JP3676294B2 - 反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置および鏡面制御システム - Google Patents

反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置および鏡面制御システム Download PDF

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    • H01Q21/28Combinations of substantially independent non-interacting antenna units or systems

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は特に、ミリ波やサブミリ波で観測を行う大口径電波望遠鏡などの反射鏡アンテナに対して適用され、鏡面精度を測定する反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置、およびこの鏡面精度に基づいて複数の鏡面パネルからなる主反射鏡の鏡面調整を向上させる反射鏡アンテナの鏡面制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
反射鏡アンテナは、例えば電波望遠鏡を例に説明すれば、遠方に有る天体などから放射された電波を反射鏡で反射させて収束させ、これを一次放射器で受信する事で当該天体などを観測するものである。天体などから放射される電波は球面波状に広がって伝搬して行くが、十分に離れた観測点においてはほぼ平面波状に電波が入射する。電波望遠鏡においては、平面波状の電波を効率良く一次放射器に集約するために主反射鏡上の開口面位相分布が一様となることが必要である。この開口面位相分布は主反射鏡の鏡面精度に直接依存する。したがって、反射鏡アンテナの鏡面精度を高めることが当該反射鏡アンテナの観測能力を決定する一要素となっており、非常に重要である。
【0003】
このような反射鏡アンテナの鏡面精度を測定する技術として、従来は専用ゲージや測距測角儀などを用いた機械的測定技術および電波ホログラフィ法等の電気的測定技術が用いられている。機械的測定技術を用いた場合には、測定誤差がその測定冶工具の工作精度および設定精度などに依存するため、ミリ波やサブミリ波で観測を行う大口径電波望遠鏡などの反射鏡アンテナで要求される鏡面精度を有意に測定することは非常に困難であった。そこで、このようなミリ波やサブミリ波で観測を行う大口径電波望遠鏡などでは、初期の鏡面調整には機械的測定技術を用いるが、最終調整には電気的測定技術である電波ホログラフィ法を用いることが多い。
【0004】
図7は、従来の電波ホログラフィ法により反射鏡アンテナの鏡面精度を測定し、かつ制御する鏡面制御システムの構成を示す構成図である。この鏡面制御システムは、例えば「石黒正人、森田耕一郎、林左絵子、増田剛徳、蛭子井貴、別段信一、“電波ホログラフィ法による45m電波望遠鏡の鏡面精度測定”、三菱電機技報、vol.62、no.5、p.69〜74、1988年」に記載されたものである。図において、1は反射鏡アンテナ、2は静止衛星、3は静止衛星2に搭載された送信波源となるコリメーションアンテナ、4はコリメーションアンテナ3から放射された送信電波である。5は鏡面精度の測定対象となる主反射鏡、5aは主反射鏡5を分割して構成している鏡面パネル、5bは鏡面パネル5aの設置位置や姿勢を変化させるためのアクチュエータ、5cは鏡面パネル5aとアクチュエータ5bを支持するバックストラクチャである。6は主反射鏡5により反射し収束させられた電波を受信する一次放射器、7は一次放射器6から給電される受信機、8は支持柱である。9は受信機7から得られる反射鏡アンテナ1の放射界分布受信信号、10は放射界分布受信信号9を得るために反射鏡アンテナ1の姿勢を変化させるアンテナ姿勢信号である。11は放射界分布受信信号9とアンテナ姿勢信号10からフーリエ変換によって開口面分布を演算する電波ホログラフィ演算処理装置、12は電波ホログラフィ演算処理装置11で求められた開口面分布から鏡面精度を演算する鏡面精度演算装置である。13は鏡面精度演算装置12で得られた鏡面精度から主反射鏡5の鏡面パネル5aを駆動するアクチュエータ5bを制御するための鏡面制御装置、14はアクチュエータ制御信号、15は放射界分布受信信号の基準を測定する参照アンテナである。
【0005】
次に動作について説明する。
反射鏡アンテナ1において主反射鏡5の鏡面精度を測定するためには電波が用いられる。そのための電波の送信源位置は静止衛星2のように反射鏡アンテナ1から充分遠いところに設定される。また、静止衛星2の代わりに地上の充分離れた距離に送信波源を設置することもあるが、そのような場合は地面反射の影響を小さくできるような地形が選ばれる。反射鏡アンテナ1の放射界分布は、反射鏡アンテナ1の姿勢を二次元的に変化させながら送信電波4を受信することにより得られる。
【0006】
