JP2605662Y2 - デカップルド・ダンパープーリ - Google Patents

デカップルド・ダンパープーリ

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JP2605662Y2
JP2605662Y2 JP1993003682U JP368293U JP2605662Y2 JP 2605662 Y2 JP2605662 Y2 JP 2605662Y2 JP 1993003682 U JP1993003682 U JP 1993003682U JP 368293 U JP368293 U JP 368293U JP 2605662 Y2 JP2605662 Y2 JP 2605662Y2
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JP
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pulley
damper
hub
rubber
elastic member
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豊 前田
昭夫 小泉
和己 大木
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Fukoku Co Ltd
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Fukoku Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自動車等の内燃機関の
クランク軸に発生する振動を低減する機能を有するとと
もに、クランク軸から変動の無い滑らかな補機駆動用ト
ルクを伝達するための伝達機能を有するダンパープーリ
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジンでは、トルク変動により
生じるクランク軸の振動及び騒音を低減するため、弾性
体と慣性マスとからダンパーを構成し、その固有振動数
をクランク軸の固有振動数に一致させてクランク軸上の
振動を吸収させる手法が一般的に用いられている。また
エンジンの回転出力の一部をオルタネータ、冷却ファ
ン、ウォータポンプ等の補機に伝達するため、クランク
軸と補機の回転軸とにそれぞれプーリを取付けてそれら
にベルトを掛け回し、エンジン回転に伴い補機を回転で
きるようにしている。これらのダンパー機能と動力伝達
機能を持たせるため、従来、ダンパーとプーリとを別々
に構成して、それらをクランク軸に取付けたものがあ
る。また、ダンパーの慣性マスの外周にプーリ溝を設け
て、構成を簡単にしたダンパープーリも知られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】従来のダンパープーリ
では、慣性マスとクランク軸の間に介在する弾性体を変
形させて振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、クラ
ンク軸の振動を吸収するようにしている。従って、振動
を吸収するためには慣性マスは比較的大きな振動が起き
るようにする必要がある。一方、伝達機能のためのプー
リは、クランク軸の回転力の一部を補機の駆動力として
使用させるため、変動が無く、滑らかに伝える働きが望
まれる。しかるに従来のダンパープーリは、ベルトを掛
けるプーリ溝が慣性マスの外周に設けられているため、
慣性マスはベルトにより振動しにくくなり、逆にプーリ
は慣性マスの振動により振れ易くなり、ダンパーとして
の機能を阻害すると共に、駆動力の変動を拡大して伝達
するという問題がある。特に、慣性マスの振動はベルト
の反転、脱落、摩耗の促進によりベルト切れが生じ、伝
達機能にとって重大な故障となる。ダンパーとプーリと
を別々に形成してそれらをクランク軸に取付けた場合
は、前記のような不具合はないが、クランク軸の振動が
プーリに伝達されるため、ベルトの摩耗にとってまだ好
ましい状態とは云えない。また形状が複雑となりコスト
の割りに機能が十分なものとは言い難い。そこで本考案
は、ダンパーとプーリとを備えた構成をコンパクトに形
成するとともに、プーリに掛けられるベルトによる慣性
マスの動きが阻害されることなくダンパーの振動吸収能
力を効果的に利用でき、更に、積極的にプーリへの振動
伝達を遮断して、滑らかな動力伝達ができるようにする
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本考案は、上記目的を達
成したデカップルド・ダンパープーリであり、次のよう
に構成される。クランク軸に取付けられて一体に回転す
るリング状の連結板に、筒状内ハブが設けられるととも
にその外周に同心となる筒状外ハブが設けられてハブ部
材が構成される。またプーリ部材は、二重筒の一方の端
面がリング板で連結された形状であってその外筒の外周
にプーリ溝が設けられている。そして、プーリ部材が前
記の筒状内ハブの外周に第1のゴム状弾性部材とスリー
ブを介して取付けられ、筒状外ハブの外周に、第1のゴ
ム状弾性部材よりも剛性が高い第2のゴム状弾性部材と
慣性マスから成る環状のダンパーが取付けられるととも
に、その環状ダンパー及び筒状外ハブがプーリ部材の二
重筒の間に配置されるようにした。更に、プーリ部材の
内筒の外周と筒状外ハブの内周との間にベアリングを配
置し、プーリ部材の周方向の動きを妨げることなく、ベ
ルトの張力によるプーリ部材の半径方向の変位を拘束す
る構造とした。
【0005】
【作用】上記のデカップルド・ダンパープーリは、プー
リ部材がハブ部材に第1のゴム状弾性部材を介して周方
向に柔軟に取付けられるため、クランク軸の振動は第1
のゴム状弾性部材により遮断されてベルトが掛けられる
プーリ部分の振動が低減され、ベルトが損傷しにくくな
る。なお、プーリ部材はダンパーとは離れているため、
ダンパーの慣性マスの振動がプーリ部材に伝達されるこ
とはない。また、ダンパーは、ハブ部材に取り付けられ
るが、プーリ部材とは離れているためにベルトによりダ
ンパーの慣性マスの振動が規制されることはない。ダン
パーの第2のゴム状弾性部材は、慣性マスを振れさせる
