JP3675341B2 - 車両用駆動装置 - Google Patents

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  • Gear-Shifting Mechanisms (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用駆動装置に関し、特に、変速時に動力伝達の中断を伴う変速機に好適な車両用駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から機械的クラッチにクラッチ操作のアクチュエータを設ける一方、手動変速機にギヤシフトのアクチュエータを設けて、クラッチ開放・締結操作と変速操作とを自動的に行なわせる自動変速モードを備えた変速装置が知られており、例えば、特開平7−151217号公報や特開平9−79374号公報に開示されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、変速時にクラッチを開放してエンジンとミッションとの間の動力伝達を中断した状態で、変速操作がなされ、その完了後(約0.3秒後)に再びクラッチを締結して動力伝達を再開しているため、前記中断中は惰行状態にあり、クラッチから車両駆動系の末端の駆動車輪の間の駆動系統は、動力伝達状態から急激にトルクが作用していない状態となるため、トルク抜けショックを生じる一方、クラッチが再び締結されると駆動系統全体に駆動トルクの立ち上がりを生じトルクショックが発生する。このトルク抜けショックを解消するために変速機の変速ギヤより下流の駆動系統に駆動トルクを選択的に付加する電動モータ等のアシスト手段を設け、変速機の変速ギヤの切換え時、前記クラッチの開放およびまたは変速ギヤの中立復帰によりアシスト手段を作動させ、変速ギヤの切換え後およびまたは前記クラッチの締結によりアシスト手段の作動を停止する車両用駆動装置が特開平11−141665号公報により提案されている。しかしながら、このような車両用駆動装置においては、シフトレバーを前進(D)レンジに操作するとアシスト手段が作動されて発進動作するものであるため、意図しない発進がなされる場合がある。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、確実な走行意思の確認に好適な車両用駆動装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、エンジンから動力を受け変速ギヤを切換えることで多段階に変速して駆動系統へ出力する変速機と、エンジンから変速機へ伝達される動力を締結および開放可能なクラッチと、前記変速機の変速ギヤより下流の駆動系統に駆動トルクを選択的に付加するアシスト手段と、前記変速機の変速ギヤの切換え時、前記クラッチの開放およびまたは変速ギヤの中立復帰によりアシスト手段を作動させ、変速ギヤの切換え後およびまたは前記クラッチの締結によりアシスト手段の作動を停止する制御手段とを備え、前記制御手段は、車両の停止中において、シフトレバーが前進レンジに選択され、且つ、パーキングブレーキ手段の作動が解除されることを条件として、前記クラッチの開放を行なう一方、前記アシスト手段を作動させることを特徴とする。
【0012】
の発明は、第の発明において、前記制御手段は、パーキングブレーキ手段の作動中は前記アシスト手段の作動を阻止することを特徴とする。
【0014】
の発明は、第の発明において、前記制御手段は、バッテリ容量に応じてエンジンの回転および停止を選択して作動させることを特徴とする。
【0015】
の発明は、第1ないし第の発明のいずれかにおいて、前記アシスト手段は、ワンウエイクラッチを介して駆動系統に連結されていることを特徴とする。
【0016】
【発明の効果】
したがって、第1の発明では、車両の停止中において、シフトレバーが前進レンジに選択され、且つ、パーキングブレーキ手段の作動が解除されることを条件として、クラッチの開放を行ないアシスト手段を作動させるものであるため、確実な走行意思の確認後に、停車状態から車両を微速前進させることができ、車両の操作性を向上でき、車庫入れ等の微妙な車両操作がやり易く、しかも、坂道発進等で車両が後退することが防止でき、安価な装置で商品性を高めることができる。
【0020】
の発明では、第の発明の効果に加えて、車両のパーキングブレーキ手段の作動中は前記アシスト手段の作動を阻止しているため、シフトレバーが前進レンジでの停車中に1速または2速等の低速変速段を選択する手動変速機にあっても発進等の誤作動が生じなく安全性が高い。
【0022】
の発明では、第の発明の効果に加えて、バッテリ容量に応じてエンジンの回転および停止を選択できるため、停車時にエンジンを停止でき、動力損失を低減できる。
【0023】
