JP3675842B2 - ビニル芳香族ブロックコポリマー並びにそれらを含有する組成物 - Google Patents
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Description
かかるブロックコポリマー並びにそれらを含有する放射線硬化性の接着剤、シーラントおよび塗料組成物は、例えば、WO93/24547として公開されたPCT出願から公知である。
上記のWO93/24547はブロックコポリマー(AB)p(B)qXを記載し、ここでAはポリ(ビニル芳香族)ブロックでありそしてBはポリ(ブタジエン)ブロックであり、しかして現実に開示されたXはSiCl4、SnCl4もしくはDEAPのような四価カップリング剤または多数の腕(6<n<20)を示す多腕型放射状ブロックコポリマーを与えるジビニルベンゼンのような多価カップリング剤の残基であり、しかも該ブロックコポリマーは7〜35重量%の平均総ビニル芳香族含有率を有しかつ50,000〜1,500,000の範囲の総見掛け分子量を有し、かつポリ(ブタジエン)ブロック中のビニル含有率は35〜70重量%の範囲にあった。この公報WO93/24547において、平均所望構造(AB)2(B)2X(ここで、Bセグメントは等しい見掛け分子量を有する。)を有する四腕型ブロックコポリマーが明らかに好ましい、と教示された。該公報において、pおよびqの現実の値がゼロとカップリング剤の最大官能価の間で変動する四腕型放射状ブロックコポリマーの混合物の形成のために、数平均値であるpおよびqの値に対して言及されていた。
2つのリビング腕タイプのこの同時カップリング反応は、重合中エーテル化合物の存在下でのみ達成されることが知られていた35〜70重量%の規定範囲のビニル含有率(1,3−ブタジエンの1,2−重合に因る)を示す所望ポリ(ブタジエン)腕により規定されたこと、並びに例えば欧州特許出願0,314,256および米国特許第5,212,249号から知られているような、多価カップリング剤を用いかつリビング中間体ポリマー腕の後続的添加を伴う通常好ましい代替的カップリング方法は、できるだけ多くのランダム分布が当業者にとっては必要と思われたので適用可能でないとみなされたことが認められよう。
欧州特許出願第0314256号から、非対称放射状ポリマーを製造する方法であって、次の工程即ち
(a)1個の反応性末端基を有する第1リビングポリマーを、該反応性末端基と反応する複数個の官能基を含有するカップリング剤と接触させ、しかも該第1リビングポリマーの量は、該第1ポリマーと該カップリング剤の反応が実質的に完全に進行するように該官能基の総量の一部に実質的に化学量論的に相当し、
(b)引き続く工程において、該第1リビングポリマーからおよびお互いに相違しかつ反応性末端基を有する1種またはそれ以上のリビングポリマーを、各々の前工程からのそれぞれの反応生成物と、該カップリング剤のすべての官能基が最終的に完全に反応するまで接触させ、そして
(c)得られた非対称放射状ポリマーを回収する
ことからなる上記方法が知られている。
該プロセスは、重合共役ジオレフィンだけを含むポリマー並びに少なくとも1つのモノアルケニル芳香族炭化水素ポリマーブロック及び少なくとも1つの共役ジオレフィンブロツクからなるブロツクコポリマーから選択した4つの腕をシリコンテトラクロリドを用いてカップリングするのに好適である。
米国特許第5,212,249号は、非対称放射状ポリマーを製造する方法であって、異なるポリマー腕が、12個までの官能部位を有する非重合性カップリング剤(好ましくは、ケイ素含有カップリング剤である。)と逐次的に接触される上記方法を記載する。該方法における最終工程(しばしばしかし必ずしも常ではないが、該方法の第2工程である。)においての接触は、共役ジオレフィンポリマー中のビニル含有率の量をその重合中増大させると知られていた極性化合物の存在下で行われた。この方法により得られたポリマーは、生成された数種の非対称放射状ポリマーの比較的狭い相対腕分布およびポリマー腕の計画した比を有する生成物の有意的に増加された量を示した。3個または4個の官能基を有する非重合性カップリング剤が最も好ましい。
約1のモル比を有する初期に製造されたリビングポリマー腕AB−LiおよびB′−Liの両タイプおよび四価カップリング剤の同時カップリングの場合、混合物中の生じる個々のブロックコポリマー分子は(AB)4X、(AB)3XB′、(AB)2X(B1)2、(AB)X(B1)3およびX′(B1)4であり、一方、かかる100%カップリングされたブロックコポリマーはそれらの数平均官能価に等しい重量平均官能価を有し即ち両者は用いられたカップリング剤の官能価に等しい(p+q)ので、(AB)2X(B1)2の所望量はそれらの分子量がいくらであれ37.5%の量にて生じる、ということが認められよう。
同様に、約1.0のモル比を有する初期に製造されたリビングポリマー腕AB−LiおよびB1−Liの両タイプおよび例えば前記に特記された先行技術の方法による六価カップリング剤の同時にカップリングの場合、カップリング効率が100%である即ち当初の利用可能な官能部位のすべてが最終的に占められるという条件下で、現実に製造される混合物中に生じる個々のブロックコポリマー分子は、(AB)6X、(AB)5(B1)X、(AB)4(B1)2X、(AB)3(B1)3X、(AB)2(B1)4X、AB(B1)5Xおよび(B1)6Xであり、一方所望(AB)3(B1)3Xは31%の量にて生じる。
比較的高い環境的および経済的要求に因り、ビニル芳香族および共役ジエンのブロックコポリマーから誘導された接着剤、塗料またはシーラントの組成物特に上記の放射線硬化性接着剤組成物は、UVおよびEBの放射線についての十分に高い感受性と共にホットメルト組成物の溶融粘度を最小にして加工ライン速度および生産速度の増大または比較的弱い放射線の使用並びにポリマーセメントから始めるブロックコポリマーの回収中の問題の回避を可能にすることにより更に改善されねばならなかった、ということが認められよう。
