79dの消灯処理が実行され、遊技開始表示LED79dが消灯状態となる。
ステップS1167において精算スイッチ43が操作されたと判断されると、ステップS1168に進み、図54のアドレス「F044H」の状態表示点灯データ中、「D0」ビットを「0」にする処理(遊技開始表示LED消灯準備セット)が実行される。
上記の精算スイッチ43が操作されたか否かの判断(ステップS1167)、及び遊技開始表示LED79dの消灯準備セット処理(ステップS1168)は、割込み禁止命令が実行されていない状態、すなわち割込み許可状態において実行される。
そして、遊技開始表示LED79dの消灯準備セット処理後にステップS1169に進み、精算処理が実行される。
遊技開始表示LED79dの消灯準備セット処理の後に、LED表示カウンタ1が「00000001B」となった割込み処理のタイミングにおいて、出力ポート4から「D7」ビットが「0」である信号(セグメント1Pの消灯信号)が出力される。これにより、その後、遊技開始表示LED79dが消灯状態となる。したがって、ステップS1168の処理の終了直後は、遊技開始表示LED79dはまだ点灯状態を維持している。
なお、それまで、出力ポート4から「D7」ビットが「1」である信号が出力されていた場合において、遊技開始表示LED79dの消灯準備セット処理が実行された後、出力ポート4から「D7」ビットが「0」である信号が出力されると、その瞬間に遊技開始表示LED79dの消灯が目視可能となるわけではなく、時間経過とともに、点灯状態から徐々に消灯状態に切り替わる。たとえば、点灯状態から消灯状態に至るまで、約数ms程度を要する。
また、図202(b)に示すように、上記メイン処理の実行中において実行される割込み処理では、割込み禁止命令(「DI」命令)が実行されていない状態で各処理が実行される。ステップS1306において精算スイッチ43の立ち上がり信号が「1」になると、当該割込み処理の終了後のメイン処理において、ステップS1167で精算スイッチ43が操作されたと判断される。その後に割込み処理が実行され、LED表示カウンタ1が「00000001B」となった割込み処理のタイミングでは、ステップS1307に示すように、遊技開始表示LEDの消灯信号出力処理が実行される。この処理は、出力ポート4から「D7」ビットが「0」である信号(セグメント1Pの消灯信号)が出力される。その後に遊技開始表示LED79dが消灯状態となる。よって、ステップS1307を実行した割込み処理の終了時点では、遊技開始表示LED79dは、目視により点灯が可能な状態であり、その後、遊技開始表示LED79dが消灯状態となる。
図203(a)及び(b)は、規定数のメダルが投入された後、異常状態(復帰可能エラー状態)が発生した場合のメイン処理の流れと、その処理間の割込み処理の流れとを示すフローチャートである。
図中(a)において、ステップS1161で規定数のメダルが投入された後、異常状態が発生したものとする。ここで、異常状態が発生した時点では、遊技開始表示LED79が点灯状態であるものとする。
ステップS1161において規定数のメダルが投入された後、スタートスイッチ41の操作前は、ステップS1171において異常状態を検知したか否かを判断し続ける。異常状態を検知したと判断したときはステップS1172に進む。
ステップS1172では、遊技開始表示LED79dの消灯準備セット処理が実行される。この処理は、図54のアドレス「F044H」の状態表示点灯データ中、「D0」ビットを「0」にする処理である。
なお、上記の異常状態が発生したか否かの判断(ステップS1171)や、遊技開始表示LED79dの消灯準備セット処理(ステップS1172)は、割込み禁止命令が実行されていない状態、すなわち割込み許可状態において実行される。
さらに、ステップS1172の遊技開始表示LED79dの消灯準備セット処理の後に、ステップS1173に進んで異常状態検知時の遊技停止セット処理を実行する。
また、遊技開始表示LED79dの消灯準備セット処理が実行された後、割込み処理が実行され、かつ、LED表示カウンタ1が「00000001B」となった割込み処理のタイミングにおいて、出力ポート4から「D7」ビットが「0」である信号(セグメント1Pの消灯信号)が出力される。そして、その後に遊技開始表示LED79dが消灯状態となる。よって、ステップS1172の処理の終了直後は、遊技開始表示LED79dはまだ点灯状態を維持している。
また、図203(b)に示すように、上記メイン処理の実行中において実行される割込み処理では、割込み禁止命令(「DI」命令)が実行されていない状態で各処理が実行される。そして、LED表示カウンタ1が「00000001B」となった割込み処理のタイミングでは、ステップS1308に示すように、遊技開始表示LEDの消灯信号出力処理が実行される。この処理は、出力ポート4から「D7」ビットが「0」である信号(セグメント1Pの消灯信号)が出力される。その後に遊技開始表示LED79dが消灯状態となる。よって、ステップS1308を実行した割込み処理の終了時点では、遊技開始表示LED79dは、目視により点灯が可能な状態であり、その後、遊技開始表示LED79dが消灯状態となる。出力ポート4から「D7」ビットが「0」である信号が出力された後、時間経過とともに、点灯状態から徐々に消灯状態に切り替わる。たとえば、点灯状態から消灯状態に至るまで、約数ms程度を要する。