の発明では、ワンウエイクラッチを介してアシスト手段の駆動力を駆動系統に伝達するため、作動時にのみアシスト手段を作動させればよく経済的であり、また、高速での巡航時においてもアシスト手段を高速で回転させる必要がなくその耐久性を確保できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は、本発明を適用可能な車両用駆動装置の全体構造を示し、図2はその平面図、図3は側面図であり、クラッチ1、手動変速機2、および、アシスト機構3から構成され、変速中にエンジンに代わってアシスト機構3により変速機2下流の駆動系統のトルクを確保してトルク抜けショックを防止するものである。
【0026】
図1において、前記クラッチ1は、クラッチハウジング10内に変速機2の入力軸21に支持されたクラッチディスク11と、図示しないエンジンクランク軸端に取付けられ、クラッチディスク11の両側に配されたプレッシャプレート12、および、フライホイール13、クラッチカバー14、ダイアフラムスプリング15等から構成される。
【0027】
そして、通常はダイアフラムスプリング15のばね力でクラッチディスク11をプレッシャプレート12とフライホイール13とで挟み込むことで締結状態となりエンジンからの駆動力を変速機2の入力軸21に伝達する。
【0028】
また、クラッチハウジング10に摺動支持されたレリーズベアリング16を図2に示す作動手段としてのクラッチモータ17を作動させて、図示しないウイズドロワルレバーで押圧することでダイアフラムスプリング15の付勢力を解除して、プレッシャプレート12を後退させることでクラッチディスク11を開放して、エンジンからの駆動力の変速機2の入力軸21への伝達を遮断する開放状態となる。
【0029】
前記変速機2は、前記クラッチハウジング10と変速機ケース20との間に設けられ、前記入力軸21とこの入力軸21に並行配置されたメインシャフト22およびデファレンシャルケース23をこれらハウジング10およびケース20で両端支持して構成している。
【0030】
前記入力軸21には、図中右から、1速ギヤ25、リバースギヤ24、2速ギヤ26、3速ギヤ27、4速ギヤ28、5速ギヤ29が一体に配置され、前記メインシャフト22には、前記入力軸21上の各前進ギヤ25〜29に噛み合う1速メインギヤ35〜5速メインギヤ39が回転自在に設けられ、前記リバースギヤ24は後退変速時に図示しないアイドラギヤを介してメインシャフト22と一体のリバースメインギヤ34と噛み合うように構成される。
【0031】
前記1速メインギヤ35と2速メインギヤ36の間、3速メインギヤ37と4速メインギヤ38の間、および5速メインギヤ39の側方には、夫々シンクロ機構30〜32が配置され、シンクロ機構30〜32は図2に示す作動手段としてのシフトモータ33により作動され、変速時に今まで動力伝達していたメインギヤとメインシャフト22の連結を開放して中立位置に復帰する一方、新たに選択されたメインギヤとメインシャフト22との間の回転速度を同期させつつ両者を連結する機能を備える。
【0032】
前記選択されるメインギヤ、即ち、変速段は、車速値とエンジンのスロットル開度値により設定される1速−2速、2速−3速、3速−4速、4速−5速間の各アップシフト線と5速−4速、4速−3速、3速−2速、2速−1速間の各ダウンシフト線とにより区画された変速スケジュールに基づき、車速とスロットル開度の状態に応じて自動的に決定される。
【0033】
前記メインシャフト22には、前記デファレンシャルケース23との間にファイナルドライブを構成するファイナルドライブギヤ40Aが形成され、デファレンシャルケース23にはファイナルギヤ40Bが設けられる。
【0034】
前記デファレンシャルケース23内には、図示しないがデファレンシャルギヤが配置され、その出力はドライブシャフト41(図2参照)を介して図示しない駆動車輪に伝達される。
【0035】
前記アシスト機構(アシスト手段ともいう)3は、変速機ケース20を貫通したモータ軸42を持つアシストモータ(電動モータ)43と、モータ42軸にワンウエイクラッチ(一方向クラッチ)44を介して取付けたモータギヤ45、および、モータギヤ45とファイナルドライブギヤ(メインギヤ)40Aとに噛み合うアイドラギヤ46(図3参照)から構成され、変速中にアシストモータ43の駆動トルクをモータギヤ45、アイドラギヤ46を介してファイナルギヤ40A、40Bから駆動車輪までの間の駆動系統に加えるよう機能する。アイドラギヤ46は変速機ケース20とクラッチハウジング10とに両端支持されている。
【0036】
図4は駆動力の伝達経路を示し、エンジンからの駆動力を伝達する通常時には、入力軸21から1速〜5速のメインギヤ35〜39のいずれか、シンクロ機構30〜32のいずれか、メインシャフト22、ファイナルギヤ40A、40Bとハッチングした矢印の如く伝達される。
【0037】
また、変速中は上記変速ギヤ25〜29、35〜39を経由しての動力はクラッチ1により断たれ、代わって、アシストモータ43による駆動トルクが、一方向クラッチ44、モータギヤ45、アイドラギヤ46を介してファイナルギヤ40A、40Bに白抜きの矢印の如く伝達される。
【0038】
図5は車両用駆動装置の制御システムを示し、クラッチモータ17およびシフトモータ33を制御する変速コントロールユニットTCUと、アシストモータ43を制御するモータコントロールユニットMCUと、変速時のエンジン回転数を制御するエンジンコントロールユニットECUとから構成されている。
