JP3680642B2 - 製本機の落乱丁検出装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製本丁合工程において使用される製本機において、各折丁供給台に載置する丁合すべき折丁の載せ違いの発生や、丁合された折丁の落乱丁の発生の有無を検出する製本機の落乱丁検査装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
製本綴じ作業前の折丁紙葉を頁順序に従って丁合する場合、各頁毎に区分して各供給台に積載し、各々供給台より１枚毎引き出して順次ギャザリングチェーンに載せ、連続して一冊分毎の丁合を行うものであるが、丁合機の折丁送行路に検出器を設けて、折丁の通過の有無及び丁合された後の厚さを検出することによって、一冊分の丁合員数の過不足状態の確認を行っていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
このような場合、落丁の有無は確認できても供給台への折丁の載せ違い、あるいは載せ方向（表裏関係及び天地関係）の違いが発生した場合は、それを検出することができなかった。
【０００４】
【発明の目的】
本発明は、製本丁合機において、丁合機供給台への折丁の載せ忘れや載せ違いなどにより生じる丁合折丁の欠落や丁合ページ順の異状の発生を検出して、丁合される折丁の落乱丁の発生の有無を検出できるようにするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項１に係る発明は、折丁を丁合搬送するギャザリングチェーンと、該ギャザリングチェーンの進行方向に沿って配列する複数の折丁供給台とを備え、各々折丁供給台から１枚ずつ折丁を送行するギャザリングチェーン上に供給しながら、該ギャザリングチェーン上に供給された先の折丁上に順次次の折丁を積載しながら丁合して製本する製本機の落乱丁検出装置において、
各折丁供給台毎に対応して定位置に設けられ且つギャザリングチェーンにより移動中の
各々丁合折丁の表示パターンを定位置読取領域を持って読取可能であって、各１サイクル毎に折丁搬送方向に沿って順次異なる複数の定位置読取領域を読取可能なティーチング読取機構と、前記複数の定位置読取領域のうち、折丁の表示パターン読取感度の最も高い最適な定位置読取領域を選択する最適定位置読取領域選択機構とを備えた各々パターン読取手段と、
選択された最適な折丁の定位置読取領域にて読取された読取データをそれぞれ各折丁供給台の折丁毎に区分して記憶する読取データ記憶手段と、
記憶された各折丁供給台毎の折丁の読取データに基づいてその折丁固有の折丁識別データを確定する折丁識別データ確定手段と、
確定した各々折丁識別データを登録する折丁識別データ登録手段と、
登録後にて各折丁供給台に対応する各々パターン読取手段によりギャザリングチェーンにより移動中の各々丁合折丁の表示パターンを順次読取して得られる読取データと登録されている前記折丁供給台毎の各折丁識別データとの同異を比較照合するデータ同異比較照合手段と、
比較照合の結果、データが同一の場合は正常丁合信号を、データが異なる場合は異状丁合信号を出力する読取結果出力手段とを備えたことを特徴とする製本機の落乱丁検出装置である。
【０００６】
次に本発明の請求項２に係る発明は、折丁を丁合搬送するギャザリングチェーンと、該ギャザリングチェーンの進行方向に沿って配列する複数の折丁供給台とを備え、各々折丁供給台から１枚ずつ折丁を送行するギャザリングチェーン上に供給しながら、該ギャザリングチェーン上に供給された先の折丁上に順次次の折丁を積載しながら丁合して製本する製本機の落乱丁検出装置において、
各折丁供給台毎に対応して定位置に設けられ且つギャザリングチェーンにより移動中の各々丁合折丁の表示パターンを定位置読取領域を持って読取可能であって、１サイクル中に所定の複数回に亘って折丁搬送方向に沿って異なる複数の定位置読取領域を読取可能なティーチング読取機構と、前記複数の定位置読取領域のうち、折丁の表示パターン読取感度の最も高い最適な定位置読取領域を選択する最適定位置読取領域選択機構とを備えた各々パターン読取手段と、
選択された最適な折丁の定位置読取領域にて読取された読取データをそれぞれ各折丁供給台の折丁毎に区分して記憶する読取データ記憶手段と、
記憶された各折丁供給台毎の折丁の読取データに基づいてその折丁固有の折丁識別データを確定する折丁識別データ確定手段と、
確定した各々折丁識別データを登録する折丁識別データ登録手段と、
登録後にて各折丁供給台に対応する各々パターン読取手段によりギャザリングチェーンにより移動中の各々丁合折丁の表示パターンを順次読取して得られる読取データと登録されている前記折丁供給台毎の各折丁識別データとの同異を比較照合するデータ同異比較照合手段と、
比較照合の結果、データが同一の場合は正常丁合信号を、データが異なる場合は異状丁合信号を出力する読取結果出力手段とを備えたことを特徴とする製本機の落乱丁検出装置である。
【０００７】
次に本発明の請求項３に係る発明は、上記請求項１又は請求項２に係る製本機の落乱丁検出装置において、前記各々パターン読取手段が、折丁供給台の真下又は真下以外のそれぞれギャザリングチェーン送行路の近傍に設けられていることを特徴とする製本機の落乱丁検出装置である。
【０００８】
次に本発明の請求項４に係る発明は、上記請求項１乃至請求項３のいずれか１項に係る製本機の落乱丁検出装置において、前記比較照合手段が、メモリ内の文字・記号パターン参照テーブルに収納記憶された文字・記号パターンデータと、パターン読取手段による折丁に表示されたパターンの実読取パターンデータとのデータ比較照合を行い、折丁に表示されたパターンが文字・記号パターンであるか否かを判定し、その判定データを前記読取結果出力手段から読取モード切替え指示信号としてそれぞれ供給台に対応するパターン読取手段にフィードバックし、文字・記号パターンと判定されれば文字読取モードに、絵柄パターンであると判定されれば絵柄読取モードに、それぞれ供給台に対応する個々のパターン読取手段の読取モードを切り換え可能であることを特徴とする製本機の落乱丁検出装置である。
【０００９】
本発明の請求項５に係る発明は、上記請求項１乃至請求項４のいずれか１項に係る製本機の落乱丁検出装置において、前記パターン読取手段が、１つの折丁に対してそれぞれ別の２個所の検査を行い、その両方の読取データを前記比較照合手段のメモリに一旦記憶させ、該比較照合手段によりその両方の読取データを比較照合して、その両方の読取データにおいて同一個所に同一パターン部分が存在するか否かを判定し、その判定データをチェックデータとして前記読取結果出力手段からそれぞれ供給台に対応する個々のパターン読取手段にフィードバックして、それぞれ供給台に対応する個々のパターン読取手段が正常に機能しているか否かのチェックをするチェックシステムを備えることを特徴とする製本機の落乱丁検出装置である。
【００１１】
【発明の実施の形態】
本発明の製本機の落乱丁検出装置について、図１の部分側面図、及び図２、図３の部分正面図に従って、その発明の実施の形態を詳細に説明すれば、製本丁合機は、図１に示す
ように、折丁供給台１を概略水平方向に備え、該供給台の前端部下側に咥爪６を有する受渡し胴５を備え、該受渡し胴５の下側前後に折丁開放端部を開離する各開離胴７, ８を設け、該開離胴の中間下部に、エンドレス送行するギャザリングチェーン９を備える。
【００１２】
また、図１に示すように各供給台１上に積載した折丁ａは、供給台１前端部のフィーダーアーム１１により折丁最下層の折丁ａの折目b 側の前端部を下側より吸着して下方に下げ、受渡し胴５ の咥爪６ に咥え換えして、該胴５ により搬送し、互いに逆方向で同周速度にて回転する下側開離胴７, ８間に２つ折り折丁ａの開放端部が入り込んだとき、該胴のそれぞれバキューム吸着部１２, １３によってその２つ折り各々後端部を吸着して、折丁ａの後端部（小口側）を開離し、直ちに吸着動作を停止することによって送行するギャザリングチェーン９上に掛け載せするものである。なお、折丁ａ が送行するチェーン９上に掛け載せられる際には、一旦、チェーン９ と平行に離間し、その送行方向に向かって対接するブラケット１０上に掛け載せられる。
【００１３】
図２に示すように、折丁供給台１は、エンドレス送行するギャザリングチェーン９に沿って等間隔に複数配置され、複数の各供給台１（第１供給台、第２供給台、第３供給台・・・・・第ｎ供給台）には、書籍、雑誌などの製本ページを構成する刷本シートを、予め製本丁合前の折り工程にて１回乃至２回以上複数回に亘って順次２つ折り形成して得られた２つ折り折丁ａが、その折丁ａに印刷された印刷情報種類（各種類折丁）の異なるそれぞれ第１折丁、第２折丁、第３折丁・・・第ｎ折丁毎に平坦に多数積載されている。
