JP3676644B2 - 離型フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は離型フィルム及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、接着剤を用いてフィルム又はシート状の積層物を熱プレス成形する際に、積層物とプレス熱板とが接着するのを防止する離型フィルム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フレキシブルプリント基板の製造工程において、電気回路を形成したフレキシブルプリント基板本体に、熱硬化型接着剤によってカバーレイフィルムを熱プレス接着する際に、カバーレイフィルムとプレス熱板とが接着するのを防止するために、離型フィルムを用いる方法が広く行われている。
この離型フィルムは、極性物質に対する離型性が要求されることから非極性物質である必要があり、かつ熱プレス成形に耐える耐熱性が要求される。
【0003】
非極性物質としては、一般にオレフィン系樹脂が広く用いられている。
しかしながら、オレフィン系樹脂は、高温で熱分解を起こし易いため、部分分解物がフィルム表面にブリードアウトしたり、フィッシュアイの原因になることが知られている。従って、オレフィン系樹脂フィルムを離型フィルムとして使用する場合は、耐熱性を満足するために、一般のオレフィン系樹脂に比べて融点や軟化点が高いものを使用する必要があり、溶融成形温度も一般のオレフィン系樹脂に比べて高くなる。高い溶融成形温度において、オレフィン系樹脂の熱分解を防止するために、酸化防止剤等の安定剤を大量に添加する方法が知られている。
しかし、離型フィルムの表面に酸化防止剤等の安定剤がブリードアウトすると、フレキシブルプリント基板の銅製電極を汚染するという問題点があった。
【0004】
上記離型フィルムとしては、フッ素系樹脂フィルムが用いられることもあるが、フッ素系樹脂フィルムは高価である上に、使用後のフィルム廃棄に制約があるため、使い捨ての用途にまで普及するには至っていない。
4−メチル−1−ペンテン樹脂(以下、TPXという)よりなるフィルム(以下、TPXフィルムという)は、オレフィン系樹脂であって非極性であるため、ステンレス製のプレス熱板や、ポリイミドフィルムよりなるカバーレイフィルム等の極性物質との離型性がよく、かつ融点235℃の結晶性樹脂であり、170℃前後の熱プレス工程での耐熱性も良好なので、広く使用されてきた。
【0005】
フレキシブルプリント基板の製造工程において、離型フィルムは、プレス圧を均一にかけるためのクッションフィルムと組み合わせて使用されるのが一般的であるが、離型フィルムとクッションフィルムとが積層一体化されたものもある。フレキシブルプリント基板の製造工程において、電気回路を形成したフレキシブルプリント基板本体に、熱硬化型接着剤によってカバーレイフィルムを熱プレス接着する際に、TPXフィルムよりなる離型フィルムとクッションフィルムとを積層一体化したものを使用する方法が、例えば、特許登録第2619034号公報に記載されている。
【0006】
しかしながら、TPXフィルムは、フレキシブルプリント基板の銅製電極との離型性能が不足する場合があり、フレキシブルプリント基板の製造効率を低下させるという問題点があった。具体的には、フレキシブルプリント基板において、他の部品との電気的接続のため端子部分には電気回路の上にカバーレイフィルムの被覆を行わず、接続部分の銅回路が露出した電極部分がある。
離型フィルムは、プレス熱板、カバーレイフィルムに対する離型性に加えて、この銅製電極部分に対しても離型性が必要とされる上に、電極部分を汚染してはならない。
【0007】
上記TPXからなる離型フィルムでは熱プレス後の離型フィルム除去工程において、離型フィルムを引き剥がす際に銅製電極との離型性が不十分であると、電極部分に数μm厚のTPXフィルムが付着物として残存し、導電性を著しく損なうことがある。このようなTPXフィルムは、通常の洗浄等の操作では除去することが困難であり、TPXフィルムが付着物として残存するとフレキシブルプリント基板全体が不良品となるため、製造効率が低下するという問題点があった。
【0008】