これにより、放射界分布受信信号9と反射鏡アンテナ1の姿勢を示すアンテナ姿勢信号10が対となって測定される。放射界分布と開口面分布の関係がフーリエ変換により表されることを利用して、放射界分布受信信号9を電波ホログラフィ演算処理装置11に与え、高速フーリエ変換などの演算処理を行い、主反射鏡5上の開口面分布を計算する。算出された開口面分布の位相項は開口面位相分布を表し、主反射鏡5の凹凸に対応している。鏡面精度演算装置12において、この位相偏差分布を使用波長で換算することにより、主反射鏡5の理想的な鏡面形状からの変形分布が得られ、鏡面精度を評価することができる。さらに、この変形分布を用いて、鏡面制御装置13により主反射鏡5を構成する鏡面パネル5aの設定をアクチュエータ5bにより補正して鏡面精度を向上させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の反射鏡アンテナの鏡面制御システムは以上のように構成されているが、アンテナ利得の点から考えると、主反射鏡5の鏡面精度は使用波長の1/20以下が必要であり、大口径の場合でもミリ波やサブミリ波など波長が短い周波数帯で用いられる反射鏡アンテナ1においては、相応に高い鏡面精度を実現する必要がある。そのため、より高い測定精度で鏡面精度を測定するには測定周波数を高くしなくてはならないが、静止衛星2の送信電波4では測定に用いることのできる周波数が限られており、十分な測定精度が確保できないという問題があった。
【0008】
また地上に送信波源を設ける場合や電波星を送信波源として用いる場合では、ある程度使用周波数を任意に選定できるが、ミリ波やサブミリ波などの波長が短い周波数帯で測定を行う場合には電波伝搬に伴う減衰が大きいため、充分なダイナミックレンジを確保するのが難しい。したがって、有意な放射界分布の測定を実施できる測定角度範囲が狭くなってしまう。上記のようにして放射界分布からフーリエ変換を用いて主反射鏡5の開口面分布を求める場合、放射界分布の測定範囲と開口面分布の解像度の関係が、近軸においてはほぼ反比例の関係にあることから、放射界分布の有意な測定角度範囲が狭い場合、開口面分布の解像度が不充分となる問題点があった。また、ミリ波やサブミリ波で観測を行うことを目的とする大口径電波望遠鏡では、機械的加工精度の点から各鏡面パネルのサイズを小さくすることがある。そのような場合には、特に必要とされる高解像度の開口面分布をいかに得るかが重要な課題となっていた。
【0009】
さらに、電波ホログラフィ法では必ず放射界分布の振幅と位相の両方を測る必要があるが、ミリ波やサブミリ波などの非常に周波数の高い領域では位相を測定すること自体が困難な場合が多い。また、開口面分布の二次元的なマップを作成する必要があるため、放射界分布を測定する際にも二次元的に測定を行う必要が有る。これには、比較的長い測定時間を要し、基本的に屋外環境での測定となるため、測定中に鏡面精度が気温や風などによる影響を受け変化するなどの課題があった。
【0010】
一方、非常に近距離で測定を行う場合には、上記のように遠方での放射界分布ではなく、主反射鏡5の開口面分布をプローブなどにより直接測定する必要がある。この場合、プローブを平面上、円筒面上あるいは球面上に機械的に走査して測定しなくてはならない。走査する範囲は主反射鏡5よりも広くとる必要があるため、ミリ波やサブミリ波で用いられる大口径電波望遠鏡などでは、その広い範囲を正確に走査することは事実上非常に困難であり、測定精度はプローブの走査精度によって制限されてしまうという問題があった。
【0011】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、従来においては使用することが困難であった高い周波数の電波を用いることができ、放射界分布の有効測定角度範囲が狭い場合でも高解像度の開口面分布が得られ、放射界分布の振幅のみの測定でも鏡面精度が評価でき、高精度に反射鏡アンテナの主反射鏡の鏡面精度を測定することができる反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置および鏡面制御システムを得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置は、複数の鏡面パネルで形成される主反射鏡を有する反射鏡アンテナの鏡面精度を測定する反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置において、反射鏡アンテナから所定の距離に配設されたコリメーションアンテナと、反射鏡アンテナの姿勢を制御して、所定の距離における反射鏡アンテナの放射界分布を測定する放射界分布測定手段と、事前測定データとして主反射鏡を形成する各鏡面パネルの放射界分布を保持する鏡面パネル放射界分布保持装置と、反射鏡アンテナの放射界分布、各鏡面パネルの放射界分布および反射鏡アンテナの姿勢を示すアンテナ姿勢信号に基づいて各鏡面パネルの複素励振係数を演算する複素励振係数演算手段と、各鏡面パネルの複素励振係数に基づいて各鏡面パネルの鏡面誤差と主反射鏡の鏡面精度を演算する鏡面精度演算手段とを備えたものである。
【0013】
