JP3676417B2 - 多針刺繍機の上糸はらい装置及びその作動方法 - Google Patents

多針刺繍機の上糸はらい装置及びその作動方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3676417B2
JP3676417B2 JP08313595A JP8313595A JP3676417B2 JP 3676417 B2 JP3676417 B2 JP 3676417B2 JP 08313595 A JP08313595 A JP 08313595A JP 8313595 A JP8313595 A JP 8313595A JP 3676417 B2 JP3676417 B2 JP 3676417B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
upper thread
needle
thread
sewing
retracted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08313595A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08243285A (ja
Inventor
吉広 村田
Original Assignee
株式会社バルダン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社バルダン filed Critical 株式会社バルダン
Priority to JP08313595A priority Critical patent/JP3676417B2/ja
Publication of JPH08243285A publication Critical patent/JPH08243285A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3676417B2 publication Critical patent/JP3676417B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、多針刺繍機に設けられ、縫製位置に配置された1本の針が刺繍縫いを休止したときに、該針に通された上糸を針の下方から針の後方へはらう上糸はらい装置とその作動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般の多針刺繍機においては、図7に示すように、刺繍ヘッド51の縫製位置に配置された針52が刺繍縫いを休止するときに、その針52に通っている上糸53を釜54の近傍に設けた糸切断装置67で切断し、該上糸53の切断端部53aを針52の後方に設けた上糸はらい装置55で引っ掛けて後方へはらい、該上糸53を針52の直ぐ後方に設けた上糸保持具56に保持するようにしている。これは、切断した上糸53が加工布57に垂れ、縫製位置に配置された次の針(図示略)によって加工布57に縫込まれるのを防ぐためである。
【0003】
前記上糸はらい装置55は、図7及び図8に示すように構成されている。すなわち、刺繍ヘッド51を支えるアーム58にはガイド溝を備えたガイド部材59が前下がりに傾斜して固定され、該ガイド部材59の上端にはロータリーソレノイド60が取り付けられている。ガイド部材59のガイド溝には細長板状の上糸はらい部材61が摺動可能に挿通され、該上糸はらい部材61の前端にはフック状の引掛部62が形成されている。上糸はらい部材61の基端部は、2本のレバー63よりなるリンク機構64を介してロータリーソレノイド60に連結され、該リンク機構64によってロータリーソレノイド60の回転運動が上糸はらい部材61の直線運動に変換されるようになっている。
【0004】
次に、前記上糸はらい装置55は、次のように作動する。
▲1▼ 針52が刺繍縫いを休止して針上停止位置に至ると、針52より上方に設けられた糸つかみ装置65が上糸53をつかむ。
▲2▼ ロータリーソレノイド60が励磁され、リンク機構64を介して上糸はらい部材61がガイド部材59に沿って前方へ摺動する。この上糸はらい部材61は上糸保持具56を貫通して、針52の下方まで前進する。
▲3▼ ロータリーソレノイド60が消磁され、それに組込まれたバネ(図示略)の付勢力により上糸はらい部材61が後退する。この後退初期には、図7に示すように、上糸はらい部材61の前端の引掛部62が針52と針板66との間の上糸53に引っ掛かり、上糸53は緊張し、後退が一旦停止する。
▲4▼ 糸切断装置67が針板66の下側で上糸53を切断すると、上糸53の緊張が解けるので、前記バネの付勢力により上糸はらい部材61はさらに後退する。この後退途中で、図7に二点鎖線で示すように、上糸53の切断端部53aは引掛部62から外れて、上糸保持具56に保持される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記上糸はらい装置55には、次のような問題があった。