上記TPXフィルムは、厚さ方向の強度が弱いために、熱プレス成形後引き剥がす際にフィルム層の厚さ方向に材料破壊が起こり、銅製電極部分に数μm厚のTPXフィルムが付着物として残存するものと推定される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決するものであって、その目的は、フレキシブルプリント基板を熱プレス成形する際に使用され、剥離時に銅製電極部分に付着物が残存しない離型フィルム及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明(以下、第1発明という)である離型フィルム(I)が、荷重たわみ温度(ASTM D648に準拠して荷重186N/cm2 で測定される)が160℃以上、200℃未満の脂環式オレフィン系樹脂からなることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明(以下、第2発明という)である離型フィルム(II)が、樹脂フィルムの少なくとも片面に、請求項1記載の離型フィルム(I)が積層された積層体からなることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明(以下、第3発明という)である離型フィルム(I)の製造方法は、溶液キャスティング成形又は溶融成形によって離型フィルム(I)を成膜することを特徴とする。
【0013】
以下、本発明について説明する。
第1発明の離型フィルム(I)は脂環式オレフィン系樹脂から形成される。
上記脂環式オレフィン系樹脂とは、主鎖あるいは側鎖に環状脂肪族炭化水素を有するオレフィン系樹脂をいう。このような環状脂肪族炭化水素としては、例えば、下記(1)式で表されるものが挙げられる。
【0014】
【化1】
Figure 0003676644
【0015】
離型フィルム(I)として、例えば、ポリスチレンやポリエチレンテレフタレートのように、主鎖や側鎖に芳香族炭化水素を有する樹脂を使用すると、樹脂自体に極性を有するため離型性が不足する。ポリカーボネートやポリアミドのように酸素原子や窒素原子を主鎖にもつ樹脂を使用すると、同様に樹脂自体に極性を有するため離型性が不足する。また、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂は非極性であるが、使い捨ての離型フィルムとしては高価過ぎる上に、使用後の廃棄に制約がある。
【0016】
本発明において、上記脂環式オレフィン系樹脂としては、その耐熱性、強度等の点から、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂が好ましい。熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂は、例えば、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報、特開平9−183832号公報等に開示されている公知の樹脂である。
【0017】
上記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂は、例えば、(イ)ノルボルネン系モノマーの開環重合体もしくは開環共重合体を、必要に応じて、マレイン酸付加やシクロペンタジエン付加のような変性を行った後に水素添加した樹脂、(ロ)ノルボルネン系モノマーを付加重合させた樹脂、(ハ)ノルボルネン系モノマーとエチレン又はα−オレフィン等のオレフィン系モノマーとを付加重合させた樹脂、(ニ)ノルボルネン系モノマーとシクロペンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロペンタジエン等の環状オレフィン系モノマーとを付加重合させた樹脂、及びこれらの変性物等が挙げられる。
【0018】
上記脂環式オレフィン系樹脂の荷重たわみ温度(ASTM D648に準拠して荷重186N/cm2 で測定される)は、160℃以上、200℃未満に限定される。荷重たわみ温度が、160℃未満になると熱プレス時の耐熱性が不足し、200℃以上になると熱プレス時の柔軟性が不足するため、カバーレイフィルムを電気回路の凹凸に追従して接着させることができなくなる。
【0019】
上記脂環式オレフィン系樹脂のMFR(メルトフローレート、JIS K 6719に準拠して280℃で測定される)は、小さくなると溶融成形が困難となり、大きくなると得られるフィルムが脆くなるので、0.5〜30g/10分が好ましく、より好ましくは5〜10g/10分である。
