JP3674997B2 - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコン単結晶の製造方法に関し、詳しくは、CZ法により引き上げられるシリコン単結晶における直胴部上端(直胴部の上端部、以下同じ)の酸素濃度低下を達成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CZ法(Czochralski 法)によるシリコン単結晶の製造方法は、種結晶をルツボ内のシリコン融液に浸漬し、次いで特定直径の種絞りを行い、絞り部(種絞り部分)を引き上げて該絞り部の単結晶を無転位化し、その後コーン部の成長を経て目標の直径を有する直胴部を成長することにより、無転位のシリコン単結晶を得るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のCZ法では、直胴部全体の酸素濃度を目標値にするべく成長条件を設定した場合に、直胴部上端の酸素濃度が直胴部全体の平均酸素濃度に比べて高くなるという問題があった。
【0004】
直胴部上端の酸素濃度を低くして目標の値にするための対策として、直胴部上端を成長する際のルツボ回転数を、直胴部の他の部分を成長する際の値より低くすることが考えられる。
しかし、この方法ではルツボ回転数が低いために、ルツボ内のシリコン融液の対流が抑制されず、絞り部に接触している融液が急に温度上昇し、絞り部の結晶成長が起こるどころか逆に結晶の溶解が起こり、絞り部自体が切断してしまうため、単結晶の引上げ操作を継続することができなくなるという、重大なトラブルが発生することがあった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、その目的は、絞り部からコーン部までの成長条件を制御することにより、シリコン単結晶引上げ中の絞り部切断の発生率増加を伴うことなく、直胴部上端の酸素濃度低下を達成することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のシリコン単結晶の製造方法は、ルツボの側壁を加熱ヒータにより加熱し、引上げ軸に取り付けた種結晶をルツボ内のシリコン融液表面に浸漬し、不活性ガスをシリコン融液表面に向けて供給し、ルツボを回転させるとともに、種結晶を回転させつつ引き上げることにより絞り部、コーン部、直胴部の順に成長するシリコン単結晶の製造方法において、絞り部の成長工程では、炉内圧力、ルツボ回転数について、直胴部上端を成長する際の設定値より高い一定値に設定するとともに、コーン部の成長工程では、前記設定値を直胴部上端を成長する際の設定値まで漸次低下させるか、または、絞り部の成長工程では不活性ガス流量について、直胴部上端を成長する際の設定値より低い一定値に設定するとともに、コーン部の成長工程では、前記設定値を直胴部上端を成長する際の設定値まで漸次増加させることを特徴とするものである。なお、前記「炉」は、「引上げ室」または「チャンバー」とも呼ばれる。
【0007】
【発明の実施の形態】
前記絞り部の成長工程では炉内圧力、整流筒内の不活性ガス流量、ルツボ回転数の制御を行うが、その態様としては、
(1)炉内圧力のみを制御するもの、
(2)整流筒内の不活性ガス流量のみを制御するもの、
(3)炉内圧力および整流筒内の不活性ガス流量を制御するもの
(4)整流筒内の不活性ガス流量およびルツボ回転数を制御するもの
(5)炉内圧力およびルツボ回転数を制御するもの
(6)炉内圧力、整流筒内の不活性ガス流量およびルツボ回転数を制御するものが挙げられる。
【0008】
本発明者の検討によれば、直胴部上端の酸素濃度に係る上記問題点の発生原因は、シリコン単結晶の絞り部から直胴部上端までの引上げを同一の成長条件で行っていたことにあることが分かった。すなわち、CZ法により絞り部、コーン部、直胴部の順に成長するシリコン単結晶の製造工程について考えると、コーン部の成長工程では、シリコン単結晶の引上げに伴いシリコン単結晶の直径が増大するため、ルツボ内の固液界面すなわち、シリコン単結晶とルツボ内シリコン融液の界面の面積が広がるのと同時に、シリコン融液が不活性ガスと接触する面積が減少する。
【0009】
このため、ルツボの直上に設けた整流筒により整流した不活性ガスをシリコン融液表面に向けて供給しながらコーン部の成長を行う場合、炉内圧力または炉内への不活性ガスの供給量を一定に維持したときには、シリコン融液表面からのSiOの単位時間当たりの蒸発量および、シリコン単結晶へ単位時間当たりのSiOの溶解量が、引上げ時間の経過とともに大きく変化する。
