JP3678580B2 - ポリプロピレン射出成形体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリプロピレン樹脂からなる射出成形体、詳しくは、ポリプロピレン樹脂、特定のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体、および特定のプロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体を含有するポリプロピレン射出成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレン樹脂は、剛性、耐熱性等に優れている反面、衝撃強度が低いという欠点を有している。この欠点を改良する目的でポリプロピレン樹脂にエチレン・プロピレンランダム共重合体あるいはエチレン・ブテンランラム共重合体からなるゴム成分をブレンドすることが行われている。
【0003】
しかしながら、このような従来のポリプロピレン樹脂組成物では衝撃強度が低下するものの透明性が悪くなるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、透明性、耐衝撃性、剛性および耐熱性に優れたポリプロピレン射出成形体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の成形体である。
(1)(A)ポリプロピレン樹脂、
(B)密度が0.9g/cm3以下であり、MFR(ASTM D−1238190℃、2.16Kg荷重)が0.1〜50g/10分であり、かつ分子量分布(Mw/Mn)が3以下であるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(ここで、α−オレフィンの炭素数は3以上である)、および
(C)下記条件1)〜3)を充足するプロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体
を含有することを特徴とするポリプロピレン射出成形体。
プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体(C)の条件:
1)プロピレン単位50〜95モル%、エチレン単位2〜30モル%、および1−ブテン単位10〜40モル%を含有し、かつ1−ブテン単位の含有量はエチレン単位の含有量より多いこと。
2)MFR(ASTM D‐1238 230℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であること。
3)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であること。
【0006】
(2)(A)ポリプロピレン樹脂50〜95重量部、(B)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体3〜40重量部、および(C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体2〜20重量部(ここで、(A)、(B)および(C)の合計量は100重量部である)を含有する上記(1)に記載のポリプロピレン射出成形体。
【0007】
(3)(A)ポリプロピレン樹脂は、プロピレン単独重合体、プロピレン以外のα−オレフィン単位含有量が10モル%以下であるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、およびn−デカン抽出量が10重量%以下のプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である上記(1)または(2)に記載のポリプロピレン射出成形体。
【0008】
(4)(B)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体が、メタロセン系触媒の存在下に、エチレンおよびα−オレフィンをランダム共重合させることにより得られるランダム共重合体である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリプロピレン射出成形体。
(5)(C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体が、メタロセン系触媒の存在下に、プロピレン、1-ブテン、およびエチレンをランダム共重合させることにより得られるランダム共重合体である上記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリプロピレン射出成形体。
【0009】
以下本発明のポリプロピレン射出成形体について詳細に説明する。
本発明のポリプロピレン射出成形体は、(A)ポリプロピレン樹脂、(B)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体、および(C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体を含有する組成物からなる射出成形体である。
【0010】
まず、ポリプロピレン樹脂組成物を構成する上記(A)ポリプロピレン樹脂について説明する。
本発明では、(A)ポリプロピレン樹脂として従来公知のポリプロピレン樹脂を適宜選択して用いることができる。このような(A)ポリプロピレン樹脂として、例えばプロピレン単独重合体、プロピレンとプロピレン以外の他のα−オレフィンとのプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体およびプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体を挙げることができる。また、(A)ポリプロピレン樹脂は、無水マレイン酸などの極性基含有モノマーで変性されていてもよい。
【0011】
