JP3681868B2 - ウェブ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター、印刷機等の画像形成装置が備える熱定着装置の清掃またはオイル塗布に用いるウェブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
複写機等の画像形成装置が備える熱定着装置においては、定着ローラ等定着部材表面のクリーニングやオイル塗布を目的としたウェブ装置が用いられる。ウェブ装置を使用することの最大の利点は常に新しいウェブ面が定着ローラ等の表面に接触することにある。図1はこの種のウェブ装置を用いた熱ローラ定着装置の概念図である。図中1は定着ローラ、2は加圧ローラ、3はウェブ装置であり、加熱した定着ローラ1に弾性表面を持つ加圧ローラ2が圧接し、このローラ対間に未定着画像4を有する転写紙5を通して画像の熱定着を行う。図示のウェブ装置3では、清掃またはオイル塗布用のウェブ6は熱源1aを内蔵する定着ローラ1側に接触している。もちろん加圧ローラ2側に配置することも可能である。
【0003】
図2はウェブ装置3の詳細を示す。ウェブ6の一方の端部は巻き出し部材7に巻き付けてあり、他方の端部は巻き取り部材8に固定してある。そして図示せぬモータにより巻き取り部材8を回転させ、ウェブ6を徐々に巻き出し部材7から巻き取り部材8へと巻き取る。この巻き取りの途中でウェブ6は押圧部材9により定着ローラ1に押圧、接触し、定着ローラ1の表面の汚れを拭き取るクリーニングを行うか、あるいは定着ローラ1の表面にオイル塗布を行う。オイル塗布を行う目的の場合は幾らかのシリコンオイル等のオフセット防止液を含浸させたウェブを用いる。ウェブ6は経時的に徐々に巻き取り部材8側に巻き取られ、最終的にはウェブ6の終端は巻き出し部材7から離れる。このため、ウェブ6の終端を巻き出し部材7に固定する力をモータの許容トルク内としてモータが故障しないようにする。この装置では、巻き取り部材8でウェブ6を巻き取ることにより、常に新しいウェブ6の表面が定着ローラ1の表面に接触するため、ウェブ6のクリーニング性能は経時的に低下しないが、ウェブ6の送り速度、送り間隔は、コピー枚数、画像濃度等により決定する必要がある。
【0004】
ウェブ6の終端が巻き出し部材7から離れないようにしているものも知られているが、ウェブ6の使用量(巻き付け量)には限界があり、ウェブ6の終端がくると常に新しいウェブ面が定着ローラ1に接触するという上述したウェブ装置の利点が生かされず、逆にウェブ6と定着ローラ1との接触面が更新されず、常に同一の汚れた面が接触してしまうという不具合が生じる。このような不具合を解決するために、特開平1−214885号公報や特開昭63−276080号公報に開示の技術のように、ウェブの残量を検知する手段を採用するものが提案されている。しかしながらこれらの技術では、ウェブの残量が無くなる警告がでるとコピーが行えなくなり、警告を無視して装置を稼働させると、ウェブの巻き取りモータ等が破壊することが起こり得るという別の問題が生じる。特開平1−241583号公報に開示の技術のようにウェブ終了時にコピー動作を禁止すればモータ等部品の破壊を防止できるが、この場合には装置を稼働させられないダウンタイムが発生してしまうという不具合が生じる。
【0005】
以上の諸問題を鑑みれば、ウェブ6の終了時には、ウェブ6の終端が巻き出し部材7から離れることが望ましく、画像形成装置等に用いられるトナーは、ワックス等が配合してあり、クリーニングやオイル塗布がなされなくても、直ぐに装置が故障することはなく、ある実験によれば5万枚程度の通紙が可能であるとされている。ところが、本来ウェブ6によって清掃されていた紙粉やトナーが徐々に定着ローラ1や押圧部材9(ウェブ6が無くなると直接定着部材に当接することになる)に堆積してゆき、転写紙5に逆転写するオフセット現象が発生したり、汚れが各部材から取れなくなって故障が発生したりする。また巻き出し部材7を離れたウェブ6の終端がどこにも支持されないため、周囲の部材に巻き付いたり、転写紙5の搬送経路の障害となる恐れがある。
【0006】
そこで本発明は、ウェブが終了しても押圧部材を介して定着部材の汚れを回収でき、複写機等を停止させたり、故障させたりすることなく稼働させ続けることができるウェブ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のウェブ装置のうち請求項1に係るものは、上記目的を達成するために、画像形成装置の定着部材にウェブを接触させて清掃またはオイル塗布を行うウェブ装置であって、上記ウェブが巻き出し部材から押圧部材を介して巻き取り部材に巻き取られる間に、上記押圧部材により上記定着部材に上記ウェブを接触させて上記定着部材の清掃またはオイル塗布を行い、上記ウェブの終了時に該ウェブの端部が上記巻き出し部材を離れるとともに、該ウェブの終了時に上記押圧部材が上記定着部材に従動して回転する部材であるウェブ装置において、上記押圧部材の上記巻き出し部材側に配置されるとともに上記ウェブを沿わせて該ウェブを上記押圧部材に押し付けるクリーニング部材であって、上記ウェブの終了時に上記押圧部材に接触するクリーニング部材を設けたことを特徴とする。
