JP2014101484A - 射出成形用樹脂組成物およびこれから得られる成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性、低温衝撃性、機械物性(柔軟性または剛性)に優れた樹脂組成物、および該該組成物を用いてなる成形体を提供すること。
【解決手段】プロピレン系樹脂組成物(P)および結晶造核剤(Q)を含有する射出成形用樹脂組成物であって、プロピレン系樹脂組成物(P)が、(1)特定のプロピレン系重合体(A)50〜95重量部と、(2)特定のプロピレン・エチレン・α-オレフィン共重合体(B) 1〜25重量部と、(3)特定のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)25〜50重量部を含む(ただし、(A)と(B)と(C)の合計100重量部とする)ことを特徴とする射出成形用樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレン系樹脂組成物を含んでなる射出成形用樹脂組成物およびこれを用いてなる射出成形体に関する。詳しくは、プロピレン系樹脂組成物を構成する成分として特定の性質を満たす成分を、特定範囲の量を用いることを特徴とする、剛性と低温衝撃性のバランス、および透明性に優れた射出成形用樹脂組成物、およびこれから得られる射出成形体に関する。
結晶性ポリプロピレンは、機械的性質、耐薬品性に優れることから各種成形分野に広く用いられている。なかでも、射出成形によって得られる各種容器は、食品、飲料、医療および雑貨など多方面にわたる日常分野で重宝されている。このような用途においては、剛性、耐衝撃性および透明性等の性能を要求されるものが多く、さらに昨今では、冷凍(-20℃)・冷蔵(4℃)して用いる容器も増加してきていることから、低温での耐衝撃性という性能ニーズも高まってきている。
しかしながら、結晶性ポリプロピレンとしてプロピレン単独重合体を用いると、剛性は高くなるが耐衝撃性が不足する。そのため、プロピレン単独重合体にエチレン・プロピレンゴム等のエラストマーを添加する方法や、プロピレンの単独重合後に引き続いてエチレンとプロピレンを共重合させる方法で得られる、いわゆるブロックポリプロピレンとして、耐衝撃性を改良することが行われてきた。
これらの方法によって、剛性と耐衝撃性とのバランスは、ある程度改善されるものの、低温衝撃性が必須の性能として求められる用途においては充分なレベルとは言えない場合があった。すなわち、これらの方法では、透明性、低温耐衝撃性および両性能のバランスを、充分に改善させることはできず、その結果として射出成形体(容器)内の内容物の商品価値の低下が問題視される場合もあった。さらには、添加したエラストマーやブロックポリプロピレンに含まれるエチレン・プロピレンランダム共重合体は、成形体のベタツキやブリードアウトを引き起こしたり、ブロッキング性や外観不良などの問題を発生しやすいこと、また、射出成形過程において金型への付着・汚染といった問題も誘発するという欠点を有していた。
特許文献1には、特定の物性を有するプロピレン重合体と、エチレンと炭素数6〜20のα−オレフィンとの共重合体からなる容器用ポリプロピレン樹脂組成物から透明性および低温衝撃性に優れたポリプロピレン樹脂製容器が得られることが開示されている。特許文献2には、プロピレン系重合体とプロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体とエチレン・α−オレフィン共重合体からなる、透明性、低温衝撃性、機械物性(柔軟性または剛性)に優れ、しかも耐熱性に優れたプロピレン系重合体組成物が開示されている。特許文献3には、エチレン量の異なるランダム共重合体を逐次重合して得られたプロピレン・エチレンブロック共重合体がそれぞれ開示されている。さらには特許文献4には、プロピレン系重合体とプロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体とエチレン系重合体からなるエチレン系重合体組成物が開示されているが、これらには剛性-低温衝撃性-透明性のバランス性については何ら言及されていないのである。以上述べたように、これら公知技術のみでは、剛性と低温耐衝撃性とのバランスを保ったまま、透明性(特にヘイズ)がさらに要求される分野に対応できる射出成形体を効率的に提供することが難しかった。
特開2002−212358 特開2007−186665 特開2010−202694 特開2011−208149
本発明が解決しようとする課題は、上記のような問題点を解決することであって、透明性、低温衝撃性、機械物性(柔軟性または剛性など)に優れた樹脂組成物、および該該組成物を用いてなる射出成形体を提供することにある。
すなわち本発明は、
プロピレン系樹脂組成物(P)および結晶造核剤(Q)を含有する射出成形用樹脂組成物であって、プロピレン系樹脂組成物(P)が、
(1)プロピレン系重合体(A)50〜95重量部と、
(2)プロピレンから導かれる構成単位を89〜50モル%の量で含有し、エチレンから導かれる構成単位を10〜30モル%の量で含有し、さらに炭素原子数4〜20のα-オレフィンから導かれる構成単位を1〜30モル%の量で含む(ただし、エチレンから導かれる構成単位と炭素数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位との合計は11モル%〜50モル%であり、プロピレンから導かれる構成単位とエチレンから導かれる構成単位と炭素数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位との合計は100モル%である)プロピレン・エチレン・α-オレフィン共重合体(B) 1〜25重量部と、