【0039】
前記エンジンコントロールユニットECUは、エンジン回転数センサ50よりのエンジン回転数信号、アクセル開度センサ51よりのアクセル開度信号、スロットル開度センサ52よりのスロットル開度信号、エンジントルクセンサ53よりのエンジントルク信号が夫々入力され、非変速時は、アクセル開度信号に基づきスロットル開度を制御し、スロットル開度信号により制御結果を監視する。
【0040】
また、変速時には、前記エンジントルク信号を監視し、変速コントロールユニットTCUよりの要求トルク信号(スロットル開度の増減指令)に基づきエンジンEから出力されるトルクが一致するようエンジンEのスロットル開度を調整する。
【0041】
具体的には、変速機2のシフトアップ(アップシフトともいう)変速時には、変速コントロールユニットTCUから、エンジン回転数を落とすエンジントルクカットの要求信号(スロットル開度減少指令)を受けてエンジンEのスロットル開度を減少調整する。
【0042】
また、シフトダウン(ダウンシフトともいう)変速時には、変速コントロールユニットTCUからエンジン回転数を上昇させるエンジントルク増加の要求信号(スロットル開度増加指令)を受け、エンジンEのスロットル開度を増大調整し、シフトダウン終了時には、変速コントロールユニットTCUからエンジン回転数を変速比分減少するエンジントルク減少の要求信号(スロットル開度減少指令)に応じてエンジンのスロットル開度を減少調整する。
【0043】
変速コントロールユニットTCU(制御手段)は、シフトレバー位置センサ54よりのシフト位置信号(ニュートラル位置N、前進位置D、マニュアル位置3、2、1、リバース位置R等、なお、Nレンジ、Dレンジ、3レンジ、2レンジ、1レンジ、Rレンジともいう)、変速機2のギヤ位置センサ55よりのギヤ位置信号(1速〜5速)、変速機2の入力軸回転数センサ56よりの入力回転数信号、車両の図示しないパーキングブレーキ装置(パーキングブレーキ手段)のパーキングランプスイッチ57よりの駐車信号、および、車輪速センサ58の車輪速信号に基づき制動時の制動力を制御するスキッドコントロールコンピュータ59からの車速信号が入力され、エンジンコントロールユニットECUからは、発生トルク信号(スロットル開度信号)が入力されている。
【0044】
また、前記変速スケジュールに基づき、車速信号およびスロットル開度信号に応じて変速段を決定し、変速が必要な場合には、クラッチモータ17へはクラッチ開放指令/クラッチ締結指令を、シフトモータ33へは新たな変速段指令を、モータコントロールユニットMCUにはアシスト開始指令/アシスト終了指令を、エンジンコントロールユニットECUにはスロットル開度減少/増加指令を夫々出力する。
【0045】
即ち、シフトアップ変速においては、エンジンコントロールユニットECUにスロットル開度減少指令を出力し、次いで、クラッチモータ17に開放指令を、また、モータコントロールユニットMCUにアシストモータ作動開始指令を夫々出力し、入力回転数がシフトアップに対応した回転数の範囲内か否かを判断し、許容範囲内であればシフトモータ33に変速開始指令を出力し、シフトの終了後、クラッチモータ17に締結指令を、また、モータコントロールユニットMCUにアシスト作動終了指令を夫々出力し、エンジンコントロールユニットECUにスロットル開度をアクセル開度に対応した元の開度への復帰指令を出力して変速作動を完了させる。
【0046】
前記シフトアップ変速時におけるエンジンコントロールユニットECUへのスロットル開度減少指令は、シフトアップ(1速−2速、2速−3速、3速−4速、4速−5速)毎に設定されてスロットル開度量として予め図示しないスロットル開度マップに記憶されている。
【0047】
また、シフトダウン変速においては、モータコントロールユニットMCUにアシストモータ作動開始指令を、エンジンコントロールユニットECUにスロットル開度増加指令を夫々出力し、入力回転数がシフトダウンに対応した回転数の範囲内か否かを判断し、許容範囲内であればシフトモータ33に変速開始指令を出力し、シフトが終了後、エンジンコントロールユニットECUにシフトダウンに対応したエンジン回転数となるようスロットル開度減少指令を、モータコントロールユニットMCUにアシスト作動終了指令を夫々出力し、そして、エンジンコントロールユニットECUにスロットル開度をアクセル開度に対応した元の開度への復帰指令を出力して変速作動を完了させる。
【0048】
前記シフトダウン変速時におけるエンジンコントロールユニットECUへのスロットル開度増加指令およびスロットル開度減少指令は、シフトダウン(5速−4速、4速−3速、3速−2速、2速−1速)毎に設定されてスロットル開度量として予め前記スロットル開度マップに同様に記憶されている。
【0049】
なお、上記変速動作の開始にあたっては、シフト位置がドライブレンジ(以下、Dレンジという)であり、パーキングブレーキランプスイッチ57からの駐車信号がOFFであり、入力回転数が指定範囲にある場合にのみ、開始される。
