JP6198547B2 - アンテナ装置 - Google Patents
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Description
一方、レーダ装置に使用されるアンテナ装置においては、相手方から自身の位置を検出されないように、アンテナ装置自身のレーダ断面積(RCS:Radar Cross Section)を小さくすることが求められている。
しかし、アクティブフェーズドアレーアンテナを採用しているアンテナ装置では、一般的に、数百以上のアンテナ素子を用いるため、アンテナの口径が大口径になって、RCSが大きくなる。
アンテナが相手方から送信されたレーダ波を受信すると、アンテナの表面で反射するレーダ波の反射波を打ち消すために、アンテナにより受信されたレーダ波の振幅や位相を調整し、調整後のレーダ波を再放射波として、そのアンテナから放射することで、アンテナ装置のRCSを低減する方法。
図8のアンテナ素子101は、相手方から送信されたレーダ波を受信すると、その受信信号を切換スイッチ103に出力する一方、電力反射装置106から切換スイッチ103を介して再放射波を受けると、その再放射波を放射する。
切換スイッチ103は、相手方から送信されたレーダ波を受信する際にはアンテナ素子101と増幅器104を接続し、再放射波を放射する際にはアンテナ素子101と電力反射装置106を接続する処理を実施する。
受信回路105は、増幅器104から出力された受信信号に対する各種の受信処理を実施して、受信処理後の信号をレーダ装置に出力する。
電力反射装置106は、アンテナ素子101により受信されたレーダ波の振幅や位相を調整し、調整後のレーダ波を再放射波として、切換スイッチ103に出力する処理を実施する。
図9のサーキュレータ111は切換スイッチ103からアンテナ素子101の受信信号を受けると、その受信信号を増幅器112に出力する一方、移相器114から出力された再放射波を切換スイッチ103に出力する処理を実施する。
増幅器112は、サーキュレータ111から出力された受信信号の振幅を増幅し、振幅増幅後の受信信号を可変減衰器113に出力する処理を実施する。
可変減衰器113は、増幅器112から出力された受信信号の振幅を調整し、振幅調整後の受信信号を移相器114に出力する処理を実施する。
移相器114は、可変減衰器113から出力された受信信号の位相を調整し、位相調整後の受信信号を再放射波として、サーキュレータ111に出力する処理を実施する。
これにより、アンテナ素子101の表面及び地導体102でのレーダ波の反射波と、アンテナ素子101から放射される再放射波とが互いに打ち消し合うことで、アンテナ装置のRCSが低減される。
したがって、アンテナ装置全体のRCSは、アンテナ素子101の表面や地導体102のほか、アンテナ周囲構造物での反射を含めた形で決まり、多くの場合、アンテナ装置全体のRCSは、アンテナ周囲構造物での反射波が主要因であると考えられる。
なお、特許文献1には、可変減衰器113における振幅を調整量や、移相器114における位相の調整量を具体的に決定する方法が開示されていないため、試行錯誤的に振幅や位相を調整しなければならず、RCSを低減させることが可能な調整量を迅速に決定することが困難であると考えられる。
図1はこの発明の実施の形態1によるアンテナ装置を示す構成図である。
図1において、アンテナ素子1は相手方から送信されたレーダ波を入射し、そのレーダ波を受信信号としてサーキュレータ2に出力する一方、サーキュレータ2から出力された再放射波を外部に放射する。
サーキュレータ2はアンテナ素子1から出力された受信信号を振幅調整器3に出力する一方、移相器4から出力された再放射波をアンテナ素子1に出力する。
移相器4は移相器制御回路10の指示の下で、振幅調整器3から出力された受信信号の位相を調整し、位相調整後の受信信号を再放射波としてサーキュレータ2に出力する処理を実施する。
なお、振幅調整器3及び移相器4から振幅位相調整手段が構成されている。
アンテナ周囲構造反射波記憶回路6は例えばRAMやハードディスクなどの記憶装置から構成されており、アンテナ周囲構造物によるレーダ波の反射波である構造物反射波の複素電界値Ebを記憶している。
このアンテナ周囲構造物は、アンテナ素子1の表面や地導体のほか、アンテナ素子1を支持する構造物や、アンテナ装置の全体を支持する筐体等の構造物を含んでいるものとする。
なお、基準再放射波記憶回路5及びアンテナ周囲構造反射波記憶回路6から複素電界値記憶手段が構成されている。
最適制御量演算回路8は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、基準再放射波記憶回路5により記憶されている基準再放射波の複素電界値Eaとアンテナ装置全体の反射波の目標値である目標反射波の複素電界値とを用いて、振幅利得g(振幅調整量)及び移相量Ψ(位相調整量)を算出する処理を実施する。
即ち、最適制御量演算回路8は基準再放射波記憶回路5により記憶されている基準再放射波の複素電界値Ea及びアンテナ周囲構造反射波記憶回路6により記憶されている構造物反射波の複素電界値Ebを用いて、アンテナ装置全体の反射波の複素電界値と目標反射波設定回路7により設定されている目標反射波の複素電界値E0との差分を最小化する振幅利得g及び移相量Ψを算出する処理を実施する。なお、最適制御量演算回路8は調整量算出手段を構成している。
