JP3679747B2 - 超音波処置装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば腹腔鏡を使用した胆嚢摘出術等の体腔内手術で利用され、血管等、もしくは生体組織を接合・吻合する超音波処置装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からこの種の外科的処置では小型のクリップやステイプルを用いたクリップ装置もしくは吻合装置が用いられている。例えば米国特許第4616650号や第4624254号に示すようにクリップアプリケータに複数の金属製クリップを内蔵し、クリップアプリケータの先端に挟み込んだ管を一回の操作でクリップするようにしたものが知られている。
【0003】
これらのクリップ装置もしくは吻合装置では金属や樹脂製のクリップまたはステイプルが生体内に残ってしまうことになる問題がある。そこで、米国特許第3898992号に示すように、超音波振動を利用して生体組織を接合することにより、クリップまたはステイプルを使用することなく血管等の吻合を行なう構成にした組織接合装置が開発されている。
【0004】
この超音波振動を用いた組織接合装置では体内に挿入される挿入部の先端部に生体組織を挾持する挾持手段が設けられている。この挾持手段は超音波振動を発生する超音波振動子からの超音波振動を伝達する振動伝達部材の先端部に設けられた先端チップとこの先端チップに対して離間対向配置された受け部材とによって形成されている。
【0005】
そして、生体組織の接合作業時には処置対象の生体組織を挾持手段の先端チップと受け部材との間に挟み込み、挾持手段間の処置対象組織に圧力をかけながら超音波振動が印加され、挾持手段に挾持されている生体組織が超音波による乳化、熱変性により、接合されるようになっている。この場合、処置後の接合部分には新たな生体組織が発生し、この新たな生体組織が接合されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成のものにあっては超音波振動を用いた生体組織の接合作業時にその接合作業中、処置対象組織に比較的太い血管などがある場合には生体組織の接合部分と非接合部分との間の境界部分で出血するおそれがある。
【0007】
この場合、超音波振動を用いた生体組織の接合作業でも出血部位の止血を行なうことができるが、超音波振動を用いた生体組織の接合作業時に発生する生体組織の熱変性は比較的小さいので、出血部位の種類によっては超音波振動を用いた生体組織の接合作業では出血部位の止血が不十分なものとなるおそれがある。そのため、このような場合には超音波振動を用いた組織接合装置とは別の専用の止血装置を使用して出血部位の止血作業を行なう必要があるので、その作業が面倒なものとなる問題がある。
【0008】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的は、適正な通電状態を選択でき、生体組織に効果的な処置を行うことができる超音波処置装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、体内に挿入され、生体組織に処置を施す超音波処置装置において、超音波振動を発生する超音波振動子と、前記超音波振動子と接続され、前記超音波振動を伝達するプローブと、前記プローブを覆うシースと、前記プローブの先端部との間で処置対象の生体組織を挟持することで、この生体組織に対して超音波振動による処置を可能にする前記シースに設けられた挟持部材と、体外に取り付け可能な外部電極と、記外部電極と一対の電極として使用可能前記プローブの先端部に設けられた第1の電極と、記外部電極と一対の電極として使用可能前記挟持部材に設けられた第2の電極と、前記外部電極と前記第1の電極との間に高周波電流を流して前記挟持部材が挟持した生体組織に対して高周波電流による処置が可能な第1の通電状態と、前記外部電極と前記第2の電極との間に高周波電流を流して前記挾持部材が挟持した生体組織に対して高周波電流による処置が可能な第2の通電状態とを切り換えるスイッチとを備えることを特徴とする超音波処置装置である。
そして、本請求項1の発明では、スイッチを用いて、第1の通電状態または第2の通電状態のうち、適正な通電状態を選択して、生体組織に効果的な処置を行うようにしたものである。
