JP3675200B2 - 遅れスイッチ用タイマブロックの組立方法およびその組立装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷を遅延動作させる遅れスイッチに用いられる遅れスイッチ用タイマブロックの組立方法およびその組立装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、負荷を遅延動作させる遅れスイッチとして、図13ないし図16に示すような構成のものが提案されている。
【0003】
この構成の遅れスイッチのケース1は、合成樹脂製のボディ10と、合成樹脂製のカバー80とを一対の略コ字形の組立枠40にて結合して形成されている。ここにおいて、ケース1は、埋込型の配線器具用の取付枠に該取付枠の開口窓からケース1の前面が露出する形で最大3個まで連設して取り付けることができるように寸法設定された単位寸法の埋込型の配線器具の1個分に相当する寸法に形成されている。すなわち、ケース1は、例えばJIS規格で規格化されている大角形連用配線器具の1連用の取付枠に最大3個まで取り付けることができる配線器具の1個分の寸法に形成されており、上記取付枠に設けられた取付孔に係合可能な一対の係止爪40bが組立枠40の両端部から突設されている。また、各組立枠40には、金属製の取付枠に取り付ける際に該取付枠の係止爪が係止される係止孔40c(図16参照)が設けてある。
【0004】
カバー80は、図16に示すように、操作用のハンドル90の一部がケース1の前面から突出するような形でハンドル90を収納する開口部81が形成されており、カバー80の内側面には、ハンドル90の両側面に突設された凸部95が係合される凹部82が形成されている。したがって、ハンドル90を開口部81に収納する時にハンドル90の両側面の凸部95をカバー80の凹部82にそれぞれ挿入係合することによって、カバー80の凹部82がハンドル90の揺動支点となる。
【0005】
一方、ハンドル90の両端部にはそれぞれ鍔部90cが突設され、ハンドル90の後面の側端部からは、三角形状の一対のガイド片90a(図15(b)及び図16参照)及び半円状の一対のアーム押圧片90b(図13(b)、図15(b)、図16参照)が突設されている。ここに、一対のアーム押圧片90bそれぞれの先端部は後述の略コ字形のアーム50の基端部50bの前面側に形成された湾曲部50aに係脱するようになっている。また、ハンドル90の前部には、透明なネームカバー93が嵌着される。ネームカバー93とハンドル90との間にはネームシート94(図16参照)が挟持される。なお、ハンドル90は上述の鍔部90cが形成されていることにより、ハンドル90とカバー80との間の隙間を隠すことができる。
【0006】
ハンドル90の前面には透光窓91が形成され、透光窓91には透光性を有する材料により形成された透光部材92が取り付けられている。なお、ネームシート94には、ハンドル90の透光窓91に対向する部位に孔94aを設けてある。
【0007】
ところで、ハンドル90の後面側にはコイルスプリング96の一端側が嵌め込まれる凹部97が形成されており、コイルスプリング96の他端側は揺動体73のばね支持部75a,75b(図16参照)間で受けられている。揺動体73はコイルスプリング96の働きでハンドル90の傾斜方向と逆方向に傾くようになっていて(図13(b)及び図15(b)参照)、ハンドル90の揺動終点でコイルスプリング96が、く字形または逆く字形に屈曲させられ、コイルスプリング96が真っ直ぐな状態に戻ろうとする復元力によってハンドル90がその位置で確実に固定されるようになっている。
【0008】
ボディ10は、図16に示すように、略中央に遅延素子収納部12が形成され、遅延素子収納部12の両側に端子収納部13,14が形成されている。遅延素子収納部12には遅延素子20が収納され、端子収納部14には後述の端子601,602が収納され、端子収納部13には後述の端子603,604が収納されている。また、ボディ10の前端部には、上述のアーム50の基端部50bから突設された回転軸511,512が軸着される凹状の軸受部551,552が形成されており、アーム50を回動自在としている。
【0009】
以下、遅延素子20について説明する。
【0010】
遅延素子20は、図17に示すように、略コ字形のカード26と、カード26の移動時にカード26の両脚片をガイドするガイド溝(図示せず)が形成された枠体21と、カード26を前方(図13(b)の上方へ)付勢するコイルスプリングよりなる復帰ばね27と、シリコンゴムなどのゴムにより形成され弾性的に撓むことができるようになっている吸盤ブロック23と、吸盤ブロック23の吸盤23bが吸着される八角柱状の被吸着体24と、後述の空気透過部材32と、後面開口した箱状であって吸盤23b及び被吸着体24が収納される素子用ケース22と、素子用ケース22の後面に粘着テープなどにより接着される防塵用のフィルタ25とを備えている。
【0011】
吸盤23bは、空気透過部材32が内部に圧入される円筒状の空気透過部材圧入部23dが連続一体に形成されている。空気透過部材圧入部23dの先端側には円筒状のシャフト42が設けられている。シャフト42の外周にはシャフト42の軸方向と略平行する一対の棒状のカード保持用ピン42bが一体に形成されており、シャフト42をカード26に結合するには、シャフト42を素子用ケース22の前面に形成された挿通孔22eに後方から挿通させ、両カード保持用ピン42bそれぞれの先端部をカード26の基端部26fにおいて後述の接触ばね押圧部26cの両側に形成された挿通孔26dに挿入してレーザなどにより加熱して固着している。なお、吸盤ブロック23は、吸盤カバー23aの前端部に鍔部23cが形成されており、鍔部23cが素子用ケース22に対して固定される。
【0012】
ここにおいて、吸盤ブロック23は、上述の吸盤23bと、吸盤23bと一体に同じ材料により形成された吸盤カバー23aと、シャフト42とで構成される。また、空気透過部材圧入部23dとシャフト42とで空気導入部を構成している。
【0013】
ところで、カード26の基端部26fの後部には、カード26とシャフト42とを結合した状態で空気透過部材圧入部23dの内部空間23fとカード26の外部との間の空気の通路を構成する切欠き部よりなる空気取込口26eが形成されている。また、吸盤ブロック23は、吸盤23bの内周底面に上記内部空間23fと連通する通気孔23gが形成されており、吸盤23bの内部空間と上記空気取込口26eとの間が連通するようになっている。空気透過部材圧入部23dの内部空間23fには、多孔質セラミック(例えば、多孔質アルミナセラミック)よりなる円柱状の空気透過部材32(図13(b)参照)が圧入されている。