好ましい(A)ポリプロピレン樹脂は、プロピレン単独重合体、他のα−オレフィン単位を10モル%以下、好ましくは8モル%以下含有するプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、およびn−デカン抽出量が10重量%以下、特には該抽出量が8重量%以下のプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体である。
【0012】
なお、本発明では、「α−オレフィン単位」は、α−オレフィンから誘導され、重合体を構成する構造単位を意味する。エチレン単位、プロピレン単位、1−ブテン単位などについても同様である。また、本発明では、α−オレフィンには、エチレンが包含される。
【0013】
上記プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体またはプロピレンブロック共重合体を形成する他のα−オレフィンとしては、プロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンが好ましく挙げられ、具体的には、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-ヘキサデセン、4-メチル-1-ペンテンなどを挙げることができる。
【0014】
これらのα−オレフィンは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0015】
本発明で用いられる(A)ポリプロピレン樹脂は、それ自体公知の固体状チタン触媒あるいはメタロセン系触媒などを用いて、それ自体公知の方法により製造することができる。
【0016】
(A)ポリプロピレン樹脂のX線法による結晶化度は、40%以上、特には50%以上であることが好ましく、DSC法による融点(Tm)は100〜165℃であることが好ましい。また、(B)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体および(C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体の融点よりも高い融点の(A)ポリプロピレン樹脂を用いることが望ましい。
【0017】
また、(A)ポリプロピレン樹脂は、ASTM D1238に準拠して測定されるメルトフローレート(MFR:230℃、2.16Kg荷重下)が、通常0.1〜300g/10分であり、好ましくは1〜50g/10分である。
(A)ポリプロピレン樹脂は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0018】
次に(B)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体について説明する。
本発明で用いる(B)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体は、
(イ)密度が0.9g/cm3以下、好ましくは0.85〜0.88g/cm3であり、
(ロ)MFR(ASTM D−1238 190℃、2.16Kg荷重)が0.1〜50g/10分、好ましくは0.2〜30g/10分であり、かつ
(ハ)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、溶出溶媒としてオルソジクロロベンゼンを用い、標準物質として単分散ポリスチレンを用いて測定したポリスチレン換算値として、分子量分布(Mw/Mn)が3以下である。
【0019】
また、(B)エチレン・α- オレフィンランダム共重合体のα- オレフィンの炭素数は、3以上、好ましくは3〜20である。
α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1− デセン、11− メチル−1− ドデセン、12− エチル−1− テトラデセンなどを挙げることができる。
【0020】
また、(B)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体は、X線回折法により測定された結晶化度が好ましくは40%未満 、より好ましくは30%以下であることが望ましい。
【0021】
さらに、(B)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体は、13C−NMR法により求めた、共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータ(B値)が1.0〜1.4の範囲にあることが好ましい。上記B値は、共重合連鎖中の構造単位の組成分布状態を表わす指標であり、下式により算出することができる。
【0022】
B=POE/(2PO・PE)
(式中、PEおよびPOは、それぞれエチレン・α- オレフィンランダム共重合体中に含有される、エチレン成分のモル分率およびα- オレフィン成分のモル分率であり、POEは、全ダイアド(dyad)連鎖数に対するエチレン・α- オレフィン交互連鎖数の割合である。)
このようなPE、POおよびPOE値は、具体的には、下記のようにして算出することができる。
【0023】
10mmφの試験管中で約200mgの(B)エチレン・α− オレフィンランダム共重合体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させて試料を調製し、この試料の13C−NMRスペクトルを下記の条件下に測定する。
[測定条件]
測定温度 :120℃
測定周波数:20.05MHz
スペクトル幅:1500Hz
フィルタ幅:1500Hz
パルス繰り返し時間:4.2sec
パルス幅:7μsec
積算回数:2000〜5000回
【0024】
PE 、PO およびPOE値は、上記のようにして測定された13C−NMRスペクトルから、G. J. Ray (Macromolecules, 10,773 (1977))、J. C. Randall(Macro-molecules, 15, 353 (1982))、K. Kimura(Polymer, 25,4418(1984))らの報告に基づいて求めることができる。
【0025】
なお、上記式より求められるB値は、(B)エチレン・α- オレフィン共重合体が両モノマーが交互に分布している場合には2となり、両モノマーが完全に分離して重合している完全ブロック共重合体の場合には0となる。