【0010】
請求項2の発明は、体内に挿入され、生体組織に処置を施す超音波処置装置において、超音波振動を発生する超音波振動子と、前記超音波振動子と接続され、前記超音波振動を伝達するプローブと、前記プローブを覆うシースと、前記プローブの先端部との間で処置対象の生体組織を挟持することで、この生体組織に対して超音波振動による処置を可能にする前記シースに設けられた挟持部材と、前記プローブの先端部に設けられ第1の電極と、記第1の電極と一対の電極として使用可能前記挟持部材に設けられた第2の電極と、記第1の電極と一対の電極として使用可能に体外に取り付け可能な外部電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に高周波電流を流して前記挟持部材が挟持した生体組織に対して高周波電流による処置が可能な第1の通電状態と、前記第1の電極と前記外部電極との間に高周波電流を流して前記挟持部材が挟持した生体組織に対して高周波電流による処置が可能な第2の通電状態とを切り換えるスイッチとを備えることを特徴とする超音波処置装置である。
そして、本請求項2の発明では、スイッチを用いて、第1の通電状態または第2の通電状態のうち、適正な通電状態を選択して、生体組織に効果的な処置を行うようにしたものである。
請求項3の発明は、体内に挿入され、生体組織に処置を施す超音波処置装置において、超音波振動を発生する超音波振動子と、前記超音波振動子と接続され、前記超音波振動を伝達するプローブと、前記プローブを覆うシースと、前記プローブの先端部との間で処置対象の生体組織を挟持することで、この生体組織に対して超音波振動による処置を可能にする前記シースに設けられた挟持部材と、前記プローブの先端部に設けられた第1の電極と、前記挟持部材が挟持した生体組織に対して高周波電流による処置を可能にするために前記第1の電極と一対の電極として前記挟持部材に設けられた第2の電極とを備えることを特徴とする超音波処置装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は超音波処置装置全体の概略構成を示すものである。図1中で、1は超音波処置装置の本体である。この超音波処置装置本体1には体内に挿入される挿入部2とこの挿入部2の基端部に連結された手元側の操作部3とが設けられている。
【0012】
また、操作部3にはグリップ部4と引き金部5とが設けられている。ここで、グリップ部4は例えば、先端にホーンが設けられた、ボルト締めランジュバン型のような超音波振動子6を収容する超音波振動子ケース7に突設されている。
【0013】
さらに、超音波振動子6のホーンの先端には振動伝達部材8の基端部が接続されている。この振動伝達部材8の先端にはねじ穴が形成されており、このねじ穴に任意の断面形状と先端の作用面形状を有する先端チップ9がねじ込まれている。なお、振動伝達部材8は先端チップ9の先端の作用面において超音波振動の振幅が最大(振動の腹)となるような長さに設定されている。
【0014】
また、挿入部2には振動伝達部材8を挿通する管状のシース10が設けられている。このシース10の先端部には略L字状の受け部材11が連結されている。この受け部材11の先端部には先端チップ9の先端の作用面と平行に離間対向配置された受け部11aが連結されている。なお、シース10の内周面には絶縁材料で形成された絶縁シース12が装着されており、この絶縁シース12によって振動伝達部材8とシース10との間が電気的に絶縁されている。
【0015】
さらに、シース10の基端部にはケース7に対して挿入部2の軸心方向に沿ってスライド自在に装着されたスライド部材13が接続固定されている。このスライド部材13には引き金部5が突設されている。そして、グリップ部4と引き金部5との間の接離動作にともないシース10を介して受け部材11の受け部11aが先端チップ9に対して挿入部2の軸心方向に沿って前後に進退操作されるようになっており、これらの受け部材11の受け部11aと先端チップ9とによって生体組織を挾持する挾持部(挾持手段)14が形成されている。
【0016】
また、超音波処置装置本体1は外部の制御ユニット15に接続されている。この制御ユニット15には超音波振動子駆動回路16および高周波電源17が内蔵されている。
【0017】