【0014】
素子用ケース22の前面には、図17に示すように、上記挿通孔22eの周辺に、復帰ばね27の一端部が嵌め込まれるばね受け溝22bが形成されている。一方、カード26の基端部26fの後面には略凹形の一対のばね受け溝26b(図16参照)が形成されていて、復帰ばね27の他端部を保持するようになっている。
【0015】
ここで、遅延素子20は、吸盤23bが被吸着体24に吸着した状態で吸盤23bと被吸着体24との間に形成される空間に、上記空気取込口26eから上記内部空間23fに入り込む空気が空気透過部材32を通じて吸盤23bの通気孔23gから入り込むようになっている。したがって、アーム50の両脚片よりなるカード押圧部52がカード26の両脚片よりなる被押圧部26aの先端から離れると、吸盤23bの被吸着体24への吸着力が徐々に弱くなり、この吸着力が復帰ばね27の復元力よりも弱くなって吸盤23bが被吸着体24から離れるのである。
【0016】
すなわち、アーム押圧片90bの先端部がアーム50の湾曲部50aの内周面に沿って湾曲部50aから脱するように移動して、アーム50のカード押圧部52がカード26の被押圧部26aを離れた時点から所定時間(以下、遅れ時間と称す)遅れてカード26が前方(図15(b)における上方)へ移動するのである。したがって、上述の空気透過部材32の空気の透過率や、サイズ(外径や軸方向の長さ)、吸盤23bの材料や、被吸着体24の材料等を変えることで遅れ時間を調整することができるのである。
【0017】
なお、空気透過部材32を上述のように多孔質セラミックにより構成しているが、多孔質セラミックは空気の透過係数の温度依存や湿度依存が小さいので、使用環境の温度変化や湿度変化による遅れ時間の変動を小さくでき、遅れ時間を高精度にすることができる。
【0018】
枠体21は、遅延素子20を組み立てた状態ではカード26の被押圧部26a,26aの先端が枠体21の前面よりも突出するようになっている(図16参照)。また、枠体21と素子用ケース22とは、素子用ケース22の前面の四隅近傍から前方へ突設された突部22cによって位置決めされて固定される。
【0019】
ボディ10の端子収納部14には速結端子よりなる上述の端子601,602(図16参照)が納装されている。ここに、端子601は、端子板63aと鎖錠ばね611とで構成され、鎖錠ばね611は、端子板63aと鎖錠ばね611との間に電線挿入口171(図15(c)参照)に挿入された電線に食い込んで抜け止めをする鎖錠片61bと、電線に弾接する接触片61aとを備えている。したがって、電線挿入口171を通して鎖錠ばね611と端子板63aとの間に、鎖錠片61b側から電線を挿入すると、接触片61a及び鎖錠片61bのばね力によって電線が端子板63aとの間に挟持され、かつ鎖錠片61bが電線に食い込むことによって電線を引き抜くことができなくなる。同様に端子602は端子板63bと鎖錠ばね612とで構成され、電線挿入口172(図15(c)参照)に挿入された電線が接触片61a及び鎖錠片61bのばね力によって端子板63aとの間に挟持される。また、端子収納部14には、両鎖錠ばね611,612に跨がるように解除釦62aが配設される。解除釦62aは両鎖錠ばね611,612の鎖錠片61bに当接しており、解除釦62aが鎖錠片61bに当接する部位は鎖錠片61b,61bが端子板63a,63bとの間に電線を挟持する部位からずれている。また、解除釦62aに対応する部位でボディ10の後壁には操作孔19(図15(b),(c)参照)が形成されており、操作孔19にマイナスドライバの先端などを挿入して解除釦62aを押すことにより、電線に食い込んでいる鎖錠片61b,61bを電線から圧接解除方向に撓ませて電線の引き抜きが可能となるようにしてある。
【0020】
一方、端子収納部13には、端子板63cと一対の鎖錠ばね613,614とで構成される速結端子よりなる一対の端子603,604(図16参照)が納装されている。ここに、端子603,604は端子板63cを共通としている。端子603は電線挿入口173(図15(c)参照)に挿入された電線が鎖錠ばね613の接触片61a及び鎖錠片61bのばね力によって端子板63cとの間に挟持され、端子604は電線挿入口174(図15(c)参照)に挿入された電線が鎖錠ばね614の接触片61a及び鎖錠片61bのばね力によって端子板63cとの間に挟持される。また、端子収納部13には、端子収納部14と同様に両鎖錠ばね613,614に跨がるように解除釦62bが配設され、ボディ10の後壁には操作孔19(図15(b),(c)参照)が形成されている。
【0021】
上述の端子板63a,63bは、それぞれ別の固定接点64a,64bを有し、ケース1内において異なるスイッチ機構を形成している。なお、端子板63cに結合される短冊状の接触ばね70は、遅延素子20がない状態では可動接点72が端子板63aの固定接点64aに接触し所定の接点圧が得られるように付勢されている。
【0022】
ただし、接触ばね70は、遅延素子20のカード26の接触ばね押圧部26cの前方を通るように端子板63cから延出されているので、接触ばね70が接触ばね押圧部26cにより前方に押し上げられた状態では、可動接点72が端子板63aの固定接点64aから離れるようになっている。ここで、接触ばね70、可動接点72、固定接点64aで1つのスイッチ機構(遅れスイッチ機構)を構成している。
【0023】
また、端子板63cの前端部からはリード板65が一体に延出されており、リード板65の先端に形成された凸状部66の両側部の立ち上がり部66aに揺動体73の切欠き73aが係合し、この凸状部66を支点として、揺動体73が揺動自在となっている。一方、揺動体73には、可動接点74が固着される折曲片73bが一体に折曲形成されており、ハンドル90の操作に応じて、揺動体73先端の後面に形成された可動接点74と端子板63bの固定接点64bとが接離するようになっている。リード板65は枠体21の前部に形成された一対の支持片21e(図16参照)から突設された柱状の端子仮保持用リブ21gにより仮保持される。
【0024】
接触ばね70は、枠体21の前部に形成された一対の支持片21eの間の空間で可動して可動接点72が固定接点64aと接離するようになっている。
