JP3682634B2 - シーリング材組成物 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシーリング材組成物に関し、特に主剤と硬化剤を混合した後に十分な可使時間を経て硬化させることができ、良好な物性を発現し、かつ発泡の少ない硬化物を与えるため広範囲の温度及び湿度領域で使用するのに適したシーリング材組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
1分子中に2個以上のチオール基を含むポリマーは酸化剤と混合すれば容易に硬化し、またチオール基はエポキシ基、イソシアネート基等とも容易に反応して高分子量化することから、シーリング材、塗料、接着剤に広く用いられている。
【0003】
このようなチオール基含有ポリマーは例えば米国特許2466963号に記載されているポリサルファイドポリマーや、特開平4−363325に記載されているポリサルファイドポリエーテルポリマーが挙げられる。
【0004】
また、特開昭52−125563では前記ポリサルファイドポリマーを、さらに特開平4−366121では、前記ポリサルファイドポリエーテルポリマーをイソシアネート化合物で硬化させることにより、発泡が少なく良好な耐候性を有し、白色系の硬化物が容易に得られる、シーリング材に好適な硬化型組成物が提案された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのチオール基を含むポリマーと3級アミン類及び/又は有機金属触媒等からなる組成物を作成し、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物を用いて、高温多湿下で硬化させた場合、あるいは高温多湿下で貯蔵した後硬化させた場合に、しばしば可使時間が短くなり作業性が悪くなることがあった。また、このような場合に、硬化遅延剤である有機酸を用い、その配合量を増加させると硬化物物性が低くなり発泡も大きくなるという問題点があった。
【0006】
したがって本発明の目的は、高温多湿下、また高温多湿下で貯蔵した後においても、可使時間が長く、硬化の立ち上がりが速いため発泡が少なく、充分なモジュラスを再現良く発現する硬化物が得られるシーリング材組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、分子中に2個以上のチオール基を有するポリマーと3級アミン類及び/又は有機金属触媒等からなる組成物を、高温多湿下で、または高温多湿下で貯蔵した後に、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物で硬化させる際に、硬化遅延剤として所定量の酸性リン酸エステルを添加することにより、充分な可使時間が確保でき、発泡も少なく、良好な硬化物物性が得られることを見いだし本発明に想到した。
すなわち、本発明のシーリング材組成物は、
(a)分子中に2個以上のチオール基を有するポリマーに、
(b)分子中に2個以上のイソシアネ−ト基を有する化合物、
(c)(1)3級アミン及び/又は(2)有機金属からなる硬化触媒、
及び(d)硬化遅延剤としての酸性リン酸エステル化合物を
含有せしめてなるシーリング材組成物、
である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
[1]分子中に2個以上のチオール基を有するポリマー
本発明に用いる分子中に2個以上のチオール基を有するポリマ−(以下、単にチオール基含有ポリマーという)のポリマー骨格部分は、ポリエーテル、ポリチオエーテル、ポリエステル、アクリル共重合体、ウレタン共重合体、ポリアセタール、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリオレフィン、ポリクロロプレン、ポリサルファイド及びこれらの共重合体の構造を有するものが好ましい。特にポリサルファイド構造を有するポリサルファイドポリマー及びポリサルファイドポリエーテルポリマーが好ましい。またチオール基の位置は、特に限定されないが、分子骨格の末端に有するのが好ましい。
(1)ポリサルファイドポリマー
ポリサルファイドポリマーは、主鎖中に、
(イ)−(C2 H4 OCn H2nOC2 H4 −Sx)−
(但し、nは1〜2の整数であり、xは1〜5の整数である。)で表される構造単位とを含有し、
かつ末端に、
(ロ)−C2 H4 OCn H2nOC2 H4 −SH
(但し、nは1〜2の整数である。)で表されるチオール基を有するものである。
【0009】
このようなポリサルファイドポリマーは室温で流動性を有し、数平均分子量(Mn)は、通常100〜200,000であり、好ましくは400〜50,000である。このようなポリサルファイドポリマーの好ましい例は、米国特許2,466,963号に記載されている。
(2)ポリサルファイドポリエーテルポリマー
ポリサルファイドポリエーテルポリマーは、主鎖中に
(ハ)−(R1 O)m−