この実施の形態1では、アンテナ装置全体の反射波の複素電界値と目標反射波の複素電界値E0との差分を最小化する振幅利得g及び移相量Ψを算出する例を説明するが、上記の差分を最小化しなくても、小さくなれば、後述するアンテナ装置全体のレーダ断面積を低減させる効果が得られる。
移相器制御回路10は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、最適制御量演算回路8により算出された移相量Ψだけアンテナ素子1の受信信号の位相をずらすことで、その受信信号の位相を調整する旨を移相器4に指示する処理を実施する。
なお、振幅調整器制御回路9及び移相器制御回路10から調整制御手段が構成されている。
アンテナ素子1は、相手方から送信されたレーダ波を入射すると、そのレーダ波を受信信号としてサーキュレータ2に出力する。
サーキュレータ2は、アンテナ素子1から受信信号を受けると、その受信信号を振幅調整器3に出力する。
アンテナ周囲構造物で反射されるレーダ波の成分は、構造物反射波の複素電界値Ebとしてアンテナ周囲構造反射波記憶回路6により記憶されている。
なお、構造物反射波の複素電界値Ebについては、例えば、電磁界解析などを実施することで求められる計算値を用いることができるが、構造物反射波の複素電界値Ebの具体的な求め方については、下記の実施の形態6で説明する。
基準再放射波の複素電界値Eaについても、例えば、電磁界解析などを実施することで求められる計算値を用いることができるが、基準再放射波の複素電界値Eaの具体的な求め方については、下記の実施の形態6で説明する。
即ち、振幅調整器3は、振幅調整器制御回路9が指示する振幅利得gをアンテナ素子1の受信信号に乗算することで、その受信信号の振幅を調整し、振幅調整後の受信信号を移相器4に出力する。
移相器4は、振幅調整器3から振幅調整後の受信信号を受けると、移相器制御回路10の指示の下で、その受信信号の位相を調整して、位相調整後の受信信号を再放射波としてサーキュレータ2に出力する。
即ち、移相器4は、移相器制御回路10が指示する移相量Ψだけ受信信号の位相をずらすことで、その受信信号の位相を調整し、位相調整後の受信信号を再放射波としてサーキュレータ2に出力する。
これにより、アンテナ素子1から下記の式(1)に示すような再放射波が外部に放射される。
式(1)において、Eaは基準再放射波の複素電界値であり、基準再放射波記憶回路5により記憶されている複素電界値に相当する。
即ち、アンテナ装置全体の反射波の複素電界値は、下記の式(2)のように表される。
式(2)より分かるように、振幅調整器3における増幅利得gと、移相器4における移相量Ψとを制御することで、アンテナ装置全体の反射波を自在に制御することができる。
そこで、この実施の形態1では、アンテナ装置全体の反射波の複素電界値が、目標反射波設定回路7で設定された所望の目標反射波の複素電界値E0と一致するように、振幅調整器3における増幅利得gと、移相器4における移相量Ψとを制御するようにする。具体的には、以下の通りである。
最適制御量演算回路8は、評価関数F1を用意すると、例えば、最急降下法や共役勾配法などの非線形最適化手法を用いて、評価関数F1を最小化する振幅利得g及び移相量Ψを算出する。
振幅調整器3は、振幅調整器制御回路9の指示の下、その振幅利得gをサーキュレータ2から出力された受信信号に乗算することで、その受信信号の振幅を調整し、振幅調整後の受信信号を移相器4に出力する。
移相器4は、移相器制御回路10の指示の下、その移相量Ψだけ振幅調整器3から出力された受信信号の位相をずらすことで、その受信信号の位相を調整し、位相調整後の受信信号を再放射波としてサーキュレータ2に出力する。
サーキュレータ2は、移相器4から再放射波を受けると、その再放射波をアンテナ素子1に出力することで、アンテナ素子1から再放射波が外部に放射されるが、この場合のアンテナ装置全体の反射波の複素電界値は、目標反射波の複素電界値E0と略同一になる。
この場合、下記の式(4)に示すような評価関数F2を用意して、その評価関数F2を最小化する振幅利得g及び移相量Ψを算出するようにしてもよい。
この場合でも、評価関数F2を最小化する振幅利得g及び移相量Ψにしたがって受信信号の振幅及び位相を調整することで、アンテナ装置全体の反射波の複素電界値が、目標反射波の複素電界値E0と略同一になる。
逆に、目標反射波の複素電界値E0を大きな値に設定すれば、アンテナ装置全体のRCSを増大させることも可能である。
また、図2(b)に示すように移相器4の出力を短絡終端、あるいは、図2(c)に示すように移相器4の出力を開放終端することで反射波を得て、アンテナ素子1から反射波を再放射するようにしてもよい。
上記実施の形態1では、アンテナ素子1の本数が1本である例を示したが、この実施の形態2では、アンテナ素子1の本数がN本である例を説明する。
図3はこの発明の実施の形態2によるアンテナ装置を示す構成図である。