ここで、超音波振動子駆動回路16は超音波振動子6に接続されている。さらに、超音波振動子駆動回路16には図示しない駆動信号発生回路が接続され、この駆動信号発生回路には図示しない操作スイッチが接続されている。そして、この操作スイッチの操作にともない駆動信号発生回路が駆動されるとともに、この駆動信号発生回路から出力される駆動信号が超音波振動子駆動回路16で増幅され、この増幅された駆動信号により、超音波振動子6が駆動されるようになっている。
【0018】
さらに、高周波電源17の一方の端子には超音波処置装置本体1の振動伝達部材8がリード線を介して接続されるとともに、この高周波電源17の他方の端子にはシース10がリード線を介して接続されている。
【0019】
次に、上記構成の作用について説明する。まず、超音波処置装置本体1を使用して例えば、血管、組織同志の接合等の処置を行なう場合には処置対象組織に挿入部2の先端の挾持部13を接近させる。この状態で、手元側の操作部3の引き金部5を引き、この引き金部5の操作により、スライド部材13をケース7のグリップ部4側にスライドさせる。これにより、受け部材11の受け部11aが先端チップ9の作用面側に引き寄せられるので、この受け部11aの動作にともない処置対象組織が先端チップ9と受け部材11の受け部11aとの間に挟み込まれる。
【0020】
続いて、超音波振動子6を駆動する。この超音波振動子6の駆動時には駆動信号発生回路からの信号が超音波振動子駆動回路16で増幅され、この増幅された駆動信号により超音波振動子6が駆動される。さらに、超音波振動子6によって励振された超音波振動によって振動伝達部材8が超音波振動されるとともに、超音波振動子6によって励起された超音波振動がこの振動伝達部材8を介して先端チップ9に伝達され、この先端チップ9が超音波振動される。
【0021】
この超音波発振中、受け部材11と先端チップ9との間の処置対象組織を適当な押し付け圧力で挟んだ状態を適当な時間維持することで、生体組織は超音波振動により接合面が乳化され、さらに超音波振動によって生じる熱により蛋白質変性して接合される。この組織変性を起こさせる熱は超音波振動に起因するため組織の深部まで蛋白質変性が起こり、生体組織同志の接合・吻合が完成する。
【0022】
さらに、生体組織の接合の際に出血した場合には先端チップ9と受け部材11の受け部11aとの間に出血部位を挟み込み、圧迫しながら適当な高周波電流を流して止血処置を行なう。このとき、先端チップ9と受け部材11の受け部11aとの間で生体組織を圧迫し、高周波電流による凝固・蛋白質変性と、超音波振動による乳化・蛋白質変性とを組み合わせて止血を行なってもよい。
【0023】
なお、先端チップ9の作用面形状は先端チップ9と受け部材11の受け部11aとの間に生体組織を挟み込み、超音波振動を印加したときに、超音波振動により挟み込んだ組織が先端チップ9の作用面からずれないような任意の形状、あるいは生体組織の深部にも十分蛋白質変性を起こさせるような任意の形状となっているので、先端チップ9と受け部材11の受け部11aとの間に挟み込まれた部位の組織は先端チップ9の作用面から滑り出すことなく、深部まで十分に蛋白質変性が起こり、確実かつ十分な接合が行なわれる。
【0024】
また、生体組織同志の接合が完了した後に、スライド部材13をケース7から離れる方向にスライドさせ、処置後の生体組織を先端チップ9の作用面と受け部材11の受け部11aとの間から外すことにより、生体組織の接合処置が完了する。
【0025】
そこで、上記構成のものにあっては超音波振動を用いた生体組織の接合作業中、挾持部14の受け部材11の受け部11aと先端チップ9との間に挾持されている生体組織の出血部位の止血を行なう場合に先端チップ9と受け部材11の受け部11aとの間に出血部位を挟み込み、圧迫しながら適当な高周波電流を流して出血部位を加熱することにより、出血部位を止血するようにしたので、接合部位での止血処置を簡単に行なうことができる。そのため、従来のように格別に超音波処置装置本体1とは別の専用の止血装置を使用して出血部位の止血作業を行なう必要がないので、止血作業の作業能率を向上させることができる。
【0026】
また、金属もしくは樹脂製のクリップやステイプルを用いずに生体組織を接合して、結紮や吻合を行なうことができるので、処置後も体内に異物が残ることがない。さらに、生体組織の接合処置の終了と同時に、結紮・吻合が組織同志の癒着というかたちで完成しているので、従来のクリップ装置や吻合装置のように生体組織の癒着完成までの経時的な変化による結紮不全、吻合不全をきたすこともない。