【0050】
さらに、シフト位置がDレンジ(前進レンジ)で変速段が1速である場合の停車中においては、クラッチモータ17へ開放指令を出力する一方、モータコントロールユニットMCUへはアシスト開始指令を出力して、アシストモータ43により車両を微速前進(クリープ)可能とし、スキッドコントロールコンピュータ59よりの車速信号により設定した車速になるようモータコントロールユニットMCUへアシストトルク調整指令を出力し、エンジンコントロールユニットECUよりアクセルペダル踏み込み信号を受けるとき、クラッチモータ17へ締結指令を、モータコントロールユニットMCUへアシスト終了指令を夫々出力して、エンジンEからの動力伝達を再開させる。
【0051】
なお、前記クリープ走行は、バッテリ容量が許容範囲にある場合の、エンジンコントロールユニットECUへエンジン停止指令を出力してエンジン停止状態で作動され、アクセルペダルが踏み込まれてエンジンが回転を再開されたとき終了される作動状態と、バッテリ容量が許容範囲に満たない場合の、エンジンコントロールユニットECUへエンジンEをアイドル回転状態にしてエンジンEに付属した図示しない発電器での発電状態で作動され、やはり、アクセルペダルが踏み込まれたとき終了する作動状態とがあり、バッテリ容量によりいずれかの作動状態が選択される。
【0052】
また、前記クリープ走行は、パーキングブレーキ手段の作動状態を検出するパーキングブレーキランプスイッチ57がOFF状態の場合のみ作動を開始し、パーキングブレーキランプスイッチ57のON状態の場合には作動は阻止される。
【0053】
前記モータコントロールユニットMCU(制御手段を構成する)は、変速コントロールユニットTCUからのアシスト開始指令により、クラッチモータ17によるクラッチ1の開放によるトルク抜けに対応してアシストトルクを増加させ、変速コントロールユニットTCUよりのアシスト終了指令により、クラッチモータ17によるクラッチ1の締結による伝達トルクの増加に対応してアシストトルクを減少させるようアシストモータ43を作動させる。
【0054】
また、前記モータコントロールユニットMCUには、シフトアップ(1速−2速、2速−3速、3速−4速、4速−5速)毎のアシストトルクのマップ、および、シフトダウン(5速−4速、4速−3速、3速−2速、2速−1速)毎のアシストトルクのマップが記憶されており、変速の度に読み出されて、最適なアシストトルクをアシストモータ43に指令する。
【0055】
また、クリープ走行時においては、変速コントロールユニットTCUよりのアシストトルク調整指令に応じてアシストトルクを増減させ、路面傾斜状態、車両積載状態に応じて変化する走行負荷に対応する構成としている。
【0056】
次に、車両用駆動装置の変速コントロールユニットTCUの作動につき、図6および図7によりシフトアップ変速について、図8によりシフトダウン変速について、図9によりクリープ作動について、夫々説明する。
【0057】
前述したように、変速コントロールユニットTCUは内蔵した変速スケジュールに基づき、車速信号およびスロットル開度信号に応じて変速段を決定し、決定した変速段が現在の変速段に対してギヤ比(減速比)が減少する場合にアップシフト変速が選択され、ギヤ比が増加する場合にダウンシフト変速が選択される。
【0058】
アップシフト変速が選択された場合には、図6のフローチャートに示された制御が実行される。図6に示すように、アップシフト変速は、ステップ1〜4における変速前確認部と、ステップ5〜11における変速動作部とからなり、変速動作部のステップ6およびステップ10におけるクラッチモータ17の作動とアシストモータ43の作動とは、クラッチモータ17が作動してクラッチ1を開放するときにはそれに同期してアシストモータ43によるアシストトルクが増加し、クラッチモータ17によりクラッチ1を締結再開するときにはそれに同期してアシストモータ43によるアシストトルクが減少するよう作動される。
【0059】
そして、ステップ7〜9間においては、クラッチ1での伝達トルクは駆動系統に作用せず、アシストモータ43によるアシストトルクが駆動系統に作用している。
【0060】
前記変速前確認部では、先ず、ステップ1においてシフトレバー位置センサ54よりの位置信号がDレンジか否か、ステップ2においてギヤ位置センサ55よりのギヤ位置信号がアップシフト以前のギャ位置Nであるか否か、ステップ3においてパーキングブレーキランプスイッチ57よりの信号がOFFであるか否か、ステップ4において入力回転数センサ56よりの入力回転数が今回のシフトアップ変速の指定範囲内のものであるか否かの各判定を行なう。
【0061】
前記ステップ1の判定は、シフト位置がDレンジであることの確認であり、Nレンジ、マニュアル3(2、1)レンジ、Rレンジにシフトされている場合には変速作動は開始されない。
【0062】
前記ステップ2の判定は、変速スケジュール上の変速前のギヤ位置とギヤ位置センサ55よりのギヤ位置とが一致しているか否かの確認であり、ギヤ位置センサ55、スロットル開度センサ52の故障、車速信号の異常等がある場合には、上記ギヤ位置が一致しないことが予想され、変速動作は開始されない。