図3において、アンテナ素子1−n(n=1,2,3,・・・,N)は相手方から送信されたレーダ波を入射し、そのレーダ波を受信信号としてサーキュレータ2−nに出力する一方、サーキュレータ2−nから出力された再放射波を外部に放射する。
サーキュレータ2−n(n=1,2,3,・・・,N)はアンテナ素子1−nから出力された受信信号を振幅調整器3−nに出力する一方、移相器4−nから出力された再放射波をアンテナ素子1−nに出力する。
移相器4−n(n=1,2,3,・・・,N)は移相器制御回路26の指示の下で、振幅調整器3−nから出力された受信信号の位相を調整し、位相調整後の受信信号を再放射波としてサーキュレータ2−nに出力する処理を実施する。
なお、振幅調整器3−n及び移相器4−nから振幅位相調整手段が構成されている。
アンテナ周囲構造反射波記憶回路22は例えばRAMやハードディスクなどの記憶装置から構成されており、図1のアンテナ周囲構造反射波記憶回路6と同様に、アンテナ周囲構造物によるレーダ波の反射波である構造物反射波の複素電界値Ebを記憶している。
なお、基準再放射波記憶回路21及びアンテナ周囲構造反射波記憶回路22から複素電界値記憶手段が構成されている。
最適制御量演算回路24は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、基準再放射波記憶回路21により記憶されている基準再放射波の複素電界値Eanとアンテナ装置全体の反射波の目標値である複素電界値とを用いて、振幅利得gn(振幅調整量)及び移相量Ψn(位相調整量)を算出する処理を実施する。
即ち、最適制御量演算回路24は基準再放射波記憶回路21により記憶されている基準再放射波の複素電界値Ean及びアンテナ周囲構造反射波記憶回路22により記憶されている構造物反射波の複素電界値Ebを用いて、アンテナ装置全体の反射波の複素電界値と目標反射波設定回路23により設定されている目標反射波の複素電界値E0との差分を最小化する振幅利得gn及び移相量Ψnを算出する処理を実施する。なお、最適制御量演算回路23は調整量算出手段を構成している。
移相器制御回路26は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、最適制御量演算回路24により算出された移相量Ψnだけ受信信号の位相をずらすことで、その受信信号の位相を調整する旨を移相器4−nに指示する処理を実施する。
なお、振幅調整器制御回路25及び移相器制御回路26から調整制御手段が構成されている。
アンテナ素子1−n(n=1,2,3,・・・,N)は、相手方から送信されたレーダ波を入射すると、そのレーダ波を受信信号としてサーキュレータ2−nに出力する。
サーキュレータ2−n(n=1,2,3,・・・,N)は、アンテナ素子1−nから受信信号を受けると、その受信信号を振幅調整器3−nに出力する。
アンテナ周囲構造物で反射されるレーダ波の成分は、構造物反射波の複素電界値Ebとしてアンテナ周囲構造反射波記憶回路22により記憶されている。
なお、構造物反射波の複素電界値Ebについては、例えば、電磁界解析などを実施することで求められる計算値を用いることができるが、構造物反射波の複素電界値Ebの具体的な求め方については、下記の実施の形態6で説明する。
基準再放射波の複素電界値Eanについても、例えば、電磁界解析などを実施することで求められる計算値を用いることができるが、基準再放射波の複素電界値Eaの具体的な求め方については、下記の実施の形態6で説明する。
即ち、振幅調整器3−nは、振幅調整器制御回路25が指示する振幅利得gnを受信信号に乗算することで、その受信信号の振幅を調整し、振幅調整後の受信信号を移相器4−nに出力する。
移相器4−n(n=1,2,3,・・・,N)は、振幅調整器3−nから振幅調整後の受信信号を受けると、移相器制御回路26の指示の下で、その受信信号の位相を調整して、位相調整後の受信信号を再放射波としてサーキュレータ2−nに出力する。
即ち、移相器4−nは、移相器制御回路26が指示する移相量Ψnだけ受信信号の位相をずらすことで、その受信信号の位相を調整し、位相調整後の受信信号を再放射波としてサーキュレータ2−nに出力する。
これにより、アンテナ素子1−nから下記の式(5)に示すような再放射波が外部に放射される。
式(5)において、Eanは基準再放射波の複素電界値であり、基準再放射波記憶回路21により記憶されている複素電界値に相当する。
即ち、アンテナ装置全体の反射波の複素電界値は、下記の式(6)のように表される。
式(6)より分かるように、振幅調整器3−nにおける増幅利得gnと、移相器4−nにおける移相量Ψnとを制御することで、アンテナ装置全体の反射波を自在に制御することができる。
そこで、この実施の形態2では、アンテナ装置全体の反射波の複素電界値が、目標反射波設定回路23で設定された所望の目標反射波の複素電界値E0と一致するように、振幅調整器3−nにおける増幅利得gnと、移相器4−nにおける移相量Ψnとを制御するようにする。具体的には、以下の通りである。
最適制御量演算回路24は、評価関数F3を用意すると、例えば、最急降下法や共役勾配法などの非線形最適化手法を用いて、評価関数F3を最小化する振幅利得gn及び移相量Ψnを算出する。