(1) 回転運動するロータリーソレノイド60は、一般に円柱状をなし嵩張る。また、2本のレバー63よりなるリンク機構64もかなり嵩張る。
(2) ロータリーソレノイド60の回転運動を直線運動に変換するリンク機構64が必要なことから、構造が複雑になり、コストも上がる。
(3) リンク機構64に繊維屑等が付着したまま放置すると、動作不良を起こす可能性がある。
(4) ロータリーソレノイド60とリンク機構64の重量が大きいので、刺繍機の振動が増す原因となる。
【0006】
また、前記上糸はらい装置55の作動方法には、次のような問題があった。
糸切断装置67が上糸53を切断するとき、その上糸53は上方で糸つかみ装置65により糸送りできないようにつかまれており、また、上糸はらい部材61は上糸53に引っ掛かっているだけで積極的に上糸53を上方から引き込むものではないので、針52の孔を通ってから切断端部までの上糸53の長さ(この長さを、本明細書では「糸残り長」という)は常に一定である。
【0007】
しかし、このときの上糸53は張力によって弾性的に伸びているので、この一定とされる糸残り長は見掛けの長さにすぎない。つまり、切断後に上糸53は弾性的に縮むため、実際の糸残り長は見掛けの糸残り長より短くなる。そして、この短くなる程度は上糸53によって異なり、弾性的に伸縮しにくい上糸53の場合はあまり短くならないが、伸縮しやすい上糸53の場合は顕著に短くなる。そして、特に伸縮しやすい上糸53において、実際の糸残り長が短くなると、針52が休止状態から縫製を再開したときに、上糸と下糸とが絡まないために縫製できないとか、それが高ずると上糸53が針52の孔から抜けてしまうとかといういう問題があった。
【0008】
そこで、本発明の第1の目的は、装置をコンパクト化でき、もって多針刺繍機への取付スペースの削減を可能にし、また、運動方向の変換機構を不要にでき、もって構造のシンプル化、コストの低減及び動作不良の低減を可能にし、さらに、装置を軽量化でき、もって多針刺繍機の振動の低減を可能にする多針刺繍機の上糸はらい装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の第2の目的は、刺繍縫いを休止した針において、上糸切断時の見掛けの糸残り長を、その上糸の伸縮性に応じて変えることができ、もって上糸切断後の実際の糸残り長を適当な長さに制御して、前記針が刺繍縫いを再開した時に、上糸が針の孔から抜けないようにできるだけでなく、上糸の切断をロスタイムなく迅速に行なうことができる上糸はらい装置の作動方法を提供することにある。
【0010】
ところで、特開昭61−159991号公報には、図9に示すように、糸はらい具72が元の後退位置から前進し、上糸53を引っ掛けた後、所望の位置まで後退して所望の時間停止し、その停止時に上糸53を切断し、その後、糸はらい具72が元の後退位置にまで後退するようにした糸はらい装置71が開示されている。この装置によっても、上糸切断時の見掛けの糸残り長を変えることができる。しかし、この装置では、糸はらい具72を所望の時間停止させておいて上糸53を切断するので、その停止時間がロスタイムとなり、上糸53の切断が遅れるという問題があった。前記第2の目的は、この問題をも解決しようとするものである。
【0011】
また、図9の糸はらい装置71は、図10に示すように、回転運動するステッピングモータ73を使用していたため、その回転運動を糸はらい具72の直線運動に変換するためにドラム74と金属ベルト75とが必要であり、前記の図7及び図8の上糸はらい装置55と同様の問題があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、複数本の針から選択された1本の針を縫製位置に選択的に配置し、該縫製位置の針に刺繍縫いを行なわせる多針刺繍機に設けられ、該針が刺繍縫いを休止したときに、該針に通された上糸を針の下方から針の後方へはらうための上糸はらい装置において、前後方向に延びて前端に前記上糸を引っ掛ける引掛部が設けられた上糸はらい部材と、直接に直線運動を生じさせて前記上糸はらい部材を前進させるリニアアクチュエータと、該リニアアクチュエータを次のa,b,c及びdの順に作動させる制御回路とを備えたことを特徴としている。
a:前記縫製位置の針が刺繍縫いを休止して針上停止位置に至ると、前記リニアアクチュエータにより前記上糸はらい部材を後退位置から前進させ、前記引掛部は前記上糸よりやや前方に位置する。
b:次に、前記リニアアクチュエータにより上糸はらい部材を後退させ、前記引掛部は前記上糸を引っ掛け、前記上糸はらい部材は前記上糸を針の後方へ積極的に引き込む。
c:前記リニアアクチュエータにより上糸はらい部材が任意に決められる所定位置にまで後退したときに、糸切断装置が針板の下側で上糸を切断する。前記リニアアクチュエータによる上糸はらい部材の後退はこの上糸切断時にも停止することなく続行している。