【0026】
B値が上記範囲にある(B)エチレン・α- オレフィンランダム共重合体を用いると、耐熱性に優れたポリプロピレン樹脂組成物を得ることができる。
【0027】
さらに、(B)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gの範囲である。このgη*値は0.95〜1.00が好ましい。
このgη*値は、次式により定義される。
gη*=[η]/[η]blank
(ここで、[η]は、上記で測定された極限粘度であり、[η]blank は、その極限粘度[η]のエチレン・α- オレフィンランダム共重合体と同一重量平均分子量(光散乱法による)を有し、かつエチレン含量が70モル%の直鎖状エチレン・プロピレン共重合体の極限粘度である。)
【0028】
上記の(B)エチレン・α- オレフィンランダム共重合体は、ヴァナジウム系触媒やチタン系触媒でも得られるが、後述するメタロセン系触媒の存在下に、エチレンとα- オレフィンとを共重合させて得られるエチレン・α- オレフィンランダム共重合体が好ましい。
【0029】
次に(C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体について説明する。
本発明で用いる(C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体は、上述したように前記条件1)〜3)を満たす。これらの諸条件につき順次説明する。
【0030】
前記条件1)は、(C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体の組成を特定したものである。
すなわち、(C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体は、プロピレン単位を50〜95モル%、好ましくは60〜85モル%、エチレン単位を2〜30モル%、好ましくは3〜20モル%、および1−ブテン単位を10〜40モル%、好ましくは10〜30モル%含有する。そして、1−ブテン単位の含有量はエチレン単位の含有量より多い。
【0031】
(C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体が上記組成であることにより、該共重合体がエラストマー的な特性、(A)ポリプロピレン樹脂との相溶性と(B)エチレン・α- オレフィンランダム共重合体との相溶性をバランス良く有する結果となる。
なお、(C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体は、上記利点を損なわない範囲で、プロピレン単位、1-ブテン単位およびエチレン単位以外のα−オレフィン単位を少量、例えば10モル%以下含んでいてもよい。
【0032】
前記条件2)および3)は、それぞれ(C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体の分子量の目安となるメルトフローレート(MFR)、および分子量分布(Mw/Mn)を特定している。
該(C)ランダム共重合体のMFR(ASTM D‐1238 230℃、2.16Kg荷重)は、0.1〜50g/10分、好ましくは0.2〜30g/10分である。
【0033】
また、該(C)ランダム共重合体のMw/Mnは3以下である。Mw/Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で、溶出溶媒としてオルソジクロロベンゼンを用い、標準物質として単分散ポリスチレンを用いて測定したポリスチレン換算値である。
【0034】
(C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体のMFRおよび分子量分布が上記の範囲にあることにより、(A)ポリプロピレン樹脂との相溶性に優れ、しかも得られる組成物は成形加工性に優れ、かつ得られる成形品は透明性に優れる。
【0035】
本発明で用いる(C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体は特定のミクロ構造を有しているものが好ましい。
すなわち、(C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体は、(i)頭−尾結合したプロピレン単位のみからなる3連鎖構造、また は(ii)頭−尾結合したプロピレン単位と1−ブテン単位からなる3連鎖構造を含有しているのが好ましい。さらに、上記(i)または(ii)の3連鎖構造の第2単位目のプロピレン単位の側鎖メチル基について13C−NMR(ヘキサクロロブタジエン溶液、テトラメチルシラン基準)で測定したときに、19.7〜21.7ppmに表れるピークの全面積をl00%として、21.2〜21.7ppmに表れるピークの面積が90%以上、好ましくは92%以上であるものが望ましい。
【0036】
また、(C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体は、13C一NMRで測定される全プロピレン単位中のプロピレンモノマーの2,1−挿入に基づく位置不規則単位の割合が0.05%以上、好ましくは0.05〜0.4%、より好ましくは0.05〜0.3%であるものが望ましい。
【0037】
また、(C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体は、プロピレンモノマーの1,3−挿入に基づく位置不規則単位の割合が、0.05%以下であることが好ましい。重合時にプロピレンモノマーは、1,2−挿入(メチレン側が後述する触媒と結合する)するが、稀に2,1−挿入あるいは1,3−挿入することがある。2,1−挿入あるいは1,3−挿入したモノマーは、ポリマー中で位置不規則単位を形成する。
【0038】
全プロピレン単位中のプロピレンモノマーの2,1−挿入の割合は、13C−NMRを利用して、Polymer,30(1989)1350 を参考にして下記の数式〔I〕から求めることができる。
【0039】
【数1】