【００１４】
この各供給台１に積載される折丁ａには、各供給台１毎に異なる画像や文字などによるパターン情報として読み取り可能な情報が印刷表示され、また、その各折丁ａの２つ折目ｂ側（製本綴じ側；製本背側）の供給前端側、又は２つ折目ｂ側と反対側の供給後端側の開放端部ｃ（製本小口側）や、各折丁ａの２つ折目ｂに対して直交する天地端部の一側面には、各折り毎、その折丁ａの外側端部の化粧断裁線より外側のラップ部分の異なる位置に、例えば黒色などの印刷インキにより折丁識別パターンが印刷表示されている。
【００１５】
図１、図２に示すように、エンドレス送行するギャザリングチェーン９には複数の折丁送り爪９ａが、各供給台１の配置間隔に等しい等間隔で一体に取り付けられていて、チェーン９上に掛け載せられた折丁ａはその送り爪９ａにより搬送方向の後端部を押し送りされて搬送され、１つの送り爪９ａは、先の供給台１で供給されて掛け載せられて搬送される折丁ａ0 を搬送すると同時に、ブラケット１０を通過する際に、次の供給台１で供給されて先の折丁ａ0 の上方よりブラケット１０上に掛け載せられた折丁ａの後端部を、ブラケット１０上をスライドさせながら押し送りして前方に搬送する。
【００１６】
図３に示すように、エンドレス送行するギャザリングチェーン９は、一端の駆動回転スプロケット９ｂと他端の回転スプロケット（図示せず）とに巻回してエンドレス回転して送行し、ギャザリングチェーン９の送行路終端以降には、丁合を終了した２つ折り丁合折丁の背部（２つ折目ａ）を綴じる綴部３０（針金３１を用いた綴じ形式のホッチキス機構３２又はミシン綴じ形式のミシン縫い機構など）と、綴じ製本又は綴じられていない丁合折丁を上向き方向に搬送する搬送ロール４１、上向き搬送ベルト４２、良品本を一方の水平方向（例えば図面手前側の良品排出方向）に、また不良品本を他方の水平方向（図面裏面側のリジエクト方向）にそれぞれ振り分け排出するフリップフロップガイドを備えた水平排出ベルト４３などにより構成される製本排出部４０がこの順に配置されている。
【００１７】
綴部３０には、ギャザリングチェーン９の送行路終端から送り爪９ａにより送り出された丁合終了後の２つ折り丁合折丁を受け取り、綴部３０から排出部４０方向に搬送する搬送ガイド板２１と搬送ロール２２、２３に巻回する搬送ベルト２４などにより構成される搬送部２０が設けられ、丁合折丁を搬送ガイド板２１に沿って搬送しながらら綴部３０にて綴じ、落乱丁発生の無い綴じられた良品本は一方の水平方向に、また落乱丁発生の有るリジエクトすべき不良品本( 綴じられていない丁合折丁) は他方の水平方向に排出部４０の水平排出ベルト４３によって排出されるようになっている。
【００１８】
本発明の上記製本機の落乱丁検査装置には、図１、図２、図３に示すように、各供給台１のエンドレス送行するギャザリングチェーン９の送行方向下流側の配置間隔内における各々定点位置にそれぞれパターン読取手段１４が設けられている。
【００１９】
各々パターン読取手段１４は、各折丁供給台１毎に対応して定位置に設けられていて、折丁供給部( 図１）の供給駆動回転系及びギャザリングチェーン９（図２、図３）のエンドレス送行駆動回転系に連動するように取り付けられて同期的に回転するロータリーエンコーダ（あるいはタイミングカムスイッチなど）による送行サイクル信号（パルス信号）を定位置設定のために設定された所定カウント数だけカウントした時点における位置を各々パターン読取手段１４の定位置読取領域として、その読取領域内に丁合折丁ａが搬送された時点で瞬間読取動作するようになっており、ギャザリングチェーン９ により移動中の各々丁合折丁ａの外側表面に印刷表示されている印刷情報の所定パターン又は識別パターンなどの表示パターンを定位置読取領域をもって読取可能である。
【００２０】
図４に示すように、第１供給台、第２供給台、第３供給台・・・第ｎ供給台の各供給台１に積載されるそれぞれ第１折丁、第２折丁、第３折丁・・・第ｎ折丁の各折丁ａには、製本される本のページ内容そのものの一部としての画像パターン、文字パターンや、必要に応じて折丁の余白部に折丁識別パターンなどの表示パターンＰが印刷表示されている。
【００２１】
本発明の上記製本機の落乱丁検査装置における第１供給台、第２供給台、第３供給台・・・第ｎ供給台の各折丁供給台１に対応して設けた各々パターン読取手段１４には、図５に示すように、該各パターン読取手段１４ により読取された読取データをそれぞれ各折丁供給台１の折丁ａ毎に区分して記憶するそれぞれ読取データ記憶手段１５を備え、記憶された各折丁供給台１毎の折丁ａの読取データに基づいて、その折丁固有の折丁識別データを確定する折丁識別データ確定手段１６を備えている。
【００２２】
折丁識別データ確定手段１６は、各供給台１からプリセット用の数部の折丁ａを送行するギャザリングチェーン９上に供給しながら丁合し、それぞれ各供給台１毎に読み取り記憶された読取データの相違を読取データ相違判定手段５１にて判定して、それぞれ読取データが互いに異なる内容を意味するデータであることを確認した上で、その個々の読取データをその折丁固有の折丁識別データとして確定するものである。各供給台１毎に記憶された読取データの一部に偶然若しくは必然的に同一の読取データがある場合には、その同一の読取データが読み取られた折丁供給台１に対応して設けたパターン読取手段１４の定位置読取領域( その読取手段１４の取付固定位置又は読み取りタイミング) を変更して、互いに異なる読取データとなるように設定するものである。
【００２３】
折丁識別データ確定手段１６にて確定した各折丁供給台１に対応する各々折丁識別データは、折丁識別データ登録手段１７により登録される。
【００２４】
登録後にて、データ同異比較照合手段１８は、各折丁供給台１に対応する各々パターン読取手段１４によりギャザリングチェーン９により移動中の各々丁合折丁ａの表示パターンを順次読取して得られる読取データと、登録されている前記折丁供給台１毎の各折丁識別データとの同異を比較照合する。
【００２５】
比較照合の結果、データが同一の場合は正常丁合信号、データが異なる場合は異状丁合信号を読取結果出力手段１９より出力する。
【００２６】
読取結果出力手段１９より出力された丁合折丁の異状丁合信号によりシフトレジスター５２がシフト動作を開始し、該シフトレジスター５２はシフト動作完了時点でリジェクト動作信号をリジェクター５３に発して、丁合折丁をリジェクト動作する。
【００２７】
本発明装置におけるパターン読取手段１４は、それぞれタイマーあるいはリミットスイッチ、ロータリーカムスイッチ、ロータリーエンコーダー等を設け、これらのタイミング機構によって製本丁合機の動作周期に同期させて、所定のタイミングにて読取動作できる。
【００２８】
図６に示すように、ギャザリングチェーン９による折丁ａの搬送方向後端より一定距離ｄの位置にある折丁ａに表示された前記パターンＰが、定位置に取り付け固定されたパターン読取手段１４によりその定位置読取領域Ｌ（読取視野内）を通過する時間内にタイミングを合わせて、ラインスピードに関係なく瞬間的に読み取られるものである。そして、第１供給台、第２供給台、第３供給台・・・第ｎ供給台の各供給台１に積載されているべきそれぞれ第１折丁、第２折丁、第３折丁・・・第ｎ折丁の各折丁ａに表示されたそれぞれ表示パターンＰを読取して、それぞれ各供給台１に対応する読取データと予め登録されている基準データとしてのそれぞれ登録データとを各供給台１毎に比較照合判定する。
【００２９】
図８は、折丁の表示パターンＰを読み取るタイミングを説明するタイミングチャートであり、横軸の時間軸（周期）は、図１に示す折丁供給部における受渡し胴５の回転角θ（１回転；２πラジアン）を表し、縦軸は、折丁供給部の各供給台１から折丁ａを１部ずつギャザリングチェーン９（ブラケット１０）上に送出するタイミングである▲１▼折丁送出と、ギャザリングチェーン９（ブラケット１０）上に送出した折丁ａがブラケット１０上を移動通過し終わるまでのタイミングである▲２▼ブラケット１０上通過と、ブラケット１０上を通過後に丁合された折丁ａの表示パターンＰを読み取り検出するタイミングである▲３▼読取動作を表し、▲３▼読取動作は、各サイクル全て同一タイミングで行われる。なお、図中、▲２▼ブラケット上通過と▲３▼読取動作とはタイミングにおいて重なりがないが、本発明においては前記各々パターン読取手段１４を折丁供給台１の真下のブラケット１０に対設することにより、ブラケット１０上に掛け載せられて移動中の折丁ａの表示パターンＰを読み取るようにして両者のタイミングは重なってもよい。
【００３０】
そして、各供給台１毎にそれぞれ照合されたデータが互いに一致している場合は正常丁合と判定し、結果出力手段１９から正常丁合信号が出力されて、正常丁合信号により製本丁合動作は継続運転される。
