JP3982880B2 - 粘接着剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の2官能カップリング剤でカップリングさせた特定の構造を有するブロック共重合体組成物をベースとした、色調、透明性、熱安定および、保持力、タック感と溶融粘度のバランスに優れる粘接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ホットメルト型の粘接着剤が、環境汚染、労働環境の観点から広く使用されるようになってきている。ホットメルト型粘接着剤のベースポリマーとしては芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共重合体(SBS)が広く使用されている。しかしながら、SBSは一般的に熱安定性が劣り、しかも保持力、タック感と溶融粘度のバランスが不十分であり、これらの改良が望まれてきた。これらの改良方法として特開昭64−81877号公報や「接着」(第32卷1号、27頁(’88))にはトリブロック共重合体とジブロック共重合体よりなる粘接着剤組成物が開示されている。更に、特開昭61−42582号公報には、特定の2官能性カップリング剤(特定のジハロゲン化合物)でカップリングさせて得られるブロック共重合体よりなる粘接着剤組成物が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記に開示されたいずれの方法でも改良効果は不十分であった。このような背景の下、本発明は色調、透明性、熱安定性に優れ、しかも保持力、タック感と溶融粘度のバランスに優れる粘接着剤組成物を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記の好ましい粘接着剤組成物を開発するために、鋭意検討を重ねた結果、ある特定の2官能性シラン化合物でカップリングさせた特定の構造を有する芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共重合体組成物を含有してなる粘接着剤組成物がその目的に適合することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、(a)少なくとも一つの芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも一つの共役ジエンを主体とするブロックからなるブロック共重合体を重合して得られる、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)におけるピーク分子量が、標準ポリスチレン換算で×104 〜50×104 であり、かつ、全芳香族ビニル化合物の合計量が10〜50重量%であるリビングポリマーと、下記の一般式(I)で示されるケイ素化合物とをカップリング反応させて得られる線状ブロック共重合体組成物であって、該線状ブロック共重合体組成物中のカップリングした成分が10重量%以上99重量%以下である線状ブロック共重合体組成物100重量部と、(b)粘着付与性樹脂20〜400重量部とからなることを特徴とする粘接着剤組成物を提供するものである。
1 2 SiX2 (I)
〔式中、R1 は芳香族系炭化水素基、R2 はアルキル基または芳香族系炭化水素基または水素、Xはハロゲンを表す。〕
【0006】
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明を構成する(a)成分は、少なくとも一つの芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと少なくとも一つの共役ジエンを主体とするブロックからなるブロック共重合体を重合して得られる、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)におけるピーク分子量が標準ポリスチレン換算で×104 〜50×104 であり、かつ、全芳香族ビニル化合物の合計量は10〜50重量%であるリビングポリマーと、下記の一般式(I)で示されるケイ素化合物とをカップリング反応させて得られる。
1 2 SiX2 (I)
〔式中、R1 は芳香族系炭化水素基、R2 はアルキル基または芳香族系炭化水素基または水素、Xはハロゲンを表す。〕
【0007】
(a)成分で使用される芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、P−メチルスチレン、第三級ブチルスチレン、α−メチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレンなどの単量体が挙げられ、中でもスチレンが好ましい。これらの単量体は、単独でも2種以上の併用でもよい。
一方、共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2、3−ジメチル−1、3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1、3−オクタジエン、フェニル−1、3−ブタジエンなどの単量体が挙げられ、中でも1,3−ブタジエン及びイソプレンが好ましい。これらの単量体は、単独でも2種以上の併用でもよい。
【0008】
(a)成分中のリビングポリマーの態様としては、例えば、次の一般式の単独もしくは組み合わせで示される。
(A−B)m−Li
(B−A−B)m−Li
(A−B−A)m−Li
(式中、Aは芳香族ビニルを主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエンを主体とする重合体ブロックでありmは1〜5の整数である)