たとえば、炉内圧力を一定にした場合、シリコン融液と不活性ガスとの接触面積の減少に伴って、シリコン融液表面からのSiOの単位時間当たりの蒸発量が減少し、そのためコーン部の軸方向における酸素濃度分布では、下部ほど酸素濃度が高くなる傾向を示す。
【0010】
また、不活性ガスの供給量を一定にした場合、シリコン融液表面の単位面積当たりの不活性ガス供給量の増大により該単位面積当たりのSiO蒸発量は増大するものの、シリコン融液と不活性ガスとの接触面積の減少の効果が大きいため、融液表面全体としては、上記と同様にコーン部の軸方向における酸素濃度分布では、下部ほど酸素濃度が高くなる傾向が見られる。
【0011】
さらに、ルツボの直上に設けた整流筒により整流した不活性ガスをシリコン融液表面に向けて供給した場合、ルツボの直上に整流筒を設けることなく不活性ガスをシリコン融液表面に向けて供給した場合のいずれにおいても、ルツボ回転数を一定にしたときには、コーン部の外周部とシリコン融液との接触面積の増大により、同じくコーン部の軸方向における酸素濃度分布では、下部ほど酸素濃度が高くなる傾向を示す。
【0012】
以上のように炉内圧力、不活性ガス供給量またはルツボ回転数を一定にしてコーン部の成長を行う従来法では、該コーン部の下部ほど酸素濃度が高くなり、これらが直胴部上端の酸素濃度に影響を及ぼす結果、直胴部上端における前述の問題点が発生するものと推察される。
【0013】
本発明では、絞り部の成長工程において、炉内圧力については直胴部上端を成長する際の炉内圧力の1.1〜2.0倍に設定すること、整流筒内の不活性ガス流量については直胴部上端を成長する際の不活性ガス流量の0.5〜0.9倍に設定すること、ルツボ回転数については直胴部上端を成長する際のルツボ回転数の1.1〜3.0倍に設定することが好ましい。
【0014】
コーン部の成長工程において、前記設定値を直胴部上端の成長工程における設定値まで漸次低下または増加させるに際しては、前記設定値を、コーン部の引上げ長さに比例して低下または増加させることが好ましい。
【0015】
本発明においては炉内圧力、不活性ガス流量、ルツボ回転数制御することで、直胴部上端の酸素濃度の低下が達成される。また本発明では、絞り部の成長工程におけるルツボ回転数を直胴部上端の成長工程におけるルツボ回転数よりも大きくすることで、ルツボ内融液の対流が安定し、絞り部が接触しているシリコン融液の温度がより均一になるため、シリコン単結晶引上げ中の絞り部切断の発生率が従来法に比べて低下する。
【0016】
本発明において、絞り部の成長工程における炉内圧力、整流筒内の不活性ガス流量またはルツボ回転数と、直胴部上端の成長工程におけるそれぞれの値との比を上記のように設定するのは、コーン部の成長工程における各設定値の低下または増加速度が速すぎると、ルツボ内の固液界面すなわち、シリコン単結晶とルツボ内シリコン融液との界面の温度変化速度が速くなりすぎ、その結果、結晶の成長が不安定となって、有転位化するなどの問題が発生するからである。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例、本発明による試験例および従来法による比較例について、図面を基に説明する。
実施例1
図1は、シリコン単結晶引上げ装置の要部構造を示す概略断面図である。この引上げ装置においてステンレス製の円筒状チャンバー1内に、内周側が石英からなり外周側が黒鉛からなるルツボ2が、鉛直方向に設けた支持軸3で支持されている。ルツボ2の周囲には、炭素材からなる円筒状の加熱ヒータ4が配備され、この加熱ヒータ4の周囲には同じく炭素材からなる円筒状の断熱材5が配備されている。
前記支持軸3(従ってルツボ2)は、制御機構を備えた回転駆動装置(図示せず)により回転可能、かつ回転数が微調整可能となっている。前記加熱ヒータ4は、制御機構を備えたおよびスライド機構(図示せず)により上下動可能、かつ上下方向の位置が微調整可能となっている。
【0018】
ルツボ2の直上、かつチャンバー1内に、チャンバー1と同心状に不活性ガスの整流筒6が垂下配備されている。この整流筒6は、引上げ中のシリコン単結晶22を同軸に囲繞し、上端がチャンバー1の天井中央の開口部に気密に結合し、下端がルツボ2内のシリコン融液の液面近傍に位置している。チャンバー1の上方には、ステンレス製の円筒状プルチャンバー7が、チャンバー1と同心状に連結して設けられ、これらチャンバー1とプルチャンバー7との接続部には、アイソレーションバルブ8が配備されている。プルチャンバー7は、引き上げられたシリコン単結晶を収容し、かつ外部に取り出すための空間を形成している。