【0025】
なお、ハンドル90の後部にはネオンランプなどの発光素子77が実装されたプリント配線板76が配設され、発光素子77の一方のリードはプリント板76の導電パターン及びリード線(図示せず)を介して抵抗79の一方のリードに接続されている。抵抗79の他方のリードは端子板63cにリード線(図示せず)により接続されている。また、発光素子77の他方のリードは略S字形の板ばね78に電気的に接続される。ここに、板ばね78は導電性を有し一端部がプリント配線板76の導電パターンを介して発光素子77の上記他方のリードに接続されている。すなわち、板ばね78と発光素子77と抵抗79と端子板63cとが直列接続されている。ところで、板ばね78はハンドル90の操作に応じて端子板63aに接離するものであり、遅れスイッチのオフ状態(図13参照)では端子板63aに接触しており、遅れスイッチのオン状態(図15参照)では端子板63aから離れている。
【0026】
また、発光素子77は、ハンドル90の後面側に結合されるプリント配線板76に実装されてハンドル90の透光窓91に対向する位置に配設されているので、透光部材92を通じて外部へ光が照射されるようになっている。したがって、遅れスイッチのオフ状態では、夜などの周囲が暗い場合であっても、発光素子77の光によってケース1の位置を確認できるようになっている。
【0027】
次に、上述の遅れスイッチの動作を説明する。
【0028】
図13及び図14は遅れスイッチのオフ状態を示し、この状態で操作部たるハンドル90をオン操作(セット操作)すると、ハンドル90のアーム押圧片90bが回動し、アーム押圧片90bの先端部がアーム50の湾曲部50aに沿って移動する。しかして、ハンドル90をオン操作すると、コイルスプリング96が逆方向に傾くことによって図15に示すように揺動体73に設けられた可動接点74が端子板63bの固定接点64bと接触してこの電路がオン状態になるとともに、アーム押圧片90bが回動することによってアーム50が回動してアーム50の先端のカード押圧部52がカード部26の被押圧部26aを押し、復帰ばね27の付勢力に抗してカード26が移動し(図13(b)における下方へ押し下げられ)、接触ばね70の可動接点72が端子板63aの固定接点64aに接触してこの電路がオン状態になるのである。また、カード26が移動することにより、吸盤23bが被吸着体24に接する位置まで押し下げられて吸盤23bが被吸着体24に吸着し、カード26が押し下げられている状態では、吸盤23bが被吸着体24に吸着保持される。
【0029】
一方、図15は上述の遅れスイッチのオン状態を示し、この状態でハンドル90をオフ操作(セット解除操作)すると、アーム押圧片90bの先端部がアーム50の湾曲部50aに沿って湾曲部50aから脱するように移動することによりアーム50が回動し、アーム50のカード押圧部52がカード26の被押圧部26aから離れるように移動する。しかして、ハンドル90をオフ操作すると、コイルスプリング96が逆方向に傾くことによって図13に示すように揺動体73に設けられた可動接点74が端子板63bの固定接点64bから開離して、上述の遅れ時間が経過すると、復帰ばね27の復元力によってカード26が前方へ移動し接触ばね押圧部26cが接触ばね70を前方へ押すので、可動接点72が固定接点64aから開離されこの電路(スイッチ機構)もオフ状態になる。
【0030】
しかして、上述の遅れスイッチでは、ハンドル90によるセット解除操作時には、吸盤23bの被吸着体24への吸着力と復帰ばね27のばね力とのバランスにより吸盤23bが被吸着体24から離れるまでに遅れ時間がある。この遅れスイッチを例えばトイレの換気扇及び照明負荷の操作に用いる場合、端子603と端子604とは共通の端子板63cを有しているので、端子602に照明負荷を接続し、端子601に換気扇を接続すればよい。この場合、ハンドル90をオン操作(セット操作)すると、照明負荷が点灯するとともに換気扇が運転され、ハンドル90をオフ操作(セット解除操作)すると、照明負荷だけ直ちに消灯され、遅れ時間が経過した時に換気扇が停止される。したがって、換気扇を直ちに止めたときに生じる不便をなくし、しかも換気扇の消し忘れを防止することができる。なお、この種の遅れスイッチは、トイレ以外の種々の場所での使用も可能である。また、遅れ時間は、使用環境や使用目的に合わせて上述の空気透過部材32の外径を適宜設定すればよい。空気透過部材32は、例えば、遅れ時間の仕様を30秒にするには、直径2mmの多孔質セラミックを用い、3分の仕様にするには、直径1mmの多孔質セラミックを用いることが考えられている。なお、空気透過部材32を構成している多孔質体の孔径は0.01μmないし1μm程度である。
ここにおいて、3分の仕様の遅れスイッチは例えばトイレにおける照明負荷の操作に用いられ、30秒の仕様の遅れスイッチは例えば玄関などにおける照明負荷の操作に用いられる。なお、30秒の仕様の場合には、換気扇をオンオフする必要はないから、端子板63aおよび固定端子64bを設けずにスイッチ機構を遅延素子20に関係する1つだけにしてもよい。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の従来の遅れスイッチでは、吸盤ブロック23と空気透過部材32とで構成される遅れスイッチ用タイマブロックにおいて、遅れ時間を設定するために多孔質セラミックよりなる空気透過部材32を使用しており、遅れ時間を高精度に設定することができる。しかしながら、多孔質セラミックは脆いのでかけやすく、しかも空気透過部材32は吸盤ブロック23に比べて非常に小さいので圧入を手作業で行うには扱いにくいという不具合があった。また、空気導入部たる空気透過部材圧入部23fへの空気透過部材32の圧入を手作業で行う場合には圧入品質が不安定になるという不具合があった。また、多孔質セラミックが粉塵などにより目詰まりを起こすのを防ぐために細心の注意を要するという不具合があった。