振幅調整器3−nは、振幅調整器制御回路25の指示の下、その振幅利得gnをサーキュレータ2−nから出力された受信信号に乗算することで、その受信信号の振幅を調整し、振幅調整後の受信信号を移相器4−nに出力する。
移相器4−nは、移相器制御回路26の指示の下、その移相量Ψnだけ振幅調整器3−nから出力された受信信号の位相をずらすことで、その受信信号の位相を調整し、位相調整後の受信信号を再放射波としてサーキュレータ2−nに出力する。
サーキュレータ2−nは、移相器4−nから再放射波を受けると、その再放射波をアンテナ素子1−nに出力することで、アンテナ素子1−nから再放射波が外部に放射されるが、この場合のアンテナ装置全体の反射波の複素電界値は、目標反射波の複素電界値E0と略同一になる。
この場合、下記の式(8)に示すような評価関数F4を用意して、その評価関数F4を最小化する振幅利得gn及び移相量Ψnを算出するようにしてもよい。
この場合でも、評価関数F4を最小化する振幅利得gn及び移相量Ψnにしたがって受信信号の振幅及び位相を調整することで、アンテナ装置全体の反射波の複素電界値が、目標反射波の複素電界値E0と略同一になる。
逆に、目標反射波の複素電界値E0を大きな値に設定すれば、アンテナ装置全体のRCSを増大させることも可能である。
上記実施の形態1,2では、相手方から送信されるレーダ波の周波数が一定である例を示したが、相手方から送信されるレーダ波の周波数が変化する場合がある。
この実施の形態3では、相手方から送信されるレーダ波の周波数が変化しても、適正な増幅利得gn及び移相量Ψnを算出することができる例を説明する。
多周波基準再放射波記憶回路31は例えばRAMやハードディスクなどの記憶装置から構成されており、図3の基準再放射波記憶回路21と異なり、或る単一の周波数に対応する基準再放射波の複素電界値Eanではなく、複数の周波数fm(m=1,2,3,・・・,M)に対応する基準再放射波の複素電界値Ean(fm)を記憶している。
多周波アンテナ周囲構造反射波記憶回路32は例えばRAMやハードディスクなどの記憶装置から構成されており、図3のアンテナ周囲構造反射波記憶回路22と異なり、或る単一の周波数に対応する構造物反射波の複素電界値Ebではなく、複数の周波数fm(m=1,2,3,・・・,M)に対応する構造物反射波の複素電界値Eb(fm)を記憶している。
なお、多周波基準再放射波記憶回路31及び多周波アンテナ周囲構造反射波記憶回路32から複素電界値記憶手段が構成されている。
最適制御量演算回路34は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、多周波基準再放射波記憶回路31により記憶されている複数の周波数fmに対応する基準再放射波の複素電界値Ean(fm)と、複数の周波数fmに対応するアンテナ装置全体の反射波の目標値である複数の周波数fmに対応する目標反射波の複素電界値とを用いて、振幅利得gn(振幅調整量)及び移相量Ψn(位相調整量)を算出する処理を実施する。
即ち、最適制御量演算回路34は多周波基準再放射波記憶回路31により記憶されている複数の周波数fmに対応する基準再放射波の複素電界値Ean(fm)及び多周波アンテナ周囲構造反射波記憶回路32により記憶されている複数の周波数fmに対応する構造物反射波の複素電界値Eb(fm)を用いて、アンテナ装置全体の反射波の複素電界値と多周波目標反射波設定回路33により設定されている複数の周波数fmに対応する目標反射波の複素電界値E0(fm)との差分を最小化する振幅利得gn及び移相量Ψnを算出する処理を実施する。なお、最適制御量演算回路34は調整量算出手段を構成している。
増幅利得gn及び移相量Ψnの算出処理以外は、上記実施の形態2と同様であるため、ここでは、主に増幅利得gn及び移相量Ψnの算出処理について説明する。
上記実施の形態2では、式(7)または式(8)で表される評価関数Fを最小化する振幅利得gn及び移相量Ψnを算出するものを示したが、一般的には、基準再放射波の複素電界値Ean及び構造物反射波の複素電界値Ebは、周波数によって変化し、その変化の仕方も両者の間で異なる。
そのため、相手方のレーダ波の周波数が様々に変化する場合、レーダ波の周波数毎に、振幅利得gn及び移相量Ψnを算出し、各周波数において、アンテナ装置全体のRCSが所定のRCSと一致するように制御する必要がある。
一方、単一の増幅利得gn及び移相量Ψnによって、所定の周波数範囲に亘ってアンテナ装置全体のRCSが所定のRCSと一致するように制御することができれば、より制御が簡単になる。
最適制御量演算回路34は、評価関数F5を用意すると、例えば、最急降下法や共役勾配法などの非線形最適化手法を用いて、評価関数F5を最小化する振幅利得gn及び移相量Ψnを算出する。
振幅調整器3−nは、振幅調整器制御回路25の指示の下、その振幅利得gnをサーキュレータ2−nから出力された受信信号に乗算することで、その受信信号の振幅を調整し、振幅調整後の受信信号を移相器4−nに出力する。
移相器4−nは、移相器制御回路26の指示の下、その移相量Ψnだけ振幅調整器3−nから出力された受信信号の位相をずらすことで、その受信信号の位相を調整し、位相調整後の受信信号を再放射波としてサーキュレータ2−nに出力する。
