JP3678256B2 - トルク変動吸収ダンパ - Google Patents
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- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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- F16H55/00—Elements with teeth or friction surfaces for conveying motion; Worms, pulleys or sheaves for gearing mechanisms
- F16H55/32—Friction members
- F16H55/36—Pulleys
- F16H2055/366—Pulleys with means providing resilience or vibration damping
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハブおよびプーリをゴム状弾性材製の弾性体を介して接続したカップリング部を備えたトルク変動吸収ダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図5に示すように、ハブ51およびプーリ52をベアリング53およびゴム状弾性材製の弾性体54を介して接続したカップリング部55を備えたトルク変動吸収ダンパが知られている。
【0003】
しかしながらこの従来技術においては、ベアリング53に、インナースリーブ56およびアウタースリーブ57に多数のボール58を転動自在に組み合わせたボール式のベアリング(玉軸受)が使用されているために、スラストこじり入力に対してベアリング53の耐久性が不足する問題があり、またベアリング53の耐久性を向上させようとして大きなボール58を使うと、ベアリング53の重量が増大して性能が低下する問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑み、ハブおよびプーリをゴム状弾性材製の弾性体を介して接続したカップリング部を備えたトルク変動吸収ダンパについて、上記したボール式のベアリングに代わるベアリング構造を備えてベアリングの耐久性を向上させることができ、しかもベアリングの重量が増大することがないトルク変動吸収ダンパを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のトルク変動吸収ダンパは、ハブおよびプーリをゴム状弾性材製の弾性体を介して接続したカップリング部を備えたトルク変動吸収ダンパにおいて、内周面にゴム膜を被着した前記プーリの内周部を前記ハブの外周側に摺動自在に嵌合することによりラジアルベアリング部を形成するとともに、軸方向両端面にゴム膜を被着した前記内周部を前記ハブに設けられたストッパ壁部と前記ハブに嵌着されたストッパ金具との間に摺動自在に挾み込むことによりスラストベアリング部を形成し、更に前記各ゴム膜にグリース溜りの凹部を設けることにした。
【0006】
【作用】
上記構成を備えた本発明のトルク変動吸収ダンパにおいては、内周面にゴム膜を被着したプーリの内周部がハブの外周側に摺動自在に嵌合されてラジアルベアリング部が形成されるとともに、軸方向両端面にゴム膜を被着したプーリの内周部がハブに設けられたストッパ壁部とハブに嵌着されたストッパ金具との間に摺動自在に挾み込まれてスラストベアリング部が形成されているために、スラストこじり入力時に各ゴム膜による緩衝効果が作用する。したがってプーリを回転自在に支持するベアリング構造がスラストこじり入力によって直ちに破損するのを防止することができ、その耐久性を向上させることができる。また従来のボール式のベアリングに代えてプーリの内周部にゴム膜を被着するものであるために、ベアリングの重量が増大することがない。また各ゴム膜にグリース溜りの凹部が設けられているために、この凹部にグリースを充填することによりゴム膜とハブ、ゴム膜とストッパ金具をそれぞれ円滑に摺動させることができ、またこの凹部によりゴム膜の熱膨張を吸収することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
プーリのボス部の内周面および軸方向両端面に被着されるゴム膜の厚さが厚過ぎると、このゴム膜の弾性によりプーリが大きくぐらついてしまって、適切なベアリング機能が発揮されないので注意を要する。この点に関してゴム膜の厚さは実寸で1mmあれば十分である。
【0008】
【実施例】
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0009】
図1に示すように、ハブ1の外周側に、後記するベアリング構造を介してプーリ2が回転自在に接続されるとともにハブ1とプーリ2の間にゴム状弾性材製の弾性体(カップリングゴムとも称する)3が介装されており、これらによって低回転域のトルク変動を吸収するカップリング部4が設けられている。ハブ1およびプーリ2はそれぞれ金属等所定の剛材によって環状に成形されており、プーリ2は、その内周部であるボス部2aと、ベルト係合溝2cを設けたリム部2bと、これらより薄肉のステー部2dとを一体に備えている。弾性体3は所定のゴム状弾性材によって環状に加硫成形され、加硫成形と同時にストッパ金具であるインナーリング5およびアウターリング6に加硫接着され、インナーリング5をハブ1の外周側に嵌着するとともにアウターリング6をプーリ2のリム部2bの内周側に嵌着することにより、ハブ1とプーリ2の間に介装されている。ストッパ金具であるインナーリング5は断面略L字形を呈していて、L字の縦棒をプーリ2のボス部2aに向けており、またアウターリング6とともに板金等所定の剛材によって環状に成形されている。
【0010】
プーリ2が、以下のベアリング構造によって回転自在に支持されている。
【0011】