【００３１】
また、先の折丁の上に次の折丁の供給がされないために落丁が発生し、先の折丁の表示パターンＰが読み取られ、又は載せ違いにより当該折丁供給台に正規の折丁が積載されてないために乱丁が発生して、照合されたデータが不一致となる場合は落乱丁合と判定し、結果出力手段１９から異状丁合信号が出力される。
【００３２】
本発明装置においては、落乱丁合の異状丁合信号が各供給台１に設置された各々パターン読取手段１４のうち、いずれの供給台１に対応する読取手段１４から発せられたものであるかを検知でき、ギャザリングチェーン９上にて搬送されている落乱丁の発生した丁合折丁のギャザリングチェーン９上での搬送位置を特定することができ、異状丁合の発生した供給台は、出力手段１９から出力された異状丁合信号によりブザーあるいはランプなどの警報器を起動させて確認できる。
【００３３】
また、本発明装置においては、同一供給台にて予め任意に設定された枚数の折丁の供給動作に関して連続して異状丁合信号が出力された時には、ギャザリングチェーン９をはじめ、丁合ラインを一旦停止できる機構を設けてもよい。
【００３４】
そして、本発明装置は、読取手段１４が丁合折丁の異状丁合信号を検出した時点からシフト動作を開始するシフトレジスター５２と、該シフトレジスター５２からのリジェクト動作信号により動作するリジェクター５３とを備える。
【００３５】
該シフトレジスター５３は、製本丁合機のギャザリングチェーン９上の丁合折丁ａが１つの折丁供給台１の真下からその次の供給台１の真下を通過するまでの動作を１サイクルとして、異状丁合信号を検出した時点から、その異状丁合信号を発した丁合折丁がフリップフロップガイドに到達するまでのサイクル数だけシフト動作して、そのシフト動作を完了した時点で出力する動作信号により、フリップフロップガイド駆動用マグネットを動作させ、排出部４０にある水平排出ベルト４３のフリップフロップガイドをリジェクト方向に起動させてリジェクター５３を駆動し、該異状丁合信号を発した丁合折丁ａを不良本としてリジェクター５３からリジェクト排出する。
【００３６】
次に本発明の請求項１に係る発明の製本機の落乱丁検出装置について、その発明の実施の形態を以下に詳細に説明する。
【００３７】
本発明の請求項１に係る発明は、上述した本発明の製本機の落乱丁検出装置であって、前記各々パターン読取手段１４が、各１サイクル毎に折丁搬送方向に沿って、図７（ａ）〜（ｅ）に示すように、順次異なる複数の定位置読取領域Ｌを読取可能な下記ティーチング読取機構を備えている。
【００３８】
各々パターン読取手段１４は、それぞれタイマーあるいはリミットスイッチ、ロータリーカムスイッチ、ロータリーエンコーダー等を設け、これらのタイミング機構によって製本丁合機の動作周期に同期させて、所定のタイミングにて読取動作できる。
【００３９】
例えば、図７（ａ）に示すように、各供給台１からプリセット用の数部の折丁ａを送行するギャザリングチェーン９上に供給しながら丁合し、１サイクル中にギャザリングチェーン９による折丁ａの搬送方向後端より距離ｄ１の位置にある折丁ａに表示された前記パターンＰ１が、定位置に取り付け固定されたパターン読取手段１４によりその定位置読取領域Ｌ（読取視野内）を通過する時間内にタイミングを合わせて瞬間的に読み取られる。
【００４０】
図７（ｂ）に示すように、次のサイクル中に、ギャザリングチェーン９による折丁ａの搬送方向後端より距離ｄ２の位置にある折丁ａに表示された前記パターンＰ２が、定位置に取り付け固定されたそのパターン読取手段１４によりその定位置読取領域Ｌ（読取視野内）を通過する時間内にタイミングを合わせて瞬間的に読み取られる。
【００４１】
そして、図７（ｃ）〜（ｅ）に示すように、それぞれ順次１サイクル中に、ギャザリングチェーン９による折丁ａの搬送方向後端より距離ｄ３〜ｄ５の位置にある折丁ａに表示された前記パターンＰ３〜Ｐ５が、定位置に取り付け固定されたそのパターン読取手段１４によりその定位置読取領域Ｌ（読取視野内）を通過する時間内にタイミングを合わせて瞬間的に読み取られる。
【００４２】
図９は、上記請求項１に係る発明における折丁の表示パターンＰを読み取るタイミングを説明するタイミングチャートであり、横軸の時間軸（周期）は、図１に示す折丁供給部における受渡し胴５の回転角θ（１回転；２πラジアン）を表し、縦軸は、折丁供給部の各供給台１から折丁ａを１部ずつギャザリングチェーン９（ブラケット１０）上に送出するタイミングである(1) 折丁送出と、ギャザリングチェーン９（ブラケット１０）上に送出した折丁ａがブラケット１０上を移動通過し終わるまでのタイミングである(2) ブラケット１０上通過と、ブラケット１０上を通過後に丁合された折丁ａの表示パターンＰを読み取り検出するタイミングである(3) 読取動作を表し、(3) 読取動作はタイミングを少しずつずらして行われる。なお図中、(2) ブラケット上通過と(3) 読取動作とはタイミングにおいて重なりがないが、本発明においては両者のタイミングは重なってもよい。
【００４３】
このようにして、第１供給台、第２供給台、第３供給台・・・第ｎ供給台の各供給台１に対応する各々パターン読取手段１４は、各１サイクル毎に通過する丁合折丁をその搬送方向に沿って順次異なる複数の定位置読取領域Ｌを読み取り、読取された読取データは、図５に示すように、一旦、読取データ記憶手段１５にそれぞれ各折丁供給台１の折丁ａ毎に区分して記憶されるが、記憶された各折丁供給台１毎の折丁ａの異なる複数の定位置読取領域Ｌにて読み取られた読取データの中から折丁の表示パターン読取感度（パターンコントラスト）の最も高い最適な読取データの得られる定位置読取領域Ｌ（一定距離ｄ) を選択する最適定位置読取領域選択手段５０を備えている。
【００４４】
そして、選択された最適な折丁の定位置読取領域Ｌ（一定距離ｄ) のタイミングに設定されて各々パターン読取手段１４により読取された読取データは、それぞれ各折丁供給台の折丁毎に区分して前記読取データ記憶手段１５に記憶され、記憶されたその読取データに基づいて、その折丁固有の折丁識別データを確定する折丁識別データ確定手段１６を備えている。
【００４５】
折丁識別データ確定手段１６は、各供給台１からプリセット用の数部の折丁ａを送行するギャザリングチェーン９上に供給しながら丁合し、それぞれ各供給台１毎に読み取り記憶された読取データの相違を判定して、それぞれ読取データが互いに異なる内容を意味するデータであることを確認した上でその個々の読取データをその折丁固有の折丁識別データとして確定するものである。各供給台１毎に記憶された読取データの一部に偶然若しくは必然的に同一の読取データがある場合には、その同一の読取データが読み取られた折丁供給台１に対応して設けたパターン読取手段１４の定位置読取領域( その読取手段１４の取付固定位置又は読み取りタイミング) を変更して、互いに異なる読取データとなるように設定するものである。
【００４６】
折丁識別データ確定手段１６にて確定した各折丁供給台１に対応する各々折丁識別データは、折丁識別データ登録手段１７により登録される。
【００４７】
登録後にて、データ同異比較照合手段１８は、各折丁供給台１に対応する各々パターン読取手段１４によりギャザリングチェーン９により移動中の各々丁合折丁ａの表示パターンを順次読取して得られる読取データと、登録されている前記折丁供給台１毎の各折丁識別データとの同異を比較照合する。
【００４８】
比較照合の結果、データが同一の場合は正常丁合信号、データが異なる場合は異状丁合信号を読取結果出力手段１９より出力する。
【００４９】
読取結果出力手段１９より出力された丁合折丁の異状丁合信号によりシフトレジスター５２がシフト動作を開始し、該シフトレジスター５２はシフト動作完了時点でリジェクト動作信号をリジェクター５３に発して、丁合折丁をリジェクト動作する。
【００５０】
次に本発明の請求項２に係る発明の製本機の落乱丁検出装置について、その発明の実施の形態を以下に詳細に説明する。
本発明の請求項２に係る発明は、上述した本発明の製本機の落乱丁検出装置であって、前記各々パターン読取手段１４が、図７（ａ）〜（ｅ）に示すように、所定の複数回に亘って折丁搬送方向に沿って異なる複数の定位置読取領域を１サイクル中に読取可能な下記ティーチング読取機構を備えているものである。
【００５１】