この発明に係る反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置は、複数の鏡面パネルで形成される主反射鏡を有する反射鏡アンテナの鏡面精度を測定する反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置において、反射鏡アンテナから所定の距離に配設されたコリメーションアンテナと、反射鏡アンテナの姿勢を制御して、所定の距離における反射鏡アンテナの放射界分布を測定する放射界分布測定手段と、主反射鏡を複数の仮想的な鏡面パネルに分割した場合における各仮想鏡面パネル全ての放射界分布を演算する仮想鏡面パネル放射界分布演算装置と、反射鏡アンテナの放射界分布、各仮想鏡面パネルの放射界分布および反射鏡アンテナの姿勢を示すアンテナ姿勢信号に基づいて各仮想鏡面パネルの複素励振係数を演算する複素励振係数演算手段と、各仮想鏡面パネルの複素励振係数に基づいて各仮想鏡面パネルの鏡面誤差と主反射鏡の鏡面精度を演算する鏡面精度演算手段とを備えたものである。
【0014】
この発明に係る反射鏡アンテナの鏡面制御システムは、複数の鏡面パネルで形成される主反射鏡を有する反射鏡アンテナの鏡面精度を制御する反射鏡アンテナの鏡面制御システムにおいて、反射鏡アンテナから所定の距離に配設されたコリメーションアンテナと、反射鏡アンテナの姿勢を制御して、所定の距離における反射鏡アンテナの放射界分布を測定する放射界分布測定手段と、事前測定データとして主反射鏡を形成する鏡面パネルの放射界分布を保持する鏡面パネル放射界分布保持装置と、反射鏡アンテナの放射界分布、各鏡面パネルの放射界分布および反射鏡アンテナの姿勢を示すアンテナ姿勢信号に基づいて各鏡面パネルの複素励振係数を演算する複素励振係数演算手段と、各鏡面パネルの複素励振係数に基づいて各鏡面パネルの鏡面誤差と主反射鏡の鏡面精度を演算する鏡面精度演算手段と、各鏡面パネルの鏡面誤差に基づいて複数の鏡面パネルの設定位置を補正制御する鏡面制御手段とを備えたものである。
【0015】
この発明に係る反射鏡アンテナの鏡面制御システムは、複数の鏡面パネルで形成される主反射鏡を有する反射鏡アンテナの鏡面精度を制御する反射鏡アンテナの鏡面制御システムにおいて、反射鏡アンテナから所定の距離に配設されたコリメーションアンテナと、反射鏡アンテナの姿勢を制御して、所定の距離における反射鏡アンテナの放射界分布を測定する放射界分布測定手段と、主反射鏡を複数の仮想的な鏡面パネルに分割した場合における各仮想鏡面パネル全ての放射界分布を演算する仮想鏡面パネル放射界分布演算装置と、反射鏡アンテナの放射界分布、各仮想鏡面パネルの放射界分布および反射鏡アンテナの姿勢を示すアンテナ姿勢信号に基づいて各仮想鏡面パネルの複素励振係数を演算する複素励振係数演算手段と、各仮想鏡面パネルの複素励振係数に基づいて各仮想鏡面パネルの鏡面誤差と主反射鏡の鏡面精度を演算する鏡面精度演算手段と、各鏡面パネルの鏡面誤差に基づいて複数の鏡面パネルの設定位置を補正制御する鏡面制御手段とを備えたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の各実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置の構成を示す図で、前述した図7と同一または相当部分には同一符号を付して示し、以下各図も同様とする。図1において、1は鏡面精度の測定のために試供される反射鏡アンテナ、4は送信電波である。5は鏡面精度の測定対象となる主反射鏡、5aは主反射鏡5を分割して構成している鏡面パネル、5bは鏡面パネル5aの設置位置や姿勢を変化させるためのアクチュエータ、5cは鏡面パネル5aとアクチュエータ5bを支持するバックストラクチャである。6は主反射鏡5により反射し収束させられた電波を受信する一次放射器、7は一次放射器6から給電される受信機(放射界分布測定手段)、8は支持柱である。9は受信機7から得られる反射鏡アンテナ1の放射界分布受信信号、10は放射界分布受信信号9を得るために反射鏡アンテナ1の姿勢を変化させるアンテナ姿勢信号である。15は放射界分布受信信号の基準を測定する参照アンテナ、16は反射鏡アンテナ1から所定の距離に配設され反射鏡アンテナ1に対して送信電波4を放射するコリメーションアンテナ、17は鏡面パネル5a全ての放射界分布の事前測定データを保持する鏡面パネル放射界分布保持装置である。18は反射鏡アンテナ1の放射界分布受信信号9、アンテナ姿勢信号10および鏡面パネル放射界分布保持装置17の鏡面パネル放射界分布に基づいて各鏡面パネル5aの複素励振係数を演算する複素励振係数演算装置(複素励振係数演算手段)である。19は複素励振係数演算装置18により得られた各鏡面パネル5aの複素励振係数により各鏡面パネルの変位量を演算し、これにより主反射鏡5の鏡面精度を演算する鏡面精度演算装置(鏡面精度演算手段)である。
【0017】
なお、この実施の形態1における反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置ではアクチュエータ5bは必ずしも必要はなく、また反射鏡アンテナ1の放射界分布を測定する際にその振幅のみしか測定できない場合には参照アンテナ15は無くても良い。
【0018】
次に動作を鏡面精度測定原理について説明する。
図1に示された反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置において、反射鏡アンテナ1の鏡面調整を行うために反射鏡アンテナ1の放射界分布を用いる。コリメーションアンテナ16より放射された送信電波4は、反射鏡アンテナ1の主反射鏡5を構成する全ての鏡面パネル5aによって反射し収束されて一次放射器6へ入射し、受信機7により受信される。反射鏡アンテナ1の放射界分布は、反射鏡アンテナ1の姿勢を変化させながらコリメーションアンテナ16からの送信電波4を受信することで測定される。なお、反射鏡アンテナ1の放射界分布の測定はアンテナの可逆性から送信と受信の関係を入れ替えても同様に測定できる。