(但し、R1 は炭素数2〜4のアルキレン基、mは6〜200の整数を示す。)で表されるポリエーテル部分と、
(ニ)−(C2 H4 OCn H2nOC2 H4 −Sx )−、及び
−(CH2 CH(OH)CH2 −Sx )−
(但し、nは1〜2の整数であり、xは1〜5の整数である。)で示される構造単位とを含有し、
かつ末端に、
(ホ)−C2 H4 OCn H2nOC2 H4 −SH 及び/又は
−CH2 CH(OH)CH2 −SH
(但し、nは1〜2の整数である。)で表されるチオール基を有するものである。
【0010】
このポリサルファイドポリエーテルポリマー中において、(ハ)のポリエーテル部分と、(ニ)で示される構造単位は、任意の配列で結合したもので良く、またその割合は、−(R1 O)m−成分が2〜95重量%、−(C2 H4 OCn H2nOC2 H4 −SX )−成分が3〜70重量%、−(CH2 CH(OH)CH2 −SX )−成分が1〜50重量%となるのが好ましい。なお、ポリサルファイド結合Sx の含有量は、1〜60重量%であるのが好ましい。
【0011】
このポリサルファイドポリエーテルポリマーの数平均分子量(Mn)は、通常600〜200,000であり、好ましくは800〜50,000である。
【0012】
このようなポリサルファイドポリエーテルポリマーは例えば特開平4−363325に記載されているような方法により製造することができる。
[2]分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物
本発明に用いる分子中にイソシアネート基を2個以上含む化合物(以下、単にイソシアネート基含有化合物という)としては、有機ポリイソシアネート化合物及び/又は活性水素含有化合物に有機ポリイソシアネート化合物を反応させて得られるウレタンプレポリマーが好ましい。
【0013】
上記有機ポリイソシアネート化合物としては、具体的にはトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0014】
また活性水素含有化合物としては、水酸基末端ポリエステル、多価ポリアルキレンエーテル、水酸基末端ポリウレタン重合体、アクリル共重合体に水酸基を導入したアクリルポリオール、水酸基末端ポリブタジエン、多価ポリチオエーテル、ポリアセタール、脂肪族ポリオール、及びSH基を2個以上有するアルキレンチオールを包含するアルカン、アルケン及び脂肪族チオール、末端にSH基を有するポリサルファイドポリマー、芳香族、脂肪族及び複素環ジアミン等を包含するジアミン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0015】
上記ウレタンプレポリマーとしては、前述の活性水素含有化合物と有機ポリイソシアネート化合物を、イソシアネート化合物過剰の条件で反応させることにより得られたものを使用することができる。
【0016】
本発明においては、イソシアネート基含有化合物中のイソシアネート基と、チオール基含有化合物中のチオール基とのモル比(イソシアネート基/チオール基)が0.5〜4.0、好ましくは0.7〜3.0となるように配合する。モル比が0.5未満では、組成物が十分に高分子量化せず、一方4.0を越えると硬化物が硬く脆いものとなり、好ましくない。
[3]3級アミン、有機金属化合物
(1)3級アミン
本発明における3級アミンとしては、モノアミン類、ジアミン類、トリアミン類、ポリアミン類、環状アミン類、アルコールアミン類、エーテルアミン類等があり、具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、テトラメチルグアニジン、N,N−ジポリオキシエチレンステアリルアミン、N,N−ジポリオキエチレン牛脂アルキルアミン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−(2ジメチルアミノ)−エチルピペラジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)−モルホリン、1,2−ジメチルイミダゾ−ル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N’−(2ヒドロキシエチル)−ピペラジン、N−(2ヒドロキシエチル)−モルホリン、ビス−(2ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコールビス−(3ジメチル)−アミノプロピルエーテル等が挙げられる。
【0017】
中でも、N,N−ジポリオキシエチレンアルキルアミン系化合物は、硬化物の残存タックが少なく好ましい。具体例としては、N,N−ジポリオキシエチレンステアリルアミン、N,N−ジポリオキシエチレン牛脂アルキルアミン等が挙げられる。これら3級アミンは2種以上を用いてよい。
(2)有機金属化合物