図204(a)及び(b)は、リプレイ作動図柄(リプレイに対応する図柄組合せ)が停止表示する場合のメイン処理の流れと、その間の割込み処理の流れとを示すフローチャートである。この例では、遊技開始時にリプレイに当選し、リプレイ作動図柄が停止するものとする。
ステップS1181では、全リール31が停止したか否かを判断し続ける。全リール31が停止したと判断されたときはステップS1182に進み、入賞判定処理が実行される。この処理においてリプレイ作動図柄が停止したと判断される。
次にステップS1183に進み、リプレイ表示LED79fの点灯準備処理をセットする。この処理は、図54のアドレス「F044H」の状態表示点灯データ中、「D2」ビットを「1」にする処理である。
なお、上記のリプレイ表示LED79fの点灯準備セット処理は、割込み禁止命令が実行されていない状態、すなわち割込み許可状態において実行される。
また、リプレイ表示LED79fの点灯準備セット処理が実行された後、割込み処理が実行され、かつ、LED表示カウンタ1が「00000100B」となった割込み処理のタイミング(図61(A)参照)において、出力ポート4から「D7」ビットが「1」である信号(セグメント1Pの点灯信号)が出力される。その後にリプレイ表示LED79fが点灯状態となる。よって、ステップS1183の処理の終了直後は、リプレイ表示LED79fはまだ消灯状態である。
そして、ステップS1183のリプレイ表示LED79fの点灯準備セット処理の後、ステップS1184に進んで精算スイッチ43が操作されたか否かを判断する。精算スイッチ43が操作されたと判断したときはステップS1169に進み、精算処理を実行する。
また、図204(b)に示すように、上記メイン処理の実行中において実行される割込み処理では、割込み禁止命令(「DI」命令)が実行されていない状態で各処理が実行される。そして、LED表示カウンタ1が「00000100B」となった割込み処理のタイミングでは、ステップS1310に示すように、リプレイ表示LED79fの点灯信号出力処理が実行される。この処理は、出力ポート4から「D7」ビットが「1」である信号(セグメント1Pの点灯信号)が出力される。その後にリプレイ表示LED79fが点灯状態となる。よって、ステップS1310を実行した割込み処理の終了時点では、リプレイ表示LED79fは、目視では消灯している状態であり、その後にリプレイ表示LED79fが点灯状態となる。ここで、出力ポート4から「D7」ビットが「1」である信号が出力されると、その瞬間にリプレイ表示LED79fの点灯が目視可能となるわけではなく、時間経過とともに、消灯状態から徐々に点灯状態に切り替わる。たとえば、消灯状態から点灯状態に至るまで、約数ms程度を要する。
また、ステップS1309において精算スイッチ43の信号入力処理が実行される。ここで精算スイッチ43の立ち上がりデータが「1」となったときは、ステップS1184において精算スイッチ43が操作されたと判断される。
図205(a)及び(b)は、リプレイ作動図柄が停止表示した遊技の次回遊技でのメイン処理の流れと、その間の割込み処理の流れとを示すフローチャートである。この例において、リプレイ作動図柄が停止表示した遊技の次回遊技ではリプレイに当選しない(リプレイ作動図柄が停止表示しない)ものとする。
ステップS1181では、全リール31が停止したか否かを判断し続ける。全リール31が停止したと判断されたときはステップS1182に進み、入賞判定処理が実行される。この処理では、リプレイ作動図柄が停止表示していないと判断される。
次にステップS1185に進み、リプレイ表示LED79fの消灯準備処理をセットする。この処理は、図54のアドレス「F044H」の状態表示点灯データ中、「D2」ビットを「0」にする処理である。
ここで、ステップS1185におけるリプレイ表示LED79fの消灯準備セット処理は、割込み禁止命令が実行されていない状態、すなわち割込み許可状態において実行される。
また、リプレイ表示LED79fの消灯準備セット処理が実行された後、割込み処理が実行され、かつ、LED表示カウンタ1が「00000100B」となった割込み処理のタイミングにおいて、出力ポート4から「D7」ビットが「0」である信号(セグメント1Pの消灯信号)が出力される。その後にリプレイ表示LED79fが消灯状態となる。よって、ステップS1185の処理の終了直後は、リプレイ表示LED79fはまだ点灯状態である。