【0019】
主反射鏡5により反射収束した送信電波4は受信機7により受信された反射鏡アンテナ1の放射界分布受信信号9を取り出す。この放射界分布受信信号9はアンテナ姿勢信号10と共に複素励振係数演算装置18に与えられる。複素励振係数演算装置18は、これらの信号と鏡面パネル放射界分布保持装置17に予め保持された鏡面パネルの放射界分布に基づいて各鏡面パネルの複素励振係数を演算する。
【0020】
図5はこの発明に係る鏡面精度測定原理を示す図で、図5において、反射鏡アンテナ1の任意方向の観測点nでの放射界Eは、主反射鏡5を構成するm番目の鏡面パネル5a単体の同一観測点nにおける規格化放射界をemnとし、m番目の鏡面パネル5aの複素励振係数をaとすると、式(1)のように表現される。
【数1】
Figure 0003676294
各鏡面パネル5aの規格化放射界emnは、すでに事前に測定されていて既知とし、この鏡面パネル放射界分布保持装置17に記録されているものとする。
【0021】
反射鏡アンテナ1の放射界測定値Fが振幅と位相の両方を測定される場合、各鏡面パネル5aの複素励振係数aは、式(2)で定義される放射界測定値Fとの重み付き残差の二乗和εが最小となるよう最小二乗法を用いて算出を行う。観測点nでの重み係数をwとする。
【0022】
【数2】
Figure 0003676294
各鏡面パネル5aの複素励振係数aは次の式(3)で表される連立方程式を解くことにより一意に推定できる。
【0023】
【数3】
Figure 0003676294
また反射鏡アンテナ1の放射界測定値Fが振幅のみ測定される場合、各鏡面パネルの複素励振係数aは、次の式(4)で定義される放射電力測定値|Eとの重み付き残差の二乗和εが最小(極小)となるよう非線形最適化手法を用いた繰り返し演算により算出する。wは観測点nでの重み係数をとする。
【0024】
【数4】
Figure 0003676294
上記のような演算処理により、各鏡面パネル5aの複素励振係数aが算出される。この複素励振係数aの演算は複素励振係数演算装置18により実施される。
【0025】
ここで各鏡面パネル5aの複素励振係数について、その振幅は反射鏡アンテナ1の支持柱8によるブロッキング(遮蔽)を加味した一次放射器6の各鏡面パネル5aへの吹付け分布で決定され、その位相は各鏡面パネルの位置設定精度で決定される。
【0026】
いま、式(1)の関係を図示すれば図5(b)のようになる。任意の方向の観測点nにおいて反射鏡アンテナ1の利得(放射界)を最大とする場合、図5(c)に示すように各鏡面パネルの複素励振係数と規格化放射界の積が同位相になっている必要があり、これは各鏡面パネル5aの位置設定が理想的に設定されているとき鏡面精度が最良となって実現される。
【0027】
所望の方向の観測点nでの利得最大とする場合の、各鏡面パネル5aの鏡面誤差δmnおよび主反射鏡5の鏡面精度δは図6に示す関係を用いて次のように与えられる。
【0028】
【数5】
Figure 0003676294
【数6】
Figure 0003676294
【数7】
Figure 0003676294
【数8】
Figure 0003676294
【数9】
Figure 0003676294
【0029】
ただし、式(6)のθmnはm番目の鏡面パネル5aの入射波と出射波のなす角の半値、Δlmnはm番目の鏡面パネルの鏡面誤差δmnによる電波伝搬路長の変化を表す。式(7)のλは反射鏡アンテナ1の放射界分布の測定を行う周波数での自由空間中の波長を表す。式(8)のφmnはm番目の鏡面パネル5aによる観測点nでの複素励振係数aを加味した放射界amnの位相を表す。また、式(9)はφmnの平均値である。
【0030】
上記各鏡面パネル5aの鏡面誤差δmnと主反射鏡5の鏡面精度δの算出は鏡面精度演算装置19にて算出される。
以上により、各鏡面パネル5aの大きさに相当する分解能を有する鏡面誤差を示すマップが得られ、主反射鏡5の鏡面精度を測定することができる。
【0031】
反射鏡アンテナ1の放射界分布測定値として、少なくとも主反射鏡5を構成する鏡面パネル5aの数M以上の測定点数Nが有れば良く、この測定点は必ずしも二次元的に取得する必要はない。したがって、測定系のダイナミックレンジなどで決まる有意に放射界を測定できる範囲の放射界分布測定値のみで鏡面精度の測定を実施できる。そのため、測定時間も比較的短くて済み効率的でかつ測定中の気温や風の変化による影響も受けにくい。また反射鏡アンテナ1の放射界分布の振幅のみしか測定できない場合でも、上記のとおり鏡面精度の測定を実施できる。
なお、反射鏡アンテナ1が有する反射鏡が主反射鏡5のみならず複数の反射鏡を有する場合でも鏡面精度の測定を実施できる。
【0032】