【0027】
また、処置後の組織同志の癒着が完全であるかどうかを即座に確認することができるので、癒着が不完全な場合でも直ちに癒着を完成させるまで処置を繰り返すことができる。
【0028】
また、図3は図1の超音波処置装置とは異なる構成の超音波処置装置の要部構成を示すものである。これは、先端チップ9が対向する受け部材11の受け部11aの外面側に例えば、歪みゲージ等の圧力ないし応力検出手段21を設けたものである。
【0029】
この圧力/応力検出手段21には例えば、フレキシブル基板等で形成されたバイアス/出力用ケーブル22の一端が接続されている。このバイアス/出力用ケーブル22はシース10の軸方向に沿って配置され、シース10の外周面に固定されている。さらに、このケーブル22の他端は例えば外部の制御ユニット15内の図示しない圧力/応力検出回路に接続されている。
【0030】
また、高周波電源17、超音波振動子駆動回路16、圧力/応力検出回路および図示しない(超音波および高周波の)駆動時間制御回路は図示しないCPU等の制御部に接続され、この制御部によって制御されるように構成されている。
【0031】
そこで、上記構成のものにあっても図1の超音波処置装置と同様に超音波振動による生体組織の接合が行なわれるとともに、先端チップ9と受け部材11の受け部11aとの間に出血部位を挟み込み、圧迫しながら超音波振動、或いは高周波電流のうちのいずれか一方の単独作用による止血、または超音波振動と高周波電流とを組み合わせた止血等の各処置が行なわれる。
【0032】
この場合、各処置の際には圧力/応力検出手段21により、挟み込んだ生体組織に加わる圧迫力が計測される。さらに、駆動時間制御回路によって超音波振動、または高周波電流を加える時間が適正状態に設定されて接合、止血等の各処置が行なわれる。
【0033】
このとき、生体組織の接合・止血に係わる作用パラメータにより、処置の安全性、例えば穿孔しない、必要以上の蛋白質変性を起こさせない等の条件が左右される。なお、図4は生体組織の接合・止血作業時の安全処置領域Rを示すものである。ここで、Pmax は生体組織の圧迫圧力Pの上限値、Hi max は高周波電流Hi の上限値、Ua max は超音波振幅Ua の上限値である。
【0034】
そして、図4の安全処置領域R内に各パラメータが入っているかを制御部で判断し、いずれかのパラメータが上限値を越える場合には術者に警告告知を行なうように作用する。また、高周波電流Hi 、超音波振幅Ua 、生体組織の圧迫圧力Pの印加時間と接合・止血作用の度合いは比例するので、先の安全処置領域Rは制御部において駆動時間毎に換算されたものが用いられる。
【0035】
したがって、各種エネルギーを組み合わせて、かつその印加時間を変化させて生体組織の接合・止血処置を行なう場合に、各エネルギーの大きさとそれらの印加時間を独立に設定しても、安全処置領域R内で安全かつ確実に、最適な処置が行なえる効果がある。
【0036】
また、図5(A)はさらに別の構成の超音波処置装置の要部構成を示すものである。これは、受け部材11の受け部11aの内面に例えば、導電性弾性体や、導電性粘弾性体で形成された緩衝部材31を設けたものである。
【0037】
そこで、上記構成のものにあっては緩衝部材31と先端チップ9との間に挟み込まれた生体組織に超音波振動が印加された際に、緩衝部材31の作用により生体組織に機械的な応力(例えば切断力)が発生することを防止することができる。したがって、超音波振動による接合を行なう際に、先端チップ9のエッジ等で生体組織を切断することを防止することができ、安全に接合処置が行なえる。
【0038】
また、図5(B)は図5(A)の超音波処置装置の第1の変形例を示すものである。これは、受け部材11の受け部11aの内面の緩衝部材41における生体組織との接触面となる作用面に緩やかな球形の曲率を持たせた凸曲面42を形成したものである。
【0039】
そこで、上記構成のものにあっては先端チップ9と受け部材11の受け部11aとの間に生体組織を挾持させた際に緩衝部材41の凸曲面42の頂点と先端チップ9の中央部位との間に最も大きな押圧力が作用させることができるので、先端チップ9のエッジ部分と生体組織との接合部位に大きな押圧力が作用することを防止することができ、生体組織が先端チップ9のエッジ部分との接触によって切断されることを防止することができる。