【0019】
プルチャンバー7の上方には、巻上げ装置(図示せず)が配備され、この巻上げ装置からはワイヤー9が吊下され、その回転数は増減可能となっている。また、このワイヤー9の下端には種保持治具10により種結晶11が取り付けられている。プルチャンバー7の上部にはAr等の不活性ガスの供給口12が、チャンバー1の底部には不活性ガスの排気口13がそれぞれ設けられている。この排気口13は真空発生装置(図示せず)に連絡され、チャンバー1およびプルチャンバー7内を所定の圧力に維持するとともに、所定流量の不活性ガスを整流筒6に供給できるようになっている。なお、図1において21はシリコン融液、22は引上げ途中のシリコン単結晶である。
【0020】
〔試験例1〕(ルツボ回転数の制御による効果の検討)
図1の装置を使用し、本発明に従い下記条件で直径6インチ、全長19インチのシリコン単結晶を19本引き上げた。
(1)ルツボ回転数の設定
▲1▼絞り部成長工程:12rpm
▲2▼コーン部成長工程:12〜8rpm
▲3▼直胴部成長工程:8〜12rpm(直胴部成長開始時では8rpm、直胴部成長終了時では12rpm)
(2)ルツボ回転数の漸減操作は図2に示すように行った。すなわち▲2▼,▲3▼ではルツボ回転数をシリコン単結晶の引上げ長さに比例して増加させた。図2においてNは絞り部、Cはコーン部、Bは直胴部であり、直胴部上端は直胴部Bにおけるコーン部直近部分を意味する。
(3)炉内圧力:100mbar(一定)
(4)炉内不活性ガス流量:100Nl/min(一定)
【0021】
〔比較例1〕
図1の装置を使用し、従来法により試験例1と同一寸法のシリコン単結晶を31本引き上げた。この場合、絞り部から直胴部上端までの引上げを同一の成長条件で行うとともに、直胴部全体の酸素濃度を目標値にするべく成長条件を設定した。すなわち、絞り部・コーン部成長工程におけるルツボ回転数を8rpm(一定)に設定し、直胴部成長工程におけるルツボ回転数は8〜12rpm(直胴部成長開始時では8rpm、直胴部成長終了時では12rpm)とした。それ以外の条件は試験例1と同一にした。
【0022】
〔試験結果〕
(1)引上げ成功率
試験例1では95%(絞り部の切断発生が19本中1本)、比較例1では65%(絞り部の切断発生が31本中11本)であった。
(2)シリコン単結晶中の酸素濃度および、軸方向の酸素濃度分布
試験例1、比較例1とも直胴部上端の酸素濃度および、直胴部の軸方向酸素濃度分布を常法により調べた。この場合、図3に示す所定の箇所(a点〜e点)でシリコン単結晶を、その軸線に直交する面に沿って切断した。
結果を[表1]および図3に示す。図3中、点b〜eについての結果はそれぞれ、各結晶について、ウエーハ中心部の測定値を平均したものである。また、酸素濃度の単位はatoms/ccである。
【0023】
【表1】
(直胴部上端の酸素濃度)
Figure 0003674997
【0024】
実施例2
図4は、シリコン単結晶引上げ装置の別例を示す要部の概略断面図である。この装置の全体構造は図1の装置と同様であるが、整流筒6の下端にカラー31を設けた点で相違している。
すなわち、この整流筒6は、引上げ中のシリコン単結晶22を同軸に囲繞し、ルツボ2内のシリコン融液21表面に向けて垂下する円筒体であって、この円筒体の上端はチャンバー1の天井中央の開口部に気密に結合し、かつ、この円筒体の下端に、外側上方に向かって拡開されたカラー31を有するものである。
このカラー31は、図5に示すように倒立直円錐台状のものであるが、図6に示すように倒立椀状に形成してもよい。なお、図4において32は引上げ軸、33は観察用窓である。
【0025】
上記構造の整流筒6を用いることにより、次のような作用効果が得られる。
(1)引上げ中のシリコン単結晶22がルツボ2内のシリコン融液21および加熱ヒータ4から受ける輻射熱がカラー31により遮断され、シリコン単結晶22の熱履歴を広範囲に制御することができる。
(2)従来技術ではSiOからなるアモルファス凝集体がチャンバー1の天井中央部やルツボ2の上端部に付着し、これがシリコン単結晶22とシリコン融液21との界面近傍に落下してシリコン単結晶22の有転位化や多結晶化が発生する問題があったが、ルツボ2内のシリコン融液21表面上の空間がカラー31により制限されるため、該表面上での不活性ガスの滞留が減少し、前記アモルファス凝集体の発生が防止されるので、上記問題が発生しなくなる。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、絞り部からコーン部までの成長条件を制御することにより、シリコン単結晶引上げ中の絞り部切断の発生率増加を伴うことなく、直胴部上端の酸素濃度低下を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による試験例および従来法による比較例に使用した、シリコン単結晶引上げ装置の要部構造を示す概略断面図である。
【図2】試験例1におけるシリコン単結晶の成長条件を示すグラフである。
【図3】試験例1および比較例1の結果を示すグラフである。
【図4】本発明を実施するのに好適なシリコン単結晶引上げ装置の別例を示す要部概略断面図である。
【図5】図4の装置に配備した整流筒下端部のカラーの一例を示す斜視図である。
【図6】カラーの別例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 チャンバー
2 ルツボ
3 支持軸
4 加熱ヒータ
5 断熱材
6 整流筒
7 プルチャンバー
8 アイソレーションバルブ
9 ワイヤー
10 種保持治具
11 種結晶
12 不活性ガスの供給口
13 不活性ガスの排気口
21 シリコン融液
22 シリコン単結晶
31 カラー
32 引上げ軸
33 観察用窓

Claims (11)

  1. ルツボの側壁を加熱ヒータにより加熱し、引上げ軸に取り付けた種結晶をルツボ内のシリコン融液表面に浸漬し、ルツボの直上に設けた整流筒により整流した不活性ガスをシリコン融液表面に向けて供給し、ルツボを回転させるとともに、種結晶を回転させつつ引き上げることにより絞り部、コーン部、直胴部の順に成長するシリコン単結晶の製造方法において、絞り部の成長工程では炉内圧力について、直胴部上端を成長する際の設定値より高い一定値に設定し、コーン部の成長工程では、前記炉内圧力の設定値を直胴部上端の成長工程における設定値まで漸次低下させることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. ルツボの側壁を加熱ヒータにより加熱し、引上げ軸に取り付けた種結晶をルツボ内のシリコン融液表面に浸漬し、ルツボの直上に設けた整流筒により整流した不活性ガスをシリコン融液表面に向けて供給し、ルツボを回転させるとともに、種結晶を回転させつつ引き上げることにより絞り部、コーン部、直胴部の順に成長するシリコン単結晶の製造方法において、絞り部の成長工程では整流筒内の不活性ガス流量について、直胴部上端を成長する際の設定値より低い一定値に設定し、コーン部の成長工程では、前記不活性ガス流量の設定値を直胴部上端の成長工程における設定値まで漸次増加させることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  3. ルツボの側壁を加熱ヒータにより加熱し、引上げ軸に取り付けた種結晶をルツボ内のシリコン融液表面に浸漬し、ルツボの直上に設けた整流筒により整流した不活性ガスをシリコン融液表面に向けて供給し、ルツボを回転させるとともに、種結晶を回転させつつ引き上げることにより絞り部、コーン部、直胴部の順に成長するシリコン単結晶の製造方法において、炉内圧力については、絞り部の成長工程において、直胴部上端を成長する際の設定値より高い一定値に設定するとともに、コーン部の成長工程において、前記炉内圧力の設定値を直胴部上端の成長工程における設定値まで漸次低下させ、整流筒内の不活性ガス流量については、絞り部の成長工程において、直胴部上端を成長する際の設定値より低い一定値に設定するとともに、コーン部の成長工程において、前記不活性ガス流量の設定値を直胴部上端の成長工程における設定値まで漸次増加させることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  4. ルツボの側壁を加熱ヒータにより加熱し、引上げ軸に取り付けた種結晶をルツボ内のシリコン融液表面に浸漬し、ルツボの直上に設けた整流筒により整流した不活性ガスをシリコン融液表面に向けて供給し、ルツボを回転させるとともに、種結晶を回転させつつ引き上げることにより絞り部、コーン部、直胴部の順に成長するシリコン単結晶の製造方法において、整流筒内の不活性ガス流量については、絞り部の成長工程において、直胴部上端を成長する際の設定値より低い一定値に設定するとともに、コーン部成長工程において、前記不活性ガス流量を直胴部上端の成長工程における設定値まで漸次増加させ、ルツボ回転数については、絞り部の成長工程において、直胴部上端を成長する際の設定値より高い一定値に設定するとともに、コーン部の成長工程において、前記ルツボ回転数の設定値を直胴部上端の成長工程における設定値まで漸次低下させることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  5. ルツボの側壁を加熱ヒータにより加熱し、引上げ軸に取り付けた種結晶をルツボ内のシリコン融液表面に浸漬し、ルツボの直上に設けた整流筒により整流した不活性ガスをシリコン融液表面に向けて供給し、ルツボを回転させるとともに、種結晶を回転させつつ引き上げることにより絞り部、コーン部、直胴部の順に成長するシリコン単結晶の製造方法において、絞り部の成長工程では炉内圧力およびルツボ回転数について、直胴部上端を成長する際の設定値より高い一定値に設定し、コーン部の成長工程では、前記炉内圧力およびルツボ回転数の設定値を直胴部上端の成長工程における設定値まで漸次低下させることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  6. ルツボの側壁を加熱ヒータにより加熱し、引上げ軸に取り付けた種結晶をルツボ内のシリコン融液表面に浸漬し、ルツボの直上に設けた整流筒により整流した不活性ガスをシリコン融液表面に向けて供給し、ルツボを回転させるとともに、種結晶を回転させつつ引き上げることにより絞り部、コーン部、直胴部の順に成長するシリコン単結晶の製造方法において、炉内圧力およびルツボ回転数については、絞り部の成長工程において、直胴部上端を成長する際の設定値より高い一定値に設定するとともに、コーン部の成長工程において、前記炉内圧力およびルツボ回転数の設定値を直胴部上端の成長工程における設定値まで漸次低下させ、整流筒内の不活性ガス流量については、絞り部の成長工程において、直胴部上端を成長する際の設定値より低い一定値に設定するとともに、コーン部の成長工程において、前記不活性ガス流量の設定値を直胴部上端の成長工程における設定値まで漸次増加させることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  7. 前記絞り部の成長工程では前記炉内圧力を、直胴部上端の成長工程における炉内圧力の1.1〜2.0倍に設定することを特徴とする請求項1,3,5または6に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  8. 前記絞り部の成長工程では前記整流筒内の不活性ガス流量を、直胴部上端の成長工程における不活性ガス流量の0.5〜0.9倍に設定することを特徴とする請求項2,3,4または6に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  9. 前記絞り部の成長工程では前記ルツボ回転数を、直胴部上端の成長工程におけるルツボ回転数の1.1〜3.0倍に設定することを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のシリコン単結晶の製造方法。
  10. 前記コーン部の成長工程において、前記設定値を直胴部上端の成長工程における設定値まで漸次低下または増加させるに際し、前記設定値を、前記コーン部の引上げ長さに比例して低下または増加させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一つの項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  11. 前記整流筒は、引上げ中のシリコン単結晶を同軸に囲繞し、かつルツボ内のシリコン融液表面に向けて垂下する円筒体であって、該円筒体の上端は炉の天井中央の開口部に気密に結合し、該円筒体の下端には、外側上方に向かって拡開されたカラーを有するものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のシリコン単結晶の製造方法。
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