【0008】
同請求項2に係るものは、上記目的を達成するために、上記クリーニング部材が板状の部材で、該クリーニング部材を、上記ウェブの使用時は該ウェブの進行方向に対してトレーリング方向で接触し、該ウェブの終了時は上記押圧部材の回転方向に対してカウンター方向で接触する配置としてなることを特徴とする。
【0009】
同請求項3に係るものは、上記目的を達成するために、上記クリーニング部材の上記ウェブまたは上記押圧部材との接触幅を、上記定着部材における最大通紙巾より広くしたことを特徴とする。
【0010】
同請求項4に係るものは、上記目的を達成するために、上記クリーニング部材が上記押圧部材を上記定着部材に当接させる付勢手段を兼ねることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお以下では従来の例と共通する部分には共通する符号を付し、重複する説明は省略する。
図3は本発明に係るウェブ装置の第1の実施形態を示す断面図である。本実施形態のウェブ装置3は、定着ローラ1側を開放したカバー10内に巻き出し部材7、巻き取り部材8、押圧部材9及びクリーニング部材11を配し、ウェブ6の一方の端部を巻き出し部材7に巻き付け、クリーニング部材11に沿わせつつ押圧部材9の間を通して押圧部材9に巻き掛け、他方の端部を巻き取り部材8に固定してある。
【0012】
即ち押圧部材9とクリーニング部材11の当接部位でウェブ6が挟まれ、巻き取られるようになっている。このためウェブ6はクリーニング部材11により押圧部材9に押し付けられ、終端が巻き出し部材7から離れても押圧部材9を離れるまでは安定している。また押圧部材9と巻き取り部材8の距離を適正に設定することで、ウェブ6の終端が他の部材へ巻き付かなくなる。
【0013】
クリーニング部材11の材質は汚れの取りやすさを考慮すれば金属(一般にはバネ性のあるもの、例えばステンレスの薄板等)が適するが、耐熱性及び弾性を有する樹脂、シリコンゴム、フッ素ゴム等も使用できる。各種素材の表面にフッ素樹脂等の被覆を施したものでもよい。図4はクリーニング部材11が押圧部材9に対し、ウェブ6の動きとトレーリング方向に摺接していることを示す。ウェブ6の動作方向に対しクリーニング部材11が滑らかに接触している。この方向であれば動作時にウェブ6に傷が付いたり、破れたり、ウェブ6を巻き取るモータ等の負荷が上昇したりすることがない。またウェブ6が終了し、押圧部材9が定着ローラ1と直接に接触して逆回転する際に、クリーニング部材11はカウンターブレードとなり、押圧部材9に付着したトナー、紙粉等の汚れ12を効率的に落とせるようになる。なおウェブ6が存在する状態の時にクリーニング部材11がウェブ6に対してカウンター方向に摺接すると(図4(B)参照)、接触抵抗が大きく、ウェブ6の傷付き、破れ、負荷上昇等が生じる。
【0014】
図5は本実施形態に係るウェブ装置3の要部を斜め下側から見て示す斜視図である。定着ローラ1の幅寸法は転写紙5の幅wよりやや長め(例えば5mm以上)に設定する。ウェブ6の幅寸法は転写紙5の幅wと同じかそれ以上とする。通常の複写機では、転写紙5の横ズレは0〜2mmでバラツクので、それ以上が好ましい。押圧部材9の幅寸法も転写紙5の幅wより大きくする。またクリーニング部材11の幅寸法Wは押圧部材9の幅寸法とほぼ同じで、従って転写紙5の幅wより大きくする。このようにすると、ウェブ6が無くなった際に押圧部材9のほぼ全長にわたってクリーニング部材11が直接に接触し、汚れ12を回収できるようになる。
【0015】
本実施形態の動作を図6により説明する。図示のようにウェブ6の終端が押圧部材9を離れると、押圧部材9は定着ローラ1に直接接触し、定着ローラ1の回転との従動で、ウェブ6があるときと逆の回転を始める。またクリーニング部材11は押圧部材9に直接接触する。すると定着ローラ1に付着した紙粉、トナー等の汚れ12が押圧部材9へ移動し、クリーニング部材11により掻き取られる。掻き取られた汚れ12は、ウェブのカバー10内の下部に溜まる。
【0016】
図7、8は本発明に係るウェブ装置の第2の実施形態を示す。クリーニング部材の形状は板状でなくても本実施形態のクリーニングローラ20のようなローラ形状とし、ウェブ6の移動や、押圧部材9の回転に従動するようにしたものでもよい。このような形状でもウェブ6の押圧部材9への保持には何ら影響ない。なおこのようなクリーニングローラ20を用いる場合は、図9に示すように押圧部材9が若干変形した位置で固定できるようにクリーニングローラ20の位置を調整する。これにより押圧部材9に特別な加圧機構がなくても、定着ローラ1へ加圧できるようになる。その他の構成、動作は先の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0017】