広範な研究および実験の結果、放射線硬化された接着剤、シーラントまたは塗料の組成物において並びにラベル、テープおよび使い捨て品用に使用可能なもののような硬化されていない接着剤、シーラントまたは塗料の組成物において改善された性質の組合わせを示すブロックコポリマーが、今般驚くべきことに見出された。
従って、本発明の一つの側面は、特定のテーラメイドブロックコポリマー(AB)p(B1)qXであって、Aはポリ(ビニル芳香族)ブロックでありそしてBおよびB1は1,2付加(ビニル)含有率が25〜70重量%好ましくは45〜70重量%の範囲にある同じまたは異なるポリ(ブタジエン)ブロックであり、Xは3〜6の範囲の活性部位の最大値(m)を有する多価カップリング剤の残基であり、pおよびqの数平均値は1.5〜mの範囲にあり、但しpおよびqの値の平均和がmより小さくかつカップリング効率が90%より小さくそして好ましくは55%より大きいことを条件とし、しかも該ブロックコポリマーは10〜50重量%の範囲好ましくは10〜30重量%の範囲の平均総ビニル芳香族含有率(しばしば、平均結合ビニル芳香族含有率と称される。)を有しかつ100,000〜500,000の範囲のGPCにより測定された総見掛け分子量を有する上記ブロックコポリマーを提供する。
好ましくは、pおよびqの値の和は、1.5より大きく一層好ましくは2より大きい。
ここにおいて用いられているカップリング効率は、全カップリング過程のゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により決定されるカップリング効率である。
pおよびqの値の和は現実にはカップリング効率(CE)により決定される、ということが当業者により認められよう。
特に好ましい具体的態様によれば、該カップリング効率は、60〜85%一層好ましくは70〜84%更に一層好ましくは70〜82%の範囲にある。
上記のブロックコポリマーは、最終形態において放射線硬化される接着剤、シーラントおよび塗料の組成物中に並びに最終形態において硬化されない組成物中に適当に混入され得る。
これらのブロックコポリマーは、次の組合わせを示す。即ち、
− 1つの放射状構造中に組み込まれたそれらの高いポリ(共役ジエン)分子量およびビニル含有率に因る最適なUV反応性/溶融粘度バランス、
− 構成する個々の分子のいくつかがUV感度について特に適合し(高分子量)、一方比較的小さいものはUV硬化の前および後において高い粘着性を与えるような個々の構成分子の分布、
− 得られたブロックコポリマーの混合物は、通常の加工温度下で完成接着剤組成物において有意的に低減された熱溶融粘度を示す。
GPCで得られるカップリング効率(CE)は通常重量基準にあるので、これは、公称CEはGPCで測定されたものより常に低いことを意味する。
典型的には、GPCで得られるCEは得られた生成物の分子量に依存し、一方公称(モル数)CEは依存しない。
その結果、本発明による放射状多腕型ブロックコポリマー(AB)pX(B1)qは、現実には、総腕数およびp/q比の両方において変動する個々の分子の集まりからなり、しかも最大腕数は用いられたカップリング剤の官能価より小さい。
例えば、四価カップリング剤から誘導された放射状多腕型ブロックコポリマー組成物は、次の14種から構成される。即ち、(AB)0X(B1)1、(AB)1X(B1)0、(AB)0X(B1)2、(AB)1X(B1)1、(AB)2X(B1)0、(AB)0X(B1)3、(AB)1X(B1)2、(AB)2X(B1)1、(AB)3X(B1)0、(AB)0X(B1)4、(AB)1X(B1)3、(AB)2X(B1)2、(AB)3X(B1)1、(AB)4X(B1)0。
同様に、六価カップリング剤から誘導された放射状多腕型ブロックコポリマーは、現実には、27種の異なる個々の分子から構成される。
最後に、完全にカップリングされていない(AB)pX(B1)q構造のモル分率分布は、次の等式により与えられる。即ち、
Fm[i,j]=(mi)ri(1−r)m-i(ij)aj(i−a)i-j
〔ここで、
mは、用いられたCAの官能価をおよびかくして腕の最大数を表し、
iは、所与種の腕の数を表し、
jは、耐力(スチレン末端化)腕の数を表し、
rは、公称C.E.を100で割ったものに等しく、
aは、p/(p+q)の比率である。〕。
上記の式は、かかる非対称放射状ポリマーの種の全体的分布を表現する。
好ましくは、放射状多腕型ブロックコポリマーにおけるpおよびqのそれぞれの数平均値は、多くともm−1.5(ここで、mはカップリング剤の最大官能基を表す。)である。
一層好ましくは、放射状多腕型ブロックコポリマーは、三価または四価カップリング剤から誘導されている。
該ブロックコポリマー中のAブロックは、一般に、5,000〜50,000好ましくは7,000〜20,000最も好ましくは9,000〜15,000の範囲の見掛け分子量を有する。該ブロックコポリマー中のBおよびB1ブロックは、15,000〜250,000好ましくは20,000〜100,000の範囲の同じまたは異なる見掛け分子量を有し得る。
本発明のブロックコポリマーは、好ましくは、150,000〜350,000の範囲の総見掛け分子量を有する。
ポリ(ブタジエン)腕ブロック中のビニル含有率は、好ましくは、45〜70%の範囲にある。
本発明のブロックコポリマーは、
(a)主としてモノビニル芳香族モノマーを有機リチウム開始剤RLi好ましくは4〜6個の炭素原子を有するアルキルリチウムの存在下で重合させてリビングポリマーALiを形成させ、
(b)主としてブタジエンを該リビングポリマーALiおよび前もって予定された時点で該有機リチウム開始剤RLiに重合させてリビングポリマーA−B−LiおよびB1Liの混合物を生じせしめ、ここでセグメントBおよびB1は同じまたは異なる分子量を有し得、RLiの添加の正確な時点に依存してM[B]≧M[B1]であり、しかも該ブタジエンは25〜70%の1,2ビニル含有率にて重合されかつ該開始剤RLiは開始剤RLiとリビングポリマーALiのモル比が0.45〜2.20の範囲になるような量にて添加され、