このようにして、第１供給台、第２供給台、第３供給台・・・第ｎ供給台の各供給台１に対応する各々パターン読取手段１４は、各１サイクル中に移動（通過）する丁合折丁をその搬送方向に沿って、順次異なる複数の定位置読取領域Ｌを読み取り、読取された読取データは、上記請求項１の発明と同様に、図５に示すように、一旦、読取データ記憶手段１５にそれぞれ各折丁供給台１の折丁ａ毎に区分して記憶され、記憶された各折丁供給台１毎の折丁ａの異なる複数の定位置読取領域Ｌにて読み取られた読取データの中から折丁の表示パターン読取感度（パターンコントラスト）の最も高い最適な読取データの得られる定位置読取領域Ｌを最適定位置読取領域選択手段により選択する。そして以下図５に示す上記請求項１の発明と同様にして、選択された最適な折丁の定位置読取領域Ｌのタイミングに設定されて各々パターン読取手段１４により読取された読取データに基づいて、折丁識別データ確定手段１６、折丁識別データ登録手段１７、データ同異比較照合手段１８を経て比較照合の結果、データが同一の場合は正常丁合信号、データが異なる場合は異状丁合信号を読取結果出力手段１９より出力する。
【００５２】
読取結果出力手段１９より出力された丁合折丁の異状丁合信号によりシフトレジスター５２がシフト動作を開始し、該シフトレジスター５２はシフト動作完了時点でリジェクト動作信号をリジェクター５３に発して、丁合折丁をリジェクト動作する。
【００５３】
本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置は、折丁に表示されたパターンをパターン読取手段により読み取ることにより折丁を特定識別して落丁、乱丁を検出するようにしたので、例えば停止している折丁や任意の一定スピードあるいは可変速スピードで移動している折丁の落乱丁の検査が可能であり、また、例えばパターン読取手段は、検出折丁面に対して近接位置から１００ｍｍ程度離れた位置の間のいずれの位置にも取り付けることができ、取り付け場所の選択幅が拡がり、パターン読取手段の取り付け条件を緩和することができる。
【００５４】
また、本発明装置のパターン検出手段は、折丁に表示された絵柄パターン検出用及び文字・記号パターン検出用のいずれにも良好なパターン読取精度をもって対応することができ、例えば、予め本発明装置の照合手段に組み込んだメモリ内の文字・記号パターン参照テーブル（図示せず）に収納記憶された文字・記号パターンデータと、パターン読取手段による折丁に表示されたパターンの実読取パターンデータとのデータ比較照合を本発明装置の照合手段により行い、折丁に表示されたパターンが文字・記号パターンであるか否かを自動的に判定させ、その判定データをモード切替え指示信号としてそれぞれ供給台に対応するパターン読取手段にフィードバックして、その折丁に表示されたパターンが文字・記号パターンと判定されれば文字読取モードに、絵柄パターンであると判定されれば絵柄読取モードに、その判定データに基づいてそれぞれ供給台に対応する個々のパターン読取手段の読取モードを自動的に（又は手動にて）切り換えて、最適な読取モードによって読み取り操作をすることができる。
【００５５】
また、例えば１つの折丁に対して２回の検査（同一折丁のそれぞれ別の２個所の検査）を行い、その両方の読取データを本発明装置の照合手段のメモリに一旦記憶させ、該照合手段によりその両方の読取データを比較照合して、その両方の読取データにおいて同一個所に同一パターン部分が存在する（パターン読取手段のカメラレンズなど光学系に傷や埃が付着している）か否かを判定し、その判定データをチェックデータとして出力手段からそれぞれ供給台に対応する個々のパターン読取手段にフィードバックして、それぞれ供給台に対応する個々のパターン読取手段が正常に機能しているか否かのチェックをするチェックシステムとして組み込むことが可能である。
【００５６】
【発明の効果】
本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置は、折丁に表示されたパターンを読み取ることにより折丁を特定識別して落丁、乱丁を検出するもので、折丁の余白部などに表示された識別マークを折丁識別パターンとして読み取り、落乱丁の検出ができるだけでなく、折丁に印刷されている印刷画像や文字など印刷情報をも落乱丁検出用の折丁識別パターンとして利用することも可能であり、丁合機の落丁及び乱丁の発生した供給台を特定でき、丁合工程における落丁、載せ違いによるダブリ丁合や天地及び表裏逆丁合などの乱丁を精度よく検出することができ、また中綴製本丁合工程だけでなく平綴製本丁合工程においても使用でき、丁合製本工程における工程管理及び品質向上に顕著な効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置を説明する側面図。
【図２】（ａ）〜（ｃ）は本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置を説明する各折丁供給台の正面図。
【図３】本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置の綴部及び排出部を説明する正面図。
【図４】一般的な折丁の正面図。
【図５】本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置を説明するブロック図。
【図６】（ａ）〜（ｃ）は本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置における検出動作の一例を説明する正面図。
【図７】（ａ）〜（ｅ）は本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置における検出動作の他の例を説明する正面図。
【図８】本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置における折丁供給タイミングと読み取りタイミングの一例を説明するタイミングチャート。
【図９】本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置における折丁供給タイミングと読み取りタイミングの他の例を説明するタイミングチャート。
【符号の説明】
ａ、ａ0 …折丁
１…供給台 ５…受渡し胴 ６…咥爪 ７、８…開離胴
９…ギャザリングチェーン ９ａ…送り爪 ９ｂ…スプロケット
１０…ブラケット １１…フィーダーアーム １１ａ…フィーダー吸着部
１２、１３…バキューム吸着部 １４…パターン読取手段
２０…搬送部 ３０…綴部 ４０…排出部
５０…最適定位置読取領域選択手段 ５１…読取データ相違判定手段
５２…シフトレジスター ５３…リジェクター
【発明の属する技術分野】
本発明は、製本丁合工程において使用される製本機において、各折丁供給台に載置する丁合すべき折丁の載せ違いの発生や、丁合された折丁の落乱丁の発生の有無を検出する製本機の落乱丁検査装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
製本綴じ作業前の折丁紙葉を頁順序に従って丁合する場合、各頁毎に区分して各供給台に積載し、各々供給台より１枚毎引き出して順次ギャザリングチェーンに載せ、連続して一冊分毎の丁合を行うものであるが、丁合機の折丁送行路に検出器を設けて、折丁の通過の有無及び丁合された後の厚さを検出することによって、一冊分の丁合員数の過不足状態の確認を行っていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
このような場合、落丁の有無は確認できても供給台への折丁の載せ違い、あるいは載せ方向（表裏関係及び天地関係）の違いが発生した場合は、それを検出することができなかった。
【０００４】
【発明の目的】
本発明は、製本丁合機において、丁合機供給台への折丁の載せ忘れや載せ違いなどにより生じる丁合折丁の欠落や丁合ページ順の異状の発生を検出して、丁合される折丁の落乱丁の発生の有無を検出できるようにするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項１に係る発明は、折丁を丁合搬送するギャザリングチェーンと、該ギャザリングチェーンの進行方向に沿って配列する複数の折丁供給台とを備え、各々折丁供給台から１枚ずつ折丁を送行するギャザリングチェーン上に供給しながら、該ギャザリングチェーン上に供給された先の折丁上に順次次の折丁を積載しながら丁合して製本する製本機の落乱丁検出装置において、
各折丁供給台毎に対応して定位置に設けられ且つギャザリングチェーンにより移動中の
各々丁合折丁の表示パターンを定位置読取領域を持って読取可能であって、各１サイクル毎に折丁搬送方向に沿って順次異なる複数の定位置読取領域を読取可能なティーチング読取機構と、前記複数の定位置読取領域のうち、折丁の表示パターン読取感度の最も高い最適な定位置読取領域を選択する最適定位置読取領域選択機構とを備えた各々パターン読取手段と、
選択された最適な折丁の定位置読取領域にて読取された読取データをそれぞれ各折丁供給台の折丁毎に区分して記憶する読取データ記憶手段と、
記憶された各折丁供給台毎の折丁の読取データに基づいてその折丁固有の折丁識別データを確定する折丁識別データ確定手段と、
確定した各々折丁識別データを登録する折丁識別データ登録手段と、
登録後にて各折丁供給台に対応する各々パターン読取手段によりギャザリングチェーンにより移動中の各々丁合折丁の表示パターンを順次読取して得られる読取データと登録されている前記折丁供給台毎の各折丁識別データとの同異を比較照合するデータ同異比較照合手段と、
比較照合の結果、データが同一の場合は正常丁合信号を、データが異なる場合は異状丁合信号を出力する読取結果出力手段とを備えたことを特徴とする製本機の落乱丁検出装置である。
【０００６】
次に本発明の請求項２に係る発明は、折丁を丁合搬送するギャザリングチェーンと、該ギャザリングチェーンの進行方向に沿って配列する複数の折丁供給台とを備え、各々折丁供給台から１枚ずつ折丁を送行するギャザリングチェーン上に供給しながら、該ギャザリングチェーン上に供給された先の折丁上に順次次の折丁を積載しながら丁合して製本する製本機の落乱丁検出装置において、
各折丁供給台毎に対応して定位置に設けられ且つギャザリングチェーンにより移動中の各々丁合折丁の表示パターンを定位置読取領域を持って読取可能であって、１サイクル中に所定の複数回に亘って折丁搬送方向に沿って異なる複数の定位置読取領域を読取可能なティーチング読取機構と、前記複数の定位置読取領域のうち、折丁の表示パターン読取感度の最も高い最適な定位置読取領域を選択する最適定位置読取領域選択機構とを備えた各々パターン読取手段と、
選択された最適な折丁の定位置読取領域にて読取された読取データをそれぞれ各折丁供給台の折丁毎に区分して記憶する読取データ記憶手段と、
記憶された各折丁供給台毎の折丁の読取データに基づいてその折丁固有の折丁識別データを確定する折丁識別データ確定手段と、
確定した各々折丁識別データを登録する折丁識別データ登録手段と、
登録後にて各折丁供給台に対応する各々パターン読取手段によりギャザリングチェーンにより移動中の各々丁合折丁の表示パターンを順次読取して得られる読取データと登録されている前記折丁供給台毎の各折丁識別データとの同異を比較照合するデータ同異比較照合手段と、
比較照合の結果、データが同一の場合は正常丁合信号を、データが異なる場合は異状丁合信号を出力する読取結果出力手段とを備えたことを特徴とする製本機の落乱丁検出装置である。
【０００７】
次に本発明の請求項３に係る発明は、上記請求項１又は請求項２に係る製本機の落乱丁検出装置において、前記各々パターン読取手段が、折丁供給台の真下又は真下以外のそれぞれギャザリングチェーン送行路の近傍に設けられていることを特徴とする製本機の落乱丁検出装置である。
【０００８】
次に本発明の請求項４に係る発明は、上記請求項１乃至請求項３のいずれか１項に係る製本機の落乱丁検出装置において、前記比較照合手段が、メモリ内の文字・記号パターン参照テーブルに収納記憶された文字・記号パターンデータと、パターン読取手段による折丁に表示されたパターンの実読取パターンデータとのデータ比較照合を行い、折丁に表示されたパターンが文字・記号パターンであるか否かを判定し、その判定データを前記読取結果出力手段から読取モード切替え指示信号としてそれぞれ供給台に対応するパターン読取手段にフィードバックし、文字・記号パターンと判定されれば文字読取モードに、絵柄パターンであると判定されれば絵柄読取モードに、それぞれ供給台に対応する個々のパターン読取手段の読取モードを切り換え可能であることを特徴とする製本機の落乱丁検出装置である。
【０００９】
本発明の請求項５に係る発明は、上記請求項１乃至請求項４のいずれか１項に係る製本機の落乱丁検出装置において、前記パターン読取手段が、１つの折丁に対してそれぞれ別の２個所の検査を行い、その両方の読取データを前記比較照合手段のメモリに一旦記憶させ、該比較照合手段によりその両方の読取データを比較照合して、その両方の読取データにおいて同一個所に同一パターン部分が存在するか否かを判定し、その判定データをチェックデータとして前記読取結果出力手段からそれぞれ供給台に対応する個々のパターン読取手段にフィードバックして、それぞれ供給台に対応する個々のパターン読取手段が正常に機能しているか否かのチェックをするチェックシステムを備えることを特徴とする製本機の落乱丁検出装置である。
【００１１】
【発明の実施の形態】
本発明の製本機の落乱丁検出装置について、図１の部分側面図、及び図２、図３の部分正面図に従って、その発明の実施の形態を詳細に説明すれば、製本丁合機は、図１に示す
ように、折丁供給台１を概略水平方向に備え、該供給台の前端部下側に咥爪６を有する受渡し胴５を備え、該受渡し胴５の下側前後に折丁開放端部を開離する各開離胴７, ８を設け、該開離胴の中間下部に、エンドレス送行するギャザリングチェーン９を備える。
【００１２】
また、図１に示すように各供給台１上に積載した折丁ａは、供給台１前端部のフィーダーアーム１１により折丁最下層の折丁ａの折目b 側の前端部を下側より吸着して下方に下げ、受渡し胴５ の咥爪６ に咥え換えして、該胴５ により搬送し、互いに逆方向で同周速度にて回転する下側開離胴７, ８間に２つ折り折丁ａの開放端部が入り込んだとき、該胴のそれぞれバキューム吸着部１２, １３によってその２つ折り各々後端部を吸着して、折丁ａの後端部（小口側）を開離し、直ちに吸着動作を停止することによって送行するギャザリングチェーン９上に掛け載せするものである。なお、折丁ａ が送行するチェーン９上に掛け載せられる際には、一旦、チェーン９ と平行に離間し、その送行方向に向かって対接するブラケット１０上に掛け載せられる。
【００１３】
図２に示すように、折丁供給台１は、エンドレス送行するギャザリングチェーン９に沿って等間隔に複数配置され、複数の各供給台１（第１供給台、第２供給台、第３供給台・・・・・第ｎ供給台）には、書籍、雑誌などの製本ページを構成する刷本シートを、予め製本丁合前の折り工程にて１回乃至２回以上複数回に亘って順次２つ折り形成して得られた２つ折り折丁ａが、その折丁ａに印刷された印刷情報種類（各種類折丁）の異なるそれぞれ第１折丁、第２折丁、第３折丁・・・第ｎ折丁毎に平坦に多数積載されている。
【００１４】
この各供給台１に積載される折丁ａには、各供給台１毎に異なる画像や文字などによるパターン情報として読み取り可能な情報が印刷表示され、また、その各折丁ａの２つ折目ｂ側（製本綴じ側；製本背側）の供給前端側、又は２つ折目ｂ側と反対側の供給後端側の開放端部ｃ（製本小口側）や、各折丁ａの２つ折目ｂに対して直交する天地端部の一側面には、各折り毎、その折丁ａの外側端部の化粧断裁線より外側のラップ部分の異なる位置に、例えば黒色などの印刷インキにより折丁識別パターンが印刷表示されている。
【００１５】
図１、図２に示すように、エンドレス送行するギャザリングチェーン９には複数の折丁送り爪９ａが、各供給台１の配置間隔に等しい等間隔で一体に取り付けられていて、チェーン９上に掛け載せられた折丁ａはその送り爪９ａにより搬送方向の後端部を押し送りされて搬送され、１つの送り爪９ａは、先の供給台１で供給されて掛け載せられて搬送される折丁ａ0 を搬送すると同時に、ブラケット１０を通過する際に、次の供給台１で供給されて先の折丁ａ0 の上方よりブラケット１０上に掛け載せられた折丁ａの後端部を、ブラケット１０上をスライドさせながら押し送りして前方に搬送する。
【００１６】
図３に示すように、エンドレス送行するギャザリングチェーン９は、一端の駆動回転スプロケット９ｂと他端の回転スプロケット（図示せず）とに巻回してエンドレス回転して送行し、ギャザリングチェーン９の送行路終端以降には、丁合を終了した２つ折り丁合折丁の背部（２つ折目ａ）を綴じる綴部３０（針金３１を用いた綴じ形式のホッチキス機構３２又はミシン綴じ形式のミシン縫い機構など）と、綴じ製本又は綴じられていない丁合折丁を上向き方向に搬送する搬送ロール４１、上向き搬送ベルト４２、良品本を一方の水平方向（例えば図面手前側の良品排出方向）に、また不良品本を他方の水平方向（図面裏面側のリジエクト方向）にそれぞれ振り分け排出するフリップフロップガイドを備えた水平排出ベルト４３などにより構成される製本排出部４０がこの順に配置されている。
【００１７】
綴部３０には、ギャザリングチェーン９の送行路終端から送り爪９ａにより送り出された丁合終了後の２つ折り丁合折丁を受け取り、綴部３０から排出部４０方向に搬送する搬送ガイド板２１と搬送ロール２２、２３に巻回する搬送ベルト２４などにより構成される搬送部２０が設けられ、丁合折丁を搬送ガイド板２１に沿って搬送しながらら綴部３０にて綴じ、落乱丁発生の無い綴じられた良品本は一方の水平方向に、また落乱丁発生の有るリジエクトすべき不良品本( 綴じられていない丁合折丁) は他方の水平方向に排出部４０の水平排出ベルト４３によって排出されるようになっている。
【００１８】
本発明の上記製本機の落乱丁検査装置には、図１、図２、図３に示すように、各供給台１のエンドレス送行するギャザリングチェーン９の送行方向下流側の配置間隔内における各々定点位置にそれぞれパターン読取手段１４が設けられている。
【００１９】
各々パターン読取手段１４は、各折丁供給台１毎に対応して定位置に設けられていて、折丁供給部( 図１）の供給駆動回転系及びギャザリングチェーン９（図２、図３）のエンドレス送行駆動回転系に連動するように取り付けられて同期的に回転するロータリーエンコーダ（あるいはタイミングカムスイッチなど）による送行サイクル信号（パルス信号）を定位置設定のために設定された所定カウント数だけカウントした時点における位置を各々パターン読取手段１４の定位置読取領域として、その読取領域内に丁合折丁ａが搬送された時点で瞬間読取動作するようになっており、ギャザリングチェーン９ により移動中の各々丁合折丁ａの外側表面に印刷表示されている印刷情報の所定パターン又は識別パターンなどの表示パターンを定位置読取領域をもって読取可能である。
【００２０】
図４に示すように、第１供給台、第２供給台、第３供給台・・・第ｎ供給台の各供給台１に積載されるそれぞれ第１折丁、第２折丁、第３折丁・・・第ｎ折丁の各折丁ａには、製本される本のページ内容そのものの一部としての画像パターン、文字パターンや、必要に応じて折丁の余白部に折丁識別パターンなどの表示パターンＰが印刷表示されている。
【００２１】
本発明の上記製本機の落乱丁検査装置における第１供給台、第２供給台、第３供給台・・・第ｎ供給台の各折丁供給台１に対応して設けた各々パターン読取手段１４には、図５に示すように、該各パターン読取手段１４ により読取された読取データをそれぞれ各折丁供給台１の折丁ａ毎に区分して記憶するそれぞれ読取データ記憶手段１５を備え、記憶された各折丁供給台１毎の折丁ａの読取データに基づいて、その折丁固有の折丁識別データを確定する折丁識別データ確定手段１６を備えている。
【００２２】
折丁識別データ確定手段１６は、各供給台１からプリセット用の数部の折丁ａを送行するギャザリングチェーン９上に供給しながら丁合し、それぞれ各供給台１毎に読み取り記憶された読取データの相違を読取データ相違判定手段５１にて判定して、それぞれ読取データが互いに異なる内容を意味するデータであることを確認した上で、その個々の読取データをその折丁固有の折丁識別データとして確定するものである。各供給台１毎に記憶された読取データの一部に偶然若しくは必然的に同一の読取データがある場合には、その同一の読取データが読み取られた折丁供給台１に対応して設けたパターン読取手段１４の定位置読取領域( その読取手段１４の取付固定位置又は読み取りタイミング) を変更して、互いに異なる読取データとなるように設定するものである。
【００２３】
折丁識別データ確定手段１６にて確定した各折丁供給台１に対応する各々折丁識別データは、折丁識別データ登録手段１７により登録される。
【００２４】
登録後にて、データ同異比較照合手段１８は、各折丁供給台１に対応する各々パターン読取手段１４によりギャザリングチェーン９により移動中の各々丁合折丁ａの表示パターンを順次読取して得られる読取データと、登録されている前記折丁供給台１毎の各折丁識別データとの同異を比較照合する。
【００２５】
比較照合の結果、データが同一の場合は正常丁合信号、データが異なる場合は異状丁合信号を読取結果出力手段１９より出力する。
【００２６】
読取結果出力手段１９より出力された丁合折丁の異状丁合信号によりシフトレジスター５２がシフト動作を開始し、該シフトレジスター５２はシフト動作完了時点でリジェクト動作信号をリジェクター５３に発して、丁合折丁をリジェクト動作する。
【００２７】
本発明装置におけるパターン読取手段１４は、それぞれタイマーあるいはリミットスイッチ、ロータリーカムスイッチ、ロータリーエンコーダー等を設け、これらのタイミング機構によって製本丁合機の動作周期に同期させて、所定のタイミングにて読取動作できる。
【００２８】
図６に示すように、ギャザリングチェーン９による折丁ａの搬送方向後端より一定距離ｄの位置にある折丁ａに表示された前記パターンＰが、定位置に取り付け固定されたパターン読取手段１４によりその定位置読取領域Ｌ（読取視野内）を通過する時間内にタイミングを合わせて、ラインスピードに関係なく瞬間的に読み取られるものである。そして、第１供給台、第２供給台、第３供給台・・・第ｎ供給台の各供給台１に積載されているべきそれぞれ第１折丁、第２折丁、第３折丁・・・第ｎ折丁の各折丁ａに表示されたそれぞれ表示パターンＰを読取して、それぞれ各供給台１に対応する読取データと予め登録されている基準データとしてのそれぞれ登録データとを各供給台１毎に比較照合判定する。
【００２９】
図８は、折丁の表示パターンＰを読み取るタイミングを説明するタイミングチャートであり、横軸の時間軸（周期）は、図１に示す折丁供給部における受渡し胴５の回転角θ（１回転；２πラジアン）を表し、縦軸は、折丁供給部の各供給台１から折丁ａを１部ずつギャザリングチェーン９（ブラケット１０）上に送出するタイミングである▲１▼折丁送出と、ギャザリングチェーン９（ブラケット１０）上に送出した折丁ａがブラケット１０上を移動通過し終わるまでのタイミングである▲２▼ブラケット１０上通過と、ブラケット１０上を通過後に丁合された折丁ａの表示パターンＰを読み取り検出するタイミングである▲３▼読取動作を表し、▲３▼読取動作は、各サイクル全て同一タイミングで行われる。なお、図中、▲２▼ブラケット上通過と▲３▼読取動作とはタイミングにおいて重なりがないが、本発明においては前記各々パターン読取手段１４を折丁供給台１の真下のブラケット１０に対設することにより、ブラケット１０上に掛け載せられて移動中の折丁ａの表示パターンＰを読み取るようにして両者のタイミングは重なってもよい。
【００３０】
そして、各供給台１毎にそれぞれ照合されたデータが互いに一致している場合は正常丁合と判定し、結果出力手段１９から正常丁合信号が出力されて、正常丁合信号により製本丁合動作は継続運転される。
【００３１】
また、先の折丁の上に次の折丁の供給がされないために落丁が発生し、先の折丁の表示パターンＰが読み取られ、又は載せ違いにより当該折丁供給台に正規の折丁が積載されてないために乱丁が発生して、照合されたデータが不一致となる場合は落乱丁合と判定し、結果出力手段１９から異状丁合信号が出力される。
【００３２】
本発明装置においては、落乱丁合の異状丁合信号が各供給台１に設置された各々パターン読取手段１４のうち、いずれの供給台１に対応する読取手段１４から発せられたものであるかを検知でき、ギャザリングチェーン９上にて搬送されている落乱丁の発生した丁合折丁のギャザリングチェーン９上での搬送位置を特定することができ、異状丁合の発生した供給台は、出力手段１９から出力された異状丁合信号によりブザーあるいはランプなどの警報器を起動させて確認できる。
【００３３】
また、本発明装置においては、同一供給台にて予め任意に設定された枚数の折丁の供給動作に関して連続して異状丁合信号が出力された時には、ギャザリングチェーン９をはじめ、丁合ラインを一旦停止できる機構を設けてもよい。
【００３４】
そして、本発明装置は、読取手段１４が丁合折丁の異状丁合信号を検出した時点からシフト動作を開始するシフトレジスター５２と、該シフトレジスター５２からのリジェクト動作信号により動作するリジェクター５３とを備える。
【００３５】
該シフトレジスター５３は、製本丁合機のギャザリングチェーン９上の丁合折丁ａが１つの折丁供給台１の真下からその次の供給台１の真下を通過するまでの動作を１サイクルとして、異状丁合信号を検出した時点から、その異状丁合信号を発した丁合折丁がフリップフロップガイドに到達するまでのサイクル数だけシフト動作して、そのシフト動作を完了した時点で出力する動作信号により、フリップフロップガイド駆動用マグネットを動作させ、排出部４０にある水平排出ベルト４３のフリップフロップガイドをリジェクト方向に起動させてリジェクター５３を駆動し、該異状丁合信号を発した丁合折丁ａを不良本としてリジェクター５３からリジェクト排出する。
【００３６】
次に本発明の請求項１に係る発明の製本機の落乱丁検出装置について、その発明の実施の形態を以下に詳細に説明する。
【００３７】
本発明の請求項１に係る発明は、上述した本発明の製本機の落乱丁検出装置であって、前記各々パターン読取手段１４が、各１サイクル毎に折丁搬送方向に沿って、図７（ａ）〜（ｅ）に示すように、順次異なる複数の定位置読取領域Ｌを読取可能な下記ティーチング読取機構を備えている。
【００３８】