以上のように、この実施の形態1によれば、事前測定データとして主反射鏡5を形成する鏡面パネル5aの放射界分布を鏡面パネル放射界分布保持装置17で保持するようにし、複素励振係数演算装置18により放射界分布受信信号9、アンテナ姿勢信号10および予め保持していた各鏡面パネル5aの放射界分布に基づいて各鏡面パネル5aの複素励振係数を演算し、算出した各鏡面パネル5aの複素励振係数に基づいて鏡面精度演算装置19で各鏡面パネル5aの鏡面誤差と主反射鏡5の鏡面精度を演算するようにしたので、反射鏡アンテナ1の放射界分布を、主反射鏡5を形成する鏡面パネル5aの放射界分布の合成で表現する際の各鏡面パネル5aの複素励振係数が得られ、各鏡面パネル5aが有する鏡面誤差を求めることができる。その結果として、使用する電波をミリ波やサブミリ波などの非常に波長の短い周波数帯を選定し、有意な測定が行える反射鏡アンテナ1の放射界分布の測定範囲が小さい場合でも、鏡面パネル5aの大きさに応じた解像度の鏡面誤差のマップが得られ、高精度な鏡面測定が行える効果が得られる。また、反射鏡アンテナ1の放射界分布の測定点は任意に選定でき、その数も鏡面パネルの枚数以上であれば良いため比較的に測定時間が短く、したがって測定中の気温・風などによる鏡面精度への影響の変化を軽減する効果が得られる。さらに、鏡面精度測定にあたって反射鏡アンテナ1の放射界分布の振幅のみの測定でも鏡面精度を評価できる効果が得られる。
【0033】
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2による反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置の構成を示す図である。図において、20は主反射鏡5を複数の仮想的な鏡面パネルに分割した場合における各仮想鏡面パネル全ての放射界分布を演算する仮想鏡面パネル放射界分布演算装置である。それ以外は実施の形態1と同様であり説明を省略する。
実施の形態1においては、各鏡面パネル5aの規格化放射界emnは事前に測定され鏡面パネル放射界分布保持装置17に保持された実測結果を用いた。この実施の形態2では、実測結果に代わって、主反射鏡5を複数の仮想的な鏡面パネルに分割し、各仮想鏡面パネル全ての放射界分布を仮想鏡面パネル放射界分布演算装置20によって演算し求める。この場合、仮想鏡面パネル放射界分布演算装置20は電流分布法や開口面分布法などにより演算するが、得られた各仮想鏡面パネルの放射界分布は各鏡面パネル5aの規格化放射界emnとして用いられる。この場合、複素励振係数演算装置18は放射界分布受信信号9、アンテナ姿勢信号10および各仮想鏡面パネルの放射界分布に基づいて各仮想鏡面パネルの複素励振係数を演算することになる。その他の鏡面精度測定に関する内容については実施の形態1と同様である。
【0034】
以上のように、この実施の形態2によれば、鏡面パネル放射界分布保持装置の実測データの代わりに仮想鏡面パネル放射界分布演算装置20により演算した各仮想鏡面パネルの放射界分布を用いるようにしたので、各鏡面パネル5a単体の放射界分布を測定する必要が無くなり、ミリ波やサブミリ波などの非常に波長の短い周波数での測定において、各鏡面パネル5a単体の面積が主反射鏡5の面積よりも必ず小さくなる。結果として、その利得が低くなり、鏡面パネル5a単体の放射界分布を測定することが困難な場合でも鏡面精度の測定を行える効果が得られる。また実測定の回数が減るため、反射鏡アンテナ1の鏡面精度測定にあたっての総合の所要時間を実施の形態1に比べて短縮することができる効果が得られる。さらに、仮想鏡面パネルの大きさについては任意に選定できるので、実際の鏡面パネル5aの大きさよりも小さく設定することができ、より分解能の高い鏡面誤差のマップを作成できる効果が得られる。さらにまた、反射鏡アンテナ1の主反射鏡5は必ずしも複数の鏡面パネル5aに分割されている必要も無いため、反射鏡アンテナ1に対する制約が少なくて済むなどの効果も得られる。
【0035】
実施の形態3.
図3はこの発明の実施の形態3による反射鏡アンテナの鏡面制御システムの構成を示す構成図である。図において、13は鏡面精度演算装置19で得られた各鏡面パネル5aの鏡面誤差δmnに基づいて主反射鏡5の鏡面パネル5aの設定位置を調整するアクチュエータ5bを駆動制御するための鏡面制御装置(鏡面制御手段)、14はそのために鏡面誤差δmnに応じて生成されるアクチュエータ制御信号である。それ以外は実施の形態1と同様であり説明を省略する。
なお、各鏡面パネル5aの鏡面誤差δmnと主反射鏡5の鏡面精度δの算出までは実施の形態1と同様に行う。
【0036】
次に動作について説明する。
鏡面精度演算装置19において各鏡面パネル5aの鏡面誤差δmnが得られるが、この鏡面誤差δmnを鏡面制御装置13に入力し、アクチュエータ制御信号14を生成する。アクチュエータ制御信号14は各鏡面パネル5aのアクチュエータ5bに対応した数の信号であり、それぞれが各鏡面パネル5aの鏡面誤差δmnに応じた値を持つ。したがって、アクチュエータ制御信号14のそれぞれがアクチュエータ5bを駆動して各鏡面パネル5aの設定位置を補正する。このことにより、主反射鏡5の鏡面精度を向上させることができ、高い鏡面精度が得られるようになる。
【0037】
以上のように、実施の形態3によれば、実施の形態1に加え、鏡面精度演算装置19から得られる鏡面誤差に基づき鏡面制御装置13により複数の鏡面パネル5aの設定位置をそれぞれ補正制御するようにしたので、反射鏡アンテナ1の放射界分布を、主反射鏡5を形成する鏡面パネル5aの放射界分布の合成で表現する際の各鏡面パネルの複素励振係数を得、鏡面パネル5aの大きさに応じた解像度の鏡面誤差のマップを求め、これをもとに各鏡面パネル5aを調整し、高い鏡面精度の主反射鏡5を構成する効果が得られる。
【0038】
実施の形態4.