(c)得られたリビングポリマーA−B−LiおよびB1Liの混合物を多官能性カップリング剤でカップリングさせる
ことからなる方法により製造される。
本明細書全体を通じて用いられている用語“主としてブタジエン”について、少量の他の共役ジエンまたはビニル芳香族モノマー(<5重量%)を含有するブタジエンもまた上記の重合工程bについて用いられ得ることを意味する。
同様に、本明細書全体を通じて用いられている用語“主としてモノビニル芳香族モノマー”および“主としてスチレン”について、少量の共役ジエンまたは他のビニル芳香族モノマーを典型的には5重量%未満にて随意に含有するそれぞれモノビニル芳香族モノマーおよびスチレンを意味する。
好ましくは、主としてスチレンモノマーが、重合工程a)において用いられる。
好ましい具体的態様の一つによれば、トリノニルフェニルホスファイト、テトラクロロシラン(SiCl4)、テトラメトキシシラン(Si(OMe)4)、ジエチルアジペート、ジメチルアジペート、ガンマ−グリシドキシ−プロピル−トリメトキシシラン等が好ましくはガンマGPTSまたはトリノニルフェニルホスファイトのような三価または四価カップリング剤が用いられる。
前記に定められた方法によれば、六官能性(六価)カップリング剤もまた用いられ得、しかして例えば、アルカン基が2〜10個の炭素原子を有するビス(トリクロロシリル)アルカンもしくはアルカンが前記に定義された通りでありそしてアルコキシが1〜4個の炭素原子を含有するビス(トリアルコキシシリル)アルカン、または一般式(R1−O)3Si−R2−O−R2−Si(OR1)3(ここで、R1は1〜4個の炭素原子のアルキレン基であり、そしてR2は2〜10個の炭素原子のアルキレン基である。)の化合物から選択されたもの。好ましい六官能性カップリング剤は、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリクロロシリル)エタンおよび3,3′−オキシジプロピル−ビス(トリメトキシシリル)から選択される。特記されたもののうち非ハロゲン含有カップリング剤が最も好ましい。
工程(b)における開始剤RLiとリビングポリマーALiのモル比は、典型的には0.88〜1.12好ましくは0.95〜1.05の範囲にあり、そして最も好ましくは該比は、平均してx/2のABブロックおよびx/2のB1ブロックからなる公称上x腕型のブロックコポリマー(xは腕の数p+qである。)を生じせしめるために1.0にできるだけ近い。
工程(b)における主としてブタジエンの重合中、増大ビニル含有率(25〜70%)を引き起こす調節剤が存在する、ということが認められよう。上記の特記された範囲におけるかかるビニル含有率は、最終組成物のUVおよび/またはEBの放射線の感度を増大させることが分かった。
この目的のために適当に用いられるべき調節剤は、エーテル、アミンおよび他のルイス塩基から成る群から一層特にグリコールのジアルキルエーテルからなる群から選択され得る。最も好ましい調節剤は、モノグライム、ジグライム、ジエトキシタン、1,2−ジエトキシプロパン、1−エトキシ−2−tert−ブトキシエタンのような、同じまたは異なる末端アルコキシ基を含有しおよび中央のエチレン基においてアルキル置換基を随意に担持するエチレングリコールのジアルキルエーテルから選択され、しかしてそれらのうち1,2−ジエトキシプロパンが最も好ましい。
好ましい有機リチウム開始剤(RLi)は、Rが1〜20個の炭素原子好ましくは1〜12個の炭素原子を有する脂肪族、環状脂肪族、芳香族またはアルキル置換芳香族炭化水素基であるものである。特に好ましい有機リチウム開始剤は、4〜6個の炭素原子を有するアルキルリチウム開始剤である。従って、好ましい有機リチウム開始剤の例は、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、n−エイコシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナルチルリチウム、4−ブチルフェニルリチウム、シクロヘキシルリチウム、4−シクロペンチルブチルリチウム等から成る群から選択された1種またはそれ以上の化合物を含み、しかしてそれらのうちsec−ブチルリチウムが特に好ましい。
カップリング効率はカップリング剤と総量のリビングポリマー腕の計量供給モル比により調節され得る、ということが当業者により認められよう。この比率は、普通、1.05〜1.2の範囲にある。
本発明のブロックコポリマーにより示される明らかな利点は、ポリマーセメントからのそれらの回収中、即ちポリマーの凝固、押出および乾燥中の、該ポリマーの魅力的性質であることが分かった。
本発明のブロックコポリマーの前記に特記された群の適用により得られると驚くべきことに分かった利点は、次のものである。即ち、
(a)ブロックコポリマー含有ホットメルト接着剤組成物の、通常の加工温度における非常に魅力的な低い熱溶融粘度(該組成物をラベル、テープおよび使い捨て品のような低温使用の用途にとって魅力的にする。)。
(b)しかも、ブロックコポリマーの単純な構造(70%と85%の間の制御可能なカップリング効率でもって製造され得そしてそれ故比較的低い原価を有する。)。
(c)特有のUV線感度が、最終用途の組成物のより高い加工速度および/または表面単位当たりのより少ない放射線エネルギーの必要性に関連した最も最近の要件に合う(即ち、例えば四腕型の先行技術のブロックコポリマーの以前に見られた性質とは対照的に)。
(d)ブロックコポリマーからなる接着剤組成物の硬化後、受容され得る高温抵抗性が得られ得る。
(e)追加的な別個の架橋剤即ちアクリレートのような薬剤が必要とされない(環境および人間の健康(これらの薬剤の毒性)にとって有意的に小さい危険を意味する。)。
(f)UV照射中空気の厳しい排除が必要とされない。