本発明における有機金属化合物としては有機錫化合物、有機水銀化合物、有機鉛化合物等があり、具体的にはオクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫メルカプチド、ジブチル錫チオカルボキシレート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫メルカプチド、ジオクチル錫チオカルボキシレート、フェニル水銀プロピオン酸塩、オクテン酸鉛等が挙げられる。
中でも、変色等の影響が少ない有機錫化合物が好ましく、より好ましくはジアルキル錫メルカプチド及び/又はジアルキル錫ジカルボン酸塩及び/又はジアルキル錫ビス(ジカルボン酸モノアルキルエステル)塩及び/又はジアルキル錫(ジカルボン酸)塩等が挙げられる。これら有機金属化合物は2種以上を用いて良い。
【0018】
シーリング材組成物中の硬化触媒(c)の含有量は、前記(a)チオール基を有するポリマー100重量部に対して、0.001〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.005〜3重量部である。含有量が0.001重量部未満では硬化が進まず、5重量部を越えると可使時間が短くなり好ましくない。
[4]酸性リン酸エステル
本発明における酸性リン酸エステルとしては、アルキルホスフェート類、フェニルホスフェート類、アルキルピロホスフェート類等が有り、具体例としては、モノメチルホスフェート、ジメチルホスフェート、モノイソプロピルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジブチルホスフェート、モノ2−エチルヘキシルホスフェート、ジ2−エチルヘキシルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、ジイソデシルホスフェート、及びこれらモノエステルとジエステルの混合物であるアルキルアシッドホスフェート、モノフェニルホスフェート、ジフェニルホスフェート、その混合物であるフェニルアシッドホスフェート、ブチルピロホスフェート等が挙げられる。
中でも、500(KOHmmg/g)以下であるモノアルキルホスフェート、ジアルキルホスフェート及び/又はその混合物であるアルキルアシッドホスフェートは、遅延剤として適度な活性を有し、イソシアネートと反応し、モジュラスを低下させる傾向も少ないので好ましく、具体例としては、モノ2−エチルヘキシルホスフェート、ジ2−エチルヘキシルホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、モノイソデシルホスフェート、ジイソデシルホスフェート、イソデシルアシッドホスフェート等が挙げられる。
【0019】
上記、酸性リン酸エステルの添加量は、前記(a)チオール基を有するポリマー100重量部に対して、0.01〜10重量部である。0.01重量部以下では遅延剤としての効果が小さく、10重量部以上では、シーラントのモジュラス低下の影響が大きくなる。
【0020】
添加方法としては、前記(a)チオール基を有するポリマーあるいはその配合物と、前記(b)分子中に2個以上のイソシアネ−ト基を有する化合物を、前記(c)硬化触媒の存在下で混合硬化させる際に、添加する方法が好ましい。予め配合しておくと、充填剤等との作用で活性が低下する事がある。また、添加する際には、ジオクチルフタレート、ジヘキシルフタレート等の可塑剤や、トルエン、キシレン等の有機溶剤に溶解させたものを使用しても良い。
[5]その他の配合物
(1)充填剤
本発明のシーリング材組成物には、さらに経済性、組成物を施工する際の作業性及び
硬化後の物性を改良する目的で、炭酸カルシウム、タルク、クレー、酸化チタン、シリカ等の充填材を添加することができる。
(2)可塑剤
本発明の(a)分子中に2個以上のチオール基を有するポリマーとして前記ポリサルファイドポリエーテルポリマーと、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物からなる組成物は、従来のポリサルファイドポリマーのみの場合には使用することができなかったジオクチルフタレート(DOP)、ジヘプチルフタレート(DHP)等の安価なフタル酸エステルが相溶するため、これらの添加剤を配合することが可能である。また塩素化パラフィン、水添ターフェニル等の可塑剤も配合することができる。
【0021】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
[合成例1]
プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加して得られる二官能性ポリプロピレングリコール(OH価56.4mgKOH/g)1000gと、107gのエピクロロヒドリンと、1.25gの塩化第二錫五水塩とを反応容器に仕込み、80〜90℃で3時間撹拌した。さらに、ポリサルファイドポリマー(東レチオコール(株)製、商品名”チオコールLP55”)1110gを加え混合した後、89.9gの水硫化ソーダ(純度72.3%)を加え、80℃で2時間撹拌した。その後、塩を除去し、メルカプタン含量2.0重量%、粘度80ポイズ(25℃)の淡黄色透明なポリマーを得た。