図4はこの発明の実施の形態4による反射鏡アンテナの鏡面制御システムの構成を示す図である。図において、13は鏡面精度演算装置19で得られた各仮想鏡面パネルの鏡面誤差δmnに基づいて主反射鏡5の実際の鏡面パネル5aの設定位置を調整するアクチュエータ5bを駆動制御するための鏡面制御装置(鏡面制御手段)、14はそのために鏡面誤差δmnに応じて生成されるアクチュエータ制御信号である。それ以外は実施の形態2と同様であり説明を省略する。
各仮想鏡面パネルの鏡面誤差δmnと主反射鏡5の鏡面精度δの算出までは実施の形態2と同様に行う。
【0039】
次に動作について説明する。
鏡面精度演算装置19において各仮想鏡面パネルの鏡面誤差δmnが得られるが、この鏡面誤差δmnを鏡面制御装置13に入力し、アクチュエータ制御信号14を生成する。アクチュエータ制御信号14は各鏡面パネル5aのアクチュエータ5bに対応した数の信号であり、それぞれが各仮想鏡面パネルの鏡面誤差δmnに応じた値を持つ。したがって、アクチュエータ制御信号14のそれぞれがアクチュエータ5bを駆動して各鏡面パネル5aの設定位置を補正する。このことにより、主反射鏡5の鏡面精度を向上させることができ、高い鏡面精度が得られるようになる。
【0040】
以上のように、この実施の形態4によれば、実施の形態2に加え、鏡面精度演算装置19から得られる各仮想鏡面パネルの鏡面誤差に基づき鏡面制御装置13により複数の鏡面パネル5aの設定位置をそれぞれ補正制御するようにしたので、反射鏡アンテナ1の放射界分布を、主反射鏡5を形成する仮想鏡面パネルの放射界分布の合成で表現する際の各仮想鏡面パネルの複素励振係数を得、仮想鏡面パネルの大きさに応じた解像度の鏡面誤差のマップを求め、これをもとに各鏡面パネル5aを調整し、高い鏡面精度の主反射鏡5を構成する効果が得られる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、複数の鏡面パネルで形成される主反射鏡を有する反射鏡アンテナの鏡面精度を測定する反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置において、反射鏡アンテナから所定の距離に配設されたコリメーションアンテナと、反射鏡アンテナの姿勢を制御して、所定の距離における反射鏡アンテナの放射界分布を測定する放射界分布測定手段と、事前測定データとして主反射鏡を形成する各鏡面パネルの放射界分布を保持する鏡面パネル放射界分布保持装置と、反射鏡アンテナの放射界分布、各鏡面パネルの放射界分布および反射鏡アンテナの姿勢を示すアンテナ姿勢信号に基づいて各鏡面パネルの複素励振係数を演算する複素励振係数演算手段と、各鏡面パネルの複素励振係数に基づいて各鏡面パネルの鏡面誤差と主反射鏡の鏡面精度を演算する鏡面精度演算手段とを備えるように構成したので、反射鏡アンテナの放射界分布を、主反射鏡を形成する鏡面パネルの放射界分布の合成で表現する際の各鏡面パネルの複素励振係数が得られ、各鏡面パネルが有する鏡面誤差を求めることができる。その結果、使用する電波をミリ波やサブミリ波などの非常に波長の短い周波数帯を選定し、有意な測定が行える反射鏡アンテナの放射界分布の測定範囲が小さい場合でも、鏡面パネルの大きさに応じた解像度の鏡面誤差のマップが得られ、高精度な鏡面測定を実施できる効果がある。また、反射鏡アンテナの放射界分布の測定点は任意に選定でき、その数も鏡面パネルの枚数以上であれば良いため比較的に測定時間が短く、したがって測定中の気温や風などによる鏡面精度への影響の変化を軽減できる効果がある。さらに、鏡面精度測定にあたって反射鏡アンテナの放射界分布の振幅のみの測定でも鏡面精度を評価することができる効果がある。
【0042】
この発明によれば、複数の鏡面パネルで形成される主反射鏡を有する反射鏡アンテナの鏡面精度を測定する反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置において、反射鏡アンテナから所定の距離に配設されたコリメーションアンテナと、反射鏡アンテナの姿勢を制御して、所定の距離における反射鏡アンテナの放射界分布を測定する放射界分布測定手段と、主反射鏡を複数の仮想的な鏡面パネルに分割した場合における各仮想鏡面パネル全ての放射界分布を演算する仮想鏡面パネル放射界分布演算装置と、反射鏡アンテナの放射界分布、各仮想鏡面パネルの放射界分布および反射鏡アンテナの姿勢を示すアンテナ姿勢信号に基づいて各仮想鏡面パネルの複素励振係数を演算する複素励振係数演算手段と、各仮想鏡面パネルの複素励振係数に基づいて各仮想鏡面パネルの鏡面誤差と主反射鏡の鏡面精度を演算する鏡面精度演算手段とを備えるように構成したので、反射鏡アンテナの放射界分布を、主反射鏡を形成するものとする仮想鏡面パネルの放射界分布の合成で表現する際の各仮想鏡面パネルの複素励振係数を得て各仮想鏡面パネルが有する鏡面誤差を求めることができる。その結果、反射鏡アンテナの放射界分布の測定範囲が小さい場合でも仮想鏡面パネルの大きさに応じた解像度の鏡面誤差のマップを得ることができる効果がある。特に、仮想鏡面パネルの大きさは任意に選定でき、したがって高解像度の鏡面誤差のマップが得られる効果がある。また、反射鏡アンテナは必ずしも主反射鏡が複数の鏡面パネルで構成されている必要が無く、各鏡面パネル単体の放射界分布を測定で評価する必要が無いため、鏡面精度測定に必要な総合の時間を短くすることができる効果がある。