本発明の別の側面は、接着剤好ましくはホットメルト接着剤、シーラントまたは塗料の組成物(最終用途に依存して随意に放射線硬化され得る。)により形成される、ということが認められよう。一層特に、該ホットメルト接着剤組成物は、粘着付与性樹脂、エキステンダー油および/または可塑剤、石油由来のロウ、酸化防止剤、光開始剤(UV照射硬化の場合)から選択された1種またはそれ以上の通常の助剤並びに随意にモノビニル芳香族ブロックと相容性である樹脂と共に、前記に特記されたUVおよび/またはEB線感受性ブロックコポリマーを含んでなる。
ブロックコポリマーは単独では、十分に粘着できないように見えた。それ故、接着剤組成物について、エラストマー性ポリ(ブタジエン)ブロックと相容性である粘着付与性樹脂を添加することが普通必要である。
本発明による接着剤組成物において、接着剤組成物の低い放射線硬化線量を達成するために粘着付与性樹脂は低レベルの不飽和好ましくは5%未満の不飽和一層好ましくは1%未満の不飽和を有することが好ましい、ということが分かった。不飽和のレベルは、NMRにより適当に決定され得る。
樹脂の混合物、典型的には異なるレベルの不飽和および異なる軟化点を有する樹脂の混合物もまた用いられ得るが、しかしあり得る制御不能な副反応に因り好ましさが劣る。
本発明の接着剤組成物において有用である粘着付与性樹脂の例は、飽和樹脂、樹脂のエステル、ポリテルペン、テルペンフェノール樹脂および重合混合オレフィンあるいはそれらの混合物を含み、しかして水酸化樹脂が好ましい。
粘着付与性樹脂の量は総量にて、典型的には、ブロックコポリマー百部当たり10〜300部(phr)好ましくは50〜200phrにて変動する。
随意に、ポリ(ビニル芳香族)ブロックと相容性である樹脂である変性用樹脂が添加され得る。好ましくは、ポリ(ブタジエン)ブロックとの分子レベルでの混合の結果として放射線硬化過程を認められる程に妨害することのない変性用樹脂が選択される。変性用樹脂は、硬化を完了させるのに必要とされる時間が変性用樹脂の不存在下で硬化が完了するのに必要とされる時間の2倍未満である場合放射線硬化過程を認められる程に妨害しないと言われている。
相容性は、米国特許第3,917,607号に記載されている方法により判断される。普通、該樹脂は、ASTM法E28により決定されるとき100℃を越える軟化点を有するべきである。
粘着付与剤は、エラストマーブロックを粘着にする能力およびそれとの相容性について選択される。
有用な粘着付与性樹脂の例は、エスコレズ(ESCOREZ)5300シリーズ(エスコレズ(ESCOREZ)は商標である。)、レガライト(REGALITE)R91、R101、S100、S260(レガライト(REGALITE)は商標である。)、レガルレズ(REGALREZ)1018、3102、6108、5095(レガルレズ(REGALREZ)は商標である。)ゾナタック(ZONATAC)105ライト(LITE)のようなゾナタック・ライト(ZONATAC Lite)シリーズ(ゾナタック(ZONATAC)は商標である。)、ハーキュレス(HERCULES)MBG264等である。
本発明の接着剤、シーラントまたは塗料の組成物はまた、湿潤作用および/または粘度制御を与えるためにゴムエキステンダー油または配合油のような可塑剤を含有し得る。これらの可塑剤は当該技術において周知であり、そして高パラフィンまたはナフテン含有油および多価芳香族含有油の両方を含み得る。該可塑剤は、通常の可塑剤を含むのみならず、オレフィンオリゴマーおよび低分子量ポリマー並びに植物および動物油およびそれらの誘導体の使用を包含する。用いられ得る石油由来の油は、比較的高沸騰性の物質でありそして好ましくは小割合のみの芳香族炭化水素(好ましくは、油の30重量パーセント未満一層好ましくは15重量パーセント未満)を含有する。
かかる油は、例えば、シェルフレックス(SHELLFLEX)451、4510(シェルフレックス(SHELLFLEX)は商標である。)、オンディナ(ONDINA)68(オンディナ(ONDINA)は商標である。)、リセラ(RISELA)68(リセラ(RISELA)は商標である。)、プリモル(PRIMOL)352(プリモル(PRIMOL)は商標である。)、ウィトコ(WITCO)260(ウィトコ(WITCO)は商標である。)等であり、しかしてそれらのうちオンディナ(ONDINA)、リセラ(RISELA)およびプリモル(PRIMOL)の油は非芳香族油として知られている。オリゴマーは、ポリプロピレン、ポリブテン、水素化ポリイソプレン、水素化ポリブタジエン等(好ましくは、200と約10,000の間の平均分子量を有する。)であり得る。
植物および動物油は、脂肪酸のグリセリルエステルおよびそれらの重合生成物を含む。
用いられる可塑剤および油の量は、0〜500phr(ブロックコポリマー百重量部当たりの重量部)好ましくは0〜150phr一層好ましくは5〜120phrにて変動する。
様々な石油由来のロウもまた、接着剤の溶融状態における流動性および硬化接着剤への可撓性を与えるために並びにセルロース繊維を接合するための湿潤剤として働くために本組成物中に存在し得る。用語“石油由来のロウ”は、約54℃ないし約107℃の範囲内の融点を有するパラフィンおよび微晶質ロウの両方並びに低分子量ポリエチレンまたはフィッシャー−トロプッシュロウのような合成ロウを含む。
ここにおいて用いられる石油由来のロウの量は、0〜約100phr好ましくは0〜約15phrにて変動する。
最良の結果(即ち、最小放射線線量でもって達成される満足な硬化)は、粘着付与性樹脂と同様に、可塑剤および油が低レベルの不飽和好ましくは5%未満の不飽和一層好ましくは1%未満の不飽和を含有するとき達成される。追加的に、それらの芳香族含有率を最小にすることも好ましい。
接着剤、シーラントまたは塗料の組成物は、例えば安定剤、顔料、充填剤等のような慣用の添加剤を更に含有し得るが、しかし該組成物は好ましくは、該組成物の接着剤、シーラントまたは塗料の性質特にその高温特性に悪影響する他の添加剤および不純物を含むべきではない。
安定剤および酸化防止剤は、典型的には、接着剤組成物の製造および使用中成分を分解に対して保護するために(しかし、ポリマーの放射線硬化を妨害することなく)、商業的に入手できるコンパウンドに添加される。