サーキュレータ2−nは、移相器4−nから再放射波を受けると、その再放射波をアンテナ素子1−nに出力することで、アンテナ素子1−nから再放射波が外部に放射されるが、この場合のアンテナ装置全体の反射波の複素電界値は、目標反射波の複素電界値E0(fm)と略同一になる。
この場合、下記の式(10)に示すような評価関数F6を用意して、その評価関数F6を最小化する振幅利得gn及び移相量Ψnを算出するようにしてもよい。
この場合でも、評価関数F6を最小化する振幅利得gn及び移相量Ψnにしたがって受信信号の振幅及び位相を調整することで、アンテナ装置全体の反射波の複素電界値が、目標反射波の複素電界値E0(fm)と略同一になる。
上記実施の形態1,2では、相手方から送信されるレーダ波の到来方向が一定である例を示したが、相手方から送信されるレーダ波の到来方向が変化する場合がある。
この実施の形態4では、相手方から送信されるレーダ波の到来方向が変化しても、適正な増幅利得gn及び移相量Ψnを算出することができる例を説明する。
多方向基準再放射波記憶回路41は例えばRAMやハードディスクなどの記憶装置から構成されており、図3の基準再放射波記憶回路21と異なり、或る単一の到来方向に対応する基準再放射波の複素電界値Eanではなく、複数の到来方向θl(l=1,2,3,・・・,L)に対応する基準再放射波の複素電界値Ean(θl)を記憶している。
多方向アンテナ周囲構造反射波記憶回路42は例えばRAMやハードディスクなどの記憶装置から構成されており、図3のアンテナ周囲構造反射波記憶回路22と異なり、或る単一の到来方向に対応する構造物反射波の複素電界値Ebではなく、複数の到来方向θl(l=1,2,3,・・・,L)に対応する構造物反射波の複素電界値Eb(θl)を記憶している。
なお、多方向基準再放射波記憶回路41及び多方向アンテナ周囲構造反射波記憶回路42から複素電界値記憶手段が構成されている。
最適制御量演算回路44は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、多方向基準再放射波記憶回路41により記憶されている複数の到来方向θlに対応する基準再放射波の複素電界値Ean(θl)と、複数の到来方向θlに対応するアンテナ装置全体の反射波の目標値である複数の到来方向θlに対応する目標反射波の複素電界値とを用いて、振幅利得gn及び移相量Ψnを算出する処理を実施する。
即ち、最適制御量演算回路44は多方向基準再放射波記憶回路41により記憶されている複数の到来方向θlに対応する基準再放射波の複素電界値Ean(θl)及び多方向アンテナ周囲構造反射波記憶回路42により記憶されている複数の到来方向θlに対応する構造物反射波の複素電界値Eb(θl)を用いて、アンテナ装置全体の反射波の複素電界値と多方向目標反射波設定回路43により設定されている複数の到来方向θlに対応する目標反射波の複素電界値E0(θl)との差分を最小化する振幅利得gn及び移相量Ψnを算出する処理を実施する。なお、最適制御量演算回路44は調整量算出手段を構成している。
増幅利得gn及び移相量Ψnの算出処理以外は、上記実施の形態2と同様であるため、ここでは、主に増幅利得gn及び移相量Ψnの算出処理について説明する。
上記実施の形態2では、式(7)または式(8)で表される評価関数Fを最小化する振幅利得gn及び移相量Ψnを算出するものを示したが、一般的には、基準再放射波の複素電界値Ean及び構造物反射波の複素電界値Ebは、レーダ波の到来方向によって変化し、その変化の仕方も両者の間で異なる。
そのため、相手方のレーダ波の到来方向が様々に変化する場合、レーダ波の到来方向毎に、振幅利得gn及び移相量Ψnを算出し、各到来方向において、アンテナ装置全体のRCSが所定のRCSと一致するように制御する必要がある。
一方、単一の増幅利得gn及び移相量Ψnによって、所定の角度範囲に亘ってアンテナ装置全体のRCSが所定のRCSと一致するように制御することができれば、より制御が簡単になる。
最適制御量演算回路44は、評価関数F7を用意すると、例えば、最急降下法や共役勾配法などの非線形最適化手法を用いて、評価関数F7を最小化する振幅利得gn及び移相量Ψnを算出する。
振幅調整器3−nは、振幅調整器制御回路25の指示の下、その振幅利得gnをサーキュレータ2−nから出力された受信信号に乗算することで、その受信信号の振幅を調整し、振幅調整後の受信信号を移相器4−nに出力する。
移相器4−nは、移相器制御回路26の指示の下、その移相量Ψnだけ振幅調整器3−nから出力された受信信号の位相をずらすことで、その受信信号の位相を調整し、位相調整後の受信信号を再放射波としてサーキュレータ2−nに出力する。
サーキュレータ2−nは、移相器4−nから再放射波を受けると、その再放射波をアンテナ素子1−nに出力することで、アンテナ素子1−nから再放射波が外部に放射されるが、この場合のアンテナ装置全体の反射波の複素電界値は、目標反射波の複素電界値E0(θl)と略同一になる。
この場合、下記の式(12)に示すような評価関数F8を用意して、その評価関数F8を最小化する振幅利得gn及び移相量Ψnを算出するようにしてもよい。