【0032】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、吸盤ブロックの空気導入部への空気透過部材の圧入工程を自動化した遅れスイッチ用タイマブロックの組立方法および組立装置を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、操作部のセット操作に連動して移動する吸盤ブロックと、該吸盤ブロックと共動してスイッチ機構を開閉するカードと、該移動した吸盤ブロックを吸着保持する被吸着体と、吸盤ブロックが被吸着体から離れる向きに吸盤ブロックを付勢する復帰ばねと、吸盤ブロックに設けられ吸盤ブロックが被吸着体に吸着した状態において吸盤ブロックと被吸着体との間に形成される空間へ連通する筒状の空気導入部と、該空気導入部に圧入される遅れ時間調整用の空気透過部材とを備えた遅れスイッチに用いられ、上記吸盤ブロックと上記空気透過部材とからなる遅れスイッチ用タイマブロックの組立方法であって、吸盤ブロックを位置決めした状態で吸盤ブロックを1個ずつ搬送する工程と、複数個の空気透過部材を自動整列させて連続的に送り空気透過部材を位置決めした状態で空気透過部材を1個ずつ搬送する工程と、吸盤ブロックと空気透過部材とが重なる位置で吸盤ブロックの空気導入部へ空気透過部材を圧入させる工程とを有することを特徴とし、吸盤ブロックの空気導入部への空気透過部材の圧入工程を自動化することができ、手作業に比べて作業効率が向上するとともに、圧入品質が安定する。
【0034】
請求項2の発明は、操作部のセット操作に連動して移動する吸盤ブロックと、該吸盤ブロックと共動してスイッチ機構を開閉するカードと、該移動した吸盤ブロックを吸着保持する被吸着体と、吸盤ブロックが被吸着体から離れる向きに吸盤ブロックを付勢する復帰ばねと、吸盤ブロックに設けられ吸盤ブロックが被吸着体に吸着した状態において吸盤ブロックと被吸着体との間に形成される空間へ連通する筒状の空気導入部と、該空気導入部に圧入される遅れ時間調整用の空気透過部材とを備えた遅れスイッチに用いられ、上記吸盤ブロックと上記空気透過部材からなる遅れスイッチ用タイマブロックの組立装置であって、吸盤ブロックを位置決めした状態で吸盤ブロックを搬送する吸盤ブロック搬送装置と、複数個の空気透過部材を整列させて連続的に供給するパーツフィーダと、パーツフィーダにより供給された空気透過部材を位置決めした状態で空気透過部材を搬送する空気透過部材搬送装置と、吸盤ブロック搬送装置により搬送された吸盤ブロックと空気透過部材搬送装置により搬送された空気透過部材とが重なる位置で空気透過部材を吸盤ブロックの空気導入部へ圧入する圧入装置とを備えることを特徴とするものであり、吸盤ブロックは吸盤ブロック搬送装置により搬送され、空気透過部材はパーツフィーダにより供給されさらに空気透過部材搬送装置により搬送され、吸盤ブロックと空気透過部材とが重なる位置で圧入装置により空気透過部材が吸盤ブロックの空気導入部へ圧入されるから、吸盤ブロックの空気導入部への空気透過部材の圧入が自動的に行われ、手作業に比べて作業効率が高く圧入品質も高い。
【0035】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、空気透過部材は円柱状に形成され、吸盤ブロックの空気導入部は、少なくとも外径の異なる2種類の空気透過部材が圧入可能であって内径が大きな第1の圧入部と第1の圧入部よりも内径が小さな第2の圧入部とが圧入方向に沿って形成され、パーツフィーダは、各種類の空気透過部材ごとに設けられているので、空気透過部材の種類ごとに吸盤ブロックを用意する必要がなく、しかも1つの組立装置を共用することができる。
【0036】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、吸盤ブロック搬送装置は、上下方向に吸盤ブロックの空気導入部の軸方向が一致し空気導入部の導入口が下方を向くように吸盤ブロックを位置決めする吸盤ブロック位置決め孔が空気透過部材の種類に応じて2つ形成されモータにより駆動される吸盤ブロック搬送テーブルを備え、空気透過部材搬送装置は、上下方向に空気透過部材の軸方向が一致するように空気透過部材を位置決めする空気透過部材位置決め孔が空気透過部材の種類に応じて2つ形成されモータにより駆動される空気透過部材搬送テーブルを備え、圧入装置は、上下方向において吸盤ブロックの空気導入部と空気透過部材とが重なる位置で空気透過部材を上方へ押し上げる一対の圧入ピンと、各圧入ピンを駆動する駆動装置とを備えるので、2種類の空気透過部材ごとに吸盤ブロック搬送装置を設ける必要がなく組立装置を小型化することができる。
【0037】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記各搬送テーブルはそれぞれ円板状に形成されて上記モータにより周方向に回転駆動され、前記各搬送テーブルそれぞれにおける2つの前記位置決め孔は前記各搬送テーブルごとに径方向に並んで形成されているので、各搬送テーブルの回転角度の制御が容易であり、空気導入部と空気透過部材との重なる位置の位置合わせが容易になる。
【0038】
請求項6の発明は、請求項3ないし請求項5の発明において、前記各パーツフィーダのうち駆動させるパーツフィーダを選択する選択手段を備えるので、駆動させるパーツフィーダを選択手段により簡単に選択することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
本実施形態の組立装置は、例えば図13ないし図16に示した従来構成のような遅れスイッチに用いられる遅れスイッチ用タイマブロックの組立装置なので、遅れスイッチの構成要素に関して従来構成と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。ここにおいて、遅れスイッチ用タイマブロックは、図12に示す吸盤ブロック23と、多孔質セラミックよりなる円柱状の1つの空気透過部材32とで構成される。空気透過部材32には、外径が1mmの空気透過部材32(以下、空気透過部材32aと称す)と、外径が2mmの空気透過部材32(以下、空気透過部材32bと称す)との2種類があり(図7参照)、いずれか一方が吸盤ブロック23の空気透過部材圧入部23dの内部空間23fに圧入される。なお、従来構成と同様に空気透過部材圧入部23dとシャフト部42とで空気導入部を構成している。
【0040】
吸盤ブロック23の空気透過部材圧入部23dは、外径の異なる2種類の空気透過部材32a,32bが圧入可能であって、図12に示すように、外径が2mmの空気透過部材32bを圧入可能な第1の圧入部23f1と第1の圧入部23f1よりも内径が小さく外径が1mmの空気透過部材32aを圧入可能な第2の圧入部23f2とが圧入方向(図12における下方向)に沿って形成されている。なお、第1の圧入部23f1の圧入口側にはテーパ部57が形成されているので、第1の圧入部23f1への空気透過部材32bの圧入を低荷重で確実に行うことができ、また、第2の圧入部23f2の圧入口側にはテーパ部58が形成されているので、第2の圧入部23f2への空気透過部材32aの圧入を低荷重で確実に行うことができる。また、第2の圧入部23f2の内径は通気孔23gの内径よりも大きくなっている。
