JP3683219B2 - 熱収縮性ポリエステルチューブの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱収縮性ポリエステルチューブの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱収縮性ポリエステルチューブを製造する場合、従来、溶融状態にあるポリエステル材料を、リング状ダイスを介して押出し、未延伸状態でピンチローラにより引取り、ピンチローラを通過した後、加熱、延伸する製造手法を採る。この製造手法を採る場合の製造工程を図2に示した。
【0003】
同図に示すように、リング状ダイス4とピンチローラ1との間には冷却槽60が設けられ、この冷却槽60の温度が常温程度(30℃以下)に維持される。この結果、ピンチローラ1の部位で、材料の未延伸状態が実質的に確保され、この部位での、あるいはその後の粘着等の問題が回避される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような中間冷却を伴うことなく、押出し機からの材料が順次冷却されながらピンチローラに至り、その後、チューブラー延伸される手法は、ポリ塩化ビニル(PVC)で採用されている。PVCはポリエステル樹脂に比べて粘着性が低いという特性を有する。このため、PVCでは、冷却槽60が配置される部位の材料温度が85〜100℃と比較的高温であってもよい。また、このようにPVC自体がフィルム間で分離しやすいため、チューブラー延伸を行う場合に、比較的、高い圧力をかけても、その挙動が安定している。よって、その引取り方向である長手方向に肉厚、幅ムラを発生しにくい。
【0005】
しかしながら、ポリエステル樹脂の場合、その材料特性が異なり、チューブ成形において、内面間が粘着し易く、延伸を安定して行えない傾向がある。そのため、中間冷却を伴うことなくチューブラー延伸をおこなうと、延長50m程度で、肉厚・幅ムラが発生しやすく、実用に耐えない。
【0006】
また、ポリエステルに採用される、このような中間冷却を伴う手法は、一旦、冷却した後、加熱してチューブラー延伸を行うため、エネルギー的に無駄がある。
【0007】
本発明の目的は、溶融押出しからチューブラー延伸を経る共重合ポリエステルチューブの製造において、エネルギー効率に優れ、所定長の成形に際して、幅ムラ、延伸ムラが発生しにくい熱収縮性ポリエステルチューブの製造方法を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための、熱収縮性ポリエステルチューブの製造方法の特徴手段は、請求項1に記載されているように、無機微粒子とポリオレフィンエラストマーとを含有せしめた共重合ポリエステルを、チューブ押出しした後、ピンチローラにより95〜100℃の熱水中に引取り、前記ピンチローラを通過したチューブをチューブラー延伸して拡径することにある。
【0009】
共重合ポリエステルの出発原料としては、ジカルボン酸成分に、テレフタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セパシン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、等、公知のジカルボン酸の一種もしくは二種以上を採用でき、又、グリコール成分に、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、等公知のグリコール成分の一種又は二種以上を採用できる。
【0010】
この様にして共重合ポリエステルを得られるが、熱収縮性チューブとしての用途にあっては、主としてポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートの共重合体が好ましく、とりわけ、安価な点及び結晶性の低い点より、ポリエチレンテレフタレートの共重合体が望ましい。
【0011】
ポリエチレンテレフタレートを主体とする場合、共重合成分としてジカルボン酸成分にイソフタル酸を10モル%以上含有させ、又、グリコール成分として、ジエチレングリコール又は、ポリアルキレングリコールを10モル%以上含有させて共重合とすることが好ましく、これらは結晶性が低いので例えば結晶化度20%以下のチューブを容易に得ることができ、収縮特性が良好で特に好ましい。