また、図205(b)に示すように、上記メイン処理の実行中において実行される割込み処理では、割込み禁止命令(「DI」命令)が実行されていない状態で各処理が実行される。そして、LED表示カウンタ1が「00000100B」となった割込み処理のタイミングでは、ステップS1312に示すように、リプレイ表示LED79fの消灯信号出力処理が実行される。この処理は、出力ポート4から「D7」ビットが「0」である信号(セグメント1Pの消灯信号)が出力される。その後にリプレイ表示LED79fが消灯状態となる。よって、ステップS1312を実行した割込み処理の終了時点では、リプレイ表示LED79fは、目視ではいまだ点灯している状態であり、その後にリプレイ表示LED79fが消灯状態となる。ここで、出力ポート4から「D7」ビットが「0」である信号が出力されると、その瞬間にリプレイ表示LED79fの消灯が目視可能となるわけではなく、時間経過とともに、点灯状態から徐々に消灯状態に切り替わる。たとえば、点灯状態から消灯状態に至るまで、約数ms程度を要する。
図206(a)及び(b)は、全リール31の停止後に投入表示LED79eの点灯処理を実行する過程におけるメイン処理の流れと、その間の割込み処理の流れとを示すフローチャートである。
ステップS1181では、全リール31が停止したか否かを判断し続ける。全リール31が停止したと判断されたときはステップS1182に進み、入賞判定処理が実行される。なお、ここではリプレイ作動図柄は停止表示しないものとする。
次にステップS1186に進み、精算スイッチ43が操作されたか否かを判断する。精算スイッチ43が操作されたと判断したときは精算処理に移行する。精算スイッチ43が操作されたか否かの判断を実行した後にステップS1187に進み、投入表示LED79eの点灯準備処理をセットする。この処理は、図54のアドレス「F044H」の状態表示点灯データ中、「D1」ビットを「1」にする処理である。
なお、上記の投入表示LED79eの点灯準備セット処理は、割込み禁止命令が実行されていない状態、すなわち割込み許可状態において実行される。
また、投入表示LED79eの点灯準備セット処理が実行された後、割込み処理が実行され、かつ、LED表示カウンタ1が「00000010B」となった割込み処理のタイミング(図61(A)参照)において、出力ポート4から「D7」ビットが「1」である信号(セグメント1Pの点灯信号)が出力される。その後に投入表示LED79eが点灯状態となる。よって、ステップS1187の処理の終了直後は、投入表示LED79eはまだ消灯状態である。
また、図206(b)に示すように、上記メイン処理の実行中において実行される割込み処理では、割込み禁止命令(「DI」命令)が実行されていない状態で各処理が実行される。そして、LED表示カウンタ1が「00000010B」となった割込み処理のタイミングでは、ステップS1314に示すように、投入表示LED79eの点灯信号出力処理が実行される。この処理は、出力ポート4から「D7」ビットが「1」である信号(セグメント1Pの点灯信号)が出力される。その後に投入表示LED79eが点灯状態となる。よって、ステップS1314を実行した割込み処理の終了時点では、投入表示LED79eは、目視では消灯している状態であり、その後に投入表示LED79eが点灯する。ここで、出力ポート4から「D7」ビットが「1」である信号が出力されると、その瞬間に投入表示LED79eの点灯が目視可能となるわけではなく、時間経過とともに、消灯状態から徐々に点灯状態に切り替わる。たとえば、消灯状態から点灯状態に至るまで、約数ms程度を要する。
また、ステップS1313において精算スイッチ43の信号入力処理が実行される。ここで精算スイッチ43の立ち上がりデータが「1」となったときは、ステップS1186において精算スイッチ43が操作されたと判断される。
図207(a)及び(b)は、規定数のメダルが投入された後、投入表示LED79eの消灯処理を実行する過程におけるメイン処理の流れと、その間の割込み処理の流れとを示すフローチャートである。
図中(a)において、ステップS1161で規定数のメダルが投入された後、ステップS1188に進み、投入表示LED79eの消灯準備セット処理が実行される。この処理は、図54のアドレス「F044H」の状態表示点灯データ中、「D1」ビットを「0」にする処理である。また、投入表示LED79eの消灯準備セット処理は、割込み禁止命令が実行されていない状態、すなわち割込み許可状態において実行される。
さらにまた、投入表示LED79eの消灯準備セット処理が実行された後、割込み処理が実行され、かつ、LED表示カウンタ1が「00000010B」となった割込み処理のタイミング(図61(A)参照)において、出力ポート4から「D7」ビットが「0」である信号(セグメント1Pの消灯信号)が出力される。その後に投入表示LED79eが消灯状態となる。よって、ステップS1187の処理の終了直後は、投入表示LED79eはまだ点灯状態を維持している。