【0043】
この発明によれば、複数の鏡面パネルで形成される主反射鏡を有する反射鏡アンテナの鏡面精度を制御する反射鏡アンテナの鏡面制御システムにおいて、反射鏡アンテナから所定の距離に配設されたコリメーションアンテナと、反射鏡アンテナの姿勢を制御して、所定の距離における反射鏡アンテナの放射界分布を測定する放射界分布測定手段と、事前測定データとして主反射鏡を形成する鏡面パネルの放射界分布を保持する鏡面パネル放射界分布保持装置と、反射鏡アンテナの放射界分布、各鏡面パネルの放射界分布および反射鏡アンテナの姿勢を示すアンテナ姿勢信号に基づいて各鏡面パネルの複素励振係数を演算する複素励振係数演算手段と、各鏡面パネルの複素励振係数に基づいて各鏡面パネルの鏡面誤差と主反射鏡の鏡面精度を演算する鏡面精度演算手段と、各鏡面パネルの鏡面誤差に基づいて複数の鏡面パネルの設定位置を補正制御する鏡面制御手段とを備えるように構成したので、反射鏡アンテナの放射界分布を、主反射鏡を形成する鏡面パネルの放射界分布の合成で表現する際の各鏡面パネルの複素励振係数を得て鏡面パネルの大きさに応じた解像度の鏡面誤差のマップを求め、これをもとに各鏡面パネルを設定位置を調整することにより高い鏡面精度の主反射鏡を得ることができる効果がある。
【0044】
この発明によれば、複数の鏡面パネルで形成される主反射鏡を有する反射鏡アンテナの鏡面精度を制御する反射鏡アンテナの鏡面制御システムにおいて、反射鏡アンテナから所定の距離に配設されたコリメーションアンテナと、反射鏡アンテナの姿勢を制御して、所定の距離における反射鏡アンテナの放射界分布を測定する放射界分布測定手段と、主反射鏡を複数の仮想的な鏡面パネルに分割した場合における各仮想鏡面パネル全ての放射界分布を演算する仮想鏡面パネル放射界分布演算装置と、反射鏡アンテナの放射界分布、各仮想鏡面パネルの放射界分布および反射鏡アンテナの姿勢を示すアンテナ姿勢信号に基づいて各仮想鏡面パネルの複素励振係数を演算する複素励振係数演算手段と、各仮想鏡面パネルの複素励振係数に基づいて各仮想鏡面パネルの鏡面誤差と主反射鏡の鏡面精度を演算する鏡面精度演算手段と、各鏡面パネルの鏡面誤差に基づいて複数の鏡面パネルの設定位置を補正制御する鏡面制御手段とを備えるように構成したので、反射鏡アンテナの放射界分布を、主反射鏡を形成するものとする仮想鏡面パネルの放射界分布の合成で表現する際の各仮想鏡面パネルの複素励振係数を得ることができ、仮想鏡面パネルの大きさに応じた解像度の鏡面誤差のマップを求め、これをもとに各鏡面パネルの設定位置を調整することにより高い鏡面精度の主反射鏡を得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置の構成を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態2による反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置の構成を示す構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態3による鏡面精度制御システムの構成を示す構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態4による鏡面精度制御システムの構成を示す構成図である。
【図5】 この発明の反射鏡アンテナの鏡面精度測定原理を説明するための説明図である。
【図6】 この発明の反射鏡アンテナの鏡面精度測定原理を説明するための説明図である。
【図7】 従来の反射鏡アンテナの鏡面制御システムの構成を示す構成図である。
【符号の説明】
1 反射鏡アンテナ、4 送信電波、5 主反射鏡、5a 鏡面パネル、5bアクチュエータ、5c バックストラクチャ、6 一次放射器、7 受信機(放射界分布測定手段)、8 支持柱、9 放射界分布受信信号、10 アンテナ姿勢信号、13 鏡面制御装置(鏡面制御手段)、14 アクチュエータ制御信号、15 参照アンテナ、16 コリメーションアンテナ、17 鏡面パネル放射界分布保持装置、18 複素励振係数演算装置(複素励振係数演算手段)、19 鏡面精度演算装置(鏡面精度演算手段)、20 仮想鏡面パネル放射界分布演算装置。