(3)エチレンから導かれる構成単位を50〜99モル%の量で含有し、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を1〜50モル%の量で含有(エチレンとα−オレフィンの合計を100モル%とする)し、密度が880〜920kg/mの範囲にあるエチレン・α−オレフィン共重合体(C)25〜50重量部、
を含む(ただし、(A)と(B)と(C)の合計100重量部とする)ことを特徴とする射出成形用樹脂組成物、並びに当該射出成形用樹脂組成物を用いることを特徴とする射出成形体に関する。
本発明の射出成形用樹脂組成物は、透明性、柔軟性および低温耐衝撃性に富む射出成形体である。
以下本発明について詳細に説明する。本発明の射出成形用樹脂組成物は、プロピレン系樹脂組成物(P)および結晶造核剤(Q)からなる。まず、プロピレン系樹脂組成物(P)を構成する、特定のプロピレン系重合体(A)と、特定のプロピレン・エチレン・炭素数4〜20のα−オレフィン共重合体(B)と、特定のエチレン・α−オレフィン共重合体(C)を詳説し、次いで結晶造核剤(Q)について説明し、最後に射出成形用樹脂組成物、および当該組成物を用いる射出成形体について説明する。
プロピレン系重合体(A)
本発明で用いられるプロピレン系重合体(A)は、ホモポリプロピレンであっても、プロピレンと炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)のランダム共重合体であっても、プロピレンブロック共重合体であってもよいが、好ましくはホモポリプロピレンまたはプロピレンと炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)のランダム共重合体である。本発明の射出成形体の耐熱性に優れる点からはホモポリプロピレンが好ましく、得られる射出成形体の衝撃特性や透明性が優れる点からは、プロピレンと炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)のランダム共重合体〔以下の説明では、単にランダム共重合体またはr−PPと略称する場合がある〕が好ましく用いられる。ここで、プロピレン以外の炭素原子数が2〜20のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。成分(A)としてランダム共重合体を用いる場合は、プロピレンとエチレンまたは炭素原子数が4〜10のα−オレフィン、あるいはプロピレンとエチレンと炭素数が4〜10のα−オレフィンとの共重合体が好ましい。なお当該ランダム共重合体においては、通常、プロピレン由来の構成単位は、プロピレン由来の構成単位と、プロピレン以外の炭素数が2〜20のα−オレフィン由来の構成単位の合計100モル%に対して、90モル%以上含む。すなわち、α−オレフィン由来の構成単位を該共重合体中に10モル%未満含む。α−オレフィン由来の構成単位量は、好ましくは0.1〜8モル%、さらに好ましくは0.2〜7.5モル%である。
本発明で用いられるプロピレン系重合体(A)は、好ましくはアイソタクティックプロピレン系重合体である。アイソタクティックプロピレン系重合体とは、NMR法により測定したアイソタクティックペンタッド分率(mmmm分率)が0.9以上、好ましくは0.95以上であるプロピレン系重合体である。前記アイソタクティックプロピレン重合体のアイソタクティックペンタッド分率を百分率で表示すると90%以上、好ましくは95%以上である。本発明では百分率を採用した。
mmmm分率は、例えば特開2007−186664に記載されているように、13C−NMRを使用して測定される分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクティック連鎖の存在割合、換言すればプロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である。
また本発明で用いられるプロピレン系重合体(A)は示差走査熱量計(DSC)測定により得られる融点(Tm)が、Tmが120℃以上、170℃以下が好ましい。好ましくは125℃以上、168℃以下であり、さらに同時に測定される融解熱量(ΔH)は50mJ/mg以上であることが好ましい。この範囲のものは成形性、耐熱性と透明性に優れ、結晶性のポリプロピレンとしての特性が良好で好ましい。なお、融点(Tm)は示差走査熱量計(DSC)測定装置内で10分間200℃保持した後、降温速度10℃/分で−20℃まで冷却し、−20℃で1分間保持した後、再度昇温速度10℃/分で測定したときに観測される融点である。
本発明に係るプロピレン系重合体(A)が上記のような特性を満たすと、射出成形用樹脂組成物を用いて得られる射出成形体の、剛性と透明性のバランス、および透明性に優れるので好ましい。
本発明に係るプロピレン系重合体(A)のMFRは、通常0.01〜400g/10分(230℃、2.16kg荷重下で測定)、好ましくは0.1〜200g/10分、より好ましくは0.5〜100g/10分である。
本発明に係るプロピレン系重合体(A)、例えば、アイソタクティックプロピレン系重合体は、チーグラー・ナッタ型触媒やメタロセン触媒を用いた公知の様々な方法によって製造することができる。
プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体(B)
プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、通常ランダム共重合体であり、(B)プロピレンから導かれる構成単位を89〜50モル%の量で含有し、エチレンから導かれる構成単位を10〜30モル%の量で含有し、さらに炭素原子数4〜20のα-オレフィンから導かれる構成単位を1〜30モル%の量で含む。ここでエチレンから導かれる構成単位と炭素数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位との合計は11モル%〜50モル%である。またプロピレンから導かれる構成単位とエチレンから導かれる構成単位と炭素数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位との合計は100モル%である。
好ましくは プロピレンから導かれる構成単位を89.0〜60.0モル%、エチレンから導かれる構成単位を10.0〜25.0モル%、炭素数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を1.0〜25.0モル%の量含んでいる。ここでエチレンから導かれる構成単位と炭素数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位との合計は11.0モル%〜40.0モル%である。またプロピレンから導かれる構成単位とエチレンから導かれる構成単位と炭素数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位との合計は100モル%である。
より好ましくはプロピレンから導かれる構成単位を85.0〜63.0モル%、エチレンから導かれる構成単位を10.0〜20.0モル%、炭素数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を1.0〜20.0モル%の量含んでいる。ここでエチレンから導かれる構成単位と炭素数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位との合計は15.0モル%〜37.0モル%である。またプロピレンから導かれる構成単位とエチレンから導かれる構成単位と炭素数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位との合計は100モル%である。
炭素数4〜20のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられ、特に1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。
このような量でプロピレンから導かれる構成単位、エチレンから導かれる構成単位、炭素数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を含有するプロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、プロピレン系重合体(A)との相容性が良好となり、得られる射出成形用樹脂組成物は、充分な透明性、柔軟性、機械強度、耐熱性と耐衝撃性を発揮する傾向がある。
本発明で用いられるプロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、非晶性であっても、アイソタクテッック構造であっても、シンジオタクティック構造のいずれであっても良いが、(B)を含む樹脂組成物から得られる射出成形体の流動性と機械強度、耐衝撃性のバランスの点からはアイソタクティック構造を有することが好ましい。
実質的にアイソタクティック構造を有するプロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体(B)とは、NMR法により測定したアイソタクティックトライアッド分率(mm分率)が0.85以上、好ましくは0.88以上であるプロピレン系共重合体である。前記プロピレン系共重合体のアイソタクティックトライアッド分率を百分率で表示すると、85%以上、好ましくは88%以上となる。
アイソタクティックトライアッド分率(mm分率)は、国際公開2004/087775号パンフレットの、21頁7行目〜26頁6行目に記載された方法によって測定・解析を行うことが出来る。
また前記プロピレン・エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)は、DSCで測定した融点が100℃以下であるかまたは融点が観測されないものであることが好ましい。
ここで、融点が観測されないとは、−150〜200℃の範囲において、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピークが観測されないことをいう。測定法は後述する実施例の「融点(Tm)の測定法」と同じである。すなわち測定用アルミパンに約5mgの試料をつめて、100℃/分で200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、10℃/分で−150℃まで降温し、ついで10℃/分で200℃まで昇温した吸熱曲線より求めることができる。
またGPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn、ポリスチレン換算、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)は好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.5以下である。