また、図207(b)に示すように、上記メイン処理の実行中において実行される割込み処理では、割込み禁止命令(「DI」命令)が実行されていない状態で各処理が実行される。そして、LED表示カウンタ1が「00000010B」となった割込み処理のタイミングでは、ステップS1316に示すように、投入表示LEDの消灯信号出力処理が実行される。この処理は、出力ポート4から「D7」ビットが「0」である信号(セグメント1Pの消灯信号)が出力される。その後に投入表示LED79eが消灯状態となる。よって、ステップS1316を実行した割込み処理の終了時点では、投入表示LED79eは、目視により点灯が可能な状態であり、その後、投入表示LED79eが消灯状態となる。ここで、出力ポート4から「D7」ビットが「0」である信号が出力されると、その瞬間に投入表示LED79eの消灯が目視可能となるわけではなく、時間経過とともに、点灯状態から徐々に消灯状態に切り替わる。たとえば、点灯状態から消灯状態に至るまで、約数ms程度を要する。
以上、本発明の第12実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されることなく、たとえば以下のような種々の変形が可能である。
(1)図190及び図191では、ユーザーモードの開始プログラムから通常遊技処理(メイン処理)の開始までに、複数回のジャンプ命令を使用したが、ジャンプ命令は、複数回すなわち2つ以上使用すればよい。もちろん、ジャンプ命令を1回だけ使用した場合であっても、ユーザーモードの開始プログラムから通常遊技処理の開始までに全くジャンプ命令を使用しない場合よりは不正プログラムの作動を制限することが可能である。しかし、ユーザーモードの開始プログラムから通常遊技処理の開始までにジャンプ命令を複数回使用することによって、不正プログラムをより作動しにくくすることができる。
(2)図192(a)において、第3領域のいずれかのアドレスを呼び出す場合にはすべて「CALLF」命令を使用してもよいが、「CALL」命令を使用することも可能である。
また、第1領域から第2領域のプログラムを呼び出す場合にはすべて「CALLEX」命令を使用してもよいが、「CALL」命令を使用することも可能である。「CALL」命令を使用して第2領域のプログラムを呼び出した場合には、第1領域のプログラムに戻る場合には「RET」命令を使用する。
(3)図192(b)において、第4領域の空き領域にはすべて「00H」を記憶したが、不正プログラムを埋め込み不可能となる範囲において一部にのみ「00H」を記憶することも可能である。
一方、第4領域以外の領域(第3領域、第1領域、第2領域)の少なくとも一部についても、不正プログラムが埋め込まれるおそれのあるアドレスについては「00H」を記憶することも可能である。
(4)図193において示した平均処理時間(理論値又は実測値の平均値)は、一例であり、これに限られるものではない。たとえば第12実施形態では割込み時間間隔「T」を「1.18」msとしたが、第2実施形態で示したように「1.18」ms以外の時間の場合もあり得る。この場合には、割込み処理時間は図193に示した処理時間とは異なってもよく、それに基づいて、メインループ処理時間、メインループ割込み禁止時間、第1領域処理時間、第2領域処理時間も異なってくる。
(5)図193において、第1領域処理時間や第2領域処理時間は一例である。たとえば「遊技待機時(ベットなし)」の状態では第2領域処理時間として「エラー関連処理時間」を例示したが、これに限らず、遊技機の仕様等によっては、第2領域処理時間として他の処理が含まれる場合もあり得るし、あるいは、第2領域処理時間として「エラー関連処理時間」を有さない場合もあり得る。他の状態についても同様である。
また、たとえば「リール定速中リール停止前」の状態では、第2領域処理時間(M34)は「0」msとしたが、これに限らず、遊技機の仕様等によっては、第2領域処理時間に何らかの理が含まれる場合もあり得る。
(6)図194~図207で示したフローチャートでは、「(省略)」及び「以下省略」と記載して処理を省略したが、これらの記載がない箇所は処理を省略していないという意味ではない。たとえば図194(a)において、ステップS1062とS1063の間には一切他の処理がないといういみではなく、実際にはいくつかの処理を有するが、処理を割愛しているだけである。もちろん、処理間に他の処理を有さない場合もあり得る。
(7)遊技開始表示LED79d、投入表示LED79e、リプレイ表示LED79fは、「5」割込みごとのダイナミック点灯を実行する例を示したが、何割込みごとにダイナミック点灯するかは任意に設定できる。また、これらの状態表示LED79をダイナミック点灯させずにスタティック点灯させることも可能である。
この場合には、たとえば図204において、ステップS1183でリプレイ表示LED79fの点灯準備処理セットが実行されると、その後の最初の割込み処理においてステップS1310で点灯信号出力処理が実行される。ただし、この場合にも、ステップS1310で点灯信号出力処理が実行された直後からリプレイ表示LED79fの点灯が目視可能になることはなく、当該割込み処理の終了後、数msを経て点灯の目視が可能な状態となる。