安定剤の組み合わせが、様々なポリマーが受ける分解の異なる機序に因りしばしば一層効果がある。
或るヒンダードフェノール(立体傷害フェノール)、有機金属化合物、芳香族アミン、芳香族ホスファイトおよび硫黄化合物が、この目的のために有用である。
これらの物質の効果的なタイプの例は、フェノール酸化防止剤、チオ化合物およびトリス(ノニル化フェノール)ホスファイトを含む。
商業的に入手できる酸化防止剤の例は、“イルガノックス(IRGANOX)565”2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ第3級ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、“イオノール(IONOL)”2,6−ジ第3級ブチル−4−メチルフェノール、“イルガノックス(IRGANOX)1010”テトラキス−エチレン−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメート)メタン、“イオノックス(IONOX)330”3,4,6−トリス(3,5−ジ第3級ブチル−p−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリメチルベンゼンおよび“ポリガード(POLYGARD)HR”トリス−(2,4−ジ第3級ブチルフェニル)ホスファイトである。
一般に、約0.01重量パーセントないし約5.0重量パーセントの1種またはそれ以上の酸化防止剤が、接着剤、シーラントまたは塗料の組成物中に含められる。
本発明の接着剤、シーラントまたは塗料の組成物は、ブロックコポリマー、粘着付与性樹脂および他の所望成分を高温にて例えば約160-Cにて(熱溶融)、Z形ブレード混合機もしくは押出機またはその目的用のいずれかの他の通常のタイプの混合機を用いてブレンドすることにより製造され得る。
本発明の接着剤は、100%固体のホットメルト接着剤としての製造のために特に適合し、何故ならそれらは約150℃ないし180℃の加工温度にて比較的低い加工粘度即ち100,000センチポイズ未満の粘度および数時間までの適切なポットライフを与えるからである。好ましい加工方法は、米国特許第3,984,509号に開示されているように、接着剤を混合しそして塗布ダイに供給するための押出機の使用である。
先に指摘されたように、本発明の組成物は、該組成物の最終使用の用途に依存して硬化され得る。かかる硬化は、電子ビーム線のような高エネルギー電離線への暴露によりまたはUV線により遂行される。
架橋反応を遂行するために用いられる電子ビーム線または高エネルギー電離線は、原子炉、電子銃、共振変成器・加速器、バンドグラーフ電子加速器、リネアック電子加速器、ベータトロン、シンクロトロン、サイクロトロン等のようないずれかの適当な源から得られ得る。これらの源からの放射線は、電子、陽子、中性子、重陽子、ガンマ線、X線、アルファ粒子およびベータ粒子のような電離線を生成させる。
架橋反応は好都合には室温にて遂行されるが、しかしそれは所望されるなら低温または高温にて行われ得る。
驚くべきことに、UV照射中空気の厳しい排除が必要とされないということが分かった。それ故、組成物を基材の間にサンドイッチして(組成物がこれらの基材の間のタイ層(つなぎ層)として利用されるときのように)または排気後に酸素を含まない不活性雰囲気で満たされた孤立装置中でUV照射することにより架橋を遂行することはもはや必要でない。
空気のような酸素含有雰囲気中での照射による該架橋は有意的なコストの節約をもたらす、ということが当業者により認められよう。
満足な硬化をもたらすのに必要とされる照射量は、主として、用いられるブロックコポリマーのタイプおよび濃度並びに組成物中に存在する不飽和レベルに依存する。電子ビーム照射の適当な線量は、0.5〜8Mrad好ましくは約4Mradないし約8Mrad一層好ましくは約6Mradないし約8Mradの範囲にある。
接着剤組成物は、好ましくは、所望量の架橋を遂行するのに十分な時間紫外線に暴露することにより硬化され得る。通常、紫外線の使用が意図されるとき、接着剤組成物は、ブロックコポリマー100重量部当たり0.2〜30%重量部の紫外増感成分(光開始剤)と共に処方される。公知の紫外増感化合物のいずれも用いられ得る。
光開始剤の好ましい群は、次のものから成る群から選択される。即ち、
(1)少なくとも1種の第3級アミンと随意に組み合わされた少なくとも1種の一般式(I)
〔ここで、R1ないしR8は独立的に水素または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基好ましくはメチルを表しそしてR7および/またはR8を加えて1〜4個の炭素原子のアルコキシを表し得、そしてnは0、1または2の値を有する。〕
のベンゾフェノン、
(2)カルボニル基が少なくとも1つの芳香族環に直接結合されている少なくとも1種の硫黄含有カルボニル化合物好ましくは一般式II
〔ここで、R9、R10、R11は各々水素、1〜4個の炭素原子のアルキル、または1〜4個の炭素原子を有するアルキルチオ基を表し得る。〕
のもの、および
(3)(1)および(2)の混合物。
範疇(1)の適当な化合物の例は、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノンおよび2,4,6−トリメチルベンゾフェノンと4−メチルベンゾフェノンの共融混合物(エサキュア(ESACURE)TZT)並びに2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア(IRGACURE)651)(エサキュア(ESACURE)およびイルガキュア(IRGACURE)は商標である。)である。これらの化合物は、例えばウヴェクリル(UVECRYL)7100(ウヴェクリル(UVECRYL)は商標である。)のような第3級アミンとの組合わせにて用いられ得る。