【0063】
前記ステップ3の判定は、パーキングブレーキを作動させた停車中か否かの確認であり、停車中での変速動作は開始されない。
【0064】
前記ステップ4の判定は、入力回転数が、対象とするアップシフトに対して指定範囲内にあるか否かの確認であり、指定範囲を逸脱して高回転となっていたりした場合には変速動作は開始されない。
【0065】
前記ステップ1〜4の確認のいずれも満足する場合には、変速動作部のステップが開始され、ステップ5でエンジンコントロールユニットECUへスロットル開度減少指令を出力し、ステップ6においてクラッチモータ17へ開放指令を出力し、同時にモータコントロールユニットMCUへアシストモータ作動開始指令を出力し、シフトモータ33に中立位置復帰指令を出力する。
【0066】
上記動作により、エンジンコントロールユニットECUはスロットル開度を減少してシフトアップ変速の準備を行ない、クラッチモータ17はクラッチ1の締結を開放し、モータコントロールユニットMCUはアシストモータ43を起動し、シフトアップ変速に最適な目標アシストトルクを発生させる。さらに、シフトモータ33は中立状態に復帰し、1速メインギヤ35とメインシャフト22との間のシンクロ機構30を中立状態として、入力軸21および各変速メインギヤ35〜39を自由回転させる。
【0067】
この状態では、クラッチ1によりエンジンEからの動力は断たれ、代わってアシストモータ43からワンウエイクラッチ44、ドライブギヤ45、および、アイドラギヤ46を介してファイナルギヤ40A、40B、デファレンシャルギヤ23、ドライブシャフト41、および、駆動車輪からなる駆動系統にはアシストトルクが作用しており、駆動トルクがクラッチ1の開放にかかわらず維持されている。従って、駆動トルクの急激な低下によるトルク抜けショックの発生が防止される。
【0068】
図7は1速から2速へのシフトアップ変速中におけるメインシャフト22の回転数(図7A参照)と駆動系統に入力される伝達トルク(図7D参照)、アシストトルク(図7C参照)の変化を示すものであり、クラッチ1が開放される時間T1から、図7Bの如く従来技術にあっては急激に伝達トルクが低下するが、代わってアシストトルクが図7Cのごとく立ち上がることで伝達トルクの低下をアシストする状態を示している。
【0069】
図6に戻り、次にステップ7により入力回転数がシフトアップ変速に対応した回転数範囲に低下したか否かを判断する。入力回転数はクラッチ1およびシンクロ機構30〜32のいずれからも駆動されないため、図7に示すように時間T1から低下する。
【0070】
従って、入力回転数が対応した回転数範囲まで低下した場合には、ステップ8に進み、シフトモータ33に新たなシフトアップ変速段へシフト動作させ、対応するシンクロ機構30〜32により対応メインギヤ36〜39とメインシャフト22の同期を行なわせる。
【0071】
次いで、ステップ9において、シフト終了か否かが判断される。シフト終了は、シンクロ機構30〜32の同期完了とともにシフトモータ33がストロークエンドに到達することを検出することで確認される。
【0072】
また、モータコントロールユニットMCUは、アシストモータ43によるアシストトルク値を、図7Cに示すように、変速前の伝達トルク値から変速後の伝達トルク値に変速中において徐々に変化させる。
【0073】
ステップ9でシフト終了に至れば、ステップ10に進み、クラッチモータ17へ締結再開指令を出力する一方、モータコントロールユニットMCUへはアシスト作動終了指令を出力する。(図7の時間T2)
クラッチモータ17はクラッチ1を所定の締結速度で締結ショックを発生させることなく締結させ、モータコントロールユニットMCUはアシストモータ43のアシストトルクをクラッチ1の締結速度に対応して低下させる。
【0074】
アシストトルクからクラッチトルクへの移行は、クラッチ1の締結によりメインシャフト22が回転駆動される時点でワンウエイクラッチ44が作動し、アシストモータ43による駆動が断たれ(図7中の時間T3参照)、以後エンジンEからの動力が駆動系統に伝達される。そして、アシストモータ43は停止され、ドライブギヤ45、アイドラギヤ46のみがメインシャフト22とともに回転される状態となる。
【0075】
このクラッチ締結時にあっても、ワンウエイクラッチ44によりアシストトルクからクラッチトルクへの移行は円滑に行なわれる。
【0076】
なお、図7中のアシストトルクの立上り位置を早い時期に移動させ、アシストトルクの立下り位置を遅い時期に移動させると、クラッチトルクの低下部分を完全にカバーできて、駆動系統トルクの変動をなくすることができる。
【0077】
ステップ11では、エンジンコントロールユニットECUへスロットル開度の復帰指令が出力され、スロットル開度はアクセル開度センサに追随して制御され、シフトアップ変速は終了する。
【0078】