好ましくは、前記プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、MFR(ASTMD1238、230℃、2.16kg荷重下)が0.1〜100g/10分であり、好ましくは1.0〜80g/10分、より好ましくは5.0〜50g/10分である。
エチレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)
本発明で用いられるエチレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)は、エチレンから導かれる構成単位を50〜99モル%の量で含有し、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を1〜50モル%の量で含有し(エチレンとα−オレフィンの合計を100モル%とする)、し、密度が880〜920kg/mであるエチレン・α−オレフィン共重合体である。
好ましくは、前記エチレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)は、エチレンから導かれる構成単位を55〜99モル%の量で含有し、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を1〜45モル%の量で含有し(エチレンとα−オレフィンの合計を100モル%とする)し、密度が880〜920kg/mであり、MFR(AST
MD1238、190℃、2.16kg荷重下)が0.1〜100g/10分である。
より好ましくは、前記エチレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)は、エチレンから導かれる構成単位を70〜99モル%の量で含有し、エチレン以外の炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を1〜30モル%の量で含有し(エチレンとα−オレフィンの合計を100モル%とする)、その密度が885〜920kg/m3であり、MFR(ASTMD1238、190℃、2.16kg荷重下)が0.5〜50g/10分である。
特に好ましくは、前記エチレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)は、エチレンから導かれる構成単位を80〜99モル%の量で含有し、エチレン以外の炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を1〜20モル%の量で含有し(エチレンとα−オレフィンの合計を100モル%とする)、その密度が890〜905kg/m3であり、MFR(ASTMD1238、190℃、2.16kg荷重下)が1.0〜10g/10分である。
このような範囲であれば耐衝撃性と剛性と透明性のバランスに優れる。
本発明のエチレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)はASTM D1238に準拠して190℃、荷重10kgの条件で測定したMFR10と荷重2,16kgで測定したMFR(本明細書全体を通して、MFRを単にMFRと呼ぶ場合もある)との比(MFR10/MFR)が好ましくは5.0〜8.0、より好ましくは6.0〜7.0である。MFR10/MFRの値が大きい場合は耐衝撃性が低下し、小さい場合は加工性が低下する。
上記のような好ましい範囲では、特に透明性と耐衝撃性のバランスに優れる。エチレンと共重合させるα−オレフィンは、炭素原子数3〜20のα−オレフィンであり、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−ヘキサドデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテンなどが挙げられる。これらの内でも、炭素原子数3〜10のα−オレフィンが好ましい。炭素原子数4〜8のα−オレフィンがより好ましい。特にプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。特にこれらのα-オレフィンは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。
また、エチレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)は、上記の構成単位に加えて、本発明の目的を損なわない範囲で、他の重合性モノマーから導かれる単位を含有していてもよい。このような他の重合性モノマーとしては、たとえばスチレン、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナン等のビニル化合物類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;無水マレイン酸等の不飽和有機酸またはその誘導体;ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネン等の非共役ポリエン類などが挙げられる。
エチレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)としては、具体的には、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネンランダム共重合体、エチレン・1-ブテンランダム・1-オクテン共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体、エチレン・1-オクテンランダム共重合体などが挙げられる。これらのうちでも、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体、エチレン・1-オクテンランダム共重合体などが特に好ましく用いられる。中でもエチレン・1-ブテンランダム共重合体、エチレン・1-ヘキセンランダム共重合体、エチレン・1-オクテンランダム共重合体などが特に好ましく用いられる。これらの共重合体は、2種以上併用してもよい。
本発明においては(C)成分を用いることで、特に耐衝撃性と透明性のバランスが向上する。上記のようなエチレン・α-オレフィンランダム共重合体(C)は、バナジウム系触媒、チタン系触媒またはメタロセン系触媒などを用いる従来公知の方法により製造することができる。好ましくは、メタロセン系触媒を用いて製造することによって、分子量分布・組成分布が狭い共重合体を得ることができ、透明性・耐衝撃性の面で好適である。
結晶造核剤(Q)
本発明で用いられる結晶造核剤(Q)は、ポリプロピレン樹脂に対して造核効果を持つ物質であり、結晶化速度を速め成形サイクルを短縮するという視点、透明性を高め剛性を調整するためのものである。結晶造核剤(Q)としては芳香族カルボン酸金属塩、芳香族リン酸金属塩、アルジトール系誘導体、ロジンの金属塩等が用いられる。これらは、単独、または、複数組み合わせて用いることができる。
前記芳香族カルボン酸金属塩としては、p−t−ブチル安息香酸アルミニウムが好適である。前記芳香族リン酸金属塩としては、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)アルミニウムが好適である。前記アルジトール系誘導体としては、ヘキシトール系誘導体、ノニトール系誘導体が好ましい。これらの中でも、p−メチル−ベンジリデンソルビトール、p−エチル−ベンジリデンソルビトール、D−グリセロ−L−グロ−ノニトール, 7,8,9,−トリデオキシ−3,5:45−ビス−O−[(R−プロピルフェニル)メチレン]が好適に用いられる。これらは単独で用いていてもよく、2種以上を併用してもよい。
プロピレン系樹脂組成物(P)100重量部に対して、結晶造核剤(Q)が、通常0.01〜2重量部、好ましくは0.05〜1重量部含まれる。
プロピレン系樹脂組成物(P)および射出成形用樹脂組成物
本発明に係るプロピレン系樹脂組成物(P)は、プロピレン系重合体(A)50〜95重量部、好ましくは55〜90重量部、より好ましくは55〜80重量部と、プロピレン・エチレン・α-オレフィン共重合体(B) 1〜25重量部、好ましくは3〜25重量部、より好ましくは5〜20重量部と、エチレンから導かれる構成単位を50〜99モル%の量で含有し、エチレン以外の炭素原子数3〜20のα-オレフィンから導かれる構成単位を1〜50モル%の量で含有するエチレン・α-オレフィン共重合体(C)25〜50重量部、好ましくは25〜45重量部、より好ましくは25〜40重量部を含むことを特徴としている(ただし、(A)と(B)と(C)の合計100重量部とする)。
この範囲にあると、特に、透明性、衝撃強度、機械物性(柔軟性または剛性など)と耐衝撃性に優れ、特に剛性と低温耐衝撃性のバランス、および透明性に優れた射出成形用樹脂組成物となるため好ましい。
本発明に係るプロピレン系樹脂組成物(P)は、MFR(ASTMD1238、230℃、2.16kg荷重下)が1〜100g/10分であり、5から50g/10分であることが好ましく、10〜30g/10分であることがより好ましい。この範囲を超えると、分子量が小さくなって耐衝撃性が低下し、この範囲を下回ると成形性が悪化する。
本発明に係るプロピレン系樹脂組成物(P)は、曲げ弾性率が800〜1200MPaであることが好ましく、800〜1100MPaであることがより好ましい。この範囲を上回ると耐衝撃性が低下し、この範囲を下回ると柔軟になりすぎて成形体の強度が低下する。
本発明の射出成形用樹脂組成物は、各成分を上記のような範囲で種々公知の方法、たとえば、多段重合法、ヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラブレンダー、ニーダールーダー等で混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を採用して製造することができる。混合・混練する際には、最初にプロピレン系樹脂組成物(P)を成分(A)、成分(B)および成分(C)から調製したのちに結晶造核剤(Q)を添加して再度混合・混練してもよいし、成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(Q)から一挙に前記手段を用いて調製してもよい。
成形体
本発明の射出成形体は、上記の射出成形用樹脂組成物を通常の射出成形法、射出圧縮成形法、射出発泡成形法等に付すことにより得られる。
本発明の射出成形体の具体的な用途としては、食品容器(プリン容器、ゼリー容器、ヨーグルト容器、その他のデザート容器、惣菜容器、茶碗蒸し容器、インスタントラーメン等のインスタント麺類に代表されるインスタント食品用の容器、米飯容器、レトルト容器、弁当容器等)、飲料容器(飲料ボトル、チルドコーヒー容器、ワンハンドカップ容器、その他の飲料容器等)、キャップ(ペットボトルキャップ、1ピースキャップ、2ピースキャップ、インスタントコーヒーのキャップ、調味料キャップ、化粧品容器キャップ等)、医薬品容器(プレフィルドシリンジ、キット製剤、目薬容器、薬液容器、アンプル、薬剤容器、液体の長期保存容器、プラスチックバイアル等)、その他各種容器(インク容器、化粧品容器、シャンプー容器、洗剤容器等)、日用品(衣装ケース、バケツ、洗面器、筆記用具、コンテナ、玩具、調理器具、その他各種ケース等)などが挙げられる。