この場合でも、評価関数F8を最小化する振幅利得gn及び移相量Ψnにしたがって受信信号の振幅及び位相を調整することで、アンテナ装置全体の反射波の複素電界値が、目標反射波の複素電界値E0(θl)と略同一になる。
また、この実施の形態4では、相手方から送信されるレーダ波の周波数が一定である例を示したが、相手方から送信されるレーダ波の周波数が変化する場合がある。この場合、上記実施の形態3と同様の方法で、相手方から送信されるレーダ波の周波数が変化しても、適正な増幅利得gn及び移相量Ψnを算出する。
また、多方向目標反射波設定回路43が、アンテナ装置全体での反射波の目標値として、レーダ波の複数の到来方向θl毎に、レーダ波の複数の周波数fmに対応する目標反射波の複素電界値E0(θl,fm)を設定する。
最適制御量演算回路44は、評価関数F9を用意すると、例えば、最急降下法や共役勾配法などの非線形最適化手法を用いて、評価関数F9を最小化する振幅利得gn及び移相量Ψnを算出する。
この場合、下記の式(14)に示すような評価関数F10を用意して、その評価関数F10を最小化する振幅利得gn及び移相量Ψnを算出するようにしてもよい。
上記実施の形態1,2では、所望の目標反射波の複素電界値E0が一定である例を示したが、目標反射波の複素電界値E0が時間変化する場合、最適制御量演算回路が、目標反射波の複素電界値E0が変化する毎に、アンテナ装置全体の反射波の複素電界値と、当該時間に対応する目標反射波の複素電界値E0との差分を最小化する振幅利得gn及び移相量Ψnを算出するようにしてもよい。
目標変調反射波設定回路51は例えばユーザインタフェース(例えば、キーボードやマウスなど)、あるいは、ネットワークインタフェース(例えば、通信機器)などを備えており、アンテナ装置全体での反射波の目標値として、例えば、ユーザにより指定された時間的に変化する目標反射波の複素電界値E0を設定する回路である。
この実施の形態5では、説明の便宜上、目標変調反射波設定回路51が目標反射波の複素電界値として、E01とE02の2値を設定しており、所定の時間間隔T0毎に、目標反射波の複素電界値が交互にE01又はE02に切り換わるものとする。
即ち、最適制御量演算回路52は所定の時間間隔T0毎に、基準再放射波記憶回路21により記憶されている基準再放射波の複素電界値Ean及びアンテナ周囲構造反射波記憶回路22により記憶されている構造物反射波の複素電界値Ebを用いて、アンテナ装置全体の反射波の複素電界値と、目標反射波設定回路51により設定されている目標反射波の複素電界値E01又はE02との差分を最小化する振幅利得gn及び移相量Ψnを算出する処理を実施する。なお、最適制御量演算回路52は調整量算出手段を構成している。
この実施の形態5では、所定の時間間隔T0毎に、目標反射波の複素電界値が、E01とE02の2値で切り換わる場合を説明する。
この場合、目標反射波の複素電界値E01に対応する最適な振幅利得gn及び移相量Ψnを算出するとともに、目標反射波の複素電界値E02に対応する最適な振幅利得gn及び移相量Ψnを算出する。
振幅調整器3−nは、振幅調整器制御回路25の指示の下、その振幅利得gnをサーキュレータ2−nから出力された受信信号に乗算することで、その受信信号の振幅を調整し、振幅調整後の受信信号を移相器4−nに出力する。
移相器4−nは、移相器制御回路26の指示の下、その移相量Ψnだけ振幅調整器3−nから出力された受信信号の位相をずらすことで、その受信信号の位相を調整し、位相調整後の受信信号を再放射波としてサーキュレータ2−nに出力する。
振幅調整器3−nは、振幅調整器制御回路25の指示の下、その振幅利得gnをサーキュレータ2−nから出力された受信信号に乗算することで、その受信信号の振幅を調整し、振幅調整後の受信信号を移相器4−nに出力する。
移相器4−nは、移相器制御回路26の指示の下、その移相量Ψnだけ振幅調整器3−nから出力された受信信号の位相をずらすことで、その受信信号の位相を調整し、位相調整後の受信信号を再放射波としてサーキュレータ2−nに出力する。
これにより、目標反射波の複素電界値E0が時間的に変化する場合でも、アンテナ装置全体の反射波が目標反射波の複素電界値E0と一致するように制御することができる。
目標反射波の複素電界値E0が所定の時間間隔T0毎に、2値(E01、E02)の間で変化する場合、アンテナ装置全体の反射波に対してBPSK(Binary Phase Shift Keying、二位相偏移変調)変調をかけることに対応している。
これにより、アンテナ装置全体の反射波の周波数特性を、相手方より照射されるレーダ波の周波数特性と異なるものとすることができる。
また、目標反射波の複素電界値E0の振幅位相をアナログ的に時間変化させてもよく、上記と同様の効果を得ることができる。
また、この実施の形態5では、目標反射波の複素電界値E0が時間的に変化しても対応可能な構成を図3のアンテナ装置に適用している例を示しているが、図4,5のアンテナ装置に適用してもよいことは言うまでもない。
図7はこの発明の実施の形態6によるアンテナ装置を示す構成図であり、図において、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
送信機61はテスト信号波(テスト用のレーダ波)を生成し、そのテスト信号波を送信アンテナ62に出力する処理を実施する。