【0012】
即ち、ポリエチレンテレフタレートを主体とする共重合ポリエステルにおいては、ジカルボン酸成分の70モル%以上がテレフタル酸、グリコール成分の70モル%以上がエチレングリコールからなるものであることが好ましい。
【0013】
本願にあっては、上記のように共重合ポリエステルに、無機微粒子とポリオレフィンエラストマーを含有させるが、このようにする場合は、押出し温度よりは低く、従来の冷却温度である30℃よりは高い、95〜100℃程度の温度域で、押出しからピンチローラまでの操作を行うことが可能となり、後述するように、その全製造工程に渡って、幅ムラ、延伸ムラを所定範囲内に収めることができる。
【0014】
このような温度域に設定しても問題が無い理由は、特に、ポリオレフィンエラストマーが含有されていることより、材料表面に存在するポリオレフィンエラストマーが当該温度域で軟化し、あたかも、潤滑剤の様な効果を発揮するためと考えられる。即ち、このような手法によれば、ピンチローラ、ニップローラ部位で粘着を発させることなく効率的に熱収縮チューブを得ることができる。
【0015】
ポリオレフィンエラストマーとしては、請求項2に記載されているように、アタクチックポリプロピレン、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンゴムから選択される一種以上であることが好ましい。
アタクチックポリプロピレンを使用する場合は、請求項3に記載されているように、平均重合度が100〜300の範囲にあることが好ましい。
【0016】
さらに、無機微粒子を含有することで、フィルム状に成形されるチューブ材料の表面に凹凸を与えることが可能となり、表面における吸着性が低下し、この点からも滑りを確保でき、結果的に、ピンチローラ、ニップローラ部位で粘着が起きる問題を低減でき、長延長に渡って、幅ムラ、延伸ムラを避けて製造することができる。
【0017】
このような無機微粒子としては、請求項4に記載されているように、前記無機微粒子が、粒子状炭酸カルシウム、酸化ケイソ、タルクから選択される一種以上であり、平均粒径が0.1〜5μmであることが好ましい。
【0018】
このようなサイズの無機微粒子であれば、フィルム表面に凹凸を良好に形成し、滑剤としての効果を十分に発揮することができる。
因みに、この平均粒径が0.1μm未満では、滑剤としての効果を得にくい。一方、5μmより大きいと、フィルム形成上障害となる場合がある。
【0019】
さらに、請求項5に記載されているように、チューブ材料全量に対して、前記ポリオレフィンエラストマーが、0.1〜1.5wt%含有されることが好ましい。
【0020】
この割合が0.1wt%より低いと、フィルム材料間の滑りが確保されず、動摩擦係数を十分に低下させることができない場合がある。例えば、50mの熱収縮チューブを連続成形すると、幅ムラ、延伸ムラが発生しやすくなる傾向を示す。 一方、この割合が1.5wt%を上回ると、動摩擦係数は十分に低下するが、表面の光沢が失われ、製品評価が低くなる等の不都合が生じる。
【0021】
ポリオレフィンエラストマーと無機微粒子とを共に含有させるにあたって、請求項6に記載されているように、前記無機微粒子と前記ポリオレフィンエラストマーとの混合物におけるポリオレフィンエラストマーの重合割合(ポリオレフィンエラストマー重量/混合物重量)を、0.15〜0.45とすることが好ましい。
【0022】
上記割合が0.15より低い場合は無機微粒子の割合が過多となり、ポリエステル樹脂に無機微粒子のみが混合された場合に似た状況が現出する。この場合、動摩擦係数が比較的高い状態に維持される傾向を示し、熱収縮チューブの連続成形が困難になる場合がある。
一方、0.45より大きいと無機微粒子の割合が過少となり、チューブ表面の粗さが減少して、滑らかになり過ぎる。その結果、熱収縮チューブの吸着性が高まって、動摩擦係数がやはり高くなる傾向を示す。
【0023】
