JP3681328B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体ウエハ、液晶表示用ガラス基板等の基板を処理槽内の処理液に浸漬させ、基板に対してエッチング処理、洗浄処理等の所定の処理を行う基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の基板処理装置としては、図4(a)に示すような、ウエハWを処理液に浸漬させてウエハWに対して、エッチング処理、または洗浄処理を行う基板処理装置がある。
【0003】
この基板処理装置は、処理液を貯溜する処理槽100を備えており、この処理槽100の下面部には、超音波振動板110が配置されている。この超音波振動板110には、超音波振動子となる、複数のピエゾ素子130が一列に配置されている(図4(a)では8個)。そして、図4(b)に示すようにこのピエゾ素子130は、am×hmの大きさであり、各ピエゾ素子130は、約1mm間隔で配置されている。ウエハWに対して、エッチング処理、または洗浄処理を行う場合、図示しない電源を駆動させて複数のピエゾ素子130を振動させながら、処理槽100内の処理液に浸漬されたウエハWに対するエッチング処理あるいは洗浄処理が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の基板処理装置では、超音波振動板110に配置された複数のピエゾ素子130の配列に起因して、図4(a)の2点鎖線のように、処理槽100内へ照射される超音波の音圧分布の不均一が発生し、この不均一が原因で、ウエハWの洗浄ムラやウエハWの表面に形成されたデバイスへのダメージを引き起こすという問題がある。
【0005】
通常の可聴音と異なり、いわゆるメガソニック(1MHz近傍の超音波が、700kHz〜3MHz)は、直進性が極めて高い。ピエゾ素子130からの振動は、ピエゾ素子130からの距離が増加するにしたがって、収束する傾向がある。そのため、ピエゾ素子130の構造上、必然的に1枚のピエゾ素子130の周辺部は音圧の分布が弱くなる。
【0006】
そこで、ピエゾ素子130の形状・寸法を、例えば、am×hmの大きさより小さくするなどして、変更することが考えられるが、それでも、音圧分布の均一性は改善されず、ウエハWの洗浄ムラやウエハWの表面に形成されたデバイスへのダメージを引き起こすという問題を解決することはできなかった。特に、ピエゾ素子130のつなぎめが音圧が弱くなるという傾向にあった。
【0007】
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであって、基板に対する超音波振動部からの処理槽内へ照射される超音波の音圧分布の均一性を向上させ、基板の洗浄効果を向上させる基板処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1に記載の基板に所定の処理を行う基板処理装置において、処理液を貯溜し、基板を処理液に浸漬させるための処理槽と、前記処理槽の一面側に一列に配置された複数の超音波振動子を有する第1超音波振動部と、前記処理槽の一面側と対向する対向面側に一列に配置された複数の超音波振動子を有する第2超音波振動部とを備え、前記第1超音波振動部の複数の超音波振動子と、前記第2超音波振動部の複数の超音波振動子とは、互いに平行に、かつ互いに位置をずらせて配置され、前記第1超音波振動部の複数の超音波振動子の発振と、前記第2超音波振動部の複数の超音波振動子の発振とを交互に繰り返させる制御手段をさらに備えたていることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項2に記載の基板処理装置は、請求項1に記載の基板処理装置において、前記第1超音波振動部の複数の超音波振動子が、前記処理槽の一側面側に配置され、前記第2超音波振動部の複数の超音波振動子が、前記処理槽の一側面側と対向する対向側面側に配置されたことを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明に係る基板処理装置の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る基板処理装置の概略構成図である。
【0012】
この基板処理装置は、基板の一種であるウエハWに対して、エッチング処理、または洗浄処理を行うバッチ式の浸漬型の基板洗浄装置である。この基板処理装置は、処理液を貯溜し、ウエハWを処理液に浸漬させるための処理槽1を備えている。この処理槽1内には、処理槽1内においてウエハWの下部を保持するための3つの保持部2が備えている。
【0013】
処理槽1の一側面側1A(図1の紙面左側)には、四角形の第1超音波振動板3が配置されている。この第1超音波振動板3の処理槽1側には、図2(a)に示すように、複数のピエゾ素子30が上下方向に配置されている(図2(a)では8個)。したがって、処理槽1の一側面と第1超音波振動板3の複数のピエゾ素子30が配置されている面とは互いに対向していることになる。
【0014】
また、処理槽1の一側面側1Aと対向する対向面側1B(図1の紙面左側)には、四角形の第2超音波振動板4が配置されている。この第2超音波振動板4の処理槽1側には、図2(b)に示すように、複数のピエゾ素子40が上下方向に配置されている(図2(b)では8個)。したがって、処理槽1の対向面と第2超音波振動板4の複数のピエゾ素子40が配置されている面とは互いに対向していることになる。
【0015】