【0040】
また、図5(C)は図5(A)の超音波処置装置の第2の変形例を示すものである。これは、受け部材11の受け部11aの内面の緩衝部材51の外面にテーパ面51aを形成するとともに、先端チップ9の先端面に緩衝部材51のテーパ面51aと対応する形状のテーパ面9aを形成したものである。
【0041】
そこで、上記構成のものにあっては先端チップ9と受け部材11の受け部11aとの間に生体組織を挾持させた際に緩衝部材51のテーパ面51aと先端チップ9のテーパ面9aとの間に挟み込んだ組織(例えば管状組織)が超音波振動により滑り出してしまうことを防止することができる。したがって、表面が平滑な生体組織でも先端チップ9と受け部材11の受け部11aとの間に安定して挟み込み、固定して超音波振動による接合を行なうことができる。
【0042】
また、図5(D)は図5(A)の超音波処置装置の第3の変形例を示すものである。これは、第2の変形例の緩衝部材51のテーパ面51aにおける外側端に抜け止め用の突起部52を設けたものである。
【0043】
そこで、上記構成のものにあっては先端チップ9と受け部材11の受け部11aとの間に生体組織を挾持させた際に緩衝部材51のテーパ面51aと先端チップ9のテーパ面9aとの間に挟み込んだ組織(例えば管状組織)が超音波振動により滑り出すことを防止することができるとともに、この緩衝部材51の抜け止め用の突起部52によって生体組織の抜け止め防止効果を一層高めることができる。
【0044】
また、図6は本発明の第1の実施の形態の超音波処置装置全体の概略構成を示すものである。これは、超音波処置装置本体1の外部に外部電極Pを設けるとともに、高周波電流を先端チップ(第1の電極)9と外部電極Pとの間に流す第1の通電状態と、高周波電流を受け部材11の受け部(第2の電極)11aと外部電極Pとの間に流す第2の通電状態とに切換える切換えスイッチ64を設けたものである。
【0045】
この場合、高周波電源17の出力は増幅器61を介して絶縁トランス62の1次側に接続されている。また、絶縁トランス62の2次側の一方の端子は第1のカップリングコンデンサ63aを介して外部電極Pに接続されている。さらに、絶縁トランス62の2次側の他方の端子は第2のカップリングコンデンサ63bを介して切換えスイッチ64の共通接点64aに接続されている。
【0046】
また、切換えスイッチ64の一方の第1の切換え接点64bにはリード線65を介して振動伝達部材8が接続され、他方の第2の切換え接点64cにはリード線66を介してシース10が接続されている。
【0047】
そこで、上記構成のものにあっては高周波電流で止血処置を行なう際に、切換えスイッチ64を切換え操作することにより、高周波電流を先端チップ9と外部電極Pとの間に流す第1の通電状態と、高周波電流を受け部材11の受け部11aと外部電極Pとの間に流す第2の通電状態とに切換えることができるので、適正な通電状態を選択して効果的な止血処置を行なうことができる。
【0048】
また、図7は本発明の第2の実施の形態の超音波処置装置全体の概略構成を示すものである。ここでは、絶縁トランス62の2次側の一方の端子に第1のカップリングコンデンサ63aを介して切換えスイッチ64の共通接点64aが接続されている。この切換えスイッチ64の一方の第1の切換え接点64bにはリード線71を介してシース10が接続されている。さらに、切換えスイッチ64の他方の第2の切換え接点64cにはリード線72を介して外部電極Pが接続されている。また、絶縁トランス62の2次側の他方の端子には第2のカップリングコンデンサ63bおよびリード線73を介して振動伝達部材8が接続されている。
【0049】
そこで、上記構成のものにあっては高周波電流で止血処置を行なう際に、切換えスイッチ64を切換え操作することにより、高周波電流のモノポーラ/バイポーラを選択的に切換え操作することができ、さらに適正な高周波止血処置を行なうことができる。