【0041】
ここにおいて、吸盤ブロック23の第2の圧入部23f2に外径が1mmの空気透過部材32aを圧入した遅れスイッチ用タイマブロックを用いた遅れスイッチでは従来構成の動作で説明した遅れ時間が略3分となり、吸盤ブロック23の第1の圧入部23f1に外径が2mmの空気透過部材32bを圧入した遅れスイッチ用タイマブロックを用いた遅れスイッチでは遅れ時間が略30秒となる。
【0042】
本実施形態の組立装置は、図1に示すように、クリーンルームなどに設置される架台201を備え、吸盤ブロック23を位置決めした状態で吸盤ブロック23を搬送する吸盤ブロック搬送装置210と、空気透過部材32a,32bを位置決めした状態で空気透過部材32a,32bを搬送する空気透過部材搬送装置220とが、架台201に設けられている。
【0043】
吸盤ブロック搬送装置210は、架台201上に固定テーブル213(図2参照)を介して配置され周方向(図1および図3における矢印R1の向き)に回転駆動される円板状の吸盤ブロック搬送テーブル211を備える。ここに、吸盤ブロック搬送テーブル211は、架台201下方に配置された第1のモータM1により回転駆動される。吸盤ブロック搬送テーブル211の上面には、図4に示すように、当該吸盤ブロック搬送テーブル211の上下方向に吸盤ブロック23の空気導入部の軸方向が一致し空気導入部の導入口が下方を向くように吸盤ブロック23を位置決めする吸盤ブロック位置決め孔212a,212bが後述のように空気透過部材32a,32bの種類に応じて形成されている。ここに、吸盤ブロック位置決め孔212a,212bは、吸盤ブロック搬送テーブル211の径方向に沿って所定距離だけ離間して形成されており、吸盤ブロック位置決め孔212aの方が吸盤ブロック位置決め孔212bよりも吸盤ブロック搬送テーブル211の中心から離れた位置に形成されている。
【0044】
吸盤ブロック搬送テーブル211への吸盤ブロック23の位置決めは、作業者が吸盤ブロック23の空気導入部を吸盤ブロック位置決め孔212a,212bのいずれか一方に挿入することにより行われる。すなわち、作業者は、遅れ時間を3分とするための遅れスイッチ用タイマブロックを組み立てる場合には、吸盤ブロック23の空気導入部を吸盤ブロック位置決め孔212aに挿入し、遅れ時間を30秒とするための遅れスイッチ用タイマブロックを組み立てる場合には、吸盤ブロック23を吸盤ブロック位置決め孔212bに挿入すればよい。なお、図5は、吸盤ブロック搬送テーブル211の吸盤ブロック位置決め孔212aに吸盤ブロック23の空気導入部を挿入することにより位置決めした状態を示す。
【0045】
一方、空気透過部材搬送装置220は、架台1上に配置され周方向(図1および図3における矢印R2の向き)に回転駆動される円板状の空気透過部材搬送テーブル221を備える。ここに、空気透過部材搬送テーブル221は、架台201下に配置された第2のモータ(図示せず)により回転駆動される。空気透過部材搬送テーブル221上面には、図6に示すように、当該空気透過部材搬送テーブル221の上下方向に空気透過部材32a,32bの軸方向が一致するように空気透過部材32a,32bを位置決めする空気透過部材位置決め孔222a,222bが空気透過部材32a,32bの種類に応じて形成されている。ここに、空気透過部材位置決め孔222a,222bは、空気透過部材搬送テーブル221の径方向に沿って所定距離だけ離間して形成されている。空気透過部材位置決め孔222b方が空気透過部材位置決め孔222aよりも空気透過部材搬送テーブル221の中心から離れた位置に形成されている。なお、空気透過部材位置決め孔222aは空気透過部材32aの外径に応じて内径が設定されており、空気透過部材位置決め孔222bは空気透過部材32bの外径に応じて内径が設定されている。
【0046】
吸盤ブロック搬送テーブル211と空気透過部材搬送テーブル221とは、図1ないし図3に示すように、一部が重なる(交差する)ように平行に配置されており、吸盤ブロック搬送テーブル211における吸盤ブロック位置決め孔212a,212bが径方向に並んで形成されているとともに、空気透過部材搬送テーブル221における空気透過部材位置決め孔222a,222bも径方向に並んで形成されている。したがって、図3に示すAの位置で吸盤ブロック位置決め孔212aと空気透過部材位置決め孔222aとの位置合わせ、図3に示すBの位置で吸盤ブロック位置決め孔212bと空気透過部材位置決め孔222bとの位置合わせが第1のモータM1および第2のモータそれぞれの回転制御によって容易に行うことができる。
【0047】
ところで、空気透過部材32aと空気透過部材32bとはそれぞれ別のパーツ受け230a,230bに多数収納されており、それぞれパーツフィーダー231a,231bおよび方向変換部232a,232bを介して各空気透過部材位置決め孔222a,222bに位置決めされる。なお、各パーツフィーダー231a,231bは、それぞれ複数個の空気透過部材32a,32bを整列させて連続的に供給するものであり、各パーツフィーダ231a,231bにより供給された空気透過部材32a,32bは方向変換部232a,232bによって方向変換され空気透過部材位置決め孔222a,222bにセット(位置決め)される。ここに、方向変換部232bは、図6に示すように、エアーアクチュエータよりなる駆動装置234bによって駆動される方向変換装置235bによって空気透過部材32bの向きを方向変換し、空気透過部材位置決め孔222bにセットする。要するに、方向変換装置235bは、図6の左側から供給された空気透過部材32bを方向変換して図6の上下方向に空気透過部材32bの軸方向が一致するように空気透過部材32bを方向変換する。また、方向変換部232aについても方向変換部232bと同様である。
【0048】
また、本実施形態の組立装置は、吸盤ブロック搬送装置210により搬送された吸盤ブロック23と空気透過部材搬送装置220により搬送された空気透過部材32a,32bとが重なる位置A,Bで空気透過部材32a,32bを吸盤ブロック23の空気導入部(空気透過部材圧入部23d)へ圧入する圧入装置240を備えている。