2,1−挿入に基づく位置不規則単位の割合=
([0.25Iαβ〔構造(i)〕+0.5Iαβ〔構造(ii)〕]×100)/(Iαα+Iαβ〔構造(ii)〕+0.5[Iαγ+Iαβ〔構造(i)〕+Iαδ])…〔I〕
【0040】
ここで、ピークの命名は、Carmanらの方法(Rubber Chem. Technol.,44(1971),781)に従う。また、Iαβなどは、αβピークなどのピーク面積を示す。なお、ピークが重なることなどにより、Iαβなどの面積が直接スペクトルより求めることが困難な場合は、対応する面積を有する炭素ピークで代用することができる。
【0041】
プロピレンの1,3−挿入に基づく3連鎖量は、βγピーク(27.4ppm 付近で共鳴)の面積の1/2を全メチル基ピークとβγピークの1/2の和で除して100を乗ずることにより、その割合を%表示で求めることができる。
【0042】
本発明で用いる(C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体は、
(B)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体の場合と同じく、メタロセン系触媒を用いて製造した共重合体が好ましい。
【0043】
上記メタロセン系触媒としては、化学式(1)で示される(a)ブリッジタイプの遷移金属化合物(以下、単に遷移金属化合物という場合がある)と、
この(a)遷移金属化合物を活性化させ得る化合物であって、かつ(b)有機アルミニウム化合物、(c)有機アルミニウムオキシ化合物、および(d)上記(a)遷移金属化合物と反応してイオン対を形成するイオン化イオン性化合物からなる(b)〜(d)の化合物群から選ばれる少なくとも1種の化合物と
を含むメタロセン系触媒が好ましい。
【0044】
化学式(1)中、Mは周期律表第IV〜VIB族の遷移金属であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステンであり、好ましくはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムである。
【0045】
化学式(1)中、R1 、R2 、R3 およびR4 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基であり、また互いに隣接する基の一部が結合してそれらの基が結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。なお、式中それぞれ2個ずつ存在するR1 〜R4 は、これらが結合して環を形成する際には同一記号同士の組み合せで結合することが好ましいことを示しており、たとえばR1 とR1 とで結合して環を形成することが好ましいことを示している。
【0046】
上記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などを挙げることができる。上記炭素数1〜20の炭化水素基としては、たとえばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのアルキル基;ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基;フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、α−またはβ−ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フェナントリル、ベンジルフェニル、ピレニル、アセナフチル、フェナレニル、アセアントリレニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニリルなどのアリール基を挙げることができる。
【0047】
これらの炭化水素基が結合して形成する環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アセナフテン環、インデン環などの縮環基、ベンゼン環、ナフタレン環、アセナフテン環、インデン環などの縮環基上の水素原子がメチル、エチル、プロピル、ブチルなどのアルキル基で置換された基を挙げることができる。
また、これらの炭化水素基は、ハロゲンで置換されていてもよい。
【0048】
上記ケイ素含有基としては、メチルシリル、フェニルシリルなどのモノ炭化水素置換シリル;ジメチルシリル、ジフェニルシリルなどのジ炭化水素置換シリル;トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどのトリ炭化水素置換シリル;トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルのシリルエーテル;トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基;トリメチルフェニルなどのケイ素置換アリール基などが挙げられる。
【0049】
上記酸素含有基としては、ヒドロキシ基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ
、ブトキシなどのアルコキシ基;フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリロキシ基;フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールアルコキシ基などが挙げられる。
【0050】
上記イオウ含有基としては、前記含酸素化合物の酸素がイオウに置換した置換基、およびメチルスルホネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基;メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンゼンスルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基を挙げることができる。
【0051】