d:続いて、前記リニアアクチュエータにより上糸はらい部材を元の後退位置にまで後退させる。
【0013】
第2の発明は、複数本の針から選択された1本の針を縫製位置に選択的に配置し、該縫製位置の針に刺繍縫いを行なわせる多針刺繍機に設けられ、該針が刺繍縫いを休止したときに、該針に通された上糸を針の下方から針の後方へはらうための上糸はらい装置の作動方法であって、上糸はらい装置は、前後方向に延びて前端に前記上糸を引っ掛ける引掛部が設けられた上糸はらい部材と、直接に直線運動を生じさせて前記上糸はらい部材を前進及び後退させるリニアアクチュエータとを備え、次のa,b,c及びdの順に作動することを特徴としている。
a:縫製位置の針が刺繍縫いを休止して針上停止位置に至ると、リニアアクチュエータが上糸はらい部材を後退位置から前進させ、引掛部は上糸よりやや前方に位置する。
b:次に、リニアアクチュエータが上糸はらい部材を後退させ、引掛部は上糸を引っ掛け、上糸はらい部材は上糸を針の後方へ積極的に引き込む。
c:上糸はらい部材が任意に決められる所定位置にまで後退したときに、糸切断装置が針板の下側で上糸を切断する。上糸はらい部材の後退はこの上糸切断時にも停止することなく続行している。
d:続いて、上糸はらい部材を元の後退位置にまで後退させる。
【0014】
ここで、「リニアアクチュエータ」としては、リニア直流モータ、リニア誘導モータ、リニア同期モータ、リニアパルスモータ等の各種リニアモータや、エアシリンダ、油圧シリンダ等の流体圧シリンダを例示できる。
【0015】
【作用】
第一の発明の上糸はらい装置は次の作用を奏する。
(1) リニアアクチュエータは、直線的な形状をなし嵩張らない。
(2) リニアアクチュエータは直接に直線運動を生じさせるので、運動方向の変換機構が不要で、構造が簡単になる。
(3) 運動方向の変換機構が不要なので、動作不良を起こす可能性が少ない。
(4) 運動方向の変換機構が不要なので、軽量化できる。
【0016】
また、該装置又は第二の発明の上糸はらい装置の作動方法によれば、上糸はらい部材が上糸を針の後方へ積極的に引き込んでから上糸を切断するので、該上糸切断時の見掛けの糸残り長を、その上糸の伸縮性に応じて任意に変えることができ、もって上糸切断後の実際の糸残り長を適当な長さに制御することができる。また、上糸はらい部材の後退は上糸切断時にも停止することなく続行しているので、上糸の切断をロスタイムなく迅速に行なうことができる。
【0017】
【実施例】
以下、この発明を具体化した多針刺繍機の一実施例を図1〜図5に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、多針刺繍機のアーム1には刺繍ヘッド2が垂直軸3の周りで回動可能に支持されている。刺繍ヘッド2には複数本の針棒4が円周方向に等間隔をおいて上下動可能に配列され、各針棒4には針5及び布押え6が取付けられている。刺繍ヘッド2の前方には全針棒4を囲繞するように糸保持エプロン7が装着され、該エプロン7には必要時に上糸8をつかむ糸つかみ装置9が設けられている。
【0018】
刺繍ヘッド2の下方に設けられたテーブル10の上では、加工布11を展張した刺繍枠12が駆動装置(図示略)によって水平面内で前後左右に駆動されるようになっている。テーブル10には針板13が設けられ、該針板13の下側には糸切断装置14及び釜15が配設されている。上糸8は糸巻から糸調子皿、天秤(いずれも図示略)等を介して糸保持エプロン7に挿通され、そこから針5、布押え6、針板13を経て釜15に供給されている。そして、刺繍ヘッド2の回動に伴い複数本の針5から選択された1本の針5を縫製位置に選択的に配置し、該縫製位置の針5と釜15との協働により、加工布Wに刺繍縫いを行なうようになっている。
【0019】
針棒4の後方において、アーム1には後方へ延びる支持部材16が止着されている。この支持部材16には、縫製位置の針5が刺繍縫いを休止したときに、該針5に通された上糸8を針5の下方から針5の後方へはらうための上糸はらい装置17が、前下がりに傾斜して支持されている。この傾斜は、針5の後方のスペースを拡大するためである。
【0020】
上糸はらい装置17は、斜め前後方向に延びてその前端に上糸8を引っ掛け得るフック状の引掛部18が設けられた上糸はらい部材19と、直接に直線運動を生じさせて上糸はらい部材19を前進及び後退させるリニアアクチュエータ20とを備えている。上糸はらい部材19は金属で細板状に形成されている。リニアアクチュエータ20は、上糸はらい部材19の後端部に取り付けられた磁性体よりなる移動子21と、該移動子21が内部をスライドする筒状の非磁性体よりなる案内ボビン22と、該案内ボビン22の外周に巻回されたボビン長手方向に並ぶ六つのコイル23a,23b,23c,23d,23e,23fと、該コイル23a〜23fを保護するカバー24と、該案内ボビン22の後端部に設けられた永久磁石31とからなる。永久磁石31は、コイル23a〜23fへの非通電時における上糸はらい部材19の落下防止用である。