【0023】
[実施例1〜3]
合成例1で得られたポリマーに、表1に示す種類及び量のアミン触媒、可塑剤、充填材を配合して主剤を得た。この主剤360重量部にポリプロピレングリコ−ルにキシレンジイソシアネ−トを付加して得られたウレタンプレポリマ−(イソシアネ−ト含量4.0重量%)67重量部と、表2に示す種類及び量の(d)酸性リン酸エステルとを加えて、20℃恒温下で約10分間均一になるように混合した。
【0024】
得られた混合物を高さ35mm、内径20mmエチレン製カップに流し込み表面を平滑にした後、20℃、湿度60RH%中に保管しながら、JIS K−2207で使用される針入度試験機を用いて1時間毎に針入度を測定し、300になるまでの時間を可使時間とした。またこの混合物を使用して硫酸アルマイト処理したアルミニウム板を被着体としてJIS A−5758に準じた方法ででH型試験体を作成し、標準養生後の引張接着性の測定を20℃の室内で行った。更に、この混合物を高さ55mm、内径20mmのポリエチレン製カップに流し込み表面を平滑にして、40℃、湿度90RH%中に24時間保管した後、発泡による体積増加量を測定した。この結果を表3に示す。
【0025】
[比較例1]
比較例として、(d)酸性リン酸エステルを加えない場合について、実施例1〜3と同じ主剤を用いて、同様の試験を行った。この結果を表3に示す。
【0026】
[実施例4]
実施例1〜3と同様の主剤を50℃恒温槽に1ヶ月保管した後、取り出し、実施例1と同様の試験を行った。この結果を表3に示す。
【0027】
[比較例2]
比較例として、(d)酸性リン酸エステルを加えない以外は、実施例4と同様の試験を行った。
【0028】
[比較例3]
比較例として、実施例1〜3と同じ主剤に、酸性リン酸エステルの代わりにステアリン酸0.5部を加えて、同様の試験を行った。
【0029】
[実施例5]
合成例1で得られたポリマーに、表1に示す種類及び量のアミン及び有機金属併用触媒、可塑剤、充填材を配合して主剤を得た。この主剤390重量部にポリプロピレングリコ−ルにキシレンジイソシアネ−トを付加して得られたウレタンプレポリマ−(イソシアネ−ト含量4.0重量%)67重量部と、表2に示す種類及び量の(d)酸性リン酸エステルとを加えて、20℃恒温下で約10分間均一になるように混合した後、実施例1〜3と同様の試験を行った。この結果を表3に示す。
【0030】
[比較例4]
比較例として、(d)酸性リン酸エステルを加えない場合について、実施例5と同じ主剤を用いて、同様の試験を行った。この結果を表3に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
表3から明らかなように、本発明のシーリング材組成物は十分な可使時間を経て硬化させることができ、良好な物性を発現し、かつ発泡の少ない硬化物を与える。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明のシーリング材組成物は、チオール基を有するポリマーにアミン類及び/又は有機金属触媒とともに、酸性リン酸エステルを添加することにより、イソシアネート化合物で硬化させる場合に、高温多湿下においてまたは高温多湿下で貯蔵した後硬化させる場合において、充分な可使時間が確保でき、発泡も少なく、良好な硬化物物性を得ることができる。このようなシーリング材組成物は、広範囲の温度及び湿度領域で使用するのに好適である。
【発明の属する技術分野】
本発明はシーリング材組成物に関し、特に主剤と硬化剤を混合した後に十分な可使時間を経て硬化させることができ、良好な物性を発現し、かつ発泡の少ない硬化物を与えるため広範囲の温度及び湿度領域で使用するのに適したシーリング材組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
1分子中に2個以上のチオール基を含むポリマーは酸化剤と混合すれば容易に硬化し、またチオール基はエポキシ基、イソシアネート基等とも容易に反応して高分子量化することから、シーリング材、塗料、接着剤に広く用いられている。
【0003】
このようなチオール基含有ポリマーは例えば米国特許2466963号に記載されているポリサルファイドポリマーや、特開平4−363325に記載されているポリサルファイドポリエーテルポリマーが挙げられる。
【0004】
また、特開昭52−125563では前記ポリサルファイドポリマーを、さらに特開平4−366121では、前記ポリサルファイドポリエーテルポリマーをイソシアネート化合物で硬化させることにより、発泡が少なく良好な耐候性を有し、白色系の硬化物が容易に得られる、シーリング材に好適な硬化型組成物が提案された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのチオール基を含むポリマーと3級アミン類及び/又は有機金属触媒等からなる組成物を作成し、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物を用いて、高温多湿下で硬化させた場合、あるいは高温多湿下で貯蔵した後硬化させた場合に、しばしば可使時間が短くなり作業性が悪くなることがあった。また、このような場合に、硬化遅延剤である有機酸を用い、その配合量を増加させると硬化物物性が低くなり発泡も大きくなるという問題点があった。