【0020】
上記脂環式オレフィン系樹脂の市販品としては、例えば、下記(2)式で表される繰り返し単位を有する日本ゼオン社製「ゼオノア」、下記(3)式で表される繰り返し単位を有するJSR社製「アートン」等が挙げられ、これらの中で荷重たわみ温度が160℃以上であって200℃未満のものを使用することができる。
【0021】
【化2】
Figure 0003676644
【0022】
【化3】
Figure 0003676644
式中、Rは水素原子又はアルキル基を示す。
【0023】
上記脂環式オレフィン系樹脂は2種以上が併用されてもよく、脂環式オレフィン系樹脂に他のオレフィン系樹脂が併用されてもよい。また、上記脂環式オレフィン系樹脂には、酸化防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、染料や顔料等の着色剤などの通常のオレフィン系樹脂に用いられる添加剤;酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク等の通常のオレフィン系樹脂に用いられる無機充填剤などが添加されてもよい。
【0024】
上記離型フィルム(I)は、溶液キャスティング法又は溶融成形法のいずれの方法によって成膜されてもよい。溶液キャスティング法は、特に限定されず、溶剤に溶解した脂環式オレフィン系樹脂溶液(塗工溶液)を支持体、例えば、金属製のエンドレスベルト、平滑な樹脂フィルム等の上に塗工した後、塗膜を均一に加熱し乾燥させて成膜することにより、離型フィルム(I)を得る。
【0025】
上記脂環式オレフィン系樹脂の溶解に用いる溶剤としては、該樹脂を溶解するものであって、沸点200℃以下のものが好ましく、例えば、トルエン(沸点111℃)、o−キシレン(沸点144℃)、m−キシレン(沸点139℃)、p−キシレン(沸点138℃)、メチルエチルケトン(沸点80℃)、クロロホルム(沸点61℃)、アセトン(沸点57℃)、塩化メチレン(沸点40℃)、シクロヘキサン(沸点81℃)、メチルシクロヘキサン(沸点101℃)、ジペンテン(沸点178℃)、キュメン(沸点153℃)等が挙げられる。
これらの中から、脂環式オレフィン系樹脂に応じて適当に選択して用いられ、2種以上が併用されてもよい。
【0026】
上記溶剤の中で沸点が70℃以下のものは乾燥温度をコントロールし難く、例えば塩化メチレンのように沸点が極端に低い溶剤では、乾燥炉に入る前に溶剤の揮発が激しく起こったり、場合によっては結露が生じて、離型フィルム(I)表面が荒れることがある。これに対して、沸点が離型フィルム(I)のガラス転移点よりも高すぎる場合は、発泡が起こり難くなるものの乾燥が不十分となり、成膜したフィルムの変形開始温度は低下し、耐熱性の不十分なフィルムとなる。
【0027】
従って、用いる溶剤の沸点は、70〜180℃が好ましく、より好ましくは90〜150℃である。沸点90〜150℃の溶剤としては、例えば、トルエン(沸点111℃)、o−キシレン(沸点144℃)、m−キシレン(沸点139℃)、p−キシレン(沸点138℃)等が挙げられる。
【0028】
上記脂環式オレフィン系樹脂溶液(塗工液)を塗工するコーターは、塗工厚や、粘度等の塗工溶液の性状に合わせて適宜選択され、例えば、コンマコーター、ロールコーター、ダイコーター等、通常の塗工用コーターが用いられる。
【0029】
上記支持体上に塗工された塗膜の乾燥方法は、特に制限はなく、通常用いられる乾燥方法が採用されるが、塗膜を均一に加熱して乾燥できるという点では、赤外線加熱による乾燥方法が好ましい。
上記塗膜の乾燥時における乾燥温度は、高くなると脂環式オレフィン系樹脂の熱分解が起こるので、200℃以下が好ましい。
【0030】
上記溶液キャスティング法は、べた印刷法であってもよい。
【0031】
上記溶融成形法としては、空冷又は水冷インフレーション押出法、Tダイ押出法等、従来公知のオレフィン系樹脂フィルムの成膜方法が使用可能である。
【0032】
上記離型フィルム(I)の厚みは、薄くなると強度が不足し、厚くなると熱プレス成形時の熱伝導率が悪くなるので、5〜300μmが好ましく、より好ましくは25〜100μmである。
【0033】
また、上記離型フィルム(I)の表面は、平滑性を有することが好ましいが、離型フィルム(I)のハンドリングに必要なスリップ性、アンチブロッキング性等が付与されてもよく、熱プレス成形時の空気抜けを目的として、該フィルム(I)の少なくとも片面に適度のエンボス模様が設けられてもよい。