(8)第12実施形態は、従来のスロットマシンに限らず、たとえば遊技媒体として遊技球を用いるパロット(新回胴とも称される。)や、物理的なメダルを用いずに電子メダルを用いるメダルレス遊技機(スマートパチスロ)や、カジノマシンにも本発明を適用することができる。
さらに、図190及び図191に示したジャンプ命令に関する発明、図192(a)に示した呼出し命令に関する発明、並びに192(b)に示した空き領域に関する発明は、スロットマシンに限らず、ぱちんこ遊技機に対しても適用することができる。
(9)第12実施形態は、単独で実施されることに限らず、第1実施形態~第11実施形態の少なくとも一部と適宜組み合わせて実施することが可能である。
<付記>
本願の当初明細書等に記載した発明(当初発明)は、たとえば以下の当初発明1~当初発明14を挙げることができる。なお、かっこ書きで、対応する実施形態の符号を示す。
1.当初発明1
当初発明1(第12実施形態)は、
電源投入後、ユーザーモードのプログラムを開始(図191中、ステップS900)した後、通常遊技処理(図180のメイン処理)に移行可能とし、
ユーザーモードのプログラムを開始してから条件により分岐する処理を行うより前に条件にかかわらず1バイト以上離れたアドレスを指定したジャンプ命令を通常遊技処理に移行するまでに、少なくとも複数回使用する(図190、図191)
ことを特徴とする。
当初発明1によれば、ユーザーモードのプログラムを開始してから通常遊技処理に移行するまでに複数回のジャンプ命令を有するので、ユーザーモードのプログラムの開始から通常遊技処理に至るまでの不正プログラムが埋め込まれていても、不正プログラムを飛ばす等することで、不正プログラムを動作しにくくすることが可能となる。
2.当初発明2
当初発明2(第12実施形態)は、
メイン処理(図194(a)、(b))と割込み処理(図194(c))とを備え、
メイン処理は、遊技待機状態(遊技媒体(メダル)がベットされていない状態を指す。)においてループ処理(ステップS1061~S1064)を実行可能とし、
ループ処理は、遊技待機状態において少なくとも遊技媒体の投入(ベット)を判断する処理(ステップS1063)を含めて複数回実行されるように構成されており、
1回のループ処理の平均処理時間をM(M11)とし、
割込み処理の割込み時間間隔をTとし、
割込み処理の平均処理時間をI(I1)としたとき、
(T-I)>(M×2)
を満たすように構成されている(図194)
ことを特徴とする。
当初発明2によれば、メイン処理のループ処理を複数回実行することによりプログラムの安定を図ることが可能となる。
3.当初発明3
当初発明3(第12実施形態)は、
メイン処理(図194(a)、(b))と割込み処理(図194(c))とを備え、
メイン処理は、遊技待機状態(遊技媒体(メダル)がベットされていない状態を指す。)においてループ処理(ステップS1061~S1064)を実行可能とし、
ループ処理は、遊技待機状態において少なくとも遊技媒体の投入(ベット)を判断する処理(ステップS1063)を含めて複数回実行されるように構成されており、
1回のループ処理の平均処理時間をM(M11)とし、
1回のループ処理において割込み処理を禁止して処理を行う平均処理時間をM’(M12)とし、
割込み処理の割込み時間間隔をTとし、
割込み処理の平均処理時間をI(I1)としたとき、
(T-I-M’)>(M×2)
を満たすように構成されている(図194)
ことを特徴とする。
当初発明3によれば、メイン処理のループ処理を複数回実行することによりプログラムの安定を図ることが可能となる。
4.当初発明4
当初発明4(第12実施形態)は、
割込み処理(たとえば図194(c))を備え、
割込み処理の平均処理時間をIa(I1)とし、
割込み処理中において割込み処理が不可となっている場合に行う処理の平均処理時間をIb(I61)とし、
割込み処理中において割込み処理が可能となっている場合に行う処理の平均処理時間をIc(I62)としたとき、
Ib>Ic
Ic>0
を満たすように構成されている(図194)
ことを特徴とする。
当初発明4によれば、割込み処理中に割込み許可状態をできるだけ増やすことができる。
5.当初発明5
当初発明5(第12実施形態)は、
メイン処理(図194(a)、(b))と割込み処理(図194(c))とを備え、
メイン処理は、遊技待機状態(遊技媒体(メダル)がベットされていない状態を指す。)においてループ処理(ステップS1061~S1064)を実行可能とし、
ループ処理は、遊技待機状態において少なくとも遊技媒体の投入(ベット)を判断する処理(ステップS1063)を含めて複数回実行されるように構成されており、
1回のループ処理の平均処理時間をM(M11)とし、
1回のループ処理において割込み処理を禁止して処理を行う平均処理時間をM’(M12)とし、
1回のループ処理において遊技の進行に関係しない処理の平均処理時間をm(M14)とし、
割込み処理の割込み時時間間隔をTとし、
割込み処理の平均処理時間をI(I1)としたとき、
(T-I-M’-m)>(M×2)
を満たすように構成されている(図194)
ことを特徴とする。