【0049】
圧入装置240は、図7および図8に示すように、下方(図7及び図8中の矢印Dの向き)に駆動され吸盤ブロック23を押えるワーク押さえ部材242と、ワーク押え部材242を駆動するエアーシリンダよりなる駆動装置(図示せず)と、上下方向において吸盤ブロック23の空気導入部と空気透過部材32a,32bとが重なる各位置(つまり、図3中のA,Bの位置)で空気透過部材32a,32bをそれぞれ上方(図7中の矢印Uの向き)へ押し上げる一対の圧入ピン241a,241bと、各圧入ピン241a,241bを駆動するエアーシリンダよりなる駆動装置(図示せず)とを備えている。
【0050】
ここにおいて、空気透過部材32aは外径が1mmであり、外径が2mmの空気透過部材32bに比べて外径が小さく、第2の圧入部23f2の内径は第1の圧入部23f1に比べて小さくなっているから、空気透過部材32aを確実に第2の圧入部23f2に圧入するために、吸盤ブロック搬送テーブル211の吸盤ブロック位置決め孔212a内には、外径が第2の圧入部23f2よりも大きく且つ第1の圧入部23f1より小さな円筒状の補助ガイド245a(図8参照)が設けられている。したがって、空気透過部材32aおよび圧入ピン241aは補助ガイド245a内に挿入され、空気透過部材32aは補助ガイド245a内を通って第2の圧入部23f2へ圧入される。
【0051】
ところで、本実施形態の組立装置は、吸盤ブロック23の吸盤23bの内周面および空気導入部の内部を洗浄する洗浄装置を備えており、吸盤ブロック搬送テーブル211にセットされた吸盤ブロック23はこの洗浄装置により洗浄された後に上記位置A,B(図3参照)まで搬送される。なお、洗浄装置は、イオンブロー装置(図示せず)により図9及び図10に示す一対のノズル2611,2612を通してイオンエアーを矢印C1,C2の向きに噴射(吸盤ブロック23の表面と正負逆のイオンを吹き付ける)して吸盤ブロック23の静電気を除去するとともに吸盤ブロック23に付着している埃などを飛ばし、集塵機の吸い込み部262を通して該集塵機で埃などを吸い取るものである。なお、ノズル2611とノズル2612とはそれぞれ吸盤ブロック搬送テーブル211の上方、下方に対向して位置し、固定テーブル213には洗浄装置の設けられる位置に応じた適宜位置に、イオンエアーを通すための貫通孔213aが上下方向に貫設されている。
【0052】
さらに、説明すると、吸盤ブロック搬送テーブル211は周方向に90°ずつ回転制御されるようになっており、初期位置Sにおいて吸盤ブロック位置決め孔212a,212bのいずれか一方に吸盤ブロック23がセットされ、90°回転した位置で吸盤ブロック23の洗浄が行われ、さらに90°回転した位置で空気透過部材32a,32bのいずれかが圧入され、さらに、90°回転し、さらに90°回転した初期位置で空気透過部材32a若しくは空気透過部材32bが圧入された吸盤ブロック23を取り出し、新たに吸盤ブロック23をセットするようになっている。
【0053】
なお、架台1上には、図1に示すように一対の操作釦250が設けられており、両操作釦250を押操作すると組立装置が稼動され、吸盤ブロック搬送テーブル211および空気透過部材搬送テーブル221が回転している途中で両操作釦250の少なくとも一方から手が離れると、両搬送テーブル211,221が停止されるようになっている。すなわち、操作釦250は、作業者の手が回転中の両搬送テーブルに触れるのを防止して安全性を高めるために2つ設けられている。
【0054】
また、架台1には、図11に示すような、遅れ時間が3分の遅れスイッチ用タイマブロックを組み立てるか30秒の遅れスイッチ用タイマブロックを組み立てるかを選択するためのセレクトスイッチ270が適宜位置に設けられており、あらかじめセレクトスイッチ270により3分が選択されている場合には、空気透過部材32aが空気透過部材搬送テーブル221にセットされて搬送され、吸盤ブロック23の第2の圧入部23f2に圧入されることになる。なお、本実施形態では、セレクトスイッチ270が、各パーツフィーダ231a,231bのうち駆動させるパーツフィーダ231a,231bおよび一対の圧入ピン241a,241bのうち駆動させる圧入ピン241a,241bを選択する選択手段を構成している。なお、組立装置は、セレクタスイッチ270および一対の操作釦250の出力を受けて吸盤ブロック搬送装置210、空気透過部材搬送装置220、洗浄装置、圧入装置240などを制御する制御手段を備えている。
【0055】
上記構成によれば、吸盤ブロック搬送テーブル211に図1の初期位置Sで吸盤ブロック位置決め孔212a,212bのいずれかにセットされた吸盤ブロック23は吸盤ブロック搬送テーブル211が図1に矢印R1で示す向きに90°回転した位置で洗浄されることによって埃や塵などが取り除かれ、さらに吸盤ブロック搬送テーブル211が90°回転した位置で空気透過部材32a若しくは空気透過部材32bが圧入される。
【0056】
以上のようにして、本実施形態の組立装置は、吸盤ブロック23を吸盤ブロック搬送テーブル211にセットし、操作釦250操作することにより、その後は、自動で、吸盤ブロック23が洗浄され、2種類の空気透過部材32a,32bのうちセレクトスイッチ270により選択された空気透過部材32a,32bが圧入されるのである。
【0057】
以下、上述の組立装置による組立方法について説明する。
【0058】
例えば、3分用のタイマブロックを組み立てる場合には、まず、作業者が手作業により、セレクタスイッチ270を切り換えて図11に示すように3分を選択し、吸盤ブロック23の空気導入部を吸盤ブロック搬送テーブル211の吸盤ブロック位置決め孔212aに挿入することによって吸盤ブロック23を吸盤ブロック搬送テーブル211にセット(位置決め)する。
【0059】
次に、一対の操作釦250を操作すると、吸盤ブロック搬送テーブル211が周方向(図1の矢印R1の向き)に90°回転した位置で、洗浄装置により吸盤ブロック23に付着している埃や塵などが取り除かれる。
【0060】
その後、吸盤ブロック搬送テーブル211が周方向にさらに90°回転した位置で、空気透過部材搬送テーブル221により搬送された空気透過部材32aが圧入ピン241aにより押し上げられて吸盤ブロック23の空気導入部の第2の圧入部23f2に圧入される。
【0061】