Claims (4)

  1. 複数の鏡面パネルで形成される主反射鏡を有する反射鏡アンテナの鏡面精度を測定する反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置において、
    前記反射鏡アンテナから所定の距離に配設されたコリメーションアンテナと、前記反射鏡アンテナの姿勢を制御して、前記所定の距離における前記反射鏡アンテナの放射界分布を測定する放射界分布測定手段と、
    事前測定データとして前記主反射鏡を形成する各鏡面パネルの放射界分布を保持する鏡面パネル放射界分布保持装置と、
    前記反射鏡アンテナの放射界分布、前記各鏡面パネルの放射界分布および前記反射鏡アンテナの姿勢を示すアンテナ姿勢信号に基づいて各鏡面パネルの複素励振係数を演算する複素励振係数演算手段と、
    前記各鏡面パネルの複素励振係数に基づいて各鏡面パネルの鏡面誤差と前記主反射鏡の鏡面精度を演算する鏡面精度演算手段とを備えたことを特徴とする反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置。
  2. 複数の鏡面パネルで形成される主反射鏡を有する反射鏡アンテナの鏡面精度を測定する反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置において、
    前記反射鏡アンテナから所定の距離に配設されたコリメーションアンテナと、前記反射鏡アンテナの姿勢を制御して、前記所定の距離における前記反射鏡アンテナの放射界分布を測定する放射界分布測定手段と、
    前記主反射鏡を複数の仮想的な鏡面パネルに分割した場合における各仮想鏡面パネル全ての放射界分布を演算する仮想鏡面パネル放射界分布演算装置と、
    前記反射鏡アンテナの放射界分布、前記各仮想鏡面パネルの放射界分布および前記反射鏡アンテナの姿勢を示すアンテナ姿勢信号に基づいて各仮想鏡面パネルの複素励振係数を演算する複素励振係数演算手段と、
    前記各仮想鏡面パネルの複素励振係数に基づいて各仮想鏡面パネルの鏡面誤差と主反射鏡の鏡面精度を演算する鏡面精度演算手段とを備えたことを特徴とする反射鏡アンテナの鏡面精度測定装置。
  3. 複数の鏡面パネルで形成される主反射鏡を有する反射鏡アンテナの鏡面精度を制御する反射鏡アンテナの鏡面制御システムにおいて、
    前記反射鏡アンテナから所定の距離に配設されたコリメーションアンテナと、
    前記反射鏡アンテナの姿勢を制御して、前記所定の距離における前記反射鏡アンテナの放射界分布を測定する放射界分布測定手段と、
    事前測定データとして前記主反射鏡を形成する鏡面パネルの放射界分布を保持する鏡面パネル放射界分布保持装置と、
    前記反射鏡アンテナの放射界分布、前記各鏡面パネルの放射界分布および前記反射鏡アンテナの姿勢を示すアンテナ姿勢信号に基づいて各鏡面パネルの複素励振係数を演算する複素励振係数演算手段と、
    前記各鏡面パネルの複素励振係数に基づいて各鏡面パネルの鏡面誤差と前記主反射鏡の鏡面精度を演算する鏡面精度演算手段と、
    前記各鏡面パネルの鏡面誤差に基づいて前記複数の鏡面パネルの設定位置を補正制御する鏡面制御手段とを備えたことを特徴とする反射鏡アンテナの鏡面制御システム。
  4. 複数の鏡面パネルで形成される主反射鏡を有する反射鏡アンテナの鏡面精度を制御する反射鏡アンテナの鏡面制御システムにおいて、
    前記反射鏡アンテナから所定の距離に配設されたコリメーションアンテナと、前記反射鏡アンテナの姿勢を制御して、前記所定の距離における前記反射鏡アンテナの放射界分布を測定する放射界分布測定手段と、
    主反射鏡を複数の仮想的な鏡面パネルに分割した場合における各仮想鏡面パネル全ての放射界分布を演算する仮想鏡面パネル放射界分布演算装置と、
    前記反射鏡アンテナの放射界分布、前記各仮想鏡面パネルの放射界分布および前記反射鏡アンテナの姿勢を示すアンテナ姿勢信号に基づいて各仮想鏡面パネルの複素励振係数を演算する複素励振係数演算手段と、
    前記各仮想鏡面パネルの複素励振係数に基づいて各仮想鏡面パネルの鏡面誤差と前記主反射鏡の鏡面精度を演算する鏡面精度演算手段と、
    前記各鏡面パネルの鏡面誤差に基づいて前記複数の鏡面パネルの設定位置を補正制御する鏡面制御手段とを備えたことを特徴とする反射鏡アンテナの鏡面制御システム。
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