当初発明5によれば、メイン処理のループ処理を複数回実行することによりプログラムの安定を図ることが可能となる。また、遊技の進行に関係する処理に極力時間をかけることができる。
6.当初発明6
当初発明6(第12実施形態)は、
スタートスイッチ(41)の入力信号を取得する処理(ステップS1301)を、割込み禁止命令を使用していない状態で実行可能とし、
取得したスタートスイッチの入力信号に基づきスタートスイッチが操作されたか否かを判断する処理(ステップS1133)を、割込み許可状態で実行可能とし、
スタートスイッチが操作されたと判断した後、乱数を取得する処理(ステップS1135)を、割込み禁止命令(ステップS1134の「DI」命令)を使用して割込み禁止状態で実行可能とする(図199)
ことを特徴とする。
当初発明6によれば、割込み禁止命令を使用した割込み禁止状態での処理を減らすことにより処理落ちの可能性を少なくすることが可能となる。
7.当初発明7
当初発明7(第12実施形態)は、
リール(31)の回転を開始するための条件が成立している状況下でスタートスイッチが操作されたときに、リールを回転加速させるための処理の少なくとも一部(ステップS1142のリール回転加速状態セット)を、割込み禁止命令(ステップS1141の「DI」命令)を使用して割込み禁止状態にした後に実行し、
リールを定速状態で維持させるための処理の少なくとも一部(ステップS1144)を、割込み許可状態において実行し、
リールを停止させるための状態に移行させるための処理の少なくとも一部(ステップS1153のリール回転減速状態セット)を、割込み許可状態において実行し、
リールのインデックスの通過信号を取得する処理(ステップS1303)を、割込み禁止命令を使用していない状態で実行可能とし、
リールのインデックスの通過信号に基づきインデックスが通過したか否かの判断(ステップS1146)を、割込み禁止命令(ステップS1145の「DI」命令)を使用して割込み禁止状態で実行可能とし、
リールの停止受付信号を取得する処理(ステップS1303)を、割込み禁止命令を使用していない状態で実行可能とし、
取得した停止受付信号に基づき停止受付に関係する処理の少なくとも一部(ステップS1150の停止受付けセット)を、割込み禁止命令(ステップS1149の「DI」命令)を使用して割込み禁止状態で実行可能とし、
リールの停止テーブルを選択する処理(ステップS1152)を、割込み許可状態で実行可能とする(図200)
ことを特徴とする。
当初発明7によれば、割込み禁止命令を使用した割込み禁止状態での処理を減らすことにより処理落ちの可能性を少なくすることが可能となる。
8.当初発明8
当初発明8(第12実施形態)は、
遊技を開始可能な状態であるときに点灯可能な遊技開始表示ランプ(遊技開始表示LED79d(図57(A))を備え、
遊技開始表示ランプは、スタートスイッチの操作が実行されたタイミング(ステップS1162で「Yes」)では消灯せず、
スタートスイッチの入力信号を取得する処理(ステップS1304)を、割込み禁止命令を使用していない状態で実行可能とし、
取得したスタートスイッチの入力信号に基づきスタートスイッチが操作されたか否かを判断する処理(ステップS1162)を、割込み許可状態で実行可能とし、
スタートスイッチが操作されたと判断した後、リールを回転させる処理(ステップS1165)を実行する前に、遊技開始表示ランプの消灯準備処理(ステップS1163)を実行可能とし、
遊技開始表示ランプの消灯処理(ステップS1305)を、割込み禁止命令を使用していない状態で実行可能とする(図201)
ことを特徴とする。
当初発明8によれば、割込み禁止命令を使用した割込み禁止状態での処理を減らすことにより処理落ちの可能性を少なくすることが可能となる。
9.当初発明9
当初発明9(第12実施形態)は、
遊技が開始可能な状態であるときに点灯可能な遊技開始表示ランプ(遊技開始表示LED79d(図57(A)))と、
遊技媒体を精算するときに操作される精算スイッチ(43)と
を備え、
遊技開始表示ランプは、精算スイッチの操作が実行されたタイミング(ステップS1167)では消灯せず、
精算スイッチの入力信号を取得する処理(ステップS1306)を、割込み禁止命令を使用していない状態で実行可能とし、
取得した精算スイッチの入力信号に基づき精算スイッチが操作されたか否かを判断する処理(ステップS1167)を、割込み許可状態で実行可能とし、
精算スイッチが操作され、かつ、精算可能と判断した後、精算に関係する処理(ステップS1169)を実行する前に、遊技開始表示ランプの消灯準備処理(ステップS1168)を実行可能とし、
遊技開始表示ランプの消灯処理(ステップS1307)を、割込み禁止命令を使用していない状態で実行可能とする(図202)
ことを特徴とする。
当初発明9によれば、割込み禁止命令を使用した割込み禁止状態での処理を減らすことにより処理落ちの可能性を少なくすることが可能となる。
10.当初発明10
当初発明10(第12実施形態)は、