また、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックとは、芳香族ビニル化合物を50〜100重量%含有する芳香族ビニル化合物単独又はブタジエンとの共重合体ブロックである。
【0009】
また、共役ジエンを主体とする重合体ブロックとは、共役ジエンを50〜100重量%含有するブタジエン化合物単独又は芳香族ビニル化合物との共重合体ブロックである。
共重合体ブロック中の芳香族ビニル炭化水素は均一に分布していても、また不均一(例えば、テーパー状)に分布していてもよい。
【0010】
上記一般式で示されるリビングポリマーをカップリング反応させる他に、目的に応じて組成比(構造)の異なるリビングポリマーを別々に調整し、カップリング反応させるか、又は、重合途中に単量体と有機リチウム化合物を追加添加重合する等により組成(構造)の異なるリビングポリマーを調整し、カップリング反応させても良い。 更に、上記一般式で示されるリビングポリマーと芳香族ビニル化合物を主体とする(共)重合体リビングポリマーまたは共役ジエンを主体とする(共)重合体リビングポリマーとをカップリング反応させても良い。
【0011】
本発明において、カップリング直前のブロック共重合体のGPCによるピーク分子量は標準ポリスチレン換算で1×104 〜50×104 であり、好ましくは3×104 〜30×104 である。ピーク分子量が1×104 未満であると粘接着剤組成物の保持力を著しく損ね、また50×104 を超えると粘接着剤組成物の溶融粘度が著しく高くなり、加工性を損ねる。
(a)成分におけるカップリング直前のブロック共重合体とカップリング反応後の線状ブロック共重合体組成物中の全芳香族ビニル化合物の合計量は、10〜50重量%、好ましくは15〜40重量%の範囲で選択される。該合計量が10%未満では、粘着剤組成物の保持力を著しく損ね、50%を超えると粘接着剤組成物のタック感を損ねる。
【0012】
(a)成分において使用されるシラン化合物とは以下の一般式(I)で表される構造をもつシラン化合物である。
1 2 SiX2 (I)
〔式中、R1 は芳香族系炭化水素基、R2 はアルキル基または芳香族系炭化水素基または水素、Xはハロゲンを表す。〕
本発明者らは、粘接着剤組成物の特に色調、及び加熱変色性について鋭意検討を重ねた結果、芳香族系の置換基が粘接着剤を調合する際の熱劣化に対し、非常に熱安定性に優れることを見出し、さらに検討を重ね、本発明の特定構造を持ったシラン化合物でカップリングしたブロック共重合体組成物とこのブロック共重合体組成物からなる粘接着剤組成物を発明するに至った。
【0013】
このシラン化合物においては、R1 が芳香族系炭化水素基であることが必須である。R1 、R2 の両方とも脂肪族系炭化水素基を持ったシラン化合物を使用した場合に比べて、本発明の如く芳香族系炭化水素基を一つ以上持ったシラン化合物を使用した場合は、耐熱性が大幅に改良され、ホットメルト型粘接着剤組成物を得る際に非常に良好な性能が発揮できる。すなわちホットメルト型の粘接着剤は製造時、及び使用時に加熱溶融させるので熱履歴を受け、変色等の性能劣化が起こるという問題があった。しかし、本発明の組成物は上記の特定のカップリング剤を使用するので、変色等の性能劣化が大幅に低減される。
【0014】
芳香族系炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、ベンジル基、フェネチル基及びその誘導体が好ましく、さらにはフェニル基が好ましい。R2 はアルキル基、または芳香族系炭化水素基または水素であることが必須である。
芳香族系炭化水素基としては上記のR1 と同様のものが好適に使用される。さらにはR1 と同様にフェニル基が好ましい。また、R1 とR2 は同じ基でも良く、また異なる基でもかまわない。
【0015】
アルキル基の炭素数は1〜20が必須である。炭素数がこれよりも多くなると、シラン化合物の反応性が低くなり、充分なカップリング反応が起こらない。炭素数が1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基など、異性体を含めたすべてのアルキル基が使用可能である。なかでも、炭素数が1〜6のアルキル基が望ましく、さらにはメチル基が特に望ましい。
さらに、Xはハロゲンであることが必須である。ハロゲンは、塩素、臭素、ヨウ素が望ましく、特に塩素が反応性が高いので望ましい。
【0016】
具体的には、ジフェニルジクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、フェニルジクロロシラン、フェニルエチルジクロロシラン、フェニルプロピルジクロロシラン、トリルメチルジクロロシラン、ジトリルジクロロシラン、ジフェニルジブロモシラン、フェニルメチルジブロモシラン、フェニルジブロモシラン、フェニルエチルジブロモシラン、フェニルプロピルジブロモシラン、トリルメチルジブロモシラン、ジトリルジブロモシランなどが挙げられる。
【0017】
本発明における(a)成分のカップリングした成分の比は10重量%以上99重量%以下であることが必要である。10重量%未満ではカップリングした成分が不足しているので、粘接着剤組成物の保持力が充分に得られない。望ましくは15重量%、さらに望ましくは20重量%以上である。また99重量%を超えた場合、未カップリング成分が不足しているので、粘接着剤組成物のタック感が充分に得られない。望ましくは、98重量%、さらに望ましくは95重量%以下である。