その後、吸盤ブロック搬送テーブル211が周方向にさらに90°回転し、さらに周方向に90°回転することにより初期位置Sに戻る(吸盤ブロック搬送テーブル211が1回転した)ので、作業者は空気透過部材32aが吸盤ブロック23の空気導入部の第2の圧入部23f2に圧入された遅れスイッチ用タイマブロックを吸盤ブロック搬送テーブル211から取り出し、新たに吸盤ブロック23を吸盤ブロック搬送テーブル211にセットすればよいのである。
【0062】
なお、30秒用の遅れスイッチ用タイマブロックを組み立てる場合には、まず、作業者が手作業により、セレクタスイッチ270を切り換えて30秒を選択し、吸盤ブロック23の空気導入部を吸盤ブロック搬送テーブル211の吸盤ブロック位置決め孔212bに挿入することによって吸盤ブロック23を吸盤ブロック搬送テーブル211にセット(位置決め)する。
【0063】
次に、一対の操作釦250を操作すると、吸盤ブロック搬送テーブル211が周方向(図1の矢印R1の向き)に90°回転した位置で、洗浄装置により吸盤ブロック23に付着している埃や塵などが取り除かれる。
【0064】
その後、吸盤ブロック搬送テーブル211が周方向にさらに90°回転した位置で、空気透過部材搬送テーブル221により搬送された空気透過部材32bが圧入ピン241bにより押し上げられて吸盤ブロック23の空気導入部の第1の圧入部23f1に圧入される。
【0065】
その後、吸盤ブロック搬送テーブル211が周方向にさらに90°回転し、さらに周方向に90°回転することにより初期位置Sに戻る(吸盤ブロック搬送テーブル211が1回転した)ので、作業者は空気透過部材32bが吸盤ブロック23の空気導入部の第1の圧入部23f1に圧入された遅れスイッチ用タイマブロックを吸盤ブロック搬送テーブル211から取り出し、新たに吸盤ブロック23を吸盤ブロック搬送テーブル211にセットすればよいのである。
【0066】
しかして、本実施形態では、吸盤ブロック23と空気透過部材32a,32bとの位置決め、空気透過部材32a,32bの吸盤ブロック23への圧入工程を自動化することができ、手作業に比べて作業効率が向上するとともに、圧入品質が安定する。しかも、外径の異なる2種類の空気透過部材32a.32bで組立装置を共用できるので、少スペース化を図ることができるとともに、設備コストを低減することもできる。
【0067】
【発明の効果】
請求項1の発明は、操作部のセット操作に連動して移動する吸盤ブロックと、該吸盤ブロックと共動してスイッチ機構を開閉するカードと、該移動した吸盤ブロックを吸着保持する被吸着体と、吸盤ブロックが被吸着体から離れる向きに吸盤ブロックを付勢する復帰ばねと、吸盤ブロックに設けられ吸盤ブロックが被吸着体に吸着した状態において吸盤ブロックと被吸着体との間に形成される空間へ連通する筒状の空気導入部と、該空気導入部に圧入される遅れ時間調整用の空気透過部材とを備えた遅れスイッチに用いられ、上記吸盤ブロックと上記空気透過部材とからなる遅れスイッチ用タイマブロックの組立方法であって、吸盤ブロックを位置決めした状態で吸盤ブロックを1個ずつ搬送する工程と、複数個の空気透過部材を自動整列させて連続的に送り空気透過部材を位置決めした状態で空気透過部材を1個ずつ搬送する工程と、吸盤ブロックと空気透過部材とが重なる位置で吸盤ブロックの空気導入部へ空気透過部材を圧入させる工程とを有するので、吸盤ブロックへ空気透過部材の空気導入部への圧入工程を自動化することができ、手作業に比べて作業効率が向上するとともに、圧入品質が安定するという効果がある。
【0068】
請求項2の発明は、操作部のセット操作に連動して移動する吸盤ブロックと、該吸盤ブロックと共動してスイッチ機構を開閉するカードと、該移動した吸盤ブロックを吸着保持する被吸着体と、吸盤ブロックが被吸着体から離れる向きに吸盤ブロックを付勢する復帰ばねと、吸盤ブロックに設けられ吸盤ブロックが被吸着体に吸着した状態において吸盤ブロックと被吸着体との間に形成される空間へ連通する筒状の空気導入部と、該空気導入部に圧入される遅れ時間調整用の空気透過部材とを備えた遅れスイッチに用いられ、上記吸盤ブロックと上記空気透過部材からなる遅れスイッチ用タイマブロックの組立装置であって、吸盤ブロックを位置決めした状態で吸盤ブロックを搬送する吸盤ブロック搬送装置と、複数個の空気透過部材を整列させて連続的に供給するパーツフィーダと、パーツフィーダにより供給された空気透過部材を位置決めした状態で空気透過部材を搬送する空気透過部材搬送装置と、吸盤ブロック搬送装置により搬送された吸盤ブロックと空気透過部材搬送装置により搬送された空気透過部材とが重なる位置で空気透過部材を吸盤ブロックの空気導入部へ圧入する圧入装置とを備えるので、吸盤ブロックは吸盤ブロック搬送装置により搬送され、空気透過部材はパーツフィーダにより供給されさらに空気透過部材搬送装置により搬送され、吸盤ブロックと空気透過部材とが重なる位置で圧入装置により空気透過部材が吸盤ブロックの空気導入部へ圧入されるから、吸盤ブロックの空気導入部への空気透過部材の圧入が自動的に行われ、手作業に比べて作業効率が高く圧入品質も高いという効果がある。
【0069】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、空気透過部材は円柱状に形成され、吸盤ブロックの空気導入部は、少なくとも外径の異なる2種類の空気透過部材が圧入可能であって内径が大きな第1の圧入部と第1の圧入部よりも内径が小さな第2の圧入部とが圧入方向に沿って形成され、パーツフィーダは、各種類の空気透過部材ごとに設けられているので、空気透過部材の種類ごとに吸盤ブロックを用意する必要がなく、しかも1つの組立装置を共用することができるという効果がある。
【0070】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、吸盤ブロック搬送装置は、上下方向に吸盤ブロックの空気導入部の軸方向が一致し空気導入部の導入口が下方を向くように吸盤ブロックを位置決めする吸盤ブロック位置決め孔が空気透過部材の種類に応じて2つ形成されモータにより駆動される吸盤ブロック搬送テーブルを備え、空気透過部材搬送装置は、上下方向に空気透過部材の軸方向が一致するように空気透過部材を位置決めする空気透過部材位置決め孔が空気透過部材の種類に応じて2つ形成されモータにより駆動される空気透過部材搬送テーブルを備え、圧入装置は、上下方向において吸盤ブロックの空気導入部と空気透過部材とが重なる位置で空気透過部材を上方へ押し上げる一対の圧入ピンと、各圧入ピンを駆動する駆動装置とを備えるので、2種類の空気透過部材ごとに吸盤ブロック搬送装置を設ける必要がなく組立装置を小型化することができるという効果がある。