上記のようにして得られる熱収縮性ポリエステルチューブは、無機微粒子とポリオレフィンエラストマーとを含有する共重合ポリエステルからなり、前記ポリオレフィンエラストマーを0.1〜1.5wt%含有し、チューブ押出しした後、引取られ、チューブラー延伸して製造される熱収縮性ポリエステルチューブ、あるいは、無機微粒子とポリオレフィンエラストマーとの混合物におけるポリオレフィンエラストマーの重量割合(ポリオレフィンエラストマー重量/混合物重量)が、0.15〜0.45となっているものであり、その製造状態が安定し、製品も良好である。
【0024】
【発明の実施の形態】
具体的に本発明の熱収縮性ポリエステルチューブの製造方法を、図面を参照しながら説明する。
本願の製造方法にあっても、滑剤を適量含有せしめた結晶性ポリエステルを、通常のポリエチレンテレフタレート又はその共重合体の乾燥条件と同様に乾燥したのち、チューブ押出を行って、チューブを得る。ここで、本願における滑剤として、無機微粒子およびポリオレフィンエラストマーが共に選択される。
【0025】
製造にあたっては、図1に示すように、引き出し用のピンチローラ1を熱水中に設けるものとし、ガイドローラ2を介して、チューブ3がピンチローラ1に至るものとする。熱水の温度は本願独特の設定である95〜100℃とする。
この時、リング状ダイス4からピンチローラ1までの間で、チューブ3は、その引き出し方向に沿った長手方向で、2〜4%の延伸を受ける。
【0026】
熱水から導出した後、該チューブ3を、ニップローラ5aを備えたチューブラー延伸装置5を使用してチューブ内圧力を上昇して、長手方向及び径方向にチューブラー延伸する。その際、延伸倍率は、長手方向には1〜1.7倍、好ましくは1〜1.4倍とし、径方向には、1.7〜4倍、好ましくは1.8〜3.5倍とする。延伸時の延伸圧力を、後に示す表1に記載した。この延伸操作にあっては、延伸温度は幅ムラ、延伸ムラが悪化しない限り、低温の方が良く、75〜95℃ぐらいの範囲から選ぶ。
こうして得られた延伸チューブを巻取り、製品とする。
【0027】
上記の様にして得られたチューブの厚さは、特に限定されないが、コンデンサ被覆用の収縮チューブとしては、通常50〜100μm、好ましくは、80〜90μmとできる。
【0028】
[実験例]
本願方法の優位性を検証するために、表1、2、3に示すような実験を行った。これらの表において、縦軸はサンプル番号を示し、横軸は成形条件および得られたサンプルの物性を示している。
【0029】
表1は、主には成形性の検証・動摩擦係数を測定した結果である。
表2は、主には密度および結晶化度を検証した結果である。
表3は、肉厚、収縮率を検証した結果である。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
実験では、表1の欄外に示したように、タイプA及びタイプBの共重合ポリエステルを用いた。両タイプの詳細に関しては、下記の実施例の項の冒頭に示した。
【0034】
これらの表において、No1〜9は、異なった条件のサンプルを示しており、表2に示すNo3,4,5についてサフィクスを付けたものは、密度の測定において、異なった手法(密度勾配管法およびJIS K−7112)で測定したものである。
No1〜6、8、9は、タイプAのポリエステルを対象とし、No7のみをタイプBのポリエステルとした。さらに、No1〜6に向かうに従って、混合物(無機微粒子とポリオレフィンエラストマーとの混合物)の重量を増加させた。ここで、No1のものは、混合物無しのものに対応し、No8のものは、無機微粒子のみを混合したものに対応する。その混合量はNo2のものと比較できる。
【0035】
さらに、No9のものは、No3のものと混合物の量をほぼ同量とし、無機微粒子とポリオレフィンエラストマーの量関係を変化させたものである。
【0036】
サンプルNoに関して説明するとサンプルNo1、8は、本願の比較例となるものであり、サンプル2〜7、9は、本願の実施例に対応する。
表1にあって、バス温度とは、ガイドローラ2、ピンチローラ1が存する熱水槽6の温度を示しており、延伸圧力とは、チューブラー延伸を行う場合の内部圧力を示している。
【0037】
以下に物性の判断にあたって採用した方法を表内の記載に対応して説明する。
(1) チューブ外観
完成品として得られた熱収縮性チューブの外観に関して目視検査を行った。チューブ表面に艶があるかどうかを主要観点として、表面に荒れが認められるかどうかを観察してその状況を決定した。同表にあって、○印とされているものは、従来製品に対して同等もしくはそれ以上の外観を呈していることを示す。一方、△印は、○印を付したものに対して艶がやや劣るものの、なお、利用可能なものを示している。