また、(a)成分のカップリング反応したブロック共重合体には、水素添加されたブロック共重合体や、さらに、無水マレイン酸などの変性剤で変性された線状ブロック共重合体も含まれる。
【0018】
次に、本発明を構成する(b)成分としては、種類は特に限定はなく、(水添)ロジン系テルペン系樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、テルペン−フェノール系樹脂、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂などの公知の粘着付与性樹脂が挙げられ、これらの粘着付与性樹脂は2種類以上混合して使用することも可能である。この(b)成分の使用量としては、(a)成分100重量部に対して20〜400重量部の範囲で使用され、好ましくは50〜350重量部の範囲で使用される。その使用量が20重量部未満では、粘接着剤組成物のタック感を付与しにくく、また、400重量部を超えると粘接着剤組成物の保持力の低下を引き起こし、いずれの場合も粘接着剤特性を損ねる傾向を生じる。
【0019】
また、本発明の組成物は、公知のナフテン系、パラフィン系のプロセスオイル及びこれらの混合オイルを軟化剤として使用することができる。軟化剤を添加することにより、組成物の粘度が低下するので加工性が向上するとともに、タッキネスが向上する。アロマ系は、粘接着剤組成物の色調、及び熱安定性を損ね好ましくない。その使用量は、(a)成分に対して0〜200重量部の範囲で使用され、200重量部を超えると粘接着剤組成物の保持力を著しく損ねる傾向を生じる。
更に、本発明の粘接着剤組成物において、必要により、酸化防止剤、光安定剤などの安定剤を添加することもできる。
【0020】
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−0−クレゾール、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルべンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ぺンチルフェニル)]アクリレートなどのヒンダードフェノール系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロビオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネートペンタエリスリトールーテトラキス(β−ラウリルチオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどのリン系酸化防止剤等を挙げることができる。
【0021】
また、光安定剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシー3’,5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;あるいはヒンダードアミン系光安定剤等を挙げることができる。
【0022】
上記の安定剤以外に本発明の粘接着剤組成物には必要により、ベンガラ、二酸化チタンなどの顔料;パラフィンワックス、マイクロクリスタンワックス、低分子量ポリエチレンワックス、などのワックス類;無定形ポリオレフィン、エチレンーエチルアクリレート共重合体などのポリオレフィン系又は低分子量のビニル芳香族系熱可塑性樹脂;天然ゴム;ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレンーブタジエンゴム、エチレンープロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、イソプレンーイソブチレンゴム、ポリペンテナマーゴム、及び、本発明以外のスチレンーイソプレン系ブロック共重合体などの合成ゴムを添加しても良い。
本発明の粘接着剤組成物は、公知の混合機、ニーダーなどで、加熱下で均一混合する方法で調製される。
【0023】
【実施例】
以下、実施例などによって本発明を説明するが、これらの実施例などは本発明を何ら限定するものではない。なお、各種測定は下記の方法に従った。
1.線状ブロック共重合体組成物の物性測定
1)全スチレン含量: 紫外線分光光度計(日立製UV200)を用いて、262nmの吸収強度より算出した。
2)ピーク分子量及び組成比: GPC〔装置は、ウォーターズ製であり、カラムは、デュポン製のZORBAX PSMlOOO−Sを2本とPSM 60−Sを1本の計3本の組合せである。溶媒にはテトラヒドロフランを用い、測定条件は、温度35℃、流速0.7ml/分、試料濃度0.1重量%、注入量50μlである〕のクロマトグラムより、ピーク分子量及び組成比を求めた。なお、ピーク分子量は、以下の標準ポリスチレン(ウォーターズ製)検量線からの換算値である。
1.75×106
4.1×105
1.12×105
3.5×104
8.5×103
【0024】
2.粘接着剤組成物の物性測定
溶融状態で取り出し、アプリケーターでポリエステルフィルムに厚さ50マイクロメートルになるようにコーティングし、粘着テープサンプルを作成し、色調、タック感、保持力等を以下の方法で測定した。
1)色調
粘接着剤組成物の色調を調べ、○、△、×、××(○が最も色調の変化が少なく、優れる)の4段階にランク付けした。
2)タック感
触指により、○、△、×(○が最もべたつきがあり、優れる)の3段階にランク付けした。
【0025】
3)保持力
保持力は、JIS Z−1524に準じて、ステンレス板に25mm×25mmの面積が接するように粘着テープを貼り付け、80℃において1kgの荷重を与えて粘着テープがずれ落ちるまでの時間を測定した。