【0034】
次に、第2発明について説明する。
第2発明の離型フィルム(II)は、樹脂フィルムの少なくとも片面に、離型フィルム(I)が積層された積層体からなる。
【0035】
上記樹脂フィルムは、プレス圧を均一にかけるためのクッション性や強度を付与する目的で積層され、使用後の廃棄の容易さや、離型フィルム(I)との接着性から、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂よりなるものが好ましい。
【0036】
上記樹脂フィルムと離型フィルム(I)との積層は、例えば、溶剤キャスティング法、熱プレス成形等によって行われる。
溶剤キャスティング法では、例えば、樹脂フィルム上にアンカー層を下塗り処理した後、溶剤キャスティング法によってアンカー層上に離型フィルム(I)を形成する。また、熱プレス成形では、例えば、樹脂フィルムと離型フィルム(I)とを重ね合わせて熱プレス成形する。熱プレス成形の前に予め共押出、貼合わせ等公知の方法で、離型フィルム(I)上に樹脂フィルム層を設けてもよい。
【0037】
上記離型フィルム(II)の厚みは、薄くなると強度が不足し、厚くなると熱プレス成形時の熱伝導率が悪くなるので、5〜300μmが好ましく、より好ましくは25〜100μmである。
また、離型フィルム(II)における離型フィルム(I)の厚みは、薄くなると強度が不足し、厚くなるとコストアップを招くので、0.5〜20μmが好ましい。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例及び比較例を示す。
【0039】
(実施例1)
・離型フィルム(I)の作製
密度1.08g/cm3 、MFR8g/10分(JIS K 6719に準拠して280℃で測定される、以下についても同様の方法で測定)、荷重たわみ温度(ASTM D648に準拠して荷重186N/cm2 で測定される、以下についても同様の方法で測定)164℃の脂環式オレフィン系樹脂(JSR社製「アートン G」)を、樹脂濃度35重量%となるようにトルエン(沸点110.6℃)に23℃で溶解し、得られた溶液を表面粗さが0.1sのステンレスベルト上に、表面粗さが0.1sのコンマロールコーターを用いて23℃で塗布し、温度が60℃、120℃及び150℃の3ゾーンからなる熱風加熱乾燥を行った後、さらに150℃のロール乾燥を行うことによって、溶液キャスティング法による50μm厚の離型フィルム(I)を得た。
【0040】
・樹脂フィルムの作製
密度0.90g/cm3 、MFR7.5g/10分のポリプロピレン樹脂(モンテルエスディーケサンライズ社製「ジェイアロマー PC630A」)を押出機で230℃で溶融可塑化した後Tダイスより押出成形して、100μm厚の樹脂フィルムを得た。
【0041】
・銅張り積層板の作製
25μm厚のポリイミドフィルム(デュポン社製「カプトン」)をベースフィルムとし、ベースフィルム上に厚み35μm、幅50μmの銅箔が20μm厚のエポキシ系接着剤で接着された銅張り積層板を得た。
【0042】
・カバーレイフィルムの作製
25μm厚のポリイミドフィルム(デュポン社製「カプトン」)上に、流動開始温度80℃のエポキシ系接着剤を20μm厚で塗布してカバーレイフィルムを得た。
【0043】
・フレキシブルプリント基板の作製
上記離型フィルム(I)、銅張り積層板、カバーレイフィルム、離型フィルム(I)、樹脂フィルムの順に重ね合わせたものを1セットとして、この組合わせ32セットを熱プレスに載置し、プレス温度170℃、プレス圧300N/cm2 、プレス時間30分間の条件で熱プレス成形した後プレス圧を開放し、樹脂フィルムを取り除き、離型フィルム(I)を引き剥がして、フレキシブルプリント基板を得た。
【0044】
・フレキシブルプリント基板の評価
得られたフレキシブルプリント基板のカバーレイフィルムは、基板本体と完全に密着しており、空気の残存部分は認められなかった。カバーレイフィルムのない部分の銅箔からなる電極部分からも離型フィルム(I)は完全に剥離しており、電極部分は銅箔が完全に露出していた。また、電極部分の銅箔の導電性は十分であり、有機物の付着による汚染も認められなかった。
さらに、カバーレイフィルムのない部分での銅箔表面への接着剤の流れ出しは、カバーレイフィルム端部より0.1mm以下であり、接着剤の流れ出し防止効果も十分であった。