【0038】
(2) 動摩擦係数 (μ0)
JIS K−7125に準じ、下側試験片を25mm×300mm、上側試験片を20mm×60mmとし、すべり片を25mm×65mmのおさえ面を有する300gのものとして、上側試験片を引張ることで測定した。
【0039】
(3) チューブ成形性評価
上記の通り、連続成形を行った場合に、数十メートル(10〜50m)の形成において、幅ムラが±2%以下、延伸ムラが縦方向(長手方向)±3%、横方向(幅方向)±9%以下となるかどうかを基準とした。即ち、この条件を満たす場合に「○」と判断し、この条件から外れる場合に「×」と判断した。
【0040】
(4) 密度および結晶化度
材料密度を、「密度勾配管法」および「JIS K−7112」に準じて、実測定密度Dx(gr/cm3)として求めた。両者間でサフィクスを変えて、表2に表記した。例えば、表2で、No3−1、No3−2となっているものは、備考の欄にも記載されているように、前者が密度勾配管法、後者がJISによるものであることを示す。
さらに、この実測定密度Dxから数1に示す以下の式1に基づいて、補正後の密度Dpet(gr/cm3)を求めた。
【0041】
【数1】
密度の補正式
1/Dx=(α/Dp)+(β/Dt)+(1−α−β)/Dpet −(1)
上記式において各記載は以下の通りである。
Dx 延伸チューブの実測密度(表2に記載)
Dp ポリオレフィンの密度
(物質;アタクチックポリプロピレン、密度;0.88)
Dt 無機微粒子の密度(物質;炭酸カルシウム、密度;2.68)
Dpet 無機微粒子ポリオレフィン添加をゼロ補正した延伸チューブの密度
α ポリオレフィンの添加wt%/100(表2に記載)
β 無機微粒子の添加wt%/100(表2に記載)
【0042】
さらに上記のようにして求められた補正後の密度Dpetに基づいて、結晶化度X%を数2に示す以下の式2に基づいて求めた。
【0043】
【数2】
結晶化度の計算式(タイプAについてのみ適応)
X(%)=Dc(D−Da)/D(Dc−Da) −(2)
上記式において各記載は以下の通りである。
Dは式2におけるDpet
Dc=1.455(完全結晶の密度)
Da=1.335(完全非結晶の密度)
タイプBに関しては、非晶質であるため、結晶化度は求めなかった。
【0044】
(5) 収縮率
100℃の熱水に10秒間浸漬した後、数3に示す下記の式3により求めた。
表3中、長さ方向と記載されているのはチューブの長手方向である引取り方向に沿った方向であり、径方向とはチューブの径方向、即ち、前記長さ方向に直交する方向を意味する。
【0045】
【数3】
収縮率(%)=100×(収縮前寸法−収縮後寸法)/収縮前寸法 −(3)
【0046】
【実施例】
タイプA
ジカルボン酸成分がテレフタル酸78モル%、イソフタル酸22モル%、グリコール成分がエチレングリコールよりなる極限粘度0.71の共重合ポリエステルと、ポリオレフィンエラストマー(具体的にはアタクチックポリプロピレンであり、その添加量を表1及び2中にwt%で表記)、無機微粒子としての炭酸カルシウム(添加量を表1及び2中にwt%で表記)を含有した極限粘度0.8〜0.9のポリエチレンテレフタレートの混合物を常法により乾燥した後、チューブ押出しし、所定の外径および厚さを有するチューブを得た。
【0047】
タイプB
ジカルボン酸成分がテレフタル酸78モル%、ナフタレンジカルボン酸22モル%、グリコール成分が、エチレングリコールよりなる極限粘度0.71の共重合ポリエステルと、ポリオレフィンエラストマー(具体的にはアタクチックポリプロピレンであり、その添加量を表1及び2中にwt%で表記)、無機微粒子として炭酸カルシウム(その添加量を表1及び2中にwt%で表記)を含有した極限粘度0.8〜0.9のポリエチレンテレフタレートdwt%の混合物を常法により乾燥した後、チューブ押出しし、所定の外径および厚さを有するチューブを得た。
【0048】
図1に示す装置系において、バス6の温度は表記のように95〜100℃とするとともに、バス6から導出した後、85〜95℃の温度下で、長さ方向及び径方向にチューブラー延伸し、折径17mm、厚さ80〜90μmの延伸チューブを得た。