【0006】
したがって本発明の目的は、高温多湿下、また高温多湿下で貯蔵した後においても、可使時間が長く、硬化の立ち上がりが速いため発泡が少なく、充分なモジュラスを再現良く発現する硬化物が得られるシーリング材組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、分子中に2個以上のチオール基を有するポリマーと3級アミン類及び/又は有機金属触媒等からなる組成物を、高温多湿下で、または高温多湿下で貯蔵した後に、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物で硬化させる際に、硬化遅延剤として所定量の酸性リン酸エステルを添加することにより、充分な可使時間が確保でき、発泡も少なく、良好な硬化物物性が得られることを見いだし本発明に想到した。
すなわち、本発明のシーリング材組成物は、
(a)分子中に2個以上のチオール基を有するポリマーに、
(b)分子中に2個以上のイソシアネ−ト基を有する化合物、
(c)(1)3級アミン及び/又は(2)有機金属からなる硬化触媒、
及び(d)硬化遅延剤としての酸性リン酸エステル化合物を
含有せしめてなるシーリング材組成物、
である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
[1]分子中に2個以上のチオール基を有するポリマー
本発明に用いる分子中に2個以上のチオール基を有するポリマ−(以下、単にチオール基含有ポリマーという)のポリマー骨格部分は、ポリエーテル、ポリチオエーテル、ポリエステル、アクリル共重合体、ウレタン共重合体、ポリアセタール、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリオレフィン、ポリクロロプレン、ポリサルファイド及びこれらの共重合体の構造を有するものが好ましい。特にポリサルファイド構造を有するポリサルファイドポリマー及びポリサルファイドポリエーテルポリマーが好ましい。またチオール基の位置は、特に限定されないが、分子骨格の末端に有するのが好ましい。
(1)ポリサルファイドポリマー
ポリサルファイドポリマーは、主鎖中に、
(イ)−(C2 H4 OCn H2nOC2 H4 −Sx)−
(但し、nは1〜2の整数であり、xは1〜5の整数である。)で表される構造単位とを含有し、
かつ末端に、
(ロ)−C2 H4 OCn H2nOC2 H4 −SH
(但し、nは1〜2の整数である。)で表されるチオール基を有するものである。
【0009】
このようなポリサルファイドポリマーは室温で流動性を有し、数平均分子量(Mn)は、通常100〜200,000であり、好ましくは400〜50,000である。このようなポリサルファイドポリマーの好ましい例は、米国特許2,466,963号に記載されている。
(2)ポリサルファイドポリエーテルポリマー
ポリサルファイドポリエーテルポリマーは、主鎖中に
(ハ)−(R1 O)m−
(但し、R1 は炭素数2〜4のアルキレン基、mは6〜200の整数を示す。)で表されるポリエーテル部分と、
(ニ)−(C2 H4 OCn H2nOC2 H4 −Sx )−、及び
−(CH2 CH(OH)CH2 −Sx )−
(但し、nは1〜2の整数であり、xは1〜5の整数である。)で示される構造単位とを含有し、
かつ末端に、
(ホ)−C2 H4 OCn H2nOC2 H4 −SH 及び/又は
−CH2 CH(OH)CH2 −SH
(但し、nは1〜2の整数である。)で表されるチオール基を有するものである。
【0010】
このポリサルファイドポリエーテルポリマー中において、(ハ)のポリエーテル部分と、(ニ)で示される構造単位は、任意の配列で結合したもので良く、またその割合は、−(R1 O)m−成分が2〜95重量%、−(C2 H4 OCn H2nOC2 H4 −SX )−成分が3〜70重量%、−(CH2 CH(OH)CH2 −SX )−成分が1〜50重量%となるのが好ましい。なお、ポリサルファイド結合Sx の含有量は、1〜60重量%であるのが好ましい。
【0011】
このポリサルファイドポリエーテルポリマーの数平均分子量(Mn)は、通常600〜200,000であり、好ましくは800〜50,000である。
【0012】
このようなポリサルファイドポリエーテルポリマーは例えば特開平4−363325に記載されているような方法により製造することができる。
[2]分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物