前記変速中(図7における時間T1〜T2の間)におけるアシストトルク値の制御は、モータコントロールユニットMCUに記憶されたパターンにより行なわれ、このパターンはシフトアップ変速(1速−2速、2速−3速、3速−4速、4速−5速)毎に設定される。
【0079】
また、クラッチ1経由で伝達されるトルク値に一致させることが、アシストトルク初期および終期においてクラッチトルクと切換わる際に、トルク変化がゼロと出来て望ましいが、必ずしもこれに限定することなく、クラッチ1経由で伝達されるトルク値の50パーセントであっても、多板クラッチにより変速ギヤを切換える遊星ギヤ式自動変速機と同等のトルクショックに低減することができる。
【0080】
前記変速スケジュールに基づき、車速信号およびスロットル開度信号に応じて決定された変速段がシフトダウンである場合には、図8のフローチャートに示された制御が実行される。
【0081】
図8に示すように、シフトダウン変速は、ステップ12〜15における変速前確認部とステップ16〜23における変速動作部とからなり、変速前確認部のステップ12〜15はシフトアップ時に説明したステップ1〜4と同じであるため説明を省略し、以下に変速動作部を構成するステップ16から説明する。
【0082】
変速前確認部のステップ12〜15の確認がいずれも満足する場合には、ステップ16でエンジンコントロールユニットECUへスロットル開度減少指令を出力し、ステップ17でモータコントロールユニットMCUへアシストモータ作動開始指令を出力し、同時にシフトモータ33に中立位置復帰指令を出力する。
【0083】
上記動作により、エンジンコントロールユニットECUはスロットル開度を減少してシフトダウン変速の準備を行ない、モータコントロールユニットMCUはアシストモータ43を起動し、シフトダウン変速に最適な目標アシストトルクを発生させる。また、シフトモータ33は中立状態に復帰し、たとえば2速メインギヤ36とメインシャフト22との間のシンクロ機構30を中立状態として、入力軸21および各変速メインギヤ35〜39をメインシャフト22から切り離してクラッチ1を介してエンジンEと共に回転させる。
【0084】
この状態では、全てのシンクロ機構30〜32が開放されているためにエンジンEからの動力は断たれ、代わってアシストモータ43からワンウエイクラッチ44、ドライブギヤ45、および、アイドラギヤ46を介してファイナルギヤ組40A、40B、デファレンシャルギヤ23、ドライブシャフト41、および、駆動車輪からなる駆動系統にはアシストトルクが作用しており、駆動トルクがシンクロ機構30〜32の開放にかかわらず維持されている。従って、駆動トルクの急激な低下によるトルク抜けショックの発生が防止される。
【0085】
このアシストトルク値はシフトダウン変速前のクラッチ伝達トルクに相当する値を初期目標値とし、シフトダウン変速後のクラッチ伝達トルクに相当する値を終了目標値として、両目標値間で徐々に変化させて個々のシフトダウン変速(5速−4速、4速−3速、3速−2速、2速−1速)毎にモータコントロールユニットMCU内の記憶手段に設定される。これらの目標値は必ずしもクラッチ伝達トルクに相当する値と同じにする必要はなく、シフトダウン時は、エンジンブレーキに相当する伝達トルクでよい。
【0086】
次いで、ステップ18においてエンジンコントロールユニットECUへスロットル開度増加指令を出力し、シフトダウン変速のために入力回転数を増加させる。このスロットル開度増加指令はシフトダウン変速(5速−4速、4速−3速、3速−2速、2速−1速)毎に夫々設定され記憶されている。
【0087】
続くステップ19により入力回転数を監視し、入力回転数が変速段N+1に対応した範囲内に達するまで待ち、この範囲内になったときステップ20に進んでシフトモータ33により変速段N+1のシンクロ機構(変速前の変速段が2速とすると変速後は1速であるのでシンクロ機構は30)を作動させ変速段N−1を構成する変速メインギヤ(前記の場合には変速メインギヤ35)とメインシャフト22との同期を開始する。
【0088】
この同期作用の進行状況はステップ21で監視されており、シンクロ機構30〜32の同期完了とともにシフトモータ33がストロークエンドに到達しているか否かを検出してシフト終了か否かが判断される。シフト終了に至っていない場合には同期作用が続行される。
【0089】
ステップ21でシフト終了を検出すると、エンジンEからクラッチ1、入力軸21、変速段N−1の変速メインギヤ(35)、対応するシンクロ機構(30)、メインシャフト22のエンジン動力の伝達経路が確定されたこととなる。従って、アシストトルクは不要であり、続くステップ22に進んで、モータコントロールユニットMCUへアシストモータ作動終了指令を出力して、アシストトルクを低下させる。そして、アシストモータ43の回転数低下によりワンウエイクラッチ44が作動してアシストトルクはなくなる。
【0090】
ステップ23では、エンジンコントロールユニットECUへスロットル開度の復帰指令が出力され、スロットル開度はアクセル開度センサに追随して制御され、シフトダウン変速は終了する。
【0091】