4)溶融粘度
粘接着剤組成物の溶融粘度は、180℃でブルックフィールド型粘度計により測定した。
5)熱安定性
粘接着剤組成物の熱安定性は、190℃のギアオーブンに入れ、24時間エージングした後、色調を調べ、○、△、×、××(○が最も色調の変化が少なく、優れる)の4段階にランク付けした。
【0026】
(実施例1)
ジャケットと攪拌機の付いた10lステンレス製反応器を充分窒素置換した後、シクロヘキサン7000cc、テトラヒドロフラン1.4g、スチレン350gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を約70℃に設定した。この後、n−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分で1.6g)を添加し、スチレンの重合を開始した。スチレンが完全に重合してから、ブタジエン (1,3−ブタジエン)650gを添加して重合を継続し、ブタジエンがほぼ完全に重合してから、カップリング剤としてフェニルメチルジクロロシランを添加し、カップリングさせた。カップリング剤添加後に、水0.5gを加えた。スチレンを仕込んだ直後より、この間、攪拌機により系内を連続的に攪拌した。この後、ブロック共重合体組成物の溶液を抜き出し、2,6−ジ−t−ブチルー4−メチルフェノール1.9g、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト1.2gを添加し、得られた該溶液をスチームストリッピングすることにより溶媒を除去し、引き続き、熱ロール(120℃)により脱水乾燥して、ブロック共重合体を得た。このようにして得られたブロック共重合体組成物のスチレン含量は35重量%、カップリングしたブロック共重合体のピーク分子量(以下、単にピーク分子量と称する)は142000であった。また、カップリングした成分の全ブロック共重合体中の割合(以下、単にカップリング率と称する)は30重量%であった。得られた該ブロック共重合体150gを、ブロック共重合体100重量部に対して、粘着付与性樹脂としてのクリアロンM105(安原油脂製:商品名)を300重量部、軟化剤としてダイアナ プロセスオイルPW−90(出光興産製:商品名)を50重量部、さらに酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバガイギー製:商品名)を1重量部の配合比で配合して、180℃×2時間、1リットルの攪拌機付き容器で溶融混練しホットメルト型粘接着剤組成物を得た。これらの粘接着剤組成物の物性を測定した結果、保持力は14分、溶融粘度は1450cpsであった。また、粘接着剤の色調は○、タック感は○、また熱安定性も○であった。表1に重合条件を、表2に得られた共重合体の分析結果を、表3に粘接着剤の物性測定結果を示す。
【0027】
(実施例2〜4)
表1に示した条件以外は実施例1と同様の条件で重合し、同様の操作で各々のブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体の分析結果を表2に示す。また、実施例1と同様の操作でホットメルト型粘接着剤組成物を得た。その粘接着剤組成物の物性測定結果を表3に示す。
【0028】
(実施例5)
ジャケットと攪拌機の付いた10lステンレス製反応器を充分窒素置換した後、シクロヘキサン7000cc、テトラヒドロフラン1.4g、テトラメチレンジアミン(TMEDA)0.7g、スチレン270gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を約70℃に設定した。この後、n−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分で1.5g)を添加し、スチレンの重合を開始した。スチレンが完全に重合してから、ブタジエン (1,3−ブタジエン)700gとスチレン(第2スチレンと称す)30gを添加して重合を継続し、ブタジエン及び第2スチレンがほぼ完全に重合してから、カップリング剤としてフェニルメチルジクロロシランを添加し、カップリングさせた。カップリング剤添加後に、水0.5gを加えた。スチレンを仕込んだ直後より、この間、攪拌機により系内を連続的に攪拌した。この後、ブロック共重合体組成物の溶液を抜き出し、2,6−ジ−t−ブチルー4−メチルフェノール1.9g、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト1.2gを添加し、得られた該溶液をスチームストリッピングすることにより溶媒を除去し、引き続き、熱ロール(120℃)により脱水乾燥して、ブロック共重合体を得た。このようにして得られたブロック共重合体組成物のスチレン含量は30重量%、ピーク分子量は176000であった。また、カップリング率は70重量%であった。得られた該ブロック共重合体150gを用いて、実施例1と同様の操作を行いホットメルト型粘接着剤組成物を得た。これらの粘接着剤組成物の物性を測定した結果、保持力は19分、溶融粘度は3200cpsであった。また、粘接着剤の色調は○、タック感は○、また熱安定性も○であった。表1に重合条件を、表2に得られた共重合体の分析結果を、表3に粘接着剤の物性測定結果を示す。
【0029】
(実施例6)