本発明に用いる分子中にイソシアネート基を2個以上含む化合物(以下、単にイソシアネート基含有化合物という)としては、有機ポリイソシアネート化合物及び/又は活性水素含有化合物に有機ポリイソシアネート化合物を反応させて得られるウレタンプレポリマーが好ましい。
【0013】
上記有機ポリイソシアネート化合物としては、具体的にはトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0014】
また活性水素含有化合物としては、水酸基末端ポリエステル、多価ポリアルキレンエーテル、水酸基末端ポリウレタン重合体、アクリル共重合体に水酸基を導入したアクリルポリオール、水酸基末端ポリブタジエン、多価ポリチオエーテル、ポリアセタール、脂肪族ポリオール、及びSH基を2個以上有するアルキレンチオールを包含するアルカン、アルケン及び脂肪族チオール、末端にSH基を有するポリサルファイドポリマー、芳香族、脂肪族及び複素環ジアミン等を包含するジアミン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0015】
上記ウレタンプレポリマーとしては、前述の活性水素含有化合物と有機ポリイソシアネート化合物を、イソシアネート化合物過剰の条件で反応させることにより得られたものを使用することができる。
【0016】
本発明においては、イソシアネート基含有化合物中のイソシアネート基と、チオール基含有化合物中のチオール基とのモル比(イソシアネート基/チオール基)が0.5〜4.0、好ましくは0.7〜3.0となるように配合する。モル比が0.5未満では、組成物が十分に高分子量化せず、一方4.0を越えると硬化物が硬く脆いものとなり、好ましくない。
[3]3級アミン、有機金属化合物
(1)3級アミン
本発明における3級アミンとしては、モノアミン類、ジアミン類、トリアミン類、ポリアミン類、環状アミン類、アルコールアミン類、エーテルアミン類等があり、具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、テトラメチルグアニジン、N,N−ジポリオキシエチレンステアリルアミン、N,N−ジポリオキエチレン牛脂アルキルアミン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−(2ジメチルアミノ)−エチルピペラジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)−モルホリン、1,2−ジメチルイミダゾ−ル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N’−(2ヒドロキシエチル)−ピペラジン、N−(2ヒドロキシエチル)−モルホリン、ビス−(2ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコールビス−(3ジメチル)−アミノプロピルエーテル等が挙げられる。
【0017】
中でも、N,N−ジポリオキシエチレンアルキルアミン系化合物は、硬化物の残存タックが少なく好ましい。具体例としては、N,N−ジポリオキシエチレンステアリルアミン、N,N−ジポリオキシエチレン牛脂アルキルアミン等が挙げられる。これら3級アミンは2種以上を用いてよい。
(2)有機金属化合物
本発明における有機金属化合物としては有機錫化合物、有機水銀化合物、有機鉛化合物等があり、具体的にはオクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫メルカプチド、ジブチル錫チオカルボキシレート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫メルカプチド、ジオクチル錫チオカルボキシレート、フェニル水銀プロピオン酸塩、オクテン酸鉛等が挙げられる。
中でも、変色等の影響が少ない有機錫化合物が好ましく、より好ましくはジアルキル錫メルカプチド及び/又はジアルキル錫ジカルボン酸塩及び/又はジアルキル錫ビス(ジカルボン酸モノアルキルエステル)塩及び/又はジアルキル錫(ジカルボン酸)塩等が挙げられる。これら有機金属化合物は2種以上を用いて良い。
【0018】
シーリング材組成物中の硬化触媒(c)の含有量は、前記(a)チオール基を有するポリマー100重量部に対して、0.001〜5重量部が好ましく、より好ましくは0.005〜3重量部である。含有量が0.001重量部未満では硬化が進まず、5重量部を越えると可使時間が短くなり好ましくない。
[4]酸性リン酸エステル
本発明における酸性リン酸エステルとしては、アルキルホスフェート類、フェニルホスフェート類、アルキルピロホスフェート類等が有り、具体例としては、モノメチルホスフェート、ジメチルホスフェート、モノイソプロピルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、モノブチルホスフェート、ジブチルホスフェート、モノ2−エチルヘキシルホスフェート、ジ2−エチルヘキシルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、ジイソデシルホスフェート、及びこれらモノエステルとジエステルの混合物であるアルキルアシッドホスフェート、モノフェニルホスフェート、ジフェニルホスフェート、その混合物であるフェニルアシッドホスフェート、ブチルピロホスフェート等が挙げられる。