【0021】
リニアアクチュエータ20の駆動回路は、図3に模式的に示すように、電源25と、該電源25を各コイル23a〜23fに順に切り替えながら接続する半導体スイッチ26とからなり、半導体スイッチ26は制御回路(図示略)によって制御される。移動子21は、通電により励磁されたコイル23a〜23fの内周に磁気吸引されるため、前記半導体スイッチ26の切り替えによって、順に案内ボビン22内をスライドする。そして、縫製位置の針5が刺繍縫いを行なっている間は、図3に示すように、移動子21が永久磁石31に吸着されていて、上糸はらい部材19は後退位置にある。
【0022】
上記構成の上糸はらい装置17は次の作用を奏する。
(1) リニアアクチュエータ20は、直線的な形状をなし嵩張らない。よって、上糸はらい装置17をコンパクト化でき、もって多針刺繍機への取付スペースの削減を可能にする。
(2) リニアアクチュエータ20は直接に直線運動を生じさせるので、運動方向の変換機構が不要となる。よって、構造のシンプル化及びコストの低減を可能にする。
(3) 運動方向の変換機構が不要なので、動作不良を起こす可能性が少ない。
(4) 運動方向の変換機構が不要なので、上糸はらい装置17を軽量化でき、もって多針刺繍機の振動の低減を可能にする。
【0023】
なお、前記刺繍ヘッド2の後部には、上糸はらい部材19によって針5の後方へはらわれた上糸8の切断端部8aを保持するための上糸保持具27が設けられている。この上糸保持具27は、刺繍ヘッド2への取付部30と、該取付部30の下端に設けられた一対の幅広板28と、両幅広板28の対峙面に植設された多数本の毛状体29とからなり、上糸はらい部材19は毛状体29の間を通過でき、上糸8の切断端部8aは毛状体29の間に保持される。
【0024】
さて、本実施例の上糸はらい装置17は、次のa,b,c及びdの順に作動する。
a:縫製位置の針5が刺繍縫いを休止して針上停止位置に至ると、半導体スイッチ26が、リニアアクチュエータ20のコイル23aからコイル23b→コイル23c→コイル23d→コイル23e→コイル23fの順に通電を切り替え、図1に示すように、移動子21は最前部のコイル23fの位置にまでスライドするので、上糸はらい部材19は前記後退位置から前進し、引掛部18は針5と針板13との間の上糸8よりやや前方に位置する。
【0025】
b:次に、半導体スイッチ26が、リニアアクチュエータ20のコイル23fから順に後方のコイルに通電を切り替え、図4に示すように、移動子21は順に後方のコイルに磁気吸引されるので、上糸はらい部材19は前記前進位置から後退し、引掛部18は上糸8を引っ掛け、上糸はらい部材19は上糸8を針5の後方へ積極的に引き込む。このとき、糸つかみ装置9は上糸8をつかんでいないので、引き込む分の上糸8は針5の上方から供給される。
【0026】
c:上糸はらい部材19が任意に決められる所定位置にまで後退したとき(例えば図4では移動子21がコイル23dの位置に来たとき)に、糸切断装置14が図4に×印で示すように針板13の下側で上糸8を切断する。この上糸はらい部材19の後退は、該上糸切断時にも停止することなく続行している。この切断のために、上糸はらい部材19が前記所定位置に達するより少し早いタイミングで、半導体スイッチ26の切り替えを利用して糸切断装置14に作動信号が出るようになっている。
【0027】
d:続いて、図5に示すように、移動子21はコイル23fの位置にまでスライドし、さらに永久磁石31に吸着されて、上糸はらい部材19は元の後退位置にまで後退する。この後退途中で、上糸8の切断端部8aは引掛部18から外れて、上糸保持具27に保持される。
【0028】
上記の作動方法によれば、上糸はらい部材19が上糸8を針5の後方へ積極的に引き込んでから上糸8を切断するので、該上糸切断時の見掛けの糸残り長を、その上糸8の伸縮性に応じて任意に変えることができ、もって上糸8の切断後の実際の糸残り長を適当な長さに制御することができる。また、上糸はらい部材19の後退は上糸8の切断時にも停止することなく続行しているので、上糸8の切断をロスタイムなく迅速に行なうことができる。
【0029】
なお、この発明は上記実施例の構成に限定されるものではなく、例えば次のように変更して実施することも可能である。
(1)ロスタイムを問わない場合には、前記上糸はらい部材19の後退を、上糸8の切断時に短時間停止させてもよい。
(2)上糸はらい装置17は、上記作動方法以外の方法、例えば図6を用いて説明した従来例の作動方法で作動させることもできる。その場合、リニアアクチュエータ20は前進のみをコイル23a〜23fの励磁で行ない、後退はバネで行なうようにしてもよい。