【0045】
(実施例2)
・離型フィルム(II)の作製
実施例1と同様にして作製した樹脂フィルムの上に、脂環式オレフィン系樹脂(密度1.01g/cm3 、MFR7g/10分、荷重たわみ温度161℃の日本ゼオン社製「ゼオノア 1600R」)を実施例1と同様にキャスティング成形して、樹脂フィルム(50μm厚)とキャスティングフィルム(10μm厚)との積層体からなる離型フィルム(II)を得た。
【0046】
・フレキシブルプリント基板の作製
離型フィルム(I)に代えて、離型フィルム(II)を使用したこと以外は、実施例1と同様に熱プレス成形して、フレキシブルプリント基板を得た。
上記フレキシブルプリント基板につき、実施例1と同様の方法で評価したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0047】
(比較例1)
密度0.840g/cm3 、MFR26g/10分、荷重たわみ温度80℃の結晶性4−メチル−1−ペンテン重合体(三井化学社製「TPX MX−001」)を押出機で300℃に加熱して可塑化した後、Tダイより押出成形して得られた25μm厚のフィルムを離型フィルム(I)として使用したこと以外は、実施例1と同様の方法でフレキシブルプリント基板を得た。
上記フレキシブルプリント基板を実施例1と同様の方法で評価したところ、カバーレイフィルムは基板本体と完全に密着しており、空気の残存部分は認められなかった。また、カバーレイフィルムのない部分の銅箔表面への接着剤の流れ出しは、カバーレイフィルム端部より0.1mm以下であり、接着剤の流れ出し防止効果も十分であった。
しかし、32セットのうち1セットは、カバーレイフィルムのない部分での銅箔からなる電極部分の導電性が十分ではなく、詳細に観察したところ、有機物の付着による汚染が認められた。付着した有機物を分析したところ、4−メチル−1−ペンテンのオリゴマーが検出された。これは4−メチル−1−ペンテン重合体の熱分解生成物であると推定される。
【0048】
(実施例3)
密度1.01g/cm3 、MFR7g/10分、荷重たわみ温度161℃の脂環式オレフィン系樹脂(日本ゼオン社製「ゼオノア 1600R」)を、押出機で300℃に加熱して可塑化しTダイより押出成形して得られた25μm厚のフィルムを離型フィルム(I)として使用したこと以外は、実施例1と同様の方法でフレキシブルプリント基板を得た。
上記フレキシブルプリント基板を実施例1と同様の方法で評価したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0049】
(実施例4)
JSR社製「アートン G」を押出機で300℃に加熱して可塑化した後、Tダイより押出成形して得られた25μm厚のフィルムを離型フィルム(I)として使用したこと以外は、実施例1と同様の方法でフレキシブルプリント基板を得た。上記フレキシブルプリント基板を実施例1と同様の方法で評価したところ、実施例1と同様の結果が得られた。
【0050】
(比較例2)
密度0.90g/cm3 、MFR7.5g/10分、荷重たわみ温度90℃のポリプロピレン樹脂(モンテルエスディーケーサンライズ社製「ジェイアロマーPC630A」)を、押出機で230℃に加熱して可塑化しTダイより押出成形して得られた100μm厚のフィルムを離型フィルム(I)として使用したこと以外は、実施例1と同様の方法でフレキシブルプリント基板を得た。
上記フレキシブルプリント基板の熱プレス成形工程中において、離型フィルム(I)の耐熱性が不足したため、基板積層体からはみ出た離型フィルム(I)同士が該積層体の端面で溶融融着を起こし、フレキシブルプリント基板を取り出すのが著しく煩雑となったので、工業的には使用できないと判断した。
【0051】
(比較例3)
密度1.01g/cm3 、MFR9g/10分、荷重たわみ温度123℃の脂環式オレフィン系樹脂(日本ゼオン社製「ゼオネックス RS820」)を、押出機で300℃に加熱して可塑化しTダイより押出成形して得られた25μm厚のフィルムを離型フィルム(I)として使用したこと以外は、実施例1と同様の方法でフレキシブルプリント基板を得た。
上記フレキシブルプリント基板の熱プレス成形工程中において、離型フィルム(I)の耐熱性が不足したため、基板積層体からはみ出た離型フィルム(I)同士が該積層体の端面で溶融融着を起こし、フレキシブルプリント基板を取り出すのが著しく煩雑となったので、工業的には使用できないと判断した。