すなわち、図2に拡大して示すように、プーリ2のボス部2aの内周面2eにゴム膜7が全面に亙って加硫接着され、このゴム膜7を被着したボス部2aがハブ1に設けられた筒状部1aの外周側に摺動自在に嵌合されることによりラジアルベアリング部8が形成されるとともに、同じくボス部2aの軸方向両端面2f,2gにゴム膜9,10が全面に亙って加硫接着され、このゴム膜9,10を被着したボス部2aがハブ1に設けられた環状のストッパ壁部1bとハブ1に嵌着されたインナーリング5との間に摺動自在に挾み込まれることによりスラストベアリング部11が形成されており、このラジアルベアリング部8とスラストベアリング部11とによって、プーリ2がハブ1に対して回転自在にかつ弾性的に支持されている。ボス部2a三面のゴム膜7,9,10は互いに一体に成形されており、また各ゴム膜7,9,10に、図3に示すような環状溝状のグリース溜りの凹部12が複数設けられている。上記したようにゴム膜7,9,10は其程厚いものではなく、実寸で1mm以下である。
【0012】
図1に戻って、カップリング部4と軸方向に並んで、ハブ1の外周側にスリーブ13およびゴム状弾性材製の弾性体14を介して質量体(振動リングとも称する)15が接続されており、これらによって中高回転域のクランクシャフトの捩り振動を低減させるトーショナルダンパ部16が設けられている。質量体15は金属等所定の剛材によって環状に成形され、その外周面にベルト係合溝15aを備えている。弾性体14は所定のゴム状弾性材によって環状に加硫成形され、加硫成形と同時にスリーブ13および質量体15に加硫接着され、スリーブ13をハブ1の外周側に嵌着することにより、ハブ1と質量体15の間に介装されている。
【0013】
上記構成を備えたトルク変動吸収ダンパは例えば自動車エンジンのクランクシャフトに装着されて、カップリング部4により低回転域のトルク変動を吸収するとともにトーショナルダンパ部16により中高回転域のクランクシャフトの捩り振動を低減させるもので、上記構成により以下の作用効果を奏する点に特徴を有している。
【0014】
すなわち、上記構成を備えたトルク変動吸収ダンパにおいては、内周面2eにゴム膜7を被着したプーリ2のボス部2aがハブ1に設けられた筒状部1aの外周側に摺動自在に嵌合されてラジアルベアリング部8が形成されるとともに、軸方向両端面2f,2gにゴム膜9,10を被着したプーリ2のボス部2aがハブ1に設けられた環状のストッパ壁部1bとハブ1に嵌着されたインナーリング5との間に摺動自在に挾み込まれてスラストベアリング部11が形成されているために、スラストこじり入力時に、各ゴム膜7,9,10の弾性による緩衝効果が作用する。したがってこの緩衝効果により、プーリ2を回転自在に支持するベアリング構造がスラストこじり入力によって直ちに破損するのを防止することができ、その耐久性を向上させることができる。また従来のボール式のベアリングに代えてプーリ2のボス部2aにゴム膜7,9,10を被着するものであるために、ベアリングの重量が増大するのを防止することができる。また各ゴム膜7,9,10にグリース溜りの凹部12が設けられているために、この凹部12にグリースを充填することによりゴム膜7,9とハブ1、ゴム膜10とインナーリング5を常時円滑に摺動させることができ、またこの凹部12によりゴム膜7,9,10の熱膨張を吸収して隙間ロックが発生するのを防止することができる。したがってこれらのことから耐久性に優れ、しかも低重量高性能のダンパ製品を提供することができる。
【0015】
尚、ゴム膜7,9,10に設けられるグリース溜りの凹部12は、図3に示すような点在状の凹みであっても良く、その形状はグリースを保持できれば、特に限定されない。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0017】
すなわち、上記構成を備えた本発明のトルク変動吸収ダンパにおいては、内周面にゴム膜を被着したプーリの内周部がハブの外周側に摺動自在に嵌合されてラジアルベアリング部が形成されるとともに、軸方向両端面にゴム膜を被着した同じ内周部がハブに設けられたストッパ壁部とハブに嵌着されたストッパ金具との間に摺動自在に挾み込まれてスラストベアリング部が形成されているために、スラストこじり入力時に各ゴム膜による緩衝効果が作用する。したがってこの緩衝効果により、プーリを回転自在に支持するベアリング構造がスラストこじり入力によって直ちに破損するのを防止することができ、その耐久性を向上させることができる。また従来のボール式のベアリングに代えてプーリの内周部にゴム膜を被着するものであるために、ベアリングの重量が増大するのを防止することができる。また各ゴム膜にグリース溜りの凹部が設けられているために、この凹部にグリースを充填することによりゴム膜とハブ、ゴム膜とインナーリングを常時円滑に摺動させることができ、またこの凹部によりゴム膜の熱膨張を吸収して隙間ロックが発生するのを防止することができる。したがってこれらのことから耐久性に優れ、しかも低重量高性能のダンパ製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るトルク変動吸収ダンパの半裁断面図
【図2】図1の一部拡大図
【図3】図2のA方向矢視図
【図4】凹部の他のパターン例を示す説明図
【図5】従来例に係るトルク変動吸収ダンパの半裁断面図
【符号の説明】
1 ハブ
1a 筒状部
1b ストッパ壁部
2 プーリ
2a ボス部(内周部)
2b リム部
2c,15a ベルト係合溝
2d ステー部
2e 内周面
2f,2g 軸方向端面
3,14 弾性体
4 カップリング部
5 インナーリング(ストッパ金具)
6 アウターリング
7,9,10 ゴム膜
8 ラジアルベアリング部
11 スラストベアリング部
12 凹部
13 スリーブ
15 質量体
16 トーショナルダンパ部
Claims (1)
- ハブ(1)およびプーリ(2)をゴム状弾性材製の弾性体(3)を介して接続したカップリング部(4)を備えたトルク変動吸収ダンパにおいて、
内周面にゴム膜(7)を被着した前記プーリ(2)の内周部(2a)を前記ハブ(1)の外周側に摺動自在に嵌合することによりラジアルベアリング部(8)を形成するとともに、
軸方向両端面にゴム膜(9)(10)を被着した前記内周部(2a)を前記ハブ(1)に設けられたストッパ壁部(1b)と前記ハブ(1)に嵌着されたストッパ金具(5)との間に摺動自在に挾み込むことによりスラストベアリング部(11)を形成し、
更に前記各ゴム膜(7)(9)(10)にグリース溜りの凹部(12)を設けたことを特徴とするトルク変動吸収ダンパ。
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---|---|---|---|
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