【0071】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記各搬送テーブルはそれぞれ円板状に形成されて上記モータにより周方向に回転駆動され、前記各搬送テーブルそれぞれにおける2つの前記位置決め孔は前記各搬送テーブルごとに径方向に並んで形成されているので、各搬送テーブルの回転角度の制御が容易であり、空気導入部と空気透過部材との重なる位置の位置合わせが容易になるという効果がある。
【0072】
請求項6の発明は、請求項3ないし請求項5の発明において、前記各パーツフィーダのうち駆動させるパーツフィーダを選択する選択手段を備えるので、駆動させるパーツフィーダを選択手段により簡単に選択することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態を示す組立装置の概略構成図である。
【図2】同上の要部概略断面図である。
【図3】同上の要部平面図である。
【図4】同上の要部斜視図である。
【図5】同上の吸盤ブロック搬送テーブルに吸盤ブロックをセットした状態の要部斜視図である。
【図6】同上の要部説明図である。
【図7】同上における圧入装置の説明図である。
【図8】同上における圧入装置の他の説明図である。
【図9】同上における洗浄装置の説明図である。
【図10】同上における洗浄装置の他の説明図である。
【図11】同上におけるセレクタスイッチの概略図である。
【図12】同上に用いる吸盤ブロックの断面図である。
【図13】従来例を示し、(a)はオフ状態の平面図、(b)はオフ状態の断面図である。
【図14】同上を示し、オン状態の側断面図である。
【図15】同上を示し、(a)はオン状態の平面図、(b)はオン状態の断面図、(c)は背面図である。
【図16】同上の分解斜視図である。
【図17】同上に用いる遅延素子の分解斜視図である。
【符号の説明】
201 架台
210 吸盤ブロック搬送装置
211 吸盤ブロック搬送テーブル
212a,212b 吸盤ブロック位置決め孔
220 空気透過部材搬送装置
221 空気透過部材搬送テーブル
231a,231b パーツフィーダ
232a,232b 方向変換部
240 圧入装置
Claims (6)
- 操作部のセット操作に連動して移動する吸盤ブロックと、該吸盤ブロックと共動してスイッチ機構を開閉するカードと、該移動した吸盤ブロックを吸着保持する被吸着体と、吸盤ブロックが被吸着体から離れる向きに吸盤ブロックを付勢する復帰ばねと、吸盤ブロックに設けられ吸盤ブロックが被吸着体に吸着した状態において吸盤ブロックと被吸着体との間に形成される空間へ連通する筒状の空気導入部と、該空気導入部に圧入される遅れ時間調整用の空気透過部材とを備えた遅れスイッチに用いられ、上記吸盤ブロックと上記空気透過部材とからなる遅れスイッチ用タイマブロックの組立方法であって、吸盤ブロックを位置決めした状態で吸盤ブロックを1個ずつ搬送する工程と、複数個の空気透過部材を自動整列させて連続的に送り空気透過部材を位置決めした状態で空気透過部材を1個ずつ搬送する工程と、吸盤ブロックと空気透過部材とが重なる位置で吸盤ブロックの空気導入部へ空気透過部材を圧入させる工程とを有することを特徴とする遅れスイッチ用タイマブロックの組立方法。
- 操作部のセット操作に連動して移動する吸盤ブロックと、該吸盤ブロックと共動してスイッチ機構を開閉するカードと、該移動した吸盤ブロックを吸着保持する被吸着体と、吸盤ブロックが被吸着体から離れる向きに吸盤ブロックを付勢する復帰ばねと、吸盤ブロックに設けられ吸盤ブロックが被吸着体に吸着した状態において吸盤ブロックと被吸着体との間に形成される空間へ連通する筒状の空気導入部と、該空気導入部に圧入される遅れ時間調整用の空気透過部材とを備えた遅れスイッチに用いられ、上記吸盤ブロックと上記空気透過部材からなる遅れスイッチ用タイマブロックの組立装置であって、吸盤ブロックを位置決めした状態で吸盤ブロックを搬送する吸盤ブロック搬送装置と、複数個の空気透過部材を整列させて連続的に供給するパーツフィーダと、パーツフィーダにより供給された空気透過部材を位置決めした状態で空気透過部材を搬送する空気透過部材搬送装置と、吸盤ブロック搬送装置により搬送された吸盤ブロックと空気透過部材搬送装置により搬送された空気透過部材とが重なる位置で空気透過部材を吸盤ブロックの空気導入部へ圧入する圧入装置とを備えることを特徴とする遅れスイッチ用タイマブロックの組立装置。
- 空気透過部材は円柱状に形成され、吸盤ブロックの空気導入部は、少なくとも外径の異なる2種類の空気透過部材が圧入可能であって内径が大きな第1の圧入部と第1の圧入部よりも内径が小さな第2の圧入部とが圧入方向に沿って形成され、パーツフィーダは、各種類の空気透過部材ごとに設けられていることを特徴とする請求項2記載の遅れスイッチ用タイマブロックの組立装置。
- 吸盤ブロック搬送装置は、上下方向に吸盤ブロックの空気導入部の軸方向が一致し空気導入部の導入口が下方を向くように吸盤ブロックを位置決めする吸盤ブロック位置決め孔が空気透過部材の種類に応じて2つ形成されモータにより駆動される吸盤ブロック搬送テーブルを備え、空気透過部材搬送装置は、上下方向に空気透過部材の軸方向が一致するように空気透過部材を位置決めする空気透過部材位置決め孔が空気透過部材の種類に応じて2つ形成されモータにより駆動される空気透過部材搬送テーブルを備え、圧入装置は、上下方向において吸盤ブロックの空気導入部と空気透過部材とが重なる位置で空気透過部材を上方へ押し上げる一対の圧入ピンと、各圧入ピンを駆動する駆動装置とを備えることを特徴とする請求項3記載の遅れスイッチ用タイマブロックの組立装置。
- 前記各搬送テーブルはそれぞれ円板状に形成されて上記モータにより周方向に回転駆動され、前記各搬送テーブルそれぞれにおける2つの前記位置決め孔は前記各搬送テーブルごとに径方向に並んで形成されていることを特徴とする請求項4記載の遅れスイッチ用タイマブロックの組立装置。
- 前記各パーツフィーダのうち駆動させるパーツフィーダを選択する選択手段を備えることを特徴とする請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の遅れスイッチ用タイマブロックの組立装置。
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