(3)前記永久磁石31に代えて、図6に示すように引張コイルバネ32を用いてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上詳述したように、第1の発明に係る多針刺繍機の上糸はらい装置によれば、装置をコンパクト化でき、もって多針刺繍機への取付スペースの削減を可能にし、また、運動方向の変換機構を不要にでき、もって構造のシンプル化、コストの低減及び動作不良の低減を可能にし、さらに、装置を軽量化でき、もって多針刺繍機の振動の低減を可能にするという優れた効果が得られる。
【0031】
また、該装置又は第2の発明に係る上糸はらい装置の作動方法によれば、刺繍縫いを休止した針において、上糸切断時の見掛けの糸残り長を、その上糸の伸縮性に応じて変えることができ、もって上糸切断後の実際の糸残り長を適当な長さに制御して、前記針が刺繍縫いを再開した時に、上糸が針の孔から抜けないようにできるだけでなく、上糸の切断をロスタイムなく迅速に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る多針刺繍機及びその上糸はらい部材を示し、同上糸はらい部材が前進したときの要部断面図である。
【図2】同多針刺繍機の刺繍ヘッド部分を前方から見た正面図である。
【図3】同上糸はらい装置及びその制御回路の説明図である。
【図4】同上糸はらい部材が途中まで後退して上糸を引っ張ったときの要部断面図である。
【図5】同上糸はらい部材が完全に後退して上糸が保持されたときの要部断面図である。
【図6】同上糸はらい装置の変更例の部分平面図である。
【図7】従来例に係る多針刺繍機及びその上糸はらい部材の要部断面図である。
【図8】図7の上糸はらい部材の底面図である。
【図9】別の従来例に係る多針刺繍機及びその上糸はらい部材の要部断面図である。
【図10】図9の上糸はらい部材の斜視図である。
【符号の説明】
5 針
8 上糸
14 糸切断装置
17 上糸はらい装置
18 引掛部
19 上糸はらい部材
20 リニアアクチュエータ

Claims (2)

  1. 複数本の針から選択された1本の針を縫製位置に選択的に配置し、該縫製位置の針に刺繍縫いを行なわせる多針刺繍機に設けられ、該針が刺繍縫いを休止したときに、該針に通された上糸を針の下方から針の後方へはらうための上糸はらい装置において、
    前後方向に延びて前端に前記上糸を引っ掛ける引掛部が設けられた上糸はらい部材と、直接に直線運動を生じさせて前記上糸はらい部材を前進させるリニアアクチュエータと、該リニアアクチュエータを次のa,b,c及びdの順に作動させる制御回路とを備えたことを特徴とする多針刺繍機の上糸はらい装置。
    a:前記縫製位置の針が刺繍縫いを休止して針上停止位置に至ると、前記リニアアクチュエータにより前記上糸はらい部材を後退位置から前進させ、前記引掛部は前記上糸よりやや前方に位置する。
    b:次に、前記リニアアクチュエータにより上糸はらい部材を後退させ、前記引掛部は前記上糸を引っ掛け、前記上糸はらい部材は前記上糸を針の後方へ積極的に引き込む。
    c:前記リニアアクチュエータにより上糸はらい部材が任意に決められる所定位置にまで後退したときに、糸切断装置が針板の下側で上糸を切断する。前記リニアアクチュエータによる上糸はらい部材の後退はこの上糸切断時にも停止することなく続行している。
    d:続いて、前記リニアアクチュエータにより上糸はらい部材を元の後退位置にまで後退させる。
  2. 複数本の針から選択された1本の針を縫製位置に選択的に配置し、該縫製位置の針に刺繍縫いを行なわせる多針刺繍機に設けられ、該針が刺繍縫いを休止したときに、該針に通された上糸を針の下方から針の後方へはらうための上糸はらい装置の作動方法であって、
    前記上糸はらい装置は、前後方向に延びて前端に前記上糸を引っ掛ける引掛部が設けられた上糸はらい部材と、直接に直線運動を生じさせて前記上糸はらい部材を前進及び後退させるリニアアクチュエータとを備え、次のa,b,c及びdの順に作動することを特徴とする多針刺繍機の上糸はらい装置の作動方法。
    a:前記縫製位置の針が刺繍縫いを休止して針上停止位置に至ると、前記リニアアクチュエータが前記上糸はらい部材を後退位置から前進させ、前記引掛部は前記上糸よりやや前方に位置する。
    b:次に、前記リニアアクチュエータが上糸はらい部材を後退させ、前記引掛部は前記上糸を引っ掛け、前記上糸はらい部材は前記上糸を針の後方へ積極的に引き込む。
    c:前記上糸はらい部材が任意に決められる所定位置にまで後退したときに、糸切断装置が針板の下側で上糸を切断する。前記上糸はらい部材の後退はこの上糸切断時にも停止することなく続行している。
    d:続いて、上糸はらい部材を元の後退位置にまで後退させる。