【0050】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは勿論である。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、適正な通電状態を選択できるので、生体組織に効果的な処置を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 超音波処置装置全体の概略構成図。
【図2】 挿入部の先端部を示す縦断面図。
【図3】 図1とは異なる超音波処置装置の要部構成を示す斜視図。
【図4】 生体組織の接合・止血作業時の安全処置領域を示す特性図。
【図5】 (A)はさらに別の構成の超音波処置装置の要部構成を示す縦断面図、(B)は図5(A)の超音波処置装置の第1の変形例を示す縦断面図、(C)は図5(A)の超音波処置装置の第2の変形例を示す縦断面図、(D)は図5(A)の超音波処置装置の第3の変形例を示す縦断面図。
【図6】 本発明の第1の実施の形態の超音波処置装置全体の概略構成図。
【図7】 本発明の第2の実施の形態の超音波処置装置全体の概略構成図。
【符号の説明】
2 挿入部
6 超音波振動子
8 振動伝達部材
P 外部電極
9 先端チップ(第1の電極)
11a 受け部(第2の電極)
14 挾持部(挾持手段)
17 高周波電源
64 切換えスイッチ

Claims (3)

  1. 体内に挿入され、生体組織に処置を施す超音波処置装置において、
    超音波振動を発生する超音波振動子と、
    前記超音波振動子と接続され、前記超音波振動を伝達するプローブと、
    前記プローブを覆うシースと、
    前記プローブの先端部との間で処置対象の生体組織を挟持することで、この生体組織に対して超音波振動による処置を可能にする前記シースに設けられた挟持部材と、
    体外に取り付け可能な外部電極と、
    記外部電極と一対の電極として使用可能前記プローブの先端部に設けられた第1の電極と、
    記外部電極と一対の電極として使用可能前記挟持部材に設けられた第2の電極と、
    前記外部電極と前記第1の電極との間に高周波電流を流して前記挟持部材が挟持した生体組織に対して高周波電流による処置が可能な第1の通電状態と、前記外部電極と前記第2の電極との間に高周波電流を流して前記挾持部材が挟持した生体組織に対して高周波電流による処置が可能な第2の通電状態とを切り換えるスイッチとを備えることを特徴とする超音波処置装置。
  2. 体内に挿入され、生体組織に処置を施す超音波処置装置において、
    超音波振動を発生する超音波振動子と、
    前記超音波振動子と接続され、前記超音波振動を伝達するプローブと、
    前記プローブを覆うシースと、
    前記プローブの先端部との間で処置対象の生体組織を挟持することで、この生体組織に対して超音波振動による処置を可能にする前記シースに設けられた挟持部材と、
    前記プローブの先端部に設けられ第1の電極と、
    記第1の電極と一対の電極として使用可能前記挟持部材に設けられた第2の電極と、
    記第1の電極と一対の電極として使用可能に体外に取り付け可能な外部電極と、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に高周波電流を流して前記挟持部材が挟持した生体組織に対して高周波電流による処置が可能な第1の通電状態と、前記第1の電極と前記外部電極との間に高周波電流を流して前記挟持部材が挟持した生体組織に対して高周波電流による処置が可能な第2の通電状態とを切り換えるスイッチとを備えることを特徴とする超音波処置装置。
  3. 体内に挿入され、生体組織に処置を施す超音波処置装置において、
    超音波振動を発生する超音波振動子と、
    前記超音波振動子と接続され、前記超音波振動を伝達するプローブと、
    前記プローブを覆うシースと、
    前記プローブの先端部との間で処置対象の生体組織を挟持することで、この生体組織に対して超音波振動による処置を可能にする前記シースに設けられた挟持部材と、
    前記プローブの先端部に設けられた第1の電極と、
    前記挟持部材が挟持した生体組織に対して高周波電流による処置を可能にするために前記第1の電極と一対の電極として前記挟持部材に設けられた第2の電極とを備えることを特徴とする超音波処置装置。
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