遊技が開始可能な状態であるときに点灯可能な遊技開始表示ランプ(遊技開始表示LED79d(図57(A)))を備え、
遊技開始表示ランプは、異常が発生したタイミングでは消灯せず、
発生した異常を検知し(ステップS1171で「Yes」)、遊技を停止すると判断した後、遊技を停止する処理(ステップS1173)を実行する前に、遊技開始表示ランプの消灯準備処理(ステップS1172)を実行可能とし、
遊技開始表示ランプの消灯処理(ステップS1308)を、割込み禁止命令を使用していない状態で実行可能とする(図203)
ことを特徴とする。
当初発明10によれば、割込み禁止命令を使用した割込み禁止状態での処理を減らすことにより処理落ちの可能性を少なくすることが可能となる。
11.当初発明11
当初発明11(第12実施形態)は、
リプレイの図柄組合せが停止表示したことを示すリプレイ表示ランプ(リプレイ表示LED79f(図57(A)))と、
遊技媒体を精算するときに操作される精算スイッチ(43)と
を備え、
リプレイ表示ランプは、リプレイの図柄組合せが停止表示したタイミング(図204(a)中、ステップS1182)では点灯せず、
リプレイの図柄組合せが停止表示した後、精算スイッチが操作されたか否かを判断する処理(ステップS1184)の前に、リプレイ表示ランプの点灯準備処理(ステップS1183)を実行可能とし、
リプレイ表示ランプの点灯準備処理を実行した後、リプレイ表示ランプの点灯処理(ステップS1310)を、割込み禁止命令を使用していない状態で実行可能とし、
リプレイの図柄組合せが停止表示した遊技の次回遊技(図205)において、停止表示した図柄組合せを判定する処理(ステップS1182)の後に、リプレイ表示ランプの消灯準備処理(ステップS1185)を実行可能とし、
リプレイ表示ランプの消灯処理(ステップS1312)を、割込み禁止命令を使用していない状態で実行可能とする(図204、図205)
ことを特徴とする。
当初発明11によれば、割込み禁止命令を使用した割込み禁止状態での処理を減らすことにより処理落ちの可能性を少なくすることが可能となる。
12.当初発明12
当初発明12(第12実施形態)は、
遊技媒体が投入可能であることを示す投入表示ランプ(投入表示LED79e(図57(A)))と、
遊技媒体を精算するときに操作される精算スイッチ(43)と
を備え、
図柄組合せが停止表示したタイミング(図206(a)中、ステップS1182)では、投入表示ランプは点灯せず、
精算スイッチが操作されたか否かを判断する処理(ステップS1186)の後に、投入表示ランプの点灯準備処理(ステップS1187)を実行可能とし、
規定数の遊技媒体が投入された後(図207(a)中、ステップS1161の後)、投入表示ランプの消灯準備処理(ステップS1188)を実行可能とし、
投入表示ランプの消灯処理(ステップS1316)を、割込み禁止命令を使用していない状態で実行可能とする(図206、図207)
ことを特徴とする。
当初発明12によれば、割込み禁止命令を使用した割込み禁止状態での処理を減らすことにより処理落ちの可能性を少なくすることが可能となる。
13.当初発明13
当初発明13(第12実施形態)は、
呼出し命令として、特殊呼出し命令(RST命令)を有し、
特殊呼出し命令を用いて呼び出すことができる特定のアドレス(0008H、0010H、0018H、0020H、0028H、0030H、0038H、0040H)を有し、
特定のアドレスに対応する記憶領域のうち、データが記憶されない記憶領域(たとえば「000FH」)に特定値(00H)を記憶可能とし、
特定のアドレスに対応する記憶領域を少なくとも複数備える(図192)
ことを特徴とする。
当初発明13によれば、特定のアドレスに対応する記憶領域のうち、データが記憶されない記憶領域(特定記憶領域)に特定値を記憶可能とするので、特定記憶領域に不正プログラムが埋め込まれたとしても、それを容易に発見することが可能となる。
14.当初発明14
当初発明14(第12実施形態)は、
実行可能なモジュールを呼び出すために、命令の種類が異なった第1呼出し命令(CALL命令)、第2呼出し命令(CALLF命令)、第3呼出し命令(RST命令)を有しており、
第1呼出し命令を用いて実行可能なモジュールが記憶されている第1領域(使用領域)及び第2領域(使用領域外領域)を有し、
第2呼出し命令を用いて実行可能なモジュールが記憶されている第3領域を有し、
第3呼出し命令を用いて実行可能なモジュールが記憶されている第4領域を有し、
第1領域に第2領域は含まれておらず、
第2領域においては第2呼出し命令及び第3呼出し命令は使用しておらず、
第1領域に第3領域は全て含まれており、
第1領域に第4領域は全て含まれており、
第3領域に第4領域は全て含まれており、
第3呼出し命令を用いて実行可能なモジュールが実行し終える平均処理速度は、第2呼出し命令を用いて実行可能なモジュールが実行し終える平均処理速度より速い(図192(a))
ことを特徴とする。
当初発明14によれば、適切な呼出し命令を設定することにより、プログラム領域を効率良く確保することが可能となる。