各々パターン読取手段１４は、それぞれタイマーあるいはリミットスイッチ、ロータリーカムスイッチ、ロータリーエンコーダー等を設け、これらのタイミング機構によって製本丁合機の動作周期に同期させて、所定のタイミングにて読取動作できる。
【００３９】
例えば、図７（ａ）に示すように、各供給台１からプリセット用の数部の折丁ａを送行するギャザリングチェーン９上に供給しながら丁合し、１サイクル中にギャザリングチェーン９による折丁ａの搬送方向後端より距離ｄ１の位置にある折丁ａに表示された前記パターンＰ１が、定位置に取り付け固定されたパターン読取手段１４によりその定位置読取領域Ｌ（読取視野内）を通過する時間内にタイミングを合わせて瞬間的に読み取られる。
【００４０】
図７（ｂ）に示すように、次のサイクル中に、ギャザリングチェーン９による折丁ａの搬送方向後端より距離ｄ２の位置にある折丁ａに表示された前記パターンＰ２が、定位置に取り付け固定されたそのパターン読取手段１４によりその定位置読取領域Ｌ（読取視野内）を通過する時間内にタイミングを合わせて瞬間的に読み取られる。
【００４１】
そして、図７（ｃ）〜（ｅ）に示すように、それぞれ順次１サイクル中に、ギャザリングチェーン９による折丁ａの搬送方向後端より距離ｄ３〜ｄ５の位置にある折丁ａに表示された前記パターンＰ３〜Ｐ５が、定位置に取り付け固定されたそのパターン読取手段１４によりその定位置読取領域Ｌ（読取視野内）を通過する時間内にタイミングを合わせて瞬間的に読み取られる。
【００４２】
図９は、上記請求項１に係る発明における折丁の表示パターンＰを読み取るタイミングを説明するタイミングチャートであり、横軸の時間軸（周期）は、図１に示す折丁供給部における受渡し胴５の回転角θ（１回転；２πラジアン）を表し、縦軸は、折丁供給部の各供給台１から折丁ａを１部ずつギャザリングチェーン９（ブラケット１０）上に送出するタイミングである(1) 折丁送出と、ギャザリングチェーン９（ブラケット１０）上に送出した折丁ａがブラケット１０上を移動通過し終わるまでのタイミングである(2) ブラケット１０上通過と、ブラケット１０上を通過後に丁合された折丁ａの表示パターンＰを読み取り検出するタイミングである(3) 読取動作を表し、(3) 読取動作はタイミングを少しずつずらして行われる。なお図中、(2) ブラケット上通過と(3) 読取動作とはタイミングにおいて重なりがないが、本発明においては両者のタイミングは重なってもよい。
【００４３】
このようにして、第１供給台、第２供給台、第３供給台・・・第ｎ供給台の各供給台１に対応する各々パターン読取手段１４は、各１サイクル毎に通過する丁合折丁をその搬送方向に沿って順次異なる複数の定位置読取領域Ｌを読み取り、読取された読取データは、図５に示すように、一旦、読取データ記憶手段１５にそれぞれ各折丁供給台１の折丁ａ毎に区分して記憶されるが、記憶された各折丁供給台１毎の折丁ａの異なる複数の定位置読取領域Ｌにて読み取られた読取データの中から折丁の表示パターン読取感度（パターンコントラスト）の最も高い最適な読取データの得られる定位置読取領域Ｌ（一定距離ｄ) を選択する最適定位置読取領域選択手段５０を備えている。
【００４４】
そして、選択された最適な折丁の定位置読取領域Ｌ（一定距離ｄ) のタイミングに設定されて各々パターン読取手段１４により読取された読取データは、それぞれ各折丁供給台の折丁毎に区分して前記読取データ記憶手段１５に記憶され、記憶されたその読取データに基づいて、その折丁固有の折丁識別データを確定する折丁識別データ確定手段１６を備えている。
【００４５】
折丁識別データ確定手段１６は、各供給台１からプリセット用の数部の折丁ａを送行するギャザリングチェーン９上に供給しながら丁合し、それぞれ各供給台１毎に読み取り記憶された読取データの相違を判定して、それぞれ読取データが互いに異なる内容を意味するデータであることを確認した上でその個々の読取データをその折丁固有の折丁識別データとして確定するものである。各供給台１毎に記憶された読取データの一部に偶然若しくは必然的に同一の読取データがある場合には、その同一の読取データが読み取られた折丁供給台１に対応して設けたパターン読取手段１４の定位置読取領域( その読取手段１４の取付固定位置又は読み取りタイミング) を変更して、互いに異なる読取データとなるように設定するものである。
【００４６】
折丁識別データ確定手段１６にて確定した各折丁供給台１に対応する各々折丁識別データは、折丁識別データ登録手段１７により登録される。
【００４７】
登録後にて、データ同異比較照合手段１８は、各折丁供給台１に対応する各々パターン読取手段１４によりギャザリングチェーン９により移動中の各々丁合折丁ａの表示パターンを順次読取して得られる読取データと、登録されている前記折丁供給台１毎の各折丁識別データとの同異を比較照合する。
【００４８】
比較照合の結果、データが同一の場合は正常丁合信号、データが異なる場合は異状丁合信号を読取結果出力手段１９より出力する。
【００４９】
読取結果出力手段１９より出力された丁合折丁の異状丁合信号によりシフトレジスター５２がシフト動作を開始し、該シフトレジスター５２はシフト動作完了時点でリジェクト動作信号をリジェクター５３に発して、丁合折丁をリジェクト動作する。
【００５０】
次に本発明の請求項２に係る発明の製本機の落乱丁検出装置について、その発明の実施の形態を以下に詳細に説明する。
本発明の請求項２に係る発明は、上述した本発明の製本機の落乱丁検出装置であって、前記各々パターン読取手段１４が、図７（ａ）〜（ｅ）に示すように、所定の複数回に亘って折丁搬送方向に沿って異なる複数の定位置読取領域を１サイクル中に読取可能な下記ティーチング読取機構を備えているものである。
【００５１】
このようにして、第１供給台、第２供給台、第３供給台・・・第ｎ供給台の各供給台１に対応する各々パターン読取手段１４は、各１サイクル中に移動（通過）する丁合折丁をその搬送方向に沿って、順次異なる複数の定位置読取領域Ｌを読み取り、読取された読取データは、上記請求項１の発明と同様に、図５に示すように、一旦、読取データ記憶手段１５にそれぞれ各折丁供給台１の折丁ａ毎に区分して記憶され、記憶された各折丁供給台１毎の折丁ａの異なる複数の定位置読取領域Ｌにて読み取られた読取データの中から折丁の表示パターン読取感度（パターンコントラスト）の最も高い最適な読取データの得られる定位置読取領域Ｌを最適定位置読取領域選択手段により選択する。そして以下図５に示す上記請求項１の発明と同様にして、選択された最適な折丁の定位置読取領域Ｌのタイミングに設定されて各々パターン読取手段１４により読取された読取データに基づいて、折丁識別データ確定手段１６、折丁識別データ登録手段１７、データ同異比較照合手段１８を経て比較照合の結果、データが同一の場合は正常丁合信号、データが異なる場合は異状丁合信号を読取結果出力手段１９より出力する。
【００５２】
読取結果出力手段１９より出力された丁合折丁の異状丁合信号によりシフトレジスター５２がシフト動作を開始し、該シフトレジスター５２はシフト動作完了時点でリジェクト動作信号をリジェクター５３に発して、丁合折丁をリジェクト動作する。
【００５３】
本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置は、折丁に表示されたパターンをパターン読取手段により読み取ることにより折丁を特定識別して落丁、乱丁を検出するようにしたので、例えば停止している折丁や任意の一定スピードあるいは可変速スピードで移動している折丁の落乱丁の検査が可能であり、また、例えばパターン読取手段は、検出折丁面に対して近接位置から１００ｍｍ程度離れた位置の間のいずれの位置にも取り付けることができ、取り付け場所の選択幅が拡がり、パターン読取手段の取り付け条件を緩和することができる。
【００５４】
また、本発明装置のパターン検出手段は、折丁に表示された絵柄パターン検出用及び文字・記号パターン検出用のいずれにも良好なパターン読取精度をもって対応することができ、例えば、予め本発明装置の照合手段に組み込んだメモリ内の文字・記号パターン参照テーブル（図示せず）に収納記憶された文字・記号パターンデータと、パターン読取手段による折丁に表示されたパターンの実読取パターンデータとのデータ比較照合を本発明装置の照合手段により行い、折丁に表示されたパターンが文字・記号パターンであるか否かを自動的に判定させ、その判定データをモード切替え指示信号としてそれぞれ供給台に対応するパターン読取手段にフィードバックして、その折丁に表示されたパターンが文字・記号パターンと判定されれば文字読取モードに、絵柄パターンであると判定されれば絵柄読取モードに、その判定データに基づいてそれぞれ供給台に対応する個々のパターン読取手段の読取モードを自動的に（又は手動にて）切り換えて、最適な読取モードによって読み取り操作をすることができる。