カップリング剤としてジフェニルジクロロシランを使用した以外は、実施例1と同様の条件で重合を行い、ブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体の分析結果を表2に示す。得られた該ブロック共重合体150gを用いて、実施例1と同様の操作を行いホットメルト型粘接着剤組成物を得た。これらの粘接着剤組成物の物性を測定した結果、保持力は15分、溶融粘度は1550cpsであった。また、粘接着剤の色調は○、タック感は○、また熱安定性も○であった。
【0030】
(実施例7)
カップリング剤としてフェニルジクロロシランを使用した以外は実施例1と同様の条件で重合を行い、ブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体の分析結果を表2に示す。得られた該ブロック共重合体150gを用いて、実施例1と同様の操作を行いホットメルト型粘接着剤組成物を得た。これらの粘接着剤組成物の物性測定結果を表3に示す。
【0031】
(比較例1)
ジャケットと攪拌機の付いた10lステンレス製反応器を充分窒素置換した後、シクロヘキサン7000cc、テトラヒドロフラン1.4g、スチレン150gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を約70℃に設定した。この後、n−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分で1.0g)を添加し、スチレンの重合を開始した。スチレンが完全に重合してから、ブタジエン (1,3−ブタジエン)700gを添加して重合を継続し、ブタジエンがほぼ完全に重合してから、さらにスチレン(以下第3スチレンと称する)を150g添加し重合を継続する。第3スチレンがほぼ完全に重合してから、水0.5gを加えた。最初のスチレンを仕込んだ直後より、この間、攪拌機により系内を連続的に攪拌した。この後、ブロック共重合体組成物の溶液を抜き出し、2,6−ジ−t−ブチルー4−メチルフェノール1.9g、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト1.2gを添加し、得られた該溶液をスチームストリッピングすることにより溶媒を除去し、引き続き、熱ロール(120℃)により脱水乾燥して、ブロック共重合体を得た。このようにして得られたブロック共重合体組成物のスチレン含量は30重量%、ピーク分子量は102000であった。また、GPCにより、カップリングしていない事を確認した。得られた該ブロック共重合体150gを用いて、実施例1と同様の操作を行いホットメルト型粘接着剤組成物を得た。これらの粘接着剤組成物の物性測定結果を表3に示す。
【0032】
(比較例2)
表1に示した条件以外は比較例1と同様の条件で重合し、同様の操作でブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体の分析結果を表2に示す。また、実施例1と同様の操作でホットメルト型粘接着剤組成物を得た。その粘接着剤組成物の物性測定結果を表3に示す。
【0033】
(比較例3)
カップリング剤としてジメチルジクロロシランを使用した以外は実施例1と同様の条件で重合し、同様の操作でブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体の分析結果を表2に示す。また、実施例1と同様の操作でホットメルト型粘接着剤組成物を得た。その粘接着剤組成物の物性測定結果を表3に示す。
【0034】
(比較例4)
カップリング剤として酢酸エチルを使用した以外は比較例3と同様の条件で重合し、同様の操作でブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体の分析結果を表2に示す。また、実施例1と同様の操作でホットメルト型粘接着剤組成物を得た。その粘接着剤組成物の物性測定結果を表3に示す。
以上の結果から、本発明の組成物は粘接着剤として非常に優れた性能を持っていることがわかる。
【0035】
【表1】
Figure 0003982880
【0036】
【表2】
Figure 0003982880
【0037】
【表3】
Figure 0003982880

Claims (2)

  1. (a)少なくとも一つの芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックと、少なくとも一つの共役ジエンを主体とするブロックからなるブロック共重合体を重合して得られる、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)におけるピーク分子量が、標準ポリスチレン換算で×104 〜50×104 であり、かつ、全芳香族ビニル化合物の合計量が10〜50重量%であるリビングポリマーと、下記の一般式(I)で示されるケイ素化合物とをカップリング反応させて得られる線状ブロック共重合体組成物であって、該線状ブロック共重合体組成物中のカップリングした成分が10重量%以上99重量%以下である線状ブロック共重合体組成物100重量部と、(b)粘着付与性樹脂20〜400重量部とからなることを特徴とする粘接着剤組成物。
    1 2 SiX2 (I)
    〔式中、R1 は芳香族系炭化水素基、R2 はアルキル基または芳香族系炭化水素基または水素、Xはハロゲンを表す。〕
  2. 一般式(I)で示されるケイ素化合物の芳香族系炭化水素基が、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、ベンジル基、フェネチル基及びその誘導体から選ばれる少なくとも1種の基であることを特徴とする請求項1に記載の粘接着剤組成物。
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