車両が停車している場合には、図9に示すクリープ制御が実行される。図9に示すクリープ制御のフローチャートは、ステップ24〜26で構成されクリープ作動が可能であるか否かを判定するクリープ可否判定部と、ステップ27〜33で構成され、バッテリ容量に応じてエンジン停止状態もしくはエンジン回転状態でのいずれで行なうかの状態選択部と、ステップ34〜38で構成されるクリープ処理実行部とを備えている。
【0092】
クリープ可否判定部は、ステップ24でシフトレバー位置センサ54よりの位置信号がDレンジか否か、ステップ25においてギヤ位置センサ55よりのギヤ位置信号が1速であるか否か、ステップ26においてパーキングブレーキランプスイッチ57よりの信号がOFFであるか否かの各判定を行なう。
【0093】
前記ステップ24の判定はシフト位置がDレンジであることの確認であり、Dレンジであることは走行しようとする意思を確認しているもので、Nレンジ、マニュアル3(2、1)レンジ、Rレンジにシフトされている場合にはクリープ作動は開始されない。
【0094】
前記ステップ25の判定は、1速であることにより低速で走行することのためのギヤ位置の確認であり、2〜5速での中高速走行である場合にはクリープ作動は開始されない。
【0095】
前記ステップ26の判定は、走行可能か否かをパーキングブレーキが作動されているか否かで判定しているものである。
【0096】
前記ステップ24〜26の確認のいずれも満足する場合には、状態選択部のステップ27に進み、バッテリ容量が許容範囲以上あるか否かが判定され、許容範囲以上ある場合には、このバッテリ電力によりアシストモータ43を所定時間だけ回転可能であるため、エンジンコントロールユニットECUへエンジン停止指令を出力し、ステップ29で入力回転数がゼロであることによりエンジン停止を確認する。ステップ29でエンジン停止が確認できない場合には、クリープ作動は開始されない。
【0097】
次いで、ステップ30に進み、クラッチモータ17を作動してクラッチ1の開放を行ないクリープ作動部のステップ34に進む。
【0098】
また、ステップ27でバッテリ容量が許容範囲未満であると判定された場合には、バッテリ電力によりアシストモータ43を所定時間だけ回転させることが出来ないため、ステップ31に進み、クラッチモータ17を作動してクラッチ1の開放を行なった後、ステップ32へ進み、エンジンコントロールユニットECUへエンジン始動アイドリング回転させる指令を出力する。 エンジンEの始動により回転される図示しない発電機よりの電力がアシストモータ43に供給可能となる。
【0099】
次いで、ステップ33でエンジン回転状態がアイドリング範囲であることを確認した後、クリープ作動部のステップ34に進む。ステップ33でエンジン回転状態がアイドリング範囲であることを確認できない場合にはクリープ作動は開始されない。
【0100】
ステップ34ではモータコントロールユニットMCUへアシストモータ作動開始指令を出力し、アシストモータ43よりの駆動力をワンウエイクラッチ44、ドライブギヤ45、アイドラギヤ46を介してメインシャフト22を駆動することで車両を前進走行させる。
【0101】
この場合の車速は例えば3〜5Km/hのいずれかを規定値として設定しておき、ステップ35により監視し、規定値からずれていたらステップ36に進んでモータコントロールユニットMCUからのアシストトルク設定値を増減させて調整する。
【0102】
前記アシストトルクの設定値は、路面の傾斜度合いや乗車および積載状態によりその都度変化するものであるため、クリープ制御の度に変更される。
【0103】
車速が規定値なるとステップ37に進み、エンジンコントロールユニットECUからアクセルペダル踏み込み信号を受けたか否かが判断され、アクセルペダル踏み込み信号を受けるまで車速を設定値に制御する。
【0104】
ステップ37において、アクセルペダル踏み込み信号を受けたと判断した場合には、走行開始を意味するため、アシスト終了とクラッチ締結を行なうステップ38へ進む。また、エンジンEは停止中であればエンジンコントロールユニットECUにより再始動される。
【0105】
ステップ38では、クラッチモータ17へ締結再開指令を出力する一方、モータコントロールユニットMCUへはアシスト作動終了指令を出力する。クラッチモータ17はクラッチ1を所定の締結速度で締結ショックを発生させることなく締結させ、モータコントロールユニットMCUはアシストモータ43のアシストトルクをクラッチ1の締結速度に対応して低下させ、クリープ作動は終了し走行状態へ移行する。
【0106】
上記クリープ制御中における駆動負荷を低減するため、シフトモータ33へ中立復帰指令を出力して、アシストモータ43のクリープ作動中に限って変速段をニュウトラル状態とすることで、変速機内のメインシャフト22と入力軸21とのギヤ噛み合いがなくなるため、メインシャフト22およびシンクロ機構30〜32のみを回転させることもでき、前記ステップ38においてシフトモータ33を作動させて1速に戻すようにすればよい。
【0107】
以上の実施の態様にあっては、下記の効果を奏する。