範疇(2)は、例えば、イルガキュア(IRGACURE)907(イルガキュア(IRGACURE)は商標である。)として商業的に入手できる2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1のような化合物を包含する。
適当な混合物(範疇(3))の例は、2−イソプロピルチオキサントンと4−イソプロピルチオキサントンの混合物15重量%と2,4,6−トリメチルベンゾフェノンと4−メチルベンゾフェノンの混合物85重量%の混合物である。この混合物は、商品名エキサキュア(ESACURE)X15下で商業的に入手できる。
上記の範疇(1)、(2)および(3)のいずれか一つの光開始剤また、例えばウヴェクリル(UVECRYL)P115のような他の光開始剤との組合わせにて用いられ得る。特に有用なものは、ベンゾフェノンと該ウヴェクリル(UVECRYL)P115の組合わせである。
本発明の好ましい具体的態様において、光開始剤は、(i)ベンゾフェノン、(ii)ベンゾフェノンと、少なくとも1つの芳香族環に直接結合されているカルボニル基を含有する第3級アミンの混合物、(iii)2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1(イルガキュア(IRGACURE)907)、(iv)2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア(IRGACURE)651)から成る群から選択され、しかしてそれらのうち(iii)および(iv)が最も好ましい。
暴露の長さは、放射線の強度、用いられる紫外増感化合物の量および特定のタイプ、硬化されるべき(接着剤)層の厚み等に依存する、ということが認められよう。光開始剤は、好ましくは、ブロックコポリマー100重量部当たり1〜10重量部の範囲の量にて一層好ましくは1〜5重量部の範囲の量にて含められ得る。
本発明のブロックコポリマー組成物を架橋するために用いられるUV照射は、原則的に、200ナノメートル(nm)と500nmの間の波長において1つまたはそれ以上のピークを示す出力スペクトルを有するいずれのUV源でもよい。特に適当なUV源は、ヒュージョン(Fusion)電球ランプである。H電球ランプおよびD電球ランプ(線パワー118W/cm(300W/インチ)および236W/cm(600W/インチ))が特に有用である一方、D電球ランプおよびH電球ランプの組合わせもまた適当に適用され得る。
UV照射への暴露は、いずれの公知の方法によっても遂行され得る。適当な方法は、例えば、熱溶融物から得られた層または溶媒塗布により得られた層のいずれかのサンプルを、UV源の下に或る程度(1分当たりのメートル数即ちm/minにて表される。)にて該サンプルを通すことによりUV照射に暴露することである。必要なら、照射への暴露は、十分な硬化を達成するために、例えばUV源の下にサンプルを繰り返し通すことによりまたは直列に設置された2つまたはそれ以上のランプの下にサンプルを通すことにより、1回またはそれ以上繰り返され得る。十分で満足な硬化を得るのに総照射線量が低ければ低いほどおよびUV源の下にサンプルが通され得る速度が高ければ高いほど、該サンプルの硬化能は一層良好である。
本処方物の好ましい使用は、感圧接着(PSA)テープの製造またはラベルの製造においてである。感圧接着テープは、可撓性裏地シートおよび該裏地シートの一方の主面上に塗布された本発明の接着剤組成物の層からなる。該裏地シートはプラスチックフィルム、紙またはいずれかの他の適当な材料であり得、そして該テープは感圧接着テープの製造において用いられる下塗、剥離被膜のような様々な他の層または被膜を含み得る。
更なる側面によれば、本発明は、おむつのような使い捨て品の製造の際の使用のためのホットメルト接着剤組成物に関する。
該ホットメルト接着剤組成物は、本発明のブロックコポリマー好ましくはqがゼロであるブロックコポリマーからなる。該接着剤組成物は、典型的には、粘着付与性樹脂および随意に可塑剤を更に含む。好ましい組成物は、典型的には、40〜70重量%の粘着付与性樹脂、15〜35重量%のブロックコポリマーおよび10〜30重量%の可塑剤からなる。他の接着剤組成物においてのように、酸化防止剤等のような他の添加剤もまた、好ましくは20重量%を越えない量にて存在し得る。
本発明は、次の例によりしかしこれらの好ましい具体的態様に本発明の範囲を限定することなく更に例示される。
実施例1
ポリマーP1の製造
シクロヘキサン、スチレンおよびブタジエンを前もってアルコア(ALCOA)(商標)酸化アルミニウムカラムに通して、随意的安定剤および残存する微量の水を除去した。該アルコア(ALCOA)カラムは、窒素でパージしながら350℃にて活性化されていた。反応器および導管もまた、窒素でパージされていた。120rpmの速度を有する螺旋形撹拌機を備えた300リットル反応器中の40℃におけるシクロヘキサン(180リットル)に、5kgのスチレンを計量供給し、この反応混合物を45℃に加熱し、その後330mlの1.4Mのsec−ブチルリチウムを添加した。
第1サンプルを50℃における1時間の重合時間後の反応混合物から採取し、そしてGPC−UV検出により分析した(実ピーク分子量=11410)。
所望分子量を得るために1.542kgの第2量のスチレンを計量供給し、そして反応を50℃にて続行した。
十分は反応時間後採取された第2サンプルについて、スチレンブロックの最終分子量をGPC−UV分析により決定した。反応混合物を40℃に冷却した(実ピーク分子量=14520)。
225mlのsec−ブチルリチウム(1.4M)の添加後、63.18mlのジエトキシプロパン(DEP)を添加し、そして引き続いて29.85kgのブタジエンを添加した。
このブタジエン計量供給は、40℃にて開始された。該計量供給の開始から、4.00kgのブタジエンを計量供給するのに必要とされる時間である20分で反応器は70℃に過熱された(強制断熱法)。ブタジエンの残部(22.85kg)を、70℃にて等温的に計量供給した。反応時間は、ブタジエン計量供給の終了後10分であった。
サンプルを反応の完了後採取し、そして分析した(見掛けピーク分子量=97150)。リビングポリマーを、43.53mlのガンマーGPTSでカップリングした。