【0052】
(比較例4)
密度1.00g/cm3 、MFR3g/10分、荷重たわみ温度120℃の脂環式オレフィン系樹脂(三井化学社製「アペル 130A」)を、押出機で300℃に加熱して可塑化しTダイより押出成形して得られた25μm厚のフィルムを離型フィルム(I)として使用したこと以外は、実施例1と同様の方法でフレキシブルプリント基板を得た。
上記フレキシブルプリント基板の熱プレス成形工程中において、離型フィルム(I)の耐熱性が不足したため、基板積層体からはみ出た離型フィルム(I)同士が該積層体の端面で溶融融着を起こし、フレキシブルプリント基板を取り出すのが著しく煩雑となったので、工業的には使用できないと判断した。
【0053】
【発明の効果】
本発明の離型フィルムは、上述の通りであり、耐熱性及び離型性が優れるので、特にフレキシブルプリント基板の製造工程において、熱硬化性接着剤によってカバーレイフィルムを熱プレス成形によって接着する際に、カバーレイフィルムとプレス熱板、又は、カバーレイフィルム同士が接着するのを防止する。
また、この離型フィルムの剥離時に銅製電極部分の汚染や付着物の残存が起こらないので、熱プレス成形されたフレキシブルプリント基板に十分な導電性を提供する。
本発明の離型フィルムの製造方法は、上述の通りであり、従来の製造技術によって、上記離型フィルムを容易に製造することができる。

Claims (8)

  1. フレキシブルプリント基板の製造工程において用いられる離型フィルムであって、荷重たわみ温度(ASTM D648に準拠して荷重186N/cmで測定される)が160℃以上、200℃未満の脂環式オレフィン系樹脂からなり、厚さが25〜300μmであることを特徴とする離型フィルム(I)。
  2. 厚さが25〜100μmであることを特徴とする請求項1記載の離型フィルム(I)。
  3. フレキシブルプリント基板の製造工程において用いられる離型フィルムであって、オレフィン系樹脂からなる樹脂フィルムの少なくとも片面に、荷重たわみ温度(ASTM D648に準拠して荷重186N/cmで測定される)が160℃以上、200℃未満の脂環式オレフィン系樹脂からなる離型フィルム(I)が積層された積層体からなることを特徴とする離型フィルム(II)。
  4. オレフィン系樹脂は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合体又はエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項3記載の離型フィルム(II)。
  5. 電気回路を形成したフレキシブルプリント基板本体に、熱硬化型接着剤によってカバーレイフィルムを熱プレス接着する工程において、前記カバーレイフィルムとプレス熱板との間に、荷重たわみ温度(ASTM D648に準拠して荷重186N/cmで測定される)が160℃以上、200℃未満の脂環式オレフィン系樹脂からなり、厚さが25〜300μmである離型フィルム(I)を介在させることを特徴とするフレキシブルプリント基板の製造方法。
  6. 離型フィルム(I)の厚さが25〜100μmであることを特徴とする請求項5記載のフレキシブルプリント基板の製造方法。
  7. 電気回路を形成したフレキシブルプリント基板本体に、熱硬化型接着剤によってカバーレイフィルムを熱プレス接着する工程において、前記カバーレイフィルムとプレス熱板との間に、オレフィン系樹脂からなる樹脂フィルムの少なくとも片面に、荷重たわみ温度(ASTM D648に準拠して荷重186N/cmで測定される)が160℃以上、200℃未満の脂環式オレフィン系樹脂からなる離型フィルム(I)が積層された積層体からなる離型フィルム(II)を介在させることを特徴とするフレキシブルプリント基板の製造方法。
  8. オレフィン系樹脂は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合体又はエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項7記載のフレキシブルプリント基板の製造方法。
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