【0049】
表1及び2から以下のことが言える。
(1) 共重合ポリエステルに、無機微粒子とポリオレフィンエラストマーとを共に含有せしめ、これを、チューブ押出しして、ピンチローラにより95〜100℃の熱水中に引取り、ピンチローラを通過したチューブをチューブラー延伸して拡径することで、熱収縮性ポリエステルチューブを良好に製造を進められる。逆に、No1のごとく、ポリオレフィンエラストマーあるいは無機微粒子を全く添加しないもの、あるいはNo8のごとく無機微粒子のみを添加したものでは連続成形の点で問題がある。また、ポリオレフィンエラストマーのみを添加したものでは、表には示していないが、ピンチロール後の拡径の際にサイジング管(チューブラー延伸装置5に備えられる)にひっかかり、チューブが破裂するような問題があった。
(2) ポリオレフィンエラストマーの割合は、全重量に対して0.1〜1.5wt%とすること、さらに、無機微粒子とポリオレフィンエラストマーとの混合物における前記ポリオレフィンエラストマーの重量割合(ポリオレフィンエラストマー重量/混合物重量)を、0.15〜0.45とすることが好ましい。
この範囲は、連続成形ができるかどうか(表1に○、×で示す)、及び外観が良好か否か、さらには動摩擦係数が低いものであるか否か(表1に示す)に基づいて決定した。
(3) このような製造手法を採用することにより、その結晶化度は、表2に示すように、4%未満となる。
(4) このような製造手法を採用することにより、表3に示すように、長さ方向で10%程度、径方向で40%以上の収縮特性を有する熱収縮性ポリエステルチューブを得ることができる。
【発明の効果】
以上のように本発明は、無機微粒子およびポリオレフィンエラストマーを含有せしめた共重合ポリエステルをチューブ押出した後、95〜100℃の熱水中に引取り、適切に延伸することで、少なくとも1000mに渡って、その幅ムラが±2%以下、延伸ムラが縦方向±3%以下、横方向±9%以下となる良好な製造状況を実現することができた。
このようにして得られる熱収縮性ポリエステルチューブは、100℃の熱水中に10秒間浸漬したときの収縮率が、長さ方向で40%以下、径方向で40%以上であり、かつ、内面の動摩擦係数が0.4より小さく、実用上好ましいものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の製造方法を使用する成形装置の構成を示す図
【図2】従来の製造方法を使用する成形装置の構成を示す図
【符号の説明】
1 ピンチローラ
2 ガイドローラ
3 チューブ
4 リング状ダイス
5 チューブラー延伸装置(サイジング管)
6 熱水槽
60 冷却槽
Claims (6)
- 無機微粒子とポリオレフィンエラストマーとを含有せしめた共重合ポリエステルを、チューブ押出しした後、ピンチロールにより95〜100℃の熱水中に引取り、前記ピンチロールを通過したチューブをチューブラー延伸して拡径する熱収縮性ポリエステルチューブの製造方法。
- 前記ポリオレフィンエラストマーが、アタクチックポリプロピレン、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンゴムから選択される一種以上である請求項1記載の熱収縮性ポリエステルチューブの製造方法。
- 前記アタクチックポリプロピレンの平均重合度が、100〜300の範囲内のものである請求項2記載の熱収縮性ポリエステルチューブの製造方法。
- 前記無機微粒子が、粒子状炭酸カルシウム、酸化ケイソ、タルクから選択される一種以上であり、平均粒径が0.1〜5μmである請求項1〜3のいずれか1項記載の熱収縮性ポリエステルチューブの製造方法。
- 前記ポリオレフィンエラストマーが、0.1〜1.5wt%含有される請求項1〜4のいずれか1項記載の熱収縮性ポリエステルチューブの製造方法。
- 前記無機微粒子と前記ポリオレフィンエラストマーとの混合物における前記ポリオレフィンエラストマーの重量割合(ポリオレフィンエラストマー重量/混合物重量)を、0.15〜0.45とする請求項1〜5のいずれか1項記載の熱収縮性ポリエステルチューブの製造方法。
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