10 スロットマシン(遊技機)
10a 下パネル
11 電源スイッチ
12 フロントドア
12c コントロールパネル
13 キャビネット
13a 底板
13b 背板
13c 天板
13d 側板
14 図柄表示装置
15 メダル払出し装置
16 メダル払出し口
17 ドアスイッチ
18 表示窓
19 メダル受け皿
21 演出ランプ(装飾ランプ部)
22 スピーカ
23 画像表示装置
24 操作ボタン
31 リール
32 モータ
33 リールセンサ
35 ホッパー
35a 貯留受入れ口
36 ホッパーモータ
37a、37b 払出しセンサ
40a 1ベットスイッチ
40b 3ベットスイッチ
41 スタートスイッチ
42 ストップスイッチ
43 精算スイッチ
44a、44b 投入センサ
45 ブロッカ
46 通路センサ
47 メダル投入口
50 メイン制御基板(メイン制御手段)
51 入力ポート
52 出力ポート
53 RWM
54 ROM
55 メインCPU(メインチップ)
61 役抽選手段
62 当選フラグ制御手段
63 押し順指示番号選択手段
64 演出グループ番号選択手段
65 リール制御手段
66 入賞判定手段
67 払出し手段
71 制御コマンド送信手段
73 設定値表示LED
74 管理情報表示LED(役比モニタ)
75 表示基板
76 クレジット数表示LED
77 有利期間表示LED
78 獲得数表示LED
79 状態表示LED
79a 1ベット表示LED
79b 2ベット表示LED
79c 3ベット表示LED
79d 遊技開始表示LED
79e 投入表示LED
79f リプレイ表示LED
80 サブ制御基板(サブ制御手段)
81 入力ポート
82 出力ポート
83 RWM
84 ROM
85 サブCPU
86 プッシュボタン
87 十字キー
91 演出出力制御手段
110 メダルセレクタ
111 メダル通路
111a 鉛直部
111b 傾斜部
111c 入口
111d 出口
112 透き間
113 セレクタベース
120 シュート部材
121 メダル誘導通路
122 底面部
123 内側壁部
124 外側壁部
125 段差部
126 固定部
127 ねじ
130 返却部材
131 返却受入れ口
132 メダル返却通路
133 払出し受入れ口
134 メダル払出し通路
135 上縁部
140 ふさぎ部材
151 設定キー挿入口
152 設定キースイッチ
153 設定変更(リセット)スイッチ
154 設定キーシリンダ
160 ドアキーシリンダ
160a ドアキー挿入口
161 外筒
161a 切欠部
162 内筒
170 施錠装置
171 カム
171a 突起
171b 突起
172 移動部材
172a 従動部材
172b 検知片
172c フック
173 移動部材
173a 従動部材
173b フック
173c フック
173d 開口部
173e ストッパ
174 従動部
175 ドアセンサ
176 コイルばね
177 コイルばね
178 コイルばね
179 固定部材
200 ホールコンピュータ
CK 設定キー
DK ドアキー
DK1 突起
DK2 キーウェイ
PP 電源プラグ
PP1 コード
PP2 差込みプラグ
PP3 栓刃

Claims (1)

  1. 遊技を開始可能な状態であるときに点灯可能な遊技開始表示ランプを備え、
    遊技開始表示ランプは、スタートスイッチの操作が実行されたタイミングでは消灯せず、
    割込み処理におけるスタートスイッチの入力信号を取得する処理を、割込み禁止命令を使用していない状態で実行可能とし、
    取得したスタートスイッチの入力信号に基づきスタートスイッチが操作されたか否かを判断する処理を、割込み許可状態で実行可能とし、
    スタートスイッチが操作されたと判断した後、リールを回転させるための準備処理を実行する前に、遊技開始表示ランプの消灯準備処理を実行可能とし、
    スタートスイッチが操作され、遊技開始表示ランプの消灯準備処理を実行した後の割込み処理における遊技開始表示ランプの消灯処理を、割込み禁止命令を使用していない状態で実行可能とし、
    遊技開始表示ランプが点灯している状況において、遊技開始表示ランプは、精算スイッチの操作が実行されたタイミングでは消灯せず、
    割込み処理における精算スイッチの入力信号を取得する処理を、割込み禁止命令を使用していない状態で実行可能とし、
    取得した精算スイッチの入力信号に基づき精算スイッチが操作されたか否かを判断する処理を、割込み許可状態で実行可能とし、
    精算スイッチが操作されたと判断した後、精算処理を実行する前に、遊技開始表示ランプの消灯準備処理を実行可能とし、
    精算スイッチが操作され、遊技開始表示ランプの消灯準備処理を実行した後の割込み処理における遊技開始表示ランプの消灯処理を、割込み禁止命令を使用していない状態で実行可能とする
    ことを特徴とする遊技機。
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