図10は本発明に係るウェブ装置の第3の実施形態を示す。本実施形態は第1の実施形態と同様にバネ性の材質で構成した板状のクリーニング部材22を変形させて押圧部材9に接触させている。変形したクリーニング部材22はバネ性により元に戻ろうとし、この力で押圧部材9が定着ローラ1へ圧接される。このため図9の実施形態と同様に、押圧部材9に特別な加圧機構がなくても、定着ローラ1へ加圧できるようになる。その他の構成、動作は先の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0018】
【発明の効果】
請求項1に係るウェブ装置は、以上説明してきたように、ウェブの終端が押圧部材を離れると、押圧部材は定着ローラに直接接触し、定着ローラの回転との従動で、ウェブがあるときと逆の回転を始め、定着ローラに付着した紙粉、トナー等の汚れが押圧部材へ移動し、クリーニング部材により掻き取られ、ウェブが終了しても押圧部材を介して定着部材の汚れをクリーニング部材が回収するので、機械を停止させたり、故障させることなく継続して稼働させ得るという効果がある。
【0019】
請求項2に係るウェブ装置は、上記共通の効果に加え、ウェブの使用期間内ではクリーニング部材がウェブの送りに負荷を与えることがなく、ウェブ終端通過後は定着部材に従動する押圧部材の回転方向とカウンターで当接するので、汚れの掻き取り性をより高め得るという効果がある。
【0020】
請求項3に係るウェブ装置は、上記共通の効果に加え、ウェブの寿命内ではクリーニング部材がウェブの送りに負荷を与えることがなく、ウェブを安定して押圧部材に接触させることができ、ウェブ終了後は押圧部材に付着する汚れをその全長にわたって落とせるという効果がある。
【0021】
請求項4に係るウェブ装置は、上記共通の効果に加え、押圧部材を定着部材に押圧する機構が簡略化でき、装置の大型化やコストアップを防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウェブ装置を用いた熱ローラ定着装置の概念的な断面図である。
【図2】図1に示すウェブ装置の詳細を示す断面図である。
【図3】本発明に係るウェブ装置の第1の実施形態を示す断面図である。
【図4】図3のウェブ装置のクリーニング部材とウェブ、押圧部材の接触状態を示す断面図である。
【図5】図3のウェブ装置の要部を図3の右斜め下側から見て示す斜視図である。
【図6】図3のウェブ装置の動作を示すための断面図である。
【図7】本発明に係るウェブ装置の第2の実施形態を示す断面図である。
【図8】
図7のウェブ装置の動作を示すための断面図である。
【図9】図7のウェブ装置の変形配置例を示す断面図である。
【図10】本発明に係るウェブ装置の第3の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 定着ローラ
1a 熱源
2 加圧ローラ
3 ウェブ装置
4 未定着画像
5 転写紙
6 ウェブ
7 巻き出し部材
8 巻き取り部材
9 押圧部材
10 カバー
11、22 クリーニング部材
12 トナー、紙粉等の汚れ
20 クリーニングローラ
Claims (4)
- 画像形成装置の定着部材にウェブを接触させて清掃またはオイル塗布を行うウェブ装置であって、上記ウェブが巻き出し部材から押圧部材を介して巻き取り部材に巻き取られる間に、上記押圧部材により上記定着部材に上記ウェブを接触させて上記定着部材の清掃またはオイル塗布を行い、上記ウェブの終了時に該ウェブの端部が上記巻き出し部材を離れるとともに、該ウェブの終了時に上記押圧部材が上記定着部材に従動して回転する部材であるウェブ装置において、
上記押圧部材の上記巻き出し部材側に配置されるとともに上記ウェブを沿わせて該ウェブを上記押圧部材に押し付けるクリーニング部材であって、上記ウェブの終了時に上記押圧部材に接触するクリーニング部材を設けたことを特徴とするウェブ装置。 - 上記クリーニング部材が板状の部材で、該クリーニング部材を、上記ウェブの使用時は該ウェブの進行方向に対してトレーリング方向で接触し、該ウェブの終了時は上記押圧部材の回転方向に対してカウンター方向で接触する配置としてなることを特徴とする請求項1のウェブ装置。
- 上記クリーニング部材の上記ウェブまたは上記押圧部材との接触幅を、上記定着部材における最大通紙巾より広くしたことを特徴とする請求項1または2のウェブ装置。
- 上記クリーニング部材が上記押圧部材を上記定着部材に当接させる付勢手段を兼ねることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかのウェブ装置。
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JPH1165347A JPH1165347A (ja) | 1999-03-05 |
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1997
- 1997-08-18 JP JP23781197A patent/JP3681868B2/ja not_active Expired - Fee Related
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