60分のカップリング時間後、反応混合物を9mlのメタノールで終端させた。この混合物を0℃に冷却し、そして分析のためにポリマーP1のサンプルを採取した。GPC+UV+RIでの検出:UVにおけるHPS含有率2.9%、カップリング効率85%、ビニル含有率49.0%、スチレン含有率18.8%、見掛け分子量254300〜258600。
この反応混合物をブレンディング容器に移し、200mlのシクロヘキサン中に一緒に溶解された0.4phrのポリガード(Polygard)HR(トリス−2,4−ジtert−ブチルフェニル)ホスファイト)および0.2phrのイオノール(Ionol)(71.39)を添加しそしてブレンドして混ぜ混んだ。
引き続いて、この凝固容器に800リットルの脱イオン水を添加し、そして水蒸気での105℃における凝固を遂行した。
凝固されたゴム粒団および凝縮された水蒸気を30℃に冷却し、そして該粒団を水から分離しそして水含有率が約0.2%になるまで熱空気炉中で50℃にて乾燥した。
比較例1
ポリマーpaの製造
5lの第1反応器に約3lのシクロヘキサンを添加し、そして約半時間窒素でストリッピングした、150gのスチレンの添加後、反応器の内容物をシクロヘキサン中のsec−ブチルリチウム(BuLi)の12重量%溶液で室温にて滴定し、それにより反応混合物中に存在する不純物を掃去した。この後、15.6mmolのBuLiを添加し、そして温度を50℃に上げそして50℃に維持した。約30分後ポリ(スチレン)Liブロックが形成されており、そして内容物を10lの第2反応器に移し、しかしてこの反応器は、約半時間窒素でストリッピングされた約3lのシクロヘキサン並びに変動量のジエトキシエタン調節剤および前もってブチルリチウム溶液で滴定されていた350gのブタジエンが前もって装填されていた。
温度を50℃に上げた。予定の追加的量のBuLiを第2反応器に変動量にて添加し、そして500gの量のブタジエンを約30分かけて徐々に計量供給した。
その後第2反応器を80℃にもたらしそして80℃に保ち、7.7ミリモルのSiCl4を添加し、そしてカップリング反応を約30分で遂行した。
96%のカップリング効率(CE)が認められ、一方ポリ(ブタジエン)のビニル含有率は54%であると認められた。
約2時間後、10gの2,6−ジtert−ブチル−4−メチルフェニルを添加した。この後溶媒を水蒸気ストリッピングにより除去し、そして得られたポリマー(Pa)を5〜6時間60℃にて炉中で乾燥した。
実施例2
ポリマーP2の製造
250gのスチレンを、20mmolのsec−ブチルリチウムの添加後50℃における18lのシクロヘキサンに添加した。反応は40分後完了された。この後、8mlの1,2−ジエトキシプロパン(DEP)を添加した。反応器の温度を60℃に上げ、その後20mmolのsec−ブチルリチウムを添加した。次いで、1414gのブタジエンを反応混合物に15分で徐々に計量供給した。重合を、60℃にて120分間進行させた。次いで、1.96mlのビス(トリメトキシシリル)エタン(BTMSE)を添加して、リビング鎖をカップリングさせた。この反応混合物を12時間後20℃まで冷却した後、20mLのエタノールを添加した。
このポリマーを0.2phrのイオノール(IONOL)およびおよび0.4phrのポリガード(POLYGARD)HR(トリス−2,4−ジtert−ブチルフェニル)ホスファイト)で安定化し、そして水蒸気ストリッピングにより単離して白色粒団が得られた。生成物P2をASTM D3536により分析した。ビニル含有率は、ASTM D3677に一般的に記載されている赤外分光法により測定される。
実施例3
ポリマーP3の製造
225gのスチレンを、21mmolのsec−ブチルリチウムの添加後50℃における18lのシクロヘキサンに添加した。反応は40分後完了された。この後、14mlの1,2−ジエトキシプロパン(DEP)を添加した。反応器の温度を70℃に上げ、その後21mmolのsec−ブチルリチウムを添加した。次いで、1275gのブタジエンを反応混合物に20分で徐々に計量供給した。重合を、70℃にて60分間進行させた。次いで、2.12mlのビス(トリメトキシシリル)エタン(BTMSE)を添加して、リビング鎖をカップリングさせた。この反応混合物を12時間後20℃まで冷却した後、20mlのエタノールを添加した。このポリマーを0.2phrのイオノール(IONOL)および0.4phrのポリガード(POLYGARD)で安定化し、そして水蒸気ストリッピングにより単離して白色粒団が得られた。生成物P3をASTM D3536により分析した。ビニル含有率は、ASTM D3677に一般的に記載されている赤外分光法により測定される。
実施例4
ポリマーP4の製造
225gのスチレンを、21.5mmolのsec−ブチルリチウムの添加後50℃における18lのシクロヘキサンに添加した。反応は40分後完了された。この後、13mlの1,2−ジエトキシプロパン(DEP)を添加した。反応器の温度を70℃に上げた。次いで、294gのブタジエンを反応混合物に6分で徐々に計量供給した。重合を、70℃にて30分間進行させた。この後、21.5mmolのsec−ブチルリチウムおよび1mlののDEPを添加し、その後直ちに981gのブタジエンを13分で徐々に添加した。重合を、70℃にて60分間進行させた。次いで、2.19mlのビス(トリメトキシシリル)エタン(BTMSE)を添加して、リビング鎖をカップリングさせた。この反応混合物を12時間後20℃まで冷却した後、20mlのエタノールを添加した。
このポリマーを0.2phrのイオノール(IONOL)および0.4phrのポリガード(POLYGARD)で安定化し、そして水蒸気ストリッピングにより単離して白色粒団が得られた。生成物P4をASTM D3536により分析した。ビニル含有率は、ASTM D3677に一般的に記載されている赤外分光法により測定される。
比較例2
6腕型ポリマーPbの製造