JP08313595A 1995-03-14 1995-03-14 多針刺繍機の上糸はらい装置及びその作動方法 Expired - Fee Related JP3676417B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08313595A JP3676417B2 (ja) 1995-03-14 1995-03-14 多針刺繍機の上糸はらい装置及びその作動方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08313595A JP3676417B2 (ja) 1995-03-14 1995-03-14 多針刺繍機の上糸はらい装置及びその作動方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08243285A JPH08243285A (ja) 1996-09-24
JP3676417B2 true JP3676417B2 (ja) 2005-07-27

Family

ID=13793766

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08313595A Expired - Fee Related JP3676417B2 (ja) 1995-03-14 1995-03-14 多針刺繍機の上糸はらい装置及びその作動方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3676417B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08243285A (ja) 1996-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5603462A (en) Changing threads in a sewing machine
CN110621819B (zh) 绗缝机
RU2563755C1 (ru) Швейная машина с многониточным цепным стежком и устройством предотвращения распускания шва
US5682830A (en) Sewing machine
EP1967630A1 (en) Sewing machine with upper thread cutting and holding mechanisms
EP0394601A1 (en) Adevice for disabling and enabling one or more needles in a quilting machine or a multi-needle embroidery machine
JP3676417B2 (ja) 多針刺繍機の上糸はらい装置及びその作動方法
JP5468334B2 (ja) 縫目ほつれ防止方法およびその装置
JP2004222916A (ja) ミシン、糸通し制御プログラム及び糸通し制御用記録媒体
JP3503803B2 (ja) 糸交換型の整経機における外された糸の迅速回収システム
KR20010049359A (ko) 재봉틀의 새집 방지장치
JP3447335B2 (ja) 刺繍ミシンの上糸切断装置及び上糸切断方法
KR20120052161A (ko) 재봉틀 및 이러한 재봉틀을 이용하여 재봉 개시 부분을 재봉하기 위한 방법
JP2003236281A (ja) ミシン
WO2005024109A1 (en) Device to automatically change the thread in a needle in textile machines, relative method and textile machine adopting said thread-change device
KR100804144B1 (ko) 다두 미싱
JPH0632726B2 (ja) 糸掴み装置を備えたミシン
CN210420448U (zh) 起缝夹线装置
JP2001200465A (ja) タフトミシン
JPH1025655A (ja) ミシンの上糸交換装置
JP2852961B2 (ja) ミシンにおける糸調子装置
US6651572B2 (en) Yarn feed roller assembly for a tufting machine
JP3661948B2 (ja) ミシン
JPH04282192A (ja) ミシンの糸締め装置    
JP2000024361A (ja) 多針式刺しゅうミシンにおける上糸保持装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080513

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110513

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120513

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130513

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees