JP3671631B2 - 遅れスイッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷を遅延動作させる遅れスイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の遅れスイッチは、例えばトイレの換気扇及び照明負荷の操作に用いるものが知られている(特開昭61−55825号公報参照)。この従来の遅れスイッチは、操作部たるハンドルの操作で換気扇と照明負荷とを夫々オンし、次の操作ハンドルの操作で照明負荷をオフし、換気扇を一定時間後にオフする制御機能を持つものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来構成のものでは、上記一定時間を決める遅延ユニットの構造が複雑で製造コストが高い、ハンドルの操作に遅延ユニットのギアが連動するので操作感触が悪い、遅延ユニットの遅延機能による各種騒音が生じる、等の問題があった。
【0004】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、低コストで遅延動作の信頼性が高く騒音が小さな遅れスイッチを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、操作部と、操作部のセット操作に連動して移動する吸盤と、該吸盤と共動してスイッチ機構を開閉するカードと、該移動した吸盤を吸着保持する被吸着体と、吸盤が被吸着体から離れる方向に吸盤を付勢する復帰ばねと、スイッチ機構が電気的に接続される端子とを備え、操作部によるセット解除操作時には、吸盤の被吸着体への吸着力と復帰ばねのばね力とのバランスにより吸盤が被吸着体から離れるまでに遅れ時間があることを特徴とするのであって、吸盤の被吸着体への吸着力と復帰ばねのばね力とのバランスにより遅れ時間が決まるから、従来のようなギアが不要となり、従来の遅延ユニットを有する遅れスイッチに比べて構成が簡単で信頼性が高く、低コスト化が図れるとともに、騒音が小さくなる。また、従来のようなギアが必要ないので、操作部の操作がスムーズになる。
また、少なくとも吸盤及び被吸着体及びカード及び復帰ばねにより構成される遅延素子の要所を囲む枠体を備え、端子は、スイッチ機構が電気的に接続され且つ外部電線が接続される端子板と、端子板に外部電線を圧接接続する鎖錠ばねとで構成され、枠体は、端子板を仮保持する端子仮保持用リブが操作部側の前端部に形成されているので、組み立て時に端子板を仮保持することにより、組み立て性が向上する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、吸盤が被吸着体に吸着した状態において吸盤と被吸着体との間に形成される内部空間へ連通する空気流通経路に配設される空気透過部材を備え、吸盤に連結され空気透過部材が内部に圧入される筒状の空気透過部材圧入部を有するので、空気透過部材の材料やサイズを変えることにより遅れ時間を調整することができ、しかも空気透過部材の位置決めが容易である。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、吸盤は、空気透過部材が導入される筒状の空気透過部材導入部を有し、空気透過部材導入部の内面は導入口側にテーパが形成されているので、吸盤内部への空気透過部材の導入を効率良く行うことができ、組み立てに要する時間を短くすることができる。
請求項4の発明は、請求項2又は請求項3の発明において、吸盤は、空気透過部材を圧入する筒状の空気透過部材圧入部を有し、空気透過部材圧入部の内面は圧入口側にテーパが形成されているので、吸盤内部へ空気透過部材を圧入することにより空気透過部材の位置決めが容易になり、また、空気透過部材圧入部の内面の圧入口側にテーパが形成されていることにより、組み立て時に吸盤内部への空気透過部材の圧入を低荷重で確実に行うことができ、歩留りが向上する。
【0008】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、カードと吸盤との間に介在するシャフトを備え、吸盤とシャフトとは一体成形されているので、吸盤とシャフトとの結合力を高めることができる
【0009】
請求項の発明は、請求項5の発明において、吸盤が被吸着体に吸着した状態において吸盤と被吸着体との間に形成される内部空間へ連通する空気流通経路に配設される空気透過部材を備え、吸盤は、軸方向においてシャフトとオーバーラップしない部位に空気透過部材が内部に圧入される筒状の空気透過部材圧入部が形成されているので、吸盤の空気透過部材圧入部とシャフトとの位置がオーバーラップすることがなく、組み立て時に吸盤内部への空気透過部材の圧入を低荷重で確実に行うことができ、歩留りが向上する。
【0010】
請求項の発明は、請求項1の発明において、カードと吸盤との間に介在する筒状のシャフトを備え、シャフトは軸方向においてカード側の端面への吸盤の一部の回り込みを防止する回り込み防止手段が設けられているので、カードとシャフトとの間に吸盤の一部が介在することがなく、シャフトに対するカードの位置決め精度が向上する。
【0011】
請求項の発明は、請求項2の発明において、吸盤は、空気透過部材圧入部の圧入口側に空気透過部材を仮保持可能な空気透過部材仮保持空間が形成されているので、組み立て時に空気透過部材の圧入を効率良く確実に行うことができる。
請求項の発明は、請求項2の発明において、吸盤は、被吸着体に吸着する吸着部と空気透過部材圧入部とが連続一体に形成され、吸着部と空気透過部材圧入部との連結部の外側面が滑らかな凹状に形成されているので、吸盤の成型の離型時に吸着部と空気透過部材圧入部との連結部にかかる応力を小さくすることができ、離型時に連結部が切断されるのを防止することができる。
【0012】
請求項10の発明は、請求項2の発明において、カードと吸盤との間に介在する筒状のシャフトを備え、吸盤は、被吸着体に吸着する吸着部と空気透過部材圧入部とが連続一体に形成され、吸着部と空気透過部材圧入部との連結部の外径がシャフトの外径よりも大きく形成されているので、吸盤の成型の離型時に吸着部と空気透過部材圧入部との連結部にかかる応力を小さくすることができ、離型時に連結部が切断されるのを防止することができる。
【0013】
請求項11の発明は、請求項2の発明において、少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、吸盤の吸着面側と素子用ケースの外側との間を仕切る吸盤カバーを備え、吸盤カバーと空気透過部材圧入部とが連続一体に形成され、吸盤カバーと空気透過部材圧入部との連結部の外側面が滑らかな凹状に形成されているので、吸盤の成型の離型時に吸盤カバーと空気透過部材圧入部との連結部にかかる応力を緩和でき、吸盤カバーの破損などの不良をなくすことができる。
【0014】
請求項12の発明は、請求項1の発明において、吸盤は、吸着面以外の部位にパーティングラインが設けられているので、成型にともなうバリが吸着面に発生するのを防止することができ、バリを除去する際に吸着面に傷がつくのを防止することができるから、被吸着体への吸盤の吸着状態を安定させることができ、遅れ時間の精度を高めることができる。
【0015】
請求項13の発明は、請求項1の発明において、カードと吸盤との間に介在する筒状のシャフトを備え、シャフトの吸盤側の端面とシャフトの内周面の一部とが吸盤との接着部を構成しているので、シャフトの吸盤側の端面だけを吸盤との接着部とする場合に比べて接着部の面積を増やすことができ、シャフトと吸盤との接着強度が増し、耐久信頼性が向上する。
【0016】
請求項14の発明は、請求項5の発明において、シャフトは、少なくともカード側の端面及び側面を除いた部位が吸盤の一部に当接されているので、シャフトの外周に吸盤の一部が付くことがなく、吸盤の離型時の離型性が向上し、歩留りが向上する。
請求項15の発明は、請求項1の発明において、カードと吸盤との間に介在するシャフトを備え、シャフトは、軸方向に略平行でカードを保持する2つのカード保持用ピンを有し、カードは、カード保持用ピンが挿入される一対の挿通孔が形成されているので、組み立て時にシャフトとカードとを少ないスペースで強固に結合することが可能となる。
【0017】
請求項16の発明は、請求項2の発明において、空気透過部材は、空気透過部材圧入部の軸方向において吸盤側に配設されているので、空気透過部材を配設したことによる吸盤の変形への影響を少なくすることができ、また、吸盤が被吸着体に吸着している時に空気透過部材圧入部内に残留する空気の量が多くなり、同じ遅れ時間を実現するために空気透過係数の小さな空気透過部材を使用することができる。
【0018】
請求項17の発明は、請求項1の発明において、少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、吸盤の吸着面側と素子用ケースの外側との間を仕切る吸盤カバーとを備え、吸盤カバーは、開口された側の端部が全周にわたって素子用ケースに取り付けられているので、吸盤カバーにより吸盤と被吸着体との間に塵や埃などの異物が侵入するのを確実に防ぐことができ、遅れ時間の精度を確保することができる。
【0019】
請求項18の発明は、請求項1の発明において、少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、吸盤の吸着面側と素子用ケースの外側との間を仕切る吸盤カバーとを備え、吸盤カバーは、弾性力を有しカードの移動によって変形するものであって、素子用ケース内に収納され素子用ケースに対して該吸盤カバーの復帰力により密着シールされているので、吸盤カバーを素子用ケースに圧入したりすることなしに、吸盤カバーにより吸盤と被吸着体との間に塵や埃などの異物が侵入するのを確実に防ぐことができ、遅れ時間の精度を確保することができる。
【0020】
請求項19の発明は、請求項1の発明において、少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、吸盤の吸着面側と素子用ケースの外側との間を仕切る吸盤カバーとを備え、素子用ケースは、吸盤カバーの開口された側の端部が圧入される圧入部が形成され、吸盤カバーは、圧入部に圧接する複数の圧入用リブが形成されているので、素子用ケースに対して吸盤カバーを容易に且つ確実に取り付けることができ、吸盤カバーにより吸盤と被吸着体との間に塵や埃などの異物が侵入するのを確実に防ぐことができ、遅れ時間の精度を確保することができる。
【0021】
請求項20の発明は、請求項1の発明において、少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、吸盤の吸着面側と素子用ケースの外側との間を仕切る吸盤カバーとを備え、吸盤カバーは開口された側の端部に素子用ケースに圧入される圧入用リブが形成され、且つ、吸盤カバーは、開口された側の端面が素子用ケースに密着シールされているので、素子用ケースに対して吸盤カバーを容易に且つ確実に取り付けることができ、吸盤カバーにより吸盤と被吸着体との間に塵や埃などの異物が侵入するのを確実に防ぐことができ、遅れ時間の精度を確保することができる。
【0022】
請求項21の発明は、請求項1の発明において、少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、吸盤の吸着面側と素子用ケースの外側との間を仕切る吸盤カバーとを備え、吸盤カバーは、素子用ケースに対する装着位置決め用リブが形成されているので、素子用ケースへの吸盤カバーの装着位置が安定し、また、吸盤カバーにより吸盤と被吸着体との間に塵や埃などの異物が侵入するのを確実に防ぐことができ、遅れ時間の精度を確保することができる。
【0023】
請求項22の発明は、請求項1の発明において、被吸着体は、フッ素樹脂により形成されているので、被吸着体の表面粗さ、摩擦係数を小さくすることができ、吸盤が吸着される被吸着面の摩耗を抑制することができるから、遅れ時間の変動を防止することができる。
請求項23の発明は、請求項1の発明において、復帰ばねが配置される側を前面側とし少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、素子用ケースの後面側に結合される防塵用のフィルタとを備え、素子用ケースは、被吸着体が圧入される圧入部が後部に形成されているので、フィルタにより素子用ケース内へ塵や埃などに異物が侵入するのを防ぐことができ、また、組み立て時に被吸着体を素子用ケースに仮止めすることができ、フィルタの装着が容易となる。
【0024】
請求項24の発明は、請求項23の発明において、素子用ケースの形状は、後面が開口した直方体状であって、被吸着体は、8角柱状の形状に形成されているので、フィルタの接着面積を大きくすることができ、また、素子用ケースの薄肉部を少なくすることができる
【0025】
請求項25の発明は、請求項1の発明において、被吸着体は、吸盤が吸着される被吸着面が該被吸着面の基準平面に対して±0.02mmの平面間に収まるので、被吸着体への吸盤の吸着力のばらつきを小さくすることができ、遅れ時間のばらつきを抑制することができる
【0026】
求項26の発明は、請求項1の発明において、吸盤は、空気透過部材が圧入される筒状の空気透過部材圧入部を有し、空気透過部材は、柱状であって軸方向の両端部に面取り部が形成されているので、面取り部が形成されていることにより、空気透過部材圧入部への空気透過部材の圧入が容易になり、また、両端部に面取り部が形成されていることにより、両端部のどちらから圧入する場合であっても圧入が容易になり、空気透過部材の向きを気にする必要がなくなる。
【0027】
請求項27の発明は、請求項1の発明において、枠体は、カードが挿入されてカードの移動をガイドし、カードは枠体への逆挿入を防止する逆挿入防止用リブが形成されているので、カードを枠体へ逆方向に挿入することによるトラブルの発生を防止することができる。
請求項28の発明は、請求項1の発明において、操作部のセット動作に連動して回動しカードを移動させるアームを備え、カードは、アームにより押圧される一対の被押圧部を有する略コ字形であって、被押圧部は、互いに対向する側に先端ほど相互間の距離が大きくなるようなテーパが形成されているので、被押圧部の強度を確保しつつ被押圧部間の空間を広く確保して該空間に他の部材を配設することが可能となる。
【0028】
請求項29の発明は、請求項1の発明において、吸盤とカードとの間に介在するシャフトを備え、スイッチ機構は、固定接点と、可動接点と、該可動接点が一端側に設けられた接触ばねとで構成され、カードは、接触ばねを押圧する接触ばね押圧部が形成され、接触ばね押圧部の先端はシャフトのセンタからずらしてあるので、接触ばねを駆動する駆動点をカードの形状により最適化することが可能となる。
【0029】
求項30の発明は、請求項15の発明において、スイッチ機構は、固定接点と、可動接点と、該可動接点が一端側に設けられた接触ばねとで構成され、各カード保持用ピンは、樹脂により形成され、カードは、一対の挿通孔それぞれに挿入された各カード保持用ピンの先端を溶かすことによりシャフトと結合され、カードは、接触ばねを押圧する接触ばね押圧部と、該溶けた樹脂を逃がすための樹脂逃げ用溝とが形成されているので、溶けた樹脂がカードの接触ばね押圧部に回り込むのを防止することができ、接触ばね押圧部による接触ばねのリフト量が変動するのを防止することができる。
【0031】
請求項31の発明は、請求項の発明において、枠体は端子板の一部が圧入される圧入部が側面に形成され、端子仮保持用リブは、円柱状の形状であって、圧入部に圧入される端子板に接触する位置に形成されているので、組み立て時に端子体が動くのを防止でき、また、端子仮保持用リブが円柱状に形成されていることにより、端子と端子仮保持用リブとが線接触するから端子板をスムーズに圧入することができ、組み立て性を良くすることができる。
【0032】
請求項32の発明は、請求項1の発明において、枠体は、端子板の一部を支持する端子板受け部が側面に形成されているので、端子板に生じる力を枠体によって受け止めることができ、端子の信頼性を高めることができる。
【0033】
請求項33の発明は、請求項1の発明において、少なくとも枠体及び遅延素子及び端子を収納するケースを備え、枠体は、ケース内において鎖錠ばねが倒れるのを防止する錠ばね倒れ防止用リブが形成されているので、組み立て時に鎖錠ばねを配置した後に鎖錠ばねが倒れるのを防止でき、組み立て性が向上する。
【0034】
請求項34の発明は、請求項1の発明において、少なくとも枠体及び遅延素子及び端子を収納するケースを備え、ケースは、枠体及び遅延素子及び端子が収納される後端側のボディと、操作部が突出する前端側のカバーとで構成され、枠体は、ボディに圧接されているので、組み立て時に枠体の位置がずれるのを防止することができ、組み立て性が向上する。
【0035】
請求項35の発明は、請求項1の発明において、カードと吸盤との間に介在するシャフトを備え、枠体は、カードが挿入されるとともにシャフトを囲み、且つ、復帰ばねのばね力に抗して復帰ばねを仮保持する復帰ばね仮保持用リブが形成されているので、組み立て時に復帰ばねのばね力によってカードがシャフトから離れるのを防止することができ、カードとシャフトとを容易に結合することが可能となり、組み立て性が向上する。
【0037】
請求項36の発明は、請求項1の発明において、操作部のセット動作に連動して回動しカードを移動させるアームを備え、前記枠体は、カードの移動をガイドするガイド部が形成されるとともに、アームの干渉を避ける段差が設けられているので、ガイド部の長さを短くすることなしにアームの動作スペースを確保することができる。
【0038】
請求項37の発明は、請求項1の発明において、少なくとも枠体及び遅延素子及び端子が納装されるケースを備え、ケースは、枠体及び遅延素子及び端子が収納される後端側のボディと、操作部が突出する前端側のカバーとで構成され、枠体は、ボディへの逆挿入を防止する逆挿入防止リブが形成されているので、枠体をボディに対して逆方向に挿入するトラブルの発生を防止することができる。
【0039】
請求項38の発明は、請求項1の発明において、少なくとも吸盤及び被吸着体が収納される素子用ケースを備え、枠体は、素子用ケースにおいて復帰ばねが配置される前面側に後面側が結合され、後面以外の部位に成型時におけるゲート跡を有するので、枠体のゲート跡により素子用ケースの前面と枠体の後面との間に隙間が生じるのを防止することができ、組み立て寸法が狂うのを防止することができる。
【0040】
請求項39の発明は、請求項1の発明において、少なくとも吸盤及び被吸着体及びカード及び復帰ばねにより構成される遅延素子と端子とが納装されるケースと、吸盤が被吸着体に吸着した状態において吸盤と被吸着体との間に形成される内部空間へ連通する空気流通経路に配設される空気透過部材とを備え、ケースにおいて遅延素子が収納される遅延素子収納部の幅をケースにおいて端子が収納される端子収納部の幅よりも大きくしてあるので、吸盤の大きさを大きくすることにより、吸盤の寸法ばらつきによる遅れ時間の変動を少なくすることができ、同一遅れ時間を実現する場合に空気の透過係数の大きな空気透過部材を用いることができるから、透過係数のばらつきによる遅れ時間の変動も抑制することができる。
【0041】
請求項40の発明は、請求項1の発明において、復帰ばねが配置される側を前面側とし少なくとも吸盤及び被吸着体が収納される素子用ケースと素子用ケースの後面側に配設される防塵用のフィルタを備え、フィルタは、フッ素系繊維材料により形成されているので、フィルタの平均孔径を1μm以下にすることができ、しかも耐環境性に優れ且つ空気抵抗の低いフィルタを実現することができる。
【0042】
請求項41の発明は、請求項40の発明において、フィルタは、粘着テープにより素子用ケースに結合されているので、組み立て時にフィルタを素子用ケースに容易に且つ気密的に装着することができ、素子用ケースとフィルタとの結合力を高めることができる。
請求項42の発明は、請求項40又は請求項41の発明において、フィルタは、素子用ケースの後面の開口部を塞ぐように素子用ケースの後面側に結合されているので、素子用ケースを密閉構造とすることができ、吸盤と被吸着体との間に塵や埃などの異物が侵入するのを防止することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本実施形態の遅れスイッチのケース1は、図1乃至図4に示すように、合成樹脂製のボディ10と、合成樹脂製のカバー80とを一対の略コ字形の組立枠40にて結合して形成される。
【0044】
図4に示すように、カバー80の両端部にはそれぞれ肩部80bが突設され、各肩部80bそれぞれの側面には組立枠40の脚片40dが嵌め込まれる凹部80cが形成されている。一方、ボディ10の前端側には、上記凹部80cに対応する部位に、組立枠40の脚片40dが嵌め込まれる凹部18が形成されている。したがって、ボディ10にカバー80を結合するときには、カバー80の各肩部80bの前面側からそれぞれ組立枠40を嵌合し(組立枠40の脚片40dをカバー80の凹部80cとボディ10の凹部18とに嵌め込み)、この組立枠40の両脚片40dの先端部に形成された略V字形の引掛爪40aをそれぞれボディ10の側面に形成された段部15に係合させることによって、カバー80とボディ10とが組立枠40により固定される。
【0045】
ここで、ケース1は、埋込型の配線器具用の取付枠に該取付枠の開口窓からケース1の前面が露出する形で最大3個まで連設して取り付けることができるように寸法設定された単位寸法の埋込型の配線器具の1個分に相当する寸法に形成されている。すなわち、ケース1は、例えばJIS規格で規格化されている大角形連用配線器具の取付枠に最大3個まで取り付けることができる配線器具の1個分の寸法に形成されており、上記取付枠に設けられた取付孔に係合可能な一対の係合爪40bが組立枠40の両端部から突設されている。また、各組立枠40には、金属製の取付枠に取り付ける際に取付枠の係止爪が係止される係止孔40cが設けてある。
【0046】
カバー80は操作用のハンドル90の一部がケース1の前面から突出するような形でハンドル90を収納する開口部81が形成されており、カバー80の内側面には、ハンドル90の両側面に突設された凸部95が係合される凹部82が形成されている。したがって、ハンドル90を開口部81に収納する時にハンドル90の両側面の凸部95をカバー80の凹部82にそれぞれ挿入係合することによって、カバー80の凹部82がハンドル90の揺動支点となる。
【0047】
一方、ハンドル90の両端部にはそれぞれ鍔部90cが突設され、ハンドル90の後面の側端部からは、三角形状の一対のガイド片90a(図3(b)及び図4参照)及び半円状の一対のアーム押圧片90b(図1(b)、図3(b)、図4参照)が突設されている。ここに、一対のアーム押圧片90bそれぞれの先端部は後述の略コ字形のアーム50の基端部50bの前面側に形成された湾曲部50aに係脱するようになっている。また、ハンドル90の前部には、透明なネームカバー93が嵌着される。ネームカバー93とハンドル90との間にはネームシート94(図4参照)が挟持される。なお、ハンドル90は上述の鍔部90cが形成されていることにより、ハンドル90とカバー80との間の隙間を隠すことができる。
ハンドル90の前面には透光窓91が形成され、透光窓91には透光性を有する材料により形成された透光部材92が取り付けられている。なお、ネームシート94には、ハンドル90の透光窓91に対向する部位に孔94aを設けてある。
【0048】
ところで、ハンドル90の後面側にはコイルスプリング96の一端側が嵌め込まれる凹部97が形成されており、コイルスプリング96の他端側は揺動体73(図5参照)のばね支持部75a,75b間で受けられている。揺動体73はコイルスプリング96の働きでハンドル90の傾斜方向と逆方向に傾くようになっていて(図1(b)及び図3(b)参照)、ハンドル90の揺動終点でコイルスプリング96が、く字形または逆く字形に屈曲させられ、コイルスプリング96が真っ直ぐな状態に戻ろうとする復元力によってハンドル90がその位置で確実に固定されるようになっている。
【0049】
ボディ10は、図4に示すように、略中央に遅延素子収納部12が形成され、遅延素子収納部12の両側に端子収納部13,14が形成されている。遅延素子収納部12には遅延素子20が収納され、端子収納部14には後述の端子601 ,602 が収納され、端子収納部13には後述の端子603 ,604 が収納される。また、ボディ10の前端部には、上述のアーム50の基端部50bから突設された回転軸511 ,512 (図6参照)が軸着される凹状の軸受部551 ,552 が形成されており、アーム50を回動自在としている。
【0050】
以下、遅延素子20について説明する。
遅延素子20は、図7に示すように、略コ字形のカード26と、カード26の移動時にカード26の両脚片をガイドするガイド溝21b(図3(b)及び図7及び図24に示すリブ21aとリブ21a’との間の溝)が形成された枠体21と、カード26を前方(図1(b)の上方へ)付勢するコイルスプリングよりなる復帰ばね27と、シリコンゴムなどのゴムにより形成され弾性的に撓むことができるようになっている吸盤ブロック23と、吸盤ブロック23の吸盤23bの吸着面43(図1(b)参照)が吸着される八角柱状の被吸着体24と、後述の空気透過部材32と、後面開口した箱状であって吸盤23b及び被吸着体24が収納される素子用ケース22と、素子用ケース22の後面に粘着テープなどにより接着される防塵用のフィルタ25とを備えている。ここに、本実施形態では、素子用ケース22の後面開口部がフィルタ25により塞がれるので、素子用ケース22の後方から素子用ケース22の内部に塵や埃などの異物が侵入するのを防止することができる。なお、フィルタ25はフッ素系繊維材料(テフロン繊維材料)により構成されている。ところで、吸盤ブロック23は、上述の吸盤23b、吸盤23bと一体に同じ材料により形成された吸盤カバー23aなどにより構成されている。ここに、吸盤23bと吸盤カバー23aとを一体形成しているので、低コスト化が可能となる。
【0051】
吸盤23bは、空気透過部材32が内部に圧入される円筒状の空気透過部材圧入部23dが連続一体に形成されている。空気透過部材圧入部23dの先端側には円筒状のシャフト42が設けられている。シャフト42の外周にはシャフト42の軸方向と略平行する一対の棒状のカード保持用ピン42b(図2及び図7参照)が一体に形成されており、シャフト42をカード26に結合するには、シャフト42を素子用ケース22の前面に形成された挿通孔22e(図7参照)に後方から挿通させ、両カード保持用ピン42bそれぞれの先端部をカード26の基端部26fにおいて後述の接触ばね押圧部26cの両側に形成された挿通孔26dに挿入してレーザなどにより加熱して固着すればよい。なお、吸盤ブロック23は、吸盤カバー23aの前端部に鍔部23cが形成されており、鍔部23cが素子用ケース22に対して固定される。
【0052】
本実施形態では、カード26とシャフト42と吸盤ブロック23とが結合されているので、カード26の移動に応じて吸盤ブロック23の形状が変化する(図1(b)及び図3(b)参照)。
ところで、カード26の基端部26fの後部には、カード26とシャフト42とを結合した状態で空気透過部材圧入部23dの内部空間23fとカード26の外部との間の空気の通路を構成する切欠き部よりなる空気取込口26eが形成されている。また、吸盤ブロック23は、吸盤23bの内周底面に上記内部空間23fと連通する通気孔23gが形成されており、吸盤23bの内部空間と上記空気取込口26eとの間が連通するようになっている。本実施形態では、空気透過部材圧入部23dの内部空間23fに、例えば多孔質セラミック(例えば、多孔質アルミナセラミック)よりなる空気透過部材32(図1(b)参照)が配設されている。ここに、空気透過部材32はの形状は円柱状であって、外周をゴムチューブ33によりシールしたものが上記内部空間23fに圧入されている。
【0053】
素子用ケース22の前面には、図7に示すように、上記挿通孔22eの周辺に復帰ばね27の一端部が嵌め込まれるばね受け溝22bが形成されている。一方、カード26の基端部26fの後面には略凹形の一対のばね受け溝26b(図2参照)が形成されていて、復帰ばね27の他端部を保持するようになっている。ところで、遅延素子20は、吸盤23bが被吸着体24に吸着した状態で吸盤23bと被吸着体24との間に形成される空間に、上記空気取込口26eから上記内部空間23fに入り込む空気が空気透過部材32を通じて吸盤23bの通気孔23gから入り込むようになっている。したがって、アーム50の両脚片よりなるカード押圧部52がカード26の両脚片よりなる被押圧部26aの先端から離れると、吸盤23bの被吸着体24への吸着力が徐々に弱くなり、この吸着力が復帰ばね27の復元力よりも弱くなって吸盤23bが被吸着体24から離れるのである。
【0054】
すなわち、アーム押圧片90bの先端部がアーム50の湾曲部50aの内周面に沿って湾曲部50aから脱するように移動して、アーム50のカード押圧部52がカード26の被押圧部26aを離れた時点から所定時間(以下、遅れ時間と称す)遅れてカード26が前方(図3(b)における上方)へ移動するのである。したがって、上述の空気透過部材32の空気の透過率やサイズ(断面積や長さ)、吸盤23bの材料や、被吸着体24の材料等を変えることで遅れ時間を調整することができるのである。
【0055】
なお、本実施形態では、空気透過部材32を上述のように多孔質セラミックにより構成してあり、空気の透過係数の温度依存や湿度依存が小さいので、使用環境の温度変化や湿度変化による遅れ時間の変動を小さくでき、遅れ時間を高精度にすることができる。
ところで、本実施形態では、吸盤カバー23aによって吸盤23bと素子用ケース22の外側とが仕切られているので、吸盤23bと被吸着体24との間に塵等の異物が侵入するのを防ぐことができ、吸盤23bと被吸着体24との吸着状態が安定し、遅れ時間を略一定にすることができる。
【0056】
枠体21は、例えば熱硬化性樹脂などにより構成され、両側面それぞれに前端から後端にわたってボディ10に対する位置決め用突部21c(図4及び図6参照)が一体に突設されている。一方、ボディ10は、図4に示すように、遅延素子収納部12の内側面に、上記位置決め用突部21cをガイドする位置決め溝16aが形成されている。
【0057】
また、枠体21は、上述のように内側面にカード26の被押圧部26a(両脚片)をスライド自在にガイドするガイド溝21bが形成されており、遅延素子20を組み立てた状態ではカード26の被押圧部26a,26aの先端が枠体21の前面よりも突出するようになっている(図4参照)。また、枠体21と素子用ケース22とは、素子用ケース22の前面の四隅近傍から前方へ突設された突部22cによって位置決めされて固定される。
【0058】
ボディ10の端子収納部14には速結端子よりなる上述の端子601 ,602 (図4参照)が納装されている。ここに、端子601 は、端子板63aと鎖錠ばね611 とで構成され、鎖錠ばね61は、端子板63aと鎖錠ばね611 との間に電線挿入口171 (図3(c)参照)に挿入された電線に食い込んで抜け止めをする鎖錠片61bと、電線に弾接する接触片61aとを備えている。したがって、電線挿入口171 を通して鎖錠ばね611 と端子板63aとの間に、鎖錠片61b側から電線を挿入すると、接触片61a及び鎖錠片61bのばね力によって電線が端子板63aとの間に挟持され、かつ鎖錠片61bが電線に食い込むことによって電線を引き抜くことができなくなる。同様に端子602 は端子板63bと鎖錠ばね612 とで構成され、電線挿入口172 (図3(c)参照)に挿入された電線が接触片61a及び鎖錠片61bのばね力によって端子板63aとの間に挟持される。また、端子収納部14には、両鎖錠ばね611 ,612 に跨がるように解除釦62aが配設される。解除釦62aは両鎖錠ばね611 ,612 の鎖錠片61bに当接しており、解除釦62aが鎖錠片61bに当接する部位は鎖錠片61b,61bが端子板63a,63bとの間に電線を挟持する部位からずれている。また、解除釦62aに対応する部位でボディ10の後壁には操作孔19(図3(b),(c)参照)が形成されており、操作孔19にマイナスドライバの先端などを挿入して解除釦62aを押すことにより、電線に食い込んでいる鎖錠片61b,61bを電線から圧接解除方向に撓ませて電線の引き抜きが可能となるようにしてある。
【0059】
一方、端子収納部13には、端子板63cと一対の鎖錠ばね613 ,614 とで構成される速結端子よりなる一対の端子603 ,604 (図4参照)が納装されている。ここに、端子603 ,604 は端子板63cを共通としている。端子603 は電線挿入口173 (図3(c)参照)に挿入された電線が鎖錠ばね613 の接触片61a及び鎖錠片61bのばね力によって端子板63cとの間に挟持され、端子604 は電線挿入口174 (図3(c)参照)に挿入された電線が鎖錠ばね614 の接触片61a及び鎖錠片61bのばね力によって端子板63cとの間に挟持される。また、端子収納部13には、端子収納部14と同様に両鎖錠ばね613 ,614 に跨がるように解除釦62bが配設され、ボディ10の後壁には操作孔19(図3(b),(c)参照)が形成されている。
【0060】
本実施形態では、端子収納部14と端子収納部13とがケース1の両端部側に離間して設けられているので、端子601 ,602 と端子603 ,604 との間の絶縁性を高めることができる。
上述の端子板63a,63bは、それぞれ別の固定接点64a,64bを有し、ケース1内において異なるスイッチ機構を形成している。なお、端子板63cに結合される短冊状の接触ばね70(図8参照)は、遅延素子20がない状態では可動接点72が端子板63aの固定接点64aに接触し所定の接点圧が得られるように付勢されている。
【0061】
ただし、接触ばね70は、遅延素子20のカード26の接触ばね押圧部26cの前方を通るように端子板63cから延出されているので、接触ばね70が接触ばね押圧部26cにより前方に押し上げられた状態では、可動接点72が端子板63aの固定接点64aから離れるようになっている。ここで、接触ばね70、可動接点72、固定接点64aで1つのスイッチ機構(遅れスイッチ機構)を構成している。
【0062】
また、端子板63cの前端部からはリード板65が一体に延出されており、リード板65の先端に形成された凸状部66の両側部の立ち上がり部66aに揺動体73の切欠き73a(図5参照)が係合し、この凸状部66を支点として、揺動体73が揺動自在となっている。一方、揺動体73には、可動接点74が固着される折曲片73bが一体に折曲形成されており、ハンドル90の操作に応じて、揺動体73先端の後面に形成された可動接点74と端子板63bの固定接点64bとが接離するようになっている。なお、上述の一対のばね支持部75a,75bは、ばね支持部75aの長さをばね支持部75bよりも長くすることにより、ばね支持部75a側の折曲片73bに設けられた可動接点74と固定接点64bとの接点圧を向上させている。リード板65は枠体21の前部に形成された一対の支持片21e(図4参照)から突設された柱状の端子仮保持用リブ21gにより仮保持される。
【0063】
端子板63aは、固定接点64aが設けられた部位の一部が枠体21に形成された切欠部21f(図7参照)により支持されて位置決めなされ、接触ばね70は、枠体21の前部に形成された一対の支持片21eの間の空間で可動して可動接点72が固定接点64aと接離するようになっている。
なお、ハンドル90の後部にはネオンランプなどの発光素子77が実装されたプリント配線板76が配設され、発光素子77の一方のリードはプリント板76の導電パターン及びリード線(図示せず)を介して抵抗79の一方のリードに接続されている。抵抗79の他方のリードは端子板63cにリード線(図示せず)により接続されている。また、発光素子77の他方のリードは略S字形の板ばね78(図4及び図9参照)に電気的に接続される。ここに、板ばね78は導電性を有し一端部78aがプリント配線板76の接続孔76aに挿通されプリント配線板76の導電パターンを介して発光素子77の上記他方のリードに接続されている。すなわち、板ばね78と発光素子77と抵抗79と端子板63cとが直列接続されている。ところで、板ばね78はハンドル90の操作に応じて端子板63aに接離する接触部78cを有し、該接触部78cは遅れスイッチのオフ状態(図1参照)では端子板63aに接触しており、遅れスイッチのオン状態(図3参照)では端子板63aから離れている。
【0064】
また、発光素子77は、ハンドル90の後面側に結合されるプリント配線板76に実装されてハンドル90の透光窓91に対向する位置に配設されているので、透光部材92を通じて外部へ光が照射されるようになっている。したがって、本実施形態の遅れスイッチのオフ状態では、夜などの周囲が暗い場合であっても、発光素子77の光によってケース1の位置を確認できるようになっている。
【0065】
以下、空気透過部材32、吸盤ブロック23、素子用ケース22、被吸着体24、フィルタ25、カード26、枠体21についてさらに詳述する。
空気透過部材32は、外周にゴムチューブ33を設けずに上記内部空間23fに圧入するようにしてもよく、ゴムチューブ33を設けない場合について説明する。
【0066】
吸盤ブロック23は、シリコンゴムなどのゴムにより形成され、図10に示すように、吸盤23bの吸盤首部23p(連結部)から円筒状の空気透過部材圧入部23dが連続一体に突設されている。吸盤ブロック23と円筒状のシャフト42とは一体成形している。ここに、シャフト42はナイロン樹脂(例えば、66ナイロンなど)により形成されており、シャフト42の適宜位置に接着剤を塗布して吸盤ブロック23をシャフト42に一体成形している。このため、吸盤ブロック23とシャフト42とを強固に且つ確実に結合することができる。なお、吸盤ブロック23の空気透過部材圧入部23dの先端は外形が細い結合部23nとなっている。シャフト42は、外周に軸方向と略平行する一対の棒状のカード保持用ピン42bが連続一体に形成されている。シャフト42をカード26(図7参照)に結合するには、シャフト42を素子用ケース22(図7参照)の前面に形成された挿通孔22eに後方から挿通させ、両カード保持用ピン42bそれぞれの先端部をカード26の基端部26fにおいて接触ばね押圧部26cの両側に穿孔された挿通孔26dに挿入して、レーザ光などによりカード保持用ピン42bを加熱して溶かすことによって溶着すればよい。本実施形態では、シャフト42の色を黒色にしてあるので、シャフト42にてレーザ光を効率良く吸収することができ、シャフト42がレーザ光にて溶けやすく、カード26との結合を効率的に且つ確実に行うことができる。
【0067】
なお、吸盤ブロック23は、吸盤カバー23aの前端部に鍔部23cが形成されており、鍔部23cが素子用ケース22に対して固定される(図3(b)参照)。また、吸盤23bは、図11に示すように、吸着面43側に鍔部23mが形成されており、吸着面43以外の部位に破線で示すパーティングラインPLが設けられている。したがって、吸盤ブロック23の成型にともなうバリが吸着面43に発生するのを防止することができ、また、バリを除去する際に吸着面43に傷がつくのを防止することができるから、被吸着体24への吸盤23bの吸着状態を安定させることができ、遅れ時間の精度を高めることができる。
【0068】
また、吸盤ブロック23は、図10に示すように、空気透過部材32の外径よりも内径が大きく遅延素子20の組み立て時に空気透過部材32を仮保持可能な空気透過部材仮保持空間56が形成されており、空気透過部材圧入部23dの内部空間23fへの空気透過部材32の圧入を効率良く確実に行うことができる。ここに、空気透過部材仮保持空間56は上述の結合部23nの内部空間とシャフト42の回り込み防止部42cの内部空間とで構成され、結合部23nとシャフト42とで空気透過部材導入部を構成している。空気透過部材導入部の内面は導入口側にテーパ部58(図12参照)が形成されているので、吸盤ブロック23への空気透過部材32の挿入を効率良く行うことができ、組み立てに要する時間を短くすることができる。さらに、空気透過部材32を空気透過部材圧入部23dの内部空間23fへ圧入する圧入口側にはテーパ部57が形成されているので、内部空間23fへの空気透過部材32の圧入を低荷重で確実に行うことができ、歩留りが向上する。また、シャフト42に回り込み防止部42cを設ける替わりに、図13に示すように、結合部23nの前端部に溝59を設けることによって、結合部23nを構成するゴムがシャフト42とカード26との接触面に回り込むのを防止するようにしてもよい。
【0069】
また、吸盤ブロック23は、空気透過部材圧入部23dとシャフト42との位置がオーバーラップしない形状としてあるので、組み立て時に、空気透過部材圧入部23dの内部空間23fへの空気透過部材32の圧入を低荷重で確実に行うことができ、歩留りが向上する(オーバーラップしていると、空気透過部材圧入部23dが拡がろうとするのをシャフト42の内周面が規制するので、圧入が難しくなる)。また、シャフト42の前端部に回り込み防止42cを形成して空気透過部材圧入部23dがシャフト42の前端側の開口面に回り込まないようにしてあるので、カード26とシャフト42との間に吸盤ブロック23を構成するゴムが介在せず、カード26の位置決めを精度良く行うことができる。
【0070】
また、吸盤23bと空気透過部材圧入部23dとの連結部である吸盤首部23pの外周は0.2mm以上のRが形成されており、吸盤首部23pの外側面が滑らかな凹状となっているので、吸盤ブロック23の成型の離型時に吸盤首部23pにかかる応力を小さくすることができ、離型時に吸盤首部23pが切断してしまう不良をなくすことができる。さらに、吸盤首部23pの外径H3 (図10参照)をシャフト42の外径H4 以上の寸法に形成することにより、吸盤ブロック23の成型の離型時に吸盤首部23pにかかる応力を緩和することができ、吸盤首部23pが切断してしまう不良をなくすことができる。また、吸盤カバー23aと吸盤23bとの連結部の外側面53(図10(b)参照)は0.2mm以上のRが形成されており、滑らかな凹状となっているので、吸盤ブロック23の成型の離型時に吸盤カバー23aと空気透過部材圧入部23dとの連結部にかかる応力を緩和でき、吸盤カバー23aの破損による不良をなくすことができる。また、吸盤ブロック23は、吸盤首部23pに空気透過部材32後端(図10(b)における下端)が一致するように空気透過部材32が配設されているので、つまり、空気透過部材圧入部23dの軸方向において吸盤23b側に空気透過部材32が配設されているので、空気透過部材32を配設したことによる吸盤ブロック23の変形への影響を少なくすることができる。また、吸盤23bが被吸着体24に吸着している時に空気透過部材圧入部23dの内部空間23fに残留している空気の量が多くなり、同じ遅れ時間を実現するために空気透過係数の小さな空気透過部材32を使用することができる。なお、本実施形態では、空気透過部材圧入部23dが吸盤23bの被吸着体24側への押し込み量のばらつきを吸収する寸法ばらつき吸収手段を兼ねており、各部の寸法ばらつきにより生じる吸盤23bの押し込み量のばらつきを別部材を付加することなしに低コストで吸収し、遅れ時間のばらつきを抑制することができる。
【0071】
また、シャフト42は、空気透過部材圧入部23d側のシャフト42の端面と、シャフト42の内周面の一部とが吸盤ブロック23との接着部を構成しているので、シャフト42の端面だけを接着部とする場合に比べて接着部の面積を増やすことができ、シャフト42と吸盤ブロック23との接着強度が増し、耐久信頼性が向上する。シャフト42の外周に吸盤ブロック23を構成するゴムを付けないようにしてあるので、吸盤ブロック23離型時の離型性が向上し、歩留りが向上する。また、シャフト42は、カード保持用ピン42bを2箇所に設けてあるので、シャフト42とカード26とを強固にスペース効率良く結合することができる。なお、カード保持用ピン42bを図14に示すように2組(4つ)設ければ、シャフト42とカード26とを結合する際にいずれか一組のカード保持用ピン42bをカード26の挿通孔26dに挿入すればよいから、組み立て性が向上する。
【0072】
素子用ケース22は、図15に示すように、後面が開口した直方体状の形状であって、上述のばね受け溝22b(図15(b)参照)の周壁と素子用ケース22の内側面との間に、吸盤カバー23aの鍔部23cが圧入される圧入用凹部22gが円環状に形成されている。したがって、吸盤カバー23aは、素子用ケース22に対して鍔部23cの全周が圧入されるので、塵、埃などの異物が吸盤23bと被吸着体24との間の侵入するのを確実に防ぐことができ、遅れ時間の精度を高めることができる。また、素子用ケース22と吸盤カバー23aの鍔部23cとを、吸盤カバー23aの図16(b)の矢印Aの向きへの復帰力により素子用ケース22に対して密着シールするようにすれば、鍔部23cを圧入用凹部22gに圧入することなしに挿入するだけでよく、より簡単に、吸盤23bと被吸着体24との間に塵や埃などの異物が侵入するのを防止することができる。また、図17に示すように、圧入用リブ23eを鍔部23cから突設することにより、圧入用リブ23eの部分を圧入し、鍔部23cの前端面が素子用ケース22の圧入用凹部22gの底面に密着シールするようにしてもよい。なお、本実施形態では、圧入用リブ23eが素子用ケース22への装着位置決め用リブを兼ねている。
【0073】
ところで、素子用ケース22の後部には、被吸着体24が圧入される圧入部22f(図15(b)参照)が形成されており、遅延素子20の組み立て時には、被吸着体24が圧入部22fに圧入されるので、被吸着体24が素子用ケース22に仮止めされ、フィルタ25の装着が容易となる。なお、圧入部22fは、被吸着体24の側面に圧接する圧入用リブ22hが突設されている。また、被吸着体24の形状は図18に示すように八角柱状としたので、底面が四角形の素子用ケース22に対して、フィルタ25の接着面積を確保することがき、さらに、素子用ケース22の薄肉部を少なくすることができ、素子用ケース22の強度を高めることができる。
【0074】
被吸着体24は、上述のようにフッ素樹脂(テフロン樹脂)により形成されているので、被吸着体24の表面粗さ、摩擦係数を小さくすることができ、吸盤23bが吸着される被吸着面の摩耗を抑制することができるから、遅れ時間の変動を防止することができる。また、本実施形態では、被吸着体24の吸盤23bが吸着される被吸着面の表面粗さを6S以下とすることにより、被吸着体24への吸盤23bの吸着力のばらつきを極めて小さくすることができ、被吸着面の表面粗さに起因した遅れ時間のばらつきを抑制することができる。また、被吸着体24の被吸着面が、図19に示すように、該被吸着面の基準平面に対して±0.02mmの平面間に収まるようにすれば(つまり、平面度を0.04mmとすれば)、被吸着体24への吸盤23bの吸着力のばらつきを極めて小さくすることができ、遅れ時間のばらつきを抑制することができる。また、被吸着体24は、平板を打ち抜いて構成することにより、成形でつくる場合に比べてコストを安くすることができる。
【0075】
空気透過部材32は、円柱状の形状であって、図20に示すように、軸方向の両端部に面取り部32aを形成することにより、方向性を気にせずに容易に吸盤ブロック23の空気透過部材圧入部23dへ圧入することができる。また、空気透過部材32を図21に示すように、円柱状であって両端部32bの断面積が中間部32cの断面積よりも大きな形状に形成すれば、空気透過部材32の端面への汚れや埃などのの付着による遅れ時間の変動を抑制することができる。なお、両端部32bのうち一方だけを中間部32cよりも断面積の大きな形状としてもよい。
【0076】
なお、復帰ばね27として、図22に示すようないわゆる円錐ばねを用いれば、復帰ばね27がカード26により押し込まれたときの復帰ばね27の密着長が小さいので、空気透過部材圧入部23dの軸方向と平行な方向における復帰ばね27のスペースを小さくすることができ、遅延素子20の高さを低くすることができる(図22の上下方向の幅を小さくすることができる)。
【0077】
カード26は、図23に示すように、略コ字形の形状であって、カード26を枠体21に挿入する際に逆向きに挿入するトラブルを防止するための一対の逆挿入防止用リブ26gが突設されている。ここに、カード26は、図24に示す枠体21の前方(図24(b)の上方)から挿入する際に左右逆向きに挿入しようとすると、逆挿入防止用リブ26gが枠体21のリブ21aに当接して挿入できないようになっている。なお、リブ21a間の距離はリブ21a’間の距離に比べて小さくなっている。
【0078】
また、カード26は、被押圧部26a(アーム押圧用突起部)の内側面26iにテーパを設けてあり、被押圧部26aの強度を確保しつつ被押圧部26a間の空間を広く確保するようになっており、該空間に他の部材(端子など)を効率的に配置することが可能となる。また、カード26は、接触ばね押圧部26cの先端部をシャフト42のセンタm(図23(c)参照)からずらしてあるので、接点ばね70を駆動する駆動点をカード26の形状により最適化することが可能となる。なお、カード26は、全体を略均肉厚になるように構成されているので、カード26の成形時に生じる反りを抑制することができる。また、カード26は、シャフト42との結合時にレーザ光により加熱されて溶けた樹脂(シャフト42を構成する樹脂)を逃がすための樹脂逃げ用溝26hを被押圧部26aと接点ばね押圧部26cとの間に形成してあるので、該溶けた樹脂が接触ばね押圧部26cの先端部に回り込むのを防止でき、接触ばね押圧部26cによる接触ばね70のリフト量(押し上げる距離)が変動するのを防止することができる。
【0079】
枠体21は、図24に示すように、上述の支持片21eの前面から端子仮保持用リブ21gが突設されており、組み立て時に端子板63cに結合された接触ばね70のばね力により端子板63cがボディ10から浮き上がるのを防止し、組み立て性を良くすることができる。
また、枠体21は、一側面に、端子板63a,63bの脚部63a1 ,63b1 (図4参照)が圧入される凹状の端子板脚部受け部461 ,462 (端子板受け部)が形成され、枠体42の反対側の側面には、端子板63cの脚部63c1 ,63c2 (図4参照)が圧入される凹状の端子板脚部受け部463 ,464 (端子板受け部)が形成されているので、端子板63a,63b,63cに生じる力を枠体21により確実に受け止めることができ、上述の端子601 〜604 の信頼性を確保することができる。なお、端子仮保持用リブ21gの形状を図25に示すように円柱状の形状とすれば、端子63c(リード板65)と端子仮保持用リブ21gが線接触するから、端子板63cをスムーズに圧入でき、組み立て時に接触ばね70のばね力により端子板63cが浮き上がるのを防止し、組み立て性を良くすることができる。また、端子仮保持用リブ21gの形状を図26に示すような直方体状としてもよく、この場合には端子板63cと端子仮保持用リブ21gとが面接触することにより端子板63cを強固に圧入でき、組み立て時に接触ばね70の力によって端子板63cがボディ10から浮き上がるのを防止し、組み立て性を良くすることができる。
【0080】
さらに、枠体21には、鎖錠ばね611 〜614 が倒れるのを防止するための錠ばね倒れ防止用リブ48が側面に突設してあるので、組み立て時に鎖錠ばね611 〜614 を配置した後で鎖錠ばね611 〜614 が倒れる(傾く)のを防止することができ、組み立て性が向上する。
また、枠体21は、ボディ10に圧入されるようになっており、ボディ10の遅延素子収納部12への逆挿入を防止するための位置決め用突部21c(逆挿入防止リブ)が側面の一端側に突設してあり、ボディ10には、位置決め用突部21cを位置決めする位置決め溝16a(図4参照)が形成されているので、ボディ10への枠体21の逆挿入を防止することができる。しかも、枠体21は、ボディ10の内側面に圧接するので、組み立て時に接触ばね70のばね力により枠体21がボディ10の底面から浮き上がるのを防止することができ、組み立て性を良くすることができる。
【0081】
また、枠体21には、上述のリブ21aからリブ21i(図24(c)参照)が一体に突設されており、リブ21iの後端面と、上述の支持片21の後端面とが同一平面上に形成されており、組み立て時に、図27に示すように、復帰ばね27のばね力に抗して復帰ばね27を枠体21の後端面に対して略平行に仮保持することができる。なお、リブ21i及び支持片21eが仮保持用リブを構成している。本実施形態では、枠体21に仮保持用リブを設けたことにより、遅延素子20の組み立て時において、カード26が復帰ばね27のばね力によりシャフト42から離れるのを防止でき(シャフト42のカード保持ピン42bがカード26の挿通孔26dから抜けるのを防止でき)、カード26とシャフト42とを容易に結合できるようになっている。なお、枠体21は、全体が略均肉厚に形成されているので、枠体21の反りを抑制することができ、枠体21の反りによるカード26の摺動抵抗(カード26の移動に伴って被押圧部26aとガイド溝21bとの間に発生する摺動抵抗)の増加を防止することができ、遅れ時間の変動を抑制することができる。しかも、枠体21は、アーム50の干渉を避ける段差21hが形成されているので、カード26のガイド溝21bの長さ(枠体21の前後方向における長さ)を長くとりつつ、アーム50の動作スペースを確保することができる。なお、枠体21は、後面(素子用ケース22の前面との接触面)以外の部位に成型時における金型のゲートを配しているので、枠体21の後面にはゲート跡が残ることがなく、枠体21のゲート跡により素子用ケース22の前面と枠体21の後面との間に隙間が生じるのを防止することができ、組み立て寸法が狂うのを防止することができる。
【0082】
防塵用のフィルタ25は、図28に示すように外形が矩形状であって、フッ素系繊維材料(テフロン繊維材料)により構成されており、平均孔径を1μm以下にすることができ、しかも耐環境性に優れ且つ空気抵抗の低い防塵用のフィルタを実現することができる。フィルタ25の一面には薄い粘着テープ39が設けられており、粘着テープ39により素子用ケース22の後端面に接着されるようになっているので、組み立て時に、容易に且つ気密的にフィルタ25を素子用ケース22に装着することができる。しかも、フィルタ25を装着することにより、フィルタ25が素子用ケース22の蓋として機能し素子用ケース22を密閉構造とすることができ、吸盤23bと被吸着体24との間に塵や埃などの異物が侵入するのを防止することができる。
【0083】
ところで、本実施形態では、図29に示すように、ボディ10において遅延素子20が収納される遅延素子収納部12(図4参照)の幅 1 を、端子収納部13,14(図4参照)の幅 2 よりも大きくしてあるので、吸盤23bの外径を大きくとることにより、吸盤23bの寸法ばらつきによる遅れ時間の変動を少なくすることができ、同一遅れ時間を実現する場合に、空気の透過係数の大きな空気透過部材32を用いることができるから、透過係数のばらつきによる遅れ時間の変動も抑制することができる。
【0084】
次に、本実施形態の遅れスイッチの動作を説明する。
図1及び図2は本実施形態の遅れスイッチのオフ状態を示し、この状態で操作部たるハンドル90をオン操作(セット操作)すると、ハンドル90のアーム押圧片90bが回動し、アーム押圧片90bの先端部がアーム50の湾曲部50aに沿って移動する。しかして、ハンドル90をオン操作すると、コイルスプリング96が逆方向に傾くことによって図3に示すように揺動体73に設けられた可動接点74が端子板63bの固定接点64bと接触してこの電路がオン状態になるとともに、アーム押圧片90bが回動することによってアーム50が回動してアーム50の先端のカード押圧部52がカード部26の被押圧部26aを押し、復帰ばね27の付勢力に抗してカード26が移動し(図1(b)における下方へ押し下げられ)、接触ばね70の可動接点72が端子板63aの固定接点64aに接触してこの電路がオン状態になるのである。また、カード26が移動することにより、吸盤23bが被吸着体24に接する位置まで押し下げられて吸盤23bが被吸着体24に吸着し、カード26が押し下げられている状態では、吸盤23bが被吸着体24に吸着保持される。
【0085】
一方、図3は本実施形態の遅れスイッチのオン状態を示し、この状態でハンドル90をオフ操作(セット解除操作)すると、アーム押圧片90bの先端部がアーム50の湾曲部50aに沿って湾曲部50aから脱するように移動することによりアーム50が回動し、アーム50のカード押圧部52がカード26の被押圧部26aから離れるように移動する。しかして、ハンドル90をオフ操作すると、コイルスプリング96が逆方向に傾くことによって図1に示すように揺動体73に設けられた可動接点74が端子板63bの固定接点64bから開離して、上述の遅れ時間が経過すると、復帰ばね27の復元力によってカード26が前方へ移動し接触ばね押圧部26cが接触ばね70を前方へ押すので、可動接点72が固定接点64aから開離されこの電路(スイッチ機構)もオフ状態になる。
【0086】
しかして、本実施形態の遅れスイッチでは、ハンドル90によるセット解除操作時には、吸盤23bの被吸着体24への吸着力と復帰ばね27のばね力とのバランスにより吸盤23bが被吸着体24から離れるまでに遅れ時間があるので、従来のようなギアが不要となり、従来の遅延ユニットを有する遅れスイッチに比べて構成が簡単で信頼性が高く、低コスト化が図れるとともに、騒音が小さくなる。本実施形態の遅れスイッチを例えばトイレの換気扇及び照明負荷の操作に用いる場合、端子603 と端子604 とは共通の端子板63cを有しているので、端子602 に照明負荷を接続し、端子601 に換気扇を接続すればよい。この場合、ハンドル90をオン操作(セット操作)すると、照明負荷が点灯するとともに換気扇が運転され、ハンドル90をオフ操作(セット解除操作)すると、照明負荷だけ直ちに消灯され、遅れ時間の経過後に換気扇が停止される。したがって、換気扇を直ちに止めたときに生じる不便をなくし、しかも換気扇の消し忘れを防止することができる。なお、この遅れスイッチは、トイレ以外の種々の場所での使用も可能である。また、遅れ時間は、使用環境や使用目的に合わせて適宜設定すればよい。
【0087】
(実施形態2)
図30乃至図33に示す本実施形態の遅れスイッチの基本構成及び基本動作は実施形態1と略同じであり、スイッチ機構を遅延素子20に関係する1つだけにした点が相違する。つまり、本実施形態では、実施形態1で説明した端子板63b及び固定接点64bを備えていない点と、端子板63aの形状及び揺動体73の形状が実施形態1と相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略する。
【0088】
本実施形態の遅れスイッチにおける揺動体73は、図34に示すような略コ字形の形状であって、実施形態1のような折曲片73b(図5参照)がなく可動接点74は備えていない。なお、図35はカバー80を取り外した状態の平面図である。
次に、本実施形態の遅れスイッチの動作を説明する。
図30及び図31は本実施形態の遅れスイッチのオフ状態を示し、この状態で操作部たるハンドル90をオン操作(セット操作)すると、ハンドル90のアーム押圧片90bが回動し、アーム押圧片90bの先端部がアーム50の湾曲部50aに沿って移動する。しかして、ハンドル90をオン操作すると、コイルスプリング96が逆方向に傾くことによってアーム押圧片90bによりアーム50が回動してアーム50の先端のカード押圧部52がカード部26の被押圧部26aを押し、復帰ばね27の付勢力に抗してカード26が移動し(図30(b)における下方へ押し下げられ)、接触ばね70の可動接点72が端子板63aの固定接点64aに接触してこの電路がオン状態になるのである。また、カード26が移動することにより、吸盤23bが被吸着体24に接する位置まで押し下げられて吸盤23bが被吸着体24に吸着し、カード26が押し下げられている状態では、吸盤23bが被吸着体24に吸着保持される。
【0089】
一方、図32は本実施形態の遅れスイッチのオン状態を示し、この状態でハンドル90をオフ操作(セット解除操作)すると、アーム押圧片90bの先端部がアーム50の湾曲部50aに沿って湾曲部50aから脱するように移動することによりアーム50が回動し、アーム50のカード押圧部52がカード26の被押圧部26aから離れるように移動する。しかして、ハンドル90をオフ操作すると、コイルスプリング96が逆方向に傾き、上述の遅れ時間が経過すると、復帰ばね27の復元力によってカード26が前方へ移動し接触ばね押圧部26cが接触ばね70を前方へ押すので、可動接点72が固定接点64aから開離されこの電路(スイッチ機構)がオフ状態になる。
【0090】
本実施形態の遅れスイッチを例えば玄関などにおける照明負荷の操作に用いる場合には、端子601 と端子603 (又は端子604 )との間に照明負荷を接続すればよい。この場合、ハンドル90をオン操作(セット操作)すると、照明負荷が点灯し、ハンドル90をオフ操作(セット解除操作)すると、遅れ時間の経過後に照明負荷が消灯される。したがって、例えば外出時や帰宅時に照明負荷を点灯させた後にハンドル90をオフ操作した場合、照明負荷が消灯されるまでに遅れ時間があるので、人が玄関から離れる前に照明負荷が消灯されてしまうような不都合をなくすことができる。
【0091】
【発明の効果】
請求項1の発明は、操作部と、操作部のセット操作に連動して移動する吸盤と、該吸盤と共動してスイッチ機構を開閉するカードと、該移動した吸盤を吸着保持する被吸着体と、吸盤が被吸着体から離れる方向に吸盤を付勢する復帰ばねと、スイッチ機構が電気的に接続される端子とを備え、操作部によるセット解除操作時には、吸盤の被吸着体への吸着力と復帰ばねのばね力とのバランスにより吸盤が被吸着体から離れるまでに遅れ時間があるので、吸盤の被吸着体への吸着力と復帰ばねのばね力とのバランスにより遅れ時間が決まるから、従来のようなギアが不要となり、従来の遅延ユニットを有する遅れスイッチに比べて構成が簡単で信頼性が高く、低コスト化が図れるとともに、騒音が小さくなるという効果がある。また、従来のようなギアが必要ないので、操作部の操作がスムーズになるという効果がある。
また、少なくとも吸盤及び被吸着体及びカード及び復帰ばねにより構成される遅延素子の要所を囲む枠体を備え、端子は、スイッチ機構が電気的に接続され且つ外部電線が接続される端子板と、端子板に外部電線を圧接接続する鎖錠ばねとで構成され、枠体は、端子板を仮保持する端子仮保持用リブが操作部側の前端部に形成されているので、組み立て時に端子板を仮保持することにより、組み立て性が向上するという効果がある。
【0092】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、吸盤が被吸着体に吸着した状態において吸盤と被吸着体との間に形成される内部空間へ連通する空気流通経路に配設される空気透過部材を備え、吸盤に連結され空気透過部材が内部に圧入される筒状の空気透過部材圧入部を有するので、空気透過部材の材料やサイズを変えることにより遅れ時間を調整することができ、しかも空気透過部材の位置決めが容易であるという効果がある。
【0093】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、吸盤は、空気透過部材が導入される筒状の空気透過部材導入部を有し、空気透過部材導入部の内面は導入口側にテーパが形成されているので、吸盤内部への空気透過部材の導入を効率良く行うことができ、組み立てに要する時間を短くすることができるという効果がある。請求項4の発明は、請求項2又は請求項3の発明において、吸盤は、空気透過部材を圧入する筒状の空気透過部材圧入部を有し、空気透過部材圧入部の内面は圧入口側にテーパが形成されているので、吸盤内部へ空気透過部材を圧入することにより空気透過部材の位置決めが容易になり、また、空気透過部材圧入部の内面の圧入口側にテーパが形成されていることにより、組み立て時に吸盤内部への空気透過部材の圧入を低荷重で確実に行うことができ、歩留りが向上するという効果がある。
【0094】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、カードと吸盤との間に介在するシャフトを備え、吸盤とシャフトとは一体成形されているので、吸盤とシャフトとの結合力を高めることができるという効果がある
【0095】
請求項の発明は、請求項5の発明において、吸盤が被吸着体に吸着した状態において吸盤と被吸着体との間に形成される内部空間へ連通する空気流通経路に配設される空気透過部材を備え、吸盤は、軸方向においてシャフトとオーバーラップしない部位に空気透過部材が内部に圧入される筒状の空気透過部材圧入部が形成されているので、吸盤の空気透過部材圧入部とシャフトとの位置がオーバーラップすることがなく、組み立て時に吸盤内部への空気透過部材の圧入を低荷重で確実に行うことができ、歩留りが向上するという効果がある。
【0096】
請求項の発明は、請求項1の発明において、カードと吸盤との間に介在する筒状のシャフトを備え、シャフトは軸方向においてカード側の端面への吸盤の一部の回り込みを防止する回り込み防止手段が設けられているので、カードとシャフトとの間に吸盤の一部が介在することがなく、シャフトに対するカードの位置決め精度が向上するという効果がある。
【0097】
請求項の発明は、請求項2の発明において、吸盤は、空気透過部材圧入部の圧入口側に空気透過部材を仮保持可能な空気透過部材仮保持空間が形成されているので、組み立て時に空気透過部材の圧入を効率良く確実に行うことができるという効果がある。
請求項の発明は、請求項2の発明において、吸盤は、被吸着体に吸着する吸着部と空気透過部材圧入部とが連続一体に形成され、吸着部と空気透過部材圧入部との連結部の外側面が滑らかな凹状に形成されているので、吸盤の成型の離型時に吸着部と空気透過部材圧入部との連結部にかかる応力を小さくすることができ、離型時に連結部が切断されるのを防止することができるという効果がある。
【0098】
請求項10の発明は、請求項2の発明において、カードと吸盤との間に介在する筒状のシャフトを備え、吸盤は、被吸着体に吸着する吸着部と空気透過部材圧入部とが連続一体に形成され、吸着部と空気透過部材圧入部との連結部の外径がシャフトの外径よりも大きく形成されているので、吸盤の成型の離型時に吸着部と空気透過部材圧入部との連結部にかかる応力を小さくすることができ、離型時に連結部が切断されるのを防止することができるという効果がある。
【0099】
請求項11の発明は、請求項2の発明において、少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、吸盤の吸着面側と素子用ケースの外側との間を仕切る吸盤カバーを備え、吸盤カバーと空気透過部材圧入部とが連続一体に形成され、吸盤カバーと空気透過部材圧入部との連結部の外側面が滑らかな凹状に形成されているので、吸盤の成型の離型時に吸盤カバーと空気透過部材圧入部との連結部にかかる応力を緩和でき、吸盤カバーの破損などの不良をなくすことができるという効果がある。
【0100】
請求項12の発明は、請求項1の発明において、吸盤は、吸着面以外の部位にパーティングラインが設けられているので、成型にともなうバリが吸着面に発生するのを防止することができ、バリを除去する際に吸着面に傷がつくのを防止することができるから、被吸着体への吸盤の吸着状態を安定させることができ、遅れ時間の精度を高めることができるという効果がある。
【0101】
請求項13の発明は、請求項1の発明において、カードと吸盤との間に介在する筒状のシャフトを備え、シャフトの吸盤側の端面とシャフトの内周面の一部とが吸盤との接着部を構成しているので、シャフトの吸盤側の端面だけを吸盤との接着部とする場合に比べて接着部の面積を増やすことができ、シャフトと吸盤との接着強度が増し、耐久信頼性が向上するという効果がある。
【0102】
請求項14の発明は、請求項5の発明において、シャフトは、少なくともカード側の端面及び側面を除いた部位が吸盤の一部に当接されているので、シャフトの外周に吸盤の一部が付くことがなく、吸盤の離型時の離型性が向上し、歩留りが向上するという効果がある。
請求項15の発明は、請求項1の発明において、カードと吸盤との間に介在するシャフトを備え、シャフトは、軸方向に略平行でカードを保持する2つのカード保持用ピンを有し、カードは、カード保持用ピンが挿入される一対の挿通孔が形成されているので、組み立て時にシャフトとカードとを少ないスペースで強固に結合することが可能となるという効果がある。
【0103】
請求項16の発明は、請求項2の発明において、空気透過部材は、空気透過部材圧入部の軸方向において吸盤側に配設されているので、空気透過部材を配設したことによる吸盤の変形への影響を少なくすることができ、また、吸盤が被吸着体に吸着している時に空気透過部材圧入部内に残留する空気の量が多くなり、同じ遅れ時間を実現するために空気透過係数の小さな空気透過部材を使用することができるという効果がある。
【0104】
請求項17の発明は、請求項1の発明において、少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、吸盤の吸着面側と素子用ケースの外側との間を仕切る吸盤カバーとを備え、吸盤カバーは、開口された側の端部が全周にわたって素子用ケースに取り付けられているので、吸盤カバーにより吸盤と被吸着体との間に塵や埃などの異物が侵入するのを確実に防ぐことができ、遅れ時間の精度を確保することができるという効果がある。
【0105】
請求項18の発明は、請求項1の発明において、少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、吸盤の吸着面側と素子用ケースの外側との間を仕切る吸盤カバーとを備え、吸盤カバーは、弾性力を有しカードの移動によって変形するものであって、素子用ケース内に収納され素子用ケースに対して該吸盤カバーの復帰力により密着シールされているので、吸盤カバーを素子用ケースに圧入したりすることなしに、吸盤カバーにより吸盤と被吸着体との間に塵や埃などの異物が侵入するのを確実に防ぐことができ、遅れ時間の精度を確保することができるという効果がある。
【0106】
請求項19の発明は、請求項1の発明において、少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、吸盤の吸着面側と素子用ケースの外側との間を仕切る吸盤カバーとを備え、素子用ケースは、吸盤カバーの開口された側の端部が圧入される圧入部が形成され、吸盤カバーは、圧入部に圧接する複数の圧入用リブが形成されているので、素子用ケースに対して吸盤カバーを容易に且つ確実に取り付けることができ、吸盤カバーにより吸盤と被吸着体との間に塵や埃などの異物が侵入するのを確実に防ぐことができ、遅れ時間の精度を確保することができるという効果がある。
【0107】
請求項20の発明は、請求項1の発明において、少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、吸盤の吸着面側と素子用ケースの外側との間を仕切る吸盤カバーとを備え、吸盤カバーは開口された側の端部に素子用ケースに圧入される圧入用リブが形成され、且つ、吸盤カバーは、開口された側の端面が素子用ケースに密着シールされているので、素子用ケースに対して吸盤カバーを容易に且つ確実に取り付けることができ、吸盤カバーにより吸盤と被吸着体との間に塵や埃などの異物が侵入するのを確実に防ぐことができ、遅れ時間の精度を確保することができるという効果がある。
【0108】
請求項21の発明は、請求項1の発明において、少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、吸盤の吸着面側と素子用ケースの外側との間を仕切る吸盤カバーとを備え、吸盤カバーは、素子用ケースに対する装着位置決め用リブが形成されているので、素子用ケースへの吸盤カバーの装着位置が安定し、また、吸盤カバーにより吸盤と被吸着体との間に塵や埃などの異物が侵入するのを確実に防ぐことができ、遅れ時間の精度を確保することができるという効果がある。
【0109】
請求項22の発明は、請求項1の発明において、被吸着体は、フッ素樹脂により形成されているので、被吸着体の表面粗さ、摩擦係数を小さくすることができ、吸盤が吸着される被吸着面の摩耗を抑制することができるから、遅れ時間の変動を防止することができるという効果がある。
請求項23の発明は、請求項1の発明において、復帰ばねが配置される側を前面側とし少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、素子用ケースの後面側に結合される防塵用のフィルタとを備え、素子用ケースは、被吸着体が圧入される圧入部が後部に形成されているので、フィルタにより素子用ケース内へ塵や埃などに異物が侵入するのを防ぐことができ、また、組み立て時に被吸着体を素子用ケースに仮止めすることができ、フィルタの装着が容易となるという効果がある。
【0110】
請求項24の発明は、請求項23の発明において、素子用ケースの形状は、後面が開口した直方体状であって、被吸着体は、8角柱状の形状に形成されているので、フィルタの接着面積を大きくすることができ、また、素子用ケースの薄肉部を少なくすることができるという効果がある
【0111】
請求項25の発明は、請求項1の発明において、被吸着体は、吸盤が吸着される被吸着面が該被吸着面の基準平面に対して±0.02mmの平面間に収まるので、被吸着体への吸盤の吸着力のばらつきを小さくすることができ、遅れ時間のばらつきを抑制することができるという効果がある
【0113】
請求項26の発明は、請求項1の発明において、吸盤は、空気透過部材が圧入される筒状の空気透過部材圧入部を有し、空気透過部材は、柱状であって軸方向の両端部に面取り部が形成されているので、面取り部が形成されていることにより、空気透過部材圧入部への空気透過部材の圧入が容易になり、また、両端部に面取り部が形成されていることにより、両端部のどちらから圧入する場合であっても圧入が容易になり、空気透過部材の向きを気にする必要がなくなるという効果がある。
【0114】
請求項27の発明は、請求項1の発明において、枠体は、カードが挿入されてカードの移動をガイドし、カードは枠体への逆挿入を防止する逆挿入防止用リブが形成されているので、カードを枠体へ逆方向に挿入することによるトラブルの発生を防止することができるという効果がある。
【0115】
請求項28の発明は、請求項1の発明において、操作部のセット動作に連動して回動しカードを移動させるアームを備え、カードは、アームにより押圧される一対の被押圧部を有する略コ字形であって、被押圧部は、互いに対向する側に先端ほど相互間の距離が大きくなるようなテーパが形成されているので、被押圧部の強度を確保しつつ被押圧部間の空間を広く確保して該空間に他の部材を配設することが可能となるという効果がある。
【0116】
請求項29の発明は、請求項1の発明において、吸盤とカードとの間に介在するシャフトを備え、スイッチ機構は、固定接点と、可動接点と、該可動接点が一端側に設けられた接触ばねとで構成され、カードは、接触ばねを押圧する接触ばね押圧部が形成され、接触ばね押圧部の先端はシャフトのセンタからずらしてあるので、接触ばねを駆動する駆動点をカードの形状により最適化することが可能となるという効果がある。
【0117】
求項30の発明は、請求項15の発明において、スイッチ機構は、固定接点と、可動接点と、該可動接点が一端側に設けられた接触ばねとで構成され、各カード保持用ピンは、樹脂により形成され、カードは、一対の挿通孔それぞれに挿入された各カード保持用ピンの先端を溶かすことによりシャフトと結合され、カードは、接触ばねを押圧する接触ばね押圧部と、該溶けた樹脂を逃がすための樹脂逃げ用溝とが形成されているので、溶けた樹脂がカードの接触ばね押圧部に回り込むのを防止することができ、接触ばね押圧部による接触ばねのリフト量が変動するのを防止することができるという効果がある。
【0119】
請求項31の発明は、請求項の発明において、枠体は端子板の一部が圧入される圧入部が側面に形成され、端子仮保持用リブは、円柱状の形状であって、圧入部に圧入される端子板に接触する位置に形成されているので、組み立て時に端子体が動くのを防止でき、また、端子仮保持用リブが円柱状に形成されていることにより、端子と端子仮保持用リブとが線接触するから端子板をスムーズに圧入することができ、組み立て性を良くすることができるという効果がある。
【0120】
請求項32の発明は、請求項1の発明において、枠体は、端子板の一部を支持する端子板受け部が側面に形成されているので、端子板に生じる力を枠体によって受け止めることができ、端子の信頼性を高めることができるという効果がある。
【0121】
請求項33の発明は、請求項1の発明において、少なくとも枠体及び遅延素子及び端子を収納するケースを備え、枠体は、ケース内において鎖錠ばねが倒れるのを防止する錠ばね倒れ防止用リブが形成されているので、組み立て時に鎖錠ばねを配置した後に鎖錠ばねが倒れるのを防止でき、組み立て性が向上するという効果がある。
【0122】
請求項34の発明は、請求項1の発明において、少なくとも枠体及び遅延素子及び端子を収納するケースを備え、ケースは、枠体及び遅延素子及び端子が収納される後端側のボディと、操作部が突出する前端側のカバーとで構成され、枠体は、ボディに圧接されているので、組み立て時に枠体の位置がずれるのを防止することができ、組み立て性が向上するという効果がある。
【0123】
請求項35の発明は、請求項1の発明において、カードと吸盤との間に介在するシャフトを備え、枠体は、カードが挿入されるとともにシャフトを囲み、且つ、復帰ばねのばね力に抗して復帰ばねを仮保持する復帰ばね仮保持用リブが形成されているので、組み立て時に復帰ばねのばね力によってカードがシャフトから離れるのを防止することができ、カードとシャフトとを容易に結合することが可能となり、組み立て性が向上するという効果がある。
【0125】
請求項36の発明は、請求項1の発明において、操作部のセット動作に連動して回動しカードを移動させるアームを備え、前記枠体は、カードの移動をガイドするガイド部が形成されるとともに、アームの干渉を避ける段差が設けられているので、ガイド部の長さを短くすることなしにアームの動作スペースを確保することができるという効果がある。
【0126】
請求項37の発明は、請求項1の発明において、少なくとも枠体及び遅延素子及び端子が納装されるケースを備え、ケースは、枠体及び遅延素子及び端子が収納される後端側のボディと、操作部が突出する前端側のカバーとで構成され、枠体は、ボディへの逆挿入を防止する逆挿入防止リブが形成されているので、枠体をボディに対して逆方向に挿入するトラブルの発生を防止することができるという効果がある。
【0127】
請求項38の発明は、請求項1の発明において、少なくとも吸盤及び被吸着体が収納される素子用ケースを備え、枠体は、素子用ケースにおいて復帰ばねが配置される前面側に後面側が結合され、後面以外の部位に成型時におけるゲート跡を有するので、枠体のゲート跡により素子用ケースの前面と枠体の後面との間に隙間が生じるのを防止することができ、組み立て寸法が狂うのを防止することができるという効果がある。
【0128】
請求項39の発明は、請求項1の発明において、少なくとも吸盤及び被吸着体及びカード及び復帰ばねにより構成される遅延素子と端子とが納装されるケースと、吸盤が被吸着体に吸着した状態において吸盤と被吸着体との間に形成される内部空間へ連通する空気流通経路に配設される空気透過部材とを備え、ケースにおいて遅延素子が収納される遅延素子収納部の幅をケースにおいて端子が収納される端子収納部の幅よりも大きくしてあるので、吸盤の大きさを大きくすることにより、吸盤の寸法ばらつきによる遅れ時間の変動を少なくすることができ、同一遅れ時間を実現する場合に空気の透過係数の大きな空気透過部材を用いることができるから、透過係数のばらつきによる遅れ時間の変動も抑制することができるという効果がある。
【0129】
請求項40の発明は、請求項1の発明において、復帰ばねが配置される側を前面側とし少なくとも吸盤及び被吸着体が収納される素子用ケースと素子用ケースの後面側に配設される防塵用のフィルタを備え、フィルタは、フッ素系繊維材料により形成されているので、フィルタの平均孔径を1μm以下にすることができ、しかも耐環境性に優れ且つ空気抵抗の低いフィルタを実現することができるという効果がある。
【0130】
請求項41の発明は、請求項40の発明において、フィルタは、粘着テープにより素子用ケースに結合されているので、組み立て時にフィルタを素子用ケースに容易に且つ気密的に装着することができ、素子用ケースとフィルタとの結合力を高めることができるという効果がある。
請求項42の発明は、請求項40又は請求項41の発明において、フィルタは、素子用ケースの後面の開口部を塞ぐように素子用ケースの後面側に結合されているので、素子用ケースを密閉構造とすることができ、吸盤と被吸着体との間に塵や埃などの異物が侵入するのを防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示し、(a)はオフ状態の平面図、(b)はオフ状態の断面図である。
【図2】同上を示し、オフ状態の側断面図である。
【図3】同上を示し、(a)はオン状態の平面図、(b)はオン状態の断面図、(c)は背面図である。
【図4】同上の分解斜視図である。
【図5】同上に用いる揺動体の斜視図である。
【図6】同上を示し、カバーを取り外した状態の平面図である。
【図7】同上に用いる遅延素子の分解斜視図である。
【図8】同上の要部断面図である。
【図9】同上の要部斜視図である。
【図10】同上に用いる吸盤ブロックを示し、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)は側断面図である。
【図11】同上に用いる吸盤ブロックの要部を示し、(a)は断面図、(b)は(a)の要部Dの拡大図である。
【図12】同上に用いる吸盤ブロックの要部断面図である。
【図13】同上に用いる吸盤ブロックの他の構成例を示す要部断面図である。
【図14】同上に用いる吸盤ブロックの他の構成例を示す平面図である。
【図15】同上に用いる素子用ケースを示し、(a)は正面図、(b)断面図、(c)は背面図、(d)は(c)の要部Cの拡大図である。
【図16】同上に用いる遅延素子の一例を示し、(a)は断面図、(b)は(a)の要部Bの拡大図である。
【図17】同上に用いる遅延素子の一例を示す断面図である。
【図18】同上に用いる被吸着体を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図19】同上に用いる被吸着体の説明図である。
【図20】同上に用いる空気透過部材の一例を示す正面図である
【図21】同上に用いる空気透過部材の他の例を示す正面図である。
【図22】同上に用いる遅延素子の他の構成例を示す断面図である。
【図23】同上に用いるカードを示し、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は側断面図である。
【図24】同上に用いる枠体を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は背面図、(d)は側面図である。
【図25】同上に用いる枠体の要部を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図26】同上に用いる枠体の要部の他の例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図27】同上における枠体と復帰ばねとの位置関係を示し、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図28】同上に用いるフィルタを示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は背面図である。
【図29】同上の要部説明図である。
【図30】実施形態2を示し、(a)はオフ状態の平面図、(b)はオフ状態の断面図である。
【図31】同上を示し、オフ状態の側断面図である。
【図32】同上を示し、(a)はオン状態の平面図、(b)はオン状態の断面図、(c)は背面図である。
【図33】同上の分解斜視図である。
【図34】同上に用いる揺動体の斜視図である。
【図35】同上を示し、カバーを取り外した状態の平面図である。
【符号の説明】
1 ケース
23 吸盤ブロック
23b 吸盤
23d 空気透過部材圧入部
24 被吸着体
25 フィルタ
26 カード
26c 接触ばね押圧部
26e 空気取込口
27 復帰ばね
32 空気透過部材
611 〜614 鎖錠ばね
63a 端子板
64a 固定接点
63c 端子板
70 接触ばね
72 可動接点
90 ハンドル

Claims (42)

  1. 操作部と、操作部のセット操作に連動して移動する吸盤と、該吸盤と共動してスイッチ機構を開閉するカードと、該移動した吸盤を吸着保持する被吸着体と、吸盤が被吸着体から離れる方向に吸盤を付勢する復帰ばねと、スイッチ機構が電気的に接続される端子とを備え、操作部によるセット解除操作時には、吸盤の被吸着体への吸着力と復帰ばねのばね力とのバランスにより吸盤が被吸着体から離れるまでに遅れ時間があるようにし、少なくとも吸盤及び被吸着体及びカード及び復帰ばねにより構成される遅延素子の要所を囲む枠体を備え、端子は、スイッチ機構が電気的に接続され且つ外部電線が接続される端子板と、端子板に外部電線を圧接接続する鎖錠ばねとで構成され、枠体は、端子板を仮保持する端子仮保持用リブが操作部側の前端部に形成されて成ることを特徴とする遅れスイッチ。