送信アンテナ62はアンテナ素子1−1〜1−Nと対向するように設置されており、送信機61から出力されたテスト信号波をアンテナ素子1−1〜1−Nに向けて空間に放射する。
なお、送信機61及び送信アンテナ62からテスト用レーダ波送信手段が構成されている。
図7の例では、受信アンテナ63が送信アンテナ62と隣接して設置されている例を示しているが、上記の合成波Einiを受信することができればよく、送信アンテナ62と離れた位置に設置されていてもよい。
検波回路64は受信アンテナ63により受信された合成波Einiの電力を測定する処理を実施する。
なお、受信アンテナ63及び検波回路64から合成波受信手段が構成されている。
アンテナ周囲構造反射波演算回路66は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、基準再放射波演算回路65により決定された基準再放射波の複素電界値Eanを用いて、構造物反射波の複素電界値Ebを決定し、構造物反射波の複素電界値Ebをアンテナ周囲構造反射波記憶回路22に出力する処理を実施する。
なお、基準再放射波演算回路65及びアンテナ周囲構造反射波演算回路66から複素電界値決定手段が構成されている。
上記実施の形態1〜5においては、アンテナ素子1−1〜1−Nにおける基準再放射波の複素電界値Eanと、構造物反射波の複素電界値Ebについては、電磁界解析などを実施することで求められる計算値を用いてもよいが、アンテナ素子1−nや移相器4−nなどは個体毎に異なる誤差を有する場合があるため、実際に使用するアンテナ装置での測定値を用いれば、より効率的かつ高精度なRCSの制御が可能になると考えられる。
そこで、この実施の形態6では、実際に使用するアンテナ装置での測定値を用いて、アンテナ素子1−1〜1−Nにおける基準再放射波の複素電界値Eanと、構造物反射波の複素電界値Ebとを決定するようにしている。具体的には以下の通りである。
まず、送信機61は、テスト信号波(テスト用のレーダ波)を生成し、そのテスト信号波を送信アンテナ62に出力する。
これにより、送信アンテナ62からテスト信号波がアンテナ素子1−1〜1−Nに向けて放射され、アンテナ素子1−1〜1−Nからテスト信号波が入射される。
アンテナ装置が初期状態である場合、下記の式(15)に示すように、アンテナ素子1−1〜1−Nから放射される再放射波と、アンテナ周囲構造物によるテスト信号波の反射波(構造物反射波)との合成波Einiが受信アンテナ63に受信される。
式(15)において、φbは初期状態におけるアンテナ周囲構造物による構造物反射波Ebの位相を示し、φn(n=1,2,・・・,N)は初期状態におけるアンテナ素子1−nの再放射波Eanの位相を示している。
式(16)において、kbは初期状態における合成波Einiを基準とするアンテナ周囲構造による構造物反射波の相対振幅、Xbは初期状態における合成波Einiを基準とするアンテナ周囲構造による構造物反射波の相対位相である。
また、kn(n=1,2,・・・,N)は初期状態における合成波Einiを基準とするアンテナ素子1−nの再放射波の相対振幅、Xn(n=1,2,・・・,N)は初期状態における合成波Einiを基準とするアンテナ素子1−nの再放射波の位相である。
そこで、基準再放射波演算回路65は、移相器4−nにおける移相量Ψnを変更しながら、検波回路64により測定される合成波Einiの電力の変化を監視する。
基準再放射波演算回路65は、変化する合成波Einiの電力の最大値と最小値の比を特定するとともに、電力の最大値を与える位相変化量を特定する。
そして、基準再放射波演算回路65は、最大値と最小値の比と、電力の最大値を与える位相変化量とを用いて、例えば、下記の特許文献2に開示されている方法で、式(17)におけるアンテナ素子1−nの再放射波の相対振幅kn及び位相Xnを算出する。
[特許文献2] 特公平1−37882号公報
ここで、式(17)は、下記の式(18)のように変形することができる。
即ち、アンテナ周囲構造反射波演算回路66は、上記の式(18)に基づいて、アンテナ素子1−nにおける再放射波の相対振幅kn及び位相Xnで与えられるアンテナ素子1−nに対応する再放射波の相対値のアレー合成値を1から減算し、その減算した値の振幅と位相から、初期状態における合成波Einiを基準とするアンテナ周囲構造による構造物反射波の相対振幅kb及び相対位相Xbを求める。
アンテナ周囲構造反射波演算回路66は、構造物反射波の相対振幅kb及び相対位相Xbを求めると、その相対振幅kb及び相対位相Xbを構造物反射波の複素電界値Ebとしてアンテナ周囲構造反射波記憶回路22に記憶させる。
この実施の形態6では、レーダ波の周波数が固定である例を示したが、上記実施の形態3のように、レーダ波の周波数が変動する場合、上記と同様の方法で、各周波数について、基準再放射波の複素電界値Ean(fm)及び構造物反射波の複素電界値Eb(fm)を決定すればよい。
また、上記実施の形態4のように、レーダ波の到来方向が変動する場合、上記と同様の方法で、各到来方向について、基準再放射波の複素電界値Ean(θl)及び構造物反射波の複素電界値Eb(θl)を決定すればよい。
Claims (6)