第1超音波振動板3の複数のピエゾ素子30と、第2超音波振動板4の複数のピエゾ素子40とは、互いに平行に、かつ互いに位置をずらせて千鳥格子状に配置されている。なお、第1超音波振動板3は、本発明の第1超音波振動部に相当するとともに、第2超音波振動板4は、本発明の第2超音波振動部に相当する。
【0016】
複数のピエゾ素子30は、第1超音波振動源31に電気的に接続されており、第1超音波振動源31が「ON」「OFF」制御されることにより、複数のピエゾ素子30の振動制御が行われる。また、複数のピエゾ素子40は、第2超音波振動源41に電気的に接続されており、第2超音波振動源41が「ON」「OFF」制御されることにより、複数のピエゾ素子40の振動制御が行われる。
【0017】
さらに、第1超音波振動源31及び第2超音波振動源41は、いずれも制御部50に電気的に接続されている。この制御部50は、第1超音波振動源31及び第2超音波振動源41を制御する。
【0018】
なお、制御部50は、次のようにして、第1超音波振動源31及び第2超音波振動源41の制御を行う。
【0019】
まず、制御部50は、第1超音波振動源31を「ON」に制御にして、複数のピエゾ素子30の振動を開始すさせる。これにより、図1の矢印Xに示すように、複数のピエゾ素子30の振動により、複数のピエゾ素子30から処理槽1内に超音波が照射される。
【0020】
次に、制御部50は、第1超音波振動源31を「OFF」に制御して、複数のピエゾ素子30の振動を停止するとともに、第2超音波振動源41を「ON」に制御して、複数のピエゾ素子40の振動を開始させる。これにより、図1の矢印Yに示すように、複数のピエゾ素子40の振動により、複数のピエゾ素子30から処理槽1内に超音波が照射される。
【0021】
第1超音波振動源31が「ON」「OFF」に制御され、また第2超音波振動源41が「ON」「OFF」に制御されることにより、図1に示すように、処理槽1内にあるウエハW全面に超音波が照射されることになる。そして、図3に示すように、第1超音波振動源31の「ON」「OFF」制御及び第2超音波振動源41の「ON」「OFF」制御が5〜10分繰り返される。その結果、ウエハWに対する複数のピエゾ素子30、40からの処理槽1内へ照射される超音波の音圧分布の均一性を向上させ、ウエハWの洗浄効果を向上させることができ、結果的に、ウエハWの歩留まりを向上させることが可能になる。
【0022】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、請求項1に記載の基板処理装置によれば、処理槽の一面側に一列に配置された複数の超音波振動子を有する第1超音波振動部と、処理槽の一面側と対向する対向面側に一列に配置された複数の超音波振動子を有する第2超音波振動部とを備え、第1超音波振動部の複数の超音波振動子と、第2超音波振動部の複数の超音波振動子とは、互いに平行に、かつ互いに位置をずらせて配置されているので、処理槽内の基板へ照射させる超音波の音圧分布の均一性を向上させ、基板の洗浄効果を向上させることができるという効果がある。
さらに、制御手段により、第1超音波振動部の複数の超音波振動子の発振と、第2超音波振動部の複数の超音波振動子の発振とを交互に繰り返させているので、効率的に処理槽内の基板へ照射させる超音波の音圧分布の均一性を向上させることができるという効果がある。
【0023】
また、請求項2に記載の基板処理装置によれば、第1超音波振動部の複数の超音波振動子は、処理槽の一側面側に配置され、第2超音波振動部の複数の超音波振動子は、処理槽の一側面側と対向する対向側面側に配置されているので、確実に処理槽内の基板へ照射させる超音波の音圧分布の均一性を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る基板処理装置の概略構成図である。
【図2】(a)は、第1の超音波振動板の平面図、(b)は、第2の超音波振動板の平面図である。
【図3】第1超音波振動源及び第2超音波振動源の「ON」「OFF」制御を示す図である。
【図4】(a)は、従来の基板処理装置の概略構成を示す図であり、(b)は、従来の基板処理装置に用いられている超音波振動板の平面図である。
【符号の説明】
1 処理槽
1A 一側面側
1B 対向面側
2 保持部
3 第1超音波振動板
4 第2超音波振動板
30 ピエゾ素子
31 第1超音波振動源
40 ピエゾ素子
41 第2超音波振動源
50 制御部

Claims (2)

  1. 基板に所定の処理を行う基板処理装置において、
    処理液を貯溜し、基板を処理液に浸漬させるための処理槽と、
    前記処理槽の一面側に一列に配置された複数の超音波振動子を有する第1超音波振動部と、
    前記処理槽の一面側と対向する対向面側に一列に配置された複数の超音波振動子を有する第2超音波振動部とを備え、
    前記第1超音波振動部の複数の超音波振動子と、前記第2超音波振動部の複数の超音波振動子とは、互いに平行に、かつ互いに位置をずらせて配置され
    前記第1超音波振動部の複数の超音波振動子の発振と、前記第2超音波振動部の複数の超音波振動子の発振とを交互に繰り返させる制御手段をさらに備えたことを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置において、
    前記第1超音波振動部の複数の超音波振動子は、前記処理槽の一側面側に配置され、前記第2超音波振動部の複数の超音波振動子は、前記処理槽の一側面側と対向する対向側面側に配置されたことを特徴とする基板処理装置。
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