上記窒素含有基としては、アミノ基、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基;フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などを挙げることができる。
【0052】
上記リン含有基としては、ジメチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフィノなどが挙げられる。
【0053】
化学式(1)中、X1 およびX2 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基である。これらの原子または基としては、具体的には、R1 〜R4 で示した原子または基と同様のものが挙げられる。
【0054】
化学式(1)中、Yは、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR5−、−P(R5)−、−P(O)(R5)−、−BR5−または−AlR5−である。ここで、R5は水素原子、上記と同様のハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素基である。
【0055】
上記のハロゲンで置換されていてもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基としては、メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレンなどのアルキレン基;ジフェニルメチレン、ジフェニル-1,2- エチレンなどのアリールアルキレン基などを挙げることができる。さらにクロロメチレンなどの上記炭素数1〜20の2価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基などを挙げることができる。
【0056】
上記2価のケイ素含有基としては、メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレンなどのアルキルシリレン;アルキルアリールシリレン、アリールシリレン基、テトラメチル-1,2-ジシリル、テトラフェニル-1,2-ジシリルなどのアルキルジシリル、アルキルアリールジシリルまたはアリールジシリル基などを挙げることができる。
【0057】
2価のゲルマニウム含有基としては、上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した化合物を挙げることができる。
【0058】
化学式(1)で示される(a)ブリッジタイプの遷移金属化合物の具体例を下記する。
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、racージメチルシリレンービス(1−(3−メチルシクロペンタジエニル))ジルコニウムジクロリドなど。
【0059】
本発明では、前記式(1)で示される(a)遷移金属化合物のうちでも、下記式(2)で示されるブリッジタイプの遷移金属化合物が好ましく用いられる。
【0060】
化学式2とは以下に示す通りである。
(式(2)中、M、R1 、R3 、X1 、X2 およびYは、前記式(1)の定義と同様であり、R21〜R24およびR41〜R44は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基または
アリール基であり、このアルキル基またはアリール基は、ハロゲンまたは有機シリル基で置換されていてもよい)。
【0061】
上記の(a)遷移金属化合物を活性化させ得る活性化化合物として、(b)有機アルミニウム化合物、(c)有機アルミニウムオキシ化合物、および(c)イオン性化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が用いられる。
【0062】
上記(b)有機アルミニウム化合物は、たとえば下記式(3)で示される。
R1nAlX3-n …(3)
(式(3)中、R1は炭素数1〜12の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3である。)
【0063】
上記式(3)において、R1 は炭素数1〜12の炭化水素基、例えばアルキル基、シクロアルキル基またはアリ−ル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
【0064】
また(b)有機アルミニウム化合物として、下記式(4)で表される化合物を用いることもできる。
R1nAlY3-n …(4)
(式(4)中、R1 は上記と同様であり、Yは−OR2基、−OSiR33基、−OAlR42基、−NR52基、−SiR63基または−N(R7)AlR82基であり、nは1〜2であり、R2、R3、R4およびR8はメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、R5は水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、R6およびR7はメチル基、エチル基などである。)
【0065】
これらのうちでは、式R13Al、R1nAl(OR2)3-n 、R1nAl(OAlR42)3-nで表わされる化合物が好ましく、特にRがイソアルキル基であり、nが2である化合物が好ましい。これらを組合わせて用いることもできる。
【0066】
前記(c)有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のベンゼン可溶性のアルミノキサンであってもよく、また特開平2−276807号公報で開示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
【0067】
また本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で10%以下、好ましくは5%以下、特に好ましくは2%以下であり、ベンゼンに対して不溶性あるいは難溶性である。
【0068】