これらの射出成形体の中でも、各種容器に必要な適度な剛性を有する冷凍または冷蔵保管される食品用容器又は医療用容器であって、仮に冷凍または冷蔵状態にある当該容器の移動、入れ出し時に床等の固い面上に落下した場合であっても容器に亀裂や破壊を起こすことのない低温耐衝撃性能を有し、且つ容器内の内容物の状態が容易に視認できる程度の透明性が必要な容器に好んで採用される。より具体的に、好んで採用される当該容器を各種の性状パラメーターで定義すると、(a)曲げ弾性率が800〜1200MPa、好ましくは800〜1100MPaの範囲にあり、(b)2mm厚みの成形体としてのヘイズが60未満、好ましくは50未満、より好ましくは40未満であり、(c)2mm厚のシートとしての−10℃における全破壊エネルギー(HRI;ASTM D3763)が5ジュール(以下、J表記)以上、好ましくは10J以上、より好ましくは15J以上であり、(d)−20℃における全破壊エネルギー(HRI;ASTM D3763)が3J以上、好ましくは5J以上、より好ましくは10以上、の全性能が要求される容器に好んで使用される。
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
物性測定法
[分子量分布(Mw/Mn)]
分子量分布(Mw/Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC−2000型を用い、以下のようにして測定した。分離カラムは、TSKgel GNH6− HTを2本およびTSKgel GNH6− HTLを2本であり、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は15mg/10mLとし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を
用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×10について
は東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×10についてはプレッシャーケミカル社製
を用いた。
[密度(D)]
190℃、2.16kg荷重におけるMFR測定後のストランドを、室温下15分静置したのち、密度勾配管法により測定した。
[ポリマー中のエチレン、プロピレン、α−オレフィン含量]
エチレン、プロピレン、α−オレフィン含量の定量化は日本電子(株)製JNM GX−500型NMR測定装置を用いて、下記のように測定した。試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入して、120℃で13C−NMR測定を行う。積算回数は、10,000回以上とする。得られた13C−NMRスペクトルにより、エチレン、プロピレン、α-オレフィンの組成を定
量化した。
[アイソタクティックペンダット分率(mmmm分率)、アイソタクティックトライアッド分率(mm分率)の測定]
ヘキサクロロブタジエン溶液(テトラメチルシランを基準)で13C−NMRスペクトルを測定し、19.5〜21.9ppmに表れるピークの全面積(100%)に対する21.0〜21.9ppmに表れるピークの面積の割合(%)を求めた。
[成分(B)の融点(Tm)の測定]
パーキンエルマー社製DSCPyris1またはDSC7、またはセイコーインスツルメンツ社製DSCを用い、成形温度190℃、冷却温度20℃で成形したプレスシートを成形後3日以上室温下に静置した後に測定した。約5mgのサンプルを窒素雰囲気下(20ml/分)10℃/分で―150℃まで冷却した。−150℃で5分間保持した後、10℃/分で200℃まで昇温させた時の結晶溶融ピークのピーク頂点から融点、ピークの積算値から融解熱量を算出した。
[メルトフローレート(MFR)の測定]
ASTM D1238に準拠し、温度190℃、または230℃、荷重2.16kgで測定した。
[試験片の調製]
表1、2および3に示す割合(重量部)の各成分を、40mm単軸押出機を用いて溶融温度210℃、回転数40〜50rpmで溶融混練してペレットを作成した。該ペレットを用いて温度250℃、金型温度40℃の条件にて射出成形しスペシメン形状、またはシート形状の試験片を作成した。具体的には、以下に示す測定方法に従って各種特性評価を行った。
[ヘイズ(%)]
JIS K7105に準拠し、厚さ2mmの射出成形の試験片を用いて、日本電色工業(株)製のデジタル濁度計「NDH−20D」、C光源を用いて拡散透過光量および全透過光量を測定し、下式によりヘイズ値を計算した。
ヘイズ(%)=100×(拡散透過光量)/(全透過光量)
[低温耐衝撃性]
低温耐衝撃性はASTM D3763に準拠し、射出成形によって得た2mmtシートの全破壊エネルギー(HRI)を評価した。単位はジュール(J)。なお、破壊速度5m/分。先端径 0.5 インチである。
[曲げ弾性率]
ASTM D790に準拠し、射出成形によって得た3.2mmtスペシメンにて、曲げ弾性率を測定した。押込速度5mm毎分。
[表面硬度(ショアD)]