【００５５】
また、例えば１つの折丁に対して２回の検査（同一折丁のそれぞれ別の２個所の検査）を行い、その両方の読取データを本発明装置の照合手段のメモリに一旦記憶させ、該照合手段によりその両方の読取データを比較照合して、その両方の読取データにおいて同一個所に同一パターン部分が存在する（パターン読取手段のカメラレンズなど光学系に傷や埃が付着している）か否かを判定し、その判定データをチェックデータとして出力手段からそれぞれ供給台に対応する個々のパターン読取手段にフィードバックして、それぞれ供給台に対応する個々のパターン読取手段が正常に機能しているか否かのチェックをするチェックシステムとして組み込むことが可能である。
【００５６】
【発明の効果】
本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置は、折丁に表示されたパターンを読み取ることにより折丁を特定識別して落丁、乱丁を検出するもので、折丁の余白部などに表示された識別マークを折丁識別パターンとして読み取り、落乱丁の検出ができるだけでなく、折丁に印刷されている印刷画像や文字など印刷情報をも落乱丁検出用の折丁識別パターンとして利用することも可能であり、丁合機の落丁及び乱丁の発生した供給台を特定でき、丁合工程における落丁、載せ違いによるダブリ丁合や天地及び表裏逆丁合などの乱丁を精度よく検出することができ、また中綴製本丁合工程だけでなく平綴製本丁合工程においても使用でき、丁合製本工程における工程管理及び品質向上に顕著な効果を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置を説明する側面図。
【図２】（ａ）〜（ｃ）は本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置を説明する各折丁供給台の正面図。
【図３】本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置の綴部及び排出部を説明する正面図。
【図４】一般的な折丁の正面図。
【図５】本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置を説明するブロック図。
【図６】（ａ）〜（ｃ）は本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置における検出動作の一例を説明する正面図。
【図７】（ａ）〜（ｅ）は本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置における検出動作の他の例を説明する正面図。
【図８】本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置における折丁供給タイミングと読み取りタイミングの一例を説明するタイミングチャート。
【図９】本発明の製本丁合機の落乱丁検出装置における折丁供給タイミングと読み取りタイミングの他の例を説明するタイミングチャート。
【符号の説明】
ａ、ａ0 …折丁
１…供給台 ５…受渡し胴 ６…咥爪 ７、８…開離胴
９…ギャザリングチェーン ９ａ…送り爪 ９ｂ…スプロケット
１０…ブラケット １１…フィーダーアーム １１ａ…フィーダー吸着部
１２、１３…バキューム吸着部 １４…パターン読取手段
２０…搬送部 ３０…綴部 ４０…排出部
５０…最適定位置読取領域選択手段 ５１…読取データ相違判定手段
５２…シフトレジスター ５３…リジェクター
Claims (5)
- 折丁を丁合搬送するギャザリングチェーンと、該ギャザリングチェーンの進行方向に沿って配列する複数の折丁供給台とを備え、各々折丁供給台から１枚ずつ折丁を送行するギャザリングチェーン上に供給しながら、該ギャザリングチェーン上に供給された先の折丁上に順次次の折丁を積載しながら丁合して製本する製本機の落乱丁検出装置において、
各折丁供給台毎に対応して定位置に設けられ且つギャザリングチェーンにより移動中の各々丁合折丁の表示パターンを定位置読取領域を持って読取可能であって、各１サイクル毎に折丁搬送方向に沿って順次異なる複数の定位置読取領域を読取可能なティーチング読取機構と、前記複数の定位置読取領域のうち、折丁の表示パターン読取感度の最も高い最適な定位置読取領域を選択する最適定位置読取領域選択機構とを備えた各々パターン読取手段と、
選択された最適な折丁の定位置読取領域にて読取された読取データをそれぞれ各折丁供給台の折丁毎に区分して記憶する読取データ記憶手段と、
記憶された各折丁供給台毎の折丁の読取データに基づいてその折丁固有の折丁識別データを確定する折丁識別データ確定手段と、
確定した各々折丁識別データを登録する折丁識別データ登録手段と、
登録後にて各折丁供給台に対応する各々パターン読取手段によりギャザリングチェーンにより移動中の各々丁合折丁の表示パターンを順次読取して得られる読取データと登録されている前記折丁供給台毎の各折丁識別データとの同異を比較照合するデータ同異比較照合手段と、
比較照合の結果、データが同一の場合は正常丁合信号を、データが異なる場合は異状丁合信号を出力する読取結果出力手段とを備えたことを特徴とする製本機の落乱丁検出装置。 - 折丁を丁合搬送するギャザリングチェーンと、該ギャザリングチェーンの進行方向に沿って配列する複数の折丁供給台とを備え、各々折丁供給台から１枚ずつ折丁を送行するギャザリングチェーン上に供給しながら、該ギャザリングチェーン上に供給された先の折丁上に順次次の折丁を積載しながら丁合して製本する製本機の落乱丁検出装置において、
各折丁供給台毎に対応して定位置に設けられ且つギャザリングチェーンにより移動中の各々丁合折丁の表示パターンを定位置読取領域を持って読取可能であって、１サイクル中に所定の複数回に亘って折丁搬送方向に沿って異なる複数の定位置読取領域を読取可能なティーチング読取機構と、前記複数の定位置読取領域のうち、折丁の表示パターン読取感
度の最も高い最適な定位置読取領域を選択する最適定位置読取領域選択機構とを備えた各々パターン読取手段と、
選択された最適な折丁の定位置読取領域にて読取された読取データをそれぞれ各折丁供給台の折丁毎に区分して記憶する読取データ記憶手段と、
記憶された各折丁供給台毎の折丁の読取データに基づいてその折丁固有の折丁識別データを確定する折丁識別データ確定手段と、
確定した各々折丁識別データを登録する折丁識別データ登録手段と、
登録後にて各折丁供給台に対応する各々パターン読取手段によりギャザリングチェーンにより移動中の各々丁合折丁の表示パターンを順次読取して得られる読取データと登録されている前記折丁供給台毎の各折丁識別データとの同異を比較照合するデータ同異比較照合手段と、
比較照合の結果、データが同一の場合は正常丁合信号を、データが異なる場合は異状丁合信号を出力する読取結果出力手段とを備えたことを特徴とする製本機の落乱丁検出装置。 - 前記各々パターン読取手段が、折丁供給台の真下又は真下以外のそれぞれギャザリングチェーン送行路の近傍に設けられている請求項１又は請求項２記載の製本機の落乱丁検出 装置。
- 請求項１乃至請求項３のいずれか１項記載の製本機の落乱丁検出装置において、前記比較照合手段が、メモリ内の文字・記号パターン参照テーブルに収納記憶された文字・記号パターンデータと、パターン読取手段による折丁に表示されたパターンの実読取パターンデータとのデータ比較照合を行い、折丁に表示されたパターンが文字・記号パターンであるか否かを判定し、その判定データを前記読取結果出力手段から読取モード切替え指示信号としてそれぞれ供給台に対応するパターン読取手段にフィードバックし、文字・記号パターンと判定されれば文字読取モードに、絵柄パターンであると判定されれば絵柄読取モードに、それぞれ供給台に対応する個々のパターン読取手段の読取モードを切り換え可能であることを特徴とする製本機の落乱丁検出装置。
- 請求項１乃至請求項４のいずれか１項記載の製本機の落乱丁検出装置において、前記パターン読取手段が、１つの折丁に対してそれぞれ別の２個所の検査を行い、その両方の読取データを前記比較照合手段のメモリに一旦記憶させ、該比較照合手段によりその両方の読取データを比較照合して、その両方の読取データにおいて同一個所に同一パターン部分が存在するか否かを判定し、その判定データをチェックデータとして前記読取結果出力手段からそれぞれ供給台に対応する個々のパターン読取手段にフィードバックして、それぞれ供給台に対応する個々のパターン読取手段が正常に機能しているか否かのチェックをするチェックシステムを備えることを特徴とする製本機の落乱丁検出装置。
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