このような有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼンに対する溶解性は、100ミリグラム原子のAlに相当する該有機アルミニウムオキシ化合物を100mlのベンゼンに懸濁した後、撹拌下60℃で6時間混合した後、ジャケット付G−5ガラス製フィルターを用い、60℃で熱時濾過を行い、フィルター上に分離された固体部を60℃のベンゼン50mlを用いて4回洗浄した後の全濾液中に存在するAl原子の存在量(Xミリモル)を測定することにより求められる(X%)。
【0069】
前記(d)イオン化イオン性化合物は、前記式(1)で示される(a)遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物である。このような(d)イオン化イオン性化合物としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、米国特許5321106号明細書などに記載されたルイス酸、イオン性化合物およびカルボラン化合物などが使用できる。
【0070】
メタロセン系触媒は、上記(a)〜(d)成分のすべてまたはいずれかが顆粒状ないしは微粒子状固体(担体)に担持された固体状触媒であってもよい。
【0071】
この担体は、無機担体であっても有機担体であってもよい。無機担体としては、たとえばSiO2、Al2O3 などの多孔質酸化物が好ましく用いられる。また有機担体としては、たとえばエチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンなどの炭素数2〜14のα-オレフィンを主成分として生成される(共)重合体あるいはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される重合体あるいは共重合体などを用いることができる。
【0072】
上記ポリプロピレン樹脂からなる射出成形体は、(A)ポリプロピレン、(B)
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体、および(C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体とともに、本発明の組成物の利点を損なわない範囲で他の添加剤、他のポリマーなどの他の成分を含有していてもよい。
【0073】
上記添加剤として、耐候安定剤、耐熱安定剤、防曇剤、耐ブロッキング剤、スリップ剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、充填剤などを挙げることができる。
【0074】
【発明の効果】
本発明のポリプロピレン樹脂射出成形体は、ポリプロピレン樹脂、特定のエチレン・α−オレフィンランダム共重合体、および特定のプロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体を含有するので、透明性、耐衝撃性、剛性および耐熱性に優れた射出成形体を成形することができる。
【0075】
【発明の実施の形態】
以下、実施例および比較例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって制限されるものではない。
【0076】
製造例1((B)エチレン・1−ブテンランダム共重合体の製造)
メタロセン系触媒を用いてエチレン・1−ブテンランダム共重合体を製造した。すなわち、充分に窒素置換した2リットルのオートクレーブに、ヘキサンを950ml、1-ブテンを50g仕込み、そこへトリイソブチルアルミニウムを1ミリモル加え、70℃に昇温した後、エチレンを供給して全圧7Kg/cm2Gとし、メチルアルミノキサン0.30ミリモル、rac-ジメチルシリレン−ビス{1-(2-n-プロピル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算して0.001ミリモル加え、引き続きエチレンを連続的に供給して、全圧を7Kg/cm2Gに保ちながら30分間重合を行った。
【0077】
重合後、脱気して大量のメタノール中でポリマーを回収し、110℃で12時間減圧乾燥した。得られたポリマー(エチレン・1-ブテンランダム共重合体)は28.0gであり、重合活性は56kg・ポリマー/ミリモルZr・hrであった。
【0078】
このポリマーの組成、物性などは、以下の通りである。
(1)組成
エチレン単位含量 :89.0モル%
1−ブテン単位含量:11.0モル%
(2)MFR(ASTM D‐1238 190℃、2.16kg荷重):3.6g/10分
(3)GPCによる分子量分布(Mw/Mn):2.0
(4)密度:0.885g/cm3
(5)B値:1.1
(6)極限粘度〔η〕:1.48dl/g
【0079】
製造例2((C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体の製造)メタロセン系触媒を用いてプロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体を製造した。すなわち、充分に窒素置換した2リットルのオートクレーブに、ヘキサンを950ml、1-ブテンを75g仕込み、そこへトリイソブチルアルミニウムを1ミリモル加え、70℃に昇温した後、プロピレンとエチレンを供給して全圧7Kg/cm2Gとし、メチルアルミノキサン0.30ミリモル、rac-ジメチルシリレン−ビス{1-(2-n-プロピル-4-(9-フェナントリル)インデニル)}ジルコニウムジクロリドをZr原子に換算して0.001ミリモル加え、引き続きプロピレン供給量とエチレン供給量とのモル比(プロピレン/エチレン)が95/5となるように連続的に供給して、全圧を7Kg/cm2Gに保ちながら30分間重合を行った。
【0080】
重合後、脱気して大量のメタノール中でポリマーを回収し、110℃で12時間減圧乾燥した。得られたポリマー(プロピレン・1-ブテン・エチレン共重合体)は28.0gであり、重合活性は56kg・ポリマー/ミリモルZr・hrであった。
【0081】
このポリマーの組成、物性などは、以下の通りである。
1)組成
プロピレン単位含量:68.5モル%
エチレン単位含量 :10.2モル%
1−ブテン単位含量:21.3モル%