- レーダ波を入射する一方、与えられた再放射波を放射するアンテナ素子と、
前記アンテナ素子により入射されたレーダ波の振幅及び位相を調整し、振幅及び位相調整後のレーダ波を前記再放射波として前記アンテナ素子に与える振幅位相調整手段と、
前記振幅位相調整手段によりレーダ波の振幅及び位相が基準調整量で調整された場合の再放射波である基準再放射波の複素電界値を記憶するとともに、前記アンテナ素子の表面及び前記アンテナ素子の周囲構造物によるレーダ波の反射波である構造物反射波の複素電界値を記憶する複素電界値記憶手段と、
前記複素電界値記憶手段により記憶されている基準再放射波の複素電界値及び前記複素電界値記憶手段により記憶されている構造物反射波の複素電界値から求まるアンテナ装置全体の反射波の複素電界値と、アンテナ装置全体の反射波の目標値である目標反射波の複素電界値との差分を最小とする振幅調整量及び位相調整量を算出する調整量算出手段と、
前記調整量算出手段により算出された振幅調整量及び位相調整量にしたがって前記振幅位相調整手段における振幅及び位相の調整を制御する調整制御手段と
を備えたアンテナ装置。 - 前記アンテナ素子により入射されるレーダ波の周波数が変化する場合に備えて、
前記複素電界値記憶手段は、複数の周波数に対応する基準再放射波の複素電界値を記憶するとともに、前記複数の周波数に対応する構造物反射波の複素電界値を記憶しており、
前記調整量算出手段は、前記複素電界値記憶手段により記憶されている複数の周波数に対応する基準再放射波の複素電界値及び前記複素電界値記憶手段により記憶されている複数の周波数に対応する構造物反射波の複素電界値から求まる複数の周波数に対応するアンテナ装置全体の反射波の複素電界値と、複数の周波数に対応する目標反射波の複素電界値との差分を最小とする振幅調整量及び位相調整量を算出することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 前記アンテナ素子により入射されるレーダ波の到来方向が変化する場合に備えて、
前記複素電界値記憶手段は、複数の到来方向に対応する基準再放射波の複素電界値を記憶するとともに、前記複数の到来方向に対応する構造物反射波の複素電界値を記憶しており、
前記調整量算出手段は、前記複素電界値記憶手段により記憶されている複数の到来方向に対応する基準再放射波の複素電界値及び前記複素電界値記憶手段により記憶されている複数の到来方向に対応する構造物反射波の複素電界値から求まる複数の到来方向に対応するアンテナ装置全体の反射波の複素電界値と、複数の到来方向に対応する目標反射波の複素電界値との差分を最小とする振幅調整量及び位相調整量を算出することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 前記アンテナ素子により入射されるレーダ波の周波数及び到来方向が変化する場合に備えて、
前記複素電界値記憶手段は、複数の周波数及び複数の到来方向に対応する基準再放射波の複素電界値を記憶するとともに、前記複数の周波数及び複数の到来方向に対応する構造物反射波の複素電界値を記憶しており、
前記調整量算出手段は、前記複素電界値記憶手段により記憶されている複数の周波数及び複数の到来方向に対応する基準再放射波の複素電界値及び前記複素電界値記憶手段により記憶されている複数の周波数及び複数の到来方向に対応する構造物反射波の複素電界値から求まる複数の周波数及び複数の到来方向に対応するアンテナ装置全体の反射波の複素電界値と、複数の周波数及び複数の到来方向に対応する目標反射波の複素電界値との差分を最小とする振幅調整量及び位相調整量を算出することを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。 - 前記調整量算出手段は、アンテナ装置全体の反射波の目標値である目標反射波の複素電界値が時間変化する場合、前記目標反射波の複素電界値が変化する毎に、前記複素電界値記憶手段により記憶されている複素電界値と当該時間に対応する目標反射波の複素電界値とを用いて、振幅調整量及び位相調整量を算出することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のアンテナ装置。
- テスト用のレーダ波を前記アンテナ素子に送信するテスト用レーダ波送信手段と、
前記アンテナ素子から放射された再放射波と、前記アンテナ素子の表面及び前記アンテナ素子の周囲構造物による前記テスト用のレーダ波の反射波である構造物反射波との合成波を受信する合成波受信手段と、
前記振幅位相調整手段における位相の調整量を変更しながら、前記合成波受信手段により受信された合成波の電力の変化を監視し、前記電力の変化から前記基準再放射波の複素電界値及び前記構造物反射波の複素電界値を決定する複素電界値決定手段とを備え、
前記複素電界値記憶手段は、前記複素電界値決定手段により決定された基準再放射波の複素電界値及び構造物反射波の複素電界値を記憶することを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載のアンテナ装置。
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