ASTM D2240に準拠し、射出成形によって得た2mmtシートを2枚重ねあわせ、表面硬度(ショアD、5秒後)を測定した。
実施例と比較例で用いた各種重合体
(1)プロピレン系重合体(A):
以下の性状を満たすホモポリプロピレン(A−1)
・融点(Tm)=165℃、
・MFR(230℃、2.16kg)=15g/10分、
・アイソタクティックペンタッド分率(mmmm)=96%、
・分子量分布(Mw/Mn)=4.8
以下の性状を満たすホモポリプロピレン(A−2)
・融点(Tm)=165℃、
・メルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg)=60g/10分、
・アイソタクティックペンタッド分率(mmmm)=97%、
・分子量分布(Mw/Mn)=5
(2)プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体(B):
国際公開2004/87775号パンフレットの実施例に記載と同様の方法で製造した、以下の性状を有するプロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体(B−1)。
・エチレン含量=16モル%、1-ブテン含量=6モル%、
・メルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg)=6g/10分、
・融点(Tm)=50℃、
・アイソタクティックトライアッド分率(mm)=92%、
・分子量分布(Mw/Mn)=2.0、
同上の方法で製造した、以下の性状を有するプロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体(B−2)。
・エチレン含量=13モル%、1-ブテン含量=19モル%、
・メルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg)=6g/10分、
・融点(Tm)=観測されない、
・アイソタクティックトライアッド分率(mm)=92%、
・ 分子量分布(Mw/Mn)=2.0、
同上の方法で製造した、以下の性状を有するプロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体(B−3)。
・エチレン含量=16モル%、1-ブテン含量=6モル%、
・メルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg)=30g/10分、
・融点(Tm)=50℃、
・アイソタクティックトライアッド分率(mm)=92%、
・分子量分布(Mw/Mn)=1.9、
以下の性状をもつプロピレン・エチレン共重合体(PER):比較実験用
・エチレン起因骨格含有量=20mol%
・メルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg)=3g/10分
以下の性状をもつプロピレン・ブテン共重合体(PBR):比較実験用
・ブテン起因骨格含有量=26mol%
・メルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg)=7g/10分
(3)エチレン・α−オレフィン共重合体(C):
本願出願人によって出願され、既に公開されている特開2005−314680の実施例記載の方法に準じて、次のエチレン・1−ブテン共重合体(C−1)〜(C−4)を調製した。
以下の性状を満たすエチレン・1−ブテン共重合体(C−1)
・メルトフローレート(MFR)(190℃、2.16kg)=3.6g/10分、
・密度=918kg/m
・エチレン含量=98mol%、
・分子量分布(Mw/Mn)=2.1、
・MFR10/MFR=6.5
以下の性状を満たすエチレン・1−ブテン共重合体(C−2)
・メルトフローレート(MFR)(190℃、2.16kg)=3.3g/10分、
・密度=893kg/m
・エチレン含量=91mol%、
・分子量分布(Mw/Mn)=2.1、
・MFR10/MFR=6.5
以下の性状を満たすエチレン・1−ブテン共重合体(C−3)
・メルトフローレート(MFR)(190℃、2.16kg)=3.5g/10分、
・密度=885kg/m
・エチレン含量=88mol%、
・分子量分布(Mw/Mn)=2.0、
・MFR10/MFR=6.6
以下の性状を満たすエチレン・1−ブテン共重合体(C−4)
・メルトフローレート(MFR)(190℃、2.16kg)=3.7g/10分、
・密度=870kg/m
・エチレン含量=83mol%、
・分子量分布(Mw/Mn)=2.0、
・MFR10/MFR=6.6
(4)比較実験用に用いたプロピレン・エチレンブロック共重合体:
以下の性状を満たす市販のブロック重合体(b−PP1)
・メルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg)=33g/10分、
以下の性状を満たす市販のブロック重合体(b−PP2)
・メルトフローレート(MFR)(230℃、2.16kg)=28g/10分、
(5)結晶造核剤(Q)
ミリケン・ジャパン株式会社製のD−グリセロ−L−グロ−ノニトール, 7,8,9,−トリデオキシ−3,5:45−ビス−O−[(R−プロピルフェニル)メチレン](商品名:ミラッド(Millad) NX8000J)を、プロピレン系樹脂組成物100重量部に対して0.5重量部添加した。
〔実施例1〜6、比較例1〜16〕