2)MFR(ASTM D‐1238 230℃、2.16kg荷重):4.4g/10分
3)GPCによる分子量分布(Mw/Mn):2.3
4)頭−尾結合したプロピレン単位からなる3連鎖構造: 存在する
5)頭−尾結合したプロピレン単位と1−ブテン単位からなり、第2単位目にプロピレン単位が存在する3連鎖構造: 存在する
【0082】
実施例1
プロピレン含有量97.3モル%、エチレン含有量2.7モル%、MFR
(ASTMD−1238、230℃、2.16Kg)が20g/10minのポリプロピレンランダム共重合体(A)80重量%とエチレン含有量89.0モル%、ブテン含有量11.0モル%でMFR(ASTMD−1238、190℃、2.16Kg)が3.6/10min、密度0.885のエチレンブテン共重合体(B)15重量%と製造例2で得られたプロピレンーブテンーエチレン共重合体(C)5重量%とをミキサーで混合し、押出機でペレットを作製し、
射出成形体を成形した。
【0083】
実施例2
ポリプロピレンランダム共重合体(A),エチレンブテン共重合体(B)およびプロピレンーブテンーエチレン共重合体(C)の混合重量比を(A):(B):(C)=80:10:10にした以外は実施例1と同様に行った。
比較例
ポリプロピレンランダム共重合体(A)、エチレンブテン共重合体(B)の混合重量比を(A):(B)=80:20にした以外は実施例1と同様に成形した
結果を表1に示す。成形体の評価方法は以下のとうりである。
引張特性:ASTMD−638
曲げ特性:ASTMD−790
アイゾット衝撃値:ASTMD−256
ヘイズ:ASTMD−1003
グロス:ASTMDー523
【表1】
【化1】
[式中、Mは、周期律表第IV〜VIB族の遷移金属原紙であり、R1、R2、R3、およびR4は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基、またはリン含有基であり、また互いに隣接する基の一部が結合してそれらの基が結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。X1およびX2は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基である。Yは、炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR5−、−P(R5)−、−P(=O)(R5)−、−BR5−、または−AlR5−、である。ここで、R5は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、または炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。]
【化2】
(式(2)中、M、R1、R3、X1、X2、およびYは、前記式(1)の定義と同様であり、R21〜R44は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基
または
アリ−ル基であり、このアルキル基またはアリ−ル基は、ハロゲンまたは有機シリル基で置換されていてもよい)。
Claims (5)
- (A)ポリプロピレン樹脂、
(B)密度が0.9g/cm3以下であり、MFR(ASTM D−1238190℃、2.16Kg荷重)が0.1〜50g/10分であり、かつ分子量分布(Mw/Mn)が3以下であるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(ここで、α−オレフィンの炭素数は3以上である)、および
(C)下記条件1)〜3)を充足するプロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体
を含有することを特徴とするポリプロピレン射出成形体。
プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体(C)の条件:
1)プロピレン単位50〜95モル%、エチレン単位2〜30モル%、および1−ブテン単位10〜40モル%を含有し、かつ1−ブテン単位の含有量はエチレン単位の含有量より多いこと。
2)MFR(ASTM D‐1238 230℃、2.16kg荷重)が0.1〜50g/10分であること。
3)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であること。 - (A)ポリプロピレン樹脂50〜95重量部、(B)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体3〜40重量部、および(C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体2〜20重量部(ここで、(A)、(B)および(C)の合計量は100重量部である)を含有する請求項1に記載のポリプロピレン射出成形体。
- (A)ポリプロピレン樹脂は、プロピレン単独重合体、プロピレン以外のα−オレフィン単位含有量が10モル%以下であるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、およびn−デカン抽出量が10重量%以下のプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載のポリプロピレン射出成形体。
- (B)エチレン・α−オレフィンランダム共重合体が、メタロセン系触媒の存在下に、エチレンおよびα−オレフィンをランダム共重合させることにより得られるランダム共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレン射出成形体
- (C)プロピレン・エチレン・1−ブテンランダム共重合体が、メタロセン系触媒の存在下に、プロピレン、1-ブテン、およびエチレンをランダム共重合させることにより得られるランダム共重合体である請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレン射出成形体。
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