中でも、500(KOHmmg/g)以下であるモノアルキルホスフェート、ジアルキルホスフェート及び/又はその混合物であるアルキルアシッドホスフェートは、遅延剤として適度な活性を有し、イソシアネートと反応し、モジュラスを低下させる傾向も少ないので好ましく、具体例としては、モノ2−エチルヘキシルホスフェート、ジ2−エチルヘキシルホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、モノイソデシルホスフェート、ジイソデシルホスフェート、イソデシルアシッドホスフェート等が挙げられる。
【0019】
上記、酸性リン酸エステルの添加量は、前記(a)チオール基を有するポリマー100重量部に対して、0.01〜10重量部である。0.01重量部以下では遅延剤としての効果が小さく、10重量部以上では、シーラントのモジュラス低下の影響が大きくなる。
【0020】
添加方法としては、前記(a)チオール基を有するポリマーあるいはその配合物と、前記(b)分子中に2個以上のイソシアネ−ト基を有する化合物を、前記(c)硬化触媒の存在下で混合硬化させる際に、添加する方法が好ましい。予め配合しておくと、充填剤等との作用で活性が低下する事がある。また、添加する際には、ジオクチルフタレート、ジヘキシルフタレート等の可塑剤や、トルエン、キシレン等の有機溶剤に溶解させたものを使用しても良い。
[5]その他の配合物
(1)充填剤
本発明のシーリング材組成物には、さらに経済性、組成物を施工する際の作業性及び
硬化後の物性を改良する目的で、炭酸カルシウム、タルク、クレー、酸化チタン、シリカ等の充填材を添加することができる。
(2)可塑剤
本発明の(a)分子中に2個以上のチオール基を有するポリマーとして前記ポリサルファイドポリエーテルポリマーと、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物からなる組成物は、従来のポリサルファイドポリマーのみの場合には使用することができなかったジオクチルフタレート(DOP)、ジヘプチルフタレート(DHP)等の安価なフタル酸エステルが相溶するため、これらの添加剤を配合することが可能である。また塩素化パラフィン、水添ターフェニル等の可塑剤も配合することができる。
【0021】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
[合成例1]
プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加して得られる二官能性ポリプロピレングリコール(OH価56.4mgKOH/g)1000gと、107gのエピクロロヒドリンと、1.25gの塩化第二錫五水塩とを反応容器に仕込み、80〜90℃で3時間撹拌した。さらに、ポリサルファイドポリマー(東レチオコール(株)製、商品名”チオコールLP55”)1110gを加え混合した後、89.9gの水硫化ソーダ(純度72.3%)を加え、80℃で2時間撹拌した。その後、塩を除去し、メルカプタン含量2.0重量%、粘度80ポイズ(25℃)の淡黄色透明なポリマーを得た。
【0023】
[実施例1〜3]
合成例1で得られたポリマーに、表1に示す種類及び量のアミン触媒、可塑剤、充填材を配合して主剤を得た。この主剤360重量部にポリプロピレングリコ−ルにキシレンジイソシアネ−トを付加して得られたウレタンプレポリマ−(イソシアネ−ト含量4.0重量%)67重量部と、表2に示す種類及び量の(d)酸性リン酸エステルとを加えて、20℃恒温下で約10分間均一になるように混合した。
【0024】
得られた混合物を高さ35mm、内径20mmエチレン製カップに流し込み表面を平滑にした後、20℃、湿度60RH%中に保管しながら、JIS K−2207で使用される針入度試験機を用いて1時間毎に針入度を測定し、300になるまでの時間を可使時間とした。またこの混合物を使用して硫酸アルマイト処理したアルミニウム板を被着体としてJIS A−5758に準じた方法ででH型試験体を作成し、標準養生後の引張接着性の測定を20℃の室内で行った。更に、この混合物を高さ55mm、内径20mmのポリエチレン製カップに流し込み表面を平滑にして、40℃、湿度90RH%中に24時間保管した後、発泡による体積増加量を測定した。この結果を表3に示す。
【0025】
[比較例1]
比較例として、(d)酸性リン酸エステルを加えない場合について、実施例1〜3と同じ主剤を用いて、同様の試験を行った。この結果を表3に示す。
【0026】
[実施例4]
実施例1〜3と同様の主剤を50℃恒温槽に1ヶ月保管した後、取り出し、実施例1と同様の試験を行った。この結果を表3に示す。
【0027】
[比較例2]