表1〜表3の「組成(重量%)」に示す割合の各成分を、40mm単軸押出機を用いて溶融温度210℃、回転数40〜50rpmで溶融混練してペレットを作成した。このペレットを用いて温度250℃、金型温度40℃の条件にて射出成形しスペシメン形状、またはシート形状の試験片を作成し具体的には、以下に示す測定方法に従って各種特性評価を行った。結果を表1(実施例)および表2、表3(比較例)に示した。
本発明の射出成形用樹脂組成物から得られる射出成形体は、透明性、柔軟性、低温耐衝撃性に富む成形体である。

Claims (9)

  1. プロピレン系樹脂組成物(P)および結晶造核剤(Q)を含有する射出成形用樹脂組成物であって、プロピレン系樹脂組成物(P)が、
    (1)プロピレン系重合体(A)50〜95重量部と、
    (2)プロピレンから導かれる構成単位を89〜50モル%の量で含有し、エチレンから導かれる構成単位を10〜30モル%の量で含有し、さらに炭素原子数4〜20のα-オレフィンから導かれる構成単位を1〜30モル%の量で含む(ただし、エチレンから導かれる構成単位と炭素数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位との合計は11モル%〜50モル%であり、プロピレンから導かれる構成単位とエチレンから導かれる構成単位と炭素数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位との合計は100モル%である)プロピレン・エチレン・α-オレフィン共重合体(B) 1〜25重量部と、
    (3)エチレンから導かれる構成単位を50〜99モル%の量で含有し、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を1〜50モル%の量で含有し(エチレンとα−オレフィンの合計を100モル%とする)、密度が880〜920kg/m3の範囲にあるエチレン・α−オレフィン共重合体(C)25〜50重量部、
    を含む(ただし、(A)と(B)と(C)の合計100重量部とする)ことを特徴とする射出成形用樹脂組成物。
  2. プロピレン系重合体(A)が、DSCにより測定したTmが120℃以上170℃以下であるプロピレン系重合体であり、プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体(B)が、プロピレンから導かれる構成単位を89.0〜60.0モル%の量で含有し、エチレンから導かれる構成単位を10.0〜25.0モル%の量で含有し、さらに炭素原子数4〜20のα-オレフィンから導かれる構成単位を1.0〜25.0モル%の量で含む(ただし、エチレンから導かれる構成単位と炭素数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位との合計は11モル%〜40モル%であり、プロピレンから導かれる構成単位とエチレンから導かれる構成単位と炭素数4〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位との合計は100モル%である)プロピレン・エチレン・α-オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1記載の射出成形用樹脂組成物。
  3. 前記エチレン・α−オレフィン共重合体(C)が、
    エチレンから導かれる構成単位を55〜99モル%の量で含有し、炭素原子数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を1〜45モル%の量で含有する(エチレンとα−オレフィンの合計を100モル%とする)し、MFR(ASTMD1238、190℃、2.16kg荷重下)が0.1〜100g/10分である請求項1または2に記載の射出成形用樹脂組成物。
  4. 前記プロピレン系重合体(A)が、アイソタクティックプロピレン系重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の射出成形用樹脂組成物。
  5. 前記プロピレン・エチレン・α-オレフィン共重合体(B)の、GPC法により求めた分子量分布(Mw/Mn、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量、いずれもポリスチレン換算)が3.5以下であり、13C-NMRにより算出したアイソタクティックトラ
    イアッド分率(mm)が85%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の射出成形用樹脂組成物。
  6. 前記プロピレン・エチレン・α-オレフィン共重合体(B)のDSCで測定した融点が、100℃以下であるか又は融点が観測されないことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の射出成形用樹脂組成物。
  7. プロピレン系樹脂組成物(P)100重量部に対し、結晶造核剤(Q)が0.01〜2重量部含有されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の射出成形用樹脂組成物。
  8. ASTM D−1238に準拠し、230℃、2.16Kg荷重下で測定したメルトフローレートが1〜100(g/10分)であることを特徴とする射出成形用樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の射出成形用樹脂組成物を用いることを特徴とする射出成形体。
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