200gのスチレンを、22mmolのsec−ブチルリチウムの添加後50℃における18lのシクロヘキサンに添加した。反応は40分後完了された。この後、4.7mlの1,2−ジエトキシプロパン(DEP)を添加した。反応器の温度を30℃に保ち、その後44mmolのsec−ブチルリチウムを添加した。次いで、1800gのブタジエンを反応混合物に40分で徐々に計量供給した。重合を、50℃にて100分間進行させた。次いで、2.3mlのビス(トリクロロシリル)エタン(BTCSE)を添加して、リビング鎖をカップリングさせた。この反応混合物を12時間後20℃まで冷却した後、20mlのエタノールを添加した。
このポリマーを0.2phrのイオノール(IONOL)および0.4phrのポリガード(POLYGARD)で安定化し、そして水蒸気ストリッピングにより単離して白色粒団が得られた。生成物PbをASTM D3536により分析した。ビニル含有率は、ASTM D3677に一般的に記載されている赤外分光法により測定される。
温度の段階的増大を監視する電気機械装置を備えた空気循環炉において、SAFT試験が行われる。該炉の内部において、支持体が側壁に取り付けられており、しかしてそれらの上に6つのアルミニウム棚が2°の角度下で置かれ得る。これらの棚は6枚の金属またはガラス板を支持し、しかしてそれらの上にテープサンプルが適用される。これらの板は狭いリッジ(隆起部)にて静止し、しかして該リッジには6つのスロットが切られている。塗布されたフィルムの自由部分(この上に錘が掛けられる。)は、これらのスロットに沿って進む。
ストリップの一端を、ガラス板上の中央に置きかつ部分的にくっつける。該ストリップの他端を、それが該板と接触しないで下方に位置するように保持する。該ストリップを該ガラス板に対してしっかりと押しつけて、空気泡の取込みを回避する。該ストリップの接着部分を、該ガラスの縁から1″の所で切る。その際、その表面は25.4mm×25.4mm(1インチ2)である。最後に、これらの試験片を、24時間貯蔵する。
かかるサンプルを備えた該棚を該炉中に設置し、そして500〜1000グラムの錘を該ストリップの自由端に掛けそして“ホフマン”ホースクランプで締め付ける。
これらの錘は最初基板により支持され、しかして該基板は“実験室ジャッキ”により上下に移動し得る。試験の開始直前、該基板が下方に移動されて、錘が今やマイクロスイッチまたは光電スイッチの上方で自由に垂れ下るようにされる。これらのスイッチは、計数器に連結される。該炉中の温度は、ディジタル温度計に表示される。
ストリップが落ちる時、錘がマイクロスイッチ上に落下しそしてタイマーが停止される。破壊までの時間が知られるとき、破壊が起こった温度が、算出された時間/温度の図形から読み取られ得る。SAFT値は、2つのサンプルでもって記録された2つの温度の平均である。
Claims (8)
- 放射線硬化性ホットメルト接着剤組成物用に使用可能なブロックコポリマーであって、一般式(AB)p(B1)qXを有し、ここでAはポリ(ビニル芳香族)ブロックでありそしてBおよびB1は1,2付加(ビニル)含有率が25〜70重量%の範囲にある同じまたは異なるポリ(ブタジエン)ブロックであり、Xは3〜6の範囲の活性部位の最大値(m)を有する多価カップリング剤の残基であり、pおよびqの数平均値は1.5〜mの範囲にあり、但しpおよびqの値の平均和がmより小さくかつカップリング効率が90%より小さいことを条件とし、しかも10〜50重量%の範囲の平均総ビニル芳香族含有率を有しかつ100,000〜500,000の範囲の総見掛け分子量(GPCにより測定されたとき)を有することを特徴とする上記ブロックコポリマー。
- Xが、四価または三価カップリング剤の残基であることを特徴とする請求項の範囲第1項に記載のブロックコポリマー。
- 請求の範囲第1項または第2項に記載の1種またはそれ以上のブロックコポリマー並びに粘着付与性樹脂、エキステンダー油、可塑剤、石油由来のロウ、酸化防止剤、光開始剤および変性用樹脂から選択された1種またはそれ以上の助剤からなる接着剤組成物。
- 請求の範囲第1項または第2項に記載の1種またはそれ以上のブロックコポリマー並びに粘着付与性樹脂、エキステンダー油、可塑剤、石油由来のロウ、酸化防止剤、光開始剤および変性用樹脂から選択された1種またはそれ以上の助剤からなるシーラント組成物。
- 請求の範囲第1項または第2項に記載の1種またはそれ以上のブロックコポリマー並びに1種またはそれ以上の助剤からなる塗料組成物。
- 請求の範囲第1項または第2項に記載の1種またはそれ以上のブロックコポリマーを少なくとも1種の光開始剤と共に含んでなるUV線硬化性接着剤組成物であって、該光開始剤が、ブロックコポリマー100重量部当たり1〜5重量部の範囲の量にて含まれているUV線硬化性接着剤組成物。
- 可撓性裏地シートおよび該裏地シートの一方の主面上に塗布された請求の範囲第6項に記載の接着剤組成物の層からなる感圧放射線硬化性のテープ。
- 請求の範囲第1項または第2項に記載の放射線感受性ブロックコポリマーの製造方法であって、
(a)主としてモノビニル芳香族モノマーを有機リチウム開始剤RLiの存在下で重合させてリビングポリマーALiを形成させ、
(b)主としてブタジエンを該リビングポリマーALiに重合させかつ予定された時点で該有機リチウム開始剤RLiを添加してリビングポリマーA−B−LiおよびB1Liの混合物を生じせしめ、ここでセグメントBおよびB1は同じまたは異なる分子量を有し得、RLiの添加の正確な時点に依存してM[B]≧M[B1]であり、しかも該ブタジエンは25〜70%の1,2ビニル含有率にて重合されかつ該開始剤RLiは開始剤RLiとリビングポリマーALiのモル比が0.45〜2.20の範囲になるような量にて添加され、
(c)得られたリビングポリマーA−B−LiおよびB1Liの混合物を、カップリング効率が90%より小さくなるような条件下で多官能性カップリング剤でカップリングさせる
ことからなる上記方法。
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