【0112】
車両の停止中において、シフトレバーがDレンジに選択され、且つ、パーキングブレーキランプスイッチ57がOFFされることを条件として、クラッチ1の締結を解除しアシストモータ43を作動させるものであるため、確実な走行意思の確認後に、停車状態から車両を微速前進させることができ、車両の操作性を向上でき、車庫入れ等の微妙な車両操作がやり易く、しかも、坂道発進等で車両が後退することが防止でき、安価な装置で商品性を高めることができる。この場合に、バッテリ容量が許容範囲にあるときにはエンジンEを停止しているため、エンジン回転による動力損失を低減できる。
【0113】
また、車両のパーキングブレーキランプスイッチ57がONである場合には変速およびアシストモータ43の作動を阻止するため、シフトレバーがDレンジでの停車中に1速または2速等の低速変速段を選択する手動変速機にあっても発進等の誤作動が生じなく安全性が高い。
【0116】
さらに、アシストモータ43はワンウエイクラッチ44を介して駆動系統に連結されているため、通常時は停止させておき、作動時にのみアシストモータ43を作動させればよく経済的であり、また、高速での巡航時においてもアシスト手段を高速で回転させる必要がなくその耐久性を確保できる。
【0117】
なお、上記実施形態において、自動変速モードで作動させる変速機について説明したが、図示はしないが、手動で変速段を決定する手動変速モードを備えた変速機を対象とするものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す車両用駆動装置の断面図。
【図2】同じく車両用駆動装置の平面図。
【図3】同じく車両用駆動装置の側面図。
【図4】同じく車両用駆動装置の駆動力の伝達経路を示す経路図。
【図5】同じく車両用駆動装置のシステム図。
【図6】変速コントロールユニットのシフトアップ処理を示すフローチャート。
【図7】図6における1速−2速変速時における特性変化を示すグラフであり、A図は入力回転数を、B図はクラッチによる伝達トルクを、C図はアシストトルクを、D図は駆動系統に加えられるトルクを夫々示す。
【図8】変速コントロールユニットのシフトダウン処理を示すフローチャート。
【図9】変速コントロールユニットのクリープ処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
E エンジン
TCU 変速コントロールユニット(制御手段)
ECU エンジンコントロールユニット
MCU モータコントロールユニット(制御手段)
1 クラッチ
2 変速機
3 アシスト機構(アシスト手段)
17 クラッチモータ(作動手段)
21 入力軸
22 メインシャフト
23 デファレンシャルケース
24 リバースギヤ
25〜29 1速ギヤ〜5速ギヤ
30〜32 シンクロ機構
33 シフトモータ(作動手段)
34 リバースメインギヤ
35〜39 1速メインギヤ〜5速メインギヤ
40A、40B ファイナルギヤ
41 ドライブシャフト
43 アシストモータ(電動モータ)
44 ワンウエイクラッチ(一方向クラッチ)
45 ドライブギヤ
46 アイドラギヤ
52 スロットル開度センサ
54 シフトレバー位置センサ
55 ギヤ位置センサ
56 入力回転数センサ
57 パーキングブレーキランプスイッチ
58 車輪速センサ

Claims (4)

  1. エンジンから動力を受け変速ギヤを切換えることで多段階に変速して駆動系統へ出力する変速機と、
    エンジンから変速機へ伝達される動力を締結および開放可能なクラッチと、
    前記変速機の変速ギヤより下流の駆動系統に駆動トルクを選択的に付加するアシスト手段と、
    前記変速機の変速ギヤの切換え時、前記クラッチの開放およびまたは変速ギヤの中立復帰によりアシスト手段を作動させ、変速ギヤの切換え後およびまたは前記クラッチの締結によりアシスト手段の作動を停止する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、車両の停止中において、シフトレバーが前進レンジに選択され、且つ、パーキングブレーキ手段の作動が解除されることを条件として、前記クラッチの開放を行なう一方、前記アシスト手段を作動させることを特徴とする車両用駆動装置。
  2. 前記制御手段はパーキングブレーキ手段の作動中は前記アシスト手段の作動を阻止することを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記制御手段は、バッテリ容量に応じてエンジンの回転および停止を選択して作動させることを特徴とする請求項に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記アシスト手段は、ワンウエイクラッチを介して駆動系統に連結されていることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一つに記載の車両用駆動装置。
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