ため、プーリ部材の第1のゴム状弾性部材よりも高い剛
性を有するように作成され、ダンパーの慣性マスはクラ
ンク軸の振動により共振して慣性マスとハブ部材との間
の第2のゴム状弾性部材が大きく変形して振動エネルギ
を熱エネルギに変換し、クランク軸の振動を十分に吸収
する。
【0006】
【実施例】以下、図に示す実施例により本考案をさらに
詳細に説明する。なお、これにより本考案が限定される
ものではない。図1は、本考案に係わるデカップルド・
ダンパープーリの一実施例の断面図である。本考案のダ
ンパープーリは、例えば自動車のクランク軸の先端に取
付けられるハブ部材1にダンパー2とプーリ部材3が同
心状に取付けられて、クランク軸の振動を低減するとと
もに、プーリ部分に掛けられたベルトを介して冷却ファ
ン等の補機を回転できるようになっている。
【0007】ハブ部材1は、リング状の連結板1aに筒
状内ハブ1bが設けられるとともにその外周に同心に筒
状外ハブ1cが設けられる形状に構成され、連結板1a
がクランク軸に連結されて一体に回転するようになって
いる。筒状内ハブ1bの外周に第1のゴム状弾性部材4
を介してプーリ部材3が取付けられる。プーリ部材3
は、二重筒の一方の端面をリング板3bで連結した形状
に形成され、その外筒の外周にプーリ溝3aが設けられ
てそれにベルトが掛けられるようになっている。第1の
ゴム状弾性部材4はクランク軸の振動遮断という目的の
ためにダンパー2の第2のゴム状弾性部材6に比較して
捩り方向において非常に柔らかく、またその他の方向に
は固くしてクランク軸の振動がプーリ部材3に伝わりに
くくしている。特にプーリ部材3の半径方向について
は、ベルトの張力によりプーリ部材3とクランク軸の回
転中心がズレないようにしなければならない。そのた
め、プーリ部材3と筒状外ハブ1cとの間にベアリング
5を介在させ、プーリ部材3が円周方向に比較的自由に
摺動できるようにするとともに、他の方向にはその動き
を押えるような構造とした。
【0008】ハブ部材1の筒状外ハブ1cの外周に環状
のダンパー2が取付けられ、そのダンパーは筒状外ハブ
1cの外周に第2のゴム状弾性部材6を介して環状の慣
性マス7が取付けられた構成である。またダンパー2と
筒状外ハブ1cとは、プーリ部材3の二重筒間に配置さ
れて、ダンパープーリ全体の構成が軸方向に短くされ、
しかもダンパー2とプーリ部材3とが離れた状態に形成
され、慣性マス7が振動吸収のために大きく振れてもそ
の振れがプーリ部材3に伝わらないようになっている。
なおダンパー2の第2のゴム状弾性部材6は慣性マス7
を振れさせるため、プーリ部材3の第1のゴム状弾性部
材4よりも高い剛性を有するように作成されている。
【0009】プーリ部材3のリング板3bの適所に円周
方向に沿った長孔8が設けられ、その長孔の中央に対向
する位置の慣性マス7にストッパピン9が設けられる。
そして、プーリ部材3が回転させる補機の不具合により
過大なトルクがプーリ部材3に加わるとストッパピン9
が長孔8の端部に止められ、第1のゴム状弾性部材4が
過大に捩れて破損するのを防止できるようになってい
る。
【0010】
【考案の効果】本考案のデカップルド・ダンパープーリ
では、プーリ部材がハブ部材に第1のゴム状弾性部材
介して取付けられ、この第1のゴム状弾性部材は、第2
のゴム状弾性部材に比較して捩り方向において、非常に
柔らかくしているため、クランク軸の振動はこの第1の
ゴム状弾性部材により遮断されてプーリ部分の振動を低
減でき、プーリ部材に掛けたベルトの損傷を防止でき
る。また、クランク軸の振動はダンパーにより吸収さ
れ、その場合ダンパーはプーリ部材から離れているため
に、ダンパーの第2のゴム状弾性部材が大きく変形して
振動を十分に吸収できる。なおダンパーの第2のゴム状
弾性部材が変形してもプーリ部材はダンパーと離れてい
るため、ダンパーの慣性マスの振動がプーリに伝達され
ることはなく、前記のようにベルトが振れることはな
い。また、慣性マスにストッパー機構を設けているの
で、一定以上捩れることはないので、デカップルド・ダ
ンパープーリが破損することを防止できる。また、ダン
パープーリの構成は、ダンパーの外周にプーリが配置さ
れる関係となり、軸方向に小さいコンパクトな構成にな
などの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のデカップルド・ダンパープーリの一実
施例の部分断面図である。
【図2】本考案のデカップルド・ダンパープーリの部分
側面図である。
【符号の説明】
1 ハブ部材 1b 筒状内ハブ 1c 筒状外ハブ 2 ダンパー 3 プーリ部材 4 第1のゴム状弾性部材 6 第2のゴム状弾性部材
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 55/32 - 55/56 F16F 15/00 - 15/36

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸に取付けられて一体に回転す
    るリング状の連結板に、筒状内ハブが設けられるととも
    にその外周に同心となる筒状外ハブを設けたハブ部材
    と、 二重筒の一方の端面がリング板で連結された形状であっ
    てその外筒の外周にプーリ溝が設けられ、上記筒状内ハ
    ブの外周に第1のゴム状弾性部材を介して取付けられる
    プーリ部材と、 上記筒状外ハブの外周に第2のゴム状弾性部材を介して
    慣性マスを取付けてなるダンパーと、 このプーリ部材とこの筒状外ハブとを周方向に摺動自在
    に接続し、その他の方向には、移動規制するベアリング
    とからなり、 上記ダンパー及び上記筒状外ハブがプーリ部材の二重筒
    の間に配置し、 かつ、上記第1のゴム状弾性部材は、上記第2のゴム状
    弾性部材よりも捩り方向において低い剛性を有している
    ことを特徴とするデカップルド・ダンパープーリ。
JP1993003682U 1993-01-14 1993-01-14 デカップルド・ダンパープーリ Expired - Lifetime JP2605662Y2 (ja)

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