比較例として、(d)酸性リン酸エステルを加えない以外は、実施例4と同様の試験を行った。
【0028】
[比較例3]
比較例として、実施例1〜3と同じ主剤に、酸性リン酸エステルの代わりにステアリン酸0.5部を加えて、同様の試験を行った。
【0029】
[実施例5]
合成例1で得られたポリマーに、表1に示す種類及び量のアミン及び有機金属併用触媒、可塑剤、充填材を配合して主剤を得た。この主剤390重量部にポリプロピレングリコ−ルにキシレンジイソシアネ−トを付加して得られたウレタンプレポリマ−(イソシアネ−ト含量4.0重量%)67重量部と、表2に示す種類及び量の(d)酸性リン酸エステルとを加えて、20℃恒温下で約10分間均一になるように混合した後、実施例1〜3と同様の試験を行った。この結果を表3に示す。
【0030】
[比較例4]
比較例として、(d)酸性リン酸エステルを加えない場合について、実施例5と同じ主剤を用いて、同様の試験を行った。この結果を表3に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
表3から明らかなように、本発明のシーリング材組成物は十分な可使時間を経て硬化させることができ、良好な物性を発現し、かつ発泡の少ない硬化物を与える。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明のシーリング材組成物は、チオール基を有するポリマーにアミン類及び/又は有機金属触媒とともに、酸性リン酸エステルを添加することにより、イソシアネート化合物で硬化させる場合に、高温多湿下においてまたは高温多湿下で貯蔵した後硬化させる場合において、充分な可使時間が確保でき、発泡も少なく、良好な硬化物物性を得ることができる。このようなシーリング材組成物は、広範囲の温度及び湿度領域で使用するのに好適である。
Claims (7)
- (a)分子中に2個以上のチオール基を有するポリマーに、
(b)分子中に2個以上のイソシアネ−ト基を有する化合物、
(c)(1)3級アミン及び/又は(2)有機金属からなる硬化触媒、
及び(d)硬化遅延剤としての酸性リン酸エステル化合物を
含有せしめてなるシーリング材組成物。 - 請求項1に記載のシーリング材組成物において前記(a)チオール基を有するポリマ−の分子量が600〜200、000であることを特徴とするシーリング材組成物。
- 請求項1もしくは請求項2に記載のシーリング材組成物において、前記(a)チオ−ル基含有ポリマ−が、主鎖中に、
(イ)−(C2 H4 OCn H2nOC2 H4 −SX )−
(但し、nは1〜2の整数であり、xは1〜5の整数である。)で表される構造単位を含有し、
かつ末端に、
(ロ)−C2 H4 OCn H2nOC2 H4 −SH
(但し、nは1〜2の整数ある。)で表されるチオ−ル基を有するポリサルファイドポリマ−であることを特徴とするシーリング材組成物。 - 請求項1もしくは請求項2に記載のシーリング材組成物において、前記(a)チオ−ル基含有ポリマ−が、主鎖中に、
(ハ)−(R1 O)m−
(但し、R1 は炭素数2〜4のアルキレン基、mは6〜200の整数を示す。)で表されるポリエ−テル部分と、
(ニ)−(C2 H4 OCn H2nOC2 H4 −SX )−、及び
−(CH2 CH(OH)CH2 −SX )−
(但し、nは1〜2の整数であり、xは1〜5の整数である。)で表される構造単位とを含有し、
かつ、末端に、
(ホ)−C2 H4 OCn H2nOC2 H4 −SH、及び/又は
−CH2 CH(OH)CH2 −SH
(但し、nは1〜2の整数である。)で表されるチオ−ル基を有するポリサルファイドポリエ−テルポリマ−であることを特徴とするシーリング材組成物。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のシーリング材組成物において、前記(a)チオール基を有するポリマ−100重量部に対して、前記(d)酸性リン酸エステルが0.01〜10重量%含有することを特徴とするシーリング材組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のシーリング材組成物において、前記(b)分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基と、前記(a)チオール基を有するポリマ−中のチオール基とのモル比(イソシアネート基/チオール基)が0.5〜4.0であることを特徴とするシーリング材組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のシーリング材組成物において、前記(d)酸性リン酸エステルが、酸価が500(KOHmmg/g)以下であるモノアルキルホスフェート及び/又はジアルキルホスフェート及び/又はその混合物であるアルキルアシッドホスフェートであることを特徴とするシーリング材組成物。
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