  2. 吸盤が被吸着体に吸着した状態において吸盤と被吸着体との間に形成される内部空間へ連通する空気流通経路に配設される空気透過部材を備え、吸盤に連結され空気透過部材が内部に圧入される筒状の空気透過部材圧入部を有することを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  3. 吸盤は、空気透過部材が導入される筒状の空気透過部材導入部を有し、空気透過部材導入部の内面は導入口側にテーパが形成されて成ることを特徴とする請求項2記載の遅れスイッチ。
  4. 吸盤は、空気透過部材を圧入する筒状の空気透過部材圧入部を有し、空気透過部材圧入部の内面は圧入口側にテーパが形成されて成ることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の遅れスイッチ。
  5. カードと吸盤との間に介在するシャフトを備え、吸盤とシャフトとは一体成形されて成ることを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  6. 吸盤が被吸着体に吸着した状態において吸盤と被吸着体との間に形成される内部空間へ連通する空気流通経路に配設される空気透過部材を備え、吸盤は、軸方向においてシャフトとオーバーラップしない部位に空気透過部材が内部に圧入される筒状の空気透過部材圧入部が形成されて成ることを特徴とする請求項5記載の遅れスイッチ。
  7. カードと吸盤との間に介在する筒状のシャフトを備え、シャフトは軸方向においてカード側の端面への吸盤の一部の回り込みを防止する回り込み防止手段が設けられて成ることを特徴とする請求項記載の遅れスイッチ。
  8. 吸盤は、空気透過部材圧入部の圧入口側に空気透過部材を仮保持可能な空気透過部材仮保持空間が形成されて成ることを特徴とする請求項記載の遅れスイッチ。
  9. 吸盤は、被吸着体に吸着する吸着部と空気透過部材圧入部とが連続一体に形成され、吸着部と空気透過部材圧入部との連結部の外側面が滑らかな凹状に形成されて成ることを特徴とする請求項2記載の遅れスイッチ。
  10. カードと吸盤との間に介在する筒状のシャフトを備え、吸盤は、被吸着体に吸着する吸着部と空気透過部材圧入部とが連続一体に形成され、吸着部と空気透過部材圧入部との連結部の外径がシャフトの外径よりも大きく形成されて成ることを特徴とする請求項2記載の遅れスイッチ。
  11. 少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、吸盤の吸着面側と素子用ケースの外側との間を仕切る吸盤カバーを備え、吸盤カバーと空気透過部材圧入部とが連続一体に形成され、吸盤カバーと空気透過部材圧入部との連結部の外側面が滑らかな凹状に形成されて成ることを特徴とする請求項2記載の遅れスイッチ。
  12. 吸盤は、吸着面以外の部位にパーティングラインが設けられて成ることを特徴とする請求項記載の遅れスイッチ。
  13. カードと吸盤との間に介在する筒状のシャフトを備え、シャフトの吸盤側の端面とシャフトの内周面の一部とが吸盤との接着部を構成して成ることを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  14. シャフトは、少なくともカード側の端面及び側面を除いた部位が吸盤の一部に当接されて成ることを特徴とする請求項記載の遅れスイッチ。
  15. カードと吸盤との間に介在するシャフトを備え、シャフトは、軸方向に略平行でカードを保持する2つのカード保持用ピンを有し、カードは、カード保持用ピンが挿入される一対の挿通孔が形成されて成ることを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  16. 空気透過部材は、空気透過部材圧入部の軸方向において吸盤側に配設されて成ることを特徴とする請求項記載の遅れスイッチ。
  17. 少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、吸盤の吸着面側と素子用ケースの外側との間を仕切る吸盤カバーとを備え、吸盤カバーは、開口された側の端部が全周にわたって素子用ケースに取り付けられて成ることを特徴とする請求項記載の遅れスイッチ。
  18. 少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、吸盤の吸着面側と素子用ケースの外側との間を仕切る吸盤カバーとを備え、吸盤カバーは、弾性力を有しカードの移動によって変形するものであって、素子用ケース内に収納され素子用ケースに対して該吸盤カバーの復帰力により密着シールされて成ることを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  19. 少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、吸盤の吸着面側と素子用ケースの外側との間を仕切る吸盤カバーとを備え、素子用ケースは、吸盤カバーの開口された側の端部が圧入される圧入部が形成され、吸盤カバーは、圧入部に圧接する複数の圧入用リブが形成されて成ることを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  20. 少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、吸盤の吸着面側と素子用ケースの外側との間を仕切る吸盤カバーとを備え、吸盤カバーは開口された側の端部に素子用ケースに圧入される圧入用リブが形成され、且つ、吸盤カバーは、開口された側の端面が素子用ケースに密着シールされて成ることを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  21. 少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、吸盤の吸着面側と素子用ケースの外側との間を仕切る吸盤カバーとを備え、吸盤カバーは、素子用ケースに対する装着位置決め用リブが形成されて成ることを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  22. 被吸着体は、フッ素樹脂により形成されて成ることを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  23. 復帰ばねが配置される側を前面側とし少なくとも吸盤及び被吸着体を収納する素子用ケースと、素子用ケースの後面側に結合される防塵用のフィルタとを備え、素子用ケースは、被吸着体が圧入される圧入部が後部に形成されて成ることを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  24. 素子用ケースの形状は、後面が開口した直方体状であって、被吸着体は、8角柱状の形状に形成されて成ることを特徴とする請求項23記載の遅れスイッチ。
  25. 被吸着体は、吸盤が吸着される被吸着面が該被吸着面の基準平面に対して±0.02mmの平面間に収まることを特徴とする請求項記載の遅れスイッチ。
  26. 吸盤は、空気透過部材が圧入される筒状の空気透過部材圧入部を有し、空気透過部材は、柱状であって軸方向の両端部に面取り部が形成されて成ることを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  27. 枠体は、カードが挿入されてカードの移動をガイドし、カードは枠体への逆挿入を防止する逆挿入防止用リブが形成されて成ることを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  28. 操作部のセット動作に連動して回動しカードを移動させるアームを備え、カードは、アームにより押圧される一対の被押圧部を有する略コ字形であって、被押圧部は、互いに対向する側に先端ほど相互間の距離が大きくなるようなテーパが形成されて成ることを特徴とする請求項記載の遅れスイッチ。
  29. 吸盤とカードとの間に介在するシャフトを備え、スイッチ機構は、固定接点と、可動接点と、該可動接点が一端側に設けられた接触ばねとで構成され、カードは、接触ばねを押圧する接触ばね押圧部が形成され、接触ばね押圧部の先端はシャフトのセンタからずらしてあることを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  30. スイッチ機構は、固定接点と、可動接点と、該可動接点が一端側に設けられた接触ばねとで構成され、各カード保持用ピンは、樹脂により形成され、カードは、一対の挿通孔それぞれに挿入された各カード保持用ピンの先端を溶かすことによりシャフトと結合され、カードは、接触ばねを押圧する接触ばね押圧部と、該溶けた樹脂を逃がすための樹脂逃げ用溝とが形成されて成ることを特徴とする請求項15記載の遅れスイッチ。
  31. 枠体は端子板の一部が圧入される圧入部が側面に形成され、端子仮保持用リブは、円柱状の形状であって、圧入部に圧入される端子板に接触する位置に形成されて成ることを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  32. 枠体は、端子板の一部を支持する端子板受け部が側面に形成されて成ることを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  33. 少なくとも枠体及び遅延素子及び端子を収納するケースを備え、枠体は、ケース内において鎖錠ばねが倒れるのを防止する錠ばね倒れ防止用リブが形成されて成ることを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  34. 少なくとも枠体及び遅延素子及び端子を収納するケースを備え、ケースは、枠体及び遅延素子及び端子が収納される後端側のボディと、操作部が突出する前端側のカバーとで構成され、枠体は、ボディに圧接されて成ることを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  35. カードと吸盤との間に介在するシャフトを備え、枠体は、カードが挿入されるとともにシャフトを囲み、且つ、復帰ばねのばね力に抗して復帰ばねを仮保持する復帰ばね仮保持用リブが形成されて成ることを特徴とする請求項記載の遅れスイッチ。
  36. 操作部のセット動作に連動して回動しカードを移動させるアームを備え、前記枠体は、カードの移動をガイドするガイド部が形成されるとともに、アームの干渉を避ける段差が設けられて成ることを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  37. 少なくとも枠体及び遅延素子及び端子が納装されるケースを備え、ケースは、枠体及び遅延素子及び端子が収納される後端側のボディと、操作部が突出する前端側のカバーとで構成され、枠体は、ボディへの逆挿入を防止する逆挿入防止リブが形成されて成ることを特徴とする請求項記載の遅れスイッチ。
  38. 少なくとも吸盤及び被吸着体が収納される素子用ケースを備え、枠体は、素子用ケースにおいて復帰ばねが配置される前面側に後面側が結合され、後面以外の部位に成型時におけるゲート跡を有することを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  39. 少なくとも吸盤及び被吸着体及びカード及び復帰ばねにより構成される遅延素子と端子とが納装されるケースと、吸盤が被吸着体に吸着した状態において吸盤と被吸着体との間に形成される内部空間へ連通する空気流通経路に配設される空気透過部材とを備え、ケースにおいて遅延素子が収納される遅延素子収納部の幅をケースにおいて端子が収納される端子収納部の幅よりも大きくして成ることを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  40. 復帰ばねが配置される側を前面側とし少なくとも吸盤及び被吸着体が収納される素子用ケースと素子用ケースの後面側に配設される防塵用のフィルタを備え、フィルタは、フッ素系繊維材料により形成されて成ることを特徴とする請求項1記載の遅れスイッチ。
  41. フィルタは、粘着テープにより素子用ケースに結合されて成ることを特徴とする請求項40記載の遅れスイッチ。
  42. フィルタは、素子用ケースの後面の開口部を塞ぐように素子用ケースの後面側に結合されて成ることを特徴とする請求項40又は請求項41記載の遅れスイッチ
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